2018年 MUSIC
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2018.1.3
知れば知るほどに 知らない
最近、チェックしているブログに
「JAZZ GUITAR BLOG」がある。
書いている方の詳細は分からないのだけど、
ギターが大好きで、音楽(JAZZ)や練習方法に
明るくて、練習熱心で、英語が出来て、
ユーモアのある方のようにお見受けする。
その「JAZZ GUITAR BLOG」で、
紹介されていたのだが、
フレッド・フリス (Fred Frith) という
ギタリスト(?)の演奏が衝撃だった。
この10年間ぐらいで、
「演奏」というものに対する
私の既成概念を壊してくれた
プレイヤーが、何人もいる。
例えば、上原ひろみ、
トミー・エマニュエル、
ヴィクター・ウッテン、
カート・ローゼンウィンケルなど。
彼らは、目の前で、
私が知っているつもりになっていた
その楽器と奏法の概念をぶち壊し、
可能性を広げる演奏を聴かせてくれた。
フレッド・フリス の動画を観た私は、
また違った意味で、
「私はギターのことを知らないんだ」
と思わせてくれるに十分だった。
[ 引用元 ]
フレッド・フリスと、エレクトリック・ギターのありうる姿
2018.1.5
私が殺したリー・モーガン
I CALLED HIM MORGAN
「ジャズ史上最悪の事件、
天才トランペット奏者リー・モーガン
殺人事件の真相」というコピーのついた、
ドキュメンタリー映画
『私が殺したリー・モーガン』を観てきた。
リー・モーガンのことは、名前ぐらいで
ほとんど知らなかったのだけど、
一応、映画を観る前に代表作のアルバム
『The Sidewinder』を聴いてみたら、
「ああこの曲("The Sidewinder")の人!」って
感じで、耳馴染みのある音だった。
原題は「I CALLED HIM MORGAN」。
「私は、彼をモーガンと呼ぶの」と言ったのは、
1972年に彼を拳銃で撃ち殺した、
内縁の妻 ヘレン・モーガン。
彼女は「リー」と呼ぶのがイヤだったようだ。
リー・モーガンは、子供のころから
神童と呼ばれるほどのプレイヤーだった。
16歳で、ディジー・ガレスビーのグループに入り、
その後、アート・ブレイキー & ザ・ジャズ・
メッセンジャーズ で活躍する。
才能に恵まれ、素晴らしいスタートを
切ったにもかかわらず、ご多聞にもれず、
ドラッグにおぼれてしまう。
ある夜には、部屋履きのスリッパで
クラブに現れたという。
ドラッグ代の為に靴を売ってしまったのだ。
そんなリーを救ったのがヘレンだった。
ミュージシャン仲間の
「ヘレンが、リーを泥川から救った」という
言葉があったけど、ヘレンはリーを
アーティストとしてだけではなく、
人間としても救ったわけだ。
ヘレンとの始まりの頃、リーは
真冬のニューヨークでコートも
持っていなかった。
コートは、質に入っていたのだ。
そんなどん底のだったリーを支え、
マネージャーもやり、第一線に
復帰させたのは、ヘレンの功績であることを
この映画を観れば誰も疑わないだろうが、
実は世の中ではあまり知られていない。
リーを殺したのがヘレンならば、
リーを救ったのもヘレンであることを
監督のカスパー・コリンは、
伝えたかったようだ。
映画の途中までは、なぜヘレンがリーを
殺すのか全く分からない。
でも、こういうストーリーは
大体 決まっていて、
ヘレンとリーの場合も同じこと。
そう、リーの気持ちが別のオンナに向いたのだ。
それは仕方のないことかも知れない。
でも、リーがもう少し利口な人だったら
殺されずに済んだに違いない。
リーはあまりにもヘレンを大切に扱わなかった。
とっても恩のある人なのに。
そして、ヘレンも一瞬、自分を見失った。
とっても優しい人だったのに。
ヘレン自身、ずいぶん後悔し
苦しんだであろうことは、彼女の息子
(ヘレン13歳!の時の子供)の
言葉からも推測できる。
この映画を作るにあたり、
とても重要なヘレンのインタビューが、
彼女の死の1ケ月前(1996年だったと思う)
というのも興味深い。
インタビューはまだ途中だったのだけど、
まるでいつかその内容が、
世の中に出ることを望んでいたかのようだ。
リー・モーガン、享年33歳。
生きていれば、今年80歳。
健康でいれば、もしかしたら
現役だったかもしれない歳だ。
演奏シーンでは、ディジー・ガレスビーや
アート・ブレイキー & ザ・ジャズ・
メッセンジャーズも映る。
若き日のウェイン・ショーターなども。
インタビューは、リーが殺されるきっかけにも
なった元ガールフレンドや、ヘレンの長男、
リーと共演していたミュージシャンが数人。
いずれもジャズ界の大物なのだろうけど、
私は、ウェイン・ショーターぐらいしか
分からなかった。
内容とは関係ないけど、
最後に映る演奏シーンは、
1960年代だと思うが、
ピアノが YAMAHA なのには驚いた。
そんな頃から、YAMAHA ピアノは
アメリカで使われていたんだ。
この映画のことをちょうど知った頃に
Ben Williams の "State Of Art" という
アルバムをレンタルした。
アルバムの3曲目は、
"The Lee Morgan Story" という
Rap の入った曲だった。
おまけに、ライヴで "Moanin" という曲を
演るので1958年のオリジナル、
Art Blakey & The Jazz Messengers の
"Moanin" を聴いておこうとチェックしたら、
なんとトランペットが、リー・モーガン!
来よるんです、こういう偶然が。
ああ、もうこの映画観るしかない、と
思ったのでした。
★★★★▲
リー・モーガンのことを調べていたら、
最初の奥さんが Kiko Yamamotoという
日系アメリカ人女性だったという記事を発見。
映画を観てからこの記事を読むと、
大変興味深いぞ。
↓
日系Lee Morgan夫人のこと
私が殺したリー・モーガン オフィシャルサイト
めっちゃカッコええ Lee Morgan のソロ
デヴィッド・T.ウォーカー
David T. Walker
デヴィッドを観るのは、もう何度目か
分からないほどなのだが、
前回観たのは、2016年7月29日の
Marlena Shaw の LAST TOUR IN JAPAN。
これは、名盤 “Who Is This Bitch Anyway?” の
レコーディング・メンバー(全員ではないけど)に
よるライヴで、私は2010年にも観に行ったが、
2016年のツアーは、「LAST TOUR」と
謳われたツアーで、素晴らしい演奏だった。
現在 76歳のデヴィッドの今回のツアーは、
ここ数年と同じメンバーで、
東京が今日と明日、大阪が8日(月)の
合計3日間6公演。
その初日の2nd ショーを観てきた。
ちょっといつもより空席の目立つ印象で、
お客さんもとても大人しかった。
いつもなら、誰かが歓声をあげるであろう
場面や、拍手が起きるような場面でも、
静かに静かに聴いている。
周りを見渡すとけっして退屈しているような
風ではないのだけどね。
私も「イェ〜」とか言うけど、
ステージに届くほどの大きな声ではないので、
人のことは言えないけど、やっぱり、
声がかかる方が、プレイヤーも嬉しいだろうし、
ライヴ自体は盛り上がるよな。
今日も、後半になってお客さんの声が
少し出てきてたけど。
さて、演奏の方は、今までより
まろやかになったという印象。
けっして枯れてきたという感じじゃない。
より、熟成が進んで、どんどん角が取れて
円熟味が増したというのかな。
もともと、David の演奏には
そんな角なんてなかったように思うけど。
曲は、ビートルズの "Eleanor Rigby" に
始まり、"Street Life"、"Love's Theme"、
"Lovin' You"、"What's Going On"、
"Soul Food Cafe" などなど。
デヴィッドのギターは、一昨年の
「BAND OF PLEASURE - Reunion -」から
使っていたブルーの「Custom 'Baby Byrd'」
ではなく、その前に使っていた
ジョン・カラザースのギターに戻っていた。
ジョン・カラザースの方が、
使いやすいのかなぁ。
いつもとっても嬉しそうに演奏する
ドラムのレオン・ンドゥグ・チャンクラー。
今日は、登場するなり、
痩せていてビックリした。
何か病気でもしたんだろうか。
心なしか笑顔もいつもより
少なかったような気がする。
時々、満面の笑みで叩いてたけど。
それからバイロンのベース・ソロが
増えたような気がする。
この人、練習してそう。
[ MEMBERS ]
David T. Walker (Guitar)
Jeff Colella (Piano, Keyboards)
Byron Miller (Bass)
Leon "Ndugu" Chancler (Drums)
@ Billboard LIVE TOKYO
2nd Show
デヴィッドは、本当にいい人だ。
この Tシャツ 1,500円だもの。
[ David T. Walker 関連エントリー ]
2016.7.29 Marlena Shaw LAST TOUR IN JAPAN
2016.1.16 "BAND OF PLEASURE" - Reunion - 2回目
2016.1.14 "BAND OF PLEASURE" - Reunion -
2015.8.3 David T. Walker plays "MOTOWN CLASSICS"
2014.7.9 David T. Walker tribute to Marvin Gaye
2014.2.28 Larry Carlton & David T. Walker
2013.2.25 David T. Walker
2010.7.26 LEGEND
2009.12.14 David T Walker
2008.11.22 至福のとき
2007.12.17 Peaceful Music
2018.1.7
SIMON PHILLIPS "PROTOCOL W"
featuring GREG HOWE, ERNEST TIBBS
& OTMARO RUIZ
サイモン・フィリップスのユニット、
「プロトコル」。
昨年、その第4弾アルバム、
"PROTOCOL W" が発売されたが、
前々作(2014年)、前作(2015年)から
メンバーが変わった。
ギターが、アンディ・ティモンズから
グレッグ・ハウに替わり、キーボードが、
スティーヴ・ウェインガートから
オトマロ・ルイーズに替わった。
ベースは、アーネスト・ティブス のまま
変わらず。
今日は、その新メンバーでのライヴ。
ブルーノート東京で、一昨日から今日までの
3日間6公演の最終公演を観てきた。
ギターは、アンディもグレッグも
どちらも超上手いので、
聴いていて楽しいのは違いないけど
どちらかというとアンディの方が、私の好み。
なんだろう、アンディの方がちょっと
クラシックロックの匂いがする感じ。
グレッグのギターは、ちょっと
私には新しいハードロックな印象だ。
1曲目 "Nimbus" で、
イントロは、ちゃんと弾いていたのに
テーマに入った途端、何が起こったのか、
4小節ほどで弾くのをやめたグレッグ。
どうもチューニングがOKでは
なかったようで、チューニングしている間、
ギター抜きで曲が進行するという
レアな状況になった。
他の3人は、全くそのことに
動じていない様子。
それも含めて、一流のアンサンブルは
こうなんだなという印象。
もう、気持ち良いほどキメが決まる。
曲は、"PROTOCOL W" から。
そして、前回(2015年)も感じたけど、
けっして派手ではないベースの
アーネストとサイモンのコンビネーションの
気持ち良さ。
一体感を超えて、一体。
このバンドは、この2人のバンドだと
感じるほどだった。
それにしても、これほど7拍子や
9拍子を自然に演奏できるのは
なんなんだろう。
聴いていて、変拍子の違和感がない。
おそらく彼らにとっては、
4拍子や3拍子と同じレベルなんだろうな。
サイモンは、たぶん拍子なんて
数えていないんだろう。
アンコールなしの80分ほど。
素晴らしかった。
[ MEMBERS ]
Simon Phillips (ds)
Greg Howe (g)
Ernest Tibbs (b)
Otmaro Ruiz (key)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
[ プロトコル関連エントリー ]
2015.6.19 SIMON PHILLIPS “Protocol III”
2014.5.31 SIMON PHILLIPS "Protocol II"
(追記)
Blue Note の LIVE REPORTS
2018.1.11
和田 明
King Trio “Birthday Special” Band Set
和田明、初の Motion Blue での
ライヴに行ってきた。
ほとんど満員の大盛況!
1st show の1曲目、スタイルカウンシルの
曲をジャズ・アレンジした
『My Ever Changing Moods』 に始まり、
2nd show、そして、アンコールの 『虹職人』
(オリジナル曲)まで、正味2時間以上
あったと思うけど、あっという間のライヴだった。
さる4日に30歳になった、
明のバースデイ・ライヴということで
途中、メンバーからのサプライズ・
プレゼントもあったりして、楽しいライヴだった。
今日は、ご両親も鹿児島から
いらっしゃってたらしい。
それにしても、30歳にしては、
貫禄あり過ぎちゃうか〜。
曲は前述の2曲の他『My Foolish Heart』、
『Close To You』、『Skylark』、
『Moanin'』、『Love For Sale』、
『This Masquerade』、『小瓶の中の平和』、
J-POP からは、『接吻』(オリジナルラブ)、
『カルアミルク』(岡村靖幸)、
『エイリアンズ』(キリンジ)、
オリジナル曲 『猫の街』、『おかえり』、
『スニーカーは似合わない』など。
ジャズ、ロック、ポップスとジャンルを超え、
何を唄っても結局、和田明ワールドなのでした。
[ MEMBERS ]
和田 明 (vo)
井上 銘 (g)
山本 連 (b)
成田祐一 (key)
秋元 修 (ds)
@ Motion Blue (横浜)
2018.1.12
KURT ROSENWINKEL
“BANDIT 65”
featuring TIM MOTZER & GINTAS JANUSONIS
カート・ローゼンウィンケルのプロジェクト、
「バンディット65」の日本初公演。
コットンクラブ、3日間6公演の
2日目 2nd show を観てきた。
ツイン・ギターにドラムスという
珍しいトリオ。
カートは、途中キーボードも弾いた。
1曲目、サスペンス映画の SE(効果音)の
ようなサウンドで始まった。
いわゆる「音楽」という感じではなかったが、
気が付いたら、「音楽」になっていた。
数曲のメドレーだったのだろうか、
色んな変化を経て、曲が終わり、
拍手をしたのは、始まってから
約45分経っていた。
ギター的なサウンドもないわけではないが、
2人ともギターというよりは、
まるで電子音発生器のような使い方。
う〜む、これはもはやジャズ・ギターとは
呼べないのではないか。
リズムは、フリーだったり、
ロックだったり、ある時はレゲエだったり。
始まった時は、ベースが欲しいなと
思ったけど、途中から低音の不足も
感じなくなった。
カートのギターは、Westville Guitars。
Made in Japan です。
もう一人のギタリスト、ティム・モッツァーは、
デヴィッド・シルヴィアンとかと共演していた
人らしい。
ギターは、ゴダン。
ほとんど素直なギターの音はなかったので
未確認だがナイロン弦のモデルに感じた。
シンセ音も使い、しょっちゅう足元の
コントロールをいじっていた。
普通のフォーマットで演るのに
飽き足りなくなると、
こういう世界に入っていくんだろうな。
これが最新、最先端のインプロヴィゼーションと
いうことか。
ライヴは面白いけど、CD では
たぶん長く聴けない感じ。
来週 “BANDIT 65” は、イギリス、フランス、
ベルギー、ドイツとヨーロッパを周る。
コットンクラブ、ロビーに展示されていた
Westville Guitars。
カートは、真ん中のダブルカッタウェイの
タイプを使用。
[ MEMBER ]
Kurt Rosenwinkel (g,electronics)
Tim Motzer (g, guitar synth, electronics)
Gintas Janusonis (ds,per,circuit bent toys)
@ Cotton Club
2nd show
- Bandit 65 - Live @ Blue Note Milano
2018.1.18
桑原あい×石若駿
"Dear Family"
いやぁ〜ええもん観せてもろた。
間違いなくこれからの日本のジャズの
中心に人物の一人になるであろう、
(いや、もうなっているのか)
桑原あい と 石若駿 のデュオを観てきた。
ピアノとドラムのデュオだ。
何曲目かで、音楽にではなく、
彼ら2人の存在に感動したよ。
その演奏している姿に。
もう人間を超えて、音楽と音楽の
カンバセ―ションとでも言おうか。
言葉ではうまく表現できないけど。
石若のドラムを聴くのは、
2回目だったけど、
ホンマに素晴らしいね。
桑原は、石若のことを
「こんなに色彩豊かなドラムを叩く人を
他に知らない」と言っていたけど、
「色彩豊か」という表現は言い得て妙だ。
まず、柔らかい。
ドラムの音が柔らかいのだ。
そして、繊細とは感じさせない細やかな歌心。
「繊細と感じさせない」というのは、
自然であるということだ。
石若のドラムだけを観ていても
全く飽きないような演奏。
そして、昨年はスティーヴ・ガッド
& ウィル・リー とのトリオで
素晴らしい演奏を聴かせてくれた
桑原のピアノ。
昨年11月にこのデュオで
『Dear Family』という CD を
リリースしたのだが、
ライヴは、今日が初めてだという。
そして、次がないかも知れないという。
いやいや、もっと演って欲しいな。
1日だけなんてもったいないよ。
今日のライヴだって、CD か DVD に
して欲しいぐらい。
でも、やっぱり ライヴが一番。
CD は、出来上がっているけど、
ライヴは今まさに目の前で音楽が
創作されているのだ。
そりゃ〜その現場に立ち会う方が、
録音を聴くより、数倍スリリングで、
エモーショナルで、感動的。
CD も良かったけど、ライヴを観た後に
CD を聴くと面白いことに聴こえ方が違うぐらい
ライヴは素晴らしい。
若者の音楽にこんなに感動するなんて
おじさんは嬉しいよ。
超満員でした。
[ MEMBERS ]
桑原あい (p)
石若駿 (ds)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
桑原あい×石若駿 - 「ディア・ファミリー」(TV Version)
[ 関連エントリー ]
2013.9.8 TOKYO JAZZ 〜 JAZZ HERITAGE 〜
2016.6.27 石若駿クリーンナップ・トリオ
2017.6.24 AI KUWABARA with STEVE GADD & WILL LEE
(2018.2.7 追記)
ブルーノートの "LIVE REPORTS" に
セットリストが掲載されたので記しておく。
2nd show SETLIST
1. Idea for Cleanup〜Great U’s Train
2. Andy and Pearl Come-Home
3. Family Tree
4. Improvisation〜Saturday Come Slow
5. Dog Dosen’t Eat Dog
6. Dear Family
Ec1. Sunday Morning
2018.1.24
栗コーダーカルテット
何の番組だったか
もう覚えていないのだけど、
ちょっと前にテレビ番組の
BGM にリコーダーとウクレレの演奏が
使われていた。
聞き覚えのあるメロディで、
良く聴いていると、なんと Deep Pueple の
"Highway Star" だと気付いた。
調べてみると、演奏しているのは
「栗コーダーカルテット」という
日本人グループ。
リコーダーの4重奏も演るけど、
もともとリコーダー以外の楽器が
専門の人たちで、4人とも複数の楽器を
演奏するようだ。
高校生の頃、コピーにトライしたけど、
中途半端にしか弾けなかった、
リッチー・ブラックモアのギター・ソロ。
あんなにスピード感のある演奏が、
なんとも言えない味のメロディに
化けている。
↓
『ハイウェイ・スター』
ギター・ソロんところ、
もう耳について離れない。
凄いわ、これ。
他にも、あります。
↓
『帝国のマーチ (ダース・ベイダーのテーマ)』
『ジョーズ』
めっちゃおもろい!
CD 聴いてみたけど、凄いわ。
何かが頭の中で崩れていくのが分かる。
『I Can't Turn You Loose』
リコーダーで演ろうと思うのが凄い。
『ボヘミアン・ラプソティ』も素晴らしいのだけど、
YouTube には見つからなかった。
聴いてると、なんかリコーダー
吹きたなってきた。
小学生、中学生の頃、
リコーダー大好きだったんよ。
2018.2.62018.2.8
LARRY CARLTON
"The Greatest Hits"
引越しの片づけは、まだまだ終わっていないのだけど、
そろそろ更新を再開します。
"The Greatest Hits" と題された、
ラリー・カールトンのライヴに行ってきた。
ブルーノート東京、5日間10公演の
ラスト・ショーだ。
今年は、生誕70年、アルバム・デビュー50年、
大ヒット・アルバム『夜の彷徨(さまよい)』
リリースから40年という節目の年らしい。
そうか、40年か。
当時、私は LPレコードが買えなくて、
『夜の彷徨』からシングルカットされた、
"Room335" のシングル盤を買ったよ。
B面は、シブいバラード、
"(It Was) Only Yesterday" だった。
先日、引っ越しの荷造りの時、
そのシングル盤を見たような気がするのだが、
まだ全ての段ボールをアンパックしておらず、
どこにあるのか不明だ。
さて、ライヴの方はというと、
いままでラリーのライヴを10回近く
観てきたと思うが、その中でも1〜2位に
入るのではないかというライヴだった。
と言っても以前と比べようないねんけど、
それぐらい良かった良いう意味ね。
まず、ギターの存在感に圧倒された。
彼のギターは、トレードマークでもある、
Gibson 社の ES-335 というモデルで、
ラリーは、"Mr.335" という異名を取った
ほどなのだが、その 335 が異常な
存在感を放っていた。
ラリーがギターを抱えているのではなく、
ステージの中央にまず、ギターがあって
(空中に浮いているイメージ)、
そこにラリーが寄り添い、
手をまわしてギターを弾いているように
見えたのだ。
ギターがこんな風に見えたのは
初めてのように思う。
今日のギターが、70年代から使っている、
その個体かどうかまでは分からないけど、
尋常じゃない貫禄で、
もう神々しいとさえ感じたよ。
演奏は、あまり長いインプロはせず、
1曲1曲 コンパクトにまとめられている
印象で、ラストの "Room335" まで
終始リラックスした楽しい演奏だった。
おそらくは、"Room335" がアンコール的
位置づけだったんだろう。
アンコールはなしで、約80分。
曲名が、分からないのだけど、
分かるものだけ書くと、
"Friday Night Shuffle"
"Smiles And Smiles To Go"
"Minute By Minute"
(ドゥービー・ブラザーズのカヴァーね)
15年ぶりに演ると言った(と思う)
"Hill Street Blues"。
これはアメリカのテレビ番組の
テーマ曲であったようだ。
「今まで日本で演ったことのない曲も
演ります」と言って、演ったのが
Michael Jackson の『Off The Wall』に
収録の "She's Out of My Life"。
これ、ギターは、ラリーだったのだ。
この人のギターの魅力は、
やはり歌心やなぁと改めて思った。
バンドも素晴らしかった。
ベースは、ラリーの息子、トラヴィス。
もう何度もお父ちゃんと来日している。
キーボードにミッチ・フォアマン、
ドラムにゲイリー・ノバック。
そして、テナー・サックスにポーリー・セラ。
後半、ラリーが「Special Time」と言って、
スローブルースに突入。
サックスのポーリーが歌い出した。
これが、めっちゃ良い!
この人、ヴォーカルでもOKやん!
と聴きほれていると、
あれ?この感じ前にもあったぞと
思い出した。
2014年 2月の ラリー・カールトン&
デヴィッド・T・ウォーカーの
ライヴの時もやはりポーリーが、
ブルースを歌ったのだ。
最後は、スタンディング・オベイション。
満席で大盛況。
大満足なライヴでした。
[ MEMBERS ]
Larry Carlton (g)
Travis Carlton (b)
Mitch Forman (key)
Paulie Cerra (sax)
Gary Novak (ds)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
ところで。
ラリー・カールトンを初めてナマで
聴いたのは、33年前、アメリカ旅行の際、
LA の老舗ライヴ・ハウス Baked Potato で。
当時の旅日記を見ると、1985年11月2日。
ミュージック・チャージが、10ドル!
入替制だったので 1ステージしか
観られなかったと書いている。
今日と同じく80分ほどだったようだ。
ハッキリと覚えていないのだけど、
ラリーのギターは、ES-335 ではなく
Valley Arts のソリッド・タイプだった
ような気がする。
ベースが、エブラハム・ラボリエルで
その弾き方にぶっ飛んだ様子が書いてある。
その時の写真。
私、23歳。
髪の毛、あります。
(2018.2.8 追記)
ポーリー・セラのスロー・ブルースは、
Larry Carlton & David T. Walker のCD、
『@Billboard Live Tokyo』にも
収録されておりました。
"My Baby By My Side" という曲なのだが、
ちょっと歌詞が違うように思うので、
同じ曲かどうか確信がないけど。
まあブルースなんで、似たようなもんです。
歌は、CDより今回のライヴの方が
断然 GOOD だった。
Char
@ Billboard LIVE TOKYO
12月に紀尾井ホールで、
「Acoustic Tour」を観てきたばかりだが、
またまた 観てきた Char のライヴ。
今日は、エレクトリックで
ドラムが Robert Brill!
ビルボードライブ東京にて、
2日間4公演の最終 show を観てきた。
Robert は、Char のデビューアルバムから
3rd アルバムまでの初期三作に
参加したドラマー。
いつも一緒に演っている古田たかしも
好きだけど、聴き比べるとどうも
Char のギターには、Robert の
ドラムの方が合っているように感じるのだ。
今日もドラムが聴こえない瞬間が何度かあった。
これ、いい意味で、ドラムが
音楽に溶け込んでいるような感じなのだな。
そして、キーボードが同じく Char の
初期作に参加していた 佐藤準。
ベースは、いつもの澤田浩史。
2014年12月と2015年12月に
このメンバーでのライヴを
EXシアター(六本木)で観たけれど、
それ以来となる。
Char のギターは、バーガンディミストの
ストラトとホワイトのムスタングの2本。
曲は、"I'm Here For You"、"All Around Me"
"Cry Like A Baby"、"Tokyo Night"、
"空模様のかげんが悪くなる前に"、
"Smoky"、"Shinin' You Shinin' Day"、
"Rainbow Shoes" など。
"Cry Like A Baby" を久しぶりに聴けて、
嬉しかったな。
『気絶するほど悩ましい』や『闘牛士』
『逆光線』は演らず。
やっぱり、この人のギターを抱えた姿は、
絵になるなぁ。
カメラが入っていたので、DVD になるかも。
そうそう、今日は久しぶりに
エイトビートおばさんを見たよ!
エイトビートおばさんについては、
こちらを参照。
[ MEMBERS ]
Char (Gt,Vo)
Robert Brill (Drs)
佐藤 準 (Key)
澤田浩史 (B)
@ Billboard Live TOKYO
2nd show
2018.2.9
続く訃報
レオン・“ンドゥグ”・チャンクラー
デニス・エドワーズ
先日(1月5日)、David.T.Walker の
ライヴで観たドラマー、
Leon Ndugu Chancler(レオン・ンドゥグ・
チャンクラー)のことをこう書いた。
いつもとっても嬉しそうに演奏する
ドラムのレオン・ンドゥグ・チャンクラー。
今日は、登場するなり、
痩せていてビックリした。
何か病気でもしたんだろうか。
心なしか笑顔もいつもより
少なかったような気がする。
時々、満面の笑みで叩いてたけど。
あれから、ひと月もたたない今月3日、
チャンクラーは死んでしまった。
やっぱり、具合があまり良くなかったんやね。
今回の訃報で知ったのだけど、
チャンクラーって、マイケル・ジャクソンの
"Billie Jean" のドラマーやったんやね。
デヴィッドのライヴで、何度も観たけど、
全然知らんかった。
この出だしドラム、世界中の人が知ってるやん。
↓
Michael Jackson - Billie Jean
マイケルだけでなく、マイルスやカルロス・サンタナ、
ザ・クルセイダーズ、フランク・シナトラ、
ウェザー・リポート、ライオネル・リッチー、
ケニー・ロジャース、セロニアス・モンク、
ジェームス・ブラウン、エリック・クラプトン、
ハービー・ハンコックなどなど
凄いメンツと共演してきたドラマーだったのだ。
Darryl Jones らと、こんなカッコええのも演ってたよ。
↓
3 Brave Souls 「Wanna Get Away? ft. Sy Smith」
いつもホントに嬉しそうにドラムを叩く、
姿が印象的でした。
享年65歳。
ちょっと若いなぁ。
合掌。
[ 関連記事 ]
米ドラマー、レオン・チャンクラー逝去
R.I.P Leon Ndugu Chancler
「ビリー・ジーン」などの名ドラマー、ンドゥグ・チャンクラーが死去 65歳
それから、昨年3月、
「THE TEMPTATIONS REVIEW
featuring Dennis Edwards」として観た、
デニス・エドワーズが、今月1日、
シカゴの病院で死去した。
享年74歳。
そのライヴのレビューで
私はこう書いている。
ちょっと残念だったのは、
デニス・エドワーズ の声が
出ていないというか、
聴いていてちょっとしんどかったこと。
ステージ中、何度も水を飲む様子から、
体調が優れないのかなとも推測したが、
隣のテーブルからは、
「デニス、前回よりも良いよ」という
声が聞こえてきた。
やっぱり、好調ではなかったのかもな。
合掌。
写真中央がデニス。
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R.I.P Dennis Edwards
デニス・エドワーズさん死去、テンプテーションズのリードボーカル 74歳
2018.2.15
引越しに想う 4
― シングル・レコード ―
先日、ラリー・カールトンのライブの日、
「当時、私は LPレコードが買えなくて、
『夜の彷徨』からシングルカットされた、
"Room335" のシングル盤を買った」
と書いた。
引越荷物の中から、そのレコードを
発見した。
1977〜78年頃に購入したものだ。
アナログ・レコードは、実家に数十枚
(いや、百枚以上はあるか)
置いたままだが、10年位前、一時期
レコードプレイヤーを持っていた時があって、
その時に、20〜30枚の LP レコードとともに
シングル盤も数枚東京に持ってきたのだ。
"Room335" 以外にはこんなの。
サンタナ『君に捧げるサンバ』
ニルソン『ウイザウト・ユー』
(「ウイズアウト」ではないのが良い。)
リンダ・ロンシュタット『イッツ・ソー・イージー』
映画音楽について、何度かここに
書いてきたけど、こういうのを
買ってた少年だった。
『ロミオとジュリエット』。
音楽は、Nino Rota。
そして『パピヨン』。
音楽は、Jerry Goldsmith。
シングル盤は、大体1枚500〜600円だったけど
これは、400円だった。
吉田拓郎『イメージの詩(うた)』『マークU』。
紙ジャケットの裏表に歌詞も印刷してあり、
どちらがA面なのか分からない。
これは、中学生の時、実家のある町に
唯一あったレコード店で発見し、購入した。
当時、シングル盤は500円、LP盤は
2,500円が相場だったのに、400円だったので、
嬉しくなって買った覚えがある。
あの頃の100円の違いは、大きかったんやな。
高校時代、たぶん10枚以上のシングル盤を
レコードを集めていた友達に
売った覚えがあるが、
これらは、売らなかったんだな。
最近は「アナログ・レコード」などとは呼ばずに
「ヴァイナル」「ヴァイナル・レコード」
なんて呼ばれていたりする。
「ヴァイナル(Vinyl)」は「ビニール」の
英語的発音。
やっぱり、レコード・プレイヤー欲しいな。
最近は1万円以下でもあるようなので、
考えているのだが、結構置き場所取るねんな。
Victor Wooten
featuring Dennis Chambers
& Bob Franceschini
一昨年、ゴールデン・ウィークの
旅行の帰りを早めてまで、観たライヴが
ヴィクター・ウッテン、featuring
デニス・チェンバース、
ボブ・フランチェスチーニのトリオ。
その3人がアルバムをリリースした上に、
再び来日してくれた。
毎度毎度、ビクターのプレイには
ぶっ飛びなのだが、今回も然り。
もう何をやっているのか分からない。
ルーパーの使い方も進化している。
リズムをあそこまで完全にコントロール
出来る人は、プロの中でもそんなに
いないんと違うやろか。
テクニックも凄いし、ベースだけでも
観ていて飽きない。
デニス・チェンバースは、2014年
マイク・スターン・バンドでの来日時に
激やせしており、ずい分心配した。
実際にその後、倒れたらしいが、
2016年このトリオで来日時には、
かなり体重も戻っていたようで安心した。
ところが、今日はこれまた
もの凄いお腹の出方で、今度は
太り過ぎなのではないかと心配になった。
アンコールには登場せず、
ビクターとボブの2人だったのも気になる。
最近、こういうことを書くとその後、
最悪なことになる例が続いたので、
今回はそうでないことを祈る。
曲目は、ニュー・アルバム『Trypnotyx』から
"Dc10"、"Liz & Opie" などの他、
Bela Fleck & The Flecktones の曲(タイトル
言ってたけど忘れた)や、"Summertime" など。
アンコール "The Lesson" まで入れて
90分ぐらい。
大満足。
[ MEMBERS ]
Victor Wooten (B)
Bob Franceschini (Sax, Fl)
Dennis Chambers (Drs)
@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show
2018.3.2
ほうろう
〜 小坂忠について 〜
私は、19〜20歳の頃、
大阪ミナミの地下街にあった、
「HIP」という名の喫茶レストランで
アルバイトしていた。
そこは、いわゆるオシャレな人たちと、
ちょっと危ない人たちも出入する、
ヒップなお店だった。
その店の BGM は、有線ではなく、
カセットテープで音楽を流していた。
アルバイトの皆が、聴きたい音楽を
それぞれ持ってきて、
好き勝手にかけていたのだ。
時は、80年代前半。
テクノやニューウェイブが
流行っていた時代。
そこで私はたくさんの新しい音楽に
出会った。
例えば、Dexys Midnight Runners の
"Come On Eileen" なんかも、
モード学園に通う女の子が、
持ってきてかけていたので知った覚えがある。
ハッキリ覚えているのだが、
ある日、レコード会社の営業の人が、
サンプル・カセットテープを
「お店でかけてください」と持ってきた。
それが、桑名晴子(桑名正博の妹)の
『MOONLIGHT ISLAND』という
アルバム(1982年発売)だった。
『MOONLIGHT ISLAND』は、
日本のポップスのカヴァーアルバムで、
『夢で逢えたら』、『DOWN TOWN』、
『ムーンライト・サーファー』などの
名曲が収められていた。
特に私が気に入っていたのは、
兄である正博の曲のカヴァー『夜の海』と
つのだ☆ひろのヒット曲、
『メリー・ジェーン』のB面だった
『I LOVE YOU』。
のちに つのだ☆ひろの
オリジナル・ヴァージョンも聴いたけど、
断然、晴子のカヴァーの方が私は好きだ。
バックは、AB'Sのメンバーが中心で
当時の私には、芳野藤丸や松下誠の
ギタープレイも刺激的だった。。
そのアルバムが気に入った私は、
アルバイト中、何度も何度も
店内で流していた。
アルバムの1曲目は、知らない曲だったが、
とても印象的だった。
それが『ほうろう』という、それまで
聞いたことのない、小坂忠という人の曲だった。
小坂忠は、1966年にデビューした、
日本の R&B の先駆者。
デビューは、「ザ・フローラル」という
GSグループだったが、
その後、ソロデビューを果たし、
1975年にアルバム『HORO』を発表した。
『HORO』は日本のポップス史に残る
名盤と言われている。
晴子がカヴァーしていたのは、
そのタイトル・チューンだったのだ。
晴子のカヴァーを聞いた、何年かのちに
小坂忠のアルバム『HORO』も聴いた。
その中では、『機関車』という曲が
強烈で印象的だった。
数年前、浜田真理子 がカヴァーしているのを
ライヴで聴いたが、ピアノの弾き語りで、
また違う味わいがあった。
どういうわけか小坂忠については、それ以上、
調べたり聴いたりすることもなかったが、
先日ライヴの情報を得たので、
急にナマで聴きたくなった。
「死ぬまでにナマで聴いておきたい
アーティスト・リスト」だ。
それで、彼のことを調べて初めて知った。
小坂忠は、1976年にクリスチャンになり、
ゴスペル・シンガーとして活動を始めたらしい。
2000年代に入って、またアルバムを
リリースするなどの活動を再開したようだが、
昨年8月に緊急入院・手術ということが
あったようだ。
今回、私が行く3月5日のライヴは、
『ほうろう』全曲再現ライブということで
楽しみにしている。
2016年にデビュー50周年記念で発売された
『CHU KOSAKA COVERS』を
アマゾン・プライムで聴いたが、
"Knock On Wood" や "You Send Me"、
"You’ve Really Got A Hold On Me"
"(Sittin’ On) The Dock Of The Bay"、
"You Keep Me Hangin' On"、
"You Are So Beautiful" など
リズム&ブルースのど真ん中の選曲で
めちゃくちゃカッコ良い。
これまた、メンバーもよい。
鈴木茂(G)、小原礼(B)、佐橋佳幸(G)、
Dr.kyOn(Key)、屋敷豪太(Dr.)ら。
3月5日のライヴも鈴木茂、小原礼、
Dr.kyOn、屋敷豪太らがサポートする。
残念ながら佐橋さんの名前はなかったけど、
楽しみやな〜。
2018.3.5
小坂忠
「HORO 2018」Special Live
先日、小坂忠について書いたが、
そのライヴに行ってきた。
今日のライヴは、1975年のアルバム
『HORO』の全曲演奏という企画。
それだけだと9曲で40分足らずで
終わってしまうというので、
MCを入れながら60分ほどかけて演奏。
アンコール3曲を入れて80分弱かな。
小坂忠は、アルバム『HORO』の
ジャケットを思わせるレンガ色の
スーツで登場。
ちょっと横山剣を思い出すような
ダンディな印象。
先日のエントリーに
「昨年8月に緊急入院・手術ということが
あったようだ」と書いたけど、
今日のご本人の話によると、
病名は言わなかったけれど、
10時間に及ぶ大手術だったらしい。
でも、歌声を聴く限り、
そんなことは感じられなかった。
生死の境を見るような体験をした人は、
それまでと何かが違っているんだろうな、
彼の歌を聴きながらそんなことを思った。
さかんに「生かされている」というようなことを
言っていたけど、それはクリスチャンだから
というだけではないような気がした。
曲は、『ほうろう』『ゆうがたラブ』
『しらけちまうぜ』も良かったけど、
レコードよりややスローな
『機関車』が一番良かったな。
この歌、歌詞の意味、よく分からないのだけど、
たぶん物凄いラヴソングなんやと思う。
アンコールは、カヴァー3曲。
Billy Preston の "You Are So Beautiful"、
坂本九の "上を向いて歩こう"、
Bob Dylan の "Forever Young"。
"You Are So Beautiful" も良かったなぁ。
メンバーは、ベテランばかり。
ギターは、75年のアルバムでも
プレイしていた鈴木茂。
職人です。
使用ギターは、テレキャスター、
SSHのストラトキャスター、
P-90の付いた ファイアーバード。
2曲目だったか、ボリュームペダルの
糸が切れるというトラブルが発生したけど
すぐに処置がされた。
ドラムは、Simply Red のメンバーでもあったし、
2012年には、Char とジャック・ブルースとの
トリオでも観た 屋敷豪太。
ベースは、サディスティック・ミカ・バンド、
カミーノの小原礼(66歳。見た目若い!)
キーボードは、最近 Charさんとも
演っている Dr.kyOn 。
もう一人、キーボードに斎藤有太。
この人、ずい分前に佐橋佳幸さんの
ライヴで観たことがあって、
いいなぁと思った覚えがある。
コーラスの アイサ は、
ブレッド&バターの岩沢幸矢の娘。
なんか、地に足が付いてるって感じの人。
やっぱり観に行って良かったわ。
[ MEMBERS ]
小坂忠 (Vo)
鈴木茂 (G)
小原礼 (B)
Dr.kyOn (Key)
屋敷豪太 (Dr)
斎藤有太 (Key)
Aisa (Cho)
@ Billboard LIVE TOKYO
2nd Show
[ SETLIST ]
1. ほうろう
2. 機関車
3. ボンボヤージ波止場
4. 氷雨月のスケッチ
5. ゆうがたラブ
6. しらけちまうぜ
7. 流星都市
8. つるべ糸
9. ふうらい坊
EC
1. You Are So Beautiful
2. 上を向いて歩こう
3. Forever Young
2018.3.82018.3.10
OZ NOY “OZONE SQUEEZE”
featuring RAI THISTLETHWAYTE
& DARREN STANLEY
Oz Noy のニューアルバムは、
なんと歌入りポップス・アルバム
『OZONE SQUEEZE』。
これが良い!
昨年、Kurt Rosenwinkel が発表したアルバム
『Caipi』も同様に歌入りだったけど、
残念ながら私はあんまり良さが分からなかった。
でも、Oz Noy のニューアルバムは、
単純に楽しめる。
ビートルズの "Come Together" や
ボブ・マーリーの "Waiting In Vain" の
カヴァーの他、ジャズ・スタンダードの
"Skylark" が、斬新なアレンジで
生まれ変わっている。
特にご機嫌なのは、"Chase the Clouds"、
"Supernatural Man"。
カッコええ!
ヴォーカルの Rai Thistlethwayte
(レイ・ディットゥルスウェイ)の声も良い。
そして、Oz Noy のギター・ソロ!
クゥ〜ッ!
これは、ナマで聴かねばと思い、
ライヴに行ってきた。
Oz Noy のライヴは、2011年12月、
2014年8月に続いて3度目。
前2回は、ベース、ドラムとのトリオだったが、
今回は、キーボード・ヴォーカルの
Rai Thistlethwayte とドラムの
Darren Stanley とのトリオ。
3日間公演、初日の 2nd ショー。
ライヴは、超ゴキゲン!
Rai は、ヴォーカルと右手エレピ、
左手ベースでひとり三役。
エフェクトを駆使した Oz のギターと
合わせてトリオとは思えないサウンド。
曲は、アルバム『OZONE SQUEEZE』から
8曲中6曲をプレイ。
それ以外にインスト2曲("Flashback"、"Come On")。
天気のせいもあったのか、
お客さんがちょっと少なめだったのは、
もったいない。
あと2日間あるので、もう一度観ても
いいぐらい。
Oz は、赤紫みたいな色のストラト。
アンプは、VOX とローランドの Blues Cube。
足元のエフェクト群。
足元と手元で、しょっちゅう音色を
変えていた。
ある意味、マジシャン。
[ MEMBERS ]
Oz Noy (g)
Rai Thistlethwayte (vo,key)
Darren Stanley (ds)
[ SETLIST ] たぶんこうだったと思う
1. Flashback
2. Come Together
3. Chase the Clouds
4. Supernatural Man
5. I'm Gonna Be (500 Miles)
6. Come On
7. Ebony Eyes
EC. Waiting in Vain
@ Cotton Club
2nd Show
Ozone Squeeze - Supernatural Man
JEFF BECK
STILL ON THE RUN
THE JEFF BECK STORY
エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、
ロッド・スチュワート、ロニー・ウッド、
デヴィッド・ギルモア、スラッシュ、
ヤン・ハマー、ヴィニー・カリウタ、
タル・ウィルケンフェルド、
ロンダ・スミスらが、ジェフ・ベックという
ギタリストについて語るという内容のDVD
『スティル・オン・ザ・ラン 〜
ジェフ・ベック・ストーリー』が発売された。
日本版は、テレギブの FENDER 公認
フィギュアとボーナス・ディスク
(2007年のモントルー・ジャズ・フェスの
ライヴ 7曲)が付いて、
DVD が 10,260円、Blu-ray が 10,800円。
ちょっとお高いが、Amazon で 発売前に
DVD を予約したら 7,828円だった。
今日 見たら、10,260円になってた!
これ、テレギブのフィギュアで3,000円以上は、
高くなってるような気がするなぁ。
たぶん初回限定生産とあるので、
後々フィギュアの付いてない、
通常盤がもうちょっと安く出回るんやろな。
テレギブというのは、セイモア・ダンカンが、
改造したギターで、FENDER の
テレキャスターに GIBSON の
ピックアップが 2基搭載されたもの。
1975年のアルバム『Blow by Blow』の
『哀しみの恋人達(Cause We've Ended as
Lovers)』で使用されたことで有名。
これが、おまけのフィギュア。
背景は、DVDのジャケット。
すごく良く出来ている。
大きさは、こんなんですう!
あれ、このパターン、どっかで知ってるぞ。
(→ これだ。)
さて、DVD の内容は、中々に興味深いもので、
ジェフがいかに、他のミュージシャン達から
尊敬されているか、ミュージシャンとして、
いかにレベルが高いかが、
色んな人の口から語られる。
まさにミュージシャンズ・ミュージシャンである。
ロッド・スチュワートとのバンドが
短命に終わり、BBA も長続きせず、
結局、ジェフはシンガー抜きで、
ギターのみの孤高の世界を確立していく。
それは誰にも真似のできない世界。
ストラトキャスターを操らせたら、
世界一だということは、誰もが同意するだろう。
ジョー・ペリーの「ジェフのショーを観たら、
早く帰って練習しようと思う」という言葉が、
なんか微笑ましかった。
あと、ジミー・ペイジと「移民の歌」を
共演するシーンが少しだけ映るのだが、
その時の嬉しそうなジェフもとても印象的。
この DVD ではないけど、
以前、Char さんが ジェフんちに
遊びに行って、セッションをしたときに、
ギターを弾くジェフは、
まるで中学生のようだったみたいなことを
言ってたけど、ジェフのそんな純粋さが
音楽をあの高みにまで
持って行っているんだろうと思う。
エリック・クラプトンは、
ジェフの演奏の後に出番があって
(あんな名演の後に演るのは)イヤだった、
と言っていた。
あと、ヤン・ハマーの見た目、
ただのおっさんぶりにもちょっと驚き。
おまけのライヴ DVD は、ベースが
タル・ウィルケンフェルドの時のもので
とてもよろしい。
2018.3.10
LEGENDS
Live at Montreux 1997
久しぶりに家でゆっくり DVD 鑑賞。
先日、友人と話題になったので
『LEGENDS : Live at Montreux 1997』を
観直すことにした。
『LEGENDS : Live at Montreux 1997』は、
エリック・クラプトン、スティーヴ・ガッド、
マーカス・ミラー、ジョー・サンプル、
デヴィッド・サンボーン という
5人によるバンドのライヴ映像作品。
タイトルの「1997」を観て、
(21年も前?そんなに昔やったかなぁ)
と思った。
ライヴ映像は、97年7月4日の
モントルー・ジャズ・フェスティヴァルでの
演奏だが、この DVD が発売されたのは、
2005年だったのだな。
それでも、もう13年前だけど。
Amazon のレビューを見ると
やれ「一体感がない」だの
「息が合っていない」だの
「まとまりがない」だの
「クラプトンの調子が悪い」だのと
書いている方々がいるが、
私は、このプロジェクトは、この5人が
一緒に演奏しているというだけで、満足だ。
確かにスリリングさには欠けると言えるし、
クラプトンのミス・トーンも残念だ。
しかし、彼らのスーパー・プレイを
聴きたいなら、それぞれの作品を聴けば良い。
演奏の中身ではなく、所々の音のバランスの悪さは、
ちょっと何とかしてほしかったけどね。
ジョー・サンプルは他界してしまい、
この5人が一緒にステージあがることは
二度とないわけで、そういう意味でも
非常に貴重は「記録」ともいえる。
このプロジェクトのあと、
ジョーとガッドは、クラプトンのバックを
長く演ることになるし、
マーカスのアルバムで、クラプトンは、
『シルヴァー・レイン』を歌う(共作)し、
それぞれの関係は発展していくのだな。
色んなインタビューや記事を読んでいると
クラプトンは、謙虚というより、
結構なコンプレックスを持っているんじゃないかと
思ってしまう。
このプロジェクトだって、
一流のジャズ・メンと一緒に演ることは、
彼にとってはプレッシャーだったんだろうと
思われる言葉を残している。
DVD では、クラプトンが歌っている曲より、
インストの方が、このバンドならではなので好きだな。
確かにこのメンツによる "Layla" も面白いけど。
私がベスト・トラックを選ぶなら
美しい "Ruthie"(クレジットがないので誰の曲か
分からない)と、ステージの後半、それぞれのソロが熱い
"Put It Where You Want it"(クルセイダーズのナンバー)
(マーカスはスラップのソロをしながら
チューニングしてますぜ)の2曲。
ライナーノーツによると、このツアーはヨーロッパの
ジャズ・フェスを廻る11日間のツアーで、
モントルーがその初日であったらしい。
オフィシャル作品は、これだけなのだが、
別の公演のブートレッグ(CD)もあるようなので、
聴いてみたい。
[ MEMBERS ]
Eric Clapton (guitar / vocals)
David Sanborn (saxophone)
Joe Sample (piano / keyboards)
Marcus Miller (bass / bass clarinet)
Steve Gadd (drums}
[ 曲目 リスト ]
1. Full House
2. Groovin’
3. Ruthie
4. Snakes
5. Going Down
6. The Peeper
7. In Case You Hadn’t Noticed
8. 3rd Degree
9. MEDLEY : 1st Song / Tango Blues
10. Put It Where You Want it
11. Shreeve Port Stomp
12. MEDLEY : In A Sentimental Mood / Layla
13. Everyday I Have The Blues
2018.3.14
STRATOCASTER
ストラトキャスター
年と共に、好きなギタリストが
増え続けていて、困ります。
別に困らんでもええねんけど。
この10年以内なら、初めてナマで聴いた時の
Kurt Rosenwinkel や Tommy Emmanuel は、
強烈に衝撃的だった。
先日の Oz Noy も良かったし、
昨年は、Julian Lage を2回観たけど、
2回とも もの凄く良かった。
例えば、こういうの 聴くと、私は
もうどうしてよいのか分からなくなる。
Julian Lage - "Look Book" (Live in Nashville)
それから、最近知ったこの人。
Nir Felder - Bandits (live @Bimhuis Amsterdam)
こういうのも好きやなぁ。
もう JAZZ とちゃう。
ジャンルなんかどうでもええよね。
それにしても、最近、JAZZ 系でも
ストラトキャスターを使う人増えたような気がする。
20〜30年前は、JAZZ・FUSION 界で
ストラト使う人って
あんまりおれへんかったと思うねん。
先日、観た Oz Noy も、前述の Nir Felder も、
最近の Adam Rogers も ストラト。
まあ、故 Hiram Bullock、Michael Landau、
Wayne Krantz、Scott Henderson あたりは、
ストラトのイメージが強いけど、
ちょっと最近の傾向はそれらの人達とは、
違うタイプの人達がストラトを
使い出しているような気がする。
Fender 系ということに範囲を広げれば、
Mike Stern や 故 Cornel Dupree は
ずっとテレキャス(or テレキャス・タイプ)。
そして、Julian Lage や Bill Frisell も
テレキャス(or テレキャス・タイプ)を
使うことが多い。
Robben Ford や John Scofield も
テレキャス使うしね。
こういう現状は Gibson 社の経営の
行き詰まりと関係ないだろうかね。
考えすぎ?
ところで、新しく出た Eric Jonson モデルの
ストラトが欲しい。
Eric Johnson - Stratagem
Michael Landau モデルぐらい高かったら
(約100万円)、諦め付くけど、
手が届く範囲(27万円程度)というのが悩ましい。
これで、JAZZ を弾いてみたいなぁ。
ろくに弾けないけど。
2018.3.15
LEGENDS
Bootleg
1997年に期間限定で結成された、
Eric Clapton、 David Sanborn、
Joe Sample、 Marcus Miller、
Steve Gadd によるスーパー・バンド
"LEGENDS" 。
いくらスーパー・バンドとはいえ
自分たちのことを「LEGENDS(伝説)」と
呼ぶのはいかがなものか、
という意見もあったようだが、
名付け親のジョー・サンプルによると
自分たちを育ててくれた、
自分たちにとってのレジェンズ、
すなわちチャーリー・パーカーだったり、
ジャコだったり、そういう偉大な先達に
リスペクトと感謝をこめて
レジェンズという名前にしたらしい。
つまり、自分たちを指していたわけでは
なかったのだな。
さて、"LEGENDS" によるライヴは、
1997年、ヨーロッパで11公演行われたようだが、
公式に発表されているのは、初日、
モントルー・ジャズ・フェスでの
ライヴ DVD のみ。
もちろん、スタジオ録音作品はない。
DVD のことは、先日書いた通り。
モントルー以外のライヴも
ブートレッグで出回っているようなので、
ぜひ、聴いてみたと思ってググっていると、
モントルーの翌日、フランスのヴィエンヌでの
公演を収めたブートレッグ(CD)を発見。
モントルーは、初日だったので、
多少のぎこちなさがあったのかも
しれないが、こちらはリラックスした中にも
凄まじいプレイが収められているとのこと。
う〜む、聴いてみたいが、5,500円。
高いなぁと思っていると、
ほかのショップで、3,800円で発見。
さすがにブートレッグ、値段も勝手に
決めて売られているようだ。
そして、また別のショップで
なんとヨーロッパに行く前にハリウッドで
行われたセッション(リハーサル?)の
音源を発見。
ライヴでは演らなかった曲も
収められている。
これは、聴かねばと注文。
こちらは、1,880円。
というわけで、両方入手。
まずは、フランスのヴィエンヌでライヴ。
DVD に収録されたライヴの翌日ということだが、
宣伝文句通り、こちらの演奏の方が、
勢いがあるというか、
伸び伸びしているというか、
ゴキゲン度が高いように思う。
やはり、2日目になり初日の固さが
取れたということなのだろうか。
曲目は、DVD と全く同じ。
オーディエンス録音だが、音質、
バランスもそれほど悪くない。
もちろん、オフィシャルの音源とは、
比べられないが、ブートレッグは、
たまに最低な音源もあるので、
そういうのに比べれば、十分許容範囲。
スタジオ・セッションの方は、
1997年 6月にハリウッドのS.I.R.スタジオで
行われたというセッション。
さすがにスタジオでちゃんと録音された
だけあって、クリアで聴きやすい。
でも、多少ラフな仕上がり(演奏ではなく録音)の
印象があるのは、やはり CD にするほどの
手間暇をかけたマスタリングではないからかな。
にしても、これはお宝音源だ。
ただ、全16曲中 David が2曲しか
吹いていないのは残念だ。
そのせいで、カラオケっぽいパートも
何か所かある。
とはいうものの演奏は、
落ち着いた感じだで、
十分に鑑賞に値する。
細かいところがキッチリと
出来上がってないところが、
リハーサルらしくて、また良い。
なにしろ、ライヴでは演奏されなかった
"Silver Rain" や "I Got You I Feel Good"、
"Rock Me Baby" も収録されている。
"Silver Rain" は、2005年に Marcus Miller の
アルバムに収録され(Eric Clapton on vocal)、
私は初めて聴いたわけだが、それよりも
8年も前にこうやって演奏されていたのだ。
しかし、2005年にリリースされたヴァージョンに
比べると、手探り感が強くまだ完成とは言えない。
途中、Marcus が「Cm(シーマイナー)」とか
次のコードを言う場面もある。
エンディングも決まらない。
Eric でも Marcus でもない人も
歌っているように聞こえるが、
これは Marcus の声か?
"Rock Me Baby" は、このセッションのあと
"Everyday I Have The Blues" に
変更したんだろうな。
"I Got You I Feel Good" は、
David が登場しないので、
ほとんどカラオケっぽい。
David がメロディを吹く予定だったんだろうな。
"Full House"、"Groovin'"、"Ruthie" は、
2テイク収められているのも嬉しい。
(David が参加しているのは、
"Groovin'" のテイク2と
"Full House" のテイク2のみ。)
"Ruthie" はストリングスをかぶせた
ヴァージョンが入っている。
ライヴよりも Eric の音は好きだな。
ところで、ちょっと疑問がある。
公式にリリースされた DVD と
この2つのブートレッグで、
同じ曲なのに曲名が違うのだ。
DVD では、"Groovin’"、
"In Case You Hadn’t Noticed " と
なっている曲が、ブートレッグでは、
それぞれ "Marcus #1"、"Suggestions" と
なっている。
"Marcus #1" は、まだ曲名が決まって
いなかったのだろうかね。
また、アンコールで演奏される
Joe Sample のピアノ・ソロ曲も
DVD では、"Shreeve Port Stomp" と
なっているが、ブートレッグでは、
"Jerry Roll" なっている。
DVD のライナーノーツには、
Jelly Roll Morton の "Shreeve Port Stomp"
という曲だと書いてあったので、
どこかで、タイトルが "Jerry Roll" と
なってしまったんだろうか。
(Jelly Roll Morton は、1890年生まれの
JAZZ 初期の作曲家・ピアニスト。
1941年没。)
1枚だけなら、何かの間違いかと思うけど、
2枚とも同じように曲名が違うのだ。
もしかしたら、DVD が公式に出る前に
ブートレッグは出回っていた可能性があるので、
そういうタイトルになっているのかも知れない。
それから、YouTube で、
Vitoria-Gasteiz(Spain)での
ライヴ映像を発見!
7月17日とある。
ツアー初日のモントルーが、7月4日だったので、
これは、かなり後半でもしかしたら、
最終公演ぐらいだったかも。
なんと1時間50分、たっぷりあります。
まだ全部観てないけど、ゆっくり観よう。
↓
LEGENDS Spain, 1997-07-17
― おまけ ―
Silver Rain (Marcus Miller, Eric Clapton on vocal)
Silver Rain - LIVE - Marcus Miller on vocal & bass
2018.3.18
OMARA PORTUONDO
オマーラ・ポルトゥオンド
なんやろ、オマーラが歌い出して
2小節で泣けてきた。
ラテン音楽を聴いて、
心が浄化される体験なんて、
想像もしていなかった。
キューバの歌手、オマーラ・ポルトゥオンドは、
1930年生まれとあるから、Clint Eastwood や
私の父と同じ年で 今年88歳、米寿。
キューバに米寿はないやろけど。
オマーラのことは、2000年の映画
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』で知った。
そして、2013年の Buena Vista Social Club の
来日公演で、数曲オマーラの歌を
ナマで聴いたのだが、彼女が登場しただけで、
ステージの雰囲気、世界が変わってしまう、
そんな存在感のある人だった。
あれから5年、再びオマーラの歌を
聴くことが出来た。
実は、オマーラのことは何も知らない。
5年前のライヴが強烈だったこと、
今年秋についにキューバへの旅行を
計画中であることなどから、
どうしても観ておきたくなった。
もう最後の来日かもしれないし。
今日のブルーノートは、超満員。
公演は、ブルーノート(1公演のみ)と
20日の EX THEATER(六本木)の2回のみ。
歩くのもやっとという感じで登場した
オマーラは、イスに座って歌ったが、
途中何度か立ち上がり軽く踊って見せた。
スペイン語は全く分からず、
キューバ音楽にも詳しくなく、
知っている曲は、超有名曲の
『ベサメムーチョ』ぐらい。
それでも、何度も何度も落涙した。
時々、こういうライヴに出会えるけど、
今日はその日。
オマールは、歌を唄っていない。
ただ、そこにいて、自分を表現している。
「琴線に触れる」とはこういうことを
言うのだろう。
陽気なラテンを聴きながら、
涙が流れてくる。
「キューバの至宝」と紹介されているが、
まさにそんな感じ。
その至宝が、わずか5メートルの
目の前で歌っている。
特にアンコールで、オマーラと目が合った
(と私は思っている)ままの数小節は、
強烈だった。
勝手に涙が出て、なんか分からん体験。
でも、こういうの、ビデオや CD では、
分からんのよね。
ライヴでしか味わえんのです。
話は、前後するが、
オマーラが、ステージに登場して
すぐ客席に誰か(知り合い?)を
見つけたようだった。
途中でその人(おじさん)が
ステージに呼ばれて上がった。
私は誰か知らない人だったけど、
シンガーのようで、
「いつもオマーラにステージに上がって
歌えと言われても、断ってきたけど、
今日は歌います。
シャルル・アズナヴールは、前回
最後の来日と言っていたけど、
94歳で今年も来日します。
オマーラの方が若いんだし、
また、来てくれるでしょう」
というようなことを言った後、
スペイン語で、オマーラに通訳し、
そして、歌い出した。
1本のマイクで、オマーラとの
デュオになったのだが、
これが素晴らしかった。
あのおじさんは、誰だろう?
今日のメンバーは、当初は全員
キューバからのミュージシャンだったが、
公演が決まったあと、ピアニストが
ロランド・ルナから、奥山勝に
変わったと発表があった。
(3月20日の公演にはロランド・ルナが
参加するようだ。)
「え〜せっかく聴くのに、日本人?」と
思ったのだが、そんなこと吹っ飛ぶような
素晴らしいピアノだった。
ああ、この人かなり本格的にラテンを
演ってきた人だなと思った。
帰ってから、調べてみると奥山さん
自身のプロフィールにはこうあった。
YOSHIRO&東京サルサボール(SalsaBand)に参加、
過去3回にわたりUSAツアーを行う。
1997年から1999年まで「ブエナビスタ・
ソシアルクラブ」の女性歌手、
オマーラ・ポルトゥオンドの日本公演の
メンバーを務める。
1998年にはキューバの音楽祭
「キューバ・ボレロ・フェスティバル」に出演。
ひぇ〜!
オマーラのバックをすでに20年も前に
演ってたんや!
二重に驚いたのは「にもかかわらず」
オマーラは、奥山さんの名前を覚えていなかったこと。
「Piano Player!」と何度も紹介していたら、
しまいには、客席(飛入りで歌ったおじさん?)から
名前を教えてもらってたよ。
まあ、オマールにしたら外国人名だし、
覚えにくいのだろうけど。
奥山さん、きっと凄いプレッシャーだったろうな。
でも、ピアノ・ソロの時の
メンバーやオマーラの表情を観ていると、
とても嬉しそうだったので、
キューバ人にも認められるような
プレイだったんだろう。
歌い出しのキューを
(バンマスらしき孫ほどの年の)ベーシストが
オマールに出したり、歌詞もオマールに、
時々教えたりしているように見えた。
オマールは譜面台に歌詞置いてたんやけどね。
そういう「ちょっと大丈夫か」的な部分も
含めて、突き抜けたショーだった。
凄かったのは、オマールのロングトーン。
うそやろ? というほどの長いロングトーン。
声だけ聴いていると、とても88歳には思えないよ。
アンコール入れて、95分ほど。
これは、凄いもん観たよ。
次回来日があったら、必ず行くこと。(自分に)
[ MEMBERS ]
Omara Portuondo (vo)
奥山勝 (p)
Rodney Barreto (ds)
Gaston Joya Perellada (b)
Andres Coayo (per)
@ Blue Note Tokyo
なんとなく、いつものジャズのライヴとは
違う感じの客層。
2〜3曲目で手拍子が自然に「2-3」に
なっている人が多くいたのにも驚いた。
ラテン好き、キューバ好きな人ばっかり
だったんだろうな。
私と相席だった3人組のひとりは、
「死んだらキューバに散骨して」と
言ってるのが聞こえてきたもん。
(補足)
「2-3(two-three)」というのは、
クラーベといわれるキューバのリズムのこと。
前後の小節が入れ替わると「3-2」という。
(余談)
途中、登場したおじさんが
「シャルル・アズナヴールは、前回
最後の来日と言っていたけど、94歳で
今年も来日します」と言ったと書いた。
私も何かでその来日情報を見て、驚いた。
2016年、その「最後の来日」と言われた
公演を観に行ったからね。
93歳最後の公演(5月21日)を大阪で、
94歳最初の公演(5月23日)を東京で
行うとのこと。(誕生日は、5月22日)
凄いなぁ、94歳。
私にしたら、あと40年近くやれるっちゅうことや。
-----(2018.3.30 追記)-----
ブルーノートのサイトにセットリストが
アップされていたので、転載しておく。
[ SETLIST ] 2018 3.18 SUN.
1. NOCHE CUBANA
2. LO QUE ME QUEDA POR VIVIR
3. TAL VEZ
4. DUELE
5. DRUME NEGRITA
6. LAGRIMAS NEGRAS
7. PALABRAS
8. ADIOS FELICIDAD
9. BESAME MUCHO
10. DOS GARDENIAS
11. SI TE CONTARA
12. SILENCIO
13. LA SITIERA
EC. 20 ANOS
2018.3.19
Cu-Bop across the border
昨日のオマーラ・ポルトゥオンドに
続き、今日も キューバ です。
日本・キューバ合作 音楽ドキュメンタリー映画
『Cu-Bop across the border』を観てきた。
明日のオマーラの EX THEATER での
公演は、この映画の公開記念コンサートという
位置づけのようだ。
この映画は、2015年に公開された
『Cu-bop CUBA〜New York music documentary』
に再撮影と再編集を施した新作ということだが、
そちらの方は、私は観ていなかった。
その2015年版は、高橋慎一監督が、
自主製作で大変な苦労をされ撮影したらしいが、
音楽ドキュメンタリーとしては、
異例のロングラン上映となったらしい。
その作品を観た、プロの映画関係者や
色んな人たちが、これは商業作品として
完成させるべきだと、高橋監督に進言したらしく、
それで、世界公開版を作ることになったと、
今日の上映後、挨拶に登場した高橋監督が
言っていた。
私は、音楽ドキュメンタリーを観ると、
とても観たいのに強烈な睡魔が訪れるという
変な癖があって、今日も映画が始まってすぐに
眠気が襲ってきたのだが、本作は、
3月18日から23日の6日間、
1日1回しか上映されない。
今日観ておかないと、もう一度、
観ることはできないかも知れないので、
必死で起きて観たよ。
アメリカに奴隷で連れてこられた黒人たちは、
ドラムを禁じられた。
そのおかげで、タップダンスが生まれたと、
ちょうど昨夜観た『情熱大陸』が、
タップダンサー熊谷和徳の特集で、
知ったところだったが、キューバに連れて
来られた黒人たちは、ドラムを禁止されなかった。
だから、アメリカ本土とは違う文化(音楽)の
発展の仕方をした。
というような、興味深い話から始まった。
キューバの音楽と聞くとラテン音楽の
ドキュメンタリーかと想像したが、
本作は JAZZ にスポットを当ていた。
タイトルの「Cu-Bop」は、
キューバのリズムとバップが結びついた言葉で、
1940年代の Dizzy Gillespie らの
ラテン・ジャズを指すが、
ただラテンのリズムだけをジャズに
取り入れたものとは一線を画するようだ。
映画は、キューバからアメリカに亡命した
ピアニスト、Axel Tosca(アクセル・トスカ)と
キューバに残り活動を続ける、キューバの
ナンバーワン・サックス奏者、
Cesar Lopez(セサル・ロペス)の
共演まで実現させる。
本作が撮影されたのは、まだアメリカと
キューバが国交を再開する以前で、
アメリカに亡命したアクセルを
キューバに入国させるのは、違法なルートで
しかも成功するかどうか五分五分の
賭けであったようだ。
そんな、キューバ愛と情熱一杯の映画だ。
高橋監督の想いのいっぱい詰まった
パンフレットは、劇中に収録されたライヴの
CD と 未公開シーンの DVD まで付いて、
2,800円というので、思わず買いました。
A4 サイズ 28ページで、、『Cu-Bop』完成秘話、
セサル・ロペス、アクセル・トスカへの
最新インタビューなどが収められている。
特に監督の完成秘話、ホントよく撮ったね。
映画の中で、素晴らしい "Moon River" を
ピアニストが自宅らしきところで弾く。
その人が、ロランド・ルナ。
昨日のオマーラ・ポルトゥオンドの
ライヴで当初予定されていたピアニスト。
明日の EX THEATER での公演には、
参加するらしいが、あの "Moon River" を
聴かされると、やっぱり聴きたかったなと思ったね。
昨日書いた通り、奥山勝さんも素晴らしかったけど。
2013年の Buena Vista Social Club は、
ピアノが ロランド・ルナ だったのだけど、
14名のバンドだったし、注意していなかったので
印象に残っていない。
ラテンだからか、彼らミュージシャンの苦悩は
深刻には描かれておらず、実際は色々もっと
大変なことがあったんだろうと 想像した。
映画は、演奏シーンが多く、
秋のキューバ旅行では、ぜひ、現地の
ジャズクラブに足を運びたいと思ったのでした。
それまでにキューバの歴史や文化について、
もっと勉強しなければ。
★★★★☆
[参考記事]
傑作音楽ドキュメンタリー映画の新作『 Cu-Bop across the border 』
2018年3月、東京から全国上映決定! 公開記念コンサートも開催決定!!
2018.3.21
安ヵ川大樹
コントラバス ソロ&DUOライブ
スペシャルゲスト 吉田秀
クラシックでは「コントラバス」と
呼ばれているが、ジャズの世界では、
「ウッド・ベース(和製英語らしい)」
「ダブル・ベース」と呼ばれることが多い。
また「アップライト・ベース」と
呼ばれることもある。
安ヵ川さんは、「コントラバス」と
言われているようで、私も
「コントラバス」の方が「ウッド・ベース」
より格調があって好きだな。
たぶん「ウッド・ベース」は、
「エレキ・ベース」に対する呼称なんだろう。
そのコントラバスだけ(ソロや合奏)で
プレイされるライヴが、
時々あることは知っていたが、
なかなか観る機会がなかった。
今日は、ベーシストの古賀圭侑
(こがよしゆき・よっしー)の師匠である、
安ヵ川大樹氏のソロ&デュオ・ライヴがあり、
よっしーも出演するというので、観に行ってきた。
ゲストに安ヵ川さんの師匠でもある、
NHK交響楽団首席コントラバス奏者の吉田秀さん。
ジャズとクラシックのベース奏者のデュオという
珍しい組み合わせだ。
ハコは、初めて行く「音や金時」という
西荻窪の店で、予約を受け付けていないので、
直接行くしかない。
まあベースだけのライヴって、
どちらかというとマイナーだし、
今日は雨も降っているから、
余裕で座れるだろうと思い、
開演直前にお店に着くと、なんと満席!
立っている人もいる状態。
ひえ〜立ち見かぁと思っていると、
追加でイスを出してくださったので、
ラッキーなことに最前列で観ることが出来た。
(2nd show ではもっと人が増えて、
前に人が座ったので、2列目になったけど。)
お店の人の話によると、こんなに混むのは、
1年に一回程度で、今日は大人気の
ライヴであったようだ。
まずは、安ヵ川さんのソロ。
即興と言って始められたが、
これが即興なのか。
一応、なんとなくでも準備していたと
言って欲しい。
そんな演奏。
続いて、吉田さんのソロ。
クラシックだ。
名前忘れたけど、
ベートーベンの時代のコントラバス奏者の
曲らしく、その人がクラシックの
コントラバスを難しくしたのだとか。
アルコ(弓を使った奏法)の音が美しい。
そして、安ヵ川さんと吉田さんのデュオ。
吉田さんは、クラシックの人だから
当然普段アドリブなんて演らないのだろうけど、
アドリブ・パートでは、『運命』や
『白鳥も湖』などのメロディを弾いて、
楽しませてくれた。
この人、弾いている時の表情もいい。
そして、アーティキュレーションが美しい。
1部の最後によっしーも加わってトリオ。
John Clayton, Ray Brown, Christian McBride
というベースの名手3人が、SuperBass という
トリオでやっている "Mysterioso"。
2部も同様に、それぞれのソロ、デュオ、
そしてトリオで "Summertime"。
アンコールは、しっとりとデュオ。
それぞれ全部、曲名も言うてくれはってんけど、
知っている曲以外は、失念です。
コントラバス2本による低音のハーモニーが、
こんなにもリッチで美しいとは、
初めて知った。
なんか厳かで、激しくて、優しい、そんな感じ。
コントラバスだけのクラシックの CD を
探して買おうと思ったもん。
安ヵ川さん、吉田さん、お二人の
テクニックはもちろん素晴らしく、
全く違うタイプのデュオというのも
興味深かった。
よっしーもお二人の中で、
互角に演奏していた。
素晴らしかったよ。
3本の楽器もそれぞれ違っていた。
私は、吉田さんのアルコの音が一番好きだったな。
[ MEMBERS ]
安ヵ川大樹 (b)
吉田秀 (b)
古賀圭侑 (b)
@ 音や金時(西荻窪)
2018.3.25
SHANTI x RYO OGIHARA
〜 INTIMATE GUITAR NiTE 〜
ちょっと久しぶりの SHANTI。
今夜は、ギタリスト 荻原亮とのデュオだった。
SHANTIは、いままでに6〜7回観ているけど、
ギターとデュオというのは初めて。
ギター2人(西山"HANK"史翁 と 木原良輔)との
トリオというのはあったけど。
ハコは、初めて行った六本木の
キーストンクラブ東京。
本格ジャズが聞けるレストランと
いうことで、タンドリーチキンや
カレーが中心のインド料理が楽しめる。
客席は、ゆったりとしており、
音も聴きやすく中々良いです。
タイトルに「INTIMATE GUITAR NiTE」と
ある通り、2人の付き合いは十数年に
なるようだが、デュオは初めてらしい。
そのせいか、荻原の方に幾分手さぐり感を
感じたのは、私の思い過ごしか。
ギターは、Sadowsky Semi-Hollow Model。
私の持っているのの色違い。
SHANTI は、相変らず見た目も声も美しかった。
まだ歌詞のついていないオリジナル曲を
スキャットで歌ったのだけど、
その曲がとてもブラジリアンな感じで
気に入った。
1曲スペイン語で歌ったワルツも良かった。
昨年、スペインに行って、
スペイン語のレパートリーを
増やそうとしているとのこと。
彼女の場合は、バイリンガルのせいか
スペイン語も日本人のそれより、
らしく聞こえると思うのは、
私の先入観ではないと思うのだがどうだろう。
[ MEMBERS ]
SHANTI (vo)
荻原亮 (gt)
@ キーストンクラブ東京
2018.3.28
レイ・パーカーJr.&レイディオ
Ray Parker Jr. & Raydio
レイ・パーカーJr. のヒット曲
"A Woman Needs Love"。
1981年に全米R&Bチャートで1位とったみたいやけど、
日本でも流行ったよな〜。
男が聴いても、セクシー(というかエッチ)やと
思う甘〜い声。
80年代おしゃれブラ・コンの代表や。
そのあと、84年に映画『ゴーストバスターズ』の
主題歌がバカ売れするんやけど、
これは私はあんまり好きじゃないねん、この曲。
強烈にキャッチ―な曲であることは認めるけどね。
そんな レイ・パーカーJr. のライブに行ってきた。
10,800円のところ、今回は、
ぴあのポイントでチケットを入手。
レイは 2008年の「THE CRUSADERS」の来日公演
(JVC Jazz Festival) と 2011年の
「JOE SAMPLE & THE CREOLE JOE BAND」 の
来日公演で観ているが、ご本人名義のライブは初めて。
どういうわけか、その2回ともレイの印象は薄い。
まあ、THE CRUSADERS の時はドラムが
STEVE GADD だったし、CREOLE JOE BAND の
時は、半分以上、山岸さん(Gt)目当てだったし、
何よりも2回とも 主役は JOE SAMPLE だったからかな。
で、今回はバンドのギターが、
Paul Jackson Jr. ということもあって、
期待して行ったのだ。
なんと、Paul Jackson Jr. は、
ライブで観るのは(確か)初めて。
レイは、若い頃と比べると見た目、
別人のようにええオッチャンになっていて、
今日はウイスキーを飲みながら、超ゴキゲン。
ひょうきんで茶目っ気たっぷり。
声は少し太くなったような気もするが、
セクシーさは変わらず。
1曲、ポールをフューチャーして、
インストをやったり、レイもアコギで、
インストを2曲(1曲は "Human Nature")を
やったり、ギタリストとしても存在感あり。
MCの途中で、JB の "I Got You" を歌い出したり、
楽しいライヴでした。
コーラス、キーボードの Dominique Toney も
リード・ヴォーカルを取った曲があった。
キーボードの Kevin Toney はお父さん。
レイのギターは、LSL INSTRUMENTS(たぶん)の
テレキャスタイプと、ヘッドの形状は見覚えあるけど
何というメーカーか思い出せないエレアコ。
ポールのギターは、PRS のセミアコ2本。
以前のシグネチャーモデルではなく、
もう少し小ぶり(レスポールぐらいか)の
fホール付のセミアコ。
以前のシグネチャーモデルは、絶対カッコ悪いと
思っていたので、今日のギターの方が、
断然良いと思う。
レイもポールもスタジオの仕事をしてきた人だから、
当然やけど、弾き方がきれい。
ワイルドなフレーズでもきれいに弾きます。
スティーヴ・ルカサーなんかとは、
また違う感じで。
曲は、"A Woman Needs Love" は、
もちろんのこと、"The Other Woman" や
"It's Time To Party Now" など。
アンコールは、当然(?)"Ghost Busters"。
私の隣のテーブルに座っていた、
映画『ゴーストバスターズ』の恰好をした
4人組がステージに上げられていた。
あの人たちは、なんなんだろう、
ただのファンなのだろうか。
すごい装備のコスチュームだったよ。
アンコール入れて、たっぷり90分ほど。
[ MEMBERS ]
レイ・パーカーJr. / Ray Parker Jr. (Vo, Gt)
アーネル・カーマイケル / Arnell Carmichae l(Vo, Perc)
チャールズ・グリーン / Charles Green (Sax, Key)
ケビン・トニー / Kevin Toney (Pf)
ドミニク・トニー / Dominique Toney (Vo, Key)
ポール・ジャクソンJr / Paul Jackson Jr. (Gt)
レディー・フレディー / Ready Freddie (B)
ドネル・スペンサー Jr / Donnell Spencer Jr (Drs)
@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show
[ 余談 ]
ウィキペディアに書いてあったのだけど、
『ゴーストバスターズ』は、
ヒューイ・ルイス & ザ・ニュース の
" I Want A New Drug" に酷似していたため
裁判となり、レイが敗訴したらしい。
どんな曲かと聴いてみると
→ " I Want A New Drug" Huey Lewis & The News
ふむふむ、確かに似ているが、
クリソツというほどではないんちゃうか。
この程度の似方なら、世の中にいっぱいあるやろ。
映画制作側が、ヒューイ・ルイスにこの曲を
映画に使わせて欲しいと依頼したところ、
断られたので、レイに似た曲を作らせたという
経緯があるようだ。
私は、ヒューイ・ルイスの曲より、
こっちの方がやばいと思うねん。
→ "Pop Muzik" M
こちらも『ゴーストバスターズ』よりも前、
1979年のリリース。
こっちの方があかんやろ、と思ったら、
やはり盗作で裁判になったようです。
なんか最大のヒット曲が、盗作で敗訴と
いうのは、微妙やなぁと思たのでした。
レイにしたら、「似たような曲作って」と
依頼されたから作っただけなんやろうけど。
2018.3.30
DuoRama feat. 和田明
ギター 布川俊樹、ベース 納浩一によるデュオ、
「DuoRama」にフィーチャリング 和田明。
このトリオは、昨年7月に観て以来2度目だ。
今日は、少し遅れたので 1部の最後の曲
"This Masquerade" から、2部を鑑賞。
前回も書いたけど、布川さん 納さんお2人の
リズムというか息の合いようは素晴らしいね。
2部の最初にデュオラマのオリジナル曲
"KUPU KUPU" と もう1曲 演奏。
曲目を失念したけど、2曲目の曲が凄く良かった。
ギターは、ヤマオカギターのフルアコ Art D-50。
布川さんの特注品のようだ。
ウォームでめちゃ甘いトーン。
アンプは、DV Mark Jazz 12。
う〜む、両方 欲しい。
そして、明が登場し、"Just Squeeze Me"。
自由やなぁ〜。
続いて、"Don't Let Me Be Lonely Tonight"、
"小瓶の中の平和"、"Gee Baby Ain't I Good To You"、
"Love for Sale"、"Skylark"、だったかな。
あんな風に音楽を創ることが出来たら、
どんなに気持ち良いだろうね。
精進あるのみぢゃ。
[ MEMBERS ]
DuoRama:布川俊樹 (gt), 納浩一 (b)
和田明 (vo)
@ Lydian(神田)
2018.3.31
鈴木 茂 SPECIAL LIVE 2018
鈴木茂は、今年67歳。
はっぴいえんど、ハックルバック、
ティン・パン・アレー などで活躍し、
多くのアーティストの録音やステージに
関わってきたギタリスト・作曲家・編曲家だ。
私は、荒井由実の『卒業写真』(1975年)の
ワウを使ったプレイが特に好きだ。
あの頃のユーミンのギターは、
ほとんど 鈴木茂です。
25年くらい前、大阪で玉置浩二の
ソロ・コンサートで初めて 観たのだが、
その時、ウィル・リーを彷彿とさせるような
元気いっぱいの演奏姿に驚いた覚えがある。
私の記憶違いでなければ、
飛び跳ねていたんじゃないかな。
その次に観たのは、20年以上経って、
"FUSION FESTIVAL in Tokyo" に
松原正樹が、体調不良だったため
代打で登場した時。
鈴木茂(Gt)、佐藤準(Key)、
村上”ポンタ”秀一(Drs)、後藤次利(B)、
小林香織(Sax)というメンバーで
『100ワットの恋人』や、
松原正樹の『スナイパー』などを演奏。
そして今月5日には、小坂忠のライヴで
観たのは記憶に新しい。
最近は、「鈴木茂商店」と称して
手作りの革製のギター型キーホルダーなどを
ライヴ会場で販売している。
さて、そんな鈴木茂氏のライヴに行ってきた。
メンバーは、ベースに
山下達郎、大滝詠一、高中正義、井上陽水らの
サポートで知られ、ハックルバックの
メンバーでもあった 田中章弘(63歳)。
キーボードは、昨年観た山下達郎バンドの
メンバーでもあった 柴田俊文(56歳)。
ドラムに元 THE SQUARE の長谷部徹(54歳)と
超ベテラン揃い。
1曲目始まって、どうも音が聴きづらいと思った。
何か音が団子になっているような印象。
2曲目だったか3曲目だったかで、気付いたのだが、
ステージにいない楽器の音が鳴っている。
そのうち、耳が慣れたのか、音響を調整したのか
幾分聴きやすくはなったけど。
「ステージにいない楽器の音が鳴っている」と
書いたが、このことは、途中の MC で明らかにされた。
『8分音符の詩』(1976年)という曲があるのだが、
そのレコードのストリングス・アレンジを
ステージでも再現したくて、
ハードディスクに取り込み、
何年か前から、ステージで鳴らすように
なったのだとか。
当時の録音は、クリックを使っておらず、
テンポが揺れるので、1小節ずつ手作業で
調整したらしい。
その話は、興味深かったのだけど、
(後述するが)私にはライヴとしては残念だった。
1978年発売のアルバム『Caution!』を今年、
リミックスして発売したので、
『Caution!』からの曲が多かったのだが、
それらも一部の音をハードディスクで流していた。
鈴木氏にすれば、レコードと同じ音を
ステージでも再現したいという思いが
あるのだろう。
一方で、レコードとライヴは別物と
する考え方もある。
これは、好みの問題だから
どちらが良いとか悪いはないのだけど、
私はどちらかというと後者だ。
レコードと違っても、アレンジが変わっても、
ステージにいる4人で演奏して欲しいと思う。
でも、今日はステージにいない、
オルガンが鳴り、ピアノが鳴り、
ホーンが鳴り、コーラスが聞こえた。
そして、一番興ざめだったのは、
ギターが聞こえた時だ。
鈴木氏が弾いていない、ギターの音だ。
これでは、もうほとんどカラオケやん。
鈴木氏の演奏(ギターの音は抜群)も
バンドの演奏も良かったけど、
私は4人だけの音で聴きたかったな。
ご本人は、20代に作った歌は(キーが高いので)
続けて歌うとしんどいと言ってたけど、
私には、ずい分声が良く出てるように聞こえた。
色々ケアが大変なようでしたが。
鈴木氏は、アーティストの中でも
たぶんにエンジニア的なのだろうな。
若い頃からミキシングに興味があったとか、
そういう話からも伺えるが、
ハンドメイドでエフェクターを作って
販売していることでもそれは分かる。
今日の MC で実家が自動車整備工場と聞いて、
妙に腑に落ちた。
革製品を自分で作る手先の器用さにも
通じるものがあるよね。
ギターは、赤というかオレンジというか
鈴木氏のトレードマーク的な
オールドのストラトキャスターと、
P-90の付いた ファイアーバード。
アンコールで、サンバーストの
ストラトキャスター(SSHS)を使った。
テレキャスターとレスポールも 置いて
あったけど(私の観た 1st showでは)使わず。
曲は(あんまり曲名が分からないのだけど)
『100ワットの恋人』、『レイニー・ステイション』
『8分音符の詩』、『Wood Pecker』、『砂の女』など。
アルバム『Caution!』に収録されなかった
未発表曲『涙の糸と銀の針』も披露。
アンコールまで入れて、80分ぐらいかな。
ギター
エフェクター群
アンプの上には、通信機のような機材
手前右の機材はHDレコーダーと思われる
キーホルダー買いました。
[ MEMBERS ]
鈴木 茂 (vo,g)
柴田俊文 (key)
田中章弘 (b)
長谷部 徹 (ds)
@ Motion Blue (横浜)
1st show
小林克也&ザ・ナンバーワン・バンド
鯛!最後の晩餐ライブ!!
今日は、ライヴのハシゴ。
先日(3月27日)77歳になった小林克也。
小林克也といえば、私たちの年代では、
なんといっても『ベストヒット・イン・USA』。
80年代、毎週土曜日(やったっけ)深夜、
新しい音楽を仕入れられる重要な情報番組だった。
その小林克也が、
「小林克也&ザ・ナンバーワン・バンド」名義で
1982年にアルバム『もも』でデビューした。
当時、レンタルレコードで借りて聴いた覚えがある。
その小林克也が、先日、ニューアルバム
『鯛〜最後の晩餐〜』をリリース。
で、その凱旋ライヴに行ってきた。
小林克也のライヴは、もちろん初めて。
ザ・ナンバーワン・バンドでのライブは
なんと34年ぶりだそうで、
メンバーは、ザ・ナンバーワン・バンドの
オリジナルメンバー。
埼玉、東京、広島、福山、愛知、
全国5か所のライヴ・ツアーだ。
まず、小林克也氏が登場。
緊張でお腹が痛いと、軽く挨拶のあと、
自分と音楽の出会いを語りながら、
メンバーを一人ずつ招き入れ、
思い出の曲の一節を歌うという始まりで、
プレスリー『Heartbreak Hotel』や
ビートルズ(あれ?何やったけ、
『A Hard Day's Night』やったかな?)を歌った。
『ダイアナ』は、ポール・アンカではなく、
山下敬二郎の日本語 version で。
ニューアルバム『鯛〜最後の晩餐〜』から、
『SHOWA WOMAN』
『LET'S MAKE LOVE 〜REGGAE ONDO〜』
『ナムアミダブツ IN 九品仏』
『あるパティシエの愛』
『FUKUYAMA』『FUNKY KISS』など。
アルバム『もも』からは、
『六本木のベンちゃん』『ケンタッキーの東 』など。
どの曲も強烈です。
35年ぶりに聴いたのに、『ケンタッキーの東 』では、
「I don't wanna be a fried chicken、
フライになりたくな〜い」って一緒に歌ったよ。
覚えてるんや〜って、自分でも驚いた。
途中、ゲストで鮎川誠(69歳)が登場。
1969年製のあのレスポールを持って登場。
"(I Can't Get No) Satisfaction" を歌った。
アンコールで、『ハッピー・バースデイ』で
喜寿をお祝いしたあと、
『ザ・ナンバーワン・バンドのテーマ 』
『うわさのカム・トゥ・ハワイ 』。
「今度は、傘寿で」と言っていたけど、
ぜひ実現してほしいな。
小林克也は、いっぱい間違ってた(風に見えた)けど、
ライヴって、正しく演る(間違わない)ことが
重要なのではないねんな、と改めて認識したね。
先に観た、鈴木茂氏のライヴが、完璧を
目指す演奏(悪く言えば予定調和が過ぎる)
だったのに対し、ザ・ナンバーワン・バンドは、
小林克也が、歌が本職ではないということも
あるけど、なんか「ライヴ!」って感じがしたよ。
[ MEMBERS ]
小林克也 (vo)
佐藤輝夫 (gt)
成田昭彦 (dr)
深町栄 (key)
琢磨仁 (b)
斉藤誠 (gt)
ゲスト:鮎川誠 (vo, gt)
@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show
アーティストからのお花
2018.4.2
MAY INOUE STEREO CHAMP
井上銘 ステレオチャンプ
at BLUE NOTE
ギタリスト 井上銘 のことは、何度もここに書いてきた。
高校生で 鈴木勲のグループ OMA に参加。
2011年、20歳で CD デビューした。
15歳でギターを始めたロック少年だった銘君は、
高校入学前にギター好きなお父さんに連れられ、
ブルーノートで Mike Stern を観て、
JAZZ に目覚めるのだけど、
それから12年ほど経ち、そのブルーノートの
ステージに今日、自分のグループで立った。
ブルーノートの出演は初めてではないけれど、
本人のリーダー・グループでは、初だ。
高校入学前ということは、銘君が観たのは、
2007年3月の Mike Stern の公演だろう。
私の記録を見ると、2007年3月31日に
ブルーノートで Mike Stern を観ている。
この時は、オルガンに小曽根真さんが
参加しての公演だった。
もしかしたら、同じ公演を銘君親子も
観ていたのかもしれない。
今日は、ご両親もいらっしゃっていた。
あの時はまさか12年後にこんなことに
なっているなんて、お父様も思わなかっただろう。
今日は、どんな心境でご子息の演奏を
聴かれていたんだろうな。
ついついそういう目線で考えてしまう。
このバンド「ステレオチャンプ」は、
昨年、アルバム『STEREO CHAMP』を発表。
六本木VARIT. でのレコ発ライヴにも行った。
その時の印象は、結構ロックな感じだったが、
ありがちなハイテクニックのインスト・バンドと
ステレオチャンプの違いを
私なりに解釈するとこういうことになる。
新しいのに懐かしい感じがするメロディは、
きっと、銘君の中に中学の時に聴いた
70年代ロックの血が流れているからに違いない。
そして、その血にはブルースも混ざっている。
だって、聴いていたのが、クリーム、ジミ・ヘン、
レッド・ツェッペリンやからね。
それが、ただのハイテク・フュージョンとの
違いとなり、私のような50過ぎたおっさんも
吸い寄せられる要因ではないか。
昨年、種子島に行って出来たという『西之表港』
という曲を演奏したのだが、こういうの大好き。
曲調は、リズム&ブルースなのだが、
懐かしい匂いをさせながら、
ただ R&B をインストで演っているのではない
JAZZ 的な要素も含まれているのだな。
曲は、アルバム『STEREO CHAMP』から
"Heliotrope"、 "Comet 84"、"Soldier "R"" 、
"1 Year Later"、"Fu-linkazan" など。
アルバム以外の曲で前述の『西之表港』、
『リンク(リンクスかも)』、アコギで、
"Winter Song"。
6月には、2ndアルバムのレコーディング予定だという。
それらの曲が、収録されるのかもしれない。
今から楽しみだ。
ギターの腕前は、もちろんだが、
ソング・ライティングにも才能ありだ。
ギターは、いつもの Westville。
アコギ(エレアコ)は、Martin。
カッタウェイ付 OOO タイプかな?
控えに置いてあった3シングルの Novo は、
使わずでした。
[ MEMBERS ]
井上銘(Gt)
類家心平(Tp)
渡辺ショータ(Key)
山本連(B)
福森康(Drs)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
(2018.4.12 追記)
ブルーノートの "LIVE REPORTS" に
セットリストが掲載されたので記しておく。
[ 2nd show SETLIST ]
1. New Introduction Of Stereo Champ
2. Danelectro
3. Taiji Song 2
4. Introduction
5. Comet 84
6. Nishinoomote Ko
7. Links
8. Winter Song
9. Heliotrope
10. Soldier "R"
EC 1. 1 Year Later
EC 2. Fu-Linkazan
2018.4.5
村山義光
音楽という高い山
大阪に村山義光さんというギタリストがいる。
プロフィールによると1962年生まれ。
私と同じ年だ。
馬場孝喜さん(Gt)と何年もデュオを続けていて、
YouTube には、たくさんの動画がアップされている。
一度は、ナマで観たいと思っているのだが、
中々機会がない。
昨日、スケジュールをチェックしたら、
3月に関東に来て、数日間ライヴやレッスンを
されていたようだ。
気付くのがちょっと遅かったが、
特に埼玉県熊谷市の「Space 1497」という
ハコで行われたギター・トリオ
(村山義光・馬場孝喜・竹中俊二)の
ライヴは、観たかったなぁ。
その日の動画がこれだ。
" Cherokee "
" Donna Lee "
こういう演奏を聴くと、私はプレイヤーとして、
音楽という高い山の入口に
ず〜っと立っているような気がする。
いっこも登ってないような気がするのだ。
これは、別に自分を卑下しているわけでないのだけど。
まあ、あまりに精進が足らんというか
レベルが違い過ぎるのですわ。
今度、東京に来られた時は見逃さないよう
チェックしよう。
演奏だけではなく、村山さんの
ワークショップや、何かについての
レクチャーの動画も YouTube には、
結構あって、それらの話も大変に興味深い。
話が、深すぎて、半分ぐらいしか
理解できないけど、要は、
自分は何も分かってないということは
分かります。
年をとってくると、もっと若い時に
気付けば良かったのにと思うことが、
いっぱいあるんやけど、
そんなこと言うても仕方がない。
「若い時に気付けば良かったのに」という
発想自体が、もうアウトなんやと思う。
2018.4.8
デビュー45周年
神ドラマー 村上 “ポンタ” 秀一
ライブスペシャル
「音楽境地」(壱)
〜奇跡のJAZZ FUSION NIGHT〜
一昨日(4月 6日)、中野サンプラザホールで
行われた、ドラマー 村上 “ポンタ” 秀一、
デビュー45周年の記念コンサート。
18時30分開演で 終わったのは、22時10分。
3時間40分も経っていた。
コンサートというよりは、もうこれは「FES.」です。
席は、前から4列目。
ステージに向かって、右の方だったが、
ポンタさんのドラムが、ステージ上手に
中央向いてセッティングされていたため、
ポンタさんを真横から見ることになり、
ちょうど良かった。
私は、ポンタさんの大ファンというわけでは
ないので、このコンサートの開催を知った時、
観に行こうかどうしようかちょっと迷った。
でも、大体こういうスペシャルなライブは、
内容もスペシャルなのだ。
で、発売と同時にチケットを取ったので、
結構 良い席で観られたというわけ。
そして、やはり行って正解。
特にギター好きには、たまらない。
なにしろ出演するギタリストが、
渡辺香津美、高中正義、角松敏生、
和田アキラ、そして、Char!
(チケットを買ったあとに、
Char さんの出演が発表された。)
ポンタさんのドラミングは、
流暢というか、なめらかだ。
リズムを切っているという感じがしない。
ドラムで唄っているという感じだな。
それが、彼のプレイの魅力の一つだと思う。
まず1部のトップは、渡辺香津美。
「MOBOV」の再結成。
ベースは、グレッグ・リー。
香津美のギターは、アレンビックと PRS。
↓
開演直前。右側のMATCHLESS は Char さんの。
曲は『Unicorn』『遠州つばめ返し』ほか。
途中、和服姿の女性が踊りながら登場。
誰か女優さんでも呼んでいるのかなと
思ったら、途中でピアノを弾きだした。
なんと、国府弘子。
3日前に「踊れ」と言われ、
楽天で衣装(パーティ用?)を買ったのだという。
続いて、高中正義。
キーボードにこれまた大好きな小島良喜。
ギターは、模様の入った濃い紺の
ヤマハ SG と グリーンのストラト。
曲は『Blue Lagoon』『Mambo No.5』
『Thunder Storm』『Ready To Fly』『黒船』。
ライヴで聴く『黒船』は格別に感動するなぁ。
続いて角松敏生。
ナマで観るの初めて。
めっちゃ若い!
とても 58歳には見えない。
遠目に見れば、40代半ばや。
80年代から、全く変わっていない体型。
(見習わねば。)
ギターは、レスポールを3本使った。
曲は、歪みなしの『Sea Line』など。
『OSHI-TAO-SHITAI』のイントロでポンタさんが、
曲を間違い、演奏が止まるという
貴重なシーンもあった。
「違う曲を叩いた」と言っていた。
出だし1、2拍目が16分音符の裏打ちから
始まるので、Char さんの『Smoky』と
間違ったのかな。
と、ここまでで、1時間45分。
これで、終わってもおかしないぐらいや。
20分ほど休憩をはさんで、2部がスタート。
2部は、ポンタさんと縁の深い3人の
トリビュート。
まずは、「Tribute To 松岡直也」。
ここで、ギターに和田アキラ登場。
和田アキラもナマで観るの初めて。
ギターは、ストラトタイプ。
昔は、P-Project だったと思うけど未確認。
『思い出のマジョルカ』ほか。
ピアノに森村献。
そして、Char さんの登場。
ポンタさんがずっと叩きたかったという
『Smoky』。
ポンタ (Dr)、Char (Gt&Vo)、国府弘子 (Key)、
岡沢章 (B)という、まあ2度とないだろうという
スペシャルなメンツによる『Smoky』。
そして、「Tribute To 大村憲司」ということで、
Char さんが憲司の『Tokyo Rose』を弾いた。
ギターは、『Smoky』では、
赤い模様(ペイズリー?)入りのマスタング。
『Tokyo Rose』でバーガンディミストの
ストラトキャスター。
最後のセットは「Tribute To 深町純」。
『Sara Smile』『Departure In The Dark』ほか。
アンコールでは、PONTA BOX で1曲。
佐山(雅弘)さんに来て欲しかったようだけど、
かなわなかったので、ピアノは国府弘子。
最後にサプライズで、お孫さん(小学校低学年
ぐらいの女の子)が花束贈呈。
予想を超えた素晴らしいライヴで、
たっぷり楽しめた。
秋に DVD & Blu-ray で発売されるので、
買ってもう一度楽しもう!
今回は「JAZZ FUSION NIGHT」だったけど、
11月1日には「VOCAL NIGHT」を
開催予定だという。
特別に来場者だけの先行販売があったので、
早速、購入したよ。
出演者は発表されていないけど、
きっと次回も面白いでしょう。
[ MEMBERS ]
村上“ポンタ”秀一 (Drs)
角松敏生 (Vo & Gt)
高中正義 (Gt)
Char (Vo & Gt)
渡辺香津美 (Gt)
和田アキラ (Gt)
岡沢章 (B)
グレッグ・リー (B)
斉藤ノヴ (Perc)
三沢またろう (Perc)
国府弘子 (P)
森村献 (P)
大坪稔明 (Key)
小島良喜 (Key)
本間将人 (Sax/Key)
FIRE HORNS<Atsuki (Tp)、Juny-a (Sax)、Tocchi (Tb)>
吉澤達彦 (Tp)
橋本和也 (Sax)
@ 中野サンプラザホール
デビュー45周年 神ドラマー 村上 "ポンタ" 秀一 ライブスペシャル
と、ここまで書き上げて、SETLIST を発見。
----- with 渡辺香津美、グレッグ・リー -----
1. インナー・ウインド
2. ユニコーン
3. 遠州つばめ返し
4. Σ
5. スプラッシュ
----- with 高中正義 -----
6. THUNDER STORM
7. MAMBO NO.5 (DISCO DANGO)
8. BLUE LAGOON
9. READY TO FLY
10. 黒船 (嘉永6年6月4日)
----- with 角松敏生 -----
11. SEA LINE
12. RAMP IN
13. OSHI-TAO-SHITAI
----- 松岡直也トリビュート with 森村献、和田アキラ -----
14. ア・シーズン・オブ・ラヴ
15. ノーチェ・コリエンド
16. 思い出のマジョルカ
----- with Char -----
17. SMOKY
18. トーキョー・ローズ(大村憲司トリビュート)
----- 深町純 トリビュート -----
19. ON THE MOVE
20. サラ・スマイル(with 本間将人)
21. DEPARTURE IN THE DARK
----- with 国府弘子、岡沢章 -----
EC. Pooh-Song
2018.4.13
スティーヴの教えと音楽の原点
「とにかく心に忠実に、
自分が好きなことをやりなさい。
どこかに行き着くのが幸せだと思わずに、
その道筋を幸せなものだと思って、
エンジョイしなさい。」
雑誌「JAZZ LIFE」最新号(5月号)に
掲載された、STEVE GADD の言葉だ。
何故だか泣きそうになってしもた。
STEVE GADD は、JAZZ から ROCK、
POPS まで、何でも叩く世界的ドラマー。
今年、73歳。
これは、インタビュアーの
「あなたに憧れているアマチュア・
ドラマーに何かアドヴァイスはありますか?」
という質問に答えた言葉。
正確には、最後の部分は、
「エンジョイしなさい」ではなく、
「エンジョイしながらやっていってほしい」
と書いてあったのだけど、私は、スティーヴの
教えとして「エンジョイしなさい」と読みとった。
若い頃は、どこかに行き着こうとしていて、
どこかに行き着かなければ、達成しなければ、
ダメだと思っていて、その道筋を
エンジョイするなんて出来なかったように思う。
年と共に、どこかに行き着くことが重要なのではなく、
どこに向かっているかの方が、人生には
重要なのだと少しずつ感じ始めたが、
それでも、ついつい結果に目が行ってしまう。
「道筋をエンジョイしなさい」という
スティーヴは、一体どこに向かっているんだろう。
その答えともいうべき言葉が、
そのインタビューにはあった。
ニューアルバムのリリースを前に
「リスナーに伝えたい思いなどは
ありますか?」との問いに、
スティーヴはこう答える。
「自分自身が心地いいと思える、
いい音楽を作って、それをリスナーと
シェアしていきたい。だから特別な
メッセージのようなものはなくて、
みんなが気持よくなってくれたら
満足だよ。」
とても、シンプルで、原始的なようだが、
それこそが音楽の基本なのだな。
2018.4.15
浜田真理子×小泉今日子
「マイ・ラスト・ソング」
〜久世さんが残してくれた歌〜
タイトルにある「久世さん」とは、
演出家・小説家の久世光彦(くぜてるひこ)。
『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『ムー一族』など
多くのテレビドラマや舞台を手がけた人で、
2006年に70歳で、亡くなっている。
その久世さんが書き続けたエッセイ
『マイ・ラスト・ソング』を
浜田真理子の歌と小泉今日子の朗読で綴るステージ。
初演から10年続いているというロングラン公演に
行ってきた。
冒頭、久世さんの経歴や写真が、
スクリーンに映し出される。
まずは、浜田さんが一人で登場すると、
ピアノの前に座り、
『赤い風船』(浅田美代子)を歌い出した。
それから、キョンキョンの登場。
久世さんのエッセイを読みながら、
久世さんの想いでや、エピソードを話す。
そのトークに、浜田さんの歌が
絶妙なタイミングで挟み込まれる。
選曲は、昭和歌謡が中心。
久世さんが作詞したもの、
久世さんが演出したドラマの挿入歌や
主題歌に使われたものなど。
作詞家、阿久悠氏とは交流が深かったようで、
阿久悠氏の作品も多く、ドラマに
使っており、今日は 4分の1ぐらいは、
阿久悠トリビュートな感じもあった。
歌われた曲は、
『赤い風船』(浅田美代子)
『林檎殺人事件』(郷ひろみと樹木希林)
『ひとりじゃないの』(天地真理)
『コバルトの季節の中で』(沢田研二)
『あの鐘を鳴らすのはあなた』(和田アキコ)
『雲にのりたい』(黛ジュン/長山洋子)
『一本の鉛筆』(美空ひばり)など。
アンコールでは、ピンク・レディの『UFO』。
そして最後にしっとりと、途中『Mr. Lonely』入りの
『街の灯り』(堺正章)。
『街の灯り』の演奏中にステージ後ろの
幕が開き、六本木の街の灯りが見えるという
にくい演出。
といっても、いつも最後に幕が開くので、
今日に限ったことではないのだけど、
今日はそれが素晴らしい演出になっていたね。
キョンキョンも、1曲ぐらい歌うかなと
思っていたら、語りに徹し、歌わず。
その方が、カッコいいよな。
浜田さんの歌は、何度聴いてもいいなぁ。
歌が無垢だ。
裸にされたその楽曲が、
究極に引き算されたピアノ伴奏で歌われる。
そこに彼女独自のアレンジが加わり、
オリジナルよりややテンポを落とすと、
彼女の独特の世界になってしまう。
それは、昭和とブルースの匂いとでも言おうか。
ブルースといっても、
アメリカの黒人のそれではない。
上手く言えないのだけど、
昭和30〜40年代にあった、日本のブルース。
形式ではなくて、空気、匂いみたいなものの
ような気がする。
だから、ある年齢層には浜田さんの歌に、
懐かしさというか、安心というか、
そういう何かを感じてしまうんじゃないだろうか。
たぶんだけど、平成生まれの人はそれを
感じることが出来ないんじゃないかと思う。
解釈が独特で、
ピンク・レディの『UFO』なんて、
別の曲になってたよ。
そして、彼女の歌を聴くと
毎回だけど、
自分もちょっと歌ってみたくなるねんな。
[ MEMBERS ]
浜田真理子(歌・ピアノ)
小泉今日子(朗読)
@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show
インタビュー 小泉今日子×浜田真理子 「久世光彦が残した音楽と言葉」
2018.4.25
CHEAP TRICK
チープ・トリック
高校生の時に買った LP レコードの1枚に
チープ・トリックの "In Color (蒼ざめたハイウェイ)" がある。
彼らの 2ndアルバムで、1977年の発売。
ジャケットが良い。
表はカラーで、バンドのイケメン2人、
ロビン・ザンダーとトム・ピーターソンが
カッコよくバイクにまたがっている。
裏返すと白黒で、バンドの三枚目担当、
リック・ニールセンとバン・E・カルロスが
自転車にまたがっている。
私は、このアルバムに収録されたシングル曲
"I Want You to Want Me" が大好きだった。
ポップなのに、とても切ないメロディで、
17歳(セブンティーンと読んでね)の
少年の心の中の甘酸っぱさを増大させた。
邦題は『甘い罠』。
この時代は、アルバム・タイトルやシングル曲には
結構、邦題が付いていたね。
アルバム・タイトル " In Color" は
『蒼ざめたハイウェイ』だし、同アルバムで
シングルになった "Clock Strikes Ten" は、
『今夜は帰さない』という邦題が付いていた。
なんとなくええ時代やなぁと思ってしまう。
邦題、例えば、こんなのがあったよね。
『紫の炎』= "Burn"(Deep Purple)
『駆け足の人生』= "Life In The Fast Lane"(Eagles)
『そよ風の誘惑』= "Have You Never Been Mellow"
(Olivia Newton John)
『あの娘におせっかい』=" Listen To What The Man Said"
(Paul McCartney)
『明日なき暴走』= "Born To Run"(Bruce Springsteen)
なんか、洋楽なのに 題名だけには、
日本文化もプラスされているようで、時代を感じる。
その中でも強烈だったのは、Jeff Beck のアルバム
"Blow by Blow"(1975年)。
邦題が『ギター殺人者の凱旋』やったからね。
"Blow by Blow" の意味は、たぶん「仕返し・しっぺ返し」。
("blow-by-blow" で引くと「非常に詳細な」とか
出てくるけど、こっちじゃないだろう。)
『ギター殺人者の凱旋』・・・もの凄いセンスやなぁ。
話をチープ・トリックに戻そう。
今日、4月25日は、チープ・トリックの
日本武道館公演の予定だった。
彼らのヒット・アルバム『at武道館』発売
40周年記念ライブだ。
一昨年の「THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016」で
4曲だけ生演奏を観たものの
彼らのライヴ・コンサートは、
観たことがなかったので
発売まもなくチケットを取ったところ、
3月22日に公演延期が発表された。
リック・ニールセンの体調不良だという。
1ヶ月も前に延期が発表されるとは、
心配ではあるが、中止ではなく延期なので、
それほど深刻ではないと思いたい。
今のところ、振替公演日は発表されていないが、
元気な姿を観られるよう祈ってます。
チープ・トリック来日公演 サイト
"I Want You to Want Me" は、
様々なカヴァー・ヴァージョンがあることを発見!
女性シンガーが多い!
KSM - I Want You to Want Me
Letters To Cleo - I Want You To Want me
I Want You To Want Me - ft. Sara Niemietz
Aly Michalka - I want you to want me
妹尾隆一郎さん
先日、何かの話のおりに 妹尾さんの名前が挙がり、
何気なくググったところ、昨年12月17日に
お亡くなりになっていたことを知った。
妹尾さんは、日本を代表するブルース・ハープ
(ハーモニカ)のプレイヤー。
享年68歳。
胃癌だったようだ。
若過ぎるなぁ。
写真は、妹尾さんと共演する機会を頂いた、
私が25歳の時、原宿クロコダイルでの1枚。
(1987年12月だったと思う。)
同じころ、大阪のバーボンハウスでも
共演させて頂いた覚えがある。
当時のバンドのリーダー Tさんが、
妹尾さんと懇意だったので、
ゲスト出演していただいたのだ。
妹尾さんがいるのだから、ブルース・ハープを
吹くすき間を空けるべきなのだが、
私は、妹尾さんに自分のギターを
聴いて欲しいばっかりに、たくさん弾きすぎた。
ライヴの後、Tさんを通して、
「ギターの音が多すぎて、ハープを吹けない」と
ダメ出しの言葉を頂いた。
全く音楽的でなく、エゴイスティックだった
若い頃の恥ずかしい思い出だ。
合掌。
妹尾隆一郎 公認 サイト
2018.4.29
レクチャーライブ 第2回
スタンダード − 魅力的メロディの秘密 −
ただ演奏を聴いて楽しむというだけではなく、
演奏される音楽のレクチャーを受けてから、
ライヴを聴くという、アカデミックな企画。
「レクチャー・ライヴ」。
神田のジャズ・クラブ、リディアンで、
行われたこの「レクチャー・ライヴ」に
行ってきた。
第2回ということで、前回は「転調」が
テーマだったらしいが、今回のテーマは、
「メロディ」。
ファンタジーチューンの有名曲、
"Over The Rainbow"、
"When You Wish Upon A Star"、
"Alice In Wonderland" 3曲の共通点と
その秘密(?)や、メロディには
著作権があるけどコード進行には
著作権がない話など、知っていそうで知らない、
気付いていそうで気付いていない話も多かった。
また、通常のライヴではあまりない、
楽譜を見ながら演奏を聴くということにも
新しい発見があり、勉強になりました。
2部のライヴで、村上春樹の小説
『国境の南、太陽の西』に登場するという
"Star-Crossed Lovers" という
美メロ・バラードが演奏された。
(Duke Ellington & Billy Strayhorn)
初めて聴く曲だった。
実は、この小説を私は30代に
珍しく2回読んだ覚えがあるのだが、
全く覚えていなかった。
というよりは、小説の中に知らない曲名が
出てきても、よほどのことがない限り、
どんな曲か聴いてみようと探す行動にまで
中々繋がらなかっただろう。
今なら、ネットのおかげで簡単に
検索してほとんど曲は聴くことができるけどね。
どんな場面で出てきたのか、興味がわき
もう一度読んでみようかなという気になったけど、
買って読んでいない本が何冊も 積読(つんどく)
状態になっている。
困ったもんだ。
[ Show Time ]
1部 レクチャーライブ:13:30〜14:30
2部 通常ライブ :15:00〜16:00
※入替なし
[ MEMBERS ]
外谷東(p)
山口裕之 (b)
岡田朋之 (ds)
マスター中川 (lecture:1部)
@ Lydian(神田)
2018.5.1
ラスト・ワルツ
THE LAST WALTZ
今から30年ほど前、1987〜88年ごろだったと思う、
何かの用で東京に来る機会があった。
ちょうどその時、東京のとある映画館で、
『ラスト・ワルツ』を上映しているのを
情報誌か何かで知った。
覚えていないけど、大阪では観られない
何かがないかと探したのかも知れない。
どこの映画館だったかも覚えていないけど、
一人で観に行った覚えがある。
1976年、サンフランシスコで ザ・バンド が
豪華ゲストを招いて、解散コンサートを行った。
『ラスト・ワルツ』は、そのコンサートを収めた
ドキュメンタリー映画。
監督は、マーティン・スコセッシで、
公開は 1978年だが、撮影された1976年は、
『タクシー・ドライバー』が公開された年だ。
出演は、ザ・バンドのほか、ボブ・ディラン、
エリック・クラプトン、ニール・ヤング、
ジョニ・ミッチェル、ヴァン・モリソン、
ニール・ダイヤモンド、リンゴ・スター、ロン・ウッド、
ドクター・ジョン、ポール・バターフィールド、
ロニー・ホーキンス、マディ・ウォーターズ 等。
その『ラスト・ワルツ』が、
デジタル・リマスターされ
公開40周年記念上映ということで
公開されているので、観てきた。
30年ぶりの鑑賞だ。
「最大音量上映」とわざわざ謳っているので、
どんな音やろと楽しみにしていたが、
特に音がデカいとは思わなかった。
実は、先週も本作を観に行った。
私には「音楽ドキュメンタリー映画は寝る」と
いうジンクスがあるのだが、見事に
始まって10分ほどで、強烈な睡魔とともに
気絶し、気が付いたら40分ほど過ぎていた。
後半は、しっかり観たのだけど、
どうしてもちゃんと観ておきたくて、
今日もう一度、観に行って生きたのだ。
まあ、DVD が出てるので観ようと思えば
いつでも観られるのだけど、
映画館で、大音量で観るということに
意味があるので、こうなると、
絶対もう一度観てやる と、
半ば意地になっているような面もあるけど。
そういうわけで、今日はしっかり
目を開けて観たよ。
ウィキペディアには、「映画とサウンドトラックは
過剰なオーバーダビングが施されている」という
記述があるが、「ライヴビデオ」ではなく
「映画」なのでそういうこともありえるだろう。
確かにあんなマイクの使い方で、
よく声がちゃんと入っているなぁと思う場面はあった。
でも、そういうことを差し引いても、
今から42年も前のライヴが、リマスターされ、
クリアな映像と音で観られるのは、
素晴らしいことだ。
しかも、この豪華メンバーで。
ちょっとワイルドな リック・ダンコ(B&Vo)が
ロビー・ロバートソン(Gt)よりもカッコいい。
ジョニ・ミッチェルを見つめる視線は、
ちょっとヤバいけど。
後半に登場するエリック・クラプトンが、
これまたカッコいい。
この時、31歳かな。
"Further On Up The Road" の出だし、
1コーラス弾いた後、ストラップが外れ、
ヒヤッとするが、何ごともないかのように
ロビーがソロを引き継ぐ。
エリックのギター・ソロは圧巻で、
観客の盛り上がりも凄い。
ボブ・ディランが、"Forever Young" と
"Baby Let Me Follow You Down" を
2曲続けて歌うのだが、"Forever Young" の
終わりで、ディランがロビーに何か
耳打ちする。
エンディングが、ちょっと怪しい感じになり、
リヴォン・ヘルム(Dr)が不安そうに
ディランを見つめる。
すると、ディランが "Baby Let Me Follow
You Down" のイントロを弾き出し、
バンドが合わせてくるというシーンがあった。
打合せと違う何かが起こったのかと
思ったが、ウィキペディアによると
これはノッテてきたディランが
予定になかった "Baby Let Me Follow
You Down" を始めてしまったらしい。
なるほど、それでリヴォンのあの表情の
意味が分かった。
演奏以外にもこの時代の楽器を観るのも
興味深い(リックは、Gibson の
リッパ―ベースだ!)し、
インタビューでは、ザ・バンドのメンバーが
お金がなかった頃、スーパーで
万引きしたというちょっとヤバいエピソードや
ガース・ハドソン(Key)が当初、
音楽の先生という名目でバンドに
参加していたなど、貴重な話も満載。
それにしても、この時、ザ・バンドのメンバーは
全員30歳代(一番老けてる ガース・ハドソン でも
39歳)だし、前述のようにエリックも31歳。
出演者のほとんど、たぶんマディ・ウォーターズ
意外は、全員今の私より年下なのに
若者の演奏を聴いている風にはならないのが
不思議だなぁ。
The Band LAST WALTZ
★★★★★
30年前に『ラスト・ワルツ』を観た当時、
やっていたバンドのリーダーTさんが、
ザ・バンド が好きだった。
(その影響で観に行った。)
なので当時のレパートリーには、
ザ・バンドの "The Weight",
"I Shall Be Released",
"It Makes No Difference" なども含まれていた。
改めて、どれもええ曲ですな。
Tさんが作った、リチャード・マニュエル
(1986年没)を追悼した『リチャード』という
オリジナル曲は、名曲だったなぁ。
2018.5.7
SILVIA PEREZ CRUZ
シルビア・ペレス・クルス
詳しく知らないのに、行ったこともないのに、
なぜだか惹かれる国ってないですか。
何が魅力かさえ、良く分からないのに。
私には、アルゼンチンやスぺインがそう。
イタリアにも少し感じるなぁ。
若い頃は、完全にアメリカだった。
なぜかイギリスにはそういうのを感じない。
ビートルズを始め、E.クラプトン、
J.べック、R.スチュワートなど、
好きなミュージシャンにイギリス人は、
多くいるのにね。
今でも、というか永遠にアメリカには、
憧れがあるだろうけど、そこまで
分かりやすくない憧憬がアルゼンチン、
スペインにはある。
それらの多くは、
音楽や映画を通して感じてきたもので、
例えば同じように観聴きしていても、
ブラジルやポルトガル、フランスには、
それほどの憧れを感じないから不思議だ。
とはいっても、アルゼンチンや
スペインについて、詳しく調べたりする
わけでもなく、なんとなく惹かれる、
という程度なのだけど。
一時期は、中国の大陸的なメロディや
ケルト・ミュージックにも懐かしさを
感じたことがあったけど、
最近はあまり感じなくなった。
こういうのは一時的なものなのかも知れない。
若い頃は、スペインのことも
そんな風には思っていなかったからね。
でも、アルゼンチンには、非常に漠然と
20代の頃から「行きたい」と思っていた。
ホントに漠然とだけど。
もし、輪廻転生があるのなら
私は、それらの全ての土地に、
生きたことがあるのかも知れない。
なんて風に思っては、勝手に納得している。
スペインのカタルーニャ地方は、
昨年、独立宣言をして日本でもニュースに
なったけど、結局どうなっているのか、
チラッとググっただけでは、
国際情勢オンチの私には良く分からない。
そんな簡単な問題ではないだろうことは、
想像に難くないけど。
そのカタルーニャ地方を代表する、
シルビア・ペレス・クルスという歌姫が
今月、初来日する。
1983年生まれだから、今年35歳。
美しい人だ。
スペインというと、フラメンコを
連想してしまうが、ちょっと違う。
シルビアの音楽を全部聴いたわけではないけれど、
下にリンクを貼ったものを聴いてもらえると、
フラメンコのイメージではないことは
お分かり頂けると思う。
曲によっては、ポルトガルのマドレデウス
(Madredeus) をちょっと思い出した。
その シルビア・ペレス・クルス の来日公演に
今週末行ってくる。
バックは、弦楽五重奏。
昨年発表のアルバム『Vestida De Nit』の
延長にある公演になりそうだ。
楽しみ。
Silvia Perez Cruz - Vestida de Nit (Video Oficial)
あの『ランバダ』ですが、もう別の曲です。↓
La Lambada / Chorando Se Foi (Video Oficial)
Leonard Cohen の名曲。↓
Silvia Perez Cruz - Hallelujah (Live)
シルビアのことを調べていたら、
『Latina』というワールド・ミュージックの
雑誌に、シルビアの来日直前インタビューが
載っているので買ってみた。
手元に届いてビックリ。
最近の雑誌かと思っていたら、
「創刊満66年記念号」と書いてあった。
表紙もシルビア。
2018.5.11
チープ・トリック振替公演決定
4月25日に予定されていたチープ・トリックの
武道館公演が延期になったことは、
ここ に書いた 通り。
その振替公演が決定したと発表された。
振替公演は、残念なことに武道館ではなく、
Zepp Tokyo にて、10月11日(木)に行われる。
う〜む、微妙だ。
ずい分とキャパが減ってしまう。
狭いところで観られるのは良いのだが、
私の考慮は、1F席はスタンディングで
あること。
正直、立って観たくない。
2F席は、指定席だが当然、ステージから遠い。
まあ、それは武道館であっても
遠いから良いのだけど。
それに、ロック・コンサートなので、
結局、立つことになるのかも
知れないけど、スタンディングだと
狭くてしんどいねんな。
疲れてきても座れないし。(じじいか)
4月の武道館チケットは、全席払戻しとなる。
一応、4月の武道館のチケットを買っていた人には、
振替公演の優先先行予約が行われるのだが、
席が減った分、申込者全員がチケットを
取れるとは限らないという事態になっている。
どうも、バンド側との調整で、
その時期に武道館が空いておらず、
それでも、バンド側は『at武道館』発売
40周年の今年中に来日公演を
実現したかったので、会場の変更という
決断に至ったようだ。
その結果、チケット代にも影響が出た。
武道館公演では、9,500円だったチケットが、
Zepp Tokyo 振替公演では、
2F指定席: \15,000
1Fスタンディング: \8,000
となった。
座って観るには、15,000円。
どうしようかなぁ・・・。
チープ・トリック来日公演 サイト
2018.5.12
SILVIA PEREZ CRUZ
シルビア・ペレス・クルス
スペインの女性シンガー、
シルビア・ペレス・クルスの
ライヴに行ってきた。
この人のことは、最近知ったのだけど、
数曲聴いて、ライヴで聴きたくなったのだ。
スペインにほのかな憧れがあることは、
ここに書いた通り。
バンドは、弦楽五重奏。
ポップスやジャズではなく、
ましてやクラシックでもない。
スパニッシュだけど今まで知っていた
フラメンコでもない。
重厚で情熱的、哀愁と慈悲の
混在したようなエモーショナルな
魂の歌声で予想以上に感動した。
その音楽の素晴らしさは、
これだけたくさんライヴに行く私が、
あまり体験したことのない、
曲が終わるたびの拍手の長さに
表現されていたように思う。
最後は、スタンディング・オベイション。
まさにスペインの至宝です。
シルビアは、初来日で昨日と今日、
合計4回の公演をした。
そのラスト・ショーを観たのだが、
本当に幸せそうで、バックの5人も
楽しくて仕方がない感じが伝わってきた。
ヴァイオリンのカルロスは、
ヴァイオリンをまるでウクレレのようにも
弾いたりした。
シルビアとカルロスがデュエットした曲は、
あまりに幸せすぎて、涙が流れた。
非常に貴重なライヴを観られたと思う。
会場には、SHANTI の姿もあったよ。
彼らは、明日にはバルセロナに帰るのだという。
やっぱり、行きたいな、スペイン。
[ MEMBERS ]
Silvia Perez Cruz /シルビア・ペレス・クルス (vo)
Carlos Montfort /カルロス・モントフォート (vln)
Elena Rey /エレナ・レイ (vln)
Anna Aldoma /アナ・アルドマ (vla)
Miquel Angel Cordero /ミゲル・アンヘル・コルデロ (b)
Joan Antoni Pich /ジョアン・アントニ・ピク (vc)
@ Blue Note TOKYO
2nd show
(2018.5.24 追記)
ブルーノートのサイトに、私が観た前日の公演の
セットリストが発表された。
前日と全曲同じかどうか分からないけど、
参考に記しておこう。
たぶん、違ってもそんなに大きくは、
違わないんやないかと思います。
少なくとも "VESTIDA DE NIT"
"AI, AI, AI" "HALLELUJAH" は演りました。
[ SETLIST 2018 5.11 FRI. ]
1st
1. TONADA DE LUNA LLENA
2. MECHITA
3. VESTIDA DE NIT
4. AI, AI, AI
5. NO HAY TANTO PAN
6. MANANA
7. LOCA
8. HALLELUJAH
9. ASA BRANCA
10. ESTRELLA
EC. GALLO ROJO, GALLO NEGRO
2nd
1. TONADA DE LUNA LLENA
2. MECHITA
3. VESTIDA DE NIT
4. AI, AI, AI
5. ESTRANHA FORMA DE VIDA
6. MANANA
7. LOCA
8. 20 ANOS
9. HALLELUJAH
10. ASA BRANCA
11. ESTRELLA
EC1. CORRANDES D’EXILI
EC2. GALLO ROJO, GALLO NEGRO
2018.5.14
ノーキー・エドワーズと井上堯之
ギターマガジンの最新号は、
ベンチャーズの特集です。
それを見るまで知らなかったのだけど、
3月12日に ノーキー・エドワーズ が
亡くなっていました。
享年82歳。
私は、ベンチャーズは超有名曲を
数曲知っているぐらいで、
ほとんど聴いてきていないのだけど、
私より一つ上の世代、例えば 石やん
(石田長生)や Char さん達は、
確実にベンチャーズの影響を受けて
いるわけで、そう思うとやっぱり
間接的にであっても、影響は
受けているんだと思う。
何しろ、ある意味エレキギターを
世界に広めた人たちだからね。
82歳と聞いて、そんなお歳だったのかと
ちょっと驚いたけど、考えれば、
自分が数年で還暦やからな。
もう一人、5月2日に井上堯之さんが
逝ってしまいました。
享年77歳。
私としては、ノーキー以上にショック。
井上堯之さんは、元スパイダースの
ギタリストで、『太陽にほえろ』や
『傷だらけの天使』などの
TV ドラマの音楽も手掛けていた人。
中学時代、『太陽にほえろ』の
サントラ LP を買ったよ。
B 面が『傷だらけの天使』でね。
大人になってからやけど、
堯之さんのソロ・アルバムも買った
覚えがあるなぁ。
あんまり、歌が上手じゃないの。
でも、なんか好きだった。
数年前、ライヴで『太陽にほえろ』と
『傷だらけの天使』のメインテーマを
メドレーで演ったことがあってんけど、
弾いててもカッコええなと思う曲やった。
特に『太陽にほえろ』のイントロのギターね。
(作曲は、どちらも大野克夫。)
あと、ジュリー(沢田研二)のバックやなぁ。
『カサブランカ・ダンディ』とか
『憎みきれないろくでなし』とか
今、聴いてもカッコええもんなぁ。
ギターがまた渋い。
ギブソンの L-6 ですぜ。
(あんまり使っている人いないギター)
1990年頃だったと思うけど、堯之さんが
FM でライヴの番組やっていて、
PINK CLOUD (Char のバンド) が
ゲストだった時、ホントに嬉しそうで、
その放送、録音したのをいまだに持ってて、
たまに聴くよ。
昨年、ムッシュかまやつが亡くなった時、
ギターマガジンだったか何かの記事で、
ずい分、痩せて年とった感じの堯之さんを
見てちょっとショックだった覚えがある。
そこで引退されたようなことを
読んだ覚えがあったのだけど、
堯之さんのウェブサイトを見ると
時々だけど、最近までライヴをされていたようだ。
観ておけばよかった・・・。
合掌。
[ 動画 ]
たくさんの追悼動画があがってますが、
あえてこれを選びました。
井上堯之バンドの名曲「太陽にほえろのテーマ」あれ俺だよ!?
『時の過ぎ行くままに』が最高。↓
2009年8月 井上堯之さん小樽イカ電まつりであの名曲を演奏
2018.5.15
内田勘太郎
ソロデビュー20周年Anniversary
ブルース漂流記
ソロ・デビュー20年だというのに、
勘太郎さんのソロ・ライヴは、初めてだった。
内田勘太郎(うちだ かんたろう)。
1954年、大阪生まれ。64歳。
憂歌団のリード・ギタリスト。
勘太郎さんのギター・プレイの素晴らしさは、
もちろん知っていたし、ソロ・アルバムも、
聴いたことがあったけど、どうしても
憂歌団というバンドの中での印象が強く、
ソロでどんなことをするのか、
あんまり分かっていなかった。
正直、ちょっと不安もあったのだけど、
期待、想像以上に素晴らしいライヴで
感動してしまった。
まずは、勘太郎さん一人で数曲演奏後、
ゲストの根本要(from スターダスト☆レビュー)を
ステージに招き入れた。
根本さんは、憂歌団のファンで高校生の時、
埼玉から東京に憂歌団のコンサートに来たのだという。
憂歌団のレパートリー『シカゴバウンド』などを
歌ったのだけど、根本さんも木村さんほどでは
ないにしろ、だみ声なので結構雰囲気が
あって、これはこれでありだなと思った。
2人の長いトークを挟みつつ、
1部が終わってみると、80分が経っていた。
ちょっとしゃべり過ぎでしょう。
楽しかったからいいけどね。
2部では、やはりソロで数曲演奏後、
再び根本さん登場。
そして、後半サプライズ・ゲストで
うじきつよし(子供バンド)が登場。
『サマータイム・ブルース』を替え歌で
勘太郎さんの20周年を祝った。
そのほか『嫌んなった』『ムーンリバー』
『キ−・トゥ・ザ・ハイウェイ』
『Stealin'』など。
そして、スタレビの『夢伝説』。
意外にも勘太郎さんのスライドがハマって
素晴らしい演奏だった。
本編の最後だったかな、
ちょっとゆっくり目の『おそうじオバチャン』。
アンコールは、3曲で、
ラストは、勘太郎さん一人で
ムッシュかまやつの『どうにかなるさ』。
ギター1本の録音してきた伴奏を
流してのスライドの演奏だったのだけど、
これまた素晴らしかった。
こんなスライド弾ける人は、
ほかにいないね。
憂歌団をやめようと決めた時、
夜中の3時に博多を歩いていて、
ばったりとムッシュに会ったらしい。
それで、「憂歌団をやめようと思う」と言うと
ムッシュは「おめでとう」と言ったそうな。
そして、「じゃあ行くか」と
まるで元々約束していたかのように
そのままバーに行き、ムッシュは、
スパーダースをやめた時の話なんかを
話してくれたのだという。
博多で夜中の3時。
なぜかこの話が私には妙に
突き刺さってしまった。
話を聞いていて、
憂歌団をやめることをムッシュが
止めるのかと思いきや
「おめでとう」と言ったということに
なぜかグッときてしまった。
・・・たぶん、ムッシュという人には、
「それはあかん」というようなことは
なくて、なんでも ありのまま
受け入れられたんやないか、と
ふとそんな風に思ったのでした。
勘太郎さんのギターは、ヤイリとチャキ。
ヤイリ(左)とチャキ(右)
チャキって、ピックアップ付いてないのに、
マイクだけで全く行ける。
普通、どうしてもピックアップ付に比べると、
線が細くなるような気がするんやけどね。
あのギターは特別だ。
ヤイリの音も太くて甘い。
たぶん、勘太郎さんの指弾きのせいもあると思う。
1部約80分、2部約75分。
休憩を含めて3時間!
たっぷり楽しいライヴでした。
[ MEMBERS ]
内田勘太郎(Gt,Vo)
ゲスト:
根本要(Gt,Vo)
うじきつよし(Gt,Vo)
@ eplus Living Room Cafe & Dining
SOLD OUTでした。
30年位前に大阪で、バンドで憂歌団の前座を
やらせてもらったことがあった。
いつ、ビール缶が飛んできても
おかしくないようなお客さんの雰囲気が
もの凄く怖かった覚えがある。
楽屋でくつろぐ木村さんのあまりに
普通な感じと、勘太郎さんの左手の指先が、
(固くなって)黄色かったのが忘れられない。
[ 関連エントリー ]
2014.6.1 憂歌団 復活!
2018.5.16
MARCUS MILLER &
BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA
マーカス・ミラー & ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ
directed by エリック・ミヤシロ
今回のマーカス・ミラーの来日公演は、
ブルーノート東京オールスター・ジャズ・
オーケストラとの共演が、2日間4公演、
自らのバンドの公演が、ブルーノート東京、
モーションブルー(横浜)、ブルーノート名古屋、
合わせて 5日間10公演、それにホールが
山形テルサ テルサホール、静岡市清水文化会館
マリナートの2公演。
これだけでも、9日間16公演になるのだが、
これに加えて「クルーズスタイル・ジャズ・
クルーズ」という2泊3日の洋上 ジャズ・
クルーズにも出演する(1日だけ)。
スゴイなぁ〜。
ちなみに洋上 ジャズ・クルーズは、料金が
一番安い「ステートルーム J タイプ」という
部屋で ¥120,000 (1室2名利用時の1名料金)。
一番高い「ロイヤルスイート A 1001
アルカイック」という部屋になると
¥440,000 (1室2名利用時の1名料金) ですわ。
なんとマーカスの公演終了後、
ジャム・セッションも予定されているというから、
これまたスゴイ企画。
よっぽど腕に自信がないと、参加できひんやろけど。
さて、昨日今日と2日間行われた、
ブルーノート東京オールスター・ジャズ・
オーケストラとの共演のラスト・ショーを観てきた。
これがまた予想をはるかに上回る素晴らしさ。
マーカスも楽しそうやったなぁ〜。
バンドも良かった。
アレンジは、全てエリック・ミヤシロ。
マーカスはもちろん素晴らしいのだが、
印象に残ったのは、本田雅人のソロ。
ソロの回数が一番多かったけど、
この人にソロ吹かせたくなるの分かる。
他の人のソロも素晴らしいんやけど、
この人、なんかもう突き抜けてる感じ。
マーカスが「これ、めっちゃ難しいねん」と
英語で言って始めた、ジャコの "Teen Town"。
いとも簡単そうに弾いてましたが。
今朝、車の中で聴いたところだったのでビックリ。
ピアノ(青柳誠)とのデュオで
マーカスが、バス・クラリネットを吹いて、
"When I Fall in Love" 。
美しく、素晴らしかった。
それから、"TUTU" での納浩一のソロと
マーカスとの掛け合いも良かったなぁ。
納さんのベースは、フォデラの6弦。
マーカスは "TUTU" だけ、Sire のフレットレス。
他は、いつもの Fender。
もう1本、Sire のジャズベが置いてあったけど、
それは使わず。
アンコールは、"Blast" 。
最後は、スタンディングオベイションでした。
日本人がマーカスと一緒にこんな演奏が
できるなんて、大変に喜ばしい。
これ、2日間だけなんてもったいないな。
CD になれへんかなぁ。
[ SETLIST ]
1. TRAINS (バンドのみ)
2. Run For Cover
3. Papa Was A Rolling Stone
4. Snakes
5. Hylife
6. Teen Town
7. When I Fall in Love
8. Tutu
EC. Blast
(注) 1曲目の "TRAINS" は昨日のセットリストに
あったのでおそらく同じ曲だと思われる。
[ MEMBERS ]
Marcus Miller (b,bcl,vo)
エリック・ミヤシロ (tp,conductor)
本田雅人 (sax)
近藤和彦 (sax)
小池修 (sax)
庵原良司 (sax)
Andy Wulf (sax)
佐久間勲 (tp)
奥村晶 (tp)
二井田ひとみ (tp)
小澤篤土 (tp)
中川英二郎 (tb)
佐野聡 (tb)
半田信英 (tb)
山城純子 (tb)
青柳誠 (p)
納浩一 (b)
岩瀬立飛 (ds)
岡部洋一 (per)
@ Blue Note TOKYO
2nd show
さすがに洋上 ジャズ・クルーズは、
行く気にならなかったけど、
来週のマーカス・バンドも観に行くぜ!
2018.5.17
続く訃報 西城秀樹
先日、井上堯之氏の訃報を書いたばかりなのに
今度は、歌手の西城秀樹だ。
63歳と聞いてびっくり。
もう少し私より上だと思っていた。
脳梗塞を患ったことは知っていたけど、
ちょっと若すぎるなぁ。
秀樹といえば、
昭和歌謡の中でもスケールの大きい歌、
例えば、『ブルースカイブルー』
『若き獅子たち』『遥かなる恋人へ』
『この愛のときめき』などが印象的で、
合わせて『傷だらけのローラ』『激しい恋』
『ちぎれた愛』『薔薇の鎖』などの
ドラマチックな曲も忘れ難い。
合掌。
2018.5.20
Char
Live 2018 “Yaondayon”
今年2度目となる Char さんのライヴ。
今日は、野音(日比谷野外音楽堂)で
タイトルが「Yaondayon」。
2月に Billboard LIVE TOKYO で
観たときは、ドラムが Robert Brill だったけど
今日は、しーたか(古田たかし)。
開演は、17時。
野音のコンサートは、明るいうちに始まって、
だんだんと日が暮れていき、気が付いたら、
ステージに照明が点いていて、気が付いたら、
辺りは暗くなっていて、ええ「イキフン」に
なってるのが良い。
今日は、ええ天気でホンマ良かった。
そして、お酒を飲みながらの鑑賞は、
ライヴハウスと同じなのだけど、
野外という開放感が手伝うのか、
酔っぱらいの野次がインドアより多いと思う。
今日の私は、結構後ろの方の席だったが、
周りのおっさんたちがうるさいうるさい。
「黙って聴けよ」と言いたくなるぐらい
うるさかったです。
そんな風ですから、盛り上がったよ。
今日の Char さんは、声も良く出ていたし、
ギターソロもかなり冴えていたように思った。
アンコールを入れて、150分!休憩なし!
ギターは、ピンクのペイズリーのムスタング、
珍しく Gibson の SG、バーガンディミストの
Fender ストラトキャスター1959年製、
もう1本、バーガンディミストのストラト。
合計4本を使用。
2本目のバーガンディミストのストラトは、
おそらく発売が決定した、Fender
Custom Shop の復刻モデルと思われる。
ちなみにそのモデルは、
CUSTOM BUILT が、615,000 円(税抜)、
MASTERBUILT が、20本完全限定生産で
1,500,000円(税抜)だぁ!
今日使ったのが、どっちか分からないけど、
持ち替えたの分からんぐらい、
オリジナルと同じような音しとったなぁ。
宝くじ、買おうかなぁ。
ところで、Gibson の SG で『Move On』を
演ったのだけど、チューニングはどうなって
いたのだろう。
あの曲は、キーが D で、以前は ESP の
ファニチャーという6弦が D までフレットのある
ギターで演奏されていたのだけど。
もしかしたら、全体に一音下げたチューニングに
していたのかな。
他の曲も そのまま SG を使用したので、
ちょっと謎。
もっと前の方で見たら、
分かったかもしれないけど。
沢田さんは、5弦ベースで対応。
特に印象に残った曲は、『籠の鳥』、
『Missin' You』『Cry Like A Baby』。
今日の公演は、CD&DVD になるので楽しみだ。
開演前 16:50頃
[ MEMBERS ]
Char(Gt, Vo)
澤田浩史(Ba)
古田たかし(Drs)
佐藤 準 (Key)
@ 日比谷野外音楽堂
2018.5.21
スターダスト☆レビュー
先日、内田勘太郎 ソロデビュー20周年
記念ライヴにゲストで登場し、
ええ歌を聴かせてくれた根本要。
彼がステージに登場してから
思い出したのだけど、私は
スタレビのコンサートに行ったことがある。
1983年 2月11日(金)、
大阪厚生年金会館の中ホールだった。
彼らは、1981年のデビュー。
このコンサートは、
『トワイライト・アヴェニュー』(1983年)や
『夢伝説』(1984年)で彼らが
ブレイクする前のこと。
私が観たのは、2階席だったのだが、
2階席の半分以上は空いていたような
覚えがある。
コンサートに行ったのは、
テレビで、スタレビを観た時に、
『シュガーはお年頃』(1stシングル)
『ブラックペッパーのたっぷりきいた
私の作ったオニオンスライス』(3rdシングル)を
聴いて、また、根本要の Aria ProUのセミアコを
抱えた姿を見て、当時のほかの
ロックバンドとは違う音楽の匂いを感じ、
興味を持ったからだったように記憶している。
もう35年も前のことだ。
その日のチケット 2000円!
彼らの曲は、ヒット曲程度しか知らないけど、
今でも初期の『シュガーはお年頃』、
『ブラックペッパーのたっぷりきいた
私の作ったオニオンスライス』は、好きだな。
名曲だと思う。
立川志の輔師匠が、パルコやACTシアターの
落語会のエンディングで、流していたのが、
この『シュガーはお年頃』。
2018.5.22
Forever Young
最新号(6月号)の「レコード・コレクターズ」は、
70年代のアメリカのセッション・ギタリストの特集。
かなりマニアック。
というか、レコード・コレクターズという雑誌は、
毎号かなりマニアックで、私も今まで、
数回しか購入した覚えがないほど。
セッション・ギタリストというのは、
色んなアーティストに呼ばれて、
レコーディングやステージのバックを
することを仕事にしている、いわば
職人ギタリストのことだ。
来月、そんなセッション・ギタリストの一人、
ダニー・コーチマーのライヴを観に行く。
ダニーのことも詳しく特集しているようなので、
久しぶりに「レコード・コレクターズ」を買ってみた。
ダニーのことは、またの機会に詳しく触れるとして、
今日は、そのレコード・コレクターズの記事
(佐橋佳幸×萩原健太 対談)の中で、
佐橋さんが「最近のギタリストものの
アルバムとしては、もっとも愛聴している
1枚です」と紹介していたレジ―・ヤング
(Reggie Young)の "Forever Young"
(2017年)を紹介したい。
レジー・ヤングは、エルビス・プレスリー、
ウィリー・ネルソン、ジョニー・キャッシュ、
J.J.ケイル、二ール・ダイヤモンド なんて
方々とお仕事をしてきた、アメリカの大御所
セッション・ギタリスト。
きっと、今までも何かの雑誌の記事で、
名前ぐらいは目にしたことがあったのだろうけど、
ちゃんと知らなかった。
それで、そのアルバム "Forever Young" を
買ってみたら。これがドハマり。
もう1週間ほど毎日ヘビー・ローテーションだ。
「オレは、こういうギターを弾きたいねん!」と
言いたい。(誰に?)
エルビスと仕事をしていたということからも
分かると思うけど、結構なお歳。
この "Forever Young" は、なんと
80歳にして 初となるソロ・アルバム!
渋すぎ!
アルバム・タイトル "Forever Young" は、
たぶん、ご自身の名前の「Young」と「若さ」を
かけてはるんやろうなぁ。
「オレは永遠に "ヤング" だ」って。
ダブル・ヤングやん!
(分かる人だけで良いです)
調べていくと、レジー・ヤングは、
佐橋さんだけでなく、山下達郎氏や
エリック・クラプトンも敬愛している
ギタリストだった。納得。
あ〜ナマで聴きたいなぁ。
なお、「Reggie Young」で調べていると、
同姓同名の黒人ベーシストもいるので、
間違わないようにね。
2018.5.23
コンサート ジャズに捧げる歌
Concerto Una canzone per il jazz
Alessio Menconi (Gt) & Massimiliano Rolff (B)
ゴールデンウィークにイタリア映画祭に
行った際、もらったチラシの中に、
ギター&ベースのデュオの
ジャズ・ライヴのものがあった。
アレッシオ・メンコーニ(Gt)と
マッシミリアーノ・ロルフ(B)。
もちろんイタリア人だ。
聴く機会が ありそうであんまりない、
ギターとベースのデュオ。
この2人のことは、知らなかったけど、
9月にギターとベースのデュオを
予定していることだし、
これは、良い機会だと聴きに行ってきた。
主催は、イタリア文化会館で、
なんと入場無料〜!
アンコールを入れて、70分弱。
ソロが終わった後、拍手をしている人が
ほとんどいなかったことから、
普段、ジャズを聴いているお客さんは、
少なかったと思われるが、
『Moon River』『Wave』
『Cinema Paradiso』『Romeo and Juliet』
『Day By Day』『Summer Time』
『Someone to Watch Over Me』など、
有名曲が多く、聴きやすいライヴだった。
MCは、イタリア語で全く分からず。
一部、反応している人達がいたのは、
さすがにイタリア文化会館。
アレッシオ・メンコーニのギターは、
ヤマハ AEX 1500 のように見えた。
以前、私も持っていたので
たぶん間違いない。
[ MEMBERS ]
アレッシオ・メンコーニ
Alessio Menconi (Gt)
マッシミリアーノ・ロルフ
Massimiliano Rolff (B)
@ イタリア文化会館 アニェッリホール
(千代田区九段南)
2018.5.24
MARCUS MILLER
マーカス・ミラー
先週に続いて、マーカス・ミラー。
先週は、日本人中心の ブルーノート東京
オールスター・ジャズ・オーケストラとの
共演だったが、今日はマーカスのバンドでのライヴだ。
メンバーは、昨年、一昨年の来日メンバーと
比べると、キーボードが変わった以外は、同じメンツ。
サックスの Alex Han は、長いなぁ。
私が初めてアレックスを観たのは、
2009年の featuring Christian Scott のライヴだった。
もう10年になるやん!
あの時、アレックスは、まだ 21歳だったよ。
勝手な想像やけど、アレックスは、
マーカスと演るのが楽しくて
好きでしょうがないんちゃうかな。
なにかの記事で、学生だったアレックスが
夏休みにマーカスのライヴに参加していて、
新学期が始まったら、
「もう学校なんか行きたない。学校辞める」と
言いだしたので、マーカスが
「あんな、そんなこと言わんと、学校は行っとき。
卒業したら、またバンドに入れたるから」と
英語で言うたと読んだ覚えがある。
(多少、脚色してます。)
さて、今日のライヴも期待を裏切らない
スリルとグルーヴで楽しませてくれました。
1曲目、イントロダクションから
"Run For Cover" へ突入。
先週のライヴでも演ったけど、ゴキゲンです。
続いて、テンプテーションズのカバー、
"Papa Was A Rolling Stone"。
このカバー、初めのうちはそんなに
好きじゃなかったけど、だんだん
良さが分かってきて好きになってきた。
3曲目でマーカスが観客に向かって
「Something old or something new?」と
訊くと、「new」と声がかかった。
来月出る、ニューアルバムから
"Trip Trap" という新曲を披露。
これが、またカッコ良かった〜。
そして、これまた先週も演った "Hylife"。
今日は、マーカスの歌入り!
5曲目で、バスクラリネットを手に。
これも新曲だろうか。
聴いたことのあるような ないような
美しいメロディ。
ちょっと感動。
バスクラならではの低音から、
かなり高音まで出していた。
きっとかなり難しいじゃないだろうか。
次は、観客に「3-2」の手拍子をさせながら、
ややテンポの速い "Tutu"。
イントロをバスクラで吹いたあと、
Sire のベース(4弦)に持ち替えた。
先週の公演では、ステージに置いてあったけど、
弾かなかったやつ。
個人的には、"Tutu" は、ゆっくりと
重たい感じの方が、好きやな。
アンコールは、"Blast!"。
先週も聴いたけど、19人のビッグバンドと
5人のコンボでは、同じ曲でも当然
全然違う楽しさがある。
マーカスは、も15年ぐらい
ほとんど毎年 観に行っている。
来年で60歳になるというのに
40代の時と、見た目が変わらない。
もちろんお腹など出ていない。
どんな暮らししてるんやろな。
[ MEMBERS ]
Marcus Miller (b,bcl,vo)
Marquis Hill (tp)
Alex Han (sax)
Brett Williams (key)
Alex Bailey (ds)
[ SETLIST ]
1. Run For Cover
2. Papa Was A Rolling Stone
3. Trip Trap
4. Hylife
5. ?
6. Tutu
EC. Blast!
@ Blue Note TOKYO
2nd show
New Album "Laid Black"
Releasing June 1st!
2018.5.26
STING
Live at the Olympia Paris
STING の2017年4月13日のパリ、
オランピアでのライヴの DVD を観た。
昨年、6月7日に武道館での
公演を観たのだが、その約2カ月前の
パリでの公演で、内容はほぼ同じ。
なので、6月の公演を思い出しつつ、
ステージから遠い客席からでは、
分からなかった、スティングのベースの
弾き方や、ドミニク・ミラーの
手元も見られて楽しめたよ。
それにしても、スティング、カッコええわ。
改めて、65歳とは思えません。
歌詞を覚えられないのか、
モニターで歌詞を見るアーティストも
いるけど、スティングは歌詞モニターなし、
というのも好感度アップ。
スティング親子とドミニク・ミラー親子、
2組の親父とせがれの共演というのも
珍しくも何やら暖かくて良い。
"Every Breath You Take" で、
「Thank you to make my life better」
と書かれた、観客の手書メッセージが映る。
そう、スティングに限らず、
アーティスト達は、私たちの人生を
より豊かに、より良いものに
してくれている。
それって、感動やね。
オープニング・アクトの
ジョー・サムナー(スティングの息子)、
ザ・ラスト・バンドレーロスの演奏は、
ボーナス映像として収録されている。
昨年のコンサートでは、あんまり
分からなかったことも確認できた。
ところで。
スティングとマーカス・ミラーの共通点は、
ベーシストというだけではない。
2人ともとても知的な上、
年齢を感じさせない、鍛えられた肉体の持ち主。
もうひとつ、同じパリのオランピアでの
マーカスのライヴDVD も観たのだけれど、
2人ともフランス語で MC してます。
2018.5.28
渡辺貞夫
SADAO with FRIENDS 2018
昨年12月16日の Bunkamuraオーチャード
ホール公演以来、5ヶ月ぶりの
貞夫さんの公演。
バックのメンバーは、12月とは全員替わり、
ラッセル・フェランテ(p)、
ベン・ウィリアムス(b)、
ケンドリック・スコット(ds)という布陣。
毎度、素晴らしい演奏でした。
途中、思い浮かんだキーワードは
「世界平和」。
そして、最後には「祈り」。
曲は、それぞれ10分も15分も長々と
ソロを取ることはなく、比較的コンパクト。
もう、長いソロなんて要らんし、
激しいソロも要らない。
ただ、この人が演奏しているだけで、
素晴らしい。
そういう境地に感じたね。
御年85歳だが、スケジュールを見ると
4月は東北中心に8回、今月は関西や九州も
合わせて7回もコンサートが入っている。
今日は、その7回目でツアーの千秋楽だった。
これからの予定、クリスマスや、
来年の3月の話までしていました。
私もあと30年以上ギターが弾けると思うと
希望が開けてくる。
曲は、"Re-Bop"、"Black Orpheus"、
"What's Now"、"Chega De Saudage"、
"花は咲く" など。
15分くらいの休憩を挟んで、2時間15分くらい。
2階バルコニー席から。
マイク立ってるけど、演奏はPAなし。
[ MEMBERS ]
渡辺貞夫(as)
Russell Ferrante(p)
Ben Williams(b)
Kendrick Scott(ds)
@ 紀尾井ホール
2018.5.29
和田明 & 田辺充邦
今日はのライヴは、明とジャズ・ギタリスト
田辺充邦さんとのデュオ。
田辺さんのことは、ずい分前から
知っており(一方的にね)、
音源も聴いたことがあったし、YouTubeでも
いくつかの動画を観ていたけど、
なぜかライヴで観る機会がなく、
今日が初めてだった。
ハコは、銀座(といっても新橋)の
「コントレイル」という、
初めて行くとっても小さなお店。
明のライヴは、この1年ちょいの間に
10回ほど観たのだが、それらは、
トリオやバンドでのライヴで
ギターとのデュオというのは、
初めてだった。
この2人の共演は今日が初ということ
だったが、とても初めてとは
思えないような演奏だった。
やっぱり、JAZZ って凄いよな。
2人は、相性が良いらしく、
ご本人達も楽しそうだった。
曲は、"Gee Baby Ain't I Good To You"、
"Love For Sale"、"Day By Day"、
"The Nearness Of You"、
"A Foggy Day" など。
ギターを持って行ったので、
終演後なんと田辺さんと
セッションさせてもらった。
"Watch What Happens"
"Mercy, Mercy, Mercy"
お客さんで来ていた伊東さん(シンガー)も
加わって、3人で "All Of Me"。
もっと弾けると思ったら、この頃、
こういうの演っていなかったので、
自分としては、ちょっと残念な結果に。
やっぱり、いつも準備していないとダメです。
でも、とても良い機会を頂いた。
上手い人と演奏するのは、ホントに楽しい。
田辺さんは、YouTube で観る通り、
気さくで面白い人だけど、演奏中は、
顔が違います。
[ MEMBERS ]
vo. 和田明
gt. 田辺充邦
@ コントレイル 銀座
2018.5.30
Reggie Young と Rebecca Correia
ギタリスト、レジ―・ヤング(Reggie Young)の
ことは、先日ここで紹介したけれど、
すっかりハマっていて、レジ―関連の音源を
探しては購入したりしているうちに、
60〜70年代の マッスル・ショールズ 関連の
音源にまで手を出し始めている。
マッスルショールズ については、
2014年に『黄金のメロディ マッスル・ショールズ』
というドキュメンタリー映画を観たのだけれど
復習の意味も込めて、Blu-ray も購入した。
それはさておき、レジ―の音源を探していると
iTunes で Rebecca Correia という人の
"Always on My Mind"という曲を見つけた。
「feat. Reggie Young, Jenny Lynn Young & Steve Turner」
とある。
(Jenny Lynn Young は、チェリストでレジーの奥さん。
Steve Turner は、ナッシュビルのドラマー。)
シングル盤でこの1曲だけだった。
聴いてみると、ええ感じのカントリー・バラード。
寝る前にこれ聴いてから寝たい感じ。
レジ―のギターも聴けます。
"Always on My Mind" は、どうも古い曲のようで、
Elvis Presley や Brenda Lee、Willie Nelson なども
歌っているのを発見した。
エルヴィスが、1972年に録音したのが最初のようだ。
(ブレンダ・リーも1972年。)
1987年には、英国の Pet Shop Boys が
ポップなダンス・ビートでカヴァー。
で、Rebecca Correia の "Always on My Mind" を
調べてくと、2013年の "Each & Every Detail" という
アルバムに収められている。
そのアルバムに収録されている
"Oh Nashville" という曲の動画を発見。
Oh Nashville - Rebecca Correia (Official Music Video)
こういうの観ると、アメリカに行きたくなるなぁ、
と観ていると間奏部分でなんとレジー・ヤングが!
思わず、「イェ〜!」って声出してしもたよ。
隣でチェロを弾いているのは、
奥さんの Jenny Lynn Young。
2008年に チェロとギター、夫婦デュオによる
"Be Still And Know thatI Am God" という
アルバムを出しているのだが、
これがまた良い。
カントリーとニューエイジとクラシックと
宗教音楽とが融合したようなサウンドに
鳥の鳴き声が加わり、
日常から連れ出してくれます。
心が洗われます。
2018.5.31
ADAM ROGERS "DICE"
featuring FIMA EPHRON & NATE SMITH
アダム・ロジャース (Gt) のライヴに行ってきた。
初です。
アダムのアルバムは、10年以上前の
『Time And The Infinite』しか
聴いたことがなかったのだが、
ニューアルバムの『DICE』は、
アグレッシヴというのか、
エッジが立っているというのか、
ギターのトーンも、
ハコもののいわゆる正統な
ジャズ・ギター・トーンではなく、
ストラトキャスターのやや鋭角な音で
全く別人のようなサウンドだった。
ライヴは、コットンクラブで3日間6ステージ。
今日は2日目、その 2ndショーを観てきた。
残念ながら、お客の入りはやや少なめ。
ライヴのサウンドも、『DICE』の延長で、
ジャズ+ファンク+ロック+ブルースな感じ。
リフだけ聴くとメタルかと思うような曲もある。
トリオなので適度にすき間があり、リズムが立体的。
上手い人が演るトリオは、ハーモニーの
不足とか全く感じさせない。
指弾きとピック弾きの混合で、
フレイズはレガート。
この辺りは、現代的やなぁ。
ギターは、Fender のストラトキャスターで、
アームも時々使う。
予想していたより、カッコ良かった。
アンコール入れて、約60分は、
ちょっと短かったな。
アルバムの "Crazy" というスロー・ナンバーが
好きで聴けるかなと期待してたけど演らず。
なんとライヴのタイトルになっている、
"DICE" も演らず。
まあ、6回もショーがあるので
セットリストは、色々なのかもな。
挨拶が面白かった。
「ニホンゴ、シャベレマセン、ハナセマセン。
セッシャハ、Adam Rogers デ ゴザル。」
写真は、アダムの足元のエフェクツ。
BOSS や Maxon、Ibanez なんかが並んでいる。
アンプは、Fender の Deluxe Reverb と
MATCHLESS。
[ MEMBERS ]
Adam Rogers (g)
Fima Ephron (b)
Nate Smith (ds)
@ COTTON CLUB
2nd show
2018.6.3
Eric Clapton
Life in 12 Bars
まだ日本での公開日の発表はないのだけど、
エリック・クラプトンのドキュメンタリー
映画が製作された。
タイトルは、『Life in 12 Bars』。
「12小節の人生」と言ったところか。
12小節と言うのは、もちろん
ブルースのことに違いない。
この予告編を観ただけで、ウルウルしてしまった。
↓
Eric Clapton: Life in 12 Bars (2017) | Official Trailer
2018.6.6
Michael Franks
"The Music In My Head"
Michael Franks の7年ぶりだという
ニューアルバム『The Music In My Head』。
Michael Franks といえば "Antonio's Song" が
有名だが、あれはもう40年も前(1977年)の作品。
驚くことに、新作でもあの歌声・サウンドは、
全くと言ってよいほど変わっていない。
Michael は、現在73歳だ。
ライナーノーツにも書かれてあったが、
本当に一貫したスタイルで音楽を創りつづけて
いるのだと思う。
本作、10曲入りで心地よいムードの
上質な音楽ばかり。
日本では、AOR に入れられているが、
海外では、コンテンポラリー・ジャズに
分類されるそうな。
ジェントルで メロウな ソフィスティケイテッドされた
スムースでジャジィな感じと言えば通じるだろうか。
(通じるかぁ!)
まあ、そんな感じ。
1曲目 "As Long As We're Both Together" の
アレンジ、プロデュース、ギターが、
昨年 61歳で 逝ってしもた Chuck Loeb。
この仕事をした時、すでに Chuck は、
大分悪かったようで、もしかしたら、
最後に弾いた曲かもしれない。
ええギター弾いてます。
実は、Michael のアルバムは、
"The Lady Wants To Know" や
"Antonio's Song" の収められた
『Sleeping Gypsy』しか聴いたことが
なかったのだが、クレジットに
Chuck の名前を見つけて、
買う気になったのだ。
Chuck が死んでしまったことで、
このアルバムの制作も一時は
止まってしまったようだ。
他の曲のギターは、David Supinozza が、
ええ仕事してます。
<参加ミュージシャン>
チャック・ローブ (g/prod&arr)
ギル・ゴールドスタイン (p/prod&arr)
ジミー・ハスリップ (b/prod&arr)
スコット・ペティート (b/prod&arr)
チャールズ・ブレンジグ (p/prod&arr)
デヴィッド・スピノザ (g)
ホメロ・ルバンボ (g)
ボブ・ミンツァー (sax)
エリック・マリエンサル (sax)
ビリー・キルソン(dr)
[ 関連エントリー ]
2017.8.30 チャック・ローブ 死去
David Spinozza といえば、これ 好きです。
David Spinozza - SUPERSTAR
2018.6.8
トモ藤田 Guitar World USA & JAPAN
〜トライアドの先へ Lecture & Documentary〜
トモ藤田というギタリストがいる。
アメリカ、ボストンのバークリー音楽大学
ギター科で25年もギターを教えている、
京都出身の日本人だ。
ジョン・メイヤーにギターを教えたということで
有名になった印象があるが、
日本では教則本もたくさん出しているし、
CD も3枚リリースし、時々、
ライヴやクリニックをしに帰国している。
3枚目の CD『Pure』では、ドラムに
スティーヴ・ガッド、バーナード・パーディ、
スティーヴ・ジョーダン、そして、
ベースにはウィル・リーという
超贅沢なリズム隊で演奏している。
私は、2012年11月に Motion Blue で、
新井田孝則 (ds)、Will Lee (b)、トモ藤田 (g)、
養父 貴 (g) というメンバーでライヴを観たことがある。
その日のエントリーには、「ギター・プレイは、
トモ藤田より 養父 貴の方が、私の好み」と
書いているが、トモ藤田の教則&ドキュメンタリーの
2枚組DVD『トモ藤田 Guitar World USA & JAPAN
〜トライアドの先へ Lecture & Documentary〜』
が出たので、買って観てみた。
2枚合わせて、250分!
2日に分けて全部観たけど、
これで、2,835円はお値打ちでしょう。
(定価は 3500円+税)
トモ藤田をめちゃくちゃ好きというわけではない
私でも結構楽しめたし、参考になることも
いっぱいあった。
教えることが好きで、ずっと教え続けているだけ
あって、カッティングやアドリブの秘訣やコツ
みたいなものを惜しげもなくどんどん
ネタバラシしてくれる。
といっても、その秘訣やコツを聞いたからといって、
誰もが弾けるわけではないねんけど。
そこに到達するには、地道に練習するしかない。
「教則」DVD は、まさに教則編。
「ドキュメンタリー」DVD は、
インタビューに始まり、
日本でのライヴや打上げの風景、
プライベートなショッピングなど、
教則編だけでは分からない、
彼の人となりも知ることが出来る。
また、バークレーでのプライベート・レッスンや
ギター課の他の先生の話も聞ける。
「特典映像」では、ギターやアンプの
コレクションの紹介。
かなり、マニアック。
Fender の ミュージック・マスターや
デュオソニックが好きで、
50〜60年代のパーツをきれいに
ケースに入れてコレクションしている。
本人も「あほです」と自分で言うてたけど、
分かるよ、その気持ち。
印象的だったのは、ジャズを習いに、
バークレーに行ったのに、
怖いのでセミアコを持たずにストラトを
持って行ったがために、ジャズではなく
ブルースやファンクの方に行ったと。
もし、お金持ちで、フルアコを
持っていて、ジャズをやっていたら、
先生にはなれなかっただろう。
限界があることは、いいことだっていうくだり。
それと、ジョー・パスに3回断られても、
教えてくれと言ったくだり。
納得するまで、何度でも訊くそうな。
ご本人は、「厚かましい」と言っていたけど、
それを「情熱」と呼ぶんやと思ったね。
2018.6.9
和田明
弾き語りライブ『一人展 U』
明の弾き語りライヴに行ってきた。
明は、ギターも上手いので、
弾き語りも素晴らしいのだが、
今年に入って始めたプロジェクトらしく、
今日が2回目ということだった。
曲は、『WINDY LADY』(山下達郎)
『Sweet Memories』(松田聖子)
『だいすき』(岡村靖幸)
『STAY TUNE』(サチモス)
『トランジスタラジオ』(RCサクセション)
『接吻』(オリジナルラヴ)
『Shibuya Night』(さかいゆう)
『波、白く』(ACIDMAN)
『丸の内サディスティック』(椎名林檎)
『Close To You』(Burt Bacharach)
などのほかオリジナル曲を数曲。
歌は、もちろんやけど、ギターも上手い。
ギター弾きが言うのだから、間違いない。
ティーンエイジャーの頃、
パンクバンドやファンクバンドで、
ギターを弾いていたらしいが、
歌いながら、あんな風に弾ける人は、
あんまりいない。
2週間後には、明と私のライヴも
控えており、聴きながら、
あらたなアイディアも浮かんできたぞ。
[ MEMBERS ]
和田 明(vo>)
@ HARVEST TIME(六本木)
2018.6.10
Blue Note Tokyo 30th Anniversary presents
"THIS IS RAY CHARLES"
starring MACEO PARKER & HIS BIG BAND
featuring THE RAELETTES & STEVE SIGMUND conducting
メイシオ・パーカー & ヒズ・ビッグ・バンド
“ディス・イズ・レイ・チャールズ”
今年75歳になった、メイシオ・パーカーが、
レイ・チャールズを歌うというショー。
もう3年ぐらい演っているらしいが、
このライヴのことを知るまで知らなかった。
今回のライヴは、ブルーノートで
4日間の8ステージ。
そのラストとなるショーを観てきた
メイシオにとって、
レイはヒーローだったらしい。
16歳のときにレイの "What'D I Say" を聴いて
ミュージシャンになることを決めたのだという。
「HIS BIG BAND」となっているが、
日本人中心のビック・バンドで、
ホーンセクション13人のうち、3人以外10人は、
先月観た「マーカス・ミラー & ブルーノート東京
オールスター・ジャズ・オーケストラ」と同じ。
リズムセクションは、ドラムの岩瀬立飛は同じで
ベース、ピアノは入れ替わり、
ギターが加わった編成。
そしてコンダクターは、レイのバンドで
トロンボーンを吹いていたスティーヴ・シグムンド。
彼は、1986年からレイが亡くなる2004年まで、
17年間およそ2000本のショーでプレイしたという。
それに加えて、レイのバック・コーラスを
務めていた女性3人のコーラス・グループ
"レイレッツ" もフューチャー。
メイシオは、サングラスをかけ、
レイが着ていたようなスーツに蝶ネクタイで登場。
以前、東京JAZZ で観たことがあったが、
近くで見ると思ったより小柄な人だ。
曲は、"Let The Good Times Roll"
"Georgia On My Mind"
"Hallelujah I Love Her So" などに
続いて、"Ellie, My Love"
『いとしのエリー』だ。
「1989年、サントリーウィスキーの
CM に使われヒットした。
日本以外で、レイが歌ったことはない」と
コンダクターのスティーヴが説明していた。
「日本以外で歌ったことない」って、
なんか微妙やなぁ。
それから、"レイレッツ" が登場して、
これまた、サウンドがリッチになった。
特に "Unchain My Heart" や
"I Can’T Stop Loving You"、
"What'D I Say" の掛け合いは、
このコーラスがないとね。
レイレッツの3人それぞれがフューチャーされた
曲もあって、ステージに彩りを添えていた。
満席で、最後にはスタンディングになり
大いに盛り上がった。
非常に残念ながら、レイ・チャールズは、
ナマで観ないまま、彼が逝ってしまった。
今日のライヴを観て、ますます
観たかったなぁ・・・と思ったのでした。
[ MEMBERS ]
Maceo Parker (vo,sax)
Elaine Woodard [The Raelettes] (vo)
Katrina Harper [The Raelettes] (vo)
Karen Evans [The Raelettes] (vo)
Steve Sigmund (conductor)
本田雅人 (sax)
近藤和彦 (sax)
小池修 (sax)
庵原良司 (sax)
Andy Wulf (sax)
エリック・ミヤシロ (tp)
奥村晶 (tp)
佐々木史郎 (tp)
二井田ひとみ (tp)
村田陽一 (tb)
中川英二郎 (tb)
半田信英 (tb)
朝里勝久 (tb)
今泉洋 (g)
小倉泰治 (p,key)
川村竜 (b)
岩瀬立飛 (ds)
(ビッグバンドのメンバーは日によって多少の入れ替わりがあり)
@ Blue Note TOKYO
2nd show
[ 関連エントリー ]
『いとしのエリー』を最初にカヴァーした外国人シンガー
2018.6.15
MIKE STERN BAND
featuring MAKOTO OZONE,
TOM KENNEDY & SIMON PHILLIPS
今日から5日間、ブルーノート東京にて
10公演が行われる マイク・スターン・バンド。
今回のメンバーは、ホーンはなしで、
久しぶりに小曽根さん(pf, org)が入り、
ベースにトム・ケネディ(昨年は、ダリル・ジョーンズ)、
ドラムは昨年に続き サイモン・フィリップス、
という強力な布陣だ。
一昨年、両腕骨折という大事故に遭うも
昨年の8月の公演では、この数年では、
一番とも思えるパフォーマンスを見せてくれた。
ピッキングに関しては、完璧とは言い難い面もあったが、
そんなことは関係ないエネルギーにあふれていたのだ。
あれから 10ヶ月。
どんなパフォーマンスを見せてくれるのかと
楽しみにしていたが、今日のステージも、
何か特別な雰囲気を感じだ。
4人とも とにかく楽しそう。
そして、4人とも強烈に個性的。
その個性が、たった今、目の前で刺激しあい
融合されて音楽を創造していく。
私なんかには、理解できない、全然違う次元で
音楽を演っているという印象だった。
そんなん比べるのもおこがましい話やけど。
マイクの右手は、やはり元通りには
ならないようで、見た目には
昨年同様、少し引きつったような感じだった。
時々左手で右手のピックを持ち直させていた。
その回数は、ライヴ中通して、
数回程度で昨年より減ったような気もするから、
少しは右手のピックの持ち方も
進化しているのかもしれない。
見たところ、指から結構ピックが出ており、
あの持ち方だと、かなりしなやかなピッキングに
なり、トーンにも影響があるだろうと思った。
数年前、マイクが歌い出した頃には、
多少、微妙な感じの時もあったのだけど、
今日の歌は、かなり良かった。
アンコールで歌った、"Red House"
(ジミ・ヘンのブルース)もね。
こういうレベルの人たちは、
演奏中テレパシーでつながっているね。
小曽根さんとサイモンのフレイズのリズムが、
ピッタリ合ったりするのは、
そういう風に理解すると、納得できる。
でも、それは本人の意識を超えてるレベルなので、
テレパシーで会話が出来るとかそういう
SF チックな話ではないねん。
以前、読んだ本に書いてあった。
CS&N だったと思うけど、
2人でハモって歌っている時、
2人が同時に同じように歌詞を間違うと。
だから、結局、間違ったことにならない。
これは、もうあっちのレベルでしょ。
ただ、人間だから邪念もあるだろうし、
いつもいつもそのレベルに行けるわけでは
ないんだと思う。
そんなレベルに行ったとき、
音楽の神様が降りてきたとかって言うのやろな。
アンコール入れて、80分ほど。
素晴らしかった。
ああ、今日の4人のライヴ CD 出してほしいな。
[ MEMBERS ]
Mike Stern (g)
Makoto Ozone (p,org)
Tom Kennedy (b)
Simon Phillips (ds)
@ Blue Note TOKYO
2nd show
もう15年くらい、来日の度に、
足を運んでいるマイクのライヴ。
何がその魅力なのか。
まず、ギターの音が好きやね。
1小節も聴けば、マイクだと分かる、
その独特のトーンとアーティキュレーション。
そして、ロックとジャズの融合。
私のような音楽趣向の人間にはピッタリなのです。
(2018.6.28追記)
ブルーノートのサイトより SETLIST
2018 6.15 FRI. 2nd show
[ SETLIST ]
1. HALF CRAZY
2. AVENU B
3. ALL YOU NEED
4. WHAT MIGHT HAVE BEEN
5. CHROMAZONE
EC. RED HOUSE
2018.6.18
Danny Kortchmar and Immediate Family
featuring original "The Section" members
Danny Kortchmar, Russ Kunkel, Leland Sklar
plus Waddy Wachtel and Steve Postell
キャロル・キングの『つづれおり』など
名作のレコーディングに参加してきたレジェンド、
ダニー・コーチマー。
今日は、 "Danny Kortchmar and
Immediate Family" のライヴに行ってきた。
ダニー・コーチマーは、60年代から活動を開始し、
ギタリストやプロデューサーとして、
キャロル・キング、ジェイムス・テイラー、
ボブ・ディラン、ニール・ヤング、
ドン・ヘンリー、ジャクソン・ブラウンなどの
作品に関わってきた。
そのコーチマーが、今年、
1980年以来となる新作を発表した。
Danny Kortchmar and Immediate Family 名義で
『HONEY DON'T LEAVE LA』というアルバムだ。
ドラムには、ラス・カンケル、ベースには、
リー・スカラーという、コーチマーが70年代に
組んでいたバンド「セクション」のメンバーが参加。
新曲の他、過去にコーチマーがアーティストに
提供した楽曲を、セルフカヴァーしている。
ゲストには、ジャクソン・ブラウン、
ジェームス・テイラー、デヴィッド・クロスビー、
マイケル・マクドナルドが参加。
さて、ライヴ。
1曲目は、その新作のラストナンバー
"Honey Don't Leave LA"。
(コーチマーが、1976年に
James Taylor に提供した曲。)
なんでもない8ビートなのに、
始まった途端、ゾクゾクっときた。
今日は、キーボードなしで、
ドラム、ベースにギターが3人。
ギター3人のリフが絡み合うのが気持ええ。
コーチマーは、G&L のジャズマスター・タイプ。
スティーブ・ポステル(髪型と眼鏡のせいか、
遠目にはジャクソン・ブラウンに似ている)は、
これまた、G&L のテレキャスター・タイプ。
ワディー・ワクテルは、レスポール
(たぶんGibson)だ。
曲は、アルバムから前述の
"Honey Don't Leave LA" のほか
"Dirty Laundry"、"Machine Gun Kelly"、
"Somebody's Baby"、"Cruel Twist"、
"New York Minute"、
"All She Wants To Do Is Dance"。
それ以外に数曲。
曲紹介があったけど、
MC はあんまり聞き取れず。
じいちゃん達のロック。
思っていた以上に、ファンが多くいるようで、
満席だったんじゃないかな。
サインをもらおうと LP レコードを
持ってきている、おっちゃんおばちゃんも
数人いた。
ギターも歌も、コーチマーより、
ワディー・ワクテルや、
スティーブ・ポステルの方が、
上手いんちゃうかと思う場面もあったけど、
所々、コーチマーの味たっぷりの
歌とギターもあり、これが人気の元だろうと思った。
コーチマーの ギター。ストラップが邪魔ですが。
スティーブの ギター。
右のテレは、オープンチューニングか、スライドの曲で使用。
スティーブの足元(エフェクツ)は、
どうやら MOORE(中華ブランド)のよう。
[ MEMBERS ]
ダニー・コーチマー/Danny Kortchmar(G, Vo)
ラス・カンケル/Russ Kunkel(Dr)
リーランド・スクラー/Leland Sklar(B)
ワディー・ワクテル/Waddy Wachtel(G, Vo)
スティーブ・ポステル/Steve Postell(G, Vo)
@ Billboard Live TOKYO
2nd show
スティーブ以外の今日のメンバーが共演している
ほとんど40年前のライヴ!
デビッド・サンボーンも!
↓
James Taylor - Honey Don't Leave LA 1979
みんな若い!髪の毛ある!
2018.6.19
曽根麻央
"Infinite Creature" リリース記念ライブ
曽根麻央。
1991年生まれだから、今年27歳。
今年4月にデビューアルバムが出るまで、
私は知らなかったアーティストだが、
すでに海外でいくつもの賞を獲っていおり、
ニューヨークの Blue Note などにも
出演を果たしている。
左手でピアノやキーボードを弾きながら、
右手でトランペットを吹くというスタイルで、
そのデビューアルバムは、なんと2枚組。
アコースティックとエレクトリック、
両方のバンドの演奏が収められているのだ。
今日はその曽根の CD 発売記念ライヴで、
アコースティック&エレクトリック、
2バンド合同ライブという珍しい趣向だった。
1部は、アコースティック・セット。
音だけ聞けば、絶対にカルテットだと思うだろうが、
実は、トリオだ。
ピアノを弾きながらトランペットを吹くのは、
言ってみれば、弾き語りみたいなもの。
必要以上にピアノの音が多くないことが、
功を奏している。
トランペットがメインかと思いきや、
ピアノの占める割合は、半分以上という印象。
2部は、エレクトリック。
曽根は、1部では弾かなかった
エレクトリック・キーボードも使用。
ギターは、井上銘。
ベースに、山本連。
アコースティック、エレクトリック、
どちらも良かったが、
個人的な好みとしては、エレクトリックだな。
バンドのほとんどのメンバーが、
アメリカのバークレーに留学時に出会っており、
「日本人が、アメリカでジャスを演る意味」と
いうのが、曽根の一つのテーマでも
あるようで、和風なメロディを含む
"Brightness Of The Lives" のような楽曲もあったが、
私はラテンな "Drunk At The Reception" や
軽快な "I Fall In Love Too Easily" が好きだな。
アンコールは、アコースティック、
エレクトリックのメンバー全員で。
ドラムがステージ上手と下手にいたので、
ステレオ感満点のツインドラムが気持良かった〜。
[ MEMBERS ]
-- 1st Set (Acoustic) --
曽根麻央(tp,p,key)
伊藤勇司(b)
中道みさき(ds)
-- 2nd Set (Electric) --
曽根麻央(tp,p,key)
井上 銘(g)
山本 連(b)
木村 紘(ds)
@ JZ Brat(渋谷)
入替なし
2018.6.21
Life In 12 Bars
先日、「まだ日本での公開日の発表はない」と
書いた、エリック・クラプトンの
ドキュメンタリー映画『Life In 12 Bars』。
アマゾンでは、すでに Blu-ray や DVD も
売られているが、輸入版で字幕が、
英語、フランス語、ドイツ語、
スペイン語となっている。
これでは、買うわけにはいかない。
ちなみに今日の時点で、
なぜか Blu-ray が1,802円、
DVD が1,903円と価格が逆転している。
まあ、そのうち日本語字幕版も
発売されるだろうけど、
どうせなら、まずは劇場の大きな
スクリーンで観てみたい。
ホンマに公開されるんかな、
とやや不安に思っていたが、
いよいよ決まったようだ。
↓
エリック・クラプトン〜12小節の人生〜
日付までは、発表されていないが、
「今秋、TOHOシネマズ シャンテほか
全国ロードショー」とある。
良かった、良かった。
私がエリックのことを好きになったのは、
20代前半の頃、バンドで "Layla" を
コピーした時だった。
それまでも、もちろんエリックのことは、
知っていたけど、それほど好きというわけでは
なかった。
でも、スタジオで "Layla" のあのリフ、
「タラリラリララァーン」を弾いた瞬間、
「なんや、この気持ち良さは!」と
虜になったのだった。
それから30数年、ほとんど来日の度に、
公演に行き、85年以降は、
アルバムが出るたびに購入してきたのだ。
(次々と出る、編集版全てには手を出して
ないけど、新譜は全部買ってると思う。)
25歳の頃だから、もう30年前に、
エリックの伝記も読んだ。
16歳でエリックを生んだ実の母を
エリックは、姉だと思っていた。
父親は、カナダの兵士だった。
祖父母に育てられたのだ。
1970年代は、ドラッグ中毒や
アルコール依存症で苦しんだ。
また、友人ジョージ・ハリスンの
嫁さんに強烈に恋をしてしまう。
その恋心を歌ったのが、"Layla" だ。
その後も波瀾万丈の人生は続き、
あれから30年の間にエリックは、
様々な伝説を生み続けている。
1990年には、エリックも出演していた
ブルース・フェスの出演後、
スティーヴィー・レイ・ヴォーンの乗った
ヘリコプターが墜落し、スティービーを
含む乗員全員が死亡した。
その中には、エリックのボディ・ガードもいた。
その翌年には、4歳の息子コナーが、
ニューヨークのアパートの53階の窓から
落ちて亡くなるという事故があった。
("Tears in Heaven" は、コナーに捧げた曲。)
その後、薬物とアルコール依存症者のための
施設クロスロード・センターを設立した。
その資金集めのためにフェスを開催したり、
自身のギターをオークションに出したりしている。
ちなみに有名なブラッキー(Fender 社の
50年代のストラトキャスター)は、
95万9500ドル(1億円以上)で競り落とされた。
(落札者は、楽器チェーン店。)
ドラッグで命を落としたミュージシャンも
少なくない中、自身も依存症になり、
そこから復活し、依存症者のための施設の
資金にギターを売っぱらうと、
そのギターが1億円で売れる。
そんな人、ほかにいない。
ちなみにそのギターは、エリックが、
70年代に1本100ドル(!)で買った
3本のストラトの良いパーツを選んで
組み立てたというのは、有名な話。
最近は、引退こそ宣言してはいないが、
聴覚に問題があり、ギターを弾くのが
難しくなってきたとも明かしている。
とはいうものの、7月8日にはハイドパークで
大規模な野外コンサートに出演の予定らしい。
今なら、エリックの伝記は、
30年前の倍以上のページになるだろう。
そんなエリックのドキュメンタリー。
けっして、楽しい映画ではないだろう。
でも、観ないとね。
もう、ホントに日本での公演は、
ないかも知れないな。
映画を観るに先立ち、サントラ盤を購入。
ヤードバーズ、ジョン・メイオール&
ブルースブレイカーズ、クリーム、
ブラインド・フェイス、デレク・アンド・ドミノス
から、ビートルズ や アレサ・フランクリンの
客演まで未発表ヴァージョン7曲を含む、
2枚組32曲入り。
エリック初期のアンソロジーとなっております。
[ 関連エントリー ]
2018.6.3 Eric Clapton Life in 12 Bars
[ 参考記事 ]
映画『Life In 12 Bars』についてのQ&A:
クラプトン「僕は関わった全てを駄目にしてきた」
【レビュー】クラプトンの新しいドキュメンタリー映画
『Life In 12 Bars』で描かれる成功と堕落、喪失と再生
エリック・クラプトンが語る、薬物依存、クリーム時代、ギターの未来
2018.6.28
quattuor
古川展生×塩入俊哉×齋藤順×楯直己
宮崎音楽祭出演記念LIVE
「なんでも楽器にしてしまう、面白い人がいる」
15年ぐらい前だろうか、知人からそんな風に
聞いたことがあった。
その面白い人というのが、楯 直己さんだった。
その後、直己さんと直接会う機会もあり、
10年以上前から面識があるのだが、
ライヴを観る機会を逃してきた。
今日、昼間にたまたま奥さんに会う用があり、
自宅を訪れた際、ご本人にもお会いし、
今夜のライヴの話を聞いた。
昨日も一昨日も、予定があったし、
明日も明後日も明々後日も予定があるのに
今日だけは不思議と空いていたので、
これはチャンスだとそのライヴに行ってきた。
クラシックのチェリストと、
西城秀樹のサポート・ピアニストと演ると
聞いて、どんな音楽を演るのか
全く想像がつかなかったのだけど。
バンドは、4人。
バンド名「quattuor」は、カルテット(quartet)
(=4重奏)のラテン語らしい。
ということで、1曲目がタンゴだった。
ちょっと驚いた。
どんな音楽か分からないと書いたけど、
なんとなくヒーリング・ミュージックのような
ものを無意識に予想していたようだ。
「クロスオーバー」という言葉を
使われていたけど、クラシックから、
ピアソラ(タンゴ)、荒城の月、
アマポーラ、映画音楽、オリジナルと
本当にクロスオーバーな音楽で、
ジャンル名は思いつかない。
ジャンルなんてどうでもよいのだけど。
編成は、チェロ、コントラバス、ピアノ、
パーカッション。
直己さんは、パーカッションなのだけど、
もう、何十種類もの見たこともないような
パーカッションから、それ、楽器と違うよね、
という小道具までを使って、
独特の世界を展開。
笛も何種類か吹いたし、歌というか
ヴォイスも担当。
この声がまた良い。
チェロの古川さんが、「立体的」という
表現をしていたけど、ホントに
音楽が立体的に聞こえた。
直己さんのプロフィールにある
「空間音楽」の意味が分かったよ。
古川さんは、映画『おくりびと』のテーマ曲の
ソロ演奏をしていた人で、今日はその
『おくりびと』の劇中曲も演奏。
クラシックだけではなく、
他ジャンルでも活躍されていて、
ソロ・アルバムも数枚出されている。
今日は、「宮崎音楽祭出演記念LIVE」と
いうことだったけど、この「宮崎音楽祭」と
いうのは、クラシックの音楽祭らしいが、
最近は、いわゆるクラシックだけに
とどまらなくなってきて、今年の5月の
音楽祭では「quattuor」も出演したらしい。
で、その東京お披露目公演が今日。
凄く良い音楽で、ぜひまた観たいと思った。
それにしても、タンゴにはチェロが合うな〜。
一番 合うんと違うかなと思った。
[ MEMBERS ]
古川展生(vc)
塩入俊哉(p)
齋藤 順(b)
楯 直己(per)
@ JZ Brat
入替なし
2018.7.6
MICHEL LEGRAND TRIO
ミシェル・ルグラン・トリオ
勉強不足でした。
今年86歳になった、ミシェル・ルグラン。
映画音楽の人だと思っていたら、
マイルス、コルトレーン、サラ・ヴォ―ン
オスカー・ピーターソンらと共演歴のある
ジャズ・ピアニストでもあったのね。
そのミシェル・ルグランの5年ぶりの来日公演。
ブルーノート東京の30周年記念公演でもあり、
日仏交流160周年ということもあってか、
在日フランス大使館が後援し、
ローラン・ピック駐日フランス大使が、
ブルーノートのサイトにコメントを
公開するまでの力の入れよう。
公演は、昨日から4日連続8公演。
86歳ですぜ。
実は私は、ミシェルのファンと
いうわけでもなく、今日のライヴも
行くつもりではなかった。
ひと月ほど前にブル―ノートの
ポイントが貯まり、招待券をもらったので、
その有効期限内で観るとしたら、これだな、
と選んだのが、ミシェル・ルグラン・トリオ。
選んで大正解。
「死ぬまでに観たいアーティスト・リスト」には、
入っていなかったけど、
「死ぬまでに観られて良かったアーティスト・
リスト」(今日、作った)に入ったよ。
東京は、天気が良くなかったのに満席で
日本での人気の高さに、ちょっと驚いた。
って、私がよく知らなかっただけやねんけど。
ミシェル・ルグランというと
『シェルブールの雨傘』が一番有名で
日本人でも多くの人が題名が分からなくても
聞いたことがあると思う。
それ以外にも今日、メロディは知っているけど、
題名が分からないというレベルの曲を聴いて、
「へぇ、これも、これもミシェル・ルグランの
作曲だったの?」と、その人気の高さも
納得でした。
『風のささやき/The Windmills Of Your Mind』
『おもいでの夏/The Summer of '42』
どちらも映画音楽で、私ぐらいの年代なら
おそらく多くの人が、聴き覚えがあると思う。
そして、一番ビックリは、
私が大好きで、もう、何度も何度も演奏してきた
『Watch What Happens』。
これもミシェル・ルグランだった。
どこかで何かの映画の曲というのは、
読んだ覚えがあったけど、作曲家までは
きっちり覚えてなかった。
もう、今日で覚えたぞ。
「I had a dream」というフランス語なまりの
英語で始まった語り付きの演奏。
『Watch What Happens』から始まり、
色んなジャズ・ピアニストのスタイルで
弾いたのだけど、語りの意味が分からず、
非常に残念。
私のヒアリングが、間違っていなければ、
どうも、子供の頃にピアニストに
なりたくて、どうのこうの、
大きな男、デューク・エリントンに
会って、どうのこうのと
『Take The A Train』を演奏。
ファッツ・ドミノやアート・テイタムとか
カウント・ベイシーなど
色んなピアニストが出てきた。
ああ、意味知りたい。
CD か DVD 出ないかな。
あ、YouTube にあるかもな。
探してみよう。
『シェルブールの雨傘』は、
シンプルにイメージ通りに始まり、
どんどんとリズムが、チェンジしていく。
4ビート(ミシェルは『ハイ・ソサエティ』と
声をかけたように聞こえた)、続いて
ワルツ、ボサノバ、タンゴ、ニューオリンズ風、
そして最後はロシア風。
これは、先日 YouTube で見つけた。
面白いです。
↓
MICHEL LEGRAND
- I WILL WAIT FOR YOU - LES PARAPLUIES DE CHERBOURG
この動画で、ボサノバの時に弾くフレーズが、
私には同じミシェルでも
ミシェル・ペトルチアーニの
フレイズに聞こえた。
考えてみれば、同じフランス人だし、
ペトルチアーニの方が、(生きていたとしても)
ずい分若いわけだから、ペトルチアーニが
ルグランの影響を受けていたとしても、
全く不思議ではないな、と思った。
私が知らないだけで、そのフレイズは、
ジャズ・ピアノでは一般的なのかもしれないし。
この動画は、2001年の演奏で、
メンバーもミシェル以外は違う。
今のトリオでも何度も演ってそうだけど、
なんというか、新鮮に演奏している感じだった。
それはライヴ全般にも言えた。
例えば1曲目は、テーマに複雑なリズムの
キメがあるブルースだったのだけど、
キメが決まり、曲が終わった時に
ミシェルは、ドラムマーに向かって
親指を立てた。
また、ベースをフューチャーした曲では、
終わった時にベーシストに向かって
ガッツ・ポーズをして見せた。
終わりのテーマをルバートでベースが
メロディを弾いている時、
いきなり違う曲を始めたのかと
思うような、違うキーのコードを
ミシェルが弾いた。
その時、ベーシストがちょっと
驚いたような表情を見せた。
でも、ベーシストはすぐに理解したように
弾き始めた。
ミシェルが転調し違うキーを弾いたのだ。
その後も数回、キーを変えた。
ベーシストはそのたびに対応して弾いた。
こんなこと、事前に打ち合わせをせずに
やるだろうかと思うのだが、
あの表情からは、予定調和の匂いがしない。
想像だけど、かなり、その場その場で
創っているんじゃないだろうか。
だから、ガッツポーズだったんじゃないかと思った。
もちろん、ジャズはそういう音楽だけど、
今日のドラムのセバスティアン・デ・クロムは、
ミシェルの正面に向かい合って、
ず〜っとミシェルの顔を見ながら叩いていた。
あんな風にピアノに寄り添い、反応する
ドラマーは、もしかしたら初めてかも知れない。
なにしろ、ミシェルは、シンコぺの合図を
眉毛の動きで出しているようにさえ見えたもんね。
ただ、リズムに合わせて眉毛が
動いていただけかもしれんけど。
とにかく、セバスティアンの表情を観ていても
その場その場でミシェルの意図を汲んで
創り上げているように見えたよ。
でなければ、あんなに真剣にピアニストの
顔を見ていないだろうと思う。
マイルスの曲と言って(言ったと思う)
バラードとロック調の2曲を演ったけど、
そのロック調の曲のドラムが特に素晴らしかった。
(曲名の紹介があったけど失念)
1曲終わるごとのミシェルの
嬉しそうな感じも印象的だった。
いいなぁ、86歳であんな風に音楽していたい。
5年前の来日時のインタビューで
頭の中で切れ目なくメロディが鳴り続けていると
答えたという。(こちら参照)
スゴイ。
[ MEMBERS ]
Michel Legrand / ミシェル・ルグラン (p)
Geoff Gascoyne / ジェフ・ガスコイン (b)
Sebastiaan De Krom / セバスティアン・デ・クロム (ds)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
ここまで書いておきながら、
肝心の映画『シェルブールの雨傘』や
『おもいでの夏』を観ていないのは、
いかがなものかと思ったので、
やっぱり観なきゃね。
今日もミシェルは、少し歌ったし、
ピアノに合わせてスキャットもした。
そんなシンガー、ミシェル・ルグランの
若い頃(53年前)の動画を発見!
↓
Nana Mouskouri & Michel Legrand - Quand on s'aime (1965)
(2018.7.18 追記)
ブルーノートの LIVE REPORTS より
[SETLIST] 2018 7.6 FRI. 1st & 2nd
1. Ray Blues
2. Once Upon A Summertime
3. You Must Believe In Spring
4. What Are You Doing The Rest Of Your Life
5. Family Fugue
6. Dingo Lament
7. Dingo Rock
8. Les Pianistes De Jazz
9. Les Parapluies De Cherbourg
Ec. The Windmills Of Your Mind
本文中に書いたマイルスの曲は、
「Dingo Lament」と「Dingo Rock」。
これは、映画『Dingo』からの曲で
マイルス自身もトランペッター役で
出演していた映画らしい。
8曲目「Les Pianistes De Jazz」が、
物まね入りの「Watch What Happens」かな。
2018.7.11
幸福は筋肉だ
サムライ・ギタリスト
最近、毎日読んでいる JAZZ GUITAR BLOG に
先日、samuraiguitarist なる人の動画が
紹介されていた。
それは、ギター演奏の動画ではなく、
「単なるギタリスト以上の人間になろう
(Be More Than Just A Guitarist)」という
テーマで5分ほど語っている動画だった。
英語なので、聞いても分からないけど、
JAZZ GUITAR BLOG に一部、
訳が書かれていて、つまりは、
「ギター以外にも何か充足感の得られる
ものを持とう」というような内容らしい。
でないと、ギターしかやっていないと
ギターで行き詰った時、どうしようもない
精神状態になるからだ。
で、そのことを「幸福とは筋肉であり、
他の全てと同様に鍛えていく必要があるものだ
(happiness is a muscle that like anything
else needs to be worked)」とまとめているらしい。
(JAZZ GUITAR BLOG の記事)
なるほど、「幸福を鍛える」という
発想は非常に面白い。
普段から幸福を鍛えていれば、
多少のブレイクダウンがあっても、
へっこんだり落ち込んだりせずに
済むかもしれない。
で、この samuraiguitarist、動画(演奏)を
いくつか観てみたがとても良い。
特にこの "While My Guitar Gently Weeps"
(ビートルズのカバー)は、素晴らしい。
ストラトキャスター1本のソロ・ギターは、
音色的に難しいと思っていたのだけど、
そんな既成概念は、簡単にぶっ壊されました。
5本のギターを同時に演奏する、
この『エリーゼのために』も、発想が面白い。
やろうとは思わないけどね。
一度に8つ(ハーモニカ、キーボード、
ウクレレ3台、ベース、ドラム、タンバリン)を
演奏するこの動画を観ると、
かなり、器用な人であることが分かる。
(ウクレレが3台なのは、それぞれ開放で違う
コードがなるようチューニングしているため。)
日の丸を頭に巻いていたり、
動画の終わりに合掌してお辞儀をしたり、
サムライと名乗ったり、かなり、
日本に傾倒している印象だけど、
カナダ人で、Steve-san Onotera という名前。
日系人なのかな。
2018.7.16
HALIE LOREN
ヘイリー・ロレン
昨夜は、ヘイリー・ローレンのライヴ。
前回の観たライヴが いつだったのかと
見てみて驚いた。
2013年7月20日、もう5年も前だったのか。
昨夜のヘイリーの話では、
今回が10回目の来日で、
コットン・クラブの公演は8回目だという。
まだ34歳だから、10回の来日は、
多い方じゃないだろうか。
それだけ、日本での人気があるんだろう。
今回もコットン・クラブ(東京)で4日間
7公演、Billboard LIVE(大阪)と
ブルー・ノート(名古屋)で
それぞれ1日2公演が行なわれる。
5年前のライヴのレビューには、
「あどけない」という表現を使っているが、
さすがに30歳を超えたからだろうか、
あどけないとは感じなかったけど、
何かが(良い意味で)あか抜けていない
感じがした。
「オレゴンに在住」と言ったと思うけど、
ニューヨーク(都会)在住じゃないことと、
そのあか抜けない感は関係あるのかもな。
私がこの人を好きなのは、
あまりジャズジャズしていなからだ。
「ジャズジャズしていない」なんて
変な表現だけど。
今日もノラ・ジョーンズ、キャロル・キング、
プロコムハルムからボブ・マーリーなど
多彩なカヴァーを聴かせてくれた。
ヘイリーを好きになったきっかけの
『青い影(A Whiter Shade Of Pale)』が
聴けて満足です。
ニュー・アルバムからも数曲演奏。
バンドも良かったな。
歌伴に徹しており、派手ではないけど、
後半に進むにつれて、バンド感も
感じられて好印象。
特にピアノの Matt Treder は、
他の3人がクールに演奏するのに比べて、
とっても嬉しそうに演奏するのが
印象的だった。
この人は、2013年の来日も一緒だった人。
ずっと演ってるのかもな。
ベーシストとドラマー(女性)は、
初来日とのこと。
[ SETLIST ](たぶんです。)
1. L-O-V-E
2. Don't Know Why
3. How To Dismantle A Life
4. ?
5. It Don't Mean A Thing
6. I Feel The Earth Move
7. Painter's Song
8. Waiting In Vain
9. A Whiter Shade Of Pale
10. Fly Me To The Moon
11. Wisdom
12. Wild Birds
13. Bye Bye Blackbird
14. Blue Skies
EC. Sway (Quien Sera)
[ MEMBERS ]
Halie Loren (vo)
Matt Treder (p,key)
William Seiji Marsh (g)
Sean Peterson (b)
Susan Lucia (ds)
@ Cotton Club Tokyo
2nd show
2018.7.20
Eric Clapton "Life in 12 Bars"
ポスター公開
11月に公開予定のエリック・クラプトンの
ドキュメンタリー映画『Life in 12 Bars』の
ポスターが公開された。
サントラにも使われている、
エリックがギターを弾きながら、
のけぞっている写真だ。
70年代だろう。
ギターは、ブラッキー。
何の曲の演奏中なのだろうか。
見ようによっては、
「ああ、肩凝った」という
タイトルにもなりそうやけど・・・。
[ 関連エントリー ]
2018.6.3 Eric Clapton Life in 12 Bars
2018.6.21 Life in 12 Bars
2018.7.28
NORAH JONES
Live at Ronnie Scott's
昨年4月、武道館での公演を観て、
「小さなクラブで観てみたいなぁ」と
書いた、ノラ・ジョーンズ。
昨年9月25〜26日に
ロンドンの老舗ジャズ・クラブ、
ロニー・スコッツ(Ronnie Scott's)で
行なわれたライヴを Blu-ray で鑑賞した。
ロニー・スコッツといえば、
ジェフ・ベックもライヴ盤を出してたけど、
もともとはジャズ・クラブで、
1959年に開業したという、
半世紀以上の歴史のあるクラブだという。
さて、ノラのライヴ。
ベースにクリストファー・トーマス、
ドラムにブライアン・ブレイドという
バリバリのメンバー。
なんと、昨年12月にオーチャードホールで観た、
渡辺貞夫さんの『Re-Bop Night』のメンバーだ。
あの時は、ピアノにサイラス・チェスナットが
加わったカルテットだったけど、
クリストファー・トーマスと
ブライアン・ブレイドは、
アルバム『Re-Bop』の
レコーディング・メンバーでもあった。
渡辺貞夫さんとノラ・ジョーンズという
接点がなさそうな2人のベースとドラムが
同じというのも面白い。
ノラのバンドには、ギターがいるという
印象が強かったし、自身もギターを弾くが、
このライヴでは、全曲ピアノのみで、
ボーナス映像のインタビューでは、
最近はピアノを弾くのが楽しいと
語っている。
ブライアン・ブレイドは、
2016年5月の「JOHN PATITUCCI
"THE ELECTRIC GUITAR QUARTET"」、
昨年の貞夫さんと二度ライヴで観ているが、
この Blu-ray で改めて凄さが分かった。
ノラの曲は、スイングより8ビートが多いが、
ロック・ドラマーには中々こんな繊細な
8ビートを叩ける人は少ないんじゃないかと思う。
一音一音、物凄い集中から生み出されている感じ。
クリストファー・トーマスは、
コントラバスだけではなく、
エレクトリック(Fender Jazz Bass)も演奏。
私のテレビでは、エレクトリックの方が、
音がハッキリ聞こえるのだけど、
ちゃんとしたスピーカーで聴いて(観て)みたい。
"Nightingale" では、アルコ(弓弾き)で
始めたクリストファーだが、歌が始まったにも
関わらず演奏をやめてしまう。
うまく行かなかったんだろう。
「違う感じで」と言って仕切り直し。
これも凄い。
ノラが止めるなら分かるけど、
普通、ベーシストは始めたらやめられへんで。
自由であると同時に、音楽に責任を
取っているということだろう。
妥協はしない。
そして、このことから分かるように、
彼らは、全て練習・準備した通りではなく
その場その場で音楽を創り上げているのだな。
いちいち、終わり方も素晴らしいよ。
最後になったけど、
ノラの歌もピアノも素晴らしい。
ピアノはご本人がインタビューで、
語っている通り、楽しいのだろう。
ノラの歌伴をさせたら、当然ノラが
世界一だろうしね。
見た目にも少し貫禄が出てきたね。
この収録の時点では、38歳か。
ちなみにピアノは、YAMAHA。
日本人としては、嬉しいね。
それにしても、こんなクラブ
(ブルーノート東京より狭いようだ)で
ノラを観られた人は、幸せやなぁ。
お客さんは、大人のオジサン、オバサンが
多いようやけど、ミュージック・チャージが
いくらだったかのかも気になるところ。
ボーナス映像に、ライヴ当日ライヴ前の
インタビューが付いている。
インタビュアーのオジサンは何者か知らないけど、
ノラの口から、アレサ・フランクリンの名前が
出たところで、「(歌い方を)アレサに
近づけようとは思わないか?」と訊く。
答えはもちろん「ノー」だけど、
なんてくだらない失礼な質問をする人だろうと
思った。
アーティストにする質問じゃないよね。
2018.7.29
Kingトリオ
和田明 (vo) 井上銘 (gt) 山本連 (b)
渋谷の バールRHODES は、
5周年だそうで、その記念ライヴだと
思って行ったら、なんと今日が最後で
閉店されるということで、ビックリ。
それで、ウェブサイトに8月の
ライヴ・スケジュールが書いていなかったわけだ。
よく読むと、7月で閉店と書いてあったのだけど、
気が付かなかった。
今までに2〜3回しか行ってないけど、
バールRHODES は、料理が美味しくて、
結構 好きだったので残念。
さて今日は、16時開演とちょっと早目のライヴ。
キング・トリオのライヴを観るのは、
1月の Motion Blue でのバンド・セットも
入れると4回目になる。
ヴォーカルの 和田明 はもちろん、
ギターの 井上銘、ベースの 山本連、
3人とも好きなプレイヤーなので、
聴いていて 楽しくないわけがない。
今日は、半分ぐらいの曲で、
明もギターを弾いたので、
より表現の世界が広がった感じだ。
曲は、
"My Ever Changing Moods"、"猫の街"、
"Day By Day"、"Dindi"、"This Masquerade"
"Love For Sale"、"My Foolish Heart"
"Shibuya Night (さかいゆう)"、"Voices (Char)"、
"銀河鉄道999 (ゴダイゴ)"、"小瓶の中の平和"、
"深海魚"、"True Colors (Cyndi Lauper)" など。
"大好き(岡村靖之)" と "俺のパンクロック" は、
2部の冒頭に弾き語りで。
彼らは、J-POP から、ROCK、POPS、JAZZ まで
なんでも行けてしまう。
"銀河鉄道999" は、Swing で演ったのだけど、
もともと JAZZ の曲かと思うほどの演奏だった。
そういえば、"My Ever Changing Moods" も
Swing で演ってるけど、
これ、元々 スタイルカウンシルの曲や。
いわゆるカバーという感じではなく、
そんな風に曲を新しく、生まれ変わらせることが
出来ると 演っていても 楽しいやろな。
小さなハコで濃密な感じ、
とっても贅沢な刺激的な時間でした。
[ MEMBERS ]
和田明 (vo&gt)
井上銘 (gt)
山本連 (b)
@ バール RHODES(渋谷)
2018.7.30
クイーン伝記映画
『ボヘミアン・ラプソディ』
先日、映画館で『ボヘミアン・ラプソディ』の
予告編を観た。
『ボヘミアン・ラプソディ』は、
言わずと知れたイギリスのロック・バンド
"QUEEN" の大ヒット曲。
フレディ・マーキュリーが死んでしもて、
もう27年!(そんなに経つか!)
そのクィーンの伝記映画が、11月に公開される。
11月は、Eric Clapton のドキュメンタリー映画
『Life in 12 Bars』も公開されるので、
ロック映画祭りになりそうだ。(おおげさ)
フレディー・マーキュリーを演じるのは、
ラミ・マレックという人で、
予告編を観る限り、ええ感じで似てるのだ!
他のメンバーも似てる人を採用したみたい。
これは、楽しみだぞ。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』予告編
変わりゆく音楽
音楽の価値は、変わらないと思うのだけど、
音楽の値段は、どんどん安くなる傾向にある。
40年前、LPレコードは1枚2,500円だった。
今では、今では月額980円で、4,000万曲以上が
聴き放題。
アマゾンの提供するサービス、
Amazon Music Unlimited だ。
私は、CD を買ったり、
ダウンロード購入したり
または レンタルしたりして、
自分のライブラリーが増えて行くのに
楽しみを感じる人なので、
こういうサービスには、
食指が動かなかったのだけど、
先日、期間限定で「4か月間99円」という
キャンペーンをやっていたので、
試しに申し込んでみた。
4か月経過すれば、月額980円(または
年額7,800円)が発生するが、
使わなければ、いつでも解約すれば
良いと思ったのだ。
しかし、これは凄いわ。
もうホンマに CD 買わんでええねんもん。
持っていない CD を簡単に聴くことができる。
発売されて間もないものもある。
例えば、ネットで Rafi Muhammad
(ラフィ・ムハンマド)という
インドネシアの若手ドラマーの記事を読んだ。
現在21歳、10歳の時にハーヴィー・メイソンの
プロデュースでデビューしたという天才だという。
YouTube でも演奏は聴けるだろうけど、
Amazon Music Unlimited で検索してみると、
ちゃんと最新アルバム『Transition』がヒット。
その場で、全曲聴くことが出来る。
試聴ではなくて、最初から最後まで。
もちろん、なんでもかんでもあるわけでは
ないのだろうけど。
知識では分かってたけど、
実際使ってみると、これで月額980円
(年払いなら月当たり650円)は
安いと言わざるを得ないだろう。
CD 1枚より安いねんから。
不足と言えば、ストリーミングで
聴いているだけで、実際にデータを
ダウンロードしたわけではないので、
i-Pod やトレーニング用の MP3のプレイヤーに
入れられないことと、歌詞カードや
ライナーノーツが読めないことぐらいか。
それだって、どうしても欲しければ、
今まで通り購入すれば良いことだ。
ああ、あと、スマホでいつも聴くと、
たぶん通信量のマックスを使いきって
しまうだろうということかな。
家や会社の PC でつないで聴くならば
その心配もない。
まあ、えらい時代になったなぁ。
20世紀が懐かしい。
LP レコード買ってきたら、
溝が減るからと、カセットテープに
録音して聴いていた時代は、
今の若者には、もう化石みたいな
大昔の話やろう。
しかし、心配もある。
こんなに音楽が安いと、
ミュージシャンの収入が
減るのではないかということだ。
CD の売上げが下がり、多くのミュージシャンは、
ライヴを中心に活動することになっただろうが、
やればやっただけ、お客さんが入るという
質の物でもない。
特にジャズでは良い音楽を演っていても、
お客さんが入っていなくて、
ガラガラのライヴも珍しくない。
収入が原因とは言い切れないけど
ミュージシャンから足を洗う人もいる。
音楽が手軽になったのは良いが、
他の問題が起きてくるのだ。
冒頭に「音楽の価値は、変わらないと思う」と書いた。
それは、私個人にとっての「想い」の部分だけで
もしかしたら、値段だけではなく、
その価値というか 人にとっての音楽という
存在も変わりゆくものなのかも知れない。
ところで
Rafi Muhammad の『Transition』、
ラップの曲はしんどいけど、他は良いです。
9月に来日公演あり!
2018.7.31
Bohemian Rhapsody
昨日は、クィーンの映画
『ボヘミアン・ラプソディ』のことを書いたけど、
YouTube で素晴らしい『ボヘミアン・ラプソディ』の
カヴァーを見つけた。
最高ですよ。
感動的で、最後に爆笑。
クィーン愛にあふれています。
↓
Bohemian Rhapsody
この人たち、演奏の腕も高いし、センスも良い。
こちらは、『スター・ウォーズ・メドレー』。
↓
"Star Wars Medley"。
頭のファンファーレ部分が素晴らしいね。
ちなみに、彼らは「Melodica Men」と
名乗っているけど、「メロディカ」は、
鍵盤ハーモニカの商品の名前。
ヤマハは「ピアニカ」、
鈴木楽器は「メロディオン」、
ホーナー(ドイツの楽器メーカー)は、
「メロディカ」と呼んでいる。
『ボヘミアン・ラプソディ』といえば、
以前も紹介したことがあるけど、
ジェイク・シマブクロの
ウクレレ・ソロも素晴らしい。
↓
Jake Shimabukuro - "Bohemian Rhapsody" - TED (2010)
4本の弦、限られた音域の中で、
よくもまあこれだけ表現できたものです。
TED ってスピーチだけやなくて、
こういうのもやってるんやね。
2018.8.3
スーパー・ギター・トリオ
鈴木直人 × 馬場孝喜 × 井上銘
今日は、ギター・トリオのライヴ。
「鈴木直人×馬場孝喜」と「馬場孝喜×井上銘」、
それぞれのデュオ・ライヴは観たことが
あったけど、3人のセットは初めて。
演るのも初めてだったようだ。
私の個人的な考えでは、デュオより
トリオの方が難しい。
デュオの方が自由度が広く、
3人になると、アンサンブルという点では、
表現の幅が広がるのだけど
ちょっと制約が生まれるからだ。
でも、このお三人方には、
「トリオの方が難しい」という
そんな考えはないのだろうな。
そんな風に思う演奏だった。
どこまで、打合せをしたのか分からないけど、
見事にその時その時でそれぞれの役割があり、
3人が、それぞれの個性で爆発していた。
1部では、ビル・エバンスの曲を2曲と
和田明が入って、"Better Days Ahead"、
そして再びトリオで "Misty"。
2部では、マイルスの曲を2曲と、
石川早苗さんが入って、
"Someday My Prince Will Come"、
そして再びトリオで "All The Things You Are"。
アンコールは、ギター・トリオといえば "Spain"。
いや〜、素晴らしかった。
ギターは、鈴木さんが、
Sadowsky Semi-Hollow Model。
銘君は、Westville。
馬場さんは、Gibson ES-175。
楽器の違いもあり、3人の音がそれぞれ、
特徴的なのも良かった。
鈴木さんと銘君は、2人とも新しい BOSS の
マルチ・エフェクター GT-1000 を使用。
鈴木さんは、私の持ってると同じ Sadowsky
Semi-Hollow でとてもきれいな音を
ライン・アウトで出していたので、
ちょっと GT-1000 も気になるなぁ。
いえいえ、買いませんよ。
終わってから、久しぶりに馬場さんと
話せたのも嬉しかった。
[ MEMBERS ]
鈴木直人 (gt)
馬場孝喜 (gt)
井上銘 (gt)
1st Guest : 和田明 (vo)
2nd Guest : 石川早苗 (vo)
@ Bar dAZE (原宿)
2018.8.8
UIN
1st live at JZ Brat "UINside"
和田 "KING" 明 のニュー・プロジェクト、
「UIN(ユーイン)」の初ライヴに行ってきた。
UIN は、すでに、『D.G.D.』と『深海魚』の
2曲を配信でリリース済み。
2曲ともアダルトなディスコ・ビートに
明のジェントル・ヴォイスと梅田の
ロックなストラト・サウンドが聴ける。
さて、JZ Brat 初ライヴにして
ソールドアウトという今日のライヴ。
あいにく台風接近という天候だったが、
ライヴに行けなくなるほどの悪天候ではなく、
盛況でした。
1年かけて準備してきたのに、
そのライヴの日が台風というのは、
「嵐を呼ぶ男たち」ということでしょうか。
サウンドの方は、作り込まれた感じで、
打ち込みの音も出ており、SE も効果的に
使われていた。
アレンジは、カッコいいのだけど、
こういうのは好みの分かれるところで、
私は、出来ればステージにいる人間の
ナマの演奏だけで、聴きたいなと思った。
あと、ちょっとギターの音が
小さかったのは、残念。
ストラト、ええ音してたのにな。
座席(最前列だった)のせいも
あるかも知れないけど。
来年1月の JZ Brat のライヴも決まり、
これからもどんどん曲を
リリースしていくとのこと。
楽しみだ。
[ MEMBERS ]
【UIN】
和田 "KING" 明(vo)
梅田和利(g)
小美野 慧(key)
Support:
山本 連(b)
田中 航(ds)
桂 尚文(mani)
@ JZ Brat (渋谷)
2018.8.15
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス
BUENA VISTA SOCIAL CLUB : ADIOS
音楽ドキュメンタリー映画を観ると、
どうして、寝てしまうんだろう。
もの凄く興味があって観たいのに。
ドキュメンタリーというものが、
そういう性質だとは思えないし、
全ての作品でというわけではないが、
あまりにも寝てしまう確率が高すぎる。
(たぶん5割ぐらい。)
今年観た『ラスト・ワルツ』もそうだったが、
過去に観た『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
『JACO』、『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』
『バックコーラスの歌姫 (ディーバ) たち』は、
1回目寝てしまい、どうしても最初から
最後まで観たくて、2回観に行った。
『シュガーマン』は情けないことに2回目も
寝てしまい、3回目でやっと全部観ることが出来た。
実は本作『ブエナ・ビスタ・ソシアル・
クラブ★アディオス』も10日程前に
観に行ったが、やはり始まってしばらくで気絶。
たぶん、20〜30分は寝ていたと思う。
それで、今日2回目のチャレンジ。
ちゃんと、最初から最後までしっかり観てきた。
やっぱり、寝てたときに貴重なシーンがあったわ。
1997年、ライ・クーダー、ニック・ゴールドの
プロデュースでキューバとアフリカの
ミュージシャンで、アルバムを作る企画が
持ち上がったが、アフリカのミュージシャンが
キューバに渡航できなくなり、急きょ、
50〜60年代にキューバで活躍していた、
ミュージシャンを集めて、アルバムを
吹き込んだ。
それが CD『Buena Vista Social Club
(以下 BVSC)』だ。
『BVSC』は、世界中でヒットし、99年には、
ヴィム・ヴェンダース監督により、
同名のドキュメンタリー映画が制作される。
CD に参加したミュージシャンの多くは、
当時70〜90代で、中には引退していた人もいた。
あの映画から、18年。
『BVSC:ADIOS』はその続編であり、
『BVSC』の大ヒット後の彼らを描いている。
興味深かったのは、97年 CD 発売後の初ツアー。
アムステルダムでのリハーサル風景。
当時、90歳を過ぎていてコンパイ・セグンドと
他のメンバーが衝突し、コンパイは
「代わりのギターを弾ける老人を探せ」と
怒り出す始末。
バンマス(ファン・デ・マルコス・ゴンザレス)は
大変だっただろうなぁ。
それから BVSC のメイン・ヴォーカルの
イブライム・フェレール。
前作でも歌をやめて靴磨きをしていたという
台詞があったことを記憶している。
本作でも70歳を過ぎて、スポットライトを
浴びたイブライムの戸惑いと喜びが伝わってくる。
こんなに素晴らしいシンガーが、
埋もれてしまうというのは、
政治的経済的なキューバの事情があり
複雑なことなのだと思うが、
よくぞ世界に紹介してくれたと
関係者には感謝したい。
それから、今年3月に来日公演を観た、
キューバの至宝、
オマーラ・ポルトゥオンド(87歳)。
その日のエントリーに
「陽気なラテンを聴きながら、 涙が流れてくる」
「勝手に涙が出て、なんか分からん体験」と書いた。
映画を観て、そのわけが
少しだけ分かったような気がする。
ドキュメンタリーの後半は、BVSC 名義での
最後となる アディオス(さよなら)ツアーを
追っていくが、オバマ大統領に
ホワイトハウスに招待され演奏するシーンもある。
キューバ在住のアーティストが、
ホワイトハウスで演奏するのは、
50年ぶりだという。
映画を観て、ますます残念なのは、
イブライム・フェレールの
ステージをナマで観なかったこと。
2001年の BVSC 来日時には、来ていたはずだ。
当時は、映画を観ただけで満足だったんだな。
イブライムだけでも2時間の
ドキュメンタリー映画が出来るだろう。
そういう意味では、ちょっと詰め込み過ぎな感が
あったのは、仕方がないことだろうけども残念。
★★★★▲
オマーラ・ポルトゥオンドと、
バルバリート・トーレス(BVSCオリジナル・メンバー)
が、来月の東京JAZZに出演するが、
私のライヴと重なってしまった〜。
残念〜。
しかし、11月にはキューバへ行くぜ!
BUENA VISTA SOCIAL CLUB : ADIOS
[ 関連エントリー ]
2013.9.7 Buena Vista Social Club
2018.3.18 オマーラ・ポルトゥオンド
2018.8.19
柿沼なつみ ワンマンライヴ
柿沼なつみというシンガーソングライターの
1年ぶり2度目のワンマンライヴ。
彼女のことは良く知らないのだけど、
妻の関係で、ご両親とは面識があり、
今日はライヴに行ってきた。
まだ音楽活動を始めて2年も経っていないのに
CD を作り、エッグマン(渋谷)を満員にする、
そのパワー、行動力は大したものだと思う。
やりたくても中々あんな風にやれる人は少ない。
曲は様々なタイプにアレンジされており、
バンド演奏はしっかりと安定していた。
明日で22歳ということだが、
今後は歌うことの技術を身に付ければ
もっと良くなるだろうと思った。
ロック・コンサートにありがちだけど
バンドの音量に歌が負けてしまい、
歌詞が聞き取れないというのは、
ちょっと残念でした。
あれって、PA の人はどう考えているんだろう。
[ MEMBERS ]
柿沼なつみ(vo, gt)
石川達麻(g)
向江陽子(key)
嶋田圭佑(b)
坂入康仁(dr)
@ eggman(渋谷)
2018.8.23
CREATION
Kazuo Takeda Debut 50周年記念TOUR
「死ぬまでに観ておきたいアーティスト・シリーズ」
今夜は、ギタリストの竹田和夫だ。
竹田和夫は、ロック・バンド「クリエイション」の
中心人物で、プロとして活動を始めて
今年で50年になる。
1952年生まれの66歳。
ということは、16歳でプロ・デビューだ。
現在 LA 在住。
クリエイションは、1984年に
いったん活動を休止したが、
2005年から、再び活動している。
クリエイションというと、
多くの人が、TV ドラマ『プロハンター』の
主題曲となった、1981年のヒット曲
"ロンリー・ハート" を思い浮かべる
かもしれないが、 私にとっては、
70年代の "Spinning Toe-Hold" や
"危険な関係のブルース(No Problem)"、
やはり TV ドラマ『ムー一族』の主題曲
"暗闇のレオ" の方が、思い出深い。
LP を買った覚えはないのだけど、
友達に借りたのだろうか、
高校生の頃か20代前半に
クリエイションのアルバムを
聴いていた覚えがある。
80年代後半に「竹田和夫&Boys On Rocks」の
CD を1枚聴いたことがあったけど、
あまり好きになれなかった。
クリエイションの方が、良い。
"ロンリー・ハート" を歌っていたのは、
「クリエイション」に途中で参加した、
アイ高野(2006年、55歳で没)だったが、
私は、竹田和夫の渋い声の方が好きだったな。
さて、今回のデビュー50周年記念ツアー、
全部で9公演が組まれているが、
クリエイション名義は、Motion Blue(横浜)
と、CROCODILE(原宿)の2回のみ。
他は、ギター・トリオでの公演だ。
そのトリオ公演も観てみたいな。
前書きが長くなった。
ライヴについて書こう。
初めてナマで観た竹田和夫。
ギターは、PRS のホローモデル。
Fender アンプ(Hot Rod Deluxe?)で、
めっちゃ暖かいええ音を出していた。
休憩中にステージ前へ足元を見に行くと、
ギター →「XOTIC EP Booster」→
「KORG チューナー」→「BOSS SD-1w」→
「MXR Analog Delay」、そしてアンプと
いたってシンプルなセッティング。
ちなみに「XOTIC EP Booster」は、
私も今年購入し、気に入って使っている
ブースター。
ギターも歌も声も、その出で立ちも
「ええ感じに年取りはったなぁ」という感じ。
竹田さん(急にさん付け)は、
凄く良かったのだけど、
ドラムのフィーリングが、
どうも私の好みでなかったのは残念。
クリエイションのドラマーは、
デビュー時から 1981年までは、
樋口晶之だった。
2005年の再活動から、
樋口は参加していたようなのだが、
残念ながら、昨年7月に
63歳で亡くなってしまった。
今日のドラムの 高木貴司 は、
その樋口の後釜で1981年に
クリエイションに加入したドラマー。
曲は、半分ぐらいは聴き覚えがあった。
"Mama,You Don’t Cry" なんて、
何十年ぶりに聴いたか。
そのほか "Watch ’n’ Chain", "Feelin’ Blue",
"Tobacco Road", "Tokyo Sally",
"New York Woman Serenade" など。
アンコールは、"ロンリー・ハート",
そして最後は、"Spinning Toe-Hold" だぁ!
[ MEMBERS ]
竹田和夫 (g,vo)
ヒロ小川 (b)
ミック三国 (key)
高木貴司 (dr)
Juliettes (back up vo) / 小林桂尉子・井出カナコ
@ Motion Blue(横浜)
1st & 2nd 入替なし
[ 関連エントリー ]
2017.9.19 樋口晶之
2018.8.24
QUEEN of SOUL 逝く
8月16日、アレサ・フランクリンが死去した。
76歳、膵臓癌だった。
ウィキペディアによると、
「1984年より深刻な飛行機恐怖症に悩まされ、
海外公演を行うのが困難になり、
来日公演は実現しなかった」とある。
「死ぬまでに観ておきたいアーティスト・リスト」の
一人だったが、残念だ。
昨年、アレサは引退を発表しており、
もうナマで観られる機会はなかったのだけど。
黒人音楽を少し聴くようになった若い頃、
ダイアナ・ロスのようなソフトな R&B・Soul より、
アレサのディープな R&B・Soul が
刺激的だった覚えがある。
オーティス・レディングのカバー "Respect"、
ザ・バンドのカバー "The Weight"、
キャロル・キングの
"(You Make Me Feel Like) A Natural Woman" や
バカラックの "I Say A Little Prayer" などが
代表的だが、80年のアルバム『ARETHA』に
収録されている "Can't Turn You Loose"
(これもオーティスのカバー)と
"What A Fool Believes"(ケニー・ロギンス、
ドゥービー・ブラザーズのカバー)が、
めちゃくちゃカッコええのでお勧めだ。
映画『The Blues Brothers』(1980年)で
アレサが "Think" を歌うシーンも好きだ。
ブルース・ブラザーズの2人が、
ギタリスト(マット・マーフィ)を
バンドに誘いに レストランに やってくる。
バンドに入ろうとする夫に向かって
アレサ(妻役)が、"Think" を歌い出すと、
レストランにいた女性客が
コーラスとダンスに参加する。
最高のシーンだ。
ニューヨークの地下鉄に「Franklin Street」という
駅がある。
そこの駅名表示に何者かが、
「ARETHA」と落書きした。
「ARETH Franklin Street」となっている。
アレサの死を惜しむ人は多く、
地下鉄当局は「すぐに消す予定はない」と
しているという。(元記事)
合掌。
もう一人訃報。
レーナード・スキナード (Lynyrd Skynyrd) の
元ギタリスト、エド・キングが 8月22日に死亡。
享年 68歳。
死因は発表されていないようだが、
癌を患っていたとの報道もある。
レーナード・スキナードのことは、
あんまり知らないのだけど、
絶頂期にメンバー2人が飛行機事故で
亡くなるという不幸に見舞われたバンド。
エドも曲作りに参加した、バンド初期の
"Sweet Home Alabama" (1974年) は、
ギターのリフがカッコ良く好きだ。
映画『フォレスト・ガンプ』で
フォレストとジェニーが、アラバマ州
グリーンボウで一緒に住むシーンに
使われていた。
Lynyrd Skynyrd - Sweet Home Alabama
こちらのカバーも 好きやなぁ。
Sweet Home Alabama cover - Laura Cox
改めて、レーナード・スキナード何曲か
聴いたけど、カッコええわ。
それにしても、68歳は、若過ぎる。
合掌。
2018.9.3
山下達郎
PERFORMANCE 2018
昨年、15回目ぐらいの抽選申込で、
やっと当選し、初めて山下達郎氏の
コンサートに群馬県まで行った。
予想をはるかに上回る素晴らしさで、
その後もキャンセル待ちを含む抽選に
何度か申し込んだか昨年のツアーは
さすがに当たらなかった。
今年のツアーも6月から11月まで、
全国24都市49公演で開催されている。
9月3日の神奈川県民ホール(神奈川)と
9月7日の中野サンプラザホール(東京)の
2つの抽選に申込んだところ、なんと、
神奈川県民ホールに当選!
ということで、人生2回目の達郎先生の
コンサートに行ってきた。
昨年は、前から4列目という奇跡のような
席だったけど、今日は2階席の最後列。
でも、そんなに悪くなかったよ。
音が聴きやすかったし。
神奈川県民ホールの大ホールは、
3階席まであって、定員2,493人。
ウェブサイトによると、
2階席最後部から舞台前までは、
約33mとあるから、それほど遠くないのだ。
音が良いのは、
ホールも良いのかもしれないけど、
完璧主義の達郎のことだから、
PA にもかなりのこだわりがあると思う。
開演前の BGM に使う古いレコードを
わざわざリマスタリングしてくるような人だからね。
さて、コンサートは、
昨年同様『SPARKLE』で幕を開けた。
2008年にコンサートツアーを再開して、
今年は10周年ということで、
自分が良いと思う曲でセットリストを
組んだとのこと。
昨年演らなかったので、聴きたかったと
書いた『DOWN TOWN』や
『恋のブギ・ウギ・トレイン』、
そして『シャンプー』(ピアノ弾き語り)が
聴けたのは、嬉しかったな。
シュガーベイブのベースだった、
寺尾次郎氏は、ミュージシャンをやめた後、
映画の字幕翻訳家になられたそうだが、
今年6月に亡くなられたそうだ。
そんなこともあっての、
シュガーベイブ時代のアレンジによる
『Windy Lady』『DOWN TOWN』。
特に『Windy Lady』のアレンジは
聴きなれていたものと違い新鮮に聞こえた。
カバーコーナーは『Oh, Pretty Woman』。
昨年のツアーでウケたのでと、
マッチの『ハイティーン・ブギ』。
それから、新曲。
昨年の映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の
主題曲『REBORN』。
ここ数年のシングルをライヴで演るのは
初めてだという。
そして、アンコールでは、
現在公開中の映画『未来のミライ』の
オープニングテーマ『ミライのテーマ』。
映画、観にいかな。
今年は、トリオ・コーナーはなし。
昨年同様、素晴らしい内容だったけど、
本編最後の『LOVELAND, ISLAND』で
ちょっと声の調子が悪くなった。
もうその時点で、2時間半ぐらい歌っている。
昨日もコンサートがあったので、
ちょっとしんどいのかと心配になった。
アンコール1曲目の『ミライのテーマ』では
そんなに気にならなかったけど、
次の『Ride On Time』で、
苦しい場面が何度も訪れた。
昨年もこの曲でマイクなしで歌うパートが
あったのだが、なんと、それをやろうと
ステージの後方に下がった。
会場は、大盛り上がりだ。
が、かなりつらそうだった。
それからが凄まじかった。
『恋のブギ・ウギ・トレイン』で
終わりかと思ったら、なんともう一度
『Ride On Time』を始めたのだ。
これには、ビックリ!
完璧主義の達郎氏のこと、
あれで終ることは納得がいかないのだろう。
でも、普通もう一回歌うか?
しかも、かなり苦しそうだったのに、
わずかな間に喉が復活しているのに
またまたビックリ。
それでも、さすがに後半はやはり
苦しそうだった。
そのあと、バンドメンバーがはけて
「おまけです」と言って始めた
ギター弾き語り『Last Step』では、
達郎氏の心根というか魂に触れたようで、
泣いてしまったよ。
終わってみると、昨年の185分を上回って、
200分!が過ぎていた。
3時間20分、65歳が休憩なしでっせ。
すごいもん観たわぁ〜。
また行きたい!
早速、ネットにセットリストが上がっていた。
↓
[ SETLIST ]
1. SPARKLE
2. 新・東京ラプソディー
3. MUSIC BOOK
4. あしおと
5. Windy Lady
6. Down Town
7. SOLID SLIDER
8. Oh, Pretty Woman
9. REBORN
10. シャンプー
11. Blue Velvet(アカペラ・コーナー)
12. おやすみ、ロージー(アカペラ・コーナー)
13. Joy To The World〜クリスマス・イブ
14. 希望という名の光
15. ずっと一緒さ
16. 今日はなんだか
17. LET'S DANCE BABY
18. ハイティーン・ブギ
19. アトムの子
20. LOVELAND, ISLAND
EC:
21. ミライのテーマ
22. Ride On Time
23. 恋のブギ・ウギ・トレイン
24. Ride On Time (歌い直し)
25. Last Step
26. Your Eyes
[ MEMBERS ]
山下達郎 (Vo, Gt, Key)
佐橋佳幸 (Gt)
難波弘之 (Key)
柴田俊文 (Key)
伊藤広規 (B)
小笠原拓海 (Drs)
宮里陽太 (Sax)
三谷泰弘 (Cho)
ハルナ (Cho)
ENA (Cho)
@ 神奈川県民ホール 大ホール
2018.9.6
STEVE GADD BAND
JAPAN TOUR 2018
初めて観た30年以上前から、
もう何度観たか数えられないほど、
色んなバンドで観てきた、スティーヴ・ガッド。
今日は、「STEVE GADD BAND」名義で、
一昨年12月の来日時と同じメンバーでの
ライヴに行ってきた。
ブルーノート東京、4日間公演の初日の
2nd show だ。
今年 73歳のスティーヴの
円熟味を増した渾身のプレイは、
もちろん素晴らしいし、
他のメンバーも、もう匠です。
バンドのダイナミクスやアンサンブルも
最高だし、音楽に対して「音楽的」という
形容は変なのだけど、とにかく音楽的なのだ。
80分ぐらい演ったけど、もっと聴きたかったな。
あと3日あるから、もう一度行こうかなと
思うぐらい良かった。
曲は、今年は発売されたニューアルバム、
その名も『STEVE GADD BAND』から、
"I Know, But Tell Me Again"、
"One Point Five"、"Spring Song" など。
そのほか、"Cavaliero"、"Green Foam"、
"Oh, Yeah!" など。
マイケルは、前回同様2ハムの Fender ストラト。
素晴らしいトーン・コントロールでした。
ジミー・ジョンソンも前回同様の
アレンビックの5弦。
マイケルの足元、エフェクター群
[ MEMBERS ]
Steve Gadd (ds)
Michael Landau (g)
Kevin Hays (key)
Jimmy Johnson (b)
Walt Fowler (flh,tp)
@ Blue Note Tokyo
[ Steve Gadd 関連エントリー ]
2008.3.1 JVC Jazz Festival
2011.8.31 ミカリンバ
2011.12.7 エリック・クラプトン
2012.9.9 東京JAZZ 2012 初 松田聖子
2012.11.27 WILL LEE’S FAMILY
2014.2.21 ERIC CLAPTON LIVE at BUDOKAN
2015.9.6 第14回 東京JAZZ
2016.2.19 JOHN TROPEA BAND
2016.12.7 STEVE GADD BAND "WAY BACK HOME" Tour
2017.6.24 AI KUWABARA with STEVE GADD & WILL LEE
2018.3.10 LEGENDS Live at Montreux 1997
2018.3.15 LEGENDS Bootleg
2018.4.13 スティーヴの教えと音楽の原点
(2018.9.15追記)
ブルーノートのサイトにセットリストが
アップされたので転記しておく。
[ 2018 9.6 thu. 2nd SETLIST ]
1. Where's Earth?
2. I Know, But Tell Me Again
3. Cavaliero
4. Green Foam
5. One Point Five
6. Norma's Girl
7. Oh, Yeah!
8. Spring Song
9. Sly Boots
EC. Blues For...
2018.9.12
アロハ・エスパーニャ・コンサート
たまたま目にした記事で興味を持った
「アロハ・エスパーニャ・コンサート」に
行ってきた。
出演は、ペペ・ロメロ と ダニエル・ホー。
2人のことは、このコンサートで
初めて知った。
ペペ・ロメロ は、世界の巨匠と言われる、
スペイン出身のクラシック・ギタリスト。
(たぶんアメリカ在住。)
74歳。
ダニエル・ホーは、6度のグラミー賞受賞歴を
持つ、ホノルル出身のアーティスト。
今日は、ギターとウクレレを弾いていたけど、
マルチ・プレイヤーのようでギターやウクレレ
以外にもピアノ、ドラム、ベースや民族楽器など
数多く演奏できるようだ。
ダニエル・ホーは、「世界3大ウクレレ奏者の
ひとり」と紹介されていたけど、あとの2人は、
牧伸二と高木ブーだろうか。
そんなわけないやろ。
(ググってみたけど、見当たらず。)
有名なウクレレ奏者って、
ハーブ・オオタ と ジェイク・シマブクロ くらい
しか知らないけど、やっぱりこの2人だろうか。
さて、このクラシックとハワイアンという、
異種デュオの実現には、
ぺぺ・ロメロの息子が関係している。
ぺぺ・ロメロの息子 ぺぺ・ロメロ Jr. は、
クラシックギター、フラメンコギターの
製作家なのだが、奥さんのために
ウクレレも作り始めたところ、
そのウクレレをダニエル・ホーが気に入り、
使い始めたのがきっかけらしい。
今日使われた、ぺぺ・ロメロのギターも、
ぺぺ・ロメロ Jr. の手によるもの。
ダニエル・ホーのギターとウクレレは、
ぺぺ・ロメロ Jr. のデザインのものを
量産により、手頃な価格設定で
売り出されたものを使用。
このたび、ヤマハが正式に輸入することに
なったので、ロビーにも展示されていた。
コンサートは1部が、ぺぺ・ロメロのソロ、
2部がダニエル・ホーのソロとデュオという構成だった。
会場の浜離宮朝日ホールは、525席とそれほど
大きくなく、クラシック用のホール。
ペペ・ロメロは、マイクなしの完全アコースティック。
ダニエル・ホーは、薄くマイキングして、
うまくバランスを取っていた。
1部のぺぺ・ロメロは、残念ながら
睡魔との闘いであんまりちゃんと聴けなかったが、
2部からは、しっかり聴いた。
ぺぺ・ロメロのソロは、クラシック。
ダニエル・ホーのソロは、
スラックキー・ギターとウクレレによる
オリジナル曲で、なんとも平和ないい感じ。
一体、どんなデュオになるんだろうかと
思っていたら、伝統的なスペインの曲に
ダニエルが、合わせて弾く感じ。
特に良かったのは、『アルハンブラの想い出』と
アンコールで演った
『愛のロマンス(禁じられた遊び)』。
ぺぺ・ロメロが弾いたのは、
「my father's obbligato」と言っていた。
ぺぺ・ロメロの師匠は、
父親であるセレドニオ・ロメロ。
その父親が、アレンジしたデュオ・バージョンと
いうことだろう。
息子の作ったギターで、父親のアレンジの
楽曲を演奏するなんて、
なんてロマンのある話だろう。
[ MEMBERS ]
Pepe Romero / ペペ・ロメロ (guitar)
Daniel Ho / ダニエル・ホー (ukulele)
@ 浜離宮朝日ホール
2018.9.15
イスラエル
先日、初めて イスラエルのワインを飲んだ。
イスラエルって、中近東でちょっと暑い
イメージだったけど、ワイン(しかも飲んだのは、
ピノノワール)が出来るんだな。
お店の人の話では、この YARDEN(ヤルデン)と
いうワインは、数々の賞を獲り、
人気上昇中とのこと。
中々美味しいワインだった。
2015年のPinot Noir。
GALILEE(ガリラヤ)は、イスラエル北部の地域の名前。
魔法のランプのようなイラストがそれっぽくてよいね。
ジャズ界ではこの10年ほど、イスラエル出身の
ミュージシャンが目立ってきている。
今年の来日公演も観た Oz Noy(オズ・ノイ)(g)、
まだナマでは観ていないけど、
最近来日していた、Avishai Cohen
(アヴィシャイ・コーエン)(b)、
Gilad Hekselman(ギラッド・ヘクセルマン)(g) など。
ギターとベース以外は、あんまり知らないのだけど、
ちょっとググるとイスラエル出身の
ジャズ・ミュージシャンがたくさん出てくるよ。
例えば。(古い記事ですが。)
↓
【特集】 イスラエル・ジャズメンの傑作を追う
イスラエルのことは何も知らないけど、
ちょっと前に米国が駐イスラエル大使館を
エルサレムに移転したことがニュースになっていた。
国際情勢に疎い私は、それがどういうことなのかも
分かっていないのだけど、そのことで
デモを起こしたパレスチナ市民が
イスラエル軍により殺害されたという記事を読んだ。
美味しいワインと素晴らしいミュージシャンを
生む国イスラエル。
何よりも平和を祈ります。
2018.9.18
BUENA VISTA SOCIAL CLUB
11月にキューバに行くので、
色々予習をしたいと思いながら、
中々時間を取れないでいるのだが、
ドキュメンタリー映画
『BUENA VISTA SOCIAL CLUB
(以下 BVSC)』をDVD で
レンタルして観た。
『BVSC』は、日本では
2000年に公開された。
劇場に観に行ったが、
18年も前ということに驚いてしまう。
キューバのことを知るためということも
あるが、先月、その続編ともいうべき
『BUENA VISTA SOCIAL CLUB : ADIOS』を
観たので、もう一度『BVSC』を
観たくなったのだ。
『BVSC』は、アムステルダムの
公演シーンから始まる。
『BVSC:ADIOS』では、
そのリハーサルシーンで、
コンパイ・セグンドが、エリアーデス・
オチョーアと衝突するシーンも
収録されていたが、改めて『BVSC』の
公演シーンを観ると二人は、ホントに
楽しそうに演奏している。
あのリハのもめごとのあと、どんな風に
まとまっていったんだろうな。
本番になったら、関係なくなるのかな。
後半の NY カーネギーホールで、
拍手喝采を浴びるイブライム・フェレールの
表情が何とも言えない。
彼は、歌に絶望し、靴磨きをしていたのに、
70歳を過ぎて脚光を浴びた。
人生は、何が起きるか分からない。
何度も、幼い頃に失った
母親の話をするイブライム。
自分のことを知って欲しいと、
私生児だったことを明かすイブライム。
カーネギーホールの公演で訪れた
ニューヨークへ家族を連れて来たかったと
言うイブライムが愛おしくなるほどだ。
元々は、1997年にライ・クーダーと
ニック・ゴールドが、キューバと
西アフリカのミュージシャンで、
CD を作ろうと企画したのだが、
西アフリカのミュージシャンが、
パリで足止めを食ってしまい、
キューバに渡航できなくなった。
そのため、急きょ、50〜60年代にキューバで
活躍していたミュージシャンを集めて、
アルバムを吹き込んだのが始まり。
そのアクシデントがなかったら、
『BVSC』の CD と映画は
作られなかっただろうから、
彼らのことを一生知ることはなかっただろう。
そう思うと、うまく行くことも
うまく行かないことも全て奇跡なんだ。
2018.9.21
ソラノモリ
〜 第三章「蒼穹への帰還」〜
6月に JZ Brat で、楯直己さんのライヴを
初めて観る機会があった。
直己さんとは、10年以上前から面識が
あるのだけど、なぜかライヴを
観る機会を逃してきたのだった。
6月のライヴは、「quattuor」という
4人のグループで、クラシック、タンゴ、
映画音楽、オリジナルなど、まさに
クロスオーバーな音楽で、予想以上に
楽しいライヴだった。
その日、客席で直己さんの奥さんに
紹介してもらったのが、詩人の
安藤 康弘さん。
今日は、その安藤さんと直己さんの
コラボ・ライヴに行ってきた。
ライヴのタイトルは「蒼穹への帰還」。
「蒼穹(そうきゅう)」とは、
「青空・大空」のこと。
第三章とあるように、安藤さんとの
コラボは、これが3度目とのこと。
1部は、直己さんのソロ。
歌、パーカッション、ネイティヴ・アメリカン・
フルートと呼ばれる縦笛、コラという
西アフリカのハープのような弦楽器、
もう一つ名前を失念したけど、
見たこともない管楽器を演奏。
それに、コンピューターに打ち込んで来た
アンビエントなトラック。
6月のライヴの時にも「声が良い」と
書いたけど、今日は歌もたっぷりあって、
その力強い歌(というよりも "Voice")を
堪能できた。
ああ、こういう人をアーティストと
呼ぶんだと思った。
たぶん、楽器の練習はしないんだろう。
もし、練習しなければ演奏できないのなら、
あんな風にあれこれ多くの楽器に
手を出せないんとちゃうやろか。
練習しなくても思ったことが、
表現できてしまうんだろうと思う。
「次の曲は、インプロビゼーションが
多いです」と始めた曲だって、
どこがインプロか分からない。
ジャズやロックだったら、
ほとんど区別して聴けるんやけど、
直己さんのプレイは、その区別さえ
感じられない。
音楽は、国籍不明。
南米の匂いもするし、邦楽的だったり、
アジア的だったり、どうかするとケルトが
ちらついたり。
終演後、ご本人にそのことを言うと、
「地球人だから」と納得の答え。
確かに地球の音楽だ。
2部では、ドゥドゥク(Duduk)という
これまた見たこともないリードの管楽器
(調べてみると中央アジアの民族楽器)も演奏。
そして、安藤さんのやや低めの声の詞の朗読。
独特の世界。
アンコールの直己さんが
インプロビゼーションと言って始めた
曲も完成度高すぎです。
左がコラ、右の太鼓はジャンベ。
どちらも西アフリカの楽器。
[ MEMBERS ]
楯 直己 (Vioce・空間音楽)
ゲスト 安藤 康弘 (詩人・朗読)
@ November Eleventh Part 2 (赤坂)
直己さんと。
NAOKI TATE Official Web Site
前回のライヴのダイジェスト。
楯直己ソロライブ「ソラノモリ」第二章〜空の民編〜Part1
2018.9.22
高中正義
TAKANAKA SUPER LIVE 2018
“BRASILIAN SKIES 40th"
昨年10月の野音(日比谷)での公演は、
行く途中でウンコしてたら
1曲目に間に合わなくなってしもた。
そんなことを思い出しながら、
開演10分前に会場前に着くと
まだ入場待ちの列が見えた。
あれ?もう10分前やのになんで並んでるの?
と思いながら、並んでいる人たちを見ると
若い女の子ばかり。
高中のコンサートと言えば、おっさんだらけのはず。
何かがおかしい。
その時、ハッと気が付いた。
しまった!
今日は野音やなくて、人見記念講堂や!
そう会場を勘違いしていたのだ。
家を出る前に念のため開演時間は、
確認したけど会場は見なかった。
完全に野音だと思い込んでいたのだ。
なんというミス!
国際フォーラムなら歩いて行けるのに、
人見記念講堂というと、
三軒茶屋まで行かなあかんのだ。
私がこの人見記念講堂のチケットを
購入した後に、10月13日の野音の
公演が発表された。
昨年、野音で観たこともあってか、
いつの間にか頭の中で野音のコンサートと
いうことになってしまっていたようだ。
急いで、人見記念講堂まで行くも、
席に着いたのは、開演時間から
45分が過ぎていた。
開演時間ちょうどに始まったかどうか
分からないのだけど。
それから、アンコールまで
約85分ぐらいは聴けた。
ああ、最初から聴きたかったな。
悔しい〜。
情けないけど、自分の不注意です。
曲は、『渚モデラート』『Saudade』
『Taj Mahal』『エピダウロスの風』
『Star Wars Samba』『Finger Dancin’』
『Early Bird』『Ready To Fly』
『Mambo No.5 (Disco Dango)』など。
アンコールは、『Blue Lagoon』
『You Can Never Come To This Place』。
『You Can 〜』では、途中からまさかの
ゴブリンの被り物で演奏。
昨年も AMAZONS(女性3人コーラス)が
参加していたけど、彼女たちがいる方が好きだな。
『エピダウロスの風』なんて楽しいもん。
キーボードが、小島さんでなかったのは残念。
高中のギターは、ヤマハのブルーの SG、
同じくヤマハの模様の入った
シグネチャーモデルの SG。
サーフグリーンの ストラトキャスター。
これもシグネチャーモデルかな。
今日は、ツアーの初日。
これから、福岡、仙台、愛知、札幌、
大阪を回るようだ。
終演後のステージ
[ MEMBERS ]
高中正義(g)
斉藤ノヴ(perc)
岡沢章(b)
宮崎まさひろ(drs)
井上薫(key)
宮崎裕介(key)
AMAZONS(大滝裕子・吉川智子・斉藤久美)(cho)
@ 昭和女子大学人見記念講堂(世田谷区太子堂)
2018.9.24
AI KUWABARA
with STEVE GADD & WILL LEE
昨年6月にブルーノート東京で観た、
「桑原あい with Steve Gadd & Will Lee」の
ライヴは、記憶に残る素晴らしいステージだった。
もうないかな、と思っていたら、
今年も実現しました。
1年3か月ぶり。
ブルーノート東京2日間と
モーションブルー横浜1日の
3日間6公演。
昨日、その2日目の 2nd ショーを観た。
会場は、超満席。
立ち見の方もいたんじゃないかな。
メンバー3人が登場しただけで、大歓声。
観客のライヴへの期待がうかがえる。
桑原は、先月「Ai Kuwabara the Project」
名義のニューアルバムをリリースしたばかりで、
今年、このトリオによる新譜はないので
どんな曲で来るんだろうと思っていた。
昨年のトリオのアルバム『Somehow, Someday,
Somewhere』の曲は、さらに進化を遂げていた。
新曲もあり、また意外な選曲もあった。
何よりも3人のグルーヴ!
桑原の幸せが伝わってくる。
今回も期待を裏切らない、
素晴らしいライヴでした。
アルバム『Somehow,〜』からは、3曲。
それ以外に 桑原が大好きな曲だという
Michel Legrand の
"How Do You Keep The Music Playing?"。
意外に感じたのは、
映画『黒いオルフェ』のメドレー。
Will Lee がポルトガル語で歌った、
"A Felicidade"(A.C.Jobin)に始まり、
"Black Orpheus"(Luiz Bonfa)から
"Samba de Orpheus" 。
本編最後は、Dave Brubeck の
"Blue Rondo A La Turk" という曲。
それ以外は、桑原の新曲。
このトリオのアルバムの話は出なかったけど、
今回のライヴ・アルバムが出るといいなぁ。
[ MEMBERS ]
桑原あい (p)
Steve Gadd (ds)
Will Lee (b)
[ SETLIST ](たぶん)
1. Somehow It’s Been A Rough Day
2. How Do You Keep The Music Playing?
3. Black Orpheus Medley
4. Whereabouts
5. SAW
6. March Comes in Like a Lion
7. All Life Will End Someday, Only The Sea Will Remain
8. Blue Rondo A La Turk
EC. The Back
@ Blue Note Tokyo
2018.9.26
Paul McCartney "Egypt Station"
Amazon Music Unlimited なんてものの
おかげで、買わなくても多くの CD を
聴くことが出来るようになったけど、
相変らず、CD を買ったり借りたり、
ダウンロード配信で買ったりして、
PC の中のライブラリーは増え続けている。
もうそれが楽しみなのだから、
どうしようもない。
さて、今年76歳のポール・マッカートニー
5年ぶりのニュー・アルバム "Egypt Station"。
とてもポールらしい楽曲が並んでおり、
来月の来日公演が楽しみだ。
もちろんチケットも取ったよ。
さすがに公演回数が減ってきており、
今回は東京ドーム2回、ナゴヤドーム1回の
3公演のみ。
先行シングル(デジタル配信)の
"I Don't Know"、"Come On To Me" は、
2曲とも YouTube で聴けます。
"I Don’t Know"
"Come On To Me"
映像に使われている絵は、ジャケットにも
使われていて、ポール自身が書いたらしい。
2018.9.27
NANIWA EXPRESS
High Skool Rhapsody
昨年、結成40周年を迎えた NANIWA EXPRESS。
Billboard LIVE TOKYO での 結成40周年
記念ライヴ(2017年11月2日)以来、
約11ヶ月ぶりのライヴだ。
タイトルにある「High Skool Rhapsody」は、
9月30日に発売となる、
40th LIVE DVD のタイトル。
(Skool のスペルは間違ってないよ。)
青柳さん以外の4人は、還暦を過ぎたけど、
高校生の時の気持ちを忘れずにということで
学ランを着て広告用の写真撮影。
昨年は、"Believin'" が聴けなかったけど、
今回は演ってくれました。
やっぱり、名曲。
かっこええわ〜。
あんまり曲名が分からないのだけど、
エレガットで "Epilogue"
ライヴではほとんど演らないらしい、
初期の曲で "How's Your Mammy?" という
ブルースも演った。
本日は写真撮影OK。
アンコールでは、5人が学ランに着替えて登場。
"9th Mountain High" と 最後は、"METEOR"。
この曲も好きやなぁ。
力哉さんは番長なので一人長ラン。
和ぼんは、Gibson レスポール、
SCHECTER のセミアコとストラト・タイプ。
アルバレズ・ヤイリのエレガット。
清水さんの5弦ベースは、Moon 。
アンコールでは、アトランシアを使用。
久しぶりに見た。
DVD『High Skool Rhapsody』と同時に
5人の自伝『五人の狂詩曲』も発売される。
読んでみよう。
[ MEMBERS ]
清水 興 (B)
岩見 和彦 (Gt)
中村 建治 (Key)
東原 力哉 (Dr)
青柳 誠 (Sax, Pf)
@ Billboard LIVE TOKYO
2nd show
チケットぴあのポイントで観賞
2018.10.2
JING CHI
featuring ROBBEN FORD, JIMMY HASLIP,
VINNIE COLAIUTA & LARRY GOLDINGS
「JING CHI(ジン・チ)」というのは、
ロベン・フォード、ジミー・ハスリップ、
ヴィニー・カリウタ によるスーパー・トリオ。
2004年以来だという来日公演を観てきた。
9/29〜10/2、ブルーノート東京4日間公演の
ラスト・ショー。
満席で、ロベンが一番人気かと思ったら、
「ジミー!」という声も飛ぶ。
客層は、おっさん度が高い。
今回は、キーボードにラリー・ゴールディングスを
迎えてのカルテットだ。
ヴィニー・カリウタ以外のメンバーは、
何かのライヴで観ているけど、「ジン・チ」は初。
ジャズ、フュージョンというより、
私には(見た感じ)不良親父の
インスト・ロックに感じた。
1曲、ロベンがブルースを歌った。
以前は、ロベンの歌が好きになれなかったけど、
今日は「ええなぁ」と思った。
ずっと歌ってるから、上手くなってるんだろうか。
ロベンは、ギブソン・レスポールの
ゴールド・トップ。
あの貫禄は、きっとヴィンテージだろう。
しょっちゅうチューニングしていたから、
最近のギターではないと思う。
ドライヴさせた時のセンターポジションの
音が凄く良かった。
でも、あんなにチューニング狂うんだったら
私は使えないな、って高くて買えないやろけど。
プレイは、気持ち良かったなぁ。
過去にロベンの CD は何枚も買ったけど、
実は、ライヴはあんまり観ていない。
2006年の Larry Carlton & Robben Ford と
オマー・ハキムやダリル・ジョーンズらと来日した
2012年の Miles Davis' Alumni Super Session の
2回だけだった。
ロベン名義のライヴは観ていないのだ。
というのも、先にも書いたがロベンが
ブルースを演り出し歌うようになって、
どうもあまり好きじゃなくなっていった感があったのだ。
でも、今日の歌と演奏でちょっとイメージ変わった。
ジミーは、6弦ベース。
2009年にマイク・スターンと来日した
Yellowjackets でジミーを観ているんだけど、
忘れていた。
あの人、左利きだけど、たぶん
ベースを始めた時、右利きのものを
逆に持って弾き始めたんだろうな。
左利き仕様のベースなのだが、
弦の張り方が反対で、通常高い弦が張られる
下の方に低い弦が張ってあった。
4人とも結構、顔で演奏するおじさん達でした。
アンコール入れて、熱い75分でした。
[ MEMBERS ]
Robben Ford (g)
Jimmy Haslip (b)
Vinnie Colaiuta (ds)
Larry Goldings (key,org)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
そういえば、1982〜83年頃、大阪で
ロベン・フォードとカルロス・リオスの
ギターセミナーに行ったことがあるのを思い出した。
2018.10.4
JOYCE MORENO
with special guest CHICO PINHEIRO
"celebrating 50th anniversary of debut"
一昨年、昨年に続き、3度目の
ジョイス・モレーノのライヴに行ってきた。
いやぁ〜、今日も素晴らしかった。
ジョイスは、20歳でデビューし、
今年はデビュー50周年だって!
一昨年は イヴァン・リンス と、
昨年は ペドロ・ミランダ との出演だったが、
今年のゲストは、シコ・ピニェイロ という人。
この人のことは、知らなかったけど
サンパウロ出身のギタリスト、シンガー。
バンド(ピアノ、ベース、ドラム)は、
昨年と同じメンバー。
ジョイスは、70歳とは思えぬ瑞々しい歌声。
今年、ジョイスがリリースした『50』という
アルバムは、1968年発表の処女作『JOYCE』を
セルフ・リメイクしたもの。
これまた凄い企画。
今日もその中から数曲演った。
ジョイスが5〜6曲演ったあと、
ゲストのシコ・ピニェイロが登場。
爽やか系なイケメンだ。
この人が、また素晴らしい!
特にピアノとのデュオ曲。
やはりブラジル人ということが
大きいのだろうか。
アメリカの JAZZ とは違う世界で
しびれてしまった。
個人的には今日のハイライト。
この人のリーダーライヴもぜひ観たい。
ギターは、Benedetto の1PU のフルアコ。
外付けのアーム付きのマイクも装備していたけど、
出音は、エレクトリックな印象だった。
本編最後は、"Feminina"。
アンコールは、"Favela"。
コットンクラブで、2日間4公演、
ブルーノートで、同じく2日間4公演。
合計8公演は、そんなに多いとは思わないのだけど、
今日はどういうわけか、
珍しくお客さんが少なかった。
素晴らしいのにもったいない。
普段は、そんなにたくさんブラジルモノを
聴くわけではないのだけど、
ジョイスのライヴにはまた行きたい。
[ MEMBERS ]
Joyce Moreno / ジョイス・モレーノ (vo,g)
Chico Pinheiro / シコ・ピニェイロ (vo,g)
Tutty Moreno / トゥチ・モレーノ (ds)
Helio Alves / エリオ・アルヴェス (p)
Rodolfo Stroeter / ロドルフォ・ストロエテール (b)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
(2018.10.15 追記)
Blue Note の Live Reports より セットリストを転記。
[ SETLIST ] 10月 4日 1st & 2nd
1. SAMBA DE MULHER
2. CANTIGA DE PROCURA
3. NAO MUDA, NAO
4. ANOITECEU
5. A VELHA MALUCA
6. MISTERIOS
7. ENCONTRO
8. TRIADES
9. EMPESTADE
10. MINGUS, MILES & COLTRANE
11. PENALTY
12. FEMININA
EC. O MORRO NAO TEM VEZ (Favela)
2018.10.8
大太坊
DAIDABO
知り合いの息子さんが出演するというので、
和太鼓の公演を観てきた。
「大太坊−DAIDABO−」という長野県伊那市を
拠点に活動しているチームだ。
和太鼓の演奏は、何かのイベントで
少しは観たことはあるが、
和太鼓がメインの公演は初めて。
男女混合10人ほどのメンバーが、
入れ替わり立ち代わり太鼓を叩く、叩く。
太鼓は、直径 数十センチのものから、
2メートルほどあろうかという
大きなものまで色々。
大体10分程度の演目を休憩を挟んで10曲。
結構な迫力。
女性も男性と変わらない、力強い演奏だ。
太鼓の演奏は、普通の音楽と違って、
メロディがなく、イントロやサビもない。
演者には、何かパートの区別が
あるのかもしれないけど。
合図もなく、キメが合うところを見ると、
適当に叩いているのではないことは明らか。
メロディのないリズムだけの曲を
しかもフリも合わせてよく覚えられるもんだ。
一体、どれだけの練習を積んでいるのかと
感服いたしました。
@ 神奈川県川崎市 麻生市民館
大太坊
2018.10.11
CHEAP TRICK
チープ・トリック
リック・ニールセンの体調不良のため、
4月25日の日本武道館公演は延期になった。
今日は、その振替公演。
残念ながら武道館ではなく、
会場は、Zepp Tokyo に変更になった。
しかも立ち見だ。
チケット抽選時、第1希望で
2階指定席を申し込むも落選。
(Zepp Tokyo の2階席は少ししかない。)
第2希望の1階スタンディングでの鑑賞となった。
立って観るの、しんどいなぁと
おじんのように思いながら、会場へ。
コンサートに臨む心構えは、
恥ずかしいほど全くロックでありません。
入場してから、開演まで30分ほど立ちっぱなし。
もたれるところもないし、動くとせっかく取った
立ち位置が人に取られてしまうので、
じっとしているしかない。
これが結構しんどい。
が、1曲目 "Hello There" が、始まった途端、
ゾクゾク感が全身を駆け巡り、
身体がリズムに反応し始める。
曲は、"Come On, Come On"、"Big Eyes"、
"If You Want My Love"、"Voices"、
"The Flame"、"I Want You To Want Me"、
"Dream Police"、"Clock Strikes Ten"、
"Surrender" など、アンコールを入れて110分ほど。
やっぱり、"I Want You To Want Me" が
嬉しかったな。
ロビンは、65歳とは思えないパワフルな声。
ステージを走り回るわけではなく、
悠々と動く感じ。
一方、リックは何かとコミカルな動きで、
客席に投げたピックは、100枚以上だろう。
1曲中に何度もピックを投げていたけど、
何かの曲中には、舞台袖で掴んできて
何十枚か一度に投げてたよ。
最後には、LPレコードも2枚、客席に投げた。
MC でも、客席にジミー・ペイジがいると
言ったり、40年前に日本に初めて来たときは、
5歳だったと言ったりして笑いを取っていた。
元気そうで何より。
ステージには、4人だけではなく、
まだ10代かと思うような若いギタリストが、
サポートで出演。
そのせいか、ロビンはあんまりギターを
弾かなかった。
トムは、12弦ベース。
2曲でヴォーカルも取った。
予想通り、リックは何本もギターを持ち替えた。
この人、年取ったんだけど、
40年前と見た目(コンセプト)が、変わらない。
凄いよ。
ロビンも数曲でギターを弾いた。
[ MEMBERS ]
Cheap Trick :
ロビン・ザンダー (Robin Zander) (vo, g)
リック・ニールセン (Rick Nielsen) (g)
トム・ピーターソン (Tom Petersson) (b)
ダックス・ニールセン (Daxx Nielsen) (dr)
サポートのギタリスト 名前不明
@ Zepp Tokyo
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2018.10.27
PINK MARTINI
ピンク・マティーニ
ブルーノートのポイントが貯まったので、
先日、招待券を頂いた。
何を観に行こうかとずい分迷ったあげく、
「ピンク・マティーニ」を選び
そのライヴに行ってきた。
これが大正解。
立ち見もいるほどの満席で、
予想以上、期待以上の素晴らしい演奏だった。
ピンク・マティーニは2011年に
由紀さおりとのコラボ・アルバム『1969』で
日本でも有名になったバンドだ。
ピアニストでリーダーの
トーマス・ローダーデールが、
アメリカで由紀さおりの古いレコードを
見つけたのがきっかけで、
このアルバムが作られたという話は、
当時、何かで読んだ記憶がある。
トーマスは、由紀さおりに限らず、
世界中の古い音楽が好きで、
カバーをしているようだ。
色んな国の曲をやるからだろう、
アメリカのバンドなのだけど、
なんでしょう、この無国籍感。
リードヴォーカルのチャイナ・フォーブスは、
英語はもちろん、フランス語、ドイツ語、
日本語、そして、ラテンの曲では、
スペイン語(ポルトガル語?)、
インド語っぽい曲もあった。
凄いです。
日本語もきれいに発音します。
CD で『ズンドコ節』(もちろん日本語で)を
演っているのを知っていたから、
そんなにビックリなかったけど、
知らずにいきなり、ライヴであれ演られたら、
ぶっ飛んでたと思う。
『ズンドコ節』を歌ったのは、ティモシー・ニシモト。
「ニシモト」だから日系人かも知れないけど、
見た目、白人です。
もう1曲、もうタイトルからして凄い
『菊千代と申します』。
これは、1963年の和田弘とマヒナスターズの曲。
(私も知らない曲だった。)
これも、トーマスが古いレコードで聴いて、
気に入って、ついには和田弘のスチールギターを
入れてレコーディングもしたのだという。
歌詞が「菊千代と申します〜」から
始まる芸者の歌やで。
それをアメリカ人が歌ってるという、
とてもシュールな世界が、繰り広げられました。
『菊千代と申します』にはお琴が入っているので、
アメリカでお琴を弾ける人を探したら、
その先生はちょっと古い考えの人で、
「この曲は芸者の歌なので私は弾けません」と
断られたのだという。
そして、紹介されたのがその弟子で、
今回のツアーに同行しているティムソン真澄。
通訳もやってました。
今日のハイライトは、トーマスが、
日本の曲で一番好きだと言った『夕月』。
(アルバム『1969』では由紀さおりが歌ってます。)
スペシャル・サプライズ・ゲストで
なんと黛ジュンが登場!
(私としては、『夕月』より『天使の誘惑』の
方が聴きたかったけど。)
『夕月』は、黛ジュンの1968年の曲。
黛さんは、70歳。
ハイヒールに超ミニで登場。
すごいわ〜。
しばらく歌ってなかったのに、
トーマスから今回のオファーを受けて、
歌うことにしたけど、『夕月』は、
ご本人は嫌いなんだって。
それから、黛さんはもう1曲、
『Fly Me To The Moon』。
黛さんは、14歳から米軍キャンプで
歌ってたんだって。
ちなみに『Fly Me To The Moon』は、
今日私たちも昼間にライヴで演ったので
なんとも 不思議な感じでした。
パーカッションの黒人は、
ハバナ(キューバ)から来た人で、
この人が歌ったバラードも素晴らしかった。
歌詞の意味は分からないけど、
きっと素敵なラヴ・ソングなんだろうと思った。
もうすぐ、キューバに行くので
余計にそう感じたのかもしれないけど。
そんなこんなの盛り沢山なライヴ、
1曲目『Bolero』から、ラストの『Brazil』
まで約80分。
音楽はごっちゃ混ぜ、混沌の中の統一感。
もうこうなると、国籍も人種も肌の色も
関係ないで。
白人が歌う歌謡曲 (日本語) の次に
日本人の歌うジャズ (英語) が演奏される。
こんなライヴ初めてでした。
[ MEMBERS ]
Thomas Lauderdale (p)
China Forbes (lead vo)
Mihail Iossifov (tp)
Antonis Andreou (tb)
Phil Baker (b)
Bill Marsh (g)
Nicholas Crosa (vln)
Masumi Timson (koto)
Timothy Nishimoto (vo,per)
Brian Davis (per)
Miguel Bernal (per)
Andrew Borger (ds)
Guest : 黛ジュン (vo)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
公演は明後日まであるけど、
明日も明後日もサプライズ・ゲストありとのこと。
------
(2018.12.11追記)
ブルーノートのサイトよりセットリストを転記。
[ SETLIST ] 2018 10.27 SAT. 1st & 2nd
1. BOLERO
2. AMADO MIO
3. SYMPATHIQUE
4. TAYA TAN
5. ICH DICH LIEBE
6. DONDE ESTAS, YOLANDA?
7. 菊千代と申します
8. THE BUTTERFLY SONG
9. 夕月
10. FLY ME TO THE MOON
11. SONG OF THE BLACK LIZARD
12. YO TE QUIERO SIEMPRE
13. ズンドコ節
EC. BRASIL
2018.10.29
William Seiji Marsh
一昨日に観た PINK MARTINI のライヴ。
ギタリスト Bill Marsh を
誰かのライヴで観たことがあるような気がして
ならなかったが、全く思い出せなかった。
YouTube で、PINK MARTINI の
ライヴ映像を観たので、
印象に残ってたのかなぁと思ったりしていた。
気になったので調べてみると、
今年7月の HALIE LOREN の
バック・バンドで観ていました。
その時は、William Seiji Marsh と
表示されていたけど。
(Bill は、William の短縮型。)
髭が、印象的で、
3ヶ月ほど前のことだったので、
覚えていたんだ。
自分の記憶力があんまり当てに
ならなくなってきてるんやけど、
ちょっと安心した。
そんなに有名なギタリストではないけど、
数ヶ月間に2回も来日するなんて売れっ子やん。
写真はご本人のサイトから。
2018.10.30
メンフィス meets マッスル・ショールズ
featuring ウィリー・ハイタワー,
スティーヴ・クロッパー & ハイ・リズム
Memphis Meets Muscle Shoals
featuring Willie Hightower,
Steve Cropper&Hi Rhythm
今日は、人生二度目のスティーブ・クロッパー。
前回は、2012年の5月12日に
「STAX! featuring STEVE CROPPER,
DONALD "DUCK" DUNN & EDDIE FLOYD」
という名義のライヴをブルーノートで観た。
そして、この日のライヴの後、
ベーシストのドナルド・ダック・ダンは、
東京のホテルで死んでしもた。
演奏中、具合悪そうやなぁと思てたら
まさかの最後の演奏だった。
このライヴは、もともと2011年5月に
予定されていたもので、震災(というより、
原発事故)の影響で、キャンセルになり、
1年後に開催されたのだった。
今日観てきた「Memphis Meets Muscle Shoals」も
当初、東京公演は、10月22日、23日、24日の
予定だったものが、アーティストの都合により
(数日だけだけど)延期になった。
さて、「Memphis Meets Muscle Shoals」。
テネシー州メンフィスとメンフィスから東へ
300キロほど行ったアラバマ州マッスルショールズは、
どちらもアメリカン・ミュージックにとって、
重要な土地だ。
今回は、その地ゆかりミュージシャンのライヴ。
BBLの紹介文をそのまま引用させてもらう。
全ソウル・ファン感涙の夢の共演が実現する。
言わずと知れたスティーヴ・クロッパーとともに、
アル・グリーンやアン・ピーブルズの名作を
決定付けたハイ・リズム・セクションがオンステージ。
さらに伝説的な〈フェイム・スタジオ〉に
残した録音で知られる不世出の天才、
ウィリー・ハイタワーも今回、待望の初来日を果たす。
まさにサザンソウルのドリームチームと
呼ぶべき布陣が、その黄金時代の輝かしいサウンドを、
ここ現代の日本に甦らせるワールドプレミア。
タイトルの「メンフィス meets マッスル・ショールズ」
という言葉をそのまま体現する、
究極にして貴重なソウル・レビューを、
どうぞお見逃しなく。
実は、私は勉強不足で、サザン・ソウルのことを
ホントに浅くしか知らくて、
ウィリー・ハイタワーのことも今回知ったほど。
78歳にして初来日ということで、
待ち焦がれた日本のファンも多かったことだろう。
ライヴの盛り上がりや、ファンの反応を観れば、
それは、十分に感じた。
1曲目、バンドが "Green Onions" を演奏し始めると
スティーヴ・クロッパーが登場。
ギターは、(たぶん)Peavey のカスタム・モデルと
思われる。
エフェクツはなしで、アンプ直結。
男らしいなぁ。
続いて、スティーヴがヴォーカルを取って
"In the Midnight Hour"。
ウィルソン・ピケットの1965年の曲だが、
ギターを弾いていたのは、スティーヴだ。
もう1曲(エディ・フロイドの曲?)歌ったあと、
"The Dock of the Bay" 歌った。
これはスティーヴが、オーティス・レディングと
共作したグレイテスト・ソング。
1967年12月この曲を録音した3日後に
オーティスは、乗っていた自家用飛行機の
墜落事故で死んでしもた。
スティーヴが、ウィリー・ハイタワーを
ステージに呼び込み、ここからは
ハイタワーのショーだ。
曲は、"Ooh Baby I Love You"、
"If I Had a Hammer"、"It's A Miracle"
"Somebody Have Mercy"、
"I Love You (Yes I Do)"、
"Time has brought about a change" など。
ちょっと気になったのは、
ウィリー・ハイタワーのバックを
やっている時、スティーヴが完全に
客席に対して横向きで譜面を見ていたこと。
3分の1のお客さんに対して、
尻を向けている状態なのだ。
私は、正面に近い席だったからいいけど、
その中にはスティーヴのファンもいただろうな。
正面向いて弾けばいいのになと思った。
真横を向かないと演奏できない理由は見当たらない。
アンコールは、"Soul Man" !
1967年の Sam & Dave のヒット曲。
あの印象的なイントロのギターは、
スティーヴなのでした。
[ MEMBERS ]
Steve Cropper (Gt)
Willie Hightower (Vo)
Charles Hodges (Hammond B-3 Or, Key)
Leroy Hodges (B)
Luis Valle (Tp)
Andy Wulf (Sax)
Steve Potts (Dr)
@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show
2018.10.31
ポール・マッカートニー
フレッシュン・アップ・ジャパン・ツアー2018
PAUL McCARTNEY
FRESHEN UP JAPAN TOUR 2018
ビートルズの "Hey Jude" を初めて聴いた時の
衝撃はハッキリと覚えている。
今から45年前、私は小学5年生。
2歳年上の進(しん)ちゃんが、
中学生になって、ギターを始め、
"Hey Jude" と "Let It Be" の
シングル盤を我が家に持ってきて、
聴かせてくれたのだ。
人生で、どれくらいの曲を聴くのか
分からないけど、初めて聴いた日のことを
覚えている曲は、そんなに多くない。
11歳の私が、家のステレオで聴いた
"Hey Jude" を、今日は東京ドームで
ナマで聴いてきた。
最初に聴いたのは、45年前。
最後に聴いたのは、
ほんの3時間ほど前というわけだ。
昨年のコンサートのレビューを読むと
「"Let It Be" を聴きながら、初めてこの曲を聴いた、
44年前の小学5年生の日のことを思い出し、
なんとも不思議な感覚になった」と
書いているけど、今年は "Hey Jude" で
グッときてしもた。
それと、昨年も演ったけど、
ウクレレで始めた "Something"。
ジョージとの思い出を少し語り、
演奏中にはバックスクリーンに
若かりし頃のポールとジョージが
映し出される。
これにも、やられたなぁ。
76歳のポール。
さすがに声は若い頃のようではないけど、
出で立ち、ステージングには、
全く年齢を感じさせない。
今回も2時間半、一度も水を飲まず。
一回、飴か何かを口に入れたのは、見えたけど。
そして、相変らずお茶目。
アンコールでは、ハロウィンなので
死神のお面を被って登場したよ。
アンコール入れて、2時間半ぐらい。
2014年はドタキャンにあったけど、
2015年、2017年と2回観たので、
今回は少し迷ったのだけど、
やっぱり観に行って良かった〜。
素晴らしいです。
ニューアルバムからも数曲演ったけど、
聴きたかった "I Don’t Know" と
"Hand In Hand" は、演らなかった。
それだけが残念やな。
席は、1塁側1階席だったけど、
音が凄く聴きやすく、
スクリーンとのタイムラグも
かなり改善されてる印象受けた。
"A Hard Day’s Night" "All My Loving"
"Let Me Roll It"
"Blackbird" "Here Today"
"Let It Be" "Live and Let Die"
"Something"
"Hey Jude"
"Yesterday"
[ MEMBERS ]
Paul McCartney (Vo, B, Gt, Pf)
Rusty Anderson (Gt)
Brian Ray (Gt, B)
Paul Wix Wickens (Key, Gt)
Abe Laboriel Jr. (Drs)
ホーンが3人(Sax, Tp, Tb)
@ 東京ドーム
昨年同様、帰りの電車の中でググってみたら、
もうセットリストがアップされたよ。早!
[ SETLIST ]
A Hard Day’s Night
Hi, Hi, Hi
All My Loving
Letting Go
Who Cares
Come On to Me
Let Me Roll It
I’ve Got a Feeling
Let ‘Em In
My Valentine
1985
Maybe I’m Amazed
I’ve Just Seen a Face
In Spite of All the Danger
From Me to You
Love Me Do
Blackbird
Here Today
Queenie Eye
Lady Madonna
Eleanor Rigby
Fuh You
Being for the Benefit of Mr. Kite!
Something
Ob-La-Di, Ob-La-Da
Band on the Run
Back in the U.S.S.R.
Let It Be
Live and Let Die
Hey Jude
Encore:
Yesterday
Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)
Helter Skelter
Golden Slumbers
Carry That Weight
The End
【フレッシュン・アップ ジャパン・ツアー 2018 日程】
東京公演(東京ドーム)10月31日(水)、11月1日(木)
東京公演(両国国技館)11月5日(月)
名古屋公演(ナゴヤドーム)11月8日(木)
2018.11.1
デビュー45周年
神ドラマー 村上 “ポンタ” 秀一
ライブスペシャル 「音楽境地」(弐)
SEASONS OF LIFE・歌心
〜PONTAの音楽人生と、めぐる季節と、4人のいい女〜
ポンタさん、67歳。
デビュー45周年ライヴの第2弾。
4月6日に観に行った、
ポンタさんの45周年ライヴが、
あまりに面白かったので、
その日来ていた人にその夜限定で発売された、
今日のチケットを思わず申し込んでしまった。
4月は「奇跡のJAZZ FUSION NIGHT」で
インストが中心だったけど、
2回目となる今夜は、
「SEASONS OF LIFE・歌心」という
タイトルで 歌モノ中心。
チケットを買った時には、誰が出るのかも
分からずに申し込んでしまったけど、
まあ、誰が出ようとこういう
スペシャル・イベントは大体面白い。
その後、発表されたゲストは、
八神純子、EPO、八代亜紀、吉田美奈子、
伊勢正三という布陣。
トップバッターは、八神純子。
『思い出は美しすぎて』『みずいろの雨』など。
バンドがギターレスだったのは残念。
特に『パープルタウン』は、ギターが欲しかったな。
八神さんは、今年還暦だったようだが、
ますます凄い声です。
続いて、EPO。
ナマで聴くのは初めてだったけど、
私的には今日、一番印象に残った。
一度、ライヴに行きたいと思ったもん。
『土曜の夜はパラダイス』『う、ふ、ふ、ふ、』
『DOWN TOWN』など。
休憩を挟んで、伊勢正三。
こちらもライブは初めて。
ポンタさんは、「かぐや姫」の
解散ライヴのドラムだったらしい。
『なごり雪』は「イルカの曲だと思ってた」と
言っていたけど、実は正やんの曲。
イルカの『なごり雪』もドラムは
ポンタさんだったらしい。
車には USB で 250ギガぐらいの曲を
積んでいるのだけど、数日前に
たまたま風の『海風』を聴いた。
別に今日のことを考えたわけでもなく。
そしたら、演りましたよ。
まさか、『海風』が聴けるとは思わなかった。
ほかに荒木一郎の『空に星があるように』や
『22才の別れ』。
残念ながら、正やんの歌は、
ちょっと微妙だったなぁ。
そして、八代亜紀。
『五木の子守唄〜THE SHADOW OF YOUR SMILE』
『私は泣いています』などの昭和歌謡のメドレー、
圧巻は、『舟唄』。
これは、以前に PONTA BOX で、
レコーディングしたことがあるようで、
もの凄いリハモ(リハーモナイズ:コード進行を
変えること)がされていて、素人には
絶対歌えないであろうハーモニーの上で
八代さんは見事に歌っていた。
なんでも、レコーディング時に八代さんを
困らせようと、えげつないコードを付けたのだが、
八代さんは、一発で歌いきったとのこと。
凄いです。
そして、最後に『舟歌』あのセリフ。
これは、ナマで聴く価値がある。
そして、最後に吉田美奈子。
まずドラムとデュオで『Cute』。
Miles Davis の 『Seven Steps to Heaven』
Wayne Shorter の 『Footprints』
『It Don't Mean A Thing (if it ain't got that swing) 』
『Alfie』などスタンダードで来ました。
15分ぐらいの休憩を挟んで、3時間10分。
アンコールはなし。
前回の3時間40分に比べるとちょっと短いのは、
シンガーが入れ替わるだけで、
楽器のセッティング時間が なかったからかな。
席は、前から14列目でまあまあ良い席でした。
[ MEMBERS ]
村上“ポンタ”秀一 (Drs)
八神純子 (Vo)
EPO (Vo)
伊勢正三 (Vo&G)
八代亜紀 (Vo)
吉田美奈子 (Vo)
岡沢 章 (b) (PONTA BOX)
柴田敏孝 (P&Key) (PONTA BOX)
大坪稔明 (Key)
@ 中野サンプラザホール
The 45th Anniversary #2 音楽境地(弐)
3日連続のライブ。
一昨日の米国、昨日の英国に続いて
今日は、日本のアーティストでした。
ちなみに明後日は、伯国(ブラジル)の
アーティストを聴きに行きます。
なんて、国際的な毎日なんだろう。
2018.11.3
YAMANDU COSTA
ヤマンドゥ・コスタの神業
また、えらいもん観てしもた。
ヤマンドゥ・コスタ。
衝撃的。
やばいです。
ヤマンドゥ・コスタは、ブラジルのギタリスト。
1980年生まれとあるから、今年38歳か。
ギターは、7弦のガット・ギター。
独奏だけど、7弦なので、低音にも不足はない。
どこのメーカーのものか調べていないけど、
このギターが またよう鳴りよる。
パコ・デ・ルシアが「ジャンルを超えた後継者」として
称賛したらしいけど、ホントに神業です。
完全に何かが降りてきてます。
演奏中は、ほかの世界とコンタクトしているように見えます。
ほとんど目を閉じたまま、指板を見ることもなく
超絶なテクニックで弾き続けるけど、
テクニック以上に音楽が凄いです。
歌心、リズム、ダイナミクス、テクニック、
どれをとっても完璧です。
「演奏中、ほかの世界とコンタクトしている」と
書いたけど、曲が終わったら、
10秒ぐらい目を閉じたままぐったりしたような、
まだ目覚めていないような、不思議な表情をします。
あの間に、その世界とのコンタクトを切って、
こっちの世界に戻ってきているかのようにも見えました。
ギター・ソロの後ろに「宇宙」が見えたのは
人生で初めてです。
雄大です。
これは、ナマで体験していただきたい。
どれくらい凄かったかというと、
2曲目が始まった時、手の平がしびれてたの。
1曲目終わった時に力いっぱい拍手したので。
手の平がしびれるほど拍手するなんて、
初めてちゃうか。
音楽は、やはり(僕が知る限りの)南米的な印象。
ごくまれにギジェルモ・リソット(アルゼンチン
出身のギタリスト)で聴く、独特のハーモニーを
感じました。
一流ミュージシャンの「脱力」に興味があるのだけど、
ヤマンドゥは全然力が入っていない。
ギターは、適当に構えているかのようで、
固定してないようにも見えた。
時々、ギターをあごに当たるくらいに構えたり、
あんな風に弾く人も珍しい。
そして、3回ぐらい、右手の爪を削った。
それほどデリケートなのだろうな。
私は、今回の来日でヤマンドゥのことを
知ったのだけど、結構お客さんも入っていた。
知ってる人は、知ってるねんなぁ。
ブルーノートは、今日1日のみ。
観られて良かった。
(動画)この2曲、今日も演りました。
↓
Yamandu Costa - Samba Pro Rafa
Yamandu - El Choclo
今日は、ヤマンドゥの正面、前から4列目。
目の前でこれ観たら、ぶっ飛ぶでしょ。
[ MEMBER ]
Yamandu Costa (Gt)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
-----
(2018.12.11追記)
ブルーノートのサイトよりセットリストを転記。
[ SETLIST ] 2018 11.3 SAT. 2nd
1. LUCIANA
2. MEXIDAO
3. PARAGUAYTA
4. PORRO
5. EL CHOCLO
6. SAMBA PRO RAFA
7. SARARA
8. MILONGA CHORO
9. GALANTEO
10. EL NEGRO DEL BLANCO
EC. MANGORE
2018.11.22
WILL LEE'S SUPER GROUP
featuring JEFF YOUNG, OZ NOY
& CHARLEY DRAYTON
ウィル・リー・スーパー・グループ名義での
コットンクラブ(東京)でのライヴ。
なんと、5日間10公演。
今日は、その2日目の 2nd show を観てきた。
ゴキゲンなライヴでした。
ウィル・リーは、9月に桑原あいのトリオで
観たばかりなのに、もう再来日。
そして、ギターのオズ・ノイも3月の
“OZONE SQUEEZE” に続いて、今年2度目。
ドラムの チャーリー・ドレイトン は、
たぶん初めて。
キーボードのジェフ・ヤングは、
2015年、2017年にジャクソン・ブラウンの
バンドで観ている。
誰かのサポートでのライヴより、
自分のリーダー・バンドということもあってか
ウィルの弾けぶりは、いつも以上。
66歳には、見えない。
途中、ウィルが「今日は、センセイが来ている」と
紹介したのが、チャック・レイニー。
2012年11月の "WILL LEE’S FAMILY" 名義の
コットンクラブでの公演時にも
客席に チャックの姿があったのだが、
今日は、ステージに呼び、レイ・チャールズの
"I Got A Woman"(と思う)を一緒に演奏。
まさか、チャックが5日間毎日来るわけでも
ないだろうから、これはラッキーやった。
そのほか、オズの "Come On" や、
ビートルズの "Eight Days A Week"、
ハイラム・ブロックの "Da Alley" など。
ハイラム同様、オズは変態ギターなので、
プレイは言うことないけど、
ハイラムのように暴れ回らないので、
もしかしたら、ウィルは寂しいかもな。
そういえば、2012年の "WILL LEE’S FAMILY" の
時のギターは、チャック・ローブで、
チャックもワイヤレスで客席を動き回って、
大暴れしてたもんな。
(ハイラム・ブロックもチャック・ローブも
死んでしまいました。)
あ、ジミヘンの曲も演った。(曲名失念)
ジェフ・ヤングも数曲でヴォーカル。
渋いです。
アンコール入れて、70分程度。
[ MEMBERS ]
Will Lee (b,vo)
Jeff Young (key,vo)
Oz Noy (g)
Charley Drayton (ds)
Guest : Chuck Rainey (b)
@ Cotton Club
2018.11.23
エリック・クラプトン〜12小節の人生〜
ERIC CLAPTON: LIFE IN 12 BARS
エリック・クラプトンのドキュメンタリー映画。
本日初日。
昨日予約しておいて、日比谷シャンテで
13:10からの上映を観たのだけど、
行ったら売切れになってました。
母親の拒絶、親友の妻への恋、失恋、
友人の死、ドラッグ、アルコール中毒、
最愛の息子の事故死・・・。
よく生きていたなと思う。
とっくに死んでいても不思議じゃない。
「自殺しなかったのは、酒が飲みたかったから」と
語るヤク中、アルコール中毒者を立ち直らせたのは、
音楽、ブルースへの愛だった。
私は、クラプトンのファンになって35年ほど経つ。
伝記も読んだし、数々のインタビューも
読んできた。
クラプトンほどになるとその数も多すぎて、
私が目にしてきたのは、ほんの一部だろうけど。
それでも大体のことは知っていたつもりだったけど、
知らないことも結構あった。
アレサ・フランクリンが、スタジオで
セッションすることになり、
クラプトンのサイケな服装に笑ってたのに
ギターを聴いたら笑うの止めたとかね。
あと、ジミヘンと会ったことがあるのは、
知っていたけど、あんなに仲良く
付き合っていたとは、知らなかった。
70年代、来日公演でも酔っぱらって散々だったと
いう話は、若い頃に聞いたことはあったけど、
客にめちゃくちゃ野次られたり、
客とケンカをする酔っぱらいエリックの
音声は、ちょっとショックだった。
黒人音楽に憧れてギターを弾いていた
エリックが、酔っぱらって、
人種差別発言をしてしまい、
自己嫌悪に陥ったり、
本作を観て、改めてその苦悩の深さを知った。
ジョージ・ハリスンの妻だったパティに
送ったラブ・レターなんてものも出てくる。
エリックが、ドラッグや酒に溺れていたのは、
70年代前半までのことと思っていたら、
私がエリックを良く聴くようになってからも、
彼はずっと苦しんでいたんだ。
友人の死、息子コナーの事故死など、
考えてみれば、エリックの人生は
本当に波乱万丈だ。
コナーの死以降は、少し駆け足に描かれている
印象を否めないが、今は3人の娘に囲まれ、
幸せな人生を送っているクラプトン。
最後は、ハッピーエンドにまとめられていて、
ただただ、生きていてくれて良かったと思った。
自分の明も暗も、栄光も恥も、あそこまで
赤裸々にさらけ出すことが出来るのは、
エリックがただのスターではなく、
ブルースマンだからだろうか。
そんなエリックにB.B.King がステージで
送る承認の言葉が、これまた感動的。
もう来日は ないかも知れないけど、
長生きして欲しいです。
★★★★★
劇場のディスプレイ
マーティンのギターも飾られてた。
ボヘミアン・ラプソディ
BOHEMIAN RHAPSODY
今日は勝手に秋の「ロック映画祭り」。
2本目は、大ヒット中の映画
『ボヘミアン・ラプソディ』。
言わずと知れた英国のロックバンド、
「QUEEN」の、というよりは、
ヴォーカルの フレディ・マーキュリー を
描いた伝記映画。
エリックの『LIFE IN 12 BARS』と
続けて観たおかげで、同じ時代(1970〜80年代)も
描かれていたこともあり、妙にリアルだった。
始まってまもなく劇中で CREAM の
『Sunshine of Your Love』が流れたしね。
こういう偶然にやられてしまうんよね。
冒頭の20世紀フォックス映画のファンファーレが、
ブライアン・メイのギター調で、
(おお、ここまで凝ってくるか〜)と
嬉しくなってしまった。
調べてみたら、ホンマにブライアン・メイと
ロジャー・テイラーが、録り下ろしたんだと!
映画は、1970年のクィーン結成のエピソードから、
1985年のライヴ・エイドのステージまでを
描いている。
フレディは、その後 1991年、45歳で他界。
ライヴ・エイドといえば、当時衛星中継で
観たんだろうか、ロンドン、ウェンブリー・
スタジアムに出演したフィル・コリンズ が、
コンコルドに乗って、アメリカ会場の
JFKスタジアムに駆けつけて、
エリック・クラプトンの演奏に参加したのが
印象に残っている。
(両会場に出演したのは、フィルのみ。)
クラプトンは、英国ではなく米国の方に
出演してたんやな。
閑話休題。
フレディに話を戻そう。
天才とひと言で片づけがちだけど、
天才も人間なんやなぁ。
凡人と同じように苦悩はあるんや。
前半、QUEENの4人が、こんなに
仲良かったのかって思っていたら、
途中でやっぱり、分裂が起きた。
でも、本当にメンバーに恵まれたんだと思う。
でなきゃ『Bohemian Rhapsody』は
生まれていないし、ライヴ・エイドの
出演もなかっただろう。
誰もやっていないとか、常識とか、
何か過去の例にとらわれたりする人は、
新しい何かは創り出せないんだと思う。
そういう意味で、フレディもエリックも
本当にアーティストだと思う。
後半、エイズであることを ライヴエイドの
リハーサル後、メンバーに伝えるシーンで、
「俺はエイズにかかった悲劇のヒーローに
なならない」と言うフレディ。
そしてこう続ける。
"I decide who I am"
(俺が何者かは、俺が決める。)
それまでも何度もウルウルしてたけど、
ここで涙腺完全崩壊。
最後までパフォーマーであろうとしたフレディ。
彼の死後に出た QUEEN の『Made in Heaven 』
(1995年)を聴いたた時、
「まだまだ歌いたかったんやろな」と、
涙が流れたことを思い出した。
実際のライヴエイドの映像と見比べるのも楽しい。
↓
Queen - Live AID 1985 Full Concert
当たり前なのだけど、フレディ役の
ラミ・マレックは、フレディの振りしぐさを
凄くコピーしてます。
2016年の「QUEEN + ADAM LAMBERT」も
観たのだけど、1979年、高校生の時、
大阪フェスティバルホールで、
QUEEN のコンサートを一度だけ観た。
ナマでフレディを観たんだという記憶が
今となっては宝物です。
★★★★★
2018.11.26
『ボヘミアン・ラプソディ』を考える
先日観てきた映画『ボヘミアン・ラプソディ』。
英国のロック・バンド「QUEEN」の
フレディ・マーキュリーを描いた作品で、
大変高い評価を得ている一方で、、
一部マニアックのな QUEEN のファンには
不評のようだ。
というのも、事実と違う演出が
多々あるというのだ。
例えば、映画では1985年ライヴ・エイドの前に
フレディがメンバーに HIV に感染していることを
告白するが、実際には感染が診断されたのは、
1987年だったとか、ジム・ハットンと
会ったのも1987年だったとか。
そういう事実と違うことがたくさんあって、
嫌悪感さえ持った人たちがいるようなのだ。
おそらく、コアな QUEEN(フレディ)ファンで、
自分が知っている情報と違うことを
許せないのだろうな。
で、この創作部分を事実と思いこんでしまう人が
いるんじゃないかと危惧する人もいるようだ。
思いこんだって、誰も何も困らないんだけどね。
映画を作る上で、事実通りに作ろうとすると、
時間的に難しかったり、ストーリー的に
複雑になったり、色んな事情から、
多少、演出やフィクションも加わるのは、
仕方がないことだと思う。
それは、観る側も分かっていることとして
映画に臨まないと、楽しめないだろう。
事実を基にした映画は数々作られてきたけど、
100%事実通りなんてことはあり得ない。
というか、そもそも「事実」ってなんだ?
ってことになる。
たぶん伝記か公式の発表には
フレディが、HIV と診断されたのは、
1987年とあるので、批判している人は、
そういうことを書くのだろうけど、
それだって本当かどうか分からない。
フレディは、1985年から知っていたかもしれない。
そんなことは、誰にも分からない。
一つの情報を「真実」だと信じ込むのも
「無知」と変わりないように思う。
私としては、一人のロック・スターの
人生の一部を覗けただけで価値があるな。
たとえそれに、フィクションの部分が
多かったとしてもね。
フィクションって、ロック・ミュージックと同じ
「創作」だからね。
例えば、誰かの楽曲をカバーして、
メロディをフェイクするのは、
演奏者の自由だけど、オーディエンスは
いちいちオリジナルとメロディが違う、
リズムが違うとは言わない。
それが、その演者の表現だから。
同様に映画は、原案や元になる史実や
事件があって、製作者がそれをネタに
創作しているんだと思えばどうだろう。
もちろん例えば、その実在した人物の
名誉を傷つけるとか、悪意を持って
事実を変えるとか、その辺は誠意に依る
限度はあると思うけどね。
この映画が商品化される時には、
ノーカット版が付くという話も読んだ。
本当かどうかは未確認だけど。
5時間ほどあるというから、
もしそれが出たら、心して観なきゃならんな。
ところで、本作、公開当初は「IMAX」上映だった。
実は、11月17日の21:15から回のチケットを
その前日に予約していたのだが、夕方から
キューバ旅行の疲れ(2日前に帰国)からか、
しんどくなって、とりあえずいったん
家に帰って、2時間ぐらい寝れるなと、
思って寝たら、そのまま起きられなかった。
チケット代は、無駄になったけど、
まあいいやと思っていたら、
翌週、観に行った23日には、
もう IMAX は終了していたのだ。
残念。
でも、今まで数本、IMAX で観たけど
そんなに言うほど凄いと思ったことないねんけどね。
2018.12.8
ピアソラ 永遠のリベルタンゴ
ASTOR PIAZZOLLA INEDITO/
PIAZZOLLA, THE YEARS OF THE SHARK
ピアソラのドキュメンタリー映画を観てきた。
音楽、特にタンゴに詳しくない人でも
「リベルタンゴ」は耳にしたことがあるだろう。
その作曲者が、アストル・ピアソラだ。
1921年、アルゼンチン生まれで、
1992年に71歳で亡くなっている。
作曲家であり、バンドネオン奏者でもある。
バンドネオンというのは、アコーディオンに似た
楽器だが、鍵盤がなく代わりにボタンが
並んでいる。
2007年に梅林さん(sax, fl)とデュオを始めた時に
初めてピアソラの名前を聴いた。
それまで、タンゴに興味を持ったことなど
なかったのだが、ピアソラの「タンゴの歴史」という
フルートとギターのデュオ曲にチャレンジしたのだ。
「タンゴの歴史」は、4曲からなる組曲なのだが、
「I. Bordel(売春宿) 1900」と
「II. Cafe(カフェ)1930」は、なんとか
弾けるようになり、ライヴでも演ったことがあるが、
「III. Nightclub(ナイトクラブ) 1960」と
「IV. Concert d'aujourd'hui(現代のコンサート)」は、
やりかけたものの難しくて、途中でやめてしまった。
ピアソラは、タンゴの革命児と言われ、
ダンスのためだったタンゴに変化をもたらし、
踊れない、音楽としてのタンゴを誕生させた。
1950年代には、早すぎたのだろうか、
そのことが、祖国アルゼンチンでは
受け入れられず、ずい分と攻撃されたようだ。
しかし、アルゼンチンより先に
ヨーロッパで認められ、今では
タンゴの革命児として世界中で認められている。
映画は、没後25周年となる昨年、
母国アルゼンチンで開催された回顧展に
あわせて、制作された。
生前、ピアソラの娘、ディアナが録音した
ピアソラへのインタビューをもとに、
息子のダニエルが、父ピアソラの人となり、
その思い出を語る。
ピアソラが、バンドネオンを始めた
少年時代のいきさつ(父親が買って与えた)に
始まり、1950年、一度はタンゴをやめたのに
フランスに留学中、師ナディア・ブーランジェの
勧めで、再びタンゴに戻ってきて、
新しい音楽を始めるエピソードなど、
古い映像も交えながら、
ピアソラという人をミュージシャンと
してだけではなく、父親として、
一人の人間として、描いていく。
音楽が一番の人で、あまり家族を
大切にしなかったかのような一面も
垣間見れるが、基本的に子供たちは、
父ピアソラが好きだったのが、伝わってくる。
「過去はゴミだ」と言い、昨日書いた楽譜を
破り捨てたエピソードが、息子ダニエルに
よって語られるが、それは気に入らない
作品だったからじゃないのかと思った。
本当に毎日、昨日書いた楽譜を捨てていたら、
バンドで演奏する曲がないもんね。
若い頃のピアソラは、ちょっとお茶目な男前だが、
年を取ってからは、ひたすら渋い。
そして、享年71歳は、ちょっと早かったなと思う。
ダニエルが、始終、憂いを含んでいるような
表情なのが、ちょっと気になった。
ダニエルが、ピアソラに向かって
酷いことを言い、それから10年くらい
口を利かなかった時期があった。
もしかしたら、そのことと関係あるのかな。
映画本編とは、関係ないけど。
映画のチラシに使われている写真が、
私の好きな写真家、ソール・ライターの作品の
ようだと思っていたら、映画の中で
何枚もソールの写真が使われていた。
ソールといえば、1950年代のニューヨークの
写真が有名だが、ピアソラも50年代に
ニューヨークに移り住んでいた時期がある。
その関係かなとも思ったが、
先日のキューバ旅行の写真を見ても、
自分の写真にソールの影響を感じていた
矢先だったので、ソールの写真が出てきた時には
ちょっと驚いた。
もうひとつ、夏に妻が『超解釈 サルトルの教え』
という本を出したのだが、
ピアソラが娘ディアナに向かって、
「あの頃のお前は、サルトルが好きで
実存主義にハマってた」というような
ことを言ったので、これまた驚いた。
ピアソラを観に行ったのに、
ソール・ライター、サルトルと、
不思議なつながりを感じたのでした。
私には「音楽ドキュメンタリーは、
眠くなる」というジンクスがある。
そして、今日も来ました睡魔君。
でも、なんとか最後まで起きて観たよ。
★★★★▲
2018.12.11
JULIAN LAGE TRIO
ジュリアン・ラージ・トリオ
昨年1月にライヴを観て、
「年に何十本もライヴに行くけど、
こういう豊かで幸せな気持ちになるライヴは、
ずい分久しぶりな気がする」と書いた、
ジュリアン・ラージ・トリオのライヴ。
予想をはるかに上回る素晴らしさで、
落涙のライヴだった。
また、昨年11月には、
JULIAN LAGE & CHRIS ELDRIDGE 名義の
アコースティック・ギターのデュオ・ライヴも観たが、
これまた驚異の調和を聴かせてくれた。
そんなジュリアンの1年ぶりのライヴ。
コットン・クラブで4日間8公演の、
最終ステージを観てきた。
期待通り今日も、スペシャルなひと時だった。
なんだろう、この表現力。
繊細でワイルド。
激しいのに優しい。
もちろん技術が優れていることは
言うまでもないが、技術があれば
誰でもあんな風に演奏できるわけでもない。
いわゆるジャズっぽい曲は少なくて、
8ビートであっても、そこはただの
ギターインストにはならない辺りは、
ジュリアンの表現力の多彩さと
インプロヴィゼイションのなせる業か。
やはりスピリットはジャズということか。
曲によっては、アバンギャルドな一面も。
途中、ジュリアンのギターの
弦が1本切れるというアクシデントがあった。
笑いながら「じゃあ、ベースのジョージを
フューチャーして」と言い残し、
ステージそでで弦を張り替え始めるジュリアン。
ジョージは、何ごともなかったかのように
ベース・ソロを弾き始める。
しかし、これが実は、次の曲の長めの
イントロだった。
数分で弦を張り替えたジュリアンの、
戻って来方もなんか分からんけど、良い。
ジュリアンは、たぶん昨年と同じテレキャスター。
曲は、最新アルバム『Modern Lore』からが中心。
アンコールは、『Arclight』の収録の
バラード "Ryland"。
アンコール入れて70分ほど。
あっという間だった。
もっと聴きたかったな。
ベースは、昨年と同じ Jorge Roeder。
ドラムスは、当初、昨年と同じく
Eric Doob の予定で発表されていたが、
Kenny Wollesen に変更されていた。
バンドのふたりは、ジュリアン(もうすぐ31歳)に
比べ、大ベテランだろう。
やはり、昨年同様、素晴らしい調和だった。
この「調和」が、ジュリアンの音楽の
魅力のひとつだと思った。
[ MEMBERS ]
Julian Lage (g)
Jorge Roeder (b)
Kenny Wollesen (ds)
@ Cotton Club
2nd show
2018.12.20
SALENA JONES
来日40周年記念 〜 Love and Music 〜
サリナ・ジョーンズ
死ぬまでに一度は観ておきたいアーティスト、
今夜は、サリナ・ジョーンズ(74歳)。
初来日が1978年。
今年、初来日から40年目を迎えたサリナの
来日40周年記念ライヴを観てきた。
バンドは、日本版レギュラー・グループだという
日本人のベテランの面々。
数日前にチェックしたところ、今日明日の東京
コットンクラブ2日間4公演は、ソールドアウトだった。
すでに、
12/11 名古屋ブルーノート
12/13 広島 Live 19
12/16 福岡 Gate’s7
12/18 大分ブリックブロック
と西日本4都市を周ってきており、
バンドとの息もええ感じだった。
曲は、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、
マイケル・フランクス、ジョビン、
キャロル・キングから、尾崎豊まで!
予想以上に素晴らしい歌で、感動的だった。
(2010年にジャパニーズ・ポップスを
カバーしたアルバムを出しており、
尾崎の "I Love You" は、そのアルバムに
収録されている。)
そして、まさか "The Christmas Song" で
泣かされるとは思わなかった。
クリスマス・ソングの中では、
"The Christmas Song" が一番美しい曲だと
ずっと思っているけど、何度も自分でも
演奏してきたし、今さら泣くなんてね。
それだけ、サリナの歌が素晴らしいんだ。
そして、「Merrry Christmas and
Happy New Year」という言葉が、
こんなに心に沁みたのは初めてだと思う。
アンコールで演った "You've Got A Friend" も
ヤバかった。
もの凄い説得力。
歌なのだけど、もう、歌ってないのね。
人気の高さも納得のステージでした。
見た目も小柄でチャーミングな人でした。
また、バンドが素晴らしい!全員。
ギターの道下和彦氏は、
名前はずっと知っていたけど、
聴くのは初めてだった。
とてもきれいなギターを弾く人で、
また聴きたいと思ったね。
ギターは、PRSのシンラインとゴダンのエレガット。
[ MEMBERS ]
サリナ・ジョーンズ (vo)
道下和彦 (g)
中村健吾 (b)
秋田慎治 (p)
藤井学 (ds)
@ Cotton Club
2nd show
[ SETLIST ](たぶん合ってる)
1. I Believe In You
2. The More I See You
3. Antonio's Song
4. I Love You
5. All OOr Nothing At All
6. Ain't Got Nothing But The Blues
7. Imagine
8. From This Moment On
9. My Love
10. Jobin Medley (Ipanema, Meditation, Agua De Beber)
11. The Christmas Song
12. Teardrops From My Eyes
Ec. You've Got A Friend
セットリストは、こちらのサイトで発見。
2018.12.26
佐山雅弘
今日まで知らなかったのだけど、
ジャズ・ピアニストの佐山雅弘さんが、
11月14日にお亡くなりになっていた。
兵庫県尼崎市出身、享年64歳。
闘病中だということは、知っていたけど、
数カ月前、雑誌「JAZZ LIFE」のインタビューでの、
若い人たちと組んだ新しいトリオの話を読んで、
まだまだ活躍されそうな感じを受けていたので、
亡くなったという記事を見て、目を疑った。
その記事からは、新しいトリオに意欲を
燃やしておられる様子が伝わってきた。
ずいぶん痩せられていた写真は、
ちょっとショックだったけど。
私は、佐山さんの演奏は、2006年にライヴで一度
小島(良喜)さんとのデュオを観たのと
CD 2枚聴いたことがある程度で、
そんなに詳しくはないんだ。
でも、それ以外にもポンタさんと演ってるのとか、
ジョニー(吉長)と演ってるのとかも聴いたこともあるけど。
今回の訃報で知ったのだけど、RCサクセションの
サポートも演ってたって。
ご本人のウェブサイトの最後の挨拶にある、
「僕という者は僕が出会った人々で出来ている」という
言葉に泣いてしまいました。
ウェブサイトでは、今年、8月21日に行われた
ピアノ・ソロ・ライヴ、70分ほどの動画も観られます。
亡くなる3カ月前とは思えない演奏です。
YouTubeは こちら。
途中で「自分のオリジナルになるとピアノの音が変わる」と
話されているのだけど、確かに本編最後の曲
"Matador" など、ピアノが喜んでいるように聴こえてくる。
いや、ピアノが喜んでいるんじゃなくて、
佐山さんの何かが、ピアノに伝わって、
佐山さんとピアノの関係が、
違う次元に行ってしまうんやないやろか。
そんな気がした。
その次元のままのアンコールの
"Hymn To Freedom"(自由の讃歌)も
素晴らしい。
64歳って、若すぎるよなぁ。
合掌。
2018.12.29
スーパー・ギター・トリオ
鈴木直人 × 馬場孝喜 × 井上銘
今年もたくさんライヴに行った〜。
今年61本目、最後のライヴは、
8月にも観たギター・トリオ、
鈴木直人 × 馬場孝喜 × 井上銘 だ。
今夜も個性のぶつかり合い、
三人三様の自己表現の爆発で、楽しめた。
馬場さん、銘くんは同じ Westville の
セミアコだけど、馬場さんのは、
メイプルトップで、銘くんのは
スプルーストップ(らしい)。
アンプもセッティングも弾き方も違うから、
単純に比較はできないけど、
馬場さんの方がよりエレクトリックで
銘くんの方がウォームなトーンだった。
なるほどね、って感じ。
鈴木さんは、前回は Sadowsky の
セミホローだったけど、今日は
まだ見るからに新しい Sadowsky の
美しいフルアコ。
当然、一番アコースティックなサウンド。
トーンだけでも3人の個性が表れていた。
曲は、"Phase Dance", "Norwegian Wood",
"Love Sale" など。
偶然か3拍子が多かった。
アンコールでは、前回同様 "Spain"。
今夜は、ヴォーカル・ゲストなし。
まあ、3人とも自由ですな。
互いに影響しあい触発しあい、
どんどんケミストリーが
起こっていく。
ライヴの醍醐味、満喫しました。
[ MEMBERS ]
鈴木直人 (gt)
馬場孝喜 (gt)
井上銘 (gt)
@ bar dAZE (原宿)