写真展「僥倖」は終了しました。
このページは記録です。




つつみしんや 初の写真展




初めて写真展を開催します。
1985年のアメリカ旅行で撮影したものから、
2010年に初めて一眼レフカメラを買い、
この12年間に撮りためたものまで、
約50~60点程度の展示を予定しています。
風景だけではなく、ポートレートもあります。
写真展のタイトルは、「僥倖(ぎょうこう)」としました。
思いがけない幸運のことです。
何かを感じ取ってもらえる写真が一枚でもあれば嬉しいです。
ぜひともご来場をお待ちしております。

2022年 9月23日(祝)~24日(土)
10時~19時 / 入場無料


会場 / 五反田コルソG


(注)会場は、表に「五反田コルソG」や「写真展」というサインが
出ておりませんので分かりにくいです。
「とん清」というとんかつ屋さんの隣のビル、
1階に「レ・アール (LES HALLES)」というフレンチがある、
タケウチビルの2階です。


東京都品川区西五反田8-1-13 タケウチビル2階
JR山手線・
都営浅草線・東急池上線「五反田駅」西口より徒歩 約10分
東急池上線「大崎広小路駅」より徒歩 約5分


Google map

チラシ(PDF)





― 僥 倖(ぎょうこう)ー


ある写真教材に
「たまたま良く撮れた写真を、自分の表現だと言うな」
という厳しい言葉があった。
「たまたま良く撮れた」 ものは、
あくまでも 「たまたま」 「偶然」 でしかない。
撮りたいものを撮れるように精進し、
思い通りの写真を撮れるようになって、
初めて 「動きの中の偶然を狙う」 という選択肢が生まれるのだと。
そんなレベルに達して、初めて、いっぱい撮った中に
自分の想像を超える写真があるのだと。

全くその通りだと思う。異論はない。
私の場合、何百枚か撮った中に1枚
「おぅ、これは良いのではないか」という写真が出現するが、
それは撮りたいものを撮れるようになった上で、撮れたのではない。
「たまたま」である。
この写真展で展示する写真は、全て「たまたま」撮れた写真である。
それ以外はない。
その証拠というわけではないが、シャッターを押した瞬間、
「良い写真が撮れた!」と思ったときは、
後々見ると大したことがない写真が多い。
つまり、自分のイメージ通りには、撮れていないのだ。
一方で、撮った時には、それほど意識しなかった写真に
「意外とうまく撮れているではないか」と思うものが多い。

そのことを私は「僥倖(ぎょうこう)」と呼ぶことにした。
「僥倖」とは、「思いがけない幸運」「偶然に得る幸運」のこと。
写真展のことをあれこれと考えているときに読んだ、
違う著者の書いた2冊の本にこれまた、
「たまたま」続けて出てきた言葉が「僥倖」であった。
聞きなれない言葉だが、この言葉との出会いも含めて、
私の写真展のタイトルにピッタリではないか。

素晴らしい光景に出会いながら、
「ああ、カメラを持っていたらなぁ」と
諦めるしかなかったことは何度もある。
カメラを持っていながら、セッティングしている間に、
景色が変わってしまい、撮れなかったこともある。
人間に限らず、被写体が生き物であれば言わずもがなである。

写真撮影とは、二度とないその瞬間を切り取ることである。
その時にカメラを持っていて、
その瞬間にカメラを構えていて、
シャッターを押して、
余計な写り込みがなく、
ブレることもなく、
ちゃんと写っていたとしたら、
それはもう「僥倖」ではないか。

つつみしんや




< 写真展「僥倖」に関する ひとりごとエントリー >

2022.6.27

写真展に向けて

年を取るほどに趣味はあった方が良いと
思うようになった。
それも、一つじゃない方が良いと思う。
例えば、ゴルフが趣味の人は、
身体を痛めてゴルフが出来ない時に
自宅でも出来る趣味があった方が
良いと思うのだけど、どうでしょう。

音楽鑑賞、ギター演奏、写真撮影、
写真鑑賞、映画鑑賞、落語鑑賞、
旅行、美味しいものを食べること、読書と
私の場合、時間が余ることはない。
この「ひとりごと」を書くことも
趣味のひとつと言える。
おまけにお酒を飲むことも
酔っぱらって、惰眠をむさぼることも
何もしないことも好きなので、
時間はいつも足りないのです。

大きな柱は音楽と写真。
音楽は、小学生の時から始めているが、
写真は、意識して撮り始めて
まだ 12年しか経っていない。

少しは上達したと思うので、
このたび、写真展を開催してみることにした。
今年還暦だし、自分への刺激と
何かのきっかけにもなるかも知れないとも思って。

開催は、9月23~24日の2日間の予定。
会場など詳細は、またお知らせするけど、
どんな風にどの写真を展示するのか、
何のためにやるのかなど、ここのところ、
考え続けている。

写真展をやろうと思いついた頃は、
外国で撮った風景を中心に考えていたのだが、
色々考えているうちに、観てもらいたいものが
変わってきた。
もちろん、85年のアメリカ旅行の際の写真や、
この数年の国内、海外旅行で撮った
写真も観てもらいたいと思っているのだけど、
それよりも、ポートレイト、人物を
展示したいと思うようになってきた。

この心境の変化に、自分でも驚いている。
被写体として一番面白いものは、
人物であることに間違いないと思っている。
でも、ポートレイト(人物)は撮りたいけど、
上手く撮れないと思って、正面から
取り組んでこなかった。
だから、その苦手なポートレイトを
観て欲しいと思う自分に驚いたんだ。

そうすると、急に人を撮りたくなってきた。
撮影(創作)意欲が湧いてきたんだ。
自分でも、面白いなぁ、と思う。

さて、どんな写真展になるのか、お楽しみに。

9月23~24日、観に来てね。






2022.8.1

初の写真展開催のお知らせ

9月に写真展を開催します。
品川区西五反田の会議室のような
会場を借りての初の試みです。

1985年のアメリカ旅行で撮影したものから、
2010年に初めて一眼レフカメラを買い、
この12年間に撮りためたものまで、
約50~60点程度の展示を予定しています。

開催は、確か4月ごろに決めたような気がします。
まだまだ先のことと思っていたら、
あっという間に2ヶ月を切りました。
まだ展示する写真を選びきれておらず、
焦り始まております。

当初の考えでは、風景の写真が中心だったのですが、
いざ選び始めてみると、断然 ポートレイトや
人物を写したスナップの方が、面白いことに気付きました。
選別の段階で、そんな新しい発見もあって、
どんな写真展になるか、自分でも楽しみですが、
なにしろ、写真展など経験のない、
アマチュアのやることで、ちょっとドタバタするかな、
とも思っております。

写真展のタイトルは、「僥倖(ぎょうこう)」。
思いがけない幸運のことです。
何かを感じ取ってもらえる写真が一枚でもあれば
嬉しいです。
ぜひともご来場をお待ちしております。
はい、今すぐ、手帳に書き込んで!



つつみしんや 初の写真展
「僥倖(ぎょうこう)」
2022年 9月23日(祝)~24日(土)

10時~19時
入場無料
会場 / 五反田コルソG(地図
東京都品川区西五反田8-1-13 タケウチビル2階
JR山手線・都営浅草線・東急池上線「五反田駅」西口より徒歩 約10分
東急池上線「大崎広小路駅」より徒歩 約5分



展示予定の1枚(Manila, 2014)





2022.8.4

写真展「僥倖」フライヤー

9月に開催する写真展の
フライヤー(チラシ)を作成しました。
こちら から ダウンロードできます。
PDFファイルです。





2022.8.14

インスタ用に写真展の告知画像を作った。



展示予定の色んな写真を使って週一でアップの予定。
この写真は、フィリピンのマニラで撮影(2014年)。





2022.8.19

インスタ用告知画像 その2



今回は、カラーで。
全く季節外れだけど、桜。





2022.8.21

9月の写真展「僥倖」のスペシャル・ページを作りました。
スペシャルというほどでもないですが。
今は、ご案内だけですが、もう少し内容を
充実させていきたいと考えています。

僥倖 スペシャル・ページ





2022.8.23

写真展の宣伝

2018年12月のオープン時から、
写真を数点、展示させてもらっている、
渋谷(恵比寿)の MAT COFFEE さんに、
写真展の告知を貼らせてもらいました。





合わせて、お店のお客さんに
お持ち帰りいただける名刺サイズのものも作りました。
これを見て、ひとりでも来てくれたら
凄いことだと思います。





これらを作成するために スペシャルページの
QRコードも作りました。



今は、こんなのも素人でも簡単に
作れてしまうねんな。
読み込んでみて。





2022.8.26

インスタ用告知画像 その3



毎週、インスタとFacebookにアップするのは、
ちょっとくどいかなぁ、なんて思いながら
3週目の告知画像。
「僥倖」を草書体にしてみたら、
ちょっと中国っぽくなった。
写真は、山形なんだけどね。





2022.9.4

インスタ用告知画像 その4



いよいよ開催まで3週間と迫りました。
準備も佳境に入っております。
と、書くと聞こえは良いが、
予定より遅れており、やや焦ってきております。

展示したい写真が多すぎて、絞り切れない。
あれもこれも観て欲しい、と思ってしまう。
「あれ?これなんかに似てるな」と思ったら、
若い頃、音楽事務所に自作曲のデモテープを
送った時と同じや。
あの頃も、1曲に絞れなくて、というか
1曲では自信がなくて、何曲も収録して送ったもんです。
人間、変わらんというか、成長しとらんな。





2022.9.10

インスタ用告知画像 その5



ようやく、額装を完了した(約130枚)。
でも、その中から数十枚は、
減らさなきゃいけない。
う~ん、つらい作業だ。





2022.9.15

写真展を前に思う

ようやく写真展に飾る写真が、
ほぼ決定した。
「ほぼ」と書いたのは、
また気が変わるかも知れないからだ。
もう、額装を入れ替える気は
ないのだけど、気が変わったら
妥協はしたくないからね。
ただ、正解がないんねんな、これには。
こうした方が良いかな、
ああした方が良いかな、と
アイディアは浮かぶけど、
どれが最善、最高かが分からんのだよ。
この写真と、あの写真と、どちらが
人に観てもらう価値があるのかなんて、
分からんのだよ。
でも、そんな中で、取捨選択するのが
表現する人に課せられた役割なのだな。

展示する写真は、当初、
50〜60点のつもりだったが、
結局、100点以上になってしまった。
これでも心を鬼にして(?)
数十点の展示を諦めたんだ。
それでも、もしかしたら、観た人に
「写真、多すぎるよ」という感想を
抱かせてしまうかも知れないな。
なにしろ欲張りなのでご容赦ください。
まあ、100枚くらいなら大丈夫だと思うけど。

初めての事でもあるし、アマチュアゆえに
選別は全て自分でやった。
第三者の意見は聞いていない。
本当は、客観的な意見も聞いた上で
決めた方が良いのだろうけど、まぁいいや。
今回は、自分のやりたいようにやる。
第三者として招き入れる適切な人材も
思い浮かばないしね。

プロジェクトを始めるとき、目標はもちろん、
「何のためにやるのか」という「目的」を創作することが、
重要だと以前セミナーで習ったことがある。
今回の写真展を「何のために」やるのか、
企画当初からずっと考えて来たのだけど、
いまだに創作的な目的を創ることが出来ずにいる。
では、なぜ写真展をやりたいと思ったのか。
それさえ、今となっては明確ではない。
今年は還暦だからとか、大分写真が溜まって
来たので、一度アウトプットしようとか、
私の写真を観たら人がなんと言うか知りたいとか、
世界に向けて写真家宣言とか、
色々言えるのだが、それらは全て後付けなんだな。
本当に「写真展をやろう」って決めたとき、
心の中に何があったのか、覚えていないんだ。
承認が欲しいというのは、なんとなく分かるけど、
そのためか?と訊かれるとそれほどでもない。
きっと、自分の心理の深いところで、
自分も知らない何かがあるんだろうけど、
分からないので考えるのをやめた。

よくある、終わってから「ああ、このためだったのか」
と分かるということもあるかも知れない。
でも今はそれより、写真展をすることによって、
つまり今までやらなかったことを
やることによって、自分の人生に
どんなことが起きるのか、
それを見てみたい気がしている。
と言いつつ、何も起こらないかも知れないわけで、
別に何か期待があるわけではないので、
何も起きなければ、それはそれで良いんだ。

何もなかったとしても、今回のことは、
その後の私の写真家(?)人生に
何らかの影響はあるだろう。
そんな風に今後の人生の思いがけない
展開、発展に繋がることを意図し、期待している。


なぜ、写真展をやろうと思ったか、
今では分からなくなったと書いたが、
ひとつだけ明確なことがある。
以前、この「ひとりごと」に書いたが、
2018年に、私の写真が某ホテルの150室ほどの
客室に飾ってもらうことが決定し、
150数枚、全ての額装をし終えたのだけど、
諸事情で、実際に設置することが
延び延びになっているうちにコロナ禍に
突入し、そのホテルは閉業してしまった。
そのおかげで、A4サイズの写真を飾れる
フォトフレームが、150個ほど手元にあった。
これがなかったら、写真展をやろうとは
思わなかっただろう。
フォトフレームがひとつ3,000円だとして、
100個で300,000円だからね。
これも「僥倖」のひとつだな。



輪島 2022





2022.9.16

インスタ用 告知画像 その6



写真展までいよいよ1週間!
会場は、表に「五反田コルソG」や「写真展」という
サインが出ておりませんので分かりにくいです。
「とん清」というとんかつ屋さんの隣のビル、
1階に「レ・アール (LES HALLES)」という
フレンチがある、タケウチビルの2階です。
詳細はこちらで!





2022.9.21

いよいよ あさってから!

あさって(9月23日)にいよいよ写真展が始まる。
始まると言っても、次の日に終わるねんけど。

さて、どんなことになるのやら。
どうやら天気はあまり良さそうでない。
天気予報が外れることを祈る。

明日は夜遅くまで、会場の準備なので
帰宅後この「ひとりごと」を更新する元気は
ないだろうから、次に書くのは、
写真展のレポートになるな。

明日、最後のインスタ、フェイスブック告知を
アップする予定。↓




これをお読みで ご来場予定の方へ。

会場は、表に「五反田コルソG」や「写真展」という
サインが出ておりませんので分かりにくいです。
「とん清」という とんかつ屋さんの隣のビル、
1階に「レ・アール (LES HALLES)」という
フレンチがある、タケウチビルの2階です。
よろしくお願いします。


詳細・地図はこちら





2022.9.25

初の写真展「僥倖」 終わる

人生初めての写真展「僥倖(ぎょうこう)」
一昨日、昨日と2日間の開催が終わった。
スタッフも入れると2日間で合計(のべ)60人の
方々にご来場いただき、写真を観て頂けた。

ご来場くださった皆様、
差し入れやお花をくださった皆様、
お祝いの電報やお花を送ってくださった皆様、
写真をお買い上げくださった皆様、
ご自分の写っている写真の展示を
快くOKしてくださった皆様、
SNS で写真展のことをアップしてくださった皆様、
休日なのに当日スタッフとして手伝ってくださった
あっちゃん、さとみちゃん、
連日、観に来てくれたすみよちゃん、伊藤夫妻、
そして、終始心強いサポートをくれた妻の久美子、
本当にありがとうございました。



木曜日の夕方の搬入・設営から、
土曜日の夜の撤収・搬出まで
実に充実した2日間だった。
搬入搬出では、久しぶりに
汗をかいて良い運動にもなったよ。

2日目の19時過ぎ、最後のご来場者が
退室されたあと、思いがけず
こみ上げてくるものがあって ちょっと感動してしまい、
人生で初めて心の底から「感無量です」という
言葉が出た。
そうそう味わうことない感情だった。

開催数日前に、
「写真展をやることによって、自分の人生に
どんなことが起きるのか見てみたい」と
ここに書いた。
この年(60)になって、今更だけど
「やってみないと分からない」と実感した。
「分からない」は「知らない」ということだ。
写真展のタイトルは、「僥倖(ぎょうこう)」、
「思いがけない幸運」のこと。
このタイトルにしようと思いついた時には、
たまたま うまく撮れた写真のことを「僥倖」と
呼んだのだけど、開催中にあれもこれも
僥倖じゃないかと 気付き始め、やがて
写真展の開催自体が僥倖の上に成り立って
いることに気付き、ついには、今、こうして
生きていることが僥倖なのだという思いに至った。
何も変わっていないのに、写真展の前とあとでは、
「僥倖」の持つ意味が大きく変わってしまったんだ。

若い頃から、今まで何度も何度もライヴを演ってきた。
音楽なら、観に来てもらえれば少しぐらいは、
楽しんでもらえるんじゃないかという自惚れもあった。
でも、写真は全くどう思われるか分からなかった。
結果は、とても肯定された体験だった。
観に来てくれた人はほとんど、友人や知合いなので、
好意的な反応だったということは、分かっている。

ご意見ご感想を書いてもらうために会場に
置いておいたノートや SNS のメッセージには、
「次回を楽しみにしています」
「毎年開催期待しています」
「名古屋でも開催してください」
などという思いがけない言葉があった。
あんなに統一感のない写真を観て、
「つつみさんらしい」という言葉も頂いた。

なんだか自分のやっていることを
とても肯定されたという体験だった。
誰もが自分の好きなことをやりたいだろうけど、
色んな事情でやれない人たちもいるだろう。
私は、本当にラッキーなことに
好きなことをさせてもらえる環境にいる。
でも、心のどこかで 少しだけだけど
こんな道楽ばかりしていることに
罪悪感めいたものがあった。
(だからってやめないけど)
この「肯定された体験」は、
そういう罪悪感めいたものを払拭してくれた。
音楽では、得たことのない肯定の体験だった。

「残りの人生でもっとやりたいことをやりたい」
還暦を迎える少し前から、
そういう思いが募ってきた。
その表現のひとつが、この写真展で
あったのだけど、なんだか背中を押されたと
都合の良いように感じている。
これからは一層、道楽者として生きよう。

今回のご来場者の中には、
思いがけない人も数人いた。
しばらく会っていなかった人に何人も会えた。
これまた「僥倖」なのだな。

感謝。







2022.9.29

写真展「僥倖」を振り返って

早いもので初めての写真展「僥倖」の
開催から1週間が経とうとしている。
終了後の感想は、9月25日にも書いたのだけど、
色々思うことも多い写真展だったので、
記憶が薄まる前にここに書いておきたい。



私は、自分のことを あまり「人」には興味が
ない人だと思っている。
社交的ではないし、初対面の人は苦手だ。
しかし、この写真展には、とても「人」が
存在することになった。
ポートレート(人の写真)を展示したのは
もちろんのこと、観に来てくれるのは、
ほかならぬ「人」なのである。
音楽ライヴは、聴衆がいないと成り立たないように、
写真展は、観に来てくれる人がいないと
開催した意味がない。

しばらく会っていなかった友人知人が、
この写真展のことを知って、足元の悪い中、
観に来てくれたり、花や電報やメッセージを
送ってくれた。
今の家に越してきて半年ほどだが、
近所の居酒屋やワインバーのマスター、
そのお店で客同士として知り合った方も
来てくださった。
普段にはなく私の人生に「人」が存在した
2日間だった。

2日目が終わった時に思わず口から出た
「感無量」という言葉は、そんな「人」たちの
存在と彼らへの感謝から出たように思う。
うまく表現できないのだけど、この「人」の存在は、
私に とても豊かな体験をもたらしてくれた。
そう「豊か」という表現が合っている。
大げさにいうと今まで知らない世界が
開けたような感じだったよ。

うまく書けないので、きっと時間が経って読んだら
自分でも何のことか分からないだろうと思うけど、
できることなら忘れずにいたいと思う体験だった。


写真展をやろうと明確に思い立ったのは
いつのことだったか覚えていない。
昨年からぼんやり思い浮かべていて、
今年に入って、日取りを決めたように思う。
当初は、外国で撮ってきた風景の写真を
メインに考えていた。
ポートレートは、友人の子供たちぐらいで
そんなに多くは思いついていなかった。

春ごろから、写真の選別を始めた。
撮りためた写真数万枚をざっとだけど、
一応全部 目を通した。
すると、展示したくなるようなポートレートが
数枚見つかった。
面白いものでその観点で観だすと、
展示したくなるものが何枚も出てきた。
妻の仕事のイベントの記録写真を
5~6年撮っているのだけど、
その中にも良い表情を捉えたものがあった。

そんなわけで風景写真も合わせると
候補が250枚以上になってしまった。
あれもこれも観てもらいたいと思うので、
選別の作業は、とても難しかった。

結局、写真以外のデザインの作品(4点)も
合わせ、合計124点もの展示になった。
そのうち、ポートレートは海外のものも含め
51枚にのぼった。


以下は、次回があるとしたら生かすべき反省点。
当日スタッフを含み、2日間でのべ60人の方が
来場し、写真を観てもらえたわけだが、
直前に個別のリマインドやお知らせをすれば、
もう少し集客できたのにと思う。
中には「来る」と言っていたのに、翌日、
「忘れていた」と連絡くれた人もいたからね。
それから、勝手に「来てくれるだろう」と
無意識に期待していた人が数人いた。
もっと積極的に個別にお誘いすれば良かったと
反省している。
2日とも天気が良くなかったことも
影響がゼロではない。
特に2日目は午前中、東海道新幹線が
不通になって、名古屋から来て下さる予定の方が
来られなかったが、これは仕方がない。
3連休の中の2日間というのも旅行に行く
人たちのことを考えると微妙かも知れない。
これらのことも踏まえて、次回は企画したい。
というて、次回があるかどうかは分からんのだけど。


<展示写真の記録(124枚の内訳)>
1985年のアメリカ 19
2014年のイタリア  8
2014年のフィリピン 2
2018年のキューバ  11
2018年のメキシコ  1
2019年のパリ    3
上記海外のポートレート 6
日本の風景等   23
友人知人家族のポートレート  45
その他デザイン等   6



Cuba の店員





2022.10.5

続・写真展「僥倖」を振り返って

9月23~24日に開催した写真展「僥倖」に
ついて、もう少し書いておきたい。
観に来てくださった方の中に、過去に
写真の仕事に関わっておられたKさんがいた。

今は違う仕事をされていて、私はKさんが、
写真の仕事に携わっていたことを知らずに、
以前、写真の話をしたことがあった。
分かった風なことを言っていたので、
ちょっと恥ずかしい。
Kさんは、なんと浅井慎平さんのもとで
働いていたという。

Kさんは、私の写真を観て、
とてもユニークな講評をくださった。
1985年のアメリカ旅行の写真と、
2010年代の海外旅行の写真は、
カメラも撮り方も目的も何もかも違う。
何より、私自身が違うのだけど、
Kさんは、85年の写真を「ロックだ」と
言ってくださった。
嬉しかった。
なんだか、ハービー山口さんが、
1981年、ロンドンの地下鉄で、
ジョー・ストラマーに言われた言葉
「撮りたいものは全て撮るんだ!
それがパンクなんだ!」を思い出した。
全然違うねんけど。

1985年の写真が「ロックだ」という一方で、
Kさんの言葉は正確には覚えていないのだけど、
私には、2010年代以降の写真は、
写真撮影の知識が入り、こざかしい写真に
なっているという風に聞こえた。
そんな風には、言ってなかったのかも知れないけど、
自分でも そうかも知れないと思う。
85年の写真は、構図の知識なんてなく、
ただ撮りたいものを撮っている。
この「ただ撮りたいものを撮っている」というのが
彼に「ロックだ」と言わせたのではないかと思う。
しかも、フィルムなのでデジタルほど数は撮れなかった。
その分、今は失ってしまった何かを
あれらの写真は、秘めているのかも知れない。

写真展を観てくれた違う人は、私のことを
「カメラマンではなくて、写真家だね」と
言ってくれた。
写真家・・・
ええ響きやなぁ。
エゴがくすぐられるなぁ。

「写真家」というのは、写真を撮ることを生業にしている、
つまりプロのことをいうのだけど、
「フォトグラファー」が商業写真的なイメージがある
一方で、「写真家」というと芸術性を求めて、
写真を撮る人のことのようだ。

「家」が付く人って「音楽家」「芸術家」
「画家」「建築家」「書道家」「舞踏家」
「武道家」などなど、みんなプロフェッショナルな
その道を追及している感じだもんね。
「政治家」以外は。(あ、失礼)


それから、「写真を撮って欲しい」という人が
現れないかなと、密かに "地味に" 期待していたのだけど、
ひとりだけ、「子供の写真を撮ってください」と
言ってくれた。
彼女の子供は、まだ2~3歳だと思うけど、
「無垢な可愛さのあるうちに」とのこと。
私が撮った子供たちの写真を観ての申し出、
これほど嬉しいことはないよね。
でも、依頼をされて写真を撮るとなると、
なんだかハードルが高くて、
ちょっと緊張感があるなぁ。
まだ具体的には、決めてないけど、
近いうちに実現しよう。



ひとりごと LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS