LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS


 つつみしんやのひとりごと  2020年 1月
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2020.1.3





本年もどうぞよろしくお願いします。
お正月は大阪に帰省してました。

高齢の両親(2人合わせて173歳!)が
健在なのは有難いが、それはそれで
何かと問題も出てくる。
どこの家庭もそうだろうけど、
我が家もご多聞にもれずって感じです。

さて昨年最後のドジとラッキー。
大阪往復の新幹線チケットは、
毎年インターネットで購入している。
発売日(乗車日の1カ月前)前に
申し込みが出来る「事前予約」という
システムがあり、それは、
第3希望まで申し込めて、
発売日に抽選発表がある。
大体はチケットが取れるのだが、
今年は第3希望まで全てハズレてしまった。
慌てて取ろうとしたが、希望時間帯
(午前9時台)の指定席はすでに
売り切れだった。
もっと早い時間にすれば空いていたのかも
知れないが、それも面倒なので、
たまにはいいかと思い、
はりこんでグリーン席を買った。

大晦日、9時30分 品川駅発
新大阪行きのチケットを持って家を出た。
乗り遅れてはいけないと、
早目に家を出たもので、
9時には品川駅の新幹線ホームに到着していた。

ちょっと早過ぎたな、と思いながら
ベンチに腰掛け、私は本を読み始めた。
隣りに座っていた妻が「来たよ。乗るよ」と
立ち上がったので私も立ち上がり、
乗車の列に並んだ。
新幹線の扉が開き、列車に乗り込もうとした際、
電光掲示板の「9:37」という文字が目に入った。
「あれ?」っと思った。
乗るのは「9:30発」のはずだ。
ああ〜!やってしまった!
読書に集中して、乗り過ごしてしまったのだ。
妻はなぜか「9:37発」だと勘違いしていたらしい。
とにかくその「9:37発」に乗り込んだ。

こうなっては、もう自由席で行くしかない。
多分、自由席もすでに満席だろうから、
立っていくしかないだろう。
せっかく買ったグリーン席が
ムダになってしまったと思いながら、
自由席への車両に向かって歩き始めた。
ちょうどそこにいた乗務員さんに
ダメ元で事情を説明し、空いてる席はないか、
尋ねてみた。
すると、東京駅から乗ってくる予定だった
お客さんが、乗ってこなかった席があると言う。
しかも、グリーン席で新大阪まで2席。
確認してもらうとやはり品川駅からも
乗って来なかったようで空いていた。
乗務員さんの機転と計らいで、無事
グリーン席に座って新大阪まで行けたのだった。
凄い強運。
しかし、おそらくこの強運は妻だろう。
私はそういう運をあんまり持っているとは思えない。

それから、新幹線の乗務員の仕事ぶりにも感心したね。
もちろん、グリーン席券を買っていないのに座る
不届き者を取り締まることもあるだろうから、
ちゃんとチェックしているのだろう。
でも、品川駅の時点で東京駅から
乗ってくるべき客が、乗っていないことを、
把握していたのには、ちょっと驚いた。
もしかしたら、当然のことなのかも知れないけど。

今年は、姪の結婚式と出産、父の卒寿、
姉の還暦と賑やかな年だ。
皆が健康で無事であるよう祈ります。





2020.1.4

いくたまさん

大阪では、神社やお寺を「さん」付けで呼ぶ。
住吉神社は「住吉さん」、
高津(こうづ)神社は「高津さん」、
戎神社は(もはや「えびすさん」ではなく)
「えべっさん」という風に。
春日さん(奈良の春日大社)とか
平安さん(京都の平安神宮)とか
聞いたことがないので、
これは関西圏でも大阪だけの
文化なのかなとも思ったのだが、
京都で清水寺を清水さんと
呼ぶのを聞いたことがあるので、
ちょっと不明確だ。
奈良の東大寺も「東大寺さん」と言うような
気もする。(言わないかも知れない。)
でも、山形出身の妻に訊くと山形では、
例えば米沢の上杉神社を「上杉さん」と
呼ぶことは、ないそうなので
いずれにしろ関西の文化なのだろう。

元日の夜に生國魂(いくたま)神社に
初詣に行った。



今まで何度も訪れているが、
看板に書かれた「生國魂神社」に
「いくたまさん」と読み仮名が
付けられていることに初めて気付いた。



もう愛称という域を超えて
正しい読み方のように書かれている。

妻に「何で『さん付け』なの?」と
訊かれたが、理由を考えたことなど
ないぐらいに大阪では自然なことだ。
もしかしたら、飴に「ちゃん」を付け
「あめちゃん」と呼んでしまう背景と
どこかで繋がっているのかもしれない。
大阪には、どうかすると、
うんこにもさん付けして「うんこさん」と
呼ぶ人までいるぐらいだから。

「住吉神社へ行ってくる」と言うより
「住吉さん行ってくるわ」と言う方が、
神さんが身近な感じがする。
ここでも「神様」より「神さん」と言いたい感じ。
もしかしたら、昔はそれだけ神さんが
身近で日常的だったのかもしれない。


ところで、「いくたまさん」さんは、
ラブホテル街に隣接している。
鳥居の向こうにラブホのネオンが見えるという
シュールな光景が広がっているのだった。






STANLEY CLARKE TRIO
スタンリー・クラーク・トリオ


2020年、一発目のライヴは、
スタンリー・クラーク!
ブルーノート3日間6公演の
2日目の 2nd show。
いやぁ、新年早々、ええもん観たわ。

今回は、新トリオでの来日。
その編成もユニークだ。
ベース、鍵盤、に通常ならドラムと
来るところだが、ドラムではなくタブラ。
知らない人のために書いておくと
タブラというのは、インドの太鼓。
イメージとして、ボンゴぐらいの大きさだが
音はボンゴより硬質というのかな、
叩き方も違うし、鳴りもユニークだ。

お店の受付で、私の顔を覚えてくださっている
スタッフが「今日は、堤さん泣きますよ」と
言ってきた。
そんなに素晴らしいのかと思ったと同時に
いや期待すると裏切られるから、
あまり期待しないようにしよう、
などと思いながら席についた。

メンバーは定刻(20時)通りに登場。
結構な歓声だ。
スタンリーの人気が分かる。

ステージには、コントラバスもあるが、
1曲目、スタンリーはエレキベース。
トレードマークのアレンビックだ。
アレンビックは、ショートスケールなので
フェンダーなどに比べると小ぶりなのだが、
それにしても、楽器が小さく見える。
スタンリーがでかいからだ。
スタンリーには、あんなに細いネックでは
弾きにくいのではないかと思ってしまうが、
彼は(扱いにくいらしい)アレンビックを
完全に使いこなしている。
まあ、当たり前やろうけど。

そして、スタッフさんの予言通り、
その1曲目ですでにウルウル。
私は、特にスタンリーのファンと言うわけではないが、
素晴らしい演奏だった。
ああ、今年は良い年だ。
そんな感じ。(意味不明)

見た感じ、どうみてもロックバンドの
メンバーでしょうという感じのアメリカ人
キーボードのキャメロン・グレイヴス。
そして、両親がアフガニスタン人でドイツ生まれの
タブラのサラー・ナダー。
演奏はタブラだけでなく、エレクトリックの
パーカッションも使っていた。

曲名は『School Days』と
『Goodbye Pork Pie Hat』しか
分からなかったけど、どの曲も素晴らしく、
タブラのリズムが心地よくて、
一晩中聴いていられそうな
演奏だった。(軽いトランス状態?)

今、とても面白い、ためになる本を読んでいる。
ケニー・ワーナー というピアニストが書いた
『エフォートレス・マスタリー』という
楽器演奏者のための本だ。
もしかしたら、違う言葉で今までも
聞いていたことなのかもしれないが、
楽器をマスターするとはどういうことか、
この本を読んで初めて明確になった。
その本の背景から今日の演奏を
聴いたので、今までなら気が付かなかった
かも知れない、あるいは、感じていても
明確に言語化出来なかったかもしれないことを
非常に明確に掴むことが出来た。
「ああ、この人(スタンリー)は、
完全にベース(エレクトリックもコントラバスも)を
マスターしている」と明確に区別できたのだ。

あえて書いておくが、プロミュージシャンだからと言って、
全員が楽器を「マスターしている」わけではないのだ。
この区別は、私自身のギター演奏にも
おそらく今後影響が出てくると思う。
私がギターをマスターできるという意味ではないし、
練習しないとその影響も表現されないのだけどね。


[ MEMBERS ]
Stanley Clarke (b)
Cameron Graves (key,pf)
Salar Nader (tabla、perc)

@ BLUE NOTE TOKYO
2nd show







2020.1.5

ヴァン・ゴッホ 〜最期の70日〜
VAN GOGH


1991年製作のフランス映画
『ヴァン・ゴッホ〜最期の70日〜』
(原題 "Van Gogh")を DVD で鑑賞。

映画監督になる前は画家でもあったという、
モーリス・ピアラ監督作品。
日本では劇場公開されなかったようだ。

邦題にあるように、ゴッホが人生の最期を
過ごした北フランスのオーヴェル=シュル=オワーズ
という村での70日間を描いている。

その前には、ゴッホは南フランスのアルルという街で
耳切事件などを起こし、アルル市立病院に入院。
その後、約1年間サン=レミの療養所
(精神病院)に入所する。
サンレミ時代に描かれた絵には『アイリス』
『星月夜』『糸杉』シリーズなどの代表作も多い。

サン=レミの療養所を退所後、
1890年 5月20日に
オーヴェル=シュル=オワーズに汽車で
到着したシーンから映画は始まる。

観終えた感想は、
私が思い描いているゴッホとイメージが
違いすぎて、良かったとは言い難い。
この70日間にゴッホは、約70点の
油彩作品を残しているのだが、映画では
あまりにものんびりしているように見えるのだ。
もっと、何かに取りつかれたように
創作に集中していたんじゃないのか。
人を笑わせるためにおどけたり、
ダンスを踊ったりというのもイメージと違う。
まあ、実際はどうだったのかは、
今となっては謎だし、100人いれば
100通りのゴッホが存在するのは、
分かるけど、私のゴッホ像とは
かけ離れていたのだ。
切ったはずの耳もちゃんとあるし。

後半、少しゴッホの苦悩が分かるようにも
描かれているが、それでも、感情移入には
至らない。
精神が不安定なのだからと言われてしまえば
それまでだが。
日本とフランスの文化や国民性の違いも
あるだろうし、字幕の限界も大いにあるだろう。
字幕で鑑賞するには、観る側に
より想像力を要求される作品かも知れない。

本作ではない別の何か(本か映画か忘れた)で、
ガシェ医師は娘マルグリットとゴッホの関係を
快く思っておらず、2人が会うことを
禁じたというものがあった。
マルグリットとゴッホに何らかの交流があったのは、
彼女の肖像画が残っていることからも
間違いないだろうが、本作では、ゴッホと
マルグリットは、完全に男女の関係であったと
描かれている。
が、このラヴストーリーも、私には
どうも中途半端な感を否めないのだった。

自殺(ピストルを撃つ)のシーンもなく、
テオ(ゴッホの弟)が駆けつけても、
ゴッホから自殺の説明もない。
テオが「なぜそんなことをしたんだ?」と
問うシーンさえない。
どうせなら、監督の解釈の自死の理由を
語らせてほしかった。

と、本作もやはり、今まで観たゴッホ関連映画
同様、スッキリしないのだった。

そんなわけで、もし、ゴッホのことをよく知らない時に
この映画を観ていたら、ゴッホの絵を
観に行こうとは思えなかったかも知れないな。

とはいえ、オーヴェルの風景や、
当時の人々の暮らしを感じられるのは、良かった。


★★▲☆☆





[ キャスト ]
ジャック・デュトロン(ゴッホ)
アレクサンドラ・ロンドン(マルグリット)
ベルナール・ル・コク(テオ)
ジェラール・セティ(ガシェ)
[ スタッフ ]
モーリス・ピアラ 監督




雀 荘

正月に東大阪の某所で見つけたお店。



「まあじゃん ブラボー」
「安心低料金」
東京でも下町に行けばこういうムードの
雀荘があるのかも知れないけど、
店名といい、店構えといい、
大阪っぽいと思うのはなぜだろうか。

ちなみに私は人生で一度だけ、
雀荘でマージャンをしたことがある。
20歳ぐらいの頃だ。
まだ十分にルールも知らないのに
賭けマージャンに参加することになり、
数千円負けた。
負けるだろうと思っての消極的な参加だったが、
それ以来、マージャンは一度もしていない。





2020.1.6

43年ぶり−5
家族ぐるみへの発展


大阪に住んでいた中学1年生の時、
同じクラスになり仲良くなったのだが、
2年生になる時に学校が分離したため、
それっきり会うことがなかった、O君。
O君とは小学校が違ったので、
本当にその1年間だけの付き合いだった。

その O君が、昨年8月にこのサイトを
見つけて連絡をしてきてくれた。
そして、何度かのメールのやり取りのあと、
9月に実に43年6ヶ月ぶりの再会を果たした。

そして今日は、O君の東京出張に合わせて
2回目の再会の場を設けたのだが、
そこには、彼の娘さん Mちゃん と
私の妻も参加し、2回目にして
家族を巻き込んでの宴席となったのだった。
Mちゃんは、東京在住2年目なのだが、
なんと私の家から歩いて10分ほどの
所に住んでいる。
これまた不思議な偶然だ。
とても 聡明な娘さん(29歳)で、
父と娘の互いの愛と尊敬を感じる
素晴らしい、楽しいひと時だった。

今日もあっという間に3時間半が過ぎた。
考えてみれば、この4人が一緒にいることは、
とんでもない奇跡だ。
あり得ないような奇跡なのだ。
あり得ないということは、
あり難い奇跡なのだ。

次回は、ぜひ O君の奥さんも交えて
5人で会おうと別れた。
感謝。


[ 関連エントリー ]
2019.8.18 43年ぶり
2019.8.20 43年ぶり−2
2019.8.28 43年ぶり−3 不思議な偶然編
2019.9.19 43年ぶり−4 初体験編




シーモアさんと、大人のための人生入門
SEYMOUR : AN INTRODUCTION


2016年10月に観たドキュメンタリー映画
『シーモアさんと、大人のための人生入門』は、
とてもインスパイアリングで、
素晴らしい映画だったと記憶している。
しかし、情けないことに内容は覚えていない。
ふと、もう一度観てみようと思って、
DVD を借りて観てみた。

今読んでいる『エフォートレス・マスタリー』とも
重なることもあり、非常に興味深く観た。
観終えてから、このひとりごとに書いた
2016年の自分の感想を読んでみた。
「ああ、そうか、そんなことを感じたんだな」と
思いながら、読んだのだが
「DVD 出たら買うよ」と書いたことは、
すっかり忘れていた。

確かに、これは時々で良いから、
繰り返し観た方が良いと思った。

特に印象に残った言葉を。

音楽は一音たりとも 妥協を許さず
言い訳や ごまかしも 受け付けない。
そして 中途半端な努力も。
音楽は我々を映す鏡と言える。
音楽は我々に完璧を目指す力が
備わっていると 教えてくれる。


う〜む。


★★★★▲








2020.1.8



年末(12月30日)に枕を替えた。
私は枕に特に不便は感じていなかったが、
妻が買い替えるというので
ついでに私の分も替えてもらった。

その夜、もの凄い夢を見た。
知らなかった音楽の秘密を初めて知り、
夢の中でもの凄く驚いて感動して目が覚めた。
起きた瞬間に記憶が薄れ、詳しいことは、
言葉では説明できない。
説明できないのに、妻に
「もの凄い夢見たで」と話したぐらい
インパクトのある夢だった。

その日(大晦日)から3泊は大阪だったので、
その夢と枕が関係あるとは気づかなかったが、
東京に戻ってから、2日続けて、
今まで見たことのないような夢を見た。
それらは、とても不思議で、
インパクトのあるストーリーだった。

大阪での3泊を除くと3日続けての
不思議な夢だ。
ふと、枕を替えたからかな?と思った。

妻に「夢、変わってない?」と訊くと、
彼女も同様に枕を替えてから、
いつもと違う夢を見ると言い出した。
こうなると、関連付けずにはいられない。

「枕 夢」「枕を替える 夢を見る」と
ググってみたが、「枕の夢を見る」ことに
関する記述はヒットするものの
枕で夢が変わることは見つからなかった。
(キーワードがまずいのかもしれない。)

その、買い替えた枕はテンピュール(TEMPUR)。
デンマーク製で、今まで使っていたモノよりも
高価だが、アウトレットで 40%OFF だった。
いわゆる低反発の枕で、とても寝心地が良い。
私は冷たい枕が好きなのだが、
これは適度にひんやりしているのも心地よい。
まだ1週間程の使用だが、松井秀喜が
15年使い続けているというのも分かる。

この数日は、慣れてきたためか、
使い始めの3日間ほど、
インパクトのある夢は見ていない。
いや、夢は見ているような気もするのだが、
覚えていない。
起きた瞬間に忘れさせられるような感じもある。
とにかく、何かが変わったように感じている。

夢の質が変わるということは、
眠りの質が変わるということだろうかね。
不思議な体験だ。





2020.1.9

「永遠のソール・ライター」展
開催記念講演会


楽しみにしていたソール・ライターの写真展が
渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアムで
今日から始まった。



ラッキーにも開催記念講演会のチケットを
手に入れたのだが、その講演会が、
写真展初日の本日に行われた。

講師は、ソール・ライター財団ディレクターの
マーギット・アーブ氏と彼女の夫でもある
ソール・ライター財団のマイケル・パリーロ氏。

講演は、展示室内の一室で、スライドで
作品を映し出しながら、進められた。
まずは、若いころのソールの写真が映し出され、
ソール・ライター(2013年に89歳で他界)とは
どんな人物であったかをソールの
アシスタントとして 18年(と言ったと思う)
仕事をした、マーギットが話し出した。

ソールは、ペンシルベニア州ピッツバーグの出身。
父親は、タルムード(ヘブライ語で書かれた
ユダヤ教の聖典)の学者で、ソールも、
ラビ(ユダヤ教の指導者・学者)を目指して
神学校に行くが、23歳でドロップアウト。
父親に逆らい、アーティスト(画家)を
目指してニューヨークに出た。

おいおい、待てよ。
似たような話をどこかで聞いたぞ。
そう、ゴッホだ。

ただし、ゴッホの場合は、牧師、伝道師に
なりたかったけど、なれなかったのであって、
自分からやめたわけではないし、
父親に逆らったというのも、
牧師である父の信仰に反感を抱いたのだけどね。
それにしても、何か共通していると思ってゾクゾクっときた。

写真で有名になったが、ソールは画家でもある。
というより、マーギットは「ソールは70年間
画家だった」と言った。
写真は、食うために始めた仕事で、
カメラは、ユージン・スミスにもらったものらしい。
50〜60年代にファッションカメラマンとして
活躍するが、ファッション誌のディレクターに
注文を付けられるのに耐えられなくなり、
一切のファッションの仕事を辞めてしまう。
食えなくてもイヤな仕事はしなかったという点も
ゴッホに共通しているが、
画家として 70年間 描き続けたが、
ほとんど売れた絵はない、
というのもゴッホと共通している。
(売らなかったのかも知れないけど。)

幸い、ソールは晩年といえども生きている間に
脚光を浴びることが出来た点は、
ゴッホと大きく違うけどね。

しっかりと準備されてきた講演で、
貴重な話がたくさん聴けた。
1時間あまり2人が話した(もちろん
通訳付きね)あと、質疑応答に移った。

私は、ソールの写真を見てから、
写真に対する概念が変わってしまったので、
思わず手を挙げて訊いた。

「ソールが、自身の写真の中で
『これは失敗だ』などと言ったのを
聞いたことがありますか?
もし、聞いたことがないのなら、
彼がどう思っていたと思いますか?」

ソール・ライターを知ったとき、
その写真にインスパイアされたのは
私なら作品として選ばないだろう
(一見 失敗作に見える)写真が、
作品として選ばれていたことも大きい。
もしかしたら、ソールは「失敗作なんてない」と
思っていたのではないか、と思っての
質問だった。

マイケルは、「いい質問だ」と言って答えてくれた。
ソールは、自分の作品について語るのを
嫌ったらしい。
説明も作品の意図も何も言いたがらなかった。
全ては、「作品を見て判断してくれ」と
いうことだったようだ。

マイケルは続けた。
ソールが亡くなってから、彼の膨大な数の
写真を整理し続けているが、
失敗だなと思うような写真は、ほとんどないのだという。
今のようにデジタルで、撮った写真が
すぐに確認できる時代では なかったのに、
ソールは、一つのモチーフを2〜3枚撮って
終わっている。
2〜3枚で、もう「撮れた」という実感が
あったということなんだろう。
保険のために、もうちょっと撮っておこうなんて、
姑息なことはしない。
もちろん、フィルムが高かったということも
多少はあるかもしれないけど。

今回の展示には、コンタクトプリント(ベタ焼き)も
数枚 展示されていたのだが、確かにソールは、
2〜3枚で次のモチーフに移っていた。
中には、8〜10枚ほど撮っているもの
あるらしいが、いずれにしろ、
かなりの確率で、撮影に成功していたことになる。

私だったら、失敗作にしてしまうだろう写真を
作品として発表していることに、最初は
新鮮な驚きを覚え、影響を受けたのは間違いない。
しかし、今日は次のレベルのことを掴んだ。
私が言っていたのは、「数多く撮った写真の
中の失敗作だと思っていたものの中にも、
見ようによっては、使えるものがあるかも知れない」
ということだった。
ソールは、違う。
私が「これオレやったら失敗と思うな」という
構図や被写体ブレを、初めから意図して
撮っているのだ。
だから、意図に反して
「ブレたけど、ええ感じな」写真が撮れたのとは、
確率も、質も全く違うのだ。
「たくさん撮ったら、1枚ぐらいええのあるで」
という撮り方ではなく、初めからその写真を
意図して撮っていたということだ。
まあ、私と比べること自体 おこがまし過ぎるのだけど。

今回の写真展は、世界初公開の作品も
あるようで、規模も過去最大らしい。
写真、絵画の他、スライドショーのブースもあった。

今日は、講演会のあと20分ほどしか
時間がなかったので、さーっと流して見た。
それでも、思わず唸らされる写真が何枚もあったよ。

図録(今回の写真展に関連して
出版された写真集)も買ったけど、
近いうちにもう一度行って、ゆっくり
観ようと思う。
スライドもゆっくり観たい。

Bunkamuraの書店では、見たことのない
ソールの写真集(外国製)も売っていたけど、
どれもこれも高くて、悩ましい。
ミュージアムの中の売店で売っていた、
写真(6枚で1万円ほど)は欲しいな〜。



ニューヨークが生んだ伝説の写真家
永遠のソール・ライター』



[ 関連エントリー ]
2017.5.28 写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと
2017.6.4 ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展
2017.6.21 ソールがくれたもの
2018.7.23 Early Color / Saul Leiter と Amazon.com での買い物
2018.7.25 Early Color / Saul Leiter

2019.12.17 永遠のソール・ライター





2020.1.10

Saul Leiter/ Paul Auster
It Don’t Mean a Thing


昨日、渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアムへ
ソール・ライターの写真展 と
写真展開催記念講演会へ行った。
Bunkamura の書店では、ソールの
写真集や50年代ニューヨークに関する
書物の特集コーナーが組まれていた。

私は、数枚のソールのポストカードや
クリアファイルとともにこの写真展に
合わせて出版された写真集
『永遠のソール・ライター』ともう1冊、
『スイングしなけりゃ意味がない』という
タイトルの写真集を買った。





『スイングしなけりゃ意味がない』は、
デューク・エリントンの代表作のタイトル。
"It Don’t Mean a Thing (If It Ain’t Got
That Swing)" の邦題。
写真集の存在は、知っていたけど
手に取るのは初めてだった。

意外に薄い写真集なのに
5,000円以上したので迷ったけど、
この機会に買うことにした。

調べてみると、この写真集は、
ザ・グールド・コレクションの
2冊目として2017年に刊行され、
たちまち限定500部が完売となったものを
昨年、装丁をシンプルにして再版されたもの。
初版は、税別8,000円だったようだ。

ザ・グールド・コレクションというのは、
45歳で他界したフランス人写真集コレクター、
クリストフ・クリゾン氏を偲んで企画された
写真集シリーズで、ソール・ライターの写真と
ポール・オースターという作家の短編(6頁)が
収録されている。

この短編が、何ということのない内容なのだが、
世界の、人生の不思議な偶然を
題材に書かれており、とても良い。
『スイングしなけりゃ意味がない』は、
ある偶然として、この短編に登場する。

不思議なことに この本は、
現在、アマゾンでは取り扱いがない。

書店には、もう1冊私が興味を持ったソールの
写真集『Retrospective』があったのだけど、
1万円ぐらいしたので、昨日は購入を見送った。



今日、アマゾンで見てみると、なんと5,159円で
売っていたので、思わずポチってしまった。
米国の本屋から送られてくる。
レビューを見ると、梱包が甘いので
角が折れていたという書き込みが目立つ。
私も経験済みだ。
もちろん問題なく届いているケースもあるようだけど。
結構大きな本なのに、米国からの配送料が
257円というのは、不安。
3週間ほどかかるが、とにかく良い状態で
届くことを祈ろう。


一昨年、米国の Amazon へ注文し、
届くまでに1年以上かかった、
ソールの写真集『Early Color』。



昨日の講演会で、この本は、
企画から出版まで8年もかかったことを聞いた。
この『Early Color』が、80歳を過ぎた
ソールを世界中で有名にしたのだ。
『Early Color』にどの作品を収録するかについて、
ソールは口を出さなかったのだという。
ソール・ライター財団ディレクターの
マーギット・アーブによると、
表紙は決まっていたが、誰が決めたのかは、
分からないということだった。

この写真集を出版するにあたり、
ソールが注文を付けたのは、
その大きさだけだったらしい。
縦横がおよそ 21cm。
ハードカバーの写真集としては、小さい。
写真家であれば、大きな写真集を出したいと
思うような気がするが、
ソールは、自分のベッドの脇に置いてある
小さなテーブルの上に乗るように、
この大きさにしてくれと言ったのだという。
なんとも、彼の人柄が垣間見えるエピソードだ。





2020.1.11

写真家ソール・ライター
急がない人生で見つけた13のこと

In No Great Hurry: 13 Lessons in Life with Saul Leiter


先日、始まった写真展
『ニューヨークが生んだ伝説の写真家
永遠のソール・ライター』に合わせて
映画『写真家ソール・ライター
急がない人生で見つけた13のこと』が
渋谷のルシネマで特別上映されている。

2017年の写真展のときにも上映されたので、
私はそのときに劇場で鑑賞したし、
観たければレンタルでいつでも観ることが
できるのだけど、やはり、劇場で観たいと思い、
観に行ってきた。

やや睡眠不足で、映画館に行く前から、
今日は眠くなりそうやなぁと思ったので、
ドラッグストアで眠気覚ましを
1本飲んで臨んだが、やはり、途中で
10〜15分くらい気絶してしまった。
悔しい。

先日、開催記念講演会で講師を
務めたソール・ライター財団ディレクターの
マーギット・アーブ氏が、出演していたので、
この映画にもグッと親近感がわいたよ。

ソールが公園のベンチに座る若い女性の
足を隠し撮りのように撮るシーンがある。
撮った写真を(映画の)カメラマンに
見せながら、
「じいさんにこんな破廉恥なことを
させてるって、彼女たちは知ってるのかね」
というようなことを言う。
2017年に観たときは
「やばいな、これ盗撮やん」と、
きわどいシーンに見えたのを
覚えているのだが、不思議なことに
今日はその若いネーチャンの太ももを
撮った写真さえもが、全くいやらしくなく、
素晴らしい作品に見えた。
面白いなぁ。

そして、ソールの何気ない言葉の中に、
いくつもの宝物が隠されているように聞こえてきた。
彼の作品がなぜ素晴らしいと感じるのか、
この映画だけでなく、他の書物も合わせてだけど
ひとつひとつ、解き明かされるたびに
ますますソールの作品が好きになっていく。

これは、時々観直した方がいいなぁ。


★★★★★








2020.1.13

ゴッホ展

上野の森美術館で開催されている
ゴッホ展へは、11月に行ったのだが、
もう一度行きたいなと思っているうちに、
いよいよ今日までとなってしまった。

昨日(最終日前日)、混んでいるのを
覚悟の上で、開館前に到着するよう
早起き(というほどでもないが)をして、
上野へ向かった。

9時半に開館なのだが、9時過ぎに
到着した時点で、すでに長蛇の列が出来ていた。



写真の右端の黄緑色の部分が、入口だ。
300人以上は並んでいたんじゃないだろうか。
もしかしたら、その時すでに開館時間を
早めてオープンしていたのかもしれない。
チケット売り場には、
「待ち時間40分」と書かれていた。

実際には、私がチケットを買う間に
妻が並んでいたので、40分も待っていないが、
行列は、時々しか進まなかったので、
入場制限がされていたのだろう。

美術館内は、結構な混みようだったが、
最前列で見ようとしなければ、
そんなに時間はかからない。
私の目当てのメインは、パリ以降の
ゴッホの作品なので、
パリに出る前のゴッホの作品や
ハーグ派、印象派の作品は、
それほどゆっくり観られなくても構わない。

11月に観に行ったときには、
『サン=レミの療養院の庭』が強烈で、
次いで『糸杉』、そして『麦畑』が印象に
残ったのを覚えているが、
昨日は印象が違った。
『麦畑』が一番素晴らしく心を打たれた。
どういうわけか、強烈に心を動かされた、
『サン=レミの療養院の庭』は、
それほどでもなかった。

どうやら、芸術作品と自分との関係は、
固定されるものではないようだ。
その日の体調もあるだろうし、
「前回良かったから」という期待も
観る側の心理に影響しているだろう。
こんなこと、今更な気もするけど。

もし、3回目があったら、また印象が変わり、
今までなんとも思わなかった作品に
心を動かされるかもしれない。
無常ですな。

これが一番とか、あれが一番とか、
何も決めない方が良いのだろう。
もっと言えば「何も決めない」というのも
決めない方がいいくらい。
そして、その時に感じることを十分に味わうことが
重要なのだと思った。


会場を出ると、私たちが入場したときの
倍以上の行列が出来ており、
「待ち時間90分」と表示されていた。
時刻は、まだ10:30 ぐらいだった。



上野の森美術館で展示されていた作品は、
このあと、兵庫県立美術館へ移り、
そこでまた2ヶ月ほどのゴッホ展が開催される。

3月からは同じく上野の国立西洋美術館で
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」が開催される。
ロンドン・ナショナル・ギャラリーに所蔵される
ルネサンスから後期印象派に至る61点(すべて
日本初公開らしい)が展示され、その中には
ゴッホの『ひまわり』も含まれている。
これも行かなきゃ。






パラサイト 半地下の家族
PARASITE


カンヌ国際映画祭で『万引き家族』の翌年
(2019年)パルムドールを受賞した、
韓国映画『パラサイト 半地下の家族』。
中々の高評価で公開中だ。

ネタバレになるといけないので、
詳しく書けないけど、
「起承転結」でいえば「起承」までは
ドキドキもしたし、ストーリーも読めないし、
もの凄く面白かった。

しかし、観終えてみると、後半の展開に
ちょっと強引さが否めず、消化不良の感ありだな。
意味不明のシーンもいくつかあったし。
前半が、面白かっただけに惜しい。
たとえて言うなら、ホラー映画で
一人で行ったらあかんと分かっている所に
わざわざ一人で行くような設定だ。
そうするしか、展開できなかったのかも知れないし、
意味不明のシーンは、分かる人には
分かる暗示なのかも知れないけどね。

チラシや公式ウェブサイトには
「アカデミー賞最有力」とあるけど、
私にはそれほどではなかったな。
面白いか面白くないかと言われれば
面白いのだけど。


★★★★☆








2020.1.14

炎の人 ゴッホ
Lust for Life


ゴッホ関連の映画を順次観ているのだが、
いよいよその代表作ともいえる
『炎の人ゴッホ』を DVD で観た。
原題は、"Lust for Life"。
「生きる意欲」「生きるための欲望」と
いう意味だろうか。
「炎の人 ゴッホ」はいい邦題だと思う。

主演は、本作でアカデミー賞主演男優賞に
ノミネートされた カーク・ダグラス。
ゴーギャン役のアンソニー・クインは、
さほど出番は多くないものの本作で
アカデミー賞助演男優賞を獲っている。

1956年製作のアメリカ映画で、
往年のハリウッド映画らしい音楽が良い。
オランダ、フランスが舞台だが、
ゴッホを含め全員が英語で話す。

映画は、ゴッホが画家になる前、
聖職者の試験を落ちるシーンから始まり、
伝道師として失敗し、画家を目指し
オーヴェルで自ら命を絶つまでの
約12年間を描いている。

見所は、アルルでのシーン。
ゴーギャンとの共同生活では、
寂しがり屋のくせに、人とうまくやれない
ゴッホが観ていてしんどい。

芸術には、正解がないので、
意見や感想を聞くのは良いとしても
自分の考えと違う人と意見を
闘わせることには意味がない。
しかし、多くの人が「自分が正しい」という
落とし穴に落ちてしまう。
ゴーギャンもマイペースな人だったようで、
あまり協調性のある人のようには描かれていない。
まあ、芸術家なんてみんな個性的で、
わがままなものかもしれないけど。

ゴッホのストーリーは、大体知ってしまったので、
それらをどう描いているか、どう解釈しているか
という見方になってしまう。
本作でも、ピストルはどこで手に入れたのかは
語られておらず、何かに苦悩しているのは
分かるものの、何がそんなに苦しいのかは、
明確に描かれていない。
上手くいかない人生、いくら描いても売れない絵、
孤独、弟テオへの罪悪感、そういうことの
寄せ集めなんだろうか。
精神の病気だったので、想像しても
分かりようがないのかもしれないけど、
ゴッホの絵を実際に観ると、
命を使い切ったと言われれば、
そうかもしれないと思う。

伝道師の頃のエピソードを見れば、
不器用なほどに純粋で生真面目。
そんな真面目な人だったから
あんな絵が描けたのかもしれない。


★★★▲☆



バンパイアのように見えてしまうのは、私だけ?





2020.1.17

The King Trio
「キングの誕生会」


昨日は、キングトリオのライヴ
(キングの32歳のバースデー・ライヴ)だった。
このトリオを観るのは、4度目だけど
なんと1年半ぶりだったよ。

弾語りあり、銘君とのデュオあり、トリオあり
ゲストの夏海ちゃんとのデュオあり、カルテットあり、
そして、アンコールでは、トランペットの
曽根麻央も参加というバラエティに富んだ構成で
とても楽しいライヴでした。

銘君のギターは、Gibson L-5S。
ねちょっとしたええ音してた。




[ MEMBERS ]
和田 明(vo,g)
井上 銘(g)
山本 連(b)
―Guest―
夏海(p,vo)
曽根麻央(to)(ECのみ)

[ SETLIST ]
- 1st -
1. 丸の内サディスティック
2. Sweet Memories
3. 接吻
4. But Not For Me
5. Don't Let Me Be Lonly Tonight
6. Street Walking Man
7. Love For Sale
8. Moanin'
- 2nd -
1. Voices
2. 小瓶の中の平和
3. Close To You
4. My Foolish Heart
5. 東京は夜の七時
6. 猫の街
7. 銀河鉄道999
8. スニーカー似合わない
9. Isn't She Lovely
EC. This Masquerade



@ JZ Brat
入替なし




そろそろソロギター vol.5


昨年から始めたソロギター・プロジェクトも
今日で5回目。
少しは上達しているのかも知れないが、
まだまだ反省点は多い。
一応マスターした曲とそうでない曲の
差がはっきりと分かる。
全ての曲をそのレベルに持って行ってから
人前で演奏すべきだなと思う。

今日のゲストは約5年ぶりの共演となるリリィ。
初めて会ったときは、彼女はまだ
10代だったんじゃないかな。
ちょっと危うい感じがしたものだけど、
今では二児の母親ですっかり大人になった。

1曲目があまり上手くいかず、
1曲目終わったら、帰ってしもたお客がいたもんで、
もうちょっと聴いていこうという演奏でなかったことは確か。
こういうのも、修行やなと想いながら、
1部の後半から2部で、やや自分を取り戻した。

終わったら、若い男の子が
「ギター凄く気持ちよかったです」と
握手を求めてきた。
リリィの友達だったけど、一人でも
そんな風に思ってもらえれば、良かったと思う。




[ MEMBERS ]
gt:つつみしんや
guest vo: Lily

[ SETLIST ]
- 1st show -
1. If
2. Bridge Over Troubled Water
3. Surfer Girl
4. Thank You, Reggie (おおきに。レジやん)
5. For No One
6. やつらの足音のバラード
7. Can't Help Fallin' In Love〜What A Wonderful World
- 2nd show -
1. Change The World
2. 東京ラブストーリー "End Title"
3. The Dock of the Bay
4. アイ (with Lily)
5. 接吻 (with Lily)
6. Everything (with Lily)

@ MAT COFFEE





2020.1.23

リチャード・ジュエル
RICHARD JEWELL


今年90歳になる、クリント・イーストウッド大先生
監督の最新作『リチャード・ジュエル』。
監督の創作意欲、バイタリティ、エネルギーは、
もう神の域だと思う。

1996年、アトランタオリンピックの際、
爆発物を発見し、多くの人を救ったのだが、
第一発見者ということで FBI に犯人扱いされた、
実在の警備員、リチャード・ジュエルの物語。

冤罪ものといえば、痴漢冤罪を描いた
『それでもボクはやってない』を思い出す。
あれも怖い映画だったけど、本作は、
痴漢ではなく、死者まで出た爆弾テロ犯と
疑われるのだから、たまったもんじゃない。
リチャードが、闘わなければならなかったのは、
合衆国、FBI なのだが、
実話だと思ってみるとなおさら恐ろしい。

FBI が、リチャードが犯人ではないかと
疑い始める根拠、理由があまりにも単純。
え〜っ?それだけで、疑われるの?
と思うのだが、そういう目で見ると、
色んな事が証拠のように見えてくるというのが、
人間の厄介なところでもある。

以下ネタバレ含みます。

FBI が水面下でリチャードの捜査を進めている時、
アホな捜査官が、スクープが欲しい、
女性新聞記者のエロ仕掛けに負けて、
「FBI はリチャードを疑っている」と漏らしてしまう。
翌日、そのことが大きく新聞に載り、
爆弾から多くの人を救ったと英雄扱いだった
リチャードの生活は、一気に転落する。
この女性新聞記者がまぁひどい。
この記者も実在した人(故人)だが
彼女のセックスと引き換えに情報を
引き出そうとする描写は、真実ではないという
反発もあり、問題になったようだ。
映画の中では、後半、リチャードが無実だと
分かると、反省した風にも描かれているけど。

リチャードは、知り合いの弁護士
ワトソン・ブライアントに弁護を依頼し、
2人で闘い、やがて嫌疑を晴らす。
捜査開始から88日もかかってしまう。
もともと無実なのだから、どんなに調べても
証拠は出てこないのだけど、
ひとつ間違ったら、有罪にされてしまう
恐ろしい状況だ。

リチャードが、FBI に出向いて
事情聴取を受けるシーンの
彼の実直さ、ピュアさが溢れた
トークが感動的で素晴らしい。
その実直さが、疑われた一つの要因にも
なっているというのが、皮肉だ。

映画は、クリント・イーストウッドらしく
派手ではないけど、じわ〜っと
感動が広がる作品だ。
所々に クリント節 を感じる。
そして、最後には、涙が流れる。

リチャード・ジュエルを演じるのは、
ポール・ウォルター・ハウザー。
弁護士にサム・ロックウェル。
サム・ロックウェルは、『グリーンマイル』の
時はイヤな奴だったけど、
『スリー・ビルボード』といい、本作といい
だんだん好きになってきたよ。
リチャードの母親役にキャシー・ベイツ。
アカデミー賞助演女優賞にノミネートされとります。
好演です。


★★★★★








2020.1.24

ボサノヴァギター・ワークショップ
伊藤ゴロー


今日から3日間、銀座のヤマハでは
「Acoustic Guitar Festival」が開催されている。
ライヴやワークショップなど、ジャズ、ボサノヴァ、
フラメンコ、クラシックのギタリストが
出演するギター音楽好きのための祭典だ。

今日は、伊藤ゴロー氏の
ボサノヴァギター・ワークショップに参加してきた。
参加といっても、ギターを持っての参加ではなく、
見学だけど。
19時から1時間、初級者向けのワークショップ。
20時半から1時間は、中級・上級者向けの
ワークショップ。

もう40年以上、ギターを弾いてきたのに
初級はないだろうとも思ったけど、
ボサノヴァギターを誰かに習ったことは、
一度もないので、もしかしたら、
知らないことも聞けるかなと思って
参加(見学)してみた。
ちなみにギターを持っての参加は、1,500円、
見学だけの場合は、500円。

初心者コースでは、主に簡単なコード4つで
ボサノヴァのリズムを学ぶというもの。
ギターを持っての参加者が10人に、
見学者が20人ほど。

参加者は、最近ギターを始めた人から、
少しは弾けそうな人までレベルは
様々だったようだが、そうなると
講師が難しいだろうなと感じたが、
伊藤ゴロー氏は教えることが専門では
ないだろうし、彼の受け答えを聞いていると
あんまり関係ないのかも知れない。

中級上級者コースでは、参加者には
予めゴロー氏がアレンジした "Desafinado" の
楽譜が配られていたようで、参加者の多くは、
それを練習してきていた。
ワークショップの半分ほど(以上?)の時間を
その発表の機会に使ってしまい、
なんのアドバイスもしないというのは、
非常にもったいないと感じた。
一人一人の課題と改善点をひと言
言ってあげて欲しかった。
そうすれば、私の感じたことと
ゴロー氏の言うことに違いが、
私のとっての気づきの機会になっただろうし、
他の参加者や見学者にとっても、
多くを学べる機会となっただろうと思う。
ワークショップと謳っていただけに残念だ。

後半の質疑応答の時間では、
それなりにギター演奏の経験のありそうな
オジサンの質問に思う所があった。
その人の質問は、「楽譜を見ずに
覚えた曲を演奏すると、間違うのだが
ゴローさんは、演奏中に何を考えていますか?」と
いうものだった。
ゴロー氏の答えは、要約すると
「その時による」というものだった。
私も何十回も楽譜を見ずに演奏して、
練習の時は、弾けるのに本番になると
間違いを犯した。
この人は、ゴロー氏に
間違わないように次の小節のことを
考えているのかどうかを聞きたかったんだと
思ったけど、次の小節のことを考えて
間違わないのならそうすれば良いだろう。
が、残念ながら、次はどうだったか、
確かめながら弾いているうちは間違い続けるだろう。

練習の時は弾けるのに、なぜ本番で
間違うのか、今なら明確に答えられる。
大きく分けて答えは2つある。

1. 覚えていないから。
2. 上手く弾こうとするから。

2つ目の「上手く弾こうとするから」と
いうのは、置いておいて、
「覚えていないから」について説明する。
本当に「覚えた」のなら、間違わない。
間違ううちは、本当には覚えていないのだ。
そのことを自覚する必要がある。
覚えていないくせに「覚えた」などと
自分を偽ってはいけない。
まだ、覚える途上にいる。
ただ、それだけのことだ。
そのシンプルなことが、
多くのアマチュアには分からないんだ。
なにを隠そう、私もいまだに
覚えたと思ってたのに、ミスを犯す。
これは、覚えたことにならない。
その証拠に「本当に覚えた」曲は、間違わない。
仮に間違っても、聞いている人には
間違ったことが分からないレベルの
演奏が出来る。
それぐらいの余裕と自由さがある。
この件の解決策は、練習しかない。
覚えることに時間を割くのではなく、
練習するしかない。
「覚える」のではなく、身体が、指が、
勝手に覚えてしまうまで、練習するのだ。
「覚える」ことにこだわっているうちは、
そのことが自分の足を引っ張る。
近道はないのだ。
これが、最近の私の見解。
まだ読み終えない(ゆっくり読んでいる)
『エフォートレス・マスタリー』の影響は大きい。

閑話休題。
ゴロー氏は、ヤマハのクラシックタイプの
トランスアコースティック・ギターを使った。
これは、アンプやエフェクターを使わずして、
ギター本体からリバーヴやコーラスの
かかった音を出せるというヤマハの
新しい技術。
YouTube で試奏の音を聞いたことはあったが、
生音を聞くのは初めてだった。
少し、試奏もしたけど、
ちょっと驚くような音だったね。
80,000 円 (税抜) だと。
ナット幅の細いタイプのエレガットが出れば欲しいなぁ。


Acoustic Guitar Festival



@ ヤマハ銀座コンサートサロン





2020.1.25

ジャズギター・ワークショップ
小沼ようすけ


昨日に引き続き、ヤマハの
「Acoustic Guitar Festival」の
ワークショップに行ってきた。
「Acoustic Guitar Festival」は、ライヴ、
スペシャルコンサートも開催されているが、
今回はそれらには行かず、
昨日今日とワークショップ4つを見学した。

まずは、小沼ようすけ ジャズギター・ワークショップ。
昨日のボサノヴァギター・ワークショップには、
少し不満も書いたけど、今日は満足だ。
簡単なコード進行で、ソロギターで
アドリブを展開していく小沼さんのデモ演奏
だけでも、見学の500円どころではない価値がある。

結局、演奏における自由さというのは、
練習や研究にかけた時間や情熱に
比例するのだと当たり前のことを改めて実感。
自分の拙い演奏と比べてみると、
私には何が決定的に不足しているかという
ことも分かった。
そして、そういうことは、人に教えて
もらうことではなく、自分でキャッチする
ことなんだということもね。
60分ほどだったけど充実してた。




フラメンコギター・ワークショップ(初級)
沖 仁


小沼ようすけ ジャズギター・ワークショップに
続いて、フラメンコギター・ワークショップを見学。
初級編だが、昨日のボサノヴァ同様、
フラメンコギターも習ったことはない。
ボサノヴァ以上にフラメンコの方が、
私には手ごわい印象があるので、
私には初級でちょうどよい。
講師は、今や日本のフラメンコギターの
第一人者、沖 仁。

こちらも60分のワークショップだが、
とても充実した内容だった。
フラメンコギターは、他のギターとは違う
独特の奏法がいくつもあって、
それらをちょっと自分の演奏に
取り入れたいと前から思っているのだが、
これは、かなり根気よく練習しないと
ものになりそうにない。

今日は、フラメンコの特徴的な奏法3つの
コツをデモ演奏を交えて、レクチャーされた。
そして、沖さんは、この数年に気が付いたと
いうことを惜しげもなく教えてくれた。
彼が、20〜30年演奏してきて
気が付いたというのだから、
もの凄く貴重なことなのだけど、
それを聞いたからといって、彼のように
演奏できるわけではない。
ここでもやはり、「練習あるのみ」は、
当然すぎることなのだが、フラメンコの場合、
一日の演奏時間に制限を設けないと、
手を痛めてしまうような激しい奏法もある。

今日の一番の収穫は、
「強く弾くという概念を捨てよ」ということ。
楽器演奏に最も重要なことの一つに
「脱力」ということがある。
「強く弾こう」とすると自然に力が入る。
力んでしまうのだ。
楽器演奏では大きな音量を奏でるときでも
力んではいけない。
それは知っていたが、どうやって、
力まずに「強く」弾くかを考えたことはなかった。
沖さんは、言った。
「『強く弾く』という概念を捨てて
『鋭い』音、『太い』音と言おう」と。
そして実際に、鋭い音とそうでない音を
聞かせてくれた。
鋭い音は、聞く人には「強く大きく」聞こえる音だが、
奏者は、「強く弾いていない」のだ!

なんて素敵な区別でしょう!

何年か前、沖さんのフラメンコギターの
教則本が出たときにすぐに買ったけど、
付属の DVD を1回観ただけで、
全く活用していない。
(そういう教則本がいっぱいあるねん。)
もう一度、見直してみようっと。




@ ヤマハ銀座コンサートサロン




フォード VS フェラーリ
FORD V FERRARI/LE MANS '66




いやぁー予想以上に良かった。
アカデミー賞4部門ノミネートも納得の作品。
作品賞以外の主要な賞にノミネートされて
いないのが不思議なぐらい良かった。
150分以上あるけど、長く感じなかった。

これはカーレースの映画ではない。
もちろんレースシーンは、大迫力で楽しめるけど、
車に興味のない人でも観る価値のある
ヒューマンドラマだ。

フランスのル・マンで行われる「ル・マン24時間レース」。
24時間でサーキットを何周周れるかを競う
耐久レースだ。
タイトルの通り、フォードが王者フェラーリに
勝負を挑むのだが、まず、フォードが
ル・マンに出るまでのストーリーがゴキゲン。

フォードは、最高のレーシングカーを作るため、
ル・マンで優勝経験を持つキャロル・シェルビーを
雇い入れる。
シェルビーは、天才的なイギリス人レーサー、
ケン・マイルズを誘い、2人はチームになる。
そして、フェラーリを倒すべく、最高のマシーン
作っていく。

キャロル・シェルビーを演じるのはマット・デイモン。
ケン・マイルズにクリスチャン・ベイル。
2人ともとても良いです。

フォードとフェラーリの闘いを描いているようで、
実はそれは表面的なことで、きっかけに過ぎない。
単純な話ではなく、もうちょっと深い。
いわゆる大人の事情が絡んでくると
ことは複雑になる。
映画を観ていると、誰が一番勝負に勝ちたい
人か明確だが、チームに、勝ち負け以外に
興味のある奴が混ざると
足を引っ張られることになるのだな。
シェルビーとケンの友情の物語でもあり、
2人と巨大企業との闘いの物語とも言える。

レースシーンはどれも大迫力だが、
特に後半のル・マンでのレースは、
結末を知らずに観たこと手伝って、
ドキドキもんだった。
これは、ぜひ劇場で大画面で観て欲しい。

そういえば、中学生の時、スティーブ・マックイーンが
好きで、彼が出演してる『栄光のル・マン』を
映画館で観た覚えがある。
ほとんどがレースシーンで、当時の私には
あまり面白くなかった覚えがある。
『フォード VS フェラーリ』では、
レーサーを辞めて車のセールスマンを
やっているシェルビーが、マックイーンから
注文を取ったというシーンがあったよ。

あと、シェルビーが、フォード会長を
車に乗せて走るシーンは、痛快!
フォードの言葉が感動的。


★★★★★


余談だが、ウィキペディアによると
日本のメーカーは過去に ル・マンで
トヨタが2回(2018年2019年)、
マツダが1回(1991年)優勝している。
ニッサンも何度か出場していたが、
優勝はしておらず、2000年に当時の
CEO(今話題の)カルロス・ゴーンに
撤退を余儀なくされたらしい。





2020.1.27

新年創作の会

昨日は、日帰りで大阪に行ってきた。
大阪で 妻の講演会があったのだ。
毎年この時期に「新年創作の会」と称して、
全国数か所で開催されている講演会。
「新年創作の会」は、2011年に
始まったらしいので今年で10年目となる。
私は、2018年から聴きに行っているので、
今年で3年目。
10ヶ所以上の開催があった年もあったけど
今年は、東京、大阪、名古屋の3ヶ所にしぼり、
合計600〜700人の人が集まるようだ。

この会は、ファンも多いようで、
「〇〇年の『新年創作の会』がきっかけで〜」
と、人生の節目になったというシェアも
時折耳にする。

1月18日の東京、そして、昨日(26日)の
大阪と今年は2回、その講演を聴いた。
会場によって、参加者によって、
その日の空気やダイナミクスが違うのは、
当然だが、講演の内容もそれらと
影響し合う生モノだ。
当然、何度も聴く方が理解が深まる。

妻は、毎年数カ月かけてテーマを
考えている。
それを「創作」と呼んでいる。
「新年創作の会」のテーマを「創作」するわけだ。
参加者はこのテーマを当日講演の中で、
初めて聞くことになる。
もし、誰かから前もって聞かされてしまうと、
講演で聞いたとき、驚きも新鮮さも何もかも
失われてしまい、参加者のためにもならない。
そういうわけで、毎年、テーマは
ネタバレ禁止となっている。

東京の講演会よりも2週間ほど前のこと。
前もって今年のテーマ聞いていたわけではないが、
少し前にそのキーワードだけを妻から聞いた。
もちろん、「絶対誰にも言っちゃダメ」と
口止めされて。
それから数日たって、思いついたことがあって
妻に「〇〇(そのキーワード)のことなんだけど」と
話しかけると、驚いた妻が(キーワードを)
「なんで知ってるの?なんで分かったの?」
と言うではないか。
自分が話したことを全く覚えていないのだ。
ヤツらしい。
私は「お前の考えていることは
全部分かる」と言っておいた。

それにしても、毎年、講演のテーマを考えるのは、
結構ハードだろうなと思う。
今まで誰も聞いたことがないような視点で、
そして、今年、自分を生きることに役立つというか、
ある指針になりうるようなテーマでなければならない。

今年のテーマも面白い視点だと思った。
今週末は、名古屋。
妻たちの "120万人「個の発展」" への挑戦が
続いている。

21年前に結婚した時には、
山形出身の妻が、私の出身地 大阪で、
何百人を前に講演することなど、
想像もつかなかった。
人生って、不思議だなと思う。




神韻芸術団(SHEN YUN)


半年ほど前に YouTube の広告で初めて見た
神韻芸術団の公演に行ってきた。
これは、素晴らしそうだと思い、
広告を見てすぐにチケットを取ったおかげで、
前から4列目の中央付近という
凄く良い席で鑑賞することができた。

「神韻」というのは、音楽と舞踊を使って、
天上の光景、古代伝説など
中国五千年の伝統文化を表現する舞台。

勝手に、中国版シルクドソレイユみたいな、
アクロバティックな演目を想像していたのだが、
中国古典舞踊、民族・民謡舞踊が、
中心でちょっと思っていたのと違った。
面白くなかったわけではないし、
一糸乱れぬ舞踏は、素晴らしかったし、
中国らしく、太極拳のような動きであったり、
民族衣装のようなステージ衣装も美しかったし、
音楽はオーケストラの生演奏だし、
バックのスクリーンに映し出される映像と
ステージの演技が上手くシンクロしていたり
見所も多かったが、それでもやっぱり
期待していたものとは違った。

神韻芸術団はニューヨークを拠点として
活動している。
驚いたことに、この舞踏は、
今の中国では鑑賞できないのだという。
というのも、その公演を中国共産党が
許可しないらしい。
観ればわかるが、これは中国共産党は
OKしなだろうなと思う。
純粋な芸能の部分と同時に、
明らかに政治的、思想的なメッセージがある。
それは、抑えつけられているからこその
メッセージなのかもしれないけど。
ラストの演出は、ちょっと新興宗教の
イベントみたいと思ったら、
やはり法輪功という宗教を母体としていた。

中国共産党政権は、この数十年、
政治的に中国の伝統文化を廃絶しようとしてきた。
中国共産党と神は、相容れないからである。
その結果、当の中国人は「神韻」を海外で
鑑賞するしかないという現実がある。
裕福な中国人しか鑑賞できないわけだ。

中国共産党が、なぜ「神韻」を迫害するかは、
「中国共産党が神韻を恐れる理由」という記事に
書かれているが、ちょっと「ホンマかいな」と思う
恐ろしいことまで書かれている。

中国共産党が神韻を恐れる理由

こうなってくると、ただ単にエンタテイメントとして
云々という話ではなくなってきて、
大変難しい問題になってくるのでした。


@ 文京シビックホール 大ホール



神韻芸術団 公式サイト





2020.1.28

ベベウ・ジルベルト
Bebel Gilberto


昨年7月に亡くなった、ボサノヴァの父、
ジョアン・ジルベルトの娘であり、
一昨年12月に亡くなった シンガーの
ミウシャを母に持つ ベベウ・ジルベルト
ベベウのことは、全く知らなかったのだけど、
ちょうど「ぴあ」のポイントが貯まったので、
観に行くことにした。

昨年は、『ジョアン・ジルベルト ライブ・
イン・トーキョー』
を映画館で観たり、
映画『ジョアン・ジルベルトを探して』を観たり、
そして、ジョアンが亡くなったりした年。
そんな記憶も新しいうちのベベウの来日だ。

編成はバンドではなく、ギターとのデュオ。
ブラジルの女性シンガーというと、
この数年、ジョイス・モレーノは来日の度に
観に行っているが、ベベウはジョイスとは
また違う感じ。
変な言い方だが、ジョイスが高いところで
スピリチュアルだとすると、ベベウは低いところで
地球とつながっているとでも言えばいいかな。

1曲目は、"Wave"、そして "Disafinado"、
"Ela E Carioca"、"Corcovado" と
ボサノヴァのスタンダード、ジョビンの曲が続いた。
それから、知らない曲が数曲続いたので、
ベベウのオリジナルかもしれない。
"So Nice" とフランシス・レイの『男と女』を
メドレーで演ったあと、
ゲストにもう一人のギター、MASA清水が登場。
知らなかったけど、彼は 2000年代に
数年間、ベベウのバンドにいたようだ。
ニューヨークにいた頃は、日野"JINO"賢二と
バンドをやっていたような人なのだけど、
今日は、超控えめな演奏でバッキングに
徹していた。
まあベベウの音楽に派手なインプロは、
要らないのかもしれないな。

アンコールを入れて、80分強。
歌い終わると、「Thank You. アリガトウ」と
言って涙を流していた。
あいかわらず、MCが聞き取れなくて、
涙を流すほどの背景が、ちょっと分からなかった
のだけど、2日間4公演のラスト・ショーと
いうこともあって、泣いてしまったのかもな。

ベベウがお客さんも歌に参加させようとするが、
今日のお客さんは、ノリが悪いというか、
反応が良くないというか、おとなしい。
私の場合は、自分が歌うよりも聴いていたいと
いう感じもあって、なかなか参加しにくい。
これ、ブラジルやったら、めっちゃ盛り上がるんやろな
と思っていたら、終演後のお客さんの反応は、
結構良かったよ。


[ MEMBERS ]
ベベウ・ジルベルト / Bebel Gilberto (Vo)
ギレルミ・モンテイロ / Guilherme Monteiro (Gt)
Guest : マサ清水 / Masa Shimizu (Gt)

@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show





2020.1.29

僕の心臓

2007年生まれ。
7歳よりウクレレを始め、
9歳で大人も出場するコンテストで優勝。
ソニー・ミュージックと契約。
小学6年生にして、ジェイク・シマブクロの
初プロデュースでメジャーデビュー。
中学1年生にして史上最年少で
「フジロック・フェスティバル」に出演。

そんなウクレレプレーヤー、近藤利樹君の
記事を読んだ。

母親がフラダンスの講師をしていて、
家にはハワイアンが流れていたという環境のもと育った。
6歳のとき、コストコで初めてウクレレを観たとき、
「神様が『弾いてみなさい』と言ってる気がした」という。

「一日でも弾かないと心残りで苦しくなる。
ウクレレは僕の心臓のようなものです。」

12歳の少年の言葉に、57歳のおっさんは、
込み上げる熱いものを抑えられないのでした。


[動 画 ]
SEARCH LIGHT (近藤利樹オリジナル曲演奏MV)

歌も唄う。

デッカイばあちゃん
NHK みんなのうたで流れていたようだ。
このビデオのおばあちゃんは本当のおばあちゃんらしい。





2020.1.30

小倉博和
60th Anniversary LIVE
〜No Guitar , No Life〜


ギタリスト小倉さんの還暦記念ライヴに行ってきた。
小倉さんは、サザンオールスターズ、桑田佳祐、
福山雅治、槇原敬之、森山良子、大貫妙子、
渡辺美里、吉田拓郎、今井美樹などなどの
レコーディングやステージをサポートしてきたギタリスト。
時々、テレビの歌番組でも弾いているので、
皆さんもきっと耳にしているはず。

小倉さんを知ったのは、もう30年近く前になる。
まだ私が大阪にいた頃だから、90年代前半。
佐橋さんとギター2本で桑田佳祐さんの
ソロ・プロジェクトでのサポートをしているのを
テレビ番組で観た時だった。
明確に覚えているので、
結構インパクトがあったんだろうな。

私が上京して間もないころ(96〜98年頃)、
勤めていた BAR に一人でぶらりと来られて、
それから、何度も来られるようになった。
ちょうど佐橋佳幸さんと、「山弦」という
アコギ・デュオを始められた頃でもあり、
佐橋さんとも何度か来られた。
佐橋さんも好きなギタリストだし、嬉しかったな。
(佐橋さんが初めて来たときのエントリー)
おふたりのサイン入りの CD は今も持っているよ。
「山弦」では、ふたりのギターのコントラストが
好きだった。
佐橋さんは、ちょっと知性的な感じで、
小倉さんは、野性的な感じ。

そういえば、小倉さんが一人で来られて、
他のお客さんが誰もいなかったときに、
私の曲のデモを聞いていただいたこともあったな。
そんなときは、ギターの話もたくさんさせて頂いた。

前置きが長くなった。
そんな小倉さんの還暦記念ライヴ。
一夜限りのスペシャルライブということで
出演陣が超豪華なので楽しみにしていた。

[ MEMBERS ]
小倉博和(g)
佐橋佳幸(g)
今剛(g)
斎藤有太(key)
井上鑑(key)
有賀啓雄(b)
高水健司(b)
亀田誠治(b)
林立夫(ds)
山木秀夫(ds)
三沢またろう(perc)
大貫妙子(vo)
山本拓夫(sax)

中々、ドラムに林さん山木さん2人がいる
ライヴはないよ。
亀田さんは、1st show には出ておらず、
2nd show だけのゲストだったよう。

何よりも「山弦」が聴けたのは、嬉しかったね。
ライヴで聴くのは 何年ぶりだろう。
たぶん20年ぶりとちゃうかな。

佐橋さんから小倉さんへの還暦プレゼントは、
「還暦=12年×5」ということで、
12弦ギターの弦を5セット。
笑かしよる。

小倉さんは、白いマグネットピックアップの付いた
ソリッドのようなエレアコ(メーカー不明)と、
マーティンタイプのエレアコに、
エレキは赤いギブソン ES-335。
佐橋さんは、やはりマーティンタイプの
エレアコだったが、たぶんおふたりとも
マーティンではないように見えた。

アンコール入れて、全部で98分ぐらい。
凄く良かった〜。
また「山弦」やって欲しいなぁ。

ちなみに「還暦記念ライヴ」というのは、
私が言っているだけで、公式タイトルは
「60th Anniversary LIVE」。
サブタイトルが「No Guitar, No Life」。
いいねぇ。




@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show


[ SETLIST ](一部 曲名が分からないものあり)
1. 「 」 小倉ソロ
2. 「春」 小倉・佐橋・斎藤・亀田・三沢
3. 「 」 小倉・佐橋・斎藤・有賀・林・大貫
4. 「あなたを想うと」 同上
5. 「Joy Ride」 小倉・佐橋・斎藤・有賀・林・三沢
6. 「スプリング・ホイール」 小倉・井上
7. 「Clean Up」 小倉・井上・今、高水・山木・三沢・山本
8. 「Feliz Amigo」 同上
9. 「TQ Flower」 同上
10. 「No Guitar No Life」 全員
EC 1. 「Song For James」 小倉・佐橋
EC 2. 「Moon River」 小倉ソロ(ハープウクレレ)



ロビーに飾られていた三木楽器から贈られたチョコレート・ケーキ



ひとりごと