LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS



2022年 MUSIC

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2022.1.4

"SAVE LIVE MUSIC 4"
HIROMI THE PIANO QUINTET
"BACK at the CLUB"




2022年のライヴ鑑賞一発目は、
上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット。

2020年夏、コロナ禍において
ブルーノートを救おうとひろみが始めた
プロジェクト「SAVE LIVE MUSIC」。
最初は、ソロ・ピアノで始まったのだが、
終演後、客席に座ってステージを
見ていて、ピアノクインテットとの共演を
思いついたという。
おそらくそれは、8月か9月のことだと
思うのだが、2020年の年末から
2021年の年始にかけて、ブルーノートで、
ライヴを行った。
その後、レコーディングをし、
全国ツアーを周り、こにブルーノートに
帰ってきたというわけだ。

2020年の年末の初公演
もちろん素晴らしかったのだが、
チェロが、4ビートのベースラインを弾く曲が
あって、その時は、やっぱりクラシックの人には、
4ビートは難しいんだろうな、という
印象を否めなかった。
しかし、昨年12月のオーチャードホールの
演奏を聴いたときに、その印象は覆された。

1年余りにわたり、合計4回、
このクインテットを聴いてきたわけだが、
彼らのこの1年間の進化は、
凄まじいもので、それだけ、
中身の濃い活動であったのだろう。
もう1年前のクインテットではない。

今日は、クラブということで、
ホールでの公演に比べて、
時間も短く、曲数が少なかったのだが、
それでも90分以上あり、
十分に満足のいくライヴだった。

ツアーでは、アンコールで演っていた
デュオ・コーナーは、本編に組み込まれていた。
今日のお相手は、2nd ヴァイオリンの
ビルマン聡平さん。
同じヴァイオリンでも、1st ヴァイオリンの
西江辰郎さんとは、全く違うタイプ。
西江さんの音は、情熱的で激しいのに対し、
ビルマンさんの音は、柔らかく美しい。
デュオの曲は、『Moonlight Sunshine』。

先日終わったツアーでは、この曲を最初から
最後までデュオで演ったのだけど、
今日は、途中からクインテットになった。
ビルマンさんを紹介するときに、
「デュオ」とは言わずに「フューチャーして」と
言ったのはそういうわけだったのだ。

ビルマンさんが、MC でひろみの
「準備」の凄さを話していた。
この曲をデュオではなく、クインテットに
するのだって、編曲をして譜面を用意してと、
相当な準備が必要なわけだが、
観客には、そんなことは分からないし、
分からせる必要もない。

準備が大変なのは、音楽に限ったことでは
ないけれど、改めて、今日の演奏のために
積み重ねられた膨大な練習と準備のことを
思ったのでした。

それと、やっぱりホールで観るより、
クラブで観る方がいいなぁ、と思った。
クラブで、ホールと同じように2時間たっぷり
観られたら、本当に最高なのにな。


[ MEMBERS ]
上原ひろみ(ピアノ)
西江辰郎(ヴァイオリン)
ビルマン聡平(ヴァイオリン)
中 恵菜(ヴィオラ)
向井 航(チェロ)

@ BLUE NOTE TOKYO
2nd show


メニューもひろみとのコラボの特別メニュー。


メニューの表紙の画像





2022.1.8

吾妻光良&The Swinging Boppers



昨年1月にビルボードライヴで初めてライヴを観て、
あまりに楽しかったので、9月のブルーノート公演も
観に行った「吾妻光良&The Swinging Boppers」。
今年もビルボードライヴ公演に行ってきた。
やっぱりええわぁ、このおっさんたち。

なんやろ、米国の音楽のコピーという感じがしない。
何十年も演ってるとこういう風になるんやろか。
古い英語の曲に日本語歌詞を乗っけたりするのも
オリジナルのように聴こえる。
吾妻さんの声もええ声やし、ギタープレイも良い。

吾妻さんのギターは、最初の数曲は
古い(と思われる)ノンカッタウェイのエピフォン。
メインは前回同様、JERSEY GIRL
HOMEMADE GUITARS。
このギターがかっこいい。

曲は『Things Ain't What They Used To Be』、
『ご機嫌目盛』、『焼肉 アンダー・ザ・ムーンライト』、
『大人はワイン2本まで』、『正しいけどつまらない』、
『150~300』、『電話にコードがあった頃』、
『正月はワンダフル・タイム』、
『On The Sunny Side Of The Street』など。

今回も楽しかったし、なんというか色んな意味で
このバンドは希望です。
また観たい。


[ 関連エントリー ]
2021.1.10 吾妻光良&The Swinging Boppers
2021.9.25 吾妻光良 & The Swinging Boppers


@Billboard Live TOKYO
2nd show





2022.1.14

"SAVE LIVE MUSIC 4"
HIROMI SOLO "STANDARDS"
[ 配 信 ]


上原ひろみによる、SAVE LIVE MUSIC、
第4弾は、12月30日から昨日(13日)まで
合計12日24公演が行われた。
内容は、ソロピアノによる「ORIGINALS」、
ピアノクインテットによる「BACK at the CLUB」、
ソロピアノによる「SATANDARDS」。

「SATANDARDS」も1日チケットを取っており、
最前列だったにも関わらず、急遽都合が悪くなり
涙を飲んだのだった。
でも、最終日昨日の配信ライヴをアーカイブで
昨夜深夜に鑑賞した。
まあ毎度のことですが、凄いエネルギー、
凄い音楽、凄い技術です。
配信でも迫力たっぷり。

「SATANDARDS」ということだが、
超有名曲は「Softly As In A Morning Sunrise」
ぐらいかな。
あとは「Three Preludes」「Windows」・・・
他は曲名分からず。
アンコールが嬉しかった。
「Lean On Me」。
ちょっと意外。
ジャズのスタンダードではなく、
ビル・ウィザースのヒット曲。
私も大好きな曲でライヴで演奏したこともある。
ひろみが弾くとあんな風になるのか、と
感動と感激でした。

次は、どんなプロジェクトを
演ってくれるんだろうな。


@ Blue Note Tokyo
2nd show





2022.2.5

沖仁×大萩康司×小沼ようすけ
"TRES




フラメンコとクラシックとジャズ、
同じギターでも奏法も音色も違う
3人の共演を観てきた。

フラメンコ・ギタリストの沖仁、
クラシック・ギタリストの大萩康司、
そして、ジャズ・ギタリストの小沼ようすけ。

沖、小沼は何度もライヴで観ているけれど、
大萩康司は、初めて。
名前を見たことがあるという程度で
予備知識なしだった。

タイトルの「TRES」は、スペイン語の「3」。
これは、面白い企画だったな~。

まず、沖がソロ・ギターで一曲演り、大萩を紹介する。
大萩のソロ・ギターの出だしを聴いて驚いた。
フラメンコギターとクラシックギターは、
見た目がほとんど同じで、ギターに
詳しくなければ見分けがつかないだろう。
使われてる木材も違うし、奏法も違うし、
プレイヤーの個性もある。
当たり前のことなのだが、全然音が違う。
沖のパリッとした硬質なトーンに対し、
大萩のそれは、とても柔らかく優しいトーンだった。

大萩のソロ曲は、現代のキューバのギタリスト、
作曲家(今はアメリカに亡命したらしい)、
レイ・ゲーラの『そのあくる日』という曲だった。
とても美しい曲で、一気に好きになった。

でも、曲名も作曲家の名前も覚えられなかった。
調べれば分かるだろうと思っていたけど、
終演後、駐車場で偶然にも大萩さんに会ったので
「あの、一曲目のタイトル教えてください」と
声をかけた。
『そのあくる日』。
そうだ、MCで大萩さんがレイ・ゲーラに
「そのあくる日って、何のあくる日?」って
訊いたけど、教えてくれなかったって話してた。
早速、この曲も収録されている、
2005年のハバナでのライヴDVDを買ったよ。

沖×大萩 デュオ(「カルメン」より
『ゼギディーリャ』)のあと、
休憩を挟んで、小沼の登場。
彼も今日はナイロン弦ギター。
当然、これまた全く違うスタイル。
一部のふたりの演奏に触発されたらしく、
沖に言わせると
「リハーサルとは別の曲のようだ」ったという。
そんな風に自在に変化されることが
出来るのがジャズの深さであり、面白さだろう。

続いて、沖と小沼のデュオ。
『黒いオルフェ』は、(有名曲ということも
あるかも知れないけど)私的には今日一番良かった。

そして、最後にトリオで演奏。
本編ラストは、『アランフェス協奏曲』。
トリオ用のアレンジも素晴らしい。
アンコールでは、『タンゴ・アン・スカイ』。

会場のヤマハホールは、330人ほど入るホールだか、
音響のことを考えられて作られていることもあるんだろうし、
各々の楽器のポテンシャルもあるんだろう。
ソロとデュオは PA を使わず生音のみだったが、
音量の不足は感じなかった。

最後に、沖が「一回で終わらせるのは、
もったいない」と、言っていたけど確かに。
またやって欲しいな。
今度はホールではなく、ジャズクラブで聴きたい。


[ MEMBERS ]
沖仁 (gt)
大萩康司 (gt)
小沼ようすけ (gt)

@ YAMAHA HALL (銀座)




山中千尋トリオ




今日は、久しぶりのライブのハシゴ。
夜は、ブルーノートで山中千尋トリオのライブ。
山中千尋は、ずいぶんと前に「東京ジャズ」で
観たことがあるが、この数年、観たいなと
思いながら、中々タイミングが合わなかった。
昨年は、チケットを取ったもののコロナのせいで
延期になり、都合が合わなくなった。

さて、今日はブルーノート公演にしては珍しく、
アンコールまで、110分たっぷりの演奏。
あの小柄で、華奢な身体から、
こんな音が出るんだと驚かされる、
ダイナミックな演奏だった。

『マイ・フェイヴァリット・シングス』に始まり、
キース・ジャレットの曲(タイトル失念)、
最新アルバムから『グッド・モーニング・ハートエイク』
ゴダイゴの『サンキュー・ベイビー』などなど。
そして、昼間のギタートリオ・ライヴでは、
「今日は『スペイン』は演らないんだ」と
思っていたらここで聴けました。
(ギタ-のデュオやトリオでは、『スペイン』は
定番なので、今日も演るかなと思っていた。)
本編ラストは『八木節』。
昨年の「東京ジャズ」の配信での
山中千尋・石若駿・須川崇志の『八木節』も
良かったけど、今日も良かった。
アンコールの『ソー・ロング』も好きな曲。


[ MEMBERS ]
山中千尋(ピアノ)
山本裕之(ベース)
橋本現輝(ドラムス)

@ BLUE NOTE TOKYO
2nd Show





2022.2.16

国際音楽祭 NIPPON 2022
諏訪内晶子ヴァイオリン・リサイタル

~J.S.バッハ:無伴奏ソナタ&パルティータ全曲演奏会




久しぶりのクラシック音楽は、
諏訪内晶子さんのヴァイオリン・リサイタル。
バッハの無伴奏ソナタ&パルティータ全曲演奏会だ。
厳密には、2日間に分けての全曲演奏会で
今日はその前半だった。
聴きに行こうと思った動機は、
無伴奏、つまりソロ・ヴァイオリンの演奏だからだ。

私はソロ・ギターに取り組んでいるが、
ヴァイオリンは、ギターよりも制約が大きい。
ギターの弦は6本だが、ヴァイオリンは4本。
しかも、弓を使うと、2本以上の弦を
同時に鳴らすことが出来ない。
つまり、ギターのような和音を鳴らすことが
出来ないわけだ。
そんな楽器で無伴奏。
もちろんバッハの曲なのでメロディに
コード(和音)感があるのは分かるが、
それでもどんな演奏なのか、ぜひナマで
聴いてみたいと思ったわけだ。

で、聴いてみた感想。
参った。
まず、音色。
CD(厳密には配信で購入した音源)で聴くより
数倍深い。
ヴァイオリンって、こんな音がするんや、という感じ。
柔らかくて、強い。
そして、何より深い。
言葉に出来なくて、自分の語彙の不足に
直面する。
プログラムにあった、那須田務さんという
音楽評論家の言葉を借りるなら、
「持ち前の音楽の優れた分析力と知性、
強い精神性と高度な技術に裏打ちされた、
たいへん表現の純度の高い演奏」
ということになる。(CDについての文言)
音色にも感嘆したが、もの凄い技術と音楽性で、
精進し続ければ、人間にはこんな表現が
可能になるんだと、思い知った。

ヴァイオリンは、2音の和音しか鳴らせないのだが、
この2音の和音(ヴァイオリンでは重音と
呼ぶようだ)の響きが深い。
ギターでは、こんなハーモニーは出せないと思う。

ギターは、指やピックで弦をヒットして音を出す。
鳴った瞬間が一番音が大きくて、
あとは減衰していく。
しかし、ヴァイオリンは弓で弾くと、
弾いている間中、同じ音量を保つこともできるし、
クレシェンド(段々大きくする)することもできる。
発音の仕方が全く違うのだな。
ハーモニーの力強さや深みの違いは、
この発音の違いに依るところが大きいと思う。

使われているヴァイオリンは、
グァルネリ・デル・ジェズ。
本数が少ないため、ストラディバリウスよりも
高い値が付くことも珍しくないという、
18世紀に作られた名器だ。

今日は、CD収録曲の半分だけで、
もう一日のリサイタルと合わせて
全曲集となる。
明後日、2日目があるのだが、
思わずチケットを購入したよ。
まだ良い席があった(6列目)。

会場は、東京オペラシティ コンサートホール。
舘野 泉さんのピアノリサイタル以来、
7年ぶりだったけど、素晴らしい音響でした。



表題にある「国際音楽祭 NIPPON」とは、
諏訪内さんが芸術監督を務める音楽祭。


[ 曲 目 ](プログラム1)
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのための
ソナタ第1番ト短調 BWV1001
パルティータ第1番ロ短調 BWV1002
ソナタ第2番イ短調 BWV1003

@ 東京オペラシティ コンサートホール


(2022.2.20 追記)
ジャパンアーツ(主催)のウェブサイトに
アンコールの情報があった。
この日のアンコールは、
「J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番
 ハ長調 BWV1005より 3.Largo」
プログラム2に含まれる1曲を披露したというわけだ。





2022.2.17

ヴァイオリンと父、尾高さん

昨日の諏訪内晶子さんのヴァイオリン・
リサイタルを聴いて感じたことを
もう少し書いておきたい。

このリサイタルは、全くのソロ(独奏)で、
ステージの上には(クラシックなら当たり前だが)
何の装飾もなく、ただ譜面台がひとつ
置いてあるだけだった。

演奏の素晴らしさ、楽器グァルネリ・デル・ジェズの
素晴らしさ、楽曲の素晴らしさはもちろんのこと、
ホールの素晴らしいリバーヴ(残響)も相まって、
ソロでありながら、音量的にもハーモニー的にも
全く不足を感じなかった。
(前から5列目だったこともあるかも知れないけど)
これは、期待・予想以上だった。

昨日、諏訪内さんの演奏を聴きながら、
父のことを思い出した。
昨年4月、90歳で死んでまった父は、
若い頃、ヴァイオリンを弾いていた。
実家には今も、父のヴァイオリンが、
3挺(ちょう)か4挺ある。
その中のひとつ、ストラディバリウスに似た
名前のモノは、生前、父から形見にもらう約束を
したのだが、実家に置きっぱなしになっている。

父は、若い頃どこかの楽団で
ヴァイオリンを弾いていたらしい。
子供にヴァイオリンを教えたりもしていたようで、
母が奉公先の子供のヴァイオリンのレッスンの
付き添いをしていたので、父と知り合ったというのが
両親のなれ初めらしいが、母から聞いた
話ばかりで、父からは何一つ聞いたことがない。

そう言えば、父のヴァイオリンの演奏を
私は一度も聞いたことがないし、
何がきっかけでヴァイオリンを始めたのか、
どうしてやめてしまったのかも、聞いたことがない。
昨日のリサイタル中、そんなことを
思いながら、聴いていた。
父は専門的な教育を受けていなかったので、
諦めざるを得なかったと、母から聞いたことはあるが、
本人とは、何も話したことがないのだ。

今も実家には、色んな楽器が置いてある。
ヴァイオリンの他、チェロやホルン、
クラリネットやフルートなど。
これらは、父が仕事の関係でお払い箱になった
楽器を引き取ってきたものだと思う。
そこに私が中学時代に吹いていたトランペットや
リコーダー、クラシックギターなども混ざって
ガラクタ楽器ばかりが飾られている。
あれら、今後、どうするんやろな。

幼稚園の頃には、家に足踏み式のオルガンがあった。
小学校5年生になってもカラーテレビではなく、
白黒テレビで友達に馬鹿にされたのに、
そんなものは、あったんだ。
そのオルガンもおそらく古いものを父がどこかから
引き取ってきたんだろう。
オルガンがあったおかげで、私はかなり早い時期に
「ドレミ」を理解し、小学1年生か2年生で
リコーダーで最初の作曲をした。
私の音楽好きは、父の影響(DNA?)であることは
間違いない。

昨日のリサイタルでもらったたくさんのチラシの中に、
NHK交響楽団と諏訪内晶子さんのコンサートの
チラシがあった。
指揮者は尾高忠明さん。

父は、大阪の某オーケストラの事務の仕事していた。
そこに客演だったのか、何度も尾高さんが
指揮に来ていた。
子供の頃、そのオーケストラの定期演奏会には
何度も行ったことがあり、尾高さんの指揮も
ナマで何度か聴いたことがある。
その楽しそうに指揮棒を振る姿は、
子供心にも印象的で、一時期、指揮者に
なりたいなんて、夢を持ったのも尾高さんの
影響があったと思う。
父にねだって、定期演奏会のプログラムに
尾高さんにサインを書いてもらったこともあった。
昨日もらったチラシに写っている、尾高さんは
私の記憶の尾高さんとは、全く違い、
ずい分とお年を取られていて驚いた。
当たり前だ、私の記憶は50年前のものだもの。

ああそうか、開演前に尾高さんのチラシを
見たことも、リサイタル中に父のことを
思い出した伏線になっているんだな。

昨日は、5列目の左ブロックだったけど、
明日は、6列目の右ブロックです。
違う角度で観られるのも一興かな。

ああ、なんだか尾高さん指揮のN響と
諏訪内さんの演奏会も聴きに行きたくなってきた。

ところで、今日の今日まで、
諏訪内さんは「すわうち」さんだと思っていたら、
「すわない」さんだったよ。





2022.2.18

国際音楽祭 NIPPON 2022
諏訪内晶子ヴァイオリン・リサイタル

~J.S.バッハ:無伴奏ソナタ&パルティータ全曲演奏会
「プログラム 2」


諏訪内晶子さんのヴァイオリン・リサイタル、
一昨日のプログラム1に続き、プログラム2を
聴きに行ってきた。

会場は一昨日と同じく東京オペラシティの
コンサートホール。
とんでもなく天井が高い。
おそらく最高の音響を考えてのことだろうが、
確かに素晴らしい響きだと思う。

さて、一昨日は、5列目左ブロックだったけど、
今日は6列目の右ブロック。
ヴァイオリンに対して、私のいる位置が違うので
厳密には、聴こえ方も違うのだろうけど、
同時に聴き比べて判断できるわけではないので、
これは何とも言えないな。
ちょっと今日の方が、一昨日より音が硬めに
聴こえたけど、気のせいかな。

クラシックの有名曲に「シャコンヌ」と
いうピアノ曲があって、何人かのピアニストの
演奏を(CDで)聴いたことがあった。
私は、クラシック音楽に詳しくないので、
このたびの諏訪内さんを通して知ったのだが、
なんとそのピアノの曲だと思っていた
「シャコンヌ」がヴァイオリンの独奏のために
バッハが書いた曲をピアノにアレンジしたものだった。
いや、ヴァイオリンでも聴いたことがあったのだろうけど、
ちゃんと分かっていなかったんだな。

「シャコンヌ」は、正確には、
パルティータ第2番ニ短調 BWV1004 の
第5楽章「シャコンヌ(Ciaccona)」。
とても印象的なメロディで、なんというか
ちょっと悲壮感があって私は好きだ。
そして、ピアノよりヴァイオリンの方が
断然良いと思うな。
出だしのヴァイオリンの重音でやられてしまう。

今日も「シャコンヌ」がハイライトのように感じたが、
アンコールで演った2曲もこれまた凄かった。
MC が一切ないので、曲名も分からないのだけど。
このリサイタルのためにどれほどの練習を
積み重ねられたかと思うと、それだけで
気が遠くなりそうだ。
名古屋・東京4日間のリサイタルの
最終日ということで、諏訪内さんは
今日はきっと旨い酒を飲まれたことだろう。
って、お酒飲みはるかどうか知らんけど。

今回のバッハの独奏曲は、6曲(それぞれ4楽章~
8楽章まであるものもある)なのだが、
短調が4曲、長調が2曲で、今日は
その2曲の長調が含まれていた。
「シャコンヌ」を含むパルティータ第2番だけが
今日の短調(D Minor)だった。
2日間リサイタルを聴いて、分かったことは、
ヴァイオリンの曲は、私は長調より短調の曲の方が、
好きだということ。
なんだろう、短調の方が、とてもスピリチュアルな
感じがするんだ。
長調は軽快に、短調は厳かというか。

300年前にドイツで作曲された曲が、
300年近く前にイタリアで製作された楽器で
21世紀に日本で演奏されるという、
奇跡を感じる夜でした。

昨日、尾高さん(指揮者)のことに触れたけど、
結局、月曜日にある、尾高さん指揮のN響と
諏訪内さんの演奏会も聴きに行くことにしたよ。
我ながら、凝り性だと思うけど。


[ 曲 目 ](プログラム2)
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのための
パルティータ第2番ニ短調 BWV1004
ソナタ第3番ハ長調 BWV1005
パルティータ第3番ホ長調 BWV1006

@ 東京オペラシティ コンサートホール





(2022.2.20 追記)
ジャパンアーツ(主催)のウェブサイトに
アンコールの情報があった。
私が「凄かった」と書いたのは、
「イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番
 イ短調 Op.27-2より 1.Obsession」
「J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番
 イ短調 BWV1003より 3.Andante」
特に「イザイ」が凄かった。
バッハの方は、プログラム1の曲。





2022.2.21

尾高忠明 指揮
NHK交響楽団
諏訪内晶子(ヴァイオリン)




またまた諏訪内晶子さんの演奏を聴きに行ってきた。
今日は、尾高忠明 指揮/NHK交響楽団との共演。
会場は、同じく東京オペラシティ コンサートホール。

尾高さんのことは、子供の頃から知っていたことは、
ここ に書いたけど、彼の指揮を観るのは、
おそらく45~50年ぶりぐらいだろう。
そんなわけで、尾高さんが登場しただけで、
ちょっと感動してしまった。
私の記憶の尾高さんは、前述の通り、
約50年前の尾高さん。
1947年生まれらしいから、私が観たことの
あるのは、彼が20代後半ぐらいだっただろう。

さて、数年に一度程度しか聴きに行かない
クラシック音楽だが、この度は1週間に3度目。
やはりオーケストラは、良いなぁ、
演奏が始まった途端にそう思った。

曲は、(クラシックに明るくない私には)
知らない曲ばかりで、1曲目、オーケストラによる
シベリウス作曲「ペレアスとメリザンド」組曲は、
楽曲としてやや地味な印象。

2曲目、諏訪内さんが登場しての
デュティユー作曲「ヴァイオリンと管弦楽のための夜想曲
『同じ和音の上で』」。
これは現代音楽だなと思って聴いていたら、
やはり、2002年に書かれた曲で、
ちょっと聴いてるのしんどい、マニアックな曲。

休憩を挟んで、本日のメイン。
ブラームスんの「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」。
この曲もたぶん初めて聴いたと思うけど、
さすがにヴァイオリンの見せ場たっぷりで
カッコ良い曲でした。

それにしても、何十人ものオケをバックに
それに負けない演奏をするソリスト(今日の場合
ヴァイオリンの諏訪内さん)って、演奏技術も
楽器も凄いことやな、と思ったのでした。
ポピュラーミュージックなら、マイクを付けて
PA でバランスを取るけど、クラシックの場合、
そういうことせずに演奏するからね。

終了後、尾高さんと諏訪内さんが
マイクを持って少し MC をした。
今回のコンサートの協賛に TOYOTA が
入っているので、尾高さん曰く
「(トヨタの車・コロナにかけて)新型コロナって
言うけど、2年も経ったらもう新型じゃないよ。
旧型だよ」と笑いを取っていました。
そして、師匠の斎藤秀雄に
「良い指揮者になりたかったら、喋るな」と
教わったと、オチを付けて終わったよ。

斎藤秀雄で思い出したのだけど、
私の父が関わっていたオーケストラに
斎藤先生も指導者として関わられていた。
これも50年ほど前の話だけど、
ある外国人の指揮者か演奏家が来日し、
演奏会が終わった後に、斎藤先生に
挨拶に来られたそうだ。
その外国人は、斎藤先生に日本で
覚えた最高の挨拶をしたそうな。
「モーカリマッカ?」
それを聞いた、斎藤先生は、瞬時に
若き日の尾高さんの仕業だと見抜き、
「忠(ちゅう:尾高さんのこと)を呼べ!」
と言ったという。
当時、その話を何度も楽しそうに父が話していたな。

なんだか、尾高さんの演奏を聴きに行ったのは、
父への弔いだったような気がしてきたよ。


[ 曲 名 ]
シベリウス:「ペレアスとメリザンド」組曲 Op. 46
デュティユー:ヴァイオリンと管弦楽の夜想曲
         「同じ和音の上で」
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 77

[ 出演者 ]
尾高忠明(指揮)
諏訪内晶子(ヴァイオリン)
NHK交響楽団

@ 東京オペラシティ コンサートホール





2022.2.23

SAVE LIVE MUSIC
ラーメン・どんぶり




年明け早々に注文した、
上原ひろみとブルーノート東京の
コラボレーション「“SAVE LIVE MUSIC”
ラーメンどんぶり」が届いた。



上原ひろみが、コロナ禍の中、
大変な音楽業界(ブルーノート)を
救うために企画したオリジナル・ラーメンどんぶり。
私にとっては、大切な音楽と、
音楽を聴ける大切な場を守るための企画。
立派などんぶりで感激!

龍の顔は、どう見てもひろみ。
龍のカラダは、ピアノの鍵盤です。



裏底には、
「SAVE THEMUSIC Blue ♪ Note TOKYO」



これで、ラーメン食べよう!





2022.3.3

渡辺香津美
『JAZZ回帰プロジェクト』

featuring 則竹裕之&川村竜




以前に観たこのトリオは、
ベースが井上陽介だったが、
今日は川村竜。
彼のことは、たぶん7~8年前にシャンティの
バックで観たのが初めてだったと思うけど、
最近では、BLUE NOTE TOKYO
ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA なんかも
演るようになった。
エレベもアコベもブイブイ弾きます。

さて、『JAZZ回帰プロジェクト』という
タイトルが付いているので、
コルトレーンやマイルスの曲を演奏するのだが、
わざわざ『JAZZ回帰』と言わなくても
良いと思ってしまうほどに結局、何を演っても
香津美ワールドなのでした。

『マンハッタン・フル・ダンス』を聴きながら、
この曲、高校生の時に文化祭で演ったのを
思い出したのでした。(汗)

香津美のギターは、2本。
2本とも Paul Reed Smith のハコもの。
シンラインとやや深胴のもの。
どちらも見るからに高級です。


[ MEMBERS ]
渡辺香津美(ギター)
則竹裕之(ドラムス)
川村竜(ベース)

@ Blue Note TOKYO
2nd show

[ SETLIST ]
1. フット・プリンツ
2. モロッコ
3. モーメント・ノーティス
4. ブルー・イン・グリーン
5. マイルスストーン
6. ユニコーン
7. マンハッタン・フル・ダンス
EC. インプレッションズ





2022.3.5

ザ・ビートルズ
Get Back:ルーフトップ・コンサート

THE BEATLES: GET BACK - THE ROOFTOP CONCERT




1969年1月30日にビートルズがロンドンの
アップル・コアの屋上で行ったライヴの
ドキュメンタリー映画。
50年以上前の映画にも関わらず、
クリアな映像と音で楽しめた。
メンバーは、ビートルズの4人と
キーボードにビリー・プレストンが参加。

知らなかったのだけれど、
このライヴは、ゲリラ・ライヴだったんだ。
近隣の苦情を受けて、警官が
現場にやってくる。
「やめなければ、逮捕者が出る。
脅しじゃない」とまで言うが、
観ていると意外に呑気に見えるのは、
時代のせいだろうか。

警官達が現地に到着後、ずい分経ってから、
屋上(ライヴ会場)に上がる。
警官の姿を見たポール・マッカートニーは、
明らかにテンションが上がっている。
アドリブで「逮捕されるぞ」なんて歌っているのもスゴイ。
ついには、ギターアンプの電源を落とされるも、
演奏をやめない。
ジョージは、再びスイッチを入れて、演奏を続けるのだ。

路上の人達からは、演奏する彼らの
姿は見えないのだけど、音だけは、
しっかり聴こえている。
ゲリラ・ライヴに好意的な人達がいる
一方で、あからさまに迷惑だと批判する人達もいる。
イギリスでは、誰もがビートルズを
受け入れていたのかと思ったら、
そんなことはなかったんだな。

高齢の人が、「彼らの音楽も髪型も
受け入れているよ」と好意的なことを
言うので、インタビュアーが
「娘さんの恋人でも?」と聞くと
「(彼らは)金持ちだからOK」と
答えるのが面白かった。

結局、警官に屋上のライヴを止められたあと、
スタジオで他の曲の収録が続く。
"Let It Be" のアルバム収録ヴァージョンの
シーンも少し流れるのだが、
これは、カットなしで全部流して欲しかったな。
とはいうものの、途中で止まるテイクも
観られるので貴重だ。

ジョージ・ハリスンのギターは、
このライヴで有名になった
Fender のオールローズのテレキャスター。
ジョン・レノンは、エピフォンのカジノ。
アンプは、2人とも Fender に見えた。
ポールは、カール・ヘフナー。

曲は、"Don't Let Me Down"、"Get Back" は
複数回のほか、"Dig A Pony"、"I've Got A Feeling"
"One After 909"、"Let It Be"、"Two Of Us"、
"The Long And Winding Road"。

アルバム『レット・イット・ビー』の収録のころには
ビートルズのメンバーはもう不仲だったというような
記事を読んだ記憶があるが、この映画を見る限りは
険悪なムードは感じられず、久しぶりの人前での
演奏を楽しむ、若者の姿だと思った。
IMAX で鑑賞。


★★★★★


アート、映画、音楽に親しめる平和に感謝。





2022.3.6

Char
45th Anniversary Tour




昨年は、4月の日比谷野音、
10月の Billboard LIVE Tokyo、
12月の武道館と3度も Char さんのライヴを観た。
今日の会場は、中野サンプラザ。
1976年21歳のデビューだったので、
正確には昨年が45周年だったのだけど、
年をまたいでの 45周年ツアーなのは、
コロナの影響もあるのかも知れない。

コロナの感染対策のためだと思うが、
大分、客席を間引いた感じで、
実際は、半分ぐらいの入りかな。
私の席は、1列目42番。
オケピットの席が前にあったので、
実質は2列目。
ステージに向かって右側だったけど
2,200席の会場では、とても良い席だった。
やっぱり、近くで観られるといいなぁ。
同じライブでも体験が違ってくる。
スピーカーの近くだったけど、
今日は音も聴きやすかったしね。
バスドラムが、胸に響いて全身で聴く感じ。
こういうのは、2階の後ろの席だと感じないね。
1曲目から6〜7曲MCなしで演って
開口一番「高齢者には、2日連チャンはつらい」。
今年67歳ですから。
そうやろなぁ、身体より喉が大変やろと思う。

ギターは、FENDER のバーガンディミストの
ストラトキャスターがメイン。
こちら、オリジナルか、レプリカかは不明。
あと、『Shinin' You, Shinin' Day』、『Smoky』
などでは、FENDER のピンクのペイズリーのマスタング。
このギター、私は見た目があまり好きでは
ないのだけど、ええ音なのです。
Char さんがたびたび使うのも頷ける。
『Infant Elephant』では、VOX の Starstream。
『Wondering Again』では、GIBSON の
ゴールドトップのレスポール。
この曲では、私が見た限り、必ずこのギター。
ストラトやマスタングでは、あの感じは出ないんだろうな。

MCでは「ウクライナ」とか「ロシア」とか
具体的なワードは言わないのだけど、
そのことを思わせることを言った。
そして、いつになく何度もピースサインをあげた。
今の心境と言って、春畑(チューブのギタリスト)に
書いたという『I Feel Free』(と言ったと思う)を演奏。

その他、『All Around Me』、『Stylist』、
『Everyday, Everynight』、『Creepin'』、
『Moving Again』、『Anytime』、
『Power of Music』、『波』、『逆光線』、
『闘牛士』、『Rainbow Shoes』など。

本編は、1時間40分だったけど、
2回のアンコールが終わったら、
2時間25分も経っていました。

ツアーは、昨日の群馬からスタートし、
5月3日の横浜まで、北海道から
九州まで全国11カ所を周る。


Fender からもお花が。


[ MEMBERS ]
Char:Gt&Vo
澤田浩史:B
小島良喜:Key
ZAX:Dr

@ 中野サンプラザ


(2022.6.25 追記)

[ SETLIST ]
1. A Fair Wind
2. Everyday, Everynight
3. All Around Me
4. Fret To Fret
5. Stylist
6. Walking On Air
7. Creepin'
8. Infant Elephant
9. Power of Music
10. 夢の中の夢
11. The Leading Of The Leaving
12. 逆光線
13. 波
14. Wondering Again
15. Shinin' You, Shinin' Day
16. Smoky
--- EC 1 ---
17. Anytime
18. Moving Again
19. 闘牛士
--- EC 2 ---
20. I Feel Free
21. Rainbow Shoes





2022.3.26

渡辺貞夫カルテット2022
~Sadao Watanabe Quartet 2022




渡辺貞夫さんの4月17日の東京文化会館の
ライヴのチケットを取り損ねたので、
長野県塩尻市まで聴きに行ってきたよ。
素晴らしいライブだった。

貞夫さんのライヴは、昨年の12月以来なのだけど、
この2月に89歳になられた。
80歳代のアーティストは、何人かライヴを
観ているけどその中でも
とびきりお元気なのではないかと思う。
往復6時間以上、1万3千円以上かけて
行った甲斐があったよ。
上質で、上品で、ジェントルでいて、パワフル。
そんな演奏だった。

二部構成で一部はジャズ、二部はブラジルもの。
どんなに深く音楽を愛しても、70年やってきても、
完成とか終わりとかいうものはなく、
今もジャズという長い旅の途中でしかない、
何というかそんな感じ。

MCの時に「名前が思い出せない」って
言ってだけど、そんなの59歳(私)でもそうです。
89歳になっても、演奏は衰えを感じさせない。
その演奏意欲、創作意欲、ただただ、凄い。

このメンバーによるカルテットは、
初めてだったけど、3人ともとても良い。
特にドラムの加納樹麻さん。
貞夫さんと演るのはこのツアーが
初めてだったようだけど、
彼のドラムをまた聴きたいと思ったね。
名前、覚えておかなくちゃ。
奇しくもメンバー3人とも名前に「樹」という
文字が入っているらしく、
「樹(き)に囲まれて演奏しています」って
言ってたよ。

いつも最後に演る『花は咲く』を演ったあと、
一旦本編が終わった感じだったけど、
メンバーと何やら話して何曲か演奏した。
もう、これはアンコール扱いだなという感じ。
「ウクライナのことがあって」と前置きして始めた
ジョン・レノンの『Imagine』、続いて同じくジョンの
『Give Peace A Chance』のサビを合唱。
お客さんは全員マスクしているし、
声を出すなと注意されているので、
あんまり歌っていなかったけど
(曲知っていても正確に歌詞覚えていないし)。

"All we are saying is give peace a chance"

ウクライナに平和を。
世界に平和を。
です。

これで、もう終わりでしょう、という感じだったけど
お客さんの拍手は止まない。
再び登場し、これもよく演る曲(曲名が分かんない)
をとてもパワフルに吹き上げた。

途中、15分ほどの休憩を挟んで、約2時間10分。
大満足でした。

そうそう、ライブの度に聞ける
昔のエピソードはとても貴重。
今回も、1960年代、ブラジルのギタリスト、
バーデン・パウエルが来日した際、
同じくブラジルから来日していたパーカッションの
グループと貞夫さんの下宿で夜遅くまで
盛り上がってしまい、近所の人が警察に
通報して、翌日は菓子折りを持って
近所を謝ってまわったとか、
ライブ・アンダー・ザ・スカイで来日した、
やはりブラジルのシンガー、エリス・レジーナと
アルバムを作る約束をしたのに、
その後間もなく彼女が亡くなってしまったために
叶わなかったとか、そんな話を聞けた。
その何年も後に貞夫さんは、ブラジルで
エリスに捧げたアルバム『ELIS』を
レコーディングしており、今日は、
そのアルバムに収められている『Eris』も演奏。


[ MEMBERS ]
渡辺貞夫(as)
林正樹(p)
コモブチ キイチロウ(b)
加納樹麻(ds)

@ 塩尻市文化会館レザンホール 中ホール





2022.3.27

サイレントギター20周年記念イベント
“渡辺香津美とサイレントギターを楽しもう!”




サイレント・ギターというのは、
もともとは、ヤマハが日本の住宅事情を
考慮して作り出した、大きな音が鳴らない、
練習用のギターなのだが、これが練習用どころか
ステージで使っているプロも多いのだ。
ピックアップとプリアンプが優秀なんだろうな、
見た目の印象より良い音がするんだ。
私もナイロン弦仕様の初期型を持っていて、
旅先の練習用に持ち歩いたりしてきた。


YAMAHAの画像

そのサイレント・ギターが発売から20年に
なるのだという。
今日は、その記念イベントに行ってきた。
出演は、20年前の発売時にサイレントギター
(ナイロン弦)のキャラクターになった、
渡辺香津美さん。
(スチール弦対応が発売された時は、
中島みゆきさんだった。)

イベントは、MC の挨拶の後、
香津美さんのソロ演奏で始まった。
曲は、ビートルズの『ノルウェーの森』と
バーデン・パウエルの曲(曲名失念)。
香津美さんにインタビューのあと、
開発者のヤマハの何木明男さんが登場。
このオジサンが、とてもユニークで面白かった。

私は、サイレント・ギターが先で、そのあと
サイレント・ヴァイオリンやサイレント・チェロが
発売されたんだと、勝手に思い込んでいたが、
順番はギターの方が後だったと知った。

何木さんは、当初、こんなにヒット作品に
なるとは思っておらず、6000本売れたら
ヒットだと思っていたらしい。
それが、この20年で世界で45万本だというから驚きだ。

何木さんのインタビューは、こちらで読める。
→ 「サイレントギター」への想い

何木さんコーナーの後、少し香津美さんの
アドリブのレクチャーがあって、
今日の参加者とのセッション・タイムになった。

セッションは、事前に申し込んでいた3人が
ステージに上がり、順番に香津美さんと
サイレント・ギターで、デュオ演奏をするという企画。
このイベントのことを知った時点で、
セッション参加者を募集していたのは、
知っていたが、私はこういう場面では消極的だ。

3人のアマチュアは、中高年の男性。
曲は、1人目から順に『黒いオルフェ』、
『Spain』、『Softly As In The Morning Sunrise』。
本番前に打ち合わせ(リハ?)があったようだが、
香津美さんとの決定的な違いは、リズムだった。
もちろん、参加者は極度に緊張していただろうから、
上手く弾けなくて当然なのだけど、
完璧に弾けないフレーズを弾こうとすることも
アマチュアあるあるで、聴いていてつらい。
内を隠そう私も過去に何度も、
そんな姿を披露してきた。

そんな数多い反省もあって、今では
人前で、演奏するということは、
本当にモノにしているプレイを
披露することだと思っている。
オリンピック競技ではないので、
練習で弾けなかったフレーズを
本番でチャレンジするのは、NGだ。
というか、練習で出来たことも本番では
出来ないことが多いのに、その逆はありえないだろう。
しかし、練習では大いにチャレンジすべきだ。

それから、最後に再び香津美さんのソロ演奏。
香津美さんの『トチカ』、
ジャンゴ・ラインハルトの『Minor Swing』
アンコールでチャーリー・パーカーの
『Billie’s Bounce』。

ヤマハさん、アンケートにも書いたけど
ぜひ、ナット幅45~47ミリぐらいの
ナイロン弦ヴァージョンを出してください!


[ 出 演 ]
渡辺香津美
何木明男(ヤマハ)

@ヤマハ銀座スタジオ





2022.3.28

渡辺つながり シンクロニシティ


一昨日は、渡辺貞夫さん、
昨日は、渡辺香津美さんと
サックスとギターの違いはあれど
2日続けて日本ジャズ界の巨匠の
演奏を聴いたわけだが、
偶然にもお二人の苗字は「渡辺」だ。

貞夫さん(89歳)と香津美さん(68歳)は、
親子ほど年が離れているけれど。
私は、この二人の共演をナマで観たことはないのだけど、
香津美さんは、70年代に貞夫さんのグループに
いたこともある。

一昨日、貞夫さんがバーデン・パウエルの
想い出を語り、大好きな曲のひとつと言って
バーデンの曲(タイトル失念)を演奏したのだが、
昨日は、香津美さんがバーデンの曲を演奏した。
違う曲だったけど、2日続けて違う渡辺さんが
バーデンの曲を演奏するという不思議に立ち会えた。
もちろん、世界中で毎日、誰かがバーデンの
曲を演奏しているんだろうけど、ふだん、
私はバーデンの音楽を聞かないし、
名前を聞くことも話題にのぼることもほとんどないので
なんだか不思議なのでした。
バーデン、久しぶりに聴いてみよう。





2022.4.4

高中正義 39アルバム 通し聴き

昨年11月の高中正義の武道館ライヴが
あまりに素晴らしかったので、
アルバムを全部聴きなおそうと、
数カ月かけて、アルバム 39枚を年代順に聴いた。
それに加えて、最後に 仕上げとして
昨年発売された『 ALL TIME SUPER BEST~
SELECTION』(CD3枚)を聴いて、
このプロジェクト(?)は完了とした。

39枚の内訳は、スタジオ・アルバム 30枚、
ミニ・アルバム 2枚、カバー/セルフカバー・アルバム 6枚、
LITTLE RICHARD との企画アルバム 1枚だ。
実際には、これ以外にライヴ盤、ベスト盤、
リミックス盤もあるが、それらは除いた。

1st アルバム『SEYCHELLES』が、1976年、
30th アルバム『40年目の虹』が、2011年。
2011年以降は、カバー・アルバム、ライヴ盤。
ベスト盤がリリースされているが、
今のところ、オリジナル・アルバムは、
10年以上出ていない。
ここ最近のインタビューを読むと、
若い時のように曲が出来なくなっている印象だ。

さて、39枚のアルバムを年代順に聴いてみて
感じたこと。
若い頃に聴いたということが、大きな要因かも
知れないけど、70年代から80年代前半に
好きな曲が多い。
年と共に音楽の趣味が変化し、
高中を全く聴かなかった数年間もあった。
最近は、またよく聴くようになって、
あらためてこの人の音楽の良さを感じている。
比較的新しい曲の中では、
『一番好きな海の色』が良い。
70~80年代の曲は、1曲選ぶのは難しい。
アルバムをというなら、自分でも意外だが、
81年の『虹伝説 THE RAINBOW GOBLINS』を
選びたい。
「意外」というのは、若い頃はそんなに
好きなアルバムでは、なかったからだ。
しかし、今聴くと、これは正に
高中の代表アルバムであると思う。

時期によって、ギターのサウンドも変化している。
高中と言えば、コンプレッサーの効いた
ストラトキャスターのクリーンサウンドか、
ヤマハのSGの音を思い浮かべるが、
どのアルバムだったか、分からなくなったけど、
やたらと細いシングルコイルのクリーンサウンドの
時期があって、それは私は好みではない。

例えば2015年のアルバム『My Favorite Songs』に
聞かれるストラト・サウンドはある程度の太さがあり、
個人的には、こういう音の方が好きだ。

90年代には、黒人音楽に近づこうとしていたのか、
流行りを意識してのことか、ラップを取り入れたりもしている。
でも。私はギターで勝負しいる方が、好きだな。

今年は、デビュー51年目。
今年のライヴは、まだ発表されていないけど、
ぜひ、オリジナル・アルバムのリリースと
そのお披露目ツアーを望む!





2022.4.5

浅葉裕文
Swingin' Guitar All-Stars




ジャズ・ギタリスト 浅葉裕文。
この人のことは、全くのノーチェックで、
つい先日まで知らなかった。
コットンクラブのライヴの告知を見て知り、
面白そうなので 聴きに行ってきた。
本日のみ、1ショーだけというせいもあってか、
結構な盛況ぶりで盛り上がったライヴだった。
演奏を聴いて、ちょっと岡安芳明さんを
イメージしたら、岡安さんの弟子でした。

コンテンポラリーなジャズが多い中、
こういう伝統的なジャズを演る若者もいるのだな。
若者と言ってもそれなりの年だろうけど。
クラリネット、サックスの宮崎佳彦も
ドラムのたきざわあつきも まだまだ若いと見た。
(30代前半ぐらい?)

この手のジャズは、普段あんまり聞かないけど、
分かりやすくて良い。
ジャズって 進化し過ぎると、もう何やってるか
わからんオジサンたちもおるからな。

浅葉のギターは、ギブソンの(たぶん)L-5。
P-90タイプのピックアップの付いた、
ザ・渋い ギターです。
アンプは Roland JC で
特にバラードでは、とてもキレイな音でした。


[ MEMBERS ]
浅葉裕文 (g)
矢野伸行 (b)
たきざわあつき (ds)
- Special Guest -
菅野淳史 (tp)
宮崎佳彦 (cl,ts)
武田将 (vib)

@COTTON CLUB





2022.4.6

Babyface
MTV Unplugged NYC 1997


引っ越し後の荷物の整理は、
今も地味に続いている。
CD、DVD、楽譜が対象で、
ゆっくり、チェックしながらなので、
時間がかかっているけれど。

先日、処分しようと思っていた
Babyface のDVD を観た。
1997年9月25日、 NY の
マンハッタン・センターでのアンプラグド・ライヴ。
処分の前に、もう一度観ておこうと思って。



これが、良かった!
これは、永久保存版やん!というほど。
(ということは、処分できない・・・)

このライヴは、CD も持っていた覚えがある。
たぶん、CD で聴いてよかったから、
DVD が出たとき(2001年)に買ったような気がする。
買って、1回観ただけでずっと棚に並んでたんだ。
20年間。

もう、クラプトンやスティーヴィー(・ワンダー)が
ゲストで登場することも忘れてたよ。
「奇跡の夜」と言われているのも
納得の素晴らしい面々と演奏。
バンドはエレキ・ギターだし、全然アンプラグドと
違うけど、そんなん関係ない。

DVD を観ながら、思い出した。
CD の『Whip Appeal』の3連符を聴いて
「なんて気持ちええリズムなんや!
このドラム誰?」って調べて
リッキー・ローソンを知ったんだ。

Babyface の歌はもちろんのこと、
バンドが素晴らしい。
ベースは、ネイザン・イースト、
ギターは、マイケル・トンプソン、
パーカッションは、シーラ・E、
そして、ドラムがリッキー・ローソン。
(その他、ギターとキーボードが一人ずつ。
ギターの人は、キーボードやフルート迄こなす。)
ミュージカル・ディレクターを務める
ボ・ワトソンのピアノが、また素晴らしい。
コーラスの皆さんも。
もちろん、クラプトン、スティーヴィーも。
あと、ゲストのあんまりよく知らない黒人シンガー達。
(たぶんその世界では有名)

というわけで、このDVDは、
棚に戻されたのでした。
こんなことで、片付けられるのか、オレ。

そうそう、Babyface は、左利きなのだけど
右利き用のギターをそのまま弾いていた。
きっと、ギターを持った時から、
そうだったんだろうけど、とても器用に見えます。





2022.4.24

手嶌葵
15th Anniversary Concert
~ Simple is best ~




死ぬまでに一度は観ておきたいアーティスト・シリーズ。
今日は、手嶌葵を聴きに行ってきた。
昨年7月からスタートした 15周年のコンサート・ツアー。
今日の東京オペラシティコンサートホール公演は、
追加公演であったようだ。

手嶌葵は、2006年 ジブリ映画『ゲド戦記』の
テーマソングでデビューし注目されたが、
私は、『ゲド戦記』を観ていない。
そのテーマソング『テルーの唄』は、
聴いたことがあるという程度。

私が、彼女の歌をまともに聴いたのは、
2008年の映画『西の魔女が死んだ』の
主題歌『虹』だった。
『西の魔女が死んだ』は、劇場に
3回観に行き、DVD も買った。
当然、主題歌も好きになり、CDも買った。
そんなわけで、一度はライヴを観たいなと
思っていたシンガーだった。

さて、手嶌葵は、とても澄んだ無垢な声で、
いわゆる癒し系の歌声。
ウィスパー・ヴォイスというのかな、
耳元でささやくような歌声だ。
ライヴでも、その声は変わらず、
この声で2時間のショーをやってしまうのは、
凄いと思った。

バックは、ピアノ・キーボード・鍵盤ハーモニカと、
ギター・ヴァイオリンのふたり。
「Simple is best」というコンサートのテーマ通り
超シンプルな編成。
でも、不足を感じない。
聴きたかった『虹』でヴァイオリンの威力を知る。
ヴァイオリンって凄い。

曲目は、『The Rose』、『Moon River』、
『虹』、『テルーの唄』、『ナナカマド』、
『瑠璃色の地球』、『岸を離れる日』、
『Crueralla De Vill』、『Edelweiss』など。


[ MEMBERS ]
真藤敬利(ピアノ・キーボード・鍵盤ハーモニカ)
オオニシユウスケ(ギター・ヴァイオリン)

@ 東京オペラシティコンサートホール





2022.5.2

機 関 車

忘れ物は もうありませんねと
機関車は 走るのです
君はいつでも ぼくの影をふみながら
先へ先へと はしるのです

目がつぶれ 耳も聞こえなくなって
それに手まで しばられても
目がつぶれ 耳も聞こえなくなって
それに手まで しばられても

乗りおくれまいと 急ぎすぎたぼくは
もうとまらない レールの上
あい色した うそのけむりをはきながら
ぼくは君を 愛しているんだ

目がつぶれ 耳も聞こえなくなって
それに手まで しばられても
目がつぶれ 耳も聞こえなくなって
それに手まで しばられても


* * * *

4月29日、小坂忠が逝ってしまった。
全身癌だったらしい。
享年73歳。
ちょっと若すぎる。

冒頭に書いたのは、小坂忠の『機関車』の歌詞だ。
私は、いまだにこの歌詞の意味を測りかねている。
「目がつぶれ 耳も聞こえなくなって
それに手まで しばられても」というフレーズが
強烈で、何か怖いような気もするのに好きな曲だ。

小坂忠のことは、ここに書いたが、
2018年3月5日に初めて、ライヴを観た。
その日のエントリーを読むと、
ライヴがとても良かったことが分かる。
あの前年、10時間に及ぶ大手術をしたと
話されていたが、それからもずっと
闘病されていたんだ。
ウェブサイトを見ると、2021年には
3回も手術をしたと書いてある。

4月30日にパシフィコ横浜で行われる
「SKYE」という超大物バンド(鈴木茂、
小原礼、林立夫、松任谷正隆・4人とも
70歳)のライヴにゲストで出演し、
『機関車』を歌う予定だったらしい。
それが、「最後のステージだろう」と
本人は言っていたらしいが、叶わなかった。
ちなみに「SKYE」の4人のうち、
ベースの小原礼を除く3人は、
アルバム『HORO』のレコーディング・メンバーだった。
(ベースは、アルバムのプロデューサーでもあった細野晴臣。)

彼の訃報を聞き、色々読んでいて知ったのだが、
私が観た2018年のライヴは、なんとCDになっていた。
2ステージあって、私は 2nd show を観たのだけど、
『機関車』のあとの MCを聴くと、2nd show の
演奏であることが分かる。
(全曲 2nd show かどうかは分からないけどね。)
このCDでは、大病を患ったあとのライヴとは
思えない歌声が聴ける。
アンコールで演った "Forever Young"(Bob Dylan)と
"You Are So Beautiful"(Billy Preston)が
収録されていないのは、大変に残念。
これは大人の事情だろうなぁ。

もうナマで聴くことは叶わないのだけど、
こうやって彼の音楽は生き続ける。
奇しくも、ヴォーカルと新しいデュオを
始めようとしていて、2週間ほど前、
彼に『機関車』を演ろうよと話したところだった。


合掌。




MARTY HOLOUBEK TRIO
マーティ・ホロベック・トリオ
featuring 井上銘&石若駿




マーティ・ホロベックは、オーストラリア出身で
東京在住のベーシスト。
1990年9月3日生まれとあるから、まだ31歳だ。
そのマーティに加えて、井上銘(30歳)、
石若駿(29歳)という日本人若手
トップクラスのふたり。
先月、このトリオによるニューアルバムが
発売されたのだけど、それは未聴のまま
ライヴに臨んだ。

どんな感じのトリオか知らずに行ったのだけど、
ギターの井上銘は数えきれないくらい観ているし、
石若駿のドラムも数回ナマで観て
その素晴らしさを知っているので、
悪かろうはずはないと思っていたが、
やはり期待を裏切らない演奏だった。

なんだろう、こういうレベルの人たちは、
音楽をもはや「ワン、ツー、スリー、フォー」とは
捉えていないように感じた。
「ダァーーー、ダァーーー」って捉えてる感じ。
その「ダァーーー」は、拍子とか小節とか
関係なくて、塊(かたまり)なんだ。
その塊は、数えると1小節だったり
2小節だったりするのかも知れないけど、
そういう数字で数えてない。
何拍子とか考えてない。
そんな感じ。(どんな感じ?)

マーティ・ホロベックは、ウッドベースと
エレベを曲によって持ち替えての演奏。
とても力強いプレイ。
エレベは、Gibson のリッパ―ベース!
これ重いでぇ~。
高校ん時のバンドのベーシストが、
リッパ―ベースのコピー・モデル
(もちろん Greco)を持っていた。
彼は、KISS のファンで、ジーン・シモンズが
使っているので買ったということだったが、
これが重かった~。
それはさておき、マーティはとても
愛嬌のある人で、日本語も上手く
MC も面白かった。

ギターの井上銘。
今日のギターは、Gibson L6-S。 L5-S。
これも重いギターや。
彼のスリリングなソロも良いけど、
スローナンバーでのためたプレイは、
もう円熟を感じます。

そして、ドラムの石若駿。
どうしてこの人のドラムは、こんなに叩いているのに
うるさくないんだろう。
毎回唸らせられる、ホントに素晴らしいドラミングだ。

ジャズなんだが、何度もロックを聴いているような
錯覚に陥った。
曲は、ニューアルバムから全曲演ったんじゃないかな。
私は、特にスローの『Shouganai(しょうがない)』と
『Closer』が私の好みだった。
あと、アンコールで演ったマーティのソロベースの
曲も美しかった。

アルバムは、未聴で聴きに行ったと書いたけど
帰宅後、iTunes ストアでダウンロード購入。
聴きながら、これ書いてます。

[ MEMBERS ]
Marty Holoubek (b)
井上銘 May Inoue (g)
石若駿 Shun Ishiwaka (ds)

@ Blue Note TOKYO


(2022.6.22 追記)
[ SETLIST ] 2nd show
1. Let Others Be The Judge of You
2. Snack Bar
3. AmCP
4. Room
5. Nagoya no Ie
6. Naruyouninaru
7. Karuizawa
8. Shouganai
9. Polygon
EC. Closer

Blue Note LIVE REPORT より





2022.5.9

Eric Clapton
Lady In The Balcony : Lockdown Sessions




こういう作品が発売されると、飛びついて買うのだけど、
買ってから 観るまでに結構時間がかかってしまう。
本作も、昨年秋に予約してまで 買ったにもかかわらず、
手元にあると、いつでも観られるという心理が働くのか、
気になりながら、中々観ないという不思議な事態に陥る。
そういう DVD/Blu-ray が何本もあるのだ。
CD は、移動中などにも聴けるのですぐに聴くんだけどね。

そんなことは、さておき、エリック・クラプトンの
『レディ・イン・ザ・バルコニー:ロックダウン・セッションズ』。
昨年5月のロイヤル・アルバート・ホール(ロンドン)の
ライヴが、新型コロナウイルス感染拡大のために中止になった。
エリックは、スティーヴ・ガッド(Dr)、ネイザン・イースト
(B)、クリス・ステイントン(Key)の3人を
イギリスの田舎町に集め、無観客のライヴを収録した。
それが、『レディ・イン・ザ・バルコニー:ロックダウン・
セッションズ』としてマルチフォーマットで(Blu-ray、
DVD、CD、SHM-CD)発表された。
発売に先立ち、劇場上映版が公開された。
もちろん、観に行ったので 感想はこちら。

2021.10.9 劇場上映版 ロックダウン・セッションズ

発売されたものには、ライヴだけが収録されているけど、
劇場版の方は、エリックへのインタビューや、
リハーサル、オフショットなど貴重なシーンが
15分ほど収められている。
どうせなら、商品化するときにこれらも収録して欲しかったな。
いつか、何かの節目の時に、出るかも知れない。
ファン泣かせである。

さて、Blu-ray を観ての感想。

美しい。
演奏、音楽、映像、全てが美しい。
エリックもメンバーも自分たちの演奏に
満足している様子が窺える。
エリックの歌が、良い。
収録時は、76歳かな。
渋いです。
ブルースやロックが音楽の高みへと昇華していく。
とても良いです。

もう本当に来日しないのかなぁ・・・
ロンドンに行けば、まだライヴを観るチャンスが
あるかも知れないなぁ。

ギターは、4本登場する。
エリックのギターテック(ギターの管理スタッフ)の
ダン製作による12弦ギター、マーティンのECモデル、
ギブソン2本(ES-335 と L-5?)。
ちょっと驚いたのが キーボード2台、
エレアコ・ベース、ドラムセットが
YAMAHA だということ。
スゴイね、ヤマハ。

映像が美しいと書いたけど、
時々挟み込まれる、建物や景色が、
本当に素晴らしい。

これは、Blu-ray ということも大きいかも知れない。
うちのテレビは、大型画面だけど、聞いたこともない
メーカーの安物だけど、それでも十分にきれいだ。
ロンドンの南、ウェストサセックスという所らしいけど、
ここへ行きたいと思わされる。





2022.5.16

Cory Henry
コリー・ヘンリー


めっちゃ久しぶりの外国人アーティストのライヴ!
先日観た、マーティ・ホロベックは、
現在、日本在住だから、来日アーティストとしては、
2020年2月28日のアンディ・マッキー以来、
実に2年2カ月ぶり!
長かったなぁ~。
もしかしたら、もう一生観られないんやないかと
心配した時期もあったけど、ようやく
出口が見え始めたという感じ。
来月は、ラリー・カールトンを聴きに行きます!

さて、今日のアーティストは、コリー・ヘンリー。
ファンクとゴスペルをルーツに持つ米国人
ハモンド・オルガン奏者コリー・ヘンリー。
あんまりよく知らなかったのだけど、
何曲かネットでチェックして、
カッコええやないか、これは観とかんといかん、
ということで、行ってきた。

期待以上にめーちゃくちゃカッコええ~。
1曲目始まって すぐ痺れてしもた。
オルガンが主役の音楽って
ほとんど聞いた覚えがないのだけど、
めっちゃくちゃカッコ良かった。

ディープ、ファンキー、グルーヴィ、
ダンサブル、ハッピー、ピースフル。
そんな感じ。(どんな?)

3人ともめっちゃええ感じ。
先日、マーティ・ホロベック・トリオのライブの
感想で「こういうレベルの人たちは、
音楽をもはや『ワン、ツー、スリー、フォー』とは
捉えていないように感じた。
『ダァーーー、ダァーーー』って捉えてる感じ」と
書いたけど、今日はもう一歩進んだ発見があった。
彼らは、そもそもリズム(または拍子)など
取っていない。
以前、小曽根真さんが ワークショップで、
言っていた。
「自分の演奏しているリズムに
合わせるのではなく、演奏でリズムを創り出せ」
言葉は、忘れたけどそんな感じのこと。
そう、彼らの演奏はそれ自体がリズムなので、
「リズムを"取る"」必要がないのだ。
何ということ!
リズムを取って演奏しているうちは、
まだ、音楽をマスターしていないのだ!
そんなことをグルーヴィに発見させてくれる演奏だった。

今どきのリズム&ブルース(歌もの)を
聴かせてくれるのかと思ったいたら、
ラスト3曲を除いては、インスト。
ファ~ンキーなジャズです。
歌もんもジャズっぽいです。
ジャンル分けは、どうでも良いけど、
この人は、こっち(歌ではなく鍵盤)の方が
演りたいことなんやと、感じました。

アンコールなしで、90分弱。
超ゴキゲンなライブでした。


[ MEMBERS ]
Cory Henry / Vo, Key
Josh Easley / B
TaRon Lockett / Dr

@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show




2022.5.17

BLUE NOTE TOKYO meets CLASSIC
福田進一 with 渡辺香津美 & 沖仁




「クラシック、ジャズ、フラメンコ
ジャンルを超えたギタリストの頂上共演」と
銘打ったスペシャルなライヴを観てきた。

出演は、福田進一、渡辺香津美、沖仁。
渡辺香津美と沖仁は、何度も観ているけれど
福田進一は、2015年以来 7年ぶり。

まずは、福田のソロ『アストゥリアス』でスタート。
この曲は、クラシック・ギタリスト、
ジョン・ウィリアムスが、1971年にロンドンの
ジャズ・クラブ、「ロニー・スコッツ」に出演した
際に演奏した曲ということで、それに倣って
初めて、ブルーノートで演奏するにあたり、
選んだということだ。
そして、クラシック・ギターといえばこの曲
『アルハンブラの思い出』。
続いて、ピアソラが生誕100年 (2021)、
没後30年 (2022) ということで
『アディオス・ノニーノ』。
ジャズクラブで聴く、クラシック・ギターというのも
乙なもんですな。
それにしても、3曲とも超難しそう。

それから、沖仁とのデュオ、香津美とのデュオ
3人での演奏と、ギター三昧なライヴだった。
ギターは、3人ともガット・ギターで、
香津美は数曲で、スチール弦(マーティンの
ドレッドノートタイプだけどメーカー不明)を使用。
クラシックの福田に合わせてか、
香津美も沖もピックアップ付きのギターは使わず、
マイクで拾っていた。

クラシック、ジャズ、フラメンコと3人の奏法や
アプローチの違いも興味深かった。
比べるもんじゃないのは、分かっているが、
フラメンコ奏法が一番 打撃力(?)があるので、
インパクトが強い。

『スペイン』のイントロとして、『アランフェス協奏曲
第2楽章』を3人で演ったのだけど、
3人が交替でメロディを弾くのが、良かったなぁ。
『スペイン』に突入すると、福田は外れて
香津美と沖のデュオになったけど、自分たちの
ライヴの時より、特に沖が控えめな印象でした。

ライヴとは関係ないけど、今まで大きな思い違いを
していたことに気付いた。
前述のクラシック・ギタリスト、ジョン・ウィリアムスが、
「ロニー・スコッツ」に出演した動画が YouTube に
アップされているのを 福田がツイッターに紹介していると
いうので、観てみた。
大好きな『カヴァティーナ』(映画『ディア・ハンター』の
テーマ曲)も演奏してる。
この曲、ジョン・ウィリアムスの作曲・演奏だと
いうのは、以前から知っていて、
「へぇ~、ジョン・ウィリアムスって、ギターも
弾くんや、すごいなぁ」とず~っと思っていた。

私は、『カヴァティーナ』が映画音楽だったため、
『スター・ウォーズ』や『スーパーマン』、『E.T.』、
『ジョーズ』などを作曲したアメリカの大作曲家
ジョン・ウィリアムスが作曲し、ギターも
弾いているのだと思い込んでいたのだった。

その1971年の動画を観て、「あれ?
ジョン・ウィリアムスって、こんな人やったっけ?」と
思い、ググってみて、ビックリ!
同名の別人だったのだ。

ギタリストのジョン・ウィリアムス
(John Christopher Williams)は、
オーストラリア出身、81歳。
作曲家のジョン・ウィリアムス
(John Towner Williams)は、
アメリカ合衆国出身、90歳。

私が、クラシック・ギタリストに明るくないため、
大きな勘違いをしていたのであった。
気付いて良かった~。


[ MEMBERS ]
福田進一(ギター)
渡辺香津美(ギター)
沖仁(ギター)

@ BLUE NOTE TOKYO
2nd show

[ SETLIST ]
<福田進一 ソロ>
1. アストゥリアス
2. アルハンブラの思い出
3. アディオス・ノニーノ(ピアソラ)
<福田進一&沖仁 デュオ>
4. 魔法の輪(ファリャ)
5. 粉屋の踊り(ファリャ)
6. 火祭りの踊り(ファリャ)
<福田進一&渡辺香津美 デュオ>
7. ブロンズ(香津美)
8. エチュード
9. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(モリコーネ)
10. デボラのテーマ(モリコーネ)
11. プレリュード(バッハ)
<福田進一、沖仁&渡辺香津美 トリオ>
12. アランフェス協奏曲より第2楽章アダージョ(ロドリーゴ)
<沖仁&渡辺香津美 デュオ>
13. スペイン(チック・コリア)
<福田進一、沖仁&渡辺香津美 トリオ>
14. ネコビタン・エックス(香津美)
<福田進一ソロ>
EC. グノシエンヌ(エリック・サティ)


[ 参考動画 ]
John Williams at Ronnie Scott's - Documentary of 1971





2022.5.18

佐藤浩市「役者唄」
Live at Blue Note Tokyo




2日連続のブルーノート。
先輩俳優の原田芳雄の勧めで歌い始めたという
佐藤浩市のライヴに行ってきた。

役者が歌うというのは、ミュージシャンが
歌うというのとは、また違う味があるのは、
分かるが、私は、正直、原田芳雄や
松田優作の歌がそんなに好きではなかっった。
これは、ナマで聴いたことがないということと
大きく関係しているかも知れない。

というのも、佐藤浩市の歌は、初めて聴いたけど
「また聴きたい」と思ってしまったからだ。
いや、根本的に原田芳雄や松田優作よりも
佐藤浩市の歌が、私の好みだったと
いうことだけかもしれないけれど。

ショーは、小澤征悦(ゆきよし)と吉田栄作の
寸劇(?)から始まった。
2人は、BARで飲んでいる設定で
バーテンダーと3人で 佐藤浩市 のことを
いじっている(あんまり良いように話していない)。
そこへ偶然、佐藤浩市 が次のライヴの
打ち合わせをしに、ギタリストとやってくる。

今まで、佐藤のことをよく言っていなったふたりが、
急に態度を変える。
吉田の「役者唄って何?」という質問に
佐藤は「歌手ではなく、役者だからこそ
歌える歌がある」と答える。
それを原田芳雄から受け継いだのだと。

佐藤は、「お前たちも歌ってみろ。
ここがブルーノートで、目の前にお客さんが
いると思って」と言い放ち、ライヴが始まった。

まずは、小澤征悦が2曲。
『プカプカ』(西岡恭蔵)という渋い選曲と
小澤が作詞したというオリジナル・ソング。
(タイトル失念。)
さすがは、世界的指揮者の息子。歌も上手い。

吉田栄作にバトンタッチ。
『心の旅』以来の財津和夫作曲のカバーだという
『人生はひとつ でも一度じゃない』。
「人生は一度だけど、何度でもやり直せる」という
メッセージソングだ。
聴きながら、最近自ら亡くなった芸人のことを思う。
もう1曲、ゆくゆくは佐藤浩一に
歌って欲しいという吉田のオリジナル・ソング。
(これもタイトル失念。)
吉田栄作の K.Yairi のギターは、
そんなに古くなさそうなのに
激しいピッキングのために塗装が剥げており、
(ああ、この人ずっと歌ってるんや)と思った。
そういうのに弱い(単純)。

そして、メインの佐藤浩市。
大人の男の色気がスゴイです。
さすがに一流の役者です。
どう見ても、完全にシンガーです。
歌、期待以上に上手いです。
還暦でのCDデビューも納得です。

曲は『朝日のあたる家』、
『ブルースで死にな』など数曲演った後、
小澤、吉田とともに
『横浜ホンキー・トンク・ブルース』
『生きてるうちが花なんだぜ』。
この2曲が本日のハイライトやったな。

アンコールの拍手に3人が再び登場し、
「アンコールの曲がないんです」と
挨拶だけだったのだけど、
なんか最後には、ウルウル感動してしまいました。

会場には、萬田久子さん(開演前から、
その異様なオーラで気付きました)や、
数人の役者さんがおられたようで、
前から紹介してくれたけど、私は
萬田さん以外は、知らなかった。
でも、いつものブルーノートとは、客層が
明らかに違うというのは 興味深かった。
なんか、「ザ・芸能界」みたいな人が多かった印象。
(個人の感想です。)

それから、ライヴと関係ないけど、
歌の3人ともがお腹出てないんよね。
プロフェッショナルって、そういうことやね。
お腹の出てる吉田栄作ってイヤやもんな。
(あ~、そう言うと、ジュリーはちょっと太ってしもたな。)

あと、書かなくても良いことかも知れないけど、
あえて苦言を呈するなら、ギターの人が数回
ビミョーなプレイをしたことや、音がでか過ぎる場面や、
チューニングが甘い場面があったことが、
私は(自分がギター弾きなので)
気になって気になってしょうがなかった。残念。
(上からですが)曲によっては、良いプレイもあったけど、
(なんで、このギタリスト?)って思うほどだったんで
帰宅してからググったら、この人、原田芳雄の長男だった。
う~む、なるほど、そういうことか。


[ MEMBERS ]
佐藤浩市(ヴォーカル)
阿部薫(ドラムス)
小泉P克人(ベース)
原田喧太(ギター)
ミトカツユキ(キーボード)
SAYAKA(ヴァイオリン)
Cast:白柳力(最初の寸劇のバーテンダー)
Guests:小澤征悦(ヴォーカル)
吉田栄作(ヴォーカル, ギター)

@ Blue Note TOKYO
2nd show





2022.5.23

松任谷由実 コンサートツアー
深海の街




昨日は、ユーミンのコンサートに行ってきた。

20年以上前のこと、ある人に
「(ユーミンのコンサートを体験すると)
人生観変わるよ」とまで言われたので、
1999年に一度だけ ユーミンのコンサートに
行ったことがある。
会場は確か横浜アリーナだった。
「ユーミン・スペクタクル・シャングリラ」という名の
ツアーで、サーカスのようなものを交えたショーだった。
もちろん素晴らしかったんだけど、
期待が大き過ぎたためか、
人生観が変わるほどではなかった。
あれから、20数年。
自分からユーミンを聴くことは、めったにないけど、
コンサートの案内を見て、急に観たくなったので
抽選に申し込んだら当選した。

ツアーは、2021年9月30日に始まり、
3つの期に分けて、今年の7月9日まで、
約60公演。
この5月から7月までは、第3期。
昨日の会場は、東京国際フォーラムホールA。
2階 24列目。
後ろから3列目。
音は素晴らしく聞きやすかったけど、
誰が歌っているのか分からないほどステージまでが遠い。
(もちろんオペラグラスは持参した。)
おまけにステージの後ろのスクリーンに様々な映像が
流されるが、私の席からはその一部が
天井や照明具が邪魔になって見えない。
ステージの様子も時折映し出されるが、
それも全部が見えないので、ちょっとストレスだった。
この席が、1階前方と同料金(全席指定9,900円)
だというのは、とても納得できないが、
そんなこと言うても しゃーない。
ステージを作る人たちには、
「今後は2階の最後部席からも見えるように
工夫してください」と言いたいね。
そういえば、ポール・マッカートニーの
東京ドーム公演でも同じようなことがあったな。

そんなことはさておき、
コンサートはどうだったかというと、
これぞ、ポップスター!
これぞ、ポップミュージック!
これぞ、エンタテイメント!
これぞ、プロフェッショナル!
という密度の濃いショーだった。
This is it. という感じ。
ユーミンの音楽、コンサートに対する
コミットメントを観たね。
彼女は、現在68歳だけど、年齢は感じさせない。
きっと鍛えてるんやろなぁ。
2015年の Char の還暦コンサートの時、
61歳で超ミニスカートで登場したのも
ぶったまげたもんね。

コンサートは、『深海の街』という2020年12月に
リリースされたアルバムのコンセプトに沿った内容。
1曲目は『翳りゆく部屋』でゾクゾクしたね。
私は、ニューアルバムを聴いていないし、
そんなにたくさんのユーミンの曲を知らないので、
知っている曲は、数えるほどだったんだけど
とても凝った、楽しめる、内容だった。
(荒井由実時代なら、大体知ってるんやけどね。)

当たり前やけど、バンド、上手かったなぁ。
コーラスの3人が、それぞれ、サックス、
パーカッション、ギターも担当し、
サックスとパーカッションの人は、
1曲でダンスまでした。
芸達者です。
アンコールでのメンバー紹介で、
サックス&コーラスの人が、
小林香織だと聞いてビックリ。
(私の席からは、オペラグラスで覗いても
女性だというのが分かる程度だった。)


[ MEMBERS ]
松任谷由実/vo
武部聡志/key
小田原豊/dr
遠山哲朗/gt
浜崎賢太/b
小林香織/sax, fl, cho
佐々木詩織/cho, perc
今井マサキ/cho, gt
遠藤令/dance, digital human

@ 東京国際フォーラムホールA

[ SETLIST ]
1. 翳りゆく部屋
2. グレイス・スリックの肖像
3. 1920
4. ノートルダム
5. 深海の街
6. カンナ8号線
7. ずっとそばに
8. What to do ? waa woo
9. 知らないどうし
10. あなたと 私と
11. REBORN~太陽よ止まって
12. 散りてなお
13. 雨の街を
14. ひこうき雲
15. NIKE~The goddess of victory
16. LATE SUMMER LAKE
17. Hello、my friend
18. ANNIVERSARY
19. 水の影
EC. 青い船で
EC. 空と海の輝きに向けて
EC-2. 二人のパイレーツ

(ユーミンのファンサイトより)

このサイトすごいよ。


ところで、コンサートの内容とは関係ないが、
入場時に観客全員にフェイスシールドが配られた。
電子チケットに「特製フェイスシールド付き」と
書いてあったので、そのことは知っていた。
着用は任意だろうけど、
こんなの着ける人いるのかな、と思っていたら、
開演時間が近づくと
「間もなく開演になります。
フェイスシールドの着用をお願いします」と
場内のスタッフが言い始めた。
開演したら、一緒に来た人とも話さないだろうに、
なんで、フェイスシールドを着用させるのたろうかと
不思議に思った。
場内アナウンスでも、「必ず着用してください」と言う。
そして、場内には、赤外線(?)による
ウイルス除去装置も働いていると言う。
コロナのことがよく分からず、国民が一番、感染を
恐れていた時期ならまだしも、ここへきて
コンサートでフェイスシールドは、なんだか、
大げさというか、ナンセンスに感じる私は、
不謹慎だろうか。
この会場に来るまで、ほとんどの人が
電車を乗り継いで来ただろう、その間は、
フェイスシールドをしていなかったのに、
公演中は口を開かないのに、なぜ要るんだろう?
開演直前、周りを見渡すと、半分以上
(割合にしたら7~8割かも知れない)の
人がフェイスシールドを着けている。
もちろん(私も含めて)全員がマスクを着用している。
フェイスシールドを着けている人は、マスクとの併用だ。
みんな、これ必要だと思って着けているのかな。
それとも、ユーミンのファンで彼女に
迷惑かけたくないという配慮なのかな。
私は、着ける気がしないので、着けなかった。
もし、スタッフに直接着けるよう促されたら、
(トラブルを起こす気はないので)
着けるしかないなと思っていたけど、
「必ず着用してください」と強いアナウンスを
してた割には、そんなこともなかったよ。





2022.5.26

LOVE SUPREME presents
DREAM COME TRUE
(featuring 上原ひろみ, Chris Coleman,
 古川昌義, 馬場智章)
WONK




いやぁ~ええもん観たわ~。
ドリカム(DREAM COME TRUE)。
ただのドリカムちゃうで。
メンバーがスゴイ。
ピアノが上原ひろみ、ドラムがクリス・コールマン、
ギターが古川昌義、サックスが馬場智章に
ドリカムのふたりというスペシャルなバンド。
これは、値打ちあったわ。

ドリカムのライヴが良いのは、なんとなく
知っていたけれど、特にファンでもないので
そんなに観たいと思ったことはなかった。
今回は、ひろみが出るのでチケットを
取ったのだけど、大正解。
このメンツでやることは、そうそうないでしょう。

そして、吉田美和の凄さを痛感した。
彼女の歌が素晴らしいのはもちろん知っていたけど、
ナマで聴くと感動だったね。
本能的、野生的、身体的、根源的。
もう吉田美和という人は ステージにいなくて、
ただそこに歌が生まれ続けているだけ。
そんな感じ。
この人、MC の時と 歌っている時とで、
二重人格ちゃうかと思うほど、声もあり方も
全然違う。もう別人。
喋っているときは、ちょっと心もとない感じなのに
歌い出した途端に、強烈な安定感と
大きさを感じさせる。

曲は、吉田のソロ・アルバムから。
1枚目のソロ・アルバムは、ギターに
デイヴィッド・T・ウォーカーが参加していて、
CD を買った覚えがあるけど、もう27年も
前のアルバムで、ほとんど覚えていない。
2枚目のソロアルバムは、16年前の
発表で、これはたぶん未聴。
なので、知っている曲は、アンコールで
演ったドリカムの『サンキュ』だけ。
でも、もの凄く楽しめた。
歌もスゴイし、バンドの演奏もスゴイ。

ひろみは、何を弾いても上原ひろみ。
当たり前やけど。

古川昌義は、レスポールのゴールドトップで、
職人芸的ギタープレイでした。
ずい分前に 坪倉唯子 のライヴで観て以来かな。

サックスの馬場智章は、たぶん初めてだと
思うけど、素晴らしいプレイヤーだった。

そして、ドラムのクリス・コールマン。
この人のことも勉強不足だったけど、
素晴らしいドラムでした。
チャカ・カーンのバックと聞いて納得。

ベースの中村さんが、この面子で演るのは
ちょっと大変そうだったのは、
なんとなく分からないでもないけど、
そんなに自虐ネタにしなくても良いのに、と思った。

今日のライヴは、今月14日15日に
埼玉・秩父ミューズパークにて開催された
「LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL」という
フェスの番外編。

「LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL」は、
イギリスで2013年から開催されているフェス。
当初の予定では、2020年に日本で初開催の
予定だったが、コロナのせいで、2年見送っての開催だった。
その出演者であった DREAM COME TRUE
(featuring 上原ひろみ, Chris Coleman,
古川昌義, 馬場智章)と WONK の
2組が、神戸と東京でも公演を行ったわけだ。

そうそう、WONK についても書いておこう。

このバンドについては、全く予備知識なしで、
ジャズ・フェスに出たのだからジャズバンドかと
思っていたら、そうではなかった。
終演後、ググってみたら、何かのサイトに
「エクスペリメンタル・ソウルバンド WONK」
と紹介されていた。
なんじゃそれはという感じだが、
「エクスペリメンタル」とは、
「実験的」「試験的な」という意味らしい。
ひと昔前なら、「オルタナティブ(新しい)」、
もうひと昔前なら、「プログレッシブ(進歩的な)」と
呼んでいたのかも知れないな。
聴いた限りは、それほど実験的な印象は受けず、
ソウルというより今どきのロック、あるいは
ポップスという印象だった。
バンド4人(vo, dr, key, b)に、サポートメンバーが
3人(g ×2, sax)の7人編成。

歌も演奏も上手いのだけど、
何かフックがないというか、
楽曲が印象に残らないというのが 私の感想。
まあ好みの問題ですけど。
でも、もっと売れても良いと思う。
英語の曲が多かったのは、世界を相手に
しているということなのかな。

会場は、初めて行った「東京ガーデンシアター」。
チケットを申し込む時、恵比寿にある
「ザ・ガーデンホール」と勘違いして、
「近いからラッキー」と思ったけど、
全然違いますやん。
東京ガーデンシアター、2020年に出来た
有明にある、8000人も入るでかいホールですやん。
勘違いしたまま、ガーデンホールに向かってたら、
えらいことやったわ。
危ない、危ない。

8000人と書いたけど、今日は一席飛ばしで
半分は間引いてあった上、誰も座っていない
ブロックもあったので、3,500~3,600人でしょうか。
素晴らしいライヴだったのにな、もったいない。
でも両隣の席が空いていると、
ゆったり座れるのは嬉しいねんけどな。

大きなホールだけど、アリーナ席プラス、
スタンドが3層あって、どの席もステージに
近いように作られている。
東京ドームシティホールに似ているけど、
一回り大きい感じ。


開演10分前

2層目のスタンド席だったのだけど、
会場の作りが良いうえに、
今日は、ステージ両サイドにモニターも
映し出されていて、とても観やすかった。

先日のユーミンの時も感じたのだけど、
このモニターの進化に驚く。
つい数年前までは、音より少し遅れて、
映像が映し出されていたのが、
今は全くレイテンシーを感じない。
ストレスなしだ。


[ 出 演 ]
DREAM COME TRUE
(featuring 上原ひろみ / Chris Coleman /
 古川昌義 / 馬場智章)
WONK

@ 東京ガーデンシアター





この1~2年でチケット値上がりしたね~。
これは、もうコロナの影響もあって
席も間引ているし、仕方ないことやと思うけど、
14,000円ですわ。





2022.5.29

熊谷和徳
VOICE(ヴォイス)




昨日は、熊谷和徳のタップダンスを観てきた。

熊谷のタップは、2017年の上原ひろみとの
デュオ
で初めて観た。
上原のピアノに合わせて、
熊谷がタップを踏むんだろうと思っていたら、
それは大きな間違いで、
ピアノは、タップの伴奏をしていたんだ。
そう、タップは、「ダンス」でもあるけど、
「楽器」なんだ。
ああいう既成概念が覆される体験は、
とても気持ちの良いもので、記憶に残る。

さて、5年ぶりの熊谷のタップ。
(もう、タップ「ダンス」とは書きません。)
昨日は、「VOICE」というタイトル。
熊谷に言わせると、声と同じように
タップにもそれぞれの人のヴォイスがあるという。

今回は、奄美大島の島唄を唄う、元ちとせと
アイヌの伝統音楽を唄う6人との共演。
島唄は、聴いたことがあるけど、
アイヌの音楽は全く知らない。
ちょっと、想像が出来なかったけど、
その方が興味が湧いた。

もともとタップは、奴隷で連れて来られた、
黒人たちが、踊ることや太鼓をたたくことを
禁じられ、自由になる足だけで初めてとされる。
ジャズやブルース同様に、黒人にそのルーツがある。

そんなタップと、日本の北と南の伝統民謡。
おそらくは、演者たちにもチャレンジで、
冒険だっただろうが、そういう時、恐ろしさより、
ワクワクが勝つ人たちがこういうことを
実現するんだろう。

前置きが長くなった。
それで、ショーがどうだったかというと、
聴いたことのない、全く新しい世界で、
島唄やアイヌ音楽とタップが、
見事に融合しており、素晴らしい演奏だった。
そう、ダンスというより演奏。
昨日も熊谷は踊っているというより、
演奏していたね。
やはり、タップは楽器という方がふさわしい。
全身で動くのでダンスでもあるけどね。

ルーツを考えるに、おそらくだけど、
音楽がスイングしている方が、
タップは踏みやすいんじゃないかと想像する。
アイヌの音楽は、そのリズムがゆったりしているおかげで
スイングを乗っけることが、そんなに難しく
なかったんじゃないかと感じたけど、
島唄は、難しかったんじゃないかと感じる場面もあった。

でも、終わった時の、拍手の大きさ、
スタンディング・オベイションを見ると
ショーの素晴らしさは、間違いないと思った。

オーチャードホールは、見た感じ8~9割りの入り。
コロナは、大分収まってきているとはいえ、
よくお客さんが集まったと思う。


<出演>
熊谷 和徳
元 ちとせ(vo)
日川 キク子(アイヌ伝統歌の唄い手)
山本 榮子(アイヌ伝統歌の唄い手)
床 みどり(アイヌ伝統歌の唄い手)
渡辺 かよ(アイヌ伝統歌の唄い手)
床 絵美(アイヌ伝統歌の唄い手)
郷右近 富貴子(アイヌ伝統歌の唄い手)
鈴木 正人(pf/b)
堀米 綾(harp)
福盛 進也(dr)
u+ta(ゆた)(コーラス):
太田美帆, 鎌野愛, 小松陽子, 根本理恵, 勝政美紀

@ Bunkamuraオーチャードホール


[(参考サイト)制作ノート ]
Vol.1『FINDING MY OWN VOICE ―自分だけの声を探して』
Vol.2 『熊谷和徳×元ちとせ』対談
Vol.3 『熊谷和徳×アイヌ伝統歌の唄い手4名』対談





2022.6.7

FAB4
featuring JUNE YAMAGISHI




先週の金曜日(6月3日)、
「FAB4 featuring 山岸潤史」という
ライヴを観てきた。
「FAB4(ファブフォー)」というユニットのことは、
このたび知った。
ベースの KenKen は、何度か観ているけど、
その他のメンバーのことは、良く知らなかった。
ゲストで山岸さんが出演するので、観に行ってきた。
山岸さんは、ニューオリンズで活動しているギタリスト。
帰国は、3年ぶりだという。
(コロナのせいでしょう。)

FAB4、4人とも凄腕です。
まあ、スゴイグルーヴだった。
KenKen (b) と FUYU (dr) のコンビ、強力です。
この FUYU というドラマー、EXILEや
スガシカオなどと共演しているということで
そのグルーヴも納得。
キーボードは、PONTA さんに認められ、
20歳で NEW PONTA BOX に
参加していたという、柴田敏孝。

そして、ギターの TAKU。
「韻シスト」というバンドのギタリスト。
全く知らなかった人ですが、音色もフレーズも
かなり好きなギターだった。
腕前もかなりのものと見た。
ギターは、テレキャスターを2本使用。
Fender の Bigsby 付き Thinline が
大変ええ音出しとった。
セッティングのせいでしょう、山岸さんより
断然、聴きやすい音だった。
山岸さんの音は、ちょっと音量が小さくて、
聞きづらい場面が何度もあったのは残念。
あれは、PAの責任ではないのかな。
ギターは、(たぶん)Xotic のテレキャス・タイプ。

曲は、とにかくゴキゲンで、ゴキゲンで
あっという間の70分だった。
アンコールは、そんな風にくるか、という
アレンジの『Cissy Strut』。
これは面白かった。

山岸さんは、69歳。
来年70歳か~。


[ MEMBERS ]
FUYU (ds)
KenKen (b)
TAKU (g)
柴田敏孝 (key)
guest : 山岸潤史 (g)

@ Blue Note TOKYO
2nd show





2022.6.8

Larry Carlton
ラリー・カールトン




いよいよ外国人アーティストが戻ってきたぞ。
今日は、2019年8月のリチャード・ボナとの
共演以来、3年ぶりのラリー・カールトン!

久しぶりな上、1部と2部で違うプログラムなので
張り込んで 通しで 観てきたよ。

1st: "The Crusaders Remembered Vol. 2"
2nd: "Greatest Hits / Steely Dan Vol. 2"

「Vol.2」とあるのは、以前一度 演ったからかな。

まずは1部。
定刻を10分ほど過ぎてメンバーの登場。
ラリーのギターは、Gibson ではなく
Sire(サイアー)の H7(335 タイプ)



Sire は、高品質な楽器をお手軽な価格で
提供することを目的として出来たメーカーで、
その第一弾は、エレキ・ベースで
マーカス・ミラー・モデルだった。

マーカスが来日公演で使用したのを
観たことがあるけど、1曲か2曲で
弾いただけだったのに対し、
ラリーはこの Sire 1本だけでステージを通した。

出てくるのは、ラリーの音に違いないが、
あの Gibson ES-335 に比べて、
やはり若いというか、若干 新しいギターの
音に聴こえるのは、私の偏見か既成概念か。
いや、やはりラリーのあの 335 は、
1969年製だというから、違って当たり前だな。
ちなみに Sire H7 は、11万円です。
一度もチューニングしなかった(と思う)のはスゴイ。

1部は、"The Crusaders Remembered" と
いうことで、クルセイダーズの曲を中心に
演ったんだと思うが、曲名が分かるのが
『Cold Duck Time』ぐらいだ。
それ以外に『Smiles and Smiles To Go』
『Minute By Minute』など。
ラストは、短めの『Room 335』で
アンコールはなし。

2部は、"Greatest Hits / Steely Dan"。
これまた、スティーリー・ダンの曲名が
分からないのだけど、終演後ステージあった
セットリストを見るとこの通り。



たぶん上から演ったんだろう。
『(It Was) Only Yesterday』は、
書いてあるけど、演っていないので
1部同様『Room 335』で終わって、
アンコールで『Sleepwalk』までだな。

1部は、18時スタートということもあってか、
少し空席があったけど、2部は、ほぼ満席。

メンバーは、ラリーとサックスのマーク、
トロンボーンのバリーは、ええおじさんだが、
他の3人はまだ若い。
ベースのトラビィス(ラリーの息子)は、
ちょっと太り過ぎやな。
150kg以上ありそう。


[ MEMBERS ]
Larry Carlton (Guitar)
Travis Carlton (Bass)
Ruslan Sirota (Keyboards)
Mark Douthit (Saxophone)
Barry Green (Trombone)
Gene Coye (Drums)

@ Billboard Live TOKYO
1st and 2nd show


ラリーのペダル





時代遅れのRock’n’Roll Band

桑田さんの YouTube チャンネルに
『時代遅れのRock’n’Roll Band』の
フル・ヴァージョンがアップされた。
公開から、2日で視聴回数100万回を
超えている。

先月リリースされたこの曲は、
1955~56年生まれの同級生5人、
桑田佳祐(作詞・作曲)、佐野元春、
世良公則、Char、野口五郎による
チャリティ・ソング。

音源は、すでに聴いていたけど、
このたび、MV がアップされたわけだ。
レコーディングでは、5人全員が集まることは
なかったらしいが、この MV には、
5人が一堂に会し、一つのマイクを
囲んで唄う観たことのない絵が見られる。

同じく66歳の大友康平(ハウンド・ドッグ)が
ドラマー役で出演している。
これ、聴いたとき、同じ年のミュージシャンで
声をかけられなかったけど、参加したかった人、
いるだろうな、と思っていたけど、
大友さんも歌いたかっただろうな。

そのほか、キーボードに原由子、
ベースにハマ・オカモトが出演。

5人は、同級生ということだけど、
野口五郎が見た目 若い!
桑田さんも若い!
髪の毛を染めていないせいもあるだろうけど、
Char さんが一番渋い(老けているとは言いません)。


桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎
ー 時代遅れのRock’n’Roll Band(Full ver.






2022.6.10

スチャラカ
SUCHARAKA LIVE @ BLUE NOTE TOKYO




今日は、金子マリちゃん(なぜか「ちゃん」付け)が、
ジャズ・ギタリスト秋山一将、石渡明廣らと組んだ
新しいバンド「スチャラカ」を観てきた。

奇しくも先週の金曜日には、同じブルーノートで
マリちゃんの息子、KenKen(FAB4のベーシスト)を
観たばかりだ。
(KenKen の父親は ジョニー吉長、兄は金子ノブアキ)

まず、3曲インスト。
秋山さんの名前は、40年ぐらい前から知っているけれど、
ナマで観るのは、初めてだと思う。
何年か前、病気をされたような記事を読んだ覚えがある。
その病気の後遺症か何かだろうか、
明らかに一般的なギタリストに比べ、
弾いている姿が難しそうに見えた。
何年か前に観た事故後のマイク・スターンを
思い出した。

私が持っている秋山さんの音源は、80年前後の
フュージョン・ブーム時のコンピに収められた演奏。
それとは、比べられない演奏だったのだが、
その弾きにくそうな演奏から奏でられるトーンは、
強烈な個性と味となって、私に届いた。
「今のミス・トーン?」というようなことを
超越したような演奏だ。

もう一人のギタリスト、石渡さんは普通に
上手い演奏をするのだけど、
非常に対照的で興味深かった。

ギターは、秋山さんはヘッドの形状から、
フジゲンではないかと思われる、
フロントPUがハムのテレキャスター・タイプ。
石渡さんは、シェクターの HSH の
ストラトキャスター・タイプ。

マリちゃんが唄った曲の中では、
『ゴロワーズを吸ったことがあるかい』が良かった。
これ、ムッシュかまやつの曲です。
若い頃、聴いた時はその良さが分からなかったけど、
今は分かります。
そのほか『ジョージア・オン・マイ・マインド』や
ボサノバ風の『What a Wonderful World』も
良かったなぁ。
アンコールは『青い空』。
お客さんは、やや少なめだったけど、
普段のブルーノートにはない、独特の空気でした。

大西真 & 松本照夫のリズム・セクションは、
渋い安定のグルーヴでした。


[ MEMBERS ]
金子マリ(vo)
秋山一将(g,vo)
石渡明廣(g)
大西真(b)
松本照夫(ds)

@ Blue Note TOKYO
2nd show


[ 金子マリ 関連エントリー ]
2012.7.25 石田長生 “Kanreki" Birthday Special LIVE!!
2013.6.6 山岸潤史・芸歴40周年&還暦記念ライブ in 東京
2015.7.16 略して「ボイス」
2015.7.22 有山岸 feat.上田正樹~Bitter Sweet Soul~
2016.7.25 “ 石田長生展 ハッピネス!! ”
2016.10.9 MARI KANEKO 60th BIRTHDAY LIVE 金子な理由
2019.9.22 石田長生展 2019 SONGS Of Ishiyan


(2022.6.22 追記)
[ SETLIST ] 2022 6.10 fri. / 2nd show
1. 凪
2. Spooky
3. You are the one
4. Golden lady
5. Easy living
6. All around the world
7. ゴロワーズを吸ったことがあるかい
8. Georgia on my mind
9. What a wonderful world
EC. 青い空

Blue Note LIVE REPORT より





2022.6.12

エコー・イン・ザ・キャニオン
ECHO IN THE CANYON




ウェストコースト・ロックの聖地と
言われる「ローレル・キャニオン」を
題材にしたドキュメンタリー映画
『エコー・イン・ザ・キャニオン』。

ウェストコースト・ロックと聞くと、私は
イーグルス、ドゥービー・ブラザーズ、
リンダ・ロンシュタット、ジャクソン・ブラウン、
J.D. サウザーあたりを思い浮かべる。
それらは、いわば70年代で、
本作は、それらよりちょっと前、60年代の
ウェストコースト・ロックを題材にしている。

ザ・ビーチ・ボーイズ、ママス&パパス、
ザ・バーズ、バッファロー・スプリングフィールドと
いったグループだ。
ザ・ビーチ・ボーイズ、ママス&パパスは、
代表曲ぐらいは知っているけど、
ザ・バーズ、バッファロー・スプリングフィールドに
至っては、全く聴いておらず、
もし、若い頃に聴いていたら、とても
面白かったんではないかと思った。

とはいえ、ビートルズに触発された、
ウェストコーストのアーティストが創った
音楽に今度はビートルズが、
影響されるという構図は大変興味深かった。
大西洋を挟んでそのケミストリーが
起きていたわけだ。
そしえ、ウェストコーストのアーティストたちが、
互いに影響し合って音楽を創っていたのが
「ローレル・キャニオン」だったわけだ。

そう考えると、音楽、この場合ロックは、
誰か一人で生み出されるものではなく、
アーティスト同士が、影響し合い
発展してきたことが分かる。
一人きりでは、生み出されないのだ。

ビートルズだけではない。
エリック・クラプトンが、デラニー&ボニーや
デュエイン・オールマンなど
アメリカ南部のミュージシャンに影響を
受けたというのは有名だが、エリックも
ウェストコーストの影響を受けていたんだ。
『Let It Rain』の元ネタが、
スティーヴン・スティルスの曲だと
エリック自信が認めている。

案内役は、ジェイコブ・ディラン
(ボブ・ディランの息子)。
ジェイコブが、ベック、ノラ・ジョーンズらと
カヴァーを聴かせる。

インタビューに応じるのは、
トム・ペティ、ブライアン・ウィルソン、リンゴ・スター、
ミシェル・フィリップス(ママス&パパス)、
スティーヴン・スティルス、デヴィッド・クロスビー、
グラハム・ナッシュ、ロジャー・マッギン、
ジャクソン・ブラウン、そして、エリック・クラプトン。


★★★★☆





2022.6.18

小島良喜
ピアノ・ソロ 全国横断ツアー 2022




ギター好きの私は、ギタリストなら数えきれないくらい
ライヴを観に行ったけど、ピアニスト主体のライヴとなると
数えるほどしか観に行っていない。
その数少ないお気に入りピアニストの一人が、
小島良喜(よしのぶ)さん。

私には、Char や 高中正義 との共演として
馴染みがあるが、井上陽水、桑名正博、
浜田省吾、近藤房之助、今井美樹 などと
ステージやレコーディングを共にしてきた大ベテランだ。
小島さんは、ポップスやロックの
バック・ミュージシャンとして素晴らしいだけではなく、
ひとりのジャズ・ピアニストとしても素晴らしいのだ。

4月14日の目黒 BLUES ALLEY JAPAN での
「小島良喜 solo live」は、チケットを
取っていたにもかかわらず、私が新型コロナに
罹ってしまい、行くことが出来なかった。

小島さんは、先月から今月にかけて、
ソロピアノ・ツアーを周られている。
明後日が、目黒 BLUES ALLEY JAPAN で
ツアー最終日なのだけど、このツアーを
知った時にはすでに違うライヴのチケットを
取っていたので、「ああ観に行けないな」と思ったら、
もう1日、今日、東京での公演があった。

調布にある「GINZ」。
初めて行ったハコだったが、ちょうど学校の
教室ぐらいの広さで、ステージが客席より
1メートルぐらい低くなっていて、
ちょっと上から見下(お)ろす感じだが、見やすい。
小島さんは、「見下(くだ)してください」と
言ったいた。

ステージの後に
「ANNIVERSARY GINZ 24th」とあったので、
24年やっているということだろうか。
まだまだ、東京を知らないということやな。

1部は、ブルースに始まり、4~5曲かな。
この人の ff(フォルテシモ)は、心に刺さる。
ラストに「タイトルは『Family』、つまり人類皆兄弟です」と
言ってやった曲が美しかったな。
年内には、新譜が出るらしい。
楽しみだ。

2部後半では、ゲストを迎えてのセッション。
まず、ギターの林さんという方とデュオでブルース。
お店のマスター小川さん(テナー・サックス)が
加わって、『Cantaloupe Island』。

最後にヴォーカルとのデュオで『Imagine』。
このヴォーカルの方もお店の人。
マスターの奥さんだろうか。
低音から高音まで、素晴らしかったね。
また、小島さんのバッキングが憎い。

アンコールは「若い時はしなかった」と言いながら、
しっとりと『Over the Rainbow』。

あー明後日も観たかったけど、残念。
でも、小さなクラブで、ピアノまで4~5メートルの
特等席で観られたのは良かった。
40人ぐらいで満席のお店で、20数人のお客さん。
贅沢な空間でした。
小島さんのソロ・ライヴ、また、行きたい。


[ MEMBERS ]
(Pf) 小島良喜
ゲスト:
(g) 林さん
(t.sax) 小川さん
(vo) お名前失念

@ GINZ(調布)





2022.6.20

原田知世
40周年アニバーサリーツアー2022
fruitful days




死ぬまでに観ておきたいアーティスト・リスト
シリーズ、今夜は原田知世だ。
たまに映画やテレビドラマで見かける程度で、
(コーヒーのCM ではたびたび見るね)
彼女のことを良くは知らないのだけど、
数年前に聴いたカバーアルバムの
『年下の男の子』は、とても印象に残っている。
その時のエントリー

会場は、渋谷 Bunkamura のオーチャードホール。
2階席の後ろから2列目というあんまり良い席では
なかったが、オペラグラスを持参していたので、
十分に楽しめた。
音も悪くなかったし。

10分ほど押して、開演。
1曲目は、『A面で恋をして』。
『ユーメイドリーム』では、ステージにいない人の
コーラスが聴こえ、ちょっと残念。
これ、シーケンサーと合わせて演奏しているのだと
思うけど、私は、ステージにいる人だけで、
演奏して欲しいんだな。
まあ、好みの問題ですが。
その他『ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ』など。
英語曲のカバーはなし。

1部は、35分ほどで休憩。

バンドは、4リズム(Gt, Key, B, Dr)と
弦楽四重奏の計8人。
ギターがバンマスでもある伊藤ゴロー氏だったのだけど、
この人は、ガットギターでボサノヴァを弾くイメージだった。
エレキ・ギターを弾くのは始めて観た。
あえて苦言を呈するなら、原田知世が
MCしてる最中に何度も余計な音を出した。
ああいうのは、プロとしてどうなんでしょって思う。

20分強の休憩のあと、2部。
2部は、今年発売されたニューアルバムからと
以前のオリジナル曲。
知っている曲は、アンコールで演った
『時をかける少女』だけだった。

アンコール2曲を入れて120分足らずなので、
コンサートとしては、やや短かめだな。
最後には、1階席はスタンディング・オベーション。

原田は(こう言ってはなんだけど)、
けして歌が上手いわけではないと思うが、
彼女の持つ雰囲気やキャラクターが、
その人気の秘密だと思った。
54歳には、見えないしね。
女優業とシンガーの両立は、難しいだろうと思う。

聴きたかった『年下の男の子』は、
残念ながら演らずでした。


[ MEMBERS ]
原田知世 (vocal)
伊藤ゴロー (guitar)
佐藤浩一 (piano)
鳥越啓介 (bass)
みどりん (drums)
伊藤彩 (violin)
沖増菜摘 (violin)
三木章子 (viola)
結城貴弘 (cello)

@ Bunkamuraオーチャードホール





2022.6.22

渡辺貞夫
SADAO WATANABE
"SAUDADE TO BRAZIL"




今年3月には、長野県塩尻市まで聴きに
行った、貞夫さんのライヴ。
今夜は、青山ブルーノートで。

今夜も素晴らしかったぁ~。
最後には落涙です。

バンドは、昨年のサントリーホールでの
70周年記念コンサートと同じメンバー。
3月とは、ドラマーが違うのと
ギターが加わっている。

このギタリスト、マルセロ木村さん。
昨年のサントリーホールでは、
それほど印象に残らなかったのだけど、
今日は、結構ソロも多かったし、歌も唄った。
この歌(たぶんポルトガル語)が、また素晴らしかった。
と思ったら、ブラジル サンパウロの音楽一家の
出身で、16歳から音楽学校で教えていたらしい。
そら、本物やわ。

貞夫さんは、御年89歳。
とても、見えないね。
演奏も全く年を感じさせないし、
バンドとの一体感も素晴らしかった。
何よりも、もう、存在だけで素晴らしい。
平和です。

今日は、テーマが、
"SAUDADE TO BRAZIL" ということで
ボサノヴァ、サンバが中心。
「セットの最後です」と言って、
2曲続けて演ったサンバが
踊りたくなるほど、素晴らしかった。

一旦、終わりかなと思ったら、
貞夫さんが『Carinhoso』を吹き始めた。
バンドがついてゆく。
ここからはもう、アンコール部分です。

それから、「ウクライナを想って」と言って、
『Imagine』、続いて同じくジョンの
『Give Peace A Chance』のサビを合唱。
そのあとも、『Life Is All Like That』から
『Harambee』。
全部で80分ほど。
ホントに素晴らしい。
絶対 また行くよ。

日本の伝統芸能には、人間国宝
(重要無形文化財保持者)がたくさん
いるんだけど、JAZZ界にはまだいない(と思う)。
貞夫さんは、人間国宝になっても
良い人だと思うけど、どうだろう。


ところで、今日のライヴ、
ブルーノート東京のサイトの紹介文には
「渡辺貞夫が初夏のブルーノート東京に
“サウダージ”を届ける」とあるのだけど、
この「サウダージ」というのが、中々
日本人には難しいんだ。

ポルトガル語の「saudade」なのだけど、
色んな訳があり過ぎて、結局のところ、
日本語にはないニュアンスなんだろうと思う。
なので、その訳語の中から、エッセンスを
掴むしかないかな。
曰く「甘苦くて憂鬱な気持ち」だったり、
「遠い昔や失われたものにひかれる気持ち」
だったり。
短く訳すと「郷愁」「望郷」「懐旧の念」「思慕」
「ノスタルジー」「懐かしさ」となるのだが、
ポルトガルの「saudade」と、ブラジルで言う
「saudade」は違うと言う記事も読んだことがあり、
いよいよ日本語で理解するのは、難しそうだ。
日本語の「わびさび」を外国語に訳すのが
難しいようにね。

ちなみに今日は演らなかったけど、
『Chega De Saudade』は英語では
『No More Blues』と唄われ、
邦題は『想い溢れて』となっている。


[ MEMBERS ]
渡辺貞夫(サックス)
林正樹(ピアノ)
マルセロ木村(ギター)
コモブチ キイチロウ(ベース)
竹村一哲(ドラムス)

@ Blue Note TOKYO
2nd show


[ SETLIST ]
1. A FELICIDADE
2. BUTTERFLY
3. PASSO DE DORIA
4. CALL ME
5. ITAPUA
6. I THOUGHT OF YOU
7. QUILOMBO
8. ROAD SONG
9. FRONT SEAT
10. JUST A TOUCH
11. REGRA TRES
12. SAMBA DA VOLTA
13. CARINHOSO
14. IMAGINE
15. GIVE PEACE A CHANCE
16. LIFE IS ALL LIKE THAT~HARAMBEE

早速、Live Fans にセトリがアップされてたよ。





2022.6.25

-Celebrate 20th anniversary of Debut-
YOSUKE ONUMA / 小沼ようすけ
"Both Sides" Live at Blue Note Tokyo




小沼ようすけ、デビュー20周年記念ライヴ。
そうかぁ、20年経ったのか。
正確には、デビューは、2001年だったので
今年は21年目だけど、昨年はコロナのせいで
何もできなかっただろうからな。

ファーストアルバム『nu jazz』から、
(たぶん全部)ずっと聴いてきたリスナーとしては、
時の流れを感じずにはいられないなぁ。
そんなに多くはないけど、20年間で、
ライヴも10回ぐらいは観ているし。

デビュー時、爽やかな青年風だったのに、
途中で、イメージ・チェンジ(見た目)したな。
日に焼けて、ちょっとワイルドというか
アーシーな感じなった。
サーフィンを始めて、海の近くに
住んだとかで、彼のライフスタイルが
変わった風なことを記事で読んだ覚えがある。

彼がデビューした当時は、メジャーな若手
ジャズ・ギタリストっていなかったもんだから、
ずい分、(Jazz雑誌などの界隈では)
話題になったような記憶がある。

この人が、2001年のデビューで、
その次にスポットを浴びたジャズ・ギタリストは、
2011年『First Train』でデビューした井上銘だ。
ちょうど10年後というのが、何やら興味深い。

毎年、何人もジャズ・ギタリストが
CD デビューしていると思うのだけど、
やっぱり事務所やレーベルの力で
取り扱われ方が違うんだろうと思う。
もちろんそれプラス、音楽性や話題性、
ご本人のキャラなどいくつもの要因があるだろうけど。

ジャズ界は、CD を出しているからといって
ライヴにお客さんが集まるわけではなく、
レコ発ライヴに行って、観客が数人ということもある。
それだけ厳しい世界なんだ。

さて、20周年記念二夜連続公演ということで、
今日が、「Solo Guitar + Strings Quartet」、
明日は、「Electric Band Set」となっている。
両方観たいけど、最近ソロ・ギターな私としては、
今日のプログラムをチョイスした。

まずは、弦楽四重奏+コントラバスの
弦楽クインテットとともに2曲やったあと、
ソロ・ギターを3曲かな。
ストリングスを入れると、一つ間違うと
安易なイージーリスニング風な音楽に
なりかねない。
ジャズの持つスリルとストリングスのハーモニーの
美しさ、その両方を表現せねばならない。
とすると、肝心なのはそのアレンジ。
今回は、笹路正徳さん。
私には、スピッツのプロデューサーという
イメージが強いけど、スピッツだけではない、
多くのアーティストのプロデュースを
手がけてきた大ベテランだ。

奇しくもプロとしての仕事が、笹路さんも
小沼さんも鈴木勲グループというから面白い。
そういえば、井上銘君もそうではなかったか。

使用ギターは、Echizen(越前)のナイロン弦ギターと
Nishgaki(西垣)のフルアコ。
どちらも日本のルシアーのものだ。
デビュー前からの相棒であった Gibson ES-335
(ギブソン・ジャズ・ギター・コンテスト優勝時の商品)と
一時期のメインギターであった ABE RIVERA も
ステージに並べていて、弾きはしなかったけど、
ちゃんと、紹介していたよ。
きっと、古い相棒たちもこのステージに
立たせたかったんだろうね。

小沼のギターは、音数は多い方ではない。
余計なことを言わない。
そんな印象だ。

数曲終わった後、隣に座っていたカップルの
女性が小声で「いつものようすけさんと違う」と
つぶやいた。
ファンだろうか、ご本人を直接知る人だろうか。
私は、いつもの彼と違うかどうか分かるほど、
良くは知らないのだけど、いずれにしろ
スペシャルなステージであったことは違いない。

今日の中では、本編最後、
1stアルバムに収録されている
『Alison』が私的には一番良かった。
Elvis Costello のカバー。
親父さんが好きだったというこの曲を、
おふくろさんの誕生日(今日)に
おふくろさんへ向けての演奏。
メロディも雰囲気もギターのトーン
(ABE RIVERA)も私好み。

アンコールでは、笹路さんも入って8人で。

今、これを書きながら、ずい分久しぶりに
デビューアルバム『nu jazz』を聴いている。
とても良いです。


[ MEMBERS ]
小沼ようすけ(g)
笹路正徳(arr, p)
鈴木正人(b)
金原千恵子ストリングス・カルテット:
金原千恵子(1st vln)
栄田嘉彦(2nd vln)
渡部安見子(vla)
徳澤青弦(vc)

@ Blue Note TOKYO
2nd show





2022.6.26

山下達郎
大衆への奉仕と生きることの肯定


達郎さんの3年ぶりの全国ツアーが
6月11日の J:COM ホール八王子 を
皮切りに始まった。

その八王子の公演と、7月の NHKホールの
チケットを取ろうと抽選に申し込んだが、
すでに合計5回 外れている。
8月の中野サンプラザも抽選に申し込んだ。
発表はこれからだ。
それに外れたとしても、ツアーは 11月まで
続くので、必ずやどこかで行ってやる!

さて、先日11年ぶりとなる達郎さんのアルバム
『SOFTLY』が発売された。
すでに発表されていた曲も多く収録されているが
それらは全て NEW MIX。
その辺は、いかにも 達郎さんらしい。

この変わらない世界観、
期待を裏切らないクオリティ、完成度は
流行りの歌を作るのではなく、
「制作方針は、風化しない音楽」と
語るその言葉を体現している。

達郎さんが色んな所で語ってきたけど、
テレビ番組の『関ジャム 完全燃SHOW』で
達郎さんの特集をやっていて、ご本人の言葉で
(彼はテレビに出ない人なので声だけの出演)
聴いて、改めて感銘した言葉がある。

「ポップカルチャーは、
大衆に奉仕するもの、
そして、生きることを肯定するもの。」

だから、達郎さんは海外進出を考えない。
そんなヒマがあったら、
日本のローカルタウンで公演をする。
それが、自分の役割だから。
自分の「芯」、「ポリシー」がブレないんだ。

Yahoo!ニュースの達郎さんの特集記事には、
こんな言葉がある。

「教育で重要なのは、かなうことばっかり
夢想させるんじゃなく、失敗した時に
どうするかを教えること。
能力とか才能は、全員が同じじゃない。
勝ち負けではなく、その人の身の丈に対する
充足を、哲学的、倫理的に教えないと。」

彼の生き方には、「哲学」と「倫理」がある。
と、妙に納得したのでした。


SOFTLY


ジャケットの肖像画は、ヤマザキマリ
(『テルマエ・ロマエ』を書いた人)の手による。
彼女と達郎さんの関係も、このエッセイを読むと
不思議な縁であることが分かる。
ちなみに所属事務所も同じスマイルカンパニー。





2022.6.27

葛城ユキ 死去

また訃報だ。
歌手の葛城ユキさん。

『ボヘミアン』のヒットで知られるけど、
あれって、カバーやったんやね。
知らんかった。
オリジナルは、大友裕子。
知ってるかい?大友裕子。
葛城ユキと同じく、ポプコン出身のシンガー。
デビュー曲は、『傷心』(1978年)。
「あなたとなら死んでもいいと思った~」という
歌詞が まだティーンエイジャーの
チェリーボーイだった私には
とてもインパクトがあった覚えがある。
宮城県出身ながら、なんとなく関西の
ブルースロックに通じるものも感じた。

大友裕子は、1982年の『ボヘミアン』を
最後に芸能界を引退した。
翌 1983年、葛城ユキが この曲をカバーして
テレビドラマの主題曲という
タイアップもあって、ヒットした。
作詞は ASKA、作曲は井上大輔。

葛城ユキは、そのハスキーボイスから
「女ロッド・スチュワート」という異名も
あったらしいけど、ロッド・ファンとしては微妙だな。
でも、ロック魂みたいなものを感じさせる
シンガーだったと思う。

私としては、『ボヘミアン』よりも
葛城ゆき名義のファースト・シングル
『木曽は山の中』(1974年)が懐かしい。
この曲は、ロックというよりフォーク調。
深夜放送を聴き始めた、12歳の頃
ラジオから流れていた曲だ。

腹膜がんのため、都内の病院で死去。
享年 73歳。

合掌。





2022.7.5

山弦(小倉博和 & 佐橋佳幸)
「山弦三十祭」




すんごい久しぶりの「山弦」。
「山弦」というのは、ギタリスト、小倉博和さんと
佐橋佳幸さんのアコースティック・ギター・デュオ。
25年ぐらい前に、大好きで何度もライヴを観に行った。
セッションマンとして、とっても忙しいふたりなので、
いつの間にか、活動が止まっていた。

一昨年、小倉さんの還暦記念ライヴで
一曲だけ、山弦(完全にデュオ)で
『Song For James』が聴けたのだけど、
「山弦」名義のライブは、本当に久しぶり。
私が観た前回の山弦ライヴは、20年以上前かも知れない。
で、その小倉さんの還暦ライヴのライヴを機に、
また山弦が動き出したそうな。
大阪のラジオ局の依頼で、録音を始めたのが
きっかけとなり、昨年、コロナ禍の中、
17年ぶりのアルバム、『TOKYO MUNCH』を出された。
これが、完全にリモートで録音、つまり、
一度も一緒に演奏することなく、
ふたりが別々に録音したというのだが、
全く別々に録音したなんて、分からない。
まあ、一流のプロだから当たり前と言えば
当たり前なんだけど。
一人が仮に2本のギターを(つまり相手の分も)
弾いて、その音源を受け取った相方が、
それを聴きながら、自分のパートを弾く。
そんなやりとりを数回繰り返すことによって、
結局、一緒に演奏したような音楽が出来上がるわけだ。
このアルバムには、キース・ジャレットの
『Country』や佐橋さんのソロ・アルバムで
好きだった『Little Crimes』なども
収録されていて嬉しい。

さて、結成から昨年で30年だという山弦のライヴ。
全国10か所でのツアー中だ。
東京は今日、明日の2日間4公演。
初日の 2nd show を観てきた。
席は最前列!

1曲目、1stアルバム『JOY RIDE』収録の
『春 (SPRING)』。
もう音楽が美しすぎて、ギターの音色が
美しすぎて、1曲目から泣きそうになった。
音響は、映画『音響ハウス Melody-Go-Round』に
佐橋さんと共に出ていた飯尾芳史さん。

ニューアルバムと 1st アルバムの曲が
多かったのは嬉しかった。
1st アルバム『JOY RIDE』は当時、よく聴いたもんね。

プレイの方は、小倉さんのボディ・ヒットを
取り入れた奏法が進化していて面白かった。
ギターは、二人とも見た目はマーティンだけど、
メーカーは、未確認。
きっとアコースティック・ギター・マガジンか何かに
載るでしょう。
小倉さんは、ヤマハの AG Stomp という
20年ぐらい前の機材を今も使っていて、驚いた。
私も持っていたけど、ちょっと大きいし重いし、
もう古いと思って、ヤフオクで売ってしもたよ。
ギターの音は、機材のせいだろうか、
小倉さんのギターの方が、生っぽいナチュラルな
音に感じた。

どの曲も良かったけど、ハイライトは『JOY RIDE』かな。
素晴らしかった~。


会場には、小田さんからの花束が。



[ MEMBERS ]
小倉博和 (gt)
佐橋佳幸 (gt)

@ Billboard LIVE TOKYO
2nd show

[ SETLIST ]
1. 春 (SPRING) **
2. 夏なんです ***
3. Istanbul (Not Constantinople) *
4. Mrs. Robinson *
5. Where Have All The Flowers Gone *
6. SONG FOR JAMES **
7. 祇園の恋 (GION) **
8. JOY RIDE **
9. HARVEST **
EC1. Crazy For You *
EC2. Country *

* 『TOKYO MUNCH』収録曲
** 『JOY RIDE』収録曲
*** 『INDIGO MUNCH』収録曲


佐橋さんの足元
DI らしき箱と BOSS のチューナーと
未確認のペダルが一つ。



小倉さんの足元
ヤマハ AG Stomp とボリュームペダルが2台。


小倉さんのサイドテーブル
ヤマハ AG Stomp (予備?まさか2台通してる?)、
L.R.Baggs Para Acoustic D.I. 、未確認のぺだるが2つ。



[ 関連エントリー ]
2007.12.29 佐橋さん
2020. 1.30 小倉博和 60th Anniversary LIVE
2020.11.16 音響ハウス Melody-Go-Round





2022.7.6

花はどこへいった?
Where Have All The Flowers Gone?


昨日、「山弦」のライヴで『花はどこへ行った』を
演奏する際の MC で聞いた話が、
とても 興味深かったので詳しく調べてみた。

『花はどこへ行った』は、タイトルを聞いて
分からなくても、歌を聞けば誰もが知っているような曲。
原題は『Where Have All The Flowers Gone?』。
簡単な英語なので、中学の英語の教科書に
載っていたこともあるようだ。(今も載っているかも)

昨年、リリースされた「山弦」のアルバム
『TOKYO MUNCH』にそのカバーが収録されている。
何か古いフォークソングをカバーしようと、
この曲を選んだらしい。

アメリカでも日本でも多くの人がカバーしていて、
反戦歌として有名なこの曲、
歌詞の内容をかいつまんで書くと、こんな感じだ。

花はどこに行ったの?

少女たちがみんな摘んで行った

少女たちはどこに行ったの?

男たちのところに嫁いで行った

男たちはどこに行ったの?

兵士になって戦場に行った

兵士たちはどこに行ったの?

戦死してお墓に入った

お墓はどこに行ったの?

お花でいっぱいになった

花はどこに行ったの?

少女たちがみんな摘んで行った

ひとつのの問いかけと答えがセットで
ワンコーラスになっており、必ず
「いつになったら分かるんだろう?」と続く。

戦争の無意味さを、
人間は、いつになったら気が付くのか、
と問いかけているのだ。

この曲は、ロシアのミハイル・ショーロホフの
小説『静かなドン』のに出てくるウクライナ
(コサック)民謡をヒントに、1955年、
フォーク歌手のピート・シーガーが、
3番までの歌詞を書いた。
その5年後、ジョー・ヒッカースンが、
4番5番を書き足した。
これで、歌詞の内容が、また1番に戻り、
終わりなき循環となるのだ。
世界で戦争が繰り返されていることの
象徴にもなっているんだ。(たぶん)

山弦が録音した時点(昨年)では、
ロシアのウクライナ侵攻はなかったわけで、
リリース後、こんなことが起こるなんて、
誰も想像していなかったんだ。

世界中で有名な反戦歌の元ネタが
ウクライナ民謡(子守歌という記述も見た)
だなんて、皮肉というのか、
ちょっとなんて言ったら良いのか、
言葉が見つからない。

ちなみに調べてみたところ、日米では、
こんな人たちが唄ってます(ました)。
Pete Seeger、Joe Hickerson、
Peter, Paul & Mary 、Kingston Trio 、
The Brothers Four、Bobby Darin、
Roy Orbison、Joan Baez、Harry Belafonte、
Earth, Wind & Fire、Yellow Magic Orchestra、
デューク・エイセス、梓みちよ、雪村いづみ、
ザ・ピーナッツ、倍賞千恵子、加藤登紀子、
園まり、フォーク・クルセダーズ、忌野清志郎、
などなど(ほんの一部です)。


<歌詞>
" Where Have All The Flowers Gone ? "

Where have all the flowers gone,
Long time passing?
Where have all the flowers gone,
Long time ago?
Where have all the flowers gone?
Young girls have picked them, ev'ryone.
When will they ever learn?
When will they ever learn?

Where have all the young girls gone,
Long time passing?
Where have all the young girls gone,
Long time ago?
Where have all the young girls gone?
Gone to husbands, ev'ryone.
When will they ever learn?
When will they ever learn?

Where have all the husbands gone,
Long time passing?
Where have all the husbands gone,
Long time ago?
Where have all the husbands gone?
Gone to soldiers, ev'ryone.
When will they ever learn?
When will they ever learn?

Where have all the soldiers gone,
Long time passing?
Where have all the soldiers gone,
Long time ago?
Where have all the soldiers gone?
Gone to graveyards, ev'ryone.
When will they ever learn?
When will they ever learn?

Where have all the graveyards gone,
Long time passing?
Where have all the graveyards gone,
Long time ago?
Where have all the graveyards gone?
Gone to flowers, ev'ryone.
When will they ever learn?
When will they ever learn?

Where have all the flowers gone,
Long time passing?
Where have all the flowers gone,
Long time ago?
Where have all the flowers gone?
Young girls have picked them, ev'ryone.
When will they ever learn?
When will they ever learn?


花はどこへ行った 忌野清志郎

Earth, Wind & Fire ヴァージョンは、
全く別の世界です。





2022.7.9

ハ ズ レ

今日は、山下達郎さんの8月の
中野サンプラザ公演の抽選発表日だったのだが、
見事に外れてしまった。

達郎さんのコンサートの抽選の場合、
一つの公演に、「ファミリーマート先行受付」
「一般発売」「キャンセル待ち」と3回チャンスがある。
「キャンセル待ち」は、そもそもキャンセルが出なければ
当たりようがないので、かなり当選確率は低いだろう。
それでも、可能性はゼロではないと思うので、
ファンなら申し込むんだな。

今年は、下記の通りすでにキャンセル待ちを入れて
7回外れてしまった。

<6/11(土) J:COMホール八王子>
・ファミリーマート先行受付(抽選制)
・一般発売(抽選制)
・キャンセル待ち受付(抽選制)

<7/16(土) NHKホール>
・ファミリーマート先行受付(抽選制)
・一般発売(抽選制)

<8/20(土) 中野サンプラザホール>
・ファミリーマート先行受付(抽選制)
・一般発売(抽選制)

7/16(土) NHKホールは、
キャンセル待ちを申し込んである。
7/17(日) のNHKホールもね。

2017年に初めて当選した時、
確かそれまでに 15回ぐらい外れたすえに、
群馬県の公演に申し込んで当選した。
今年は、3年ぶりに加えて、
ニューアルバムもリリースしたので、
競争率がかなり高いと思われる。

東京は、まだ 10月にNHKホール公演が
残されてはいるけれど、それで外れたら
もうチャンスはない。
キャンセル待ちで当選することは
ほぼないだろうから、かくなる上は、
地方公演に足を延ばすしかないかなぁ~。





2022.7.14

加山雄三 ラストショー

先月だったか、永遠の若大将こと、
加山雄三さん(85歳)が 引退を表明した。
そのラストショーが、9月9日に
東京国際フォーラム ホールAで行われる。

引退と聞いて、これは観ておかねばと思った。
プレリザーブというチケットの抽選が2回あり、
申し込んだのだけど、2回ともハズレた。
う~む、これは手ごわい。
まだ、チケット入手の機会はあるのだけど、
果たしてどうなるか。

山下達郎さんの抽選は、
今週末、土日のNHKホールのキャンセル待ちに
2日とも申し込んでいたけど、ハズレました。
これで、今年の山達のハズレ、合計9回。





2022.7.19

2022 WEST SIDE LIVE TOUR FINAL



先月行った小島(良喜)さんのライヴが
良かったので、また行きたいなぁと思っていたら、
ソロ・ピアノではないけど、東京でのライヴを
発見したので観に行ってきた。

「2022 WEST SIDE LIVE TOUR FINAL」と
いうタイトルで、4人で西日本を周ってきた
8日のツアーの最終日ということだった。
本来、WAKANA というヴォーカルも
出演の予定だったのだけど、急に
出られなくなったみたいで、今日の昼間に
会場であるブルースアレイジャパンから
電話がかかってきた。
「WAKANA さんが出られなくなったけど、
それでも来られますか?」という主旨だったけど、
もともと私の目当ては、小島さんなので
全く問題なし。
失礼ながら、WAKANA さんを存じ上げない。

そういうわけで、今日は、ピアノの小島さんと
ヴォーカルの Namicoさん、ハープの八木さんの
トリオ編成でした。

Namico さんのことも存じておらず、初めて。
とても、迫力・パワーのある歌声でした。

ハープの八木のぶおさんは、何かのライヴで
観た覚えがあるけど、今日はたっぷりと
フューチャーされたので、その素晴らしさが
十分に分かったよ。
ハープ(ハーモニカのことね)って良いよなぁ。
若い頃、やりたくてブルースハープを買ったことがあるけど、
家では(音がでかくて)吹けないから、
結局、ろくに練習もしてない。
いまだにやりたいことの一つだ。

八木さんは1曲、アラン・トゥーサンの
『With You In Mind』を唄われたのだけど、
とても渋い味のある歌だった。

小島さんは、毎度、歌伴でもソロでも私好み。
それぞれの曲の頭に小島流イントロが付くのだけど、
これがすこぶるよろしい。
特に1曲目の『Natural Woman』の前に
弾いたのは、もうイントロの域を出てたよ。
各曲、最後の音だけ、あんなに短く切らずに
余韻を残して欲しいと思うのだけど。

小島さんと八木さんのデュオがとても良かったので、
このデュオでライヴ演らないかなぁ。


[ SETLIST ]
--- 1st show ---
1. Natural Woman
2. Fly M To The Moon
3. Calling You
4. In A Mellow Tone (小島&八木 Duo)
5. What A Wonderful World
--- 2nd show ---
6. Truth In Your Eyes (小島 オリジナル/小島&八木 Duo)
7. Don't Let Go (Namiko オリジナル)
8. Everything Must Change
9. Will You Love Tomorrow
10. With You In Mind (八木 vo)
11. Close To You
12. You've Got a Friend
Ec. Imagine

[ MEMBERS ]
小島良喜 (pf)
Namico (vo/uku)
八木のぶお (harm/vo)

@ BLUES ALLEY JAPAN (目黒)





2022.7.24

江戸 Jazz 2022



昨日は、能の舞台、「観世能楽堂」での
ジャズ・ライブ『江戸 Jazz 2022』に行ってきた。
音楽プロデューサーには、和田明。

オープニングアクトは、
洗足学園音楽大学の学生でしょうか。
Reiya Terakubo “The P.A.V.E”。

そして、本編のハウスバンドは、
渡辺翔太(key)、鳥越啓介(b)、山田玲(dr)。
という安定の3人。

そこに、和田明(vo)、曽根麻央(tp)、
小西遼(sax)、石川紅奈(b&vo)、
井上銘(gt)が、フロントとして参加。

各人2~3曲ずつなので、
ちょっともの足りない。
もうちょっと聴きたかったな。
そうすると、時間が長くなってしまうので、
しょうがないのかも知れないけど。

出演者は、もちろん全員素晴らしいのだけど、
印象に残ったのは、ハウスバンドのドラム、山田玲。
この人のことは、以前にも書いたことがあるけど、
好きなタイプ。

曽根麻央の『Star Dust』も良かったし、
石川紅奈のそんなに上手いとは思えないのに
味わいのあるヴォーカル、小西遼の澄んだトーン、
井上銘の銘節とも言えるフレーズ、と
楽しめました。

アンコールは、全員参加で
『Like Someone In Love』。


[ MEMBERS ]
和田明 (producer, vo)
渡辺翔太 (vo)
鳥越啓介 (b)
山田玲 (dr)
曽根麻央 (tp)
小西遼 (sax)
石川紅奈 (vo, b)
井上銘 (gt)
オープニングアクト:
Reiya Terakubo “The P.A.V.E"

@ 観世能楽堂(銀座)





2022.7.25

S K Y E



はっぴいえんどや、サディスティック・
ミカ・バンド以前の60年代、
「SKYE」というバンドがあったそうな。
メンバーは、 鈴木茂 (g)、小原礼 (b)、
林立夫 (ds) ら。
昨年、その3人に 松任谷正隆 (key) が加わり、
デビューアルバムをリリースした。
4人とも1951年生まれなので、
70歳を迎えてのデビューだ。

日本のポピュラーミュージック界においては
レジェンドな4人によるバンドだ。
これは観ておかねばね。
おまけにゲストが、荒井由実(荒井ね)・
奥田民生・尾崎亜美ですから。
荒井由実の夫は、松任谷正隆というのは
有名だろうけど、尾崎亜美の夫は、
小原礼なので、かなり濃いいメンバーなのだ。

まずは、SKYE のデビューアルバムから数曲
演奏の後、ゲストの登場。
奥田民生が3曲、尾崎亜美が3曲、
『マイ・ピュア・レディ』が聴けたよ。
荒井由実が『返事はいらない』『あの日に帰りたい』
『Hong Kong Night Sight』の3曲。
『返事はいらない』は、ユーミンのデビュー・シングル
(1972年!50年前!)だが、なんと、
ギターが鈴木茂で、ベースが小原礼だったんだと。
スゴイ話しや。

それから再び、SKYE のナンバーを数曲やって、
尾崎亜美と荒井由実、奥田民生が再度登場。
亜美と由実にかけて、民生も一緒に
なんと PUFFY メドレー。
『アジアの純真』~『これが私の生きる道』~
『渚にまつわるエトセトラ』。
まあ、これはこのライヴでしか観られんわ。
1階席総立ち。
(私は、2階席だった。)

ラストは、全員で SKYE の『ISOLATION』に始まって、
民生の曲、松田聖子の『天使のウインク』
(尾崎亜美 作詞・作曲)、ユーミンの
『14番目の月』のメドレー。

アンコールは、ユーミンの『卒業写真』。
このメンバーの『卒業写真』聴けるのは、
個人的には、今日のハイライトだった。
ベースが細野さんじゃないだけで、
もう、ほぼオリジナルメンバーやからね。

そのあと、4人だけで『BLUE ANGELS』。
アルバムでもラストのバラードだ。

SKYE は、皆歌うのだけど、小原礼の
ヴォーカルが一番好きだな。
あと、数年前に観に行った鈴木茂のライヴは、
色々思うことが多かったけど、今日は良かったなぁ。
ギターは、ファイアーバードとオレンジのストラト。
ファイアーバードがええ音やった。

全体的な感想としては、この4人の
職人集団は、やはり人のバックでええ仕事を
するんやと思った。
SKYE の曲も嫌いじゃないけど、
やっぱりフロントに華のある人がいた方が良い。
とはいうものの、(今日は、ホールだったけど)
小さなライヴハウスでこの4人のライヴを観てみたい。


[ MEMBERS ]
SKYE(鈴木茂・小原礼・林立夫・松任谷正隆)
市原ひかり(tp, f.hr, cho)
小林香織(sax, fl, cho)
駒野逸美(tb, cho)
special guests:
荒井由実・奥田民生・尾崎亜美

@ Bunkamura オーチャードホール(渋谷)





2022.7.26

S K Y E(続)

昨日の SKYE のライヴについて、
書き忘れたことを書いておこう。

女性3人のホーンセクション
(市原ひかり、小林香織、駒野逸美)が、
加わっていたのだけど、アレンジはやはり
松任谷正隆さんだろうか。
このホーンのおかげでサウンドは
とてもリッチになっていた。
駒野さんのことは存じ上げなかったが、
他のふたりは、ジャズ界では
私が知っているぐらい有名なおふたり。
このホーンのおかげで、SKYE の曲も
CD とも違うアレンジが楽しめた。

ネットに セトリがアップされていたので、
転記しておこう。

7/25 SKYE @Bunkamura オーチャードホール
[ SETLIST ]

1. Less Is More
2. Dear M
3. Daydream
4. Reach Out To The Sky
5. どちらのOthello
6. BEEF(奥田民生)
7. イージュー★ライダー (奥田民生)
8. さすらい(奥田民生)
9. 私は何色(尾崎亜美)
10. 初恋の通り雨(尾崎亜美)
11. マイ・ピュア・レディ(尾崎亜美)
12. 返事はいらない(荒井由実)
13. あの日にかえりたい(荒井由実)
14. HONG KONG NIGHT SIGHT(荒井由実, 松任谷正隆)
15. ちぎれ雲
16. 川辺にて
17. マイミステイク
18. PUFFYメドレー [アジアの純真 ~
  これが私の生きる道~渚にまつわるエトセトラ]
19. メドレー [ISOLATION~マシマロ(奥田民生)
  ~天使のウインク(尾崎亜美)
  ~14番目の月(荒井由実)~ISOLATION]
EC1. 卒業写真(荒井由実)
EC2. Always
EC3. BLUE ANGELS

休憩なしのたっぷり 約160分!





2022.8.9

訃報 オリビア・ニュートン・ジョン

かわいかったなぁ、
オリビア・ニュートン・ジョン。

映画『グリース』は、高校時代に
劇場で観た覚えがある。
1978年だから、あのとき
オリビアは、もう30歳やったんや。
まあ撮影時は、28~29歳か。
あれって、高校生の役じゃなかったっけ?

日本では、ジョン・デンバーの『カントリー・ロード』を
カバーして売れたけど、それよりも
私には中学時代、ラジオから流れていた
『ジョリーン』の「ジョリーン、ジョリーン、ジョリーン、
ジョオーリィイーン」という歌詞が強烈だった覚えがある。
楽曲はあんまり好きじゃなかったけど。
(『Jolene』は、ドリー・パートンのカバー)

『Have You Never Been Mellow』は、
ええ曲やったね。
私もライヴで誰だったかの伴奏で演奏したことがある。
70年代ならではの邦題、『そよ風の誘惑』も
聞いたイメージ的には悪くない。
歌詞の内容とは、関係ないけど。

あと、80年代は『Physical』ね。
あれで、「フィジカル」という英語を
覚えたもんね。

享年73歳。
ちょっと若いなぁ。
30年以上、癌と闘病してたって。

合掌。





2022.8.11

そろそろ当選したい

山下達郎のコンサートのチケット抽選にハズレ続けている。
そろそろ抽選に当選してもええんちゃうかと思う。

先日は、思い切って群馬県の高崎芸術劇場の
抽選に申し込んだのだが、これも見事に外れてしまった。
今年のツアーのハズレは、先行受付(抽選)、
一般発売(抽選)、キャンセル待ち(抽選)を
合わせて、10回を数える。
キャンセル待ち(3回外れ)は、実際にキャンセルが
あったかどうかも分からないし、あったとしても
当選の確率はかなり低いだろうけど。

ツアーが3年ぶりな上に、今年はアルバムを発売したことも
あって、かなり当選確率が下がっていると思われる。
いよいよ、ツアー後半の抽選受付が始まった。
チャンスは、あと数回。
このまま当選しなかったら、イヤやなぁ。


そういえば、9月にある、
加山雄三ラストショーも抽選に2回はずれ、
一般発売の日に10時ピッタリに
クリックしたけど、瞬間で売切れになり、
結局、取れなかったよ。残念。





2022.8.13

竹村一哲カルテット



昨日は、渡辺貞夫さんのライヴでは、
何度も観ているドラマー 竹村一哲の
ライヴを観てきた。
メンバーは、竹村のほか、魚返明未(p)、
井上銘(g)、三嶋大輝(b) という布陣。
竹村は、このメンツで昨年リーダーアルバムを
出しているのだが、それは未聴。

竹村は、中卒ですぐプロの世界に入った人。
89年生まれだから、今年まだ33歳だけど、
もう人生の半分がミュージシャンだ。

1曲目長めのフリーなイントロから、
なんと『I Shot The Sheriff』。
インストによる『I Shot The Sheriff』は、
Hiram Bullock を思い出す。

ピアノトリオでもなく、カルテットにしても
フロントに管(楽器)ではなく、
ギターを持ってくることで、かなり
サウンドにクセが出るというか、当然
ギターメインの音楽になってしまうのだが、
竹村自身がロック好きだと語っているので
井上銘という人選も自然なことなのだろう。
井上は、今日も Gibson L5-S。
(以前、L6-Sと書いたことがあったけど、
L5-Sです。あんまり違いが分からんのやけど。)

スリリングなヤツも良いけど、
2nd show で演った バラードが良かったな。
誰の曲だろう。
ちょっと、キース・ジャレットの『Country』とか
ああいう雰囲気の曲。好きだな。

今日は、コットンクラブには珍しく
2部入替制ではなく、休憩を挟んで
2ステージをたっぷり楽しめたよ。


[ MEMBERS ]
竹村一哲 (ds)
魚返明未 (p)
井上銘 (g)
三嶋大輝 (b)

@ COTTON CLUB





2022.8.14

18
ジェフ・ベック&ジョニー・デップ


先日、発売されたジェフ・ベックのニューアルバム
『18』は、ジョニー・デップとのコラボ。
名義も「Jeff Beck & Johnny Depp」となっている。

ふたりは、2020年、ジョン・レノンの
『Isolation(孤独)』をカバーし発表したのだが、
その前から、このアルバムのプロジェクトは
スタートしていたようだ。

私は、ジェフ・ベックに関しては、
好きな曲とそうでない曲の差が激しく、
それほどのファンとは言い切れないが、
それでも、新譜が出ると大体チェックしているし、
来日公演も3度(「THE CLASSIC ROCK
AWARDS 2016 + LIVE PERFORMANCE」での
3曲の演奏も含めると4度)観ている。

今度のアルバムは、ジョニー・デップという
シンガーとのコラボとなるわけだが、
歌モノとインストがええ感じで混在している。
ジョニー・デップの歌声も中々よろしい。
(ちなみに「THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016」にも
ジョニー・デップは出演していて、ジョー・ペリーらと
演奏したのを観た。)

アルバム13曲中、ジョニーのオリジナルが2曲で、
あとはカバー。ジェフの曲はない。
そのカバーには、私がオリジナルを知らないものも
あるが、ビーチ・ボーイズ、ミラクルズ、マーヴィン・ゲイ、
ジャニス・ジョプリン、エヴァリー・ブラザーズ、
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドなど多彩だ。

特にマーヴィン・ゲイの『What's Going On』、
ミラクルズの『Ooo Baby Baby』、
ジョン・レノンの『Isolation』がよろしい。
あと、ジョニー・デップのオリジナル
『This Is A Song For Miss Heady Lamarr』も。
(ヘディ・ラマーは、オーストリア出身の
女優・発明家。1914~2000年)

ジェフ・ベックのギターのトーンは、
毎度のことながら 驚きのトーン。
エレキ・ギターの音をまるで管楽器や肉声のように
完全にコントロールしているように聞こえる。
ここまで弾きこなせる人は、あんまりいないと思う。
私なんぞは、エレキ・ギターを弾いている最中に、
思っているより大きく鳴ったり、小さく鳴ったり、
余計な所を触って変な音が鳴ったり、と
中々思っている通りに鳴らすことが出来ないのだが、
比べるのは間違っている。
ジェフは全くのマイスター、マエストロだと思う。

アルバムタイトルの『18』は、ジェフの言葉によると
「ジョニーと俺が一緒にプレイし始めたとき、
俺たちの中にあった若々しさに満ちたスピリットと
クリエイティヴィティに火がついたんだ。
まるで18歳の頃にもどったみたいだなって
よく冗談を言い合っていたから、そのままそれを
アルバム・タイトルにすることにしたのさ」とのこと。
元ネタはこちら



ジャケットは、ジェフの奥さんサンドラ・ベックによる
ジェフとジョニーの18歳の頃の姿を描いたイラスト。
ジェフは、今年 78歳!


< 『18』 収録曲 >
1. Midnight Walker (Davy Spillanカバー)
2. Death And Resurrection Show (KILLING JOKEカバー)
3. Time / 安らぎの時 (Dennis Wilsonカバー)
4. Sad Motherfuckin' Parade (Johnny Deppオリジナル)
5. Don't Talk (Put Your Head On My Shoulder) (THE BEACH BOYSカバー)
6. This Is A Song For Miss Heady Lamarr (Johnny Deppオリジナル)
7. Caroline, No (THE BEACH BOYSカバー)
8. Ooo Baby Baby (THE MIRACLESカバー)
9. What's Going On (Marvin Gayeカバー)
10. Venus In Furs (THE VELVET UNDERGROUNDカバー)
11. Let It Be Me (THE EVERLY BROTHERSカバー)
12. Stars / スターズ (Janis Ianカバー)
13. Isolation (John Lennonカバー)



Jeff Beck and Johnny Depp - Isolation

Jeff Beck & Johnny Depp: Complete Set f
rom Birmingham Symphony Hall, Jun 6th, 2022


ライヴもやってるんや。
日本にも来ないかなぁ。





2022.8.16

Jeff "Skunk" Baxter
featuring CJ Vanston




昨夜は、ジェフ・バクスターのライヴを観てきた。
ジェフ・バクスターは、60年代後半から
活動を始めた米国のギタリスト。
スティーリー・ダン、ドゥービー・ブラザーズに
在籍していた経歴がある。
今年、74歳になるレジェンドの一人だ。

「featuring CJ Vanston」とある、
CJ ヴァンストンのことは、知らなかった。
MCで、「Music Partner」、「37年来の友人」、
「プロデューサーでTOTO や ジョー・コッカーなどを
プロデュースした」と紹介していた。

曲は、今年リリースされた、キャリア初となる
ソロアルバム『Speed of Heart』からが
中心だったようだ。
そうか、リーダーアルバム出してなかったのかと
ちょっと驚いた。
このアルバムをヴァンストンと作ったようだ。

1曲目は、そのアルバムでも1曲目に
収録されている『Ladies from Hell』。
ギターはこの曲だけ、サンバーストのストラトで、
あとは赤いストラト。
遠くて Fender かどうかは未確認。
結構 アームを使うのに、一度もチューニングしなかったなぁ。
クリーン・サウンドがとても艶っぽくて良かった。
全体に、あんまり歪ませないトーンで、
心地よいサウンドだった。

2曲目に演った『My OldSchool』は、
ジャーニー+TOTO みたいな曲だなと思ったら、
スティーリー・ダンの曲だった。
原曲よりロックになっており、別の曲みたい。
ジェフ・バクスターが、ヴォーカルを取ったのだが、
渋い声で歌も上手かった。

結構、MCで喋ってくれるのだが、
あいかわらず、英語が聞き取れない。
ジョニー・ラングがどうのこうのと喋った後の曲は、
ジョニー・ラングの曲だったんだろうか。
ベンチャーズの話しをした後は、『Apache』。

ドゥービー・ブラザーズの曲は、演らないのかなと
思っていたら、アンコールの2曲目(オーラス)で、
『China Grove』!
でも、イントロだけでストップ。
そして、MC。
「ラジオでこの曲をアコースティックで演ってくれって
言われて、OKって こんな風に演ったんだ」
って言うてるんやろな、と思ったけど、
全然違うかもしれん(汗)。
で、『China Grove』のカントリー風ヴァージョン。
これは良かったね~。

アンコールを入れて、90分以上。
大人のロック、という感じで楽しめた。
東京3日間6公演、横浜1日2公演も
演るせいか、お盆で日が悪かったのか、
昨日(東京公演最終日の2nd show)は、
ちょっとお客さんの入りはさびしかった。

ウィキペディアによると、ジェフ・バクスターは、
軍事アナリストでもあり、アメリカ国防総省の
軍事顧問を務めてるんだと。
びっくり。
名前に付いてる「スカンク(悪い奴の意)」は愛称。


(2022.8.20追記)
メンバーを書くの忘れてた。

[ MEMBERS ]
Jeff "Skunk" Baxter(Guitar, Vocals)
CJ Vanston(Keyboards, Vocals)
Hank Horton(Bass, Vocals)
Mark Damian(Drums, Vocals)

ニューアルバムは、「Skunk Baxter」名義。





2022.8.17

SPIRIT OF CHICK COREA BAND
featuring Steve Gadd, Mika Stoltzman,
Richard Stoltzman, Satoru Shionoya
& Yosuke Inoue




この数か月は、コロナ以前のペースで
ライヴを観に行けるようになった。
直前になって中止や延期になることも
ほぼなくなった。
出演者本人が、コロナに罹ったりすると
当然ダメだけど。
(先日、山下達郎さんがコロナになって、
数公演中止になった。)

外国人アーティストの来日は、まだまだ少ないけど、
先日のジェフ・バクスターに続いて、
今日も外国人アーティストだ。
いや、正確には日米混合だけど。

タイトルは「SPIRIT OF CHICK COREA BAND」。
昨年2月にこの世を去ったチック・コリアの
トリビュート・ライヴだ。

メンバーは、チックとの共演も多かった、
ドラムのスティーヴ・ガッド、マリンバ奏者の
ミカ・ストルツマン、その旦那さんの
リチャード・ストルツマンに、日本勢が、
ピアノに塩谷哲 、ベースに井上陽介という布陣。

「Spirit of Chick Corea」というタイトルで、
チック・コリアゆかりのミュージシャンたちによる
アルバムも発売されている。(未聴です)
もちろん、スティーヴ・ガッド、ミカ・ストルツマン、
リチャード・ストルツマンも参加している。

マリンバのミカ・ストルツマンは、国際的に
活躍しているニューヨーク在住の日本人。
2011年にやはり、スティーブ・ガッドと
来日した時にコットンクラブで、その公演を観た。
まだ 吉田ミカだったので、結婚前だったんだろう。
そのときのエントリーにも書いたけど、
会場で知合いのM子ちゃんに会った。
聞けば、M子ちゃんは、ミカさんとは同級生で、
中学のとき吹奏楽部で一緒に打楽器を
担当していたという。
私から数えて、たった3人目でスティーブ・ガッドと
繋がってしまうので、驚きだった。

前書きが長くなった。
ライヴの方はというと、本当に素晴らしかった。
本編最後の曲が終わると、スタンディング・オベイションで
拍手が鳴りやまず、メンバーはステージを降りることなく
アンコールに突入した。

アンコールでは、チックの大きなポートレイトが
ステージ上に飾られた。
これは、本ツアーの熊本公演で
お客さんが持ってきたものらしく、
それ以降、毎回アンコールでステージに
飾られることになったとのこと。

長崎、大阪、熊本、福岡を周ってきての
東京2日間公演の 2nd show。
まさに、ツアーの最終公演だった。

演奏は、デュオあり、トリオあり、カルテットあり、
クインテットありで、楽しめた。
曲は、全曲説明があったのだけど、
覚えてるのは、『Japanese Waltz』
『Birthday Song for Mika』
『Armando’s Rhumba』
『Marika Groove』『Chick's Groove』など。
アンコールは、『Spain』ね。

塩谷とリチャード・ストルツマンのデュオもあり、
とても親しそうに感じたのだけど、
10年ほど前から共演があったと聞いて納得。
リチャードが気に入っていて、演ることになったという
塩谷の『Life With You』がとても美しく印象に残った。

リチャードのクラリネットは、ほんわかした、
柔らかい音色ではなく、密度の詰まった
どちらかと言うとサックス的な音だった。

スティーヴ・ガッド。
もう何度も唸らされてきているけど、今日も
スティーヴのドラムは素晴らしかった。
なぜあんなシンプルな演奏で、観客を
高揚させることが出来るのかと不思議なのだが、
まさに神業なのでした。
スティーヴは、2019年12月の STEVE GADD BAND
以来約3年ぶりだった。
間で、クラプトンの『レディ・イン・ザ・バルコニー」で
その姿を拝んでいるけど。

ミカさんのマリンバは、幅が3メートル近くあるのでは
ないかというぐらいめちゃくちゃでかい。
じっとして演奏できない楽器1位ではないか。
精一杯両手を広げても、両端の音に届かな程。
ツアーに出るのに楽器の運搬だけでも
大変やろなぁと考えてしまった。

アンコールの前にミカさんが、
本公演が一番うまく行ったと言っていたけど、
本当にチックへの愛とリスペクトに溢れる
トリビュート・ライヴで、改めてチックの偉大さを
感じたのでした。


[ MEMBERS ]
Steve Gadd (ds)
Mika Stoltzman (marimba)
Richard Stoltzman (cl)
塩谷哲 (p)
井上陽介 (b)

@ Blue Note TOKYO
2nd show





2022.8.25

そろそろ当選したい(続)

山下達郎のコンサートの抽選にまたもハズレた。
今回ハズレたのは、10/13(神奈川県民ホール)、
10/26、10/27(NHKホール)の
ファミリーマート先行受付3件で、
今年のハズレは、キャンセル待ちも合わせると
合計 13 回になった。
そろそろ、当選しても良さそうなのだが、
残りは、この3公演の一般発売抽選にかけるか、
地方へ行くしかない。

7月は、達郎ご本人がコロナに罹って、
札幌2公演、盛岡、いわきの4公演が
見送りになり、今月19日20日の東京、
中野サンプラザ公演は、メンバーがコロナに
感染したため、見送りとなった。
中野サンプラザに当選していた人たちは、
振替公演が実現するかどうかわからないので、
きっと神奈川県民ホールや
NHKホールの公演の一般発売抽選に
申込んでくるだろう。
ますます当選確率が下がってしまうなぁ。
う~む。
どうしても観たいのだが、どうしたもんか。





2022.8.29

小島良喜 ピアノソロ



3カ月連続の小島さんのライヴ。
先月に引き続き @ブルース・アレイ・ジャパン(目黒)。
今日は、お客さんが少なかったなぁ。
15人ぐらいかな。
でも、おかげで良い席で聴くことが出来た。
15分~20分ぐらいの休憩を挟んで、
終わってみたら、2時間半が過ぎていた。
1部は、45~50分ぐらい。
2部はかなりたっぷりだった

ほとんど小島さんのオリジナル曲で、
80年代や90年代に書いたものから、
ここ数年に書いたものまで。
『Truth In My Eyes』、『Relief』、
『Are You Happy?』、『Family』、
『Nap In The Trolly』など。
曲名、言ってくれても聞き取れなかったりして、
全部は分からない。
『バルテプー』と言ったかな、山岸さんに提案された
スペイン語のタイトルで、「ワルツ・フォー・フラワー」という
意味と言ったと思ったけど、調べてみたけど分からなかった。
この人のバラードは、誤解を恐れずに言うと
メロディ(テーマ)がジャズっぽくなくて、好きだな。
演奏は、ジャジー&ブルージーなんだけどね。

2部の後半でカバーというかスタンダードというか
『Summer Night』、『Cantaloupe Island』、そして、
『赤とんぼ』を含むメドレー3曲(4曲だったかも)の
あと本編最後は、再びオリジナルで
ちょっと哀しい『Waltz In Sorrow』。
その時点で、もう2時間半近く経っていたので
アンコールは「短めに」と言って『Over the Rainbow』。
毎度、ダイナミックスが凄い演奏です。

年内には、CDが出るような話だったので楽しみだ。


[ MEMBERS ]
小島良喜 (pf)

@ Blues Alley Japan (目黒)



動画はダメだけど、写真はOKだった。





2022.9.28

Marcus Miller
マーカス・ミラー




ひっさしぶりのマーカスのライヴ!
コロナ前は、15年間ぐらい ほぼ毎年
来日公演を観に行っていたマーカスだが、
2019年1月以来、なんと3年半ぶり!
そろそろ、ライヴ業界も以前の賑わいを
取り戻してきた感じだ。
今日は、ビルボードライブ東京の5日間
10公演の最終公演を観てきた。

相変らずカッコイイ マーカス。
ステージには、Fender のジャズべース、
SIRE の 4弦ベースと 同じく SIRE の
5弦フレットレス・ベースがセットされていたが、
本ステージで使用したのは、Fender のみ。
あとバス・クラリネットも吹いたけど。



こちらは、終演後に撮影した、
メンバーの足元にあったセットリスト。



「ジャコ・パストリアスに捧げる」と言って
演った『Mr. Pastorius』も良かったけど
今日のハイライトは、『Run For Cover』だな。
そして、本編最後の『TUTU』では、
オーディエンスに「3-2」の手拍子をさせて
参加させて盛り上がった。
こういう観客参加型、初めてだと思ったけど、
2019年のエントリーを読むと、すでに
やっていたのが分かる。
新しく聴けるのは良いけど、自分の記憶力の
弱さが気になる。

『TUTU』終了後、メンバーが一度はけたら
「本日の公演は、終了しました」という
場内アナウンスが流れたけど、
拍手が鳴りやまず、メンバーが登場。
こういうのは、2nd show ならではだ。
アンコールで、「こんなんどう?」と言って
始めたのが、『Mercy, Mercy, Mercy』。
セットリストには、書いてないので
予定になかった曲かも。
そして、オーラスはビートルズの
『Come Together』。
アンコール入れて、90分以上のたっぷりの
ステージで、しかも中央の2列目という
良い席で、マーカスまでほんの2メートルという
距離だった。

長らく一緒だったサックスの
アレックス・ハン(sax)がいなくなったのは、
さびしいけど、マーカスが連れてくる
メンバーなのだから、悪いはずがない。
今回のサックスは、ドナルド・ヘイズ。
ちょっと泥臭い演奏が良い。
キーボードは、2019年と同じジュリアン・ポラック。
かなりの腕前と観たね。


[ MEMBERS ]
Marcus Miller(Bass, Bass Clarinet)
Julian Pollack (Keyboards)
Donald Hayes(Saxophone)
Russell Gunn(Trumpet)
Cedric Moore(Drums)

@Billboard LIVE Tokyo
2nd show

マーカスのペダル。



あんまりよく分からんけど、
右上の MXR は Bass Octave Deluxe。
左の上から2つ目、ZOOM の B3n 使ってるんや。
なんか意外。


ちょっと前に1980年代前半の
David Sanbornのアルバム、
『As We Speak』とか数枚を聴いた。
ベースが、マーカスなのだけど、
彼は当時20代前半だったわけだが、
完全にスタイルが出来上がっていることに
ちょっと感動したよ。






2022.9.30

LEE RITENOUR & DAVE GRUSIN
リー・リトナー & デイヴ・グルーシン




一昨日のマーカス・ミラーに続いて、
昨日は、これまたこの十数年、
ほぼほぼ来日の度に観に行っている
リー・リトナーのライヴに行ってきた。
マーカス同様 やはり約3年半ぶりだ。

今年70歳になったリー。
相変わらず幸せそうに笑顔でギターを弾く。
今回は、見たことのない初めて見る
ギターがメインだった。
ソリッドのように見えたが、とても甘いトーン。
ステージがやや遠くて、ヘッドの文字が
読み取れなかったが、文字の形とヘッドの
形状から Sadowsky ではないかと思う。
ストラトやテレキャス、レスポールのような
形状ではなくオリジナル・シェイプで
PU は、H-S-H だった。
あれ?H-H だったかも。
気になったので、終演後、ステージの前まで
見に行ったけど、ギターが後ろ向きに
スタンドに立てられていたため、確認できず。

途中、『Etude』で、YAMAHA の
サイレントギター(ナイロン弦)を使用、
後半、2曲だったかな チェリーサンバーストの
いつもの Gibson レスポールを使用。
謎のギターでは、ほぼほぼクリーントーンだったので、
歪ませるときは、レスポールのようだった。

演奏されたのは、『Stolen Moments』、
『Night Rhythm』、『Wesbound』や
ベースのメルヴィンのスキャットを
フューチャーした『Harlequin』など。

今回は、クァルテットだったこともあり、
ベースのメルヴィンが、結構、
フューチャーされていたように感じた。
同じスラップをしても、一昨日のマーカスとは、
全くトーンやプレイが違うのは興味深い。
メルヴィンはプレイはもちろん申し分ないが、
スラップ時のトーンは、個人的には
もう少しボトムがあっても良いのにといつも思う。
そうすると、マーカスみたいな音に
なってしまうのかも知れないけど。
楽器は、Ken Smith の7弦と
(たぶん)Corona の5弦を使用。

ドラムは、リーの息子 ウェズリー。
この人と私は、どうも相性が良くない。
以前ほど気にはならなかったが、
昨日も何度か、音がでかいと感じてしまった。
以前そう感じたことがあるので、
既成概念が邪魔しているのかもしれないけど。

そして、デイヴ・グルーシン。
なんと88歳!
レジェンドです。

リーとデイヴは、9月27、28日に
ブルーノート東京オールスター・ジャズ・
オーケストラとの共演があり、
29日から10月2日まで
「LEE RITENOUR & DAVE GRUSIN」
名義で4日間8公演に出演する。
昨日は、その初日の 2nd show だったが、
アンコールを入れて、たっぷり90分
演ってくれたよ。


[ MEMBERS ]
Lee Ritenour (g)
Dave Grusin (p)
Melvin Davis (b)
Wesley Ritenour (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd show


(2022.10.26 追記)
ブルーノートの「LIVE REPORTS」
当日の様子がアップされた。
写真で確認してみると、件のギターは、
やはり Sadowsky で、PUレイアウトは、
H-S-Hだった。



セットリストを転記しておく。

[ SET LIST ] 9.29, 2nd show
1. The Village
2. Pearl
3. Random Hearts
4. Harlequin
5. Stone Flower
6. Waltz For Carmen
7. Stolen Moments
8. Etude
9. Wes Bound
10. Wild Rice
Ec. Rio Funk

『Night Rhythm』がないね。
思い違いかな。





2022.10.1

今井美樹 with 倉田信雄
Billboard Live 2022

Billboard Live 15th Anniversary Premium Live




今井美樹のライヴは、2009年、2010年、
そして昨年(2021年)に続き4度目。
昨年のライヴのエントリーを読んだ友人が
「今度、今井美樹のライヴに行くなら誘って」と
言っていたので、今回は珍しく友人夫婦と
私たち夫婦、4人でのライヴ鑑賞となった。
ちなみにこの2日間4公演のチケットは、
即、売切れだった。

今日は、2009年に観たライヴと同じく、
六本木ビルボードライヴでピアノの倉田さんとのデュオ。
ビルボードライヴでのこのデュオは、
7回目6年ぶりということだったが、
私の観た2009年が第1回めだったようだ。

今年59歳になった今井美樹。
宮崎県児湯郡(こゆぐん)高鍋町出身で、
高鍋町は、私の母の故郷、川南町の
隣なので勝手に親近感がわく。

2009年のエントリーには
「ピアノと歌だけで、こんなに幸せなのか!」と
書いている。
そして、昨年はその感想をひと言で
表すなら「希望」と書いた。

今回も期待を裏切らず、素晴らしかった。
声が年とらないんだな、この人。
「幸せ」「希望」と来て、今回感じたのは
「安堵」「平安」「豊潤」そんなワードだった。

途中の MC で、コロナの中ずい分色々な
思いをされたことが伝わってきて、
そんな中、彼女自身が吹っ切れたのか、
希望を見出したのか
「去年より元気です」という言葉が
印象的だった。
というのも、昨年コンサートの MC で
引退するんじゃないかと思うような
発言があったからだ。
「私の思い違いであればよいが」と
書いたけど、彼女の中で何か色んな
思いがあったんだろうなと思う。

『瞳がほほえむから』や『PIECE OF MY WISH』を
作曲し、今井美樹に提供した
シンガーソングライターの上田知華が、
昨年9月に亡くなっていたのだが、
今年の4月になってニュースになった。
どうもその死は伏せられていたようで、
今井美樹も4月にその訃報を知ったという。

今回のライヴは、上田知華への追悼だったんだろう。
ほとんどが、上田知華(曲)と
岩里祐穂(詞)のコンビによる曲だった。
このコンビの楽曲が、今井美樹をシンガーとして
成功させた功績は大きい。
たぶんだけど、後に旦那になる布袋寅泰が
プロデューサーになった(1996年)のを機に
上田知華とのコラボは、一旦終わったんだろう。
次に今井が上田の作品を唄うのは、
20年も間が空いてしまうんだ。

アンコールは、『PRIDE』、そして、
『Goodbye Yesterday』。
ともに布袋寅泰 作詞作曲。

アンコールを入れて、約80分強。
今井の歌に寄り添う、倉田さんのピアノも素晴らしかった。


[ MEMBERS ]
今井美樹(vo)
倉田信雄(pf)

@ Billboard Live Tokyo
2nd show


[ 関連エントリー ]
2009.10.14 今井美樹
2010.2.7 今井美樹@オーチャードホール
2021.7.30 billboard classics 今井美樹






2022.10.2

高中正義
TAKANAKA SUPER LIVE 2022 SAUDADE




昨年11月の興奮の「デビュー50周年
虹伝説ファイナル at 日本武道館」から
早一年が経とうとしている。
今日は、5年ぶりの高中の日比谷野外音楽堂。
雲一つない気持ち良い晴天に恵まれた。
17時の開演。
野音のコンサートの良さは、明るいうちに始まって
気が付いたら暗くなっていて、いつもまにか
ステージに照明が当たっている。
周囲を見渡すと高いビルが目に付くけど、
この季節なら、曲が終わると
都心なのに 虫の鳴き声が聞こえてくる。
そんな、独特な空間だろう。

高中の話では、なんでも野音は
来年で100年だそうだ。
今年 69歳の高中は、18歳の頃から
なんやかんやと野音のステージに立っているという。

デビュー51年目の高中。
色んなミュージシャンが亡くなり、
引退していく中、もう、生きていて
音楽活動をしてくれているだけでありがたい。
まあ、69歳は引退するには早すぎるけど。

観客は、相変らず平均年齢高めの
おじさんが大半。
今日は、女性の声もあったけど、
おっさんの野次、いや声援が多い。

今日のギターは、ブラウン・サンバーストの
ストラトと模様入りの HSH のヤマハ SG。
どちらも高中らしいトーンだ。

アルバム『SAUDADE』発売、40年のツアー。
曲は、『SAUDADE』はもちろん、『Alone』、
『エピダウロスの風』、『渚 モデラート』、
『TAJ MAHAL』、『WOODCHOPPER'S BALL』、
『Thunder Storm』、『Early Bird』など。
ここ(2021.12.21)に書いたけど、
『New York Strut』は嬉しかったな。
もしかしたら、生で聴くの初めてかも。
本編最後は、『Blue Lagoon』。
そして、アンコールは『Ready To Fly』と『黒船』。
今日は、『黒船』が沁みた。


[ MEMBERS ]
高中正義 (g)
宮崎裕介 (key)
井上薫 (key)
岡沢章 (b)
宮崎まさひろ (ds)
斉藤ノヴ (perc)
AMAZONS 大滝裕子 (cho)
AMAZONS 吉川智子 (cho)
AMAZONS 斉藤久美 (cho)

@ 日比谷野外音楽堂



開演前


(2022.10.4 追記)
一昨日のコンサートは、S席。
Cブロックの2列目35番。
前後で言うと真ん中あたりで
ステージに向かって少し左のブロック。
そんなに良い席ではないけど、
悪いというほどでもなく、まあまあ
見やすかった。
S席の人には入場時におみやげが
配られた。



クリアポーチ、バンダナ、来年のカレンダーのセット。
カレンダーの写真の色が悪く、がっかり。
こんなカラーなら、いっそのことモノクロにした方が
良いと思うな。





2022.10.4

渡辺貞夫グループ2022



今年、3度目の貞夫さんのライヴ。
3月は、カルテット(4重奏)、
6月は、クインテット(5重奏)ときて
今日は、セクステット(6重奏)だ。
6人編成だと「sixtet(シックステット)」かと
思いきや「sextet(セクステット)」なんだな。
急に色っぽいやんか。

さて、89歳の貞夫さん。
毎回、その存在と演奏に感動しているのだが、
今日もその暖かい音色にと、
なんだろう、とっても平和な空間に包まれたよ。

メンバーも楽しそうだし、結構ステージの上では、
ハプニングのようだった。(良い意味ね)
アンコールの1曲目『I Felt Your Presence』
なんて、明らかに予定になかったようで、
ピアノの小野塚さんに慌てて譜面をまわしてたよ。
それ以外にも貞夫さんが吹き始めて、
メンバーが何の曲か把握している風な
場面が何度かあったしね。
とにかく、包み込まれるような音楽で
平和で幸せなひと時でした。

あと数ケ月で、90歳を迎えられる貞夫さん。
この記事を読むと、第一線で活動し続ける
原動力を「自分に納得していないから」と
語っている。
自分に納得し、自分のプレイに満足してしまったら、
止まってしまうんだな。
どこまで行っても、あくなき探求なんだ。


[ MEMBERS ]
渡辺貞夫(as)
小野塚晃(p, key)
養父貴(el-g)
コモブチキイチロウ(el-b)
竹村一哲(ds)
ンジャセ・ニャン(perc)

@ Billboard LIVE Yokohama
2nd show


[ SETLIST ]
1. Peace
2. Quilombo
3. Road Song
4. Butterfly
5. Plum Island
6. Only In My Mind
7. Paciencia
8. Passo De Doria
9. A Felicidade
10. Regra Tres
11. Regra Tres
12. Manhattan Paulista
EC1. I Felt Your Presence
EC2. Life Is All Like That
EC3. Imagine ~ Give Peace A Chance
EC4. Carinhoso

貞夫さんが、「最後に聴いて下さい」と言って、
『Manhattan Paulista』を演ったので
それ以降は、アンコールとした。


開演前のステージ


年内にもう一度観に行きます(12月)。
今度は、渡辺貞夫オーケストラ だ。





2022.10.7

そろそろ当選したい(続)の続き

今年の山下達郎のツアーのチケット抽選には、
先行発売、一般発売、キャンセル待ち
(いずれも抽選)合わせて、18回外れている。

高崎の公演にも申込んで外れたのだけど、
かくなる上は、もっと地方公演を
攻めるしかないと思っていた。
11月12、13日に山形の県民ホールでの
公演があり、妻の実家からは遠いけど、
ついでに寄ることもできるな、と考えて
申込むつもりでいた。
今日、妻に「あれ、どうなったの?」と訊かれ、
あわてて見てみたら、すでに受付が終わっていた。
ショック!!!

受付期間は、9月23~27日で、ちょうど
写真展と重なっており、写真展終了後も
すぐには、そんなことにまで頭が回らずだった。
大失敗だ。

現在、10月13日の神奈川県民ホールの
キャンセル待ちを申込んであるけど、
当選する確率は、極めて低い。
大体、キャンセルが出るのかどうかも分からない。
あとは、10月26、27日のNHKホールの
キャンセル待ちに申し込むつもりだけど、
もうほぼ諦めムードです・・・。

公演中止になった8月の中野サンプラザホールの
振替公演が、来年あるけど、
それに行けない人のチケットが、
少しは売り出されるかなぁ。





2022.10.14

NORAH JONES
JAPAN TOUR 2022


ノラ・ジョーンズ、2017年以来
5年ぶりの来日公演を観てきた。
ノラの来日は、今回で5回目だが、ライヴを観るのは、
2005年、2017年に続いて3回目。



今年は デビュー20年。
春には、デビューアルバム『Come Away with Me』の
リマスターに加え、未発表のデモやセッションを
収録したスペシャル・エディションが発売された。
これを聴くと、First Sessions Demo の段階で、
完成度がスゴイことに気付く。
しかし、リリースされたテイクと聴き比べると
断然、そちらの方が洗練され、
進化しているのが分かり大変興味深い。

今日は、オープニング・アクト(前座)に
Rodrigo Amarante(ロドリゴ・アマランテ)。
ロドリゴは、ブラジルのロック・バンド
「ロス・エルマーノス」に在籍後、ソロ活動。
2019年に、ノラとの共作曲を2曲発表した。
(“I Forgot”と“Falling”)

当初、19時の開演予定だったが、
オープニング・アクトの出演が決まったため、
18:30に繰り上げられ、ノラの出演は、
19:30からに変更となったメールが、
10日ほど前に届いた。

会場は、先日、安倍元総理の国葬が行われた武道館。
まさかと思うけど、少し線香の香りが残っているような
気がしたのは、気のせいだろうか。
近くの席の人の服に染み付いた樟脳(しょうのう)の
匂いかな。
席は、アリーナの中央ブロックの前後も中央あたり。
まあまあの席だった。

オープニングアクトのロドリゴ・アマランテは、
遠目には、ジャックニコルソンに似た顔つき。
ピックアップ付のアコギでの弾き語りなのだが、
時々、スティングを思い出すような感じだった。
(たぶん)ポルトガル語だろう、
ちょっと洗練されたボサノヴァのようで良かった。
演奏は、40~45分ぐらいかな。
18:30に始まった時には、まだまだお客さんが
入場の途中で、やりにくかったんじゃないだろうか。

15~20分ほどの休憩の後、ノラ様の登場。
バンドは、ギター、ベース、ドラムの3人。
シンプルだが、このバンドが素晴らしかった。
ツボを押さえたベースの Chris Morrissey、
繊細で上品なドラムの Brian Blade、
とっても味のある、職人的なギター Dan Iead。
このギターがバンドのキャラクターやら大きく決めていたように思う。
Dan Iead は、ペダルスティールも弾いたのだけど、
これが良い。とても良い!

『Sunrise』『Come Away with Me』『Don't Know Why』
などの聴き慣れた曲も 大胆にアレンジされていて、
このメンバーならではの楽曲の進化・発展を感じた。
時々、ライブでオリジナルから大きくアレンジした演奏を
聴き、余計なことをしてくれたなぁと思うことがあるが、
今日の演奏は、全くそういうことはなく、
楽曲が育って行ってると感じたね。
全くもって素晴らしい。

演奏は、カルテット、ピアノトリオ、ピアノでの弾き語り、
そして、ゲストのロドリゴと一緒に5人で『Falling』。
歌は、デュエットで、これも凄く良かった。

ノラは、2曲(だったと思う)でギターを演奏。
(たぶん)フェンダーのジャズマスター。
バンドの音は、最低限と言っても良いような
隙間だらけの音なのだが、とにかくノラの歌が凄いので、
もの足りないどころか、その方が良く聴こえる感じ。
最近の J-POP は、音が多すぎる曲が多いもんね。
そんなに音は、要らんのだよ。
曲と歌が良ければ。

アンコール、これまた新たなアレンジの
『Nightingale』を入れて約85分は、
ちょっと短かったな。
素晴らしかった分、もう少し聴きたかった。


[ MEMBERS ]
Norah Jones (Vo, Pf, Key, Gt)
Dan Iead (Gt, Pedal steel)
Chris Morrissey (B)
Brian Blade (Dr)
Special Guest:Rodrigo Amarante (Vo, Gt)

@ 日本武道館(東京)


ノラ・ジョーンズ ジャパン・ツアー2022
10月11日(火) 札幌 札幌文化芸術劇場hitaru
10月13日(木) 仙台 ゼビオアリーナ仙台
10月14日(金) 東京 日本武道館
10月16日(日) 東京 日本武道館
10月17日(月) 大阪 大阪城ホール
10月18日(火) 東京 日本武道館


開演前




[ 関連エントリー ]
2016.10.5 Norah Jones Day Breaks
2017.4.14 12年ぶりの NORAH JONES
2018.7.28 NORAH JONES Live at Ronnie Scott's





2022.10.24

MONTY ALEXANDER
モンティ・アレキサンダー




ジャマイカ出身のジャズ・ピアニスト、
モンティ・アレキサンダーのライヴに行ってきた。
モンティは、今年、78歳にしてキャリア初のヴォーカル・
アルバム『LOVE NOTES』を発表した。
この歌が、味があって とてもよろしい。

彼は、若い頃にジャマイカからアメリカに移住した。
若い頃のものも含めて、4~5枚アルバムを
聴いたのだけど、ジャマイカ出身と知っているので、
その先入観か、ピアノを聴いていても
アメリカ人とは違うように感じてしまう。
他の中南米のラテンの人たちともちょっと違う。
なんというか、鷹揚な感じがするのだ。
そう言えば、レゲエもラテンと違って、
ゆったりしたノリだもんな。
CD を聴いて、すぐにああこの人のピアノ好きだ、
と思ったのには、音色もある。
なんだか、コロコロしてる感じで、平和なんだ。

さて、ライブ。
1曲目、ピアノ・トリオで、アランフェス協奏曲の
第2楽章のあのメロディから始まったので、
(えっ?まさか Spain?)と思ったけど、
『Spain』には行かずに、アランフェスのままだった。
モンティは、1977年に『アランフェス協奏曲』を
録音していたのだった。

2曲目、3曲目とピアノ・トリオが続く。
3曲目は、レゲエだ。
レゲエのリズムでジャズって、ほかで演ってるの、
あんまり聴いたことがなかったけど、とても良いです。

4曲目で、ジョシュア・トーマスをステージに呼んで
ピアノ、ドラム、ウッドベース、エレキベースという、
変則カルテットに。
ジョシュアは、フロム・ジャマイカ。
ジョシュアのエレキ・ベース・ソロをフューチャーした曲。
曲名を確か『Hope』と言ったと思う。
その編成で、もう1曲。
(もしかしたら、4曲目、5曲目は、
一つの曲だったかも知れない。)

そして、トランペットのドミニク・ファリナッチ、
シンガーのカテリーナ・ザッポーニをステージに
呼んで、6人でニューアルバムに収録されている
『The Nearness of You』。
ヴォーカルはカテリーナで、モンティは唄わないんだけど。
カテリーナは、モンティの奥様だ。
この曲からは、ジョシュアは、
ギター(テイラーのエレアコ)を担当。

続いて、カテリーナが、ローマ出身だと紹介して、
イタリア語で『Estate』。
この曲、今日までブラジルの曲だと思っていたけど、
元々は、イタリアの ブルーノ・マルティーノ
(pf, vo)という人が、書いた曲だった。

そして、カテリーナが、いったんステージを降りて、
5人で『To the Ends of the Earth』。
ここでやっとモンティが唄ったよ。

本編最後は、『These Love Notes』。
夫婦でデュエット。
もう めちゃくちゃ平和~。

アンコールは、観客も巻き込んで
『Banana Boat Song』!
ここでモンティは、鍵盤ハーモニカを演奏。

アンコールを入れて、80分強、
とてもピースフルで、豊かなひと時でした。

モンティの歌も、ピアノももちろん良かったけど、
トランペットのドミニク・ファリナッチの音が
とても柔らかくてきれいだったなぁ。
あと、ドラムのジェイソン・ブラウンも良かった。

3日間公演の中日、月曜日の 2nd show と
いうこともあってか、お客さんの入りは、
ちょっと少なかったけど、とても盛り上がりました。
また観に行きたい。
78歳だから、元気でいてね。


[ MEMBERS ]
Monty Alexander (p,vo)
Caterina Zapponi (vo)
Dominick Farinacci (tp)
Paul Berner (b)
Jason Brown (ds)
Joshua Thomas (gt,b)

@ Blue Note TOKYO
2nd show


[ おすすめ ]
These Love Notes
MONTY SINGS "AS TIME GOES BY"





2022.10.28

郷 ひろみ
Hiromi Go

50th Anniversary Celebration Tour 2022
~Keep Singing~




1972年に『男の子女の子』でデビューした郷ひろみ。
そのデビュー50周年ツアーを観てきた。
妻が、子供の頃 好きだったと聞いたこともあり、
チケットの販売を知った時に、一度ぐらいは
観ておこうと思い立ったのだ。

ツアーは、4月に「50th Anniversary Celebration
Tour 2022」として始まり、12月に入ると
「50th Anniversary Tour "The Final Countdown"
in 2022」となり、12月26日の武道館での
「50th Anniversary "Special Version"
~50 times 50~ in 2022」まで、
合計73公演に及ぶ。
今日、ご本人のMCを聴いて知ったことだが、
この3つのツアーは、ショーの内容が違うということだ。
最後の武道館では、50周年にちなんで
50曲(もちろんフルコーラスではないだろうけど)
唄う予定だと言っていた。

今日の会場は、東京国際フォーラムホールAホール。
お客さんは、9割女性だ。
平均年齢やや高め。
中には、スパンコールの衣装に身を包んだ
派手目のグループもいた。
席は、2階の4列目でまあ悪くはないけど、
良くもない席。

さて、コンサート。
オープニングのビデオが流れる。
この50年の歴史をざっとなぞるような内容だ。
そして、1曲目『2億4千万の瞳』、
続いて『セクシー・ユー(モンロー・ウォーク)』
『お嫁サンバ』『Gold Finger 99』と、
まるでコンサートの終盤のようにのっけから
飛ばしてくる。
1曲からどうやら1階は総立ち。
2階も多くの人が立っていた。
この時点で、驚いたのは、
知ってる曲ばっかりやん、ということ。

このあと、ちょっと長めのMC。
ファンへの感謝の言葉を何度も繰り返す。
そう、ファンあってのこの仕事だもんな。
ありがたいことやもんな。

最初の4曲は、有名曲だったけど、
そのあとはもちろん、知らない曲も多かった中、
一番良かったのは、ちょっとテンポを
落としてアレンジも変えて演った『よろしく哀愁』。
ええメロディです。

日替わり曲のコーナーがあって、
今日は『ありのままでそばにいて』という曲。
その他、知っている曲は、
『言えないよ』とアンコールで演った
デビュー曲の『男の子女の子』。
出来れば『ハリウッド・スキャンダル』や
『あなたがいたから僕がいた』
『哀愁のカサブランカ』あたりも聴きたかったな。

コンサートは、全般通して、まあエンタテイメントです。
声も良く出ているし、67歳とは思えぬ動き。
おそらく、かなり健康には気遣い、
ストイックに身体を鍛えていると思われる。
そして、楽曲のアレンジから、映像とのコラボ、
照明などもの凄い準備がされているのが分かる。
全ては、観客の満足、ファンの笑顔のために。

アンコールの最後、108枚目だという最新シングル
『ジャンケンポンGO!!』まで、約2時間15分。
あっという間でした。

子供の頃、山形で郷ひろみのコンサートに
行ったことがあるという妻。
40年以上ぶりだったみたいだけど、
とても満足そうでした。

途中で気付いたんだけど。
「お~くせんまん、お~くせんまん」とか
「イチ、ニイ、サンバ、ニイ、ニイ、サンバ、
お嫁、お嫁、おー嫁サンバ~」とか
「ア~チチ、ア~チ」とか、
「ジャンケンポンゴ~」とか
よく分かんない言葉で押してくるよね~。
でも、その意味のなさ(?)が、
エンタなんだろうな。


[ MEMBERS ] たぶん
郷ひろみ (vo)
小南一麿 (gt)
沼井雅之 (key)
田中直樹 (mani,key,gt)
山本 一 (sax,perc)
中野周一 (dr)
渡辺陽一 (b)

@ 東京国際フォーラム Aホール


開演前


本日の撮影OKタイム『ありのままでそばにいて』の時






2022.10.31

山弦 三十祭
The Tres Amigos 「グラシャス、アミーゴス!」




今年7月にビルボードライヴ東京で観た、
「山弦三十祭」。
そのツアーファイナルとなる ブルースアレイ・
ジャパンでの公演を観てきた。
タイトルにある「The Tres Amigos」は、
スペイン語で「3人の仲間」という意味で
山弦と音響の飯尾さんを合わせた3人のこと。
「グラシャス、アミーゴス!」は、
「ありがとう、みんな!」って感じ。

いやぁ~やっぱり素晴らしい。
7月に観たときも良かったけど、今日は入替なしなので
たっぷり120分強、休憩なしで演ってくれた。
席は、前から4列目のセンターという良い席。

ビルボードライヴ東京は、入替制だったし、
1ステージ70分と決められていたようだけど、
今日は、その縛りがないので、小倉さんが喋る喋る~。
佐橋さんが、何か言いたいことがあって
話しているのに、すぐに脱線させる。
スゴイ天然ぶりを発揮してました。
佐橋さん、大変やなぁ。
演奏も知的・理性的な佐橋さんと対照的に
小倉さんは、天然というか野性的だからね。
MCが長い分、ファンとしては色んな話が
聴けて楽しいんだけどね。

やはり7月同様、今日も小倉さんのギターの方が、
生っぽいナチュラルな音だったなぁ。
わざと、音に差をつけているのかも知れないけど。
曲によっては、佐橋さんの音が、
ちょっと作られ過ぎてる感があったのは残念。
(個人の感想です)

演奏は文句なし。
このツアーのライヴ盤出ないかなぁ。


[ MEMBERS ]
山弦:
小倉博和 (gt)
佐橋佳幸 (gt)
(音響) 飯尾芳史

@ Blues Alley JAPAN (目黒)

[ SETLIST ]
1. 春 (SPRING)
2. 夏なんです
3. Istanbul (Not Constantinople)
4. Mrs. Robinson
5. Where Have All The Flowers Gone
6. Country
7. SONG FOR JAMES
8. 祇園の恋 (GION)
9. JOY RIDE
10. RODEO KING
11. HARVEST
EC1. Tell Me Something
EC2. 月星
EC3. Crazy For You


(関連エントリー)
2022.7.5 山弦 「山弦三十祭」





2022.11.3

Norah Jones
NY,USA 2022




先月14日、武道館公演を観たノラ・ジョーンズ。
素晴らしかった記憶も新しいのだが、
そのノラのライヴ DVD(ブートレグ)を観た。

「史上最高のデビュー作」とも言われる
ノラのデビュー作『COME AWAY WITH ME』の
20周年のスーパー・デラックス・エディションが
今年 発売されたが、その記念に
配信ライヴが行われたようだ。
ライヴといっても、ホールやクラブに観客を
入れてのそれではなく、コテージのような
一室での演奏だ。
その配信ライヴのブートレグ DVD を入手した。
昨年、エリック・クラプトンが
『ロックダウン・セッションズ』と称して、
無観客のライヴ盤を発表したが、
それに近いイメージだ。
エリックが、バンドのメンバーだけで
演奏していたのに対し、こちらは、
スタッフも室内におり、曲が終わると、
スタッフの拍手が聞こえる。

観始めるまで、ギターがビル・フリーゼルだとは、
知らなかったので驚いた。
これは、嬉しかったね。
ノラとビルが一緒に演っているなんて
知らなかったんだ。
でも、考えてみたら、この組み合わせは、
全く違和感がない。
曲中、ビルはノラの反応を確かめるように
弾いているのだけど、ノラもちゃんとビルの
音に反応して笑顔を送る。
曲が終わる度の、ビルの(うまいこといったなぁ~的な)
笑顔も良い。
ビルのギターは、J.W.Black の Bigsby 付きの
テレキャスタータイプと、ギブソンのアコギ。
あれは、J-45 かな。
先月のツアーのギター、ダン・アイードも良かったけど、
このメンバーのライヴをナマで観たかったなぁ。

ドラムは、来日メンバーでもあったブライアン・ブレイド。
ベースは、トニー・シェール。
『Fragile』では、アコギを演奏。
この曲の出だしは、ビルとトニーのギター2本による
伴奏で始まったのだけど、とても良かった。
ジェシー・ハリスが、アコギで『Shoot The Moon』に参加。

曲は、アルバム『COME AWAY WITH ME』に収録の
14曲に加えて、スーパー・デラックス・エディションに
収録されていた『A Little At A Time』『Fragile』
『What Would I Do (Without You)』の3曲。
アルバムの最後の曲『The Nearness of You』に
始まって、1曲目の『Don't Know Why』で
終わるという、逆順のセットリスト。
その中に前述の3曲が混ぜられているのだ。
(全部で77分)

それぞれの曲は、この20年の間に育ってきた
感があり、成熟とも呼べるような変化を感じる。
それは、ノラの歌にもアレンジにも。
全く素晴らしい。

元々が配信のためのものなので、
ブートの中でもいわゆるプロショットと呼ばれるもの。
映像も音もとてもきれいで、これはオフィシャルで
販売しても良いのではないかと思うクオリティ。
オフィシャル版なら、3~4千円はするだろうけど
入手したブートレグは、1,386円という驚きの価格でした。





2022.11.4

アカサカ・トリオ
AKASAKA TRIO First Edition Live




昨年 “T-SQUARE” を脱退したギターの
安藤さんの新しいユニット、アカサカ・トリオの
ライヴを観てきた。
トリオのメンバーは、安藤正容、
則竹裕之、須藤満 という THE SQUARE
(T-SQUARE)の卒業生の3人。

大体入替制のライヴを観に行くときは、
2nd show を観ることが多い。
1st show だと時間の制約があるので、
アンコールがなかったり、曲数が少なかったり
することがあるからだ。
今日は、珍しく 1st show を観た。
というのも、チケットを取ろうと思った時には、
2nd show はソールド・アウトだったんだ。
1st show でもあまり良い席は、
残っていなかったらしく、ステージを真横から
観る席だった。

私は、基本的にステージにいる人間だけで
演奏して欲しいと思っているので、
バック・トラックを流してそれに合わせて
演奏するのを聴くのを好まない。
なんか「カラオケに合わせて」演奏している
ような気がするからだ。
そんなことするぐらいなら、アレンジを工夫するとか
例え音がスカスカになっても、ステージにいる人間だけで
演奏してくれた方が魅力があると思っている。

今日のアカサカ・トリオの場合、
バック・トラックを流して演奏するのは、
知っていて聴きに行っているから、
それほど抵抗はなかったけど、それでも
ステージにいないシンセサイザーの音が
聞こえてくるのは、やはり なんだかなぁと思ってしまった。
バックトラックなしにやった曲があったのだけど、
断然、それで十分だと思ったね。

安藤さんのインタビューを読んだが、
あれだけのプロであっても、
トリオで演ったことがない人にとっては、
やはり不安なんだな、と思った。
まあ、ずっとキーボードがいるバンドにいたら、
そうなるのかも知れないな。
それなら、サポートでいいから、
キーボードをひとり入れたらいいのにな。

そのことはさておき、演奏は3人とも素晴らしかった。
出だしで、コンピュータに不調があり、音が出ず、
ほんの数分 スタートが遅れたけど、
やはり、ジャズクラブで間近に観るといいね。
昨年の安藤さんの脱退ライヴは、大きな会場
(LINE CUBE SHIBUYA)だったので、
今日は、余計にそう感じたな。

安藤さんは、非常にきれいな、丁寧な弾き方を
する人で、雑なところが全くない。
不要なタッチノイズとか出さない。
ギターは、Paul Reed Smith の Silver Sky が
メインで、数曲で Gibson ES-335
(1962年製らしい)を使用。
2本ともええ音してたけど、特に PRS ね。
ステージには、控えで Fender Custom Shop の
Michael Landau 57 Stratocaster も
置いてあったけど、弾かず。

則竹さんは、ドラム・ソロで爆発してた。
須藤さんは、ベースがフューチャーされた
曲のプレイが素晴らしかったな。

私は、数曲しか THE SQUARE(T-SQUARE)の
曲を知らないので、よく分からないのだが、
何曲か「懐かしい曲を」と言って、演奏されたので
それらは、古いスクエアやソロ・アルバムの
曲だったのかも知れない。
アンコール入れて、80分ぐらい。

ぜひ、バックトラックなしのギタートリオで
またはキーボードを入れて、ライヴやって欲しい。
絶対良いと思うねんけどなぁ。


[ MEMBERS ]
安藤正容 (g)
則竹裕之 (ds)
須藤満 (b)

@ Cotton Club
1st show


[ 関連エントリー ]
2021.8.7 安藤正容 Farewell Tour T-SQUARE Music Festival





2022.11.14

穐吉敏子 ソロ
Guest:Monday満ちる




初めて 穐吉(あきよし)敏子さんのライヴを聴いてきた。
1929年生まれであるから、なんと92歳である。
この来日(帰国?)が「日本ラスト公演」という
記述も観たので、これが最後かもしれない。

92歳と言えば、2016年に観たシャルル・アズナヴールが、
当時92歳だった。
(彼は、2016年を「最後の来日」と銘打っておきながら
2018年に94歳で、来日しコンサートを行ったが、
それが彼の最後のコンサートとなった。)

さて、穐吉敏子さん。
彼女がバークリー音楽院で初めて学んだ日本人だ。
1956年、26歳で単身渡米。
1956年というと、まだ戦後11年目。
渡辺貞夫さんの留学が、
1962年だからその凄さが分かる。
それからはアメリカ在住で、国際的に活動して来られた。

少しはジャズを聴くリスナーとして、
この偉大なピアニストを一度は観ておかなくては
ならないと思った。

今日の公演は、彼女の娘である、
マンデイ満ちるさんがゲスト。

月曜日のブルーノートは、満席だ。
いつものお客さんと少し違う感じがする。
何がって言えないのだけど。
ステージに上がった穐好さんを観て、
樹木希林と数年前に観たヘレン・メリルが
思い出された。

1曲目、マンデイ満ちるが歌詞をつけたという
『Long Yellow Road』。
穐好さんが渡米した1956年のアメリカは、
今よりももっと人種差別が激しかった。
『Long Yellow Road』は、イエロー(日本人)の
ジャズの道は長いという意味で付けたそうだ。

2~4曲目は、ピアノソロで
『It Was A Very Good Year』
『Tempus Fugue-It』 (Bud Powell) など。

再び、マンデイ満ちるをステージに招いてデュオ。
ブルースと、マンディがフルートを吹いた曲
(2曲タイトル不明)と、
アルトフルートで『Yellow Is Mellow』。
このタイトルについて穐好さんは、
「White Is Right、Black Is Beautiful、
ときて、Yellow Is Mellow だ」と言ってました。

続いてピアノソロで『木更津甚句』。
マンデイ満ちると1曲演って、
本編ラストはデュオで日本語の歌詞が
付けられた『Hope』。
これは、広島のために書かれた曲だそうだ。
そして、アンコールは、『月の砂漠』。

全部で65分ぐらいだったかな。
1曲1曲がわりとコンパクトで、
MCもたっぷり聴けた。
渡辺貞夫さんのMCもそうだけど、
この年代のミュージシャンから聴ける話は
貴重で面白い。

私の席が最前列だったので、穐好さんの表情も
良く見えた。
さすがに92歳ともなると、思い通りの演奏が
難しいのだろうか。
表情を観ていると時々、演奏が上手くいって
ないんだろうと分かったけど、そういうことを
超越したレベルの演奏だった。



座席から撮影。手前左のカメラは配信用


[ MEMBERS ]
穐吉敏子(pf)
Guest:Monday満ちる(vo, fl)

@ BLUE NOTE TOKYO
2nd show


(2022.12.6 追記)
Blue Note の LIVE REPORTS より

[ SETLIST ] 2nd show
1. Long Yellow Road
2. It Was A Very Good Year
3. I Know Who Loves Me
4. Tempus Fugit
5. I Ain’t Gonna Ask No More
6. The First Night
7. Yellow Is Mellow
8. The Village
9. Warning!! Success Maybe Hazardous To Your Health
10. Hope
EC. 月の砂漠





2022.11.15

小島良喜
Piano Solo 2022 Last




昨日に続いて今日もピアノ!
今年三度目となる、小島さんのソロ・ピアノ・ライヴ。
4月の Char さん(@中野サンプラザ)、
7月の Namico さん (vo)、八木のぶおさん (vo) との
トリオ(@ブルースアレイ・ジャパン)も入れると、
今年5度目の小島さんのライヴだ。
東京での今年最後のソロ・ピアノ・ライヴ。

1部の1曲目は、2018年11月14日に
逝去されたジャズ・ピアニスト 佐山雅弘 氏と
一緒に演っていたという曲。
このデュオは、一度だけ聴きに行ったことがある。
曲名を言ってくれなかったのだけど、
ゴスペル調の曲で素晴らしい演奏だった。
それから、『Waltz In Sorrow』
『In A Mellow Tone』、メドレーで
『A Hard Day's Night』から
『Put It Where You Want It』。
(これは、もっと他の曲も混ざっていたかもしれない)
そして『赤とんぼ』からの『My Foolish Heart』。

短い休憩の後、2部。
家で作ったというループを流して、
エレキ・ピアノの演奏。(曲名不明)
路面電車でウトウトする様が目に浮かぶ
『Nap In The Trolly』、
美しい『Truth In My Eyes』や
ニューアルバムに収録したという
これまた美しい『Family』など。
ラストは『Waltz For Flower』(と言ったと思う。)
アンコールは、有名なジャズのスタンダードだったけど
曲名が出てこない(やばい)。
休憩挟んで全部で2時間半ぐらい。
毎度たっぷり聴かせてくれはります。

以前から話されていた CD の発売が
いよいよ決まったらしい。
12月21日を予定しているとのことで、
なんと2枚組になるそうだ。
楽しみ。


2部の1曲目、エレピの演奏中


[ MEMBERS ]
小島良喜 (pf)

@ Blues Alley Japan (目黒)




Char
公演中止と1976年ライヴ


今週の金曜土曜(11月 18日、19日)は、
Char さんのデビュー45周年記念ライヴ2Days、
1日目「Johnny, Louis & Char Session」、
2日目「PINK CLOUD Session」が、
昭和女子大学人見記念講堂にて予定されていた。
ゲストは、1日目が金子マリ、
2日目がミッキー吉野。
これは、行っとかなあかんやろと思い、
2日間通し券を購入して楽しみにしていた。



が、今日、ファンクラブからメッセージが届いた。
(私は、ファンクラブに登録している。)
12日にChar さん本人が発熱等体調の異変を感じ
PCR検査を行ったところ、13日に陽性と判明した
とのことで 公演は中止だという。

ご本人の容態は安定しているとのことで
心配はなさそうだが、「PCR検査」とあるものの
どこにも「コロナ」という言葉が見つからず、
何の陽性だったのかが分からない。
「インフルエンザ」ということもあり得るのだろうか。
振替公演を実施する方向だとのことだが
詳細は未定だ。

Char さんは、1976年21歳のデビューで
前述の通り(昨年で)デビュー45周年だった。
昨年から、「45th anniversary concert」が続いており、
私は、昨年4月10日の日比谷野外大音楽堂、
10月1日のビルボードライヴ(これはニューCD
リリース・ライヴ)12月11日の武道館、
今年3月6日の中野サンプラザ、と観てきて、
今回の「Johnny, Louis & Char Session」、
「PINK CLOUD Session」だった。
楽しみにしていただけに残念だが、仕方がない。

先月には、CD “CHAR LIVE 1976” が
リリースされた。



これは、1976年の1st アルバム『Char』の
レコ―ディング・メンバーによる、
1976年12月13日に行われた新宿 LOFTと、
1976年11月26日に行われた
金沢観光会館でのライヴ盤だ。
どちらも レコード用に録音されたものではなく、
カセットテープに録音されたもので、
最近までこのテープの存在を Char 自身
知らなかったらしい。
カセットテープの録音なので、音はけっして
良くないけど、内容は一聴に値する。
何よりも、21歳の Char の凄さ。
メンバーも全員20歳過ぎなのだが、
エネルギーの高さ、テクニックに感動する。
Char 自信、聴く前はもっと酷かっただろうと
思っていたらしい。
音質が悪くてもファンなら聴きたいだろうし、
リリースしてくれて嬉しい。

メンバーは、次の通り。
Char(vo、gt)
ロバート・ブリル(d)
ジェリー・マーゴシアン(vo、k)
ジョージ・マステッチ(b)
佐藤準(k)

なお、金沢の方のライヴは、初回限定盤だ。
DVDもセットになっていて、こちらは
Char さんと キーボードの 佐藤準さんとの対談。
これまた、知らない話満載で興味深い内容だった。

Char さんはこの数年は時々、ロバート・ブリルや
佐藤準とは、共演しているが、ジョージと
ジェリーはすでに他界してしまったらしく、
残念だが、再結成の可能性はない。
ビザの問題などもあり、非常に短命に終わった
バンドであったわけだけど、続いていたら
どうなっていたんだろうと Charさん自身が
時々思うというのも、演奏を聴くと
分かるような気がする。
ちなみに 新宿 LOFT のカセットは、
ジョージの遺品にあったらしい。

阿久悠作詞の『気絶するほど悩ましい』で、Char さんが
お茶の間で有名になるのは、デビューの翌年1977年のこと。
つまり、1976年はそれほど売れていなかったわけで、
それがこのバンドが短命であった理由の一つでもあるようだ。

『気絶するほど悩ましい』が Char のデビュー曲だと
思っている人がいるかも知れないが、
デビューシングルは『Navy Blue』。
作曲は Char で、作詞は NSP の天野滋。
『Navy Blue』は、後にアン・ルイスがカヴァーしている。





2022.11.28

THE DOOBIE BROTHERS
来日公演決定!




ドゥービー・ブラザーズ 結成50周年リユニオン・ツアー、
来年4月の日本公演が発表された。
前回のドゥービーの来日は、2017年だったから、
6年ぶりの来日ということになるが、
前回と大きく違うことがある。
今回はなんと、マイケル・マクドナルドが参加するのだ。
これで、前回聴けなった "What A Fool Believes" や
"Minute By Minute" が聴けるに違いない。

6年前のチケット代が 11,000円 で、
今回が 17,000円 と諸事情によるであろう、
大幅な値上がりがつらいところだが、
このご時世、これは仕方ないよなぁ。

東京は、武道館が1公演のみだ。
横浜が1公演あるけどね。


【ドゥービー・ブラザーズ ジャパン・ツアー】
4/15(土) 盛岡 岩手県民会館
4/17(月) 東京 日本武道館
4/18(火) 横浜 パシフィコ横浜国立大ホール
4/20(木) 名古屋 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
4/22(土) 金沢 金沢歌劇座
4/24(月) 大阪 フェスティバルホール
4/25(火) 大阪 フェスティバルホール
4/27(木) 広島 広島上野学園ホール





2022.11.30

Three Base Hit



コントラバス3人による「Three Base Hit」。
前回観たのが、2019年7月だったので、
なんと3年以上も前のことだった。ビックリ。
私は3度目だけど、以前とはメンバーが入れ替わり、
よっしー(古賀圭侑)の師匠、安ヵ川大樹さんが
加わっており、大きく進化を遂げていた。
安ヵ川さんが加わったこともあるだろうけど、
若手二人の進化も大きいと思う。

曲は、『Blue Monk』、『Nuovo Cinema Paradiso』、
『Bluesette』、『In My Life』、『I Remember Clifford』、
『All The Things You Are』、『月光(ベートーベン)』、
『プレリュード(ショスタコーヴィチ)』
『Spring Can Really Hang You Up The Most』
『ギレアデの乳香』、『Mack the Knife』など、
ジャズあり、ビートルズあり、映画音楽あり、
クラシック、黒人霊歌、クリスマスソングありと
たいへん盛沢山。

明らかに、普段彼らが演っているジャズより、
カチッとアレンジされている部分が多く、
緊張感のある演奏で、
個人的には、『ギレアデの乳香』という
ニグロ・スピリチュアル(黒人霊歌)が良かった。
この曲とアンコールで演ったクリスマス・ソング3曲の
うち2曲は、3人ともアルコ奏法による演奏だった。
アルコ3本によるハーモニーは、リッチで美しく、
そして厳かでもある。

お客さんの入りはもったいないことに
やや空き気味だったのだが、ほとんどのお客さんが
ご婦人(この言い方、良いでしょう?
古今亭志ん朝風です)で、何と男性客は、
見渡したところ、私ともうひとりだけだったよ。
すごいね。
女性は低音好きなのかな。
いや、イケメン・ベーシストの人気かもな。

赤坂ビーフラットは、ライブではないけど、
以前通っていたジャズギター道場の
発表会と何かのセッションで
ステージに立ったことがある。
9月にマスターが、急逝されたとかで、
年内の営業は決まっているけれど、
今後の営業がどうなるか未定みたいだ。


[ MEMBERS ]
安ヵ川大樹 (b)
須長和広 (b)
古賀圭侑 (b)

@ ビーフラット(赤坂)


終演後の1枚



[ 関連エントリー ]
2018.3.21 安ヵ川大樹 コントラバス ソロ&DUOライブ
2019.5.9 Three Bass Hit
2019.7.26 Three Bass Hit

以前のエントリーには「Three Bass Hit」と
書いていたけど「Three Base Hit」だったわ。





2022.12.4

PEACE/渡辺貞夫オーケストラ

SHISEIDO presents Christmas Gift vol.29




あと2ヶ月ほどで 90歳を迎える渡辺貞夫さん。
その貞夫さんの毎年恒例の12月の
オーチャードホール公演に行ってきた。
今回のテーマは「PEACE」だ。

貞夫さんの12月のオーチャードホール公演は、
2017年、2020年、2021年に続いて
今日は4度目なのだけど、
4度も行っているのに、全曲寝ずに
起きていたことが一度もないという恐ろしい現実。
今日も曲の頭から終わりまで、
しっかり聴いたのは、全曲のうち
4ぶんの1ぐらいじゃないかな。
なんだろう、オーチャードホールには、
睡魔を誘う妖精でもおるのか?
相性が悪いのか。

確か1部の2曲目でもう気を失った。
1部は、1曲目以外まともに聴いていない。
休憩の20分間は寝たので、復活するかなと
思っていたら、数曲目でまたもや気絶。
休憩を入れ140分以上あったけど、
完全に目が覚めたのは、終わりの数曲だけだった。
睡眠不足だったとはいえ、情けないなぁ。

それにしても、貞夫さん89歳、めちゃくちゃ元気です。
昨日は、横浜関内ホールでのコンサートがあった。
そして、今日。
年内は、今週ブルーノート公演が2日間あり、
来年はすでに静岡や九州のツアーが発表されている。
90歳の演奏も聴きに行くぞ。(寝るなよ、オレ)


[ MEMBERS ]
渡辺貞夫 (alto sax)
小野塚晃 (pf)
須川崇志 (b)
竹村一哲 (dr)
Trumpet Section:
西村浩二、奥村 晶、佐久間勲、岡崎好朗
Trombone Section:
村田陽一、辻 冬樹、大浦時生、山城純子
Sax Section
吉田 治、近藤和彦、小池 修、竹野昌邦、竹村直哉

@ Bunkamura オーチャードホール(渋谷)


(2022.12.6 追記)
ネットにセトリがあったので、転記しておく。

[ SETLIST ]
第1部 17:00-17:51
1. PEACE
2. TOKYO DATING
3. HIP WALK
4. EARLY SPRING
5. EYE TOUCH
6. NOT QUITE A SAMBA
7. SOLITUDE
8. THINGS AIN'T WHAT THEY USED TO BE
第2部 18:10-19:23
9. BUTTERFLY
10. I MISS YOU WHEN I THINK OF YOU
11. AIRY
12. I'M WITH YOU
13. MENDJANI
14. SIMPATICO
15. TEMBEA
16. I FELT YOUR PRESENCE(THE THEME OF "COME COME EVERYBODY")
17. LIFE IS ALL LIKE THAT
18. IMAGINE~GIVE PEACE A CHANCE
19. SONHO DE NATAL(CHRISTMAS DREAM)
20. HARAMBEE
アンコール:
21. CHRISTMAS SONG
22. HANAWA SAKU





2022.12.17

上原ひろみ 2022年日本ツアー
SAVE LIVE MUSIC FINAL




コロナ禍のライヴ業界救済を目的に
スタートした上原ひろみのライヴ
「SAVE LIVE MUSIC」。
その公演数は、100回を超えたという。
配信を合わせると、この3年間で、
私も10回以上観た。
外国人アーティストの来日も戻ってきて、
ライヴ業界もコロナ以前の様相に戻りつつある。
いよいよ「SAVE LIVE MUSIC」も
ファイナルを迎えることとなった。

このツアー(12/13 福井・12/14 大阪・
12/15 名古屋・12/17 東京・12/23 浜松)
では、「上原ひろみザ・ピアノ・クインテット」と
もう一組出演する予定だった。
大阪・名古屋では「上原ひろみ×熊谷和徳」、
東京が「上原ひろみ×矢野顕子」、
福井・浜松では「上原ひろみSOLO」という
プログラムだ。
しかし、熊谷和徳が体調不良のため、
出演をキャンセルしたようで、
大阪・名古屋でも急遽、ひろみのソロに
なったようだ。

さて、ツアー4日目の本日のライヴ。
まずは、「上原ひろみ×矢野顕子」。
このふたりならではの、デュオ。
矢野顕子ワールドにひろみの超絶ピアノ。
毎回のように矢野顕子は
「これ、やる方は大変なのよ」と言う。
そうだろうな。

デュオは、55分ぐらいかな。
20分ほどの休憩の後、
「上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット」。
CD 収録の1曲目『Silver Lining Suite
Isolation』が 長めのイントロで始まった。
このクインテットをライヴで聴くのは、
今日が5回目だったのだけど、
凄まじい演奏に進化しているように感じた。
弦の4人は、クラシック畑の人で、
おそらく ひろみと共演することで、
初めての色んなチャンレジがあったのでは
ないかと推測する。
この2年間何十回もの共演を重ね、
どんどん進化発展したのではないかと思う。

アンコールでは、矢野顕子の歌に
1st ヴァイオリンの西江辰郎をフューチャーして
『月と太陽(Moonlight Sunshine)』。
歌詞が沁みるね。

「人は誰かを支えて生きていくの
人は誰かにもたれて歩いていくの
人は一人で産まれて一人で逝くけど
儚い時間の夢を一緒に見よう」

そしてオーラスは、『Libera Del Duero』。
各人のソロが素晴らしい。
スタンディング・オベーションに相応しい
ライヴだった。

来週は、水曜木曜と2日続けて
ブルーノートで、ひろみ(ソロと デュオ with
熊谷和徳)です。
熊谷は、来週は大丈夫かな。


[ MEMBERS ]
上原ひろみ(ピアノ)
矢野顕子(ヴォーカル,ピアノ)
上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット:
上原ひろみ(ピアノ)
西江辰郎(ヴァイオリン)
ビルマン聡平(ヴァイオリン)
中恵菜(ヴィオラ)
向井航(チェロ)

@東京国際フォーラム ホールA


早速、ネットにセトリがアップされてたよ。

[ SETLIST ]
1st (上原ひろみ×矢野顕子):
1. ラーメンたべたい
2. Dreamer
3. こんこんスリーブス(雪+グリーン・スリーブス)
4. りんご祭り(リンゴの唄+Don't Sit Under The Apple)
5. 飛ばしていくよ
2nd (Hiromi THE PIANO QUINTET)
6. Silver Lining Suite - Isolation
7. Silver Lining Suite - The Unknown
8. Silver Lining Suite - Drifters
9. Silver Lining Suite - Fortitude
10. Jump Start
11. Move
EC1. Moonlight Sunshine (feat. 西江辰郎, 矢野顕子)
EC2. Libera Del Duero





2022.12.21

SAVE LIVE MUSIC FINAL
上原ひろみ ~ソロ~




4日前に「SAVE LIVE MUSIC FINAL」の
ホール公演(東京国際フォーラム ホールA)を
観てきたばかりだが、今日はそのブルーノートでの
ライヴを観てきた。
ブルーノートでは、昨日から3日間連続公演。
昨日は ピアノ・クインテット、今日は ソロ、
明日は デュオ with 熊谷和徳、と内容を
替えての公演だ。

2020年の夏、外国人アーティストの来日
キャンセルが相次ぎ、ブルーノートが窮地に
追いやられた時、「キャンセルで空いた日、
私が代打で全部演ります」と出演を買って出たひろみ。
本人は、見切り発車というけれど、どれだけ多くの
ライブ関係者が救われたことか分からない。
ライヴ関係者だけではない。
ひろみファン、音楽ファンも同様に彼女の
活動に力づけられ、感動し支えられた。
私もその一人だ。

ようやく、外国人アーティストも来日するように
なってきたので、「SAVE LIVE MUSIC」は、
終わりを迎え「FINAL」公演となったわけだ。

さて、もちろんソールドアウトの今日のライヴ、
私が観たのは、2nd ショーだけど、1曲目
ほぼ原形をとどめていない『上を向いて歩こう』から
めちゃくちゃ飛ばしてくる。
なんだろう、いつも凄いけど、今日は
ピアノの音がめちゃくちゃ「立ってた」感じ。
何かが取りついたような強烈な演奏だった。
これ、毎回思うのかも知れないけどね。

曲は、前述の『上を向いて歩こう』のほか
『Blackbird』『Dancando No Paraiso』など。
MC は、先日の国際フォーラムの時と
内容は、ほとんど同じだったけど、
やはり会場が小さくて、ご本人との距離が
近いためか、よりグッと来たよ。

アンコールに登場し「ライヴ業界を助けるためにと
始めた『SAVE LIVE MUSIC』ですが、一番
助けられたのは、私です」という MC も
感動的だったし、そのあと「感謝を込めて」と
演奏した『Green Tea Farm』には落涙でした。

今日の 2nd ショーは「SAVE LIVE MUSIC」の
108回目だったとのこと。
108回ピアノを調律してくれた調律師 米澤さんへの
感謝と承認も感動でした。
明日は、熊谷和徳(tap)とのデュオです。


[ MEMBER ]
上原ひろみ(pf)

@ Blue Note Tokyo
2nd show





2022.12.22

SAVE LIVE MUSIC FINAL
上原ひろみ ~デュオ~ with 熊谷和徳




昨日に引き続き、上原ひろみ
「SAVE LIVE MUSIC FINAL」、
そのブルーノート3デイズの最終日に行ってきた。
タップの熊谷和徳とのデュオだ。
もちろん今日も1部2部ともソールドアウトだ。

熊谷とひろみとのデュオを観るのは2回目で、
前回は、2017年にオーチャードホールでの公演だった。
それから、今年5月にも、ひろみとの共演ではないが
やはりオーチャードホールで、熊谷和徳の公演を観た。
それは、アイヌの伝統歌の歌い手や
元ちとせとのコラボで大変興味深い公演だった。

さて、昨日の 2nd ショーが、ブルーノートに於ける
「SAVE LIVE MUSIC」の108回目と書いたが、
今日の 1st ショーをを挟んで、私が観た
2nd ショーはその110回目となった。

前述の通り、熊谷のタップを2回観たおかげで
タップはダンスではなく、演奏であることは、
体験済みだ。
今日も、(パーカッション的な)ピアノの伴奏、
ピアノとのユニゾン(!)、そしてソロ、と
多彩なパフォーマンスを観せて、魅せてくれた。
スゴイね、あの細かいリズムをタップで出すのは。
そして、当たり前だけど適当にタップしているのではなく
ちゃんと楽曲を把握して音楽的に演じていることも
よく分かったよ。

前に観た2回がホールだったため、
ブルーノートのようなクラブで観ると、
またタップの迫力も音量も違った。
始まった時は、ピアノの音量に比べて、
タップの音(たぶん生音がすでに大きい)が
大き過ぎるように感じたが、ショーが
進むにつれ、耳が慣れたのか、
音響が改善されたのか、違和感がなくなった。

曲は、『Christmas Song』や
『ジングルベル』(熊谷のソロ)、
そして本編最後は、スメタナの『モルダウの流れ』。
途中『ムーン・リヴァー』が出てきたり、
壮大なメドレーでした。

アンコールがしっとりと『Place To Be』だったのだけど、
そのあとサプライズが!
なんとヴァイオリンの西江さんが、登場!
彼だけかと思ったら、クインテットの残りのメンバー
ビルマンさん、中さん、向井さんも登場で
『リベラ・デル・ドゥエロ』!
これは嬉しいサプライズ。
会場は総立ち。
それだけではない。
コントラバス奏者も登場。
マスクをしたままなので、誰だろうと思っていたら、
なんとブルーノートの照明のスタッフらしい。
たぶん、このアンコールは 1st ショーには
時間の関係でなかったのではないかな。
いやぁ、素晴らしかった。
約100分のラッキーなライヴでした。

昨日は、調律の米澤さんへの感謝を述べたけど、
今日は、ブルーノートのスタッフへの感謝と承認。
感動でした。

「SAVE LIVE MUSIC FINAL」は、残すところ1公演、
12月23日の浜松で終わる。
浜松は、ひろみの故郷なのだ。

ありがとう、上原ひろみ!


[ MEMBER ]
上原ひろみ(pf)
熊谷和徳(tap)
アンコールのみ:
西江辰郎(ヴァイオリン)
ビルマン聡平(ヴァイオリン)
中恵菜(ヴィオラ)
向井航(チェロ)
? (コントラバス)

@ Blue Note Tokyo
2nd show


今年のライヴ鑑賞は、1月4日のブルーノート、
「SAVE LIVE MUSIC 4」上原ひろみ ピアノ・クインテットに
始まり、「SAVE LIVE MUSIC FINAL
」で
幕を閉じました。
コロナで減っていたライヴ鑑賞も3年ぶりに
年間50本を超えました。
幸せ。


(2023.1.13 追記)
Blue Note の LIVE REPORTS より転記

2022.12.22 2nd show
[ SETLIST ]
1. Wanderer
2. Love And Laughter
3. The Christmas Song (Kaz Solo)
4. Wake Up And Dream (Hiromi Solo)
5. Moldau
EC1. Place to Be
EC2. Ribera Del Duero

(やはり、1st show では、アンコールは1曲のみで
『リベラ・デル・ドゥエロ』はなかったようだ。)




2022.12.23

ERIC CLAPTON
4月に来日公演決定!




嬉しい知らせが届いた。
来年4月にエリック・クラプトンが来日する。
前回の来日 2019年4月の公演回数が
武道館5回だったのに対し、
今回は、武道館6回。
過去の武道館公演回数は、外国人アーティスト
としては、最多の96回。
来年の4月21日の公演で 100回を迎える。
このメモリアル公演は、ぜひ観ておきたいな。

チケット代は、前回のS席 15,000円から
20,000円となった。
コンサートのチケット代が上がるのは、
コロナの影響が大きいのは分かるけど、
もはや、コロナだけではなく、世界情勢が
不安定なおかげで、あらゆるものが値上がりしているね。
参ったな。

2019年、エリックの来日は最後かも知れないと思って、
5回公演中3回観に行ったのだけど、来年はどうしよう。
これが本当に最後かも知れないとなると、
できることなら、6回全部観たいなぁ。
6回行くと、12万円ねぇ・・・。

来年3月30日で 78歳。
デビュー60年!
いやぁ、最後になるかなぁ~。


LIVE AT BUOKAN 2023 日程
4月15日(土) 日本武道館
4月18日(火) 日本武道館
4月19日(水) 日本武道館
4月21日(金) 日本武道館
4月22日(土) 日本武道館
4月24日(月) 日本武道館

来日予定 バンド・メンバー
Nathan East - bass / vocals
Sonny Emory - drums
Doyle Bramhall II- guitar / vocals
Chris Stainton - keyboards
Paul Carrack - organ / vocals
Katie Kissoon - vocals
Sharon White - vocals



ウド―音楽事務所のサイト





2022.12.29

邂 逅

先日「夭折」という言葉について書いた
今日も 新しく知った日本語のことである。

邂逅。
読めない。
意味も分からない。
推測さえできない。

「かいこう」と読む。

先日まで知らなかったのだけど、
私の高校の4年先輩に高山博さんという
音楽家の方がいる。
4年先輩なので、会ったこともないし、
名前も存じ上げなかった。

私の同級生のF君が、大のプログレ・ロック好きで
数年前、プログレを流している飲み屋で 偶然
高山さんと知り合ったそうだ。
話しているうちに同じ高校の出身と分かり、
それから付き合いが続いているのだという。
で、先日、そのF君から高山さんのことを
教えてもらったのだ。

高山さんは、高校時代に菅沼孝三氏と
バンドを組んでいたのだという。
知らない方のために書いておくと、
菅沼さんは日本の著名なドラマー。
色んなバンドに所属されていたほか、
谷村新司、吉川晃司、織田哲郎など
多くのアーティストのバックを務めた人。
私は90年代に CHAGE and ASKA の
コンサートで観たことがある。
このエントリーを書くために調べてみたら、
昨年11月8日に大腸がんのため亡くなっていた。
知らんかった。
享年62歳。
ちょっと若すぎるなぁ。
合掌。

高山さんに話しを戻そう。
高山さんが菅沼さんらと組んでいたのが、
“CHARISMA(カリスマ)"というプログレ・バンドで、
プログレ・ファンの中では伝説のバンドとされていたそうだ。
その “CHARISMA" が、2015年にリリースした
アルバムのタイトルが『邂逅』なのだった。

ああ、「邂逅」にたどり着くまでの話しが長い!

で、「邂逅」だが、調べてみると
「思いがけなく会うこと」「めぐりあい」という意味がある。
「邂逅を果たす」「旧友との邂逅」といった
使い方をするらしい。
どこかで使ってみたいが、話しの中で
わざわざ使うといやらしいな。
文章の中なら良いだろうか。

CHARISMA のアルバム『邂逅』は、
壮大なインストゥルメンタル・ロックだ。
メンバーは、下記。
泉 陸奥彦(Guitars)
高山 博(Keyboards,Programming)
近藤研之(Bass)
菅沼孝三(Drums,Percussions,Didgeridoo)

70年代に活動していたバンドのファースト・アルバムが
2015年というのは凄いね。
まさに「邂逅を果たした」感じ。
しかし、菅沼さんがいなくなったことで、このメンバーでの
ライヴの可能性はゼロになってしまったわけだ。
残念。

高山さんは、作曲法に関する書籍や
Pro Tools(録音機器)に関する書籍を
何冊も出しておられる。
最新刊は今年 11月に出版された
『ビートルズ 創造の多面体』。
まだ読んでないけど、面白そうだ。

同じ高校の出身というだけでも
それなりの親近感が湧くのは面白いが、
私の母校の軽音楽部を作ったのが、
高山さんだったと聞いて、
その気持ちもより一層深まる。
なにそろ、私の人生の初ライヴは、
高校の文化祭のその軽音楽部のライヴだったからね。


邂逅




ひとりごと