2018年 8月
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2018.8.3
スーパー・ギター・トリオ
鈴木直人 × 馬場孝喜 × 井上銘
今日は、ギター・トリオのライヴ。
「鈴木直人×馬場孝喜」と「馬場孝喜×井上銘」、
それぞれのデュオ・ライヴは観たことが
あったけど、3人のセットは初めて。
演るのも初めてだったようだ。
私の個人的な考えでは、デュオより
トリオの方が難しい。
デュオの方が自由度が広く、
3人になると、アンサンブルという点では、
表現の幅が広がるのだけど
ちょっと制約が生まれるからだ。
でも、このお三人方には、
「トリオの方が難しい」という
そんな考えはないのだろうな。
そんな風に思う演奏だった。
どこまで、打合せをしたのか分からないけど、
見事にその時その時でそれぞれの役割があり、
3人が、それぞれの個性で爆発していた。
1部では、ビル・エバンスの曲を2曲と
和田明が入って、"Better Days Ahead"、
そして再びトリオで "Misty"。
2部では、マイルスの曲を2曲と、
石川早苗さんが入って、
"Someday My Prince Will Come"、
そして再びトリオで "All The Things You Are"。
アンコールは、ギター・トリオといえば "Spain"。
いや〜、素晴らしかった。
ギターは、鈴木さんが、
Sadowsky Semi-Hollow Model。
銘君は、Westville。
馬場さんは、Gibson ES-175。
楽器の違いもあり、3人の音がそれぞれ、
特徴的なのも良かった。
鈴木さんと銘君は、2人とも新しい BOSS の
マルチ・エフェクター GT-1000 を使用。
鈴木さんは、私の持ってると同じ Sadowsky
Semi-Hollow でとてもきれいな音を
ライン・アウトで出していたので、
ちょっと GT-1000 も気になるなぁ。
いえいえ、買いませんよ。
終わってから、久しぶりに馬場さんと
話せたのも嬉しかった。
[ MEMBERS ]
鈴木直人 (gt)
馬場孝喜 (gt)
井上銘 (gt)
1st Guest : 和田明 (vo)
2nd Guest : 石川早苗 (vo)
@ Bar dAZE (原宿)
2018.8.4
カキフライの意味
今から17〜18年前、不登校の中学生のための
フリースクールで仕事をしていた。
巷にあるフリースクールとは少し違い、
生徒が学校に通える自分を手に入れるため、
週4日、半年間で合計100回の
セッションを行うというもので、
朝の9時から3時まで6時間、
合計600時間のセッションだった。
第1期生は、M君(男子)と
Yちゃん(女子)の2人。
プログラムをリードするのは、
K先生で、スタッフは私と妻の2人。
完全に赤字経営だった。
それはさておき。
セッション中の私の仕事は、
その記録をノートに取ることだったが、
忘れられないセッションがある。
セッションといっても、
それは、お昼ごはんの時のことだった。
生徒は、それぞれ弁当を持って来ていた。
ある日、弁当箱の蓋を開けたM君
(中学2年生)は、「フン」と
皮肉な笑いを浮かべた。
それを見逃さなかったK先生は、
「どうしたの?」とM君に尋ねた。
「いや、カキフライが入っているので、
今日は母さんの機嫌が良かったんだなと思って。」
K先生「どうして、お母さんの機嫌が良かったら、
お弁当にカキフライが入るの?」
M君「だって、そうですよ。機嫌が良いから、
僕の好物のカキフライを入れたんですよ。
そうじゃなきゃ、入れないですよ。」
その日は、M君の誕生日だった。
K先生は、M君に質問をした。
「お母さんが、機嫌が良い以外に、
カキフライを入れた理由があるとしたら、
どういうことが考えられる?」
一瞬、驚いたような表情を浮かべたM君は、
黙って、しばらく考えた後、こう答えた。
「今日は、僕の誕生日なので、
母さんが僕の好物のカキフライを入れてくれた。」
後ろで聴いていた私は、感動してしまった。
さっきまで、あんなに皮肉な
(言ってみれば かわいげのない)ことを
言っていた同じ子供の言葉とは、思えなかった。
たった、それだけのことで世界が違って見えた。
M 君の皮肉の対象だったカキフライは、
瞬時に母親の愛情の証しに変化したのだ。
凄い瞬間を観たと思った覚えがある。
ところで。
何度も書いてきた通り、7月20日に妻の著作
『超解釈 サルトルの教え』が発売された。
そして、いよいよその本をテキストにした
「サルトル塾」なるものがスタートした。
今日は、その第1回だった。
本の中に書ききれなかった補足や説明を
交えながら、読者の疑問にサルトル先生が
答えるという趣旨で、今日は40数名の人が参加した。
第1回のテーマは、本の「ストーリー1」の
テーマである「事実と解釈の区別」だった。
ほとんどの人が何かイライラしたり、
腹が立ったりした時、「事実」とそのことへの
「解釈」がごっちゃ混ぜになり、
問題を複雑化しているのだが、
本人はそのことに気付かない(知らない)。
あるいは、気付いていても、
「事実」と「解釈」の区別をするには、
少々練習が必要だ。
他人のことは見えるのだけど、
自分が当事者になると、中々難しいのだ。
参加者とサルトル先生(妻ですが)の
問答を聴きながら、前述のカキフライの
一件を思い出した。
当初、M 君にとってカキフライは、
母さんの今日の機嫌の良さの表れだった。
この時に、M 君には事実と解釈の区別は
なされていない。
区別してみると。
「事実」=
お弁当のおかずにカキフライが入っていた。
「解釈」=
今日は母さんの機嫌が良かったから入れたんだな。
K 先生は、「事実」と「解釈」を
区別しなさいとは言わなかったけれど、
お母さんがカキフライを入れた他の理由を
考えさせることで、本人が気付くことなく、
M 君の中で、その区別が起きた。
そして、M 君は、
「事実」=「お弁当のカキフライ」に
新しい「解釈」=「誕生日なので
好物のカキフライを入れてくれた」を
生みだした。
そう、新たな解釈を「創作」したのだ。
そして、新たな「解釈」を創作したとたん、
「母さんの機嫌が良かったから」は、
事実(真実)なのではなく、ひとつの「解釈」に
過ぎないことに M 君は気付いたのだ。
「お母さんが、機嫌が良い以外に、
カキフライを入れた理由があるとしたら?」と
問われた時の M 君の驚いたような表情は、
自分が真実だと思い込んでいることに
メスを入れられた時の戸惑いの表情だと
私は "解釈" している。
私にも似たような経験があるが、
自分の「解釈」が、「真実」だと
思っているうちは、人生は大変に困難だ。
そして、「真実」だと疑わなかったことが、
単なるひとつの「解釈」に過ぎないと知る体験は、
まさに「目からうろこ」であり、
何か荷物をひとつ降ろしたかのように
人生が軽くなる体験でもあった。
「事実」と「解釈」を区別することは、
問題をシンプルにする。
そして、それは新しい解釈を生み出す
(創作する)第一歩でもあるのだ。
2018.8.7
56歳になりました
母の話では、私は予定日を2週間遅れて、
世の中に出てきたらしい。
よほど、腹の中の居心地が良かったのか、
出てくることに怖れがあったのか、
もう覚えていないけど、
とにかく、今日で丸56年経ちました。
この数年、身体と気持のギャップを
目の当たりに感じることが増えたけど、
これから残りの人生では、もっと
そういう体験をするのだろう。
日ごろの心掛けしだいで、
身体も精神もある程度は健康に若々しく
保つことも可能なんだろうけど、
なんせ無精もんなので、中々難しいですわ。
56歳の祝は、妻と五反田の
リストランテ・アンジェロ で。
食べたことのないような
創作料理の連発で、ひとつひとつが
めちゃくちゃ旨かった。
大満足。
お店からは、オリジナルボトルの
ビールのプレゼントまでいただきました。
HAPPY BIRTDAY
SHIN-SAN!
2018/08/07
ラベルのギターを弾いている人が、
「あれ?これオレ?」と思うような絵で
ビックリ。
似てるのを探してくれたようです。
感謝。
2018.8.8
UIN
1st live at JZ Brat "UINside"
和田 "KING" 明 のニュー・プロジェクト、
「UIN(ユーイン)」の初ライヴに行ってきた。
UIN は、すでに、『D.G.D.』と『深海魚』の
2曲を配信でリリース済み。
2曲ともアダルトなディスコ・ビートに
明のジェントル・ヴォイスと梅田の
ロックなストラト・サウンドが聴ける。
さて、JZ Brat 初ライヴにして
ソールドアウトという今日のライヴ。
あいにく台風接近という天候だったが、
ライヴに行けなくなるほどの悪天候ではなく、
盛況でした。
1年かけて準備してきたのに、
そのライヴの日が台風というのは、
「嵐を呼ぶ男たち」ということでしょうか。
サウンドの方は、作り込まれた感じで、
打ち込みの音も出ており、SE も効果的に
使われていた。
アレンジは、カッコいいのだけど、
こういうのは好みの分かれるところで、
私は、出来ればステージにいる人間の
ナマの演奏だけで、聴きたいなと思った。
あと、ちょっとギターの音が
小さかったのは、残念。
ストラト、ええ音してたのにな。
座席(最前列だった)のせいも
あるかも知れないけど。
来年1月の JZ Brat のライヴも決まり、
これからもどんどん曲を
リリースしていくとのこと。
楽しみだ。
[ MEMBERS ]
【UIN】
和田 "KING" 明(vo)
梅田和利(g)
小美野 慧(key)
Support:
山本 連(b)
田中 航(ds)
桂 尚文(mani)
@ JZ Brat (渋谷)
2018.8.9
THIS IS MY NEW GEAR
海外では、新しく買ったギターを
ネットで紹介するのに
「NGD」「MNG」なんて表すらしい。
「NGD」は、「New Guitar Day」の略、
「MNG」は、「My New Gear」の略ね。
さて、一時期は本数の減った私のギター達、
どういうわけかこの数年は、再び増え続けている。
どういうわけかって、買うから増えるんやけど。
先日も「これはもうギター弾きの宿命だから
あきらめてくれ」と妻に言い放ち、
56歳の自分の誕生日プレゼントという、
名目でギターを購入した。
これは、2週間ほど前にネットで見つけ、
もう、完全に一目惚れ。
しかし、3ヶ月ほど前にも1本買ったばかり。
う〜む、困った。
どうしたものか。
別に困らんでもええねんけど。
で、一旦は買わんでええやろと思ったのだが、
どうしても諦めがつかない。
あんまり見たことのない、というか
初めて見たタイプのギターで、
そうそう出会えるものではないのは明確。
「一期一会だぞ」と悪魔がささやく。
考えた末に「誕生日(8月7日)まで
売れ残っていたら、買うことにしよう!」
と思いついたのが、7月の終わりだったか。
もし、8月7日までに売れてしまったら、
縁がなかったと諦める。
そう決めてから、売れていないことを
祈りながら、件の楽器店のサイトを
チェックする毎日。
黒人の男の子が、ショーウインドウの
トランペットを毎日眺めているあの感じです。
(どの感じ?)
で、ついにその日が来た。
チェックしてみると、幸い売れていない。
いや幸いかどうか分からんけどな。
これが、そのギター。
昨日 届きました。
MATON MS T-BYRD 。
ええ形。
ええ色(Tobacco Sunburst)。
美しい木目。
そして、憧れのローラー社の
チャーリー・クリスチャン・ピックアップ。
この PU が付いているギターも
1本は欲しかったのだ。
MATON(メイトン)は、
オーストラリアのギター・ブランド。
メーカーサイトには、Joe Walsh もこのモデルを
使っていると書いてあり、
写真をググってみたけど、発見できず。
モデル名「MS T-BYRD」の「MS」は、
1958年に発売された「Mastersounds」に
由来していると思われる。
そして、現在このモデルは、製造中止(休止?)に
なっており、今後は入手困難になると思われる。
まあ、もともと MATON のエレキは
日本にはあんまり入ってきておらず、
過去に違うモデルを一度見かけたことが
あるだけだった。
MATON は、エレキ・ギターより
アコースティック・ギターの方が有名なメーカー。
MATON を有名にしたのは、やはり
オーストラリアの トミー・エマニュエルだろう。
私もトミーが弾いているので、
MATON を知ったくちだ。
エレアコの方は、日本にも正式に輸入されており、
そのトミーのシグネチャー・モデル(エレアコ)も
ずっと欲しいものリストに入ったままなのだが、
最近は、アコギを弾く機会がないので、
買わずに済んでいる。
アコギを弾く機会が発生したら、
きっと買ってしまうでしょうな。
そうそう、昨日たまたま観たんやけど、
日本予防医薬(株)の疲労感軽減ドリンク
『イミダペプチド』のテレビ CM で、
小林旭(80歳!)が弾いているアコギが、
MATON です。
MS T-Byrd SPECS
Model:MST-Byrd
Shape:Chambered
Body:Chambered Quandong With Rock Maple Cap
Binding:White ABS
Neck:Queensland Maple (Bolt On Neck)
Finger Board:Rock Maple
Fingerboard Inlays:6mm Black Dots
Fret Size:Jumbo Jim Dunlop 6130
Number of Frets:22
Machine Heads:Grover Mini Rotomatic
End Pin/Strap:Chrome
Scale Length:25.5"(約647.7mm)
Fingerboard Radius:304.8mm (12")
Nut Material:Bone
Nut Width:42 mm
Bridge Pickup:Lollar Special T Series
Neck Pickup:Lollar Charlie Christian
Bridge/Saddle:Willkinson Compensated T style Bridge (Brass Saddles)
Hardware finish:Chrome
Controls:Vol 1. (Master), Tone 1. (Master)
Finish Body:UV Gloss
Finish Neck:Natural Satin
Features Summary:Chambered Body, Maton Sound Hole, T-Byrd Headstock
Case:Hiscox Flightcase
Made in Australia
Maton Guitars
2018.8.10
Ernst Haas
Ernst Haas(エルンスト・ハース)という
写真家の写真集(PHOTOFILE)を買ってみた。
洋書だけど、日本の新書より一回り大きいぐらいで
ペーパーバック(ソフトカバー)なので
アマゾンで 1,328円だった。
最初の写真がこれ。
なんか強烈やなぁ。
「Vienna, 1946-49.」と書かれているから、
戦後間もない頃の写真やな。
この「Vienna」の写真は他にもあり、
他の写真には「Paris」や「New York」などと
書かれていることから、「Vienna」は、
地名だと推測した。
(ヴィエンナ・・・、聞いたことないなぁ、
どこの国やろ)と思って、ググってびっくり!
オーストリアの首都「ウィーン」でした。
どうやら、ドイツ語の「Wien(ヴィーン)」が、
日本での「ウィーン」になったようで、
「Vienna(ヴィエナ)」は、英語。
オーストリア語では、
「Wean(ヴェアン)」のようだ。
エルンスト・ハースは、オーストリアの
ウィーン生まれ(1921年)なので、
ウィーンの写真があるのも納得。
でも、1950年にアメリカに渡った。
ロバート・キャパに誘われて、
マグナム・フォトの創立者以外の
最初のメンバーになったということだ。
1986年没。
1950〜60年代のニューヨークのカラー写真の中には、
時代のせいか、少し ソール・ライターのような
感じのものもあった。
NY 1952
NY 1952
NY 1952
Ernst Haas
↑
ここでいっぱい彼の写真が見られます。
上の NY の3枚も写真集ではなく
このサイトにあったもの。
2018.8.11
気になる三人かい・・・
柳家喬太郎、桃月庵白酒、春風亭一之輔
という最高に面白い落語家3人の会
「気になる三人かい・・・」に行ってきた。
最強のトリオです。
開口一番は、三遊亭兼好の2番弟子、
三遊亭じゃんけん。
この人を聴くのは、2回目だった。
前回は、あまり印象がないのだけど、
今日は、今後期待できるなと感じた。
続いて、白酒の「代脈」、
一之輔の「天狗裁き」、
喬太郎の「死神」。
前の2人は、マクラもたっぷり
笑わせてくれたけど、どうやら
時間が押したらしく、喬太郎は
マクラなしでいきなり噺に入った。
喬太郎のマクラもいつも爆笑なので
これは残念。
[ 演 目 ]
「まぬけ泥」 三遊亭じゃんけん(前座)
「代脈」 桃月庵白酒
〜 仲入り 〜
「天狗裁き」 春風亭一之輔
「死神」 柳家喬太郎
@ 松戸市民会館
2018.8.14
山形レポート
毎年この時期恒例の山形レポート。
今年も、妻の実家のある山形県へ
行ってきた。
今年は、両親の結婚60周年の
御祝も兼ねての帰省だ。
結婚して、しばらくは山形へ行くたびに
あちこちへ連れて行ってもらっていたけど、
日帰りで行けそうなところは大体
行き尽くし、この数年は特に
どこかへ出かけるようなことも
なくなってきた。
今回は、車を借りて、
土産物屋を数軒回ったが、
毎度、珍しいものが売られていて、
見ているだけでも面白い。
これは川西町の森のマルシェで
売られていた、夕顔(1個400円)。
この写真だと大きさが分からないので、
腕時計を置いてみた。
でかい。
大体60センチメートルはあったな。
続いてこちらは、昨年出来た道の駅、
長井市の「川のみなと長井」で見つけた
「鯉のから揚げ 甘酢風味」(300円)と
「鯉の姿丸揚げ 甘醤油味」(800円)。
山形では、鯉を食すのだな。
この商品の「鯉」という漢字は、
魚へんに恋で「こい」と読ませている。
ところで、この道の駅の名前、
「川のみなと」というのは、
長井は、最上川の港があった街で、
あったことに由来するらしい。
ここから米沢藩の物資を船に積み込み、
最上川を下り、酒田を通り、上方へ
運んだのだという。
2018.8.15
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス
BUENA VISTA SOCIAL CLUB : ADIOS
音楽ドキュメンタリー映画を観ると、
どうして、寝てしまうんだろう。
もの凄く興味があって観たいのに。
ドキュメンタリーというものが、
そういう性質だとは思えないし、
全ての作品でというわけではないが、
あまりにも寝てしまう確率が高すぎる。
(たぶん5割ぐらい。)
今年観た『ラスト・ワルツ』もそうだったが、
過去に観た『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
『JACO』、『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』
『バックコーラスの歌姫 (ディーバ) たち』は、
1回目寝てしまい、どうしても最初から
最後まで観たくて、2回観に行った。
『シュガーマン』は情けないことに2回目も
寝てしまい、3回目でやっと全部観ることが出来た。
実は本作『ブエナ・ビスタ・ソシアル・
クラブ★アディオス』も10日程前に
観に行ったが、やはり始まってしばらくで気絶。
たぶん、20〜30分は寝ていたと思う。
それで、今日2回目のチャレンジ。
ちゃんと、最初から最後までしっかり観てきた。
やっぱり、寝てたときに貴重なシーンがあったわ。
1997年、ライ・クーダー、ニック・ゴールドの
プロデュースでキューバとアフリカの
ミュージシャンで、アルバムを作る企画が
持ち上がったが、アフリカのミュージシャンが
キューバに渡航できなくなり、急きょ、
50〜60年代にキューバで活躍していた、
ミュージシャンを集めて、アルバムを
吹き込んだ。
それが CD『Buena Vista Social Club
(以下 BVSC)』だ。
『BVSC』は、世界中でヒットし、99年には、
ヴィム・ヴェンダース監督により、
同名のドキュメンタリー映画が制作される。
CD に参加したミュージシャンの多くは、
当時70〜90代で、中には引退していた人もいた。
あの映画から、18年。
『BVSC:ADIOS』はその続編であり、
『BVSC』の大ヒット後の彼らを描いている。
興味深かったのは、97年 CD 発売後の初ツアー。
アムステルダムでのリハーサル風景。
当時、90歳を過ぎていてコンパイ・セグンドと
他のメンバーが衝突し、コンパイは
「代わりのギターを弾ける老人を探せ」と
怒り出す始末。
バンマス(ファン・デ・マルコス・ゴンザレス)は
大変だっただろうなぁ。
それから BVSC のメイン・ヴォーカルの
イブライム・フェレール。
前作でも歌をやめて靴磨きをしていたという
台詞があったことを記憶している。
本作でも70歳を過ぎて、スポットライトを
浴びたイブライムの戸惑いと喜びが伝わってくる。
こんなに素晴らしいシンガーが、
埋もれてしまうというのは、
政治的経済的なキューバの事情があり
複雑なことなのだと思うが、
よくぞ世界に紹介してくれたと
関係者には感謝したい。
それから、今年3月に来日公演を観た、
キューバの至宝、
オマーラ・ポルトゥオンド(87歳)。
その日のエントリーに
「陽気なラテンを聴きながら、 涙が流れてくる」
「勝手に涙が出て、なんか分からん体験」と書いた。
映画を観て、そのわけが
少しだけ分かったような気がする。
ドキュメンタリーの後半は、BVSC 名義での
最後となる アディオス(さよなら)ツアーを
追っていくが、オバマ大統領に
ホワイトハウスに招待され演奏するシーンもある。
キューバ在住のアーティストが、
ホワイトハウスで演奏するのは、
50年ぶりだという。
映画を観て、ますます残念なのは、
イブライム・フェレールの
ステージをナマで観なかったこと。
2001年の BVSC 来日時には、来ていたはずだ。
当時は、映画を観ただけで満足だったんだな。
イブライムだけでも2時間の
ドキュメンタリー映画が出来るだろう。
そういう意味では、ちょっと詰め込み過ぎな感が
あったのは、仕方がないことだろうけども残念。
★★★★▲
オマーラ・ポルトゥオンドと、
バルバリート・トーレス(BVSCオリジナル・メンバー)
が、来月の東京JAZZに出演するが、
私のライヴと重なってしまった〜。
残念〜。
しかし、11月にはキューバへ行くぜ!
BUENA VISTA SOCIAL CLUB : ADIOS
[ 関連エントリー ]
2013.9.7 Buena Vista Social Club
2018.3.18 オマーラ・ポルトゥオンド
2018.8.15
知性を磨く
「スーパージェネラリスト」の時代
田坂広志 著『知性を磨く』。
「スーパージェネラリスト」が
何であるかの説明は省くが、
私なんぞは、そういう者に
なれそうにないし、目指す気もない。
でも、著者が言わんとしていることは、
私なりのレベルで理解できる。
全てとは言えないけど。
第一話は「なぜ、高学歴の人物が、
深い知性を感じさせないのか?」という
表題で始まる。
そこでは「知性」と「知能」を区別し、
第二話以降では、「知識」と「知恵」を
区別する。
今まで深く考えたことがなかったが、
なるほど、似て非なるものであることが
分かりやすく書いてある。
「割り切り」と「腹決め」など
自分が何か決める時の指針になりそうな
区別もあった。
また、印象に残ったのは
「愛情とは、関係を絶たぬことである」
という言葉。
二十五話まであって、途中ちょっと
興味が薄れたものの最後まで読んだ。
最後の三話あたりは、また興味が湧いた。
「我々は、世界を『解釈』するに
とどまってはならない。
我々は、世界を『変革』する力を
身につけなければならない」
という力強いテーマの本だった。
★★★★☆
2018.8.17
熱海一泊旅行
会社関係の三家族合計8人で
熱海へ一泊旅行。
高級な温泉旅館で、
贅沢な休暇を過ごしてきた。
熱海で宿泊は、初めて。
小学3年生のH君が、
私の一眼レフカメラで写真を撮りたがるので、
持たせてみると、何も教えていないのにこの構図。
しかも驚くことに、中央付近の縦線を
見ればわかる通り、水平垂直もばっちりだ。
(ちなみにモデルは私です。)
ピントの合わせ方は知らないので、
厳密にはピントは甘いのだけど、
他の数枚も中々のセンスの写真だった。
天才かもね。
タリーと私の秘密の時間
TULLY
予告編を観て興味を持っていた映画
『タリーと私の秘密の時間』。
3人の子育てに疲れた母親が、
夜だけ赤ちゃんを見てくれる
ベビーシッターを雇う。
そのおかげで母親は、
自分を取り戻し、生き生きとしだす。
しかし、ベビーシッターには
何か秘密があって、やがてその秘密が
明かされる・・・。
予告編で得た情報は、そんな感じだったが、
予想していなかった展開だった。
▼以下、ネタバレ(大ヒント)注意。▼
ある、からくりがあるのだけど、
それを見抜くのはちょっと難しそうに感じた。
というのも、誰もが分かるように
分かりやすくは描かれていないのだ。
ちょっと混乱させられるシーンもある。
ネット上のレビューを読んでも、
そのことに触れていないものも多く、
もしかしたら、分かっていない人も
いるのかもしれない。
もうちょっとハッキリ、
ブルース・ウイルスの "あの映画" のように
衝撃があるように描いた方が
良かったような気もするが、
もしかしたら、英語が分かれば、
伏線が散りばめられていたのかもしれない。
母親マーロ役に本作のために
18キロも増量したという、シャーリーズ・セロン。
夫ドリュー役にロン・リヴィングストン。
ベビーシッター役にマッケンジー・デイヴィス。
子供3人の子育ての大変さは、
十分に伝わってきます。
★★★★☆
2018.8.19
立川吉幸
私もたま〜に顔を出す、
妻達が毎月、9年以上続けている
「コミュニティサロン」というイベントがある。
毎回違う催しがあるのだが、
昨日は、その102回目で、
落語家の立川吉幸さんを
お招きしての会だった。
吉幸さんは、平成9年に
快楽亭ブラックに入門後、
平成17年に立川談幸門下になり、
平成19年に二ツ目昇進。
平成27年に談幸師匠とともに
立川流から、落語芸術協会入会に移籍し、
再び一年間 前座を務めたという
珍しい経歴の持ち主。
途中で師匠が変わるのは稀にあるけど、
前座を二度やるのは極めて珍しいと思う。
やや長めのマクラのあと、落語は『火焔太鼓』。
そのあと、インタビューや質疑応答もあり、
普段聞けない落語家さんの世界の話が聴けた。
せっかく二つ目に昇進したのに、
前座からやり直すのは辛かっただろうけど、
何もかもネタに、笑いに変えるのが
噺家という職業なんだろうな。
柿沼なつみ ワンマンライヴ
柿沼なつみというシンガーソングライターの
1年ぶり2度目のワンマンライヴ。
彼女のことは良く知らないのだけど、
妻の関係で、ご両親とは面識があり、
今日はライヴに行ってきた。
まだ音楽活動を始めて2年も経っていないのに
CD を作り、エッグマン(渋谷)を満員にする、
そのパワー、行動力は大したものだと思う。
やりたくても中々あんな風にやれる人は少ない。
曲は様々なタイプにアレンジされており、
バンド演奏はしっかりと安定していた。
明日で22歳ということだが、
今後は歌うことの技術を身に付ければ
もっと良くなるだろうと思った。
ロック・コンサートにありがちだけど
バンドの音量に歌が負けてしまい、
歌詞が聞き取れないというのは、
ちょっと残念でした。
あれって、PA の人はどう考えているんだろう。
[ MEMBERS ]
柿沼なつみ(vo, gt)
石川達麻(g)
向江陽子(key)
嶋田圭佑(b)
坂入康仁(dr)
@ eggman(渋谷)
2018.8.23
CREATION
Kazuo Takeda Debut 50周年記念TOUR
「死ぬまでに観ておきたいアーティスト・シリーズ」
今夜は、ギタリストの竹田和夫だ。
竹田和夫は、ロック・バンド「クリエイション」の
中心人物で、プロとして活動を始めて
今年で50年になる。
1952年生まれの66歳。
ということは、16歳でプロ・デビューだ。
現在 LA 在住。
クリエイションは、1984年に
いったん活動を休止したが、
2005年から、再び活動している。
クリエイションというと、
多くの人が、TV ドラマ『プロハンター』の
主題曲となった、1981年のヒット曲
"ロンリー・ハート" を思い浮かべる
かもしれないが、 私にとっては、
70年代の "Spinning Toe-Hold" や
"危険な関係のブルース(No Problem)"、
やはり TV ドラマ『ムー一族』の主題曲
"暗闇のレオ" の方が、思い出深い。
LP を買った覚えはないのだけど、
友達に借りたのだろうか、
高校生の頃か20代前半に
クリエイションのアルバムを
聴いていた覚えがある。
80年代後半に「竹田和夫&Boys On Rocks」の
CD を1枚聴いたことがあったけど、
あまり好きになれなかった。
クリエイションの方が、良い。
"ロンリー・ハート" を歌っていたのは、
「クリエイション」に途中で参加した、
アイ高野(2006年、55歳で没)だったが、
私は、竹田和夫の渋い声の方が好きだったな。
さて、今回のデビュー50周年記念ツアー、
全部で9公演が組まれているが、
クリエイション名義は、Motion Blue(横浜)
と、CROCODILE(原宿)の2回のみ。
他は、ギター・トリオでの公演だ。
そのトリオ公演も観てみたいな。
前書きが長くなった。
ライヴについて書こう。
初めてナマで観た竹田和夫。
ギターは、PRS のホローモデル。
Fender アンプ(Hot Rod Deluxe?)で、
めっちゃ暖かいええ音を出していた。
休憩中にステージ前へ足元を見に行くと、
ギター →「XOTIC EP Booster」→
「KORG チューナー」→「BOSS SD-1w」→
「MXR Analog Delay」、そしてアンプと
いたってシンプルなセッティング。
ちなみに「XOTIC EP Booster」は、
私も今年購入し、気に入って使っている
ブースター。
ギターも歌も声も、その出で立ちも
「ええ感じに年取りはったなぁ」という感じ。
竹田さん(急にさん付け)は、
凄く良かったのだけど、
ドラムのフィーリングが、
どうも私の好みでなかったのは残念。
クリエイションのドラマーは、
デビュー時から 1981年までは、
樋口晶之だった。
2005年の再活動から、
樋口は参加していたようなのだが、
残念ながら、昨年7月に
63歳で亡くなってしまった。
今日のドラムの 高木貴司 は、
その樋口の後釜で1981年に
クリエイションに加入したドラマー。
曲は、半分ぐらいは聴き覚えがあった。
"Mama,You Don’t Cry" なんて、
何十年ぶりに聴いたか。
そのほか "Watch ’n’ Chain", "Feelin’ Blue",
"Tobacco Road", "Tokyo Sally",
"New York Woman Serenade" など。
アンコールは、"ロンリー・ハート",
そして最後は、"Spinning Toe-Hold" だぁ!
[ MEMBERS ]
竹田和夫 (g,vo)
ヒロ小川 (b)
ミック三国 (key)
高木貴司 (dr)
Juliettes (back up vo) / 小林桂尉子・井出カナコ
@ Motion Blue(横浜)
1st & 2nd 入替なし
[ 関連エントリー ]
2017.9.19 樋口晶之
2018.8.24
QUEEN of SOUL 逝く
8月16日、アレサ・フランクリンが死去した。
76歳、膵臓癌だった。
ウィキペディアによると、
「1984年より深刻な飛行機恐怖症に悩まされ、
海外公演を行うのが困難になり、
来日公演は実現しなかった」とある。
「死ぬまでに観ておきたいアーティスト・リスト」の
一人だったが、残念だ。
昨年、アレサは引退を発表しており、
もうナマで観られる機会はなかったのだけど。
黒人音楽を少し聴くようになった若い頃、
ダイアナ・ロスのようなソフトな R&B・Soul より、
アレサのディープな R&B・Soul が
刺激的だった覚えがある。
オーティス・レディングのカバー "Respect"、
ザ・バンドのカバー "The Weight"、
キャロル・キングの
"(You Make Me Feel Like) A Natural Woman" や
バカラックの "I Say A Little Prayer" などが
代表的だが、80年のアルバム『ARETHA』に
収録されている "Can't Turn You Loose"
(これもオーティスのカバー)と
"What A Fool Believes"(ケニー・ロギンス、
ドゥービー・ブラザーズのカバー)が、
めちゃくちゃカッコええのでお勧めだ。
映画『The Blues Brothers』(1980年)で
アレサが "Think" を歌うシーンも好きだ。
ブルース・ブラザーズの2人が、
ギタリスト(マット・マーフィ)を
バンドに誘いに レストランに やってくる。
バンドに入ろうとする夫に向かって
アレサ(妻役)が、"Think" を歌い出すと、
レストランにいた女性客が
コーラスとダンスに参加する。
最高のシーンだ。
ニューヨークの地下鉄に「Franklin Street」という
駅がある。
そこの駅名表示に何者かが、
「ARETHA」と落書きした。
「ARETH Franklin Street」となっている。
アレサの死を惜しむ人は多く、
地下鉄当局は「すぐに消す予定はない」と
しているという。(元記事)
合掌。
もう一人訃報。
レーナード・スキナード (Lynyrd Skynyrd) の
元ギタリスト、エド・キングが 8月22日に死亡。
享年 68歳。
死因は発表されていないようだが、
癌を患っていたとの報道もある。
レーナード・スキナードのことは、
あんまり知らないのだけど、
絶頂期にメンバー2人が飛行機事故で
亡くなるという不幸に見舞われたバンド。
エドも曲作りに参加した、バンド初期の
"Sweet Home Alabama" (1974年) は、
ギターのリフがカッコ良く好きだ。
映画『フォレスト・ガンプ』で
フォレストとジェニーが、アラバマ州
グリーンボウで一緒に住むシーンに
使われていた。
Lynyrd Skynyrd - Sweet Home Alabama
こちらのカバーも 好きやなぁ。
Sweet Home Alabama cover - Laura Cox
改めて、レーナード・スキナード何曲か
聴いたけど、カッコええわ。
それにしても、68歳は、若過ぎる。
合掌。
2018.8.25
ときどき写真展 76
夏もみじ
山形県南陽市 烏帽子公園(Aug 14th, 2018)
2018.8.27
ときどき写真展 77
MOON & CLOUD
月と雲(Sep. 9th, 2014)
2018.8.30
国際スピード郵便
アメリカ在住の友人から、
日本の大手メーカーの浄水器の部品を
送って欲しいとメールで依頼が来た。
アメリカでは、売られておらず、
また通販では日本国内の住所でしか
発注できないので、私がいったん入手し、
アメリカに送って欲しいというのだ。
知らせてきた購入先の URL は、
日本人なら誰もが知っている P 社の
オンラインストアのものだった。
早速、購入し、届いたので
郵便局へ発送のため出向いた。
EMS(国際スピード郵便)で送ろうとしたら、
郵便局の窓口で、航空危険物は
送れないという説明を受けた。
浄水器の部品なので、
ガスや火薬ではないことは分かっていたが、
バッテリーが入っているかどうか
自信がなかった。
バッテリーも「危険物」として扱われるのだ。
中身を確かめるという手もあったのだが、
もう梱包してしまっていたので、
開けるのは面倒だ。
入っていたとしてもボタン電池だと思ったので、
それぐらいなら、大したことはないだろうとは
思ったけど、送るためには
「危険物ではありません」という書面に
サインをしなければならない。
万一、危険物が入っていた場合、
罰せられるような文言もあったので、
メーカーに確認してからにしようと、
その場でオンラインストアに書かれていた
フリーダイヤルへ電話をかけてみた。
まず最初につながったオペレーター(1人目)に
事情を話すと、「別の部署に転送します」と
電話を回された。
その人(2人目)と話しても答えを得られず、
別のフリー・ダイヤル番号を伝えられ、
そこにかけることになった。
3人目の人に事情を話したが、
その人も答えられず、「専門のスタッフが
電話中なのでおりかえします」と言う。
「今、郵便局の窓口なので、すぐ答えが欲しい」と
言ってつながるまで待つことにした。
つながった4人目の人は
「その商品は海外では使えません」と
訊いてもいないことを言い出し、
もう一度、最初から説明をしなければならなかった。
すると「調べますので少々お待ちください」と
またもや保留にされた。
結局、バッテリーは入っておらず、
問題なく送ることができたのだが、
「航空便で送れますか?」
たったこれだけの質問に4人と話した。
所要時間は、15分ぐらいだっただろうか。
不思議とイライラせずに、4人目まで
話したのだが、さすがに(私にとっては)
とんちんかんなことを先方(4人目ね)が
言いだした時はちょっとイラッとしたね。
もともと、海外で使用することを
目的に作られた製品ではないこともあって、
こうなるのは、仕方がないことかもしれないけど、
天下の P 社でもこうなのかとちょっと驚いた。
いや、天下の P 社だから、ええかげんな
回答をしないということなのかもしれないな。
ちなみに。
帰ってから調べてみると、リチウム電池は
どうやら送っても OK のようだった。
ボタン電池は、リチウム電池が多いと思うのだが、
水銀電池なんていうのもあるので、ややこしい。
EMS ご利用の際は、事前調査を。