2014年 9月
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2014.9.2
Spiritual Beings
We are not human beings having a spiritual experience.
We are spiritual beings having a human experience.
大分前にどっかで見た英文。
人間が、スピリチュアルな経験をしているのではない。
スピリチュアルな存在が、人間の経験をしているのだ。
てな感じかな。
2014.9.3
やめること 続けること
「継続は力なり」、よく言われる言葉だ。
実際、これは誰も否定できまい。
やめていった人ではなく、
続けている人のみこそが、
手に入れることができるスキル、
体験できる世界がある。
かと言って、イヤイヤ続けても身にならない。
結局、「自分は誰なのか」、
「何にコミットしているのか」、
「ホンマに好きなんか?」 それらの質問に
答えが見え隠れするような気がする。
私の場合、ギター。
若い頃は、プロになりたいと言いながらも、
バンドもレッスンも継続しなかった。
やめた時には、自分なりのそれ相当の理由が
あったわけだが、今の自分なら やめないのに、
と思うこともある。
「あの時、続けていれば、あの頃、もっと練習していれば、
今頃もっと上手に弾けたのに」 と思うことがある。
え、後悔!?
そうか、後悔なのか・・・。
自分は、プロ・ミュージシャンになれる人では
なかったことは明白で、「あの時頑張ってれば、
プロになれたのに」 と思うことはない。
そのことへの後悔はないねんけど、
アマチュアでええから、もっと上手に弾きたい。
そう思って、練習しているが、
50も過ぎると、若い頃のようには習得できない。
んっ? 今度は言い訳か。
後悔の次は、言い訳。
そんなヤツは、何も成し得ないよな。
グズグズ言わずに今やれることをやるしかないのだな。
と、今度は反省。
とほほ。
2014.9.4
笑福亭鶴瓶落語会
鶴瓶師匠の独演会は、これで3回目。
今日は、昨年10月にも行った、
赤坂ACTシアターでの 「笑福亭鶴瓶落語会」 だ。
東京4日間、大阪4日間、新潟2日間、
福島、岩手と12日ある公演の初日。
独演会といっても前座やゲストが登場するものが多い中、
この 「笑福亭鶴瓶落語会」 は、鶴瓶師匠ご本人のみの
出演で、まさにたっぷりと鶴瓶ワールドを
楽しむことができる。
まずは、30分ほどフリートーク。
よくもまあ、こんなにおもろいことが、
次々に起こるなぁというような師匠の日常なのだが、
よくよく聴いていると、それ程のことでもないことを
面白おかしく語ることができるのだな。
奥さんのエピソードを聴いていて、
妻のおもろい話だったら、私も負けないと
思ってしまった。
落語の方は、古典を3席。
かわいい女、愛しい女、もう一つ何の女だったか
失念したが、女の噺を3席と始まった。
まずは、「転宅」。
これは初めて聴いた。
これが、何の女といったか思い出せない。
2席目は 「三年目」。
別名 「茶漬け幽霊」。
これは、先月、桂雀々でも聴いたネタ。
かわいい女の噺やね。
3席目は 「たちぎれ線香」。
7月の 「つるべ寄せ」 でも聴いたが、
これは、愛しい女の噺。
女の噺と書いたが、主人公は3席とも男。
その男の相手の女が、それぞれかわいい女だったり
愛しい女だったりするわけだ。
それにしても、テレビにあれだけ出て、
映画にも出て、一体いつ稽古するんやろな。
【 演 目 】
フリートーク
「転宅」
「三年目」
〜 仲入り 〜
「たちぎれ線香」
@ 赤坂 ACTシアター
2014.9.6
第13回 東京JAZZ
THE JAZZ POWER
東京JAZZは、毎年今頃 開催される、
ジャズ・フェスティバル。
2日間、昼夜公演の他に、コットン・クラブでの公演や、
会場が東京国際フォーラムに移ってからは、
広場での無料の公演など、
国内最大級のジャズ・フェスとなっている。
今年が第13回ということだが、
ここ数年は、毎年どの公演かに行っている。
今年は、今日の昼の部と明日の夜の部のチケットを
取った。
どちらも、上原ひろみが出演してるのだ。
本当は、今日の夜の部 (高中正義、ベイビーフェイス、
チャカ・カーン) も観たかったけど、
公演発表の前に、夜は別のチケットを
取っていたので、諦めた。
さて今日の (昼の部) 出演は、下記。
● JAGA JAZZIST
ラーシュ・ホーントヴェット (g, cl, sax, key)
マーティン・ホーントヴェット (ds)
リーネ・ホーントヴェット (tu, fl, per, glockenspiel and vo)
オイスタイン・ムーエン (synth, p)
アンドレアス・ミョース (vib, g, key, per)
エーリク・ヨハネッセン (tb, per, vo)
マルクス・フォシュグレーン (Eg,effects)
エーヴェン・オルメスタ (b, key)
● ミシェル・カミロ × 上原ひろみ
ミシェル・カミロ (p)、 上原ひろみ (p)
● ランディ・ブレッカー、 マイク・スターン、 小曽根真
ランディ・ブレッカー (tp)、 マイク・スターン (g)、
ライオネル・コーデュー (ds)、 トム・ケネディ (b)、
小曽根真 (p)
1組目 「JAGA JAZZIST」 のことは、知らなかったが、
ジャズというより、ソフトなプログレ、または
ニューエイジっぽい音楽で、エレキギターが
3人もいるに関わらず ギター・バンド感はなし。
そのギタリスト達も、キーボード、サックス、
ヴィブラフォン、スチールギターなどを
曲によって持ち替えていた。
2組目、ミシェル・カミロ と 上原ひろみ の
ピアノデュオ。
これは観ておかないとね。
このデュオ、過去にも演ったようだが、
私は初体験。
超絶技巧と高い高い音楽性のコラボ。
同じヤマハのピアノなのに2人の音が違う。
上原のツヤと勢いのある音に比べ、
ミシェルの方が、ちょっと枯れた大人の音に感じた。
1曲目が一番素晴らしかった。
曲名分からんけど、ぶっ飛び演奏。
そのほか、「キャラバン」 「ビリーズバウンス」 など。
アンコールは 「スペイン」 かと思っていたが、
今年6月に亡くなったホレス・シルバーの曲でした。
2人がホントに楽しそうに演奏しているのが印象的でした。
3組目、マイク・スターン・バンド。
ドラムのライオネル・コーデュー以外は、
何度も観ているバンド。
残念ながら、聴きたいのに睡魔が・・・。
明日は、夜の部。
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト です。
(9/9 追記)
9月6日 ミシェル・カミロ × 上原ひろみ
セットリスト
1.TROPICAL JAM
2.CARAVAN
3.BESAME MUCHO
4.DESERT ON THE MOON
5.BILLIE'S BOUNCE
En.THE GODS OF THE YORUBA
マシュー・ボーンの 「白鳥の湖」
バレリーナの名前なんて一人も知らんねんけど、
一度は、観に行きたいと思っていたバレエ。
夜は、東急シアターオーブ で 「白鳥の湖」 を観てきた。
今日と明日は、プレビュー公演ということで、
来週からの本公演より、少し (2000円) 安い。
マシュー・ボーン というのは、演出・振付をした人で
その世界では、きっと有名なのだろう。
何も分からずに観に行ったのだが、
いわゆるクラシックの 「白鳥の湖」 ではなく、
マシュー・ボーンによる、現代版の 「白鳥の湖」 の
ようだった。
携帯電話とか、出てきたからね。
「白鳥の湖」 については、あらすじさえ知らず、
予備知識ゼロだったため、ストーリーが
よく分からなかった。
セリフなしの舞台やからね。
その上、時々訪れる睡魔がひどかった。
いや、観たいねんで。
演技が眠たいんとちゃうのに
どういうわけか、今日は、睡魔の日やったなぁ。
それにしても、あの肉体はスゴイね。
男も女も、美しい。
スタッフ
演出・振付:マシュー・ボーン
美術:レズ・ブラザーストン
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
出演 (ニュー・アドベンチャーズ)
ザ・スワン/ザ・ストレンジャー:クリス・トレンフィールド
王子:クリストファー・マーニー
女王:アンジャリ・メーラ
ガールフレンド:キャリー・ジョンソン
ほか
(上記は、本日のキャスト)
2014.9.7
第13回 東京JAZZ
DISCOVER
なんと! 今日は最前列!
チケットには、5列目と書かれていたので、
5列目だと思って行ったら、
オケピットにテレビカメラが入っていたため、
4列目までの席は、撤去されており、
私の座る列が最前列だったのだ。
これは、ちょっとスゴイかったね。
たぶんテレビに映ってると思う。
東京JAZZでは、2日間のホール4公演に
それぞれテーマがある。
昨日観に行った昼の部は 「THE JAZZ POWER」。
今日の夜の部は、 「DISCOVER」 というテーマだ。
プログラムは、下記。
● アーマッド・ジャマル
アーマッド・ジャマル (p)、 マヌエル・バドレーナ (per)、
レジナルド・ヴィール (b)、 ハーリン・ライリー (ds)
● 菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール スペシャルゲスト UA
菊池成孔 (vo, sax, cdj)、 林正樹 (p)、 鈴木正人 (bs)、
早川純 (bdn)、 堀米綾 (hp)、 大儀見元 (per)、
田中倫明 (per)、 梶谷裕子 (vln1)、 高橋暁 (vln2)、
河村泉 (vla)、 森田香織 (vc)、 UA (vo)
● 上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト
上原ひろみ (p)
アンソニー・ジャクソン (b)
サイモン・フィリップス (ds)
1組目、アーマッド・ジャマルのことは知らんかったけど、
今年、84歳のジャズ・レジェンドだ。
メンバーのアーマッドに対する注意が凄い。
というのも、アーマッドは、しょっちゅう、
メンバーに指を指してキューを出すのだ。
キューを出したら、時々、ご本人は腕組みをしたり、
時にはピアノに肘をついて、メンバーの演奏に
耳を傾ける。
そして、何がそんなに楽しいの? というぐらい、
楽しそうに演奏するメンバーたち。
幸せな演奏でした。
終演後は上原ひろみがアーマッドへ
花束を贈るために舞台に登場。
2組目、菊地成孔のことは名前を見たことがある程度で、
演奏を聴くのは初めて。
ペペ・トルメント・アスカラール というオーケストラは、
来年で10周年だという。
パーカッション2人にバンドネオン、ハープ、
ストリングスなどの変わった編成で、
今日は、昭和っぽいムード音楽から、ジャズ、
ラテン、タンゴっぽいものまで色々。
ゲストのUAの歌も初めて聴いた。
手振りが時々、坂田利夫 (アホの坂田ね) に
見えて可笑しかった。
菊地成孔のMCも面白かった。
主催者から、誰かゲストを入れないと、
自分たちだけでは、出してもらえないと聞き、
UAに出演を依頼したそうな。
さて、東京JAZZ、大トリは、
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト。
このトリオを観るのは、これが5回目。
一番 観たい聴きたいピアノ・トリオだ。
2011年に1枚目のアルバムを出した時には、
こんなに続くとは思ってなかったけど、
今年、3枚目のアルバムをリリースした。
最前列だと書いたが、直線距離では、
上原に一番近い席。
わずか6〜7m先で彼女がピアノを弾いている。
1曲目 「Move」 に始まり、アンコールの
「Spirit」 まで、75分くらいかな、
なにかに取り憑かれているかのような、
強烈で壮絶な演奏でした。
「Spirit」 では思わず落涙。
上原の海外プロデビューは、2002年の
ウンブリア・ジャズ・フェスティバルだった。
そのフェスで上原を世界に紹介したのが、
今日、出演していたアーマッド・ジャマルだったという。
調べてみると、彼女のファーストアルバムの
プロデューサーとしてもアーマッド・ジャマルの
名前がある。
上原は、「プロデビューして12年 (一回り) で
こうしてアーマッドと同じステージに立てることは、
大変に意義のあることです」 というようなことを
語った。
アーマッドに花束を贈ったのは、
そういうわけだったのね。
今夜のテーマ、DISCOVER・・・
確かにいくつも発見がありました。
東京JAZZ 放映予定 【NHK BSプレミアム】
10月14日(火)23:45〜25:15
10月21日(火)23:45〜25:15
10月28日(火)23:45〜25:15
↑
今日の夜の部は、きっと私が映ってるよ。
夜は風船に点灯
(9/9 追記)
9月7日 上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト
セットリスト
1.MOVE
2.PLAYER
3.WARRIOR
4.DREAMER
5.ALIVE
En.SPIRIT
2014.9.8
跳びはねる思考
会話のできない自閉症の僕が考えていること
先日、「あるがままに自閉症です」 という本を読んだ、
東田直樹の最新刊 「跳びはねる思考」 が、今日、届いた。
今夜は、梅林さんとのデュオの練習日だったが、
往復の電車の中で、(90分ほどで) 一気に読み終えた。
著者・東田直樹は、重度の自閉症の22歳の若者。
その世界では、有名な人だったようだが、
先月放送されたNHKのドキュメンタリーで、
一層、注目を浴びることになったようだ。
番組は、彼が13歳の時に書いた、
「自閉症の僕が跳びはねる理由」 という本が、
世界20カ国以上で翻訳され、ベストセラーに
なっているというドキュメンタリー。
その番組を見て、件の 「自閉症の僕が跳びはねる理由」 を
楽天ブックスで注文したところ、注文から3週間を経て、
この度ご注文の商品につきまして、
ご注文が殺到したことにより、
弊社においてご注文時の納期での発送が
適わない状況に至りました。
とのメールが届いた。
アマゾンでも 「在庫切れ・入荷時期は未定」 と
なっている。
「あるがままに自閉症です」 も目からウロコの
内容だったが、「跳びはねる思考」 も然り。
とてもじゃないが、普通に人と会話どころか
挨拶もできない、じっとしている事もできない、
時々、奇声を発したり意味不明の行動をとる人が
書いたとは思えない。
だが、本書を読むと、その理解できない行動に
意味があり、ただ、知らないだけなんだと
気付かされる。
そして、文章が詩的で上手い。
インタビューも載っているのだが、
「学び」ということについての質問に
彼は、こう答えている。
人生にとって重要な学びは
ふたつあるのではないでしょうか?
ひとつ目は、勉強をして、考える力を
身につけること。
ふたつ目は、自分の幸せに気づくことです。
22歳の時、オレ、絶対こんなこと
言われへんかったで。
(自分と比べんでええねんけど)
佐々木俊尚 (ささき としなお) という
ジャーナリストのあとがきも良い。
★★★★★
番組は、9月13日に再放送される。
2014.9.9
エメラルド婚式
9月9日は、私の両親の結婚記念日だ。
今日で、55周年。
50周年が金婚式で、
55周年はエメラルド婚式というらしい。
両親の年を合わせると160歳を超えるが、
二人共健在でありがたいことです。
55年ってスゴイなぁ。
私たち夫婦は、今年で15周年 (水晶婚式)です。
ちなみに60周年で、ダイヤモンド、
65周年で、ブルー・サファイア、
70周年で、プラチナ、75周年で、ダイヤと金、
80周年で、オーク (樫)、85周年で、ワイン、と
なぜか、80年を過ぎると渋くなっていくのが面白い。
80周年なんて、普通は夫婦ともに100歳を超えないと
ありえないやろけど、私たちの場合、
35歳と37歳で結婚したので、
115歳、117歳となります。
って、あと65年もあるやん!
長!
名渡山遼
一昨日、銀座を歩いていたら、
ちょうど山野楽器で店頭ミニライヴを
演っていた。
名渡山遼 という若者のウクレレ・ソロだ。
最後の1曲しか聴けなかったが、
オリジナル曲で、これが中々素晴らしかった。
最近、ニューアルバムが出たようで、そのプロモだったようだ。
ウクレレといえば、10年以上前なら、
ハーブ・オオタさん、最近ならジェイク・シマブクロが
有名だが、二人ともハワイの人だ。
名渡山遼は、デビューして2〜3年経ってるようだが、
日本人でこんな人がいるとは知らなかった。
まだ、21歳で大学生だというから驚き!
中学生の頃から、ウクレレ天才少年と
呼ばれていたらしい。
ちょっとこれ聴いてみて。
↓
ニューアルバムの1曲
Tears Of Joy / Ryo Natoyama
ああ、ウクレレ欲しなってきた。
以前、980円のウクレレ買ったことがあるけど、
フリーマーケットで売ってしもた。
今度は、ちゃんとしたのを買おう。
あんなオモチャみたいな楽器やけど、
これが結構、高いねん・・・。
2014.9.11
キナ・グラニス
Kina Grannis
ぴあのポイントが貯まったので、
何がええかなぁと、交換できるチケットを
見ていたら、キナ・グラニスという知らない
シンガー・ソングライターを発見。
YouTube でチェックしてみたら、
これが中々よろしい。
で、昨日がその公演でした。
@ ビルボードライブ東京。
キナは、日系アメリカ人で日本人とのハーフということで、
おそらく彼女も日本には、特別な思いがあるのだろう、
発音の良い 「ありがとうございます」 などを聞くと
ほかの外タレとは違う親近感を感じるのは、
私の気のせいか。
先日観た、リサ・ローブとはまた違うテイストの
シンガー・ソングライター。
バンドは4人で、キナがギターとヴォーカル、
ギター、キーボード、ドラムスというベースレスの編成。
キナは、オール・コアのテイラーのエレアコ。
おお、そう言えば、リサ・ローブも
ギターはテイラーやったな。
もう一人のギターは、ギブソンのES−335。
途中1曲だけギターを交換し、キナが335を弾いた。
曲調は、ナチュラルでオーガニックな感じで
なかなか良かったです。
メンバー:
キナ・グラニス / Kina Grannis (Vo, Gt)
ジェシー・エプスタイン / Jesse Epstein (Cho, Gt)
ダーラ・ホーン / Darla Hawn (Cho, Drs)
ジョン・テェティンリングテン / Jon Titterington (Cho, Key)
Am I Wrong - Nico & Vinz (Kina Grannis Cover)
335弾いてます。
MAGIC! - Rude (Cover by Kina Grannis)
テイラー、オールコア弾いてます。
春風亭一之輔 独演会
春風亭一之輔は、2012年3月、
21人抜きの抜擢で真打に昇進した。
私は、彼の落語をナマで聴くのは、4回目だが、
初めて聴いた時 (演目は 「雛鍔」) にファンになった。
ところで、この 「何人抜きで真打昇進」 という表現だが、
自分より先に弟子入りした諸先輩を抜いての昇進なのだろうと
思っていたが、調べてみると、どうもその噺家が
所属している団体の中だけの話らしい。
日本には、落語協会、落語芸術協会、立川流、
圓楽一門会、そして大阪に上方落語協会があるが、
この 「何人抜き」 に 他の団体に所属する先輩は、
数えないようだ。
一之輔は、落語協会所属。
ちなみに落語協会の最高記録は、1980年の
春風亭小朝、36人抜きというのがあるらしい。
1994年に、柳家花緑が31人抜き。
(彼は、その時22歳で、戦後の落語会最年少の真打昇進。)
今年、人間国宝に選ばれた柳家小三治が、1969年に
17人抜き。
そうそう簡単に真打になれるわけではないようなので、
一之輔の21人抜きの凄さがうかがえる。
さて、今日は 「J亭落語会 月替り独演会、
喜怒愛楽シリーズ・怒 春風亭一之輔 独演会」。
前座は、林家木久扇の弟子、林家けい木。
「悋気のスマホ」 という若者らしい演目だったが、
噺の筋では、悋気していたのは、スマホではなく
ガラ携やってんけどな。
二つ目は、立川談春の弟子、立川こはる。
女流噺家だが、中性的な感じが私は好きだな。
噺も中々のもん。
で、一之輔。
3席聴けたけど、「堀の内」 と 「お見立て」 は、
初めて聴いた演目だった。
聞いたことのない噺はうれしいね。
こんだけ落語を聴いていると、
だんだん、減ってきただろうけど。
3席とも面白かったねぇ。
やっぱり、一之輔、ええなぁ。
「怒」 がテーマだったので、全ての演目に
怒るシーンがあったけど、一番そのテーマらしい
噺は、「笠碁」 やなぁ。
碁好きの意地っ張りのおっさん、2人の噺。
この2人、年齢は分からんねんけど、
お店 (たな) のだんさんという設定で、
孫もいるので、私のメージとしては、60歳ぐらいかな。
子供の頃からの友達で、今では囲碁友達。
怒って喧嘩すんねんけど、最後には仲直りするという、
ちょっとええ噺。
【 演 目 】
「悋気のスマホ」 林家けい木
「堀の内」 春風亭一之輔
「笠碁」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「目黒のさんま」 立川こはる
「お見立て」 春風亭一之輔
@ JTアートホール アフィニス
2014.9.13
よってたかって秋らくご2014
21世紀スペシャル寄席 昼の部
一之輔や喬太郎が、時々、白鳥という噺家の名前を
出すのだが、そのたびに客席に笑いが起こっていた。
あんまり、良い場面でその名前は使われないのだけど、
(いったい、白鳥というのはどんな噺家やろ?) と
思っていたら、やっと (ナマで) 聴くことが出来た。
今日は喬太郎以外、初めての噺家で、楽しめました。
【 演 目 】
前座(名前失念) 「金明竹」
三遊亭兼好 「看板のピン」
柳家喬太郎 「紙入れ」
〜 仲入り 〜
春風亭百栄 「お血脈」
三遊亭白鳥 「牡丹の怪」
@ よみうりホール
前座は名前を忘れたけど、演目は 「金名竹」。
真打4人は、それぞれホントに個性的。
兼好が一番、まともな感じで、
あとの3人は、アバンギャルド。
喬太郎は、「紙入れ」。
おかみさんが、下品に色っぽい。
古典をやっても、もう古典に非ず。
マクラも面白かった。
期待を裏切れへんね。
百栄も、これまたユニーク。
私と同じ年 (52歳) で、32歳の時に
春風亭栄枝に 入門したという。
白鳥の 「牡丹の怪」 は、圓朝作の 「牡丹燈籠」 のパロディ。
内容はもう、はちゃめちゃなのだが、面白かった。
名前を出されると笑われる意味もなんとなく分かった。
談志師匠が、白鳥の新作落語を聴いて激怒したなど、
エピソードには事欠かないようだが、さもあらん。
好き嫌いの分かれる噺家だろう。
正当な落語を好きな人には、耐えられないかもね。
ちょっとやりすぎ感もあるが、私は結構好きだな。
2014.9.15
丹沢湖
中川温泉
連休を使って、一泊旅行に行ってきた。
あんまり遠くではなく、行ったことのない所でと探して、
今回は、神奈川県足柄上郡の中川温泉を選んだ。
中川温泉の近くには、丹沢湖がある。
この丹沢湖、元々あった湖ではなく、1978年の
三保ダムの建設で出来た人造湖らしい。
ダムの工事は、1970年から8年の歳月をかけ完成。
このダムにより、多くの家が湖底に水没した。
湖岸をドライブしていると、なんとなく、
家を失った当時の村人の悲しみが、
まだそのあたりに 漂っているように感じた。
水没した江戸時代末期の民家を移転復元した三保の家。
↓
宿泊先は、中川温泉の 「うぐいすの里 丹沢荘」。
部屋からの景色は、こんな感じ。
何もせず、ぼ〜っとしていたい。
宿泊プランは、
「神奈川ブランド足柄牛を陶板焼&すき焼きで♪」 という
ものだったが、夕食時、すき焼きしか出てこなかった。
(あれ?すき焼きか陶板焼きかどっちかやったっけ?) と
部屋に戻って、プラン表を確かめてみると、
やはり、「陶板焼&すき焼き」 と書いてある。
量的には、多すぎて全部食べられなかったほどだったので、
陶板焼きは出てこなくても 全く良かったのだけど、
なんとなく釈然としない。
チェック・アウトの時、
「夕食の陶板焼き、出ませんでしたよ」 と
言おうか どうしようか と思っていたら、
フロントの人が、いきなり、
「昨夜はご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした」 と
謝り始めた。
聞くと、食後になって、陶板焼きを
出していなかったことに気づいたらしい。
で、「その分の料金を差し引かせていただきます」 と、
丁寧に謝られ、値引きしてもらった。
食べていないのだから、金を払う必要ないのは
当たり前なんやけど、なんとなく、得した気分で、
宿を後にした。
中川温泉から、少し山に入ったところに、
箒杉 (ほうきすぎ) と呼ばれる杉の巨木がある。
樹齢2000年以上と言われ、国の天然記念物に
指定されている。
目の前まで行くと、その大きさに寒気がした。
神々しいというのは、こういうのを言うのだろう。
屋久島の縄文杉も見に行ったことがあるが、
それに劣らない迫力だ。
高さは、この箒杉の方が高い。
(縄文杉は30m、箒杉は45m。)
実は、この箒杉の存在を知らずに車を走らせていて、
偶然見つけたのだった。
屋久島まで行かなくとも、東京から車で 2時間ほどで、
こんな立派な杉を見られるとは、新発見だ。
↑
こちらは、今日のお昼に蕎麦を食べた、
丹沢湖 湖畔にある落合館の店先に置かれた
「丹こぶ栂 (つが)」。
これは、南アルプスの 「日本栂」 という木で、
自然にできたこぶが珍しく、お店の人が
気に入って、運んできたようだ。
丹沢の山並
2014.9.16
自閉症の僕が跳びはねる理由
8月17日に注文をしたので、
ちょうど1ヶ月かかって、今日届いた、
東田直樹著 「自閉症の僕が跳びはねる理由」。
彼の本を読むのは、これで3冊目だが、
この本は、彼が中学生の時に書いたもの。
(現在 彼は22歳。)
58の質問に著者が答える形式で、
書かれている。
テレビ番組も観たし、本も2冊読んだので、
多少の知識はあるものの、やはり、驚きだ。
「自分は何かを知っていると思ったら、
大海原の一滴も知らないと思え」 というような
言葉を何かで読んだ覚えがあるが、
自分は、何も知らないんだということを
実感する本でした。
巻末の短編小説がこれまた秀逸。
世界各国で翻訳され、出版されるのも
頷ける内容です。
★★★★★
2014.9.17
エリック・クラプトンと共演?
今朝の夢はすごかった。
前半は、覚えていないのだが、
なんかちゃんと経緯があって、
私がクラプトンのステージに上がることになったのだ。
どうも、武道館らしい会場にいるのだが、
間に誰か人がいて、その人が口を利いてくれたら、
「ほな、一緒に演ろうや」 とクラプトンが
言ってくれたとかで、私は、なぜか 持ってきている
ギター (Fender Chrizma) をケースから出し、
サインペンでギターに、
「初共演 with E.C.」
と自分で書くのだ。
すると、横にいる妻が 「E.C.って何?」 と訊くので、
(こいつ、この場におよんで 何を言うとんねん) と
無視すると、「あぁ〜あぁ〜」 と、分かったみたいな
顔をしていた。
その妻をしり目にステージに上がろうとすると、
緊張のあまり、足がガクガク震え出した。
そこで、ビビッて目が覚めてしもた。
惜しかったなぁ、もうちょっとで、
クラプトンと共演やったのに。
意気地なし!
曲は、「アフター・ミッドナイト」 を演るようだった。
2、3日前、今年亡くなったJ.J.ケイルに捧げた、
クラプトンの新譜を聴いていたからだろうか。
(「アフター・ミッドナイト」 は、J.J.ケイルの作)
2014.9.22
鎌 倉 へ
昨日、結婚披露パーティに出席してきた。
会場は、鎌倉のガーデンハウス。
素敵なレストランで、料理も美味しかった。
新婦は、私の仕事仲間だった人。
彼女は初婚だが、今年出産した。
新郎は再婚で、二人の連れ子がおり、
結婚とともに5人家族になったわけだ。
賑やかでいいよね。
いつまでも、仲良く、楽しく、お幸せに。
ところで、鎌倉へ行くのは10年 (以上) ぶりだった。
鎌倉には、以前お世話になった方がやられている
大根料理のレストラン がある。
パーティの前に 訪ねてみると、
ちょうどご本人もお店におられ、
10年ぶりの再会となった。
4年前に画家だったご主人が亡くなられたことは、
風の便りで知っていた。
お店に飾られていた、ご主人の最後の作品は、
草花を描いた、なんとも穏やかで平和な絵だった。
その作品には、確かに何かが宿っており、
彼は、この絵を描きながら、
天国を見ていたのかも知れない、と思った。
2014.9.23
特撰花形落語会
林家たい平・柳家喬太郎
二人会
今日は、秋分の日ですか。
落語を聴くにはピッタリですな。(意味不明)
というわけで、本日の落語会は、
「林家たい平・柳家喬太郎 二人会」。
会場は、サンパール荒川 大ホール。
行ったことのない、日比谷線の三ノ輪という駅で
降りたら、めちゃくちゃ渋い所でした。
開口一番は、正蔵の弟子、なな子の 「平林」。
この演目が、「つる」 と並んで面白くない。
気の毒なくらい。
それとも、演る人が演れば面白いのだろうか。
とはいうものの、笑っている人もいるので、
私には面白くない、ということであって、
この演目自体が面白くないわけでは ないのだな。
お目当ての喬太郎は 「小言幸兵衛」。
これ、DVDを持っているので、
できれば違う演目を聴きたかったけど、
ナマで聴くとやっぱり面白いね。
仲入り後、たい平の弟子のあずみの三味線漫談。
そして、トリがたい平の 「抜け雀」。
7月には志の輔、8月には喬太郎で聴いた演目。
やはり、少しずつ違っていて面白かった。
【演 目】
「平林」 林家なな子(前座)
「小言幸兵衛」 柳家喬太郎
〜 仲入り 〜
(三味線漫談) 林家あずみ
「抜け雀」 林家たい平
@ サンパール荒川 大ホール
柘榴坂の仇討
ぜひ観たいと思っていた映画 「柘榴坂の仇討」。
「柘榴坂」 は、「ざくろざか」 と読む。
出演は、井伊直弼に中村吉右衛門。
その井伊直弼を守れなかった家来、
志村金吾に中井貴一。
その妻、セツに広末涼子。
金吾の仇、佐橋十兵衛に阿部寛。
そのほか、藤竜也や高嶋政伸、吉田栄作など。
金吾は、大老の警護を務めていたが、
守ることができなかった。
本来なら切腹してお詫びをするところだが、
切腹も許されず、ただただ仇討ちを命じられ、
13年間、敵を探し続けるのだ。
その間に明治維新があり、侍の時代は終わり、
藩は解散し、仕えていたお家さえ無くなるのだが、
金吾は、仇探しを続ける。
その根っこにあるのは、
自分が命をかけても守ると言っていた
主君を守れなかった無念さはもちろんだが、
それ以上に、ただただ、
主君が好きだったという思いと忠誠心なのだ。
こんなことは、今の時代では考えられない。
見方を変えればナンセンスなようにも見えるが、
忠臣蔵同様、日本人の心には響くのだな。
そして、江戸末期から明治へ、
その世の中の大変動の感じが
上手く描かれていたと思う。
西洋文化がどんどん流入してくる中で
ちょん髷を結い、袴をはいて刀を腰に差し、
武士であることを貫いた言わば、
ラストサムライの物語でもある。
仇討という過去に縛られていた男と、
仇討ちされるのを待っているかのように
ひっそりと13年間、生きていた男。
そこに、夫を支える健気な妻の物語もあり、
涙なくしては観られましぇん。
あえて苦言を呈するなら、
金吾のことは十分に描かれていたが、
仇の十兵衛の13年の苦悩ももう少し、
描いて欲しかったな。
映画の終盤の舞台になるのが 「柘榴坂」 で、
どの辺のことだろうと調べてみると、
なんと品川駅から西側に上がる、
品川税務署のある通りのことだ。
ここなら、何度も歩いたことのある坂だ。
★★★★★
2014.9.24
箒 杉
先日、神奈川県中川温泉近くにある、
樹齢2000年以上と言われる 「箒杉 (ほうきすぎ)」 を
見てきたと書いた。
写真も何枚か紹介したが、イマイチその大きさ、
迫力が分かるものがなかったのだが、
妻が撮った写真の中に、その大きさが分かるものがあった。
左下にたたずんでいるのが、私です。
三ノ輪と都電荒川線
昨日、落語を聴きに、サンパール荒川という
荒川区の区民会館へ行ってきたことは書いたが、
その界隈がとても渋かったので、レポートしよう。
まず、都電荒川線。
見ただけで楽しくなるような電車だ。
三軒茶屋から出ていた東急世田谷線にも
似ているが、この荒川線の方がもっと、
おもちゃっぽい。
実際に乗ってみると、狭い。
そして、この三ノ輪橋駅に飾り付けられている
看板がまた (狙っているんだろうけど) 渋い。
で、商店街がまた渋い。
昭和の匂いプンプン。
例えば、漬物屋さん。
美味しそうなぬか漬け満載で、
近所に住みたいぐらいでした。
すごく美味しそうな佃煮屋を発見。
うなぎの佃煮に興味津々だったが、
ちょっと高かったので、
牡蠣とうなぎの肝とたらこの佃煮を購入。
旨い。
ネット でも買えるとのこと。
2014.9.25
予約受付開始!
10月19日の久しぶりのライヴまで
1ヶ月を切ったので 予約を受け付けます。
詳細は下記です。
---------------------------------------------
秋の二重奏夜 (Duo Night)
出 演 / つつみしんや (Guitar),古賀圭侑 (Bass)
月 日 /10月19日(日)
オープン / 18:30
1st Show / 19:00〜
2nd Show / 20:00〜
会 場 / 原宿 bar dAZE → 地図
ミュージック・チャージ / 無料 (チップ制)
---------------------------------------------
ロック・ポップスからジャズまで、ギターとベース、
合わせて10本の弦で 奏でます。
大きなお店ではないので、
お席を確保するために、ご予約をお願いします。
ご希望の方は、メールをお願いします。
shinya◇shin223.com
上記アドレスの◇を@に変えて送ってください。
よろしく〜!
来てねぇ!
2014.9.26
にっかん飛切落語会 第353夜
7月以来2度目の 「にっかん飛切落語会」。
【 演 目 】
三遊亭楽天 「子ほめ」 (前座)
柳家家禄 「厩火事」
柳亭小痴楽 「巌流島」
〜 仲入り 〜
桂宮治 「妾馬」
春風亭昇太 「花筏」
@イイノホール
前座の三遊亭楽天は、若くないなと思って
調べてみたら、今年39歳。
37歳になる年に圓楽師匠に弟子入りしたようだ。
すごいなぁ。
今日一番面白かったのは、春風亭昇太。
マクラも面白かったし、
「花筏」 も、かなり面白かったね。
大満足。
そして、初めて聴いた 桂宮治 の 「妾馬」 も良かった。
この演目は、「八五郎出世」 という別名もあって、
滑稽さと人情 (家族愛) と両方ある、
私の大好きな噺の一つ。
何人もの噺家のヴァージョンを聴いたが、
今日の宮治のも良かった。
柳亭小痴楽も面白かったけど、今日は後に出た、
宮治と昇太の印象が勝ってしまったな。
今日の出演者の中では、柳家花緑は
やや地味な印象になってしまった。
小痴楽と宮治は二ツ目だが、真打に近いと感じたね。
2014.9.28
マルティニークからの祈り
テレビから入ってくる映画の情報は、
本当に一部で、良い作品の情報とは限らない。
そんなにたくさんテレビを観るわけではないので、
特に私が目にするような情報は、
お金をかけられる配給会社の宣伝であることが多い。
良い作品を観るためには、積極的に
情報を見ている必要がある。
幸い、今はインターネットのおかげで、
公開中や今後公開される作品の情報は
簡単に手に入れることができる。
さて、昨日観た 「マルティニークからの祈り」 の
ことも公開から3週間以上経っていても
私は知らなかった。
週末に何か映画を観ようと探してみて
見つけた作品 (韓国映画) だ。
フランスで麻薬密輸容疑をかけられ、
2年以上、投獄された平凡な主婦の物語。
映画の冒頭、「実話をもとにしたフィクション」 と
テロップが出る。
2006年に韓国で放送されたドキュメンタリー番組を
もとにしたドラマということで、映画では
そのドキュメンタリーが世論を動かす様も
描かれている。
なぜ、主人公の主婦はそんな容疑をかけられたか。
そもそもは、旦那がと友人の借金の保証人に
なっていたことに始まる。
そこからの貧困のため、「金の原石を運ばないか?」 という
いかにも怪しい仕事を引き受けてしまうのだった。
異国で逮捕された時の恐ろしさは、
言葉の通じなさだ。
犯罪者のためにわざわざ通訳など用意してくれない。
それに加えて、在仏の韓国大使館の怠慢。
韓国では今年、大型フェリー沈没事故で、
企業や役所の酷さが大きく報道されたことも
記憶に新しいが、この事件は2004年に起こっている。
逮捕されたことは、本人のしたことだから
仕方がないとしても、もし韓国外務省が素早い対応を
していれば、彼女は765日も投獄されることもなく、
もっと早くに帰国できたことは間違いない。
どこまでがフィクションなのか分からないけど、
韓国の役人の怠慢さ、無責任さには、
憤りを感じずにはいられない。
同じことが日本人の身に起こった場合、
日本政府は、どんな対応をするのだろう。
投獄されたところが、フランス本国ではなく、
管轄の事情でカリブ海のマルティニーク島で
あったことも長引いたことの一つだろう。
もし、パリだったら、もう少し簡単だったかも知れない。
そして、こういう刑務所が舞台になる映画につきものの、
刑務官の酷さ。
ホンマにこんなヤツがおるんかな、というぐらい悪い。
でも、おるんやろなぁ。
主演のチョン・ドヨンが素晴らしい。
母国の恥部とも言える部分をさらけ出せる、
製作者も素晴しいと思う。
結構、泣きます。
★★★★★
マルティニークからの祈り Official Site
プロミスト・ランド
マット・デイモン主演の社会派映画。
こちらは、フィクション。
天然ガスの会社の社員であるスティーヴ (マット・デイモン) が、
田舎町に、新しいエネルギーとして注目されている、
シェールガスの採掘権を獲得しにやって来る。
当初、うまくいくかのように見える町の人達との交渉だが、
途中で 「採掘をすると土壌や水質が汚染される」 とする
反対派の障害が立ちはだかる。
後半、住民投票を前に、彼は衝撃の真実を知ることになる。
その真実を知った彼の判断を、
「甘い」、「そんなことで曲がる程度の信念なのか」
と批判的に書いているレビューを見たが、
私はそうは思わなかった。
彼は良い人なのだ。
だからこそ、その真実はショックであったはずだ。
もっとワルでしたたかなら違っただろう。
彼が住民の前で演説する中に
こんな内容の言葉があった。
「採掘をしても環境破壊はないと思っている。
でも、もし環境破壊が起こったときどうするか、
私は言葉を持っていない。
どちらに行くべきか、今、私たちは試されている」
善悪ではない、深いメッセージを感じた。
★★★★▲
プロミスト・ランド Official Site
2014.9.29
山岸潤史 × 渡辺香津美
〜 Super Session 〜
この二人の共演を観るのは、1986年の
勉強トリオ以来、28年ぶりだ。
(勉強トリオは、山岸潤史、渡辺香津美に
石田長生のギター・トリオ。)
山岸さんは、95年に渡米してからしばらくは、
日本では観る機会がなかったが、
この数年は、ジョー・サンプルのバンド・メンバーとしてや、
CHICKENSHACK のリユニオン、先日は、
SOOO BAAD REVUE としてのライヴ、
有山岸 など、嬉しいことにその機会が増えている。
ジョー・サンプルと言えば、
今月12日に亡くなったことを 先日知った。
享年75歳。
肺がんで闘病中だったらしい。
ジョー・サンプルのことは、クラプトンのバックとしてや、
クルセイダーズ、ジョー・サンプル & ザ・クレオール・
ジョー・バンド で観たし、ニルス・ラングレン (Tb) や
ヴィッド・T・ウォーカー (Gt) とのアルバムなどでも
聴いていた。
彼の代表曲の一つでもある 「ストリート・ライフ」 は、
私も何度か演奏したこともある。
残念だ。
合掌。
さて、今日のライヴに話を戻そう。
1曲目、「Cold Duck Time」 で渋くファンキーに。
2曲目、「世界中どこへ行っても 『Cissy Strut』
なので、違う曲を演ります」 と ミーターズの
「Funky Miracle」。
3曲目、山岸さんがジョー・サンプルの思い出を
少し語ったあと、ジョーに捧げると言って
「Put It Where You Want It」。
次に知ってるけど曲名出てけえへん曲。
それから、「Georgia On My Mind」。
そのあと、ベンチャーズでちょっと遊んで、
ほんで本編最後が 山岸さんのエグいカッティングで
始まった「Unicorn」!
アンコールにイエロー・ジャケッツの
「Revelation」。
全曲 良かったね。
かなり山岸色を感じた選曲もグッド。
こういうライヴ、もっとやって欲しいなぁ。
ギターは、山岸さんは、白いテレキャスと
「Georgia On My Mind」 でセミアコ (たぶん 335)。
アンコールの後半で、白っぽいストラト。
香津美は、シングルカットの PRS と Collings の
セミアコ (たぶん SoCo DLX)。
メンバー :
山岸 潤史 / June Yamagishi (Gt)
渡辺 香津美 / Kazumi Watanabe (Gt)
グレッグ・リー / Greg Lee (B)
大槻 "KALTA" 英宣 / Hidenobu Karuta Otsuki (Drs)
@ビルボードライブ東京
2014.9.30
ポール・ポッツ "ワン チャンス"
JAPAN TOUR 2014
携帯電話ショップの営業マンから、2007年に
イギリスのオーディション番組で、グランプリを取り、
デビューに至ったことは有名な話で、今年は、
その伝記映画も公開となったポール・ポッツ。
今日は、一度はナマで聴いてみたいと思っていた彼の歌を
聴いてきた。
@ Bunkamura オーチャードホール
3年ぶりの来日らしい。
発売まもなく購入したためか、
端の方だったが なんと最前列。
演奏は、 東京フィルハーモニー交響楽団 で
指揮は、渡邊一正。
1曲目、ビートルズの 「サムシング」 で幕を開けた。
途中、ソフィー・エバ ンズ という 21歳の歌手が
「虹の彼方に」 と 「レット・イット・ゴー」 を歌う。
彼女は、ロンドンで 「オズの魔法使い」 のドロシー役を
つとめていたらしく、若いのに堂々としていたね。
途中、休憩をはさみ 2部が始まってから気がついたが、
ポールの歌は、2部の方が良かった。
しかも後半になればなるほど、
良くなっていったように感じた。
1部は、ちょっと硬い印象で、頑張って声を出している
感じがしたのだが、2部の方が楽に声が出ていて、
のびのび歌っているように感じた。
特に素晴らしかったのは、「ゴッドファーザー 愛のテーマ」、
「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」、ソフィーとのデュオの
「ザ・プレイヤー」。
いずれも 2部の曲だ。
そのほかに歌ったのは、1部では、「この素晴らしき世界」、
「ニュー・シネマ・パラダイス」、「デスペラード」 など。
2部では、「ロミオとジュリエット 愛のテーマ」、
「ムーン・リヴァー」、「青い影」 など。
そして、アンコールは予想通り、
「誰も寝てはならぬ」。
オーディション番組で、感動を呼んだあの歌だ。
ポールは、オーディション時の映像と見比べると、
大分お腹が出て丸くなっていたね。
なんとなく、垢抜けない感がこの人の魅力でもあるな。
クラシック歌手としての実力については、
色々言われているようだが、そんなことは、
専門家に任せるとして、普段クラシックに親しみのない
一般オーディエンスに 会場へ足を運ばせる力は、
その話題性とともに、やはりパワフルだと思う。