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つつみしんやのひとりごと 2014年 1月
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2014.1.1

あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願いいたします


平成26年元旦

つつみしんや






2014.1.3

2013年のベスト映画

昨年は、劇場にて 62本の映画を鑑賞した。

一昨年は、65本だったので、ちょっと少ない。

できれば100本ぐらい観たいのだが、

ライヴやコンサートも結構行くし、最近は落語も増えてきたので、

これ以上は中々難しい。


さて、昨年も良い映画に出会えたが、

★5つは、14本、★4つ半は、12本と

合わせて26本もあった。

その中から、今振り返っても

印象に残っているものを10本挙げてみよう。

(観た順)
・テッド
・The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛
・舟を編む
・きっと、うまくいく
・奇跡のリンゴ
・終戦のエンペラー
・42 世界を変えた男
・キャプテン・フィリップス
・永遠の0
・武士の献立

実話がらみが、「The Lady〜」 「奇跡のリンゴ」

「終戦のエンペラー」 「42 世界を変えた男」

「キャプテン・フィリップス」 と5本もある。

毎度のことながら、実話はパワフルだ。

「武士の献立」 も実在の人物がモデルだけど、

ストーリーはたぶんほとんど創作だろう。

あと、ドキュメンタリーでは、(これ1本しか観てないけど)

「シュガーマン」。

なんと言っても、3回観に行ったからね。

(2回は途中で寝てしまったため)

残念だった作品は、アニメ 「風立ちぬ」 「かぐや姫の物語」 と

「君と歩く世界」 「ザ・マスター」あたりだな。


今年もたくさん観るぞ!




2013年のベスト・ライヴ

昨年は、47本のライヴを鑑賞。

一昨年は、46本で新記録だったので、

記録更新となった。


昨年も、いろいろ素晴らしい音楽を聴いたが、

印象に残っているものは、なんと言っても

5月と6月に2回観た初来日の 「Guillermo Rizzotto」。

これは、貴重なライブを2回とも最前列で鑑賞という

幸運に恵まれた。

それから、5月と11月にこれまた2回観た

「浜田真理子」。

彼女のライヴも今年が初めてだった。

「Kurt Rosenwinkel」 も

「THE DUO (鬼怒無月&鈴木大介)」も2回。

「沖 仁」、「habanero」 は3回も観に行った。

そのライヴが、DVD&CD としてリリースされた、

「Char」 の4月14日の野音。

ぶっ飛びだった、「Victor Wooten」、「Tommy Emmanuel」。

何をすんねんトリオの

「渡辺香津美×Jeff Berlin×Virgil Donati」

毎度お楽しみの 「Marcus Miller」「David T Walker」

「Mike Stern」「Lee Ritenour」。

そして、「山岸潤史 芸歴40周年&還暦記念ライブ」 や

「古田たかし ドラム生活40年祭」 も楽しかったなあ。

「Buena Vista Social Club featuring Omara Portuondo」 も

「Raul Midon & Richard Bona」 も素晴らしかったなぁ。

ほんで、締めくくりが 「上原ひろみThe Trio Project」 と。

いやぁ、こうやって並べてみると、

スゴク贅沢に音楽を楽しませてもらってるな。

ほんまにありがたいこっちゃ。


今年は、これまた大物ラッシュで、

すでにチケットを入手しているのが、

エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、

テデスキ・トラックス・バンド。

それにローリング・ストーンズも

ボブ・ディランも来日する。

それにしても、チケット高いなぁ。

ボブ・ディランは、スタンディング (立ち見) で

13,000円。

会場は、Zepp Diver City で、立ち見やで。

ボブ・ディラン観に行く人って、たいがいの年齢やろから、

会場選べっちゅうねん。

ストーンズは、ドームで S席 18,000円 / GC席 80,000円!

思い切って先行予約 (S席) を申し込んだら、

外れたよ〜。


実はボブ・ディランやストーンズは、そんなに

聴いてきていないし、特別な思い入れもないねんけど、

こうなってくると、もう自分が先か、奴らが先か

分からんけど、最後の機会のような気がして、

やっぱり、音楽をかじってきた人間として、

20世紀のレジェンド達を 体験しておかなあかんよな

気がすんのよね。

昨年のポール・マッカートニーを観に行った人の

話を直接聞いて、めちゃくちゃ後悔したのでね。

ポールは、行くべきでした。(反省)






2014.1.3

利休にたずねよ

今年の映画1本目は、市川海老蔵主演の

「利休にたずねよ」。

私は、千利休のことを名前ぐらいしか知らない。

教科書に出てくるぐらいだから、

偉大な人だったんだろう、という程度の知識。

そんな日本史オンチの私だから、

本作のどの辺が史実に基づいていて、

どの辺が創作なのか分からないのだけれど、

映画の感想は、あんまり面白くなかった。

海老蔵演じる利休の所作は 美しいのかもしれないけど、

背筋がピンと伸びてることぐらいしか感じられず、

これは私の観る目の問題でしょうけど残念。

それから、利休が命懸けで女と走って逃げるシーンが

あるのだけど、浜辺の小屋に入ったら、

お茶の道具を出すのね。

そんなん、持ってなかったやんって、

突っ込みたくなった。

(あの小屋に置いてあったのかな?

いや、そんなことないやろ)

これが、面白い映画だとそんなこと

気にならなかったり、許容できたりすんねんけどな。

つまりは、利休に感情移入できず、

利休に嫉妬する秀吉にも共感できず、

よう分からんということでした。


秀吉は、大森南朋が演じていたのだけど、

先日観た 「清須会議」 の秀吉 (大泉洋) と

あまりにも違いすぎる。

まああっちは、コメディやけどね。

本作では、イヤな奴として描かれている。

ほんまの秀吉ってどんな人やったんやろな。


最後のシーンの利休の妻・宗恩 (中谷美紀) の

横顔は美しいと思った。


★★★▲☆







2014.1.4

大瀧詠一 死去

年末年始ほとんどニュースを観なかったので

さっきまで知らなかった。

12月30日に 大瀧詠一 が亡くなっていた。

65歳。

自宅でリンゴを食べていて倒れたらしい。

死因は、解離性動脈瘤というやつで、突然死だ。

若すぎるなぁ。

大瀧詠一といえば、私たちの世代では、

1981年にリリースされたアルバム、

『A LONG VACATION』 と、

翌年のナイアガラ・トライアングル

(大滝詠一、佐野元春、杉真理) の 『A面で恋をして』。

もうちょっと上の方々なら、はっぴいえんど だろう。


『A LONG VACATION』 は、

ジャパニーズ・ポップスの傑作の1枚だと思う。

他にも 『夢で逢えたら』 (吉田美奈子)、

『冬のリヴィエラ』 (森進一)、『風立ちぬ』 (松田聖子)、

『さらばシベリア鉄道』 (太田裕美)、

『熱き心に』 (小林旭) など、記憶に残る名曲が多い。


合掌。







2014.1.5

新春国立名人会

初めて 国立演芸場 に行ってきた。

国立演芸場は、半蔵門にある国立劇場に

併設されている客席300席の演芸場だ。

今日は、新春国立名人会。

これは 2日から7日まで開催されていて、

毎日入れ替えで9組の芸が観られるというもの。

今日の出演・演目は下記のとおり。

桂文治 (落語)「松山鏡」
やなぎ南玉 (曲独楽)
三笑亭夢之助 (落語)「弥次郎」
コントD51 (コント)
春風亭小柳枝 (落語)「時そば」
ー 仲入り ー
東京太・ゆめ子 (漫才)
雷門助六 (落語)「相撲風景」 、(かっぽれ)
松乃家扇鶴 (音曲)
桂歌丸 (落語)「紙入れ」


目当ては、トリの歌丸。

演目の 「紙入れ」とは、財布のことで、

世話になっている旦那のおかみさんと

出来てしまい、そのことが旦那に

バレそうになるというおはなし。

この噺は、先日、DVD で談志で聴き、

歌丸のものも CD で聴いていたけど、

やはりナマが一番だな。

今日、落語家は5人出たけど、

歌丸が一番聴きやすかったし、上手いと思った。

さすがは、落語芸術協会会長。

春風亭小柳枝は、初めて聴いたが、また聴きたいと思った。

歌丸と同じく、77歳なので、大ベテランだ。

テレビで顔を見る落語家しか知らないが、

素晴らしい落語家は他にもたくさんいるのだろうな。

もっと、観に行こう。



仲入り時の緞帳







2014.1.6

鑑定士と顔のない依頼人

ジュゼッペ・トルナトーレ監督というと、

『ニュー・シネマ・パラダイス』 が代表作となっているが、

私は 『ニュー・シネマ・パラダイス』 を

期待しすぎて観たせいか、それほど感動しなかった覚えがある。

それより、『明日を夢見て』 の方が、

切なくて印象に残っている。

『ニュー・シネマ〜』 も 『明日を夢見て』 も

ビデオをレンタルしての鑑賞だったので、

劇場で観たかったなと思う。

そのあとの 『海の上のピアニスト』 『マレーナ』 は、

劇場で鑑賞したが、その次の2本、

『題名のない子守唄』 と 『シチリア!シチリア!』 は、

なぜだか 観ていない。

そのトルナトーレ監督の 『鑑定士と顔のない依頼人』 を

昨日 観てきた。

ミステリーと宣伝されていたが、

ミステリーというより 人間ドラマっぽい。

ジェフリー・ラッシュ演じる ヴァージル・オールドマンは、

一流のオークショニア (競売人)。

その彼のもとへ、クレアという女性から、亡くなった両親が

残した遺品の鑑定をして欲しいという依頼が入る。

しかし、当の依頼人クレア本人が中々姿を現さない。

クレアは、奇妙な病気で人とは会えないという。

壁越しに会話を始めたヴァージルは、どうしても

クレアの姿を見たいと思うようになる・・・。


そんなストーリー。

ミステリーというぐらいだから、謎解きというか、

仕掛けがあり、ネタバレになるので

あんまり詳しく書けないけど、

最後にオチがあるというので、あれこれ推測しながら

観ていたのだが、その推測はことごとく外れ、

思いもよらぬ結末だった。

ちょっとあまりにも悲しい結末。

あぁ、こんなこと書いたら、これから観る人に

要らぬ先入観を与えてしまうことになるけど。


主演のジェフリー・ラッシュがいい。

この人、『シャイン』 が印象的だったけど、

最近では、『英国王のスピーチ』 で、

国王の吃音を治す先生の役をしていた人。

たぶん、イタリアが舞台なんだろうけど、

英語で演っているので、イタリア感はない。

原題は、『La migliore offerta』、

「ベスト・オファー」 という意味らしい。

そう言われると、映画に深みが増す感じがする。

邦題は、イマイチだ。

依頼人には、ちゃんと顔があるもん。


結末を知ってから、もう一度観ると、

違うふうに楽しめそうな作品。

それを狙ってか、

リピーターは1000円という割引サービス付きだ。


★★★★☆







2014.1.7

たかじん逝く

最近、訃報が続いているが、今、テレビのニュースが

やしきたかじんの死去を伝えた。

1月3日のことらしい。

昨年、食道癌から一度は復帰したものの、

再び体調を壊し、療養していたらしい。

先日の大滝詠一は65歳やったけど、

たかじんは64歳。

ちょっと若いよなぁ。

東京に来てからは、あんまり (テレビで) 観ることが

なかったけど、大阪にいた頃は、特に深夜の番組で

よう観たもんや。

おもろい しゃべりで、

私の中では、歌手というより、

限りなく 芸人に近かかった人。

合掌。







2014.1.8

捨てられたギター

年末のこと。

おそらく大掃除で捨てる決意をしたのだろう、

古いフォークギターが、粗大ゴミとして

捨てられているのを 近所で発見した。

ネックが折れていたり、ボディが割れていたりしたら、

しょうがないと思ったが、見たところ、

致命的な傷はない。

う〜ん、このままゴミとして捨てられのは、

ギタリストとしては、忍びない。

とりあえず持って帰って、どうするか考えよう、

と持ち帰った。

かなり汚れていたので、3時間ぐらいかけて、

クリーニング。

弦を張り替えてみると、中々、ええ音やないか。

夜遅くしか音を出していないので、

爪弾く程度で、まだ思いっきり鳴らしていないけど、

もうちょっと調整すれば、

結構イケルかもしれない感じ。


そういえば、昔、ゴンチチの (たぶん) チチさんの

インタビューで読んだことがある。

あの人は、何本もギターを拾っていて、

その中には、ステージで使ったものまであるという

話だった。(たぶん)

その記事を読んで、私もギターを拾わないかなと

思っていたが、51歳にして初めて捨てられた

ギターに呼ばれた。

そいつは、ヤマハのFG-130。

調べてみると、1972年 から 1974年まで

製作されていたもので、日本製。

ヤマハなのに日本製と書く事を

不思議に思われる方もいるかもしれないが、

現在のヤマハのギターは、高級なものを除き、

台湾やインドネシア製なのだ。

40年前のメイド・イン・ジャパンは、

立派なヴィンテージだ。

と言っても、元々がさほど高いものではないので、

中古価格も数万円程度だけど。



ボディは、ヤマハでは 「フォークボディ」 と呼ばれる、

マーティンの 000 タイプに近い、ややこぶりなタイプ。

傷は、いっぱい付いているけど、それも

ヴィンテージの 味というか貫禄だ。

以前持っていた、同時代 (1972〜74年製) の

FG-280 も、結構良くて気に入っていた。

この時代のヤマハは、本当に良いんだろうな。







2014.1.9

Eric Clapton

この2月には、初来日から数えて

20回目の来日をする、エリック・クラプトン。

通算で、206公演170万人動員したことになるらしい。

スティーヴ・ウィンウッドと来日した 2011年は

8都市 13公演だったが、今回は 4都市 7公演と

半分近くに減っている。

クラプトンも もうすぐ69歳。

さすがにハードなツアーは、きつくなってきたのだろう。

今回 私は、2月21日 (武道館の3日目) の

チケットを入手した。

これが、12回目 (もしかしたら13回目) の

エリックのコンサート鑑賞となる。


ところで、昨年リリースされた最新アルバム、

『Old Sock』 は、中々良かったと書いたが、

そういうニューアルバム以外にも、

次々と ファン泣かせの CD が発売されている。

昨年は、『スローハンド 35th アニヴァーサリー

スーパー・デラックス・エディション』 という

15,000円 (購入価格12,045円) の

アルバムセットを買ってしまったが、

先日は、’74年’75年の作品をまとめた、

『Give Me Strength: The '74/'75 Recordings』

なるものが発売された。

これは、クラプトンの中でも私が大好きなアルバム、

『461 Ocean Boulevard』 の時代の録音を集めたもの。

輸入盤で購入したので、6,188円だったが、

今日見ると、8,414円になっていた。

(Amazon は、しょっちゅう価格が変動する。)

良い日に注文したようだ。

ちなみに日本版の定価は、15,750円。


ジェフ・ベックも昨年、BBA の

『ライヴ・イン・ジャパン - 40周年記念盤』 が、

発売され、迷った挙句、結局買ってしまった。

普通なら、聴けなかった音源が発表されたり、

リマスターで音が良くなったりすることは、

大いに歓迎だが、おじさんのお小遣いは、

若い頃以上に音楽に消えていくのであった。


【クラプトン 公演予定】

日本武道館(東京)
2014年2月18日(火)・20日(木)・21日(金)・28日(金)
18:00開場 19:00開演

横浜アリーナ(横浜)
2014年2月23日(日)
16:00開場 17:00開演

愛知県体育館(名古屋)
2014年2月25日(火)
18:00開場 19:00開演

大阪城ホール(大阪)
2014年2月26日(水)
18:00開場 19:00開演







2014.1.10

母の身終い

死の直前の年老いた母と息子の物語、

そんな程度の予備知識で鑑賞した映画 『母の身終い』。

シネスイッチ銀座での最終日、最終回を観てきた。

フランス映画。

主演の ヴァンサン・ランドン は、

観たことがあると思ったら、以前観た

『君を想って海をゆく』 に出ていた人だった。

母親の死と直面する、上手くいっていなかった

母と息子の物語と 勝手に想像していたら、

思っていたのとは、ちょっと違った。

ひと言で言うと、母の死に立ち会う、

息子とその母の話と言えなくもないが、

その逝き方がちょっと予想外。

ネタバレになるが、末期ガンの母は、

苦しんだ末に死ぬことよりも、自らの選択で

死を選ぶ。

映画では、「尊厳死協会」 として登場するが、

つまりは、自殺をさせる施設が登場する。

実際の話なのかどうかはわからないが、

フランスでは、認められていないその最期の死に方が、

スイスでは、法的に認められているという設定。

私は (日本の) 「尊厳死協会」 は、延命治療を拒否し、

人間らしい死に方をするためのものと思っていたので、

まずそこでビックリ。

で、国民性による死生観の違いだろうか、

映画の描き方の違いだろうか、

そのへんに違和感を感じてしまった。


最期の、おかんが死にゆくシーンでは、

さすがに涙を止められなかったものの、

そんなに簡単に母を死なせていいのか、

もっと、お互い色んな (死への) 抵抗が

あるんやないかとか、思ってしまった。


日本の文化・背景でリメイクして欲しい。

その通り作れなくても。

おかん役は、八千草薫、息子役は、役所広司 あたりで。


★★★▲☆







2014.1.11

ポジティヴ・リベンジ

今日は、妻が仕事でお世話になっている会社の

新春イベントに行ってきた。

@ヒルトンホテル (新宿)。

1部は、吉田潤喜氏の講演会、

2部は、懇親パーティ&太田美知彦氏ミニコンサート。


この吉田さんの講演が面白かった。

吉田さんは、1969年に渡米し 空手教室を開くも、

経営不振に陥った。

空手の生徒からクリスマスプレゼントをもらったが、

お返しを買うお金がない。

困った彼は、実家の焼肉屋で作っていた、

タレをヒントにバーベキューソースを作り、配る。

そのソースの評判が良かったので、売り出し、

今では、年商200億のグループ企業の会長兼 CEO だ。

と言っても、それまでの道のりは、

順風満帆とは言い難く、

4回、倒産の危機にに見舞われ、

拳銃を自分の頭に向けたこともあったという。


関西弁 (京都出身) で話される、その講演は、

冗談を交えながら 漫談のように面白かったが、

その自らの体験から出てくる、商売・人生の

成功のコツは、大変興味深かった。


中でも印象に残ったエピソードは、

子供が生後5日目に病気になったときのこと。

病院に連れて行ったら、5日間付ききっりで

治療をしてくれたが、請求は250ドルだったという。

アメリカは、健康保険が整備されておらず、

そんなに安いはずはない。

「なんでこんなに安いんだ?」 と訊くと

アメリカの病院は、寄付で成り立っているのだという。

だから心配しないでいい、と病院に言われたらしい。

その時、何が何でもお返しをしようと、

誓ったという。

お返しをするには、金を儲けなければならない。

ヨシダグループの成功の元は、

この 「お返し精神」 だった。

そして、大切なのは、「金儲け」 ではなく、

「人儲け」 だという。


失敗したり馬鹿にされたりして、

「くっそー!見返してやる!」 という反動パワーが

成功へのモチベーションになるという話は

聞いたことがあるが、彼の場合は、

相手をやっつける 「見返し」 ではなく、

相手に感謝を込め 「お返し」 するというものだった。

そのことを 「ポジティヴ・リベンジ」 と呼んでいた。

そして、それを実現するか否かは、

パッションの強さ。

パッションが強ければ、必ず戦略が出てくる。

自分の夢を100%信じていないのなら、

それはないのも同然。

100%でなければ、98%だろうと99%だろうと、

それは、0%だというのだ。

100%、自分を信じること、

これはパッションに他ならない。


私は、ヨシダ・ソースのことも知らなかったが、

2005年には、Newsweek 誌(日本版) で、

「世界で最も尊敬される日本人100」に選ばれたほどの人だった。

刺激的でした。





ヨシダソース オフィシャルサイト







2014.1.13

新春初笑い!!
桂歌丸・春風亭昇太 二人会


最近、落語に はまっている私。

またまた、聴きに行ってきた。

@ 練馬文化センター大ホール。

今回は、歌丸と昇太の二人会。

他にも若手の落語家1名と皿回したり傘の上で

色んなもの回したりする曲芸師が1名出演したが、

名前失念 (ネットの公演情報にも出ていない)。

順番は、歌丸が後だと思っていたら、

昇太が最後だった。

正月は、高座が多いらしく、

歌丸は、終わってすぐに他の演芸場へ

向かったらしい。

さて、今日の演目は、

歌丸が 「竹の水仙」。

昨年7月にも観たし、CD でも聴いているが、

非常に完成度の高い、一席だ。

昨年7月とオチが違ったのも興味深い。

昇太は、「二番煎じ」。

実は昨日、レンタルした DVD で 春風亭小柳枝の

「二番煎じ」 を観たところだったのだが、

全く違う芸風のため、その違いも楽しめた。

昇太の落語は、元気があって良い。

マクラも、面白かった。







2014.1.13

ジャッジ!

妻夫木聡主演の映画 『ジャッジ!』 を観てきた。

監督は、CMプランナー、ディレクターの永井聡。

脚本は、ソフトバンクのCM 「ホワイト家族」 を

手がけている 澤本嘉光。

面白いと評判だったので、期待して笑いに行った。

抱腹絶倒とまでは、いかないが、

十分 笑わせてもろた。

こういう笑いは、好きやな。

三谷幸喜とは、ちょっと違う笑い。

もっと自然というか、日常にありそうな笑い。

ストーリーは荒唐無稽だが、

コメディなので そんなこと気にならない。

共演は、北川景子、豊川悦司、リリー・フランキー、

鈴木京香、荒川良々。

ちょい役で、風間杜夫、加瀬亮、竹中直人、玉山鉄二、

松本伊代、木村祐一、新井浩文、でんでん 等 豪華。

妻夫木聡は、落ちこぼれの広告マン、という役なのだが、

どうもルックスが良すぎて、落ちこぼれに

見えないのが難点やな。

その妻夫木の、胡散臭い上司役の豊川悦司。

これは、ええね。

思っきり、胡散臭い。

あと、窓際に追いやられている、リリーフランキーも、

ブラジル人役の荒川良々もグッド。

ほんで、笑いだけでなく、

ちょっとグッとくるシーンもあって、

最後は、ハッピーエンドです。

始めはキツく見える 北川景子 が、

最後には可愛く見えるのも良い。


★★★★▲







2014.1.17

トリック劇場版 ラストステージ

『トリック』 の劇場版を 劇場で観るのは

本作が初めて。

過去の作品は、テレビで観たことがあるものの

それとて、最初から最後までちゃんと

観たかどうか自信がない。

なんとなく、面白いだろう という印象で

観に行ったのだが、「ラスト」 とされる

本作は、私にはイマイチだった。

『トリック』 ファンには好評のようだが、

私のように、そうではない人にとっては、

バカバカしいも 度が過ぎると くだらない、

ということか。

バカバカしいは、バカバカしい程度で

収めてこそ、笑えるのかも。

ラストということだが、

仮に次回作があっても劇場では観ないな。


★★★☆☆




大脱出

シルヴェスター・スタローンと

アーノルド・シュワルツェネッガー 出演の

脱獄映画。

最近は観なくなったこの手の映画を

久しぶりに鑑賞。

予備知識なしに観たが、

最後の小さなどんでん返しなど、

それなりに面白かった。

でも、2人と いい年なのに もよくやるよね。

アクション俳優だから、一生アクションなのかも

しれないけど、そろそろ、違うタイプの

作品も観てみたい感じ。

荒唐無稽なのはいいが、

引いてみると、人、殺しすぎ、


★★★★☆







2014.1.21

"JIM HALL Tribute"
featuring RON CARTER with
LARRY CORYELL & PETER BERNSTEIN


一昨日、"JIM HALL Tribute" という

ライヴを観てきた。

ブルーノート東京では、

この1月19日・20日の2日間、

ジム・ホール と ロン・カーター (b) の

デュオ・ライヴが予定されていた。

しかし、12月20日にジムが、

83歳で永眠したため、"JIM HALL Tribute" と

銘打ち、下記のメンバーでのライヴとなったのだ。

Ron Carter (ロン・カーター)(b)
Larry Coryell (ラリー・コリエル)(g)
Peter Bernstein (ピーター・バーンスタイン)(g)

それほど、ジム・ホールのファンでもなかった私にも

今回のライヴは、正にトリビュートという感じ。

2〜3度ウルウルしたね。

きっと、ジムも喜んでいることでしょう。



ブルーノートのカウンターに飾られたジムの写真


ラリー・コリエルも、ピーター・バーンスタインも、

ナマで観るのは初めてでした。





----- 追記 (2014.5.30) -----

Blue Note のライヴ・レポート・サイトにセットリストが
発表されていたので、ここにも記載しておく。

2014.1.19 SUN. 1st Set List

1. Alone Together
2. How Deep Is The Ocean?
3. Don't Blame Me
4. I'm Getting Sentimental Over You
5. Love Is Here To Stay
6. Receipt, Please
7. St. Thomas
8. Bag's Groove
9. There Will Never Be Another You







2014.1.21

また 訃報

佐久間正英が亡くなった。

四人囃子、プラスチックスの元メンバー (b) で、

プロデューサーとしては、

BOOWY、GLAY、JUDY AND MARY、

L'Arc〜en〜Ciel、JUN SKY WALKER(S)

ザ・ブルーハーツなどを手がけた、

日本のロック・ポップスの中心にいた人物だ。

ニュースによると、

「昨年4月にスキルス胃がんと診断され、

7月に脳腫瘍が見つかり、8月には肝臓、ひ臓にがんが転移。

治療を続けながら不屈の精神で音楽活動に励んでいた」 という。

享年 61歳。

大瀧詠一、やしきたかじん、佐久間正英と

まだまだやれる60代の訃報が続く。


佐久間正英のブログは、昨年10月27日が

最後で、そこには末期ガンの苦しさと、

生きていることの悦びという相反する2つが

記されており、ブログは、こう終わっている。

 プロデューサーとしての仕事はそろそろ終わりかも知れない。
 ライブを出来る機会はいつになるか、もう無いのか。
 会いたい人たちにも会う時間が来る保証などどこにも無い。
 やりたいこと、やり残したことも山積みになってしまうに違いない。
 
 それでも人生ってまだまだ楽しく面白い。


* * * * *

60代ではないが、女優の淡路恵子 (享年80)、

1974年まで フィリピン・ルバング島で戦い続けた、

元日本兵小野田寛郎 (享年91歳)、

船井総合研究所創業者・船井幸雄 (享年81) も

亡くなった。

(敬称略)







2014.1.22

小沼ようすけ & 井上銘 Guitar Duo

六本木アルフィーで、ギターデュオを観てきた。

小沼ようすけと井上銘。

若手二人と言いたいところだが、

小沼は、今年もう40歳だ。(ビックリ!)

井上は、ここでは何度も紹介してきたが、

1991年生まれの22歳。

高校3年生で鈴木勲のグループに参加。

2011年、20歳でメジャー・デビューし、

今は日本とアメリカを行ったり来たりしている。

最近2枚目のCDが発売された。

アメリカでの暮らしが彼をたくましくしたのだろう、

ジャケットの写真からは、精悍さが伝わってくる。

井上の生演奏は、2012年7月以来なので、

楽しみにしていた。

ギターは、小沼がフルアコ (たぶんエイブ・リベラ

じゃないかと思うのだが自信ない) とテイラーの

エレガット。

井上は、ディアンジェリコのセミアコ。


まず1曲目に 「Sandu」。

始まってすぐ、ゾクゾクってきたよ。

ああ、ギター好きには至福の時間。

ギター名手2人による、ギターだけの演奏。


小沼をライヴで見るのは、今回で (たぶん)

5回目やねんけど、今日が一番良かったな。

2011年のギター・マガジン・フェスティバルに

おける、渡辺香津美とのデュオより良かった。

小沼は、デビューから数年して、

ピックで弾いていたのを止めて、

指弾きに転向したのだが、私はどうも

ピック時代の方が好きだったのだが、

今日は認識を改めた。

指で良い。(えらそうですが)

そして、今まであんまり良いと思わなかった、

テイラーのエレガットも今日はOKだった。

それは、ギターデュオというフォーマットだった

ことと、ピックアップの音だけではなく、

マイクを立てていたせいも あるかもしれない。


井上は、CDのジャケ写は精悍なんだけど、

実物はやはりまだ22歳 (5月で23歳)、

ギターを弾いている姿は、どことなくあどけなさの残る

青年だった。

演奏の方は、さすがの本場仕込みで素晴らしかった。

ほとんど、指板を見ずに弾いてたね。

あえて苦言を呈するなら、伴奏に回ったとき、

2〜3曲 ちょっと出すぎに感じたのが残念。

小沼が、繊細な弾き方をするので、

そうなってしまうのかも知れないが、

次回に期待。


お客さんは、6割女性で満席。

なぜか おばちゃん度が高かった。


ところで、井上のご両親も来ておられた。

自分の息子が、あんな風になって行くのって、

どんな感じなんだろうか。

2〜3年前まで、言ってみればお金払って

観ていたミュージシャンと 息子が目の前で、

共演しているのだ。

そして、これからもっとビッグな人と共演を

果たすだろう。

日本人にとどまらず、世界のね。

普通はそんなこと、思ったことないのだけど、

たまたまお父上と知り合いで、同年代なもので

演奏中、ご両親の背中を見ながら、

ふとそんなことも考えた。

今度、訊いてみよう。

あさっては、井上の2ndアルバム発売記念ライヴだ!


― Set List ―

(1st)
1.Sandu
2.You Are The Sunshine of My Life
3.Affirmation
4.Old Folks
5.Donna Lee

(2nd)
1.Darn That Dream (井上ソロ)
2.Flyway (小沼ソロ)
3.Feel Like Makin' Love
4.James
5.(バラード・聴いたことあるけど曲目不明)
6.Oleo
7.(Encore)Someday My Plince Will Come







2014.1.23

瞬間 外人

昨日観に行ったライヴは、

六本木のアルフィーというお店で あったのだが、

アルフィーはビルの5階にある。

帰りに、たまたまエレベーターで外人と2人きりになった。

背の高い、30代ぐらいのアメリカ人っぽい白人男性だ。

エレベーターに乗り込む時に、目が合ったので、

なぜか 話しかけてしまった。

もちろん、英語で。

声を出してから、

(しまった!ペラペラ喋られたら、まずい) と

思ったが、エレベーターが1階に着くまでの

短い間だったので、ややこしいこと (?) にならずに済んだ。

会話はこんな感じ。

多少、適当な訳が入っているのは、勘弁願いたい。


私 「ヘイ、今日のライヴ、楽しんだかい?」

彼 「オォ、オモロカッタワ〜」

私 「彼らのこと知ってるのかい?」

彼 「イヤ〜、シリマヘンネン」

私 「初めて?」

彼 「ソウ、ナンカ エエッテ キイテ、ミニキテン。
   アイツラ、ゴッツイワァ〜、エエモンミタワァ」

私 「そうだね」

(エレベーターガ1階に着いた)

彼 「オオキニ、ホナ サイナラ〜」


足早に立ち去る彼の後ろ姿を見ながら、

不思議な感じがした。

相手が日本人だったら、絶対に話しかけないのに

どうして、相手が外人だと自分も外人みたいな

行動に出てしまうんやろ?

おもろいなぁ。

そして、たぶんエレベーター内に他の人 (日本人) が

いたら、声をかけてないだろうな。


で、最後の彼の言葉を 「オオキニ、ホナ サイナラ〜」 と

訳したけど、実際は、

「Thnak you.Good evening」 だった。

「Good Eveninng」 は、「こんばんは」 と習ったけど、

別れ際にも言うねんな。

「Have a good evening」 の略かもな。

やはり、最強の英語教材は ネイティヴと話すことですな。


10年ほど前に働いていた会社の社長が

もともとは日本人だけど、アメリカ国籍の人だった。

彼女は、私に英語を話せるようになって欲しかったのか、

他の意図があったのか分からないが、ある日、

道端で地図を見ている、外国人観光客 (らしき2〜3人) に

話しかけるよう、私に指示した。

私は内心 (イヤやなぁ) と思いながらも、

社長命令なので、イヤとも言えず、

まぁ、困ったらその社長が助けてくれるやろうと、

「May I Help You?」 と声をかけた。

彼らは、私を見、怪訝そうに 「No」 と答えた。

怪しいもんね、風体が。

その社長は、フランスやメキシコから来た

友人の観光案内役も、ろくに英語が話せない

私にさせた。

昨日の一件は、そんな訓練 (?) の賜物かもね。







2014.1.24

愛のむきだし

園子温 監督の2008年の作品、

『愛のむきだし』 を目黒シネマで、

「名作チョイス」 と称して上映していたので、

昨日、観てきた。

本作、237分、約4時間という長編映画だ。

(途中で おしっこしたなったらどうしょう) と

思っていたが、2時間あたりで10分間の

休憩がありました。

それやったら、「途中休憩あり」 と

書いといてくれたらええのに。

園子温 監督というと、昨年11月初めての

その監督作品 『地獄でなぜ悪い』 を観た。

その作品のことを考えれば分かりそうなものだが、

私はなぜか この 『愛のむきだし』 の

短い紹介文を読んで、シリアスなドラマだと

思ってしまった。

イヤ、シリアスではないとは言わないが、

なんというか、シリアスとギャグと

コメディとナンセンスとラヴ・ストーリーが

ごちゃ混ぜになった作品だった。

4時間は、長く感じなかった。

ということは、そこそこ面白かったという

ことになるのだが、冒頭に

「実話をもとにしています」 というテロップが

出る。

でも、見終わっての感想は、

(これが実話? まさか全部じゃないでしょ) と

いうものだ。

なんでも、監督の友人の話を基にしたという

ことだが、全部が実話だとは信じがたい。

「ありえない」 と言ってしまうのは、

危険だが、シュールすぎる。

ま、あるシーンでは、

十分ウルウルさせられんだけどね。


主演は、西島隆弘と満島ひかり。

西島は、知らなかったけどシンガーらしい。

坂井真紀主演の 『スープオペラ』 に

出ていたようだが、印象がない。

満島のことは、私は 『悪人』 で認識したのだが、

本作は 『悪人』 の前年の作品。

で、この2人、西島と満島が良い。

ほかの出演者は、渡部篤郎、渡辺真起子、安藤サクラ ら。

監督に言わすと、ラヴ・ストーリーなのだそうだが、

強烈な描き方なので、好き嫌いは分かれるだろうな。

私としては、4時間は長くなかったけど、

また観たいかと問われると、ノーやなぁ。

愛について、描かれているのは分かるが、

愛とエゴの違いが分からなくなる。


★★★★☆







2014.1.24

井上銘 2ndアルバム発売記念ライヴ

一昨日、小沼ようすけとのギターデュオを観てきた、

井上銘の 「2ndアルバム発売記念ライヴ」 に

行ってきた。

今回の会場は、ジャズクラブではなく、

代々木公園近くのハクジュホール。

普段は、クラシックのコンサートが

行われる、天井の高いホールだ。

メンバーは、2011年、2012年に観たライヴと同じ。

井上 銘 (g)
泉川貴広 (key)
若井俊也 (b)
柵木雄斗 (ds)。

ホールなので、普段のようにお酒を飲みながら

聴くのではないのだ。

2部制で途中20分の休憩が入った。


1部は、ギターの音がやや小さく、

曲が盛り上がりバックの音が大きくなると、

ギターがよく聴こえないという状態に

少々不満があったが、2部はそのことも

改善された。

(むしろ ちょっとギター大きない? と

いう場面も。)

そのせいか、演奏も2部の方が良かったように

感じた。

演奏曲は、全曲1枚目2枚目の CD から。

CD とは、少しアレンジを変えていたりする面も

楽しめた。

特に印象的だったのは、本編最後の

『My Favorite Things』。

キレキレでした。

そして今回は、ドラムスが印象的だった。

なんというか、エモーショナルでワイルド。

叩く姿が野性的。

特に顔の表情がスゴかった。

お客さんはやはり (?) おばちゃんが多いように感じた。

今度は、ジャズクラブで観たい。


― Set List ―

(1st)
1.Hawk's Eyes
2.Song Bird
3.迷路
4.奄美
5.Hope

(2nd)
1.Travelers
2.Ganeze
3.Waiting For Sunrise
4.What A Wonderful World
5.My Favorite Things
6.[Encore] Alfie (gt. solo)



ギターは、ディアンジェリコとゴダン。







2014.1.25

リンゴの木を

年末からミュージシャンの訃報が続いたが、

この10日ほどの間に、

直接知っている2人の訃報もあった。

一人は、大阪時代の友人。

最後に会ったのは、10年ぐらい前、

彼女が何かの用で東京に来たとき、

新宿でお茶を飲んだ。

11月に癌が見つかったというから、

あっという間に逝ってしまったということか。

確か私より1歳若かった。


それから、もう一人。

4年ほど前に一度だけ共演したシンガー。

たぶん40代だと思う。

彼女とは、そのライヴ当日が初対面で、最後。

まさに 一期一会。

そのライヴを観に来ていた妹さんが、

彼女の他界をメールで知らせてくれた。

不思議なことに数日前、電車に乗っていて、

ふと彼女のことを思い出し、

(今も音楽活動をしているのかな?

機会があったら、また一緒に演りたいな) と

思ったところだった。

彼女とは、一度しか会っていないし、

道ですれ違っても分からないだろうし、

普段、考えることもない。

そんな思い出すことのない人のことを

思い出したら、亡くなったという知らせが入る。

こういう話は、たまに聞くが、

実際に体験すると神秘的だ。


人間は生まれた時に、死ぬことが決定している。

あとは、それが 「いつ」 「どういう風に」 と

いうことだけだ。

私たちは、明日も明後日も1年後も

自分は生きていると、勝手に無意識に思い込んでいる。

しかし、全ての人にとって、

明日の朝を迎えられる保証は ”0%” だ。

こう書いている私自身、

その 「いつも死にかけている」 感は、希薄だ。

年齢とともに、これからもっと死が身近なものに

なってくるのだろうが、できればもっと死に身近で

ありたい。

というのも、人生が有限であることが、

切実になればなるほど、

毎日を大切に生きられるような気がするから。

もっと自分の人生が愛おしくなるような気がするから。

今だって、そうではないわけではないが、

先日亡くなった、佐久間正英氏の生前のブログ

読んでそんな風に思った。

余命を告げられると、どんな風に動揺するのかなんて、

想像もつかないが、佐久間氏はこのように書いている。


当初の2週間近くは、さすがに落ち込みもしたし、
無駄なほどにあれこれ考えもした。
寝ても覚めても癌のこと、治療のこと、家族含め
接する人達のこと、今後の身辺整理等に頭を煩わせた。
でもある日、それが無駄な時間の過ごし方であることに気づいた。
同じ時間を過ごすなら少しでも楽しく有意義な時を送ろうと
気持ちを切り替えるのにさほど時間はかからなかった。

自分の中の癌と戦うことはすでに無意味に思えた。
憎き癌細胞も自分の一部に過ぎない。
自分で自分の肉体に戦いを挑む様なナンセンスなことに
思えたのかも知れない。

いつ死ぬかはわからない、
でも確実にその死は一歩一歩近づいて来る …と思うと、
実はそれは誰にでも当てはまる当たり前のことでしかない。
自分の余命はそういう意味ではみんなとあまり変わりはない。
そんな風にも考えた。

癌などと言う厄介な病気になってしまったが、
冷静に思えば突発的病気や事故等に会うよりは、
人生を振り返ったり改めて考えたり、
大切な人たちの事を思ってみたり、
身辺整理の時間を持てたり、感謝の心を育てられたり。
案外悪くはないのかもしれない。

そんな状況のくせに、やりたいこと、
やらなければならないことは次々と新たに生まれて来る。
終息に向かう生と新たな希望の誕生との不思議なバランスだった。
そんな日常がさらに末期癌というリアリティを失わせた。


佐久間氏のこの平静さと、受け入れる速さは、

きっと彼の普段からの ものの考え方の結果だろう。

癌の告知を受ける数か月前、マヤの予言の終末の日

(2012年12月22日) に臨み、その前日に

こんな風に書いている。


さて。
明日世界が終わるとしよう。
それでも今日自分が抱えているリスクは変わらない。
マンホールに落ちて死ぬかも知れないし車に轢かれるかも知れない。
心臓発作を起こすかも知れない。
あるいは運良く今日を生き延びて明日世界が終わったとして、
何を恐れることがあるのだろう。
生物の命は有限だ。
生命に限らず地球でさえも。
その有限が一斉にある瞬間に訪れることでしかない。



そうだ。

今日死ぬかもしれないリスクは、明日世界が終ろうと、

永遠に世界が続こうと関係ない。

私たちは、生まれた瞬間から死ぬまで、

一瞬の例外なく、死と隣り合わせなのだ。


以前、こんな話を何かで読んだ。

ベトナム戦争時、前線でなんとか生き延びた、

米軍兵士が休暇をもらい国に帰った。

休暇中、彼は故郷の町で、車にはねられ死んだ。

あの、ベトナムで生き延びたのに!


そういうわけで。

私もリンゴの木を 植えるとしよう。







2014.1.26

SHINE A LIGHT

『SHINE A LIGHT』 は、2006年に

ニューヨークのビーコン・シアターで行われた

ローリング・ストーンズのコンサートを

マーティン・スコセッシ監督が撮った

ドキュメンタリー映画。

過去のインタビューを交えながら、

進行していくその構成。

2008年公開で、劇場で観たときのエントリーがこれ


1ヶ月後に控えた、人生初のストーンズ・コンサートを

前に予習の意味で この『SHINE A LIGHT』 を

レンタルして観てみた。

余談だが、別に観たくもない映画の予告編が

本編の前に 15か20分ぐらいある。

言ってみれば CM だ。

VHS の時代は早送りしたもんだけど、

DVD では、予告編は飛ばせないしくみになっていて、

強制的に観させられるようだ。

それがイヤなら、借りるんじゃなく、

買えってことか。

さて、劇場で見たのは、もう5年前なので、

細かいことは覚えていない。

ただ、これを観て、ストーンズへの認識を

新たにしたのと、ミックがやたらカッコよかったことは、

覚えている。

(忘れていたけど) コンサートは、

クリントン元大統領の紹介で始まった。

本番前、キースがクリントンのゲストに挨拶するのが

ちょっと面倒そうな場面も映っている。

演奏シーンがメインであるのは間違いないが、

間に挟まれるインタビューも非常に興味深い。

デビューして2年のミックが、

「バンドは何年続きそう?」 と質問されて、

「成功すると思ってなかった。

あと1年ぐらいはいけると思う」 と。

1972年のインタビューでミックは、

「60歳になっても続けてる?」 と訊かれて、

「もちろん」 と答えているが、

当時、ミックはまだ29歳だ。

訊いた側は、そんなこと有り得ないと思っていただろう。

キースが若い頃、「生き残りの秘訣は?」 と

訊かれて、「あんまり分析しないこと」 と応える。

そう、キースが生き残りの方法を練ってたら、

イヤでしょ。

ロニーにインタビュアーが

「(キースと)どちらが (ギター) 上手?」 と訊く。

ロニーはすかさず、「自分だ」 と答える。

同じ質問をキースにすると、

「そんなの関係ない」 と答える。

インタビュアーが、

「ロニーは自分だと言ってましたよ」 と言うと、

キースは 「彼がそう言うならそうだ」 と。

そして、「2人揃うと最強だ」 と。


コンサートは、出演者全員で挨拶したあと、

メンバー4人でもう一度、挨拶をして終わる。

4人は、ロックの歴史を作った男たちだ。


この時、ミックは、64歳目前の63歳。

今年の誕生日 (7月26日) で、71歳なので、

来月のコンサートが、果たしてどれくらいの

パフォーマンスなのか、想像もつかない。

ただただ、4人が元気で揃ってくれることを祈る。

そして、公演中止にならないことも。

(1973年の初来日は、過去の大麻所持を理由に

外務省が入国拒否をし、公演は中止になった。)


ストーンズの結成は、1962年。

私が生まれた年なのだ。







2014.1.29

インフルエンザ?

1週間ぐらい前から風邪をひいていた。

先週の月〜火曜日には、37度強の熱も出たが、

そのあとは、鼻水程度の症状だった。

一昨日の午後から、変な咳が出るようになり、

寝る前には明らかに不調を感じた。

たぶん、夜には熱が上がっていたのだろう。

朝、測ってみると39度あるので、仕事を休んだ。

悪寒もひどい。

目が覚めるたび (たぶん2〜3時間おき)に

熱を測るが、一向に下がらない。

39.4度という時もあった。

普通は、朝 熱があっても一日寝ていれば、

夜には、ある程度下がるものだが、

夜になっても39度を切らない。

悪寒は治まったが、頭痛がひどい。

う〜む。

これは、いよいよインフルエンザかも知れない。

今朝になって、体温は、37.9度。

おお、大分下がった。

私は基本的に発熱ぐらいでは、病院に行かないのだが、

もしインフルエンザだとまずいので、念のため、

近所の病院へ行った。

症状を言うと医者は、

「インフルエンザだと思います」 と言ったが、

検査の結果は、陰性だった。

でも、あの検査は100%ではないらしく、

「もし、熱が下がらないようであれば、もう一度きてください」

と言われた。

薬が効いたのか、夕方には平熱に戻った。

ああ、良かった。

インフルエンザではなかった。

実は、私はインフルエンザにかかったことがない。

子供の頃のことは覚えていなが、たぶん、子供の頃も。

なので、どんなにインフルエンザが流行っていると

聞いても自分がかかるとは、思ったことがなかった。

今回、(おお、いよいよ、初インフルか) と思ったが、

幸い、違いました。


テレビのニュースでも報道されているとおり、

医者の話でも、かなりインフルエンザが流行っているらしい。


ところで、

以前は、年に1度あるかないかだったのに、

この1〜2年、よく熱を出すようになったような気がする。

これは、老化か?







2014.1.31

笑福亭松喬

ほとんど毎日のように落語を聴いている。

多い日には、5〜6席も聴いてしまう。

最近は、音楽を聴いているより落語を聴いている方が多い。

どうしよう。

って、どうもせんでええねんけど。


東西問わず、色んな人の落語を聴き始めると、

同じネタでも演る噺家によって、個性が出るし、

東西で話が微妙に違うのもまた楽しい。

先日レンタルしたDVDに笑福亭松喬 (しょきょう) の

『禁酒関所』 が収められていた。

2003年5月2日、大阪サンケイホールでの収録。

松喬のことは、なんとなく子供の頃、

テレビで見たような気もするが、その程度の記憶で、

顔を見せられても名前も言えなかっただろう。

で、その 『禁酒関所』 が最高だった。

もう名人だと思った。

松喬は、笑福亭松鶴 (6代目) の弟子。

仁鶴、鶴光、鶴瓶などとは兄弟弟子にあたる人だ。

これは、他の噺も聴きたいと調べてみてショック!

昨年7月30日、肝臓がんの為に死去していた。

62歳・・・。

う〜む、またもや60代か。

ライヴで観たかったな。


こうなってくると、もうなんでも観ておきたくなってくる。

落語だろうと音楽だろうと、この人もあの人も、ほんで自分も、

いつこの世から居なくなってしまうのか、分からないのだから。

これが最後の機会かもしれないのだから。

そんなわけで、次々とコンサートや高座のチケットを

購入してしまっている。(汗)

なにしろ、人差し指で 「プチッ」 だけで、

チケットが買えてしまうのだ。

昔は、チケット発売日にウドー音楽事務所まで行って

並んで買うたで。

便利な時代になったなぁ。


笑福亭松喬に興味にある方は、YouTube で

いくつか聴けまっせ。



ひとりごと  ひとりごと