2017年 12月
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2017.12.4
THE GREAT THING
4日も更新をサボってしまった。
サボったというのも変だが。
週末には映画を1本ぐらい観て
ギターの練習に勤しもうと思っていたけど、
たっぷり寝すぎて、映画の時間は
なくなってしまった。
ジャンゴ・ラインハルトの映画
『永遠のジャンゴ』を 観たかったのだが、
10日のライヴが終わってからにしよう。
今回のライヴに向けての準備は、
前回ほどプレッシャーはないが、
慣れてきたせい(?)と、スケジュールの関係で、
リハーサルの回数が減ってしまった。
まあ、プロの人たちは、
どうかすると、当日の打合せだけなんて
こともあるぐらいだから、
こんな感じで充分なんだろうな。
さて、今日は以前に見つけて、
英語の勉強(全然 はかどっていない)にも
なると思った名文を紹介しよう。
The great thing in the world is
not so much where we stand,
as in what direction we are moving
人生において重要なのは、
自分が今どこにいるかではない。
どこに向かって進んでいるかだ。
オリバー・ウェンデル・ホームズという
19世紀のアメリカの作家・医学者の
言葉らしい。
練習の励みになりますな。
2017.12.5
飲茶倶楽部
恵比寿の駅近くにある飲茶倶楽部。
誰かに教えてもらわなければ、
ちょっと行くことはなかっただろう
ビルの6階にある、隠れ家的なお店だ。
今年1月に会社が恵比寿に越してから
知ったお店だが、すでに7〜8回
リピートしている。
高級中華で出されるより旨い、
飲茶が魅力の店だが、
飲茶だけではなく、中華チマキや
麺も美味しい。
写真は、焦がした葱の香りがたまらない、
その名も「焦がし葱の和えそば」。
2017.12.7
RICO YUZEN × EMiKO VOiCE
もう、30年以上前のこと。
大阪でやっていた ジャズ・フュージョンの
バンドで、何度か「仕事」をさせてもらった。
どこかのホテルの宴会場で
どこかの会社のパーティとか、
そんな「営業」の「仕事」だ。
ある時、その仕事で女性シンガーと
一緒になったことがある。
それが、友禅(RICO)さんだった。
その時、何を演奏したのかも
覚えていないのだけど、
たぶん、Randy Crawford とか
Seawind とか演ったような気がする。
その後、RICOさんはご主人の転勤で
外国に行かれた。
アメリカや、ドイツ、オランダなどに
住んでいたようだが、
現在は、ニューヨーク在住。
その RICO さんが、ニューヨーク録音(!)の
新しい CD を出されて、
リリース・ツアーのために一時帰国している。
最後に会ったのは、
大阪に住んでいた時(22年以上前)だから
会うのは、何年振りか分からないのだけど、
今日は、その東京公演に行ってきた。
吉祥寺の老舗ジャズクラブ「サムタイム」で、
EMiKO VOiCE さんというシンガーと
"2 MUSES IN 1 NIGHT" ライヴだ。
まず1部は、ピアノによるインスト1曲のあと、
RICOさん4曲、EMiKOさん4曲。
本場仕込みのジャズを歌う RICO さんに対し
EMiKOさんは "Someone To Watch Over Me" の
ヴァースをいきなり日本語で歌い出した。
続く "Chega de Saudade" や
"The Days Of Wine And Roses" も
斬新なアレンジで、前衛的なようなのだが、
なぜか懐かしい感じがする。
テーマは、「和ジャズ」ということなので
もしかしたら昭和の歌謡ジャズの DNA が
混ざっているのかも知れない。
英語の歌の途中で、日本語の歌詞になったり、
台詞のようなポエムのような語りが出てきたり、
ともすると 私があんまり好きでは
ないようなことも不思議と彼女の場合、
とても自然な印象で嫌な感じがしなかった。
独自の世界観があって楽しかった。
ピアノの佐藤浩一、ドラムの岡田ケイタ は、
彼女の最新 CD のレコーディング・メンバー
でもあり、すでにツアーをこなしてきている
ようで、そういう意味では、アレンジも
しっかりしており、RICO さんとの
セッション的なジャズとは好対照であった。
長い外国暮らしの中で日本人としての
アイデンティティを模索してきた
RICO さんの英語によるジャズと、
もろ「和」のテイストを打ち出しながら
(衣装が着物!)独自路線を追求する
EMiKO さんの和ジャズと、
ダブルで聴けて楽しいライヴだった。
EMiKO さんは、2部では、端唄、小唄も。
これも、奇をてらった感じがなくて良かった。
これなら、寄席にも出られると思ったよ。
「和ジャズ」とは別にブラジルものの
プロジェクトもやっているそうで、
そっちも ちょっと面白そう。
バンドは、ピアノとドラムの2人で、
通常なら、ベースがいても良いところだが、
2人である分、自由度が増した感じで、
特にドラムの岡田ケイタを、
かなり気に入ってしまった。
この人、完全に解放されている感じ。
ずっと見てて飽きない。
知らなかったけど、ググってみると、
日野皓正、山中千尋などと演っている人でした。
この人も、注目。
「サムタイム」には、初めて行ったのだけど、
客席がぐるっとステージを囲む感じになっている。
つまり、演者からすると 360度客席なので、
後ろにもお客さんがいる状態。
私の席は、ピアノのすぐ後ろで、
手を伸ばせば、ピアニストの背中に触れる距離。
ちょっと上から見下ろす感じだったので、
ピアニストの譜面を見ながら、
ライヴを聴くという、初めての体験をしたよ。
ピアニストは、背中しか見えなかったけど
ドラマーは、ピアニストと向かい合って
座っていたので、顔が見えたのも良かった。
[ SETLIST ]
― 1st Show ―
1. インスト(曲名不明)
2. Devil May Care (vo:Rico)
3. Blame It On My Youth (vo:Rico)
4. Moon River (vo:Rico)
5. New York State Of Mind (vo:Rico)
6. Someone To Watch Over Me (vo:EMiKO)
7. Chega de Saudade (vo:EMiKO)
8. The Days Of Wine And Roses (vo:EMiKO)
9. 東京節 〜パイノパイノパイ〜 (vo:EMiKO)
― 2nd Show ―
1. I've Got You Under My Skin (vo:Rico)
2. My Heart Belongs To Daddy (vo:Rico)
3. Everything Must Change (vo:Rico)
4. Bye Bye Blackbird (vo:Rico)
5. さのさ (vo:EMiKO)
6. 奴さん (vo:EMiKO)
7. Poinciana (vo:EMiKO)
8. When You Wish Upon A Star (vo:EMiKO)
9. Edelweiss (vo:EMiKO)
EC. White C hiristmas (vo:Rico & EMiKO)
[ MEMBERS ]
友禅リコ(vo)from N.Y.
EMiKO VOiCE(vo)
佐藤浩一(p)
岡田ケイタ(ds)
@ SOMETIME(吉祥寺)
2017.12.8
HIROMI × EDMAR CASTANEDA
上原ひろみ & エドマール・カスタネダ
LIVE IN JAPAN TOUR 2017
今年の上原ひろみのニューアルバムは、
ハープ奏者のエドマール・カスタネーダとの
デュオ作『ライブ・イン・モントリオール』。
CD を買った特典のスペシャルイベントに
申し込むとなんと当選!
9月28日にいち早く、2人の生演奏を
聴くことが出来た。
9月23〜24日に予定されていた
「Blue Note JAZZ FES.」が日本初の
演奏の予定だったようだが、
それが中止になったので、
たぶんだけど、そのスペシャルイベントが
(5曲だけだけど)ライヴとしては、
日本初演だったんじゃないかな。
テレビ収録は、先にやっているだろうけど。
さて、いよいよその2人のライヴに行ってきた。
クラブ公演(ブルー・ノート or コットン・
クラブ)にするか、ホール公演(すみだ
トリフォニー・ホール)にするか、
ずい分迷いながら、ぴあの抽選(ホール)に
申し込むもはずれ、ブルーノートの会員の
抽選に申し込むもはずれ、
イープラスのホールの抽選でようやく当選した。
11/22 に 神戸国際会館でスタートした
このツアーも大阪、東京、名古屋、福岡、
静岡を周り、今日が14日目の公演で千秋楽だ。
席は、3階だったけどサイドの席で
平面で見るとステージから9列目ぐらいで、
悪くない。
ちょっと上から見下ろす感じだけど。
(あれ、昨日もピアノを後ろから見たな。)
曲は、アルバム『ライブ・イン・モントリオール』
からの全曲と、それぞれのソロを1曲。
エドマールのソロは、"Jesus Of Nazareth"、
ひろみのソロは、The Trio Project の
アルバム『VOICE』から "Haze"。
美しい、美しい曲だ。
会場入り口には、開演19:00、
終演20:40 と貼り出されていたけど、
終わってみると、21:20。
しかも休憩なしですぜ。
たぶん始まったのが、5分ぐらい
遅れていたかもしれないけど、
それでも2時間15分ほど演ったことになる。
組曲 "The Elements" 4曲だけで
おそらく50分位あったように思う。
全編凄かったけど、この "The Elements" は
特に素晴らしかった。
CD で聴く以上に。
「風 (AIR)」「大地 (EARTH)」「水 (WATER)」
「炎 (FIRE)」からなる4曲なのだが、
音楽で、ここまで表現できるものなのかと
思うほど、それぞれのエレメンツが
表現されていた。
中でも「炎」の ソロのやり取りは圧巻。
技術もスピリットも最高だと思った。
この曲で、ひろみはピアノの鍵盤のふたを
閉め、パーカッションのように叩く。
ピアノの蓋を演奏中に閉める人は、
初めて観たよ。
クラブ公演では、2時間以上も
演ることはなかっただろうから、
ホールを選んで正解やったね。
ひとつ、残念なのは席のせいもあると
思うけど、スピーカーの死角にいたためか、
音像がややクリアさに欠けたこと。
MC も聞き取りにくかった。
これは、ホールの残響の影響もあると思う。
このプロジェクトに2枚目はあるのだろうか。
The Trio Project の再活動はあるのだろうか。
これからも目が離せないな〜。
あ、今年はもう一度、ひろみを観に行くんだ。
今度は「上原ひろみ×熊谷和徳」。
12/20、オーチャードホールです。
[ SETLIST ]
[ MEMBERS ]
Hiromi Uehara (piano)
Edmar Castaneda (harp)
@ Sumida Triphony Hall
[ 関連エントリー ]
2017.9.28 当選! スペシャル・イベント
12月 8日
今日 12月 8日は、76年前、
太平洋戦争のはじまり、
旧日本軍による真珠湾攻撃が行われた日だ。
(音楽ファンにとって12月 8日は、
アントニオ・カルロス・ジョビン、
ジョン・レノンの命日でもあるけど。)
真珠湾攻撃は、日本軍にとって
成功と言われているが、
被害がなかったわけではない。
29機の戦闘機や爆撃機を失い、54名が戦死した。
アメリカ軍は多くの軍艦に被害を受け、
2,345名が戦死、1,347名が負傷。
(ウィキペディアによる。)
日本軍の戦死者の中には、まだ19歳の兵士もいた。
死後、「母上様に先立つは遺憾なれども、
軍人となりしわたしの最大の孝行と信ず」
という遺書が見つかったという。
(元ネタ記事)
今の世の中、19歳でお国のために
死を覚悟する人はいないだろうし、
いなくて良いと思うのだが、
本人も親もどんな気持ちであっただろう。
想像できない。
普段は平和すぎて戦争のことなど
忘れてしまいがちだが、
終戦記念日や原爆の日とともに、
開戦の日も今の平和に感謝し、
世界平和を祈ることを忘れずにいたい。
北朝鮮のミサイルの報道が続く。
金さん、判断、間違わないでね。
2017.12.10
ライヴ中止
本日予定されていた、
和田明 × つつみしんや のライヴは、
中止になった。
明の喉の調子が悪く、昨日、
急性声帯炎 との診断を受けた。
治るまで声を出さないようにと
言われたらしい。
今日はなんとか奇跡的に声が
出はしないかと、判断は
今朝まで待ったが、残念ながら
中止の判断となった。
楽しみにしていて下さった方々には、
申し訳ないです。
年明けに改めて
スケジュールしたいと思います。
なので、中止というよりは延期か。
準備していたクリスマス・ソングは
演れないだろうけど。
考えてみると、当日、ライヴを中止に
したことは、長い音楽人生で初めてだと思う。
生きていれば、そんなこともあるだろう。
何よりも一番つらいのは、
明 本人だろう。
早く全治して、また素敵な声を聴かせてもらおう。
2017.12.11
Early Color / Saul Leiter と
Amazon.com での買い物
今年の5月にソール・ライターの
ドキュメンタリー映画 『写真家ソール・ライター
急がない人生で見つけた13のこと』を観、
6月に『写真家 ソール・ライター展』
(写真と絵画展)を観て、すっかり
ソールのファンになってしまった。
会社のデスクの上には、今もソールの作品を
3枚、ポストカードで飾ってあるほど。
映画を観たその日(5月28日)にAmazon で、
ソールの写真集 "Early Color" を注文した。
6月4日の「ソール・ライター展」の
エントリーには「(洋書なので)
外国から取り寄せ中で、1ヶ月以上かかりそう」
と書いているのだが、注文から6ヶ月以上
経った今日現在、まだ届いていない。
その間、Amazon から数回、
入荷が遅れている旨のメールが届いている。
入荷の遅れにより商品が不要となった場合は、
キャンセルするようにとの説明付きで。
キャンセルする理由もないし、
入荷しないことがハッキリしたら、
Amazon 側からキャンセルしてくるので、
気長に待っていたのだが、
半年以上経って いまだに来ないのだ。
今日また、Amazon から同様のメールが届いた。
今までと同様の文面で、
入荷の可能性はまだあるようだ。
私が注文した時(5月28日)は、
4,743円だったのだが、
今日、商品のページを見てみると、
新品が、24,730円〜42,362円で売られている。
これは、Amazon が売っているのではなく
マーケット・プレイスと呼ばれる、
誰かが Amazon に出品して売っているものだ。
海外発送のものと国内発送のものが混在しており、
中古品でも一番安くて 24,420円。
中には「中古品(ほぼ新品)」と
書かれたものが、37,257円とある。
品薄になっているので、
プレミアが付いているのだな。
もしAmazon が「入荷の見込みなし」と
判断してキャンセルになっても、
24,000円は高くてちょっと見送るなぁと
思っていると、商品のレビューに
「日本ではプレミア価格が付いているので、
アメリカの Amazon で購入した」という
書き込みがあった。
試しに amazon.com を見てみると、
32.51ドルで売ってるやん。
う〜む、(今さらだが)そういう手があったのか。
今まで、アメリカの Amazon では
買い物をしたことがなかったけど、
思い切って注文してみた。
まあ、「思い切って」というほどでは
ないねんけど、全部英語なので、
少し不安あるわけなのだ。
既にアメリカの楽譜サイトで何度も
楽譜をダウンロード購入しているし、
基本的に画面が日本の Amazon と
同じようなので、難しくはなかった。
ちゃんと、受注確認のメールも
届いたので一安心。
日本の Amazon への注文はキャンセル。
送料は、
「averages 9-12 business days
AmazonGlobal Standard Shipping」
という一番安い 7.98ドルのを選んだ。
これで、年内には届くだろう。
トータルで 40.49ドル。
今日のレートなら日本円で4,600円ほど。
おう、日本で注文していたのより安いやんか!
でも、たぶん、もう少し高いレートで
計算されるだろうな。
それでも、5,000円ぐらいかな。
こんなに簡単にアメリカ(Amazon.com)で
買い物が出来てしまうと、やばいよね。
余計なもの買ってしまいそうや。
2017.12.12
永遠のジャンゴ
DJANGO
ベルギー出身のジプシー・スウィング・
ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトを
描いた映画『永遠のジャンゴ』。
ジャンゴは、ジャズ・ギターの歴史上、
チャーリー・クリスチャンと
並んで避けては通れない人物。
といっても私は全く詳しくなく、過去に
ベスト盤のようなCDを買った記憶はあるが、
曲は有名な "Minor Swing" ぐらいしか
分からない。
ジプシー・スウィングは、
雰囲気は好きだけど。
さて、この映画は第二次大戦中、
フランスがドイツに占領されていた頃の話。
パリにいたジャンゴは、
ベルリンに来てドイツ軍のために
演奏するよう言われるが、
スイスに逃げようと家族とパリを脱出する。
ナチスは、ユダヤ人だけではなく、
ジプシーの人たちも弾圧しており、
ジャンゴの仲間も殺されたりしていたのだ。
国境近くの村で、身を隠すがそこでも
嫌々ドイツ軍のために演奏することになる。
ジャンゴは若い頃にやけどを負い
左手の薬指と小指が自由に動かなくなったので、
残りの2本の指でギターを弾いていたのだが、
映画では、ジャンゴを演じるレダ・カテブが、
その感じをうまく演じていた。
劇中音楽を実際に演奏しているのは、
ストーケロ・ローゼンバーグ(gt)率いる
ローゼンバーグ・トリオ。
音楽は、良かったのだけど、
映画としては、ちょっと物足りないな。
スイスに逃げるのに国境の村で
数か月足止めを食う。
湖を船で渡る算段のために動けないのかと
思っていたら、結局、歩いて山越えを
することになる。
これやったら、もっと早くに
逃げられたんちゃうのと思ってしまった。
もちろん、道案内が要ることなので、
簡単には逃げられないのだけど。
ラストシーンでは、スイスに逃げたはずの
ジャンゴがパリで自作曲の演奏会を
開くのだが、どういう経緯でスイスから
パリにもどったのかも、分からない。
1945年5月と出たような気がするので、
ドイツは降伏した後のことだろうけど、
なんか話が飛び過ぎた感じ。
ジャンゴを描くならもっとジャンゴに
焦点を当てて欲しかったと思うのだが、
残念ながら、戦争映画としても、
ミュージシャンの半生を描いた映画としても
不完全燃焼な印象で終わった。
ジャンゴが時間にはルーズだけど、
音楽には厳しかった人だったとか、
戦時中のナチスのジプシー・ミュージシャンの
扱いを知ることが出来たのは良かった。
戦争は、実にバカバカしいと思う象徴的なこと。
ドイツ軍はジャンゴに演奏を
してほしいくせに、注文を付けてくる。
たとえば、(笑ってしまったけど)
「シンコペーションは、全体の5%」
「ソロは5秒で終れ」とか
「ブルースは演奏するな」
「速いテンポで演奏するな」
一体なんやねん。
あと、映画の宣伝文句に
数人のギタリストの名前を挙げて、
「もっとも影響を受けた "ギターの英雄" と
讃える天才ギタリスト、ジャンゴ・
ラインハルト」って書いてあるんやけど、
そこに書いてあるギタリストの中の
少なくともエリック・クラプトンについては
「もっとも影響を受けた」は言い過ぎちゃうか。
他の人たち(ジミヘン、BBキング、
ジミー・ペイジ、ジェフ・ベックなど)も
「もっとも」なのかどうかは疑問。
間接的に皆、ジャンゴの影響は
受けているとは思うけどね。
★★★▲☆
この動画を観ると、指2本で弾いているのが
よく分かる。ジャンゴ 1939年のライヴ。
(映画とは直接関係ありませんが。)
↓
Django Reinhardt & Stephane Grappelli
- Jattendrai Swing 1939 - LIVE!
『永遠のジャンゴ』オフィシャルサイト
人生はシネマティック!
THEIR FINEST
もう1本、奇しくもこれまた戦時中の映画
『人生はシネマティック!』。
舞台は、イギリス、ロンドン。
『永遠のジャンゴ』と共通しているのは、
戦争と芸術の関わり。
『永遠のジャンゴ』では、軍が
人々を抑えつけるために、
音楽さえもコントロールしようと
していたが、本作では映画が
戦意高揚、プロパガンダとして
利用される様子が描かれている。
その中でも映画人は、命懸けで作品を
作っていたのだ。
ヒロインのカトリンは、
たまたま書いた広告コピーを
英国情報省映画局に認められ、
脚本家の仕事に就く。
英国でも女性の地位は低かったのだろう。
あからさまに男性より安い賃金を
提示されるが、それは問題にはならない。
カトリンは、才能を発揮し、
仕事にやりがいを見出していく。
と同時にラブ・ストーリーも
展開していく。
カトリンが製作に関わることになった映画が
フランス、ダンケルクでの大救出作戦の
エピソードを描いたもの。
ダンケルクといえば、先々月
そのタイトルも『ダンケルク』という
映画を観たばかりだ。
おかげで、その背景がとってもよく分かり
めちゃくちゃ理解に役立った。
あの映画を観ていなかったら、
全くなんのことか分からずじまいだったと思う。
しかし、本作は戦争映画というよりも、
戦争時のラヴ・ストーリーという印象。
つまり、日々、周りの人が空襲で
亡くなっていくという日常。
以下、ややネタバレ注意。
途中でラブ・ストーリーの先が読めてしまい、
一瞬冷めてしまったのだが、そのあとに、
予測しない悲しい来事が用意されており、
観客は「えぇ〜そんなぁ〜」となる。(たぶん)
それでも、前を向いて生きていく、
女性を描いている。
脇を固める人たちが素晴らしい。
特に老役者を演じるビル・ナイが良い。
あと、イギリス空軍に属するアメリカ人役で
出てくる人がいて、絶対最近の映画で
観た顔だと思ったけど思い出せなかったら、
『女神の見えざる手』のエスコート・サービスの
兄ちゃんやんか!
★★★★☆
『人生はシネマティック!』オフィシャルサイト
2017.12.13
続・上原ひろみ & エドマール・カスタネダ
LIVE IN JAPAN TOUR 2017
上原ひろみ & エドマール・カスタネダ、
先日のライヴの話の続き。
今回の東京公演は、Cotton Club が、
3日間(11/28〜11/30、6公演)と
Blue Note が3日間(12/1〜12/3、6公演)
と、すみだトリフォニーホール での
一公演があり、どれに行こうかずい分迷った。
クラブにはクラブの良さがあり、
ホールにはホールの良さがある。
基本的に、小さなハコで間近に
観る方が好きだけど、
クラブだと入替制の公演が多く、
どうしてもホールに比べて公演時間が
短くなってしまう。
今回は、ホール公演を観に行って、
休憩なし、2時間15分ぐらいの演奏を
たっぷり聴くことが出来た。
11月28日に行われた Cotton Club と
12月 1日に行われた Blue Note 公演の
ライヴ・レポートが Blue Note のサイトに
アップされたのでチェックしてみると、
両日のセットリストは、ほぼ同じだったようだ。
「ほぼ」と書いたのは、エドマール、
ひろみ、それぞれのソロ曲までは、
曲名が記載されていないためね。
[ 11/28、12/1 両日のセットリスト ]
(*) 印は、私が観に行った12月8日のホール公演で演奏された曲。
ー1stー
1. A HARP IN NEW YORK (*)
2. FOR JACO (*)
3. MOONLIGHT SUNSHINE (*)
4. CANTINA BAND (*)
5. EDMAR CASTANEDA -SOLO- (*)
6. HIROMI -SOLO- (*)
7. SPAIN
EC. LIBERTANGO (*)
ー2ndー
1. ENTRE CUERDAS
2. PLACE TO BE
3. HIROMI -SOLO-
4. EDMAR CASTANEDA -SOLO-
5. THE ELEMENTS - AIR (*)
6. THE ELEMENTS - EARTH (*)
7. THE ELEMENTS - WATER (*)
8. THE ELEMENTS - FIRE (*)
EC. MARGARITA!
ご覧のように1st と 2nd で同じ曲は演っておらず、
アルバム『ライブ・イン・モントリオール』の
収録曲を 1st と 2nd で分けているのが分かる。
アルバム以外の曲も数曲 演っており、
これを見ると それも聴きたかったなと思う。
特に "SPAIN" は、面白そうだ。
きっと、それぞれのソロ曲も
数曲準備されていたことだろう。
ライヴ CD か DVD 出ないかなぁ。
ホール公演では、アルバム収録曲を
全曲聴けたわけで、クラブに比べて
時間は確かに長かったので満足なのだが、
セットリストを見ると、クラブ公演も
観てみたかった。
これは「両方観る」が正解やな。
2017.12.15
水に流せるのか 1
明日のハルトラとのライヴのリハーサルを
終えて、久しぶりにハルトラの2人と食事をし
家に着いたのは、昨夜の24時20分ごろだったと思う。
2日前から、妻は所用でマレーシアに
行っており不在だ。
部屋に入ると、隣の部屋から異音が聞こえた。
何の音か全く見当がつかなかった。
電気をつけてみると、天井からベッドと
その周辺に水が落ちてきていた。
表現が難しいが、ポタポタというレベルを
超えて、あちこちに水が落ちている。
2階から漏水しているのだ。
時間が時間ではあったけど
これは緊急事態だ。
すぐに2階に駆け上がり呼び鈴を押した。
2階に住んでいる人とは、面識がなかった。
出てきたのは、女性で事情を説明すると、
お風呂も洗濯機も何も、水道は使っていないという。
確認に部屋に入らせてもらったが、確かに
お風呂は空っぽだし、どこにも水は見えない。
こうなると1階の天井と2階の床の間で
水漏れが発生していることになる。
時々ポストに入っている、水道修理業者の、
マグネット式の広告を見て、「24時間」と
書いてあるところに電話をかけてみる。
(24:34)
電話口の人に「賃貸の場合、大家さんからの
申し出が必要」と言われ、すぐ裏に住んでいる、
大家さんちのインターホンを鳴らす。
大家さんはご高齢だし、こんな時間に気が引けるが、
水が止まらないのだ。
気を使っている場合ではない。
大家さんの許可を得て、再び先ほどの
業者に電話し、何時頃来れるかの返事を待つ。
5分ほどして折り返しの電話があり、
「明日の朝8時以降」と言われた。
それまで待てないので、
他の業者を当たると断りを入れた。
大家さんと相談し、2階の部屋の水道の
バルブを止めることにした。
2階の人は、水道が使えない状態になるが、
協力的だ。
バルブを止めたものの、天井からの水は、
一向に弱まらない。
それどころか、私が帰宅した時には、
水が出ていなかった部屋の天井からも
ポタポタと落ち始めた。
タオルやバスタオルで、床の水がそれ以上
広がらないようにせき止め、家中のゴミ箱、
バケツ、洗面器で水を受ける。
それでも足りないので、タッパウエアや
ボウル、コップなんでも良いから、
あちこちに置いて、水を受けた。
洗面所や、お風呂の天井からも
水が落ちている。
どうしてよいか分からず、
「途方に暮れる」って、こういう感じかなと思う。
タオルで水を吸い取りバケツに入れる。
バケツの水を、洗面所に運び流す。
水が冷たい。
タオルを何度も絞るので、手が痛くなってくる。
イヤになってくるが仕方がない。
そうこうしているうちに午前3時ごろ、
大家さんが手配してくれた、
水道工事業者が到着。
結局、2階のベランダ付近の床下が
怪しいということは分かったが、
その時点では、何もできず、
夜が明けてから、別の業者に対応して
もらうことになった。
この時点で、バルブを止めたはずの
水道メーターがまだ回っていることが発覚。
水道工事業者によると、バルブが弱いので、
完全には止まらず、チョロチョロ
漏れ続けているというのだ。
参った。
午前5時ごろ。
水の落ち方が、ピーク。
水滴ではなく、線になって落ちている。
参った。
もう会社を休むことを決意。
ベッドでは眠れないので、イスの上で
少し横になる。
1時間でゴミ箱の水がいっぱいになっている。
↑ベッドの上ですぜ。
ギターやPCが濡れなかったのは、
不幸中の幸い。
続く。
2017.12.16
水に流せるのか 2
バルブを締めてもチョロチョロと
水が流れ続けているので2階からの
漏水は止まることを知らず、
昨日の朝になっても続いた。
昨日、午前10時ごろ工務店の人が、
水道メータ−のところの配管を緩め、
水を外に逃がすことをしてくれたので、
やっと天井からの水漏れは弱まり始めた。
これで、天井裏での水漏れは
止まったわけだから、
すでに天井裏に溜まっている水が
全部落ちれば、おさまるわけだが、
よほどの量がたまっているのだろう、。
夜になっても、数か所でポタポタと
水が落ちてきていた。
ダメになったベッドや布団を外に出し、
床の水を全部ふき取り、
押し入れの中も濡れてしまったので、
中のものを全部出した。
冬用のまともな布団もないし、
押し入れにあったものを乾かすためにも
部屋に出したので、布団があったとしても
寝るスペースもない。
仕方なくホテルに泊まることにした。
大家さん、工務店さん、水道工事業者さん、
水道局の人、仲介不動産屋、保険の代理店、
保険の鑑定人、設備会社の人、
たくさんの人に会い、何度も同じ説明をした。
元々夜は、何カ月も前から決まっていた、
楽しみにしていた友人たちとの
忘年会の予定だったが、
とても行く気にはなれず、キャンセルし、
夕方、マレーシアから戻ってきた妻と
片づけを始めた。
妻は妻で、オーバー・ブッキングのため
乗るはずだった飛行機に乗れず、
大変だったようで、我が家は
踏んだり蹴ったりな年末だ。
結局、6時間ほど遅れて帰ってきた。
非常事態に脳内なんとかが分泌されていた
のだろうか、ほとんど寝ていない割には
昼間は元気があったが
夜になると、さすがに疲れが出てきた。
まだ、タンスの裏側など、
状況を確認しなければならないところが
2〜3あるのだが、タンスを動かす
場所もエネルギーもなく、
昨日は押し入れの中のものを出すまででやめた。
ホテルに行くまで、夜10時半ごろまで自宅にいたが、
まだ水は止まらず、壁と壁の間でも
ポタポタと音がしている状況だった。
大家さんがとても親切に対応して下っているので、
不安はないが、結構、時間と労力が大変です。
これを書くことで、気持ちの整理になってます。
今日は、昼間、ハルトラのライヴのサポート。
夜は、貞夫さんのコンサートに行った。
それらのレポートは、また今度。
(もう今日は書けない。)
帰ってきて3時間ほど片づけした。
まだまだかかりそう。
今からホテルへ寝にいきます。(24:00ちょうど)
2017.12.17
水に流せるのか 3
昨夜、まだノーチェックだった
枕元の棚を見たのだが、
これが、思っていた以上に色んなものが
濡れており、棚をどけると
床にも水が少し溜まっていた。
心配していたタンスの裏は、
壁には少し水が垂れていたけど、
タンスの中にまでは、
浸水していないようなので一安心。
昨夜は、一度だけどこかから
水が落ちるポタッという音が聞こえたが、
どうやら、漏水は完全に終わったようだ。
漏水の発生時間は正確には
分からないけど、12/14(木)の
23〜24時ごろとして、最後の水滴の音を
聞いたのは、約48時間後ということになる。
一体、何リットル漏れ出したんやろ。
今日は、朝ホテルをチェックアウト後、
家に帰って片づけの続きをした。
午後3時に音楽関係のアポがあったし、
夜はこれまたライヴに行く予定に
なっていたので、数時間だったけど。
心配した友人夫婦が、
手伝いに来てくれたおかげで、
かなり前進した。
妻は、今日も出張で東京におらず、
ひとりで片づけのつもりだったので、
精神的にも 労力的にも 時間的にも
ずい分と助かった。
ありがたいことです。
片づけが済むと残りは補償の問題だ。
こういう経験は、初めてなので
保険がどこまで利くのか分からない。
大家さんは、良い人で今日も様子を見に
来てくれて、なにかと気遣ってくれる方なので
あんまり心配はしていないけど。
もう一つ、うちの部屋の内装の問題もある。
カビの心配があるので、
壁や床をやり直すとなると、
その間の生活の問題が出てくる。
生臭い話になるが、
奇しくもこの事件のタイトルにした
「水に流せるのか」どうかは、
保険会社と大家さんの対応次第なのである。
幸いこの件に関して、
不思議と誰に対しても何に対しても
怒りの感情や文句が自分の中にないので、
このまま、「水に流せる」不満のない
解決になればと願う。
というか、そうなるだろう。
まあ、仮に不満が残って「水に流せない」と
思ったとしても、大したことではない。
そんなもん私の心理的なことでしかないから。
何日ホテル泊りになるかと、
心配したが、2泊で終りそうだ。
友人が寝具を持ってきてくれたので、
今夜から、自宅で寝ることが出来るのだ。
なんか、家で寝れるというだけで嬉しい。
こんな風に思えるんやなぁ。
当たり前に思ってることが、
凄いことやねんなぁ。
しみじみ。
地震、津波、台風、大雨の被害を
いっぱいテレビで観てきた。
そういうのに比べると、うちの被害なんて
ホンマに大したことない。
そう思うと、ああいう自然災害の
甚大な被害に遭われ、避難所生活を
強いられることの大変さが、
ちょっとだけ分かったような気がする。
たぶん、分かってないと思うけど。
2階の方は、いまだに完全に断水で
ホテル住まい状態。
復旧には1週間とか言われていたけど、
年末で工事が立て込んでいそうなので、
延びなければ良いと思うが。
水道管は、修繕ではなく、
新しいものを引き直すということなので、
今後再発の心配はなさそう。
建物は、築20年ほどのようなので、
老朽というには、ちょっと早い。
2階の床をめくって、調査することはなさそう
なので、原因は不明のまま終わるのかな。
あんまり、年末の大掃除とかちゃんと
したことなかったけど、今年は、
本格的に大掃除になってしまったよ。
2017.12.18
水に流せるのか 4
ようやく家の中が片付き、
日常が戻ってきた感じだ。
といっても、ベッドはないし、
洗面所の照明は、
水に濡れ 故障したままだけど。
昨日も書いたけど、
これから、部屋の内装、被害の補償など
まだまだ本件が終わるまでは、
時間がかかる。
これは、ここ数年の人生のデトックスと
考えることにしよう。
考えれば、考えるほど
ギターが一滴も濡れなかったのは、
不幸中の幸いだ。
漏水のあった日、妻はマレーシアに
行っていて不在だったのだが、
水が一番激しく落ちてきていたのは、
日頃、妻が寝ている場所で、
しかもまるで体に沿うように形で
水が漏れてきていた。
妻がいれば、その時間、ベッドに
横になっていてもおかしくなかったわけで、
いない時にこういうことが起こるというのも
どういうわけか、妻らしいのである。
そして、いつも妻がコンピュータを
置いているデスクの上にも
結構な水が落ちたのだが、
コンピュータをマレーシアに
持って行ったおかげで、
その被害もまぬがれた。
ところで、妻は会社で手帳を作って
売り出した。
その手帳には、毎日やることを書く
「わんわん★ルーティン表」というページがある。
そこに書く項目は、毎日やる(やりたい)こと。
例えば「甘いものを食べない」とか
「運動をする」とか「本を読む」とか
そういう出来そうで出来ないことを書く。
で、そのことをその日やったかどうか、
毎日チェックを入れ、1カ月見開きで、
どれだけそのことをやったかどうか
視覚的にもチェックできるようになっている。
なぜ「わんわん」かというと
来年は戌年で、犬といえば「しつけ」が大事。
自分自身をしつけしようというわけだ。
つまり、自分へのサポートに
使うという目的のものだ。
水漏れ事件のあと、妻が言った。
「私、わんわん★ルーティン表に
『ふとんの整理』って書いたの。
そしたら、毎日やらないので、なんで
こんなこと書いちゃったんだろうって
思ってたら、ふとんの整理ができちゃった。」
そもそもこの表は、「毎日」やることを
書くのであって、「今年中にやろう」と
思っていることを書くのではない。
それをどういうわけか、妻は書き、
毎日そのページを見ては、やっていないと
気にしていたらしい。
まあ、年末に布団の整理をしようと思ったので
書いたんだろうが、結局、整理をしたのは、
私だし、こんな方法じゃなくても
布団の整理は出来るだろうに。
あいかわらず不思議な妻なのだ。
ハルトラ
〜 OLYMPUS SUPER LIVE 〜
自宅が水漏れで非常事態の一昨日、
ハルトラのライヴにサポートで出演した。
ギターの山ちゃん(Ya'mangelo)とは
2012年 9月の Mellow Flavor の
ライヴ以来、5年ぶり。
ヴォーカルの陽香ちゃんとは、
2011年12月に某団体のクリスマス・パーティで
共演して依頼、6年ぶり。
右向いて左向いたら、5〜6年経っていたような
そんな感じだ。
年とるの早いわ。
さて、「OLYMPUS SUPER LIVE」ということで、
西新宿のオリンパスのショールームでのライヴ。
数日前にオリンパスのサイトを
チェックしてみると、ライブの詳細ページに
私の名前があって、(なぜか)驚いた。
お客さんは、たまたま通りがかりの人もいたけど、
ハルトラを応援しているファンの方も多く、
ライヴはアットホームなムードで進行した。
彼らと出会ったのが2007年。
初ライヴが、12月1日だったので、
あれからまる10年だったのね。
前述のとおり、5〜6年ぶりの共演だったけど、
リハでは感じなかった感情が本番中に沸いてきた。
「ああ、この感じ〜」という
旧友に久しぶりに会ったような独特な感じ。
そういうの演奏中に感じるの、初体験。
また演りたいな。
[ MEMBERS ]
ハルトラ(vo:Haruka gt:Ya'mangelo)
gt:つつみしんや
@ オリンパスプラザ東京(新宿)
渡辺貞夫
Christmas Gift vol.25
SADAO WATANABE Re-Bop Night
9月の「TOKYO JAZZ」での
「渡辺貞夫 CALIFORNIA SHOWER 2017」が
あまりに素晴らしかったので、
やっぱり観に行くことにした、一昨日の公演。
貞夫さんの最新アルバムは、今年発売された、
ビバップをテーマにした6年ぶりのジャズ・アルバム。
(もう1枚同時発売でバッハを吹いた2000年の
コンサートのライヴ盤も出たけど、そっちは未聴。)
レコーディング・メンバーによる、
そのニューアルバムと同じタイトルの付いたライヴだ。
貞夫さんの仕事っぷりは驚くばかり。
8〜9月には「CALIFORNIA SHOWER 2017」、
そして9〜10月には、ブラジルの
モニカ・サルマーゾ(vo)を招いてのツアー。
11月には、自身のクインテットで四国九州を周り、
12月は、この「Re-Bop Night」。
12月8日(横浜)、9日(軽井沢)、10日(西宮)、
12日(札幌)、14日(岡山)、15日(大阪)と
周り、今日が東京で千秋楽。
オヤジ 84歳ですぜ!
演奏は、バンドが黒人3人のためか、
ずいぶんファンキーに感じたね。
水漏れ事件の疲れが出たのか、
悔しいことに途中何度か気を失ってしまったけど
素晴らしかったです。
曲は、ニューアルバムからだけではなく、
"What's Now" なども。
"What's Now" って、
デイブ・グルーシンの息子が1歳の時、
「ダディ」「マミー」に続いて
初めて喋った言葉だって。
1回アンコールのあと、9月の東京JAZZ と同じく
無伴奏でマイクも通さず "Carinhoso" の独奏。
ここで私はついに落涙。
20分位の休憩を挟んで、全部で2時間15〜20分
ぐらい演ったかな。
凄いよ。
84歳。
84歳というとどうしても、自分の両親
(父 87歳、母82歳)と比べてしまうのだけど、
クリエイティヴな人生を送っていると、
本当に年を取らないんだなと思った。
「来年のクリスマス・コンサートは、
ここ(オーチャードホール)で
ストリングスとスタンダードを演ります」
って、もう来年の12月の予定が決まっている!
5月にもベン・ウィリアムス(b)らとの
コンサートがある。
これも観に行きたいなぁ。
[ MEMBERS ]
渡辺貞夫 -Sadao Watanabe-(as)
サイラス・チェスナット -Cyrus Chestnut-(p)
クリストファー・トーマス -Christopher Thomas-(b)
ブライアン・ブレイド -Brian Blade-(ds)
@ Bunkamuraオーチャードホール(渋谷)
MARTIN TAYLOR & ULF WAKENIUS
マーティン・テイラー&ウルフ・ワケーニウス
昨日は、これまた楽しみにしていた
マーティン・テイラーと
ウルフ・ワケーニウスのデュオ。
このデュオは、2011年4月以来2度目。
マーティンは、2012年の
ミリュエル・アンダーソンとの
デュオ以来だから、5年ぶり?
そんなに経ってるのか。
時間が経つのが速過ぎる。
(訂正)
昨年1月にこのデュオに渡辺香津美が
加わったトリオで演ったのを観に行ってました。
凄く良かったのに忘れていた。
なので約2年ぶり。
さて、ライヴは、ウルフはやや控えめで
マーティンがメインのような印象だった。
控えめと言っても、ブリブリ弾いていたし、
音量もマーティンよりウルフの方が、
明らかにでかく聞こえたけど。
これは、ギターのサウンドのせいも
あるかもしれない。
マーティンは、あんまり見たことのない
小ぶりなフルアコで、
かなりアコースティックなトーン。
一方のウルフは、たぶん前回と同じ Benedetto。
こちらも小ぶりな(たぶん)フルアコだが、
fホールはない。
こちらは、かなりエレクトリックなトーン。
非常に対照的。
演奏は、もうファンタスティック。
今回は、アジア・ツアーということで、
シンガポール、クアラルンプール、
香港、マカオと周ってきたようなので、
2人の息もバッチリ。
セッションというより、ちゃんと
アレンジされていた部分も楽しめた。
また、すぐに来ると言っていたけど、
ホントに実現するといいな。
[ MEMBERS ]
Martin Taylor (gt)
Ulf Wakenius (gt)
@ Cooton Club
2nd show
2017.12.19
スティーヴ・ルカサー
Steve Lukather ‘Nerve Bundle’
ルークの新しいバンド名
「Nerve Bundle」の意味は、
ルークのインタビューを読むと、
「Head of your cock(ペニスの先端)っていう
意味の卑猥な言葉さ。
医療用語では nerve bundle(神経の束)って
呼ぶのさ」とある。
なるほどあそこには神経が集まっていそうだ。
アメリカでは、みんな知っていることらしい。
困ったバンド名やな。
さて、今日はその「Nerve Bundle」の
ライヴに行ってきた。
TOTO は、武道館クラスで演るバンドなので
ルークをクラブで観られるのは貴重な機会。
2015年2月にラリー・カールトンと
ルークの共演をブルーノートで観たので
クラブで観るのは、2回目。
この人は ROCK やなぁと
改めて思ったライヴだった。
と言っても荒々しい ROCK ではなく
ラウドであっても、きれいに弾く。
ギターの音に説得力がある。
ソロ・アルバムも少し聴いて行ったのだけど、
印象に残っていた曲はやらなかったので
ルークのソロ曲は、曲名が分からない。
クリスマスということで
"The Christmas Song"、もう全く別の曲ですな。
クラシック・ロックも何か演るだろうと
思っていたら、ジェフ・ベックの
"Brush With The Blues" をかなりスローでシブく。
TOTO も1曲演ったけど、初期の曲ではなかったので
これも曲名が分からない。
でも、この曲が一番良かったな。
アンコールでは、"Silent Night" を
ルーク・ワールドで。
全部で75分ぐらい。
ギターは、(たぶん)ルーク・モデルを
2本使い分けてた。
今年、還暦のルーク。
先月、若い頃のセッションワークを
集めた第2弾『セッション・ワークスII』が
リリースされたので、購入してみた。
本人は覚えていない仕事もあるようだが、
いずれも素晴らしいギターワークだ。
楽曲的には、80年代的過ぎて、今では
繰り返し聴く気にならないものもあるけどね。
[ MEMBERS ]
Steve Lukather (Gt, Vo)
Jeff Babko (Key)
Jorgen Carlsson (B)
Toss Panos (Dr)
@ Billboard Live TOKYO
2nd show
ところで、隣の席のカップルの男性が
女性に、TOTO のバンド名は、メンバーが
日本に来たとき、便器の TOTO を見て
それでバンド名に付けたと説明していた。
女性は「でも、それは『トト』ではなく
『トウトウ』でしょ」と言い返していたけど。
私も若い頃、何かで読んだ。
ボズ・スキャッグスのバックで来日した時、
日本でどこに行っても便器が TOTO なので
こんなに有名なら バンド名にしようと
決めた、という話。
実は、これメンバーの誰かが冗談で言ったこと。
なのに結構、信じてしまった日本人が
いたみたい。
私もその一人。
数年前、冗談だと知ってショックだった。
ずっと信じていたから。
隣の席の男性にも教えてあげたかったけど、
口を挟むのも変だし、黙っていたよ。
2017.12.20
水に流せるのか 5
昨夜遅く、妻が「洗面所の照明具に
水が溜まっている」と言い出した。
先週の木曜日の夜の漏水時、
その照明具からも、水が落ちてきており、
漏水から数時間でその照明は点かなくなった。
照明具からは、土曜日の夜まで
水が落ちていたのを確認したが、
その後、床が濡れていたことはないので、
水は全部抜けた(落ちた)ものと
思い込んでいた。
まさか、水が止まって3日も経っているのに、
と思いながら、見上げてよ〜く観てみると
ゲゲッ!
照明のカバーにたっぷり水が入っている。
私はカバーの中心のネジ穴から
水が出てきていると思っていたが、
どうやら、落ちていた水は、カバーから
あふれて出てきていたようだ。
なんとか、苦労してカバーを外す。
中にはバケツ半分以上の水が溜まっていたよ。
この中にたっぷり溜まっていた。
念のため蛍光灯を外した照明具。
上原ひろみ×熊谷和徳 TOUR 2017
生のタップダンスのステージを観たのは、
2010年のSavion Glover だけだ。
これは、強烈だったのを覚えているが、
ふだんタップダンスを観ることはない。
今日は先日、コロンビア・ハープの奏者
Edmar Castaneda とのデュオを
観てきたばかりの上原ひろみと
タップダンサー熊谷和徳のショーを観てきた。
ふたりは何度も共演しているが、
私は観るのが初めてだった。
タップとピアノの共演というと
ピアノ演奏に合わせて、
タップを踏む程度のイメージしか
持ち合わせてなかったが、
良い意味で期待を裏切られた。
インタビューの中でひろみは、
タップを楽器だと言っているが、
まさにピアノとタップのデュオだった。
一番、驚いたのは、
ピアノがタップの伴奏をしたとき。
ダンスのための音楽を演奏してるのではなく、
タップという楽器のソロの伴奏だったのだ。
そして、2バースや4バースも演る。
完全に楽器だ。
そこにビジュアルのインパクトも加わる。
一体、どうやったらそんなに細かい
リズムを正確に足で踏めるのか。
どんな筋肉なんだろう。
ひろみは、ニューヨークのタップフェスで、
初めて熊谷のタップを観たときに
「見つけた!」と思ったという。
ハープの Edmar を初めて観た時も
似たようなことを言っていたんじゃないかな。
もう、一瞬で分かるんだろうな。
熊谷のタップは、ステージ上の専用の
板の上で行われる。
高さは15〜20cmぐらいだろうか。
160cm四方ぐらいのものと、
その倍ぐらいの大きさのものと
2つ用意されていた。
中にはマイクが仕込まれていて、
時にはディレイをかけ、
効果を出していた。
板の上でも場所によって
音が変わるので、その辺も
使い分けているようだった。
小さい方の板を使った時は、
板の上に何か粉をまいていた。
ざらざらした音を出すためだと思う。
"Seeker" 演らないかなぁと思っていたら、
2曲目で演りました。
凄く良かった。
2部の "Jupiter" の時、
急に睡魔に襲われたのが残念。
なんやろなぁ。
なんで、あんなに聴きたいのに
睡魔が来るかなぁ。
アンコールで、熊谷はステージを降り、
客席でタップ。
客席の一部にも板が仕込まれていたようだ。
目の前でタップをされたお客さんはラッキーやな。
そして、"What A Wonderful World"。
とても素敵なデュオだった。
休憩を挟んで全部で2時間10〜15分くらい。
[ SETLIST ]
1. Tohoku 〜 Wanderer
2. Seeker
3. The Times They Are A-Changin'
4. What Will Be, Will Be
5. Place To Be
〜 休憩 〜
6. Tap into the Light (熊谷和徳 solo)
7. Desert On The Moon (上原ひろみ solo)
8. Jupiter
EC. What A Wonderful World
[ 出 演 ]
上原ひろみ(Pf)
熊谷和徳(Tap)
@ Bunkamuraオーチャードホール(渋谷)
[ 上原ひろみ×熊谷和徳 TOUR 2017 ]
12/16(土) NHK 大阪ホール
12/20(水) 東京 Bunkamuraオーチャードホール
12/21(木) 東京 Bunkamuraオーチャードホール
12/23(土) 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋)
12/26(火) 仙台電力ホール
12/28(木) 倉敷市芸文館
2017.12.21
京浜電鉄?
先日のこと。
山手線の電車に乗っている時、
そばに立っていた若者2人組の
会話が聞こえてきた。
どうやら、女性の方が関西から
東京に出て来てまだ間がないようだ。
男「もう、電車とか慣れた?」
女「全然わからないですよ。
京浜東北線って、京浜っていうくらいだから、
JRじゃないですよね?」
男「JRだよ。」
どうやら女性は、関西の私鉄と
混乱しているようだった。
2つの土地を結ぶ鉄道の名前には、
それぞれ地名の一文字を取ったものが多い。
例えば、東急の東横線は、東京と横浜だし、
埼京線は、埼玉と東京を結んでいる。
大阪なら、阪神電鉄は、大阪と神戸を結んでいる。
そこで女性が混乱していた、関西の京浜電鉄って、
どことどこを結んでいたんだっけと考えた。
関西の場合「京」は「京都」だ。
「浜」はと考えたが、思い付かない。
あれ?
「浜」の付く地名ってあったかなと考え、
気が付いた。
関西にある鉄道は、「京浜」ではなく
「京阪」電鉄だ。
そう、京都と大阪を結んでいる鉄道だ。
件の女性は、「京浜」と「京阪」が
ごっちゃになっていたのだろう。
そんなことさえ、すぐに気が付かないほど、
すっかり東京人になってしまった私です。
2017.12.22
和田明・赤坂拓哉・山本連
予定していなかったけど
急きょ、和田明・赤坂拓哉・山本連の
トリオを聴きに COCHI へ行ってきた。
結果、先週の土曜日から今日までの
この一週間は、気が付いたら7日中
5日もライヴに行っていた。
これは、たぶん記録だろうな。
さて、今日のライヴ。
ヴォーカル、和田明。
初めて聴くピアニスト、赤坂拓哉。
そして、ベースに山本連。
明と連にピアノやギターが加わる編成は
いくつかの組み合わせがあるようだが、
そのピアノやギターによって、
同じ曲でも大きく違ってくるのが面白い。
今日のピアニスト、赤坂さんは
明のお気に入りということだったが、
確かに良かった。
独特のフィールで、特にスローの時の
音使いは好きだったな。
私も明とのライヴで演る曲が、
全く違う世界になっているのを聴くと、
刺激があって良い。
ああ自分も、もっと自由に演れるんやないかと
いう気がしてくる。
そんなわけで、インスパイアリングなライヴでした。
満席。
[ MEMBERS ]
和田明 (Vo)
赤坂拓哉 (P)
山本連 (Eb)
@ COCHI(小岩)
Early Color / Saul Leiter と
Amazon.com での買い物
その2
先日、初めてアメリカのアマゾンで注文をした。
日本では品薄になり、プレミアムの付いている
ソール・ライターの写真集を買ったのだ。
注文から、10日以上経ったので、
ちょっとどうなっているか配送状況を
覗いてみた。
We'll email you when we have a delivery date
We’ll ship your order as soon as possible
This usually happens when an item doesn’t have
a release date, it’s pre-ordered, or it’s out of stock.
翻訳ソフトに入れ、その訳を自分なりに修正してみると
こんな感じか。
納期が決まりましたらはメールでお知らせします
できるだけ早くご注文を発送させていただきます
このメッセージは通常、アイテムにリリース日がないか、
予約注文されているか、在庫切れの場合に表示されます。
つまり、まだ発送されていないという意味だ。
しかも、「在庫切れの場合」とある。
いやいや、注文時、在庫あるって書いとったやん。
今も、あることになっているけど、
私が注文した時より、少し高くなっている。
というわけで、年内には届きそうにないな。
2017.12.23
素晴らしき哉、人生!
It's a Wonderful Life
ジェームズ・スチュアート主演の1946年の
アメリカ映画『素晴らしき哉、人生!』を
DVD で鑑賞した。
「哉」は「かな」と読むので、
今年公開されたウィル・スミス主演の
『素晴らしきかな、人生』と同じ邦題だが、
J・スチュアートの方の原題は、
"It's a Wonderful Life" で、
W・スミスの方は、"Collateral Beauty"。
全然 意味が違う。
なんで、古い名作と同じ邦題を
付けてしまったんでしょうかね。
それはさておき、
『素晴らしき哉、人生!』。
ジェームズ・ステュアート演じる、
ジョージ・ベイリーの身に起こる、
クリスマス・イブの奇跡の映画。
お金に困ったジョージは、
自殺をしようと思っていたら、
目の前で男が川に飛び込み、
その男を助ける羽目になる。
飛び込んだのは、ジョージを助けに来た
(翼がない)2級天使のクラレンス。
「自分なんか生まれてこなければよかった」
というジョージを、クラレンスは
ジョージが存在していない世界に
連れて行く。
そこでは、ジョージがいないがために
不幸になっている人達がいるのだった。
もう71年も前の作品だが、
普遍的なテーマで、今でも十分に楽しめる。
ヒロインのドナ・リードも美しく良い。
★★★★☆
2017.12.24
はじまりのボーイミーツガール
LE COEUR EN BRAILLE / HEARTSTRINGS
フランスのベストセラー青春小説を
映画化した『はじまりのボーイミーツガール』。
フランス語の原題は、
"LE COEUR EN BRAILLE" で、
「点字の心」のような意味のようだ。
英語題は、"HEARTSTRINGS"。
「心の琴線」の意味だが、
ヒロインの少女マリーが、チェロを弾くので、
そのストリングス(弦楽器)と
「琴線」をかけているような気がする。
あいかわらず邦題は微妙ですな。
12歳の少年少女の淡〜い恋の物語。
マリーは、目の病気を患っており、
失明の危機に面しているが、
音楽学校に進学する夢を諦めきれない。
プロフィールを見ると、
主人公の少年ヴィクトールを演じる
ジャン=スタン・デュ・パックも、
マリーを演じるアリックス・ヴァイヨも
ふたりとも2003年生まれなので
同じ年なのだが、これくらいの年齢は
世界中どこでもそうなのだろう、
女の子の方が明らかに大人っぽい。
アリックス・ヴァイヨは、
実際にヴァイオリンを演っているようで、
チェロの演奏シーンも
本当に弾いているかのように見えた。
以下ネタバレ。
ラストシーンは、マリーが音楽学校の
入学試験でチェロを弾くシーン。
弾きながら、視力がどんどん衰えていくのだが、
マリーは、至福の表情で演奏する。
映画は、そこで終る。
このあと、マリーには失明という
人生の困難が待ち受けているので、
ハッピーエンドとは言い難い。
音楽学校に進学できるかどうかも
分からない。
フランス映画らしいと言えば
それまでだが、そんな終わり方なので
私はどのように受け止めればよいのか、
いまだに考えあぐねている。
フランス人は子供のころから
愛情の表現が日本人とは違うのだろうな。
女の子に見つめられて
「君に見つめられるのは好き」なんて、
日本の男の子は、恥ずかしくて
言えないだろう。
それとも恥ずかしいの私だけか?
★★★★☆
2017.12.25
夢の三競演 2017
〜三枚看板・大看板・金看板〜
昨年同様、落語の聴き納めは、
上方落語界の大物、
桂文珍、桂南光、笑福亭鶴瓶による
夢の三競演。
この3人による落語会は、
大阪では14年目、東京では 4年目。
それぞれ一日だけの公演で、
立ち見も出ているほどの大盛況だ。
私は、2014年、2016年に続いて
3度目で、この3人の高座は、
3人とも1年ぶり。
まずは、3人による口上に続き、
鶴瓶の弟子、鉄瓶(てっぺい)による
「明石飛脚」。
初めて聴いた噺。
「明石」は、兵庫県の明石。
大阪から明石まで飛脚で往復するだけの
噺だが、上方らしいバカバカしい一席。
続いて鶴瓶師匠の「妾馬(めかうま)」。
「八五郎出世」という別題もある。
江戸時代、お殿様に見初められ、
長屋からお屋敷に側室に奉公に上がったお鶴が、
男の子(後継ぎ)を生んだので、
兄・八五郎がお殿様に呼ばれてお屋敷に行く話。
八五郎のハチャメチャさが面白いだけではなく、
家族の物語でもあり、上手い噺家の手にかかると
ちょっと涙ぐんでしまう。
さすがの鶴瓶師匠、泣かされました。
続いて、南光師匠の「抜け雀」。
今年は、とり年だったせいか
新年最初に観た高座で、文枝師匠の
「抜け雀」を聴き、今年最後の落語会で
これまた「抜け雀」。
小田原の旅籠のオヤジがなんで大阪弁やねんと
思っていたら、大阪人が旅籠に養子に入ったという
設定になっていた。
なるほどね。
仲入りをはさんで、文珍師匠の
「へっつい幽霊」。
文珍師匠のくすぐりも好き。
今年は、3人とも古典だった。
[ 演 目 ]
口上(桂文珍・桂南光・笑福亭鶴瓶)
「明石飛脚」 笑福亭鉄瓶(開口一番)
「妾馬」 笑福亭鶴瓶
「抜け雀」 桂南光
〜 仲入り 〜
「へっつい幽霊」 桂文珍
@ TBS赤坂ACTシアター
2017.12.27
Char
Acoustic Tour 2017
年々、観に行くライヴの数が増えており、
今年は68本ものライヴ、コンサートに足を運んだ。
その今年のライヴの締めくくりは、
今年、人生で初めてファンクラブなるものに
入会した、Char さんの
アコースティック・ライヴ。
大阪・群馬・東京(3回)・岩手・秋田・
長野、合計8か所のツアーの今日は千秋楽。
アコースティック・ライヴということで、
Char さんは、YAMAHA のアコギ 1本のみ。
しーたかは、パーカッション。
澤田さんは、エレクトリックの
ウッド・ベース・タイプ。
曲は、覚えている限りで。
"Zig Zag Zone" に始まり、
(あとは順番めちゃくちゃで)
"Head Song"、"Wasted"、
"ふるえて眠れ"、"Superstition"、
"White Room"、"Get High"、
"Rippa na Slippa"、"All Around Me"、
"Presence Of The Lord" からメドレーで
"上を向いて歩こう"、"気絶するほど悩ましい"、
"I'm Here For You"、"スーダラ節"、
"ハピネス"、等。
あとレッド・ツェッペリンの曲も1曲演ったな。
本編最後は、"Smoky"。
アンコールは、"Jeff's Boogie"、
"フリフリ"(スパイダースの曲ね)、
そして、めっちゃ久しぶりに
"Without Love"。
この曲、90年代に Pink Cloud で
初めて聴き、その後、金子マリも
カバーしていたけれど、
今日の Char さんの MC によると
沖縄の KYAN MARIE というシンガーのために
書いた曲だったそうだ。
知らなかった。
探してみよう。
2度目のアンコールで
"Shinin' You Shinin' Day"。
休憩なしで全部で2時間10分くらいかな。
終わってから大勢のファンが、
Char さんにプレゼントを直接手渡そうと
ステージ前に押しかけてた。
数年前のライヴで、エレキで演っているのに
途中でアコースティック・コーナーがあった。
その時は、全部エレキの方が良いのにと
思ったけれど、今日のように全部アコギだと
それはそれで楽しかった。
というか、もうこのレベルになると、
ギターの音が歪んでいないのと
アームが使えないだけで
あんまり関係ないように感じたね。
数日前に公開された、
ファンクラブ会員限定のネットで観られる
番組で、初めてアコギで "Head Song" を
今日の3人で演るシーンがあった。
「これ、行ける」みたいな感じだったので、
今回のツアーのセットリストに
入ったんちゃうかな。
そう思うと思うと、なんかちょっと舞台裏
覗けたみたいで嬉しいな。
[ MEMBERS ]
Char(Gt, Vo)
澤田浩史(Ba, Cho)
古田たかし(Perc, Cho)
@ 紀尾井ホール
2017.12.28
水に流せるのか 6
ちょうど2週間前、
天井裏の水道管から水漏れが発生し、
家の一部が水びたしになり、
ベッドや布団、押入れの中の一部の物も
濡れてダメになった。
2階にお住まいの方は、
水道管復旧までの間、断水を余儀なくされ、
ホテルで寝泊まりされていたようだが、
2〜3日前に水道管復旧工事が
完了したので、自宅に戻られたようだ。
ホテルに10泊ぐらいされただろうから、
ずい分ご不便だっただろう。
我が家の方は、やはり壁や天井などの
内装のやり直しをすることになり、
工事期間中、大家さんがお持ちの近所の
空部屋にいったん移動という提案をされたが、
家財道具ごとの移動になるので、
この際、引っ越してしまった方が、
一度の移動で済むだろうということになった。
なので、年明け早々に引越準備と
物件探しが始まるのだ。
今の家に越してきたのは、2009年7月。
8年半ほど住んでの引っ越しとなる。
良い物件が見つかるといいな。
2017.12.29
欲があるから困るんだ
今日、ボスに言われた。
「欲があるから困るんだ」
確かに「金が欲しい」も、
「人に良くみられたい」も
自分の欲。
言い換えれば、ただのエゴ。
欲を手放せれば、人生 何も困らない。
2017.12.30
水に流せるのか 7
天井裏の水道管から水漏れが発生したのは
今月の14日の夜。
今日で16日目だ。
天井から落ちてくる水が完全に
止まるのは、丸2日を要した。
水が完全に止まってから3日経って、
洗面所の照明のカバーに
水がたっぷりとたまていることを
発見した。
もう家の中には水はないものと
勝手に思い込んでいたようだが、
今朝、何気なくキッチンの
照明を見上げて、ゾッとした。
照明のカバーに水が溜まっているのである。
写真のカバー下部の線が水面。
黒い点々は汚れだ。
こんな風なのに、
なぜ、今まで気が付かなかったのだろう。
照明は、問題なく点灯するので、
全く気に留めていなかったし、。
キッチンは、窓際にほんの少しの
水漏れがあっただけで、
基本的に無事だったということも
注意がなかったことの要因だ。
もしかしたら、水漏れ発生から
数日経って少しずつ行き場のない水が
ここに流れてきたのだろうか。
いずれにしろ、とにかく
水を抜かなければならない。
五十肩がひどい時だったら、
どうしようもなかっただろうが、
幸い腕は上がるようになっていたので
良かった。
妻と2人で水がこぼれないように
カバーをはずそうと試みるが、
これが中々外れない。
外れない仕組みになっているのだ。
下でバケツで水を受け、
なんとかカバー内の水を全部抜いた。
ちょうどバケツ一杯分あったよ。
2017.12.30
煩悩の数
いよいよ今年も明日で終り。
皆さんは、どんな年だったですか?
私は、まず1月に会社の引っ越しがあった。
新しいオフィスは、中々快適で気に入っている。
会社で車を買い、自動車通勤を始めたせいか
体重が年始に比べて今は5キロほど増えてしまった。
それから、事故というほどではないけど、
10月に、あるお店の看板に車を当てて
壊してしまった(保険で補償済)。
12月には自宅の天井裏の水道管から水漏れがあり、
家の中の一部が水びたしになり、ベッドや布団や
押し入れにしまってあった物の一部がダメになったり、
ライヴの当日にキャンセルになったりと、
後半ちょっとバタバタした感があったが、
概ね平和で幸福な1年を送ることができた。
ライヴもここ数年では一番活発に演ったし、
新しいプロジェクトも始めた。
大好きなライヴや落語、映画もたくさん
観ることができたし、大きなケガや病気も
していないし、本当にありがたいことだと思う。
さて、明日は大みそか。
大みそかにお寺では除夜の鐘を
108回撞(つ)くという話は、
子供の頃に聞いたが、
実際に108回の鐘の音を
ゆっくりと聞いたことはない。
1回鐘を撞くたびに煩悩がひとつ消え、
108の煩悩を消し去り、
新年を迎えるというわけだが、
私の煩悩が、消えたことがないのは、
心静かに鐘の音を聞くような
大みそかを送ったことがないからか。
ちょっとググってみると、
除夜の鐘の数は、必ずしも
108というわけではなく
煩悩の数も108と
決まっているわけではなさそうだ。
一般的に最もポピュラーなのが
108ということなのだろう。
東急沿線の駅で無料で配布されている
「SALUS」という冊子の今月号に
掲載されていたエッセイに
煩悩の数が 108 ということについて
書かれていた。
諸説あるらしいが、以下のようなものである。
四苦八苦 (4×9)+(8×9)=108
1年の暦を季節ごとに割り当てた、
12 (ヶ月)+24 (節季)+72 (候)=108
いずれもあんまり説得力ないよな。
エッセイを書いているのは、
佐治晴夫さんという理学博士なのだが、
一番もっともらしい説明として、
仏教の煩悩観による説を挙げている。
煩悩の起こす基になる人間の感覚には、
眼 (げん)・耳 (に)・鼻 (び)・舌 (ぜつ)・
身 (しん)・意 (い) の6つ (六根) があり、
それぞれの感じ方には、
「好い」「悪い」「中庸」の3つ、さらに
「浄 (じょう)=清らか」「染 (せん)=汚い」の
2つ、そして、前世、今生、来生に及ぶと
考えると、6×3×2×3=108 になる。
これは確かに「なるほど」と思ってしまった。
「煩悩」というのは
「人間を苦しめる(心をかき乱す)迷いの心・
欲望」のことだが、以前、私が習った瞑想では、
人間を苦しめるものを2つにまとめていた。
それは「執着」と「嫌悪」。
「執着」と「嫌悪」は、
コインの裏表みたいなもの。
気持ちの良いもの (こと)、欲しいもの (こと)、
好きなもの (こと) を手放すまい、または
手に入れようと執着し、
その反対にイヤなもの (こと)、
欲しくないもの (こと) を遠ざけようと嫌悪する。
それが、人の苦しみのもと。
そのようにまとめると煩悩は2つ。
そして、その煩悩を「嫌悪」し、
煩悩からの解放に「執着」しているのが
人間だから、困ったもんだ。
執着も嫌悪も、考えようによっては、
人間らしくて、煩悩に苦しめられるのも
どうせ生きている間だけの特権だと思えば
いいのかもしれないな。
そういう意味も含めて、
来年のテーマは「諦観」「諦念」にしようと思う。
明日から、大阪に帰省するので
3日ほど、「ひとりごと」をお休みします。
皆様
良いお年を
2017.12.30
否定と肯定
DENIAL
昼間に「 皆様 良いお年を」なんて
今年最後のエントリーと思って
書いたのだが、夕方映画を観てきたので
最後にそのレビューと一年間観た映画を
振り返って、今年の終わりにします。
今年最後の映画は『否定と肯定』。
原題は、"DENIAL" なので
「否定」だけなのだけど、
「否定」と「肯定」両方入れたのは、
珍しく良い邦題だと思う。
「珍しく」は、余計か。
映画が始めるまで知らなかったのだが、
実話を基にした作品だった。
1993年、ユダヤ人女性歴史学者の
リップシュタットは、自著の中で
イギリスの歴史家で ホロコースト否定論者である
アーヴィングを批判した。
1996年、アーヴィングは、リップシュタットと
その出版社を 英国で名誉毀損で訴えた。
リップシュタットは、米国人なのだが、
なぜ、アーヴィングが英国で訴えたかというと、
英国の司法は、日本やアメリカとは違い、
被告が原告の訴えが間違いであることを
証明しなければならないのだ。
ちょっと不思議なしくみ。
つまり、リップシュタットは、
裁判で、ホロコーストは事実であり、
アーヴィングは歴史を捻じ曲げようと
していることを立証しなければならなくなった。
そのためにダイアナ妃の離婚の弁護士など、
英国の敏腕弁護士でチームが作られる。
しかし、弁護団は、リップシュタットに
法廷で証言をさせない。
他人に任せず、自分の口で生きてきた
リップシュタットには、耐えられないことだ。
しかし、裁判が進むにつれ、
リップシュタットは、弁護士の腕と
その作戦を認めずにはいられなくなる。
裁判は、2000年にロンドンで行われた。
欧米では、かなり注目を浴びたようだが、
ホロコーストが遠い国の出来事である日本では、
あまり報道されていたような記憶がない。
私が注意していなかっただけかもしれないけど。
映画としては、リップシュタットが
命を狙われるとか、スパイが紛れ込んでいたとか
そういったドキドキ要素はないのだけど、
テーマがテーマだけに、
大人の法廷もの映画という趣だった。
言論の自由と歴史認識の問題とともに
信頼とチームワークの大切さも
テーマであると観た。
感情的になりがちなリップシュタットに
常に冷静で、語り過ぎない弁護士たちが
印象に残った。
リップシュタットを演じるのは、
レイチェル・ワイズ。
いや〜なおっさん、アーヴィング役に
ティモシー・スポール。
敏腕弁護士に トム・ウィルキンソンと
アンドリュー・スコット。
この裁判のことは全く知らなかったので、
少しググってみた。
映画では、描かれていないが、
ウィキペディアにはこう書かれている。
「アーヴィングは控訴したものの、
2001年7月20日、申請は却下された」
「裁判に敗れたことで、アーヴィングには
リップシュタットとペンギンに対し
200万ポンドを超える支払義務が生じた。
これにより、2002年に彼は破産宣告を受けた」
おまけに2005年(2006年?)には、
「アーヴィングはオーストリアで逮捕された」
とある。
「彼が1989年に行った演説が、
ホロコーストの否定を禁じる同国の法に
違反していたためであった」らしい。
(デイヴィッド・アーヴィングのページには
2005年とあり、アーヴィング 対
ペンギンブックス・リップシュタット事件の
ページには、2006年とある。)
映画の冒頭、アーヴィングはリップシュタットの
大学での講義に乗り込み、
学生に1,000ドルを見せて
「ヒトラーのホロコーストの命令書を
見つけた者には1,000ドルをやろう」と言う。
このあまりの品の無さには閉口だが、
裁判後、テレビ番組に出て、
何の反省の色もなく息巻いているのを見ると、
世の中には色んな人がいて、
色んな考えがあって、然るべきだと思うが、
こういう人って、ホンマにどうなんでしょうと
思ってしまう私も、偏っているのでしょうな。
それにしても、英国って今でも
裁判官や弁護士があんな中世の髪形のような
カツラを真面目にかぶっているのかね。
ちょっとびっくり。
日本人なら、ちょんまげにしてるような
もんだと思うとなんとも不思議。
★★★★▲
2017年 ベスト映画
今年は劇場で56本の映画を観た。
この数年間では、一番少ないのだけど、
今年は、ライヴやコンサートが増えたし、
自分のライヴも多かったので、
その分映画が観られなかった感じだ。
さて、その56本の中で、
一番印象に残っているのは、
『マンチェスター・バイ・ザ・シー
(MANCHESTER BY THE SEA)』だな。
DVD 買ったよ。
まだ観てないけど。
そのほか、★5つの作品は下記。
『恋妻家宮本』
『マリアンヌ (ALLIED )』
『SING/シング (SING)」
『LION/ライオン〜25年目のただいま〜(LION)』
『ドリーム (HIDDEN FIGURES)』
『女神の見えざる手 (MISS SLOANE)』
邦画が『恋妻家宮本』1本だけ。
めずらしくミュージカルが1本入った。(『シング』)
例年、実話を基にした映画が強い印象があるが、
今年は、『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』
と『ドリーム』の2本だけ。
★4.5は下記。
『こころに剣士を (THE FENCER)』
『幸せなひとりぼっち
(EN MAN SOM HETER OVE/A MAN CALLED OVE)』
『素晴らしきかな、人生 (COLLATERAL BEAUTY) 』
『スノーデン (SNOWDEN)』
『しゃぼん玉』
『わたしは、ダニエル・ブレイク (I, DANIEL BLAKE)』
『しあわせな人生の選択 (TRUMAN)』
『君の膵臓を食べたい』
『ハクソー・リッジ (HACKSAW RIDGE)』
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
『ダンケルク (DUNKIRK)』
『ゴッホ 最期の手紙 (LOVING VINCENT)』
『否定と肯定 (DENIAL)』
戦争ものが2本、邦画が3本、実話が4本。
やはり、ヒューマン・ドラマが多い。
ドキュメンタリー部門
★5つ
『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー<永遠の3秒>』
『すばらしき映画音楽たち』
★4.5
『人生フルーツ』
『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』
来年も良い映画が観られますように。