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つつみしんやのひとりごと 2009年 
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2009.2.1

廊下に立ってなさい!

小学校1年生の時のこと。

担任は、小山先生。

授業中、私は、鼻と上唇の間に鉛筆をはさんでいた。

それを見つけた先生は、私にこう言った。

「そのまま、廊下に立っていなさい!」

ちなみに、私が廊下に立たされたのはこれが最初で最後だ。

廊下に出た私は、誰も見ていないにもかかわらず、

鼻と上唇の間に鉛筆をはさみ続けた。(マジメ)

そのうち、チャイムが鳴り、休み時間に入った。

私がなぜ廊下に立たされたか、分かっていないクラスメートや、

そもそも、廊下に立たされていること自体、理解していないクラスメートは、

私に近づき、「何、してんの?」 と訊いてきた。

さすがに、休み時間で廊下に皆が出ていて、

恥ずかしい私は、(実際、唇が疲れてきてたんだけど)

わざと鉛筆を落としながら、

「先生に言われたから」 と答えて、立ち続けた。


やがて、またチャイムが鳴り、次の授業が始まった。

「廊下に立っていなさい」 を解除されていない マジメな私は、

なおも、鉛筆を鼻と上唇の間にはさみながら、廊下に立ち続けた。

しかし、私を立たせたことを忘れてしまったのか、

授業が始まっても席に着かない私にようやく気付いた先生は、

廊下に顔を出し、こう言った。

「何をしてんの? 早く座りなさい!」


ねぇ、頼むからさ、命令したら、解除してよね。

こちとら、融通が利かないマジメなガキなんだから。


小山先生も、生きておられたら、60代か・・・

先生、もしこれを読んでいたら、メールください。

読んでないっちゅうねん!





2009.2.2

誰も守ってくれない

予告編を観た時から、興味を持っていた作品 「誰も守ってくれない」。

昨日は、映画の日だったから、ちょっと混んでいた。

殺人事件の加害者の妹と、マスコミから彼女を守る刑事の物語。

先々週 (公開前日)、TV でスペシャルドラマを放送したのを観た。

スペシャルドラマは、映画の題材になった事件の4ヶ月前を舞台にしていて、

ラストシーンが、映画のオープニングにつながっている。

いきなり映画を観た方より、このドラマを観てから映画を

観た人の方が、より楽しめただろうし、理解できただろうと思う。

例えば、カウンセラー役の木村佳乃。

映画では彼女と勝浦刑事 (佐藤浩市)の関係が描かれていないので、

患者と先生の関係、と言われても良く分からない。

ドラマを観ていれば、その辺も疑問がない。

佐藤の右手が時々、震えるのだが、これもそのわけは

スペシャルドラマの中で描かれている。

また、勝浦刑事や三島刑事(松田龍平)セリフのいくつかは、

そのドラマを観た人だけが、背景を理解することができる。

だから、私はそのドラマを観ていて 良かったと思った。

でも、このスペシャルドラマ、最初から企画があったわけではなく、

映画を撮り始めてから、佐藤浩一と松田龍平のコンビが面白くて、

出てきたアイディアらしい。

でも、後から出てきたアイディアにしては、上手く出来すぎてるから、

最初から、考えていたのかも。

刑事のコンビものといえば、『相棒』 がヒットしたが、

私は、この佐藤、松田コンビのドラマや映画を もっと観てみたい。

佐藤浩一って、若いときそんなに良いと思わなかったけど、

去年の 「マジック アワー」 も良かったし、最近、とても良いと思う。

松田龍平も やる気はないけど 仕事はできる刑事 を見事に演じている。

是非、シリーズ化を望む。

というか、これきっとやるよ。

脚本と監督が、『踊る大捜査線』 シリーズの君塚良一だし、

映画には、シリーズ化出来そうなネタが、素人目にもいくつかあったし。


前置きが長くなった。

映画の感想を。

良い映画だと思う。

まず、役者陣が素晴らしい。

佐藤浩一はもちろん、加害者の妹役、志田未来、

係長の佐野史郎、別の事件の被害者遺族、柳葉敏郎と

石田ゆり子、新聞記者の佐々木蔵之介、カウンセラーの

木村佳乃、そして佐藤の相棒、松田龍平、とみんな良い。

なんか、ピンと来なかったのは、志田未来の彼氏役の

冨浦智嗣ぐらいかな。

この人のこと、知らなくて、最初、女の子だと思った。


今作は、難しいテーマを扱った作品で、

ハッピーエンドではないし、救いもない。

でも、絶望でもなく、私は希望を見た。

というか、希望を見せて映画は終わる。

でないと、やりきれないもんね。

映画では、犯人逮捕からの数日間を描いているので

加害者の家族は、これから後の方が大変だろうと思う。

ちょっと、過剰な演出かと思う場面もいくつかあったが、

実際に自分の知らない世界で何が起こっているのかは、

分からないので、そういうことも本当にあるのかも知れないし、

問題提起のためには、分かりやすくて良いのだろう。

それにしても、マスコミやネットへの一部の心無い人達の書き込みには、

映画だと分かっていても、気分が悪くなった。

加害者の家族を描いた作品は、『手紙』 があったが、

それとは 違う切り口で、考えさせられる良い作品だ。


私の前に座っていた二人連れが、映画の半分ぐらいで

席を立って出て行った。

面白くないのかな、と思ったが、

実際の被害者の家族が、見ていて不愉快で途中で席を立ったと

あるレビューに書かれていた。

昨日 席を立った人たちが、そうかどうか分からないが、

他人の行動の裏には 自分が思いもつかない動機がある可能性が

あることに、ハッとさせられた。




アフタースクール

大泉洋 主演。

佐々木蔵之介、堺雅人、常盤貴子と、実力派キャストが共演。

これは、予備知識なしで観た方が、絶対面白いと思うので

内容には触れないけど、エンディングがすごく好きだなあ。

それに、見終わってから、色々確認したくなって、

もう一度 観たくなる映画だ。

エンドロールの後にも付け足しでちょっとしたエピソードが

流れるので最後の最後まで観ること。

大石吾朗が、議員役で出てるんだけど、役柄のせいか

すごくふてぶてしいおっさんになっていて、びっくりした。

大石吾朗 といえば、私たちの世代では、

『コッキーポップ』 のさわやかな司会者だもんね。





2009.2.3

SOUL MEETING

目黒の Jay J’s Cafe に Guitarist 高嶋 宏が

出演するので観て来た。

「高嶋宏 ソウルミーティング」 というのは、グループ名だろうか、

今日の LIVE のタイトルだろうか。

メンバーは、高嶋宏 (gt)、Q・いしかわ (ts)、西川直人 (org)、

吉岡大輔 (dr)。

ブルージィな演奏の似合う人で、今日も Blues や、

「Mercy,Mercy,Mercy」 などが特にゴキゲンだった。

やっぱり、オルガンとギターって、いいなあ。

一度、オルガンと演奏したいなぁ。





2009.210.

睡 魔

1〜2年前まで、なかったことなのだが、

最近、時々、映画館で映画を鑑賞中、眠くなる。

それは、映画がつまらないから、というわけではない。

たぶん、睡眠が充分足りていないことが多いのだろうが、

それにしても以前には なかったような気がする。

私が覚えている限り、30代で途中で寝てしまった映画は1本だ。

でも、その時は、徹夜明けだったり、映画が面白くなかったり、と

自分で納得できる理由があったのだ。

最近は、ちょっと違う。

これは、年齢の問題なのだろうか。

40代半ばで、そんな老人みたいなこと、自分でも言いたくないのだが。


眠くなった時、がんばって乗り越えられる時もあるのだが、

もう、意識がもうろうとし出し、ほぼ気を失うかのように

(たぶん)数分間〜10分ぐらい、寝てしまう。

そうすると、後半は、しっかり観られるのだ。

そう、「後半」と書いたように、眠くなるのは決まって前半だ。

もう一つ、考えられる理由は、映画を観るのが 食後であることだ。

映画に限らず、LIVEを観にいっても お腹いっぱいで

おまけに酔っ払っていたりすると、演奏を聴きたいのに、

強烈な睡魔に襲われることがある。

充分に睡眠をとって、食べすぎ、飲みすぎに気をつけろってことだな。


昨日、『ジャージの二人』 という、鮎川誠 と 堺雅人 が出ている映画を

観に行ったのだが、始まってしばらくして、強烈な睡魔がやってきた。

しばらくは、指でまぶたを開けてがんばっていたが、

(そこまでせんでええやろ)

目が開いていても、頭がストップしているので、

降参して 少し、寝た。

寝たのは たぶん10分ぐらいだと思う。

後半は、すっきりして観終えたのだが、

(えっ?もう終わり?) というぐらい、短く感じた。

(もしかしたら、30分ぐらい寝てしもたんやろか) と思ったが、

映画自体が90分ほどの映画だったので、短く感じたんだと

自分に言い聞かせた。

なので、映画の感想は、あまり書けない。

でも、面白かった。

堺雅人って、なんとなく 太川陽介 に似てない?

先週観た 『アフタースクール』 では、思わなかったけど、

昨日は すごく思った。

ルイルイ。





2009.2.14

が〜まるちょば

楽しみにしていた約1年ぶりの 「がーまるちょば」 のLIVEに行って来た。

「がーまるちょば」 は、サイレントコメディを見せる日本人2人組み。

日本よりも海外での評価が高いらしい。

今回も期待を裏切ることなく、素晴らしいショーを見せてくれた。

なんだろう。

説明できないのだが、あまりの素晴らしさに感動する。

日本でも徐々に知名度が上がって来ているようだが、

周りの人に聞くと知らない方もまだ多い。

ホントに素晴らしいと思うので、是非ナマでご覧になってほしい。

たまにTVに出ているが、TVでは、彼らのスゴサは伝わらない。

2時間たっぷり、是非LIVEで体験して欲しい。

といっても、今回のツアーは、もう、チケットは、売り切れている。

今回は、初の日本縦断ツアーとのことだが、この後、5月に

彼らは、New York での公演が決定している。


知らない方は、YouTubeで 「が〜まるちょば」 と入れてみてね。





2009.2.15

一流であること

今月号の雑誌 「Guitar Magazine」 にギタリスト Pat Metheny の

インタビューが載っている。

彼は、いくつかのプロジェクトで演奏しているのだが、

インタビュアーの 「特にやりがいのある活動は?」 という問いに

こう答えている。

  「最近、子供の友達のパーティで、『ハッピー・バースデイ』 を

  プレイすることになった。そのために、スタジアムで1万人の

  オーディエンスのためにプレイする時とまったく同じように、

  2時間ウォームアップしたよ。

  プレイする機会は、どんな場合でも僕にとっては等しく

  貴重なものであり、常に光栄に思うんだ。」

先日、これを読んで感動したのだが、今日、たまたまTVで

同じような言葉に出会った。

それは、『ソロモン流』 という番組で、

東京・表参道にあるレストラン 「BENOIT」 の料理長を務める

小島景さんに密着したドキュメンタリーだった。

その中で、高級食材のフォアグラを仕込む彼に、

番組スタッフが、 「今、どんな心境ですか?」 と質問する。

その質問の意図を測りかねたように、彼はこう答えた。

  「材料が、ニンジン1本だろうが、フォアグラだろうが、

  『おいしくしてやる』 っていう思いに違いはないですよ」

また、彼の師であり、フランス料理界の巨匠であるアラン・デュカスに

味見をしてもらう時に、同じように 「今、どんな心境ですか?」 と、

番組スタッフが質問する。

  「普通ですよ。誰に食べてもらう時でも、普段やっている味を

  食べてもらうわけですから、相手が誰でも特別なことはないです」


う〜む。

相手によって、自分が違ってしまう私は、まだまだだな、

と思ったのであった。





2009.2.18

無意識すぎ

朝、ある時刻の電車に乗ると、途中、武蔵小山駅で

急行の待ち合わせがあり、乗り換えた方が

目黒駅に早く着くので、その電車に乗ったときは、

必ず急行に乗り換えている。

と言っても、急行に乗り換えても一駅飛ばすだけなので、

たぶん、到着時間は、1〜2分しか違わないのだろうけど。

さて、今朝もその電車に乗った。

乗るときのことは、覚えている。

(武蔵小山駅で乗り換えなきゃ) と思った覚えがあるのだ。

次に意識があるのは、電車の中で、

「次は、目黒に停まります」 という車内アナウンスで

ハッとした。

(えっ?目黒? 武蔵小山は?)

そう、どうも私は 全く意識なく武蔵小山で急行に

乗り換えたようなのだ。

いつもなら、乗り換え時に

(どの扉から乗ろうか) とか

(ここは混んでいるから隣にしよう) とか考えるので

はっきりと 意識があるのだ。

しかし、今日は全くない。

武蔵小山で電車を降りた記憶も、ホームで急行を待った記憶も、

急行に乗った覚えも、全くない。

もしかしたら、本当に乗り換えていないんじゃないか?

瞬間移動で、急行の中に入ったんじゃないか、

いや、停まるはずのない急行に はじめから乗ったんじゃないか、

と超常現象ではないかと、本気で考えたほど。

例えば、(家の鍵を閉めてきたっけ) とか、

(ストーブ消してきたっけ) というようなことは、

たまにあるが、それらは行為が一瞬のことなので、

無意識に行動していても 記憶がないのは うなづける。

でも、今日の場合は、1〜2分の行為なのだ。

その間、何を考えていたかも 思いつかない。

どっかに行ってたんだろうか・・・

『トワイライトゾーン』 のテーマ曲が聞こえてきそうだ。

いや、『ウルトラQ』 の方が合ってるな。





2009.2.19

アキレスと亀

北野武 監督作品。

面白かったけど、ちょっと難解で、メッセージを受け取り損ねた感じ。

才能のない画家 (北野武) と、彼を支える妻 (樋口可南子) の物語。

「アキレスと亀」 というのは、アキレスと亀が競争して、

足の速いアキレスが永遠に亀を追い越せない、というパラドクスの話。

映画の最後に、「アキレスが亀に追いついた」 とテロップが出るが、

イマイチ、よく分からないのだ。

ネットで、他人のレビューを読んで、理解の助けをもらっても、

ピンとは来ないほど、難解。

また、妻が最後に本当の幸せをつかんだ、と どこかで読んだのだが、

それも、イマイチ分からない。

樋口可南子は、『明日の記憶』 でも妻役が素晴らしかったので

期待したが、もうちょっと彼女の良さを観たかった感が残った。

ゾクッとしたのは、北野武 演じる 倉持真知寿 の子供時代を

映画の前半で、吉岡澪皇 という子役が演じているのだが、

後半、中年になった真知寿の表情に その子供時代の面影が

あることだ。

これは、すごい。

あと思ったのは、才能がないのに芸術を続けることは、

悲惨で、迷惑だ、ということだ。

でも、本人は幸せなのかもしれない。

というか、彼の場合、それ以外の生き方がないんだけど。





2009.2.20

思ってはいけないこと

TVをつけたらちょうど イチローが映っていた。

もうすぐ始まる WBC について、

「メンバーの座を勝ち取りたい」 と話すイチローに

インタビュアーが、言った、

「(あなたが) メンバーからはずれることは、ないと思いますよ」

という言葉に、彼は こう答えた。

「私以外の誰が そう思ってもいいことです。

でも、私がそう思ってはいけない。

それが、(私という) 個人のスタンスです。」

非常に明確。

私が、彼の立場だったら、

「いやいや、そんなことないっすよ〜」 とか、

本当は、そうは思っていないのに、薄っぺらい謙遜の言葉をはきそうだ。

が、彼の言葉には、

自分が世間からどう見られているかを知っていて、

世間の人がどんな風に自分のことを見ようとも それは、

その人の自由であることを認めていて、

人 (自分)は、ついつい傲慢になってしまうことを知っていて、

その傲慢さが一番危険であることを知っている、

そんな いくえもの深さを感じた。

やっぱり、ちゃうなぁ。

一流は。




圧 巻

本日、発表の日本アカデミー賞。

『おくりびと』 が、なんと10部門を制覇。

最優秀作品賞
最優秀監督賞(滝田 洋二郎)
最優秀脚本賞(小山 薫堂)
最優秀主演男優賞(本木 雅弘)
最優秀助演男優賞(山ア 努)
最優秀助演女優賞(余 貴美子)
最優秀撮影賞(浜田 毅)
最優秀照明賞(屋 齋)
最優秀録音賞(尾崎 聡・小野寺 修)
最優秀編集賞(川島 章正)

良い映画だったけど、ここまで獲るとはすごい。

昨年、私が3度も映画館へ足を運んだ 『西の魔女が死んだ』 は、

何にもノミネートもされていない。

だから、どうだってことはないけど。

『おくりびと』 以外の受賞作は、

最優秀主演女優賞  木村 多江 『ぐるりのこと。』

これは、納得。

最優秀アニメーション作品賞 『崖の上のポニョ』

最優秀音楽賞 久石 譲 『崖の上のポニョ』

最優秀美術賞 桑島 十和子 『パコと魔法の絵本』

最優秀外国作品賞 『ダークナイト』

話題賞 (作品部門) 『容疑者Xの献身』

話題賞 (俳優部門) 松山 ケンイチ
    <対象作品>『デトロイト・メタル・シティ』


昨年は、多くの日本映画を観たおかけで、

ノミネート作品のほとんどを観ていたので、

今回の受賞は興味深い。





2009.2.22

LIVE 2 Days

昨日、今日と2日続けてのライヴ。

全く、違うタイプの音楽で。

まず、昨日は、Mellow Flavor

数曲ゲストに木本陽香(Vo)を迎えて、

渋谷センター街にある Bar ONYX へ出演。

私たちのライヴというより、Barの営業中のBGMという

つもりだったが、お客さんが少なかったせいか、

皆さん静かに聴いてくださった。

ありがとうございました。

良い雰囲気で演奏できました。

ONYX には、月1〜2回、土曜日に出演させて

いただくことになったので、良かったら来てください。

次回は、3月14日(土)。

演奏時間は、8時〜、9時〜、10時〜の3回の予定。

ミュージックチャージは、ありません。


そして今日は、いつもライヴでお世話になっている

原宿の bar dAZE のイベントでの演奏。

これは、ちょっと変わったイベントだ。

大阪からラーメンの修行に出て来ているヤジマ君に、

美容師のYさんが、ポンと10万円を差出し、

「これでお前の最高のラーメンを作ってみろ」 と言ったそうな。

で、それを bar dAZE のお客さんに食べてもらおうということになり、

そこへライヴもくっついた、というイベントだ。

ヤジマ君がラーメンを仕込んでいる間、

Vocal の Pico と私の久々のデュオで、古い歌謡曲や

ニューミュジックを聴いてもらおうというわけだ。

そして、もう一人、スティーヴというアメリカ人も弾き語りで3曲。

彼の選曲もスゴイ。

Otis の 「Dock Of The Bay」、彼のオリジナル曲(ロックっぽいカッコ良い曲)、

そして、「なごり雪」。

アメリカ人の歌う日本語の 「なごり雪」。

まあ、ジェロのおかげで、そういうのも珍しくないか。


で、肝心のラーメンはどうだったかというと、

あっさり、さっぱり系の醤油味で、例えば お酒を飲んだ後に

おいしく食べれる、といえば伝えわるかな。

20数人のお客さんにそんなイベントで試食してもらうわけだから、

作る彼の緊張も相当だっただろう。

彼が、以前勤めていたラーメン屋の店長もお客で来ていて、

そういうプレッシャーも。

一流のラーメン屋の大将になるためには、必要な良い経験だし、

独立する前に色んなことが経験できるのは、良いことだと思う。





2009.2.25

Corteo

昨年の 『ドラリオン』 に引き続き、今年も観てきたぞ。

“シルク・ドゥ・ソレイユ”。

今年の出し物は、『コルテオ』。

しかも、今回は友人がゲットした招待券で!

うたい文句に

「シルク・ドゥ・ソレイユ史上、もっとも詩的で贅沢な空間 『コルテオ』」

とあるように、確かに昨年の 『ドラリオン』 より、登場する人の数や、

舞台の仕掛けなどで、パワーアップしているような気がした。

芸はもちろん相変わらずスゴイ。

CG や VFX などで、刺激的な映像になれてしまっているが、

やはり、目の前で生身の人間が演じると迫力が違う。

いくつか、凄いのがあったが、

私が、一番素晴らしいと感じたのは、「デュオストラップ」 という演目。

男女の二人組みの演技で、天井からつるされたロープ2本に

どちらか一人がつかまって、もう一人がその身体にからまって、

地上5〜6メートルで、演技するというもの。(分かるかな?)

ロープは、手に固定されていない、巻きつけているだけだと思う。

手を放したら、落ちるのだ。(当たり前)

その状態で、すんごいことをやるのだ。

会場は、思わず 「おぅ!」 とか、「わぁ〜!」 とか 声が上がる。

私は、気がついたら、「こわ」 と、声を出していた。

それにしても、ひとつ間違うと、二度と舞台に立てないような

怪我をする危険のあるような、演技を毎日のように演じている彼ら。

ほんの少しの妥協や油断が命をも奪いかねない。

その緊張に満ちた、日々の鍛錬の上にあのパフォーマンスが

あるのだと思うと、自堕落な自分を戒めたくなった。


あと、やはり、音楽が生演奏というのがいい。

演技がうまくいかず、やり直したりすることもあるのだが、

そういう時も、生演奏なのでどんどん合わせていけるわけだからね。





2009.2.26

ボーダータウン

『ボーダータウン 報道されない殺人者』。

主演、ジェニファー・ロペス、共演、アントニオ・バンデラス。

実際の未解決の事件を基に作られた映画。

メキシコのフアレスという街で、この15年ほどの間に

500人もの女性がレイプされ、殺されたという。

しかし、それは、確認されている数字で、行方不明などを

いれると5000件とも推測されている。

アメリカの企業 (もしかしたら日本も?) が、工場を作り、

低賃金でメキシコ人女性を24時間体制で働かせ、

その結果、女性の深夜帰宅など、危険な状況が多くの被害者を

生み出している。

政府や警察は、半ば見て見ぬふり。

金と欲が全ての悲劇を生んでいる。

そして、事件が世界に報道されることもない。

この映画は、ある国では圧力がかかり、上映ができないという。

確かに、作品を観ると、

(えっ?メキシコ政府ってそんなにひどいの?

警察までそんなにひどいの?) と思ってしまう。

もし、作り話なら、名誉毀損で訴えられてもいいぐらいに描かれている。

しかし、映画製作自体に圧力がかかったりしたようなので、

ほとんど、事実なんだろう。


「世の中の80%の富を20%の人間が握り、

残りの20%のお金を80%の人間で分け合ってる」 というような

話を時々聞く。

そのたびに、自分は、20%のお金を分け合っている80%に属すると思う。

それは、日本だけを見ればそうかもしれないが、

世界を見れば、日本に生まれてこうして暮らせていること自体、

明らかに (世界中の) 20%に属している。

こんなに安全で、蛇口をひねれば飲める水が出てきて、

電気やガスや医療や交通が整備されている国は、世界にそう多くはない。

『ブラッド・ダイヤモンド』 もそうだったが、こういう社会派映画を観ると

ホントに日本は平和で安全で幸せな国だと思う。

だが、何かと比較して自分の幸せを確かめるのは、

何か違うような気がする。

今作の様な映画を観ても、果たして自分に何が出来るのかと、

問いかけても答えがない。

痛い、辛い映画だが、こういう作品を通して、

多くの人が事実を知ることが、

世界を変える第一歩なんだと思う。


ボーダータウン オフィシャルサイト





2009.2.27

ORITO

私の大好きなソウル・ナンバーのひとつに

「Let's Stay Together」 という曲がある。

1971年、アメリカはテネシー州メンフィスのハイ・レコードから

リリースされた、アル・グリーンの大ヒット曲だ。

プロデューサーは、ウィリー・ミッチェル。

ウィリー・ミッチェルは、グラミー賞も受賞したメンフォス・ソウル界のドンだ。


今から14年前、私は、ORITO という日本人シンガーの

デビューCD 「SOUL JOINT」 に出逢った。

本名、折戸都志郎。

1993年、彼は、メンフィスを訪れ、ウィリー・ミッチェルに

オーディションを申し込む。

あこがれの大物プロデューサーの前で歌うだけでも

夢がかなったようなもの。

が、彼は、ウィリーに認められ、なんとウィリー・ミッチェルの

プロデュースでデビューすることになる。

もちろん、日本人としては初の快挙だ。

そのアルバムで、「Let's Stay Together」 も歌っているのだ。

アルバム 「SOUL JOINT」 は、アメリカ、イギリスでも発売され、

メンフィスで行われたデビュー・ショウケイスの模様は

日本人としては初めてメンフィスの 「名誉市民」 として

認められたこともあり、CNNで全世界に配信された。

当時、私は、ORITO のその行動力と根性と才能に 感動し、あこがれた。

ちょうど、私が東京に出てきた年のことだ。

その後、2枚目のアルバムが出たことまでは、知っていたが、

ORITO の名前を見ることもなくなり、ほとんど忘れてしまっていた。

実際、2002年から数年間、彼は休養していたようだ。


今度、「Let's Stay Together」 を演りたいな、と思い、

アル・グリーンの CD を探したら、なんと持っていない。

(ああ、そういえば、ORITO も歌ってたなぁ) と ORITO の

「SOUL JOINT」 を引っ張り出し聴きながら、

何気なく、「ORITO」 と Google に入れてキーをたたいた。

検索された画面には、一番上に ORITO のオフィシャルサイトが

出ていたのだが、それより、2番目にあった、「訃報:ORITOさん」 という

文字が目に飛び込んできた。

知らなかった。

昨年2月23日に、大阪のホテルで亡くなっていた。

その記事は、シンガーの CHAKA のブログで、

なんと、その日、ORITO との ライヴのはずだったという。

前日、彼は元気にライヴをこなし、ホテルに帰り、

翌日、発見された時には、亡くなっていた。

急性心不全、43歳だった。

一度もライヴを見る機会がなかったが、この映像 (ORITO の

「Let's Stay Together」)
を観たら、、観たかったなぁと残念でならない。

そして、ライブで語られる、ウィリー・ミッチェルに

オーディションしてもらうまでの秘話。

この話は、知らなかった。

彼は命がけだったんだ・・・。


43歳か。

まだまだ歌いたかっただろうな。

合掌。


ORITO オフィシャルサイト


最後に、感謝の歌





2009.2.28

Memphis

昨日は、ORITO のことを書いた。

リンクを貼った YouTube の動画をご覧になった方は、

分かるだろうが、ウィリー・ミッチェルにオーディションを受ける

2年前 (1991年) にも彼は、観光で Memphis を訪れている。

今日は、Memphis のことを書こうと思う。

1985年、23歳のとき、私は一人でアメリカへ行った。

LA で出合った日本人の S さんと意気投合し、

2ヶ月間かけて、グレイハウンド (バス) で、アメリカ大陸を

横断したのだが、その時に、Memphis にも行ったのだ。

私のその旅行は、LA や San Francisco、NY のような観光地のほか、

Chicago、St. Louis、Nashville、New Orleans や Memphis など

American Music ゆかりの地を周る旅でもあった。

Memphis は、Elvis Presley の家があることでも有名だし、

Blues 発祥の地とも言われていて、BB King が若いとき、

街角で歌っていたなんて、話を聞き、凄く期待して行った覚えがある。


Memphis では安いモーテルに泊まった。

そこの若い黒人のメイド (男) と友達になった。

夜、彼が遊びに来いと言うので、彼の部屋へ行くと、

彼は、妹を私に紹介してくれた。

妹は、「20ドルで私を買って」 と言った。

私は、断った。

「私のこと嫌い?」

「いや、そうじゃない」

「じゃあ、なぜダメなの? 結婚しているの?」

「いや、独身だよ」

「ゲイなの?」

「違うよ」

「童貞?」

「違うよ〜」

これらの会話は、時々口頭で、行われ、

書いた方がうまく伝わりそうな時は、筆談だ。

その時、彼女より私の方がスラスラと英文を書けることに

驚いた。

そう、彼女はろくに学校にも行ってなかったようなのだ。

私は、

「自分は、アメリカ音楽が好きで、黒人音楽が好きで、

あこがれて、メンフィスまで来たのに、その黒人のキミに

そんなこと言われるのは、つらくて、悲しいんだ。

だから、キミを抱くことはできないんだ」 と、

言いたかった。

が、難しくて英語で言えるわけがない。

私は、訊いた。

「なんで、そんなにお金が欲しいんだ?」

「服や化粧品を買うの。24H開いてるスーパーがあるから、

今からだって買いに行けるわよ。あなたお金持ちでしょ。

日本から来てるんだから。」

私は、自分は貧乏旅行だと説明した。

そして、彼女に財布の中に入っていた、十数ドルを差し出した。

彼女は、それを奪い取るように受け取った。

これが、アメリカの現実を見た、私の Memphis の思い出だ。


ひとりごと  ひとりごと