2016年 11月
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2016.11.1
ライオンヘッドpresents お笑いライブ
ポコポコ大作戦
あんまり、というか テレビではほとんど
観たことのないお笑い芸人たちのライヴ、
「ポコポコ大作戦」。
2か月に一度、渋谷の THE GAME で
開催されているお笑いライブだ。
入場料千円で20組ほどのお笑いが観られる。
3年前に一度観に行ったのだが、
久しぶりに行ってきた。
前回一番印象に残ったのが、
「レオちゃん」というピン芸人だった。
今回も出演するというので
楽しみにしていたが、
変わらない芸風で安心(?)した。
他には、ちょっと下品なものから、
タブレットを使ったネタまで、色々。
中でも レスリングをネタにした
アマレス兄弟が、面白かった。
腹が立つほど全く面白くない芸人もいたが、
それでも笑っているお客さんがいた。
つまりは、笑いのツボは人それぞれだと
いうことで、多くの人のツボにハマった
芸人がメジャーになっていくと
いうことなのだろう。
エンディング時に出演者全員が
ステージに上がるのだが、
中には相方が「夜勤に行きました」と
いう人もいた。
お笑いで食べていくことは、
ホントに厳しいのだろうな。
会場に到着したのが
開演時刻を少し過ぎていたので、
全員は観られなかったけど、
出演者は下記でした。
< 出 演 >
ライオンヘッド
ゆってぃ
ヲタル
サイクロンZ
ふぇありーきっす。
三遊亭とむ
チャンス大城
レオちゃん
ゆるえもん
早出明弘
ぼびぼびお
魔族
ダッシュたぬきち
どろんこボーイ
アイデンティティ
イヌズキ
ハぐキッス
もず満月
アマレス兄弟
@ THE GAME(渋谷)
2016.11.2
雲の上はいつも青空 Scene2
ハービー・山口という写真家の
フォトエッセイ集、
『雲の上はいつも青空 Scene2』。
「Scene2」とあるように第2弾だったのだが、
第1弾があることを、知らずに購入した。
昨夜遅くに 読み始めたら止められなくなり、
一気に読み切った。
読み終わったら、4時前だった。
フォトエッセイということだが、
写真も文章も素晴らしかった。
ハービーは、1950年生まれなので、
私より一回り上。
大学卒業後、1973年から10年間を
ロンドンで過ごしたらしく、
ちょうど、パンクやニューウェーブが
生まれた時代のロンドンを体験されているわけだ。
当時のロンドンの空気を感じるような
エピソードも興味深く、
デビュー前のボーイ・ジョージ
(カルチャー・クラブ)とルーム・シェアを
していた話なども書かれている。
中でも、60歳を過ぎて初めて受賞
(日本写真協会作家賞)した話、
デュランデュランの来日公演時、
ベーシストのジョン・テイラーと
ファンの女子高校生をポラロイド・カメラで
撮影した話、そして、東日本震災から半年後、
岩手県の大槌町へ撮影に行った話など
自然に涙がこぼれる話も多かった。
ハービーは、風景とか動物は撮らない。
人間を撮る。
そのハービーが撮った写真は、優しい。
それは彼が、赤ん坊のころから
15〜16歳まで、腰椎カリエスという病気のため
ずい分と孤独で絶望的な子供時代を
過ごしていたことと関係がある。
幼稚園には行けず、小学校でも仲間外れに
されていた彼は、中学2年生で写真を始めた。
「人が人を好きになるような写真を撮りたい、
そうすれば社会は少しは優しくなって、
僕のような落ちこぼれの人間でも、
生きていける隙間が社会にできるのではないか、
と思った」という。
その「人が人を好きになるような写真」という
コンセプトはずっと変わっていないようで、
それが、彼の写真が優しいと言われる
由縁でもあるようだ。
「人が人を好きになるような写真」を撮りたい。
そのための行動が、このエッセイの種に
なっていることは疑いようがなく、
動いている人にだけ、感動があり、
チャレンジする人にだけ、神は褒美を
差し出すのだと、当たり前のようなことを
改めて思わざるを得なかった。
個人情報だの、肖像権だの、
スナップ写真で見知らぬ人を撮ることは
大変に難しい時代になった。
そんな時代でも、ハービーのエッセイを読むと、
人が人であることに希望を捨てては、
人生はあまりにもったいないと
思えてくるのだった。
★★★★★
2016.11.3
湯を沸かすほどの熱い愛
宮沢りえ主演の映画
『湯を沸かすほどの熱い愛』。
ちょっと暑苦しいタイトルだとは
思ったけど、最後にはその意味が分かる。
ああ、そういうこと〜って感じで。
いわゆる「余命もの」で、
いっぱい泣けるところがある。
家族の生き死にを描けば、
泣けるのは当然なので、
まんまとハメられたわけだな。
余命数ヶ月の母を演じる 宮沢りえ も
良かったが、娘役の 杉咲花 が素晴らしい。
助演女優賞ものだと思う。
顔には見覚えがあったので、
何に出ていた子だったかなと思ったら、
味の素「Cook Do」のCMで美味しそうに
回鍋肉を食べていた女の子だった。
将来有望やなぁ。
全体的には、良かったのだが、
2〜3か所セリフが聞き取れなかったのと、
分かりにくいセリフ、そして、
(それはわざとらしいやろ)と思う
演出があったのは、マイナス。
ラストに関しては、どうなんだろう。
本人の遺言だとしても、
私は同意できないなぁ。
っていうか、イヤやな。
もうそこは、ファンタジーなんだと
観ることも可能だろうけど。
オダギリジョーが、ちょっとダメなだんな役。
松坂桃李が、ヒッチハイクで旅する若者役で出演。
★★★★▲
永い言い訳
本日2本目は、『ゆれる』、
『ディア・ドクター』の西川美和監督の新作。
原作も西川自身が書いた小説で、
直木賞候補になったということだ。
事故で妻を亡くした男に
『おくりびと』以来の主演となる本木雅弘。
昨年『日本のいちばん長い日』では、
昭和天皇を演じたが、本作では、
ちょっとめんどくさい小説家役だ。
その死んだ妻に深津絵里。
妻の親友のだんな役に竹原ピストル。
チョイ役で 池松壮亮、黒木華。
偶然だが、今日は2本続けて
妻が死ぬ映画になってしまった。
『湯を沸かすほどの熱い愛』は、
末期がんで妻が亡くなるのだが、
こちらはある日突然、交通事故で妻を亡くす。
幸夫の妻・夏子に対する愛は、冷めてしまっていて、
幸夫は、妻の死を悲しむことができない。
しかも、夏子が事故に遭ったとき、
幸夫は自宅のベッドで、ほかの女を抱いていた。
夏子は親友とのバス旅行で事故に遭った。
その親友の夫、子供たちと会った幸夫は、
幼い子供たちの面倒を見ることになる。
それは、贖罪なのか逃避なのか。
その家族との交流を通して、
幸夫は少しずつ再生していく。
子役の2人、藤田健心と白鳥玉季が可愛い。
特に白鳥玉季(撮影時は5歳かな)が可愛い。
本木雅弘とのやり取りは、演技ではなく、
まるでドキュメンタリーのよう。
『湯を沸かすほどの熱い愛』は、死ぬまでの話。
『永い言い訳』は死んでからの話。
「死ぬまで」は、死ぬ本人と残される人々の話。
「死んでから」は、残された人々だけの話。
同じ「死」を扱っても、大きな違いが出る。
しかも、余命宣告を受けてから、
悔いのないよう残りの人生を生きる家族と、
小さな言い争いが最後の会話になった夫婦。
その上、生き残った夫は不倫をしていた。
いくら、愛が冷めていたといっても、
罪の意識がないわけがないだろう。
本木演じる幸夫が、
どうしようもない男で、観ていてつらい。
この手の映画で感じる、
最後の救いのような感覚は、
本作からは感じられず。
それが監督の狙い通りの
反応なのかどうか分からんけど。
「死」は、死にゆく本人よりも、
残された人の方に課題が山積みされるのだ。
音楽が良いです。
★★★★☆
人間の値打ち
IL CAPITALE UMANO / HUMAN CAPITAL
本日3本目の映画、『人間の値打ち』。
予告編を観て、ひき逃げ事件の容疑者が
3人いて誰が犯人か分からないという
サスペンスだと思っていた。
経済的に格差のある人たちを
サスペンスの容疑者として描くことで
持っている金で「人間の値打ち」が
決まるのか、とそんな問いかけをする
社会派な作品かと思ったのだが、
全然違った。
イタリア、ミラノ郊外の街が舞台。
第1章 ディーノ
第2章 カルラ
第3章 セレーナ
最終章 人間の値打ち
と4つの章に分けられ、1〜3章では、
ある夜のひき逃げ事件を中心に3人の
立場から半年前と事件当日前後を描く。
前半はサスペンスそのものだったが、
途中、犯人が明かされてからは
サスペンス的要素は影をひそめ、
人間の邪悪というか、暗の部分が
テーマになったように感じた。
ここからはネタバレ。
結局、タイトルの「人間の値打ち」というのは、
ひき逃げ事件で亡くなった被害者遺族に
支払われた保険金のことだった。
その人の収入や遺族の数など色々なことを
考慮して計算されるようだ。
原作はアメリカのスティーヴン・アミドンという人が
書いた「Human Capital(人的資本)」という小説。
映画の中で、ディーノが投資をする額が70万ユーロ。
投資するには、その額が資産の20%以下で
あることという規則があった。
つまりは、350万ユーロ以上の資産を
持っていないとその投資に参加することは
出来ないのだった。
ディーノにそんな資産などない。
自宅を抵当に入れ、銀行から借金をして
投資をしたのだが、ディーノの投資は失敗する。
ディーノは、息子がひき逃げの犯人と疑われている
資産家に真犯人の名前を売るのだが、
その額が、投資額に40%の利益を乗せて
98万ユーロ。
しかし、何の罪もなく
ただ、ひき逃げに遭った被害者の
「値打ち」は、約22万ユーロ。
1ユーロ 115円として 約2300万円。
なんか、やりきれない話です。
それを「人間の値打ち」と呼ぶことに。
豪邸に住むカルラ役に
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。
もう1回観たいと思っている映画
『アスファルト』に出ていた、
地味な看護師役なのに印象に残った人です。
本作でダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞
(イタリア・アカデミー賞)
最優秀主演女優賞を受賞。
セレーナ役のマティルデ・ジョリは、
本作が映画デビューで、助演女優賞を受賞。
カルラの旦那ジョバンニ役の
ファブリツィオ・ジフーニは、助演男優賞を受賞。
そのほか最優秀作品賞など、7部門受賞。
2013年の映画なので、日本公開にこぎつくまで
時間がかかったのだな。
★★★▲☆
2016.11.4
チューリップの財津さん
明日は、チューリップのコンサートだ。
で、昨日の妻との会話。
「土曜日、チューリップ 観に行くねん」
「へぇ〜」
ふと頭に財津一郎のことが浮かんだので、
「非常にきびしーいっ !」と言ってみた。
「何それ?」
「えっ?知らんの?」
「知ってるけど・・・」
「財津一郎や」
「知ってるよ」といった妻は歌いだした。
「『もっと も〜っとたけもっと、
ピアノ売ってちょーだい、
みんな、まあるくタケモトピアノ〜、
その通〜り』の人でしょ」
「なんで、そんなん覚えてるねん」
「その人がどうかしたの?」
「だから、あさって チューリップ
観に行くって言うてるやん」
(それは、財津和夫やろ)と
突っ込んでもらうつもりだった
私の期待をよそに妻はこう言った。
「えっー!
あの人がチューリップの人だったの!」
ひっくり返りそうになったが、
私は、これがボケだと気付いてくれることを
願いながら 続けて歌った。
「わがままは〜 男の罪〜
それを許さないのは女の罪」
しかし、妻は全く気付く様子もなく、
まだ驚きから覚めていないようだ。
「そうだったの・・・全然知らなかった。
そういえば、チューリップって、
確かに財津さんだ。
でも、チューリップの人が、なんであんなこと
(タケモトピアノの CM)やってるの?」
私は、答えに窮したが
とりあえずこう答えておいた。
「財津さんって、昔からそういう芸風やねん」
妻は、完全に信じてしまったようだった。
まっ、いいか、と思ったので、
そのままにしておいた。
今、これを読んでどう思っているでしょうね。
どうですか、こんな妻。
2016.11.5
チューリップ
TULIP
死ぬまでに観ておきたいアーティスト。
今夜は、1971年に福岡で結成、1972年にデビュー、
1989年に解散、そして、1997年からは、
数年おきに全国ツアーを行っている
バンド、チューリップを観てきた。
私が、人生で初めて買ったレコード(シングル盤)が
チューリップの『心の旅』だったこともあり、
2007年に、35年の活動に幕を下ろすとした
ファイナル・ツアーを知った時には、
すでにチケットが売り切れていて、
残念な思いをしたことを ここ に書いている。
チューリップは、2012年には40周年を記念して、
全国ツアーを開催したようだが、知らなかった。
今年は結成45周年、来年はデビュー45周年。
45th Memorial Tour ”it remembers” と称して、
今年 9月から来年 5月にかけて全国34か所で
ツアーが行われてることを5日前に知った。
もうチケットはないだろうと思って見てみると、
今日の東京公演のチケットがまだ売れ残っていた。
東京国際フォーラムの A ホールで、
2階の後ろの方だったらやめとこかな、と
思って見てみると、1階の21列目!
1階の比較的前方で、悪くない席だ。
東京国際フォーラムの A ホールは、
1階が約3000席、2階が約2000席ある。
行ってみると、ほぼ満席に見えた。
こんなええ席が、5日前にあるというのは、
キャンセルか何かだったんだろう。
ホントにラッキーだが、
長年ファンの方々には申し訳ない感じ。
私の席より、後ろの方の人たちの
歓声がいっぱい聞こえていたもん。
さて、この2〜3日、久しぶりに チューリップの
ベスト盤を聴き直していたのだが、
もう懐かしい、懐かしい。
今更やけど、ホンマに音楽って凄いなぁと思う。
『銀の指環』とか『ぼくがつくった愛のうた
〜いとしのEmily〜』 とか聴くと
なんか、甘酸っぱいもんがこみ上げてくるもんなぁ。
あ、気持ち悪いんちゃうで。
今日の演奏曲は、『夏色のおもいで』、
『セプテンバー』、『青春の影』
『ぼくがつくった愛のうた〜いとしのEmily〜』
『悲しきレイン・トレイン』 、『風のメロディ』
『エジプトの風』、『思い出のフリスビー』、
『虹とスニーカーの頃』など。
本編最後は、『心の旅』。
アンコールで、『銀の指環』、
『あの娘は魔法使い』『夢中さ君に』。
2回目のアンコールで
『魔法の黄色い靴』を客席とともに大合唱。
途中、休憩をはさんで2時間半ぐらい。
チューリップの曲を全て知っているわけではないので、
知らない曲もあったけど、十分に楽しめた。
できれば、『サボテンの花』も聞きたかったけど。
チューリップは、ビートルズの影響が大きいが、
ビートルズ同様、皆が歌えるというのは強いな。
『風のメロディ』など 姫野・財津の
ツイン・ヴォーカルも良いしね。
メンバーは、1997年の再結成時からの
財津和夫、安部俊幸、上田雅利、姫野達也、
宮城伸一郎というメンバー、
と言いたいところだが、安部俊幸は、
残念ながら 2014年に 64歳で他界。
今日は、追悼のコーナーがあり、
安部愛用のギター(Gibson ES-335)が、
ステージに置かれ、安部の曲『夏に別れを』が
演奏され、モニターに安倍の写真が映し出された。
お客さんは、想像通りやや高齢。
若い人もチラホラいたけど。
財津さんの MCで、
若い頃、ツアーに出るとお客さんが入るのに、
レコードの売り上げが悪いのは、
なぜだろうと思っていた、という話があった。
コンサートのお客さんは、
同じ人が来ていた というオチだったのだけど、
今日のお客さんの多くも、チューリップを
30年40年と支えてきた人たちなんだろうな。
ファンってありがたいよなぁ。
もちろん、ファンにとっては、
チューリップが青春そのものだったりする人も
いるわけで。
最後には、客席から
「ありがとう〜!」って歓声が飛んでたもんね。
4人とも60代だけど、頭の毛が薄い人が
一人もいないのはスゴイな、と
変なところに感心したのでした。
[ MEMBERS ]
財津和夫 (vo, key, gt)
姫野達也 (vo, key, gt)
宮城伸一郎 (vo, b, gt)
上田雅利 (vo, drs)
他にサポートメンバーが3人。
メンバー紹介はあったけど名前を覚えられず。
ギターは、尾上サトシだったと思うが、
キーボードとドラムは不明。
@ 東京国際フォーラム ホール A
2016.11.6
ぎっくり腰か?
昨日のこと。
歯を磨いていた。
身体は少し前かがみな姿勢だった。
何の前触れもなく、突然腰に痛みが走った。
小さな爆弾が腰の中で爆発したかのような衝撃で、
思わず洗面台に手をついた。
しばらく、手をついていないと
立っていられないほどだった。
今から10年以上前、確か厄年だったような
覚えがあるので、42歳の時か、
ぎっくり腰になって大変な思いをしたことがある。
歩けないほどの痛みで、
あの時は、琵琶の葉のお灸に通い治した。
昨日の衝撃は、
今までに経験したことのないもので、
ホントに突然体の中で何かが
爆発したかのようでびっくりした。
最初は、腰の痛みだとは思えず、体内で
何か大変なことが起こったのではないかと
思ったけど、時間が経つと腰の痛みだと
分かってきた。
そのあと、コンサートに出かけた。
曲によって観客が立ったり座ったりするのだが、
内心、(立たんといてよ〜、
もう、今日は座って観ようや)と思いながら、
ぎこちなく立ったり座ったりしていた。
痛みがあるとはいえ、立ったり座ったり
出来るぐらいなので、前回のぎっくり腰に
比べると軽症だが、今後悪化するとも限らない。
今日の時点では、ゆっくりしか動けないが、
それほど深刻な状態ではないようで一安心。
ようやく左肩の痛みが治まり(可動範囲は
7〜8割に狭まってしもた)、最近は
右肩が痛くなり、不自由していたのだが、
その上に今度は腰ですか。
じじいか、ホンマ。
やはり運動不足でしょうかねぇ。
思い当たるのは、左肩が痛くなってから、
約一年、動きにくくなったせいで
腰に良いと何かで紹介されていた体操を
しなくなっていた。
そのことと関係あるのかどうか分からないけど。
2016.11.7
MAGNUM PHOTOS
世界を変える写真家たち
DVD で鑑賞。
『MAGNUM PHOTOS 世界を変える写真家たち』。
写真家集団マグナム・フォトを撮った
ドキュメンタリー映画で、1999年の製作だが、
日本で公開されたのは、2007年12月だったようだ。
写真のこと、写真家のことを調べていると、
たびたび「マグナム・フォト」という集団の
名前が出てくる。
マグナム・フォトは、1947年、ロバート・キャパ、
アンリ・カルティエ=ブレッソン、
ジョージ・ロジャー、デビッド・シーモアの
4人によって設立された、写真家の権利と
自由を守り、主張をすることを目的とした集団。
現在は、ニューヨーク、パリ、ロンドン、
東京に事務所を構え、約50名の写真家が
在籍している。
映画では、そのマグナム・フォトに
所属する18人の写真家が登場し、
マグナム・フォトを語る。
マグナム・フォトに入るためには、
実績があった上に、メンバーの承認を
得なければならない。
どんなに有名でも、マグナム・フォトに
ふさわしいと判断されなければ、
そこに名を連ねることはできない、
伝統ある集団なのだ。
知らなかったけど、日本人では
久保田博二(Hiroji Kubota)という人が
ただ一人、正会員として名を連ねている。
この人については、おいおい調べてみることにしよう。
さて、映画の方は、色んな写真家が
登場したが、私はまだ勉強不足で、
知らない人たちばかりだった。
知っていたのは、最後にチラッと登場する
アンリ・カルティエ=ブレッソンだけだった。
ある写真家が、
「戦場は、戦場自体が劇的だから、
簡単に良い写真が撮れる。
だから行きたくない」と
言っている一方で、別の写真家が、
「バイオレンスは嫌いだ。
でも、戦場に行くと自分の存在を
認識できる」と言っていたのは、
印象的だった。
なんとなく、両方の言うことに
同意できたからだ。
戦場は、どこにカメラを向けても
劇的だろう。
そして、戦場には行ったことはないけど、
そういう命の危険にさらされるような
状況で初めて、自分の存在を実感すると
いうこともあるのかもしれない、と思ったのだ。
マーティン・パーという写真家の
スナップの撮り方、街の人の撮り方は、
学ぶことがあった。
当たり前だけど、カメラを人に向けることを
全く恐れていない。
先日読んだ、ハービー・山口氏のエッセイにも
書かれてあったが、撮る側が先に
裸になるというのか、何も隠さないというのか、
自然であること重要だ。
マーティンは、「自然」という言葉を
使うことがはばかれるような体(てい)で
カメラを人に向ける。
もし、もう一歩突っ込んだ写真を撮りたいなら、
自分をそこに連れて行く必要があるのだろう。
ラストは、アンリ・カルティエ=ブレッソンが、
たぶん自宅だろう、
ささっと走り書きしたメモを見せて、
笑顔で終る。
そこには、こう書かれている。
親愛なる仲間たち
必要とあればいつでも・・・
H+C−B
(アンリ・カルティエ=ブレッソン)
★★★★☆
2016.11.9
東京シャッターガール
先日読んだハービー・山口のフォトエッセイ集、
『雲の上はいつも青空 Scene2』は、
凄く良かった。
その中にハービーさんが
映画『東京シャッターガール』に
高校の写真部の顧問役で
出演しているということが書いてあった。
その映画は 2013年の公開であったようだが、
全く知らなかったので、
DVD をレンタルして 鑑賞した。
『東京シャッターガール』の原作は、
桐木憲一という人のコミックのようだ。
映画は、3人の監督によるオムニバス作品で、
『わたしは、シャッターガール』
『写真ってなに?』
『夢路! お前無茶すんなぁ!』という
3つの短編からなる。
感想としては、
う〜ん・・・つらかった。
途中で何度かやめようかと思った。
原作のコミックは、読んだことがないので
どんなんか知らんけど、
この映画はきついなぁ。
映画って、
頑張って観るもんやないと思うねんけど、
これは、頑張らな最後までもたんかった。
3人の監督については、何も知らんけど、
ちょっとプロの映画の人とは思えんなぁ。
具体的に書き出すとえげつないレビューに
なりそうなのでやめとくけど、
ひとつだけ書いとこ。
「写真撮らないの?」
「うん、心のフィルムに写してるの。
記憶の印画紙に焼き付けてるんだ。」
セリフ、くさすぎ。
こんなん女子高生が言うか?
おまけに演技が・・・。
収穫は、2本目に出てきた数冊の
写真集かな。
★▲☆☆☆
2016.11.10
THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016
+ LIVE PERFORMANCE
前夜
明日は、日本で初開催となる「クラシックロックアワード」。
「クラシックロックアワード」について詳しくは、
こちら をお読みいただくとして、
今日、そのサイトを見て
「えっ〜!」となってしまった。
私がこのチケットを申し込んだのは、
もう4ヶ月も前のことなのだが、その時点では、
下記の出演者が発表されていた。
ジェフ・ベック
ジョー・ウォルシュ
チープ・トリック
リッチー・サンボラ
オリアンティ
スロット・マシーン
私の目当ては、ジェフ・ベック、
ジョー・ウォルシュ、チープ・トリックだった。
ところが、今日チェックしてみると、
ジミー・ペイジ、ジョー・ペリー、ジョニー・デップなど
大物の出演者も増えてはいるものの
どういうわけか、ジョー・ウォルシュの名前が
消えている。
よくよく観ていくと、11月7日にジョーの
出演中止が発表されていた。
う〜ん、ショック。
とはいえ、3大ギタリストの2人、
ジェフ・ベックとジミー・ペイジの共演は
日本では初ということで、これは非常に貴重な機会だ。
もっとも、私はジミー・ペイジには
それほど興味がないのだけど、
もし、ジェフと一緒に演奏するのなら
何を演るのか楽しみだ。
会場は、両国国技館。
初めて行くのでどんな風なのか分からないけど
良い席だといいなぁ。
関連エントリー : 2016.7.12 "参拾萬円"
2016.11.11
11月11日11時11分11秒
ふと時計に目をやると
11月11日11時08分××秒だった。
もうすぐ「11」が並ぶ!と思った私は、
スマホを取り出し、その時を待った。
そして、撮った。
蛍光灯が写り込み、上手く撮るための
準備の時間がほとんどなく、
ちょっと焦ったけど、
なんとかこの瞬間を撮ることができた。
決定的瞬間と呼ぶには大げさだが、
チャンスは1秒しかないと思うと
ちょっと緊張した。
このように同じ数字が10個並ぶのは、
1年に一度、
この「11月11日11時11分11秒」だけだ。
「2月22日22時22分22秒」だと 9つだし、
3以上の数字ではあり得ない。
ぞろ目ではないが、次は
「12月12日12時12分12秒」が
シャッターチャンスか。
覚えていたら撮ろう。
「11月11日11時11分11秒」は、
来年もある。
でも、「2016年の」その時間は、
今日この時だけだ。
考えてみると、
別に「11」が並んでいなくても、
どの瞬間であっても、
今この時は、一回限りで、
永遠に二度とないのだと
しみじみ思ったのでした。
当たり前のことやけど。
訃 報
先日観た 宮沢りえ主演の映画
『湯を沸かすほどの熱い愛』で、
その宮沢りえの母親役で、ちらっとだけ
出演していた りりィ。
肺癌で闘病中だったらしいが、
今朝、永眠したとの報道があった。
享年64歳。
若すぎるなぁ。
りりィといえば70年代後半の
『私は泣いています』や
『ベッドで煙草を吸わないで』など
シブイ歌が思い浮かぶが、彼女は女優としても
たくさんの映画やテレビドラマに出演していた。
昨年観た映画 『エイプリルフールズ』の
胡散臭い占い老婆役は、印象的やったなぁ。
合掌。
もう一人、これまた激シブの
シンガー・ソングライター、
レナード・コーエンが死去。
享年82歳。
この人のことは、あんまり知らなかったのだけど、
浜田真理子が『Hallelujah』を歌っていたり、
タル・ウィルケンフェルドが『Chelsea Hotel』を
歌っていたりと、カバーを先に聴いて、
ご本人へたどり着いた。
でも、『Hallelujah』は、浜田真理子のを聴いたとき、
初めてのような気がしなかったので、
どこかで耳にしていたんだろうな。
合掌。
今年は、いや、今年「も」か、
大勢のアーティストが亡くなっております。
ナタリー・コール(65歳)、デビッド・ボウイ(69歳)、
グレン・フライ(67歳)、モーリス・ホワイト(74歳)、
ジョージ・マーティン(90歳)、松原正樹(61歳)、
キース・エマーソン(71歳)、プリンス(57歳)、
冨田勲(84歳)、トゥーツ・シールマンス(94歳)、
中村紘子(72歳)、柳家喜多八(66歳)・・・
諸行無常は定めとはいえ
寂しい限りです。
THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016
+ LIVE PERFORMANCE
楽しみにしていたジョー・ウォルシュの
出演キャンセルを昨日知り、ショックを受けた、
「クラシックロックアワード2016」に行ってきた。
会場は、初めて行く両国国技館。
中に入ってみると、会場の感じは
武道館を思わせる作り。
武道館よりは、ひと回り小さいかな。
席は、2階の9列目でステージに向かって
正面の左寄り。
アリーナを見ると、ステージの真正面の
ブロックが特別な感じがする。
あれが、30万円の席だろうか。
「クラシックロックアワード」は、
1年間活躍したロック・アーティストの
表彰とパフォーマンスで構成される。
アワードの方は、誰が何を受賞したかとか
全部を覚えてないので割愛。
オープニングは、和太鼓のパフォーマンス。
そのあと、歌舞伎の尾上松也が
裃(かみしも)着けて登場し、口上。
司会は、デイヴ・ムステイン(メガデス)と
尾上松也とアシスタント(?)に
チェリストの女性(名前失念)。
まずは、チープ・トリックが何かを受賞し、
トップバッターで4曲演奏。
1曲目、" I Want You to Want Me" だ!
実は、チープ・トリックの曲は
そんなにたくさん知らないけど、この曲は
切ないメロディに適度にポップで大好きだった。
"Dream Police" も演りました。
ロビン・ザンダーってカッコよくて、
高校時代、下敷きに雑誌の切り抜きを
入れていたの思い出した。
裏面は、ブライアン・メイだったよ。
ドラムが変わっていて、オリジナル・メンバーの
バン・E・カルロス でないのは残念だけど、
(今のドラムは、リック・ニールセンの
息子らしい)初めて、チープ・トリックを
観られたのは良かった。
4曲だけやけど。
リックは、「武道館に帰ってきた」って
ジョークを言ってました。
(彼らの "Cheap Trick at Budokan" は、
初の全米トップ10入りを果たしたアルバム。)
それから、リッチー・サンボラが何かを
受賞して、オリアンティとハーモニカの人と
3人でボン・ジョヴィの曲(?)とか数曲演奏。
オリアンティは出番がここだけで、
ちょっと残念。
たくさん出てきたので
あとは印象に残っているのだけ書いておく。
アジアのアーティストということで、
タイの「スロット・マシーン」というバンド。
これはカッコ良かった。
世界で売れているというのも分かる。
そして、日本からガールズ・バンドで
「バンド-メイド」。
フィリピンの「サラ・ヘロニモ」と
「バンブー」。
それぞれ1曲ずつ演奏。
日本のバンドとしては、「ONE OK ROCK」も
受賞したのだけど、今日は会場に来られず、
ビデオ・メッセージのみ。
このバンドは、ナマで聴きたかったなあ。
(「ONE OK ROCK」は、森進一&昌子の息子が
ヴォーカルの、世界に進出したバンド。)
小林克也さんも何かを受賞。
会場に来られてたけど、客席に座っていて
なぜか(時間の都合やろか)挨拶はなし。
それから、YOSHIKI。
挨拶が、英語。
そら、世界的なアーティストか知らんけど、
日本語でしゃべれよって思った。
YOSHIKI は、ピアノと弦楽4重奏で
2曲演奏。
ほんで、デフ・レパードが何かを受賞
この後かな、セッション・コーナーに入ったの。
ロックはロックやねんけど、
私の好きなロックとは微妙に違っていて、
ちょっとハード気味というのか、
ルドルフ・シェンカーとか、
デフ・レパードとか、
リッチー・サンボラとか、
名前は知ってるけど、
音楽は知らないので演るのも
知らない曲が多かった。
でも、結構客席から、一緒に歌う声が
聞こえてたので、コアなロックファンも
多かったんでしょうね。
ディープ・パープルの "Mistreated"
(ヴォーカルは、フィル・コリン)と
途中でロビン・ザンダーが再登場し歌った、
ビートルズの "Come Together" ぐらいかな、
私が知ってたのは。
このセッションで、ジョニー・デップ、
ジョー・ペリーも登場。
ジョー・ペリー(エアロスミス)は、
なんか貫禄あったなぁ。
ジョニー・デップは、
完全にミュージシャンに見えたね。
映画『ブラック・スキャンダル』では、
めちゃくちゃ髪の毛 減ってたけど、
あれ、メイクやってんな、
今日は普通にあったもん。
腕に彫り物があったけど、
あれ本物かなぁ。
あんなんあったら、映画に出るのに
役によっては 困るんちゃうかな。
セッションが終わって、いよいよ
ジミー・ペイジが紹介された。
ジミーは、プレゼンターで、
トロフィーをジェフ・ベックに手渡した。
そして、ジェフのパフォーマンスへ。
"Bolero"、"Superstition"、"Going Down" の
3曲だけ。
なんと ジミー・ペイジ は、演奏せず!
なんじゃそりゃ〜!
ラストの締めのあいさつもなんとなく
中途半端で、
「本日の公演はすべて終了しました」的な
館内放送もなく、アンコールもなし。
まあ、大変なイベントであったことは、
十分に分かる。
パフォーマンスが、次々に出来るように
ステージを3つに分けていたり、
もう準備だけでも気が遠くなるような
作業だっただろうから、
少しぐらいは仕方ないか。
初の開催やし。
前半、音はとても聴きやすく、バランスも良く
え〜やん、と思っていたのだが、
途中、ジョー・ペリーが出てきたあたりから、
バランスが悪くなり、
ヴォーカルが聞こえにくくなった。
なんでしょね。
確かにジョー・ペリーの音は、
デカかったけど。
ジェフ・ベックは、1月にまた来るので、
その時は、たっぷり聴かせてもらおう。
ロビーに展示されていた JEFF BECK のディスプレイ
18時20分ごろに始まって、
終わったら、22時20分でした。
4時間!
[ 司 会 ]
尾上松也
デイヴ・ムステイン (メガデス)
[ 参加アーティスト ]
ジョニー・デップ
ジェフ・ベック
ジミー・ペイジ
ジョー・ペリー
YOSHIKI
ジョー・エリオット
フィル・コリン(デフ・レパード)
チープ・トリック
リッチー・サンボラ
オリアンティ
スロット・マシーン
サラ・ヘロニモ
バンブー
テスラ
バンド-メイド
ルドルフ・シェンカー
ジェフ・ベック・スペシャルバンド
Gt : ディーン・ディレオ (ストーン・テンプル・パイロッツ)
Ba : ロバート・ディレオ (ストーン・テンプル・パイロッツ)
Gt : トミー・ヘンリクセン
(ハリウッド・ヴァンパイアーズ、アリス・クーパー)
Dr : レイ・ルジアー (コーン)
@ 両国国技館
2016.11.12
冨田勲 追悼特別公演
冨田勲×初音ミク「Dr. Coppelius」
今年5月に冨田勲が亡くなった。
そのことを知った時、
ここに書いたように、私は中学時代の
シンセサイザー初体験を思い出した。
今日は、冨田勲 追悼特別公演。
もともとは、
「冨田勲 生誕85周年記念 新作世界初演
冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』」
として、予定されていたものが、
追悼特別公演となったのだ。
渋谷のオーチャードホールで、
昨日と今日の昼夜、3回公演。
84歳の冨田勲が、何をしようとしていたのか、
この耳で確かめたくなって、
チケットを取ったのだった。
席は11列目とまあまあ良いところ。
初音ミクというのは、実在の人間ではなく、
音声合成システムで創られた
バーチャル・シンガー。
1部は、冨田勲作曲の『イーハトーヴ交響曲』。
合唱とオーケストラにバーチャル・シンガーの共演。
『イーハトーヴ交響曲』は、宮沢賢治の作品世界を
題材にした交響曲で、2012年に初演されている。
途中、映画『あなたへ』の中で 田中裕子が
歌っていた『星めぐりの歌』が出てきた。
これ、宮沢賢治の作だったんやね、知らんかった。
続いて、『惑星』のダブミックス。
オーケストラ演奏とのギャップが激しいためか、
演奏前に
「この曲に限り、演奏中の出入りは自由です。
ご気分にそぐわない方は、ロビーでお過ごしください」
という異例のアナウンスが流れた。
まあ、クラシックしか聴かないという方には、
このビートは、キツイかもね。
休憩をはさんで、『ドクター・コッペリウス』。
これは、冨田氏が制作の途中で、
亡くなってしまった作品。
残念ながら、第1、第2楽章は完成しておらず、
欠番となり、残されたチームメンバーで、
作られた第0楽章を冒頭に、
そのあと第3楽章から第7楽章が演奏された。
オーケストラと電子音(シンセサイザー)、
バーチャル・シンガー、ダンサーと
リアルのバレエ・ダンサー。
それらの融合で演奏されたのは壮大な
「宇宙への夢と希望」という
スペース・バレエ・シンフォニー。
ラストにはステージに冨田氏の写真が映し出され、
会場にもご家族だろうか、氏の遺影を持った方が。
不思議なことにバーチャル・シンガー、
初音ミクの歌は思ったより無機質に感じなかった。
また、バレエ・ダンサーとミクのダンスにも
変な違和感がなかったことが驚きだった。
冨田氏は、40年前から最先端のことを
取り組んでいた。
今日のプログラムに冨田氏は逝去の1時間前まで
『ドクター・コッペリウス』の打ち合わせをしていたと
書いてあった。
死の間際まで、新しい世界を生み出すことに
コミットしていたのですね。
その意志は、間違いなく引き継がれ
今日、世界に生み出されましたよ。
合掌。
[ PROGRAM ]
第1部
■ イーハトーヴ交響曲(作曲 : 冨田勲)
■ 惑星 Planets Live Dub Mix
〜 休 憩 〜
第2部
■ スペース・バレエ・シンフォニー
『ドクター・コッペリウス』
制作・ストーリー原案 : 冨田勲
振付 : 辻本知彦
[ 出 演 ]
指揮 : 渡辺一正
バーチャルシンガー : 初音ミク
エレクトロニクス : ことぶき光
キーボード : 氏家克典、高橋ドレミ
管弦楽 : 東京フィルハーモニー交響楽団
合唱 : 混声合唱団イーハトーヴシンガーズ
シンフォニーヒルズ少年少女合唱団
Dub Mix : エイドリアン・シャーウッド
パーカッション : 松本正
ダブストリングス : 神田珠美、穴田貴也、大庭芙由子、宗村北斗
コッペリウス役 : 風間無限
小江役 : 秋山桃子
博士役 : 和中和央
ラグランジュの子供たち : 佐々木三夏バレエアカデミー
@ Bunkamuraオーチャードホール
前述の宮沢賢治の『星めぐりの歌』の動画を見つけた。
歌詞の意味がよく分かる動画で、
あまりにも大きなこと(宇宙)を
歌っていることを知り、感動してしもた。
↓
星めぐりの歌
少 女
湊かなえの小説が原作の映画『少女』。
映画化された湊かなえの小説は、
『告白』(2010年)、
『北のカナリアたち』(2012年)、
『白ゆき姫殺人事件』(2014年)と
全て観てきたが、それぞれ監督が違う。
『少女』の監督は、三島有紀子。
『しあわせのパン』『繕い裁つ人』と
彼女の作品は微妙だったので、
あんまり期待しないで観た。
主演は、本田翼。
友人役に山本美月。
撮影時2人は、23〜24歳だろう。
高校2年生(16〜17歳)を演じるには、
ちょっと厳しいんちゃうかと思った。
原作は面白いのかもしれないが、
映画では、ミステリー的要素も弱く、
ヒューマンドラマとしても
青春ドラマとしても、何か物足りない。
予告編から受けた印象とも違った。
主人公 由紀と親友の敦子は、
最後に友情というか、友人関係を復活させて
ハッピーエンドのようにも見えるのだが、
そもそも、2人が距離を置いたわけも
分からない。
敦子がイジメにあっていたのも
何かピンとこないし、
誰もいないところで、
嘘のびっこをひくのも分からないし、
あんな教師がいるのも考えられない。
どうもリアリティに欠けるのだ。
『告白』だって、リアリティに欠ける
設定だったかもしれないけど、
ドラマにパワーがあったと思う。
本作は、ちょっと残念でした。
その他の出演は、アンジャッシュの児島一哉、
稲垣吾郎、ほか。
★★★☆☆
RON CARTER NONET
ロン・カーター 79歳。
今回は、4本のチェロを含む
9人編成のユニットで来日。
昨日11日から15日まで、5日間 10公演だ。
その2日目、2nd Showを観てきた。
「ピッコロベースを携えて」とあったので
どんな楽器かなと思っていたが、
見た目は通常のウッド・ベースと変わらず、
どうもチューニングが高いようだった。
1曲目、4本のチェロのハーモニーが
鳴り出すとゾクゾクッとした。
美しい。
プレイヤーが4人とも女性というのも良い。
結構、ご高齢に見える方もいたが、
普段はクラシックを演奏しているのだろうか。
曲は、"Song For You" と
「9人だけど『エイト』です」と
曲目紹介をした "Eight" ほか。
その他、聴いたことのある曲もあったけど、
曲名は分からず。
MCで、言うてたんかもな。
ロンのソロの時、時々、ピッチが気になった。
あのレベルの人が、そんな演奏をするわけが
ないと思うのだが、私の耳が悪いのか、
楽器のせいでそういう風に聞こえてしまうのか、
なんなのだろうな。
ところで、昨日11月11日は、「チンアナゴの日」だと
テレビで言っていた。
「チンアナゴ」って、砂の中から体を出して
ゆらゆらしているあれね。
水族館で観たことがある。
形が「1」に似ているからという単純な理由のようだが、
同様な理由で、「立ち呑みの日」とか
「ポッキー&プリッツの日」とか
11月11日は、「○○の日」というのが
いっぱいあるみたい。
音楽界では、4つの「1」を4本の弦に見立てて、
「ベースの日(The Bass Day)」になっている。
昨日は、各所でベースを主役にした
イベントが行われたようだが、
昨日から始まった、ロン・カーターの公演も
その一環のようだ。
[ MEMBERS ]
Ron Carter ロン・カーター (piccolo b)
Leon Maleson レオン・メイルソン (b)
Donald Vega ドナルド・ベガ (p)
Payton Crossley ペイントン・クロスリー (ds)
Rolando Morales-Matos ローランド・モラレス・マトス (per)
Carol Buck キャロル・バック (cello)
Zoe Hassman ゾーイー・ハスマン (cello)
Maxine Neumanマキシーン・ ヌーマン (cello)
Claire Bryant クレア・ブライアント (cello)
@ Blue Note Tokyo
2nd Show
2016.11.13
ときどき写真展 68
SIREN(セイレーン)
スターバックス南青山骨董通り店にて(Nov.12,2016)
2016.11.14
橘蓮二『夢になるといけねぇ』
出版記念の会
落語、演芸を中心に撮影をされている
写真家・橘蓮二の新作
『夢になるといけねぇ』出版記念の会。
この落語会のチケットは、
その新刊が付いて 7,000円。
ちなみに本の価格は 2,700円。
発売日は、11月16日とあるので、
世間よりも2日早く手にすることができたわけだ。
さて、開口一番は前座の春風亭一花。
まだ若い女性で、師匠は春風亭一朝。
この人の噺は、初めてではなく、
落ち着いた芸風に好感は持てる。
そして、不思議なことにご隠居を演じても
気にならないのだが、若い大工、
八五郎を演ると違和感がある。
落ち着いたご隠居のような
初老の男性よりも、
ちょっとぞんざいな若い男の方が
女性には演じるのが難しいということだろうか。
続いて、神田松之丞。
この人は初めてだったが、
落語ではなく講談だ。
マクラが結構長く、面白かったのだが、
どういうわけか、講談に入った途端に
強烈な睡魔で気絶。
三番目、柳家三三の「不孝者」。
かなりの数の落語を聴いてきたので、
新しい演目に出会うことが、
めっきり減ってしまったのだが、
この「不孝者」は初めてだった。
オチの予想がつかず楽しめたね。
三三は、何度か聴いているが
今日が一番良かった。
休憩をはさんで、遠峰あこの
アコーディオンと歌。
この人も初めて。
何歳ぐらいだろうか、
まだ若そうに見えたけど。
1曲目は、崎陽軒の歌。
ええ、あのシュウマイの崎陽軒。
1円ももらってないらしいけど。
最近、ヨーロッパに行ってきたらしく、
フランスで作ったという
『哀愁のまぐろぶつ』という曲が良かった。
ご本人も「フランスでは受けた」と
言ってたけど、確かにシャンソン風。
トリは、お目当て、志の輔師匠。
短めのマクラの後、
今日の演目「帯久」に突入。
これが、素晴らしかった。
音楽のライヴでも落語の高座でも、
たま〜にあるのね、神がかりというか、
神様が下りてきた演奏や芸にあたることが。
今日のは、久々にそれ。
終わった時の観客の拍手の温度でも
それは分かった。
スゴイ拍手。
「帯久」は数人の噺家の CD や DVD で
聴いたことがあり、志の輔師匠のも CD で
聴いたことがあった。
なので、ストーリーは完全に覚えているほどなのだが、
それでも、最後には泣いてしもたもんね。
60分強は話したと思うから、
マクラを引いても50分はかけて演ったわけだ。
これは、素晴らしかったです。
そして、最後に橘蓮二ご本人が登場し、
挨拶をされて、お開きとなった。
写真集『夢になるといけねぇ』は、
まだパラパラッとしか見ていない。
後日ゆっくり観る時のお楽しみ。
【 演 目 】
「たらちね」 春風亭一花
「雷電の初土俵」 神田松之丞
「不孝者」 柳家三三
〜 仲入り 〜
唄とアコーディオン 遠峰あこ
「帯久」 立川志の輔
ごあいさつ 橘蓮二
@ 国立劇場小劇場
レオン・ラッセル 死去
一昨日、ロン・カーターが
"A Song For You" を演奏したのは
ただの偶然だったのか。
その作者、レオン・ラッセルが亡くなった。
レオン・ラッセルは、"A Song For You" のほか
カーペンターズで有名な "Superstar" や
"This Masquerade" の作者でもある。
"This Masquerade" は、ジョージ・ベンソンの
カバーも有名だ。
報道では、「現地時間2016年11月13日に
米テネシー州ナッシュビルの自宅で死去した」とある。
7月に心臓の手術を受け、快方に向かっており、
来年のツアーの予定もあったらしい。
享年74歳。
1985年アメリカ旅行中、サンフランシスコで
レオン・ラッセルのライヴがあることを知り、
当日ライブハウスへ行ったら、
キャンセルされていた。
そして、2011年4月17日の来日公演の
チケットを取ったが、震災の影響で
来日中止になった。
あの年は、たくさんの公演がキャンセルされた。
そして、翌年 2012年3月7日、
ようやくナマのレオンを観ることができた。
観ておいてよかった。
死ぬまでに一度は観ておくべきアーティストだった。
合掌。
Leon Russell - A Song For You
関連エントリー
2011.4.6 Leon Russell
2012.3.7 Rock Legend Leon Russell
2016.11.15
笑福亭仁智
深川独演会〈東京公演〉
〜文化庁芸術祭優秀賞記念公演第三弾〜
あんまり東京で観る機会のない
笑福亭仁智。
絶対おもろいと思うねんけど、
これは大阪の笑いやろか?
関東の人はどう思うのだろうか?と思い、
今日は妻を連れてその独演会に行ってきた。
妻も結構笑っていたので、
面白かったようだ。
開口一番は、立川幸之進。
昨年、立川流から落語協会へ移籍(?)したようで、
立川流では二つ目だったが、
現在は前座修行となっている。
厳しい世界だな。
ゲストは、三遊亭兼好。
この人は、結構好きな噺家の一人。
演目は「厩火事」。
髪結いのお埼のボケ具合が、面白かった。
おそらく兼好オリジナルのボケも
入っているんやないやろか。
かなり面白くて満足。
笑福亭仁智は、「アフリカ探検」と
「ハードラック」の2席。
「アフリカ探検」の方は、古典でもよくある、
ご隠居から聞いた話を真似て笑わせる噺。
「ハードラック」は、不運な男の話。
あまりに不運なので自殺しようとするが、
中々死ねないので、実は自分はついているんじゃ
ないかと思い始める。
首をつっても、電車に飛び込んでも死ねない、
なぜ死ねないか、その発想がスゴイ。
今日は、サッカー・ワールドカップの
予選のせいかどうか知らないが、
お客さんがあんまり入っていなかった。
仁智師匠、面白いと思うねんけどなぁ。
もっと売れて欲しいけど、
売れるとチケットも高くなるからなぁ。
複雑。
【 演 目 】
「寄合酒」 立川幸之進
「アフリカ探検」 笑福亭仁智
「厩火事」 三遊亭兼好
〜 仲入り 〜
「ハードラック」 笑福亭仁智
@ 深川江戸資料館 小劇場(江東区白河)
関連エントリー
2016.9.1 笑福亭仁智 深川独演会
2016.11.16
ときどき写真展 69
運動会の記憶
某小学校運動会にて (Oct.15,2016)
2016.11.16
ジミー・ペイジが演奏しなかった件
先週木曜日(11日)、両国国技館で行われた
「THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016
+ LIVE PERFORMANCE」。
私は、ジョー・ウォルシュのキャンセルを
前日に知り、ショックを受けた。
事前の告知では、
「ジェフ・ベックとジミー・ペイジは
日本初共演」と謳われていた。
ジミー・ペイジは、それほど好きでは
ないのだが、ベックとの共演を
ナマで観られるのは貴重な機会なので
それはそれで楽しみにしていた。
当日のエントリーに
「なんと ジミー・ペイジ は、演奏せず!
なんじゃそりゃ〜!」
と書いたが、ジミー・ペイジは、
ほんの1〜2分ステージにいただけで、
ギターを弾かなかったのだ。
考えてみたら「共演」と告知しておきながら、
演奏しなかったのだから、主催者から
何らかの説明があっても良かったのだが、
その場では何もなかった。
私は、イベントのちょっと尻切れトンボな
終わり方に、少し不満を感じつつ、
終わったらすぐに会場を後にしたのだが、
当日、会場では終演後、ジミー・ペイジが
演奏しなかったことを主催者に抗議していた
お客さんが数十名いたらしい。
考えてみたら、そりゃそうだ。
一番高い席のチケットは、30万円ですぜ。
私が買ったチケットだって、1万8千円。
けっして安くない。
ジェフとジミーの共演が目当てだった人は、
納得できまい。
で、主催者の社長が出てきて、
謝罪したらしい。
そして、月曜日にウェブサイトに
謝罪文を載せた。
その謝罪文は、主催者のウェブサイトからは、
すでに削除されているのだが、
ネット上で読むことができる。
なんで、削除せなあかんような
謝罪文を載せたんやろか。
謝罪文の内容は、まとめると こう。
ジミー・ペイジのためにギターを用意していたけど、
本人が弾かなかった。
弾かなかった理由は、ジミー・ペイジ側に
問合せ中だけど回答がない。
でも、券売時に告知していなかった
ジョニー・デップやジョー・ペリーが出たから
いいでしょ。
チケット代は返金しません。
・・・あかんやろ、これ。
一応、「お詫び申し上げます」と
謝罪の言葉はあるけど、
完全にジミー・ペイジ側のせいに
してしもとるやん。
これは、感情逆撫で以外何ものでもないで。
そら、みんな怒るで。
で、削除となったんでしょうな。
主催者側の言い分では、
さもジミー・ペイジは演奏するはずだったかの
ようなのだが、その後、もともと演奏する予定は
なかったというイギリス側の公式声明もあったようだ。
が、どういうわけか、今ではその公式声明も
削除されたようで、なんかよう分からん。
もし、最初から演奏はしない契約だったとしたら、
ちょっとややこしいことになるぞ。
完全に演奏をするような告知をしてたんやから。
で、一昨日、奥山さんという弁護士の方が、
主催者に「質問状」を送ったと公表した。
奥山さん自身が、ジェフとジミーの共演を目当てに
当日、観客として会場にいたロック・ファンなのだ。
さすが、法律家だ。
するどい質問状や。
どうなるか見守ろう。
こんなことになったから書くようでイヤなのだが、
(こんなことになったから書くねんけど)
なんかね、ポール・マッカートニーや
ローリング・ストーンズに 1万8千円出したのは、
疑問がなかったんやけど、このイベントは、
当日会場で、2階席やったから上からアリーナ席を
見下ろして、(あのあたりが30万円の席かな)とか
思って見てたら、ちょっと冷めてしもてんな。
なんかお金の臭いがしてて。
何かに幻滅したというのか。
それに加えて、ジョー・ウォルシュのキャンセル、
書かないけど他にもいくつか不満があって
そういう小さい不満が重なった上に
ジミー・ペイジの一件なので、
ちょっと残念なのです。
もちろん、チープ・トリックとかジェフ・ベックとか
短時間でも観れて良かったアーティストもいてるけど、
残念な面も多かったってことね。
主催者側が、イベント発表時にビジネスモデルについて、
「購買力のある中高年をターゲットにしたコンサートは、
流行に左右されること無く安定しているため
市場が拡大しています」って発表していたらしい。
カモですな、中高年。
2016.11.17
ライカでショット!
私が歩んだ道と時代
笹本恒子
今年は、それまで ただ撮るだけだったのが、
写真家について調べ、写真展に行き、
写真や写真家に関する本を読むようになった。
そんな中、出会った一冊が
『ライカでショット! 私が歩んだ道と時代』。
著者は、笹本恒子さん。
1914年生まれだから、なんと102歳!
日本で初の女性報道写真家だった人で、
今も現役で活動されている。
『ライカでショット!』は、
1989年に刊行された。
2002年に復刻版として再出版され、
私が読んだのは、2014年、笹本さんが
100歳を迎えた年に文庫化されたもの。
エッセイ集で、内容は、
昭和10年代の戦前から戦中を経て、
戦後の復興期、昭和30年代の安保闘争の
頃までがほとんど。
その頃、笹本さんが写真家として、
時代とどう関わったのかが興味深い。
特に「贅沢は敵」と言われた戦前から、
日本が焦土と化した終戦、アメリカの
占領の時代のものは、個人的な
エッセイを超えて、当時を生きた人の
証言としても貴重。
驚かされるのは、笹本さんの行動力。
こんな人の傍にいたら、面白いだろうけど、
ハラハラしどうしだろうな。
来年、笹本さんのドキュメンタリー映画も
公開予定だという。
そんなことは知らずに読んだのだが、
タイムリーだった。
笹本さんは、今年、アメリカの「ルーシー賞
ライフタイム・アチーブメント部門賞」を受賞。
生涯を通じ写真界に貢献した個人が対象の賞らしい。
笹本さんについて、ご存じない方は、
まず、この記事がお勧めなので
ぜひ読んでみてください。
興味がわくとともに、元気が出ます。
↓
「死ぬ暇なんてない」
101歳の現役フォトグラファー
笹本恒子さんがかっこいい
★★★★☆
2016.11.19
続・深夜食堂
昨年観た『映画 深夜食堂』。
「シリーズになったら、また観に行くと思う」と
書いたけど、続編が公開されたので観てきた。
『深夜食堂』は、夜の12時から朝 7時ごろまで
営業している小さな食堂。
マスターを演じるのは、小林薫。
その食堂に出入りする客たちの人情物語で、
本作では、「焼肉定食」「焼うどん」「豚汁定食」の
3つのエピソードからなる。
出演者は、「焼肉定食」には、河井青葉、佐藤浩市。
佐藤浩一の使い方が贅沢やなぁ。
「焼うどん」には、池松壮亮、キムラ緑子、小島聖。
池松君、売れてるなぁ。
「豚汁定食」には、渡辺美佐子、井川比佐志。
その他に前作にも出演していた、レギュラー的な
多部未華子、余貴美子、オダギリジョー、
松重豊、光石研、等。
原作(コミック)は読んでいないので、
分からないけど、顔に大きな傷のある
マスターの過去などは、一切語られない。
マスターの作る美味い料理と、
その人柄に客は集まってくる。
あんな店が近所にあったら良いのにな、と
思ってしまう。
深夜の12時からの営業で、
若い人や夜の世界の人ならともかく、
近所のソバ屋のおかみさん(50代)とか
昼間の仕事をしている人達が、
そうそうたびたび来るのは、
ちょっと現実味には欠ける気もするが、
まあそこは、大人のファンタジーなので
よしとしよう。
まあ、私もバー勤めをしていたから分かるけど、
実際には昼間仕事をしていても
深夜まで飲んでいる人(音楽業界や
出版業界人が多かった)も結構いるけどね。
マスターの作る焼肉定食が美味しそうで、
鑑賞後、たまらなくなって焼肉定食を食べてしまった。
★★★★☆
2016.11.20
談志まつり2016
立川談志 生誕80年記念公演
昨年、一昨年に続いて今年も
「談志まつり」に行ってきた。
「談志まつり」は、11月21日の談志の命日に合わせ
毎年開催されている、立川流の談志追善落語会。
今年は、今日の昼の部と明日の昼夜、
合わせて3公演。
談志 生誕80年記念ということで、
家元が亡くなる2年前の初公開となる
音源の公開や、座談会も行われた。
昨年、一昨年は、志の輔師匠が出演する会の
チケットを取ったのだが、今年 志の輔師匠は、
明日の昼の部に出演。
そこで、まだ一度も高座を観ていない談春を
お目当てに今日のチケットを取った。
あの『赤めだか』の談春。
テレビドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』や
『下町ロケット』への出演で
お茶の間にも顔が知れ渡ったことだろう。
大人気の噺家なのに、中々機会がなかったが、
ようやく高座を聴くことができた。
演目は「慶安太平記 〜吉田の焼き討ち〜」という
落語にしては、やや難しい(?)噺。
マクラや座談会での発言の端々に
この人の芸に対する厳しさみたいなものを感じた。
それにしても。
弟子が語る談志のエピソードには、
毎回 驚かされるものが多い。
名古屋の公演に行って、名古屋駅のホームに
主催者が迎えに来ていなかったので、
怒ってそのまま帰ったとか。
その時、お迎えの人は改札口で待っていたらしいが、
その公演は、もちろん中止だ。
談志は急病ということで、お客さんに
チケット代は、払い戻されたらしい。
そんな非常識(?)な言動の多い家元。
迷惑をこうむった業界の人も多いに違いない。
それなのに、そんな酷いエピソードを
語りながら、弟子の師匠への愛と尊敬は
半端ではない。
ファンの談志愛も。
私は、理解に苦しんでいる。
それは、今日に始まったことではない。
落語を聴き始めて、すぐに談志も聴いてみたが、
どうも好きになれなかった。
何度かチャレンジしてみたが、ダメなのだ。
「ホームに迎えが来ていなかったからと言って、
(それだけが理由かどうか分からんけど)
何百人のチケットを買って足を運んで下さった
お客さんにキャンセルを食らわすほど、
あんたは、えらいのか?」と思ってしまうねんな。
(まあ、これは落語と関係ないけど。)
そして、そんな家元のエピソードを知れば知るほど、
それをカバーしても あり余る彼の魅力を
理解したいと思っているのです。
【 演 目 】
「振り込め詐欺に気をつけろ」〜安来節 立川平林
「鮑のし」 立川志遊
「看板のピン」 立川生志
「慶安太平記 〜吉田の焼き討ち〜」 立川談春
〜 仲入り 〜
立川談志生誕80年 記念座談会
(志遊・生志・談春・談之助・談四楼)
「笑点史」 立川談之助
[歌謡漫談] 東京ボーイズ
「浜野矩随」 立川談四桜
@ よみうりホール(有楽町)
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2014.11.23 談志まつり 2014
2015.11.21 談志まつり 2015
THE ANDY TIMMONS BAND
アンディ・ティモンズ・バンド
好きなギタリストはたくさんいるのだけど、
ロック系のギター・インストでというと、
エリック・ジョンソン、ジョニー・A、
そして、 アンディ・ティモンズが好き。
ジェフ・ベックは、ちょっと別。
アンディは、適度にハード、適度にポップなメロディ、
歌心のあるソロ、そして、ギターのトーンが好き。
これ、結構大事やねん。
今日は、そのアンディのライヴ。
アンディは、サイモン・フィリップスのバンドで
2回観たけど、彼のリーダー・ライヴは初めて。
コットン・クラブで 18日から明日21日まで
4日間あるんやけど、毎日 1st show と
2nd show で違う内容のライヴを行う。
1st show では、先日発売された最新作
『Theme From A Perfect World』からの
楽曲を中心に演奏し、そして、
2nd show では、- Classics - と銘打って
2011年にリリースされたビートルズの
カバーアルバム『Plays Sgt. Pepper』の楽曲や
アンディ・ティモンズ・バンドの
歴代人気レパートリーを演奏するという。
う〜ん、どっち観るかねぇと 思案するも、
そういうファンのためか、「2show 通し券」と
いうものが発売された。
1show 6,800円のところ、両方の show を
予約すると 9,800円で観られるというサービスなのだ。
これはありがたい。
ということで、通しで 観てきたのだ。
■ 1st Show
途中、アンディが「2nd Show まで残る人、
どれくらいいるの?」って訊いたのだけど、
半分以上の人が手を挙げてたように見えた。
思った以上に、日本で人気があるようだ。
考えてみれば、そうでなきゃ4日もライブでけへんわな。
演奏曲は、たぶん全曲ニューアルバムからかな。
本編ラストは、アルバムでも最後の曲
"On Your Way Sweet Soul"。
この曲、アルバム中一番好き。
素晴らしくドラマチックで感動的。
お客さんの入れ替えのためだろう、
ステージを降りずにそのまま
アンコールだと思われる曲を演奏。
なんと『スキヤキ』。
そう、坂本九の『上を向いて歩こう』だ。
この曲で、アンディはヴォーカルも披露。
しかも、日本語で歌ったよ。
若い頃は、そういうのなんかイヤやったけど
感動してしもたね。
彼の日本のお客さんに対するハートを感じて。
ギターは、アイバニーズの
シグネチャーモデル(サンバースト、メイプル指板)。
ステージには、ホワイトのローズ指板も
控えで置いてあったけど、これは使わず。
■ 2nd Show
1st Show から 2nd Show が始まるまで、
2時間近く間が空くというのは、
ちょっとつらかったけど、
待つだけの甲斐があった 2nd Show だった。
曲は、"Super '70s"、"Electric Gypsy" など。
『Plays Sgt. Pepper』からは、
"Lucy in the Sky with Diamonds"、
"Strawberry Fields Forever" 。
"A Day In The Life" を期待したが演らず。
途中で、美しいベース・ソロで1曲。
本編最後は、"Cry For You"。
もうなんかが 憑いているかのようなソロ。
あんなの毎晩 演ってるんやろか。
アンコールは、一瞬 "Hey Joe" かと思いきや、
"Little Wing"(ジミ・ヘン)。
これまた、素晴らしい。
アンディのソロは、エモーショナルで、
分かりやすく、今日のライヴで
一層好きになった。
明日も観に来たいくらいだ。
同じギターを持ってもあんな風に弾けるわけないけど、
アンディ・モデル欲しいなぁ。
[ MEMBERS ]
Andy Timmons (g,vo)
Mike Daane (b)
Rob Avsharian (ds)
@ COTTON CLUB
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2014.5.31 SIMON PHILLIPS "Protocol II"
2015.6.19 SIMON PHILLIPS “Protocol III”
2016.11.21
ジミー・ペイジが演奏しなかった件
その2
今月11日に日本で初めて開催された、
"THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016"。
(以下、CRA 2016。)
ジェフ・べックとジミー・ペイジの日本初共演と
宣伝していたにも関わらず、ジミー・ペイジは、
演奏をしなかった。
そのことで、ジミー・ペイジの演奏目当てで
チケットを購入した、一部の観客が
主催者に抗議をしていた。
当初、主催者は謝罪はしつつも、
「イベント自体は成立している」と、
返金はしない旨を発表していたが、
弁護士による公開質問が効いたのか、
もともとジミー・ペイジは演奏する予定では
なかったことが明るみに出たためか、
今回の観客全員に来年の「CRA 2017」の
チケットの先行販売(割引価格で)と、
希望者へのチケット代金返金を発表した。
返金についての対象は、
「CRA 2016に失望されたご来場者様」とある。
う〜ん、悩ましい。
「がっかり」した面はあるものの「失望」と
いうほどではないし、そもそもジミー・ペイジが
演奏しなかったことを「なんやねん!」とは
思ったけど、主催者に「金返せ」と文句を言うほど
私は怒っていない。
元々がジミー・ペイジ目当てではなかったからだ。
私にとっては、むしろ、ジョー・ウォルシュの
キャンセルの方が、ショックだった。
これで「チープ・トリック も ジェフ・べック も
演奏しませんでした」とか「来ませんでした」なら
迷うことなく返金を申し出るんやけどね。
ジョー・ウォルシュの件では、
「全額返せ」というほどでもないので、
半分ぐらい返してくれたら ええねんけど、
そういう中途半端な対応はない。
まあ、生きていれば、ええコンサートもあるし、
おもんないコンサートもいくつも行ってるし、
そういうもんやと思うしな。
なので、返金の申し出はしないことにした。
なんかこれで返金してもろたら、
便乗しただけな感じがするから。
来年の「CRA 2017」に観たい人が出るなら、
その特別ご優待価格でチケットを買うことにしよう。
どれくらい安くしてくれるかにもよるけどな。
あと、弁護士の公開質問に対する
明確な回答はして欲しいな。
主催者は当初、「ギターを準備していたのに、
ジミー・ペイジが演奏をしなかった」と
説明していたけど、結局、「ジミー・ペイジは、
最初から演奏する予定はなかった」らしいから、
そこをキッチリ説明して欲しいな。
これも、ただの興味本位で、
半ばどっちでもええねんけど。
今回の騒動は、ネット上でそれほど大きく
ならなかったらしい。
その理由は、
「若者がジミー・ペイジを知らんから」やて。
スゴイおちやな。
ちょっと気になったんで書いておく。
ネットで「CRA 2016」について
ラーメンズ・片桐仁が、テレビ番組で
「イベント当日の客席が
ガラガラだったようだと指摘した」
という記事があった。
ええかげんなこと言うたらあかんで。
誰に聞いたか知らんけど、ガラガラちゃうで。
18時の開演予定時刻には、ステージ前の
アリーナ席は確かに空席が目立ったけど、
19時ぐらいには、もう結構埋まってた。
1階2階席も、それなりに客入っとった。
あれは、「ガラガラ」とは言わん。
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ジミー・ペイジさん演奏なしで不満爆発 チケット代返金へ
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2016.11.11 THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016
2016.11.16 ジミー・ペイジが演奏しなかった件
2016.11.22
bar dAZE
Go Fes.
今夜は、原宿 bar dAZE のマスター
剛ちゃんの誕生日を祝うイベント「Go Fes」。
昨年、一昨年に続いて今年も
参加させていただいた。
今年は2人の歌姫と共演。
サチちゃんとは
『Bat Habits』(彼女のオリジナル曲)
『Mas Que Nada』を、
儒河ちゃんとは、
『17』(椎名林檎)
『色彩のブルース』(エゴ・ラッピン)
『白い恋人達』(桑田佳祐)を演奏した。
事前のリハーサルはなし。
当日、オープン前の簡単なリハだけで
本番に臨んだ。
5曲だけだったけど、楽しかったなぁ。
普段、お店 (dAZE) にあんまり行かない私は、
顔見知りのお客さんもいないのだけど、
剛ちゃんの人柄に惹かれて
集まってくる人は、ご機嫌な人たちが多い。
弾き語りで登場した 和田明。
今年9月、第4回ちぐさ賞を受賞した
ヴォーカリスト。
曲は、『Automatic(宇多田ヒカル)』、
『接吻(オリジナルラブ)』、
『Rock Wuth You(Michael Jackson)』。
初めて聴いたのだが、素晴らしい!
雰囲気があって、めちゃくちゃカッコええがな。
YouTube で「和田明」で検索すると
出てくるのでぜひチェックしてください。
→ Example
気軽に「一緒に演ろう」なんて、
声をかけてしまったけど、
帰ってきて検索したら、
スゴイ面々と共演してるやんか!
ビビッてしもたわ。
それから、ダンサーのキッキィ。
今日、「弾き語り」を観ていて、
思いついたという、「踊り語り」。
音楽に合わせてダンスをしながら、
語るという、ぶっつけアドリブのパフォーマンス。
これがまた凄かった。
こんなのナマで間近で観るの初めて。
話を聞くと、テレビで誰かの後ろで
踊っていたり、プロモーション・ビデオに
出演していたりする。
あの須藤元気率いる「WORLD ORDER」
(スーツ姿でロボットダンスする
あのグループ)に在籍していたことも
ある人だった。
これまた、YouTube で「キッキィ」で検索すると
出てくるので、チェックしてください。
→ Example
そんなこんなでとても楽しいイベントでした。
使用ギターは、今年6月に購入した
Martin のエレ・ガット(000 Nylon)。
今まで使っていた Crews の EG-1500C に比べると、
スケール(弦長)が 4cm 以上長い。
Scale Length:
Martin 000 Nylon / 671.5mm
Crews EG-1500C / 630mm
Crews は、弾きやすかったので、スケールが
4cm も長いと弾きにくいかと思いきや、
想像以上に弾きやすく、音もハリがあって、
大変に気に入っている。
買って大正解、大満足。
まだ、ローン半分以上残ってるけど。
2016.11.23
電 髪
「欲しがりません勝つまでは」や
「贅沢は敵だ」という考え方は、
太平洋戦争中、物資が不足し、
戦況が日本にとって厳しくなったので
出てきた言葉だと思っていた。
ちょっと調べてみると
「欲しがりません勝つまでは」は、
昭和17年に「国民決意の標語」というものの
募集があり、その企画で選ばれた言葉らしい。
言葉の通り、戦争に勝つまでは、
何も欲しがらずに戦い抜くぞという
国民の戦意昂揚のための標語であったのだ。
昭和16年12月に太平洋戦争が始まっており、
先の標語は、「大東亜戦争一周年記念」の企画で
あったようだ。
しかし日中戦争は、昭和12年に始まっており、
太平洋戦争突入前も日本は戦争中であったわけで、
資源の乏しい日本にとって、
長く戦争をするのは、厳しかったのだろう。
昭和15年7月に
「奢侈品(しゃしひん)等製造販売制限規則」
というものが発令された。
いわゆる「ぜいたく禁止令」だ。
先日読んだ、笹本恒子さんの
『ライカでショット! 私が歩んだ道と時代』の中に
その当時の話が出てくる。
そこには、「奢侈品等製造販売制限規則」の
発令された昭和15年7月7日、
日中事変三周年記念の日のことが書いてあった。
そして、女性のパーマ(ネント)は、
昭和14年にすでに禁止されていたようなのだが、
このパーマのことを一時、「電髪(でんぱつ)」と
呼んだ、と書いてあった。
当時、カタカナ名の芸能人には改名を余儀なくされ、
商品名や外国の都市名も漢字化された、
その一つであったのだろう。
それにしても、「電髪」という
ネーミングは、強烈ですな。
こういう歴史を知ると、
しみじみ思う。
なによりも平和が一番。
私は、もうパーマをかけることはないけど。
2016.11.26
センチメンタルな旅・冬の旅
写真家・荒木経惟(アラキノブヨシ)。
名前は知っているけど、その作品を
ちゃんと見たことはなかった。
最近、色んな写真家の写真を観るようになり、
アラーキーの『センチメンタルな旅・冬の旅』
という写真集に興味を持った。
『センチメンタルな旅・冬の旅』は、
アラーキーが自身の新婚旅行を写し、
1971年に限定1000部で自費出版した
写真集『センチメンタルな旅』の中から
選ばれた21枚(ほとんどが妻・陽子の写真)と、
妻・陽子が、子宮肉腫のために他界するまでの
数か月間、そして亡くなった後の身の回りの
写真などを収めたものだ。
Amazon のレビューには、
「涙なしでは見られない」「言葉にならない」
「泣けて仕方がなかった」「最高傑作」などの
言葉が並んでいるので、
そんなにすごい写真集なのかと思い、購入した。
残念ながら(?)、泣けなかった。
期待が大きすぎたのか。
いや違うと思う。
まず、前半の『センチメンタルな旅』。
私には、分からないのだ。
新婚旅行で妻のヌードを撮り、
それを写真集として発表する、その心が。
もちろん、金のためにやっているのでは
ないことは十分にわかる。
そして、写真家だから撮らずにいられない、
と言われればそういうもんかと思うしかない。
妻の陽子さんは、こう言ってはなんだが、
フォトジェニックな被写体ではないと思う。
わざわざ、人に見せるほど美しいとも思えない。
こんなこと書くと、「何もわかっとらん」と
言われるのかも知れないし、
だからこそ、プライベートの極致だからこそ、
意義があるのかもしれない。
日常を撮る、リアルを撮る、
あるものをそのまま撮る、というのは、
分からないではないのだが、
私は他人のプライベートを観たいわけではない。
アラーキーが妻の陽子さんを愛していたのは、
よく分かる。
愛された陽子さんは幸せだっただろう、
というのもよく分かる。
でも、なぜか、良いと思えなかった。
後半、陽子さんの闘病中から死後までの
写真の方が、グッとくるものがある。
しかし、それは写真にグッとくるのではなく、
写真に添えられた短い文章、
妻が死へと向かう、その時のアラーキーの
言葉がつらいのだ。
そらそうだ。
毎日、妻が死へと向かっていく、
そんな心情は、考えたくもない。
棺の中の妻の写真もある。
出版当時、アラーキーと篠山紀信が対談を
行ったらしいのだが、
妻の死に顔を写真に撮って、
それを発表した行為を篠山紀信は
許すことができなかったらしい。
これはもう、写真に対する考え方というより、
生き方、人生感の違いだろうと思う。
どちらが正しいというのはない。
好きか嫌いか、そう思うか思わないか、
それだけだろう。
発表するか否かは別にして、
死に顔を写真に撮っておくかどうかについて、
ちょっと前に何かで読んだ覚えがある。
最近は、死に顔を写真に撮る人が増えているらしい、
というような記事だったように思う。
それを読んだとき、
自分はどうするだろうかと考えた。
父や母、もしかしたら、妻も私より
先に死ぬかもしれない。
その時、その死に顔を写真に残したいと
思うのだろうか、と。
元気な時の写真があればそれで良いと
思うのだろうか。
それとも、その死に顔さえ愛おしく、
写真に残したいと思うのだろうか。
その時は、撮らなかったとして、
あとから撮っておけばよかったと
後悔することがあるのだろうか。
そんなことは、今考えることではない、
その時に決めればよいことだと、
考えることをやめたのだが。
一方で、寝顔を撮るような感じで、
死に顔が撮れたら、それはそれで、
素晴らしいと思っている面もある。
それは、「死」がそこまで、
特別なことではなく、
日常であると生きている証しだから。
閑話休題。
そんなこんなで、
『センチメンタルな旅・冬の旅』は、
私としては、あまり感銘を受けなかったのだが、
多くの人に評価されているということは、
普遍的な何かがあるということなのだろう。
私自身も、何年後かに観たら、
違う感想を持つかもしれない。
ジャック・リーチャー
Jack Reacher: Never Go Back
映画『ジャック・リーチャー』。
主演のトム・クルーズは同級生(同じ年)。
彼のアクションを観るたびに、
「俺もやれば(きっと)できる」という気に
なっていたけど、五十肩がキツイ今年は、
トムの裸を見ても 心なしか
年を取ったなぁと思ってしまった。
さて、本作、2012年の『アウトロー』の続編。
その『アウトロー』は観ていないのだが、
観ていなくても十分に楽しめる。
まあ『ミッション・インポシブル』や
『007』のようなシリーズもの。
トム演じるジャックは、元は優秀な軍人(少佐)で
今では、家も持たずヒッチハイクで
あちこちさまよいながら生きている一匹狼。
そんなトムが、ある事件に巻き込まれる。
まあよくある話(映画)と言ってしまえば
それまでなのだが、途中、中だるみすることもなく、
それなりにハラハラしながら楽しめた。
終わり方も憎い。
ただ、パトリック・ヒューシンガー演じる
悪役が、なんでそこまでジャックを
殺したいのかが、よう分からんかった。
★★★★☆
2016.11.27
ボクの妻と結婚してください。
癌で余命宣告を受けた主人公が、
自分が死んだあとの妻の再婚相手を
探すという予告編を観て、
なんて傲慢な男の物語だろうと、
真面目な反応をしてしまい、
まあコメディなんだろうからと
自分をなだめ、
(意外と面白いかもしれないぞ)
(最近の吉田羊はいいからなぁ)と
思い直し、結局 観ることにした。
出演は、余命宣告を受ける旦那に織田裕二。
その妻に吉田羊。
妻の結婚相手に選ばれる男に原田泰造。
結婚相談所の社長に高島礼子。
家族とその死を描けば、
泣けるのは当然だろう。
本作でも、結構 泣きましたね。
もう、予想以上に。
が、織田裕二演じる三村修治の
妻の再婚相手を探すという企画には、
やはり同意しかねる。
(以下、ネタバレ含む。)
百歩譲って、そうでもしなければ
残りの人生を正気で生きていることが
出来なかったのかもしれない、と
考えられなくもない。
でも、自分が死んだあとの
妻の結婚相手を決める理由が、
自分が安心して死ぬためなんて、
とんでもない!
彼は、妻を愛していたということに
なっているが、それは果たして愛なのか。
そこには、妻の気持ちなど微塵も考えていない、
男のエゴがあるだけだ。
特に、妻に再婚をしてもらいたいがために、
浮気をしている演技をし、
離婚届を突きつけるくだりは、
サイテー過ぎる。
愛する妻がどれだけ傷つくかを
考えない大バカヤローだ。
ラストは、サイテーな終わり方ではなく、
非常に節度(?)のある、大人な終わり方で
安心した。
これは妻の夫への愛の物語である。
そして、夫の妻へのエゴイスティックな
わがままの物語でもある。
修治の企画には賛成できないけど、
映画としては、結構面白かったし良かった。
特に吉田羊!
★★★★☆
Make Like A Tree(Sergey from Ukraine)
メガロドン with すずかちはや
年に2回、まりあさんのサポートで
共演しているドラマーの斉藤りょうが、
出演するというので、
蒲田の CATFISH TOKYO という
ライヴハウスに行ってきた。
1部は、ウクライナから来たという
Sergey(セルゲイ)という人。
アコースティック・ギターと、
エフェクターを使って独特の世界を
作り上げていた。
パーカッションや簡単な楽器を
その場で観客に持たせ、
即興で演奏に参加させる手法は、
世界を周っている人らしい演奏に感じた。
会場には数十枚の写真が壁に吊るされて
いたのだが、その写真はセルゲイが
世界中で撮ってきたものだという。
プロが撮ったと言われても疑わないだろう
質の写真ばかりで、驚いた。
3か月ほど日本にいるそうだが、
またどこかで演奏するのだろう。
彼の演奏、歌は YouTube でも聴ける。
→ Example
2部は、メガロドン with すずかちはや。
アトミック山中というパワフルな
ギター&ヴォーカルのバンド。
このバンドに斉藤りょうも参加。
ゲストに すずかちはや さんという
これまたパワフルな女性ヴォーカルが参加。
曲は、Grand Funk Railroad、
Stevie Wonder、CCR、Bette Midler、
八神純子、渡辺真知子などのカバー。
楽しいライヴでした。
[ 出演 ]
1st : Sergey from Ukraine
2nd : メガロドン with すずかちはや
@ CATFISH TOKYO(蒲田)
2016.11.28
残念。
ASKA 再逮捕
2年前、覚醒剤取締法違反の疑いで
逮捕された ASKA。
その時の残念な思いは、ここに書いた。
↓
2014.5.18 残念 ASKA
2〜3か月前、偶然、ASKA のブログに
たどり着いた。
読んでみて、何か分からないけど
少しの違和感を感じた覚えがある。
うまく書けないけど、ASKA の言葉が
すっと入ってこなかったとでも言おうか。
読者のコメントにも、
何か良く分からないものもあった。
何かが不安定で落ち着かない印象だった。
でも、芸能人のブログなんて(あんまり
読んだことないけど)そんなものかも知れない。
そのブログからは、ASKA が、新しく音楽制作に
打ち込んでいる様子は窺えた。
そのあと、ASKA のソロ・アルバムを久しぶりに聴いた。
『君が愛を語れ』や『はじまりはいつも雨』は
今でも好きな曲だ。
今日。
二度目の逮捕。
執行猶予中だった。
新しいアルバムの完成も間近だったようで、
昨日の ASKA のブログには、
プロモーションを行えない現況、
みなさんには、来月の終わり頃、
Youtubeにおいて、数曲発表させてください。
ありがとう。
とある。
報道によると、今月25日、
「盗撮されている」と 自ら 110番通報。
警察官が駆け付けたが、言動が不明瞭だったため、
任意で尿検査を実施。
その尿検査が陽性だった。
ということは、
もう覚せい剤使用は、
間違いないということだろうか。
今度は、実刑だろうなぁ。
アルバムは、幻のアルバムになるのだろうか。
ホントに覚せい剤は恐ろしい。
50代の逮捕者の80%が再犯だという。
もうひとつ。
ASKA のブログを覗いたが、
動揺するファンのコメントに交じって、
よくもこんなこと書き込めるなぁ、というような
悪意のある、ひどいコメントもある。
読んで気分が悪くなるような。
覚せい剤と同様に
人間の心の悪も恐ろしい。
2016.11.29
僕の虹、君の星
― ときめきと切なさの21の物語
先日読んだハービー・山口のフォトエッセイ集、
『雲の上はいつも青空 Scene2』が
とても良かったので、
『僕の虹、君の星―ときめきと切なさの21の物語』
という フォトエッセイ集を読んだ。
これは、2010年の発売だが、
すでに絶版のようで中古本で購入。
一部 『雲の上は〜』と重複する内容もあったけど、
とても良いエッセイだった。
写真への情熱が今のハービーさんを
作り上げたことに疑問はないが、
その情熱と同時にハービーさんは、
何かに導かれカメラを手にし、
何かに導かれロンドンに渡り、
そして、何か(誰か)の計画通りに
ハービー山口になったような気がする。
その要素は、「人」だ。
誰かのひと言。
その誰かのひと言が、人を、その人さえもが
思いつかなかった方向へと導いていく。
写真も素晴らしいが、文章が良い。
他のエッセイも もっと読みたくなった。
そして、カメラを持って
外へ出たくなった。
★★★★★
表紙もええ。
[ 関連エントリー ]
2016.11.2 雲の上はいつも青空 Scene2