2017年 11月
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2017.11.2
NANIWA EXPRESS
祝!結成40周年 記念ライヴ
今夜は、ナニワエキスプレスである。
1980年代初めのフュージョン・ブームを
引っ張ったバンドのひとつ。
ベースの清水さんは、
"BAND OF PLEASURE" で 何度も観ているし、
大阪にいた頃は、出入りしていたスタジオで、
ナニワのメンバー(全員ではないと思うけど)が
レッスンをしていたので、
時々その姿をお見かけしていた。
そのスタジオ主催のライヴには私も
数回出演したけど、清水さんと中村さん
の演っていた別のバンド
"Medicine Bag" なんかが
ゲストで出演していたよ。
90年前後くらいかなぁ。
そういえば、当時のバンド仲間だった
Uちゃんのウェディング・パーティには
ミュージシャンがたくさん来ていて、
キーボードの中村さんも来てて、
1曲一緒に演奏して嬉しかった覚えがある。
曲、何やったか忘れたけど。
87〜88年かなぁ。
さて、そんな ナニワエキスプレスだが、
ライヴを観たのは、なんと一昨年の
"FUSION FESTIVAL in Tokyo Vol.2" が
初めてで、単独ライヴはというと、
今日が初めてだったのだ。
ライヴは観たことがなかったけど、
なぜか身近な懐かしい感じなのだ。
結成40周年の記念ライヴ。
現在のメンバーになって、
35年だという。
一人も欠けることなく
全員現役でいることはホントに素晴らしい。
清水さんが「あと何回このメンバーで
演れるかわからない」と言ってたけど、
ずっと続けて欲しいな。
1曲目、"ORIENTAL MAKIN' LOVE" に
始まって、"JASMIN" など。
(曲名が、ほとんど言えない。)
見た目、みんな年取ったけど
演奏は若々しい。
力哉さんのドラム・ソロが素晴らしい。
ギターの岩見さんは、
とてもきれいなエレキ・ギターの音を出す人。
ストラトタイプ(メーカー未確認)と
"JASMIN" でレスポール。
1曲でエレガットを使用。
置いてあったフルアコは使わず。
1st ショーでは弾いたのかな。
アンコールは、"BELIEVIN'" と
思いきや "METEOR"。
"BELIEVIN'" が聴けなかったのは
残念だったけど、"METEOR" も
好きな曲だったし、
ナニワの関係者だった人に、
ずい分前にこの曲のちょっとした
エピソードを聞いたことがあって、
少し思い入れのある曲です。
今日は、撮影OK。
[ MEMBERS ]
清水興 / Ko Shimizu (B)
岩見和彦 / Kazuhiko Iwami (Gt)
中村建治 / Kenji Nakamura (Key)
東原力哉 / Rikiya Higashihara (Dr)
青柳誠 / Makoto Aoyanagi (Sax、Pf)
@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show
2017.11.3
ロックの殿堂
ROCK & ROLL HALL OF FAME JAPAN
有楽町にて期間限定(2017年9月23日〜
2018年3月11日)で開催されている
「ロックの殿堂ジャパンミュージアム」に
行ってきた。
ロックの殿堂(ROCK & ROLL HALL OF FAME)と
いうのは、1986年に米国でスタートした
年に数組のみが殿堂入りするアワード。
私が知っているようなアーティストは
(たぶん)皆、殿堂入りしている。
オハイオ州クリーブランドには、
殿堂入りアーティストに関わる10万点以上の
展示品が保存される「ロックの殿堂」
ミュージアムがあるらしいのだが、
その日本版が開設されたわけだ。
まず入るとギターの部屋。
う〜ん、これは楽器店のようだ。
っていうか、ギブソンしか置いてないし。
ちょっと珍しいのもあったけど。
シアターでは週替わりで
20分ほどのライヴビデオ
(ROCK & ROLL HALL OF FAME 受賞時の
ものと思われる)が、上映されて
いるのだが、今週はなんと 94年殿堂入りの
The Band の "The Weight" と
93年殿堂入りの Cream の
"Sunshine of Your Love"、
"Born Under A Bad Sign"、
"Crossroads" の3曲。
先週は、あまり聴いてこなかった
CCR と The Doors だったことを考えると
これはラッキーだ。
"The Weight" には、蝶ネクタイをした
Clapton もゲスト(?)参加していた。
それから、展示はあんまり興味の湧かなかった
ポスタ―みたいなコーナーと、
あとは楽器と衣装。
衣装は、例えば テンプテーションズ の
スーツや、モーリス・ホワイトやスティング、
ロッド・スチュワート、ビヨンセなどの
ド派手な衣装のほか、
プレスリーのコートや
スモーキー・ロビンソンのジャケット
なんていう渋いものも。
写真は、ジャクソン5の衣装。
左から2つめの小さいのがマイケルのもの。
(2017.11.11 訂正:撮ってきた写真をよく見ると
左から2つ目はマイケルのものではなく、
マーロン・ジャクソンのものであった。
マイケルのものがどれかは撮ってきた写真では不明。)
楽器は、スティングやクラプトンが
実際に弾いていたベースやギターなど。
Eric Clapton Model Fender Stratcaster
90年代初頭のツアーで使用。
サミー・ヘイガーの YAMAHA。
スティングが83〜84年にツアーで使用した
Spector NS-2。
まあ、好きな人でないと
全く価値が分からない展示ばかり。
写真撮影は、OK。
休日なのにガラガラでした。
入場料:前売1800円 当日2200円
ROCK & ROLL HALL OF FAME
バリー・シール/アメリカをはめた男
American Made
トム・クルーズ主演の映画
『バリー・シール/アメリカをはめた男』。
観ようかどうしようか迷っていたのだけど、
この数年の彼の主演作は、大体観ているし、
(『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014)
『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』
(2015)『ジャック・リーチャー』(2016))
今回は、トムが私と同じ歳だと
いうだけの理由で観ることにした。
毎度、同級生とは思えぬいでたちのトムに
日頃の生活のストイックさを垣間見たね。
さて本作、予備知識なしで観たら、
現代の話ではなく、1970年代後半から
80年代半ばの実話を基にした作品だった。
日本語タイトルのバリー・シールは実在した人物。
この人が、お金の為にどんどんと悪事に手を染めていく。
もともとは TWA(トランス・ワールド航空)の
パイロット時代に、キューバ産の葉巻を
密輸していたところを CIA に目をつけられ、
CIA の中米偵察任務に着く。
そのうち、麻薬や武器を運ぶことになっていく。
そして、とんでもない額の金を稼ぐのだが、
これが実話だというのが凄い。
とてもじゃないけど、
平和な日本の小市民には信じられな世界でした。
アメリカってえげつない国です。
バリーは、ええ国やと言うてるけど。
★★★★☆
habanero
羽根渕道広 (ts,fl) & 馬場孝喜 (gt)
馬場さんのギターが好きで、
一時は追っかけのように
聴きに行ってたのに、
しばらくライヴに行ってなかった。
9月に聴きに行った「井上銘&馬場孝喜
ギターデュオ」が、
ずい分久しぶりのライヴだった。
で、ああ、やっぱり馬場さんのギターええなぁ、
もっとライヴ聴きたいなぁと思ったのでした。
CD は、「ウィリアムス浩子」や
「寶子久美子 & 馬場孝喜」、
「奥平真吾 The New Force +1」など
馬場さんが参加しているアルバムは、
一応チェックしているけど、
やっぱりライヴが良いね。
さて、今日は久しぶりの「habanero」。
サックス or フルートの羽根渕さんとのデュオ。
チェックしてみると、このデュオも過去に
5回観に行っているが一昨年の3月以来だった。
今日のハコは、渋谷の RHODES。
RHODES(エレクトリック・ピアノ)があるので、
そのまま店名になっているライヴハウスだが、
今日は、RHODES の演奏はなしね。
羊のハンバーグ食ったら、旨かった。
ハバネロ、2年半ぶりだったわけだけど、
やっぱり良いです、好きです、このデュオ。
オリジナル曲も、すでに聴きなれたメロディに
なっているし。
2nd では、観に来ていた女性シンガー(名前失念)の
飛び入り参加で "Wave"。
彼女がステージに出てから「何演る?」って感じ。
彼女が「Wave」って言う。
「キーは?」って訊かれて「わかんない」
すると、馬場さんが軽く弾き出す。
「高い」と彼女。
馬場さんがキーを下げる。
「まだ高い」
馬場さんがキーを下げる。
「まだ高い。So close your eyes 〜」と
唄い出すと馬場さんがそれに合わせ、
キーが決定。
これ、楽器演らない人には
分からないかもしれないけど、
凄いことです。
ある曲を12の全てのキーで
(楽譜も見ずに)弾けるということ。
おそらく、プロでも
誰でも演れることではないですぜ。
今年は「ハバネロ」では、もうライヴがないらしい。
来年また観に行こう。
今日は、1st と 2nd の間に馬場さんと
話ができた。
[ MEMBERS ]
habanero
羽根渕道広 (ts,fl)
馬場孝喜 (gt)
[ SETLIST ]
- 1st -
1. -4℃
2. Premontion of Love
3. Flavour
4. Duke Ellington's Sound of Love
5. Brazilian Kiss
- 2nd -
1. Where Are You
2. Wave(ゲストVoあり)
3. Corcovado
4. Snoopy's Siesta
5. Country
6. I Ask You A Question
EC. Nearness of You
@ RHODES (渋谷)
2017.11.4
すばらしき映画音楽たち
SCORE: A FILM MUSIC DOCUMENTARY
子供のころから、映画音楽は好きだった。
映画音楽なら何でもというわけではないのだけど。
はじめは美しいメロディや印象に残るメロディが
好きだったんだと思う。
そのうち映画が良ければ、
音楽を聴けばその映画の感動が蘇るという
体験もしていくわけだ。
テレビドラマも『太陽に吠えろ!』や
『東京ラブストーリー』のサントラを
買った覚えがある。
それらは、毎週毎週何度もドラマの中で、
聞かされるうちに特別なイメージが
出来上がり、好きになっていったんだと思う。
さて、今日はドキュメンタリー映画
『すばらしき映画音楽たち』を観てきた。
映画の裏方ともいえる、映画音楽に
スポットを当てたドキュメンタリー。
ちょっとマニアック。
これが予想をはるかに上回る素晴らしさで、
感動のあまり落涙。
ちょっと情報量が多すぎて、
インタビューが細切れな感じもあって、
ついていくのが大変なのだが、
内容は大変濃いい。
できれば、倍ぐらいの時間をかけて
ゆっく中味を吟味したい作品。
たくさんの映画音楽作曲家や関係者が
登場するのだが、作曲家で私が知っていたのは、
巨匠ジョン・ウイリアムズとクインシー・ジョーンズ、
あとランディ・ニューマンくらい。
でもそれ以外の人も、音楽を聴けば、
「ああ、あの映画の!」と知っている曲が
いっぱいあった。
映画監督は、スティーヴン・スピルバーグ、
ジェームズ・キャメロンと、これまた巨匠が登場。
映像は、付ける音楽によって、
その映像を観る観客の印象が変わることは、
何かのテレビ番組で検証していたのを
観たことがあり、知ってはいたけど、
本作を観て改めてその認識を強くした。
音楽は、映画にとって脇役的な要素も
あるのだけど、場面によっては、
映像と同等かあるいは時には
音楽のための映像である瞬間さえ
ありうると思ったね。
それぐらい映画にとって
音楽は重要なのだ。
映画の映像を見た作曲家は、
監督の指示にしたがって作曲をするわけで、
その時点ではすでに膨大な予算が
使われており、音楽の良し悪しは
作品の興行成績に大きく影響があるわけだ。
なのでそのプレッシャーは相当であることが
インタビューの中でも語られていた。
その中で一流の音楽を創っていくことは
物凄い才能なんだと痛感した。
若い頃、映画音楽の仕事をするのも
私の一つの夢だったけど、
とてもじゃないけど自分には出来ないと思った。
(当たり前や。)
正確にいうと、映画音楽を
創りたかったんじゃなくて、
自分が書いた曲が映画に採用されたら
いいなという程度の考えだったんだな。
『タイタンズを忘れない』の音楽を担当した
トレヴァー・ラビンは、その曲が映画以外で
使われるなんて思ってもいなかった。
ところが、オバマ大統領が勝利したときの
演説の BGM に使われた。
その場にいた友人からの電話で知ったらしいが、
「光栄だけど、無断使用だった」と
言ったのがアメリカ人らしいなと思った。
日本人なら「無断使用」の部分は
思っても 言わないんちゃうかな。
ひとつ気になったこと。
いっぱい映画が出てきたので、
何の映画の音楽だったか分からなくなったが、
「ホルン」と字幕が出て音を聞かせてる
シーンがあった。
「ホルンの音を上げるよ」と言って、
フェーダー(ボリュームのつまみ)を
上げるのだが、聞こえてくるのは、
「ホルン」ではなく、(ホルンも含まれている
のかもしれないけど)いわゆる「ホーン」の
音だった。
日本語で「ホーン」というと
トランペットやトロンボーン、ホルンなど
金管楽器を指す。
「ホーン・セクション」という時には、
サクソフォーンも含まれていることもある。
あの部分は、「ホルン」ではなく
「ホーン・セクション」のことを
言っていたと思う。
「ホルン」も「ホーン」も「HORN」と
書くので、背景が分からないと
訳すのが難しいんじゃないか。
まさか、この映画で音楽の知識のない人が
翻訳をしたとは思えないのだけど。(訂正 2021.6.19)
そこは、ちょっと気になったな。
もう一度観直したら
「フレンチホルン」と言っていました。
最後にジェームズ・キャメロン監督が、
『タイタニック』の音楽を担当した
故ジェームズ・ホーナーとのエピソードを話す。
ジェームズから「スケッチ」と書かれた
CDが送ってきたので、
レオナルド・ディカプリオが、
裸のケイト・ウィンスレットの
スケッチをするシーン用の曲だと思って
聴くと、まさにピッタリだったので、
キャメロン監督は、すぐにジェームズに
電話をしてそのことを伝えたそうだが、
ジェームズが、「スケッチ」と書いたのは
そういう意味ではなくて、
スケッチ的音楽、つまり試作品という
意味だったそうな。
映像と一緒になった音楽を聴いて、
ジェームズも納得したそうだが、
それならばオーケストラ用にアレンジすると
言ったそうな。
キャメロン監督は、
「いやいや、ピアノだけでいい」と。
するとジェームズは、一流のピアニストに
弾かせると。
キャメロン監督は、
「いやいや、あなたに弾いてほしい」と。
そして、あのシーンが完成した。
ええ話やなぁ。
それ以外にも映画音楽史上の
たくさんのエピソード。
音楽ファンであり、
映画ファンである私にとっては
本当に美味しい映画でした。
★★★★★
すばらしき映画音楽たち
[ 関連エントリー ]
2009.5.2 映画音楽
2011.1.17 映画音楽
2017.11.5
関内寄席 桂歌丸落語会
〜 桂歌丸が認めた若手噺家との共演会 〜
不謹慎かもしれないけど、
毎回、これが最後かもしれないと思いながら、
歌丸師匠の落語会に行っている。
前回は、今年の3月。
同じ関内寄席で、
酸素吸入器を付けての高座だった。
今日も、仲入り後の一席のみで、
どん帳が上がると高座に座っていて、
やはり酸素吸入器は付けたままの口演だった。
声を聴く限りは、とてもそんな状態とは
思えない口調で、またまた芸人魂を観ました。
演目は「ねずみ」。
名匠 左甚五郎の噺だ。
一席だけでは、独演会とは言いにくいからだろうか
「桂歌丸が認めた若手噺家との共演会」という
サブタイトル(?)が付いていた。
その若手とは前座の三遊亭金の助。
何度か観ているがいつも渋い演目の柳亭小痴楽。
今日は「花色木綿」という 初めて聴いた演目。
そして、昨年3月のの歌丸落語会にも
出演していた三遊亭遊雀。
昨年と同じく「蛙茶番」。
この人は、若手じゃないけど。
それから色物は、ボンボンブラザースでした。
[ 演 目 ]
「大安売り」 三遊亭金の助
「花色木綿」 柳亭小痴楽
太神楽 ボンボンブラザース
「蛙茶番」 三遊亭遊雀
〜 仲入り 〜
「ねずみ」 桂歌丸
@ 関内ホール 大ホール(横浜)
関内ホールは、2013年 3月に初めて
歌丸師匠を聴いたホールで、
それが私が落語にハマるきっかけになった。
それから関内ホールへは、
この5年間にちょうど10回通った。
ほとんど歌丸師匠の落語会だが、
小朝師匠の落語会にも一度。
その関内ホール、今月12日をもって
いったん休館となる。
1年間ほどかけて、改修工事が
行われるのだ。
落語会には残響が強く、
噺家によっては聞きにくいこともあったので、
そのあたりが改善されると嬉しいな。
ただ、クラシック音楽を演るとなると
よく響く方が良いので、
その辺はどうなんだろう。
ゴッホ 最期の手紙
LOVING VINCENT
2010年に国立新美術館で開催された
ゴッホ展で「アイリス」を観た。
絵画を観て、あんなに感動したのは、
あれが最初で最後だ。
魂が震えるとか、心を鷲掴みにされるとか
いうのは、ああいうことを言うのだと思う。
今日は、そのゴッホを描いた映画
『ゴッホ 最期の手紙』を観てきた。
本作、なんと “動く油絵” の映画。
ゴッホのタッチで描かれた
ゴッホの物語なのだ。
実際に撮影した映像を125名の画家たちが、
ゴッホのタッチで油絵に描いてアニメーションに
仕上げたのだ。
その数、62,450枚というから、
気の遠くなるような作業だ。
そして、回想シーンはモノクロの水彩画タッチと
2つのタッチを使い分けて描かれている。
まず、製作陣の「ゴッホ愛」に感動。
ゴッホの油絵が動く様子は、
観る価値があるよ。
ストーリーは、ゴッホの謎の死に迫る
サスペンス・タッチ。
今となっては真実は闇なのだけど、
映画では一応の決着がつけられている。
それが、ゴッホの苦悩を描き出しており、
哀しく苦しい。
エンディングに流れるのは、
Lianne La Havas の歌う "Starry Starry Night"
(別名 "Vincent")。
これまた涙を誘います。
歌詞は、ゴッホにあてた内容で、
ここに素敵な訳詞があります。
英詞はこちら。
ひとつ気になったのは、「Vincent」が
字幕では「フィンセント」となっていたこと。
映画のオフィシャルサイトでも
「フィンセント」となっているし、
検索しても多くのサイトで
「Vincent van Gogh」が、
「フィンセント・ファン・ゴッホ」と
記述されているので、オランダ語(?)では
「V」は濁らないのかも知れない。
でも、音は「ヴィンセント」って
聞こえてたんやけどなぁ。
ま、大したことちゃうけど。
★★★★▲
ゴッホ 最期の手紙 予告編
[ 関連エントリー ]
2008.12.14 Vincent
2010.10.23 ゴッホ展
2017.11.7
バロック時代の音楽
「バロック時代の音楽」というタイトルの
コンサートに行ってきた。
出演は、フルートとギターとピアノという
珍しいトリオ編成。
(もしかしたら、クラシック界では
珍しくないのかも。)
フルートは、今年に入って出会い、
何度かライブも演った、
「あずっち」こと恒松あずささん。
バロック音楽というのは、
始まった途端にその場が
厳かな雰囲気になる。
聴いている自分が高貴でなくても、
背筋が伸びるというのかな。
トリオ、フルートとギターのデュオ、
フルートとピアノのデュオ、ピアノ・ソロ、
ギター・ソロ と5通りの組み合わせによる
演奏が聴けて楽しめた。
本編最後のヘンデルの歌劇からの曲が
大変大きな曲で印象に残ったね。
[ MEMBERS ]
恒松あずさ (fl)
深沢みなみ (g)
三浦真理子 (pf)
[ SETLIST ]
1. パッヘルベル / カノン (fl, g, pf)
2. バッハ / リュート組曲第4番 BWV1006 よりプレリュード (g)
3. バッハ / フルートと通奏低音のためのソナタ BWV1033 (fl, g)
4. ヘンデル / 調子のよい鍛冶屋 (pf)
5. バッハ / フルートとチェンバロのためのソナタ BWV1030 (fl, pf)
6. ヘンデル / 歌劇「エジプトのジュリアス・シーザー」より "この胸に息のある限り" (fl, g, pf)
EC. ヴィヴァルディ「四季」より "冬" と「アナと雪の女王」より "Let It Go" のミックス (fl, g, pf)
@ 六本木シンフォニーサロン
ちょっと残念だったのは、カメラのシャッター音。
カメラマンを頼んでいたのだろう、
カメラを3台持ったカメラマンが、
最前列でカシャッ、カシャッ、カシャッと
シャッターを切る、切る、切る。
気にならない人は全く気にならないのだろうが、
私はダメだ。
もうコンサートが始まる前から、
カメラマンを見つけたときに、
もしかしたら・・・と思っていたほどだもの。
で、予想通り。
何度も何度も音楽に集中しようと試みるのだが、
もうどうしようもないくらい
シャッター音が耳に入ってくる。
コンサートの最初から最後まで。
これは私の修行不足もあると思うけど、
あんな繊細な音楽をやる時は、
写真を頼む方も引き受ける方も考えて欲しいな。
そういえば以前、録音エンジニアの
友人からこんな話を聞いた。
やはりアコースティックなコンサートの
録音の仕事に行った時、
カメラのシャッター音が邪魔で会場から
カメラマンを追い出したってさ。
そら、録音したものにシャッター音が
入ってたらアウトやもんな。
2017.11.8
日本橋劇場落語会
春風亭三朝 真打披露
春風亭一朝師匠の弟子の朝也が
今年3月に真打に昇進し、
春風亭三朝と名前も改めた。
その真打昇進披露公演。
3月に昇進したのに
まだ真打昇進披露公演が
続いているのだな。
人によるだろうけど、
一体、どれくらい(の回数)
演るんだろう。
三朝の落語は、二つ目の朝也時代に
二度聴いているのだが、
一度目は印象がなく、このひとりごとにも
何も書いていない。→ 2015.10.29
二度目は、昨年3月に「愛宕山」を聴いた。
「表現が難しい噺だと思うが、
安定した芸に感じた」と書いているので
中々良かったんだろう。→ 2016.3.4
二度とも、一之輔 目当ての落語会で
聴いている。
そういうわけで 特に三朝のファンと
いうわけではなかったが、
真打昇進披露公演や襲名披露公演と
いった記念公演は、特別な話が聴けるし、
その時にしか観られない公演なので、
特に大好きな噺家でなくても、
行ける時は、行きたいと思っている。
結構、面白い話が聴けるのだ。
今日は、一之輔(三朝の兄弟子にあたる)も
出るしね。
開口一番、春風亭一花の「子ほめ」に
続いて、林家つる子。
三朝の大学(中央大学)時代の
落研の後輩とのこと。
演目は新作で、初めて聴いたが面白い。
噺も良く出来ている。
続いて、桂やまと。
この人は三朝の大学の落研の先輩とのこと。
先輩にも後輩にもプロがいるって凄いなぁ。
そして、師匠の一朝の「妾馬」のあと休憩。
口上では、つる子が司会をし
一之輔・やまと・一朝・三朝の順に挨拶。
三朝は二つ目時代に、一之輔・やまとの
真打昇進時の番頭を務めており、
その話から、大変に頼りになる
しっかりした人物であることが伺えた。
やはり、真打昇進披露の口上は面白くて
値打ちがある。
続いて一之輔の短めの「代書屋」。
もっと聴きたかったけど、仕方がない。
トリは主役 三朝の「富久」。
どちらかというと正統派な印象。
落ち着いた芸風で、一之輔が
一朝一門で一番師匠に似ていると
言ったのも分かる気がする。
休憩挟んで2時間40分。
たっぷりな内容でした。
[ 演 目 ]
「子ほめ」 春風亭一花(前座)
「スライダー課長」 林家つる子
「宮戸川」 桂やまと
「妾馬」 春風亭一朝
〜 仲入り 〜
口上 つる子・一之輔・三朝・一朝・やまと
「代書屋」 春風亭一之輔
「富久」 春風亭三朝
@ 日本橋公会堂(日本橋劇場)
2017.11.9
クラクション鳴らしますか
高速道路のサービスエリアで
駐車の仕方を注意されたことに
腹を立てたドライバーが、
東名高速道路の追い越し車線で
無理矢理その車を止め、
言い合っているうちに後ろからきた
トラックに追突され、2人が死亡という
痛ましい事故が起きた。
車を止めたドライバーは、
危険運転致死傷罪などで起訴されたが、
車を止めたあとの事故なので、
どうなるかは注目されているところだ。
あの事件以来、道路上のあおり運転や
トラブルについて、スポットを当てた
テレビ番組や記事をいくつか目にした。
例えば「人はハンドルを握ると別人格になる」と
いったものなどだ。
昨日は、こんなニュースも観た。
後ろを走っていた車にハイビームに
されたことに腹を立て、
5キロにわたって あおり運転をしたうえ、
信号待ちで止まった相手の車の
窓ガラスをたたき割り、
車外に引っ張り出して暴力を振るった男が
逮捕された。(事件は9月に発生。)
先日、たまたま観たテレビ番組では、
高速道路で前の車と車間距離を縮め、
明らかにあおっていると見える車が、
追跡する覆面パトカーに止められ、
反則切符を切られていた。
「車間距離不保持違反」という違反だ。
反則金は9,000円で、点数は2点。
信号無視と同等だ。
2009年に施行されたようだが、
こんな違反があることも知らなかった。
追跡するパトカーには、
特殊な計測器が積まれており、
前を走る違反車とその前を走る車との
車間距離を測定するのだ。
私は、自分の反射神経が優れているとは
思えないので、車間距離は 比較的
長めにとる方だ。
高速道路で、
「よくあんな車間距離で走るなあ。
前の車、急ブレーキかけたら
完全に追突するで」と
思うような車間距離で走る車を
時々目撃する。
ところが、自分の前の車間には
敏感だが、後ろに対しては、
ぶつかるのが自分ではないからか、
前との車ほどの注意を払っていない。
ぶつからないけど、ぶつけられるんだから
同様にもう少し注意を払わねばね。
日本人は世界的に見ても
温厚で親切で秩序正しい民族の
ように思うのだが、これがいったん
車で道路に出るとそういうわけでも
ないようだ。
キレる人間が増えているのか、
以前からそうなのかは分からないけど、
なんとなく増えているような気がする。
日本では、青信号になったのに
発車しないでいると、ほんの数秒で
後ろの車にクラクションを鳴らされる。
これは信号が変わったことに
気付いていないドライバーに
「信号が変わりましたよ」と
発車を促すサインと言えるが
解釈を変えれば
「何ノロノロしとんじゃ!
さっさと行け!」という
サインでもある。
その辺は、クラクションの
鳴らし方にも違いがあるだろうし、
鳴らされた側の感じ方の
違いでもあるだろう。
とても興味深い記事を読んだ。
その記事には、アメリカ(西海岸)では、
そういう状況でもクラクションを
鳴らさないと書いてあった。
アメリカ人に訊くと
「鳴らすわけないだろう」と
笑って返されたという。
その理由が「なるほどね〜」と
いうもので大変興味深かった。
記事は、こちら。
↓
あおり運転問題で日本人は欧米に学べることがある
2017.11.11
JULIAN LAGE & CHRIS ELDRIDGE
ジュリアン・ラージ & クリス・エルドリッジ
今年の1月にその公演 を観に行って、
予想していなかった琴線に触れる演奏に
落涙してしまったジュリアン・ラージが、
再び来日中だ。
前回は自身のトリオで ジャズだったが、
今回は、クリス・エルドリッジという
アコギのギタリストとのデュオで、
コットンクラブで今日から3日間公演。
彼らは今年『Mount Royal』という
デュオ名義のアルバムをリリースしたのだ。
クリスのことは、知らなかったのだけど、
「PUNCH BROTHERS」という
ブルーグラスのバンドでも活動しているギタリスト。
ちょっとチェックしてみたが、
この「PUNCH BROTHERS」が凄い。
カッコ良い。
ちょっと聴いただけだけど、
私の思っていた「ブルーグラス」という概念は
ひっくり返ってしもた。
そもそも「ブルーグラス」のことなど
ほとんど知らないのだけど。
ジュリアンには1月の来日公演時にも、
カントリー・ミュージックの匂いを
感じていたけど、こんなデュオを演るとはね。
CD を聴く限り、このデュオは
カントリーっぽい曲もあるけど、
ちょっとアイリッシュの匂いがしたり
ニューエイジ的だったりと
カントリーに留まらない広がりも感じる。
YouTube をチェックすると、
2013年にアップされたデュオの
ライヴ動画 があった。
つまり、2人は今年発売された CD が
初共演ではなく、何年も前から
ライヴをしていたということになる。
さて、ライヴではどうだったか。
CD で聴いた以上に素晴らしかった。
完璧に調和のとれた演奏だった。
2人ともマーティン・タイプのアコギ。
ジュリアンのギターは、ヘッドのロゴまでは
読めなかったけど、あの角ばり方は
コリングスだろう。
ジュリアンは、コリングスで
シグネチャーモデルを作ったので、
たぶん間違いないと思う。
このギターが、素晴らしい音だった。
単音時の太さ、適度なふくよかさ
暖かさは、特筆するものがある。
もちろん、ジュリアンの弾き方も
大きく関係しているだろうけど。
YouTube に上がっている今年の
2人のライヴ動画では、
クリスは、かなり塗装の剥げてきている
マーティンを使っているが、
今日のクリスのギターはそれではないと思う。
こちらもヘッドのロゴまでは読めず。
ギターをステージに置いて行ってくれたら、
終演後、前まで見にいくのだが、
2人ともステージを降りる際、ギターを
持って行ったので確認できなかった。
ジュリアンの OM タイプに対し、
クリスのギターは、ドレッドノート・タイプ。
こちらは、どちらかというと乾いた音。
楽器の「鳴り」でいうと
明らかにジュリアンのコリングスが
鳴っていたが、2人でコリングスを弾く
最近の動画があったので、クリスのギターも
コリングスだった可能性大。
上記の動画では、1本のマイクを
2人で挟んで演奏しているが、
今日のライヴでも同じだった。
ギターは、ピックアップの
着いていない純粋なアコギで、
2人は立って、マイクを挟み、
マイクとの距離と指先で、音量を調節し、
完璧なバランスを聴かせてくれた。
「マイクとの距離」というのは、
伴奏に回った時に少し(20〜30cm)
後ろに下がるのだ。
クリスは、数曲ヴォーカルも取ったが、
それもそのマイク1本。
この歌声が、カントリー調の曲に
非常にマッチしている。
また、この動画のように、
2人はすごく互いを見ている。
よくあんなに見つめあえるなぁと思うほど。
そして、特にクリスは、嬉しそう。
時々、笑う。
もう、何度も何度も一緒に
演奏しているのに、
初めて一緒に演奏したかのように
ジュリアンのフレーズに反応する。
この人たちは、練習してきたことを
ステージで「再現」しているのではなく、
その場で、音楽を「クリエイト」しているのだと
いうことがハッキリ分かる。
本当に美しいデュオでした。
私の英語のヒアリングが間違ってなければ、
「アメリカ以外で演奏するのは
今日が初めて」と言っていたように思う。
[ MEMBERS ]
Julian Lage (g)
Chris Eldridge (vo,g)
@ COTTON CLUB
12月には大好きな マーティン・テイラーが
ウルフ・ワケーニウスとのデュオで来日する。
コットンクラブでは、
ジュリアン・ラージ & クリス・エルドリッジ の
公演とマーティン・テイラー&ウルフ・
ワケーニウスの公演、両方を予約すると
6,800円+7,000円=13,800円のところ、
ふた公演で 10,000円というスペシャル・
プランを用意してくれた。
もちろん申し込みました。
2017.11.12
純正律と平均律
中学の物理の時間に、
振動する弦の長さが半分になると、
周波数が2倍になるということを習った。
周波数が2倍というのは、音楽的に言うと、
1オクターブ高くなるということだ。
私は当時すでにギターを弾いていたので、
このことを習った時に
非常に腑に落ちた覚えがある。
ギターの場合、6弦を例にとると
開放弦の「E(ミ)」の音は、
12フレットで1オクターブ上の
「E(ミ)」音になる。
当時の私には、そこ(12フレット)が
弦のちょうど半分だということが、
見た目にも納得だったわけだ。
さて、YouTube で面白い動画を見つけた。
純正律と平均律の違いの説明だ。
興味のない人には、
まったく面白くない話だろうから、
観なくてよいけど。
純正率と平均律の違いを体感しよう
(タイトルの「純正率」は「純正律」の間違いと思われます。)
上の動画を観た後に
次の動画を観るとより違いが理解できます。
平均律vs純正律シリーズ 純正律の調律を体験しよう
2017.11.13
Ryuichi Sakamoto: CODA
坂本龍一を5年間に渡り取材した
ドキュメンタリー映画、
『Ryuichi Sakamoto: CODA』。
「CODA(コーダ)」というのは、
音楽で楽曲の終結部分のことをいう。
意味深である。
監督は、日米のハーフで、東京生まれ
東京育ちのスティーブン・ノムラ・シブル。
冒頭、東日本大震災で津波を被った
ピアノとの出会いから始まる。
そして続く、陸前高田の避難所における
演奏『Merry Christmas Mr Lawrence』が凄い。
ピアノとチェロとバイオリンという
トリオなのだが、これがフルオーケストラか
ラウドなロック・バンドのように力強い。
そして、この曲の持つ普遍的な
美しさと力にノック・アウトされる。
以下、ネタばれ含みます。
津波を被ったピアノは調律が狂っている。
しかし、坂本はそれを
「狂っているのではない。自然が調律したのだ」
という。
音楽家として、人工的(?)な音楽を創り続け、
あるレベルに達すると、
何か違うステージに行くのだろうな。
坂本は、私なんぞ理解できないところで
「音」と関わっているのだと思った。
「理解できない」と書いたけど、
北極の雪が解けて川になって流れる水の音を
坂本が「私が知る限り最も純粋な音」と
形容した時には、その音を聴きながら
ぶるぶるっと震えたので、
何か感じているのかもな。
坂本は、2014年、この映画の撮影中に
中咽頭(ちゅういんとう)癌と診断される。
それが、彼の生き方や音楽制作に
大きな影響を与えたであろうことは、
容易に想像できる。
復帰後の最初の仕事は、映画
『レヴェナント: 蘇えりし者』の音楽。
『バードマン あるいは(無知がもたらす
予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞を
受賞したアレハンドロ・ゴンザレス・
イニャリトゥ監督の作品だ。
アカデミー賞を受賞した監督の次の作品なんて
やりたくてもやらせてもらえるような
仕事ではない。
彼は、「ノーと言えなかった」と
語っているが、結局 やりたかったんだろうな。
これは、アーティストの性ですよ。
坂本の映画音楽のキャリアは、
『戦場のメリークリスマス』(1983年)がスタート。
それで英国アカデミー賞作曲賞受賞し、
『ラストエンペラー』(1988年)で日本人として初めて
アカデミー賞作曲賞を受賞した。
本作では、それらの制作時のエピソードも
交え、興味深い話も満載だ。
『シェルタリング・スカイ』の時には、
レコーディングの場になって、
ベルナルド・ベルトルッチ監督が、
「このイントロは気に入らないから
変えてくれ」と言ったそうだ。
スタジオには40人のオーケストラが
レコーディングのスタンバイをしている。
坂本は「今からそれは無理です」と言うと監督は
「そうなのか? エンニオ・モリコーネは
その場ですぐに書き換えたぞ」
と言ったらしい。
そう言われては、やらないわけにはいかない。
楽団員に「30分待って」と言って
その場でイントロを書き替えたのだという。
書き直せという方も、書き直す方も
超プロフェッショナルだ。
先日の『すばらしき映画音楽たち』でも
映画音楽に携わる人たちの
そのプロフェッショナルな仕事を
垣間見たけど、坂本龍一も然り。
締め切りが近付くと、やっぱり、
途中で投げ出したくなるって言ってた。
その他、イエローマジックオーケストラの
ライヴ映像や、若い頃のインタビュー映像も
交えてミュージシャンとしてだけではなく、
一人の人間としても大変興味深い
ドキュメンタリーだった。
私は特に坂本龍一のファンというわけでもなく、
CD も過去に1枚しか買った記憶がない。
でも、これを機会にもっと彼の音楽を
聴こうと思う。
まずは、今年の新譜『async』を注文した。
来年1月には、今年4月に NY 行われた
200人限定のライヴが映画になって上映される。
『坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK:async』
★★★★☆
Ryuichi Sakamoto: CODA オフィシャルサイト
[ 参考記事 ]
坂本龍一、病み上がりで挑んだ映画音楽「死ぬ覚悟だった」
坂本龍一ドキュメンタリー、監督「“音”で感じられる映画に」
坂本龍一 「いい映画に音楽はいらない」 映像と音の関係を語る
2017.11.14
マイ・フーリッシュ・ハート
南 博 (著)
ジャズ・ピアニスト 南博氏の3冊目
『マイ・フーリッシュ・ハート』を読んだ。
1冊目は、ジャズとの出会いから
バブル期の銀座の高級クラブでの
ピアニスト時代のエピソードを綴った
『白鍵と黒鍵の間に
ジャズピアニスト・エレジー銀座編』。
2冊目は、銀座でピアノを弾いて貯めたお金で
アメリカのバークリー音楽大学へ留学していた
頃のエピソードを綴った
『鍵盤上のU.S.A.
ジャズピアニスト・エレジー アメリカ編』
2冊とも面白かったが、3冊目も然り。
これは、南氏が人生という楽曲の上で
自分をインプロヴァイズしてきた記録でもある。
誰であっても人生は、
いわば即興で生きているのだが、
そこに色んな望まぬ要素も絡んで来て、
思わぬ方向に転がったり、また時には
幸運に恵まれたりする。
人それぞれにそれを支えるものが
あるのだろうけど、氏の場合は、
「音楽」とその「仲間」が、
ある意味、人生のガイドとなり、
今にたどり着いているのだと思った。
ある意味、その三部作の完結編的
位置づけに感じたね。
最後は、ちょっと感動して泣いてしもたよ。
マサシ君という人が登場する章があるのだけど、
これがなぜか数か所「サトシ君」になっている。
明らかに編集か校正のミス。
内容とは直接関係ないけど、こういうのは
どうかと思うなぁ。
小説で言えば、登場人物の名前を
間違ってんねんからね。
先日、初めて観に行った氏のライヴは、
思っていたものとは違ったので、
ぜひ "My Foolish Heart" を含めて
スタンダードの演奏を聴きたいと思う。
★★★★▲
2017.11.15
TAPESTRY: LIVE IN HYDE PARK
CAROLE KING
ポップスの歴史に残る、キャロル・キングの
アルバム『TAPESTRY(つづれおり)』は、
1971年にリリースされ、すでに世界で
2,500万枚を売上げ、今も売れ続けているという。
音楽に詳しくない人でも、
必ず数曲は、聞いたことがある曲が
含まれるだろうモンスターアルバムだ。
昨年7月、ロンドンのハイド・パークで
その『TAPESTRY』を全曲演奏するという
コンサートが開催された。
収録曲12曲を全部演るというコンサートは、
今までに一度もなく、これが初だったらしい。
12曲は、LP の曲順通りの順番で演奏された。
その模様を収録したのが、このアルバムで
CD と DVD(またはBlu-Ray)が
セットになっている。
CD はすでに聴いており、内容の素晴らしさは
知っていたけど、ようやく DVD の映像を観た。
コンサートは、野外フェスでドン・ヘンリーとかが
出演したあとのトリだったようだ。
冒頭、トム・ハンクス、エルトン・ジョン、
グレアム・ナッシュ、ジェイムス・テイラーらが
ビデオでキャロルに賛辞を送る。
(この部分は、CD には入っていない。)
そして、キャロルの登場。
74歳!
元気です。
素晴らしいです。
時々、声がしんどいところもあるが、
こうなると そんなことは大したことではない。
時折、スクリーンに映る、
若かりし頃のキャロルがまたかわいい。
"Where You Lead" では、
娘 ルイーズ・ゴフィンも登場。
親子デュエットを聴かせてくれた。
ルイーズの父親は、キャロルと一緒に
数々のヒット曲を書いたジェリー・ゴフィン。
8月に観たキャロル・キング・ミュージカル
『BEAUTIFUL』では、キャロルとジェリーの
出会いから離婚、そしてこの『TAPESTRY』が
どのように作られていったのかが描かれていた。
そのジェリーも2014年に他界した。
ジェリーはどんな思いで、天国から
このコンサートを観ていたのだろう。
聴衆は6万5千人。
この場にいられた人は、ホンマにラッキーです。
キャロル、日本にも来てください!
(最後の来日は、2010年)
今度は、必ず観に行きます!
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2017.11.17
我が師、おやじ・土門拳
写真家・土門拳の一番弟子・牛尾喜道氏と
二番弟子・藤森武氏が、
師匠とのエピソードを 2014年から
2年間アサヒカメラに連載したコラムを
まとめた『我が師、おやじ・土門拳』。
読み終えて、タイトルが
「わが師・土門拳」ではなく、間に
「おやじ」という言葉が入っている意味が
よく分かった。
牛尾氏は、土門が50歳(1959年)の時、
藤森氏は、土門が53歳(1962年)の時に
とった内弟子だ。
(牛尾氏は18歳、藤森氏は20歳だった。)
一番弟子、二番弟子と書かれてはいるが、
それ以前の土門拳の弟子の数は、
分かっていない。
たぶん、土門本人にも分からないだろうと
いうことだ。
土門拳については、数冊本を読んでいたので、
その写真への情熱と厳しさは、
ある程度知っていた。
この本を読んで 新たに土門拳の
人としての魅力も知ることができたが、
強烈だったのは、師弟関係の絆と
弟子たちの写真と師匠へのコミットである。
弟子たちには、撮影中にたびたび
土門から拳骨が飛んできたという。
あるいは、ステッキが向こうずねに
入ろうとも、弟子たちは痛みをこらえ、
土門の撮影の助手を続けた。
2〜3ヶ月前、ジャズ・ミュージシャンの
日野皓正氏が指導した中学生が本番中に
アンサンブルを乱したので体罰を与えたと
マスコミが騒いだ。
中学生と 大人になって弟子入りした
牛尾氏や藤森氏とを
一緒にしてはならないと思うし、
時代に50年以上の開きがあるので、
世の中の同意も常識も変わってしまっている。
土門の言動は、現代なら「パワハラ」と
言われるかもしれない。
そして、暴力は良くないと思う。
それでも、弟子たちにとっての
この修行時代が、彼らを一人前に
育てたように思えてならない。
何よりも、師匠を語る二人の言葉からは
師匠への感謝しか読みとれず、
怒鳴られたことや殴られたことへの
恨みは微塵もないのである。
そして、土門がそういう言動に出たことに
対しても全ては、自分が助手として未熟で、
先生の足を引っ張っていたからだと
100% の責任を取っているのだ。
一切の責任転嫁がない。
二人の言葉からは、師匠への尊敬と
愛しか感じられないのである。
それはひとえに 土門の器の大きさであり、
人柄であることも疑いようがない。
とはいうものの、それは本書の感想として
感じることであり、私であれば、
3日も持たなかったであろうと思う。
牛尾氏の弟子入りのエピソードを読むと、
こんな人の弟子になんかなるもんかと
思ったかもしれない。
そういう低い次元では語られない、
もの凄い世界があったのだと思う。
以前、笑福亭鶴瓶が語る、松鶴師匠の
話を聴いて、そんな風に 信頼できる、
全てを預けられる師匠を持てた人は、
幸せだなと思ったことがあるが、
土門拳もそういう師匠であった。
牛尾氏は、土門との関係を
「師匠と弟子を超えて、親以上に、
親と子の間柄で結ばれている」と書いている。
土門の拳骨で頭が少し陥没しているという
藤森氏は「昔に戻ったら、もう一度
土門の弟子をやりますか?」という問いに
「今度はもっとうまくやる」と答えている。
★★★★★
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2017.11.19
MARCUS MILLER
Live At L'Olympia Bruno Coquatrix,
Paris, France April 6th 2016
昨年4月に行われたフランスはパリの
オランピア(L'Olympia)というホールでの
マーカス・ミラーのライヴ DVD を鑑賞。
いわゆるコレクターズ盤(ブートレッグ)だが、
オーディエンスによる撮影ではなく、
おそらくフランスのテレビ用に撮られたものだろう、
完全なプロショットの上、エンドロールまで
ついている。
映像は、アンコールを求める大歓声と
手拍子で終わっており、この続きが
あるような気がしてならないが。
メンバーは、昨年9月、今年1月の
来日時とは 少し違っている。
Marcus Miller (b,bcl)、Alex Han (sax)、
Alex Bailey (ds) は同じだが、
キーボードが、Caleb McCampbell ではなく
Brett Williams。
トランペットが、Marquis Hill ではなく、
スペシャル・ゲストとして
Renaud Gensane(マーカスの発音は、
「ホノゥ・ジャンサン」と聞こえる)。
フランス人でしょうかね。
それ以外に曲によって、アフリカの民族楽器の
プレイヤーや、ギター、シンガーも
交えての大セッション。
84分ほどの内容だが、観客は大満足であろう
素晴らしい演奏だ。
マーカスは、Fender のいつもの4弦。
"Goree" という曲でバス・クラリネットと
メーカー不明の5弦フレットレスを使用。
その曲では、途中でダンスも!
相変らず、アレックスの切れたソロ。
この人、いいなぁ。
長くマーカスのバンドにいるけど、
きっと辞めたくないんだろうな。
他のメンバーは数年で、
卒業(?)していくのにな。
マーカスの MC はフランス語。
それも、「コンバンワ〜トーキョウ」とかの
レベルではなく、ちゃんと話している。
一体、いつ勉強するんやろなぁ。
若いころに習得してるのかもな。
身体つき見てもちゃんと鍛えてそうやし。
一流の人は、きっと時間の使い方からして
違うんでしょな。
この DVD はアタリでした。
----------
と、ここままで書いて、何か情報がないかと
ちょっとググってみると、
なんと!YouTubeに 間違いなく
この DVD のあとのアンコールの映像が!
しかも 25分も!
その動画には、「Olympia 2016」と
あるだけで、日付はないのだが、
なぜ、同日と間違いないと言えるのかというと、
DVD の終わりにアンコールの手拍子をする
観客が映っているのだが、
動画は、その手拍子の映像で始まっているのだ。
11人で ちょっと聴いたことのない、
アフリカン "TUTU"。
そして、6人で "Blast"。
マーカスのソロもイってます。
Marcus Miller - Tutu & Blast - Olympia 2016 - LIVE
[ MEMBERS ] 仏語表記のようだ。
MARCUS MILLER (basse - clarinette basse)
ALEX HAN (saxophone)
BRETT WILLIAMS (claviers)
ALEX BAILEY (batterie)
RENAUD GENSANE (trompette)
AZIZ SAHMAOUI (n’goni - chant)
HERVE SAMBE (guitare)
ALUNE WADE (chant - basse)
ADHIL MIRGHANI (percussions)
CHERIF SOUMANO (kora)
("TUTU" の途中で登場するパーカッションは
名前がないようだ。)
2017.11.22
小島良喜
KANREKI 60th LIVE
今日はブルースアレイで、
小島さん(ピアニスト)の還暦ライヴ。
11月22日、今日が誕生日だった。
小島さんは、色んな人(例えば、Char、
高中正義、今井美樹、井上陽水、桑名正博、
浜田省吾、など)のバックを務めてきたので、
彼の名前を知らなくても知らないうちに
そのプレイを聴いているだろう。
私が、小島さんのピアノを
初めてナマで聴いて、
好きになったのは、1996年に
日比谷野外音楽堂で行われた
「Lightning Blues Guitar Live」だった。
ギタリストが大勢出演するそのライヴでも
小島さんのブルース・ピアノは、
めちゃくちゃカッコ良かったのだ。
それから、Char さんのバックも
されるようになった。
金澤英明、鶴谷智生との「コジカナツル」の
ライヴにも数回足を運んだし、
小島良喜・佐山雅弘ピアノデュオなんてのも
観に行ったことがある。
昨年、今年は、高中正義のライヴでも
ええピアノ・ソロを聴かせてくれた。
2008年には、初のリーダーアルバム
『Kojima』を発表。
浜田省吾の『片思い』がまるで
ジャズ・バラードになっているのには驚いた。
さて、今日のライヴのメンバーは、
「スペシャルゲスト」としか
発表されておらず、誰が出演するのか
分からず、勝手に、豪華な面々が
出るんやないかと期待していた。
もしかしたら、久しぶりに
コジカナツルが聴けるかもしれないし、
Char さんだって、
可能性がないわけではない。
明日、大阪でライヴがあるので、
たぶんないだろうと思ってたけど。
行ってみると開演前のステージには、
スタインウェイのピアノと
JC(ローランドのギターアンプ)が
あるだけで、ドラムやベースの
セットは見当たらない。
そうか、考えてみれば、
バンドである必要なく、
ソロ・ピアノだって良いわけだ。
常々、小島さんのソロ・ピアノを
聴きたいと思っていたんだし。
開演前にレジの前を通った時、
CD が積んであるのを発見。
『KOJIMA SOLO PIANO ANTHOLOGY』
とある。
知らなかった。
こんな CD が出ていたこと。
即、購入。
裏を見ると「2016.11.22」とある。
そうか、去年 59歳の誕生日に
リリースしていたのか。
ステージの JC の横には、
ビグスビー付きのテレキャスタイプの
ギターが置いてある。
たぶんだけど、兵庫県にある Sago という
メーカーのものだと思う。
誰が弾くんだろう。
ゲストが楽しみだ。
結構、お客さんは入っている。
定刻を10分ほど過ぎて、小島さん登場。
「今夜は、60歳になれなかった
人達のことを想い演奏します」とのこと。
ソロ・ピアノでスタートだ。
1曲目、夫婦喧嘩のあとに作った『懺悔のワルツ』と
言ってたけど、CD に入っている
『Waltz in Sorrow』だと思う。
2曲目は途中からリチャード・ティーっぽい
弾き方になり、しまいにはリチャードが
乗り移ったかのような瞬間もあった。
続いて『マイ・フーリッシュ・ハート』。
いいねぇ。
4曲目は、速いスゥイング。
1st ショーの最後はブルージィな
スロー・ナンバー。
この人のピアノは、色っぽいなぁ。
特にスローナンバーが響くなぁ。
5曲で、1時間ほど演って休憩。
2nd ショーは、まず、
スペシャルゲストの紹介。
数年前、アルゼンチンのブルース・ギタリストに
日系4世のアーティストを
紹介されたらしい。
連絡は取り合ったものの、
彼女は中々来日のチャンスがなかったのだが、
いよいよ、このタイミングで
来日することになり、
それならば、一緒に演ろか、という
ことになったらしい。
ひいおじいちゃんが、移民でアルゼンチンに
渡ったらしく、彼女にすれば
やはり自分のルーツでもある
日本に来たかったようだ。
名前は、Florencia Horita。
ひいおじいちゃんが
「堀田さん」だったんだろうか。
小島さんは、今、熊本在住らしいのだが、
なんとフロレンシアのひいおじいちゃんは、
熊本からアルゼンチンに渡ったのだという。
そんな不思議な縁もある、
小島さんとフロレンシア。
見た目は、すらっとした美人なお姉さん。
まだ20代のようだ。
その彼女がギターを抱えて、弾き語り。
1曲目でおじさんは、やられたね。
"A Change Is Gonna Come" ですぜ。
渋すぎでしょ。
歌もギターも良い。
見た目とのギャップがまた良い。
続けて弾き語りで(たぶん)オリジナルを
2曲演ったあと、小島さんとデュオで3曲。
(これもオリジナルと思われる。)
そして、客席に聴きに来ていた
ブルース・ハープの八木のぶおさんを
ステージ呼んで、トリオでブルース。
キーは D 。
八木さんは、たまたまハープを
持っていたのだろうか、
それともこういうことがあるから、
いつも持ち歩いているのだろうか。
まあ、ハープならギターと違って、
それほどの荷物にはならないだろうけど。
ところで、演奏の後に聴いて、
ビックリしたけど、
小島さんとフロレンシアは、
連絡は取り合っていたものの、
会ったのは今日が、初めてだという。
小島さんが「音楽っていいねぇ」と言う。
ホンマ、国を超えて世代超えて、
あんなに素敵な音楽を
初対面で創りあげてしまうねんもんな。
客席には、小島さんと共演歴のある
大物女性シンガー、Y さんや S さんの
姿もあった。
飛入りがあるかな、と思ったけど、
最後は、再びソロ・ピアノで、
『Over the Rainbow』ともう1曲
『Signed Sealed Delivered』みたいな曲。
なんやったかな、曲名失念。
ところで、今日買った小島さんの CD
『KOJIMA SOLO PIANO ANTHOLOGY』は、
ピアノを「A=432Hz」に調律して
あるようだ。
通常、「A」の音は、440Hz か 442Hz に
調律されることが多いので、
少し低めに調律されていることになる。
432Hz は、古来の音で、
より美しく響くということらしい。
アルバムの内ジャケットには、
「LOVE + PEACE = A 432 Hz」と
書かれている。
ちょっと興味深いネタなので、
また機会を改めて。
[ MEMBERS ]
小島良喜 (Pf)
(スペシャル・ゲスト) Florencia Horita (Vo, Gt)
(飛入りゲスト) 八木のぶお (Harp)
@ Blues Alley Japan(目黒)
フロレンシアのギターと歌が
良かったので、早速、iTunes で
アルバムをダウンロード。
YouTube にもいくつかあります。
↓
Florencia Horita - Gonna Shine
こういうギター、好きです。
Florencia Horita - It's My Own Fault
激渋。でもPU変えたら、ヴォリュームが!
還暦ライヴは、今日が初日で
明日から西日本をツアーするようだ。
[ KANREKI 60th LIVE TOUR 日程 ]
11月22日 (水) 東京 Blues Alley Japan
11月23日 (木) 名古屋 STAREYES
11月24日 (金) 大阪 Mr. Kelly’s
11月27日 (月) 熊本 CIB
11月30日 (木) 佐賀 Rock Ride
12月 1日 (金) 姫路 George Adams & Jaleo
12月 6日 (水) 京都 都雅都雅
2017.11.24
Hotel California
40th Anniversary Expanded Edition
イーグルスの名盤『Hotel California』の
発売は、1976年12月だった。
もうすぐ、発売から41年なのだけど、
『40周年記念デラックス・エディション』が
発売された。
今日が、その発売日だったわけだが、
予約しておいたので、早速届いたので聴いたよ。
ホンマ、便利な世の中だ。
(モノのよっては、発売日前に届くこともある。)
『40周年記念デラックス・エディション』には、
3種類あって、『Hotel California』の
リマスターCD だけのものが、¥1,600(税抜)。
それに1976年10月の The Los Angeles Forum での
ライヴ10曲を収めた CD をプラスした2枚組が、
¥2,600(税抜)。
『Hotel California』の Blu-ray Audio や
色々付録(資料)のついた
『デラックス・エディション』が、¥12,000(税抜)!
(全て日本版の価格)
まあ、Blu-ray Audio で聴くほどの
マニアではないので、2枚組を購入した。
Disc 1 のリマスターは、明らかに音圧が上がり、
エレキ・ギターの音が生々しくなった感じ。
そして、 Disc 2 のライヴ、良いです。
オーディエンスの歓声に臨場感があり、
音もクリアで、演奏も良い。
『Hotel California』のアメリカでの発売が
12月8日なので、このライヴは、
アルバム発売前ということになる。
そのせいか、『Hotel California』収録曲は、
"Hotel California" "New Kid In Town" の
2曲だけだ。
同じ1976年の11月(やはり『Hotel California』
発売前)に ヒューストンで行われたライヴ盤
『Live At The Summit』(ブートレグ)も
持っているが、こちらは2枚組で
曲数は多いものの、演奏もやや荒い印象で
録音もあまり良くない。
できれば、この機会に10曲ではなく、
ライヴ全曲発表して欲しかったけど、
「OCT. 20-22.1976」と書いてあるところをみると
3日間の中から、ベストテイクを選んだんだろうな。
1976年というと私は、
中学2年生だったわけだが、
アルバム『Hotel California』(当時は LP)は、
購入していないんだ。
大人になって、CD 化されてから買った。
でも、高校生の時に、
"Hotel California" のシングル盤を
買った覚えがある。
LP を買うほど小遣いに余裕がなかったんだな。
B面が "お前を夢見て (Pretty Maids All in a Row)" だった。
その後、誰かに LP を借りて全曲聴いたんだと思う。
あ、FM で数週間かけて、イーグルスのアルバムを
全部かけるという企画を毎週、エアチェックした
覚えもあるので、それで聴いたのかもしれない。
その前に、『Greatest Hits 1971-1975』を
友人に借りて、カセットにダビングし、
繰り返し聴いていた覚えもある。
あの頃は、自分が買った LP よりも
友達に借りて、カセットに入れた LP の方が
お気に入りだったことも多かったな。
この写真は、1985年のアメリカ旅行の際に
撮った Hotel California(The Beverly Hills Hotel)。
この写真を撮るために ビバリーヒルズへ行き
ずい分歩いた覚えがある。
さて、1976年には、何があったんだろうと
ググってみると
ヤマト運輸「宅急便」開始
「徹子の部屋」の放送開始
「ロッキード事件」発覚
「アップルコンピュータ」設立
「日清やきそばUFO」発売
「アントニオ猪木 VS モハメド・アリ」対戦
「モントリオール・オリンピック」開催
「ピンク・レディー」デビュー
映画「JAWS」公開
なんてことがあった年だ。
そして、アメリカ独立200周年だった。
テレビで特集番組をやっていたのを
なんとなく覚えている。
日本の音楽界では、年間1位が
『およげ!たいやきくん』子門真人、
2位が『ビューティフル・サンデー』
ダニエル・ブーン。
なんか、めっちゃ平和やな〜。
ちなみに3位以降は下記。
3位『北の宿から』都はるみ
4位『木綿のハンカチーフ』太田裕美
5位『岸壁の母』二葉百合子
6位『俺たちの旅』中村雅俊
7位『あなただけを』あおい輝彦
8位『横須賀ストーリー』山口百恵
9位『わかって下さい』因幡晃
10位『あの日にかえりたい』荒井由実
この年に始まったヤマト運輸の宅急便は、
初日(1976年1月23日)の取扱い数が
11個だったが、その後、急速に広がった。
1976年度の想定は20万個だったが、
実際には170万個だったという。
現在は、一体何個ぐらいなのだろうと
調べてみると、先月(平成29年10月)
1ヶ月で、144,029,716個!
(DM便は、126,376,446冊)
まあ、考えてみたら、私一人でも
ひと月の間に宅急便で数個の荷物
を受け取ったり、送ったりしてるもんな。
その数字は、不思議ではないわ。
144,029,716個を 31日で割ると
1日当たり、約4,646,000個。
サービズ開始の初日の42万倍だ。
なんの計算や。
話が『Hotel California』から、
大きく離れてしまったが、
40年経っても色褪せない音楽です。
Evergreen。
[ 関連エントリー ]
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2011.3.6 EAGLES
2016.1.19 グレン・フライ Glenn Lewis Frey
2017.11.27
第一回 志らく独り会
立川志らくの独り会。
まさか初めての独演会のはずがないのだが、
今日の落語会は「第一回」となっていた。
志らくは、「志らく落語大全集」
「シネマ落語」「志らく独り会」と
3つの落語会を主催し、
それぞれの趣旨を分けているようだ。
ご本人のウェブサイトには、
このように書かれてある。
国立演芸場の志らく落語大全集は
持ちネタを全てやりきる会
志らく独り会は十八番と
新たな落語の可能性を探る会です
この独り会は、「年に一度、五年間」限定と
決めているようで、すでに4年目までの
ネタを発表している。
そんな先のこと、今決めなくてもいいのに、
もっと面白いネタが出来たらどうするんだろうと
余計な心配をしてしまう。
今年は、今日から3日間。
古典は「芝浜」、新作は「不幸の家族」と
ネタだしされていた。
「芝浜」は、トリで演るような
大きなネタなのだが、それを前座もなく、
最初に演るというのも珍しいし、
そのあとに60分ほどの大ネタを持ってくる、
しかも新作というのもこれまたレアなことだ。
短めのマクラですぐ本編。
志らく流の演出がされていた「芝浜」。
最後にオリジナルなサゲを持ってくるんやないかと
秘かに期待したけど、やはりこの噺は、
サゲを変えちゃいけねえんだろうな。
(江戸っ子風)
休憩を挟んでの新作「不幸の家族」。
ご本人が「新たな落語の可能性」と
書いているのは、よく分かった。
着物ではなく、作務衣を着て、
時には立ち上がり、あぐらをかき、
落語と独り語りと一人芝居が混ざった
新しい話芸にチャレンジしているのだ。
面白かったといえば面白かったのだけど、
これはもう落語ではないと思った。
俗に新作落語と言われている演目も、
上下(かみしも)を切って話す古典落語の
スタイルで語られるわけだが、
志らくはそこにメスを入れて
新しい落語のスタイルを模索しているようだ。
ご本人が「落語では座布団の上が宇宙」と
言われたように、座布団の上で
どんな世界でも創り上げてしまえるのが
落語の魅力だと思うのだが、
今日の志らくのように
座布団から離れてしまうと
落語じゃなくてもいいやんと思ってしまう。
極めつけは、音楽。
お座敷のシーンのために
お囃子が鳴るのではない。
映画音楽のように完全に演出のための
音楽が流れた時に、
「これはずるい」と思った。
落語は、言葉としぐさだけで喜怒哀楽から
何もかもを表現する。
それに観客の想像力が合わさり、
ひとつの芸として完成する。
観客の想像力に委ねずに
観客の心理に(いわば強制的に)訴える
BGM を使うのなら、もう落語である必要はない。
それならば、「志らくの一人芝居」と
銘打ってくれた方が、納得がいく。
というわけで、面白かったし、
60分ほどの長い話でも中だるみもなかったし、
そういう意味では素晴らしいのだけれども、
「新しい新作落語のスタイル」としては、
ちょっと中途半端な感がぬぐえないのでした。
[ 演 目 ]
「芝浜」 立川志らく
〜 仲入り 〜
「不幸の家族」 立川志らく
@ 表参道GROUND
―「志らく独り会」ラインナップ ―
第1回 2017年秋
古典落語「芝浜」 新作落語「不幸の家族」
会場/表参道 GROUND
第2回 2018年秋
シネマ落語「天国から来たチャンピオン」 新作落語「不幸の伊三郎」
会場/新宿サザンシアター
第3回 2019年秋
古典落語「せんきの虫」 新作落語「せんきの虫後日談」
会場/表参道 GROUND
第4回 2020年秋
古典落語「鉄拐」 新作落語「上海パラダイス」
会場/表参道 GROUND
第5回 2021年秋
独り会ファイナル
会場/未定
2017.11.29
久しぶりのハルトラ共演決定!
今年も残り1ヶ月。
12月10日の「あきらとしんや」ライヴも
おかげ様で予約で満席になった。
それが、今年最後のライヴになるだろうと
思っていたら、先日、久しぶりに
ギターの山ちゃん(Ya'mangelo)から
連絡があった。
山ちゃんとは、「MELLOW FLAVOR」という
ギターデュオをやっていた。
解散したわけでもないが、気がつけば
この5年ほどは活動していなかった。
山ちゃんは、ハルトラ(陽香 & The Super
Traffic Jams)というデュオ・ユニットで
活動しているのだが、
そのハルトラのライヴへの出演依頼だった。
過去にもハルトラとは、何度も共演していたけど
本当に数年ぶりの共演になる。
詳細は下記。
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◆ ハルトラ 〜 OLYMPUS SUPER LIVE 〜◆
2017年12月16日(土)
[1st] 13:00〜14:00
[2nd] 16:00〜17:00
《クリスマスソング&オリジナルと盛り沢山でお届け予定》
【サポートミュージシャンは下記の通りです】
※[1st] つつみしんや(Gt)
※[2nd] YOSHIAKI (From 175R)(cajon)
観覧無料
会場:オリンパスプラザ新宿ショールーム
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私は、夕方から予定を入れてしまっていて
1st ショーのみの出演なのだが、
土曜日だし、新宿だし、無料だし、よかったら
買い物のついでにでも寄ってくださいな。
ところで、今年は何年振りかで
音楽活動が活発だった。
12月の予定のものも含めると、
ライブやイベントの出演が、合計14回。
共演者は、6組にのぼる。
ライヴをやらなかったけど、
今年も10回以上、練習をした
フルートの梅林さんを含めると7組と
音楽を楽しんだ。
同じバンドやユニットで、ライヴを
たくさんやったことはあるけど
こういう感じは初めてじゃないかな。
そして 数日前、知り合いから、
別のライヴ・プロジェクトについての
メールがきた。
実現するとしても来年だし、
まだどうなるか分からない話だけど。
そんなに自分から積極的に動いたわけでは
ないので、なんで、こんなことになったのか
良く分からないが、好きな音楽が
出来ることは幸せなことである。
ギターの腕も少しはあがっただろうか。