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つつみしんやのひとりごと 2013年 2月
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2013.2.2

東京物語

上映中の山田洋次監督映画 『東京家族』 は、

小津安二郎監督の1953年の作品 『東京物語』 を

モチーフに制作されたらしい。

その 『東京物語』 は世界的にも評価の高い作品で、

『東京家族』 が、残念な感想だったので、

ぜひとも その元となった 『東京物語』 を観てみようと

DVD を購入した。

レンタルでも良かったのだが、アマゾンを覘くと、

新品が680円だったのだ。

(届いた商品は、「日本名作映画集」 というシリーズのもので

1800円 と書いてあった。)


時代はもちろん、家族構成などの設定も

『東京家族』 とは、違っている。

『東京家族』 で、妻夫木聡 演じた次男 (独身) は、

『東京物語』 では、戦死しており、残された嫁が、

重要な役となっている。

その嫁役の 原節子が、非常に良い。

夫が戦死して 8年も経っているにも関わらず、

その義父義母への尽くし方は、実の子以上というわけだ。

終わりの方で、笠智衆 演じる父親が、

「実の子よりも、あんたの方が、優しくしてくれた」

みたいなことを言う。

葬式が終わると早々に東京へ、戻ってしまう息子や娘達を、

私は、果たして、冷たいと言えるのか、

自分への問いかけを残さずにはいられない。

あるいは、その行為は冷たいのかどうかも。


古い映画ということで、蒸気機関車、屋根の上の物干し台、

電報、蚊取り線香、また、うちわの使い方など、

子供の頃の記憶を呼び起こすものも満載。

若々しい山村総 (長男役) も 見どころ。

当然ながら、『東京家族』 で感じた 違和感は、

ここにはない。


テレビで、山田監督が、

「『東京物語』 は、素晴らしい作品なので、

いくら真似をしたって構わない」 というようなことを、

言っていたのを聞いたが、確かにたくさんのシーンで、

『東京物語』 へのオマージュを感じた。

でも、

(そんなことせずに、自分流に作ればよかったのに) と

いうのが正直な感想だ。

山田監督の小津監督への思い入れや尊敬など、

何も分かってないのを承知の上で。





2013.2.3

神業 DEREK TRUCKS

先日届いたDVDを夜な夜な、観た。

THE DEREK TRUCKS BAND の

『Songlines Live』 という 2006年1月の

シカゴでのライヴの模様を収めたものだ。



Amazon で 輸入版で、送料無料で 1133円。

ああ、なんという幸せ。

日本人はこうやって、円高の恩恵だって受けているのだ。

(ちなみにアマゾンでは 国内盤は、なんと 15,880円、

中古でも 4,700円だった。)

エンドクレジットまで入れて、2時間20分ほど

あるのだが、これがホントに素晴らしい。(一気に観た)

夜中に観ながら、何度 声を出したことか。

何度、思わず拍手してしまったことか。

テレビやビデオを観ながら、そんなことをするのは、

冷静な私 (?) には極めて珍しいことなのだ。

デレクって、本当に冷静そうにギターを弾く。

顔だけ観ていたら、まさかこんなにエモーショナルな、

またはトリッキーなフレーズを弾いているとは、

考えられない。


そういえば、20代前半の頃、私はギターを弾いている時の、

顔 (表情) を褒められたことがある。

今から考えてみれば、褒められたんは、顔であって、

けっして ギター・プレイではなかったことに、

注目すべきなのだが、その頃は それだけで、

(そうやろ!) と心の中で、自尊心の満足に

浸ってしまったものだ。

それから、私は益々ギターを弾く時、特に、

チョーキング (ギターの弦を指で押し上げる奏法) 時、

顔をゆがめるようになってしまった。(なんやそれ)

そんな話は、さておき、デレクはほとんど

表情も変えずに、表情豊かなギターを弾くのだ。

なんなんでしょうね。

彼の精神状態は、一体どうなってるんでしょうね。

昨年2月、テデスキ・トラックス・バンド としての

来日公演を観て興奮したことは記憶に新しいが、

本DVDは、その時のメンバーともデレク以外、

Mike Mattison (cho) と

Kofi Burbridge (key, flute) がダブっている。

昨年のメンバーではないが、

ベースの Todd Smallie が、とても良い。

THE DEREK TRUCKS BAND のCDは、数枚、

i-Pod に入っていて時々聴くが、(ベースがええなぁ) と

思っていたので (確認していないが) たぶん 彼なのだろう。

ギターのボトルネック奏法というのは、通常に弾くより

数倍難しいと私は思っているが、デレクの、

指、弦、トーンのコントロールは、正に神業ですな。

また早く来日して欲しいもんだ。





2013.2.4

拝啓、愛しています

評価が高く、良さそうな映画なので気になっていた

韓国映画 『拝啓、愛しています』 を観てきた。

月曜日の夜だからか、封切されてひと月以上経つからか、

観客は私を入れて4人だった。

『拝啓、愛しています』 という邦題のベタさ加減は、

どうなんだろう。

韓国語の原題は意味が分からないが、

英語の原題は、『LATE BLOSSOM』 とある。

直訳すれば 「遅い花」 だ。

原作は韓国の人気コミックらしい。

物語は、2組の年老いた男女を描く、

言ってみれば老人のメルヘンであり、ラブ・ストーリーだ。

これが、泣ける。

かなり、泣いた。

たぶん、二十歳そこそこで独身で観たなら、

こんなにも泣けはしないだろう。

良い映画だったが、少しだけ、腑に落ちないところが

あったのが残念。

というのは、ヒロインの女性がある選択をするのだが、

それがどうしても納得できなかった。

その後の展開も。

それと、途中流れる音楽の1曲の

ギターのフィンガー・ノイズの酷さが気になった。

全体的に音楽も良かったのに。

その2点を除けば、★5つだったのにな。

それにしても、こういう良い映画が東京でも

2つの映画館でしか、上映されないというのは、

哀しいな。


★★★★▲+


シネスイッチ銀座で今週金曜日まで。





2013.2.6

127時間

2011年6月に映画を観て、大変衝撃を受け、

すぐに原作本を買った 『127時間』。

買ってすぐに読み始めたのだが、

十数ページ読んだところで、そのままになっていた。

約1年半ぶりに最初から読み直し、

先日、読み終えた。


2003年、アメリカ・ユタ州の峡谷で、

アーロン・ラルストンという アウトドア好きな青年が、

右手を岩にはさまれ、身動きできなくなってしまう。

水も食料もすぐ底をつき、

行き先を誰にも言わずに来たので、救助も来ない 。

そんな極限状態の中、アーロンは事故から6日目に

脱出に成功する。

これ、実話で、原作はアーロン自身の執筆による、

『Between a Rock and a Hard Place』。

日本語タイトルは 『奇跡の6日間』 だったが、

映画 『127時間 (原題:127 Hours)』 の公開に合わせて

文庫化時に 『127時間』 と 改題したようだ。


映画を観てから1年半以上も経つので、

細かいことは覚えていないとはいえ、

あの、岩に右手を挟まれた状況などは、

やはり、映画の記憶のおかげで

リアルに思い浮かべることが出来た。

アーロンが、岩から脱出後、フラフラになりながら、

自力で9キロ以上歩き、ハイカーに出会うシーン、

「もうぼくは、ひとりではない」 とう1行は、強烈だ。

極限状態で起こる、幻覚や幽体離脱も

生半可なものではないのが良く分かる。

幻覚については、映画だと少し混乱した覚えがあるが、

本だと これは幻覚だ というのが分かり易い。

映画では描かれていない、アーロンのママや

友人たちの心配、警察の捜索なども詳しく書かれており、

アーロンの生還は、正に奇跡だと思わずにはいられない。

また、助かった後も、治療が大変だったことが書かれており、

救助されて終わりではなかったことも、映画を観ただけでは、

分からないことだった。


私の大好きな映画 『ショーシャンクの空に』 に

主人公アンディのこんなセリフがある。

 “必死に生きるか、必死に死ぬかだ”

その言葉を思い出しながら読んだ。

映画同様、心の奥底を揺さぶられる作品。


★★★★★





2013.2.7

LEVEL 42

六本木ミッドタウンに ビルボードライブ東京

(ライブ・ハウス) がある。

行く度にアンケートを書いて帰っているのだが、

アンケートに答えた人の中から、

抽選でライブの招待券が当たる。

これが、年に1回ぐらい当たるのだ。

で、その招待当選で一昨日、

LEVEL 42 のライブ (1st ステージ) に行って来た。

LEVEL 42 の音楽は聴いたことがなかったけど、

名前は知っていて、フュージョン・バンドだと思っていた。

確か、ベーシストのプレイに定評があったような、

記憶もあった。

そんなわけで、楽しみにして観に行ったのだ。

席に着くと、スタッフにこう言われた。

「今日のお客様は、盛り上がって 立たれます。

立ち上がっていただいても結構ですが、

ご自分の席から動かないでください」

(立ち上がる・・・?)

もちろん、ジャズやフュージョンの

ライヴでも盛り上がって観客がスタンディングに

なることは珍しくないが、そのスタッフのコメントには、

ちょっと異なものを感じた。

その日は、3日間公演の2日目だったので、

前日は、すごく盛り上がったということだろうと

解釈した。

で、いよいよバンドが登場すると、

なんと演奏がまだ始まっていないのにも関わらず、

立ち上がる人達がいる!

そして演奏が始まると半分以上の人が立ち上がった。

熱狂的な声援と共に。

一緒に行った友人の K彦と顔を見合わせる。

(なんや、これ)

そして、音楽は期待していたフュージョンではなく、

歌入りのポップス。

80年代、ディスコでかかっていた様な音楽だ。

これには、ちょっとビックリと 正直 がっかり。

ファンらしき観客が大盛り上がりするも、

どうも、好きなタイプの音楽ではない。

彼らのヒット曲を演奏しているようなのだが、

1曲も知らんし。

そういうわけで、残念ながらあまり楽しめずに

終わったのでした。

9000円もの席 (×2) を招待していただいて、

不満を書くのもなんだし、ファンの方々には水をさすようで

申し訳ないが、こういうことは私には珍しいんで記しておこう。


今さらだが、音楽ってホンマに

個人的な好き嫌いなのだなぁ。





2013.2.10

二郎は鮨の夢を見る
JIRO DREAMS OF SUSHI


予告編を観て、鮨大好きの私としては、

(これは観なきゃ!) と思ったドキュメンタリー映画、

『二郎は鮨の夢を見る』 を観てきた。

銀座の鮨店 『すきやばし次郎』 は、

『ミシュランガイド東京』 で5年連続、

最高の3つ星を受けている。

その店主、小野二郎 (87歳)さんは、世界最高齢の

料理人としてギネス認定も受けているという。

映画は、二郎さんと2人の息子、弟子たち、

築地の仲買人や、料理評論家の語る言葉で構成されており、

ドキュメンタリーによくあるナレーションや字幕はない。

(字幕は、人物、握り鮨の名前だけ)

ところで、この映画、アメリカ人のデヴィッド・ゲルブという人が

監督したものなのだ。

しかも、彼は、まだ20代の若者だ。

アメリカでは、昨年3月に公開され、興行収入250万ドル超

という ドキュメンタリーとしては、異例の大ヒットを遂げたらしい。

当初、日本での公開は未定だったが、約1年遅れで、

日本での公開となった。(2月2日公開)

映画の感想は、まず、美しいね。

特にクラシック音楽と鮨を握る映像の

コンビネーション。

鮨とクラシックという一見、合いそうにもないものが、

見事に調和していることに驚いた。


『すきやばし次郎』 のメニューは、お任せコースしかない。

握りが20貫で、3万円から (日によって値段が

変わるようだ)。

お酒を飲んだり、つまみを食べたりするタイプの

鮨店ではなく、純粋に握りだけを出す店のようだ。

なので、早い人はその20貫を 15分ぐらいで食べてしまうらしい。

15分で3万円・・・。

う〜む、勇気がいるのぅ。

しかし、映画を観ると一度は二郎さんの握った鮨を

食べてみたいと思わせられる。

彼の妥協なき姿勢、終わりなき挑戦には、

ただただ頭が下がる。

87歳にして、(どうしたらもっと美味しく出来るか)

そればかりを追求されているのだ。

7歳で、料理店に奉公に出たというから、

この道80年 (!) の大ベテランなのだ。

以前、テレビで 『すきやばし次郎』 のことを

やっていたのを観たことがある。

弟子が仕込んだ しめ鯖に二郎さんは NGを出し、

そのしめ鯖は、お客さんに出されることはなく、

まかないになっていた。

そりゃ、高くなるわな。

元々、最高級のネタを仕入れた上に、

納得しなければ、出さないのだから。

映画でも弟子が玉子焼きにOKをもらうのに、

半年ほどかかり、200枚失敗したという

エピソードが語られる。

あきらめない弟子もえらいね。

すぐに逃げ出す人もいっぱいいるらしいが、

そうだろうと思う。

あそこで修行したとなれば、

一流と認めてもらえるわけだが、

ただし、そのためには10年以上かかる。


次男が六本木に店を出し、独立する時、

「お前は (失敗しても) もう帰ってくるところはない」 と

送り出した。

もちろん、二郎さんは次男が独立してやっていける

力があると見込んでやらせたのだが、

彼は、その言葉を7歳の時に言われたという。

帰るところがないのだから、つらい事にも

耐えたという。

今どきの親は、「ダメだったら、いつでも帰っておいで」 と

子供を送り出す。

「そんなのは、ろくなもんにならない」 と言い切る。

一流になるには、覚悟と実践なのだな。


映画の中では触れられないが、二郎さんは通勤時、

夏でも手袋をしている。

映画でも8月に故郷の浜松に帰るシーンがあるが、

その時も手袋をされている。

手は大切な商売道具であり、傷つけると

仕事に支障をきたすからだ。

そこまで、ストイックな二郎さんなのに

一点、腑に落ちなかったのは、以前は、

タバコを吸っていたということ。

あんなに味に厳しい人なのに。

身体を壊して、70歳の時 (?) に止められたようだが、

どうも、二郎さんにタバコは似合わない気がした。


映画は、二郎さんの笑顔で終わる。

その笑顔が非常に印象的で素晴らしい。


★★★★☆


予告編



二郎は鮨の夢を見る 公式サイト





2013.2.12

あきらめない

若い頃、こんな例え話を聞いた。

ある地域に住む部族は、雨が降らない日が続くと、

雨乞いのダンスを踊る。

彼らが踊ると、必ず、雨が降るというのだ。

なぜか。

それは、雨が降るまで踊り続けるからだ。

この話は、「あきらめなければ達成できる」 ということの

例えに使われていた。

「あきらめなければ夢はかなう」 という言葉を

成功者は時々使うが、金メダルは 1つしかない。

あきらめなければ、手に入れられるほど、

世の中甘くはないだろう。

確かに成功した人は、あきらめなかった人たちだ。

それは間違いないが、あきらめなかっただけでは、

夢はかなわないと思うのは、あきらめた人間の

負け惜しみか。


昨日、たまたま観ていたテレビ番組に、

宇宙飛行士の星出彰彦さんが出演していた。

星野さんは、日本人7人目の宇宙飛行士で、

2008年と昨年と2回、宇宙へ行かれた。

昨年は、4ヶ月間の長期宇宙滞在だったようだ。

彼は、宇宙飛行士のテストに二度落ち、

三度目のテストで合格した。

そんな星野さんは、子供たちへのメッセージとして、

「あきらめずに夢を実現してください」 と言いながら、

こうも言った。

 あきらめなければ、何でもかなうわけではない。
 でも、あきらめてしまったら、そこで道は閉ざされる。


う〜む、「あきらめなければ夢はかなう」 というより、

よっぽど、重い言葉だ。


ちなみに、ウィキペディアによると、

三度目の日本人宇宙飛行士テストは、

応募者864名の中から候補者として採用されたらしい。

競争率864倍・・・。

そして、テストに合格してから、何年もの訓練があるわけで、

テストに合格した全員が宇宙に行けるわけでもないやろう。

そんなわけで、ますますこの言葉は重いのだ。

 あきらめてしまったら、そこで道は閉ざされる





2013.2.13

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日

その映像が美しいと評判の映画、

『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 を

観てきた。

予告編を観て、これは3Dで観た方が良さそうだなと

思っていたが、時間が合わず 2Dで鑑賞。

2Dでも十分、オープニングからすぐ、

美しいと思ったが、漂流中のシーンは、

3D ならもっと迫力が あっただろうなと思う。

その美しい映像たちは、どこまでが本当に

撮影したもので、どこからが 作成された映像が

見分けがつかず、魅了された。

ちょっとやりすぎで 人工的な感じがしたところも

あったけどね。


さて、映画の中身はサブタイトルにあるように、

227日間、トラと太平洋を漂流する話だが、

原題は、『LIFE OF PI』 だけだ。

PI (パイ) というのは、主人公の少年のことで、

つまり 『パイの命』 という意味だ。

(映画を観れば分かるが、「LIFE」 は 「人生」 ではなく、

「命・生命」 と訳した方がピンとくる。)

邦題には、『トラと漂流した227日』 と付いているため、

トラと少年の漂流の映画だと思ってしまっていたが、

実際は、漂流が始まるまでに、結構時間がある。

まず、パイの生い立ちや、人間性を説明する必要が

あるからだ。

その背景があってこそ、漂流中の彼の行動が

理解できるという風になっている。


少々、ネタバレになるが、

漂流中にトラとの間に友情が芽生えるのかと、

想像していたら、とんでもない。

猛獣は、とことん猛獣で、そこにはメルヘンや

ファンタジーはない。

生きることの厳しさと希望を失わないことの

大切さを説いているかのようで、それだけでは、

ない深さが、この映画にはあるようだ。

そのことを宗教的背景云々と書いている人もいるし、

形而上のことと書いている人もいて、

どうも私は分かっていないようなので、

もう一度観た方が良いのかもしれない。

ただ、1箇所だけ、「ゲゲッ!」 と思ったところがあり、

一瞬で次の場面に変わってしまったので、

確信がないのだが、そこだけでも、もう一度観て確かめたい。

ちょっと現実的でないところもあるが、

フィクションとしては面白い、と思って観ていたら、

最後にちょっとした仕掛けがある。

(これ、いらんやん) と思ったが、後から考えると

そのことで深みを増しているようにも思える。


遭難した貨物船は、日本の船という設定で、

船が沈んだ原因を調べる日本人が二人登場する。

確かに少し日本語も話すが、日本人から見て、

胡散臭い日本人というのがちょっと残念だ。

あと、映画の出来とは直接関係ないのかも知れないが、

インド人の物語なのに登場人物が英語を話すというのは、

世界の人は気にならないのだろうか。

先日観た 『レ・ミゼラブル』 もフランスの物語でありながら、

英語だった。

例えば、日本の時代劇なのに言葉が英語や中国語だったら、

めちゃくちゃ違和感あると思うのだが。

ま、吹替え版というのが存在しているぐらいだから、

違和感を感じるのは、その舞台が母国の人だけかも

知れないね。


★★★★☆


アカデミー賞11部門ノミネート
ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 オフィシャルサイト


トラの名前は、リチャード・パーカーというのだが、
こんな元ネタがある。





2013.2.14

久しぶりの妻ネタ

今日は、バレンタイン・ディ。

一応 (?) 毎年妻から、チョコレートを

もらっていて、無事、今日も もらうことができた。

ということは、15回目ということか。

よう続いてるのぅ。


さて、そんな (どんな?) ヴァレンタイン・ディの今朝、

妻の携帯に電話がかかってきた。

どうも、仕事上の相手のようだ。

開口一番、妻は相手の人にこう言った。

「もらった電話なんですけど、今話せますか?」



「今、話せますか?」

・・・普通、それはかけた側のセリフでしょう。

相手は話せる状態だから電話かけてきてるのでしょう。

と、相変らず、ワンダフルな妻なのだった。





2013.2.16

二郎の不思議

先日観たドキュメンタリー映画、

『二郎は鮨の夢を見る』 は、銀座の鮨店、

「すきやばし次郎」の店主、小野二郎さんを

撮ったものだった。

映画を鑑賞した日の 「ひとりごと」 には書かなかったが、

うっすらと疑問として残されたことがあった。

2人の息子さんたちがまだ子供の頃のこと。

二郎さんが朝出かける時は、子供らはまだ寝ているし、

仕事を終えて夜遅く帰宅すると、子供らはすでに

寝ていた。

子供らと顔を合わすことがあまりなかったようだ。

そんなわけで、たまの休みの日にゆっくり寝ていると、

子供らが母親にこう言ったらしい。

「知らないおじさんが寝ているよ」

二郎さんは、仕事一筋であったようだ。

私が 「うっすらとした疑問」 と書いたのは、

そんな仕事一筋の父親を見ていた子供たちが、

なぜ2人とも鮨職人になったか、ということだ。

浅はかに考えるなら、自分はもっと家族と過ごせるような、

仕事に就きたいと思うのではないだろうか。

(確かに浅はかだ)

二郎さんは子供らと一緒に過ごす時間は、

少なかったけど、非常に愛に満ちあふれていた、

ということも、もちろん考えられるわけで、

仕事熱心なお父さんが、皆、家族をないがしろに

しているわけではないだろう。

でも、テレビドラマなどで、高校生くらいになった子供

(なぜか、この場合は女子) が、

「お父さんは仕事ばかりで、私たちのことを

かまわなかったじゃないの!」 と非難するシーンは、

珍しくない。

往々にして、そういう場面で父親は、

「誰のために働いてると思ってるんだ!」 と

言ってはならない言葉を口にしてしまったりする。


昨日、ある人と話していて、

私の 「うっすらとした疑問」 が解けた。

その人は、「休日なんて要らないくらい仕事は楽しいもの」 と

いう風に生きている人だ。

その人の話を聞いていて、

仕事人間に2種類あることに気付いた。

一つは、仕事が好きで、楽しくて楽しくてしょうがない人。

もう一つは、家族のために自分が犠牲になって、

一生懸命 仕事をしている人。

後者も仕事は好きかも知れないし、

「犠牲になって」 というのは、言い過ぎかもしれない。

でも、この2つの違いは大きい。

仕事が楽しい人は、人生が楽しい。

一方は、後者の人生は、いささかつらそうだ。

人生を楽しく生きている父親の背中を見て

育った子供と、つらい人生を送っている父親の

背中を見て育った子供の、人生の選択は、

当然違ったものになるだろう。


話は、二郎さんに戻る。

彼は、「仕事は好きでなきゃ」 と言った。

そして、四六時中、鮨のことを考えて生きてきた。

もちろん、犠牲者としてなど働いていない。

息子さんたち2人は、

人生でそこまで打ち込める仕事をしている父親の

背中を見て育ったわけだ。

彼らの選択にもうなずけるのだった。





2013.2.18

THE DUO 〜 鬼怒無月&鈴木大介

ギタリスト、鬼怒無月と鈴木大介による、

ギター・デュオ・ユニット、その名も 「THE DUO」。

2007年以来、今までに 4枚のアルバムと

1枚のベスト盤をリリースしている。

ギター・デュオ好きの私としては、

1枚目発売当時から 注目しており、

アルバムも4枚とも持っている。

鬼怒さんは、ジャズ・ギタリストという感じではないが、

かといってロックの人でもないような独特な

ところにいる人。

鈴木さんは、クラシック畑の人だが、

映画音楽のソロアルバムを出していたりしている。

楽器は、クラシック・ギターだが、

演奏ではピックも使う。

彼らは、アドリブをいっぱい聴かせるのではなく、

アレンジされた部分が多くあり、それに加えて、

アドリブも演る感じで、よくあるジャズのギター・デュオとは

一線を画する。

独特なのだ。


さて、一昨日、その 「THE DUO」 のライヴに行って来た。

五反田のとあるサロンが会場で、お客さんは40〜50人の

小さな会場だ。

彼らのライブは、2009年10月に、代官山の

「晴れたら空に豆まいて」 という名のライブハウスで、

観て以来。

ジプシー・ジャズ、ピアソラ (タンゴ)、スタンダード・ジャス、

ポップス、そしてオリジナルと、CD を聴いている時以上に、

音楽性の広さを感じた。

そして、次の CD は、オリジナル曲集になる予定だそうで、

初演奏の曲や、まだ題名も付いていない曲も演奏された。

2曲、すごく気に入ったオリジナルがあったので、

今からリリースが楽しみだ。

CD ではエレキ・ギターやスチール弦も弾いている

鬼怒さんだが、今回のライブは、2人ともピックアップ付きの

クラシック・ギター1本。

演奏だけでなく、2人の音の違いも興味深かった。

鬼怒さんのギターは、パリッとしたハッキリ明るい固めのトーン。

鈴木さんのギターは、柔らかい優しいトーン。

残念ながら、2本ともメーカーは分からなかったが、

ピック・アップの音も良かった。





2013.2.19

桐島、部活やめるってよ

アカデミー賞優秀賞を受賞した映画、

『桐島、部活やめるってよ』 を観てきた。

評判が良いのは知っていたので、興味はあったが、

劇場での上映は、既に終了していた。

先週末から一週間、品川プリンスシネマで、

日本アカデミー賞優秀賞作品上映会という企画

(一律1000円!) をやっていたので、観ることができた。

ちなみに、本年の優秀賞作品は、下記の5本。

 『あなたへ』
 『北のカナリアたち』
 『桐島、部活やめるってよ』
 『のぼうの城』
 『わが母の記』

この中で、あと観ていないのは 『のぼうの城』。

これまた評価は高いのを知っていたが、

なんとなく観そびれてしまった作品。

賞を取る作品を、必ずしも良いと思うわけでは

ないのだが、どうせなら5本とも観て、

自分の最優秀作品賞を決めたいものだ。

その他、主要部門受賞作品 (アニメを除く) で

観ていないのは、森山未來が、優秀主演男優賞を

受賞した 『苦役列車』 と、沢尻エリカが、

優秀主演女優賞を受賞した 『ヘルタースケルター』。

その2本も観てみたい。

森山は、『北のカナリアたち』 で助演男優賞も受賞

している。

確かにあれはかなり良かった。


さて、『桐島、部活やめるってよ』 に話を戻そう。

舞台は、高校2年生の2学期、マフラーを巻いている

生徒もいたので、12月だろうか。

高2の2学期といえば、(私の場合) 学生時代を通して、

一番楽しかった頃だ。

その、そろそろ進路のことも考えなければならない、

2学期後半、桐島という男子バレー部のエースが、

部活をやめるという噂が広がる。

説明くさいところは、一切なしに、

色んな生徒の視点から、物語を見せることで、

登場人物の人間性、人間関係、力関係、

桐島という生徒の存在感などが、伝わってくる。

そして、あるシーンで映画は最高潮を迎える。

私はその場面で、思わず拍手しそうになった。

素晴らしい。

エンディングは、観終わってから

ゆっくり染み込んで来る感じなのだが、

その最高潮に比べると、ちょっと

もの足りなかったかな。

情熱、嫉妬、羨望、意地悪、憧れ、友情、恋心、努力、

根性、あきらめ、理想、現実、閉塞感、自己顕示、

持って行き場のないどうして良いか分からない思い、

など、色んなものを感じることが出来る、

正にこれは青春映画だ。

若い出演者も全員良い。


★★★★▲





2013.2.20

桐島、部活やめるってよ その2

昨日観た映画 『桐島、部活やめるってよ』 は、

高校2年生の物語。

中心人物の一人、神木隆之介 演じる前田涼也は、

映画部の部員。

ダサい、オタクっぽい、パッとしない生徒として

描かれていて、非常にええ味を出している。


高校では、どうしても運動部の方が、華やかで、

もてて、文化部はダサい、という同意があるようで、

「スクール・カースト」 という言葉まであるようだ。

ちなみにウィキペディアによると、スクール・カーストの

一般的なイメージは、下記のようになる。

 恋愛・性愛経験 - 豊富なほど上位
 容姿 - 恵まれているほど上位
 ファッションセンス - 優れているほど上位
 場の空気 - 読めたり支配できたりするほど上位
 部活 - 運動系は上位、文化系は下位
 趣味・文化圏 - ヤンキー・ギャル系は上位、オタク系は下位
 自己像 - 自分探し系は上位、引きこもり系は下位


イケメンで、スポーツ万能で、女にモテて、彼女もいて、

おしゃれで、リーダーシップがあって、優しいのに、

ちょっとワル。

おまけに話が面白くて、成績優秀やったら、王様やのぅ。


さて、昨日、映画のあるシーンで、「拍手しそうになった」 と

書いたが、それは、その映画部の前田が、

学校の屋上で ゾンビ映画を撮影するシーンだ。

そのシーンに吹奏楽部の演奏するワーグナーの歌劇が

かぶさっているのだが、それはそれは素晴らしい。

かなり、心を つかまれました。

ネットのレビューを読んでいると、そのシーンで、

泣いてしまった人もいるほど。


私は高校時代、イケメンで、おしゃれで、モテモテで、

運動万能だった (嘘) が、登場人物の中では、

この前田に一番感情移入も できたし、理解もできた。

まあ、私も文化部だったからね。

アンサンブル部という名の器楽合奏部と、

ギターを弾いてバンドをやっていた軽音楽部に

所属していた。

そして、昨日、この映画を観て思い出したのだが、

もう一つ、1年生のときには、

映画研究部 (略して映研) にも所属していた。

1年生のときのクラスメート、H に誘われて

入部したような覚えがある。

1年生の夏には、H の監督する映画に出演したよ。

刑事役で。

今、観たら、イタイし、サムイやろな。

中学時代から、映画を観るのは割りと好きやったけど、

そんなにたくさん観ていたわけではないし、

マニアックに好きなわけでもなかったし、

映画を撮りたかったわけでも、出たかったわけでもない。

映画館から、前売り券を預かってきて、

学校内で何枚か売って、その売上と売れ残り券を

映画館に返しに行くときに、そこで上映している映画を

タダで観られる、というのが入部の動機だったような

気がする。(汗)

もしかしたら、それを誘い文句に部員を

集めていたのかも知れない。

仲間がいないと、映画なんか作られへんからね。

話が、『桐島、部活やめるってよ』 から それてしまったが、

実はそれていない。

本作、そんな自分の高校時代を思い出さすにはいられない、

大人の青春映画なのだった。


そして、テレビのバラエティ番組に出ているような、

アイドルが出てこないことも本作の良さとして

付け加えておきたい。

これは、重要。

『告白』 に出ていた女の子もいるが、

ほとんどは知らない役者で、皆、素晴らしい。

あと、予告編を観た覚えがないことも、良かった。





2013.2.21

つやのよる
ある愛に関わった、女たちの物語


予告編を観た時には、(これ、観よう) って思うのだが、

実際に公開されると、なんとなく観に行かない映画がある。

『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』

(長いぞ、タイトル) も そんな一本で、

1月26日に公開されて、そろそろ上映を終える劇場が

出てきている。

で、やっぱり観ておこうと思い、明日で終了という

劇場で観てきた。

主役は、阿部寛。

女優陣が、大竹しのぶ、風吹ジュン、小泉今日子、

真木よう子、野波麻帆、忽那汐里ら。

阿部寛の出演作は、最近よく観ていて、

昨年だけでも 5本も観ている。

(『聯合艦隊司令長官 山本五十六』 『ステキな金縛り』

『麒麟の翼』 『テルマエ・ロマエ』 『カラスの親指』)

色んな役を演じているわけだが、

本作は、私の阿部寛イメージには、ない役柄で、

中々の怪演だったと思う。

予告編を観て勝手に、阿部寛が複数の女性と

関係があるんだろうと想像していたら、

全然違った。

阿部演じる松尾は、妻と子供を捨てて、

女と駆け落ちして結婚し、大島に住み着いた。

その最愛の妻が病気になり、昏睡状態が続いている。

もう、いつ死んでもおかしくない状況だ。

松尾は毎日、自転車で病院へ通う。

その、自転車をこいでいる、後姿がスゴイ。

冒頭のその後姿で、恐ろしいと思った。

阿部は、この役のために10キロほど痩せたらしい。

ひょうひょうとした阿部ではなく、追い詰められた

ギリギリの男を演じている。

その妻、艶 (つや) は、松尾との結婚後も、

男性関係が、明らかに病的だった。

松尾は、その奔放な妻を許し、愛し続けてきた。

私ならそんな妻はイヤだが、そこまで、

好きになってしまうというのも、分からないではない。

女優陣の中では、小泉今日子の、

夫の愛人とのケンカのシーンが良かった。

(ネタバレ)
 ↓
松尾の元妻が、艶の病室を訪れ、艶の着衣を

はだけて、胸を見るシーンがある。

その乳房には、はっきりと歯形がついているのだ。

それを見て、元妻は涙を流す。

もう、このあたりは、お子様の私には、

どう解釈して良いか、わかりましぇん。


映画の宣伝文句に

「2013年、愛の常識が変わる」 とあったが、

そこまで強烈ではないにしろ、私は割と好きだな。

劇中に流れる (フライド・プライドの) Shiho の

歌も雰囲気があって良い。

ただし、エンディングに流れる クレイジーケンバンドの曲は、

だめでしょ。

ラストシーンを台無しにしている。

ケンさんの歌がダメなのではないよ。

曲調が合ってないし、そもそも、

クレイジーケンバンドはこの映画に合わないでしょ。

残念。


★★★★☆





2013.2.25

David T. Walker

昨日は、ビルボードライブ東京へ、

デヴィッド T.ウォーカー を観に行ってきた。

今回の来日は、大阪1日、東京2日間、合計6ステージ。

その最終公演となる昨日の2ステージ目だ。

早めに予約していたので、整理番号が4番!

スゴク ええ席で観ることが出来た。

(ビルボードライブの自由席は、予約した順に

整理番号をもらえるのだ。)

デヴィッドから4〜5メートルぐらいの距離で、

真正面から鑑賞。

初めて気付いたけど、指長いね〜。

特に小指。

中指と同じぐらいに見えたで。


なまデヴィッドを観るのは、昨日で (たぶん) 8回目やけど、

何度観ても素晴らしい。

一発でそれと分かるあの独特のトーン。

ギターを変えても、やっぱりデヴィッドの音がするから

不思議。

世界の人間国宝やと思う。

彼は、1941年生まれなので、今年で72歳。

90年代、バンド・オブ・プレジャーで観たころは、

立ってギターを弾いていたけど、この数年は椅子に腰掛けて

弾いている。

時々、立ち上がるけど。

まだまだ、元気でいてあのメロートーンを聴かせて欲しい。


今回のメンバーは下記。

David T. Walker (Gt)
Jeff Colella (Pf,Key)
Byron Miller (Ba)
Leon "Ndugu" Chancler (Drs)

ドラムとベースはいつものメンバーで、

キーボードのクラレンス・マクドナルドが体調不良で不参加。

代わりにジェフ・コレラという、デヴィッドのアルバムにも

参加したことのあるキーボーディストが参加。

ドラムのチャンスラーは、いつも通り、満面の笑顔で

ドラムを叩いている。

「どんだけうれしいねん!」 って

突っ込みたくなるほどの笑顔です。


David T. Walker





2013.2.27

見えない世界

私の知り合いには、霊が見えてしまうという人がいる。

本人は、見たくないのに見えてしまうらしい。

また、祖母が深夜に部屋に現れ、部屋の中を

正座したままフワフワと飛ぶのを見たという友人もいる。

その夜、友人の祖母は田舎で亡くなったそうだ。

さて、私はそういう体験もなく、

霊やこの世のものではない何かを見たことはない。

霊感は強い方ではないと思うのだが、

そんな、見えない私でも 感じることはある。

時々、夜1時間ぐらい家の付近を散歩することがあるが、

ある路地に差し掛かると、決まってゾクゾクッと

寒気がする。

その路地に入るまでは、全く何も感じなかったのに、

その路地に入ると、(なんか、おるな) と感じ、

その路地を抜けると、その感じはなくなるのだ。

2〜3回、そういう体験をすると、

そこは避けるようになる。

そういうのは初めてのことではなく、前の家に住んでいた時も、

同じようにゾクゾクする道があった。

不思議なことに、昼間通っても何も感じないが、

夜だと毎回決まって、そのイヤなゾクゾクがあるのだ。

住宅街なので、その路地や道路沿いにも

家は建っており、住んでいる人たちはいる。

住民たちは、何も感じないのだろうか、

それともむしろ、そこにいる何かに護られているのだろうか・・・。







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