LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS


 つつみしんやのひとりごと  2016年 10月
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2016.10.1

ときどき写真展 63

じてんしゃ



Gotanda, Tokyo(Aug.2016)





2016.10.2

ベーシスト変更 と チケット抽選

アンソニー・ジャクソン (b)、
サイモン・フィリップス (ds) 2人の
健康上の理由により9月4日の「東京JAZZ」は、
「上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト」から
「上原ひろみ × ミシェル・カミロ」の
ピアノ・デュオにプログラムの変更があった。
(関連エントリー 2016.8.20

上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクトの
12月の東京国際フォーラム3日間公演は、
くじ運が悪いからと3日とも
先行抽選に申し込んだところ、
なんと3日とも当選した。

3人が揃っての演奏を聴けることを
祈っていたのだが、残念ながら、
「ベーシスト変更」のお知らせ
発表された。

「上原ひろみとサイモン・フィリップスの両氏が
話し合った結果、当面は新たなベーシストを
迎えてツアーを継続」とあるので、
あくまでもピンチ・ヒッターということなのだが、
アンソニーの具合は、どんな風なんだろうか。

新たなベーシストというのは、
アドリアン・フェロー。
名前を見てすぐには思い出せなかったけど、
9月のリー・リトナーのブルー・ノート公演
ベースを弾いていたフランス人だ。
「ジャコの再来」とまで言われた人で、
もちろん実力には不足はない。
上原とサイモンが選んだのだから、
きっと、素晴らしい演奏になるだろう。

そのお知らせには、
「日本ツアー ベーシスト変更のお知らせ」とある。
日本ツアーは、11月に入ってからだが、
その前にヨーロッパや米国での公演もある。
それらは、どうなるんだろうと
チェックしていたら、上原の Facebook に、
2016/10/13 ~ 2016/11/5 Bassist: Jimmy Johnson
2016/11/7 ~ 2016/12/18 Bassist: Hadrien Feraud

とあった。
ジミー・ジョンソンだ。
う〜む、できれば両方観てみたい。

さて、12月の東京国際フォーラム3日間公演だが、
7月の終わり頃には抽選結果が発表され、
ようやく先日、発券できるようになった。

発券してみて驚いたのは、3日間のうち
1日目の座席。
なんと最前列のど真ん中!

以前、「東京JAZZ」でも最前列で
このトリオを観たことあったけど、
再びこの幸運に恵まれるとはね。
(くじ運が上向いてきたのかしら)
と、思ったけど、先日あった
山下達郎の抽選には外れた。
たぶん、20回目くらいかな。
ちょっと前に吉田拓郎の抽選も
2回続けて外れた。

3日間のうち、1日は最前列で、
残りの2日も13列目、14列目と
悪くない席だ。
東京国際フォーラムのAホールは、
21列目までが、前方のブロックなので
その中に入っていれば、まあ良い席なのだ。
(座席表)

ところで、先日、1月のジェフ・ベックの
チケットの発売があり、やはり先行抽選に
申込み当選した。
今日、そのチケットが届いてガッカリした。

同じ東京国際フォーラムのAホールなのだが、
43列目である。
後ろから6列目。
これは、ステージ横にモニターがなければ、
ステージ上の人物は、小さくて
なんやよう分からんなぁというレベルだ。

先行抽選は、「全対象席から無作為に席を選ぶもので、
良い席を確保するものではない」という内容の
注意書きがあり、それを承知で申し込んだのだが、
一般発売よりも手数料が高いのだ。
特別販売手数料というのが 812円、
コンビニ発券なら、かかったとしても 108円か
216円なのに、郵送しか選べないので、
この郵送料に 617円。
もちろん、それも承知で申し込んだのだが、
何となく釈然としない。

私が申し込み当選した、先行抽選のあと、
一般発売が始まったわけだが、
今日現在、その公演チケットは、
まだ売られており、つまりは、
まだ売られているチケットの中に、
私の席より良い席が含まれているのではないか
と思うのだな。
一般発売が始まって少し時間が経つので、
厳密には、良い席はかなり売れてしまって
残っているのは、あんまり良い席では
ないかもしれないけど。

一般発売より、高い手数料を払って、
買おうというファンには、もうちょっと
ええ席を振り当ててくれてもええんちゃうの?
と思うのだが、どうだろう。
それに最前列と43列目が同じ料金というのは、
あまりにも不公平ではないか。
これはずっと前から言われていることやけど。
関係者さん、なんかええ方法考えてくださいな。





2016.10.2

チルドレン

先日読んだ、伊坂幸太郎の小説
『チルドレン』
をドラマ化した DVDを観た。
2006年に WOWOW でドラマ化され、
その後、劇場公開もされたようだが、
知らなかった。

出演は、坂口憲二、大森南明、
小西真奈美、三浦春馬、國村隼 ら。

原作では、登場人物の陣内が、
大学生の時に銀行強盗の人質になり、
何年か後に家庭裁判所の調査官に
なるのだが、ドラマでは、
すでに家裁調査官になっていて、
人質になるという風に
上手くアレンジされている。

また、原作にはなかった 小西真奈美 演じる
美春というキャラが登場するが、
これも上手くストーリーに絡めていると思う。

ただ、主役が 坂口憲二 演じる武藤ということも
あって、原作にあった、陣内の様々な
エピソードが全て描かれているわけではないし、
陣内という人を描くには重要だと思っていた
永瀬(加瀬亮)絡みのエピソードも
描かれていない。
陣内というキャラに惹かれた私としては、
その辺りが不満だが、2時間以内の
ドラマに収めるには仕方ないのだろう。

原作を読んだ時に、陣内を演じるのが、
大森南朋 というのにちょっと違和感が
あったのだが、実際に観てみると
不思議とそれほどでもなかった。

重厚な社会派ドラマではないが、
考えさせられる要素もあり、
現実的ではないファンタジーの
部分もある、伊坂ワールド。

人は、人を変えることはできないけど、
人が変わるきっかけにはなる。
そんな風な作品。


★★★★☆





2016.10.3

レッドタートル ある島の物語
LA TORTUE ROUGE


大ヒットするアニメ『君の名は。』の陰で
地味な印象のスタジオジブリ新作アニメ
『レッドタートル ある島の物語』。

原作・監督は、オランダ出身で英国在住の
マイケル・デュドク・ドゥ・ビットという人で、
観た印象は外国作品。
日仏ベルギー合作ということだが、
確かにフランス映画のような感じが残る。
ジブリ作品といっても、
宮崎駿作品とは全くの別物。
日本人スタッフがどの程度、
絡んでいるのかも分からない。

この映画、セリフがひと言もない。
登場人物は、3人いるが言葉は話さない。

そのせいもあってか、
鑑賞中、脳がフル稼働する。
想像力不足のためか、私には「?」なことも
あったけど、これは寓話なので、
あんまり突っ込んではいけないのだろう。
「桃太郎」を聞いて、
「ねぇ、なんで桃なの?」と
質問してはいけないのと同じだ。

寓話と書いたけど、大人向けの寓話かもしれない。
小学生が観たら、どんな感想を持つのか、
すごく興味があるけど、
あんまり子供向きではない感じだ。
これって、大人の既成概念だと思うけど。
(実際に子供の感想を聞いたら、
大人が想像しえないようなことを
言いそうな気がするもん。)

ストーリーは簡単だ。
無人島に流れ着いた男が、
いかだを作って何度も島を出ようとするが、
何者かに阻まれる。
邪魔をしていたのは、ウミガメだった。
男は、ウミガメに怒り、殺そうとするが・・・。
ってな感じ。

ここからネタバレ。

結局、男は島からの脱出を諦め(?)、
ウミガメの化身の女と暮らし、子供を作り、
その島で暮らしてゆく。
途中、自然災害にも逢いながら、
なんとか生きてゆく。
息子は大人になり、旅立ち、
夫婦2人になり、やがて男はその島で
一生を終える。

それだけの話なのだが、
男が年老いたシーンで、
なぜか泣けてきた。

人生って、こういうことかもしれない。
島から出ようとしても出られず、
その島で愛する人を見つけて、
一生を終える。
それが人生なのかもしれない、と思った。

日本のアニメとは、全然違うタッチの
映像と音楽が美しい。
81分と短めだが、短く感じない。


★★★★☆




SCOOP!

福山雅治、二階堂ふみ 主演の映画
『SCOOP!』。
そのほか重要な役に吉田羊、滝藤賢一、
リリー・フランキー。
この5人が5人とも とても良い。

福山雅治の汚れ役というのも見もの。
福山の下品なセリフを聞いて、
ファンの人たちはどう思うんやろな。
二階堂ふみがこれまた良い。
この娘は、やっぱりええなぁ。
何がええんか言われへんねんけど。

そして主役を支える脇役たちのおかげで、
本作はグッとレベルアップしている。
吉田羊、滝藤賢一、リリー・フランキー、
3人とも素晴らしいのだが、
特にリリー・フランキーの怪演。

福山とリリーといえば『そして父になる』
(2013年)で共演があった。
あの作品でもリリーは印象的だったし、
『凶悪』(2013年)のキレっぷりも
めちゃ怖かった覚えがある。
が、本作はそれらを超えたな。
ヤバイね、リリー。

本作、『クライマーズ・ハイ』(2008年)や
『日本のいちばん長い日』(2015年)の
原田眞人監督が撮った『盗写 1/250秒 OUT OF FOCUS』
(1985年)のリメイクということだが、
オリジナル作のことは知らなかった。
原田芳雄、宇崎竜童が出演していたようだが、
多分、原田芳雄が福山の演じた静の役かな。
(詳しい情報が見当たらず。)

パパラッチの中年カメラマン 都城静(福山雅治)が、
雑誌社の新人記者 行川野火(二階堂ふみ)と
コンビを組むことになる。
最初は、野火を鬱陶しがる静だが、
やがて本物のパートナーになっていき、
数々の芸能人ネタのスクープをモノにする。
そして、ある日事件は起きる。

この事件が起きたとき、
私はイヤな予感がしたのだが、
それはそのまま的中してしまう。

芸能人の尻を追っかけるパパラッチや
週刊誌のスクープへの投げかけもあるのかも
しれないけど、そういう社会的なメッセージより、
ただ、その世界に生きる人達の姿、
命を賭ける姿がカッコ良く描かれている。
実際には、私は芸能レポーターとか
芸能人スクープネタとか下らないと思ってるけど。

実は、あんまり期待せずに観たのだが、
予想以上に良かった。
なんか、昭和の感じがした。
『傷だらけの天使』的な。
観終えて調べてみて、
1985年の映画のリメイクと知って、
なるほどと思った。


★★★★▲





2016.10.4

ときどき写真展 64

HYUNDAI



Sakata, Yamagata(May.2016)





2016.10.5

ハワイ土産のアロハ・シャツ



このアロハは、私の両親が初めての海外旅行、
ハワイに行った時の土産だ。
驚くことに私はこのシャツを20年近く着ている。
通常、洗濯を繰り返すうちに、
シャツはくたびれ、色あせ、ヨレヨレに
なっていくのだが、このシャツは
本当に丈夫だった。
おそらく100回ほど洗濯しているだろう。
ようやく、襟のところが擦り切れ、
小さな穴があいた。

「KAHALA」というブランド。
調べてみると、1936年創業のハワイで
最も歴史のある老舗アロハ・ブランドだった。
日本でも入手可能だが、
軽くだけどチェックしたところ、店によって
3,900円から13,824円とずい分と幅がある。
どういうことやろな。

このシャツの良さは、丈夫なだけではなく、
洗濯後乾いた時にシワがないのだ。
アロハは、数枚持っているけど、
そういうシャツは少ない。
「KAHALA」ではないけど、近所で
安かったので買ったアロハ(1,500円)が、
やっぱりシワにならない。
それも、Made in Hawaii だ。
その2枚しかデータがないけど、
ハワイ製のシャツは、
そういうものなのだろうか。



それにしても、よく着たなぁ。
これだけ着れば値打ちあるよなぁ。
今年でおシャカにするけど
ご苦労さま、ありがとうです。




Norah Jones
Day Breaks


ノラ・ジョーンズの新作が届いた。
歌声がいく分、太くなった気がする。
そうか、アルバム『Come away with me』で
デビューしたのが 2002年、22歳だったノラも
37歳、2児の母親になったのだもの、
多少声に貫禄が現れたっておかしくない。

デビュー作『Come away with me』は、
確かタワーレコードかどこかで
視聴して買った。
たぶん、発売されてすぐだったんだろう。
まだ名前も知らなかった覚えがある。
その後、あれよあれよという間に
このアルバムは、日本でも大ヒットした。

それからもアルバムが出ると、
一応はチェックしてきたのだけど、
デビュー作ほど聴いたアルバムはなかった。

さて、4年ぶりのオリジナルアルバム。
CD の帯には、
「ノラ・ジョーンズがまた、ジャズに帰ってくる」
とあるが、私には本作も いわゆるジャズという
印象はない。
「本作も」と書いたのは、
『Come away with me』だって、
そんなにジャズな印象ではなかったからだ。
とはいうものの、新作には
ウェイン・ショーターやジョン・パティトゥッチも
参加していて、曲によってはジャズの匂いが
ぷんぷんしているが。

そもそも彼女の音楽は、
「ジャズ+ポップス+カントリー+フォーク+R&B」。
ノラ流のごちゃ混ぜ音楽、
ノラ・ジョーンズというジャンルなのだと思う。
なので、ジャズに聞こえたり、カントリーに聞こえたり、
ポップスに聞こえたりするのは、 それで正解なのだ。

新作は、どこか懐かしくて、安心して身を委ねられる、
そんなアルバムだ。
これからの秋の夜長の必聴盤になりそう。

日本盤には、ボーナス・トラックで
最近のライヴ音源が4曲収録。
ラストは、"Don't Know Why"。

来年4月には、来日公演もあるようだ。
2005年の東京公演には行ったのだが、
会場が東京国際フォーラムのAホールだった。
私が思うに、ノラの音楽は5千人の会場で
聴くタイプではない。
もっと小さなハコで、じっくり、たっぷり
聴きたいのだが、無理やろなぁ。







2016.10.6

ぺぺ祭り
ぺぺ桜井 生誕80周年祭


元クラシック・ギタリストの
ギター漫談家という変わった経歴の
持ち主、ぺぺ桜井。

ギターを弾きながら喋るというのは、
結構難しいのだが、この人は、
神経が2系統に分かれているんやないかと
思うような芸を見せる。
中でも驚いたのは、ギターで
『禁じられた遊び』を弾きながら、
演歌『浪花節だよ人生は』を
唄うという離れ業。

そのぺぺさんの「生誕80周年祭」、
「ぺぺ祭り」に行ってきた。

今日、行くまで知らなかったのだが、
昨年の暮、心筋梗塞で2ヶ月ほど
入院されていたらしい。
ご本人は、あの世の入口に行ってきた話を
されていたが、芸人なのでどこまでが
ホンマの話か分かりかねる。

まず、幕が開くとぺぺさんを
慕っている(?)豪華な出演者たちが
全員登場で「ご挨拶」。
漫才のロケット団、紙切りの林家二楽、
春風亭一之輔、柳家喬太郎、そして、
この企画の言い出しっぺだという、
三味線の恩田えり。

軽いトークのあと、ロケット団の漫才。
寄席に出ている人たちで、あんまり
テレビには出てないけど、結構好き。
ボケの人が山形出身で、
山形弁のボケが面白いのだが、
今日はそれはやらず。
放送には、あんまり乗せられないような、
笑いが良い。

続いて、一之輔。
ロケット団のネタを引き継いで、
いきなり爆笑をとるあたりは流石。
時間がないのでマクラは短めに落語に突入。
噺の中にぺぺ桜井の名前を
何度も登場させるあたりも憎い。

続いて、紙切りの林家二楽。
林家正楽という人は、以前に観たことが
あったが、この人は初めて。
よくあんなに喋りながら、
切れるもんだと思う。

一部の最後は、喬太郎。
あい変わらずのマクラで爆笑。
落語は、数人の噺家のモノマネが
出てくる、かなりマニアックなネタで、
私には分からないものもあったけど、
結構、受けていたので、寄席好きなお客さんが
それだけ多かったということだろうな。

休憩を挟んで、「帰ってきたぺぺ物語」。
ぺぺさん以外の出演者、せい揃いの寸劇。
あのギターは、スウェーデン製で
60年経っているとか。
面白かったけど、終わりが分からず、
拍手のないまま、ぺぺ先生の漫談に突入。

漫談ネタは、毎回ほとんど同じなのだけど笑える。
1935年生まれなので、私の母と同じだが、
舞台に立ち続けているのが、本当に素晴らしい。
健康第一です。

最後は、ぺぺ先生を囲んで座談会。
派手な舞台衣装の話とか、
ほかの芸人に説教した話とか。
最後は、三本締めで。


【 番 組 】
ご挨拶(柳家喬太郎、林家二楽、春風亭一之輔、ロケット団、恩田えり)
漫才 ロケット団
落語「新聞記事」 春風亭一之輔
紙切り 林家二楽
落語「鸚鵡(おうむ)の徳利」 柳家喬太郎
〜 仲入り 〜
寸劇 山崎雛子作「帰ってきたぺぺ物語」
(柳家喬太郎、林家二楽、春風亭一之輔、ロケット団、恩田えり)
ギター漫談 ぺぺ桜井
座談 全員


@ 日本橋劇場








2016.10.7

SHANTI x VOCI ANGELICA TRIO

今夜は、3ヶ月ぶりの SHANTI。
いつもとちょっと違う感じで。

「VOCI ANGELICA TRIO」という
アメリカはボストンを中心に活動しているらしい
トリオとの共演だった。
「VOCI ANGELICA TRIO」については、
全く知らなかったが、
「フォルクローレ」というキーワードがあった。
「フォルクローレ」というのは、
南米の民族音楽や大衆音楽を指す。
なので、SHANTI が、
「コンドルは飛んで行く」でも
歌うのかなと思っていた。

ライヴが始まってみると、
1部は VOCI ANGELICA TRIO のライヴに
SHANTI が数曲ゲスト参加し、
2部は SHANTI のライヴに 数曲
VOCI ANGELICA TRIO が参加するという、
いわばタイバンのライヴだった。

まずは、VOCI ANGELICA TRIO。
「フォルクローレ」なので、
南米の音楽と思っていたら、
1曲目が始まると、何やら中近東っぽい。
終わってみると、シリアの曲だという。
続いて、日本の『さくら』。
そのほか、メキシコ、アイルランド(ダニーボーイ)、
ベネズエラ、カナダなど世界中の音楽を駆け巡る。
そう、世界の音楽を美しいハーモニーで
紹介するトリオで、特にフォルクローレに
限ったグループでは なかったのだった。

トリオは、女声ヴォーカル2人とチェロという編成。
ヴォーカル2人は、曲によって
パーカッション、ピアノ、アコーディオン(みたいな楽器、
バンドネオンとも違う)も演奏する。
SHANTI が参加すると 女声が3声になり、
とてもリッチなハーモニーになる。
そこにチェロの男性もハモると4声だ。

チェロのアリステイデスは、
ベネズエラ出身。
女性の一人、ミーナは日本語を話したので
ビックリしたが、SHANTI とは、
高校時代からの付き合いだというので、
日本に住んでいたこともあるのだろう。
どこの国の人か分からなかったけど。
もう一人、ジョディ は、見た感じアメリカ人かな。
そんな3人のが世界中の音楽を奏で唄うのだ。
2013年の Japan Tour の映像が
YouTube にあったので興味のある方は、
観て欲しい。→ これ。


2部のSHANTI。
今日は、ギターの HANK西山 とデュオ。
この人は、観るたびに顔つきが違うというか、
色んな顔を持っているので、
街で見かけても SHANTI と気付かないかもと
思うほどだ。
曲は "Love matters "、"Yuyake"、
"Sunshine" など。
"そして僕は途方に暮れる(英語版)" が
良かったな。

アンコールでは、来年公開の映画(タイトル失念)の
エンディングテーマになったという曲を披露。
ライヴで演るのは、今日が初とのことで
ワールドプレミアでした。


[ MEMBERS ]
SHANTI (Vo)
HANK西山 (G)
Meena Malik (Vo.Perc)
Aristides Rivaz (Cello)
Jodi Hitzhusen (Vo.P)

@ 楽屋(中目黒)





2016.10.8

ときどき写真展 65

ROMEO & GIULIETTA



Rome, Italia(Oct.2014)





2016.10.8

木村伊兵衛と土門拳
写真とその生涯


デジタル一眼レフで写真を撮り始めて
6年が経ったのだが、不思議なことに
今年に入るまで、「写真を観る」ということを
ほとんどしていなかった。
写真を始めたのも誰かの作品に刺激を受けて、
「よし、オレも写真を撮ろう」と
始めたわけではなく、ずっと潜在的にあった
「写真を撮りたい」という気持ちが
48歳になってようやく行動に現れたんだと思う。
「ずっと潜在的にあった」というのは、
23歳の時に撮ったアメリカ旅行の写真のように
自分に思い当たる節があるからだ。

今年に入って、急に写真家といわれる
プロの写真に興味を持ったのだが、
写真家の名前さえ知らない。
知っていたのは、篠山紀信、浅井慎平、
荒木経惟ぐらいだが、彼らの写真を真剣に
観たこともなかった。

どんな写真家の写真を観れば良いのかも
分からない私は、試しに検索してみた。
それで、気になった人が、
木村伊兵衛と土門拳、この二人だった。
二人共 明治生まれで、
戦前戦後の日本の写真界の巨匠だ。
早速、二人の写真集を購入したが、
私は木村伊兵衛より、
土門拳の写真に惹かれた。

二人のことを知っていくうちに
「写真を撮っているなんて言いながら、
この人たちの名前も知らないというのは、
ちょっと恥ずかし過ぎるなぁ」
そんな風に思った。
まだまだ知らないことだらけだろうと思う。

写真雑誌の編集者だった三島靖という人が書いた、
『木村伊兵衛と土門拳』という本を読んだ。

ライバルでもあったあった二人の写真への
姿勢から生き方までを書いてある。
それぞれの写真も少し。
私が土門の方を好きなせいなのか、
内容的に土門のことの方が濃いい印象だ。

おそらくだが、土門拳という人の方が、
文章になるエピソードが多いのではないか。
写真の撮り方ひとつ取っても、
木村より土門の方が、圧倒的にエピソードが多い。

すでに土門のことは、いくらか知識があったので、
驚きはしなかったが、木村と並べることで、
その「鬼さ」加減が際立ったように思う。

本全体の内容としては、
精神論から哲学的な要素が多く、
正直、半分も理解できていないと思う。
それでも、私自身がどんな写真が好きなのか、
どんな写真を撮りたいのか、を知る
十分な手がかりであったし、
日本の近代写真の歴史の一端を知ることができた。








2016.10.9

MARI KANEKO 60th BIRTHDAY LIVE
金子な理由


2014年12月1日、下北沢の GARDEN で
行われた金子マリの還暦ライブの DVD。
金子マリ関連の濃いミュージシャンが
数多く出演しとります。

このライヴの7ヶ月後、急逝してしもた
石やんも出演している。
これが公式に残っている最後の
映像かもしれない。
「10年後、また皆が集まるライヴが
出来たらと思います。その時は、
欠席の人もいると思いますが」という
石やんのコメントが収録されてるけど、
言うてる本人が一番に欠席決めて
しもたらあかんやんか。

さて、金子マリ、還暦ライヴである。
当日 観に行った人のブログを読んだが、
4時間ほどのライヴであったようで、
全曲がこの DVD に収録されたわけではないが、
十分に満足のいく見応えのある DVD だった。

私は、1983年にマリの『MARI FIRST』という
LPレコードを買っていて、その中で Char と
演っている数曲が大好きなのだが、
その中から ”Don't Cry My Baby" と
"Street Information" が歌われているのは
嬉しい。
同アルバムからは、Char とのデュオで
"Honey" も演奏。

そのほか、石やん、カルメン・マキとの
"アフリカの月"、小坂忠の "機関車" など
渋い曲が収録されております。

息子達との共演も見どころ。
アンコールの "ありがとう" は、
長男・金子ノブアキ (Drs)
次男・KenKen (B)、そして、Char (Gt) と
JESSE (Vo, Charの息子) という
金子家 & 竹中家 混合バンドで、
これには ちょっと感動。
この曲、マリの別れたダンナ、
ジョニー吉長の曲で、好きな曲だ。
ジョニーは、2012年に他界してしまったけど。

次男、KenKen がムッシュかまやつと
組んでいるバンド “LIFE IS GROOVE”。
そのギターの 山岸竜之介 も登場するが、
なんとこの時、15歳!
考えられないプレイです。



[ 収録曲 ]
1. Compared To What
2. On Your Mark
3. Give Get Peace
4. 抱きしめよう
5. みんなの願いはただひとつ
6. 恋はねずみ色
7. Dear Mr.Optimist
8. 青い空
9. ゴロワーズを吸ったことがあるかい?
10. そのままでいいよ
11. アフリカの月
12. Happiness
13. Taxi Driver
14. Honey
15. A Change Is Gonna Come
16. 機関車
17. 時代
18. セレナーデ
19. 最後の本音
20. アスベスト
21. Don't Cry My Baby
22. ドカドカうるさい R&R Band
23. Street Information
24. ありがとう

[ MEMBERS ]
金子マリ (Vo)
小川美潮 (Vo)
カルメン・マキ (Vo)
小坂忠 (Vo)
JESSE (Vo)
有山じゅんじ (Vo, Gt)
石田長生 (Vo, Gt)
Char (Vo, Gt)
高田エージ (Vo, Gt)
久米ジュンヤ (Gt)
仲井戸”CHABO”麗市 (Gt)
渋谷毅 (Pf)
金子ノブアキ (Drs)
DUTCH (Drs)
“5th element will”
北京一 (Vo)
大西真 (B)
石井為人 (Key)
松本照夫 (Drs)
窪田晴男 (Gt)
“Ban Ban Bazar”
福島康之 (Vo, Gt)
黒川修 (B)
“LIFE IS GROOVE”
KenKen (Vo, B)
ムッシュかまやつ (Vo, Gt)
山岸竜之介 (Gt)
“BUX BUNNY“
永井充男 (Gt)
鳴瀬喜博 (B)
難波弘之 (Key)
松本照夫 (Drs)





2016.10.10

世界一キライなあなたに
ME BEFORE YOU


映画『世界一キライなあなたに』。
原作は、
『ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日』
という恋愛小説。

う〜ん、なんとかならんか映画のこの邦題。
『世界一キライなあなたに』って、
映画を観終えてもこの邦題の意味は、分からん。
別に世界一キライでもなんでもないやん。
結構ヘヴィなテーマを扱っているのに、
これでは薄っぺらいラヴ・コメディのようで
制作陣に申し訳ない。
小説の『きみと選んだ明日』でも違うと思うけどな。
なんなら『ミー・ビフォア・ユー』で
良かったんちゃうか。
その方が、どういう意味やろって考えるやろし。

舞台は、イギリスの田舎町。
交通事故で四肢麻痺になってしまった大金持ちの
息子ウィルと、6ヶ月限定でその介護の職に就いた
ルイーザの恋物語。

それだけ聞けば、結末は分かろうというものだ、
と思って観たけれど、結末は私が想像していたほど
安易ではなかった。

以下、ネタバレ含む。

安楽死の問題は、簡単には結論は出せないが、
残念ながらこの映画は、その問題を扱うには、
ちょっとファンタジー過ぎるように思う。
ジェット機を借り切っての高級リゾート地への旅行で、
人生を仕切り直せるのだとしたら、
貧乏人は、全員絶望しなければならない。
そんな旅行なしでも、
ルイーザの愛は表現できるだろうに。

それに、父親が失業していて家計を助けるために、
働いているルイーザなのに、
服を色々持ちすぎちゃうかな。
服が好きだとしても。
コンサートに着て行った赤いドレスなんて、
なんで持ってるの?
と疑問が出てきた。

ラストは、ウィルがルイーザにお金を残して、
「自由に生きろ」「大胆に生きろ」って。
ウィルの気持ちも分かるけど、
なんか「結局 金か」って感じで割り切れない。

おとぎ話やねんから、
「そこはダンナ、突っ込んじゃいけませんぜ」って
ことなんでしょけど、どうもなぁって感じでした。

私は、ベタな結末だとしても、
ウィルに生きる決意を持たせて欲しかった。
でないと、救いがないやん。
「お前に、毎朝、人生に絶望しなければならない
辛さが分かるのか!」と言われれば、
黙るしかないですけど。

天然に明るいルイーザ役に エミリア・クラーク。
車椅子生活になってしまったウィル役に
サム・クラフリン。


合法的に安楽死(自殺)できるのは、
スイスかベルギーだそうで、
この映画でもウィルは、最期にスイスに行く。
ウィルを訪れる人の名前をルイーザが
検索するシーンで、PC に「Dignitas」という
文字が登場するが、これこそがスイスの
自殺幇助機関の名称のようだ。
入会金と諸費用を合わせて安楽死には
約USD7,000(約70万円)かかるという。
安いのか高いのかも分からん。

そういえば、2014年に観た『母の身終い』という
フランス映画は、末期ガンの母をスイスの
施設で息子が見送るという話だった。
答えのない問題のようだけど、
それぞれに答えがあるのかもしれない。


★★★▲☆




お父さんと伊藤さん

今日は、映画を3本観ようと決めていて、
この『お父さんと伊藤さん』は
さほど期待していなかったのだが、
結果、一番良かった。

34歳の彩(あや)役に上野樹里。
その彼氏、54歳の伊藤さん役にリリー・フランキー。
彩の父親(74歳)役に藤竜也。

上野樹里って、34歳になるんやって思って、
観終えてから調べてみたら、
まだ30歳で安心した(なんで?)。

さて本作のストーリー。
彩と伊藤さんの同棲しているアパートに、
突然、彩のお父さんが転がり込んでくる。
(お母さんはすでに他界。)
お父さんは、彩のお兄さん家族と
住んでいたのだが、兄嫁と折り合いが悪く、
兄の家を出てきたのだった。
なにしろ口うるさいお父さんとの生活に
彩は困惑するが、なぜか伊藤さんは、
上手くお父さんと付き合っていく。
そんなある日、突然お父さんが
書置きを残して姿を消す。

ってな物語。
伊藤さんが54歳で私と同じ年だったり、
親の介護とか同居とか、結構身近にリアルな
問題を扱っていながら、
人間の滑稽さを上手く描いていて、
笑えるシーンも多く、面白かった。

上野樹里って、
『スウィングガールズ』の女子高生の
印象が強かったけど、あれから12年、
立派に大人の女優さんになったなぁって思った。

伊藤さん役のリリー・フランキーは、
もうこんな役、この人しかおらんやろ、という
ふあふあした感じがピッタリ。
でも、私はこないだ観た『SCOOP!』のような
この人が演じる狂人の方が好きやけど。

藤竜也って、昔カッコ良かったよなぁ。
テレビドラマの『大追跡』とか。
本作では、気難しい年寄りの役で、
これまたハマってた。

あえて 不満を言うなら、上野樹里とリリフラの
恋人感がなかったところかな。
いえ、ラヴ・シーンが見たかったわけでは
ないねんけど、二人の関係が
妙に落ち着きすぎているような、
そんな印象だった。
呼び方も「彩さん」「伊藤さん」だし。


★★★★▲




映画 聲の形


タイトルに「映画」って付くということは
映画でないものもあるということやな。
と、調べてみると原作は「週刊少年マガジン」に
連載されたコミック。

10月 1日〜 2日集計の興行成績ランキングでは、
1位『君の名は。』2位『ハドソン川の奇跡』に
続いて第3位の『映画 聲の形』。

上位3作品中、アニメが2本というのも
珍しいのではないか。

そして、評価も高い『映画 聲の形』。
『君の名は。』同様、観客は若い。
おじさんおばさんは、私たち夫婦だけのようだった。

小学生・石田将也は転校してきた、
耳が不自由な西宮硝子をイジメたことがきっかけで、
今度は自分がイジメられ、
周囲から孤立することになる。
それから5年後、高校生になった将也は、
硝子に会いにいく。

アニメと侮ることなかれ、
様々なテーマを絡めた人間ドラマだった。
イジメ、孤立、自殺、障害者、友情、贖罪、
大人になっていくこと、他人を理解すること、等。

良い映画だったと思うけど、
この映画で心を揺さぶられるには、
年を取りすぎたのか、
イジメの経験がないためか、
それほどグッとは来なかった。

実際にイジメにあった人のレビューに
「本当にイジメにあったら、硝子のように
イジメた人にあんな態度で接することはできない」
「あとから、どれだけ謝られても許せない」
という内容のものがあり、
ハッとさせられた。
確かに硝子は、かなり酷いイジメにあうのに
鈍感なのか何なのか、わからない節がある。
実際にイジメられた体験は、
想像を絶する辛さだろう。
それで命を絶つ人がいるくらいだから。

硝子はなぜ、イジメた人に対して、
あんな態度でいられたのか、
原作を読むと分かるのかもしれないが、
映画ではそこまで描かれていなかったように思う。

とは言いつつ、大人の鑑賞にも耐える作品。
本作といい『君の名は。』といい
日本のアニメは素晴らしいのだな。
私は特別アニメ・ファンではないですが、
そんな風に思った。


★★★★☆





2016.10.11

井上陽水 コンサート
2016 秋「UNITED COVER 2」


死ぬまでに観ておきたいアーティスト。
今夜は、今年68歳になった 井上陽水。
1969年にデビューなので、
もう47年も現役でやっていることになる。
吉田拓郎の方が年上(70歳)だが、
デビューは陽水の方が先だ。(拓郎は1970年)

今年のツアーは、
昨年発売されたカバー・アルバム
"UNITED COVER 2" と同じタイトルで、
昨年、今年の春にも同名のツアーがあったようだ。

陽水の歌をナマで聴くのは、全くの初めて。
ご本人も MC で「(プライベートで)声で
(井上陽水だと)ばれる」と言っておられたが、
確かに、あの艶のある、
張りのある、独特の声は健在だった。

この人は、ビートルズを歌おうと、
吉田拓郎を歌おうと、ムード歌謡を歌おうと、
PUFFY を歌おうと、ホントに何を歌っても
素晴らしいほど、「井上陽水」でした。
MC も独特で 結構面白く、笑いをとってました。

MC と合わせて、新しいアルバムに収録されている
加藤和彦の『あの素晴らしい愛をもう一度』、
吉田拓郎の『リンゴ』が特に印象的だった。

アンコールは、PUFFY の『渚にまつわるエトセトラ』。
(陽水が作詞)
本編では、着席鑑賞だった中高年オーディエンスも
ついに立ち上がりました。
メンバー紹介からセカンド・ラインのリズムのまま、
『夢の中へ』。
最後は『夏の終わりのハーモニー』でしっとりと。

『少年時代』とか『リバーサイドホテル』なんかも
聴きたかったな。

バンド・メンバーは誰だろうと、
楽しみにしておったのだが、
なんとキーボードに小島さん!
リズム体は、山木秀夫&美久月千晴という
ベテラン陣営。
ギターは、長田進は名前は知っているけど、
今堀恒雄については、勉強不足でした。

ちょっと後ろの方の席(1階)だったので、
オペラグラスが活躍したけど、
次回は、もっと前の方で観てみたい。


[ MEMBERS ]
井上陽水(vo, gt)
小島良喜(pf & key)
美久月千春(b)
山木秀夫(drs)
今堀恒雄(gt)
長田進(gt)
Lyn(cho)
fasun(cho)

[ SETLIST ]
01. ラブレターの気分で
02. カナリア
03. Make-up Shadow
04. 娘がねじれる時
05. 移動電話
06. 有楽町で逢いましょう(フランク永井)
07. リンゴ(吉田拓郎)
08. 女神(NHK「ブラタモリ」オープニングテーマ)
09. 瞬き(NHK「ブラタモリ」エンディングテーマ)
10. あの素晴らしい愛をもう一度(加藤和彦と北山修)
〜 休憩 〜
12. Here, There, And Everywhere(The Beatles)
13. 映画に行こう
14. 愛されてばかりいると
15. バレリーナ
16. My House
17. 氷の世界
18. 海へ来なさい
〜 Encore 〜
21. 渚にまつわるエトセトラ(PUFFY)
22. 夢の中へ
23. 夏の終わりのハーモニー

(セットリストは、終演後に貼り出されてました。)

@ オーチャードホール(渋谷Bunkamura)







2016.10.12

井上陽水 と 吉田拓郎

昨日は、井上陽水のコンサートに初めて行った。
私がギターを始めた1975年前後は、
吉田拓郎、井上陽水、かぐや姫などの
フォークが全盛で、チューリップのような
バンドでさえどうかすると「フォーク」という
くくりの中に入れられていたように思う。

私が初めて買ったシングル盤が
チューリップの『心の旅』で、
LP盤が吉田拓郎の『元気です』だった。

陽水のレコードは買った覚えはないが、
1枚だけシングル盤を何かの景品で
もらったことがあった。
それが『夕立』だった。
調べてみると1974年のリリースだ。

『夕立』もインパクトのある曲だが、
私には B 面の『ゼンマイじかけのカブト虫』の方が
強烈だった。
こんな歌詞だ。

カブト虫 こわれた
一緒に楽しく遊んでいたのに
幸福に糸つけ
引ひきずりまわしていてこわれた


私は、たぶん小6か中1だったと思うが、
この歌の世界の何かが恐ろしく、
繰り返し聞けなかった覚えがある。

当時は(例え歌えなくても)歌いたくなる
歌に惹かれたんだと思う。
そういう意味では、『夕立』も
『ゼンマイじかけのカブト虫』も
歌いたいとは思えなかったのだな。

一方で『夢の中へ』はポップで
コード進行も簡単なことから、
ギターの入門曲のようになっていたように思う。

昨日の陽水のコンサート・チケットを
申し込む頃、拓郎のコンサートのチケットも
発売された。
今月、東京、横浜、大宮で
拓郎のコンサートがあるのだ。

拓郎も死ぬまでに一度は体験しておきたい。
で、抽選に申し込んだのだが、2度も落選した。

ちなみに今、ネット・オークションを覗いてみたが、
1万円のチケットが2万円前後で出品されている。
2階11列目で2万円を超えている。
2万円かぁ。
う〜む、次の機会に見送ろう。





2016.10.13

いよいよ

一ヶ月ほど前、PC のモニターが
映らなくなったと書いた。→ これ。
それから、約ひと月問題なく映っていたのだが、
今朝、同様の症状が起きた。
いよいよあかんかと思い、
ついに出張修理を依頼した。

帰宅して電源を入れてみたが、
やはり何も映らない。
ところが、20ほど経って見てみると
映っとるやないか!
う〜ん、意味分からん。

修理は、頼んでしもたし、
キャンセルしてもキャンセル料が
かかるので、とにかく明日、
診断してもらうことにした。

原因が解消されることを祈って。





2016.10.14

PC 復旧!

PC の電源を入れるも モニターに何も
映らないという症状が、昨日の朝、発生した。
この1カ月半ほどの間に3回目だ。
何度かやり直すと映るので、
対策をせずにきたが、
このままではいつかホントに
映らなくなりそうなので、
昨日の昼間に、ネットで
訪問修理の業者を捜し、今夜の予約をした。

昨夜は、電源を入れてから時間が経つと
映っていたのだが、異常であることには
違いがない。
診断してもらい、解消できることなら
やってもらうことにした。

訪問修理のスタッフには、
今日、19時頃に来てもらった。
診断とトラブル解決作業合わせて、約1時間。
料金は 20,520円だった。

昨日、最初に問い合わせた業者は、
最低でも5万円以上かかるようなことを
言ったので、違う業者を探したのだが、
比較的安くおさまったのではないだろうか。

出張料金   5,400円
診断料金   3,240円
トラブル解決 11,880円
合計     20,520円

原因は、PC本体内の静電気による
接触不良みたいなことを言っていた。
ホコリだらけで、PC 本体の空気穴が
詰まってしまっているような状態で、
一度、繋がっているものを全部はずして、
グラフィック・ボードもはずして、
ホコリをとって繋ぎ直すことで復旧した。
汚かっただけ?
ま、部品交換とか、大げさなことに
ならなくて良かった。

ついでに怪しい表示が出る原因を調べてもらい、
そのアプリケーションのアンインストールに 4,320円。
アンインストールは、私でもできる作業だが
何をアンインストールすればよいのかは
分からない。
だから、そういう専門知識に料金が
かかるということなのだ。

その削除したアプリケーションというのは、
私がキーボードに打ち込んだ文字列を
自動的にどこかへ送っているという気持ちの悪いもの。
その文字列から、私がネットを観ているときに
出てくる広告が選ばれるという。
そんな怪しいものが、なんで私の PC に
入っているのか分からんけど、
何かと一緒にインストールされてしまったのだろうと
いうことだった。





2016.10.15

天晴 晴天 運動会

今日は、友人の子供ら(姉弟)の運動会の
撮影に行ってきた。
お姉ちゃんは小6で、小学校最後の運動会。
弟は小3。

この小学校はちょっと変わっていて、
運動会の時期が、年によって変動する。
今年は10月だが、昨年は 5月だったし、
その前年は、10月だった。
学芸会というのか、演劇の発表会が
2年に一度あって、それが秋に行われるので、
その年の運動会は春になるらしい。

さて、今日は運動会日和というのか、
素晴らしいほどの秋晴れで、
朝から日暮れ時まで、全く雲一つなかった。
こんな天気って一年に一度もないんちゃうかと
思うほどの晴天。
「あっぱれ」って漢字で書くと「天晴」だけど、
「天晴な晴天」でした。



今日驚いたのは、この小学校の運動会BGM。
準備体操の音楽が "Sugar Baby Love" ですぜ。
(The Rubettes の 1974年のヒット曲。)
体操の中身は、ラジオ体操と大して変わらないとは
思うけど。
1年生の玉入れのBGMは、The Beatles の
"Rock'n Roll Music"。
50年前の不良の音楽でっせ。
時代とともに常識も価値観も変わっていくのだなぁ。
徒競走の時にも『天国と地獄』や
『ウィリアム・テル序曲』『クシコス・ポスト』は
かからない。
ちょっとさびしいなぁ。

撮影の方は、毎度のことですが、
悩ましい運動会でした。





2016.10.16

Nothing But The Funk

日米混合ファンク・バンド
"Nothing But The Funk"。
前回に観てから5年も経っていた。

メンバーをチェックしてみると、
ギターとトロンボーンが、
変わっているがその他の4人は、
前回と同じ。

今日は、ドラムの沼沢さんの正面、
3列目で観たので、ドラムの生音が
ビシビシと伝わってきた。
この人のドラミングは、
"This is the Groove" って感じ。
タイトでパワフルで気持ちええ。
ただの8ビートだけでも
ずっと聞いていられんちゃうかと思うほど。

そこにカールのパーカッションが絡む。
と、これまた気持ち良くなる。
パーカッションのカール・ペラッゾという人は、
80年代に シーラE やプリンスとやったあと、
サンタナにヘッド・ハンティングされたそうで、
それから25年間、サンタナに在籍しているという。
そんなに長いこといる人は、いてないそうだ。

会場は、六本木ミッドタウンにある、
ビルボードライブ東京。
アンコールでは、エディ・M が、
客席から乗りの良い観客を数人ステージに上げた。
ステージで踊っているオネエチャンが
ロッポンギを象徴しているように感じた。

アンコールが終わってメンバーは楽屋にはけたが、
沼沢さんとベースのレイモンドは、
客席で何やら話している。
2回目のアンコールを求める客の拍手は
鳴り止まない。
2人はステージに上がり、
演奏し始めた。
すると、他のメンバーも順に登場し
2回目のアンコールとなったのだった。


[ MEMBERS ]
Eddie M (Sax, Vo)
Karl Perazzo (Per, Vo)
Raymond McKinley (B)
沼澤 尚 (Dr, Vo)
Joel Behrman(Tp, Tb, Vo)
Nate Mercereau (Gt)
森 俊之 (Key)

@ Bollboard LIVE Tokyo
ぴあポイントをチケットに交換し鑑賞





2016.10.17

GOCHO SHIGEO
牛腸茂雄という写真家がいた。


昨日は、六本木のビルボードライブへ、
"Nothing But The Funk" のライヴを
観に行った。
ビルボードライブのある
東京ミッドタウンには、
「フジフイルム・スクエア」がある。
フジフイルム・スクエアには、
いくつかの写真展コーナーと
写真歴史博物館などがある。

ちょうど観たい写真展をやっていたので、
早めにミッドタウンへ出向き、
フジフイルム・スクエアに行くことにした。

観たい写真展というのは、
「菅原一剛写真展 SAKHALIN」だったのだが、
他にはキタキツネの写真展と山岳写真展、
ミャンマーの鉄道写真展、そして、
牛腸茂雄という写真家の写真展を開催中だった。
この牛腸茂雄の写真に惹かれた。

牛腸と書いて「ごちょう」と読む。
変わった苗字だ。

牛腸茂雄は、1946年生まれで3歳の時に患った
胸椎カリエスが原因で、身体にハンディを持った。
10代からデザインの分野で非凡な才能を見せたらしく、
その後、写真の道に進んだ。
1983年心不全のため死去。
享年36歳。

展示されていたのは、
牛腸が撮った約30枚ほどの白黒写真。
ほとんどがポートレイトなのだが、
不思議と写っている人に笑顔がない。
観ていくと、1枚も笑顔がない。
深刻な表情というわけでもないが、
なんというか困っている風にも見える。

中に牛腸自身のポートレイトがあった。
一目見て、身体になにか問題を
抱えていたことが分かる写真だった。

解説にはこんな文があった。

何気ない日常で出会った子どもたち、
家族、友人... 静逸で淡々とした作品の奥から
こちらを見つめる被写体のまなざしは、
写真を通して「自分と世界との関わり」を
探求し続けた牛腸茂雄のポートレイトでもあります。
その身体的ハンディゆえに「見ること」と
「見られること」、「自己」と「他者」との
関係性を意識することを強いられていた
牛腸が世界を見るまなざしには、
常に初めて世界をみたような初々しさと
深い洞察が共存しています。


被写体のちょっと困ったような表情の意味が
少しわかったような気がしたが、
同時にそんな風に思うのは早計な気がした。

牛腸の写真に魅力を感じたひとつには、
写っている子供たちの空気感。
彼は 1946年生まれなので、
彼が 20代で撮影したそれらの写真に
写っている子供たちは、
ちょうど私と同世代なのだ。

着ているものや背景の雰囲気、
そんなものが私に郷愁を覚えさせたとしても
不思議ではあるまい。

帰宅してから、牛腸の「こども」という
写真集を注文した。





2016.10.18

木になるリニューアル

昨年9月から始まった、
東急池上線 戸越銀座駅 のリニューアル工事、
“木になるリニューアル” が
かなり完成に近づいてきた。


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多摩産の木材をふんだんに使った
ホーム屋根と壁は、デザインの美しさもあって、
新しいのに懐かしいという感じで、
毎日乗降りする乗客には、
嬉しいリニューアルだ。




PC またもや


4日前に2万円かけて修理した私の PC。
今朝、またもやモニターに何も映らないという
事態が起こった。
夜、帰宅後も数回電源を入れ直してみたが
全くダメで、裏側に接続されている、
外付けの HD などを全部抜いてみたり
しているうちに映った。

これ、完全に直ったわけではないっちゅうことや。
参ったなぁ。
こないだの修理の保障範囲で
サポートがあるのかなぁ・・・。

結構ハイスペックな、
このマシーンに買い換えて丸3年。
寿命というにはちょっと早いやろ。
せめてあと2年は使いたいなぁ。

そういうわけなので、この「ひとりごと」が
数日更新されないことがあったら、
とうとうダメになったと思ってください。





2016.10.19

何者
N@NIMONO


就職活動中の5人の大学生を描いた
映画『何者』。
予告編は、何度も観ていて、
「どんでん返し」というような言葉を
どこかで読んだので、
就活中の5人は実は犯罪グループだったとか、
そういう痛快な話かなと思っていたら、
全然違った。

渋谷で観たのだけど、
結構混んでいて、
8割が大学生ぐらいの女性で、
おじさんは私ぐらいだった。
ひぇ〜。

私は、大学に行っていないし、
就職活動もしたことがないので、
就活中の学生の気持ちとか、
「内定」がもらえない焦りとか
全く分からないのだけど、
本作は就活の映画ではない。

レビューに「就活のヒントがもらえなかった」って
書いていた(たぶん)学生がいたけど、
そんなものをこの映画に求めたのなら、
大きな的外れで「残念でした」としか
言いようがない。

本作は、現代の若者を描いており、
同時にその若者への応援というか
警鐘というか、気付いてほしいメッセージが
詰まっているのだと思う。

その現代の若者とは、いちいち 人(友人)の言動を
SNS でチェックし、自分が人にどう思われているかを
気にし、気に入らないこと、人への批判を
これまた SNS で発信する。
まあ、全員というわけではないのだけど。

私の若いころも、人の目はそれなりに
気になっただろうが、SNS がなかったおかげで、
現代に比べると ある意味かなり狭い世界で
生きていたことになる。
情報は、数人の友人から直接聞くしか
なかったわけだが、今では誰が何をしているか、
何を発信しているかが、スマホだけで、
瞬時に全部 わかってしまう。
考えてみれば怖い。

本作は、評価が結構分かれており、
高評価を付けている人のレビューを読むと、
登場人物の気持ちがよく分かり、
また本作を深く洞察している印象を受ける。
一方、低評価の人のレビューは、
言っちゃあ悪いが理解が浅く表面的な印象だ。

実は、私はよく分からなかった。
退屈することもなく、結末の予想もつかず、
観ていて面白かったのだが、
終わってみて、何が言いたかったのか
分からなかったのだ。

でも、高評価を付けている人の
レビューをいくつか読んで、
なるほどそういう映画なのか、
と理解した次第。

よく分からなかった理由の一つには、
私が SNS を活用していないということも
あるだろうし、決定的なことは、
ジェネレーション・ギャップだと思った。

観終えてトイレで「ホラーみたいだった」と
若い男性が話しているのが聞こえた。
観る人によっては、それほど怖い心理描写のようだ。

原作は、『桐島、部活やめるってよ』の
朝井リョウの直木賞受賞作。

主演は、ちょっと不安定な感じの学生を演じる佐藤健。
そのほか、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生。
佐藤健の先輩役に山田孝之。

佐藤健は、今年観た『世界から猫が消えたなら』でも
良かったけど、ただのイケメン俳優に終わらず
個性的な役者になっていく気配を感じて
期待大です。


★★★▲☆




シーモアさんと、大人のための人生入門

SEYMOUR : AN INTRODUCTION


予告編を観て、「これは観な」と
思っていたドキュメンタリー映画
『シーモアさんと、大人のための人生入門』。

イーサン・ホークが、
役者として人間として、悩んでいた時期に
偶然知り合った80代のピアノ教師、
シーモア・バーンスタイン。

シーモアに悩みを打ち明けたイーサンは、
彼に救われ、そして彼のピアノ演奏を聴き、
ドキュメンタリー映画を撮ることを
決意する。

予告編を観たときは、イーサンが
どんな風にシーモアに救われたのかが
描かれているのかと思ったが、
イーサンは、ほんの少ししか登場しない。
ほとんどは、シーモアの語りであり、
レッスン風景や 彼の生徒などの証言。
そして、シーモアのピアノ。

レッスン風景で特に印象的なのは、
シーモアのアドバイスで生徒の演奏が、
どんどん変わっていくところ。

先日、小曽根真さんのワークショップでも
目の当たりに体験したけど、
この映画の中でも、ウソみたいに
演奏が良くなる瞬間がとらえられている。

そして、シーモアの言葉が
いちいち素晴らしい。
試しにこれを読んでみてください。

劇中でのシーモア・バーンスタインの言葉

私もこれを読んではいたけど、
映画の中で実際に本人が語ると
読むのとは違った良さと深さがある。
音楽に限らず、何か打ち込むものが
ある人にはきっと響く言葉があるだろう。

演奏家としては、50歳で引退し
教師に専念していたシーモアが、
84歳でリサイタルを開く。

そのピアノをスタインウェイ社の地下で
選ぶシーンがあるのだが、そのピアノは
本人が「信じられないほど美しい」という
音色を奏でる。

そのピアノで演奏されるリサイタル。
もう美し過ぎて自然に涙がこぼれた。
そして、最後のシーモアの言葉。
涙腺完全決壊。
エンドロールのピアノにも涙が止まらない。

80分ほどの短い映画だが、
中身めちゃ濃いいです。
心洗われます。
DVD 出たら買うよ。

原題は、"SEYMOUR : AN INTRODUCTION" 。
なんか未来につながるタイトルでええなぁ。
邦題は、苦肉の策やろね。

ところで。
この映画を観て私は自分の楽器の練習方法の
大きな間違いに気づいた。

あるフレーズを弾けるようになるために
私はそのフレーズをただ繰り返し繰り返し弾く。
まるで自転車に乗れるように練習するように
鉄棒で逆上がりが出来るように練習するように
それはフィジカルな練習だ。

そこに「音楽」は存在していない。
音楽的でないということは、
クリエイティブでないということだ。

もちろん、弾けるようになったフレーズを
本番で弾くときは音楽的に弾くことを
心掛けるわけだが、クリエイティブに
練習してこなかったものを 本番だけ
クリエイティブに弾こうとしたところで、
無理がある。
それでなくても本番は、いっぱいの邪心があり
「音楽だけ」になるのが難しいのに。

フィジカルな練習も時には必要だとは思うが、
それ以上に、音楽的な練習の方が重要だ。

ああ、なんでこんなことに気付かなかったのか。
40年以上楽器を演奏していたのに。
まさに目からうろこ。


★★★★★





2016.10.20

何者 追加

昨日観た映画『何者』。
「現代の若者の間ではごく当たり前に起こること」
「これはどこにでも起こりうる現実の悲劇」と
書いているレビューを読んだ。

「よく分からなかった」と書いたように
ピンとこなかった私には、そのレビューを読んで
(へぇ〜そうなのかぁ)と考えさせられたのだった。

ピンとこなかった背景を、昨日は
「私が SNS を活用していない」ということと
「ジェネレーション・ギャップ」と
まとめてしまったけど
もう少し付け加え書いておきたい。

以下、ネタばれ含む。

登場人物たちの
コミュニケーションに疑問があるのだ。

就活2年目の拓人(佐藤健)が主人公。
その他の主要登場人物は、下記の4人。
拓人と同居している友人、光太郎(菅田将暉)。
そのモトカノ、瑞月(有村架純)。
瑞月の友人で偶然、拓人たちの住む
マンションの上の階に住む理香(二階堂ふみ)。
理香の彼氏で、同棲している隆良(岡田将生)。

この5人がそれぞれに就活をしている。
厳密には、隆良はちょっと違うけど。

片時もスマホを手放さず、
いちいち思ったこと感じたことを SNS で発信し、
友人仲間とつながっている風な若者たち。

それなのに、どこの会社を受けるとか、
どこの会社の面接に行くとか、
友達に言わないのだろうか?
「就活本部」とか言って、
集まって情報交換しようなんて言っているのにだ。

瑞月の内定が決まったあと、
理香が、どこの会社に受かったのか
知らないというシーンにも違和感があった。
友達なら「○×社の内定もらった」とか
メールやラインで知らせるのが普通だと思うのだが、
この頃の若者のコミュニケーションは、
こんなもんなのか?

それも踏まえて
「現代の若者の間ではごく当たり前に起こること」
なのだとしたら、
ますます おじさんには分かれへんなぁ。

まあ、本作の本質は、そこではないのは
分かるので、そこはそんなにシビアに
ならんでもええのかも知れないし、
原作を読めば疑問は解けるのかもしれん。

一日経って感じたは、この映画は、
「若いっていうのはこういうこと」なんだと
描いているんだということ。
別に SNS がどうのこうのっていうことではなくて。
SNS は、現代を描くためのツールにしか
すぎなくて、SNS のおかげで、
その「若いってこと」が浮き彫りにされているんだと。

今朝、通勤中に吉田拓郎の『青春の詩』を聴いて、
結局 若者の本質は70年代と同じやないかと思った。

後になって振り返るとちょっと恥ずかしい、
言ってみれば純粋で無垢な、
自分は特別だという勘違い。
周りからの評価が気になり、人と比較し、嫉妬し、
気に入らないと批判的に攻撃する危うさ。
それを「若さ」と呼んだり
「青さ」と呼んだりするんやと思う。

拓人は、ラスト近くの理香の指摘で、
ちょっとだけ目覚め、大人になる。

でもそれは、不安定でつらい過程なんだ。

その過程を経て、本物の自分を手に入れていく。
それが最後の面接のシーンで
表現されており、ラスト・シーンでは
未来への希望を象徴しているのだと思う。
そういう意味で、
これは若者へのエールなのだと思う。




桂歌丸
高座65周年記念落語会


今年80歳になった桂歌丸師匠。
『笑点』の司会の座は降りたが、
まだまだ現役。
とはいうもののこの1〜2年は、
入退院を繰り返しており、
この8月にも入院していたらしい。

今日は、「高座65周年記念落語会」。
チケットはソールドアウトの高座だ。

幕が開くとステージには、
歌丸師匠とゲストの好楽師匠。
まずは、対談だ。

実家は横浜にあった遊郭というのは、
聞いたことがあったけど、
小学生時代には噺家になることを
決めていたとか、
中学在学中に15歳で、噺家になったというのは
初めて聞いた。
最初の師匠は、5代目古今亭今輔。
その後、4代目桂米丸門下へ移籍した。

15歳で噺家になり、今年80歳で芸歴65年。
ここ1〜2年そうであるように
今日も高座に座った状態で幕が開く。
歩くのが大変なようだ。
でも、喋りは変わらない。
厳密には、幾分口調に衰えはあるのだろうけど、
以前の歌丸師匠と比べなかったら
分からない程度だ。

演目は、好楽師匠が『肝つぶし』で
歌丸師匠が『紺屋高尾』。
2つとも恋わずらいが噺の幕開けだ。
普通は、避けそうなのだけど
どういうわけだろうか。

相変わらず美しい日本語と語り口調。
「歌丸を人間国宝に」という運動があるのも
うなずける芸だと思う。


【 演 目 】
対談 歌丸・好楽
「肝つぶし」 三遊亭好楽
〜 仲入り 〜
三味線漫談 三遊亭小円歌
「紺屋高尾」 桂歌丸

@ きゅりあん 大ホール(大井町)







2016.10.21

ときどき写真展 66

いつだって 蛇口



某小学校にて(Oct.2016)





2016.10.22

なんか、すごい妻

最近、妻ネタをあんまり書いていないけど、
彼女の面白い言動がなくなったわけではない。
日常的に笑わせてくれているのだが、
ここに書くには、小ネタ過ぎて
上手く伝えることができないことが多い。
今日は久しぶりに妻のことを書こう。

先日、深夜のテレビ番組で、
沖縄のホテルを紹介していた。
一泊いくらかというのが問題になったのだが、
私と妻とで、意見が分かれた。
見込みが数万円違ったのだ。

こういう場面では、私はすぐに「賭ける?」と訊く。
大体は自分の考えに自信があるからだ。
その時もすかさす「きみずし賭ける?」と訊いた。

「きみずし」は2人で行けば3万円を超える
旗の台にある寿司屋だ。
行きたいけど何か理由がないと行けないお店。
なので、勝っても負けても、行く理由ができる。
負けた場合は、払うのがイタイけど。

妻は、自信がないのか
「きみずしはちょっと・・・」と躊躇した。

私は内心(ふっ、こいつ自信ないねんな)と
思いながら、「ほな FILO で」と言った。

FILO は、以前ここでも紹介したけど、
近所のイタリアンで、コスパが高い。
最近は混んできていて、
先日、予約なしで行ったら入れなかった店だ。
FILO の支払いは、2人で1万円を
超えたことがなく、妻も安心したようで、
「いいよ。FILO、賭けよう」と言った。

結果は 私の負けで、
私が妻に FILO をおごることになった。

数日後、歌丸師匠の落語会に行った。
落語会が終わると私は言った。
「今日は、FILO へ行くよ。
おごる約束だから。」
妻は聞き間違えたのか
「いいよ。覚えてないけど」と言った。
どうも話が食い違っているように感じたので、
「えっ?覚えてないの?」と聞くと
「覚えてないけど、おごるって約束したんでしょ。
おごるよ」と妻。

こいつ、数日前の賭けのこと、覚えとれへん。
賭けに勝った時、あんなに無邪気に
喜んでたのに。

そのまま黙って、ホンマに妻に
おごってもらおうかと思ったけど、
それではあまりにひどいので、
正直に言った。

「覚えてへんの?
沖縄のホテル、一泊いくらかかけたやん」
と言うとようやく思い出した。

自分に都合の悪い負けた時のことを忘れるのは、
なんとく分からないではないが、
彼女は勝った時のことさえも忘れてしまう。

そんな時、
なんか、
こいつスゴイと思う。

ちなみに。
私は、妻と食事を賭けたとき、
勝っても負けても絶対に覚えている。

「あんなに喜んでいたのに、
よく忘れられるなぁ」と言うと、
「仕事では、よくそんなこと覚えていますね、
って言われるほど誰が何を言ったか覚えているよ」
と言っていた。
彼女曰く、忘れるのは私のことだけらしい。
・・・ホンマやろか。

こういうことは、初めてではない。
例えば少し前にもこんなことがあった。

何かの購入代金を私が立て替えて払った。
彼女は、2〜3日後にその代金を私に払ったのだが、
それから数日たって、「あのお金・・・」と言うと
あわてて財布を取出し、払おうとしたのだ。
払ったことを覚えていないのだな。

そんな時、
なんか、
こいつスゴイと思う。

妻は、騙されないタイプだと思う。
なんでって、騙されたことに気づかないから。
詐欺って、騙された側が
被害に気付かないと成立しないもん。

やっぱり、
なんか、
こいつスゴイと思う。





2016.10.23

グッドモーニングショー

中井貴一がテレビのワイドショーの
メインキャスターを演じる
映画『グッドモーニングショー』。

出演は、中井貴一のほか、長澤まさみ、
志田未来、吉田羊、濱田岳、松重豊、時任三郎ら。

人質を取り、カフェに立てこもった犯人の要求は、
朝のワイドショー「グッドモーニングショー」の
メインキャスター澄田(中井貴一)だった。
澄田は、生放送中に現場に行き、
犯人の要求を聴く。
その現場は、世紀の生放送となる。

う〜ん、設定は面白そうだと思ったけど、
結果は、中途半端という印象。
コメディということで、
笑えるシーンがあるにはあるが、
コメディに徹しているわけでもない。
変に社会派なメッセージを込めているようにも
感じたが、これがまた中途半端。
犯人の動機も、それほどの説得力なし。
まあ、ああいう事件を起こす犯人の動機に
納得のいくものなんかないけど。

そんなわけで、ええ役者人を使っているのに
惜しい作品と感じた。
退屈はしなかったけど。

そのほか感じたこと。
濱田岳は、相変らず良い。
志田未来は、大人になったなぁ。
最近の吉田羊、いいなぁ。


★★★☆☆




団地


今年は、団地を舞台にした映画が多いね。
『海よりもまだ深く』、『アスファルト』、
そして、タイトルもそのものずばり『団地』。
6月に公開されていたのに、
どういうわけか見落としていた。

本作は、阪本順治監督が藤山直美のために
書いたオリジナル脚本ということだ。
阪本監督と 藤山直美のコンビといえば
『顔』(2000年)がある。
あれはビデオで観て、ちょっと冗長に
感じた覚えがあるのだが、
本作は、16年ぶりのコンビ復活作ということと
共演の藤山直美の夫役が岸部一徳ということで、
おもろそうやなと観に行ってきた。

大阪のとある団地を舞台にした物語。
となると、気になるのは大阪弁だが、
さすがは大阪出身の阪本監督。
大阪弁を喋る主要キャストは、
藤山直美、岸部一徳、大楠道代、濱田マリなど
関西出身の役者な上、ほかにも変な大阪弁を
喋る人が出てこなかったので、
言葉のストレスを感じずに観ることができた。
これ、とっても大事。

ストーリーは、最後には予想もつかない
壮大なことになっていくが、
ラストは、ちょっと憎い終わり方をする。

夕食に、お好み焼きをおかずに
ご飯(白米)を食べているシーンがある。
東京の人には理解できないでしょうな。

その他の出演は、石橋蓮司、斎藤工など。


★★★▲☆




海よりもまだ深く


目黒シネマで鑑賞。
団地映画の2本立てだったのか、『団地』の
同時上映作が『海よりもまだ深く』だった。
これは5月に公開されてすぐに観た。
その時のエントリー

2回目の鑑賞となったが、
5ヶ月もたっているとかなり新鮮に
観ることができた。

1回目の鑑賞では
「終わった途端、じわ〜っとくる」と書いた。
今日も、終わったとき、
何とも表現のしようがない、
その感じはこみ上げてきた。
でも、1回目ほどではなかったかな。


★★★★▲





2016.10.24

竹中俊二 Birthday Week Special!
Super Guitar Summit 2016!
アコースティックギター編


ギタリスト9人が出演するというので、
ギター好きとしては観ないわけにはいかない
ライヴ "Super Guitar Summit 2016"。

10月23日がギタリスト竹中俊二さんの
誕生日らしく、生誕祭ということで、
16日から25日までの10日間、
都内の色んなライブハウスで、
日替わりで色んな人と出演するという
特別な企画。
その中でも今日は、
目黒の ブルース・アレイ・ジャパンで、
9人のギタリストによるギター・サミット。

竹中さんは、幅広いジャンルのユニットを
いくつも組んでいる。
今日は、そんなギター仲間たちとの共演なのだ。

では、演奏曲とともに編成を紹介。
曲名後のカッコ内は分かる範囲での作曲者。

まずは、竹中俊二、鬼怒無月、有田純弘の
ブルーグラスなんかもやっているという
トリオ「FRET LAND」で2曲。

1. Once In Heaven(と言ったと思う)
2. Rhythm Future (Django Reinhardt)

続いては、竹中俊二、高木潤一、宮野弘紀の
フラメンコなイメージのトリオ
「TRIANGLE MAX TONES」で2曲。

3. メランコリー(高木潤一)
4. サンダンス(竹中俊二)

その次は、コンテンポラリー・ジャズなトリオ。
竹中俊二、道下和彦、布川俊樹の3人で2曲。

5. Falling Grace(Steve Swallow)
6. All The Things You Are(Jerome Kern)

3人同時ソロの『All The Things You Are』が
面白かった。
そのトリオに、有田純弘が加わった
カルテットで1曲。

7. Francisca(Toninho Horta)

そして、竹中俊二&増崎孝司デュオ。

8. Imagine(John Lennon)

1st Show ラストにもう一度、
「FRET LAND」で1曲。

9. 魚のウロコ(と言ったと思う)

休憩の後、2nd Show。
1st には出演しなかった、小畑和彦とのデュオで。

1. Samambaia(と言ったと思う)
2. Song For Obata(竹中俊二)

コンテンポラリー・ジャズ・トリオで。

3. Solar (Miles Davis)

竹中&増崎デュオで。

4. Led Boots(Jeff Beck)

「TRIANGLE MAX TONES」のトリオに
鬼怒無月が加わったカルテットで。

5. 地中海の舞踏(Al Di Meola)

アンコールは、なんと9人そろって。

EC. Spain(Chick Corea)

9人のユニゾンは圧巻。


面白かったぁ。
ジャズ、ブルース、ロック、スパニッシュ、
ブラジリアンと盛りだくさん。
初めて観るギタリストもいたけど、
いちばん好きやな〜と思ったのは、増埼さん。
竹中&増崎デュオの『イマジン』と
『レッド・ブーツ』は竹中さんもホントに
楽しそうだったし、聴いてても面白かった。

過去にもギタートリオは聴いたことがあるけど、
ギターはトリオよりやっぱりデュオの方がええな、
というのが私の感想です。

ギターは、鉄弦とナイロン弦で、
テイラー、ゴダン、オベイション以外は、
あんまり分かりやすいメーカーのものは
なかったけど、有田さんのギターは、
James Goodall かな。
増埼さんのは、Santa Cruz かな?
その2本(鉄弦)は、めちゃ太い音してた。
竹中さんのギターは、メーカー分からんけど、
鉄弦もナイロン弦も中低音があんまり
鳴っておらず、その2本とやると
音量がちょっと負けている感じがして、
PAでなんとかならんのかなぁと思いました。


[ MEMBERS ]
竹中俊二 (Gt)、鬼怒無月 (Gt)、有田純弘 (Gt)、
高木潤一 (Gt)、宮野弘紀 (Gt)、道下和彦 (Gt)、
布川俊樹 (Gt)、小畑和彦 (Gt)、増崎孝司 (Gt)

@ BLUES ALLEY JAPAN







2016.10.25

怒 り

先月観た映画『怒り』の原作を読んだ。
著者は、『悪人』『さよなら渓谷』の吉田修一。

映画の感想には、
「イマイチ犯人の『怒り』が何なのか
残念ながら、映画からは読み取れなかった」
と書いた。

原作を読んで分かったのは、
この作品のテーマは
「怒り」ではないということ。
いや、映画を観てもそれは分かっていたのだが、
前述のような感想を記した自分を観てみると、
ちょっとずれた観点で観てしまったような気がする。

また、犯人が誰だが分かっていて読んだので、
3人の男の誰が殺人犯なのかという
サスペンス的要素については、
言及しづらいのだが、
やはり本作の本質は、そのサスペンス的な
部分でもないことも感じた。

本作のテーマは、信じること。
そして、その難しさ。
「愛している = 信じている」ではない、
その難しさ。
信じたいのに信じきれない難しさ。
それらをいくつかの人間関係を背景に
描いている。
男と男、男と女、恋愛だったり、父娘だったり。

原作には、映画には描かれていない
「信じることの難しさ」も描かれている。

600ページ近い原作を140分程度の映画で
描き切るのには、そもそも無理があるので、
仕方がない面もあるのだろうが、
映画を観たあとに原作を読んでみると、
原作の持つ重厚さ、悲しさ、力強さが
映画では十分に描かれていたとは言い難い。

もっとも、映画を観て、ストーリーを
知った上で原作を読んだわけで、
映画を観たことが、原作を読む際の
理解の助けになっていないわけがないので、
「映画では十分に描かれていたとは言い難い」
なんて言いきってしまうのは、
不公平な感じもする。
順番が逆だったら、映画の感想も
変わってくるかもしれないからね。

映画を観て疑問だった点が、
原作を読んで全てクリアになった
わけではないのだが、そんなこと
疑問のままで構わないと思えるほど
原作にはパワーがあった。

読んでスッキリする物語ではないが、
「信じる」ということについて、
考えさせられる。
「『信じる』ということについて
考える」と言うことは、
相手が信じた通りでなかった時に
その相手をも受け入れられるか、
ということも含んでいるように思う。
そんなこと考えてる時点で、
「相手のこと信じてへんやんか」とも
思うが、信じるということは
裏切られても良いと腹をくくることの
ような気もするのだった。
難しいけど。


★★★★★





2016.10.26

トニーニョ・オルタ & 小野リサ

トニーニョ・オルタは、ブラジルの
ギタリスト、シンガー・ソングライター。
ライヴは、6年前にジャック・リーとの
デュオを観て以来、二度目。
小野リサはナマで聴くのは初めてだ。

8月に観た Joyce Moreno と Ivan Lins の
ライヴでブラジル音楽の素晴らしさを体験し、
先月の 東京JAZZ で観た Sergio Mendes も
良かったので、このライヴも観たくなったのだ。

まずは、トニーニョひとりによる弾き語りで3曲。
ギター1本でも自然に体が動いてしまう。
ピアノの林正樹を招き入れ、デュオで1曲。
続いて、エレキ・ギターに持ち替え、
"Francisca"。
この曲、一昨日の竹中俊二さんのライヴでも
演っていたなぁ。シンクロです。
エレキ・ギターは、ちょっと遠くて
メーカー確認できず。

続いて やや長い MC。
ほとんど分からんかったけど、
何言っていたか知りたかったなぁ。
「シンカンセン」とか言うてたので、
6年前のライヴで演ってた「シンカンセン」の
歌の話とかしてたんやと思う。
やはり、英会話習おうかなぁ、と
この瞬間は思う。

MC のあと、小野リサ登場。
小野リサは、ギターを持たず。
トニーニョの伴奏で "Moon River"。
ゆったりと、美しい演奏です。

続いて、3人でミルトン・ナシメントの
"横断旅行(Travessia)" という曲。
この ミルトン・ナシメント のことは
不勉強で知らなかったけど、
「ブラジルの声」の異名を持つ、
大物アーティストのようだ。

それから、ビートルズのカバー。
"Across the Universe"。
これがまた良い。
Nothing's gonna change my world・・・
何ものも僕の世界を変えることはできないんだ。
偉大なり、ジョン・レノン。

そのあと、2曲演って、本編は終了。
アンコールで、再び ミルトン・ナシメント の
曲で締めくくった。

次回は、ぜひバンドで来日してほしいな。



[ MEMBERS ]
Toninho Horta (Vo,Gt)
小野リサ (Vo)
林正樹 (Pf)

@ Bollboard LIVE Tokyo
2nd Show





2016.10.27

2016 落語一之輔・三夜
その第一夜


2014年に始まった、春風亭一之輔のこの落語会、
1年目は一夜、2年目は二夜、3年目は三夜、と
増えていき5年目には、五夜の公演を行い、
5年合計で十五夜になるという乙な企画。

そのことを知らず、たまたま1年目の
高座を聴いてしまった私は、
「よし、ならば5年かけて十五夜全部聴こう」と決意。
この高座では、毎夜ネタおろしとなる演目が
聴けるのだ。
そんな機会はそうそうないもんね。

来年は四夜連続、再来年は五夜連続となるわけで、
スケジュール的にタイトになってくるが、
ぜひとも十五夜全公演制覇を達成したいもんだ。
四夜、五夜連続と言っても観客は、
座って聴いているだけなので、
体力的には 大してしんどいわけではない。
演る方は大変だろうけど。
なんて思っていたら、今日のパンフレットには、
この企画を 2020年東京オリンピックの年まで続け、
「一之輔七夜」としてはどうかという、
主催者の言葉が載っていた。
本人は、「何、勝手なこと書いてんだよ」って
言ってたけど、どうなるんでしょね。

そんなわけで、今年の三夜も3公演とも
チケットを入手。
3日間ともソールド・アウトの人気の高座だ。

一之輔が「3日間来る人?」って訊いたら、
10人以上(後ろは見えなかったのでもっといたかも)は
手が挙がってたので、私と同じようなことを
考えている人がいるんだろうな。

一昨年、昨年と合わせて 三夜 聴いたわけだが、
これまでのネタおろしは、下記の三席。
2014年 一夜     「文七元結」
2015年 二夜 / 第一夜 「三軒長屋」
2015年 二夜 / 第二夜 「百 年 目」

今年は、チケットの前売り情報に
こんな風に記載されていた。

演 目:
第一夜 「三井の大黒」 他
第二夜 「睨み返し」 他
第三夜 「柳田格之進」 他
※各夜共に、ネタおろし有り!


今日は、「三井の大黒」以外は
聴いたことがあったので、
「三井の大黒」がネタおろしだったんだと
思うけど、本人からそういう話はなかった。

開口一番、桂三木男の「人面瘡」のあと、
一之輔の一席目は「加賀の千代」。
大晦日、支払いのお金がない甚兵衛さんが
ご隠居のところにお金を借りに行く噺。
この噺、一之輔でしか聴いたことがないのだが、
ご隠居の "甚兵衛さん愛" が最高。
これは、一之輔ならではの ご隠居だと思う。

続いて、「茶の湯」。
同じ噺家が二席続けて演る場合、
高座を下りずにそのまま続けて演る人もいるが、
一之輔は一旦、高座を下りる。
その方がけじめがあって私は好きだ。
さて、「茶の湯」。
後半、定吉の人格が変わってしまうあたりに
一之輔らしさがある。
一之輔の「茶の湯」は、
CD では聴いていたけど、高座は初めて。

休憩のあと、江戸家小猫の動物ものまね。
曽祖父 江戸家猫八 が始めた動物ものまね。
小猫は四代目となるという。
結構、面白かった。

そしてトリは、一之輔の「三井の大黒」。
このネタは、最近、入船亭扇遊の CD で
知ったところだった。
飛騨の名工、左甚五郎の噺。
オチがちょっと難しくて調べて納得。

とっても満足な「一夜」でした。
明日も楽しみ。


【 演 目 】
「人面瘡」 桂三木男(二つ目)
「加賀の千代」 春風亭一之輔
「茶の湯」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
動物ものまね 江戸家小猫
「三井の大黒」 春風亭一之輔

@ よみうり大手町ホール






借金2000万円を抱えた僕に
ドSの宇宙さんが教えてくれた
超うまくいく口ぐせ


30〜40代には、ニューエイジ、
スピリチュアル、自己啓発系の本を
結構読んだものだが、最近はほとんど
読まなくなった。
読まなくても大丈夫になったというのかな。
でも、なぜか惹かれたこの本は面白かった。

この長ったらしいタイトルの本
「借金2000万円を抱えた僕に
ドSの宇宙さんが教えてくれた
超うまくいく口ぐせ」
をなぜ知ったか
数日前のことなのに思い出せない。
アマゾンの読者レビューをいくつか読んで、
すぐに注文し、届いた翌日には、
読み終えていた。

著者が商売に失敗し、
2000万円の借金を抱えた状態から、
どうやって全額返済に至ったのか、
どうやって幸福をつかんだのか、
「宇宙の法則」を使って
どのように人生の大逆転をしたのか、
その秘密を全て明かしてくれる。

そして、それを信じる者だけに
宇宙は力を貸してくれる。

タイトルだけでは、薄っぺらい内容かと
思ってしまいそうだが、
どうしてどうして、なかなか深い。

著者が、パワーストーンのブレスレットで
商売していることで、マイナスなイメージを
持ってしまう人がいるようだが、
そのことで、本質を見誤るともったいない。

ナポレオンヒルやカーネギー、
引き寄せの法則、ホ・オポノポノなど、
内容は、すでにどこかで読んだことのあること、
知っていることがほとんどなのだが、
今まで読んだ中では、一番わかりやすく、
実践もしやすいのではないかと思う。


★★★★★





2016.10.29

2016 落語一之輔・三夜
その第二夜


昨日は春風亭一之輔、三夜連続の独演会、
その第二夜だった。

開口一番は、柳家ろべえ。
二つ目で、来年真打に昇進が決まっているらしい。
名前が「ろべえ」でお客さんから
「やじ」が飛んで「やじろべえ」になるという
話に聞き覚えがあった。
帰ってから調べてみると、昨年12月に
やはり 春風亭一之輔 独演会 で観ていたよ。

さて、ろべえ が話の中で「今の師匠は小三治」と
言ったのだが、その「今の」に引っかかった。
なんで「今の」なんだろうと。

一之輔が登場後、マクラで ろべえ のことを
いじっていたのだが、その中で 「ろべえ の
師匠の柳家喜多八が死んだ」という話が出てきた。
私は、驚いた。
全く知らなかったのだ。

喜多八師匠のことは、
CD を聴いて好きになったのだが、
中々高座を観る機会がなく、昨年4月に
ようやく一席だけ聴くことができた。
その時は、喜多八師匠の 「歌いたい」 という
希望で前半は歌謡ショーのような落語会だった。

それが、私が喜多八師匠を観た、
最初で最後の高座になってしまった。
あの独特の脱力系のマクラ、
なのに落語が始まるといつのまにか、
引き込まれてしまっている、
そんな高座をもう観ることができないのかと
思うと非常に残念で哀しい。

調べてみると今年 5月17日に亡くなっていた。
癌だった。
享年66歳。
ちょっと若すぎるよなぁ。

私は全く知らなかったのだが、
昨年観たときにはすでに闘病中だったらしい。
全くそんな風には感じなかったのだが。

先に癌だと知ってからだと、
いくらかでも心の準備ができるのだが、
今回のように全く知らなかった場合、
その衝撃も大きいのだと、知りました。

それで、ろべえ は「今の」師匠は小三治だと
言ったわけだ。
小三治師匠は、喜多八師匠の師匠で、
ろべえ からは、大師匠にあたる人だったのだ。

喜多八師匠は、唯一の弟子の ろべえ が
真打に昇進するのに立ち会えないのは
無念だったろうな。
その ろべえ は、真打昇進時に
柳家小八を襲名する。
「小八」は、喜多八師匠の二つ目時代の
名前らしい。
ぐすん。

一之輔の独演会のレポートなのに、
喜多八師匠の話が長くなってしまった。

ろべえの「やかんなめ」に続いて
一之輔の「かぼちゃ屋」。
かぼちゃは、唐茄子(とうなす)とも
呼ぶらしく、この噺も「唐茄子屋」とも言う。

似たようなタイトルの落語に
「唐茄子屋政談」というのがある。
「かぼちゃ(唐茄子)屋」の方は、
与太郎が登場する滑稽話だが、
「〜政談」の方は、人情話で全く違う噺。
ただ、どちらも かぼちゃをかついで
売りに歩く点は同じ。
で、一之輔の「かぼちゃ屋」。
与太郎が、かぼちゃを担いで歩いていると、
「〜政談」の方でかぼちゃを売りに歩く、
徳兵衛と会う。
そこで、与太郎が徳兵衛に適当なことを言って
徳兵衛の行き先を変えてしまい、
「歴史を変えてやった」と言う。
これは、「唐茄子屋政談」を知らないと
全く何のことか分からないのだが、
知っていると最高に笑えるのだ。
落語に詳しくなればなるほど、
落語の面白さが分かるのだな。

与太郎は、かぼちゃを売り歩きながら、
「なんで明日『柳田格之進』なんだぁ」と
一之輔の心の声も吐露する。
「柳田格之進」は翌日に演る演目。
一之輔は、人情噺は好きでないのかな。
「こういう噺(かぼちゃ屋)の方がいいよう」って。
次のマクラで「与太郎の言ってたことは
ウソですから」って自分でフォローしてたけど。

続いて、「欠伸指南」。
これは、演る人によっては退屈な噺にも
聞こえるけど、一之輔は爆笑をとります。
もうオリジナルです。

中入りを挟んで漫才はロケット団。
この人たちも面白いよ。
YouTube で検索してみて下さい。

トリは、「睨み返し」。
前半は聴いたことがあるように感じたのは、
大晦日に借金取りが来る噺が、
他にもあるからだろうか。
でも、最後まで聴くと、
初めて聴いた噺だった。

【 演 目 】
「やかんなめ」 柳家ろべえ
「かぼちゃ屋」 春風亭一之輔
「欠伸指南」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
漫才  ロケット団
「睨み返し」 春風亭一之輔

@ よみうり大手町ホール






PK


「PK」といっても
「ペナルティ・キック」のことではない。
2013年公開のインド映画『きっと、うまくいく』の
ラージクマール・ヒラーニ監督と
主演のアーミル・カーンのコンビの最新作。
本日、公開初日。

2014年の製作で、すでに世界で100億円の
興行収入を上げている大ヒット作だ。
『きっと、うまくいく』も素晴らしい作品だったので、
おのずと期待度は上がってしまう。

テレビ局で働く女性が、神様を探しているという
変わった男 PK と出会う。
実は PK は、宇宙人。
その PK の言うことは、無垢で純粋。
なぜ、今までそのことに疑問を持たなかったの?
というような問題に鋭く切り込んでいく。
最初に「どの宗教をも批判する意図はない」と
字幕が出るが、私は大いなる問題提起であると同時に
答えであるように感じた。

ヒューマン・コメディということで、
笑いもいっぱいあったけど、
最後にはずい分と泣かされてしまった。

ウソのない星から来た宇宙人が、
最後にウソをつく。
どんなウソかは、ぜひ劇場でお確かめください。

前半の舞台となるベルギーの街の光景が良い。
そして、ヒロインのアヌシュカ・シャルマが
愛らしいです。


★★★★★




2016 落語一之輔・三夜
その第三夜


いよいよ、三夜の千秋楽だ。
今日は、私と同様に一之輔好きな妻も同行。

まずは古今亭志ん八の「粗忽の釘」。
この人も来年の真打昇進が決まっているらしい。

一之輔の一席目は「新聞記事」。
何度も聴いているが、それでも笑える。
噺の膨らませ方が上手いんだと思う。
続いて「お見立て」。
これまた何度も聴いているが、
やはり新しく聴かせるのは
素晴らしいと思う。

休憩をはさんで曲独楽。
独楽回しなんて、と思っていたら、
結構面白かった。
一之輔が、寄席の色物を紹介したいと
言っていたが、それも分かるような気がした。

いよいよトリは「柳田格之進」。
昨日、かぼちゃ屋の与太郎が
「やりたくないよ〜」と言っていたネタだ。
確かにあんまり笑えるシーンはなく、
真面目な人情噺。
今まで数人の「柳田格之進」を
聴いたことがあるのだが、
それらとはちょっと違う結末だった。
もしかしたら、いくつかのパターンが
あるのか、一之輔ヴァージョンなのかは
分からないけど。

3日間、楽しい落語会だった。
来年は、四夜。
10月18〜21日と決まっているようです。
行くぞ〜!


【 演 目 】
「粗忽の釘」 古今亭志ん八
「新聞記事」 春風亭一之輔
「お見立て」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
曲独楽 三増紋之助
「柳田格之進」 春風亭一之輔

@ よみうり大手町ホール







2016.10.30

ときどき写真展 67

いちょう



東京都狛江市の保存樹(Oct.2016)





2016.10.31

続・応援しないと負ける

昨夜は、テレビで 錦織圭 の
テニスの試合が放映されていた。
以前にも書いたが、妻のテレビ観戦の
応援の仕方は、半端ではない。
深夜だと
「近所迷惑なので、もう少し声を落とそう」と
言わなければならないことがたびたびあるほどだ。

昨夜の試合は、スイスで行われた
「スイス・インドアーズ・バーゼル」の
決勝戦だったようだが、
あいかわらずの激しい応援で、
隣の部屋の私にもハッキリと聞こえていた。

途中、トイレか何かの用でテレビから離れたようで、
戻ってきた妻のこんな声が聞こえた。

「あ〜、応援しなかったから、
負けちゃったのね。ごめんねぇ〜」

これ、テレビに向かって 本気で
言っているんですぜ。



ひとりごと