2015年 8月
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2015.8.1
よってたかってぐんぐんロング
有楽町スペシャル2015真夏
暑いねぇ〜。
「暑い」とか「寒い」とか、
言うてもなんも変われへんので
あんまり言いたくないねんけど、
ホンマ暑いわ〜。
さて、今日は「よってたかって」の落語会。
出演真打は、一之輔、三三、市馬、百栄、
白酒とオール・スターだ。
トップ・バッターは、現在二つ目、
立川談笑の弟子、立川笑二。
なんども聴いたことのある「元犬」だったが、
知っているのとは、ちょっと違う展開で、
オチにはどんでん返しがあり、面白かった。
まだ若い(24歳)が、これから楽しみな噺家だ。
2人目も二つ目、三遊亭粋歌(すいか)。
東大生が、コンビニで初めてのアルバイトを
するのに母親がついてくるという「コンビニ参観」。
女流噺家は、中々難しいと思っているのだが、
彼女は、良かったな。
たぶんやけど、新作だったことも手伝っていると思う。
古典に出てくる、熊さんや八っつぁん、
ご隠居などを女性が演じると、どうも違和感が
拭えないのだが、初めて聴く新作なら、
そういう先入観もないもんね。
続いて、一之輔。
「堀の内」をナマで聴くのは2回目やけど、
こんなに面白かったっけというほどの大爆笑。
ちょっと、やり過ぎちゃうのと思うほど。
続いて、三三。
大爆笑の次は、やりにくいんちゃうかなと思うも、
いきなり「普通の落語を聴いていただきます」と言って
笑いを取るあたりはさすが。
本編中にも、一之輔の「堀の内」の主人公の
そそっかしさを使うなどして、客をくすぐってくる。
仲入りのあと、市馬。
なんと、生で聴くの初めてだった。
演目は、与太郎ばなしの「かぼちゃ屋」。
続いては、百栄の「露出さん」。
露出狂の性犯罪者が、20年以上毎日同じ時間に
出没し、しまいに町内に溶け込んでしまい、
街の人々から「露出さん」と親しまれ、
露出しても誰も驚かず、犯罪にならないという、
ぶっ飛んだ噺。
発想がスゴイ。
続いては、落語ではなく、
ギター漫談のペペ桜井。
今年80歳!
『禁じられた遊び』を弾きながら、
全く関係のない演歌(曲名失念)を歌うという
離れ業をやっていた。
トリは、白酒の「お化け長屋」。
これまた、今まで聴いたことのある
「お化け長屋」とは、一味違う展開で、
面白かった。
休憩を挟んでたっぷり3時間。
今日は全部面白かったね。
特に「元犬」「堀の内」「お化け長屋」は、
古典だけど新たなアレンジが施されていて、
21世紀の古典落語を観た感じ。
【 演 目 】
「元犬」 立川笑二
「コンビニ参観」 三遊亭粋歌
「堀の内」 春風亭一之輔
「五貫裁き」 柳家三三
〜 仲入り 〜
「かぼちゃ屋」 柳亭市馬
「露出さん」 春風亭百栄
ギター漫談 ぺぺ桜井
「お化け長屋」 桃月庵白酒
@ よみうりホール(有楽町)
2015.8.2
PABLO CRUISE
2012年8月、33年ぶりだという来日公演を
観に行った パブロ・クルース が帰ってきた。
あれから、3年も経っていることに
まずびっくり。
パブロ・クルースは、私の青春の音楽のひとつだ。
彼らのアルバム(当時はLPレコード)、
『パート・オブ・ザ・ゲーム』と
『絆(ライフライン)』を聴くと、
今でもその瞬間にあの頃にトリップできる。
そんな音楽なのだ。
そのパブロ・クルースが3年ぶりに来日。
昨日は、東京公演3日間の2日目、
その 2nd Show に行って来た。
彼らは、60代後半だと思うが、
あい変わらずの熱い演奏で会場は大盛り上り。
"Zero To Sixty In Five" で、ピークになり
そのまま、"I Want You Tonight" では、
多くの人が立ち上がり、会場は半ばディスコと化した。
私同様、結構 オジさん・オバさんが多かった。
皆さんの青春の思い出なんでしょうね。
「来年も来るよ」と言っていたので、
ぜひ来日して欲しい。
[ MEMBERS ]
Dave Jenkins (vo,g)
Cory Lerios (vo,p)
Steve Price (ds)
Larry Antonino (vo,b)
2015.8.3
デヴィッド・T.ウォーカー
David T. Walker
plays "MOTOWN CLASSICS"
デヴィッド・T.ウォーカーは、モータウンの黄金期を
支えたスタジオ・ミュージシャンの一人。
マーヴィン・ゲイ、ダイアナ・ロス、ジャクソン5、
スティーヴィー・ワンダーなど誰もが知らないうちに
デヴィッドののギターを耳にしたことがあるだろう。
モータウンだけではなく、ジャズ、ポップス、R&B、
そして、井上陽水、吉田美奈子、上田正樹、
Dreams Come True など、日本人アーティストの
レコーディングにも参加している。
興味のある方は、デヴィッドのオフィシャルサイトに、
セッションに加わったアルバムのリストがあるので、
見ていただきたい。
さて、今日はそのデヴィッドのライヴに行って来た。
初めてナマで観たのは、
90年代の Band Of Pleasure だったけど、
去年はラリー・カールトンのデュオと合わせて
2回観に行ったし、通算もう何度目か分からない。
今回の東京公演は2日間。
その2日目、2nd Show を観てきた。
"Street Life", "Loving You" など数曲演ったあと、
"MOTOWN CLASSICS" コーナーへ。
"You Can't Hurry Love" や "I Want You Back" の
フレイズをちょこっとイントロに入れたりするのだが、
曲が始まると、聴き覚えがあるのに曲名が言えない。
言えるのは、"Ooo Baby Baby", "Superstition"
ぐらいか。
いずれにしろ、スペシャルな楽しい演奏だった。
"Loving You" の時、珍しくギターのチューニングが
途中でヘロヘロになった。
なんでやろ?
ギターは、いつものジョン・カラザースの
スペシャル・モデル。
David ほど、ギターを持ち替えても
同じ音のするギタリストは、珍しい。
確かに、一流のギタリストはパッと聞いて
誰だか分かる、その人独自のトーンっちゅうもんが
あるけど、ギブソンの時も、ARTEXの時も
今のカラザースでも同じトーンやもんな。
不思議なほど。
David は、1941年6月25日生まれなので、
今年で74歳だ。
まだまだ元気であのトーンを聴かせて欲しい。
[ MEMBERS ]
デヴィッド T.ウォーカー / David T. Walker(G)
ジェフ・コレラ / Jeff Colella(Pf, Key)
バイロン・ミラー / Byron Miller(B)
レオン・ンドゥグ・チャンクラー / Leon "Ndugu" Chancler(Dr)
2015.8.4
ときどき写真展 30
影
2013.11.25 撮影
2015.8.5
ときどき写真展
写真の縦横比率のことを「アスペクト」というのだが、
どうも「アスベスト(石綿)」と混乱して困る。
新しい言葉をなかなか覚えられない年齢に
なってしもた。
「ときどき写真展」と称して、スクウェア(正方形)の
写真をアップし始めて、半年ほどになる。
このスクウェアの場合、アスペクトは、
「1:1」というわけだ。
通常、カメラのアスペクトは、「4:3」が多く、
一眼レフなどは「3:2」が使われる。
デジタルカメラの場合、設定でアスペクトを
選べる機種もある。
「4:3」と「3:2」の比較するとこんな感じ。
4:3
3:2
4:3
3:2
私は、どちらかというと「3:2」が好きだ。
実は「1:1」(正方形)は、構図を作るのが難しい。
決まった時は、美しいのだが、
「4:3」や「3:2」に比べて、
難しいと言われていて、実際難しい。
「ときどき写真展」では、なぜその難しい
「1:1」の写真をアップすることにしたのか。
そんなに大した理由はないのだが、これは、
色んなLPレコードのジャケットのつもりという、
言わば、私の妄想なのだな。
CDではなく、あくまでも、LPレコードなのだ。
どんなアーティストのどんな音楽のレコードか、
想像を膨らませながら観ていただけると、
1枚1枚の写真にまた違う味わいが
あるんやないやろか。(ないか)
中には、アップしたあとから見ると、
イマイチなものもあるのだが、
それも写真の腕前の記録として、残すことにした。
ときどき写真展 1〜30
↑
写真をクリックすると、拡大されるよ。
ときどき写真展 31
WHOLE
2015.5.23 撮影
2015.8.6
接客
まだ私の頭に髪の毛が(今よりは)
豊富にあり、月に一度は散髪に通って
いた20代の頃の話。
その頃の私は、フリーターみたいなもんで、
散髪に行くのに平日の昼間に行くことがあった。
平日の昼間に行くと、ある散髪屋は、
髪を切りながら、
「お客さん、今日はお休みですか?」などと
話しかけてくる。
私は、話したくもないのに話しかけられるのが
イヤで、その散髪屋へは2〜3度行った末、
行かなくなった。
私が好きだったのは、いっさい無駄口をたたかない
散髪屋だった。
何度か通うと、髪型の注文も
「いつも通りで」の一言で済んでしまう。
散髪屋の言葉も「いらっしゃませ」と
「ありがとうございました」ぐらいだ。
最高にシンプル。
タクシーの運転手にも話し好きがいる。
いつだったか、4人でタクシーに乗ったことがあった。
4人でワイワイ話していると、運転手(割と若い、
30代かな)が、話に加わってくるのだ。
内心(お前に言うてないんじゃ)と思うが、
大人なのでそんなことは、口に出さず、
密かに(黙って運転してろ)という
空気を発しつつ、運転手の言葉を軽く受け流す。
ほかの3人も同様にしている。
だが、そういう人は、全く空気が読めないので、
何度も話に加わってきて、しまいには大声で
爆笑までする。
その場にいると、ものすごい違和感です。
きっと、口うるさい、酔っ払ったオヤジに
たしなめられることもあるだろうな、と思う。
レストランでも時々いる。
先日も一人で入ったカジュアルなレストランで、
私がグラスワインを注文すると、
お店がヒマなせいか、ホールのお兄ちゃんが
近づいてきて、
「ワイン好きなんですか?」
「お近くですか?」
などと訊いてくる。
めんどくさいっちゅうねん。
厄介なのは、こういう接客がサービス、
あるいは、おもてなしだと勘違いしている
店員がいることだ。
中には、話しかけられることが
嬉しい人もいるんやと思う。
でも、話しかけられたくない人も
いるっちゅうことを分かってないねんな。
私が以前勤めていたバーでは、
お客さんに対し「付かず離れず」という
距離感を保っていた。
つまり、バーテンダーと話したいお客さんとは
話すが、あまり話したくなさそうなお客さんには、
こちらからは声をかけない、という姿勢だ。
お客さんを見ていれば、話しかけて欲しいか
そっとしておいて欲しいか分かるもんだ。
座る席(どこに座るか)でもある程度分かる。
さて、そのバーテンダー時代、何度か来たことのある
お客さんの中に、あまり好きになれない
男性客がいた。
「あまり好きになれない」とは、
ソフトな表現だが、ストレートに書くと
「嫌い」ということになる。
「嫌い」というほど積極的ではないので、
「あまり好きになれない」という表現になるのだが。
私は、人に対する好き嫌いが激しく、
何かイヤな感じがする人とは、話もしたくない。
そして、そのことを隠しきれないので、
相手にも伝わってしまうようだ。
バーのお客さんに対してもそうであったようで、
そのあまり好きになれない男性客に
ある日、こう言われた。
「ぼくのこと、嫌いでしょ?」
お客さんにそんなことを言わせるバーテンダー、
あんまりおれへんやろな。
ま、プロとしては、サイテーですな。
2015.8.9
8月7日
2日経ってしもたけど、
8月7日は、私の誕生日だった。
え〜っと・・・、53歳。
何歳になったのか、即答できひんようになってもた。
53歳ねぇ。
中身は幼稚な、ハゲた高尿酸値の53歳です。
よろしく!
そういえば、先日の「ヨルタモリ」で、
タモリが「尿酸値の高い人に悪い人はいない」って
言うてたよ。
尿酸値の高い殺人鬼とか いてないって。
(もちろん冗談ですので、本気にしないでね。)
誕生日のディナーは、目黒「L’asse」。
2度目の再訪です。
(「2度目の再訪」って言葉、おかしい?)
今回も素晴らしいお料理でした。
前回は、からすみのパスタが印象的だったけど、
今回は「新潟産完熟トマトの冷静カッペリーニ」。
思わず唸ったね。
夏にぴったりの、さわやかなトマトの風味で、
これだけで腹一ぱい食べたいと思ったね。
シェフが新潟出身らしく、新潟の食材が
いろいろ使われているようだった。
美味しいのはホントにうれしいねんけど、
私はだんだん食べる量が減っている上、
妻と行くと妻は私より小食なので、
妻の分も少しずつ、食べることになり、
食べ終わったときは明らかに食べすぎで
苦しい状態になってしまう。
次回から妻と行くときは、
ちょっと量を減らしたショート・コースで
良いなと思った。
以前は、そんなことなかってんけど、
年取ってきたんやなぁ。
しみじみ。
2015.8.9
日本のいちばん長い日
子供のころ、テレビで放映された映画
『日本のいちばん長い日』を観た覚えがある。
小学生だったか中学生だったか覚えがないが、
『大脱走』のような戦争モノが好きだった子供には、
難しくて面白くない映画だったことだけを
覚えている。
調べてみると、1967年の8月3日に公開された作品だ。
昨日は、そのリメイク版『日本のいちばん長い日』の
公開初日だった。
14:50 からの回を観ようと思ったが、
妻と2人で、品川プリンスシネマに着いたのが
ギリギリの 14:48。
空いている席は、なんと2席のみ!
初日だからか、夏休みの上、土曜日だからか、
終戦70年だからか、安保法案で日本が揺れているからか、
とにかく満席状態に驚いた。
例えば同じように戦争がらみの映画でも
『永遠のゼロ』や『男たちの大和』に比べると
こういう映画は、ちょっと地味な印象を
持っていたので、まさか満席だとは思わなかった。
でも、私の隣に座っていた若い男は、
始まって30分ほどで席を立って帰ってしもた。
多少、知識がないとなんの話か分からんやろし。
まあ、面白くはないからね。
映画は、今から70年前のちょうど今頃の話で、
タイトルにある「いちばん長い日」は、
8月14日から15日にかけての一日を指している。
戦争を終わらせたい天皇。
戦争を終わらせたい政治家、軍人。
戦争を終わらせたくない軍人。
戦争を続けるために命を懸ける軍人。
戦争を終わらせるために命を懸ける軍人。
死を覚悟した夫を何も言わずに見送る妻。
そんな人たちの実際にあった夏の出来事。
何か一つ狂っていたら、その後の日本は
どうなっていたか分からない究極の状況だ。
もし、終戦が数日遅れたら、ソ連が北海道に侵攻し、
日本はドイツのように分断されたかもしれない。
降伏を選ばず、本土決戦を選んでいたら、
日本は滅びていたかもしれない。
平和に暮らす、平成の世の私には、
想像もつかない。
現実は、この映画の何倍も凄まじいものが
あったのだろう。
戦争を終結させようとする者も、
本土決戦・2000万人特攻を謳う者も、
軍事クーデターを企てる陸軍将校も、
皆、同様に日本という国を思っている。
その国を思う者同士が、しまいには
殺し合うにまで 発展してしまう。
戦争は狂気だ。
監督は、『わが母の記』『クライマーズ・ハイ』などの
原田眞人。(1967年版の監督は、岡本喜八。)
主な出演者。( )内は1967年版。
阿南惟幾 陸軍大臣 : 役所広司 (三船敏郎)
昭和天皇: 本木雅弘 (松本幸四郎(八代目))
鈴木貫太郎 内閣総理大臣 : 山崎努 (笠智衆)
迫水久常 内閣書記官長 : 堤真一 (加藤武)
畑中健二 陸軍少佐 : 松坂桃李 (黒沢年男)
米内光政 海軍大臣 : 中村育二 (山村聰)
どの役も難しかっただろうが、
皆、素晴らしい。
1967年版も観てみようかな。
★★★★★
2015.8.10
桂雀々独演会
雀々の逸品 Vol.2
昨夜は、昨年8月2日の独演会以来、
一年ぶりの雀々。
とはいうものの、数か月前には、DVD
「桂雀々 十八番」を、上下巻とも購入し
全部で18席、すでに鑑賞済みだ。
ホンマ、好きやなぁと自分でも感心。
東京では、上方の噺家を観る機会が
少ないが、雀々は東京に住まいを構えて
いるようで、独演会も定期的に演っている。
さて、昨日の開口一番は、笑福亭ベ瓶。
笑福亭鶴瓶の弟子で、先月の一之輔の独演会にも
出演していた。(その時の演目は「反対俥」。)
昨日の演目は「時うどん」。
上方のそれは、私には桂枝雀の
「ひっぱりなっちゅうねん」の印象が強いが、
ベ瓶のそれも面白かったね。
雀々の一席目は、「どうらんの幸助」。
言われるまで気がつかなかったが、
「どうらんの幸助」は、東京では
演じられていない、上方の落語だ。
私には、これも枝雀の印象が強いが、
米朝や文珍も CD でも聴いたことがあった。
何の道楽もなく、ただただ、
喧嘩の仲裁だけが楽しみという、
幸助というおっさんの噺。
ちょっとした時に、枝雀師匠の姿が
見え隠れして、師匠と弟子の関係の
深さを感じたね。
仲入りのあと、ゲストは春風亭一之輔。
一之輔は、今年だけで 8回目なので、
毎月観ていることになる。
演目は「粗忽の釘」。
先日観た「堀の内」同様、粗忽者(慌て者)の噺。
時間の関係で、途中で終わったのが
残念やけど、一之輔の粗忽者は面白い。
ラストは、雀々の「鯉船」。
これは、あんまり演る人がいない噺だが、
米朝の落語全集(CD)に収録されているのを
聴いたことがあった。
上方らしい、あほらしいオチです。
昨日、8月9日は雀々の誕生日だったようで、
55歳になったそうだ。
(顔に折り目がついてしもた。)
【 演 目 】
「時うどん」 笑福亭ベ瓶
「どうらんの幸助」 桂雀々
〜 仲入り 〜
「粗忽の釘」 春風亭一之輔
「鯉船」 桂雀々
@ 国立演芸場
2015.8.10
続く訃報
先週、花紀京が亡くなった。
子供の頃、毎週のように吉本新喜劇を観ていて、
大好きな役者さんだった。
長いこと見ていなかったけど、1989年に新喜劇を離れ、
2003年に倒れてから10年以上、闘病していたらしい。
合掌。
その前(7月31日)は、俳優の加藤武が亡くなった。
この人は、ホントに沢山のテレビドラマや映画に
名脇役として出演しているけど、私には、
石坂浩二の金田一耕助シリーズの警部役の
印象が強いなぁ。
合掌。
7月7日には、ジャズ・ピアニストの菊地雅章が他界。
30年ぐらい前にレンタルしたレコードがあって、
中にハンバーグの作り方のナレーションが入った
曲があった。
確か、この人のやったと思うねんけど、
アルバム名も曲名も思い出せない。
探してみたけど、それらしいものがない。
もう1回聴きたいねんけど、違う人かなぁ。
合掌。
訃報、続きます。
毎日誰かが死んでんねんから、しょうがないことやけど。
どんどん死が身近になっていきます。
今年に入って、亡くなったミュージシャン、俳優など。
2月14日 シーナ(シーナ&ザ・ロケッツメンバー)61歳没
3月15日 マイク・ポーカロ(TOTOのベーシスト)59歳没
3月19日 桂米朝(三代目)(落語家)89歳没
4月30日 ベン・E・キング(ソウル・シンガー)76歳没
4月15日 愛川欽也(俳優・声優・司会者)80歳没
5月14日 B.B.キング(ブルース・ギタリスト)89歳没
5月28日 今井雅之(俳優)54歳没
5月28日 今いくよ(漫才師)67歳没
6月 7日 クリストファー・リー(ドラキュラ役の俳優)93歳没
6月11日 オーネット・コールマン(ジャズ・サックス奏者)85歳没
7月 7日 菊地雅章(ジャズ・ピアニスト)75歳没
7月 8日 石田長生(ギタリスト)62歳没
7月31日 加藤武(俳優)86歳没
8月 2日 小川銀次(ギタリスト)68歳没
8月 5日 花紀京(喜劇俳優)78歳没
2015.8.11
この国の空
最近、私が注目の二階堂ふみ主演の
映画『この国の空』。
終戦の年、昭和20年の春頃から夏にかけての
若い娘と、隣に住む、妻と子供を疎開させた
中年男の物語。
とても叙情的・文学的な作品だった。
そして、昭和的とでも言おうか、
戦争中なのにどこか牧歌的で
のんびりした印象を拭えなかった。
とは言うものの、空襲はあるし、
本土決戦を迎えるかもしれないし、
人々はいつ死ぬかわからないという
緊迫した暮らしをしているんやけど。
「昭和的」と書いた理由のひとつに
二階堂ふみ演じる里子のセリフの言い回しが
あると思う。
まるで、昭和30年代の映画を観るかのような
セリフなのだ。
たぶん、それが当時のリアルなのだろうけど。
出演は、里子役の二階堂ふみの他、
妻子を疎開させ一人暮らししている隣人、
市毛に長谷川博己、里子の母に工藤夕貴、
叔母に富田靖子。
戦争映画ではないようで、戦争映画。
先日観た『日本のいちばん長い日』と
同じ時期の話で、映画は8月14日で終わる。
その日、市毛は新聞社の友人から、
日本は降伏するという情報を手に入れる。
その時点では、次の日が終戦だとは、
市毛も知らないのだけど。
陸軍将校たちが軍事クーデターを起こそうと
している一方で、戦争が終わることで、
愛する人のもとに疎開していた奥さんが
戻ってくることに不安と焦燥を感じる
若い娘がいる。
なんか、その振り幅の大きさに目眩を覚えつつ、
終戦70年の今年、『日本のいちばん長い日』と
セットで観たい作品です。
もちろん、こっちはフィクションなんやけど、
実際あったかも知れんからね、こういう話。
私は、映画鑑賞の前に、オフィシャルサイトの
監督のコメントを読んで、とても興味が湧いたので
気になる人は、読んでください。
二階堂ふみは、本作も良いです。
工藤夕貴、富田靖子もええ味出してました。
★★★★☆
2015.8.12
明日から、妻の実家山形へ行ってきますので
数日、お休みします。
ときどき写真展 32
めまい
2012.10.21 撮影
2015.8.15
あゆ茶屋
2泊3日で妻の実家、山形へ行って来た。
妻の実家は、山形県の置賜(おきたま)という
地域なのだが、置賜は雪国である一方、
盆地であるためか、夏は結構 暑い。
今年の夏は、全国的に暑いと思っていたが、
13日に行ってみると、びっくりするほど涼しい。
いや、涼しいを通り越して、肌寒いほどで、
長袖を持ってくれば良かったと思ったほどだった。
なんでも前日までは、すごく暑かったそうだが、
その日、雨のせいもあってか、
急に涼しくなったようだ。
おかげで、家にいるときはクーラー要らず。
朝晩は、ほんとに涼しく快適に過ごせた。
今日は、天気もよく外に出ると
少し暑かったけど。
山形では毎年、義父がどこかに連れて行ってくれるのだが、
今年は、私のリクエストで、西置賜郡白鷹町に
ある「あゆ茶屋」へ。
ここは、最上川の上流に当たるが、
日本一の規模だというヤナ場が常設されている。
ヤナ(梁)場というのは、川の中に足場を組み、
その上にすのこを置いて、上流から来た
魚が捕れるようにした仕掛けのこと。
初めて見たけど、上手くできている。
誰でも、そのヤナ場に入ってひっかかった
鮎に触ることができる。
でも、持って帰ったら、あかんらしい。
残念ながら、雨が降っていたので、写真は断念した。
さて、そのあゆ茶屋での食事。
せっかくなので私は「鮎定食」を注文。
鮎の塩焼き、鮎の田楽、鮎の甘露煮、鮎ご飯、
その他刺身こんにゃくなど、色々付いて1,940円。
ちょっと残念だったのは、鮎が焼きたてではなく、
焼いて置いてある感じがしたこと。
まあ、ドライブインみたいなところなので、
仕方ないかな。
追加で、食べたことのない鮎のお刺身を注文。
出てきたモノを見て、びっくり。
活け造りです。
口をパクパクさせてます。
見た目は、いわしほどの大きさやけど、
生で食べると、当たり前やけど、全く違うね。
いわしなんかより、もっと歯ごたえのある
シコシコした身でした。
でも、生より、焼いたり天ぷらにする方が、
美味いかな。
2015.8.15
ときどき写真展 33
満 開 朝 顔
2015.8.15 山形県(妻の実家の近くで)
2015.8.16
ときどき写真展 34
さよなら 夏の日
2015.8.15 山形県 米坂線(妻の実家の近くで)
2015.8.16
きみはいい子
気になっていた映画『きみはいい子』を
観てきた。
公開からひと月半以上経っており、
もう都内でも新宿の角川シネマで、
1日に1回だけの上映になっていた。
出演は、小学校教諭役に高良健吾。
夫が単身赴任のため、子供(幼児)と2人暮らしで、
その子供にたびたび暴力を振るってしまう
母親役に尾野真千子。
そのママ友に池脇千鶴。
スーパーの店員で、障害を持つ子供の
母親役に富田靖子、など。
親による子供への虐待、クラス内のいじめ、
老人の認知症など、現代の様々な悩みや
問題を抱えた人々の物語。
今、私たちに必要なものは何か。
一方で人と人とのつながりが希薄だと言われ、
一方で数年前の震災後には「絆」という言葉が
飛び交っていた。
常々、「絆」ってなんだろうと思っていたが、
こういうことかも知れない、と観終えて思った。
「それ」を、本作では「愛」だなどと陳腐には
説いていない。
もっとリアルな、極めて個人的で
それでいて普遍的な「それ」の大切さ、
力、必要性を描いている。
ある母親が言う
「子供に優しくすると、この子がほかの子に
優しくするの。
それが広がっていくと世界平和につながる。
母親の仕事は、すごい仕事なの」
という旨のセリフは印象的だった。
「ラストが中途半端」という感想があることを
レビューで読んでいたので、
どんなラストだろうと思っていたが、
「そこで終わるか」と思わず膝を叩きたくなるほどの
秀逸なラストだと思った。
控えめなアコースティックな音楽も非常に効果的。
どちらかというと物語は淡々としているが、
それが一層リアルさを増しているようにも思う。
途中、子供たちが宿題の感想を言うシーンは、
まるでドキュメンタリーのよう。
なんでもないシーンに泣かされます。
『この国の空』でええ味を出していた富田靖子が、
本作でも地味ながら、ええ味を出してます。
原作(中脇初枝 著)も読んでみたい。
久々のおすすめ作。
★★★★★
きみはいい子 オフィシャルサイト
2015.8.17
ときどき写真展 35
メルヘン
2015.8.14 山形県西置賜郡 白鷹産直市場どりいむ農園
2015.8.18
渋くなってきたぞ バードランド
「バードランド」という言葉は、
ジャズにとって、重要なキーワードだ。
まず、ニューヨークにあるジャズクラブの名前。
スペルは、"Birdland"。
名前の由来は、天才チャーリー・パーカーの
ニック・ネーム "Bird" から来ているらしい。
その名前を曲名に付けた
『バードランドの子守唄(Lullaby of Birdland)』は、
ジャズに詳しくない人でも、聞けば必ずや
聞き覚えがあるであろう超有名スタンダード。
ウェザー・リポートの『バードランド(Birdland)』も、
同様に誰もが聞き覚えがあるだろう。
そして、ギターの「バードランド」。
私が、2009年10月に購入した、
Gibson のギターの名前だ。
こちらのスペルは、"Byrdland"。
これは、1950年代にできたギターで、
ナッシュヴィルで活躍していたビリー・バードと
ハンク・ガーランドという2人のセッション・プレイヤーの
名前を取って名付けられた、シグネチャー・モデル
なのだった。
ちなみに私は、このバードとガーランドという
2人のことを全く知らない。
演奏も聞いたことがない。
ギタリストの名前であったレスポールが、
今や誰もが知るエレキ・ギターのモデル名であるように
バードランドもエレキ・ギターのモデル名として
浸透しているのであった。
さて、もうすぐ購入から6年になろうとする
私の バードランド君。
買った当初、新品の時は、トップ(表の板)の
色が白っぽいナチュラルだったが、
経年変化でだんだんと渋いアメ色になってきた。
アメ色に変色することを「焼ける」なんて表現をする。
私は実際に陽に当たって焼けて変色するのかと
思っていた。(畳や壁が焼けて変色するように。)
このバードランド君、人生で最高額のギターなので、
今だに弾いたあとは、必ず丁寧に拭いてケースに
しまっているのだが、ケースにしまっていても
焼けてきたのだった。
考えてみたら、ギターは、基本的にお陽さんに
さらすことないもんね。
陽に当たるの、昼間の野外ステージぐらいやもんな。
そんなん、もう20年以上演ってない。
購入時(2009年10月)のバードランド君
現在(2015年8月)のバードランド君
サイド(横)とバック(裏)は、
あんまり変色していない。
これは、材質のせいだろうか。
トップは、スプルース、
サイド・バックは、メイプルという木だ。
カタログには、どちらにも "High-grade" と付く。
2015.8.19
ライヴのお知らせ
ちょうど1ヶ月後の9月19日、
久しぶりのライヴを演ります。
メンバーは、下記のトリオで、
このトリオ編成では、初ライヴです。
[Members]
梅林ひさし(アルト・フルート)
つつみしんや(ギター)
古賀圭侑(ベース)
曲は、梅林さんの全曲オリジナル。
これが、とても良い曲ばかりなのです。
梅林ひさしとのデュオは、
来年の1月でなんと10周年!
自分でもビックリ。
こんなに長続きしたユニットは、初めて。
梅林さんは、年に数ヶ月間しか日本にいないので、
活動も限られるのだけど、それでも、
毎年練習は続けてきた。
ライヴは、2012年以来の 3年ぶり。
ぜひ、聴きに来てください。
20人ほどで満席になりますので、
メールをいただければ、お席を確保いたします。
[Informatin]
9月19日(土)
Open 18:30
1st show : 19:00〜
2nd show : 20:00ごろ〜
Music Charge : 無料 <チップ制>
@ bar dAZE(原宿)
2015.8.20
お詫びと訂正
昨日のエントリー「ライヴのお知らせ」に
ライヴの日を「9月19日(日)」と書きましたが、
「(土)」の間違いでした。
訂正いたします。
必死のパッチ
「必死のパッチ」って、わかるだろうか?
関西人なら説明不要だと思うが、山形育ちの妻に
訊いてみたところ、全く意味不明のようだった。
試しに「必死のパッチ」と入れて検索すると、
529,000件もヒットし、Yahoo!知恵袋には
「大阪の人が使う『必死のパッチ』って
どういう意味ですか?」という質問まで
見受けられる。
そして、なんと辞書にも載っている。
(Weblio辞書より)
極めて必死であることを意味する表現。
「必死」という語を強調した最上級とされ、
主に関西地方で用いられる表現である。
自分の努力などを誇示する際に使用することが多いが、
単にギャグとして用いられることもある。
(はてなキーワードより)
関西エリアにおける「一所(生)懸命」の最上級語。
自分がいかに精一杯頑張っているかを
アピールするのに使われることが多いが、
単に笑いを誘う事を目的に発せられることもある。
中年男性がよく口にするが、女性・若年層にも意味は通じる。
私には、全くもって普通の言葉だったので、
通じないことにびっくり。
全国的な言葉ではなかってんね。
で、やっと本題。
この「必死のパッチ」の意味をまず分かってもらわんと、
本題に入れなかったのだ。
上方の落語家、桂雀々の自叙伝『必死のパッチ』を読んだ。
読み始めたら、やめられなくなって 一気に読み終えた。
雀々は、昭和35年、大阪生まれ。
小学校6年生で母親に捨てられ、中学1年生で
父親に捨てられ、それから一人で生きてきたという
今の時代では考えられない生い立ちの人。
『必死のパッチ』は、文字通り、
彼の「必死のパッチ」で生き抜いた
小学6年生から、中学で落語に出会うまでの
数年間の壮絶なノンフィクション。
今ではもう ほとんどなくなったであろう、
大阪の下町の近所の暖かいコミュティの存在に
助けられ、人を笑わせることで、自分の
アイデンティティを保つ術を発見した少年の
心情は、涙なしでは読めません。
めちゃくちゃ一生懸命なのに
雀々の芸はなぜか暑苦しくない。
その意味が分かったような気がした。
落語を聴かない人でも読めます。
★★★★★
J亭落語会 月替り独演会
起笑転結シリーズ・笑
柳家三三 独演会
柳家三三(さんざ)の落語は、
2回ナマで聴いたことがあったが、
独演会は初めて。
残念ながら、今日は猛烈睡魔の日で、
前半は、ほとんど気絶状態。
全く起きていられない。
三席目「五目講釈」の終わり頃になって
ようやく起きていられるようになった。
なので、まともに最初から最後まで、
聴いたのは、最後の「質屋庫」だけ。
とほほ。
開口一番は、入船亭小辰の「金明竹」。
上方者の口上が、この噺の聴かせどころだ。
スラスラと一度も詰まることなく、
流れるようにその口上を言うのは、
素晴らしいと思ったが、いかんせん、
その上方者の口上以外の部分のイントネーションが、
全くなっておらず、聴いていて気持ち悪かった。
これ、他の東京の噺家にも
感じることなやねんけど、
なんとかならんのかなぁ。
この噺の終わり頃から、睡魔に襲われた。
三三は、正統派なイメージを持っていたが、
その通りの印象。
さすがは小三治師匠の弟子。
ま、何が正統派か分からんけど。
「五目講釈」の講談部分は素晴らしかった。
【演 目】
「金明竹」 入船亭小辰
「高砂や」 柳家三三
「五目講釈」 柳家三三
〜 仲入り 〜
「質屋庫」 柳家三三
@ JTアートホール アフィニス(虎ノ門)
2015.8.21
JESSE VAN RULLER TRIO
2012年には、ギター、クラリネット、ベースの
3人編成の Chamber Tones Trio で来日し、
美しいアンサンブルを聴かせてくれた、
オランダが誇るジャズ・ギタリスト、
ジェシ・バン・ルーラー。
今回の来日公演は、
ギター、ベース、ドラムによるトリオだ。
ベースは、前回と同じ クレメンス・ヴァン・デル・フィーン。
Cotton Club で 24日、25日と公演があるのだが、
1部2部 入替え制で、6800円。
今日の Motion Blue Yokohama での公演は、
入替えなしの 5500円!
というわけで、
断然お得な横浜公演を観てきたのだ。
(ジェシのライヴは、2005年、2012年に
続いて3度目。)
Motion Blue には、何度も足を運んでいるが、
今まで行った中で、一番お客さんが
入ってたんちゃうかなと思うような盛況ぶり。
ジェシは、ちょっとおでこが広くなり、
ちょっと腹周りがゆったりしてきた感じ。
何歳だろうと調べてみると、
1972年生まれで、今年 42歳。
10年前に観たときは、
まだ若いオニイチャンという印象だったが、
もう若手ではない年になっていたのね。
今日の演奏曲は、ジョー・ヘンダーソンに捧げた、
ニューアルバムからが中心。
そのアルバムは、未聴だったけど、楽しめた。
でも私は、クラリネット入りの
Chamber Tones Trio の方が好きやなぁ。
写真は、終演後のジェシのギター。
前回と同じく Gibson の ES-150DC。
一見 335のように見えるが、セミアコではなく、
ディープ・ボディのフルアコで、
1969年から5年間だけ製造されたというモデル。
ジェシが使うまで知らなかったモデルで、
今では大体、35万円くらいで出回っているが、
製造期間が短いだけに流通量は少ない。
きっと、ジェシのおかげで人気が上がったやろな。
[MEMBERS]
Jesse van Ruller(g)
Clemens van der Feen(b)
Joost van Schaik(ds)
@ MOTION BLUE YOKOHAMA
2015.8.22
ときどき写真展 36
一歳の目力
2015.8.19
ラブ&マーシー
終わらないメロディー
昨年は、フォー・シーズンズを描いた
『ジャージー・ボーイズ』、今年は、
ジミ・ヘンドリックスを描いた
『JIMI:栄光への軌跡』、
ジェームス・ブラウンを描いた
『ジェームス・ブラウン
〜 最高の魂(ソウル)を持つ男 〜』と
実在のミュージシャンを扱った映画が続いている。
音楽好きには嬉しいことだ。
今日は、ビーチボーイズの
ブライアン・ウィルソンを描いた映画、
『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』
(原題:"LOVE & MERCY")を観てきた。
ビーチボーイズのことは、
特別ファンというわけではなく、
知っている曲も『サーフィン・U.S.A. 』
『グッド・ヴァイブレーション』『サーファー・ガール』
『カリフォルニア・ガールズ』『ファン・ファン・ファン』
などの超有名曲ぐらい。
ビーチボーイズは、1962年のデビューなので、
ビートルズと同じ年のデビュー。
映画の中でも、彼らがビートルズを意識していた
様子が描かれている。
本作、成功者にありがちな栄光と苦悩を
描いた作品かと思っていたら、ちょっと違っていた。
ブライアン・ウィルソンは、病気のため
一時期、第一線から遠のいていたのだが、
その時期(80年代)と60年代とを織り交ぜながら
描いた、音楽映画というよりは、
ヒューマン・ドラマだった。
病気のブライアンは、主治医のユージーンに
ひどい治療を受けていた。
それを救ったのが、後に妻となるメリンダだ。
人を救えるのは、結局、人なんやね。
ブライアンがメリンダと出会って、
本当に良かった。
ところどころ、本物の映像かと思うような、
リアルな作りも良い。
鑑賞後、オフィシャル・サイトの解説を読むと、
ブライアンがおかしくなっていく理由について、
「新作へのプレッシャー」とあるのだが、
映画の中では、そのへんがイマイチ感じられず、
まるで、もともとおかしかったかのように
感じてしまったのは残念。
いずれにしろ、ブライアンは20世紀が生んだ
天才ミュージシャンの一人であることに
間違いはない。
60年代のブライアンを演じるのは、ポール・ダノ。
『リトル・ミス・サンシャイン』
『それでも夜は明ける』『プリズナーズ』と、
私が観た彼の出演作での彼の演技は、
全て印象に残っている。
ポールは、バンドもやっているらしく、
本作でもその歌声を披露しており、
劇中のピアノも実際に弾いているのが分かる。
80年代のブライアンを演じるのは、
ジョン・キューザック。
残念ながら、ジョンは実際にピアノを
弾いているようには、見えなかったな。
★★★★▲
世界に Love and Mercy を。
2015.8.23
DONALD HARRISON QUINTET
ドナルド・ハリソン・クインテット
ニュー・オリンズのファンキー・サックス、
ドラルド・ハリソンのライヴを観てきた。
実は、この人のこと知らなかったけど、
コットン・クラブからのお誕生月ご招待で
選べるライヴの中から、チョイスした。
東京3日間公演の3日目、その 2ndステージ。
何も知らずに行ったのが、とても楽しいライヴで
大当たりだった。
ニューオリンズの音楽というと、
色んな音楽がごった煮になりつつ、
ニューオリンズ独特の色があるという印象だが、
今夜のライヴがまさにそれ。
ハードなジャズから、ベースがエレキに持ち替えると
まるでファンク・バンドのようであったり、
セカンド・ライン(ニューオリンズのリズム形式)で
ニューオリンズの代表曲『IKO IKO』を演ったり、
最後には、ダンス・バンドのように客を立ち上がらせたりと
盛りだくさんで、本当に楽しめた。
あまりの楽しさに最後には、感動してしまったよ。
[MEMBERS]
Donald Harrison (sax,vo)
Detroit Brooks (g,cho)
Zaccai Curtis (p)
Max Moran (b)
Joe Dyson (ds)
@ Cotton Club
2015.8.24
芸人 坂崎幸之助
THE ALFEE というバンドは、
1983年の『メリーアン』がヒットしメジャーになったが、
デビューは1974年だったので、10年目のヒットだった。
確かにそれ以前の曲は、1曲も知らない。
でも、アルフィーという3人組のことは、
たまにテレビに出演していたので知っていた。
35年ぐらい前のことなので記憶がええかげんやけど、
音楽番組ではなく、バラエティ的な番組だった
ような気がする。
彼らの曲も演っていたのかもしれないけど、
全く記憶になく、まるでコミック・バンドのような
モノマネしか覚えていない。
特に坂崎の南こうせつのモノマネが面白かった。
当時彼らは、3人だけのアコースティックギターに
よるフォークっぽい演奏だった。
その後、『メリーアン』で出てきた時には、
ロックっぽいサウンドになっていて、驚いたものだ。
その後のアルフィーはヒット曲をたくさん飛ばし、
モノマネは(たまにはやっていたのかも知れんけど)
見なくなった。
私は彼らのその商業ロック歌謡的な音楽を
好きにはなれなかったけど、子供のころ観た
坂崎のモノマネは好きだったので、
ちょっと寂しかった覚えがある。
この数年、YouTube で色んな動画や音源が
見聞きできるようになり、
坂崎の音楽マニアぶりやギターのテクニックに
改めて感動したのものだ。
さて、その坂崎の面白い音源を発見した。
吉田拓郎とのラジオ番組(オールナイト・ニッポン)
でのモノマネ。
南こうせつが、海援隊の『母に捧げるバラード』を
歌ったり、武田鉄矢がかぐや姫の『妹』を
歌ったり、淡谷のり子が、クールファイブの
『長崎は今日も雨だった』を歌ったりと、
めちゃくちゃ面白い。
↓
これ。
同じ番組に山下達郎がゲストできたときの
坂崎の音痴の歌まね。
↓
これ。
その日の放送の全編はこれ。
結構、マニアックですが、音楽好きは必聴。
おもろいです。
坂崎みたいな人、友達におったら おもろいやろなぁ。
2015.8.25
ときどき写真展 37
日本の夏
2015.8.15 山形県(妻の実家の近くで)
2015.8.26
暑くないのに
今日は8月にしては、かなり涼しい日だった。
朝、出かけるときは、半袖だと肌寒いほどで、
長袖で出歩いている人もかなり見かけた。
ランチに入った、回転寿司でのこと。
私が座ったカウンター席の正面にいた板前さんが、
ホールの係りの人に、2〜3回、冷房を
強くするように言った。
別段、暑くもないのになぁ、と私は
不思議に思っていたが、途中で(あっ!)と
気づいた。
以前、ここにも書いたように、
私は刺激物(ワサビ、生姜、コショウ、唐辛子、等)を
食すると、頭のてっぺんから汗が吹き出す。
寿司屋に入っても、ガリとワサビで
100%、汗をふきふきの食事になる。
そう、板前さんは、私が汗をふきふき
食べているので、暑いと勘違いしたのだな。
たぶん。
暑いわけやないのに・・・。
2015.8.27
ときどき写真展 38
サンダル サンプル
2014.10.24 Capri, Italia
2015.8.29
テッド 2
テッドというのは、命の宿ったテディベア
(ぬいぐるみ)の名前。
一昨年、公開された映画『テッド』は、
大人向けの下品なコメディで、
結構笑った覚えがある。
その続編『テッド2』が昨日公開されたので、
早速観てきた。
もう、どうしようもないほど
下品でバカバカしいコメディ。
本作では、そのぬいぐるみテッドが、
人間の女性と結婚するところから、
スタートする。
ぬいぐるみが生きているだけでも
十分シュールやのにどこまでいくねん。
セリフは前作同様、「F」の付く言葉の連発。
下ネタとドラッグネタの応酬。
テッドが、市民権を得るために裁判で戦う。
バカバカしさの中に社会的なメッセージも
見え隠れする。
最後には不覚にもちょっと感動してしもた。
テッドの相棒は、前作と同じく
マーク・ウォールバーグ演じるジョン。
モーガン・フリーマンがちょい役(凄腕弁護士)で出演。
リーアム・ニーソンにいたっては、
変わったスーパーの客でちらっと登場。
作っている人は、かなりのオタクだろう。
映画やアニメ、コミックのパロディが
いっぱいありそうで、詳しい人なら
もっと面白いやろな。
バカバカしいけど、私は好きやな。
そして、そのバカバカしさに★ひとつプラス。
★★★★★
2015.8.30
桂米朝 追善落語会
大阪では、8月16〜17日と2日間にわたって、
サンケイホールで米朝一門会による
「桂米朝追善落語会」が開かれたが、
東京では、今日、開催された。
@イイノホール(内幸町)
まずは、米朝一門から、ざこば・
南光・米團治・宗助、4人による口上。
米朝には、22人の弟子がいるが、
一人も破門されていないとのこと。
そのことを孫弟子の南光が米朝に
「そりが合わない弟子もいるのと違いますか?
なんで一人も破門にしてないのですか?」と
質問したところ、米朝は、
「私を頼ってきた人をなんで破門にできよう」
と答えたという。
そのあと、米朝は、
「うちの弟子には、アホが3人おる!」と言って、
手洗いに立ったという。
3人て誰やろ?
落語の一番バッターは、桂宗助(そうすけ)。
私は初めて聴く噺家。
続いて、米朝師匠の息子、桂米團治。
演目は、米朝が、まだ先代の米團治に弟子入りする以前、
21歳の時に作ったという新作『淀の鯉』。
上方らしい、バカバカしい噺ながら、
これを21歳で作ったのなら、やっぱり天才やと思た。
そして、さすがはプリンスと呼ばれる米團治。
上方らしくない(?)品の良さがある。
続いて、南光の『義眼』。
これも、上方らしいアホらしい噺。
続いて、ゲストの三遊亭圓歌。
初めて聴く人で、
「圓歌」と聞いてもピンと来なかったのだけど、
「山のあなあな」と聞いて、思い出した。
思い出したと言うても、その「山のあなあな」という
言葉を子供の頃に聞いた覚えがあるだけで、
意味も何も分らない。
調べてみると、自ら吃音者であった、
圓歌師匠(当時は二つ目で歌奴)は、
『授業中』という自作の演目に
吃音者を登場させ、国語の授業で
「山のあなたの空遠く」と読ませるところを
「やや、やまのあなあな」と
吃らせていたのだ。
なんでか分からんけど、
その「やまのあなあな」は、
私の記憶に残っていたのだった。
1970年、圓歌を襲名後は、高座に専念し、
テレビ出演を控えたというから、
私が覚えているのも、
60年代(私が7〜8歳まで)に
テレビで観た記憶なんだろう。
この圓歌師匠が凄かった。
なんというか、その存在が凄くて、
私は噺を聞いているだけで、
わけもなく涙が出てきた。
今日は、圓歌師匠を聴けただけでも
行った甲斐があるほど。
本人は、85歳か86歳か分からないと
言っていたけど、落語協会の紹介には
1932年生まれとあるし、ウィキペディアには、
1929年生まれとあって、何がホンマかわからん。
もう伝説やね、こうなると。
もと国鉄の職員(新大久保の駅員)で、
1985年に日蓮宗本法寺で得度。
つまり、噺家であると同時にお坊さんなのだ。
仲入り後は、米朝師匠にゆかりのある方々
(米團治・柳亭市馬・三遊亭圓歌・矢野誠一
・大西信行・近藤正臣・木の実ナナ)の
トークコーナー。
近藤正臣が関西人(京都出身)だとは
知らなんだ。
続いてゲストの柳亭市馬による
『目黒のさんま』。
やっぱり、上手いね。
そしてトリは、ざこば師匠の『笠碁』。
ざこば師匠は、東京での公演が少なく、
なかなか機会がなかったので、
ナマで聴くのは今日が初めて。
『笠碁』は、私には五代目小さんのイメージが強く、
上方の噺家では聴いたことがなかったが、
なんと、元は上方の演目であったようだ。
ざこば師匠のは、今まで聴いた『笠碁』に比べ、
喧嘩する二人が、とても素直な純粋な
おっさんに感じた。
ロビーには、米朝師匠が着用していた着物、
羽織の他、愛用のカバン、古い写真や
ポスターなどが展示されていた。
残念ながら、撮影禁止やった。
おみやげにお客さん全員、
米朝師匠の額入りポートレートを
いただきました。
普段の落語会より、襲名披露や、
真打昇進披露や、今日の追善落語会のように
特別な機会の方が、貴重な話が聴けるな。
行って良かった。
【 番 組 】
ご挨拶(ざこば・南光・米團治・宗助)
「狸の賽」 桂宗助
「淀の鯉」(中川清作) 桂米團治
「義眼」 桂南光
「中沢家の人」 三遊亭圓歌(ゲスト)
〜仲入り〜
トーク(米團治・柳亭市馬・三遊亭圓歌・
矢野誠一・大西信行・近藤正臣・木の実ナナ)
「目黒のさんま」 柳亭市馬(ゲスト)
「笠碁」 桂ざこば
@ イイノホール
2015.8.31
at Home アットホーム
竹野内豊・松雪泰子主演の映画
『at Home アットホーム』。
「at Home」といっても
不動産情報サイトとは何の関係もない。
(あれは「at home」と全部小文字。)
空き巣の父親と、結婚詐欺師の母親と、
子供3人のめちゃくちゃ仲良し家族の
現実にはありえない物語。
そう言う意味では、大人のファンタジーと
言えなくもないが、テーマは深いと観た。
DV、育児放棄、性的虐待など
現代社会の家庭内問題を描きつつ、
家族ってなんやろ、
血のつながりってなんやろ、
血がつながってなかったら、
家族にはなられへんのんやろか、
けど、夫婦はもともと他人やんか。
そんな色々を考えさせられる作品。
ネットでは、ストーリーにツッコミどころが
満載と、評価がやや低いが、私は、
現実的でないフィクションとして
観ていたので、気にならなかった。
制作に吉本興業がからんでいるためか
板尾創路、千原せいじ、村本大輔の
芸人3人が出演。
竹野内豊は、だんだん渋くなってきたな。
★★★★★