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 つつみしんやのひとりごと 
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不思議な妻

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ESSAY
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BOOK 1 2

ENGLISH 1 2

Shop & Restaurant

1  2
  3

音楽活動とギター
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16
17 18 19

落語  13-14  15
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2019.1.13

映画『みんなの学校』
木村泰子 元校長先生 講演会


2015年3月に『みんなの学校』という
ドキュメンタリー映画
を観た。
大阪市住吉区にある不登校児がいないという、
公立の小学校で、こんな学校があるのかと
驚いたものだった。
当時、校長を務めておられたのが木村先生だった。

今日は、その木村先生の講演会に行ってきた。
主催は、アイアイ・スクールという妻たちの
グループだが、昨年、妻たちは偶然、
木村先生と出会い、この講演会にまで辿りついた。
木村先生の教育理念と、アイアイスクールが
広めようとしている「SQ教育」が一致したのだ。

講演の内容は、予想・期待をはるかに上回る
素晴らしいもので、全国から講演の依頼が
なくならないというのも全くうなづける。

映画『みんなの学校』の番外編というか
裏話のような話も聴けたし、
木村先生の人柄も魅力的だった。
笑いの中に深さのあるトークは、
一貫性のあるブレない考え方から
来ているのは明確で、
いつまでも聴いていたいような、
ホントに素晴らしい講演だった。

原稿を用意せず登壇して、その場で
出てくることを話す、という木村先生。
もちろん、膨大な経験、そこで培われた話術、
その引き出しの多さ、臨機応変さなどが
あってこそ、原稿なしで大勢の人の前に
立てるわけだが、ふと一流ジャズ・プレイヤーが、
曲目を決めずステージに上がることを連想した。
どちらも、「今」を大事にし、
聴衆とのコラボで創りあげているからね。

木村先生が講演活動を続けておられても
日本の教育現場の状況は、
そんなに簡単には変わらない。
古い価値観、古いやり方、考え方が
そう簡単に変革されるわけではない。

何を隠そう、今日の講演を聴いて、
私がその古い考え方(昭和の教育の結果)の
固まりであるということを思い知らされ、
少々ショックでもあった。

「正解はない」なんて、充分知っているつもりで、
正解を求める大人を半ばバカにしていたけど、
私自身が、まだまだ無意識に正解があると
思っていることを発見しビックリ。
こりゃ、まだまだですわ。

木村先生が、普通だと思っていることを
私は、まだまだ普通だと思っていない。
どこかで特別なことと(知らないうちに)
決めてかかっている。
まずは、その認識を変えることから始める
必要があると思ったのでした。

本も数冊出版されているので読んでみよう。


みんなの学校





2019.1.12

喜望峰の風に乗せて
THE MERCY


コリン・ファース、レイチェル・ワイズ
主演の映画『喜望峰の風に乗せて』。
コリン・ファースが、1968年にヨット
世界一周レースに参加した実在の
ドナルド・クローハーストを演じる。
レイチェル・ワイズはその妻役。

ランチにワインを2杯飲んで
ほろ酔い気分だったせいか、予告編を
観ている間に眠気に襲われ、寝てしまった。
気が付いたのは、ドナルドが海に出て
嵐に襲われるシーン。
嵐で音がデカくなったので目が覚めた。
始まってから、30~40分は経っていただろう。

レースに参加する前の背景などを
観られなかったわけで、感想を書くのも
ためらいがないわけではないが、
一緒に観た妻に前半部分の説明も聞いた上で
書くことにする。

主人公のドナルドは、航海中に2つの
大きな決断をするのが、それがどうも解せない。
共感できないのだ。
2つ目の決断は、特に。
あまりにも身勝手な感じがするのだが、
何カ月も海の上で独りぼっちだったら、
正気を保つのは難しいのも分かる気がする。
(そういう描写もあった。)

ラストを観て、もう一度最初から観たいと
思ったら観に行くのだけど、
そこまでは思わなかった。

邦題も良くない。
原題は『The Mercy』。
「慈悲」とか「情け深い心」とかいう意味だが、
映画の中では「救い」と訳されていた。
『喜望峰の風に乗せて』という言葉からくる
イメージの映画ではなく、ネタバレになるが
そもそも喜望峰まで辿りついてもいない。
では何というタイトルだったら良かったのかと
訊かれると困るけど『喜望峰の風に乗せて』は
ないやろと思った。

人のダークサイドに焦点を当てたのは、
分かるけど、なぜ、この人の映画を作ったのか、
テーマというかメッセージもよく分からなかった。

実在の人物なので、
家族はどう思っているんだろう。


★評価は なし







それだけが、僕の世界
KEYS TO THE HEART


本日の2本目。
久しぶりの韓国映画。
イ・ビョンホン主演の
『それだけが、僕の世界』。

これは良かった。
かなり、泣きました。

子供の頃、母親に捨てられた元プロボクサー、
ジョハ(イ・ビョンホン)が、
偶然、母親と再会する。
母親はの息子と二人で暮らしていた。
その息子はジョハの弟だが、
彼はサヴァン症候群で、ピアノの天才だった。

ジョハを捨てた母親は、DV の夫から
命からがら逃げたのだが、
子供のジョハは、捨てられたとしか思えない。
そんなジョハの辛さ、寂しさを
イ・ビョンホンが見事に演じている。
母親役のユン・ヨジョンも素晴らしい。

そして、弟ジンテ役のパク・ジョンミンが凄い。
自閉症、サヴァン症候群、ピアノの天才という
難しい役をまるでドキュメンタリーを
観ているかと思わせるほどの演技。
ピアノは、撮影3ヶ月前からの特訓だと
オフィシャルサイトに書いてあったけど、
実際に弾いているようにしか見えなかった。
韓国の俳優のレベルは高いと言われるのも
納得のキャスト。
そのほかの脇役の皆さんもみんな良い。

ひとつだけ、腑に落ちなかったのは、
ジョハが、カナダに行こうとしたところ。
(どうせ行かないのに)と分かり切っている
展開だったけど、今書きながら、
ジョハも迷っていたのかなと思った。

大いに泣いて、大いに笑えます。


★★★★★








2019.1.11

UIN
KING’s Birthday Party 2019




昨年8月に台風が来ているにもかかわらず
1st ライヴを成功させた UIN(ユーイン)。
Vo の和田"KING"明が1月(4日)生まれと
いうことで、今日は、「バースデイ・パーティ」と
銘打ってのライヴに行ってきた。

曲は、半分以上カバーとスタンダードで
オリジナルはやや少な目な印象。
J-Pop から Jazz まで、岡村靖幸から
マイケル・ジャクソンまでなんでもOKなバンドだ。
『東京は夜の7時』『接吻』
『だいすき』『カルアミルク』
『But Not For Me』『Close To You』
『Skylark』『Rock With You』など。
オリジナルは『深海魚』『オレのパンクロック』
『スニーカーは似合わない』など。
タイトル未定 新曲も。
アンコールは、『D.G.D』

サポートメンバーは、マニュピレーターの
桂 尚文は前回と同じ。
この人、今日はアルト・サックスも吹いた。
ベースとドラムは、前回とは違うメンバー。
ドラムの大津惇(まこと)は、
初めて観た思うけど、気持ち良いドラムだった。

明は、上京して4年経ったという。
今ではアルバイトも辞め、音楽だけで
生活できるようになったらしい。
毎年毎年、日本中からミュージシャンを
目指して東京に若者が集まっている。
その中で、音楽を本当に生業に出来る人は、
ほんのわずかだ。
それだけ、厳しい世界であり、
音楽の才能だけではない "何か" も
問われる世界だと思う。

明が、まだ鹿児島にいる時に1000枚
作ったという『イレブン』という CD がある。
リリースは、2014年だ。
もうとっくに売り切れたのだけど、
数ヶ月前に配信で手に入ることを発見した。
聴いてみると、東京でのこの4年間に
彼の歌が大きく成長したことが分かり、
とても興味深かった。
私が出会ってからの2年の間にも、
Motion Blue や JZ Brat に出演し、
布川俊樹さんや MALTA さんのホール
コンサートのゲストとして出演したりした。
これからもっともっとビッグになってくだろう。


[ MEMBERS ]
【UIN】
和田 "KING" 明(vo)
梅田和利(g)
小美野 慧(key)
Support:
勝矢 匠(b)
大津 惇(ds)
桂 尚文(mani, sax)

@ JZ Brat
(入替なし)







2019.1.8

恵比寿と鯨



写真は、恵比寿(渋谷区東2丁目)にある
「改良湯」という銭湯の外壁に描かれた鯨。
高さは5メートルぐらいある。
なんで、鯨なんだろうと思ったら、
説明書きがあった。

鯨は漁業の神様で、「恵比寿様は鯨の化身」と
考えられていたという。
それで、恵比寿では2013年から、毎年
「烏帽子鯨祭」なるものが開催されているのだという。
知らんかった。

なぜ鯨が神様なのか。
日本では古くから「寄り鯨の到来で
七浦が潤う」と言われたそうな。
つまり、浅瀬に迷い込んだ鯨一頭で
七つの漁村の暮らしが潤ったというのだ。
人々にそれほどの恵みを与えたので、
神様だったのだな。

この「改良湯」。
名前の通り、お湯にはこだわっているようで
肌や髪にやさしい軟水のお風呂とのこと。
12月にリニューアルオープンしたばかりのようだが、
創業は大正5年(1916年)というから
100年以上の歴史のある老舗だ。

そういえば、しばらく銭湯に行ってないなぁ。
最後に行ったの4~5年前かな。

20代の時に住んでいた東大阪の家賃1万7千円の
アパートにはお風呂がなかったけど、
隣りが銭湯で、朝の6時から深夜の3時まで
営業していたので、とても便利だった。
ほぼいつでも入れたからね。
当時の銭湯の料金は、250円ぐらいだったかなぁ。
今は460円(東京)。(大阪は、440円)

小さい頃(50年ぐらい前)は、
頭を洗う日は、10円ぐらい多めに
払っていたような記憶がある。
昔は、毎日洗髪しなかった。
毎日、シャンプーすると禿げるとか言うて。
そんなんと関係なく禿げるわい!





2019.1.7

なんで?

先日、某所で暖かい飲み物を
買おうとした自動販売機。



同じ「午後の紅茶ミルクティー」が、
なぜか110円と120円で売っていた。
珍しいでしょ。





2019.1.6

自分を大きく扱おう

クリスマスの連休中、
都内の某書店に立ち寄った時のこと。
店内の一部で、スピーカー一体型の
オーディオ・プレーヤーの展示販売をやっていた。

ビクターの EX-B3 という機種で、
スピーカーのコーンが紙ではなく、
木で出来ている。



コーンが木で出来ているスピーカーは、
前から知っているし、音も量販店で
聴いたことがあって、
良い音だというのは知っていた。

で、特に興味があったわけでもないのに
何気なくその商品が目に留まり
立ち止まった瞬間、オジサンが横に立って、
説明を始めていた。

そして、「この音を聴いてみてください」と
ブライアン・ブロムバーグが弾く、
コントラバスの CD をかけてくれた。

ぶっ飛び。
とても、9cmのスピーカーから
出ている音とは思えないのだ。
オーディオマニアでもなく、それほど
耳が良いわけでもない私にもハッキリ分かる。
とたんにオジサンの話しに吸い込まれていく私。

なんでも、こだわって作った製品のため、
量産出来ず、量販店に卸すこともなく、
対面販売でしか売っていないのだという。
今回も(何日そこでやっているか知らないけど)
限定5台で、すでに3台売約済みだという。

特許が20以上(正確には27件)あり、
本体の底には、ギターのように響棒(きょうぼう)
(ブレーシングのこと、力木ともいう)まで
取り付けられていて、まるで楽器なのだ。
売り文句は「オーディオを『楽器』に変えた逸品」。

サックスやピアノ、DVD のサウンドも
聴かせてもらったが、とにかくコントラバスの
音が最高だった。

すっかり魅せられた私は、
気が付いたら、「欲しい!」と言っていた。

問題は値段だ。
オジサンは、こちらが訊くまで値段を言ってくれない。
思わず前のめりに「いくらですか?」と訊く私。

オジサン曰く「オーディオマニアの方は、
100万円ぐらいの音だと言ってくださいますが、
276,000円(税抜)です。」

う~ん、微妙。
50万とか100万とか言ってくれたら、
諦めもつくのに微妙に手が届く値段。

その時は、時間がなかったので、とりあえず
「明日来ます。売切れてたら、縁がなかったと
諦めます」と売り場を離れた。

帰宅後、気になったので、ググってみると、
本当にオジサンの言っていた通りのようだった。
あまりの音の良さに衝動買いしてしまった人の
ブログがいくつもあった。

ああいう風にオーディオ売り場でもない所で
展示販売形式をとっているということは、
たまたま出会ってしまった人が、
衝動買いするというパターンがほとんどみたい。
でも、皆、買って満足している様子。
ある意味、上手い商売だ。

一晩、寝て翌日決めようと思ったが、
翌日になっても、あまり「やめとこう」と
いう気が起こらない。
これは、買うしかないか。
でも、どこに置こう?
あかん、置くとこ考えてるやん。

で、試しにカードを引いてみた。
このカードは、「アイアイ・カード」という
妻の会社が売っているものだが、
毎日、自分がどう生きるかのヒントにするための
オラクル・カードだ。
私は、毎日引くわけではないが、
気が向いた時に引くと結構面白いメッセージが出る。

で、出たカードが・・・



「自分を大きく扱う」・・・

買えっていうことやん!

そして、年末に届きました!



おまけでもらった CD もグッド。
「xrcd24」という最新技術で制作された
特別な CD で、めちゃリアルな音です。



ちょっと残念なのは、(DVDは再生できるけど)
Blu-ray が再生できない。
これは、テレビとデジタルで繋げたので、
音は出せたのでまあ良い。
あと USBメモリー で MP3、WMA、WAV は
再生できるけど、AAC に対応していない。
私の音楽データのほとんどは、AAC なので
これは、残念だけど仕方がない。
CD は データにしたら、処分する方向だけど、
これからは、MP3 にするか、WAV でも保存するかな。


1BOXウッドコーン・システム<EX-B3>





2019.1.5

MARCUS MILLER
SPECIAL BASS CLINIC

Supported by Sire Japan


昨日は、お昼の12:30から、
ブルーノート東京で「マーカス・ミラー
スペシャル・ベース・クリニック」に参加。
これは、マーカスの公演を予約した人対象に
抽選で招待(無料)される特別なイベントなのだが
応募したところラッキーにも当選。
「ベース・クリニック」だけど、
マーカスの話を直接聴けるんだから、
こんな貴重な機会はそうそうない。



「Supported by Sire Japan」ということで
マーカスが監修した Sire のベースの
デモも兼ねていたようだ。
一昨日のライヴのレビューに、
「Fender と音があからさまに違う」と
いうようなことを書いたのだけど、
どうしてどうして、結構ええ音でした。
昨日は、Fender を弾かなかったので、
比べなかったからか、それとも Sire 用に
セッティングされていたのか、はたまた
一昨日の感想は私の思い違いか、
その辺はよく分からないけど、
十分に使える楽器であることは
アピールされており、一緒に行った妻までが
Sire Bass を欲しくなった、と
訳の分からないことを申しておりました。
あれが、7~8万で手に入るなら安いと思う。
昨日のクリニックで売ってたわけちゃうけど、
来てた人の10人以上は買うんちゃうかな。
私も Sadowsky のベースを持っていなかったら、
買ってしまうと思う。

Sire Bass の開発ストーリーは、
Fender とマーカスのからみも聴けて
興味深かった。
そのあと、Sire Bass のデモ演奏を
兼ねたインストラクション。
質疑応答と Julian Pollack (key)、
Alex Bailey (ds) を交えての 演奏。
簡単なパターンの演奏なのに、カッコええ。
マーカスの音作り(ベースのボリュームや
トーン・コントロール)の説明では、
色んなトーンや弾き方のデモも見れて
面白かった。

「どんな練習をすればリズムが良くなりますか?」
という質問に対しては、(ルーパーやドラム
マシーンと合わせて)「練習あるのみ」という答え。
それしかないよな。
ティーンの頃、オマー・ハキムとやっていた
バンドの練習の話とか貴重な話も聴けた。

マーカスは、まだまだ続けたそうだったけど、
マネージメントサイドの都合か、
強制終了の感じ。
それでも「60-70minの予定」とあったところ、
75分ぐらいやってくれたよ。
展示用のベースの音を聞きたいので
弾いて欲しいという、半ば無茶ぶりな
リクエストにも快く応じてました。
ええ人です。


Sire Bass




アリー/スター誕生
A STAR IS BORN


映画『A Star Is Born』は、4度目の
リメイクということだが、前3作は観ていない。
この4度目リメイク版は、当初 ビヨンセ主演、
クリント・イーストウッド監督という予定だったが、
二転三転し、イーストウッド監督は、
主役にエスペランサ・スポルディングを構想したと
いう記述もあった。
それは、それで観てみたいな。
結局、ブラッドリー・クーパーが出演と監督デビュー、
主役アリー役には、レディー・ガガとなった。

さて、本作、劇中のレディー・ガガの歌が
素晴らしいと評判だが、それは確かだ。
でも、映画としてどうだったかと訊かれると
ちょっと期待していたほどではなかった。
もう、レディー・ガガの映画になってしもてて、
売れない歌手アリーの成功物語には
思えないのだ。
こういう映画には、無名だけどメチャクチャ
歌が上手い歌手や役者を使って欲しいな。
まあ、レディー・ガガを使った方が、
お客さんは入るのは分かるけど。

(以下、ネタバレ含む。)
アリーの鼻がデカくて、レコード会社に
相手にされないという設定なのだけど、
私から見ると、全然デカくないし、
スッピンでも美人だし、この設定には
説得力なかったな。
アメリカ人にしたら、あの鼻デカいのか?

それから、ブラッドリー・クーパー演じる
ジャクソンとアリーが恋に落ちていく様子も
あんまりピンと来ないし、
ジャクソンが、アリーと結婚して
酷いアル中になっていくのも共感できない。
もともと酒好きだったのは、分かるけど、
惚れた女と結婚して幸せなはずなのに、
酒に溺れていくほどの苦悩が伝わってこない。
アリーが脚光浴びることへの嫉妬とも思えない。
そうだとしても伝わってこない。
そして、最後に自ら命を絶つのも、
よく分からない。
もちろん、自殺する人の苦しさは、
分かりようがないのだけど、
アル中を克服して、やっと家に戻って来られたのに
アリーのマネージャーにあれくらい言われた位で、
死んでしまうのか。
そこも彼の苦しさが伝わってこないのだ。
という風に、ジャクソンに感情移入が出来ず、
中途半端な印象を否めない。
これは、脚本の問題でしょうかね。
(脚本は、ブラッドリー・クーパーほか
2名がクレジットされている。)

あと、アリーの歌を1回聴いただけで、
翌日のコンサートにちゃんとバンドで
アレンジした上、ぶっつけ本番でアリーに
歌わせるというのも、ちょっとおとぎ話やなぁ。

ブラッドリー・クーパーは、
歌も上手かったし、酔ってる時としらふの時と
顔つきが違ったし、中々良かったんやけどね。
ジャクソンの兄のボビー役の
サム・エリオットも渋くて良かった。

マニアックなことだが、アリーの自宅の
ベッドルームの壁に『Tapestry』のLPが
飾ってあったのは、ええ演出やなぁ。
2014年にアメリカのグラミー賞が主催する
「MusiCares Person of the Year」を
キャロル・キングが受賞した記念コンサートを
収録した『A Musicares Tribute To Carol King』
という DVD がある。
その中でレディー・ガガが、
"You’ve Got A Friend" をピアノ弾き語りで
歌ってるんやけど、これが素晴らしい。
私は、ちゃんとレディー・ガガの音楽を
聴いたことがなくて、この DVD で、
初めてちゃんと彼女の歌を聴いたんやけど、
素晴らしくて うなってしもたもん。
当然、ガガはキャロル・キングのファンだった
だろうから、あの壁の『Tapestry』は、
なんか嬉しかった。
(『Tapestry(つづれおり)』は、1971年の
キャロル・キングのアルバム。超名盤。)


★★★★☆
★半分は、ガガの歌に


Barbra Streisand の方(1976年)も観てみたい。




立川談春独演会 2019

今年、初めての落語会。
一昨年の独演会で「天災」「居残り佐平次」を
聴いてすっかりファンになった、
立川談春の独演会に行ってきた。
チケットを取るのが結構大変で、
昨年も一度だけ独演会に行った。
昨年の演目は「鰻の幇間」「文違い」。

先日、談春も出演する『下町ロケット』の
新春ドラマ特別編が放映されたばかりと
いうこともあって、マクラでは、
『下町ロケット』の裏話もたっぷり。

落語は「短命」と「明烏」。
前座なしでたっぷり、談春ワールドを
堪能できた。
やっぱり上手いし、おもろいわ。

2月にある武道館で落語公演があるのは
知っていたけど、「武道館で落語なんて」と
興味がなかったのに談春(メイン出演者の一人)の
話を聞いたら行きたくなってしもたよ。
どうしようかなぁ~。


[ 演 目 ]
「短命」 立川談春
~ 仲入り ~
「明烏」 立川談春

@千葉市民会館 大ホール






BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA
directed by ERIC MIYASHIRO
with special guest MARCUS MILLER

ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ
directed by エリック・ミヤシロ with special guest マーカス・ミラー


昨年の5月に観て、とても素晴らしかった
マーカス・ミラー と ブルーノート東京オールスター・
ジャズ・オーケストラの共演を観てきた。
これで3日連続、マーカスだぁ!
ブルーノートの人に「連ちゃんですね」と
言われてしまった。

昨年は、2日間4公演あったのだけど、
今年は、今夜一晩2公演のみ。
これは、見逃せない。
その 2nd show。

バンドのメンバーは、管の人が3人替わっているのと
昨年はギターはいなかったけど、
今回はギターに今泉洋が加わり、
ドラムが川口千里に替わっていた。

まず、この川口が良かった。
2017年に TOKYO JAZZ で観た時には、
テクニック先行のドラムで魅力を感じなかったのだけど、
今日は、同じ人とは思えないぐらい良かった。
まだ21歳!
あんなにグルーヴのあるドラムが叩けるとは、
お見逸れしました。
そして、ドラムソロも良かった。
完全にイメージ変わってしもた。

そして、相変らず本田雅人のキレキレ・ソロ。
完全に迷いがなく、吹きたいことが明確で、
音が正確にきれいに鳴っていて、
しかもアウトレイジャス(もちろん良い意味です)。

曲は、昨年も演った曲がほとんどだけど、
2曲も多くて全11曲。
アンコールを入れて1時間50分という、
ブルーノートのワンステージでは、
最長ではないかと思うショーで大満足。
おそらく、1st show では、
こんなに演らなかったのではあるまいか。

昨年演らなかった曲のひとつが、
ジャコの "Three Views Of A Secret"。
大好きな曲だ。
この曲で、マーカスは、Sire の
5弦フレットレスを使用。
自分の曲であっても、このセットでは、
エリック・ミヤシロのアレンジが
施されているので、マーカスは、
結構 譜面に見入っていたのだけど、
"Three Views Of A Secret" だけは、
他の曲に比べちょっと、マーカスの演奏
(テーマ)が心もとないように感じたのは、
私だけだろうか。
まさかマーカスが、と思うのだけどね。

それにしても、マーカスはカッコ良すぎるね。
今年6月14日で還暦やけど、見えへんもんな。
バスクラ(リネット)で吹いた、
"My One And Only Love" も美しかった。
そのまま一昨日も演った "Tutu" に突入。
今日は、テンポ遅めで GOOD!

ところで、エリック・ミヤシロって、
見た目が大阪のおばちゃんみたい(失礼)
だから、日本人だとばかり思っていたら、
ハワイ出身で、アメリカ人(父)と
日本人(母)のハーフだった。
お父さんもプロ・トランぺッターだった。

昨年も書いたけど、このライヴの
DVD か CD 出して欲しいなぁ。


[ SETLIST ]
1. TRAINS(← たぶん) (バンドのみ)
2. Run For Cover
3. Papa Was A Rolling Stone
4. Camel Island
5. Three Views Of A Secret
6. Hylife
7. Snakes
8. My One And Only Love
9. Tutu
10. Teen Town
EC. Blast
(1曲目は、たぶんです。
曲順は、間違っているかも。)

[ MEMBERS ]
Marcus Miller (b)
Eric Miyashiro (tp,conductor)
本田雅人 (sax)
近藤和彦 (sax)
小池修 (sax)
庵原良司 (sax)
吉田治 (sax)
佐久間勲 (tp)
奥村晶 (tp)
二井田ひとみ (tp)
小澤篤士 (tp)
中川英二郎 (tb)
半田信英 (tb)
池田悠人 (tb)
朝里勝久 (tb)
青柳誠 (p)
今泉洋 (g)
納浩一 (b)
川口千里 (ds)
岡部洋一 (per)







2019.1.3

MARCUS MILLER "LAID BLACK"
with special guest BUTTERSCOTCH
Countdown & New Year Live


2019年最初のライヴは、マーカス・ミラーだ。
今回の来日は、年末のカウントダウン・
ライヴも含め、ブルーノート東京では、
自身のバンドで6日間12公演+ブルーノート
東京オールスター・ジャズ・オーケストラとの
共演が1日2公演。
昨年5月にも10日間ぐらい来日していたのに、
また日本でこんなにやるなんて、
日本(東京)のファンは、嬉しい限りだ。

マーカスは、一層貫禄が付いた感じ。
(太ったとかいう意味ではなくて、
見た目のオーラね。)
メンバーは、トランペットとキーボードが
替わり、サックスのアレックス、
ドラムのアレックスは変わらず。
始まってすぐ、ファンクな印象を
持ったのは、ドラムのせいだろうか。
新しいキーボードのジュリアンは、
まだ若そうだったけど、顔で弾くタイプ。
ワウを使ったソロなんて表情が
まるでギタリストみたいだった。
サックスのアレックスは、相変らずキレまくり。
どうやって、いつもいつも自分をあの域に
連れて行くんだろうなぁ。

4曲目でスペシャル・ゲストの登場。
バタースコッチ(BUTTERSCOTCH)。
この人のことは知らなかったけど、
アメリカの Beatboxer/Singer、33歳。
まあ~、芸達者ですわ。
ギターを弾きながら、"Summertime" を
マウス・トランペットで始めて、
途中からヴォイス・パーカッションになり
そのまま、歌を唄いながら合間に
ヴォイス・パーカッションを入れるという離れ技。

どういうことか分からないと思うので
これ観てください。↓
Butterscotch - Summertime

バタースコッチのギターが気になった。
指板に漢字で「智美孚英恩平愛」と書いてある。



どういう意味だろう。
ググったけどヒットせず。
ギターは、米国フロリダにある
LUNA GUITARS という、ウクレレや
ベースなども作っているメーカーのものだと分かった。
リンクを張った「Summertime」でも
同社のギターを弾いている。

マーカスは、いつもの Fender をメインで、
Sire の5弦フレットレス・ベースと
4弦ベースを使用をそれぞれ1曲で使用。


後ろのスクリーンが明るくてヘッド部分が白く飛んでしまった。

Sire は、高品質な楽器を安価で提供するという
素晴らしい理念のもと、楽器作りを
しているようだが、今日の場合、
フレットレスは、気にならなかったけど、
4弦はマーカスの改造 Fender との音の違いが
あまりにもあからさまな感じがした。
音のことだから、好みの問題ですが。

アンコールは "TUTU"。
昨年同様、観客に「3-2」の手拍子をさせて、
ちょっとテンポ早目。
マーカスは「New version」と言っていたけど
"TUTU" は、ゆっくりの重いビートの方が
絶対カッコええと思うねんけどなぁ。

明日は、抽選に当たったので、
マーカスのベース・クリニックに行く。
(なんと無料!)
明後日は、ブルーノート東京オールスター・
ジャズ・オーケストラとの共演を観に行く。
3日連続マーカスなのだ!


[ MEMBERS ]
Marcus Miller (b,bcl)
Alex Han (sax)
Russell Gunn (tp)
Julian Pollack (key)
Alex Bailey (ds)
Special Guest : Butterscotch (vo,gt)

@ Blue Note Tokyo
2nd show




[ SETLIST ]
一部タイトル分からず
1. Trip Trap
2.
3. Amandla
4. Run For Cover
5. Summertime
6. Cantaloupe Island
Ec1. (バスクラとキーボード デュオ)
Ec2. TUTU





2019.1.2

救急車の年越し

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

例年通り、大阪に帰省していたが、
今日、東京に戻ってきた。
大晦日、両親含め家族8人で
恒例の焼肉。
そのあと、皆で実家に移動し飲み直し。
これもここ数年の恒例だ。

昨年、米寿を迎えた父も
上機嫌でやや飲み過ぎていたようだ。
11時過ぎに「そろそろ寝る」と
言い出した父を2階に連れて
上がろうと居間を出た所で
足を滑らせた父が前のめりに転んだ。
転んだ先に高さが80センチぐらいの
棚があって、その角に頭をぶつけた。
鈍い音を立てて、父が倒れた。
私は、父の後ろにいたので、
何も出来なかった。

「大丈夫?」と声をかけると
意識はあったが、額(ひたい)に5センチほど
パックリと開いた傷があり出血していた。
甥っ子の嫁が、看護師で的確な
判断で止血をし救急車を呼んだ。
救急車はすぐに到着。
ホンマに早かった。

大晦日ということもあったのかも知れないが、
頭を打っているので、
脳の検査ができる病院ということで
受入れ先が決まるまで
10~20分位かかっただろうか。
隣の市にある脳神経外科病院が
受け入れてくれることになり
救急車は出発した。

私は、救急車 人生初体験。
その救急車内で年を越し、新年を迎えた。
「人生初救急車内年越し」である。

検査の結果、幸い脳や頭蓋骨に
損傷はないようだったが、
傷は結構深いようだった。
今は、縫うのではなく、
ホッチキスで留めるんやね。
ホッチキスで留めた傷口は、見た目
フランケンシュタインみたいになった。
頭のことなので、後日なにか
症状が現れるかもしれないので、
油断は出来ないけど、
とにかく、大事に至らなくて良かった。

それれしても。
大晦日の年をまたぐあの時間帯に、
救急隊の方、病院の先生、看護師、
帰りのタクシーの運転手と
世の中のためにお仕事をしていて下さる
プロッフェショナルの方々がいる。
(ほかにもたくさんね。)
知識では知っていても、
こんな風に直接お世話になると、
リアルに感謝です。
ありがたいことです。





2018.12.30

音楽映画のハードル

映画『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットしている。
それは、QUEEN にとっても 映画界にとっても
良いことなのだけど、私にはちょっとした
違和感があった。

「ボヘミアン・ラプソディ、良かった~」とか
まだ観ていない人から「凄く良いらしいね」という
言葉を聞くと、「良い映画ほかにもあるのになぁ」
という反応があったのだ。

それは、『ボヘミアン・ラプソディ』が
良くなかったと言う意味ではなく、
『ボヘミアン・ラプソディ』だけが
特別にずば抜けて良いわけではなく、
(もちろん良かったけど)
他にも良い映画たくさんあるのに、
なんでこれだけがそんな特別に
言われるんだろうという違和感だった。

今年に限って言えば、
『グレイテスト・ショーマン』も
『ボヘミアン・ラプソディ』ほどではないが、
数人から「良いらしいね」という言葉を
聞いたが、その他の私が素晴らしいと
思った映画の評判は耳にしたことがない。

私は、年平均60本の映画を劇場で
鑑賞している。(この10年間の平均)
DVD は含まない。
もっとたくさん観ている人もいるだろうが、
年60本は、日本人の平均よりは多いと思う。
そうすると、当然 素晴らしい映画にも
たくさん出会えるわけだ。

だからなぜ『ボヘミアン・ラプソディ』が
そんなに特別なのか分からなかったのだ。

先日、車を運転中、FMラジオをつけると
その番組のゲストに 中井 圭 という
映画評論家が出ていた。

中井氏の今年のベスト3を選ぶというので
聴いていると1本目は、
『君の名前で僕を呼んで』。
ああ、残念、何度か予告編は観たけど、
これは観ていないので何とも言えない。

2本目『スリー・ビルボード』。
私の評価は、★4つ半だったけど、
確かに記憶に残る良い映画だったので納得。

3本目、何がくるかなと思っていると、
『判決、ふたつの希望』。
イエス!これは、私も★5つ。

『判決、ふたつの希望』なんて、
テレビコマーシャルもしていなかったし、
エンタテイメント作品でもないので、
かなり観た人の数は限られるだろう。
でも、凄く考えさせられる良い映画だった。

それで、中井氏が興味深いことを言っていた。
「音楽映画はハードルが低い」と。
「ハードルが低い」というのは、
それだけ観に行きやすい=観に行く人が
多いということだ。
それには、知名度が関係している。
例えば、『オペラ座の怪人』(2004年)は、
日本でもヒットしたが、
知名度が 97%だったという。

厳密には、すべての音楽映画の
ハードルが低いわけではないだろうが、
知名度は大きく関係しているのは、
容易に想像できる。

この話を聴いて、なるほどそういうことかと
腑に落ちた。

QUEEN の映画が公開されれば、
普段それほど映画を観ないかも知れない
QUEENファン、昔のQUEENファンが、
劇場に足を運ぶことになるだろう。
観た人が感動すると、当然、
周囲の人に話すだろう。
普段たくさん映画を観ない人ほど
そのインパクトも大きいだろう。
その結果、口コミで評判が広がり、
ヒットにつながるというわけだ。

『スリー・ビルボード』や『判決、ふたつの希望』
よりも『ボヘミアン・ラプソディ』の方が、
圧倒的にハードルが低いだろう。

それで気が付いた。
私が違和感を抱いた、
「ボヘミアン・ラプソディ、良かったわ~」と
言う人は、普段、映画の話をしない人
(=あまり映画を観ない人)だったのだな。

そう考えると、
『ボヘミアン・ラプソディ』以外にも
ええ映画いっぱいあるのに、なんで
『ボヘミアン・ラプソディ』だけこんなに
言われるんやろ?
という疑問は簡単に解けたのだ。
他の映画をあんまり観ていないっちゅうことだ。

なぜそこに反応してしまったのかということには、
私がミュージカルよりもヒューマンドラマの方が
好きだということもあるのだが。

繰り返すが、『ボヘミアン・ラプソディ』が
つまらないと言っているのではない。
私は、★5つを付けたし、
その証拠に、今日2回目を観てきたんだから。

今年『ボヘミアン・ラプソディ』以外
良かった映画がない人は、
もっと映画館で映画を観よう!




ボヘミアン・ラプソディ
BOHEMIAN RHAPSODY
 2回目

『ボヘミアン・ラプソディ』、
2回目の鑑賞である。
1回目同様、いやもしかしたら、
1回目よりも感動したかもしれない。
1回目の感想にはフレディが、苦悩したことを
「天才も人間なんやなぁ。
凡人と同じように苦悩はあるんや」と
書いたのだけど、今日はそんな風には
思わなかった。
そこよりも、フレディが誰であったか、
誰として生きたかということが
心に迫ってきた。

ライヴエイドのリハーサルで、
自分がエイズであることをバンドのメンバーに
告げるシーンは、やはり一番の山場だ。
「自分が誰であるか」の宣言は、本当に感動的。

それから、ライヴエイド当日、
両親に会いに行ったシーンも良い。
父親に「善い思い、善い言葉、善い行い」をするよう
育てられたフレディは、若い頃、父親に向かって
「それで、何かいいことがあった?」と
憎まれ口をきくのだが、そのシーンでは、
「アフリカの子供たちを救うんだ」と
胸を張って、父親に言う。
父親との確執が解けたような瞬間だった。

数日前に「逸脱」というエントリーを書いたが、
フレディ・マーキュリーも逸脱しています。
音楽も生き方もね。
(ジャズのアドリヴにおける逸脱とは
ちょっと意味が違うけど。)


レディ・ガガの出演する映画
『アリー/ スター誕生』も公開中だ。
レディ・ガガという名前は、QUEEN の
『ラジオ・ガガ』をもじって付けられた芸名
だというのは有名な話だが、この時期に
この2つの映画が公開されている不思議を
ライヴエイドのシーンで、フレディの歌う
"RADIO GA GA" を聴きながら思った。


★★★★★




今年の映画


さて、10年間の映画の年平均鑑賞数は60本と書いたけど、
この10年では今年が一番少なく(のべ)33本だった。

【私の今年の★★★★★(星5つ)映画】(観た順)

『15時17分、パリ行き』
『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』
『ダンガル きっと、つよくなる』
『ラスト・ワルツ』
(ドキュメンタリー)
『ブリグズビー・ベア』
『泣き虫しょったんの奇跡』
『判決、ふたつの希望』
『エリック・クラプトン~12小節の人生~ 』
(ドキュメンタリー)
『ボヘミアン・ラプソディ』
『パッドマン 5億人の女性を救った男』

【私の今年の★★★★▲(星4つ半)映画】(観た順)

『私が殺したリー・モーガン』
(ドキュメンタリー)
『blank13』
『スリー・ビルボード』
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
『万引き家族』
『テイク・エブリィ・ウェーブ』
(ドキュメンタリー)
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ☆アディオス』
(ドキュメンタリー)
『ピアソラ 永遠のリベルタンゴ』
(ドキュメンタリー)
『家へ帰ろう』
『日日是好日』

おお、音楽ドキュメンタリーが、5本もあった。
『テイク・エブリィ・ウェーブ』はなんと
サーフィンのドキュメンタリーでした。

33本しか観なかったのに★4つ半、5つが、
合わせて20本もあるというのは、
かなり良い映画の確率が高かった年だと思う。





2018.12.29

日日是好日

映画『日日是好日』。
今年亡くなった樹木希林の遺作だと
思っていたら、来年公開の映画
(『エリカ38』)がもう1本あるようだ。

さて『日日是好日』。
気になっていたのをようやく観てきた。
勝手に樹木希林が主役の映画だと
思って観に行ったら、
主演は黒木華でした。

『日日是好日』の読み方も分からず、
映画館の窓口で「ひびなんとか、下さい」と
言ってしまったが、
「にちにちこれこうじつ」と読むのだった。
むしろ「これこうじつ」は考えれば読めたのに
「日日」が間違っていたとはね。

さて、映画はおそらく私が20代の頃に
観ていたら、つまらないと思ったであろう、
ストーリーで、これは大人にならないと
分からない色んな深さがあると感じた。

映画の大半は、お茶のお稽古のシーン。
大きな事件もなく、主人公の典子に
大学卒業、就職試験、失恋などの節目は
あるもののそれらは全て、ほんのわずかな
カットと典子のモノローグで過ぎていく。

そして、大学生時代にお茶を始めた
典子の24年間の変化を、
彼女のセリフと表情、しぐさで
見事に描いていく。

この映画を観て、お茶を始めようと
思う人もいるのだろうな。
あまりに時間がゆっくりで、
私は耐えられないと思ったけど。
私達現代人は、急ぎ過ぎている。
もっとゆっくり生きた方が、
実は豊かなのだ、と思ったね。

数年前、何かで読んだ。
インターネットの普及で、現代人の情報量は
以前の5千倍になったと。
3日前の話題は、もう時代遅れだ。
そんな私達だからこそ、本当はお茶のような
時間の流れ、今をたっぷり味わう、
イコール 今を生きることが
必要なのだろうな。

雨の日は雨を聴く。
雪の日は雪を見て、
夏には夏の暑さを、
冬は身の切れるような寒さを。
五感を使って、全身で、
その瞬間を味わう。

だからこそ、「日日是好日」なのだと
典子は、24年のお茶のおけいこを
通して掴むのだった。

お稽古のたびに床の間の掛け軸が
違っているのも素晴らしい。
お茶の武田先生は、その日にふさわしい
掛け軸に毎回(もしかしたら毎日?)
替えられていたのだろう。
「日日是好日」に通じることなのだ。

本作は、原作者 森下典子の自伝エッセイの
映画化ということで、主人公の名前も典子だ。
そして、森下は今でも武田先生のお茶今教室に
通い続けているのだという。

樹木希林や黒木華が、
お茶未経験者だというのも凄い。
特に樹木希林。
やっぱり女優さんって色んな事
やってはるんやなぁと思ったけど、
映画のために習得した所作だと知って驚いた。
さすがです。

世の中には「すぐわかるもの」と
「すぐわからないもの」の二種類がある。
すぐわかるものは、一度通り過ぎれば
いいけど、「すぐわからないもの」は、
長い時間をかけて、分かってくる。
というような言葉が出てくるが、
そんなことでさえ、概念的に分かったような
気になっている自分の浅はかさを感じた。

「お湯の音と水の音は違う」というのも発見。
本当に違うねん。

典子が子供の頃にフェリーニの『道』を
観た時、まるでわからなかったのに、
大人になって観たら素晴らしくて、
感動したというセリフがある。
私は、数年前に『道』のDVDを借りて
観たのだけど、そんなに素晴らしいとは、
思った覚えがない。
これは、もう一度観てみようと思う。

最後に。
「日々是好日」ではなく、「日日是好日」と
書くのは、「同じ日は二度とやってこないことを
意味するからであり、それぞれの『日』は
意味合いが違う」と書いている人がいた。
「日々」ではなく「日日」。
それだけでも "かなり" 深いと思う。


★★★★▲




スーパー・ギター・トリオ
鈴木直人 × 馬場孝喜 × 井上銘


今年もたくさんライヴに行った~。
今年61本目、最後のライヴは、
8月にも観たギター・トリオ、
鈴木直人 × 馬場孝喜 × 井上銘 だ。

今夜も個性のぶつかり合い、
三人三様の自己表現の爆発で、楽しめた。
馬場さん、銘くんは同じ Westville の
セミアコだけど、馬場さんのは、
メイプルトップで、銘くんのは
スプルーストップ(らしい)。
アンプもセッティングも弾き方も違うから、
単純に比較はできないけど、
馬場さんの方がよりエレクトリックで
銘くんの方がウォームなトーンだった。
なるほどね、って感じ。
鈴木さんは、前回は Sadowsky の
セミホローだったけど、今日は
まだ見るからに新しい Sadowsky の
美しいフルアコ。
当然、一番アコースティックなサウンド。
トーンだけでも3人の個性が表れていた。

曲は、"Phase Dance", "Norwegian Wood",
"Love Sale" など。
偶然か3拍子が多かった。
アンコールでは、前回同様 "Spain"。
今夜は、ヴォーカル・ゲストなし。

まあ、3人とも自由ですな。
互いに影響しあい触発しあい、
どんどんケミストリーが
起こっていく。
ライヴの醍醐味、満喫しました。




[ MEMBERS ]
鈴木直人 (gt)
馬場孝喜 (gt)
井上銘 (gt)

@ bar dAZE (原宿)





2018.12.28

写真がついに!

今月初めに渋谷と恵比寿の間、
明治通り沿いに、知人がカフェをオープンした。

MAT COFFEE


何かオープン祝いをと思い、
額に入れた写真を持っていたら、
快く店内に飾ってくれることになった。
1枚のつもりが、結局3枚も!

会社の中には何枚も飾っているけど、
不特定多数の人が目にする場に
飾られるのは、これが初めて。

なんか、うれしいな。

先日、ホテルの客室に飾ってもらうことに
なったと書いたけど、
そっちの方は150枚ぐらいあるので、
額が間に合わず、2~3月頃になりそうだ。

壁に飾られたキューバの写真


トイレに飾られたアメリカの写真


渋谷に出かけられたら、
ぜひ足を延ばしてコーヒーを飲みに、
写真を観に MAT COFFEE に行っておくれ。
明治通り、東交番前の交差点を
少し恵比寿方面に行ったあたりです。

MAT COFFEE でググってみたら、
オープンに関わった業者さんの紹介ページに
なんと私の写真も!→ こちら
この業者さんがコンクリートの壁に
飾ってくれたのです。

ところで、このトイレに飾られたアメリカの写真。



1985年のアメリカ横断旅行の際、
ロスアンゼルスで撮影したもの。
その旅行では、800枚以上撮影したが、
子供がちょうど振り返った瞬間で
撮った瞬間に「良いのが撮れた」と
思ったことを覚えている数少ない写真。
(なんで振り返ったんやろ?)



70年代の終わりに、日本でも紙おむつが
販売されるようになっていたが、
その代名詞ともいえるのが、
米国P&G社の「パンパース」だった。
この母子が持つ、「Pampers」と書かれた
大きな箱を見たときに、子供が大きな
紙おむつを引きずっているのが
絵になると思ったのだな。

この男の子も、今では35~36歳に
なっているんやなぁ。

85年だからもちろんフィルムのカメラで撮影。
2年ほど前にネガをデジタル・データに
変換したのだ。
オリジナルは、カラー写真なのだけど、
30年以上、ネガをテキトーに保管していたので、
ネガが痛んでいて、染みのようなものが
出ている写真が結構あった。
修正で、ある程度は消せるけど、
完全には(私の腕では)無理。

この写真もカラーでプリントすると
黄色いシミが出てしまう。
でも、モノクロにするとあんまり気にならない。
空の部分をよく見ると、
シミが見えてしまうけど、
もうちょっと修正できそうだな。




Don't Worry Be Curry!


オフィスの近所のカレー屋さんの看板。
入ったことはないのだけど。



何度かこの看板を見て、「変なの」って
思っていたけど、ある日気が付いた。

これって、
"Don't Worry Be Happy" のパロディやん!
と。

"Don't Worry Be Happy" は、
1988年の Bobby McFerrin の曲。
ずいぶん前に何かのテレビCMに
使われていたので、
聞き覚えのある方も多いだろう。
たくさんのカヴァ―ヴァージョンもある。

"Don't Worry Be Happy"

"Don't Worry Be Happy" って
普通の英語なので、この歌のタイトルを
もじったのかどうかは分からないのだけど。





2018.12.26

佐山雅弘

今日まで知らなかったのだけど、
ジャズ・ピアニストの佐山雅弘さんが、
11月14日にお亡くなりになっていた。
兵庫県尼崎市出身、享年64歳。

闘病中だということは、知っていたけど、
数カ月前、雑誌「JAZZ LIFE」のインタビューでの、
若い人たちと組んだ新しいトリオの話を読んで、
まだまだ活躍されそうな感じを受けていたので、
亡くなったという記事を見て、目を疑った。
その記事からは、新しいトリオに意欲を
燃やしておられる様子が伝わってきた。
ずいぶん痩せられていた写真は、
ちょっとショックだったけど。

私は、佐山さんの演奏は、2006年にライヴで一度
小島(良喜)さんとのデュオを観たのと
CD 2枚聴いたことがある程度で、
そんなに詳しくはないんだ。
でも、それ以外にもポンタさんと演ってるのとか、
ジョニー(吉長)と演ってるのとかも聴いたこともあるけど。
今回の訃報で知ったのだけど、RCサクセションの
サポートも演ってたって。

ご本人のウェブサイトの最後の挨拶にある、
「僕という者は僕が出会った人々で出来ている」という
言葉に泣いてしまいました。

ウェブサイトでは、今年、8月21日に行われた
ピアノ・ソロ・ライヴ、70分ほどの動画も観られます。
亡くなる3カ月前とは思えない演奏です。
YouTubeは こちら

途中で「自分のオリジナルになるとピアノの音が変わる」と
話されているのだけど、確かに本編最後の曲
"Matador" など、ピアノが喜んでいるように聴こえてくる。
いや、ピアノが喜んでいるんじゃなくて、
佐山さんの何かが、ピアノに伝わって、
佐山さんとピアノの関係が、
違う次元に行ってしまうんやないやろか。
そんな気がした。
その次元のままのアンコールの
"Hymn To Freedom"(自由の讃歌)も
素晴らしい。

64歳って、若すぎるよなぁ。
合掌。





2018.12.25

逸 脱

もうホットな話題ではないけど、
(ホットな話題という言い方、もう死語やん)
日野皓正(ジャズ・トランぺッター)が、
コンサートの本番中に中学生ドラマーから
スティックを取り上げ、ビンタをした事件。
もう1年以上前の事件やねんけど、
今さらだが、この件についてちょっと書きたい。

私が知る限り、これに対して大きく分けて
2つの考えがあった。

ひとつは、和を乱したのだから、中学生は
叱られて当然だという考え。
その中にはあれは、ビンタされても仕方ない、
という考えもあった。

もう一つは、ジャズは「逸脱」の音楽だから
勇気を持って「逸脱」した少年は賞賛こそされても
叱られるようなことはしていない。
日野さんの方が間違っているという考え。

ただし、その考えを主張している人も、
「逸脱」だけして「回復」出来なかった点においては、
中学生が未熟であり叱られても仕方がないとしている。
(ジャズは「逸脱」したら「回復」するのが前提での話です。)
しかし、私はこの意見はおかしいと思っている。
なぜなら、中学生は「回復」出来たかもしれないのに、
日野さんに途中で止められてしまったからね。
「回復できなかった」と決め付けるわけにはいかないだろう。
もう一つ言うと、「回復」できなかったことを
叱られて当然とする考えにも疑問がある。
まあ、それは、置いといて。

当初、私は日野さん擁護派だったのだけど、
この「ジャズは逸脱だから、中学生は
間違っていない」という意見を読んでから、
ちょっと考えてしまった。

先に書いたようにその人の意見は、
一部突っ込みどころがあるにしても、
「ジャズは逸脱」に対しては概ね同意できるからだ。

「概ね」と書いたのは「逸脱」の定義が
人によって違うと思うからだ。
「逸脱」を辞書で引くと
「本筋からそれること」
「本筋や決められた枠から外れること」
とある。
「あやまって抜かし落とすこと、抜けること」と
いうのもあったけど、この場合には該当しないだろう。

「逸脱」といっても、なんでもかんでも
めちゃくちゃやればジャズになるというものではない。
「逸脱」という言葉に矛盾するかのようだが、
ちゃんと「逸脱」の型のようなものがある。
そして、「逸脱」したことが、
カッコ良くなければ、その意味がないのだ。
そして、誰も見せたことがないような「逸脱」ほど
価値があるように私には思える。
みんながやっていることは、
もう「逸脱」とは呼べないからね。

中学生の行動は「約束、予定にない身勝手な行動をし、
和を乱した」という解釈も可能だが、
「決められた枠から外れた」わけだから、
ジャズ的に「逸脱」していた、とも言えるわけだ。

事件は、ビンタに焦点が当たっていたけど、
ここでは、ビンタの是非は問わないことにして、
日野さんが、中学生のドラムソロを止めたことに
ついて、ジャズとしてどうなのか考えてみたい。

こんなもの正解はないのだろうけど、
どうも私はこの「逸脱」という言葉が登場したことで、
迷路に入ってしまった。

なぜなら、中学生はジャズ的に「逸脱」していたけど、
日野さんが叱ったことも尤もだと思っていたからだ。
そうすると、どうしても矛盾してしまう。
ジャズの大家なのに、ジャズの精神とも言える
「逸脱」を止めるとは、一体どういうことだ?

この件に「逸脱」を持ち出した人は、日野さんが、
中学生を怒ったことを「不当」とバッサリ切っていた。
(この人は、たまたま読んだブログの筆者で、
個人的に議論する気はないので
ここでは、リンクも張りません。)

が、私はそんな単純なことに思えなかった。
なぜなら、その後、この件でマスコミに
マイクを向けられた日野さんは、
「君たち、ヒマなの?」みたいな
大人な対応から大きく『逸脱』した言葉を発したからだ。

日野さんにとっては、世間が大騒ぎするほどの
ことではなかったんだろう。
その考えも昨今の「暴力」や「パワハラ」に関する
世論からは、大きく外れて(逸脱して)いるように見える。

釈然としなかったこの件をたまたま思い出した私は、
サルトル先生に質問してみた。

妻が今年7月に『超解釈サルトルの教え』という本を
出版したのだが、それ以来彼女は、
「サルトル塾」というものを開いている。
「サルトル塾」は、塾生の人生の悩みや問題に
サルトル先生になりきった妻が答えるという
いわば悩み相談のようなものなのだ。
私は数回参加してみたが、
毎回、妻の突飛とも言える答えが面白い。
よくもそんな発想が湧くなぁという回答をするのだ。

で、先日、何気なくこの「日野さんと逸脱」に
ついてどう思うか、訊いてみたのだ。

彼女の答え。
まず、中学生は「逸脱」している。
そして、
日野さんも「逸脱」している。

なるほど。
そのアイディアは浮かばなかった。
私は何かスッキリした。
そうか、2人とも逸脱してるんや、と。

数年間に、東京ジャズで日野さんのステージを観た。
ご本人やファンの方には申し訳ないが、
私には全く良さが分からず楽しめなかった。
それぐらい日野さんの音楽は、「逸脱」していた。
私の好みではない方向に。

その日のエントリーに私は、
「正直、(何やってるのか分からん) って感じで、
あんまり楽しめなかった。
普通に演奏することに飽きると (?)、
あんな風にやりたくなるのだろうか。
ずっ~と不協和音が鳴ってるような感じ」と
書いている。

つまり、そんな人が中学生の「逸脱」を
怒るとは思えなかったのだ。
私の勝手な解釈だが、
中学生が試みた「逸脱」は、
自分のバンドでやるべきことだったのかも知れない。
日野さんにすれば、
「お前、百年早いぞ!」ということだったのかも
知れない。
気に入らないことには、観客の前でも
ビンタを食らわすぐらいの人だ。
これを「逸脱」と言わずしてなんという。

「逸脱」は、練習してするものでもないし、
さあこれから「逸脱」するぞ!と言って
するものでもない。
そんなものは、予定調和の一部だ。
だから、中学生も日野さんも「逸脱」していたと
言えると思う。

もしかしたら「日野さんは間違っている」と
書いている人は、
「逸脱」は音楽の上のことであって、
「社会的に『逸脱』しても良いわけじゃない」と
反論するかもしれない。
日野さん(いわば監督)が、口頭で止めても、
暴走する中学生を社会的な「逸脱」とせず、
音楽的なことというのなら、
口頭で注意しても止めなかった中学生を
実力行使で止めた日野さんだって、
ご自分の音楽の舞台だったのではないか。
ええ、ええ、分かってるよ。
ここに「暴力」という要素が加わるために、
この言い分には、無理があることは。


断っておくが、この件に正解はない。
日野さんの怒りを当然だという人と
不当だという人との意見は、
どこまで行っても平行線だろう。

そして、「逸脱」しているかどうかも、
何が「逸脱」かも、人によってその解釈が
違うだろう。

しかし、私のモヤモヤは晴れたので
良しとすることにした。

この事件を思うとどうしても
映画『セッション』のことを思い出してしまう。

2015年にアカデミー賞3部門他、
多くの受賞をした作品で、3年前に観た時には、
何がそんなに評価されたのかよく分からなかった。
名門音楽大学の生徒 (ドラマー) と
鬼教授の物語なのだが、あまりに狂気で
物語に着いていけなかったというのが本音。
一緒に観た妻はとにかく大絶賛だったのだけど。

日野さんのビンタ事件の私なりの落とし所が
見えたところで、もう一度この映画を観てみた。
(Amazon Prime Video 便利やねぇ。)

すると、なんとも痛快な作品だった。
最後には、感動してウルウルしてしまったよ。
自分でもビックリ。
★5つに昇格。
やっと、教授の言っていることが聞こえた感じ。
まさに「逸脱」の映画です。
教授も生徒もね。





2018.12.23

家へ帰ろう
EL ULTIMO TRAJE/THE LAST SUIT


映画『家へ帰ろう』。
シネスイッチ銀座で14:40からの上映を
観る予定だったが、30分ほど早く劇場に
着いてしまった。
前の回には、上映後にトークイベントが
あったようで、まだその途中だった。
「良かったら空いている席に
お座りください」と劇場の人に勧められた。
中に入ると噺家の林家木久扇さんが、
映画についてインタビューを受けており、
マスコミのカメラが何台も入っていた。
なんで木久扇さんなのか、
不思議な感じがしたが、
話を聴いていると、ご自身が幼少期に
東京大空襲で自宅を焼かれるという
戦争体験をされていることが分かった。
それに、映画の主人公と年齢が近いと
いうこともあるのかもしれない。
映画を観る前に内容に触れられると、
ちょっと困ったけど、上映後の
トークショーなので、仕方がないね。

さて映画は、アルゼンチンに住む88歳の
じいさんアブラハムが、1945年に別れた
恩人でもある友人に約束の品(スーツ)を
渡すために、ポーランドまで旅をするという物語。

アブラハムは、自宅を娘たちに売り払われ、
老人ホームに入れられることになっていたのだが、
友人との約束を思い出し、
家出同然にポーランドへ向かう。
アブラハムは、ポーランド生まれのユダヤ人で、
戦争中、ナチスの収容所から逃げ出した。
その時に救ってくれた友人に
自分が仕立てたスーツを渡すのが目的だ。

途中、色んな人と出会い、その人たちに助けられ、
アブラハムは、ポーランドを目指す。

「ポーランド」と口に出したくないとか
例え通過するだけでもドイツに入りたくないとか、
アブラハムの当時の体験の過酷さ強烈さを、
映像ではなく、言葉で訴えてくる。

映画は、予想を裏切らない結末で、
冷めた言い方をすれば、ファンタジーなのだが、
それでもこの結末を望んでしまう。
アブラハムが道中に出会う女性が皆
魅力的なのも良い。
あ、これもファンタジーか。
でも、ホロコーストがらみの
ファンタジーというのも変な感じだな。

原題は、「最後のスーツ」という意味だが、
邦題は、「家へ帰ろう」。
「いえ」ではなく「うちへ帰ろう」だ。
イマイチな邦題が多い中、これはヒットだな。
なんで「家へ帰ろう」なのか、
映画を観れば分かる。
とっても良いタイトルだと思った。

アブラハム役のミゲル・アンヘラ・ソラが
とても良い味を出している。
撮影時には、68歳だったようだが、
メイクで88歳になり切っとります。

ホテルの女主人役のアンヘラ・モリーナ、
ドイツ人文化人類学者役のユリア・ベアホルト、
看護師役のオルガ・ポラズ、3人とも良いです。


★★★★▲




パッドマン 5億人の女性を救った男
PADMAN


本日、2本目の映画『パッドマン』。
「パッドマン」の「パッド」は女性の生理用品のこと。

北インドの村に住むラクシュミは、
愛する妻が生理の時に汚れた布を
使っていることを知り、市販の生理用ナプキンを
買ってくるが、そんな高価なものは使えないと
妻につき返されてしまう。
なんでも自作してしまう器用なラクシュミは、
自分で生理用ナプキンを作り出すが、
これが大問題に。(以下ネタバレ)

まず、この映画は実話を基にしているのだが、
2001年の時点で、インドでは生理中の女性は、
5日間、家の中に入らずに過ごすという
古い慣習に生きてることにビックリ。
当時のナプキンは、高価なこともあるのだろうけど、
その使用率は、12%で、ナプキンを
知らない女性も多く、生理自体がとても
恥ずかしいことであった。
そんな風なので、ラクシュミがナプキンを
自作しているなど、家にとっては
大きな恥であったのだ。
ラクシュミにしてみれば、女性に
使ってもらって、改善点を聞いて、
よりよいものを作りたい一心だが、
妻でさえも協力を拒んでしまうほど、
閉鎖的だったのだ。

もともとは、妻が不衛生な布を使うことで、
病気になるのではないかという心配から
始まったことなのに、その妻の理解も得られず、
終いには、家族はバラバラになり、
ラクシュミは、村を出ることになる。

村を出ても、あきらめないラクシュミは、
借金をしてまで、安価なナプキンを
作ることに取組むが、使ってくれる
女性が現れない。
そんな時、偶然、強力な協力者パリーが現れ、
彼女の力もあって、ついには、
工科大学の発明の賞を獲り、
国に認められ、国連に呼ばれ
講演をするまでに成功する。

というサクセス・ストーリーなのだが、
諦めなければ成功するとか、
続けていれば協力者が現れるとか、
そういう要素よりも、そのサクセスの
背景の方が気になった。
ラクシュミは、確かに安くて清潔な
ナプキンを産み出した。
それどころか、その工場を女性達の
職場とすることで、雇用までをも産み出した。

しかし、彼は村人に変態扱いされながら、
ナプキン作りに励んでいた時と
何も変わっていない。
ただ、大学の賞を獲ったとか、新聞に載ったとか、
テレビに出たとか、国連に呼ばれたとか、
周りの同意が変わって行ったことによって、
村人の態度が、180度変わってしまった。
変態、変人扱いから、村のヒーローだ。

いや、村人を責めることは私には出来ない。
きっと私もあの村人の一人だろうから。
この映画を観て、一番怖かったのはそのことだ。
人が何のために、何をしているのかなんて、
何も知らないくせに批判し、評価し、
自分が正しいと信じ込み、
分かったような気になっている、
そんな自分が、あの村人の中にいるような気がしたのだ。


最初は、理解を示そうと努力した妻も、
ある意味、ラクシュミを見捨てる。
それは、彼女には可哀そうな言い方だろう。
特にインドの女性にとって、死にたくなるほど
恥ずかしい目に遭わせたわけだから、
理解しろというのは、男の勝手だろう。
でも、ラクシュミが成功したら、
電話をかけてくるというのは、
虫が良すぎないか、と思ってしまう私は、
女心が分かっていないか?

ラクシュミに協力するパリ―が、
とても美しい魅力的な人で、
ラクシュミに惹かれているのだけど、
妻を愛しているラクシュミのことを
想って身を引く。
父親に「なぜ愛していると言わない?
なぜ引き止めなかった?」と訊かれ、
パリーは「私が引き止めたら、
彼はつまらない男になってしまう」と答える。
え~っ、そういうもんなのか?と
お子ちゃまな私は、思ったのでした。

パリ―可愛かったなぁ・・・。
ラクシュミの妻、ガヤトリも美人なのだけど、
ラクシュミのことを理解してあげられない時点で、
だんだん可愛くなくなってくるのね。
観客(男)は、勝手なもんよ。

後半、国連でのスピーチは特に感動的。

ところで、本作は実話に基づいているのだけど、
冒頭に、登場人物などについて「脚色してます」と
テロップが出ます。
どのあたりまで、実話なのかなぁ。


★★★★★



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 ひとりごと