LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS


 つつみしんやのひとりごと  2019年 11月
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2019.11.1

BBC Proms JAPAN 2019
Prom3/JAZZ from America


10月30日から11月4日まで、
東京と大阪で開催される。
『BBC Proms JAPAN 2019』。
その Prom 3、「JAZZ from America」に
行ってきた。

『BBC Proms』は、英国の歴史のある
世界最大級のクラシック・ミュージック・
フェスティバルらしいが、
日本では初めての開催だ。

クラシック・ミュージック・フェスなので、
基本、管弦楽などクラシックの
公演なのだが、今日はどういうわけかジャズ。
「JAZZ from America」という
タイトルだが、出演者は、
挾間美帆 “m_unit” (ほとんど日本人の
日米混合メンバー)と
リー・リトナー&デイヴ・グルーシンのバンドに
イヴァン・リンスと小野リサ(ゲスト)が加わった
日米伯混合バンド。
なぜに「JAZZ from America」という感じ。
リトナー&グルーシン・バンドのベースは、
当初、エイブラハム・ラボリエルの予定だったが、
健康上の理由より出演できなくなり
メルヴィン・デイヴィスに交代。

挾間美帆 (Miho Hazama) のことは、
知らなかったが、アメリカでも評価されている
作編曲家だ。
弦5人、菅5人+ピアノ、ドラム、
ヴィブラフォンの13人編成の室内楽団で
約60分、挾間のオリジナルを演奏後、
リトナー&グルーシンが参加して
アンコール的に2曲演奏。

休憩をはさみ、リトナー&グルーシン・バンド。
私のお目当ては、リトナーとイヴァン・リンス。
まずは、リトナーのおなじみの曲を
数曲演奏後、ゲストの小野リサが登場し、
ジョビンの曲を2曲。
そのあと、イヴァン・リンスの登場だったのだが、
その頃から異常な睡魔に襲われ意識はもうろう。
今日は4時間の睡眠だったせいもあるだろう。
ちゃんと意識が戻ったのは、アンコールからだった。
とほほ。
アンコールの1曲目は、小野リサが
デイヴ・グルーシンのピアノで
ゆったりと『Chega De Saudade』。
素晴らしかった。
そして最後は、イヴァン・リンスも登場。
イヴァンの代表曲の1曲だけどタイトル失念。

リトナーのギターは、いつものレスポールに
初めて見るサドウイスキーのシンライン・フルアコ。
ギブソンのシグネチャー・モデルの L5 から
乗り換えたのかな。



[ MEMBERS ]
挾間美帆 “m_unit”
挾間美帆(作・編曲、指揮)
土井徳浩(アルトサクソフォン)
庵原良司(テナーサクソフォン)
竹村直哉(バリトンサクソフォン)
ジョナサン・パウエル(トランペット)
林育宏(フレンチホルン)
金子飛鳥(ヴァイオリン)
沖増菜摘(ヴァイオリン)
吉田篤貴(ヴィオラ)
島津由美(チェロ)
香取良彦(ヴィブラフォン)
佐藤浩一(ピアノ)
井上陽介(ベース)
ジェアード・ショニグ(ドラムス)

Lee Ritener & Dave Grusin Dream Band featuring Ivan Lins
リー・リトナー(g)
デイヴ・グルーシン(key)
イヴァン・リンス(vo,key)
メルヴィン・デイヴィス(b)
ウェス・リトナー(dr)
スペシャルゲスト:小野リサ(vo,g)

@ Bunkamura オーチャードホール(渋谷)







2019.11.2

PARIS REPORTS その2
サルトル墓参り 編


今回のパリ旅行は、昨年7月に妻が
『超解釈 サルトルの教え』という著書を
出版したことに始まった。
ジャン・ポール・サルトル(1905−1980)は、
フランスの哲学者、小説家だ。

『超解釈 サルトルの教え』は、今年、
韓国でも出版された。
韓国版のタイトルは、直訳すると
『責任はどのように生活を成長させるか』
という意味のようだ。
韓国の書籍販売サイトの評価を見てみると
驚くことに日本のアマゾンでの評価よりも高い。
本日現在、アマゾンが17人の評価で
☆3.5 (5点満点)に対し、
韓国のそのサイトでは、
24人の評価で 10点満点中 9.2 という評価だ。
もう一つ別のサイトでは、9人のレビューで
なんと10点満点中 9.6!
日本では、否定的なことを
書いている人が数人いるのに対し、
韓国では、否定的な意見・感想はゼロだ。
これは一体どういうことだろうな。
もちろん、高評価を付けたのは、
出版社関係者だとか、色んな推測は
出来るのだけど、非常に面白い現象だ。

今月、妻は韓国の出版社の社長と
推薦文を書いた哲学の先生に会いに
韓国に行くらしい。
なんだか今までと違う流れになってきたな。

それはさておき。
そんなこんなで、サルトルの墓参りが
実現したわけだ。
妻の仕事の仲間たち11人と妻と私、
日本からのガイドさんと現地ガイドさん、
合わせて15人での墓参りとなった。

サルトルのお墓は、パリ市内の
モンパルナス墓地にある。
墓地の入り口を入ると、有名人の
お墓がどこにあるかの案内板がある。



お墓に番号が振ってあるのだが、
なんとサルトルは、1番だった。



どういうわけか、番号順に書いていないのだけどね。

サルトルの墓は、入り口を入ってすぐ右。
内縁の妻だった、ボーヴォワールと
同じ墓に眠っている。
こんなお墓見たことがない。
ご覧の通り、墓石がキスマークだらけ。





サルトルには女性ファンが多かったのかな。
ボーヴォワールさんは、妬いていないかな。
そんなことを思いながら、皆で記念撮影。



お墓には、花の他になぜか、
メトロ(地下鉄)の切符がいっぱい。



パリのメトロは、駅を出るときに
切符を回収されないので、
皆さんここに置いていくのだろうか。
左奥には、妻の著書も。

まだほんの一週間前のことだけど、
ここに自分がいたなんて、
不思議な感じだなぁ。

この墓地には、今年9月に亡くなった
ジャック・シラク元大統領のお墓も。
アラブ風な人がお祈りを捧げてた。



ギターが模られた墓石を発見。



ローラン・ディアンス(Roland Dyens)という
フランスのクラシックギター奏者のお墓だった。
(1955 - 2016)
ファンだろう、ご覧のように、
お墓には今もお花が絶えないようだ。
知らなかった人だけど、これも何かのご縁。
今、初めてローラン・ディアンスのギターを
聴きながら、これを書いている。
こういう時、Amazon Music ってホントに便利やなぁ。

後で思ったのだけど、せっかくなら、
エディット・ピアフやミシェル・ペトルチアーニ、
ミッシェル・ルグランのお墓にも行けばよかった。
調べてみると、ピアフとペトルチアーニは
同じ ペール ラシェーズ墓地 という
パリ市内の墓地だった。残念。
ミッシェル・ルグランのお墓は
分からなかったけど。

墓参りで思い出した。
1985年のアメリカ横断旅行で、
デュエイン・オールマンのお墓に行こうと、
ジョージア州のメイコンという町まで行ったけど、
めちゃくちゃ広い墓で、デュエインの墓がどこか
人に聞こうにも誰もいなくて、
着いたのが夕方でどんどん暗くなっていくし、
断念したことがあったなぁ。
もうメイコンに行くことなんてないわな・・・。

デュエインの眠るローズ・ヒル墓地の看板。







2019.11.4

名古屋 レポート1
海老フライと2日続けてひつまぶし


妻の仕事に付き合って、
一泊で名古屋へ行ってきた。
パリ・レポートも終わっていないけど、
今日は名古屋レポート。

まず、昨日のお昼は名古屋駅地下街(エスカ)に
ある 海老フライ専門店「海老どて食堂」。
最近でこそ、尿酸値を気にして
エビをあまり食べなくなったが、
私にとって、子供のころのご馳走と言えば、
「海老フライ」だった。
誕生日には、大体 海老フライだったなぁ。
今でも海老は大好きだ。

さて、この「海老どて食堂」。
こんなメニューまである。


日本一!35センチ 特大海老ふりゃ〜 5,870円(税抜)

さすがにこれは食べられないので、
私は「海老ふりゃ〜食べくらべ定食」を注文。



何が食べ比べかと言うと1本はそのまま揚げた
海老フライ。
もう1本は、開いた海老フライとなっている。
食べ比べてもそれほど味に差はないが、
開くと海老に対して、衣の量が増えるので、
開かず1本のままの方が、好きだな。
添えられるタルタルソースは、薄切りにした
ゆでタマゴが付いてくる。
ゆでタマゴを自分でお好みの大きさに
つぶして混ぜるというシステム。

妻は、名古屋ならでは(たぶんこの店の
オリジナルかな)の「海老どて」を注文。
海老フライを、八丁みそとエビみそを合わせた
「秘伝のどて味噌ソース」に付けて食すのだ。



これは、味噌ソースが甘くて、味が強すぎて、
ちょっと私には合わなかったな。

海老フライには、ウスターソース 時々 タルタルソースが良い。
名古屋の、というかこの店のウスターソースは、
妙に薄味に感じた。
味噌ソースがあれだけ味が濃いのに不思議だ。


店内にぶら下がる巨大な海老フライ

この店の表記は「海老ふりゃ〜」だが、
個人的には「海老フライ」と書くより
「エビフライ」の方が、落ち着く、というか、
食欲がわく。
「エビフライ」の方が、庶民的で
慣れ親しんだ表記だろうかね。


夕食は、せっかく名古屋に来たのだから、
「ひつまぶし」を食べようとなった。
東京では、うなぎ屋でメニューに
「ひつまぶし」があっても頼むことはない。
どうしても、うな丼か、うな重を頼んでしまう。
なんとなく、「3種類の食べ方ができます」と
いう謳い文句に抵抗があるのだな。
もしかしたら、過去に食べたことがあるかも
知れないけど、記憶にないぐらい、食べていない。

昼食を食べた「海老どて食堂」の近くに
ひつまぶし屋が、2軒あったのだが、
2軒とも結構な行列が出来ていた。
電話をかけてみると、予約は受け付けていないと言う。
昼食後、熱田神宮、大須観音、大須商店街に
行って、疲れていた私は、並んでまで
食べに行く気にはなれなかった。

ネットで調べると、ホテルの近くに
「あなごや」といううなぎ屋があった。
いや、正確には「うなぎの あ、なごや」。



一見、うな重と同じように見えるが、
うなぎは細く切ってある。
そして、この店の場合、ウナギの下に
きざみノリが敷いてある。
まず、そのまま。
そして、やくみ(わさび、ねぎ、のり)をのせて。
最後は、そこにだし汁をかけて。
なるほど、どの食べ方も美味しい。
わさびをたっぷり乗っけて、出汁をかけると
うな重とは違う食べ物になる。

そして、今日。
午後、妻の今回の名古屋行きの目的であった、
イベントに私も出席した。
そこに昨年、キューバ旅行でもご一緒した
名古屋の K さんも来ていた。
K さんに、昨夜、ひつまぶしを食べたことを話すと、
名古屋一だと思っている「うな東」という
お店で ひつまぶしをご馳走してくれるという。
K さんは、夜に仕事の予定があるのだが、
行って、さっと食べて帰ってくれば間に合うと
いうので、連れて行ってもらいました。
時間に余裕がなく、ギリギリなので、
お店に到着したら、すぐに食べられるように
K さんが、お店に向かうタクシ―の中から、注文。



K さんの言うように 確かに旨かった。
タクシーの運転手曰く、
「駅地下の行列の出来てる店は、
観光客ばかりで、地元の人は行かないけど
ここは地元の人が行くお店。」
いいねぇ、その響き。
繁華街から離れたところにあるので、
観光客の中でも知っている人しか
行かないんだろうな。
今日は、ゆっくり出来なかったので、
また行きたい。





2019.11.5

名古屋 レポート2

何も考えずに予約した名古屋行きの
のぞみは、「のぞみ223(ツーツーミ)」だった。



そういえば、先日のパリ旅行で泊まった
ホテルのルームナンバーも。



名古屋、熱田神宮の西門。



この写真だとちょっと明治神宮を思い出すなぁ。
この日は、七五三で賑わってました。

大須観音。



ここは、外国人(アジア系)が多かった。

大須観音前から始まる大須商店街。





もの凄い人の数。
そして、独特の雰囲気。
東京の下町のようでもあるし、
大阪っぽい感じもする。
そして、ここも外国人が多く、
中華料理やイタリア料理はもちろん、
インド料理、ブラジル料理、ベトナム料理、
トルコ料理、メキシコ料理などなど
国際色豊かなミクスチャー商店街。
ところどころ外国にいるような感じ。
日本人は若者が多い。

そんな中に、昭和の風情を
残すお店があった。



おもちゃ屋さんの看板だ。
仮面ライダー、オバQ、左側の怪獣は、
ウルトラマンか何かに登場する怪獣だろうか。
そして極めつけは、右側のみなしごハッチ!
何十年ぶりやろな、ハッチ。



こちらは、泊まった名古屋駅前のホテル近くの
中華料理店のショーケース。



いつから、サンプルを飾ることを諦めたんでしょう。
これはこれで、何かを訴えてくる。





2019.11.6

名古屋 レポート3

昨日の名古屋レポートの付け足し。
日曜日は、熱田神宮参拝の後、大須観音へ参った。

神宮と寺院に続けて行くと、あらためて
お寺は、「ああ、仏教は外国から来たんやなぁ」と
思わずにはいられなかった。

神宮が日本的な厳かな雰囲気であることに対し、
仏教は、日本発祥ではないので、
インドなのか中国なのか、よく分からないけど、
とにかく、異国な感じがしたのだった。
そんなこと、ふだん感じたことなかった。
考えてみれば、当然なんやけど。


樹齢千年以上といわれる熱田神宮の大楠(おおくす)


大須観音ののぼり




師いわく
春風亭一之輔


落語ファンになってから、あまりの面白さ、
素晴らしさに5年余りで50回、100席 以上の
高座を聴きに行ってしまった、春風亭一之輔。
最近は、回数が減ったものの、
一時期は、月一ペースだった。

さて、その一之輔が悩み相談にこたえる、
『師いわく』。
知らずに購入したが、小学館のウェブマガジン
P+D MAGAZINE で連載中の
「師いわく ~不惑・一之輔の『話だけは聴きます』」
という悩み相談の書籍化だった。
読もうと思えば、無料で ウェブで
読めるのだが、ただで読むより、お金を出して
本で読む方がありがたみを感じるのは、気のせいか?

悩みの内容は、真面目なものから、
どうでもいいようなものまで様々だが、
一之輔の回答がユニークで素晴らしい。

私の妻も「サルトル塾」と称して
悩みや相談に答える会を催していて、
凡人が思いつかないような、
回答を繰り出してくるのだが、
一之輔もそれと同じような感じ。
やはり、21人抜きで真打に昇進する
ような人は、ちょっと違う。

もっとも一之輔の場合、
噺家というコンテクストだから、
妻のそれとは、違うけどね。

聞き手のキッチンミノル(写真家)の
ゆるさも手伝って、中には実は深いことを
言っているのに、軽〜く読めてしまうあたりも
深刻さがなくて良い。
ただ、読者の中には、その回答の深さに
気付けない人もいるのではないかと
全く大きなお世話な、余計な心配をする私だった。


★★★★☆








2019.11.7

PARIS REPORTS その3
ゴッホ 編


サルトルの墓参り後、
パリから車で1時間近く走ったところにある、
オーヴェール・シュール・オワーズという村に向かった。
そこには、ゴッホの墓と、ゴッホが最後の70日間を
過ごした家があるのだ。



写真の左がゴッホ、右が弟のテオドロスのお墓。

墓地の周辺には、のどかな風景が広がる。







有名な『オーヴェルの教会』の現在。



『オーヴェルの教会』は、
オルセー美術館で実物を観てきた。
(って、どっちが実物やねん。)



教会の内部



ステンドグラス



ゴッホが最後に過ごしたという部屋は、
照明具もない、天窓から光を取り入れる
だけの驚くほど狭い部屋。
残念ながら、ここは撮影禁止だったので
写真はない。





彼はここで、人生最後の70日を過ごし、
その間に約80点の作品を描いたという。
フィンセント・ファン・ゴッホ、
享年37歳。
壮絶な人生だったんだろうな。




私がゴッホに魅せられたのは、
ゴッホ好きの妻の影響だ。
2010年にゴッホの『アイリス』が東京に来た時に、
国立新美術館に観に行ったのだが、
絵の前からしばらく動けなくなるほどの
衝撃を受けたのを覚えている。
絵で、あれほど心を揺さぶられたのは、
ゴッホ以外にない。

墓参りの翌々日に、オルセー美術館で、
数枚のゴッホ作品を観てきた。
日本に来た時に観たことのある、
『アルルの部屋』の他、有名な
『医師ガシェの肖像』、『自画像』などなど。







オルセー美術館には、有名な絵画が
たくさん(ゴーギャンとかルノワールとか)
あるわけだが、それほど興味がなく
ほとんどチラ見程度。
でも、マネの『笛を吹く少年』は、
見つけたとき、なぜかうれしかった。
これ、美術の教科書に載ってたんじゃないだろうか。



さて、ゴッホ。
写真やポスターで観たことがあっても
実物は、全く別物なのは、
『アイリス』で体験済みだ。
芸術は、実物を見なければ何も分からない。
今回、超強烈だったのは、
『The Starry Night』。
1888年に、南フランスのアルルを流れる
ローヌ川の岸辺で描いた夜の風景だ。



『ローヌ川の星月夜』とか『星降る夜』とか
いくつかの日本語タイトルがあるようだが、
『アイリス』同様、しばらく絵の前から
動けなくなった。
私にとっては、この日観たゴッホの作品の
中でも特別な1枚だった。
なんだろう、言葉では表現できない何かが、
宿っている。
観ているだけで、泣けてくる絵って、
人生でそんなに出会えないだろう。
そんな1枚だった。



オルセー美術館の入場券。
デザインは、何種類かあったのだが、
私には『The Starry Night』が当たったよ。


ドン・マクレーン が、ゴッホに捧げた美しい曲、
『Vincent』は、「Starry Starry night〜」
という歌詞で始まる。
ゴッホの人生少しでも知って、
ゴッホの絵の実物を見てから、聴くと、
この曲の意味と ドン・マクレーンの
気持ちが、少し分かった気がする。

Vincent / Don McLean (日本語訳付)


パリの土産物屋で見つけたミニ・ゴッホ






2019.11.9

永遠の門 ゴッホの見た未来
AT ETERNITY'S GATE


一昨日、ゴッホの墓参りと
オルセー美術館のレポートを書いた。
今日は、昨日公開された 映画
『永遠の門 ゴッホの見た未来』 を観てきた。

主演のゴッホ役に、私には
『プラトーン』の人、という印象が強い、
ウィレム・デフォー。
本作でアカデミー賞主演男優賞に
ノミネートされた。

先日のパリ往復の機内でも
観られたので、帰りの機内で見始めたが、
日本語字幕がなかったため、途中で断念した。

さて、本作。
ゴッホの絵に懸ける情熱と苦悩と
狂気が描かれている。
弟テオとの関係や、友人ゴーギャンとの
関係もよくわかる。
しかし、ゴッホを描くとどうしても
彼の死を避けて通れないのだろう。
一般的には、自殺と言われているようだが、
本作では明らかに他殺という立場から
描いている。
ゴッホ自身が、一切を語らなかったことから
謎だらけなのだが、自殺だったら、
どうして傷を負いながら家まで帰ったのか、
どうして一発で死ぬ方法を選ばなかったのか、
等いくつも疑問が残り、誰かに撃たれたとしたら、
なぜ犯人をかばったのかが謎である。
映画では、少年2人が事件に関与している
説を支持しているようだが。

オーヴェルに移り、もの凄く精力的に作品を
描いている最中の死なので、
自殺だとしても理由が分からない。
でも、一時は自分の耳をカミソリで切り落とすほど、
心が病んでいたわけだから、
普通の考えは通用しないわけで
観ている側は、落としどころに困ってしまう。

そういうわけで、ゴッホが死んで終わる本作も、
観終えてスッキリする映画ではない。

私の希望だが、サン・レミの療養所を退所し、
オーヴェルに移り住んで、思う存分、
絵を描いているところで映画が終わって
欲しかったと思う。
何かこう「充実した画家生活を送ってまっせ」
みたいなところで終わって欲しかった。
でも、現実はそんなに甘くはないよな。
オーヴェルで過ごした70日(映画では
80日となっていたように思う)も
ゴッホの精神は、健全であったかどうかは
分からない。
幻覚や幻聴もあったと描かれているが、
それぐらいでなければ、あんな絵は
描けないのかもしれない。

サン・レミ時代に描いた作品で
批評家から一定の評価を得たようだっただけど
それでも、まだ絵が売れなかったのは
なぜなんだろう。
ちなみに「生きているうちに1枚も売れなかった」
「1枚しか売れなかった」というのは、
話をドラマチックにするための宣伝だろうと
私は思っている。
確かに、あの時代、新しい画風は
すぐには受け入れられなっただろうが、
中には気に入る人もいたんじゃないだろうか。

ウィレム・デフォーの素晴らしい演技で
時々、ドキュメンタリーのようにさえ思えた。
でも、アルルに移った時、ゴッホは35歳で、
オーヴェルに移った時が、37歳。
演じているウィレムは、(撮影時)62〜63歳。
ちょっと、年を取り過ぎている感がないでもないが、
ジュリアン・シュナーベル監督は、
「この役には彼しか考えられなかった」と
言ったらしい。
まあ、ゴッホの死んだ歳を知らなければ、
何の違和感も抱かないだろうけど。

それから、ヨーロッパ映画によくある言葉のこと。
ゴッホはオランダ人だけど、パリにも
住んだりしているのでフランス語も話せたんだろうと思う。
でも、この映画のゴッホは、英語。
ゴッホだけでなく、フランス人のほとんどが英語。
時々、なぜかフランス語のシーンもあるけど。
演じているのが米国人、監督も米国人だから
英語にしたのかな。
田舎のフランス人が、流ちょうな英語を話す
シーンには少し違和感あり。


★★★★☆


 
国によってイメージが違うチラシ。
左はどこの国のモノか分からないけど。



2017年に観た『ゴッホ 最期の手紙』
もう一度観てみよう。





2019.11.10

PARIS REPORTS その4
ルーブル美術館 編


パリの観光スポットと言えば、
エッフェル塔、凱旋門、ノートルダム大聖堂
(残念ながら今は火災のため見られない)、
オルセー美術館、オペラ座などと並んで、
ルーヴル美術館は、はずせないだろう。

一緒に行った人たちの中には、
ヴェルサイユ宮殿へ行った人たちもいたのだが、
私はヴェルサイユ宮殿は、パスした。
5年前のイタリア旅行でカゼルタ宮殿
(世界遺産)へ行ったのだが、でかすぎて
広すぎて、同じような部屋が延々と続き、
途中で飽きてしまった。
ああいう、文化や装飾が好きでないと、
行っても楽しめないと思ったのだ。
まあ、見もせずに楽しめないと判断するのも
いかがなものかと思うのだが、
旅行は日程が限られているので、
おのずと行先は限られてしまうのは仕方がない。
長期滞在で時間があるなら、もちろん
ヴェルサイユ宮殿も観てみたい。

それはさておき、ルーヴル美術館。
こちらもかなりでかい。
「全部見るには5日はかかる」とか、
「一週間いても飽きない」と
言われるほどの大きさだ。

どこに何があるかも分からないので、
ここは現地の日本人ガイドさん付きの
2時間ほどのツアーで周った。
これは、大正解。
自分たちだけで行ったら、
お目当ての作品にたどり着けず
ただ歩き疲れて終わってしまったかもしれない。
まあ、日本語の案内パンフレットもあったので、
そんなことはないかもしれないけど。

2時間のガイドツアーは、
「ルーブルなら、ここは見ておくべき!」という
作品巡りだったので、短時間で
とても効率よく周ることが出来た。

まず、外観。



もともとは、要塞だった建物がその後、
宮殿になったらしい。
上の写真は、全体の10分の1にも
満たないだろうな。
その大きさが分かろうというものだ。

敷地に入ると、カルーゼル凱旋門が
見えてきた。
その先には有名なピラミッドが見える。





館内に入ると逆さのピラミッドが目を引く。



イヤホンを付けて、日本語ガイドさんの
話を聞きながら進んでいく。
ピラミッドは、1989年に設置されたので
今年で30年だという。
作られた当時は、古典的な建物に
近未来的なガラスのピラミッドは
合わないと、否定的な意見もあったらしい。
私は、映画『ダ・ヴィンチ・コード』の印象が強い。
映画の内容は忘れてしまったけどね。

美術館の内部



絵がでかい。



この手の宗教画が数えられないほど
多く展示されている。
ガイドさんの解説は素晴らしく、
「へぇ〜、そうなのか」とずい分と
感心した覚えはあるけど、内容は
ほとんど覚えていない。

館内の窓から見るピラミッド。



これが、有名なハムラビ法典!



歴史の時間に習ったね〜。
紀元前1792年から1750年にバビロニアを
統治したハムラビ王が発布した法典。
「目には目を、歯には歯を」は、
復讐の法典ではないと、いつだったか、
テレビで観た覚えがある。
例えば「倍返し」のように
やられた以上にやり返すのではなく、
やられたと同等の懲罰にするという、
刑罰の限界を定めたものだったらしい。

くさび形文字の法典。



このあたりに「目には目を、歯には歯を」が
書いてあるらしい。

要塞時代(?)のお堀の底を歩く。



石には、ハートマークが彫られている。





現代人のいたずらかと思ったら、
当時の職人が、自分が切った(積んだ?)
石だと分かるように、サインを残したのだと。

スフィンクス。



写真では大きさが分からないが、
エジプト以外にあるスフィンクスでは、
最大らしい。

ミロのヴィーナス。



古代ギリシア時代の彫刻。
高さは203cmもある。



これは、美しい。
値打ちがあったな。
特に後ろ。



後ろ姿なんてあんまり見られへんもんな。
半ケツです。
そして、前面に比べ、多少仕上げが雑。
もともとは、壁を背中に置かれていたらしく、
背面は見えなかったからとか。

サモトラケのニケ(勝利の女神)。



結構な迫力です。
どんな顔が付いていたんだろう。
レプリカが日本中にあるようです。

男のモナリザと称されるラファエロの
カスティリオーネの肖像。



そして、いよいよモナリザです。
ここからモナリザの列です的な看板。



写真の中心にあるのがモナリザで、
それを見るために並ぶ人の列。



約10〜15分ぐらい並んだかな。
ついにご対面。



しかしこれ、7cmの防弾ガラス越しなのだ。
驚くほど無防備に展示されている作品が
多い中、超厳重なセキュリティ。
以前、盗難にあったことがあるからだろうか。



私は、それほどこの絵の良さが分からないので、
あまり感動も感激もなかったけど、
500年以上も前に描かれたこの1枚を
観るために世界中から人がやってくるのだから
スゴイよな。
そして、この列に並んでいる時でさえ、
「スリがいます。注意してください」という
アナウンスが流れるのもスゴイ。

これも教科書で見たことあるなぁ。



フランス革命を描いた、ドラクロワの
『民衆を導く自由の女神』。

他に特に見たいものがなければ、
2時間ツアーで十分満足できます。
私が観た日本人ガイドさん付きツアーは、
旅行代金に含まれていたので、
いくらか分からないけど、ルーブル美術館の
入場料は、17ユーロ(2,100円ぐらい)。





2019.11.10

ゴッホ:天才の絵筆

昨日は、映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』を
観てきたが、ゴッホの他の映画も観てみたくなった。
アマゾンで検索すると、『ゴッホ:天才の絵筆』と
いう39分のドキュメンタリーがあった。
プライム会員なら無料だ。

39分という短時間にとても重要なポイントが
含まれており、ゴッホを知るにはとても良いと思った。
なにより、実際の絵や風景とともに解説されるのは、
書物にはない魅力だ。

映画は、一人称で語られる。
ちょっと訛った英語なのは意図的だろう。

16歳で画商になり、その後、伝道師になるものの
上手くいかなかったゴッホは、27歳で絵を描き始める。
37歳で亡くなった彼は、わずか10年間しか絵を描いて
いないわけだが、有名な作品のほとんどは、
晩年の2〜3年に描かれている。

映画では、描き始めたころの暗い作風が、
どうして明るい色彩を得て、「ゴッホ」に
なっていったのかを作品を交えながら、
解説してくれる。

先日のパリ旅行で訪れたオーヴェールの村や
オルセー美術館が映るのも嬉しい。

ゴッホの弟テオに宛てた手紙は900通あるらしいが、
ゴッホ美術館に保管されているその手紙の
ゴッホの文字の美しさにも驚いた。
なんとなく、ゴッホは武骨なイメージで、
荒々しい文字を想像したのが、
考えてみれば、あれだけの絵を書く人。
タッチは大胆であっても、中身は繊細に違いない。

途中、日本や日本の浮世絵に触れるくだりもある。
ゴッホが、浮世絵の影響を受けたことは有名だが、
昨日の映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』でも
ゴーギャンが「マダガスカルに行く」というのに対し、
「日本は?」とゴッホが訊き返すシーンがあった。
ゴッホは、日本に行きたかったのかもしれないな。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』では、
ゴッホがなぜ死ななければならなかったのか、
「観ている側は、落としどころに困ってしまう」と
書いたが、本作では、オーヴェールでの
2ヶ月で80点以上の作品を一気に
生み続けたゴッホは、限界を越え、
燃え尽き、深い孤独と疲れに襲われたとある。
2ヶ月で80点以上というのは、
異常な量だろう。
確かにゴッホは、越えてはいけないラインを越え、
創作に命を使い切ったのかもしれない。

ゴッホの死後、半年でテオが他界するというのも
悲しいほどの兄弟の絆に思えてしまうのである。

次にフランスへ行くとしたら、
アルルに行きたいな。





★★★★▲





2019.11.11

PARIS REPORTS その5
エッフェル塔 編


エッフェル塔は、絵になるねぇ。
東京タワーもいいけれど、エッフェル塔の方が、
洒落て見えるのは、塔自身の形もあるし、
周りの建造物のせいだと思うな。
東京に比べて、高いビルがないんだ。

宿泊したホテルが、セーヌ川沿いで、
エッフェル塔からも近かったおかげで、
たくさんのエッフェル等を撮影した。

帰国してから見てみると、
惜しい写真が多い。
もう一度、撮り直したいぐらいだが、
仕方ない。
そんなエッフェル塔の写真たち。






























(2019.11.12 もう一つ追加)







2019.11.12

羽田の朝、日韓を思う



妻が韓国ソウルに行くというので、
朝、羽田空港まで送ってきた。
彼女の著書『超解釈 サルトルの教え』が、
6月に韓国でも刊行されたので、
そのプロモーション(?)のようだ。
書店を周り、出版社の社長と会い、
推薦文を書いてくださった先生に会い、
新聞社の取材を受けるなど、
2泊3日だが、盛沢山な内容らしい。

ところで、妻の本とは関係ないが、
私の母は、昭和10年に韓国で生まれた。
当時は、日韓併合の時代で、
朝鮮半島は、日本の統治下だった。
多くの日本人が、朝鮮に渡っていたようで、
私の祖父母も、朝鮮に渡り暮らしていたようだ。

終戦後、祖父母は、母を含む子供たち5人を
連れて日本へ引き揚げた。
満州からの引き揚げでは、
子供たちが途中で餓死したり、
日本に連れて帰られないので、中国人に
預けたままになったりという悲しい話は、
何度か耳にしたことがあるが、
朝鮮からの引き揚げは、どうだったのだろう。

祖父母家族は、裕福ではないにしろ、
それなりの暮らしをしていたようだが、
日本に引き揚げる際、
一人当たりの持って行ける金額が、
決められていたらしく、
その他の財産は没収されたようだ。

一旦、日本に戻った祖父は、
朝鮮人に混じって、再び朝鮮に渡り、
隠していた財産を持って、もう一度、
引揚者として、帰国したと聞いた。
命がけである。
それでも、あの時代のこと、
引き揚げ後の母の子供時代は、
ご多分にもれず、今の世からは
考えられない貧乏話であふれている。

2001年1月26日、JR 新大久保駅で
線路に転落した男性を助けようと、
線路に降りた2人が、電車にはねられ、
3人とも死亡するという
痛ましい事故があった。
助けようと線路に降りた一人は、
26歳の韓国人留学生だった。
昨日 NHK で、その留学生の母親の
ドキュメンタリーをやっていた。

留学生の両親は、当初、日本に対して
良い印象を持っておらず、
日本への留学に反対だったという。
そんな両親を説得し、日本に留学した彼は、
「日韓の架け橋になりたい」と言っていたという。

事故後、両親に寄せられた多くの見舞金・
弔慰金で奨学会が設立され、
日本語学校在学生を対象に
奨学金が支給され続けている。

母親は、日本語学校に通っている。
寄せられる日本語の手紙を自分で
読むためだ。
息子の意志を受け継ぎ、
今や母親が日韓の架け橋となっているのだ。

韓国と日本は、あるレベルで、
非常に分かり合っており、調和しているとさえ思う。
そして、あるレベルで、水と油のようでもある。
言い古されたことかも知れないが、
互いが相手をもっと知り、
理解する必要があるのだろう。
それは、日韓に限らず、
同国の個人の人間関係においてもだけど。

とりとめのない内容になってしまったが、
ついこの前まで、まさか妻の本が
韓国で出版されるなどとは、
思いつきもしなかった(本人もね)。

人生には、3つの坂があるというもんな。
上り坂、
下り坂、
そして、
まさか。





2019.11.13

MARTIN TAYLOR & ULF WAKENIUS
マーティン・テイラー&ウルフ・ワケーニウス


2017年12月以来、2年ぶり3回目となる、
マーティンとウルフのデュオ。
(前々回 2016年1月は、渡辺香津美を
加えてのトリオだったけど。)
毎回 素晴らしいので、今日は、
1部2部通しで観てきた。

マーティンのギターは、"Joya" と呼ばれる
マーティン自身が設計したというフルアコ。
15インチと小ぶりなボディ。
ロンドンの職人が製作したようで、
マーティンのウェブサイトで
4,995ドルで 売っている。
約60万円というと、この手のギターとしては、
そんなに高い方ではない。
ウルフは、たぶん前回と同じ Benedetto。
2人とも、ギターアンプは使わず、
ライン出力だったが、やはり、マーティンの方が
アコースティックなトーンだった。

ちょっと残念だったのは、何度も、
ウルフの音が でか過ぎると感じたこと。
マーティンは、モニターを自分の前に
置いているのに対し、ウルフはなぜか、
自分の後ろに、後ろ向きにモニターを
置いていたので、そのせいで、
ボリュームが大きくなったのではないかと
推測するが、PAで抑えられる範囲を
越えていたということだろうか。

曲は、Barney Kessel の "Blues For A Playboy"
に始まり、毎度おなじみの "Legacy"、"True"
"I'm On My Way" や "Isn't She Lovely ?"
”Last train to Hauteville” など。
ジェームス・イングラムの "Just Once" は、
デュオでやるのは、今日が初めてと言っていた。
ラストは、"Down At Cocomo's"。
それぞれ、ソロで1曲ずつ。
ウルフは、「三味線 Into the Jazz」とか言って、
三味線的な音を出していた。

2ndでは、違う曲を期待したが、
全く同じだった。
もしかしたら、曲順は違ったかもしれないけど。
なぜか、1st、2nd ともにアンコールもなく、
70分弱。
"Down At Cocomo's" がアンコール的
だと言えばそんな感じもするけど。
これは、ちょっと期待外れだった。
もちろん演奏は、素晴らしかったけど。

曲順は、「次 〇〇演ろう」とウルフが、
提案する場面が多かったように見えたが、
演奏は、マーティンの方が、中心に感じたね。

日本公演の後、彼らは韓国、中国を周るようで、
中国では、ウルフの息子エリックも参加するようだ。
この父子、知らなかったけど2017年には、
『Father And Son』というアルバムまで出していた。
"Birdland"、"Scaborough Fair"、
"Eleanor Rigbu" などを演っとります。


[ MEMBERS ]
Martin Taylor (gt)
Ulf Wakenius (gt)

@ Cooton Club
1st and 2nd show




[ 関連エントリー ]
2008.11.25 Martin Taylor
2008.11.26 Martin Taylor その2
2011.4.5 MARTIN TAYLOR & ULF WAKENIUS
2012.10.21 ギター三昧の1日
2012.10.22 MURIEL ANDERSON / MARTIN TAYLOR
2016.1.8 THE GREATGUITARS
2017.12.18 MARTIN TAYLOR & ULF WAKENIUS





2019.11.16

新聞記事と赤飯

妻の著書『超解釈 サルトルの教え』が、
6月に韓国でも刊行されたので、
妻とスタッフ数人は、先日、
2泊3日で韓国ソウルを行ってきた。
出版社の社長との面談、
韓国本の帯を書いた哲学の先生との面談、
新聞社(東亜日報)の取材、書店周りと、
初めての訪韓にしては、充実し過ぎな
旅だったようだ。

周囲にハングルを読める人がいないので、
書籍がどんな風に訳されているのか、
日本サイドの人間は、
誰も確かめていないのに、
話はどんどん進んでいくというのは、
非常に不思議で面白い。

出版社の社長が、妻との面談の後、
Facebookに投稿したという記事の
自動翻訳と思われる文章を
見せてもらった。
自動翻訳のため、かなり何言ってるか
分からないのは、しかたないとしても、
妻のことを「日本で著名な〜」と紹介していたので
「こんな誤解があって大丈夫なのか」と
心配する私をよそに
「韓国の新聞に初めて載ったお祝い!」と
言って、赤飯を買ってくる、
相変わらず能天気な妻であった。

東亜日報の新聞記事


今のところ、何が書いてあるのか不明です。



日本のワインの父 川上善兵衛

今から約130年前、地元に新しい産業をと考えた
川上善兵衛は、越後高田(新潟県上越市)に
岩の原葡萄園を開設し、ぶどうの栽培を始めた。
しかし、欧米から取り寄せたぶどうは、
当地の気候風土には合わず、
何度も試行錯誤を繰り返すも、
成功に至らなかった。

善兵衛は、50ヘクタールの土地を持つ
大地主の6代目だったが、
莫大な借金を抱えることになってしまう。
何しろ、500種類の欧米のぶどうを試し、
30年間失敗し続けたのだ。

その後、新たな品種を生み出すしかないと
考えた善兵衛は、10,311回の交雑を試し、
マスカット・ベーリーA など 22品種を発表する。
およそ、50年に及ぶプロジェクトである。

赤玉ポートワインで成功していた
後のサントリーの創業者、鳥井信治郎は、
安定的に入手できる国内のぶどうを
探していたところ、善兵衛に出会い、
岩の原葡萄園を全面的にバックアップ。
「やってみなはれ」である。

おそらく、鳥井との出会いがなければ、
岩の原葡萄園は続けられなかったのでは
ないかと思う。

今日は、現在の岩の原葡萄園代表である
神田和明さんの講演を聴いてきた。

なんでもかんでも「諦めなければ、実現する」
ほど世の中は甘くはないが、
志が大きければ、そして、諦めなければ、
必ず協力者が現れ、道は開けるという話だった。

世界的なワインの協会(?)に登録されている、
日本のぶどう品種が2つあるらしいが、
2つとも善兵衛の開発した品種だという。
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、
ピノ・ノワールなどに並んで、
善兵衛の マスカット・ベーリーA も
名を連ねているわけだ。

今年、大阪で開催されたG20サミットの
ワーキングランチでは、岩の原葡萄園の赤ワイン
「深雪花(みゆきばな)」が、採用された。
ワーキングランチの飲料監修は、
ソムリエの田崎真也氏だった。
田崎氏は、「世界のベストワイン64」の
1本に「深雪花」を選んでいる。
(2〜3回飲んだけど美味しいよ。
2000円ぐらい。)

善兵衛は、三年一作(三年に一度しか
収穫できない)と言われる上越高田で、
ぶどうを作れば新しい産業になると
思ったんだろうけど、険しすぎる道だった。
人の言うことを聞く人だったら、
とっくに諦めてただろうな。
そして、「やめなはれ」ではなく、
「やりなはれ」と言って協力してくれる人が
出現し、不可能だと思われていたことが
可能になる。

今から、130年も前、勝海舟に振舞われた
舶来の「葡萄酒」に、いつか日本でも
食卓に「葡萄酒」が並ぶ日が来ると、
思った善兵衛。
彼には、その未来が見えていたんだろうな。


岩の原葡萄園





2019.11.17

ゴッホ 最期の手紙
LOVING VINCENT


先月のパリ旅行で、ゴッホの墓参りに行き、
オルセー美術館でゴッホの作品を観て以来、
ゴッホが、ちょっとしたマイ・ブームだ。

先日観た映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』
ドキュメンタリー『ゴッホ:天才の絵筆』に続いて、
2017年に劇場で観た『ゴッホ 最期の手紙』
再び鑑賞した。(Amazon Prime Video)

ゴッホが死んだ2年後、
ゴッホの友人でもあった、郵便配達人
ジョゼフ・ルーランが、ゴッホが書いた
弟テオ宛の手紙を息子アルマンに
テオに届けるよう託す。
アルマンは、パリでテオの死を知り、
手紙を持って、オーヴェルのガシェ医師を
訪ねるのだが・・・。

ちょっとサスペンス仕立ての展開だ。
前回観たときには、他殺のように感じた
覚えがあるのだが、もう一度観ると、
結局、自殺他殺どちらとも言えないような、
描き方に感じた。
これは、もう観る人に委ねているのだろう。
真実は、闇なのだから。

本作、全編が動く油絵で構成されている
という所が見所の一つだが、製作には
125人もの画家が参加しているらしい。
パートによっては、雑に感じるところと
素晴らしく感じるところがあった。
意図的なのか、描く人によって、
質に差が出てしまったのか分からないけどね。

今回は、吹替え版で観てみた。
アルマンの声を山田孝之がやっているのだけど
どうもボソボソと喋るので、聞き取りにくい
箇所がいくつかあった。
酷いところは、何度も聴き直したけど、
何言ってるか分からなかったよ。

ラストシーン。
ジョゼフと息子アルマンが、
ローヌ川のほとりで、
テオの妻からもらった、
ゴッホのテオ宛の件の手紙を読み進める。
内容が泣かせよる。
画面が、先日パリで観て感動した
『ローヌ川の星月夜』に変わる。
そして、ゴッホの肖像画のあと、
"Starry Starry Night" が流れ、
エンドロールへと続きます。

ゴッホは、
孤独だったのだろうか。
エンドロールには、
彼が描いた多くの人々が
映し出される。





★★★★☆


"I want to touch people with my art,
I want them to say: he feels deeply,
he feels tenderly."
Vincent va gogh

作品で人々を感動させ
深く優しく感じていると言われたい。
フィンセント・ファン・ゴッホ





2019.11.17

ゴッホ 真実の手紙
Van Gogh - Painted With Words


マイブームのゴッホ、続いて 2010年に
BBC が制作したドキュメンタリー
『ゴッホ 真実の手紙
(Van Gogh Painted With Words)』

を観た。(50分) (Amazon Prime Video)

ゴッホが残した902通もの手紙と、
証言をもとに作られており、
そういう意味では、真実に近い内容と
言えると思う。

パリ以降のゴッホの動きについては、
様々なところで見聞きしてきたが、
画家を目指す以前や、
パリに出る以前の話、
特に女性関係に関しては、
知らないエピソードが多く、
とても興味深かった。
また、サンレミの療養所時代にも
発作を起こし、自殺を試みたことも
知らなかった。

ピストル自殺については、
あまり深く触れられておらず、
このドキュメンタリーの趣旨からいって
憶測や推測は、極力避けたものと感じた。

それにしても、この兄弟愛、絆は絶大だ。
生前、フィンセントを理解したのは、
弟テオだけだろうと語られるが、テオ以外、
誰がフィンセントを理解し得たであろうか。

今、2人は、おなじ墓に眠っている。
これは、最初から同じ墓に入ったわけではない。
後世の人が、そうせざるを得ないほどの
2人の仲だったんだろう。
いや、2人の想いが、人々を動かしたのかもしれない。

フィンセントの最後の手紙には、
「激しい孤独を表現したい」と
書かれている。





★★★★☆





2019.11.19

写真販売開始!

渋谷の MAT COFFEE で店内に数枚、
私の撮った写真を飾ってもらっているのだが、
このたび、額装した写真を販売することになった。

といっても、店内に邪魔にならない程度に
展示しながらの販売なので、
一度に数枚ずつだけど。
一体いくらの値段を付ければよいのやら
全く見当が付かず、自分としては、
ちょっと高めの値段を付けてみた。
A4 サイズ、5,500円。
専門店で売られているプロの作品に
比べれば安いけれど、
あんまり上等な額でもないので、
見た人がどう思うのか、想像もつかない。

こんな値段で欲しいと思ってくれる人が
いるのかどうかという実験の意味も込めて。
しばらく様子を観てみよう。
売れなくても平気だけど、
もし売れたら、凄いことだと思っている。

今回は、1985年の NY を3枚と
2014年の ROMA を選んでみた。
部屋に飾りたいな、
なんて思って買ってもらえたら、
この上なく、幸甚やな〜。









2019.11.21

たゆたえども沈まず
原田マハ 著


先月、パリのオルセー美術館でゴッホの
『ローヌ川の星月夜』を観て以来、
すっかりゴッホにハマってしまって、
映画やドキュメンタリーを観ている。
今夜は、小説『たゆたえども沈まず』
(原田マハ 著)を読み終えた。

タイトルの『たゆたえども沈まず』というのは、
パリ市の紋章にラテン語で書かれている標語、
"Fluctuat nec mergitur" の訳。
「たゆたえども」なんて使ったことのない言葉だが、
「揺れはするけど、沈没はしない」という意味で
水害(セーヌ川の氾濫)と幾多もの
戦乱や革命など歴史を乗り越えてきたパリを
象徴した言葉であるらしい。

さて、本作。
主な登場人物は、ほとんどが実在した人々。
ゴッホ、弟のテオ、ポール・ゴーギャン、
ゴッホの絵のモデルにもなったタンギー爺さん、
そして、19世紀後半、フランスで浮世絵など
日本美術品を広めた(売り捌いた)日本人画商、
林忠正とその片腕、加納重吉。
(重吉は、もしかしたら架空の人物かも知れない。
ググってみたけど未確認。)

実際にゴッホやテオと忠正に
交流があったのかどうかは分からないとのことで
ストーリーは、史実とフィクションが入り混じっている。
ゴッホを含め多くのヨーロッパの画家が、日本文化、
特に浮世絵の影響を受けたことは有名だ。
ゴッホは、浮世絵の模写までしており、
日本に憧れを持っていたことは、分かっている。
当時のジョポニスムの流行は、
本作が、フィクションだと分かっていても
本当にこんな風だったんじゃないかと
思わされてしまう。

主人公は、ゴッホというよりはテオと重吉。
ゴッホ兄弟の人生に深く、忠正と重吉が
関わり合っているように描かれている。

ゴッホの絵は、生前1枚しか売れなかったと
言われている。
私は、そんなことないだろうと勝手に
思っているのだけど、テオの立場が
この小説のようだったら、そういうことも
あり得るかもな、と思ってしまった。

ゴッホのピストルによる自死、
その半年後のテオの死という、
分かり切った結末に向かっていても、
後半は涙なしには読めなかった。
ピストルの一件には、
意外な背景が設定されていた。

タイトル『たゆたえども沈まず』の意味、
表紙『星月夜』の意味も読めば分かるのだが、
忠正が初めて、『星月夜』と対面するシーンが、
なんとも感動的だ。
この本を読んでから、パリに行っていたら、
もっと違った見方が出来たような気がするが、
今となってはもう遅いな。
また行くしかないか。
今度はもっとゆっくりと。


★★★★▲








2019.11.22

痛風物語36
<高尿酸値症ついに卒業!>


11月18日に採血した結果が出た。
尿酸値・・・

5.0! \(^▽^)/

過去、最低(「もっとも良い」の意)の数値。
ついに「高尿酸値症卒業」を宣言します!
いやぁ〜長い長い道のりだったなぁ。
ずっと前(おそらく記録がある2007年以前)から、
高尿酸値症だったのだけど、
初めて痛風を発症したのが、2014年10月。
あの時は、イタリア旅行の4日前やった。
4日遅かったら、旅行がパーになってるとこやった。

それから、薬に頼ることなく、
自力でなんとかしようとしたが、
結局この5年で6度も発症。
最後は、今年の6月。
2年半ぶりの発症だったけど、
ついに観念した私は、尿酸値を下げる
薬を飲むことにした。

尿酸値は、3.6 〜 7.0 が正常値とされている。
2007年から今年5月までの14回の
検査記録を見ると
一番高い時(2011.6.4)で「9.7」、
一番低い時(2015.7.17)で「7.4」。
12年間14回の検査の平均値は、「8.2」だった。

今年の6月に飲み始めた薬は効果があり
3週間で一度「6.0」まで下がったのだが、
副作用が現れた。
仕方なく、薬を変えて様子をみたところ、
今度はあまり効かない。
10月には 再び「7.6」まで上がってしまった。
で、薬を倍(2錠)に増やしてみて、
ひと月以上たったので、検査をしてみると、
今までにない数値「5.0」だったのだ。

あ〜良かった。
しかし、この数値には訳があると思っている。
もちろん、薬の効果はあるだろうが、
検査をした4日前に身体の調子が
悪くなった。
その前日の夜遅く、何の前触れもなく、
突然、強烈な悪寒に襲われた。
風邪をひいたときのそれとは明らかに違った。
発熱したわけでもなかったので、
翌日は会社に行ったのだが、
全く食欲もなく、身体がだるいので
早退し、とにかく寝ることにした。
その日は、全く何も食べず。
翌日も休んで一日中寝ていた。

そんなわけで、検査の前4日間は、
アルコールを一滴も飲んでおらず、
食事の量もかなり少なかったことから、
少しは尿酸値に好影響があったのではないかと
素人ながらに考えている。
ちなみに中性脂肪やコレステロール値も
下がっていた。

今度は、3カ月後ぐらいに検査を
しようと思うが、これを機会に、
減量もしようと思うので、
「5.0」ぐらいをキープできるといいな。
年末年始は、飲む機会が多く
危険なので要注意だ。


<ここ数カ月の経緯>
6月17日 痛風発症(2年半ぶり6回目)
6月27日 尿酸値を下げる薬 フェブリク 服用開始
7月 8日 軽い痛風発症 ― 薬の影響と思われる(想定内)
7月 9日 血液検査 ― 尿酸値 6.0
7月20日 発疹が出る ― 薬の副作用?/ フェブリク服用中止
7月22日〜 アレルギーの薬を数日服用
7月29日 尿酸値を下げる薬 アロプリノール 服用開始
8月29日 血液検査 ― 尿酸値 6.9
10月 9日 血液検査 ― 尿酸値 7.6 / 薬を2錠に増やす
11月18日 血液検査 ― 尿酸値 5.0!





2019.11.23

ジョーカー
JOKER


ジョーカーは、『バッドマン』に登場する悪役だ。
クリストファー・ノーラン監督のバットマン3部作、
『バットマン・ビギンズ』(2005年)、
『ダークナイト』(2008年)、
『ダークナイトライジング』(2012年)は、
3本とも劇場で観て面白かった覚えがあるし、
本作も気になっていた。
しかし、もうこれはバットマンは関係ない。
監督は『ハングオーバー』などコメディを
撮ってきたトッド・フィリップス。
ジャック・ニコルソンやヒース・レジャーが演じてきた
ジョーカーを本作で演じるのは、ホアキン・フェニックス。
かなりイッテます。
おそらく、ホアキンの代表作になるんやないやろか。

本作ではアーサー・フレックが、
どうやってジョーカーになって行ったのか、
その過程が描かれている。
ツッコミ所がなかった訳ではないけど、
全体からすれば大したことではないだろう。

ひと言で表すなら、「狂気」。
子供の頃から虐げられ、屈折して屈折して、
期待しては裏切られて、失望して、
絶望した人生を送っていると、
ジョーカーみたいな人間が
出来あがるのかも知れないと思った。

舞台となるのは、毎度おなじみ ゴッサムシティ。
NY のようだけど、ちょっと違う。
80年代の匂いがするけど、いつか分からない。
時代がハッキリしないのもファンタスティックで良い。

後半、クリームの "White Room" が流れる
シーンがあるのだが、サイコーにカッコ良い。

ロバート・デ・ニーロも出演。


★★★★★







マチネの終わりに


福山雅治、石田ゆり子主演の映画
『マチネの終わりに』。
監督は、ガリレオシリーズ
『容疑者Xの献身』『真夏の方程式』で
福山とは なじみの 西谷弘。

ギタリストのラヴストーリーと聞いては、
観ないわけにはいかないだろう。
というのは、嘘で、ラヴ・ストーリーには
(それがテーマなのに)さほど
興味は湧かなかったけど、
福山がクラシックギタリストを
どんな風に演じているのか観てみたかった。

福山は、エレキやアコースティック・ギターを
弾くが、クラシックギターは、全然弾き方が違う。
監督は、手元だけ映すように
福山の手に似たギタリストを準備したが、
福山は代役なしで乗り切ったらしい。
そんな事前情報もあり、興味を持ったのだった。

ラヴストーリーの方には興味がないと書いたが、
40歳過ぎたおっさんの一目惚れの話と知り
どうして興味が持てようか。
蒔野(まきの)(福山雅治)が、
一度会っただけの洋子(石田ゆり子)に会いに
パリまで行き、いきなり告白するシーン
(告白の言葉がちょっとイタイ)には、
「ちょっと待て。冷静になれよ」と思ったし、
それに対して婚約者がいる洋子が、
迷っているのにも
「おいおい、19、20歳やないねんぞ」と、
あまりのお花畑な展開に白けそうになったんやけど、
その後の展開が予想外で、凄かった。

ネタバレになるんで書かないけど、
あまりにも酷い展開。
酷いし、怖い。
そんなわけで、ラヴストーリーの方も
結構ドキドキ。

ラストも余韻があって良いと思った。
あの後どうなるのかは、
観た人に委ねるしかないやろな。

福山のギターの演奏シーンは、
本当に弾いているんだろうけど、
音は別に録音されたもののようなので、
そういう意味では、ライブ感には欠ける。
まあ、ライブビデオと違うから、
そんなことは映画としては良いねんけど。
サントラは、福田進一が演奏しており、
福山のギターの指導にも当たったようだ。
CD には、福山の演奏も2曲収録されている。
また、福山の師匠役の古谷一行の
指導には、荘村清志が当たった。

それにしても、福山さすがやな。
(たぶん)数カ月の練習であんな風に弾けるんやから。
まあ、演技の方は、好き嫌いが分かれるかも
知れんけど、本作ではあるシーンの演技で、
知らなかった福山の魅力を感じたよ。
『ジョーカー』のあとに観たからかもしれんけど、
激しい人格の役もチャレンジして欲しい。

劇中に出てくる架空の映画『幸福の硬貨』の
タイトル曲が美しくて良い。
調べてみると、テレビや映画の音楽などを
数多く手がけている、
菅野祐悟という人の作曲だった。

原作は、芥川賞作家・平野啓一郎の小説。
パリのシーンでは、行った所が映らないかと
探してしまいました。


★★★★▲








2019.11.24

ゴッホ展
@ 上野の森美術館


すっかりゴッホ・ファンになってしまったが、
今日は、上野の森美術館で開催されている
「ゴッホ展」に行ってきた。
この時期に開催されているなんてタイムリーだ。

ゴッホが、ゴッホになっていく過程で、
影響を受けた「ハーグ派」と「印象派」の
作品も交えた展覧会だ。

今回の目玉のひとつは、
ポスターやチラシにもなっている
『糸杉』だろう。



確かに『糸杉』の迫力は凄かった。
糸杉が生き物のようで、
この絵にも明らかに何かが宿っていると
思わされる作品だった。
これは、ゴッホがサンレミの療養院に
入ってから比較的間もなく描かれたらしい。
ちょっと残念だったのは、
特別な LED により照明にも
工夫されているとの表示があったのだが、
正面から見ると絵が反射してしまっていたこと。
少し斜めから見た方が、糸杉の生々しい色が
よく分かった。

オランダにいた頃の素描も何点か展示されていた。
やはり、初期の絵からはあまり魅力を感じない。
『ジャガイモを食べる人々』もあるのかと
思っていたら、これはリトグラフ(版画)のみ。

有名なところでは、『麦畑』『薔薇』
『パイプと麦わら帽子の自画像』
『タンギー爺さんの肖像』(3枚ある中で
一番地味なの)あたりだろうか。
やはりサン=レミで描かれた、
『サン=レミの療養院の庭』が強烈だったな。

図録(2,300円)


『サン=レミの療養院の庭』


音声ガイド(600円)付きで鑑賞したので
色々勉強になった。
考えたこともなかったけど、
ゴッホに自画像が多いのは、
自分を描けば、モデルを雇うお金が
浮いたからだという。
そして、初期に自画像がないのは、
大きな鏡を持っていなかったからだという。

ゴッホ以外も合わせて全部で約70点ほどなので、
ゆっくり観ても 60〜90分あれば十分だろうと
思っていたが、到着したのが12時前だったのと
日曜日ということもあるだろう。
思った以上に混んでいた。
私が到着した時はそれほどでもなかったが、
観終えて会場を出てきた13時過ぎには、
もうチケットを買う行列が出来ていた。
展覧会は、やはり開館と同時に行くべきだな。
(そういえば一昨日、ゴッホ展の来場者が
20万人を突破というニュースを見た。)

ゴッホの一時期の師匠だった、
マントン・マウフェの絵は初めて観たよ。

今度いつ観られるか分からない絵ばかり。
1月13日までの開催なので、もう一度行きたい。


ゴッホ展 特設サイト






閉鎖病棟 ―それぞれの朝―


本当は、アンドレア・ボチェッリの映画
『奇跡のテノール』を観るつもりで出かけたのだけど、
上映1時間前に会場をのぞくと、なんと満席で売り切れ。
一日一回の上映なので、諦めるしかない。
事前にチケットを購入しておくべきだったが、手遅れだ。
もう1本、観たかった『蜜蜂と遠雷』も
(別の映画館だけど)これまた売り切れ!
で、それならばと観たのが
笑福亭鶴瓶、綾野剛、小松菜奈らの
出演している『閉鎖病棟 ―それぞれの朝―』。

原作は、精神科医でもある作家、
帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)の、
1995年に山本周五郎賞を受賞した小説。

どこかで見聞きしたことのあるような
ストーリーでそれ自体には、目新しさはないが、
テーマは、永遠に正解がないような
哲学的な問いにあるように思うのだが、
いかんせん設定が良くない。
こんな精神病院があってはならないと思う。

患者が、院内である事件(犯罪)を犯す。
犯人は、すでに院内で問題を起こしており、
危険で要注意人物であった。
そんな危険人物をなぜ隔離していなかったのか、
なぜ自由にウロウロさせたのか、
全く不可解なのだ。
一応、監視されているようなのだが、ぬるい。
これは、病院の過失といっても良いほどの
事件だと思った。
他にもいくつかツッコミ所があり、
リアリティは、かなり低い。

精神病院というデリケートな舞台を
扱うのだから、その辺はキッチリして欲しかった。
とはいえ、原作は精神科医。
ネットのレビューをいくつか読む限り、
映画は原作通りでないような記述があったので、
原作はもっとちゃんと書かれているのかも知れない。
(賞を獲っているぐらいやし。)
テーマが良かっただけに、もったいないと思う。

「その優しさをあなたは咎めますか?」というのが
映画の宣伝コピーなのだが、このコピーもどうかと思う。
鶴瓶演じる梶木秀丸のことを言っているのだろう。
確かに梶木は、優しい人間として描かれている。
しかし、梶木がとった行動が、果たして、
「それは優しさですか?」と問いたい。
ここは、『グラン・トリノ』のウォルト・コワルスキーと
大きく違う。
コワルスキーの行動にも是非があるだろうけど。

そして、タイトルの「閉鎖病棟」。
舞台となる病棟は、全然閉鎖されていないのにな、
と思っていたら、原作を読むと「閉鎖病棟」の意味が
分かるという記述を読んだ。
それは、映画を観ても分かるようにしくれないと。

そんなわけで、ちょっと悶々としてしまう作品だった。
出演者の演技は、それぞれ良かったのにな。
特に綾野剛はいいと思った。

監督は、『太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男』
『エヴェレスト 神々の山嶺』などの平山秀幸。


★★★▲☆








2019.11.25

スカイツリーが!

昨日、上野で撮影したスカイツリー。



3分の1以上、雲の中!




JIMMY HERRING & THE 5 OF 7

ジミー・ヘリング & THE 5 OF 7


これだけ音楽に親しんでいても、
まだまだ知らない凄腕ミュージシャンはいる。
最近出てきた若手ならまだしも、
今日観てきたのは、
私と同じ1962年生まれの57歳。
オールマン・ブラザーズやグレイトフル・デッドに
参加していたこともあるという経歴の持ち主だが、
特に日本ではあまり知られていない。
その人の名は、ジミー・ヘリング(Jimmy Herring)。

今回の来日で、私も彼の名を知り、チェックした。
YouTubeには、結構動画がある。
最近のものは、PRS で ブリブリ弾いており、
これは期待できるぞと、ライヴに行ってきた。

自己名義では、初来日という。
バンドは、“THE 5 OF 7”。
どういう意味やろ。
ホンマは7人やけど、その中の5人という意味かな。
(たぶん違う。)

ジャズ、フュージョンからロック、カントリーまで
その守備範囲は広そうだったが、
今日の演奏を聴くと、こりゃロックやね。
ほとんどがインストで、数曲歌入り。
ヴォーカルのリック・ローラーの歌が中々良い。
ギターも良かった。
もっとジャム・バンドっぽいのかと思ったら、
そうでもなかった。

インストのロックというと、ジェフ・ベック、
エリック・ジョンソン、ジョニー・A あたりを
思い浮かべてしまうけど、ジミー・ヘリングは、
誰にも似ていなかったね。(当たり前か)
強いていうと、曲調がちょっとベックっぽいとか
いうのはあったけど。

ジミーのギターは、ノンカバーのミニ・ハムが
3基付いた PRS。
リックは、テレキャスター。

曲名が全く分からないのだけど、
印象に残ったのは、(調べてみると)
"One Strut" という曲で、これはご機嫌。
あと、歌入りのちょっと R&B っぽいのが
気に入ったけど、曲名分からず。
アンコール入れて、70分ぐらいかな。
お客は、ふだんブルーノートでは、あんまり
見かけないロックなおっさんが多かった。


[ MEMBERS ]
Jimmy Herring (g)
Kevin Scott (b)
Darren Stanley (ds)
Matt Slocum (key)
Rick Lollar (vo,g)

@ BLUE NOTE TOKYO
2nd show





(2019.11.29追記)
ブルーノートの 「LIVE REPORTS」に
セットリストがアップされたので転記しておく。

[ SETLIST ] 2019 11.25 MON
1. THE BIG GALOOT
2. ONE STRUT
3. SKETCH BALLAD
4. 1911
5. TWO GOOD PEOPLE
6. MISS MAYBELLE
7. KALEIDOSCOPE CAROUSEL
EC. SCAPEGOAT BLUES

気に入ったと書いた曲名が分からなかった曲は、
"Two Good People" という曲だった。
調べてみると、この曲を歌った Rick Lollar の
「KING BABY」というバンドの曲のようだ。
というか、今回のバンドのドラム以外の3人
リック、マット、ケビンは、
「KING BABY」のメンバーだわ。
この「KING BABY」も良いぞ!
アトランタのバンド。
適度に黒く、適度に泥臭く、
ちょっとメロー。
ジミー・ヘリングより好きかも。





2019.11.26

ゴッホのあしあと
日本に憧れ続けた画家の生涯
原田マハ 著


19世紀末、パリで日本美術を広めた、
日本人・林忠正とゴッホ兄弟との交流を
小説にした、『たゆたえども沈まず』が
とても良かったので、著者の原田マハさんが、
『たゆたえども沈まず』に続けて出版した
『ゴッホのあしあと 日本に憧れ続けた画家の生涯』
を読んだ。

著者の小説は、初めて読んだので
他の作品は知らないのだけど、
ゴッホ以外にもピカソやルソーの
小説を書いておられる、
美術関係に詳しい方のようだ。

ゴッホは好きだけど、小説にするには、
日本人にイメージが定着し過ぎていて、
避けていたという著者が、なぜ小説を
書こうと思ったのか。
それは、林忠正という人がいたことを
知ったことに始まる。

浮世絵などの日本文化から
印象派、後期印象派の画家達が
受けた影響は、私がぼんやり知っていた
レベルのものではなく、とんでもないほど
多大な影響だった。
そこに大きな功績を残したのが、
林忠正だったのだ。

生前、絵の売れなかったゴッホは、
今や天文学的数字でその作品が
取引される画家となった。
一方、林忠正は、生きていた時は、
世の中に知られていたけど、
世界に日本文化を紹介した功績や、
祖国の近代化に多大な貢献をしたことは、
現代では、ほとんど知られていない。
その林の日本における復権が
小説のひとつの目的であったという。

私が買った『たゆたえども沈まず』は、
第10刷で、帯には「6万部突破」と書かれていた。
少なくとも、6万人のうちのほとんどが
林忠正のことをこの小説を通じて
知ったことだろう。
私を含めて。
そういう意味では、著者の目的は、
果たされたと言えると思う。
今後もこの小説は、ゴッホの絵に魅せられた
人々が手に取ることだろうし。

もう一つの目的として、ゴッホの「狂気の人」という
イメージを覆したかったとある。
自分の耳を切ったとか、精神病院に入院したとかいう
エピソードから、どうしてもエキセントリックな
イメージを抱いてしまいがちなのだが、
著者は「ゴッホはまともだった」と説く。

テオへの手紙の丁寧なフランス語に始まり、
相当な読書家であったとか、
色とりどりの毛糸を使って、
色彩を決めていたとか、
おそらく調べれば調べるほど
知れば知るほど、
ゴッホがまともであった、
証拠が見えてくるのだろう。

驚いたことの一つは、耳切り事件。
左の耳を剃刀でスパッと切ったのだと思っていた。
医者が書いたスケッチが残っていて、
それを何かで見た覚えがある。
(最近 立て続けに映画やドキュメンタリーを
観たので何で観たのか分からなくなっている。)
しかし、本書には耳たぶの先っぽを
切っただけだと書いてある。
何か根拠があるのだろうけど、
ネタ元には触れていない。
軽くググったところ、耳たぶの先だけという
記述は確かに見つかったが、
一方で、ゴッホを診たフィリックス・レー医師の
書いた耳全体が切り落とされている
スケッチが存在していることも発見した。
私が何かで見たのもこのスケッチだと思われる。
ただ、そのスケッチは、1930年(事件から
42年後)に書かれたものだけど。
なんか 謎だらけやなぁ。

本書は、ゴッホのことを知る手がかりも
多く書かれているが、小説
『たゆたえども沈まず』のネタバレのような
ことも書かれているので、
出来れば小説を読んだ後で
手に取るのが良いだろう。

『たゆたえども沈まず』の読後のレビューに
登場人物の加納重吉について、
実在の人物か架空の人物か分からないと
書いたけど、彼は架空の人物であった。

ちょっと前に観た映画
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。
1969年、カルト教団に襲われ惨殺された
女優シャロン・テートを、その映画の中では、
殺されずに済んだストーリーに書き換えていた。
代わりにリック(ディカプリオ)と
クリフ(ブラピ)にカルト教団を
めっちゃくちゃにやっつけさせる。
まるで、映画の中で仇を討つみたいに。

全然 世界は違うのだけど、
『たゆたえども沈まず』では、
日本に憧れたゴッホ兄弟に日本人を
寄り添わせることで、亡きゴッホの
力になり、慰めようとしている。

『ワンス〜』は映画愛に、
『たゆたえども〜』はゴッホ愛に溢れている。
そういう愛の昇華もあるのだな。

アルルはもちろん、
もう一度、パリにも行きたくなる本。


★★★★☆





2019.11.27

ゴッホの耳

『ゴッホのあしあと』(原田マハ 著)という本に
耳切り事件で、ゴッホが切ったのは
耳たぶの先だけだと書いてあった。
私は、耳をスパッと全部切り落としたような
印象を持っていたので、
昨夜、気になってググっていたところ、
「ゴッホの耳の不思議」というタイトルの
ブログを発見した。
筆者は、「Mystery Hunter」という名で
ブログを書いている人だった。

読んでみると、2016年に英国 BBC で
放映されたドキュメンタリー番組
(YouTube で視聴可)を
記事にまとめたものだった。

バーナデット・マーフィーという素人探偵が書いた
『Van Gogh’s Ear/ The True Story
(ファン・ゴッホの耳/真実の物語)』という
本を基に製作された番組で、
非常に興味深い内容だった。

ゴッホは、なぜ、耳を切ったのか。
本当に自分で切ったのか。
切った耳を渡した相手のレイチェルという女性は、
誰だったのか。
なぜ、彼女に耳を手渡したのか。

それらの疑問に対する一つの答がここにはある。
もちろんどこまで行っても、
解釈と推測の積み重ねでしかなく、
真実は永遠に闇の中なのだけどね。

ゴーギャンが「アルルを出て行く」と
ゴッホに別れを告げた日に、ゴッホは、
弟テオから結婚するという知らせを受け取った。
テオから経済的援助を受けていたゴッホに
すればその援助を失うかもしれない、という
知らせでもあったわけだ。
ゴーギャンとテオ、2人を同時に失う怖れが
ゴッホを襲ったであろうことは想像に難くない。

そして、耳を渡したと伝えられている、
レイチェルという女性の正体。
ちょっと、ゾクゾクっとくる内容だった。

このストーリーで、ぜひ映画化して欲しいと思う。
今までのイメージとは違うゴッホが描けるだろう。

このブログを私は、昨日(11月26日)
発見したのだが、アップされたのは
一昨日(11月25日)だった。
なんというタイミングだろう。
この記事を読まなければ、BBC の番組の
内容を知ることはなかっただろうし、
そんなにいつまでも、「ゴッホの耳」で
検索もしないだろうから、ブログのアップが
数日遅ければ目にすることはなかったわけだ。
実に絶妙なタイミングだ。

ブログの筆者は、月曜日と金曜日にブログを
アップしているようで、昨年12月にも2週にわたって
「ヴィンセント・ファン・ゴッホの不思議」という
ブログをアップしている。
こちらも筆者が YouTube で観た
「Vincent van Gogh - The story」という
ビデオをまとめた内容なのだが、
残念ながら、この YouTube は、
今では観られなくなっていた。

ブログは、英語を訳したものなので
所々訳すのが難しいんだろうと思われる、
分かりにくいところはあるものの
意味は十分に理解できる。

「ゴッホの耳の不思議」(BBC)の方は、
今でも観られるし、自動翻訳の字幕が
付けられるようになっているので、
そのうち観てみようと思う。
自動翻訳はかなり分かりにくいけどね。


Blog ゴッホの耳の不思議

YouTube BBC The Mystery of Van Goghs Ear


ところで、「ゴッホ 耳」などとググってると
こんな商品が見つかった。



ERASER(消しゴム)とEAR(耳)を合わせて
「EARASER」。
ただの耳の形をした消しゴムならいいが、
「ゴッホの耳の消しゴム」として売っている。



これはちょっとどうかなぁ・・・。
なんかイヤやなぁ。





2019.11.28

Char Live Tour 2019
"Mustang Since 1964"


4月に「Char & Chabo」のライヴと
9月に「石田長生展」で、Charさんを
観たけれど、ソロ・ライヴは昨年5月の
日比谷野音以来だ。
会場は、初めて行く、長ったらしい名前の
「かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール」。



メンバーは、ドラムが古田たかしではなく、
ロバート・ブリルでもなく、ZAX(日本人ね)
という初めて観る人。
ZAX は、Charさんの息子 JESSE(ジェシー)と
「The BONEZ」というバンドを組んでいる。
当然、今日のメンバーの中では一番若い。
見た目も音もとてもロックなドラミングで好印象だった。

JESSEといえば、今年は薬物で逮捕され、
懲役2年(執行猶予3年)の判決が下りた。
たぶんバンドは、活動休止中だろう。
そのことと、今回のツアーメンバーになっていることと
関係あるかどうか分からないけど。
メンバー紹介の時、「正社員」って言って
紹介してたので、今後も一緒にやるのかもな。

ファンクラブ先行でチケットを取ったおかげで
席は前から5列目だった。
Char さんは、珍しく最初から最後まで
1本のギターで弾き通した。
そのギターは、今回のライヴのタイトルにも
なっている "Mustang"。
東京オリンピックの年、1964年に
米国フェンダー社がスチューデントモデルとして
販売を開始したギターだ。
スチューデントモデルだったのに
日本では、Charさんが使ったことで
人気があるモデルだ。
今年、その "Mustang" の新しいモデルが
発表された。
2020年東京オリンピックの年に向けての
ニューモデル "CHAR 2020 MUSTANG" だ。
そのモデルを ZICCA(Charさんの事務所)では
Zicca Limited Model として、限定カラーで
売りに出している。
今日弾いたのは、その Limited Model の1本。
「オリンピック・ホワイト」といわれる
カラーのボディにマッチング・ヘッド。
そして、白いピックガード。
税込151,800円(一般モデルは、126,720円)。
日本製ということもあって、
数年前に発売された USAカスタムショップ製
462,000円に比べると、かなり手の届きやすい
価格に設定されている。
私は、Mustang は弾きこなせないと思っており、
欲しいと思ったことがなかったけど、
このモデルは、ちょっと興味ありなのだ。

CHAR 2020 MUSTANG - Zicca Limited Model

それはさておき、今日のライヴ、
"For Your Love"、"金星のライオン"、
"All Around Me"、"Tokyo Night"、
"Smoky"、"Shinin' You Shinin' Day"、
"Rainbow Shoes"、"Merry Go Round"、
"スーダラ節"、"Drive Me Nuts"、
"Natural Vibration"、"Apple Juice" など
ソロ、JOHNNY, LOUIS & CHAR、
PINK CLOUD、PSYCHEDELIX、
それぞれの時代の曲が聴けた。
"金星のライオン"、"Drive Me Nuts" が
嬉しかったな。
アンコール入れて、120分ぐらい。
Char さん、64歳です。


[ MEMBERS ]
Char (gt, vo)
澤田浩史 (b)
Dr.kyOn (key)
ZAX (dr)

@ かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール








2019.11.29

ゴッホ美術館 オフィシャル DVD
ゴッホ 生きることは、描くこと

ゴッホは、オランダで生まれた。
1886年3月にパリに出るまで、
オランダ国内、ロンドン、パリ、ベルギーを
転々としているが、1886年以降は、
1890年7月にフランスで亡くなるまで
一度もオランダに戻っていない。
とはいえ、ゴッホの作品の多くは、故郷の
オランダの2つの美術館にコレクションされている。
その一つ、アムステルダムのゴッホ美術館の
オフィシャル DVD『生きることは、描くこと』を観た。



1853年から1890年までの37年のゴッホの
人生をディスク2枚145分にまとめて、
美術館の学芸員達数人が、
その生涯と作品、そして手紙を
時代を追って解説してくれる。
ゴッホの生涯の全体像を掴むには
とても良い資料だと思う。
砂浜で書いた絵には、砂が混じっているとか、
かなりマニアックな内容もあり面白い。

ゴッホの死から半年後、兄を追いかけるように
弟テオが亡くなった。
テオの妻と息子が、コレクションを守ったのだが
ディスク2には、テオの孫と曾孫も登場する。

ところで、本 DVD では、ゴッホは耳たぶの
先っぽを切ったと解説がある。
先日発見したブログ「ゴッホの耳の不思議」
読むと、『Van Gogh’s Ear / The True Story』
の著者バーナデット・マーフィーが、
耳たぶの先っぽだけではないことを物語る資料を
ゴッホ博物館に持ち込んだとある。
DVD の発売日が2010年なので
おそらくその後のことだろう。
もしかしたら、今では新しい情報が
ゴッホ美術館で展示されているのかもしれない。

ゴッホ関連の本を2冊読みかけているが、
前述のバーナデット・マーフィーの著書も
『ゴッホの耳 ‐ 天才画家 最大の謎』という
タイトルで、すでに日本語に
翻訳されているのを発見した。
これも読まなきゃ。

我ながら、凝り性だと思うが、
こんな風にハマっていくと、
やがてオランダに行かねばならなくなりそうだ。





2019.11.30

Illustrator
ことはじめ入門講座


今年に入ったあたりから、
妻の仕事の関係で、ロゴマークを作ったり、
Tシャツのデザインをしたりするようになった。
ずい分前から、デザインには興味があって、
もう10年以上前だけど、そういう学校に
通おうかと思って、調べたことがある。
仕事にしようという気はなくて、
趣味程度でやりたいと思っていたので、
高額なソフトを買って、高額な授業料を
払ってまでやろうとは思えなくて、
結局その時は諦めた。

しかし、10年以上経って、不思議なことに
現実にデザインをする機会がやってきたのだ。
今は、Adobe Illustrator も
サブスクリプション方式なので、
思い切って何万円も出す必要がなく、
始めるハードルは下がったと思う。
いい時代になったね。

そんなわけで、1年ほど前から
Illustrator を使い始めたのだが、
これが結構難しい。
やりたいことがあっても、どこをどうすれば
それが出来るのかが分からない。
ネット検索しても、専門用語に慣れていないので
中々解決しない。
っていうか、調べたいことを何と調べれば良いか
その調べるキーワードが分からないことも多い。
少しずつ使える機能を発見してきたのだけど、
独学の限界を感じている。

今日は、Adobe が開催する初心者向けの
ワークショップに参加してきた。
抽選に応募したら当選したのだ。
有料でも参加しただろうけど、なんと 無料だ。
Adobe の Lightroom のオンライン講座
(これも無料)は何度か視聴したことがあるが、
オフラインの講座は初めてだ。
「デジタルフォト & デザインセミナー」には
行ったことがあるが、これは1000人近い人が
集まるイベントなので、今回のワークショップとは、
趣旨が違う。

今日の会場は、横浜の某貸会議室。
参加者は、男女混合で若い人から
私ぐらいの人まで、合計22人。
休憩をはさみながら、
朝 10時半から夕方5時まで。
架空の写真展のお知らせポストカードを
作成するというお題の講座。
講師は、浅野桜さんという、
デザインの書籍も出版されている
プロのデザイナーさん。

最後に、皆の作品を観て投票し
上位3名が、「Ai」ロゴの入ったマグカップを
もらえたのだが、私のは入らなかった。
1位の人は若い男性だった。
Illustrator を初めて1カ月と言っていたが、
プロの作品のようだった。
やはり持って生まれたセンスだろうか。

講座内容は、基本的なことなのに
知らないことも多く、とても勉強になった。
機会があれば、また参加したい。
使いこなせる機能が増えれば増えるほど、
世界が広がるのは間違いない。

Lightroom のオンライン講座は、
いくつか観たけど、Illustrator のは
なぜか始めてすぐに観た「ことはじめStep1」だけだった。
他にも講座動画がいくつかあることを発見したので、
これから順次観て行こうと思う。



今日の作品だが、右側の仕上げがイマイチだ。
「クリッピングマスク」という手法を習ったので、
それを使うために、無理やり円弧で写真を切り取った。
そんなことするから、中途半端になってしまった。



ひとりごと