2016年 12月
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2016.12.2
上原ひろみ
ザ・トリオ・プロジェクト
feat. アドリアン・フェロー & サイモン・フィリップス
『SPARK』日本ツアー 2016
[ 東京国際フォーラム Hall A, Day 1 ]
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクトの
『SPARK』日本ツアー 2016。
残念ながらベーシストの
アンソニー・ジャクソンは健康上の理由で、
出られなくなった。
代打は、今年9月のリー・リトナーの
来日時のメンバーだったフランス人ベーシスト。
当然、アンソニーとは違う演奏なので
それはそれで、楽しみにしていた。
上原ひろみのスケジュールは、
10月は、南米(ソロ)〜ヨーロッパ、
11月に入ってからは、カナダ、アメリカ。
そして、日本ツアーは、
11月16日から12月18日まで、全23公演。
そのあと、韓国、中国と続く。
家に帰ってないんやろなぁ。
今日から3日間は、
東京国際フォーラム ホール A での公演だ。
7月に、オフィシャルサイトの
先行抽選販売があった。
くじ運があまり良くない私は、
3日間とも申し込んだら、
なんと3日とも当選してしまった。
なので、今日から上原ひろみ3Days なのだ。
その初日。
驚くなかれ、最前列!
しかもセンターブロックの左寄りで、
上原までの距離は4メートル!
サイモンでも6〜7メートルぐらい。
東京国際フォーラム ホール A は、
約5000人のキャパなので、
これは非常〜に幸運だ。
最前列(1列目)は、20席しかないのだ。
上原トリオを観るのは、今日で7回目なのだが
2014年の TOKYO JAZZ の時も
同じ東京国際フォーラム ホールA で
最前列で観たので、これで2回目なのだ。
あれ?
もしかしたら、オレ、運強い?
前置きが長くなった。
定刻を10分ほど過ぎて、
ステージにメンバーが登場。
すでにスゴイ歓声だ。
面白いことに「ひろみ〜」という声より
「サイモーン!」「アドリアーン!」という
掛け声の方が多い。
しかも男の声で。
1曲目は、ニューアルバム『SPARK』でも
オープニングの曲 "SPARK"。
ソロになると立ち上がって弾くひろみ。
1曲目からそんなに飛ばして大丈夫かと
思うほどの渾身のプレイだ。
そのほか、曲は『SPARK』から全曲と
旧作からは "PLAYER" と "LABYRINTH"。
休憩をはさんで 2時間35〜40分ぐらいかな。
ホントに全曲素晴らしかった。
ソロ・ピアノ曲 "WAKE UP AND DREAM" では、
最前列のおかげで スピーカーからではなく、
ピアノから生の音が聞こえたよ。
この曲では、ちょっとウルウルしてしまった。
"IN A TRANCE" は、CD より長めの
サイモンのドラムソロの後、
ひろみの戻って来かたが凄かった。
ぶっ飛び。
サイモンとひろみは、演奏中、しょっちゅう
アイコンタクトを取っていて、
微笑みあうというより、
なにが面白いのか、もう明らかに笑っている。
全く幸せそうだ。
MC で本人も言ってたけどね。
毎日夢がかなって(ピアノで世界を旅すること)
幸せだと。
アドリアンのプレイは、音色のせいか
柔らかいが適度に粘っこいという印象。
アンソニーとは タイプが違うが、
すでに何公演も終えてきたからだろうか、
意外なほどハマっていたね。
アンソニーは、いわゆるソロをあんまり
演らないけど、アドリアンは、
指弾きの高速ソロをバリバリ演る。
それもどうもソフトなタッチで、
まったくもってフレンチな感じ(意味不明)。
さすがフランス人。
アンソニーがキャンセルになって、
チケットを払い戻したお客さんも
いたようだが、これはこれで、
観ておかないともったいないよ。
明日も楽しみだ〜。
[ SET LIST ]
1. SPARK
2. PLAYER
3. TAKE ME AWAY
4. INDULGENCE
5. DILEMMA
ー 休憩 ―
6. WHAT WILL BE, WILL BE
7. WONDERLAND
8. LABYRINTH
9. WAKE UP AND DREAM
10. IN A TRANCE
Ec. ALL'S WELL
[ MEMBERS ]
上原ひろみ(Pf)
アドリアン・フェロー(B)
サイモン・フィリップス(Dr)
@ 東京国際フォーラム ホールA
パンフレット 1,700円
2016.12.3
上原ひろみ
ザ・トリオ・プロジェクト
feat. アドリアン・フェロー & サイモン・フィリップス
『SPARK』日本ツアー 2016
[ 東京国際フォーラム Hall A, Day 2 ]
昨夜のエントリーをアップした後、
コンサート・パンフを読んだ。
パンフには、15,000字に及ぶ
ロング・インタビューが掲載されている。
インタビューは、9月5日に行われたもので
前日 9月4日が、東京JAZZ での
ミシェル・カミロとのデュオの日だった。
もともと、東京JAZZ には、
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト で
出演の予定だったのが、
アンソニー・ジャクソンと
サイモン・フィリップスが
健康上の理由により キャンセルとなった。
2人がキャンセルしたのは、
7月中旬から10月初旬まで、
東京JAZZ だけでなく、世界中で
全部で20公演以上あった。
インタビューには、まずアンソニーが
出られなくなって、それからサイモンも
ドクターストップがかかって、と
状況が悪くなっていく中、
ひろみがどんな風にその20数公演を
乗り越えてきたかが語られている。
彼女は、公演キャンセルという選択をしなかった。
その真摯さというか 命の賭け具合は、
彼女の演奏と同じく、
感動的で思わず落涙してしまう内容だった。
彼女が乗り越えてきた
壮絶なストーリーを読んで、
昨日感じた、鬼気迫る演奏と、
見たこともないような幸せそうな笑顔のわけが、
少しだけ分かったような気がした。
以前、「負けず嫌いとは負けない人のことです」と
聞いたことがある。
ひろみは、インタビューの中で
自分のことを負けず嫌いと言っているけど、
その負けず嫌いが、彼女を今のレベルに
引き上げているのは間違いない。
最近「グリット(GRIT)」という言葉を
目にするようになった。
「GRIT」は、Guts、Resilience、Initiative、
Tenacity の頭文字を並べた言葉で、
訳によっては、「度胸」「復元力」
「自発性」「執念」となるが、
日本的に言うと、
「努力」「根性」「忍耐」「情熱」。
ひと言でいうと「やりぬく力」。
人生で成功するには、
生まれつきの才能や IQ ではなく、
このグリットが最重要だという。
ひろみのピンチの乗り越え方は、
「根性」と「情熱」そして「忍耐」。
「負けず嫌い」に支えられた、
まさに「グリット」だと思ったのだった。
そういえば、以前にもメキシコへ移動する際の
凄まじいエピソードを読んだことがあるなと、
探してみた。
「メキシコへの長い長い旅」
今、読み直しても涙が出る。
さて、彼女のこのツアーの背景の片鱗を知った上で
臨んだ今日のライヴ。
昨日は最前列だったが、今日は13列目。
それでも十分良い席だ。
なにしろ 東京国際フォーラム ホール A の
1階席は、49列目まであるのだから。
昨日は、ステージに近すぎて
3人同時に視界に入れることができなかったが、
今日は3人を同時に観ることができ、
またステージ全体を観られるおかげで
昨日は気が付けなかった照明の効果も
感じることができた。
そして、聞こえてくる音の違いも
ハッキリ感じた。
1列目だと各々のステージ上の生音も
聞こえるが、13列目だと PA を
通したまとまったサウンドになる。
どちらが良いというわけではないが、
同じコンサートであっても
違う体験が出来た貴重な機会だった。
昨夜、パンフレットを読んで
「昨日感じた、鬼気迫る演奏と、
見たこともないような幸せそうな笑顔のわけが、
少しだけ分かったような気がした」と
書いたが、1曲目 "SPARK" に
昨日とは違う感動をしてしまった。
激しいソロを一心不乱に弾くひろみを観ていて
感じたことがある。
前述したようにひろみには「GRIT」がある。
しかし、彼女は「頑張っている」とか
「情熱をもって取り組んでいる」という
レベルではないと思った。
うまく言葉に出来ないのだが。
例えば、鳥が空を飛ぶのを観て、
頑張って飛んでいるようには見えない。
トビウオが海面を飛ぶのを観ても、
努力のたまものだとは思わないし
情熱は感じないだろう。
ただ、そのものがそのものとして、
生きているとでも言えばよいのだろうか。
また、美しい夕陽を見て感動したとき、
夕陽がその美しさを表現しているとは感じない。
それは、人が勝手に意味や価値を付けているだけだ。
ひろみはピアノで音楽を「表現して」いるのではない。
彼女自身が音楽なのだ。
「情熱を持って」いるのではない。
彼女自身が「情熱」なのだ。
パンフレットに書いてあった、
「私に "やらない" という選択肢は
ありません」という言葉は、その証しでもある。
音楽が好き、というレベルではなく、
ライヴをしていないと "飢え" を感じるという。
彼女の音楽がこれほど人の心を
掴むのは完全にピュアな、
「音楽という人」に触れるからだと思った。
今日のセットリストは、昨日同様、
アルバム『SPARK』から全曲と
旧作からの2曲は、昨日と違い、
"DESIRE" と "SEEKER"。
旧作からの2曲は、日替わりなのかもしれない。
"SEEKER" は、単純な8分音符の伴奏が
非常に印象的。
そこに、ポップなメロディが乗ってくる。
彼女の曲の中でも特に好きな曲だ。
後半のピアノとベースの8バース、
4バースも、楽しく素晴らしかった。
演奏も MC も昨日とは少しずつ違う。
今日は、週末の上に17時開演。
お子さんのお客さんもチラホラ見えたので
MC で言っていた。
世界中で子供たちが聴きに来てくれるが、
(出待ちとかだろうか)直接会いに来たときは、
質問するのは、子供ではなくお母さんだという。
そして、世界中どこのお母さんも子供に
「もっと(ピアノを)練習するように
言ってください」と言うらしい。
そんな時、ひろみは必ずこう答えるという。
「やればやるほど楽しくなるよ」と。
30年以上 ピアノを弾いてきて、
やればやるほど、知らないことに気づくという。
やればやるほど、出来ないことが増えるのだという。
だからこそ、楽しいと。
「やればやるほど楽しくなる」
誰もが言いそうな言葉なのに、
ひろみが言うと、なんと重く含蓄があるのだろう。
[ SET LIST ]
1. SPARK
2. DESIRE
3. TAKE ME AWAY
4. INDULGENCE
5. DILEMMA
ー 休憩 ―
6. WHAT WILL BE, WILL BE
7. WONDERLAND
8. SEEKER
9. WAKE UP AND DREAM
10. IN A TRANCE
Ec. ALL'S WELL
[ MEMBERS ]
上原ひろみ(Pf)
アドリアン・フェロー(B)
サイモン・フィリップス(Dr)
@ 東京国際フォーラム ホールA
2016.12.4
上原ひろみ
ザ・トリオ・プロジェクト
feat. アドリアン・フェロー & サイモン・フィリップス
『SPARK』日本ツアー 2016
[ 東京国際フォーラム Hall A, Day 3 ]
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト、
3デイズ、いよいよ3日目。
今日は、日曜日だからか、
16時開演というプログラム。
(一昨日(金曜日)は平日だったので 19時、
昨日(土曜日)は、17時開演。)
毎日毎日、ホントに凄いクオリティの演奏。
プロとはこういうものだ、と
思い知らされる。
ひろみの MC は、昨日一昨日には
触れなかった楽器の話題。
今日3人の使っている楽器が、
Made in Japan だという。
ひろみのピアノは、もちろんヤマハ。
彼女の生まれ故郷でもある浜松の、
日本が世界に誇る楽器メーカーだ。
サイモンのドラムは、
名古屋の星野楽器のブランド、TAMA。
そして、意外だったのは、
アドリアンのベース。
Ken Smith というアメリカの
ハンドメイドのブランドなのだが、
彼のモデルは日本製だという。
Ken Smith の工房が
日本にあるのだろうか。
もしかしたら、
日本の優秀な工房に Ken Smith が、
発注したのかも知れない。(未確認)
とにかく、3人の楽器が、
Made in Japan だということに
ひろみは、日本のモノ作りの
素晴らしさを誇りに思うという話だった。
セットリストは、昨日一昨日同様、
アルバム『SPARK』の全曲と、
旧作から今日は ”PLAYER” と ”MOVE”。
この3日間で、『SPARK』の9曲以外に
5曲聴いたわけだが、アドリアンは、
このトリオの曲を一体何曲演れるのだろう。
あのキメだらけの曲を譜面なしで
演るのは、ホントに凄い。
一流ですな。
3日間、彼らの音楽を満喫できて
本当に幸せ。大満足。
勇気を与えられる音楽って素晴らしい。
[ SET LIST ]
1. SPARK
2. PLAYER
3. TAKE ME AWAY
4. INDULGENCE
5. DILEMMA
ー 休憩 ―
6. WHAT WILL BE, WILL BE
7. WONDERLAND
8. MOVE
9. WAKE UP AND DREAM
10. IN A TRANCE
Ec. ALL'S WELL
[ MEMBERS ]
上原ひろみ(Pf)
アドリアン・フェロー(B)
サイモン・フィリップス(Dr)
@ 東京国際フォーラム ホールA
2016.12.6
絶対ポジ。
妻は仕事で大阪や名古屋に出張することが多い。
今年は、ついに大阪と名古屋に
支社というのか事務所を借りたようだ。
大阪は、新大阪の駅前に格安な物件を
借りられたらしい。
2部屋借りて壁をぶち抜いて広くしたというので、
「そんなことしたら、解約するとき、
原状回復しないとあかんからお金かかるで」
と言ったら、彼女もそれは承知の上で、
「でも、すぐには出ないから」と言った。
1年後に出ようが、5年後に出ようが、
費用が掛かるのは同じことだと思った私は、
ふと思いつきで、こんな風に言ってみた。
「すぐに出ることになるよ」
妻がなんと答えるか、試してみたのだ。
予想通りの答え。
「やっぱり? 私もそう思う。
すぐにもっと大きな事務所に
引っ越すことになると思う。」
非常に 軽〜い。
非常に ポジティヴ。
けっして、「うまくいかなくなって
撤退することになるかも」なんて発想はない。
彼女にネガティヴな種はないのだ。
話は違うが、一昨日まで3日間(12月2日〜4日)、
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクトの
東京公演に行った。
7月のオフィシャルサイトの先行抽選販売時に
くじ運が悪いからと、3日とも申し込んだら、
3日とも当選してしまったのだ。
コンサートやライヴには、
妻や友人と行くこともあるが、
一人で行くことも多い。
上原ひろみなら 自信を持って誰かを誘えるので、
一緒に行く人が決まっていないのに
各日2枚ずつ申し込んだ。
(その時は3日とも当選するとは
思っていなかったけど。)
当選が分かった時点では、
座席はまだ分かってない。
その時点で、妻に 12月2、3、4日のうち、
空いている日があるかと訊いたら、
2日なら空いているという答えだった。
それで、2日は妻と行くことにし、
3日と4日は、それぞれ音楽好きの友人を誘った。
チケットを発券し、印字された座席を見て初めて
3日間のうち、最前列の日があることを知った。
それが、妻が唯一「行ける」と言った日のチケットだった。
当日、最前列に一緒に座った妻に
「今日は最前列やけど明日と明後日は違う」と告げた。
もちろん、妻は自分の日頃の行いが良いからだと
言っていた。
これまた予想通りの反応。
何を言うとんねんと思う反面、
3日間のうち、無意識に最前列のこの日を
選ぶあたりは、妻らしいと思ったのでした。
2016.12.7
STEVE GADD BAND
"WAY BACK HOME" Tour
featuring
MICHAEL LANDAU, KEVIN HAYS,
JIMMY JOHNSON & WALT FOWLER
スティーヴ・ガッド・バンド。
昨年9月、東京JAZZ で観たときは、
キーボードがラリー・ゴールディングス
だったけど、今回の来日では、
ケヴィン・ヘイズに替わっている。
他のメンバーは、昨年と同じ。
2〜3日前に ニューアルバム、
『ウェイ・バック・ホーム〜生誕70年凱旋ライヴ!』を
買ったばかりなのだが、
これは昨年6月26日、ガッドの生誕70年を記念して、
彼の故郷のニューヨーク、ロチェスターで行われた
ライヴ盤で、CD と DVD のセットだ。
まだ DVD は観ていないのだが、
CD の拍手や歓声の大きさに
ガッドの地元での人気の高さが伝わってくる。
演奏は、非常に質の高い、大人の
ジャズ・R&B・フュージョンとなっており、
ガッドのグルーヴをたっぷり楽しめる。
さて、ライヴの方は、ブルーノート4日間公演の
最終日最終セットということもあってか、
満員のお客さんだった。
ガッドの人気はもちろんだが、
マイケル・ランドウの紹介時の歓声も多い。
演奏は、先日観た 上原ひろみトリオとは、
別の意味のアンサンブルの妙。
匠の域です。
ガッドのドラムソロもたっぷりあって、
素晴らし過ぎて、泣きそうになった。
今年、71歳。
もう酒もたばこもやらず、ヘルシーな食事に
ジョギングを欠かさないらしい。
以前、一緒に演っていたリチャード・ティー、
エリック・ゲイル、コーネル・デュプリーが
すでに鬼籍に入ったことを思うと、
元気で演奏できていることは、本当に素晴らしい。
そして、まだまだ、もっともっと
続けて欲しい。
マイケルは、昨年同様2ハムの Fender ストラト。
前から4列目で、マイケルに近かったため、
良く見えたが、足元、手元で、弾き方で
物凄く細かく音色を変えていた。
あぁ、2ハムのストラト・タイプが欲しい。
今日は、ジミー・ジョンソンも良く見えた。
アレンビックの5弦。
自身の作曲のバラード1曲だけしか、
ベース・ソロは弾かなかったのだけど、
プレイも弾いている姿も良かった。
演奏曲は、"Green Foam"、"Bye Bye Blackbird"
"Desu"、"Oh, Yeah!"、"Them Changes" など。
アンコールは、"Watching The River Flow" が
いいなぁと思ったら、
ホントに "Watching The River Flow" が始まった。
メロはギターではなく、キーボードの
ケヴィンがヴォーカルを取った。
70分ぐらいだったと思うけど、
もっと聴きたいなぁ。
[ MEMBERS ]
Steve Gadd (ds)
Michael Landau (g)
Kevin Hays (key)
Jimmy Johnson (b)
Walt Fowler (flh,tp)
@ BLUE NOTE TOKYO
2nd Show
2016.12.9
おそるべし 荻窪 もみぢ
数か月に一度、5人で集まっている
「飲んべえの会」という飲み会で、
今日は荻窪にある「もみぢ」という
居酒屋というのか料理店へ行ってきた。
驚くべきは、そのコストパフォーマンス。
予約をしてくれたのは、荻窪在住のアネゴ。
「すっぽんコース」を頼んだというのだが、
「いくらのコース?」と訊いても
「知らない」という。
以前、高級店で「すっぽんコース」を
ご馳走になったことがあるが、
1人前1万円以上はしていた。
「もみぢ」はお世辞にもきれいとは
言い難い店内で、見るからに庶民的。
アネゴによると家族4人で腹いっぱい
食べても驚くほど安かったという。
さて、その「すっぽんコース」だが、
まず最初にお通しで山盛りの枝豆。
続いて、てっさが出てきた。
店主曰く「サービスです。」
げっ、これがサービス?
続いて、すっぽんの血の日本酒割。
全然 臭くない。
すっぽんの刺身。
レバーは柔らかく、
肉は歯ごたえしっかり。
卵は濃厚。
これまた全部 全く臭くない。
酒は、フグの骨酒。
香ばしい香りがたまらん。
それから、あん肝、タラの白子、
(ひえ〜プリンティ〜)
フグのから揚げ、焼き鮭、カモ、
餃子、焼売、厚揚げと続き、
メインのすっぽん鍋にたどり着く前に
結構 お腹が膨れてきた。
そして、いよいよすっぽん鍋。
生姜の風味の効いた、
お出汁にすっぽん君が丸丸一匹。
そして、すっぽん雑炊!
これがまた美味い。
おひとり3切れずつですと、デザートにリンゴ。
ちょっと50代のおっさん、おばはんには、
量が多く食べきれない。
と、店主が雑炊を持って帰るならと、
ビニール袋を出してきた。
曰く、「二重にしたらこぼれません」
う〜む、ディープだ。
さて。
このコース、一体いくらだったでしょう。
↓
↓
↓
正解。
12,000円なり!
ほな、普通に高いやんって?
いいえ、
5人前で、12,000円。
そう、ひとり2,400円〜!
結局、払った総額は、
飲み物代5,000円を合わせて、5人で 17,000円!
ひとり3,400円!!!
恐ろしい、コスパ。
なんでも、ここ、テレビにも
何度か取り上げられているようで、
とんねるずの「きたな美味い店(汚いけど
美味い店)」の3つ星を取っているのだった。
汚くて、美味いだけではない。
安いのだ。
壁に貼られたメニューを見ると
おにぎり 100円〜
って、コンビニより安いやん。
焼きそば(中)が 450円なのに
すっぽんうどんが 400円。
ふぐ雑炊 500円、すっぽん雑炊600円・・・など。
もみぢ風チャーハン(小)が 350円、
食べてみたいよ〜。
荻窪駅から、ちょっと遠い(15分は歩く)が
行く甲斐ありです。
すっぽんコースは、前日までに要予約です。
2016.12.10
マダム・フローレンス! 夢見るふたり
FLORENCE FOSTER JENKINS
メリル・ストリープ、ヒュー・グラント主演の
映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』。
予告編を観てコメディだろうと思っていたら、
コメディタッチではあるものの
実話をもとにした作品で、
内容的には笑える話ではなかった。
以下、ネタバレ含む。
音楽の力を信じているフローレンスは、
音痴であるにもかかわらず、歌を歌う。
そして、ついにはカーネギーホールでの
リサイタルを実現する。
そのフローレンスの夢に寄り添うのが、
妻をとても愛している夫のシンクレア。
シンクレアは、妻が音痴であることを
知りつつも妻の夢の実現に、
何をもいとわない。
妻のリサイタルのレビューを載せる
マスコミを買収したり、酷評を載せる新聞を
妻の目に入らぬよう買い占めたりする姿に、
私は疑問を感じたのだが、
フローレンスは健康上に深刻な問題を抱えており、
音楽があるからこそ生きているような
状態なので、シンクレアにとっては、
妻の夢の実現が何よりも大切であったわけだ。
フローレンスというシンガーの物語というより、
夫婦の物語、特に夫シンクレアの
妻への愛の物語と感じた。
フローレンスを演じる
メリル・ストリープが素晴らしい。
あんな風に音痴に歌うのは、
それはそれで難しいだろう。
シンクレアを演じるヒュー・グラントも
本当に優しい夫を演じていて良い。
シンクレアには愛人もいるのだが、明確に
愛人より妻を優先させるシーンがあり、
そのことで愛人を失う。
そんなに妻を愛しているのに
愛人がいるとはどういうことかと思った方は
そのあたりを 作品を観て確かめて欲しい。
フローレンスの伴奏役のピアニスト、コズメに
サイモン・ヘルバーグ。
中々印象的。
エンドロールでは、
フローレンスご本人の歌も聞ける。
★★★★☆
舞台は1944年のニューヨーク。
物語とは直接 関係ないが、
1944(昭和19)年といえば、
日本とアメリカは戦争中で
サイパンやグアムの日本軍が全滅し、
米軍が沖縄や東京に空襲を始めた年。
なんというか、当時の日本を
舞台にした物語と 人々の暮らしが違いすぎ、
当時の国力の違いをまざまざと感じます。
2016.12.11
バンド・リハ
「バンド」って、ええ響きやなぁ。
「バンドやろうや」って、
「付き合ってください」って告白するのに
近い感じがあると思うのは私だけだろうか。
映画『ブルース・ブラザース』でも
ジョン・ベルーシ演じるジェイクが
神からの啓示を受け、
「バンドだぁ!バンドをやるんだ!」って
いうシーンは印象的やったなぁ。
さて、今日はバンドのリハ。
毎年 7月と 12月に恒例となった、
まりあさんのライヴのサポート・バンドのリハだ。
このイベントに出演するのも
この12月で14回目、丸7年となる。
初めは、まりあさん(Vo)と 私(Gt)の
デュオでスタートしたのだが、
2013年から今のメンバーのバンド形態になった。
そのバンドでも丸4年、8回目ということになる。
このバンドは、そのイベントのためだけの
プロジェクトなので、冒頭に書いた
「付き合ってください」的なバンドではないのだけど、
やはり、バンドで音を出すのは楽しい。
20代〜30代前半、大阪にいたころは
ほとんど ずっとバンドをやっていたので、
あんまり感じなかったのだけど、
今のように普段、ドラムやベースと一緒に
演奏する機会が少ないと、
バンドって本当にええなぁと改めて思う。
本番は、23日。
来週もう一回、スタジオでリハがあるのだ。
グレッグ・レイク 逝く
12月7日に グレッグ・レイク が亡くなった。
癌だったようだ。
享年69歳。
う〜ん、若いなぁ。
今年3月、ELP で一緒だった
キース・エマーソン(Key)が
71歳で自殺というショッキングな
最期を迎えて9カ月のことだった。
高校時代、友人にキングクリムゾンの
『クリムゾン・キングの宮殿』という
アルバム(当時はLPレコード)を
借りて聞き、ショックを受けた。
その1曲目『21世紀の精神異常者』という
タイトルもインパクトのある曲は、
一度聴いたら忘れられない、
旋律とサウンドを持っていた。
このアルバムは、1969年の発表で、
当時「10年も前にこんな凄いロックが
あったのか」と驚いたことも覚えている。
ジャケットも一度見たら忘れられない。
そのアルバムで、ボーカルとベースを
担当していたのがグレッグ・レイクだった。
キングクリムゾン脱退後、
エマーソン・レイク&パーマー(ELP)を結成。
「プログレッシブ・ロックの父 」という
表記を見たが、まさに。
合掌。
(補足)
『21世紀の精神異常者』の現在の邦題は、
『21世紀のスキッツォイド・マン』に
改められている。
2016.12.12
J A C O
エレキベースの革命児と呼ばれる、
ジャコ・パストリアスのドキュメンタリー映画
『JACO』。
生きていれば、彼はまだ65歳なのだが、
1987年、わずか35歳で
その天才プレイヤーの幕を閉じた。
酔っぱらって店に入ろうとして
ガードマンと乱闘になり、
意識不明の状態に陥り、
その後、死亡という、
なんとも言えない死に方。
その数年間は、アルコールやドラッグで
奇行が目立っていたのは有名な話。
私は、ジャコの来日公演は観ていないのだが、
1985年12月20日、 NY の Lone Star Cafe という
クラブでライヴを観た。
その時のメンバーは、
ギターがハイラム・ブロック、
ベースがジャコ、あとドラムと
トランペットという編成だった。
開演前、カウンターで酒を飲んでいる男がいた。
私が「ジャコに似てるなぁ、まさか」と思い、
ジロジロ見ていると、
その男は私の視線に気づき、
「Hi」と挨拶をくれた。
私は、思わぬ彼の言動に驚き、
ぎこちなく、「あ、ハ、ハイ」と答えた。
それが、ジャコだった。
たったそれだけだったけど、
私はジャコと言葉を交わしたのだった。
ああ、一緒に写真を撮ってもらえば良かったな。
1985.12.20 Jaco & Hiram @Lone Star Cafe, photo by SHIN223
それから2年も経たないうちに
ジャコは悲劇に見舞われ、
この世を去ってしまった。
ジャコは、1982〜3年頃には、
問題を抱えていたようだなので、
私が観た1985年のジャコは、
すでにドラッグとアルコールにハマっていたと
思うのだが、あの日のジャコは、
そんなに変った様子は感じられなかった。
といっても、当時の私は、今よりももっと
音楽のことも人間のことも分かっていなかったし、
ジャコについても
詳しく知っているわけではなかったので、
何も気づけなかったのかも知れない。
いまだに世界中のベーシストに
影響を与え続けているジャコ。
昨日、スタジオでリハをしたベーシストの
よっしーなどは、大のジャコ・ファン。
一昨年、私とよっしーのデュオ・ライヴでは、
ジャコがらみの曲を3曲 演奏した。
さて、そのジャコのドキュメンタリー映画。
この映画は、2015年にアメリカで公開されたらしいが、
どいうわけか、日本での公開が今頃になってしまったようだ。
制作総指揮が、メタリカのロバート・トゥルージロ。
スラッシュ・メタルとジャズという意外な組み合わせ。
いや、ロバートは元々ジャコのファンだったので、
意外でも何でもないのだろうが。
貴重な映像とインタビューの数々。
インタビューに登場するのは、
ジェリー・ジェモット、カルロス・サンタナ、
ハービー・ハンコック、ゲディー・リー(ラッシュ)、
ジョニ・ミッチェル、スティング、ウェイン・ショーター、
フリー (レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、
ブーツィー・コリンズ、マイク・スターン、
ボブ・ミンツァー、アルフォンソ・ジョンソン、
ピーター・アースキン、ヴィクター・ウッテンなど、
そうそうたるメンバーだ。
ジャコは、NY に進出する前、
フロリダにいた頃から、自分のことを
「世界一のベーシスト」と公言していた。
実際、エレキ・ベースにおいては、
その歴史を変えてしまった天才だ。
映画を観て痛感したのは、
ホントに天才だったんだなということ、
とても良い父親でもあったこと、
天才であるがゆえに、
生きにくかったであろうということ。
そして、最期の数年に関しては、
つらい人生だったんだなと思った。
ラストは、悲しい。
でも、死後30年経とうとしているが、
彼の音楽は、生き続けている。
これからも彼を超えるベーシストは
もう出ないだろう。
★★★★★
音楽ドキュメンタリー映画と睡魔
8月に『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』を
観に行った時にも書いたのだが、
なぜか音楽ドキュメンタリー映画は
強烈な睡魔に襲われる。
観たいのに起きていられないのだ。
今まで観た音楽ドキュメンタリー映画 全てでは
ないのだが、他の映画に比べると
寝てしまう確率が断トツなのだ。
で、それでもやっぱり観たいので、
2回観に行く羽目になる。
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』、
『シュガーマン』、
『バックコーラスの歌姫 (ディーバ) たち』、
『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』
これらは、1回目途中で起きていられなくなり、
寝てしまったがために 2回観に行った映画だ。
(『シュガーマン』は、2回寝てしまい、
3回観に行った。)
なので、今回『JACO』を観に行くときも
(どうか眠くなりませんように)という思いで
劇場に足を運んだ。
白状しよう。
実は、本作の鑑賞、今日が2回目だった。
1回目は、一昨日の土曜日。
混んでいそうなので、前日の夜から
ネットでチケットを予約し、
観る気満々で臨んだ、午前11:45の回。
劇場に着くと、満席で売り切れ。
おぉ、前日に買っておいて良かった。
席に着き、眠くなりそうな
気配のないことを確かめる。
映画が始まる。
30〜40分経ったころ、軽い眠気がやってきた。
(くっそぅ、寝えへんぞ)と気合を入れる。
50〜60分経ったころ、本気の睡魔。
起きているのが、つらい。
もう無理。
降参。
爆睡。
気が付くと映画は終わりかけている。
ああ、またや!
また、寝てしもたがな。
なんでやねん!
というわけで、今日が2回目だったのだ。
もう完全に「音楽ドキュメンタリー映画は寝る」
というジンクスを自分で強化しているようだ。
(今日は、眠らずにちゃんと観ました。)
実は、(まだあるんかい)
本作、チケットを買ったのは3回目だった。
先週の火曜日の 20:35 の回のチケットを
やはり混んでいたらイヤだからと
前日に予約をしたのだが、
当日 17:30 から始まった打合せが、
思っていた以上に長引き、結局、行けなかったのだ。
なので、この映画は3回チケットを買っており、
めちゃ高くついてしまったのだった。
それにしても。
この音楽ドキュメンタリーと睡魔の関係は
なんだろう。
例えば、今年だけを観てみても
ドキュメンタリー映画を8本観たのだが、
そのうち音楽ドキュメンタリー映画が
『パコ・デ・ルシア』『ビートルズ』『ジャコ』の3本。
『ビートルズ』は眠くならなかったけど、
あとの2本は、1回目は寝てしまったのだ。
音楽ドキュメンタリーでない他の5本は、
寝ていない。
(『もしも建物が話せたら』は、
酔っぱらって観たせいもあって少し寝たかな。)
音楽ドキュメンタリー以外では、
こんなに眠くなれへん。
どういうことや。
不思議。
2016.12.13
春風亭一之輔 落語会
昨年は、一之輔の落語を12回(そのうち
8回は独演会)聴きに行ったんやけど、
今年もこれが12回目(独演会は6回)。
そんなつもり(どんな?)ではなかったんやけど、
結局、こんなに行ってしまった。
今年は、もう1回、来週にも機会があるので、
合計13回になる。
ナマで高座を観た噺家の中では
ダントツの回数で、来週を入れると 合計30回。
かなりのファンということになるなぁ。
さて、今日は五反田にある、
G-Call サロン という色んなイベントを
やっている会場での落語会。
ここでの一之輔落語会は12回目ということだが、
私は4回目。
開口一番は、一之輔の弟子、
春風亭きいちの「たらちね」。
ちょっと滑舌というか発音が悪く、
聞き取りにくいところがあるのは残念。
もう少し、丁寧に話すともっとよくなるのに。
これからに期待。
一之輔の一席目は「尻餅」。
大晦日に餅をつくお金がないので、
かかあの尻をぺったんぺったんと叩いて、
近所に餅をついているように
思わせるというバカバカしい噺。
何人かの 口演を聴いたことがあったが、
その中では一番面白かった。
休憩をはさんで二席目は、「柳田格之進」。
一席目とは打って変わって、
真面目な人情噺だ。
10月の「落語一之輔・三夜」の第三夜に
聴いた演目で、その日が(たぶん)
初演だったと思うのだが、
今日はその時よりも、
磨きがかかってたように感じた。
グッとくる口演で、素晴らしかった。
来月で39歳になる一之輔。
見た目にも貫禄が出てきたように思う。
【 演 目 】
「たらちね」 春風亭きいち(前座)
「尻餅」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「柳田格之進」 春風亭一之輔
@ G-Call サロン(五反田)
2016.12.15
初 SHAKE SAHCK
ちょっと前に、有楽町の東京国際フォーラムの
敷地内に「SHAKE SAHCK」がオープンした。
ニューヨークからやってきた、
ホットドッグ、ハンバーガーのお店だ。
アメリカにいた友人の話では、
ニューヨークでも人気のお店らしい。
何度か前を通ったが、いつも並んでいるので、
並んでまで入る気はしなかったのだが、
先日、妻と有楽町へ出た際に、
それほど並んでいなかったので、
試しに入ってみることに。
それでも並ぶこと15分で、
ようやくレジにたどり着きオーダー。
ハンバーガーを2つとドリンクを頼んだのだが、
出てくるまでにさらに10分弱待った。
手前が、チーズバーガーにレタス、
トマト、シャックソースの Shack Burger 680円。
奥が、チーズバーガーにスモークした
ベーコン、チェリーペッパー、
シャックソースの Smoke Shack 880円。
味は、普通に美味しいのだけど、
アメリカンにしては、
ちょっとサイズが物足りない感じ。
もっとも、注文したのが
ともにシングルサイズで、300円アップすれば
ダブルサイズというのもある。
Shake Shack は、もともとホットドッグで
スタートしたので、次回はホットドッグを
試しみたい。
でも、並んでまではいいかな。
現在日本では、この国際フォーラム店のほかに
恵比寿のアトレと、明治神宮外苑の3店のみ。
2016.12.16
妻の仕事
11年前に 友人の U子さんと
会社を興した妻。
昨年は、一般社団法人を設立し、
今では「個の発展」をキーワードに
東京だけでなく、地方へのその活動範囲を
広げている。
6年間から始めた新年の創作の講演会も
来月で7年目だという。
6年前は1ヶ所のみの講演で
集まった人も17人だったというのだが、
来月は、7都府県10ヶ所での講演となり、
合計で700人ほどの人が集まりそうだという。
これは、大勢の人が関わり出したということでも
あるのだろうが、
まるで、私の知っている妻ではない人が、
仕事をしているようで興味深い。
そして、妻は毎日が楽しそうだ。
英語には、
Happy Wife, Happy Life
という表現がある。
タマホームの CM ではない。
(あれは、Happy Life, Happy Home。)
妻が機嫌よく、毎日楽しそうに過ごしているのは、
平和でハッピーだということだな。
ちなみに、
Happy Husband, Happy Home
という言葉もあるので、
この機会にセットで覚えよう。
2016.12.19
恵比寿ルルティモ寄席 2016
supported by 渋谷道玄坂寄席
「恵比寿ルルティモ寄席」というのは、
年末にふさわしい大ネタを味わってもらおうと
いう企画らしい。
確かに出演者も豪華な上、ネタも豪華。
終わってみれば、午後10時20分。
月曜日の夜には、
ちょっとキツイんちゃうかと思う、
3時間20分の高座だった。
トリの三代目橘家文蔵の前に
帰られたお客さんもチラホラといた様子。
開口一番の後、三遊亭兼好の「ねずみ」。
この人、いいなぁ。
先月観た「厩火事」も良かったし、
観る度に好きになる。
演目の「ねずみ」は、名工 左甚五郎の噺。
兼好ならではの工夫が効いていて面白かった。
続いて、めでたく(?)通算高座30回目となる
春風亭一之輔。
「文七元結」は、一昨年の初演を観たのだが、
こういう人情噺にもどんどん深みが
出てきたんではないかと思う。
休憩をはさんで、桃月庵白酒。
この人も好きな噺家の一人だ。
「二番煎じ」は、私の中では
地味な渋い演目だったのだが、
見事に白酒風に演出されていて、
初めて聴く噺のように楽しめた。
トリは、今年、三代目を襲名した
橘家文左衛門 改め 橘屋文蔵。
この人は、CD では聴いたことがあったけど
高座は初めて。
登場に時点で、もうすでに
開演から2時間半ほど経っており、
その状況からの「芝浜」はやや重い。
丁寧な噺の分、その状況では、多少 冗長に
感じてしまったのは残念。
サゲが「また夢になる」だったのだが、
私は「また夢になるといけねえ」の方が
好きやなぁ。
この人、私と同じ年だ。
【 演 目 】
「権助魚」 橘家門朗(もんろう)(前座)
「ねずみ」 三遊亭兼好
「文七元結」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「二番煎じ」 桃月庵白酒
「芝浜」 三代目橘家文蔵
@ 恵比寿 The Garden Hall
2016.12.20
痛風物語 21
お待たせしました。
久しぶりの「痛風物語」です。
誰も待ってないよな。
知ってます。
今朝、起きた時から、痛風患部に軽い痛みがあった。
痛み止め薬を飲むほどではないし、
靴を履けないほどでもないが、
足早には歩けない程度。
う〜ん、これ、再々々々発症(5回目ね)なのか。
今日は、昼間 出かけていて いつもより
歩いたせいもあるのかもしれないが、
夜になると、痛みが朝より強くなっている気がする。
やはり、痛風なのか。
って、それしかないわな。
心当たり?
うむ。
ないことはない。
あるっちゅうことか。
前回の発症以来、アルコールの量も肉の量も
かなり減らしたのだが、ここんとこ、
少し気が緩んでいたことは否めない。
しかし、「これぐらいで?」
という程度の心当たりだ。
それだけ、シビアな状況ということなのか。
今年6月の発症時(3〜4回目)のエントリーを読むと、
まるで今日のことのようで、明日からが怖い。
明日は仕事関係の会食、
しあさってには、ライヴと打ち上げ、
その翌日は、妻とのクリスマス・ディナー(?)を
控えている。
そして、年末年始か・・・。
2016.12.21
痛風物語 22
昨日、地味に発症した痛風の痛みは、
悪化することも快方へ向かうこともなく、
今日一日、昨日と同レベルの痛みだった。
今朝、写真を撮ったのだが、
ご覧のように右足の親指付け根辺りが
はっきりと腫れている。
この状態では、腫れているというよりは、
出っ張っていると言った方が良いかもしれない。
もっと本気で腫れると、
うっすらと見えている血管が見えなくなるほど
足全体が腫れて膨れてしまったように
見え痛々しい状態になる。
なんとか、このままこれ以上悪化することなく、
治まってくれればよいが・・・。
そんな状況にも関わらず、
今夜は、新宿の「馳走風々」で会食。
カラスミ、ウニ、タラの白子、カニの内子&外子、
牡蠣、カモとフォアグラ、と笑ってしまうほど
プリンティなお料理。
だ、大丈夫なのか。
その他、タイ、ヒラメ、コチのお刺身や
蒸し鮑、などなど。
シメは、なんとか貝(失念)と「むかご」の
炊き込みご飯。
むかご、見ても何か分からなかった。
初めて食べたと思う。
山芋の茎に出来る実で、やはり芋の味がする。
皮ごと一緒に炊いてるので独特の風味がある。
「むかご」は漢字で「零余子」または「珠芽」と
書くようだが、晩秋が旬ということだ。
やはり、たま〜にこういう食事をするためには、
普段、本当に節制した食生活を
送っておかねばならないと思ったのでした。
2016.12.23
Maria Dream Live Vol.14
今日で14回目となった まりあさんとのライヴ。
今回は、全曲暗譜で臨んだ。
ずい分前だけど、ドラマーの沼澤尚さんが、
音楽雑誌に書いていたコラムで、
「酒を飲んでいる暇があったら、
譜面なしで演奏できるよう、
曲を覚えてこい」というようなことを
書かれていた。
演奏をするというのは、
楽器を「弾く」ことと、
周りの音を「聴く」こと、2つを同時に
しなければならない。
そこに、楽譜を「読む」ことが加わると
3つになってしまう。
演奏に集中するためには、
楽譜を読まないで演奏した方が良い、
というような内容だったと思う。
曲によって、覚えるのが簡単な曲と
中々覚えられない曲がある。
それは、曲の構成だったり、
コード進行だったりするのだが、
どんなにややこしくても、
回数をこなせば必ず覚えられる。
しかし、ただ覚えただけでは、
時々間違ってしまう。
もう、自分が勝手に自動演奏するかのように
曲が身体に染み込んでいなければ、
私の場合、たいてい、どこかでミスを犯す。
そのことは、分かっているのだが、
間違いそうだからと譜面を見ていたのでは、
チャレンジングでないし、
いつまで経っても、楽譜なしの
領域に行けないので、
失敗しながらでもやるしかない。
「失敗しながら」と書いたけど、
それは単なる準備不足でしかないのだけどね。
ライヴの不思議さは、
普段 練習で、ミスしたことのないような所で
ミスったり、なんでもないところで、
なぜか急に邪念が入って、
「次どうやったっけ?」と不安になったりする。
1時間のライヴの中で、
一体 何分間、演奏に集中しているのだろうか。
どれだけ無心で音楽に入り込んでいるのだろうか。
ほとんど、まるで、瞑想の修行と同じように
渇望と嫌悪に揺れているのだった。
さて、ライヴの方はというと、
バンドでの演奏も8回目となった。
何日か前にも書いたけど、
バンドは楽しいね。
メンバー間で大分気心が知れてきた感じだし。
次回は、来年夏の海の日だ。
[ MEMBERS ]
佐久間まりあ (Vo)
つつみしんや (Gt)
古賀圭侑 (B)
斉藤りょう (Drs)
佐藤百子 (Cho)
@ SOUND CREEK Doppo (四谷)
白いギターに変えたのは
何か訳でもあるのでしょうか
初、白いギターである。
ずっと ハムバッキング・ピックアップに
トレモロ・アームの付いたギターが欲しくて、
毎日のようにデジ・マートを見ていた。
気になるギターが出現しては、
時間が経つと売れてしまったり、
興味が失せたり、実際に楽器店で試奏するも
購入に至らなかったりと、
「これ」という1本に中々巡り会えずに
いたのだが、最近、気になっていたギターが、
MUSIC MAN の StingRay Guitar。
もともと、1970 年代後期にレオ・フェンダーが
StingRayII というギターを開発したのだが、
今年発表されたのは、その StingRayII ギターを
基本に現代風にアップデートされたモデル。
当初は、ローズウッド指板のサンバースト・モデルが
気になっていたのだが、そのうちメイプル指板の
白い(Ivory White)ギターが気になりだした。
これは、試奏して買うか買わないか決めようと、
3日前に、お茶の水の楽器店まで行ったのだが、
そのお店の閉店時間が、19時だったため、
たどり着いた時には閉店してたのだった。
これは、縁がないということかなと思い、
他に気になっていた数本を見るために
楽器店を周ったが、手に取るほど
食指の動くものはなかった。
出来れば、今日のライヴは新しいギターでと
考えていただのが、間に合いそうもないので、
今回のライヴは、Sadowsky の Semi-Hollow で
行くことにした。
その後も、ギターの物色は続けていて、
フジゲンのセミ・オーダーに興味がわいてきて、
そんなに高くないので、池袋のショップに
相談に行くつもりになっていた。
今日、リハーサルのあと本番までの間、
1〜2時間あって、いつもは新宿の楽器店へ
行ったりしていたのだが、今回はなぜか
ベースのヨッシーがお茶の水へ行こうと言い出した。
四谷にいたのだが、私はお茶の水との距離が
分かっていなかった。
中央線に乗るとなんと一駅。
新宿より近いやんか。
それじゃあ行こうということで、お茶の水へ。
件の楽器店へ向かい、StingRay Guitarを
とりあえず試奏。
試奏だけのつもりだったが、
弾いた感触が良かったのと、
楽器店に着くまでは、
MUSIC MAN は私に似合わないと、
言っていたヨッシーが、「これ良いですよ」
「合ってますよ」と言い出したこともあって、
ついには価格交渉に突入。
で、その場で購入。
リハーサルは終わっているので、
サウンドチェックもできないのだが、
そのまま本番へ持ち込んで使用。
本番当日購入のギターを、
そのまま本番で使うなんて、人生で初めて。
そんな、やったことのないことをやるのは、
なんとなく心地よく嬉しい。
1曲目冒頭、リハで使ったギターとの
音量の差に戸惑うも、ストレスなくライブを終了。
演奏は、ミスもしたけれど、
ギターのサウンドは、
バンド・メンバーの評判も良く、
思った以上にええ感じなのだ。
買ったばかりの New Guitar を弾く筆者
4:2 のユニークなヘッド
ケースには、「StingRay」のプレート
[Specifications] StingRay
Size : 14-1/16" wide, 1-5/8" thick, 39-1/4" long
(35.7 cm wide, 4.1 cm thick, 99.7 cm long)
Weight : 7 lbs, 15 oz (3.6 kg) - varies slightly
Body Wood : African mahogany
Body Finish : High gloss polyester
Body Color : Ivory White
Bridge : Music ManR Modern tremolo
with vintage bent steel saddles
Pickguard : Mint
Scale Length : 25-1/2" (64.8 cm)
Neck Radius : 10" (25.4 cm)
Headstock Size : 6-3/8" (16.2 cm) long
Frets : 22 - High profile, medium width, Stainless Steel
Neck Width : 1-5/8" (41.3 mm) at nut,
2-1/4" (56.9 mm) at last fret
Neck Wood : Select maple neck
Fingerboard : Select Maple
Fret Markers : 1/4" Black or White Face dots
Neck Finish : Ultra-light satin polyurethane finish
Neck Colors : Natural aged yellow finish
Tuning Machines : Schaller M6-IND locking
Truss Rod : Adjustable - no component or string removal
Neck Attachment : 5 bolts - perfect alignment
with no shifting; Sculpted neck joint allows
smooth access to higher frets
Electronic Shielding : Chrome plated aluminum control cover
Controls : 500kohm volume and tone - .022μF tone capacitor
Switching : 3-way toggle pickup selector
Pickups : HH - 2 Music ManR custom wound humbucking
with chrome covers
(MUSIC MAN の サイト より 抜粋)
2016.12.25
海賊とよばれた男
百田尚樹のベストセラー小説の映画化。
原作は、なんと420万部突破だそうだ。
まだ映画化が発表される以前、
原作を読んだ妻が、
とても良かったので読めば、と
本を貸してくれた。
読み始めたのだが、
途中でなぜか止まってしまった。
確か50〜60ページは読んだように思うが、
もしかしたら、もっと読んだかもしれない。
気にはなっていたが、そのまま
読むのをやめてしまった。
若い頃は、読み始めた本は必ず最後まで
読み通すことを自分に課していたのだが、
この数年は、途中でほったらかしに
なった本が何冊もある。
中には、気を取り直して読み直すものも
あるが、『海賊とよばれた男』は、
読み直すこともなく、
そのうちに映画化を知った。
さて、映画の方は主演は、
同じ百田氏原作の『永遠の0』でも
主演を務めた岡田准一。
監督も『永遠の0』と同じく山崎貴。
『永遠の0』は、昨年の日本アカデミー賞で
8部門で最優秀賞に輝いたヒット作。
原作も読み、映画も観た素晴らしい作品であったが、
この2〜3年の間に原作者の百田氏には、
ネガティヴな印象を持ってしまった。
残念なことではあるが、
原作者と作品とは区別して捉えよう。
『海賊とよばれた男』。
戦前、戦後の困難を生き抜いた、
石油事業に尽力した国岡鐡造が主人公。
この国岡鐡造、出光興産創業者を
モデルにしていることは、知っていた。
映画を観ながら、国岡商会という会社名が
「いつ出光興産に変わるのだろう」と
観ていたら、最後まで変わらなかった。
私の勘違い。
あくまでも出光佐三をモデルにした、
国岡鐡造の物語だったのだな。
この国岡鐡造。
熱いです。
長いものに巻かれることもなく、
強いものに屈することもなく、
自分の信念を貫く。
フィクションではなく、このように生きた
日本人がいることは、同じ DNA を受け継ぐ
日本人としては、心強く誇りに思える。
戦後、誰一人社員の首を切らずに、
なんでも請け負って会社を持続させた鐡造。
鐡造にとって社員は、家族だったのだ。
銀行からの融資を受けられない部下に
「熱が足らん!」と喝を入れるシーンがある。
聞きようによっては、乱暴な精神論・根性論に
聞こえてしまいかねないが、
根性ややる気のあるなしではなく、
その情熱の根源こそが達成の要なのだと思う。
「本気」とか「一生懸命」とか
言葉にすると薄っぺらい感じがしてしまうのだが、
彼が説いていたのは、
文字通りの命懸けの精神なのだと思う。
鐡造は、石油をめぐる戦争に負けた日本が、
石油の輸入まで外国に牛耳られ、
つまりは日本の経済を乗っ取られることを
けっして受け入れることができなかった。
何が何でも、日本人企業として、
石油を外国から輸入し、日本で販売することに
こだわった。
クライマックスは、アメリカから輸入を絶たれたときに
日承丸(国岡商会のタンカー)で、
イランに石油を買いに行くという選択。
当時、イランから石油を買うことは、
イギリスを敵にまわすことであり、
途中、イギリスの軍艦にタンカーを
攻撃されかねないようなリスクのある行動だった。
鐡造が日承丸の船長に、
「アバダン(イラン)へ行ってくれるか」と
頼むシーンがある。
この仕事は、戦場に行くようなものだが、
船長は、こう答える。
「私は店主が行けといった所に行くのが仕事です。」
命を懸けられる仕事、というより、
鐡造は、部下から「この人のためなら命を懸けられる」と
思われる存在だったのだと思う。
主演の岡田准一は、鐡造の20代から90代までを
演じるが、メイクが素晴らしい上、
30代と60代では、声のトーンを変えるなどしていて
ほとんど違和感を感じさせない。
また、爆撃シーンや船のシーンなど、
VFX なのだろうが、迫力満点である。
共演は吉岡秀隆、染谷将太、鈴木亮平、綾瀬はるか、
堤真一、ピエール瀧、近藤正臣、小林薫、國村隼、等。
たぶん、これも賞をたくさん獲るでしょうな。
145分は、全く長く感じない。
★★★★★
この世界の片隅に
今年は、日本アニメの当たり年とか。
そういわれてみれば、普段そんなにアニメを観ない
私でさえ、この『この世界の片隅に』で
今年はアニメ鑑賞4本目だった。
昨日は、映画を2本観た。
意図したわけではないが、どちらも日本の
昭和の戦前〜戦後を描いた作品だった。
東京か呉(広島県)かの違いこそあれ、
焼夷弾による爆撃、爆撃後の焼野原という、
象徴的なシーンを2本続けて観ることになった。
さて『この世界の片隅に』は、
どちらかというと『君の名は。』のような
エンターテイメント作品ではない。
広島から呉に嫁いだ、18歳の すず という
女性の結婚と戦争とその日常を描いた作品で、
声高に反戦を唱えているわけではない。
柔らかいアニメのタッチで、
戦争の悲劇をそのままに描いている印象だ。
この主人公・すずは、架空の人物だろうが、
当時、こういう女性が日本中にたくさん
いたんじゃないだろうか。
淡々と描かれる日常に、
前半やや、間延びした感じがしたのだが、
途中から物語に引き込まれてしまう。
気が付いたら、訳の分からない涙が
何度もこぼれていた。
すずの声に のん。
能年玲奈 あらため のん。
私は、声優が誰だか知らなくて観たのだが、
たまに声優の下手さにがっかりする作品が
ある中、本作の のん は素晴らしかったです。
★★★★★
2016.12.25
"Beyond the Sea"
聞くと、ずい分と前から知ってるのだけど、
曲名も、誰が歌っているのかも
分からないという曲がある。
"Beyond the Sea" もそんな1曲。
少し前、ニッキ・パロットの動画を
YouTubeで観ていて、彼女の歌う
"Beyond the Sea" にたどり着いた。
絶対聞いたことがあって、
知っている曲なのに、
誰が歌っていたのか分からなくて、
調べてみたら、ボビー・ダーリンという人が
アメリカで1960年にヒットさせていた。
ボビー・ダーリンのことは、
全く知らなかったけど、1936年生まれで、
50年代から60年代にかけて、アメリカで
多くのヒット曲を出したシンガーだった。
"Beyond the Sea" は、
今やスタンダードともいえる曲で、
フランク・シナトラ、ジョージ・ベンソン、
ロッド・スチュワート、マイケル・ブーブレなど
多くのシンガーがカバーしてる。
色々調べているとケビン・スペイシーが、
ボビー役を演じたその名も
"Beyond the Sea" という映画があった。
(邦題:『ビヨンド the シー 夢見るように歌えば』)
興味がわいたのでレンタルして観てみた。
映画の中で、ケビン・スペイシーは、
本当に歌い踊っているのだが、これがスゴイ。
歌手でだって十分やっていけるでしょう、
というような歌なのだ。
これには驚いた。
アメリカのショービジネスの凄さやね。
映画では、ボビーが子供のころ、体が弱く、
15歳まで生きられないだろうと言われたのを
母親が音楽の楽しさを教えたところから、
映画で共演した女優サンドラ・ディーと結婚し、
その後、夫婦関係が難しくなったり、
少し落ち目になる時代があったり、
母親だと思っていた人が実は祖母で、
本当の母親は姉だったこととか、
リアルに描かれてます。
カツラを被っていたことなんかも。
ケビン・スペイシーの踊りとスィングする歌だけでも
十分、鑑賞の価値があるが、
ボビーの人生もヒューマン・ドラマとして
見ごたえがある。
映画では死までは描かれていないが、
ボビーは、37歳という若さで他界している。
★★★★☆
Bobby Darin - Beyond the sea
本家に負けていません。
↓
Kevin Spacey Sings - "Beyond the Sea"
なお、"Beyond the Sea" は、ボビー・ダーリンの
オリジナル曲ではなく、元々は "La Mer(ラ・メール)"
という古いシャンソンに英語の歌詞を付けたもの。
ネットで見つけた ELVIS と BOBBY の2ショット。
2016.12.26
MILES AHEAD
マイルス・デイヴィス 空白の5年間
MILES AHEAD
マイルス・デイヴィス。
ジャズメンの中では、一番有名な人ではないだろうか。
その音楽を聴いたことがなくても、
名前ぐらいは聞いたことがあるだろう。
私は、中学生の頃、TDKカセットテープの
テレビ CM で、マイルスを知った。
当時、吹奏楽部でトランペットを吹いていたので、
その CM のモノマネ(高音でめちゃくちゃ吹く)を
演ったものだ。
そのジャズ界の帝王・マイルスは、
1970年代後半、5年間音楽シーンから姿を
消していたらしい。
『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』は、
その時期のマイルスを描いた映画で、
マイルス役にドン・チードル。
ローリング・ストーン誌の音楽レポーターを
ユアン・マクレガーが演じている。
映画のオフィシャルサイトには、
「この作品は史実とフィクションを織り交ぜ〜」と
あるので、どこまでが史実で、
どのあたりがフィクションなのか、
見当がつかないのだが、
冒頭のインタビュー・シーンは、
ドキュメンタリーかと思うような
雰囲気で、とてもカッコ良い。
マイルスを演じるドン・チードルは、
トランペットの特訓をしたらしいが、
かなり真に迫っております。
ラストは、マイルスゆかりのミュージシャン、
ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターや
アントニオ・サンチェス、ゲイリー・クラークJr、
エスペランサ・スポルディングらとのセッション。
映画の評価は、賛否が分かれているようだ。
私としては、マイルスがカムバックする
きっかけをもうちょっと描いてほしかった。
最後の若手とのやり取りがそうなのかもしれないが、
あれでは、物足りない。
それにマイルスという人間が、あれでは、
薬中で乱暴な、自分勝手な男としてしか
描かれていないようにも思うので、
もう少し音楽的な才能が
いかに凄かったのかとかも観たかったな。
そんなん、今更要らんやろということ
なんかもしれんけど。
★★★★☆
奇しくも、同時代に活躍した白人トランぺッター
チェット・ベイカーの映画、
『ブルーに生まれついて』も現在、公開中だ。
次はこれを観てきます。
おまけ ↓
タモリとマイルスの対談!
2016.12.27
ブルーに生まれついて
BORN TO BE BLUE
昨夜は、ジャズ界の帝王、マイルス・デイヴィスを
描いた映画『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス
空白の5年間』を観たのだが、今夜は、
ジャズ界のジェームス・ディーン、
チェット・ベイカーを描いた映画
『ブルーに生まれついて』を観てきた。
チェットは、マイルスと同世代で、
同時代に活躍した白人トランペッター、シンガー。
昨日のマイルスの映画の舞台は、
70年代後半だったが、本作の舞台は 60年代。
冒頭から、若い頃のマイルスや
ディジー・ガレスピーが登場する。
やはり、この映画の中でもマイルスは気難しい。
比べるべきではないかもしれないが、
昨日の今日なのでどうしても比較してしまう。
同じ時代に活躍したジャズの黒人トランぺッターと
白人トランぺッターの2つの映画だ。
共通するものが多すぎる。
ジャズ、ヤク、オンナ、挫折、そして、復活。
『MILES AHEAD〜』は、まるでハードボイルドの
ようなトーンだったのに比べ、
『ブルーに生まれついて』は、
切なくて、悲しくて、痛い。
マイルスがヤクをやる理由は、
イマイチよく分からなかったが、
チェットの動機は、よく分かった。
まあ、みんな同じような理由なんやろけど。
そういえば、ジャズではないが一昨日は、
ボビー・ダーリンの映画を DVD で観た。
3日続けて実在したミュージシャンの
映画を観たわけだが、3作に共通するのはオンナ。
ボビーの映画と、マイルスの映画では、
愛し合った2人の関係がこじれていく様子が
描かれていて、なんともハッピーとは
言い難い面があったのだが、
チェットの『ブルーに生まれついて』では、
ヒロインのジェーンに 途中チェットが
嫉妬するシーンはあるものの
最後までいがみ合うようなことはなく、
ええ感じできたのだが、ラストがつらい。
悲しい。
なんでそうなるの。
なんで、そこまで頑張ったのに
負けてしまうの!
と思うけど、全てが音楽のためだと言われるとねぇ・・・。
チェットの音楽は、軽く聴いたことがあったぐらいで
たくさん聴いていなかったけど、
映画を観終わって、i-Pod に入っていた
チェットを聴きながら歩いていたら、
なんか好きになってきたよ。
映画は、悲し過ぎるけど。
チェット・ベイカーを演じるのは、
今年観て凄く良かったドキュメンタリー
『シーモアさんと、大人のための人生入門』の
監督を務めたイーサン・ホーク。
シーモアさんのおかげもあるのかないのか、
ラスト、NY のバードランドでの
ライヴのシーンのイーサンの歌う
『I've Never Been In Love Before』で
泣いてしまいました。
チェックするとイーサンの歌は、
チェットご本人のキーより、半音低いし、
チェットの甘さとは違うねんけど、
映画を観てきて 最後に この歌は やられました。
イーサン凄い。
★★★★★
2016.12.28
世界一とは
先日、体操金メダリストの内村航平が、
テレビで言っていた。
今から40年以上前にオリンピックに
3大会出場し、金メダル8、銀メダル3、
銅メダル1を獲った加藤澤男さんに
19歳の時に言われ、衝撃を受けたという言葉を。
「結局、世界一になるやつは、
世界一練習してるんだよ」
自分が、世界一練習していると
胸を張って言える人だけが、
世界一の権利を得るのだ。
権利だけで、まだ世界一ではない。
なにしろ、世界中に世界一を目指している
連中がいるのだからね。
世界一、練習してる・・・か。
201612.29
夢の三競演 2016
- 三枚看板・大看板・金看板 -
今年最後の落語会は、
桂文珍・桂南光・笑福亭鶴瓶という
上方の大物3人の「夢の三競演」。
東京での公演は、今回が第三回。
米朝一門(南光)、文枝一門(文珍)、
松鶴一門(鶴瓶)の3人であり、
米朝事務所、吉本興業、松竹芸能と
所属事務所も違う3人だ。
昨年は行かなかったけど、
一昨年、東京の第一回は、観に行ったので、
私は2回目だったが、発売から30分後には、
売切れていたという人気の落語会で当然、満席。
まずは、3人が登場し口上。
開口一番の桂米輝の「阿弥陀池」のあと、
南光の「ちりとてちん」。
この人の「ちりとてちん」は面白い。
江戸落語では似たような演目に「酢豆腐」が
あるが、断然「ちりとてちん」の方が
私は好きだ。
続いて文珍の「くしゃみ講釈」。
今日は不思議と枝雀のにおいを感じたね。
トリは、鶴瓶の「山名屋浦里」。
吉原一の花魁(おいらん)と、
堅物の田舎侍の人情噺で、
もとは、タモリが知った吉原のエピソードを
鶴瓶に落語にしてくれと持ちかけ、
鶴瓶と作家の小佐田氏が落語にしたもの。
今年は、それが中村勘九郎、中村七之助の
歌舞伎「廓噺山名屋浦里
(さとのうわさやまなやうらざと)」として、
歌舞伎座で上演されたというから凄い。
この噺、今年の6月にも口演を聴いており、
私は2度目だったのだが、今日の方が良かったな。
前回は期待しすぎたので、それほどでも
なかったような記憶がある。
花魁が田舎侍に惚れる、その背景に
共感ができないと、ストーリーの良さが
今一歩伝わってこないような気がする。
同じ花魁の噺なら、「紺屋高尾」や
「幾代餅」の方が、分かりやすい。
でも、歌舞伎で観たら、また違うのだろうな。
【 演 目 】
口上(桂文珍・桂南光・笑福亭鶴瓶)
「阿弥陀池」 桂米輝
「ちりとてちん」 桂南光
「くしゃみ講釈」 桂文珍
〜 仲入り 〜
「山名屋浦里」 笑福亭鶴瓶
@ TBS赤坂ACTシアター
昨年、一昨年は、それぞれ1年間に36回も
落語会に足を運んだ。
自分でも(そんなに行かんでもええやろ)と
思うほどだったので、
今年は、減らしたつもりでいたが、
終わってみると、それでも今日が30回目だった。