LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS


 つつみしんやのひとりごと  2016年 1月
    感想・ご意見は→ shinya◇shin223.com
    メールをくださる方は、上記アドレスの◇を@に変えて送ってください。(スパムメール対策)   


2016.1.2

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

大晦日から今日まで大阪に帰省しておりました。
今年は、今宮戎(いまみやえびす)へ初詣。
若い頃、十日戎(※)に行ったら、
物凄い人出だった覚えがあり、
初詣でも大変な人だろうと思って行ったら、
(2日ということもあるだろうけど)
気が抜けるほどガラガラだった。
大阪で初詣は住吉神社が一番人気なのかな。

えべっさんは、商売繁盛の神様。
今年も商売がうまくいきますように!

(※)十日戎:1月9〜11日にえべっさん(戎神社)で
行われる、商売繁盛を願う祭礼。


今宮戎神社





2016.1.3

2015年 ベスト映画

できることなら年末にこのエントリーを書きたいと
思うのだが、中々そういう風にできなくて、
年を明けてから、昨年を振り返るということに
なってしまう。
というのも、大晦日ギリギリまで、1本でも多く
映画を観られるもんなら、観たいと思っている上に
年末バタバタしていて、ゆっくりとこのことを
書いている余裕がないという言い訳があるのだな。

さて、昨年は、年間劇場鑑賞数 78本と、
一昨年の記録 68本を 10本も更新した。
奇しくも 邦画 39本、外国映画 39本と、
半々という数だった。

そんな中、★5つ、または★4つ半を付けた作品は
下記。(観た順)

ー ★5つ ー
『アメリカン・スナイパー』
『君が生きた証』
『パリよ、永遠に』
『博士と彼女のセオリー』
『イミテーション・ゲーム/ エニグマと天才数学者の秘密』
『みんなの学校』(ドキュメンタリー)
『映画 ビリギャル』
『脳内ポイズンベリー』
『ダライ・ラマ14世』(ドキュメンタリー)
『国際市場で逢いましょう』
『日本のいちばん長い日』
『きみはいい子』
『テッド 2』
『at Home アットホーム』
『ヴィンセントが教えてくれたこと』
『マイ・インターン』
『エール!』

ー ★4つ半 ー
『ショート・ターム』
『アゲイン 28年目の甲子園』
『妻への家路』
『風に立つライオン』
『くちびるに歌を』
『ジヌよさらば 〜 かむろば村へ 〜』
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』
『ワイルド・スピード SKY MISSION』
『ジェームス・ブラウン〜最高の魂(ソウル)を持つ男〜』
『海街diary』
『アリスのままで』
『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』
『天空の蜂』
『杉原千畝 スギハラチウネ』


こんなこと書いてしまうと身も蓋もないが、
この★5つだの4つ半だのという評価は、
あんまり当てにならない。
というのも、その観た時の自分の状況や
感じ方によって結構変わるだろうと
自分でも思うからだ。
と言っても、★5つの映画が ★2つになったり、
その逆とかはないので、ある程度は、
基準が定まっているとは思うけど、
ここに書かなかった★4つの映画の中にも
観るときによっては、★4つ半や5つを
付けたかも知れない作品があるだろうと思う。

まあ、そんなこんなの思いも含めて、
78本の中から、印象に残っている5作品を
選ぶなら、2015年はこの5本。(順位は無し)

『アメリカン・スナイパー』
『君が生きた証』
『パリよ、永遠に』
『きみはいい子』
『エール!』

アメリカ映画、フランス・ドイツ合作映画、
日本映画、フランス映画と色々です。

ドキュメンタリーでは『みんなの学校』。

世間での高評価の割に、
私にはピンと来なかったののが、『あん』。

前編は良かったのに後編でちょっと失速したのが、
『寄生獣』『ソロモンの偽証』。

残念、ガッカリな作品は、
『龍三と七人の子分たち』『ギャラクシー街道』。


2016年も良い映画をたくさん観たいなぁ。
昨年、アンジェリーナ・ジョリー監督作品の
『Unbroken』が反日映画だとの批判が上がり、
公開が中止になったのだが、
『不屈の男 アンブロークン』として、
ようやく 2月に公開されるようだ。
そのほか、スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の
『ブリッジ・オブ・スパイ』
山崎貴監督、岡田准一主演の
『海賊とよばれた男』など、今から楽しみだ。





2016.1.4

赤めだか

年末28日に放送された テレビドラマ『赤めだか』
録画しておいたので、先日、鑑賞した。

『赤めだか』は落語家・立川談春の原作。
原作は未読なのだが、ドラマは、
談春が高校時代、落語家になることを決心し、
立川談志に入門する頃から、前座時代、
そして二つ目昇進までの約4年間を描いている。

出演は、談春に二宮和也、談志にビートたけし、
志の輔に香川照之、志らくに濱田岳、
そのほか、宮川大輔、新井浩文、さだまさし、
寺島進、岸本加世子、リリー・フランキー、
春風亭昇太、春風亭小朝、中村勘九郎、三遊亭円楽、
柳家喬太郎、ラサール石井、坂井真紀、正司歌江など。

二宮は、先日観た映画『母と暮せば』、
3日に放送されたテレビドラマ『坊ちゃん』など、
主演が続いているが、事務所(または本人)が
俳優として力を入れているのだろうか?

それはさておき。
談春の落語は CD で2〜3席聴いただけだで、
高座はまだナマで観たことがない。
最近は、俳優としてドラマにも出演しているが、
ドラマの入門エピソードや、前座修行時代のことが
本当なら、やはり成功する人は、
最初から心構えが違うなぁと思わずにいられない。
ドラマの中でも厳しい修行に耐えかねて
やめて行く弟子が描かれているが、
真打になって、なおかつこの世界で
生き残っていくということは、
並大抵のことではないだろうと容易に想像できる。

談志の落語はあまり好きではないと、
ここに何度か書いたことがあるが、
弟子への愛情の深さ、その愛情表現の不器用さ、
ひねくれている様だが貫かれた信念、
破天荒な生き様、それらが全てが
談志の魅力なんだろうなと
ドラマを観ていて 思った。

そして、弟子たちのその師匠への愛は、
弟子たちの話を聞いて、今までにも何度も感じたこと。
素晴らしい師匠だったんだろうなと思う。

これだけ自由な風潮の時代、
絶対的な師匠がいるという世界は、
どんどん減っているだろう。
以前、鶴瓶師匠も言っていたけど、
一生、頭の上がらない人(親兄弟ではなく他人でね)が
いるということは、素晴らしいことなんだと思う。

談志の落語は、あんまり好きではないと
書いたけど、ドラマを観て、
ちょっと談志のことが好きになり(単純です)
「久しぶりに談志の落語、聴いてみようかな」っと
寝る前に1席だけと聴き始めたが、
やっぱり、途中でやめてしもた。
選んだのが悪かったのかね。
私とは 相性が悪いのかね。

ドラマは、劇中に流れる音楽の選曲が
私にはどストライクで Very Good。
DVD、Blu-ray にして販売もされるようなので、
テレビ局としても力を入れた作品ということなのだろう。
原作も読んでみよう。





2016.1.4

新年早々の訃報

ナタリー・コール、
65歳での訃報である。
2015年12月31日(ロサンゼルス現地時間)、逝去。
う〜ん、ちょっと早いなぁ。

ナタリーは、ナット・キング・コールの実娘。
CD は、買ったことがあるけど、
ライヴは観たことがなかった。
最後の来日は、2014年11月だったようだが、
この来日時にも本人の体調不良のため、
東京ブルーノートでの公演が、
1日キャンセルになっている。

やっぱり、生きているうちに
観ておかんとな。
「生きているうち」というのは、
自分かアーティストか、両方ね。

R.I.P.
NATALIE COLE





2016.1.5

消えた声が、その名を呼ぶ
(原題:THE CUT)


先日観た映画『海難 1890』では、
トルコ人の誇りと良心が描かれていたが、
『消えた声が、その名を呼ぶ』では、
そのダーク・サイドともいうべき、
トルコの暗い過去がポイントとなっている。

国際情勢+世界史に疎い私は、
全く知らなかったのだが、1915年、
オスマン帝国(オスマン・トルコ)で
アルメニア人虐殺があり、その犠牲者数は
100万人とも150万人とも言われていて、
今でもアルメニア政府とトルコ政府の見解が
一致していないのだという。
あのヒトラーがユダヤ人虐殺の手本にしたとまで
言われている酷い事件であったようだ。

監督は、トルコ系のドイツ人、ファティ・アキン。
この虐殺事件を扱った映画は、アルメニア系の監督のものは
あったようだが、トルコを出自とする監督が
この映画を撮ったということにも重要な意味があるようだ。

物語は、1915年、第一次世界大戦中のオスマン・トルコ。
ナザレットは、夜中に突然やってきた憲兵に
強制連行され、妻と娘(双子)と引き離されてしまう。
奇跡的に虐殺を逃れたナザレットは、
家族は皆殺されてしまったと耳にするが、
その後、娘二人は生きていることを知る。
そして、ナザレットは、娘との再会のために旅に出る。

その旅が、キューバ、アメリカと
海を越えての壮大&過酷な旅。
おまけにナザレットは、暴行にあい
声が出なくなっている。

戦争で引き離された家族の物語は、
これが初めてではない。
政治家か国王か軍隊か、誰が戦争を
始めるのか知らんけど、
戦争に巻き込まれた民は、
いつもいつも、辛い悲しい思いをしてきたのだ。

これは、今から100年前の物語やけど、
100年経った今も、紛争と難民で
人間は苦しみ続けているというのは、
一体どういうことなんだろう。

とはいうものの、本作は戦争映画という感じがしない。
家族に、娘に会いたい、という父親の
執念ともいえる、たった一つの希望の物語だ。

最後に娘に会えるのかどうかは、
ぜひ、劇場で。

酷い兵士や男達が多く出てくる中、
善き人が何人も登場することは救い。

それにしても、邦題はなんとかならんかね。


★★★★☆





2016.1.6

プロフェッショナル 仕事の流儀
笑いの奥に、人生がある
噺家 柳家小三治の仕事


NHKテレビで10年以上続いている
ドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』。
2008年10月14日に放送された、
その100回記念が落語家の柳家小三治の出演だった。

この日の放送は、DVDになっているのだが、
レンタルショップでは、驚く程 いつも貸し出し中だった。
私が「借りたいな」と気にしだしてから、
1年以上は経っているが、
先日、ようやく借りることができた。

2014年、師匠の小さんに続き、
74歳で人間国宝になった小三治師匠だが、
番組放送当時は、68歳。

この2〜3年で、数十回 落語会に行って、
100人以上の噺家を観てきたが、なんと、
この人間国宝を、私はまだナマで聴いたことがない。
(CD では数席聴いたけど。)

パッと見、寿司屋の大将のような出で立ち。
芸に対しての厳しさは、色んな噺家の
話で伝わってくるので、そういうイメージはあった。

番組を観て驚いたのは、
お客さんを笑わそうとはしていないこと。
余計なことをしなくても、古典落語は面白いからだ。
とはいうものの、面白くない噺家もたくさんいる。
そこで、求められるのが、話芸。

小三治師匠には、お笑い芸人によくあるような
客を笑わせようとするサービスは感じられない。
お笑い芸人ではなく、本当の話芸の人。

「笑わせるもんじゃない、
つい、笑ってしまうもの
これが芸だと思うんですね。」

う〜む、深い。

これは、ナマで高座を観なければ。





2016.1.7

またハズレ

山下達郎のチケットが取れない。
達郎は、昨年10月から今年の4月までの
全国ツアーを展開中だが、このチケットが取れない。

今日、抽選結果の発表だった 2月26〜27日の
中野サンプラザホール公演は、
第1希望(27日)、第2希望(26日)ともハズレ。
前回のツアーから、数えるともう合計20回ぐらい
抽選に落ちている。

くじ運、悪いなぁ、オレ。

チケット代金は、8,800円。
もちろん、営利目的の転売は禁止されているけど、
ネット・オークションでは、2〜3万円で
取引されている。

3万円も出すぐらいなら、少々交通費がかかったって
かまわないと、東京、神奈川の公演に限らず、
埼玉や静岡の公演まで申し込んだが、
全て抽選に外れた。

残るチャンスは、2月のNHKホール公演か。
これが取れなかったら、オークションも
考えるしかないか。
う〜ん、観たいなぁ。





2016.1.8

THE GREATGUITARS
featuring MARTIN TAYLOR,
ULF WAKENIUS & KAZUMI WATANABE


2002〜03年ごろだったと思うけど、
たまたま聴いた JAZZ のコンピの中に
気持ちええギターの曲があった。
そのギターを弾いていたのが、
マーティン・テイラーだった。

その曲は、スムーズ・ジャズ系の曲だったけど、
マーティンの CD を買ってみると
ソロ・ギターが素晴らしいことを知った。
バラードなど 泣けるほどに美しい。

で、来日公演を観に行くようになった。
初めてナマで観たのは、2003年だった。

マーティンは、ソロ・ギターだけではなく、
ギター・デュオも 結構演っている。
今までに、マーティンと鈴木大介(2004年)、
マーティンと渡辺香津美(2005年)、
マーティンとウルフ・ワケーニウス (2011年)、
マーティンとミュリエル・アンダーソン(2012年)を
観ているが、マーティンのサイトを覗くと、
トミー・エマニュエルとの共演もあったようだ。
知らなかったが、CD(輸入盤のみ)も出ていた!
このデュオ、ぜひ、日本でも実現してほしいな。

2014年の来日時は、スケジュールが合わず、
残念ながら観られなかったのだが、
今回は、 「ザ・グレート・ギターズ」ということで
マーティン・テイラー、ウルフ・ワケーニウス、
渡辺香津美のトリオでの公演だ。

今日は、東京 3日間公演の初日。
その 2nd Show を観てきた。

まず、3人で登場。
トリオで 2曲演ったあと、
3通りの組み合わせのデュオで1曲ずつ。
そして、ソロを1曲ずつ演ったあと、
再びトリオで 1曲。
アンコールにもう 1曲トリオで。
合計10曲。

期待以上に良かった〜。
ギター・ラヴ満開です。

3人は、プレイはもちろん違うけど、
ギターの音色も全く違っていた。
マーティンは、ここんとこ使っている
ワンPUのフルアコ(韓国製?)。
香津美は、エイブリベラ。
ソロの 1曲だけ、アコギ(カオル・ギター?)。
ウルフは、ベネデットの Fホールのないシンライン。
音は、ウルフが一番太くてエレクトリック。
香津美のエイブリベラは、
アコースティックなエレキ音。
マーティンは、PU の音だけではなくギターの前に
マイクを立ててミックスしているせいもあるのだろう、
最もアコースティックな音だった。

ウルフを観るのは 2回目だったけど、
ギターの音も好きだったし、プレイも良かった。
実は、CD で聴くとウルフのプレイは、
あまり好きではなかったんやけど、
認識を改めます。

香津美は、ソロで演った "Milestones" が
素晴らしかったな。

マーティンは、2人を立てるためにか
ちょっと控え目な印象を受けた。

トリオの時、マーティンと香津美が演り出すと、
ウルフは全く弾かない場面が、何度かあったのだけど、
ウルフとマーティンがメインになった場面でも
香津美はずっと弾いていたのが、
対照的で興味深かった。

後半のトリオ曲では、
素晴らしくて泣きそうになった。
(ああ、金正恩も聴けばいいのに)って思った。
きっと核実験なんか止やめたくなるだろうに。


[ MEMBERS ]
Martin Taylor (g)
Ulf Wakenius (g)
渡辺香津美 (g)

[ Set List ]
1. (Trio)
2. (Trio)
3. (Ulf & Kazumi)
4. All The Things You Are (Martin & Kazumi)
5. Last train to Hauteville (Martin & Ulf)
6. True (Solo: Martin)
7. Milestones (Solo : Kazumi)
8. Smile 〜 Blues For O.P (Solo : Ulf)
9. I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free (Trio)
EC. Nuages (Trio)

@ Cotton Club

Set List 記憶に頼って書いたので、間違っているかも。
1曲目は、確かマーティンの曲だったと思う。
2曲目は、Blues だったが曲名がわからない。
3曲目、Ulf & Kazumi のデュオが何だったか思い出せない。

前の席に田辺充邦さん(ギタリスト)が座ってたし、
他にも見たことのあるギタリストが客席にいてた。




(2016.1.13 追記)
Ulf & Kazumi のデュオは、
"Four On Six" だった。





2016.1.9

桂文枝 新春特撰落語会

今日は、落語会 → 映画 → ライヴ の3本立て。
充実した文化の日でした。

昨年も新年最初の落語会は、
「桂文枝 新春特撰落語会」(1月12日)だった。
この落語会、今年は今日から 3日間、
有楽町朝日ホールで、昼夜合計 6公演行われる。
その初日の昼の部公演に行ってきた。

桂文枝は、先代の文枝(五代目)に入門してから、
今年で50年を迎えるという。
『ヤングおー!おー!』『パンチDEデート』
『新婚さんいらっしゃい』など、子供の頃から、
テレビで親しんできた司会者でもある。
その『新婚さんいらっしゃい』は、今年で
46年目に入ったというから これまた凄い。
また、今年は NHK大河ドラマ『真田丸』に
千利休の役で出演されるそうだ。
現在 72歳だが、ますます元気で大活躍だ。

さて、今日の出演は、まず弟子の桂三実。
演目は、世の中にはまだ鏡が出回って
いなかった頃の噺「松山鏡」。
新人だと思うが、落ち着いてハキハキとした
口調で聞きやすかった。

続いて、昨年もこの会に出演していた、
元「世界のナベアツ」、桂三度。
演目は、師匠の三枝時代の作「宿題」。
この噺は一昨年、文枝ご本人の口演を
聴いたことがあって、三度のそれは、
やはりまだ師匠の域には達していないかな。
結構、面白かったけどね。

そして、文枝師匠の登場。
マクラでバンバン、大爆笑を取っていた。
一席目は、「別れ話は突然に・・・」。
これは、秀作やなぁ。
高齢者夫婦の離婚話なのだが、
映画にしてもええと思った。

仲入りを挟んで二席目は、
「おむかえびと」。
妻を亡くした男のところに、
お迎え人が、あの世へのお迎えにくるという噺。

笑いという意味では、
「別れ話は突然に・・・」の方が、面白かったな。
「おむかえびと」は、受け取り方によっては、
ちょっと笑えない要素もある。

それにしても、文枝師匠の創作落語は、
高齢者をネタにしたものが多い。
もちろん、ご本人も高齢になり、
この数年その傾向が強くなったんやと思うけど。
客席を見渡すと、まるで老人会のようですぜ。
まあ多くの落語会がそんな感じやけど。


【 演 目 】
「松山鏡」 桂三実
「宿題」(三枝作) 桂三度
「別れ話は突然に・・・」 桂文枝
〜 仲入り 〜
「おむかえびと」 桂文枝

@ 有楽町朝日ホール







ブリッジ・オブ・スパイ
BRIDGE OF SPIES


スティーヴン・スピルバーグ監督、
トム・ハンクス主演、コーエン兄弟脚本の
オスカー有力候補の映画『ブリッジ・オブ・スパイ』。

凄い映画だった。
実話に基づいているというのが力強い。
そして、怖い。

トム・ハンクス演じる弁護士ドノヴァンは、
50年代後半、FBI に逮捕されたソ連のスパイ、
アベルの弁護を引き受けることになる。
スパイだからと弁護士を付けずに裁くことはできない。
ところが、裁判は形式だけで、
世論も判事もアベルを有罪にしたくてしょうがない。
しかし、ドノヴァンはスパイだからと
弁護の手を抜くことはない。
が、結局、アベルは有罪になる。

アベルの弁護をしたことで、
全国民を敵に回したかのような、ドノヴァンだが、
その後、ソ連の捕虜となったアメリカ軍パイロットと
アベルの交換の交渉役を引き受けることになる。

映画の前半はアベルの裁判、
後半はソ連と東ドイツとの交渉が見所だ。
(なんで東ドイツが出てくるかは、映画を観てね。)

ドノヴァンのブレない信念、けして諦めない強い心、
命をかける勇気、高い交渉力、アメリカ人としての誇り、
人間の良心と尊厳、それらに心が震えたね。

ひとつ間違ったら、本当の戦争になりかねない状況、
ひとつ間違ったら、殺されかねない状況、
そんな時にも、人間はこんなにも気品高く
冷静に振る舞えるものなのか。

そして、国家というものの不気味さも
十分に描かれている。
これは、いややねぇ。

142分とやや長尺だが、中だるみもなく、
最後まで引き込まれます。
新年早々、私の今年のベスト5に残りそうな作品。
確かにオスカーはありかも。


★★★★★




CHEN MIN 〜風薫る夜に〜


まりあさんのライヴで何度か共演している
久保田安紀さんがピアノで出演するというので、
チェン・ミンのライヴを観てきた。

チェン・ミンは、今年で来日25年という
中国生まれの二胡(にこ)奏者。
私は知らなかったのだが、彼女の演奏は、
映画音楽やテレビ・ドラマの音楽で
知らないうちに耳にしていたようだ。
(例えば、映画『たそがれ清兵衛』のサントラなど。)

知らない方のために書いておくと、というか
私も名前ぐらいしか知らなかったので、
改めて調べてみたのだが、
二胡というのは、日本の胡弓に似た中国の弦楽器で、
歴史は古いようだが、現在の形になったのは、
比較的最近(1950〜80年代)のようだ。

音色は聞いたことがあったが、生演奏は初めて。
今日は最前列でだったので、その奏法も
間近で見ることができた。

ヴァイオリンのように弓で弦をこすって
音を出すのだが、弓の毛は 2本の弦の間を
通っている。
つまり、2本同時に鳴っているわけだが、
不思議と 1本の音にように聞こえる。
おそらく、2本の弦は同じ音に調弦されて
いるのだと思うが、そうだとすると微妙な
チューニングの違いが音にウネリとなって
現れるのだが、どうもそういう風には聞こえない。
と言っても、結構強烈なヴィブラートをかけて
弾いているので分かりにくいのかも知れない。
また、ヴァイオリンのように指板に弦を当てない。
ネックと弦は数センチ離れており、
指がスチール・ギターのスライド・バーのような
役目をする感じ。
それで、あの独特のポルタメントの音が出るわけだな。

そんなマニアックな、興味津々で鑑賞したライヴだった。

曲目は、『ノルウェーの森』(ビートルズ)で始まり、
チェン・ミンのオリジナル曲の他、クラシックの小曲や
来日した年、1991年のヒット曲メドレーとして、
『ラヴ・ストーリーは突然に』(小田和正)〜
『I LOVE YOU』(尾崎豊)〜
『どんなときも』(槇原敬之)。

お店が 阿木燿子&宇崎竜童 の経営ということで、
おふたりの山口百恵作品メドレー。
『夢先案内人』〜『プレイバック Part2』〜
『乙女座宮』。

ちょっとテンポを落とした『夢先案内人』が、
素晴らしく二胡の音色に合っていて、
まるで中国の曲かと思うアレンジに仕上がっていた。
もともと、『夢先案内人』や『乙女座宮』は、
山口百恵の中でも大好きな曲だったが、
改めて宇崎竜童メロディの素晴らしさも感じたね。

宇崎竜童、今年70歳やて。
1回、ナマで観たいなぁ。

お店は、ライブビストロということで
お料理もグッドでした。


[ MEMBERS ]
チェン・ミン / 二胡
久保田安紀 / ピアノ
高良久美子 / ヴィブラフォン, パーカッション, ピアニカ

@ November Eleventh (赤坂)
2nd Show








2016.1.10

ときどき写真展 49

男たち



2014.10.24 Capri, Italia





2016.1.11

デビッド・ボウイ 死去

デビッド・ボウイが亡くなった。
癌の闘病中だったらしい。
1月 8日が誕生日で 69歳になったばかりで、
同日にニュー・アルバムがリリースされた
ばかりだったようだ。
69歳かぁ。
う〜ん、若いなぁ。

私は、彼の音楽はほとんど知らない。
『ジギー・スターダスト』と、
大ヒットした『レッツ・ダンス』ぐらいしか
知らないのだけど、デビッドは、
『レッツ・ダンス』で、まだ無名だった
スティーヴィー・レイ・ヴォーンを
ギターに起用した。
(プロデューサーは、ナイル・ロジャース。)

スティーヴィーを世界に紹介したのは、
デビッドだったわけだが、スティーヴィーは、
自分の音楽が演りたくて、
デビッドのツアーのオファーを断ったと、
スティーヴィーの伝記で読んだ覚えがある。
今頃、あの世で再会してるでしょうか。
(『アンダー・プレッシャー』を一緒に作った)
フレディ・マーキュリーともね。

合掌。





2016.1.12

卒 業

2011年春、友人から小学5年生の息子の
勉強を見てくれないかと依頼があった。
当時「なぜ、私に?」という思いもあったのだが、
そのK君のことを知らないわけではなかったし、
本人も希望しているというので、引き受けてみることにした。

当時の手帳を見てみると、2011年 4月 5日が
その第1回となっている。

そのK君も中学3年生になり、いよいよ高校受験となった。
ほぼ毎週の私との勉強の会は、4年9ヶ月にわたり、
今日がその 208回目だった。
(手帳に通し番号を付けているのです。)

始めた当時、10歳だった少年K君は、
15歳になり、顔にはニキビを携え、
見るからに逞しい青年になった。

ほとんど毎週会っているから、気がつかないのだが、
改めて見ると、(いつの間に・・・)と思う
成長ぶりなのだ。

中学卒業を控え、そんなK君とも、
お別れの時が近づいていた。
いくらなんでも、高校の勉強を見るのは、
私には難しくて無理だろう。

そして、受験の準備や他の塾との兼ね合いで、
今日が最終回になることは、昨年末から分かっていた。

その最終回が決まった時点で、
心の中がざわついたのを自分でもはっきりと感じた。
ただ、終わってもしないのに、そのざわついた心の
正体を突き止めるのがイヤで、その自分の心情を
見て見ぬふりをした。

今日、最終回が終わった。

手帳の今日の欄には、「#208」と書かれている。
4年9ヶ月にわたり、208回の授業を
K君と取り組んできたわけだ。

彼の勉強にどれだけ役立てか分からない。
もっと良い導き方があったかも知れない。
でも、私は私なりに考え、出来ることをやってきた。

最後の授業が終わり、K君の肩を叩き、
「受験頑張れよ」と別れたあと、
何かがこみ上げてきた。

終わった時、解放感とか達成感があるのかと
思っていた。
そんなもんはなかった。

あったのは予期せぬ得体の知れない感情だった。

奇しくも最終回にK君に出した国語の問題は、
文章から登場人物の心情を読み取る、あるいは、
文章に書いてない心情を想像するということが
ポイントだった。
その心情表現のボキャブラリーを増やすため、
自分の心の中をいつも観察して、言語化するようにと
K君に言った矢先のことだった。

自分の心の中を観察してみた。

私の中の得体の知れない感情は、
自分には想像し得なかった、
寂しさ、だった。

K君、ありがとう。
そして、私を信頼してくださったご両親に
ありがとう。





2016.1.13

記憶力 超低下

何と情けない。

1月8日、Martin Taylor, Ulf Wakenius &
Kazumi Watanabe のライヴを観に行った。
その日のエントリーに、「Ulf & Kazumi のデュオが
何だったか思い出せない」と書いた。
とあるサイトにその曲名が
書いてあったのを読んで ビックリ。
"Four On Six" だったのだ。

"Four On Six" というのは、Wes Montgomery の
曲で、Jazz Guitar に親しむ人なら知らない人は
いないというような超有名曲。
私もライヴで演ったことがある。

「情けない」と書いたのは、その曲が始まった時、
(おぉ〜 "Four On Six" やんけ!)と
ワクワクしながら聴いたにもかかわらず、
数時間後には「思い出せない」と書いている、
この記憶力のなさ。
というか、記憶力の低下か。

う〜む、大丈夫か、オレ。





2016.1.14

桂春団治(3代目) 死去

また 訃報だ。
桂春団治、享年85歳。

私が落語を聴くようになったのは、
この3年ほどなので、春団治の高座を観る機会はなかったが、
DVD で一席だけ聴いたことがある。
(子供の頃にテレビで観ているかも知れないけど
記憶がない。)

DVDで観た演目は、「代書屋」だった。
なんでもこれは、米朝師匠に習ったものだという。
時々、上方の噺家が、春団治のボソボソっとした
話し方のモノマネをするが、まさにその通りの
話し方で、非常に上品な落語だった。

残念ではあるが、一人もライヴを観ることなく、
「上方四天王」は、全員亡くなってしもた。
「上方四天王」というのは、
戦後の上方落語復興に尽力した
6代目笑福亭松鶴、5代目桂文枝、
3代目桂米朝、そして、3代目桂春団治。

彼らは亡くなったが、彼らの弟子が、
その芸を継承し、落語の伝統は続くのだなと思う。

合掌。


ちなみに。
「芸のためなら 女房も泣かす〜」の
都はるみ&岡千秋のデュエット曲
『浪花恋しぐれ』の「ど阿呆春団治」は、
初代のことやそうです。




"BAND OF PLEASURE
"
- Reunion -


もう観られないと思っていた
"バンド・オブ・プレジャー" 。

1990年代前半に活動した、
デヴィッド・T・ウォーカー、ジェームス・ギャドソン、
山岸潤史、続木徹、清水興による、日米混合バンドだ。

アルバムを3枚発表したあと、たぶん山岸さんが
ニュー・オリンズへ渡ったあたりで、
なんとなくフェイド・アウトしたように感じていた。

私はアルバムは 3枚とも持っているし、
大阪にいた頃、ライヴも2〜3回観た覚えがある。
初体験は、心斎橋のクラブ・クアトロだったように思う。

初めてデヴィッドのギターを生で聴いた衝撃は忘れられない。
それまでにも色んな人のレコードや CD で、
デヴィッドのプレイは耳にしており、
なんとなくワン・パターンな印象さえ持っていたのだが、
ライヴで聴いたデヴィッドのプレイは、
その既成概念をぶっ飛ばし、心の奥底に響き、
琴線に触れるどころか、鷲掴みにしてきたのだった。

それから、デヴィッドは自分のリーダーバンドや
誰かとの共演も含め、日本で毎年のようにライヴを
演るようになり、もう何度観たか覚えていないほどだ。

2012年3月に、山岸さん、続木さんがメンバーである
"CHICKENSHACK" のリユニオン・ライヴがあり、
その後も 13年6月、15年1月と 観ることができた。

また山岸さんと石やんのツイン・ギターだった伝説のバンド、
"SOOO BAAD REVUE" のリユニオン・ライヴも
14年7月に 観ることができた。
(残念ながら砂川さんはいなかったし、
そのあと、石やんも逝ってしもたけど。)

その他、憂歌団の再結成(これも島田さんがいないけど)
などもあり、再結成、リユニオン・ブームな感じに
"BAND OF PLEASURE" も演って欲しいなぁと
思っていたけど、メンバーがメンバーだけに
再演は難しいのだろうと思っていた。

が、ついにその日が来た。
夢が叶ったのである。
今日、東京ブルーノート 3日間公演の初日、
その2nd Show を観てきた。

1曲目、ややテンポを落とした『Double Deals』。
なんでもないギャドソンのシャッフルを
聴いているだけで泣けてきた。
今日は、ギャドソンにやられたなぁ。

そのほか、曲は、『Infrastructure』
『Teste Of Tokyo』『You Are My Sunshine』
『Brother Sunshine』『What's Going On』など。

『Teste Of Tokyo』は、ジェームスが、
マイルドセブンを吸って「Teste Of Tokyo」と
言ったことで出来たとか、CHICKENSHACK の
ナンバーである『Brother Sunshine』は、
続木さんがデヴィッドのことを想って書いたとか、
貴重な話も聞けた。

20年ぐらい前、ある人がこのバンドの演奏を聞いて
「平和やなぁ」ともらしたことがあった。
その人はもう逝ってしまったんやけど、
なんかその言葉がず〜っと耳に残っている。

日米混合バンド。
70数年前なら殺し合っていた国民同士が、
こんな平和な音楽を創り上げているのだ。
そして、20年経った今も全員元気で
いてくれていることに感謝感激だ。

あまりに素晴らしい上に、
山岸さんが「1部と2部は違う曲やってます」と
いうので、もっと聴きたくなった。
ちょうど、ブルーノートの会員のポイントが貯まり、
今日招待券をもらったので、
終演後その券で明後日の1部を予約してきたよ。


[ MEMBERS ]
David T. Walker (g)
山岸潤史 (g)
清水興 (b)
James Gadson (ds,vo)
続木徹 (key)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show




(2016.1.16 追記)
Blue Note のサイトに当日の Set List が
発表されたので転記しておく。

1. Double Deals
2. Overstanding Understanding
3. Brother Sunshine
4. Infrastructure
5. Taste Of Tokyo
6. Love Land
7. Marvin Gaye Medley
("Inner City Blues", "Mercy Mercy Me",
"What's Going On")
8. You Are My Sunshine
Ec. Soul Food Cafe





2016.1.15

しんちゃんだったら?

人気女性タレントと人気バンドのヴォーカルの
不倫報道を受けての我が夫婦の会話。

「もともと○ッキーの方がファンだったらしいよ。
しんちゃんだったらどうする?」

「どうするって、何が?」

「しんちゃんがスターで(無理ある設定その1)、
可愛い女の子がファンですって言い寄ってきたら
(無理ある設定その2)」

「う〜ん、どうしょうかなぁ、
ごめん、オレ、好みのタイプやったら抑えられへんわ」

「じゃあ、慰謝料ちょうだいね」

「あげる、あげる。いっぱいあげるよぅ!」


・・・なんやねん、このアホな会話。





2016.1.16

ホワイトナイツ
White Nights


映画『ホワイトナイツ』。
1985年のアメリカ映画。
日本での公開は 1986年だったから、今から30年前だ。

先日、友人と公開中の映画『ブリッジ・オブ・スパイ』の
話をしていて、話題が『ホワイトナイツ』に及んだ。
『ホワイトナイツ』は亡命者の物語だが、
『ブリッジ・オブ・スパイ』同様、最後には
米ソ間での被拘禁者の交換が行われるストーリーだ。
友人の中で『ホワイトナイツ』は一番の映画なのだという。

私も公開当時、劇場で鑑賞した。
あるセリフにハマってしまい、泣いた覚えがあるのだが、
米ソ冷戦の背景など国際情勢に疎い私は、
ラストシーンの意味がよく分からなかった覚えもある。

で、30年ぶりに観てみた。

ストーリーは、ほとんど覚えていなかった。
フィル・コリンズとマリリン・マーティンの「Separate Lives」や
ライオネル・リッチーによる「Say You, Say Me」が
サントラだったのだな。

アメリカでは、1985年11月に公開されている。
ちょうど私がアメリカの横断旅行をしていた最中だ。
アメリカ滞在中、FM ラジオでは、
その2曲がヘビー・ローテーションのように
かかっていたので、これらの曲は思い出深い。

さて、私が泣いてしまったセリフは、
ソ連へ亡命してきたアメリカの脱走兵と結婚した
ソ連人女性のセリフだった。

「あなたがいなかったら、
私も感覚を失った沈黙の大衆で終わってたわ」

これは、今回観た DVD の字幕の訳だが、
劇場で観た訳は、
「あなたのおかげで、私は自由を知った」と
いうような言い回しだったような気がする。

なぜ、このセリフがツボだったかは、
もう恥ずかしくて書けないが、私も23〜24歳。
若かったっちゅうことやろう。

主演は、ソ連からアメリカに亡命したバレーダンサー、
ニコライ役に実際にソ連からアメリカに亡命した
ミハイル・バリシニコフ。
アメリカからソ連へ亡命した元アメリカ兵で
黒人タップダンサー、レイモンド役にグレゴリー・ハインズ。
この二人のダンスが、それぞれ素晴らしいのだが
一緒に踊るシーンがまた良い。

レイモンドの部屋の壁にマーヴィン・ゲイや
ジョン・コルトレーンの LPジャケットが
飾ってあった。
ああいうものも当時のソ連で入手できたのだろうか。
何度も映るでかいラジカセは HITACHI だ。

アメリカ映画なので、ソ連は良いように描かれていない。
実際、その通りだったのかもしれないけど。

自由とは、国家とは、祖国とは。
そんなことを考えさせられると同時に、
命を賭けて生きることの意味、平和についても
考えさせられる。
冷戦が終わって、ホンマに良かった。

グレゴリーは、2003年、57歳で死んでしもたけど、
89年の映画『タップ』でも、素晴らしいタップダンスを
見せてくれた。


★★★★▲




"BAND OF PLEASURE"

- Reunion -  2回目


一昨日に続いて "バンド・オブ・プレジャー" の
ライヴに行ってきた。

一昨日、山岸さんが「1部と 2部で曲を変えてます」と
言っていたので今日は、1部に行ってみた。
1部は BOP 初期の曲ということで
全 9曲中 7曲が アルバム「Live at KIRIN Plaza」から。

いやぁ、今日も良かったなぁ。

Gladys Knight のカヴァー、
"Best Thing That Ever Happened To Me" の
BOP ヴァージョンは、大好きなので嬉しかった。
山岸さんがソロ・アルバム『My Pleasure』で
デヴィッド、ジェームスらとこの曲を
録音したことが、BOP の結成へと継っていったという。
トロトロのギタープレイが聴ける名曲だ。

一昨日には書かなかった、
デヴィッドのギターについても書いておこう。

デヴィッドは、ここんとこ10年ばかりは、
カラザースのギターを使っていたのだが、
今回のツアーでは、昨年完成したばかりの
新しいギターを使った。

バードランドを基にボディを 14インチと
小ぶりにまとめられたギターだ。
作ったのは、Michael Peters というビルダーで、
Michael の Facebook には、このギターのことを
「Custom 'Baby Byrd'」と書いてあった。


写真は David の Facebook から借用


ヘッドには「Peters」と「T」マークのインレイが
入れられ、ボディは、Royal Blue Sunburst という
爽やかな仕上げになっている。
90年代、Artex のデヴィッド・モデルの時も確か
ブルーだったので、ご本人はブルーが好きなんでしょね。

ニュー・ギターの詳しいスペックは下記。
(これも David の Facebook から)
Top Wood : Sitka Spruce (Hand carved)
Back / Side Wood : Western Flame Maple
Neck Wood : Eastern Flame Maple
Fingerboard : Ebony
Tailpiece & Pickup Rings : African Blackwood (Custom)
Bridge : Tunamatic
Headplate : Ebony
Pickups : Gibson Burstbucker
Ivoroid : Binding
Inlays : Mother of Pearl
Nut : Bone
Tuners : Grover
Scale : 24.0”
Body Width : 14.0”
Side Depth : 2.0”
Color : Royal Blue (Sunburst)


山岸さんは、一昨日同様
(たぶん)Fender のテレキャスター。
清水さんも、一昨日同様
(たぶん)Moon のジャズベ・タイプを使用。

それにしてもデヴィッド、
どうしてあんなトーンが出るんやろか。
ワン・アンド・オンリー、唯一無二である。
しかも楽器を変えても、明らかにデヴィッドと
分かるトーンなんである。
どうも右手、ピッキングに秘密があるようだが、
真似てみてもあんな風には鳴らない。


[ MEMBERS ]
David T. Walker (g)
山岸潤史 (g)
清水興 (b)
James Gadson (ds,vo)
続木徹 (key)

[ SET LIST ]
1. Double Deals
2. I Can See Clearly Now
3. Best Thing That Ever Happened To Me
4. Walk This Way
5. Long Distance Lover
6. Love Land
7. Y-Ence
8. You Are My Sunshine
Ec. Soul Food Cafe

@ Blue Note Tokyo
1st Show

また、演ってほしい。
必ず観に行きます。








2016.1.18

<文春トークライブ> Char
あるロックギタリストの足跡


文芸春秋社主催のトークライブに行ってきた。
主役は Char。

昨年11月、同社の週刊誌「週刊文春」の連載
「阿川佐和子のこの人に会いたい」に対談役として
Char が登場したので、その流れかも知れない。
その対談では、普段語られることのないお父さんの
話なんかも読めてなかなか興味深かった。

さて、今日のトークライブ、
会場は紀尾井町の紀尾井ホール。
普段はクラシック音楽専門のホールだ。

会場に入ると、ステージ上には Char の
ギターが並べられている。

エレキが 5本とアコギが 1本だ。
トークライブが始まって、まずはギターの紹介。
司会者の音楽ライター、神舘和典(こうだてかずのり)が
「彼らを紹介してください」というと、
Char が「彼女らだよ」と突っ込む。
そうやねん。
ギターは、彼ちゃうねん、彼女やねん。



右から、ナビゲイター(ESP)で作った
初めての Char モデル。

2本目は、見たことがなかったけど、
ドリームキャッチャーが埋め込まれているというギター。

3本目、エレキの真ん中は、Char 初のギター。
元は兄貴が弾いていたという何かのクーポン券を
集めて入手した国産ギターで、ヘッドには
「Beatles」と書かれた 50年前の国産品。

その隣は、Char のトレードマークともいえる、
フェンダー社のムスタング。
これが初めてのムスタングらしい。

エレキの最後は、1979年のフェンダー・
ストラトキャスターの25周年アニバーサリー・モデルの
ボディに赤のマッチングヘッドのネックを合わせたもの。
80年代に使っていたらしい。

その隣のアンプは、Char と同じ年 1955年製。
真ん中のアンプは、やや新しいと言っていた。
その隣のフェンダーらしきアンプは説明なし。

アコギの説明はなかったけど、これはもう、
Char ファンなら説明不要のヤマハ・カスタム・モデル。

トークは、知っている話もあったけど、
高校時代、スタジオの仕事をしていた話など、
貴重な話も聞て、面白かった。
高校生なのに、レコーディングの時、
大先輩のミュージシャンをクビにしたとか、
しなかったとか、本番前に弦を切られたりと
イジメにあったとかね。

今でも本当にギターが好きで、
いつも触っているんだろうな。
毎日のように新しいコード進行なんかを
考えているようだ。
孫と遊んでいて思いついたという
コード進行を披露してくれた。

演奏は、アコギでブルース。
ワンコーラスだけ『クロスロード』を歌って、
あとはアドリブ。

アンコールで『All Around Me』。

トークライブなんて、初めてだったようだが、
120分たっぷり、楽しかった。
司会者と、話があまりうまくかみ合っていなかったのは残念。
司会者は、音楽ライターだけに知識があるのは分かるが、
Char の話を聞き出すのにそんな知識はなくても良いだろう。
しゃべり専門の人を MC にして欲しかったな。





@ 紀尾井ホール





2016.1.19

こんなに寒かったら

こんなに寒かったら、
家に着く前に
酔いが冷めてしまうやないか。



グレン・フライ

Glenn Lewis Frey


今年に入ってまだ間がないが、ナタリー・コール(65歳)、
デビッド・ボウイ(69歳)に続いて、またも60代の訃報だ。

イーグルスの創設メンバーの一人、
グレン・フライ。
享年67歳。
1月18日、リウマチ性関節炎、大腸炎、
肺炎から生じる合併症で亡くなった。

イーグルスは、私の好きなバンドのひとつ。
私の中では、一番アメリカらしい、
ウエストコーストらしい、サウンドのバンドだ。
20代でロスへ行った時には、『ホテルカリフォルニア』の
ジャケットに写っているビバリーヒルズホテルの
写真を撮りに行った。



5年前、大震災の直前の3月5日、私の初めての
ドーム・コンサート体験が、イーグルスだった。
残念ながら、ドン・フェルダーは解雇された後で
グレン・フライ、ドン・ヘンリー、ジョー・ウォルシュ、
ティモシー・B・シュミットにサポート・メンバーという
メンツで28曲、2時間半以上に及ぶコンサートだった。

実質、グレンがリーダーだったようで、
残りのメンバー3人によるイーグルスというのは、
イメージしにくい。
もう、あのハーモニーを聴くことはないだろう。

出会いから45年、イーグルスの相棒(オリジナル・メンバー)で、
バンドとして難しい時も一緒に乗り越えてきたであろう
ドン・ヘンリーのコメントが辛い。

「彼がいない世界で前に進み続けるなんて、とても変な気がする。
でも、僕は毎日、彼が僕の人生にいたことを感謝し続ける。
安らかに眠れ、僕のブラザー。
君はやろうとしていたことをやり遂げた。
それ以上に多くのことも。」


イーグルスのアルバムの売り上げ枚数は、
1億5千万枚を超えるという。

また、70年代が遠のいた。

合掌。





2016.1.20

人生の約束

竹野内豊主演の映画『人生の約束』。
出演は竹野内のほか、江口洋介、西田敏行、柄本明
松坂桃李、優香、小池栄子、美保純、室井滋、北野武ら。
舞台が富山県だからだろうか、
富山県出身の立川志の輔も ちらっと出演。
漁師役の江口が良いです。

竹野内豊演じる 中原祐馬は、
会社を大きくすることだけに生きてきた男。
一緒に会社を立ち上げた、
大学時代からの友人である塩谷航平を
3年前、会社から追い出した。
その塩谷の死をきっかけに、
中原は見失ってたものを見つめ直す。
っていうようなストーリー。

後半、中原が塩谷の故郷の祭りに参加し、
亡くなった友人や、その地の人々と
つながっていく様は感動的であるし、
中原に向かって、素直に良かったねと
言いたくなる。

以前、祭りに生きる男たちの話を聞いたことがある。
地元の祭りに命をかけていて、
1年間そのためだけに働き、生きているような
人たちのことだ。
祭りに興味のない私は、全く共感できず、
意味が分からなかった覚えがあるが、
この映画を観て、祭りに生きている人たちのことが、
少しだけだけど分かったような気がする。

本作は、「つながる」映画。
人とつながり、大地とつながり、
海とつながり、神とつながる。
「絆」というと私にはどうも胡散臭く抵抗が
あったのだが、「つながる」「つながっている」というのは
抵抗なく受け入れることができた。
ああ、そういうことか、と。

全体としては良かったのだが、
残念ながら、イマイチ人間関係が
分かりにくかったことはマイナス。

また、エンディングテーマ曲が、
清々しく終わってもええのに、
昭和の松本清張モノのように
ちょっと重たく暗めで、
本作には合っていないように感じた。

映画には、祭りの際に引く「曳山(ひきやま)」が出てくる。
一般的に「山車(だし)」と呼ばれるものだ。
実は私は今日まで、「山車」と「神輿(みこし)」の
区別がなっかった。
子供のころ、地元の祭りで引いていた山車のことを
「おみこし」と呼んでいた。
また、大阪では山車とは言わず「だんじり」と呼ぶ。
調べてみると神輿は神が乗るもので人間が乗るものではない。
一方、山車の多くは人間が乗って太鼓をたたいたり
踊ったりする。
そして、大きな違いは神輿はかつぎ棒が付いていて、
人がかつぐもの、山車は、台車に載せて引っぱるもののようだ。
勉強になりました。

映画の後半の富山県新湊地区の曳山祭り。
提灯をいっぱいぶら下げた曳山が
何台も街を行く様は壮観で感動的。
ナマで観たいと思った。
毎年10月1日のようだが、今年はこの映画の
おかげで例年より混むでしょうな。

石橋冠という監督は、長くテレビドラマの演出を
してきた人のようだが、本作が映画監督デビュー。
1936年生まれだから、今年80歳だ!


★★★★▲




クリード チャンプを継ぐ男


シルヴェスター・スタローンのロッキー・シリーズで、
劇場で観たのは、86年日本公開の、シリーズとしては
評価が低い『ロッキー4/炎の友情』だけだった。
「評価が低い」と書いたが、当時の私(24歳)は
これを観て泣いてしまった。
一緒に観に行った女性が映画館を出て、ひとこと
「面白くなかったね」と言ったので、
その女性にガッカリした思い出の作品。

そんなことはどうでもよいが、
『クリード チャンプを継ぐ男』は、
そのロッキー・シリーズの新しい映画。
といってもさすがにスタローン(今年70歳)には、
もうボクシングは無理だろう。

で、件の『ロッキー4/炎の友情』でソ連のドラゴに
マットの上で殺されたアポロの息子の登場となる。

実は、アポロには愛人に産ませた子供が
いたっていう、やや無理やりな設定。
アポロの息子 アドニス 役にマイケル・B・ジョーダン。
バスケットの人ではありません。念のため。

ロッキーは、アドニスのトレーナーとなり、
アドニスは、色々ありながらも試合を
勝ち上がっていくという、
ストーリーとしては、全く予想通りの展開。
ズバリ、ザ・アメリカン・ドリーム。
(最後の試合は、ひとヒネリしてあるけど。)

でも、ええねんな。この予定調和が。
ええ、ええ、泣きましたよ。当然。
またマイケル・B・ジョーダンのボクシング・シーンが
迫力満点で、本物のボクサーみたい。
日本人でこんな役できる人おるんやろか。
というか、もう身体が違うね。

ロッキーは、ちょっと老いぼれた感が出てきたけど、
アドニスで、あと何作か行けるかも。

本作も観ようによっては「つながる」映画でした。


★★★★▲





2016.1.21

20年と30年

1995年12月24日夜、私は知り合いの運送業者の
ドライバーとトラックに乗って東京に向かって
大阪を出発した。
家財道具やギター達と一緒に。

昨年12月は、私が東京に移り住んで、
ちょうど20年目だった。

昨年中に、そのことについて何かまとめて
書きたいと思っていたのに、気が付いたら
年が変っていた。
あらあら。

1995年といえば、阪神淡路大震災、
オウム真理教による地下鉄サリン事件の年。
それは、明確に覚えているのだけど、
他に何があったのかと調べてみると、
野茂がドジャースに入団したり、
NHKの『ためしてガッテン』が始まったり、
ミャンマーのアウンサンスーチーの自宅軟禁が
解除されたり、巨人の原が引退したり、
ゆりかもめが開業したり、PHSサービスが
始まったりした年。
テレサ・テンが亡くなり、
映画『フォレスト・ガンプ』『アポロ13』
『マディソン郡の橋』などが日本で公開された年だ。

また、1985年10〜12月の 2ヵ月かけての
アメリカ大陸横断についても 30年という節目(?)
だったので、何か書きたいなと思っていたのに
書けずじまい。

こうやって、どんどん時間が過ぎ、
実行することもないアイディアをたくさん抱えたまま
死んでしまうのかもしれない。

まあ、上に書いた2つのアイディアは、
個人的過ぎて 別に実行しようがしまいが、
どうでもええことやけど、
なんか自分の中では、区切りというか、
まとめたいという欲求があるのですわ。
そんな過去のこと、どうでもええやんという気も
同時にあるねんけど。

アメリカ旅行については、たくさん写真を撮ったものの
当時はプリントするお金がなくて、
少ししかプリントしていない。
「現像しとかんとフィルムがダメになる」と
聞いたので、現像だけはしたけど。
そのうち、プリントしようと思っている間に
30年経ってしもたわけだ。

プリントせんでもええから、
まず、デジタルデータにしてみよう。
ええ写真があるかもしれへんもんね。





2016.1.22

粋歌の新作コレクション 2016 新春

女流噺家は、男性に比べて不利だと思う。
クマさんやご隠居を女性が演じるとどうも良くない。
男性がおかみさんやお嬢さんを演じるより
難しいのだと思う。
そんな中、以前「コンビニ参観」という演目を
聴いた三遊亭粋歌(すいか)は中々良かった。
新作落語ということもあったと思うけど。

その粋歌が新作を演るというので
聴きに行ってきた。

開口一番(前座)のあと、一席目は、
「とんがりコーン、そのまま食べるか?
指にはめてから食べるか?」という長いタイトルの噺。
とんがりコーンを指にはめてから食べるかどうかで
夫婦喧嘩に発展するストーリー。
結構笑えました。
タイトルは、短くした方がええと思うけど。

続いて、三遊亭白鳥作の「座席なき戦い」。
山手線の優先席の取り合いの噺だが、
ブッ飛んだ展開です。

ゲストに桃月庵白酒。
この人、割と好きなのだが、
古典しか聴いたことがなかった。
今日は新作で、白酒が新作を演ることは
珍しいようだ。
私はまだその高座を観たことがないのだが、
川柳川柳(かわやなぎ せんりゅう)という
今年85歳になる噺家がいて、
かなり酒癖が悪いらしい。
その川柳をネタにした「寄席よりの使者」という
演目で、シリアまで戦争を止めに(?)
川柳が落語をしに行くというシュールな噺。
これ、川柳のことを知っていたら、
もっと面白かったんだろうな。
かなり、受けていたけど、
悔しいかな 私には分からなかった。

最後は、粋歌で「ヒーロー」。
かつてのヒーローが、落ちぶれて
スーパーでパートをしたり、
カレー屋で働いていたりする。
展開に意外性があって面白い。
落語って、小道具も衣装も何も要らんから、
好きな設定にできるもんね。

粋歌、入門から11年目で、現在二つ目。
また観たいと思う。
真打になるのが楽しみだ。


【 演 目 】
「手紙無事」 桃月庵はまぐり(前座)
「とんがりコーン、そのまま食べるか?
指にはめてから食べるか?」 三遊亭粋歌
「座席なき戦い」 三遊亭粋歌
「寄席よりの使者」 桃月庵白酒
〜 仲入り 〜
「ヒーロー」 三遊亭粋歌

@ 内幸町ホール







2016.1.23

沖仁 con 渡辺香津美

昨年発売されたライヴ盤は素晴らしかったが、
またもや、沖&香津美のライヴの機会に恵まれた。
今日の会場は、初めて行く神奈川県立音楽堂。
クラシック向けのホールのようで、
とても音響が良いらしい。

宮城、北海道、そして今日の横浜と、
3公演のツアー最終日ということだったが、
このデュオを3公演しか演らないのは、
もったないなぁ。
全国に聴きたい人、いっぱいおるでしょうに。

さて、ライヴは『沖仁 con 渡辺香津美のテーマ』で
幕を開けた。
この曲、沖の作曲だが、始まった途端に
地中海へ連れて行かれるような感じなのだ。
そのほか、前述のアルバムからの選曲が中心で、
どうも香津美のニューアルバムに収録されていそうな
雰囲気の『フラメンコ・ブルー』という新曲や、
Birelli Lagrene の 『メイド・イン・フランス』も演奏された。

そして、もし、ジャンゴ・ラインハルトと
パコ・デ・ルシアがデュオをしたらという設定で
演奏されたのが、なんとピンクレディーの『UFO』!

アンコールは、予想通り『スペイン』。
アドリブ部分が、ちょっと短く
(あれ、軽く終わるんかな?)と思っていると
エンディング部で2人とも客席に降りての演奏。
たっぷり盛り上げて、最後の最後2〜3小節で、
香津美のギターの音が出なくなるという
アクシデント。
これは、惜しかったなぁ。

ギターは、沖は持ち替えもあったけど、
全曲フラメンコ・ギターで、
香津美はほとんどの曲をカオル・ギター(たぶん)。
これが とてもふくよかで良い音がするのだ。
数曲でクラシック・ギターと、エレキはヒストリーの
香津美モデルを『フラメンコ・ブルー』と
『スペイン』で使用。


[ MEMBERS ]
沖仁(gt)
渡辺香津美(gt)

@ 神奈川県立音楽堂

[ Set List ]
1. 沖仁 con 渡辺香津美のテーマ
2. リベルタンゴ
3. ラ・ジュビア・リンピア・エル・アイレ(グアヒーラ)
4. パトリシアの恋
5. フラメンコ・ブルー
6. ?
7. アントニオ
8. メイド・イン・フランス
9. パポ・フラード
10. UFO
11. キャラバン
12. 地中海の舞踏
13. スカボロ・フェア
Ec. スペイン

6曲目はスペインの作曲家の小曲だった。







白鯨との闘い


予告編を観ててっきり鯨との闘いの映画だと
思っていた。
タイトルもそうやし。
けど、違った。

何年も前、グレゴリー・ペックの『白鯨』という映画を
ビデオで観たことがあるけど、本作はその原作である
小説『白鯨』のモデルとなった、
1820年の捕鯨船エセックス号沈没事故の映画化。

白鯨は登場するけど、白鯨との闘いの映画ではなく、
完全なヒューマンドラマ。
アクション・アドベンチャー映画だと思っていたら、
大違いだった。
原題は、"IN THE HEART OF THE SEA"。
全然「白鯨との闘い」と違うやん。
これ、宣伝の仕方、間違ってると思うし、
なんか、邦題にセンス無さ過ぎちゃいます?

とはいうものの、
期待とは違ったけど、良い映画だった。
ええ意味で裏切られた感じ。

19世紀前半、鯨の油で明かりを灯していた時代。
まだ、土の中に油が埋まっていることを
知らなかった時代。
男たちは命がけで鯨を獲りに行ってたんやね。

船が沈没し、彼らは生き残るためにある選択をするのだが、
それこそがこの映画のキモだと思う。

監督は、『ラッシュ プライドと友情』
『ダ・ヴィンチ・コード』『ビューティフル・マインド』
『アポロ13』のロン・ハワード。
主演は、『ラッシュ プライドと友情』で
ジェームス・ハントを演じたクリス・ヘムズワース。

それにしても、海は、自然は、大きく、
その前では人間は、本当に無力です。


★★★★☆





2016.1.24

志の輔らくご
in PARCO 2016


11年目だという志の輔師匠のパルコ正月公演。
昨年同様、チケットは即完売で取れず、
結局オークションでやや高い金を出しての
チケット入手となった。
とにかく、スゴイ人気なのだ。

正月公演になって11年目だが、
元々の公演は、12月から始まったらしく
その時期を入れると20年目なのだという。

そして、その20年目をもって、
「志の輔らくご in PARCO」はいったん
終わることになった。
会場のあるパルコ劇場界わいの再開発に伴い、
パルコが建て直しになるというのだ。

さて、今日の演目。
一席目は、新作「大黒柱」。
世間のどこにでもいるような、
一生懸命働いてきたのになぜか家族に
大事にされていないお父さんの悲哀を描いた噺。

二席目は「新版 猫忠(ねこただ)」。
「新版」と付くだけあって私が知っている
「猫忠」とは違う展開とサゲだった。

そして、三席目。
これが凄かった。

千葉県香取市佐原(さわら)というところに
江戸時代の風情を残す街並みが残っているらしい。
そこは、伊能忠敬が30年余りを過ごした地で、
伊能忠敬記念館なるものがあるらしい。
数年前、仕事で佐原を訪れた志の輔師匠は、
興味がなかった伊能忠敬記念館に足を踏み入れ、
そこで衝撃を受ける。
伊能忠敬の仕事である。

人生50年と言われた時代に55歳から、
17年かけて日本全土を測量し、日本史上初の
日本地図を完成させた忠敬。
中学の日本史の授業で、
「日本で初めて地図を作った人」とは習うが、
この人がとんでもない人だった。
そのことを知った志の輔師匠は、
なんとか落語を通して、忠敬の偉業を伝えられないかと
思ったという。
そして完成した噺が今日の「大河への道」。
演目にある「大河」はNHKの大河ドラマのことで
伊能忠敬を大河ドラマにしようという
プロジェクトの話を通して、忠敬の偉大さを
伝えるというもの。

「日本で初めて地図を作った人」どころの
話ではない。
何より忠敬は、完成した地図を見ていない。
鎖国の時代、西洋の測量器具を一切使わずに、
現代の地図とほとんど違わない地図を完成させた男。
黒船来訪の何十年も前である。

彼の出発点は、「地球の大きさを知りたい」だった。
ただただその純粋な動機が、歴史に残る偉業へと
つながったのだ。
忠敬の志、夢、そしてその気の遠くなるような
測量と作業、あまりに素晴らしい噺に落涙である。

落語のあと、伊能忠敬記念館で見られる
現代の地図と忠敬の地図の融合が
スクリーンに映し出される。
その BGM がまた憎い。
サディスティック・ミカ・バンドの『黒船』だ。

ラストは、お囃子入りで三本締め。
そして、エンディングは、いつものスタレビの
『シュガーはお年頃』。

ホントに素晴らしかったです。
来年、パルコはないけど是非どっかで
正月公演やって欲しい。





【演目】
「大黒柱」 立川志の輔
「新版 猫忠」 立川志の輔
〜 仲入り 〜
「大河への道」 立川志の輔

@ PARCO 劇場 (渋谷)





追 記 (2016.2.5)
「昨年同様、チケットは即完売で取れず」と
書いたけど、今年は抽選だったことを思い出した。
日を変えて第3希望まで書いて申し込んだけど、
ハズレたのでした。





2016.1.25

あっ 海だ

東急池上線は、五反田駅付近で
目黒川を鉄橋でまたでいる。
あの辺の目黒川の川幅は、20mぐらいだろうか。

先日、その池上線の電車に乗っていた時のこと。
窓から目黒川が見えた時、近くに座っていた
2〜3歳の女の子が「あっ、海だ」と言った。

お母さんが小声で訂正したのだろうか、
女の子は、すぐに「川、川」と言い直した。

私も小さい時、電車の中から
川を見て「海だ」と言ったと、
子供の頃、母に聞かされたことがある。
たぶん、本物の海をまだ見たことが
なかったんじゃないだろうか。
自分には、記憶のない頃の話だが、
その話を聞かされたことは覚えている。

と書いたが、実はそんなことは完全に忘れていた。
女の子の「あっ、海だ」という一言で思い出したのだ。
たぶん、40年ぶりくらいか。

たったその一言だけで、全く眠っていた
記憶が蘇ってくることに驚いた。
人間の記憶って、凄くて、不思議。





2016.1.26

The Colonel & The Governor

"The Colonel & The Governor" というのは、
トミー・エマニュエルとマーティン・テイラーの
ギター・デュオ・アルバムのタイトル。
「大佐と長官」と言った意味だろうか。

先日、その来日公演を観たばかりの
マーティンだが、2013年にトミーとの
デュオ・CD を出していることを
先日まで 知らなかった。

で、すぐに注文。
(輸入盤しか出ておりません。)

ギターの魔術師 トミー・エマニュエル は、
2013年にそのライヴを初めて体験し、ブッ飛んだ。
そのトミーが、マーティンとデュオだ。
面白くないわけはないと思っていたが、
CD を聴いて、のけぞったね。

予想&期待をはるかに超える内容だ。
マーティンは、色んなギタリストとデュオ・ライヴを
演っているけど、ギタリストとのデュオで
まる1枚CDを作ったのは、スティーヴ・ハウとの
『Masterpiece Guitars』だけ。(と思う)
そのアルバムは、スコット・チナリーという
ギター収集家の総額数億円というギターを弾くという
企画物的な側面もあった。

ライヴをしても中々、アルバムを作ろうというところまで
発展しないのではないかと思うのだが、
トミーとの演奏を CD にしたのは、聴いて納得。

ゴキゲンなトミーのプレイにマーティンも
触発されているかのように感じるのは私だけだろうか。
演奏には、二人の声や、思わず歌い出してしまう
トミーのスキャットなども入っており、
ギター好きには、たまらん出来となっております。

で、この CD、名義が、
Tommy Emmanuel, cgp
Martin Taylor, MBE
となっている。
マーティンの「MBE」は、ビートルズのメンバーも
授与された大英帝国勲章。
トミーの「cgp」は調べてみると、
なんとチェット・アトキンスから授かった、
Certified Guitar Player(通称C.G.P)のことだった。
トミーは、チェット本人から
「間違いなく、この地球上で最高のギタリストの1人」と
評されたらしい。

ああ、このデュオをなんとしてもライヴで観たい!

超オススメです。







2016.1.27

ザ・ウォーク
THE WALK


予告編を観ただけで、
足がすくみそうになる映画『ザ・ウォーク』

2001年、アルカイダのテロの標的となり、
崩壊したワールド・トレード・センター(WTC)。
1974年、当時世界一の高さだった WTC の
高さ411m、地上110階の2つのビルの間を
ワイヤーでつなぎ、命綱なしで綱渡りで
歩いた男がいた。

『ザ・ウォーク』は、その実話の映画化。
綱渡りの男、フィリップ・プティ役に
『(500) 日のサマー 』『50/50 フィフティ・フィフティ』の
ジョセフ・ゴードン=レヴィット。
監督は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
『フォレスト・ガンプ』『コンタクト』
『キャスト・アウェイ』『フライト』などのロバート・ゼメキス。

さすがは、ロバート・ゼメキス。
見せてくれましたねぇ。
3D だと怖そうだから、2D で観たけど、
何度も足がすくんだよ。
2D でも十分怖かった。

私は、1985年にニューヨークを訪れた際、
WTC の最上階の展望台に昇った。
つまり、実物を見ているだけに、今はなきWTC が
(映画の中で)あんなにリアルに建っていることに
驚きとともに言葉にできない複雑な思いがあった。

それにしても、凄い映像だった。
めちゃリアル。
1974年の実際の綱渡りは、映像に残っていない。
今なら携帯電話で撮れてしまうのにね。
でも写真は、残っていて、「Man on Wire」や
「Philippe Petit」でググると実際の写真が
出てくるので興味のある方はどうぞ。
『Man on Wire』といのは、2008年に作られた
WTC での綱渡りのドキュメンタリー映画と、
フィリップ・プティ自身が書いたその原作のタイトル。
映画は、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を
受賞しているので、もしかしたら、
タイトルぐらい目にしていたのかもしれないけど、
全くノーチェックで知らなかった。

綱渡りやジャグリングのシーンは、
ジョセフ・ゴードン=レヴィットが、
どこまで本当にやっているのか、皆目見当がつかない。
これは現代の技術、そしてロバート・ゼメキスならではの
作品だろう。

綱渡りは成功し、フィリップは警察に捕まるのだが、
彼は一躍有名になる。
彼の芸術作品は、完成したのだ。
不可能とも思えることに、命を賭ける姿(しかも、それが
綱渡り)に何故か感動してしもた。
体験した人にしか絶対に分からない世界が
あるのだろうということが、ワイヤーの上の
フィリップを観ていて チラッと見えた。
アクション映画とは違う、ヒヤヒヤ〜ドキドキ感と
訳の分からない高揚感のある映画です。

「なぜ危険を冒すのか」という問の答えが、
「美しいものを見たら、気持ちを抑えられない。」


★★★★▲


『Man on Wire』も観てみよう。





2016.1.28

MATON

MATON。
羊肉(マトン)ではない。
「メイトン」と読む。
オーストラリアのギター・メーカーだ。
メイトンは1940年代、オーストラリアで
最初にギターを作り始めたメーカー。
創始者の「ビル・メイ “Bill May” 」の苗字と
「トーン “Tone”」(音という意味)を組み合わせて
メイトンとなったようだ。
「ヒノノニトン」とは関係ない。

オーストラリア出身のトミー・エマニュエルが
使っているので、私は知ったのだが、
おそらく日本に輸入されるようになったのも、
比較的最近のことだろう。

エレキギターは、まともなものを数本所有してるが、
アコースティック・ギターは、エレアコを含めて、
使えるものは全て処分してしまい、今手元にあるのは、
クルーズのエレガット、ヤマハのサイレントの
エレガットぐらいだ。
スチール弦のアコギを1本は欲しいなと
物色を始めたら、MATON が気になりだした。

今日は、恵比寿のギター専門店へ行き、
2時間半ぐらい、7〜8本(総額200万円以上)の
ギターを試奏した。
ついつい夢中になり、店長さん(?)が
親切なのこともあって、閉店時間を大幅に
過ぎるまでお店にいてしまった。

気になるものもあったのだが、
もう少しいろいろ試した上で決めようと、
今日は買わずに帰った。(えらい?)


Maton Guitars





2016.1.31

ライヴのお知らせ

今年は音楽活動をもうちょっと活発に
やりたいなぁという気持ちがありまして、
その第一弾として(というても4月なので、
「今年は〜」というほどではないが)
まりあさんとのライヴが決まった。

まりあさんとは、何度も共演しているが、
いつもイベント的なライヴだったので、
純粋にライヴだけでやるのは、
今回が初めてとなる。

そのイベント・ライヴではこの数年、
バンド形式でのライヴだったが、
今回は原点(?)に戻って、
ギターとヴォーカルのみのデュオで臨む。

ぜひ、皆さんおいでください。

〜 MARI−SHIN 〜 LIVE
MARIA (Vo), SHIN223 (Gt)
2016年 4月 2日 (土)
at bar dAZE
Open 18:30
1st act : 19:00〜 / 2nd act : 20:00ごろ〜
Music Charge : 無料 <チップ制>

バーですので、ドリンク代がかかります。

席数に限りがありますので、ご予約はお早めに!



ひとりごと