TOP LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS


 2015年 MUSIC
    感想・ご意見は→ shinya◇shin223.com
    メールをくださる方は、上記アドレスの◇を@に変えて送ってください。(スパムメール対策)


2015.1.4

引退表明

私は、2007年の5月から2009年の

9月までの2年5ヶ月間、月に3回、

日曜日に宮之上ジャズギター道場へ 通った。

師匠は、宮之上貴昭さんだが、

師匠に直接習えるのは上級者のみで、

私は、その2年5ヶ月の間に、

3人の師範代について ジャズギターを学んだ。

2人目に習った師範代が、太田雄二さんで

レッスンも刺激的だったし、彼のギターが好きで、

何度かライヴにも足を運んだ。

ここしばらくは、聴きに行く機会がなかったのだが、

先日ショックなニュースを目にした。

なんと、昨年いっぱいで引退を発表していたのだ。

彼は、まだ32歳だ。

ご本人のブログによると、

これからはヘリコプターのパイロットになるべく

勉強をするのだという。

ご本人の選択だし、どういう背景があるのか、

どういう思いがあるのかも知らずに

無責任なことは 書く気はないが、残念やな。

彼のお兄さんもジャズ・ドラマーだったのだが、

数年前にミュージシャンを引退し、

今では公務員だという。


知らんかったけど、こんなんも演ってたんや。

森高千里 & 太田雄二





2015.1.6

畳の国のひとだもの
2015 新春 其の弐
浜田真理子


代官山のライヴハウス、

「晴れたら空に豆まいて」 の新春企画、

「畳の国のひとだもの 2015 新春」。

その名の通り、ライヴハウスの床に

畳を敷いての5日間のライヴ。

その第二夜、浜田真理子のライヴに

行ってきた。

浜田真理子のライヴは、一昨年、

クラブ・クアトロと、渋谷 WWW で

観て以来、3度目。

昨年は聴きに行かなかったけど、一昨年の

WWW でのライヴが、ライヴ・アルバムとして

発売されたので、それは買ったよ。

自分が会場にいたライヴが、

公式に発売されるのって、なんか嬉しい。


さて、今日も彼女は、ピアノの弾き語り。

やっぱり良かったね。

前にも書いたけど、なんでやろ、

なんかこの人の歌 聴いていると、

「うた」 が、ダイレクトに入ってくる。

そして、自分も何か表現したくなる。

歌いたくなるし、色んなアイディアが

浮かんでくる。

今日の一番は、中島みゆきの 「化粧」。

この歌、高校生の頃 (30数年前) に聴いて

(なんて暗い歌やろ) と思ったのを覚えてる。

浜田真理子が歌うと、オリジナルとは違う味がある。

そして、彼女の暗い歌は、暗くない。

ご本人が

「今日は、お正月なので、おめでたい歌、

明るい歌を歌おうと思ったのですけど・ ・ ・

・ ・ ・ ないんですね」

と言っていた通り、どちらかというと、

明るくない歌が多い。

っていうか、歌自身は暗いものが多い。

でも彼女が歌うと暗くないねんな、なんでか。

それが、彼女の歌を聴きたくなる

要因の一つだと思う。



ライヴは、あっという間で、

文句なしに良かったのだけど、

この畳を敷いてのライヴは、良くないな。

「晴れたら空に豆まいて」 は、以前に一度

行ったことがあって、一風変わった雰囲気の

ハコであることは、知っていたいけど、

畳を敷いたことで、まず、

靴を脱いだり履いたりが めんどくさい。

そして、ドリンクの置き場に困る。

(ポツポツと小さなお膳がおいてあるのだけど、

使えない人が多い。)

ドリンクの置き場がないので、

畳の上に置くのでこぼしそうで気になる。

実際、隣の人がこぼしてた。

私は数少ない椅子に座れたけど、もし

椅子が一杯だったら、畳に座ることになっただろうが

それは、足が痛くてイヤだ。

おまけに一人当たり、椅子に座るより

場所を取るので、狭い。

そんな風に、何一つ良いことがない。

お店としては、もちろんええ企画と思ってるやろし、

お客の中にも、良いと思う人もいるんかも知れんけど、

私には、快適でなかったな。


あらためて、商売は自分らの満足だけではなく、

お客さんの立場になって考えやなあかんな、と

思ったのでした。





2015.1.14

ZAZ

パリでは悲しい事件が起こったが、

現在、世界で最も売れているフランス人シンガーと

言われている、ZAZ (ザーズ) を紹介しよう。

昨日、朝のテレビ番組に生出演していて、

偶然耳にするまで、知らなかったのだが、

この歌 を聴いて、ググッときてしまった。

「オー・シャンゼリゼ」

特段、この曲のメロディが素晴らしいと

思ったことはなかったんやけど、

こいつはやられたね。

フェイクの仕方など、大好きだ。


以前、映画 「エディット・ピアフ」 を観て、

(シャンソンってソウルやん) と思った覚えが

あるが、これ なども然り。


今回、ニュー・アルバムのプロモのための

来日だったようで、ショーケース・ライヴが

一夜だけだったようだが、ぜひ、ナマで聴きたい。

CD買うてしもた。







2015.1.22

新宿 PIT INN 50th Anniversary Vol.3
水谷浩章 3DAYS
phonolite strings の歌謡ショー
ゲスト:浜田真理子

今月6日に続き、またまた浜田真理子の

ライヴに行ってきた。

といっても、今日は

水谷浩章 phonolite strings のゲストで、

「phonolite strings の歌謡ショー」 という

触れ込みだ。

6日のライヴに行く前夜、彼女の歌を

聴きながら、ひさしぶりに彼女のブログを

読んでいたら、1月22日に

PIT INN の水谷浩章さんのライヴに

ゲスト出演するという告知を発見した。

「へぇ〜、phonolite strings の歌謡ショーかぁ、

面白そうやなぁ」と読み進めていると

そのメンバーの中に、

なんと友人 K彦 の名前を発見。

彼は、サウンド・エンジニアなのだが、

水谷さんとは旧知の仲で、時々、

水谷さんのライヴの音響を請け負っている。

で、メンバーとして名前をクレジット

されていたわけだな。


さて、今日のライヴ、1部も2部も

まずは3曲ずつ、phonolite strings で

インストを演奏。

それから、浜田真理子の登場だ。

通常、クラシックの世界で弦楽四重奏といえば、

ヴァイオリン2本、ヴィオラ1本、チェロ1本

という編成だが、phonolite strings には、

ヴァイオリンはおらず、ヴィオラ1本、

チェロ2本、コントラバス1本という編成だ。

その編成から分かる通り、

一般の弦楽四重奏より音域が低い。

重厚なハーモニーになるわけだ。

ピアノのみの弾き語りしか聴いたことが

なかったが、ストリングスとフルートが

入ることで、重厚なリッチな音になった。

生のストリングスって、ホーン (管楽器) とは

違うリッチさ、美しさがある。

ああ、このメンバーで、ゲストコ−ナーではなく

フルのライヴを観てみたい、そんなライヴだった。

最後のアンコール曲が終わることが

惜しまれたね。


終演後、読み終えたばかりの本

(浜田真理子 著 「胸の小箱」) に

サインをもらって、握手。


【MEMBERS】
水谷浩章 (cB)
梶谷裕子 (Vla)
橋本歩 (Vc)
平山織絵 (Vc)
太田朱美 (Fl)
三住和彦 (sound)
ゲスト:浜田真理子 (P,Vo)

@ PIT INN (新宿)





2015.1.26

KAREN SOUZA
カレン・ソウサ


アルゼンチン出身のカレン・ソウサの

ライヴに行ってきた。

先日、ニューアルバム 『Essentials II』 を

購入したのだが、ライヴも観たいなと

思いながら、行けそうにないかと

思っていたら、今日急遽、飲みの勢いで

行くことに (そういう流れなので、

当然、2ndステージ)。

カレンは、ロックやポップスのカヴァーを

ジャジィに演るタイプで、

今日のステージでも

『Do You Really Want to Hurt Me』

(カルチャー・クラブ)、『Billie Jean』

(マイケル・ジャクソン)、『Have You

Ever Seen The Rain』 (CCR)、

『Creep』 (レディオヘッド) などを歌った。

スタンダードでは、『Summer Time』 や

『My Foolish Heart』 など。

途中、カレンが 衣装替えに引っ込んだ間の

バンドの演奏は、『Come Together』

(ビートルズ)。

CD を買ったぐらいだから、彼女の歌は

もちろん聴いたことがあったわけやけど、

ライヴで聴くと、その歌のクールさというか、

言い換えれば 淡白さが一層 際立った感じがした。

顔をしかめて歌っても、出てくる歌声は、

それほどでもない感じ。

始まって数曲は、その淡白さが少々物足りない

気もしたのだが、ステージが進むうちに、

面白いことに、どんどん味わいが出てきた。

まるで、スルメやね。

熱く歌いあげるタイプではないけど、

良いです、この淡白さ加減。

バンドも良かった。



【MEMBERS】
Karen Souza カレン・ソウサ (vo)
Mayito マジート (p)
Arturo Baez Velazquez アルトゥーロ・バエズ (b)
Gabriel Puentes ガブリエル・プエンテス (ds)

@ Blue Note Tokyo


(2015.11.26 追記)
ブルーノ―トのサイトに 当日のセット・リストが
発表されていたので転記しておく。

1. Paris
2. Do You Really Want To Hurt Me?
3. Tainted Love
4. My Foolish Heart
5. The Way It Is
6. Everyday Is Like Sunday
7. Full Moon
8. Night Demon
9. Inst / Come Together
10. Summertime
11. Never Tear Us Apart
12. Steppin' Out
13. Billie Jean
14. Wicked Game
15. Think For A Minute
16. Have You Ever Seen The Rain?
EC1. Never Gonna Give You Up
EC2. Creep





2015.1.27

BECCA STEVENS BAND
ベッカ・スティーヴンス・バンド


初めて観たベッカ・スティーヴンスの印象は、

美しい声、美しいハーモニー、

美しい音楽、そして、美しい女性 (ひと)。

ベッカ・スティーヴンスのことは、

先日まで知らなかったのだが、

コットンクラブのサイトで、見つけ、

そのサウンドを聴いて、

ライヴで体験したいと思ったのだ。

今回が、初来日のようだが、

その初日2ndステージを観てきた。


アメリカ人なのだが、アメリカというより、

ヨーロッパっぽい感じ。

イギリスやアイリッシュの匂いに

フォークが混ざった感じかな。

アメリカのカントリーやR&Bの匂いは、

ほとんどしない。


ベッカは、ギターと ウクレレと チャランゴ

(マンドリンみたいなアンデスの民族楽器) を

持ち替えて、弾きながら 歌うのだが楽器の方も

なかなかの腕と見た。

独特な感じが、なんとも言えず良い。

結構、喋ったのだが、毎度のこと

英語がほとんど分からず悔しい。

バンドがまた良い。

めちゃくちゃ、バンドしてます。


コットン・クラブへの公演に向けての

ベッカからのメッセージ を聴くと、

彼女は大変な日本食好きで、

お茶などの日本の文化へも

興味津々なのがよく分かり、

日本人としては嬉しくて好感が持てる。

今日も 「ダイスキ ナットー」 とか

日本語で言うてたよ。


Becca Stevens Band -"thinkin bout you" Live


【 MEMBERS 】
Becca Stevens (vo,g,charango,ukulele)
Liam Robinson (p,acco,vo)
Chris Tordini (b,vo)
Jordan Perlson (ds,per)

@ Cotton Club





2015.1.29

CHICKENSHACK
チキンシャック


2012年3月2013年6月に続いて、

チキンシャックの再結成ライヴを観てきた。

約1年半ぶり。

やっぱりこのバンド、リズム隊はええね〜。

グルーヴが、ウネウネしとる。

山岸さんの 「昨年は、身近な人が

たくさん逝った」 という MC。

ジョー・サンプル、ワイルド・マグノリアスの

なんとかいう人、藤井裕ちゃん、ほんで、

知らんかったけど、カズ南沢 が、

12月20日に亡くなっていた。

享年63歳。

カズさんは、バブルガム・ブラザーズの

ギタリスト。

2012年11月、ウィル・リーのライヴを

観に行ったとき、客席にチャック・レイニーと

一緒にいたのを見かけたことがある。

山岸さんとは仲が良かったようだ。

で、4人に捧げますと言って演奏したのが

『Street Life』。

イントロのギターのルバートが

泣かせるプレイでした。


山岸さんのギターは、

今日は ほとんどクリーム色のストラト。

たぶん Fennder やと思うけど

ヘッドのロゴまで、よく見えんかった。

あと、Gibson の ES-345。

ロータリースイッチは外されてた。


本編最後の曲は、昨年の 山岸潤史 × 渡辺香津美

ライヴでも演ってた 『Revelation』。


チキンシャック、ホンマ、ええバンドやと思う。

「またいつか演ります」 と言うてたけど、

ぜひ演ってください。


【 MEMBERS 】
土岐英史 (sax)
山岸潤史 (g)
続木徹 (p,key)
Wornell Jones (b)
鶴谷智生 (ds)

@ Blue Note Tokyo




(2015.11.26 追記)
ブルーノ―トのサイトに 当日のセット・リストが
発表されていたので転記しておく。

1. From Tokyo With Love
2. A Silent Love
3. Flow
4. Medley : At Temps 〜 You Make Me Feel Brand New
5. Street Life
6. Stinky Snake
7. Revelation
EC. Flowers For Lena




ポール・マッカートニー
4月来日決定!


昨年5月、来日するもウイルス性炎症と診断され、

全公演が中止になったポール。

私も、当日、会場 (国立競技場) まで行って

公演中止を知り、大変なショックを受けたことは、

記憶に新しい。

そのポールが昨年の約束通り来日する。

4月21日の京セラドーム大阪、

23、25、27日の東京ドーム、

合わせて全4公演

日本武道館での公演も調整中らしい。

早速、ぴあでは、抽選先行受付が始まった。

S席 1万8千円なり。

今度は、無事 観られますように。


ポールからのメッセージ





2015.1.30

上田正樹 Super Session
meets 村上 ”PONTA" 秀一
“Real Soul, Neo Groove”


今週4回目のライヴは、

昨年3月以来のキー坊。

今日のドラムは、PONTA さん。

スペシャル・ゲストに押尾コータロー。

キー坊と押尾コータローという組み合わせ、

全然どんなんか想像つけへんかったけど、

何の違和感もない素晴らしい共演でした。

コータローのギター1本とキー坊の

『悲しい色やね』 は、キー坊いわく、

今までで一番洗練された 『悲しい色やね』。

コータローのギターが素晴らしく、

(これ、CD にしたらええのに )

と 思うほどやった。

今日のライヴは、

キー坊 と バンド (Key, B, Dr)、

コータロー のソロ、

キー坊 と コータロー のデュオ、

コータロー と ポンタさん のデュオ、

バンド (Pf トリオ)、

全員による演奏、と盛りだくさんで、

楽しめた。

選曲もバラエティに富んでたね。

先述した 『悲しい色やね』、

ミュージシャンで世界で一番初めに

「人間は皆平等や」 と言うたという

ベートーベンの『第九』、ドボルザークの

『家路』、震災の被災地の人に 「どんな歌、

聴きたいですか?」 と訊いたら、

「童謡、唱歌」 という答えが返ってきたので、

歌いだしたという 『叱られて』、

十八番の 『Georgia on my mind』 など。


昨日は、山岸さんの MC で、

昨年暮れに 南沢カズ さんが亡くなっていたことを

知ったけど、今日のキー坊の MC では、

12月に ジョー・コッカー が亡くなったと聞いて

驚いた。(享年70歳)

で、ジョー・コッカーに捧げるというて、

演ったんが 『Fun Tme』。

曲が始まるまで、題名聞いても分からんかったけど、

もう25年ぐらい前にやってた、

R&B のバンドで カバーしてた曲で、

めちゃくちゃ懐かしかったね。

それにしても、ホンマにたくさんの

ミュージシャンが死んでいってるような

気がするなぁ・・・。


【 MEMBER 】
上田正樹 (Vo/Gt)
村上 "PONTA” 秀一 (Dr)
岡沢 章 (B)
堺 敦生 (Pf,Key/Cho)
Yoshie.N (Cho/Vo)
Special Guest::押尾コータロー(Ac Gt)

@ SHINJUKU ReNY





2015.2.1

LARRY CARLTON
& STEVE LUKATHER
JAPAN TOUR 2015


ラリー・カールトン と スティーヴ・ルカサー、

それぞれ、何度も来日しているが、

この双頭名義でのライヴは、

1998年以来の来日ということだから、

なんと17年ぶり。

前回は、見損なったし、ギター好きとしては

この共演は観ておかないとね。

カールトンは、昨年2月の

デヴィッド・T・ウォーカー とのライヴ以来。

ルカサーは、昨年4月の TOTO 以来。

ルカサーは、大きなホールでしか

観たことなかったので、

クラブで間近に観られるのは嬉しい。

ほんの5メートルやもんね。

ラリーは、ロベン・フォードや

リー・リトナー、Char、松本孝弘、そして

昨年のデヴィッド・T・ウォーカー など、

ギタリストとの共演が多いが、

ルカサーとのライヴは、DVD にも CD にも

なっている上、こうやって再演するということは、

もしかしたら、演っている方も楽しいのかもね。

東京は、5日間10公演あるのだが、

今日は立ち見までいる超満席。

2ndステージを観に行ったのだが、

2人が出てきただけで、大歓声、大盛り上り。


[ MEMBERS ]
Larry Carlton (g)
Steve Lukather (g)
Jeff Babko (key)
Travis Carlton (b)
Keith Carlock (ds)

@ Blue Note Tokyo


曲は、ジェフ・ベック の 『The Pump』 に

始まり、2曲目は、

なんとマイルス・ディビスの 『TUTU』。

この2曲だけで約40分!

次にジョー・サンプルに捧げると言って、

クルセイダーズの 『Lillies of the Nile』。

これは、カールトンがレコーディングに

参加していた曲だ。

その次は、ルカサーが

ヴォーカルをとって、『Crossroad』。

続いて カールトンの名曲 『(It Was) Only Yesterday』。

次の曲は、タイトルが分からないが、

ブルー・ノート発表の一昨日のセットリストでは、

『Ben E Wah』 となっている。

同じ曲だろうか。

この曲で、キースのドラム・ソロ。

そして本編最後は、『Room335』。

カールトンがイントロを引き出すと、

ルカサーが、その肩の上に肘を乗せる。

なんて、平和な絵なんでしょう。

世界のどこかで、日本人の人質が

殺されたという報道がある一方で、

なんという平和、なんという幸福。

ちょっと、うるうる。

時代が違っていたら、このステージの人たち

(アメリカ人) と殺し合わなくては

いけなかったのかと思うと、本当に

平和であることの大切さを感じたね。

『Room335』 が、ショート・ヴァージョンだったのは、

残念やったけど、アンコールがこれまた

ルカサーの歌で 『While My Guitar Gently Weeps』。

全部で 90分以上は、演ったかな。

とても 満足なライヴでした。

ギターは、カールトンが お馴染みの

Gibson ES-335。

ルカサーは、Musicman の LUKE を2本使用。








2015.2.4

中牟礼貞則 & 井上智
スペシャル・ギター・デュオ


日本のジャズ・ギター界のレジェンド、

渡辺香津美の師匠でもあった

中牟礼貞則 (来月で82歳!)。

ニューヨークで20年以上活動し、

ジム・ホールとは師弟関係もあり、

また デュオ共演歴もある井上智。

この2人の貴重なデュオを聴きに行ってきた。


中牟礼さんは、彼のリーダーライヴには

行ったことがないものの、ゲストやなんやで

3度ほどナマで観たことあり。

井上さんは、教則本を持っているものの

2010年まではニューヨークにいたことも

あってか、ライヴは初めて。

ギターは、中牟礼さんがギブソン ES-175。

トグルスイッチを取り外し、2つずつある

ボリューム、トーンもそれぞれ1つずつ

取り外されていることから見ると、

リアのピックアップは、使わないセットアップに

なっているのかもしれない。

井上さんは、エイブ・リベラ。

同じフルアコでもここまで違うかというぐらいに

それぞれ、全く違うキャラクター。

中牟礼さんの 175 は、太くて平たい音。

井上さんもエイブ・リベラは、

ややソリッドというか、

よりエレクトリックというか、芯と艶のある音。

どちらかというと、私はエイブ・リベラの方が、

好みだった。

曲目は、1部が、『黒いオルフェ』、

『In A Sentimental Mood』、『Bluesette』、

ジム・ホールの 『Careful』 など。

『Bluesette』 は、トゥーツ・シールマンスの

有名なワルツ。

井上さん、やっぱり関西人なのか、

『Bluesette』 の曲名紹介で、

『ブルーレット、一家にひとつはあります』 と

ボケた。

お客さんは、クスクスと笑ったけど、

中牟礼さんの無反応さに

「分かった?」 って訊いてたけど、

あの分では中牟礼さんには通じてないな。

二部は、ピアソラの 『Oblivion (忘却)』、

中牟礼さんのソロで 『My Funny Valentine』、

井上さんソロで 『Sunset And The Mockingbird』

(デューク・エリントン)、デュオで、

『All the Things You Are』 など。

アンコールは、飛び入り (?) ゲストで

大野えりさん (Vo) が加わって、

3人で 『On Green Dolphin Street』。


井上さんは美しいメロディを弾く人。

実は、中牟礼さんのことは、今までイマイチ

良さが分からなかったけど、今日のソロの

『My Funny Valentine』 を聴いて、

ようやく分かった。

あまりに渋すぎて、

ちょっとや そっとでは、

分からんかったんやと思う。

82歳。

私も40年後、ライヴしていたいな。


【 MEMBERS 】
中牟礼貞則 (g)
井上智 (g)

@ BODY & SOUL





2015.2.9

JOHNNY A.

前回観たのは2011年10月の

ブルーノートでの公演だったから3年4ヶ月ぶり。

前回は、ギタートリオだったけど、

メンバーは総替えで、今回はもう一人ギターを

入れてのクァルテット。

曲は、ニュー・アルバム 『Driven』 からの

選曲が中心で、そのほか 『The Night Before』

(ビートルズ)、『oh yeah』 など。

アルバムには入ってないと思うねんけど、

スティーヴィー・ワンダーの 『Superstition』 が

めちゃくちゃカッコ良かった。

あと、ギターソロでやった 『Ticket To Ride』

(ビートルズ) も 良かったなぁ。

アンコールでは、Cream のヴァージョンを

基にした 『Crossroads』。

この人も エリックをコピーしていたんやろな。

前回、お客さんが少なかったと書いたけど、

今日も同じく40人くらいかな。

クラブで観られるのは嬉しいねんけど、

もうちょっとお客さん入ってる方が、

ええのになぁ。

知られてないだけで、きっと、好きな人

もっとおると思うで。

ジョニーのギターは、ギブソンの自身の

シグネチャー・モデルで、シースルーの黒と

1曲だけ、ゴールドのを弾いた。

どちらもビグスビー付き。

ジョニーA モデル、ちょっと欲しい。

サイド・ギターのグレッグは、

赤のギブソン、レスポール。

ベースのエヴァンは、(たぶん) ヘフナー。


ジョニーって、何歳かなって調べたら、

(50代と思ってたら) 62歳やった。


[ MEMBERS ]
Johnny A. (g)
Evan Coniglio (b)
Marty Richards (ds)
Greg Tawa (g)

@ Cotton Club








2015.2.14

シーナ 死去

シーナ&ロケッツのシーナが逝った。

子宮頸がんだったらしい。

享年61歳。

ニュースには、ダンナでもある、シナロケの

ギタリスト 鮎川誠のこんな言葉が。

「歌うことが好きで、病気治ったら何したい?って
聞かれたら 『歌いたい』 って。
(最後にそれが) かなわんかったから、
歌聞きながら…。
素晴らしい歌手でした。
一緒に35年過ごせて、幸せでした。
ファンの皆さんから愛されて、とても幸せやったと思います。
ハートが大好きだったから、
バレンタインが命日 (に) なって…」


R.I.P. です。


それにしても、前にも書いたが、最近、

60代で亡くなるミュージシャンが多い。

大瀧詠一、やしきたかじん、佐久間正英、

安西マリア、藤井裕、カズ南沢・・・。

みんな、60代。

あ、日本人ばっかりや。

そういえば、チャーリー・ヘイデン、

ジョニー・ウインター、ジョー・サンプル、

ジャック・ブルース、ジョー・コッカー、

この人たちは、みんな70代で逝った。

日本人の60代・・・。

なんでやろ。





2015.2.15

SHANTI
シャンティ


一昨年の3月以来、2度目の シャンティ。

前回は、ギター二人のバックだったが、

今日はニューアルバム 『SHANTI'S LULLABY』 の

レコーディング・メンバーによるバンドのライヴ。

選曲は、『Beautiful』、『When You Wish Upon A Star』、

『Late』、『Both Sides, Now (Joni Mitchell)』、

『Goodnight, My Angel (Billy Joel)』、

『夢で逢えたら』 などニューアルバムからが中心。

一番印象的だったのは、シャンティが、「もし会ったら

失神するかも」 というほど 好きだという Sting の

『Fields Of Gold』。

ニュー・アルバムの1曲目だ。

魂こもってましたね。


この人の歌声は、おじさんの癒しだ。

そして、可愛いとか美しいを通り越して、

歌うその笑顔は、もう眩しい。

おじさんは、彼女の前では無力なのだ。


ご存じない方のために SHANTI を紹介すると、

父親がゴダイゴのドラマー、トミー・シュナイダー。

日本生まれだが、お父ちゃんが アメリカ人という

こともあってか、英語の発音も日本人のそれとは違う。


[ MEMBERS ]
SHANTI (vo)
宮本貴奈 (p)
西山''HANK''史翁 (g)
木原良輔 (g)
鳥越啓介 (b)
鎌田清 (ds)

@ Cotton Club





2015.2.19

Wallflower
Daina Krall


ダイアナ・クラールの新譜、

“ Wallflower ” が大変よろしい。

ポップス、ロックの名曲を

ゆったりと歌ったカバー・アルバムだ。

唯一、「If I Take You Home Tonight」 だけが、

ポール・マッカートニーの書き下ろしで、

そのほかは、60年代70年代の名曲ぞろい。

しょっぱなの 「California Dreamin' 」 で

やられてしまった。

イーグルスが 「Desperado」「I Can't Tell You Why 」 と

2曲入っているのが嬉しいなぁ。

「Superstar」 は、レコード会社のサイトでは、

デラニー&ボニーの曲として紹介されてたけど、

私としては、これはカーペンターズやなぁ。

デラニー&ボニーが先みたいやけど。

というか、これ、レオン・ラッセルと

ボニー・ブラムレッドの曲やねんな。

それから、私はボブ・ディランをほとんど

聴かずに来たんやけど、アルバム・タイトルにも

なっている 「Wallflower」 は、

ディランの曲で、激渋です。

「Wallflower」 の意味は、辞書には、

「ダンスパーティーなどで社交的に相手に

されない人; 主に若い女性」 とある。

「壁の花」 やからね。

歌詞は、そんな女性 (Wallflower) に 恋をしてしまい、

私と踊りませんか? と問いかける切ない内容。

ビートルズの 「In My Life」 も大好きな曲。

ちょっとポールの 「If I Take You Home Tonight」

だけが、色が違うような気がしてならないが、

わざわざ入れたというのは、なんかあるんやろ。

アレンジ、プロデュースは、デイヴィッド・フォスター。

ああ、ライヴで聴きたい。



【 収録曲 / オリジナル・アーティスト 】
1. 夢のカリフォルニア / ママス&パパス (1965年)
2. デスペラード / イーグルス (1973年)
3. スーパースター / (1969年)
4. アローン・アゲイン duet with マイケル・ブーブレ
  / ギルバート・オサリバン (1972年)
5. ウォールフラワー feat.ブレイク・ミルズ
  / ボブ・ディラン (1971年)
6. イフ・アイ・テイク・ユー・ホーム・トゥナイト
  / ポール・マッカートニー描き下ろしの新曲
7. 言い出せなくて / イーグルス (1979年)
8. 悲しみのバラード / エルトン・ジョン (1976年)
9. オペレーター / ジム・クロウチ (1972年)
10. アイム・ノット・イン・ラヴ / 10cc (1975年)
11. フィールズ・ライク・ホーム duet with ブライアン・アダムス
  / ランディ・ニューマン (1995年)
12. ドント・ドリーム・イッツ・オーヴァー
  / クラウデッド・ハウス (1986年)
13. イン・マイ・ライフ / ザ・ビートルズ (1965年)
14. イェー・イェー duet with ジョージィ・フェイム
  / ジョージィ・フェイム&ブルーフレイムズ (1965年)
15. 悲しみのバラード (ライヴ) (ボーナス・トラック)
16. ウォールフラワー (ライヴ ) (ボーナス・トラック)





2015.2.21

MARCUS MILLER
マーカス・ミラー


先日、ニューアルバム 『アフロディジア』 が

発売されたばかりの マーカスのライヴに行ってきた。

『アフロディジア』 では、アフリカンなど

新しい要素を取り入れつつも、マーカス節全開だ。

マーカスのライヴは、もう10回以上は、

観ているだろう。

この数年は、ビルボードライブでの公演だったが、

今回の来日では、久しぶり (なんと8年ぶりだそう) に

ブルーノートだ。

その5日間のブルーノート東京公演、

今日は3日目でちょうど真ん中に当たる。

その2部を観てきた。


1曲目は、当然 ニュー・アルバムから来るものと

思っていたら、『Run For Cover』 だった。

短い挨拶のあと、2曲目に ニュー・アルバムから

『B's River』。

前半、マーカスは、「ゲンブリ」 という

北アフリカの弦楽器を演奏。

そして、「ジョー・サンプルとジョージ・デューク、

二人共ブラジルの音楽が好きだった」 と言って、

サンバの 『We Were There』。

マーカスのバスクラをフューチャーした曲があって、

もう1曲ぐらいあったかも知れない。

本編最後は、スティール・ドラム奏者

トニー・グッピーを招き入れて

『Son Of Macbeth』

アンコールは、『Come Together』 (ビートルズ)。

アレックスは、あい変わらずキレたソロで、

会場を沸かせていたね。

マーカスは、いつもの Fender 以外に

もう1本、白いジャズベをステージに並べていたが、

それは弾かず。

1曲で、珍しくミュージックマンのフレットレスを

弾いた。

アダム・アガティは、Fano Guitar の

ジャズ・マスター タイプ。


残念ながら、音響の調子が悪く、

数回にわたり、フロントのスピーカーから

音が出ない事態が起こった。

マーカスのべース・アンプが向いている方向に

座っていたので、それでも聴くことはできたが、

フロント・スピーカーが鳴っている時でも

バランスが悪いように感じた。

演奏が キレキレ だっただけに残念だ。


マーカスは、近年、ユネスコの奴隷制度問題

プロジェクト (Slave Route Project) の

「アーティスト・フォー・ピース (音楽平和大使)」 として、

奴隷制度の歴史・知識などを若者に

広める運動もしているようだ。

言うまでなく、アメリカの黒人の歴史は、

アフリカから奴隷として連れてこられたことに始まっている。

そんなことも、ニューアルバムに深く関わっているようだ。

また、アルバム収録の 『I Can't Breathe

(息ができない)』 は、昨年7月、

ニューヨークで起きた事件がもとになっている。。

黒人が白人警官に後ろから羽交い絞めにされ、

「I Can't Breathe (息ができない)」 と

何度も言ったにも関わらず、結果、

殺されしまった痛ましい事件だ。





[ MEMBERS ]
Marcus Miller / マーカス・ミラー (b,bcl)
Alex Han / アレックス・ハン (sax)
Lee Hogans / リー・ホーガンス (tp)
Brett Williams / ブレット・ウィリアムス (key)
Adam Agati / アダム・アガティ (g)
Louis Cato / ルイス・ケイトー (ds)
Tony Guppy / トニー・グッピー (s.pan)

@ Blue Note Tokyo





2015.3.1

Jess Lewis

以前、タル・ウィルケンフェルド、

エスペランザ・スポルディング、ニック・ウェストなど、

女性ベーシストを紹介したことがあったが、

今日は、女性ギタリストを。

YouTube 上には、ホンマに大勢の女性ギタリストの

動画が上がっている。

もちろん全部観たわけではないのだけど、

私のイチオシはこの娘。

1994年生まれのジェス・ルイス (Jess Lewis)。



最初に見つけたのは、この動画やったけど、

こん時、17〜18歳や。

演奏も素晴らしいし、なんというか・・・。

こういうの、「萌え」 っていうのかしら。

おじさん、初 (恥?) めての感覚。

ギターの上部のカーブは、このためだったのか。


で、このギターのこと調べたら、

イギリスの Eternal Guitars っていうブランドの

ジェスちゃんモデルのようやねんけど、

欲しいなぁ。


ジェス、16歳のプレイ。

ラリー・カールトンの名曲を弾くジェス。





2015.3.3

ハバネロ+2

横浜の KAMOME で 「habanero 」 の

ライブを観てきた。

「habanero 」 は、サックス、フルートの

羽根渕さんと ギターの馬場さんのデュオで、

ライヴを観るのは、一昨年の12月以来で

5回目だ。

いつもは、完全なデュオだが、

今日は、ベースとドラムを加えたクァルテット。

ドラムとベースが加わったことで、

デュオで何度か聴いたハバネロの曲が、

力強く、ちょっとラウドに生まれ変わった。

これ、また演って欲しいなぁ、

ジャズっていいなぁ、と改めて思えるライブでした。

ベースは、エリクトリックのフレットレスで、

子供用の (バイオリン用だろうか) 弓を使って

アルコするわ、ドラムは 100円ショップで買った

菜箸をスティック代わりに使うわで、

ジャズが何でもあり、自由な音楽であること

そのものな演奏でした。

今日は、羽根渕さんの43歳の誕生日ということで、

曲中、突然、馬場さんがハッピーバースデーを

歌い出すやら、楽しいライブでした。


馬場さんのギターは、渋谷ウォーキンの

オリジナル、Westville Guitars の

あの Kurt Rosenwinkel も使ってるやつ。

[ MEMBERS ]
habanero " +2 "
羽根渕道広 (Ts, Fl)
馬場孝喜 (G)
織原良次 (B)
橋本学 (Ds, Perc)

[ Set List ]
― 1st set ―
1. 4℃
2. Where Are You
3. Keep In Touch
4. Snoopy's Siesta
5. Brazilian Kiss

― 2nd set ―
1. My Ideal
2. Vanity
3. Flavour
4. Premonition Of Love
5. I Ask You a Question
En. Have You Met Miss Jones ?

@ KAMOME





2015.3.13

JACKSON BROWNE
ジャクソン・ブラウン


いやぁ〜予想をはるかに超えて良かった、

ジャクソン・ブラウン。

7年ぶりの来日ということだが、

私は観に行くのが初めて。

80年ごろの来日時、コンサートのあった日、

大阪ミナミのアメリカ村のサーフショップは、

軒並み閉店していたという伝説がある。

ジャクソン・ブラウンは、当時の

サーファー御用達ミュージックだったのだ。

そんなジャクソンのコンサートに

元サーファー (?) の私も行ってきた。


ジャクソンのようなウェスト・コースト・ロックの

サウンドは大好きだが、実は、ファンといえるほど

そんなにたくさんは聴いてないねん。

知ってる曲は何曲かあっても、

曲名を言えない程度と言えば、

そのファン度合いが分かってもらえるだろうか。

もちろん 『Stay』 とか曲名を言えるのもあるけど。

『Stay』 と言えば、80年頃、桑名正博が日本語で

カバーしていたのを聞いた覚えもあるなぁ。

あれ、ジャクソンの曲ちゃうねんけどね。

私が唯一買ったジャクソンのLPレコードが、

ジャクソンの横顔がジャケットの80年の 『Hold Out』。

(その後、大人になってからCD数枚を買ってるけど。)

そんな熱狂的ファンとは言えない程度の私だが、

今日のコンサートは、すごくスゴク良かった。

ジャクソンは、客のリクエストに応えるというのは、

何かで読んだことがあったが、

あんなホール規模のコンサートで、

客が気軽に自分の聴きたい曲目を大声で言い、

アーティストがそれに応えていくというのは

初めての経験だった。

ジャクソンは、ほとんど曲ごとにギターを

持ち替えるのだが、一旦ギターを抱えてから、

客のリクエストに応じるため、

ギターを持ち替えるシーンが数回あった。

そのサービス精神も感動したが、

昨年発売されたニューアルバムからの曲が

結構多かったのにも驚いた。

比べるのも変やけど、エリック・クラプトンは、

新しいアルバムの曲をコンサートで演奏しない。

古いヒット曲ばかりでも2時間では足りないと

いうこともあるかも知れんけど。

今日、ジャクソンの歌を聴いていて思ったのは、

この人は 「今」 の人だ、ということ。

古いヒット曲を歌っても、

ニューアルバムの曲を歌っても

「今」 の人なんです。

66歳やけど。

だからといって、エリックが過去の人だと

言うてるわけではないので、

誤解せんといて欲しいねん。

うまいこと、書かれへんけどね。


ジャクソンが歌の出だしをミスり、

客席から 「Take It Easy!」 と

声がかかる場面も。

(イーグルスのヒット曲 『Take It Easy』 は、

グレン・フライとジャクソン・ブラウンの共作。)

そして、この人の歌は、琴線に響くね。

なんでしょ、心の底からの歌とでも言おうか。

何回もうるうるしてしもたよ。

途中、休憩を挟んで、アンコール2回入れて3時間近く。

正味、2時間半は演ったね。

ジャクソンがインタビューで

「ヴァル・マッカラムとグレッグ・リーズとの

掛け合いは相当の見物だよ」 と

語っていた通り、2人のギタリストは

ホント素晴らしかった。

テレキャスター、買おかなと思うほど。

そして、PA も素晴らしく、

サウンドも大変聴きやすかった。

ジャクソンは、ギブソン、マーティンのアコギから、

マーティンらしきフルアコ、テレキャス、

ストラト、ドブロ、見たことないエレキ・ギターなど、

何本のギターを弾いたか分からない。

ヴァル・マッカラムは、テレキャスター数本、

ジャズマスター、SG、ダンエレクトロ (?)

など、これまた数え切れない。

グレッグ・リーズも同様。

ギター好きにはたまらない、

すごい数のギターでした。


2011年にはイーグルスで、

今年はジャクソン・ブラウンで、

『Take It Easy』 をナマで聴けました。

幸せです。


[ MEMBERS ] (たぶん合ってると思う)
ジャクソン・ブラウン (Vo, G, Pf)
ヴァル・マッカラム(G)
マウリシオ・リワーク(Ds)
ジェフ・ヤング(Key)
ボブ・グラウブ(B)
グレッグ・リーズ(G, Lap steel, Pedal steel)
他に女性コーラスが2人。

@ Bunkamura オーチャードホール



今日の写真ですぜ


― 今回の来日公演 ー
3月 9日 名古屋 愛知県芸術劇場 大ホール
3月11、12、13日 東京公演 Bunkamura オーチャードホール
3月16日 大阪 フェスティバルホール
3月17日 広島 広島文化学園HBGホール
3月19日 大阪追加公演 フェスティバルホール





2015.3.19

左手のピアニスト

先日 偶然、ピアニスト 舘野泉さんの記事 を読んだ。

舘野さんは、2012年のNHK大河ドラマ

『平清盛』 のテーマ曲をピアノで弾かれていたので、

ご存じの方も多いのかも知れないが、

私はクラシックに疎いので彼のことを知らなかった。

舘野さんは、2002年65歳の時、

フィンランドでのリサイタルで、

演奏直後にステージで倒れた。

脳溢血だった。

右半身に麻痺が残るも、2年後には、

左手だけのピアニストとして復帰を遂げた。


もともと世界的なピアニストで、

今までにリリースされたCDは、130枚。

コンサートは、世界各国で3500回以上という。

この数年は、NHKの 『クローズアップ現代』 など

いくつかのTV番組で取り上げられたので、

ご覧になった方もいるかもしれない。


私などは、頭が固いのか片手でピアノを

弾くという発想がない。

いや、ないわけじゃないが、

どこかでそれを、全く無意識に

不十分と決めつけていたようだ。

調べてみると、左手のピアニストというのは、

舘野さんだけじゃなかった。

智内威雄 (ちないたけお) さんや

有馬圭亮 (ありまけいすけ) さんの場合は、

局所性ジストニアという病気で、

右手が不自由になり、左手のピアニストとして

活動されている。


舘野さんの記事に、ブリッジという作曲家が、

第一次世界大戦で右手を失った親友の

ピアニストのために曲を書いた話が出てくる。

いつどこで聞いたか読んだか分からないが、

どういうわけか、その話を私は知っていた。

もしかしたら、舘野さんのことを何かで見たけど、

その時は興味を持たなかったのかも知れない。


私は、前述の舘野さんの記事を読み、

感銘を受け、即、CDと著書を注文し、

6月にあるコンサートのチケットも取った。

著書は数冊出版されているので、

どれを読めば良いか分からなかったが、

『ひまわりの海』 を選んだ。

タイトルと表紙に惹かれただけではなく、

闘病から復帰にかけてのことが

書かれているようだったからだ。

読み終えたら、感想を書こう。

CD もたくさんあるのだが、

2010年から2011年にかけて

フィンランドで録音された、

『シャコタンヌ』 を選んだ。

左手のために書かれたピアノ曲は1曲も知らないが、

『シャコタンヌ』 は、もともとバッハの書いた

ヴァイオリンの曲をブラームスが編曲したもので、

聞き覚えのある曲だった。

演奏は、何も知らずに聴けば、

片手の演奏だとは、気づかなかっただろう。

何かが足りないとか欠けているとか、

そんなことは全く感じない。

左手だけだからといって、

音楽が半分になるわけではない。

そんなこと、考えれば分かることだが、

片手の演奏だと思って聴いて、

そんな感想が出てくるということは、

心の底で、片手では不十分だと

思い込んでいる証拠だろう。

一体、どれだけの気づかない信じ込みに

支配されているのかと、

自分のことながら驚く。


舘野さんについて、インターネット で

『クローズアップ現代』 のダイジェスト版の動画

見つけた。

その中で脳溢血で倒れ、ピアノを弾けなくなった頃のことを

舘野さんは、こう語っている。

「ひもじくて、音楽が欲しくてしたくて、

いくら聴いたって満足することじゃないんだ。

いくら譜面を見たって CDを聴いたって

それでいいということじゃなくて、

自分で弾きたいというたまらない飢えっていう

気持ちがあった」

胸ぐらを掴まれるようだった。


冒頭に書いた、舘野さんの記事を

レコーディング・エンジニアである友人の K彦に

メールで送った。

すると驚く返事が返ってきた。

なんと彼が、某レコード会社のエンジニアだった

1985年、フィンランドで舘野さんの

レコーディングをしたことがあるというのだ。

しかも、自宅にお邪魔し (舘野さんは当時フィンランド在住)、

舘野さんお気に入りの牧場にあるレストランで、

一緒にウォッカを飲んだという。

彼にとっては、それが初の海外録音の仕事で、

舘野さんの人柄も相まっての思い出だという。

その後、日本でも一度レコーディングしたことがあるそうだ。

以前、浜田真理子さんのことでも同じような

ことを書いた (これこれ) けど、ビックリです。


舘野 泉





2015.3.20

BOBBY McFERRIN
ボビー・マクファーリン


2008年1月にそのパフォーマンスを

初めて体験した、ボビー・マクファーリン。

あの時は、「神技」 と書いているが、

「神業」 の間違いやね。

「神技」 は、「かみわざ」 とも読めるけど、

「しんぎ」。

技術のことだが、私が言いたかったのは、

「技術」 ではなく 「業」 のことだった。


その後、2013年に 東京JAZZ での来日が

決まり、チケットも取ったのだが、

残念ながら、ボビーの体調不良により、

直前に来日中止
になった。


そのボビーのライヴにようやく行ってきた。

7年ぶりだ。

今回は、ホールではなくクラブだというのも嬉しい。

チケットは、ちょい高め (12,800円) やけど、

近くであのパフォーマンスに触れられるなら

構わない。

+1,000円 奮発し、アリーナ中央の指定席を

取っていたので、間近で観ることができた。

今日の印象は、「神業」 よりも 「巨匠」。

やっぱり、この人、スゴイ。

メンバー全員が、ボビーとの音楽を

楽しんでおり、ボビーも彼らとの

演奏を楽しんでいる。

ボビーは、ほとんど正面を向くことなく、

メンバーの誰かを見つめながら歌っていた。

さながら、観客のために歌っているというより、

バンドが音楽を創り出している場を、

観せてもらっているような瞬間さえあった。

かと言って、観客をおざなりにしている感は

全くない。

「Thank You 」 を連発し、そのまま即興 (?) で、

「Thank You」 という歌詞で歌ってみたり、

観客皆に歌わせたり、

観客のひとりをステージにあげ、

歌わせたりという場面もあった。

バンドも素晴らしかった。

ドラムのルイス・ケトーは、

2月21日に同じくブルーノートで観た、

マーカス・ミラー・バンドでも来日していた。

彼は、この数年、(たぶん) 毎年 マーカスとともに

来日していて観ているが、マーカス以外の

パフォーマンスで観るのは今回が初めて。

今日は、ドラムだけじゃなく、

ギターも弾いたし、コーラスもした。

ルイスは、ニューヨークでベーシストとしても

活動しているのは知ってたけど、

ギターの腕も中々のもの。

ほんまにマルチ・プレイヤーのようだ。

ギターを弾きながら、ハイハット・シンバルを

踏んで鳴らす技は、ドラマーならでは。

歌も上手く、素晴らしいハーモニーを

聴かせてくれた。

メンバー紹介で、一人ずつソロ・パフォーマンスを

披露するシーンがあったのだが、

ドラムソロではなく、ギターとスキャットで

来たと言えば、ギターの腕前も分かっていただけるだろう。

女性ヴォーカルのマディソン・マクファーリンは、

ボビーの娘。

メンバー紹介時には、ビートルズの 『Oh! Darling』 を

父ボビーの口 (くち) 伴奏とデュオ。

これまた素晴らしかった。


アンコールを入れて、90分は演ったね。

『Can't Find My Way Home』 (Steve Winwood 作) と

『Swing Low, Sweet Chariot』 (作者不明) の

2曲も エリック・クラプトンが歌ってた曲を演ったのも

興味深い。




[ MEMBERS ]
Bobby McFerrin (vo)
Gil Goldstein (music director,arranger,p,ep,accor)
David Mansfield (vln,mandolin,national resonator g, lap steel)
Armand Hirsch (g)
Jeff Carney (b)
Louis Cato (ds,g,vo)
Madison McFerrin (vo)

@ Blue Note Tokyo


若い頃の写真は、ワッキーを思わせます。

Bobby Mcferrin



[ Set List ] 2nd Show (2015.3.28 追記)

1. CIRCLE SONGS
2. IN THE LIGHT
3. CAN'T FIND MY WAY HOME
4. JESUS MAKES IT GOOD
5. SWING LOW
6. JOSHUA
7. THRILL
8. WHOLE WORLD
9. BAND SOLOS
10. WISHFUL THINKING
EC. REST





2015.3.21

沖仁 con 渡辺香津美
SPRING TOUR 2015


フラメンコ・ギタリストの沖仁、

ジャズ・ギタリストの渡辺香津美の

デュオを聴いてきた。

表題の 「con」 は、スペイン語で

「〜と」 という意味。

英語の 「and」 やね。

この2人のデュオを観るのは、

2012年、2013年に続き、3度目。

(2012年は、香津美のソロ・ギター・ライヴに

沖がゲストとして登場し、3曲デュオを演った。

2013年は、デュオとしてのライヴ。)

演奏が始まったとたん、

外国に連れて行かれたように感じ、ゾクッとした。

イメージとしては、地中海。

フラメンコ・ギタリストとジャズ・ギタリストの

デュオだが、フラメンコがギターが入ると

どうしてもそのニオイが強くなる。

1曲目は、このデュオのために

沖が書いたというテーマソング (曲名失念) で、

ギターのかけ合いが楽しい。

曲は、2人のオリジナルのほか、

『リベルタンゴ』 や 『スカボロフェア』 など。

沖が両親の還暦に贈ったという曲 (これまた

曲名失念) が印象的だった。

本編最後は、『マイ・ウェイ』。

『マイ・ウェイ』 といえば、30年前は、

自分で歌が上手いと思ってるヤツの定番曲だった。

悪い言い方をすれば、クサイ曲の代表とでも

言いましょうか。

そんな 『マイ・ウェイ』 を聴いて

不覚にもウルウルしてしまった。

今日で、『マイ・ウェイ』 に対する認識を改めます。

アンコールは、予想通りというか期待通りというか、

『スペイン』。

ギターは沖は、ガットギターを2本、

香津美は、ほとんどスティール弦 (カオルギター?)、

1曲でガットギターを使用。

アンコールでは、2人とも立ち上がって演奏。

香津美は、今日初めてのエレキ、History の Tidewater

(渡辺香津美シグネチャー・モデル) を使用。


[ MEMBERS ]
沖仁 / Jin Oki (Guitar)
渡辺 香津美 / Kazumi Watanabe (Guitar)

@ ビルボードライブ東京 2nd Show







2015.3.25

R.I.P.
Mike Porcaro


「TOTO」の元ベーシスト、

マイク・ポーカロが 今月15日に亡くなった。

マイクが病気だというのは知っていたが・・・。

59歳という若さだった。

以下は、3月16日(1:41)、兄のスティーブ・ポーカロが

Facebook に書き込んだもの。

Our brother Mike passed away peacefully in his sleep
at 12:04 AM last night at home surrounded by his family.
Rest in peace, my brother.

僕らのブラザー、マイクが昨夜 12:04 AM、
自宅で家族に見守られる中、眠ったまま安らかに
息を引き取りました。
安らかに、 マイ・ブラザー。



マイクは2007年、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した。

先日観た映画 『博士と彼女のセオリー』 の

スティーヴン・ホーキング博士と同じ病気だ。

TOTO は、マイクの発病のあと、2008年に解散。

2010年7月から、マイクの救済目的で

バンドを再結成し、欧州ツアーを行った。

ベースにはネイザン・イーストが

サポート・メンバーとして参加し、

2011年には来日した。

(震災の影響で5月の予定が9月に延期されたけど。)


私は、TOTOの来日公演を1980年、

1982年、2011年、2014年と4回観たが、

ベーシストは80年が初代 デヴィッド・ハンゲイト。

82年はデヴィッドが抜け、マイクが加入していたので、

その時一度だけマイクを演奏をナマで聴いている。

プレイ云々より、がに股で演奏する姿が

カッコ悪かったことが、印象に残っている。

11年と14年は、ネイザン・イーストだった。

そして、昨年の来日公演の後、

夏には、デヴィッドが復帰したらしい。


一時期は、ジェフ、スティーブ、マイクの

ポーカロ3兄弟がバンドに在籍していた時代もあったが、

兄貴、ジェフ・ポーカロが、1992年に

38歳 (!) で他界。

そして、今回マイクも他界し、スティーヴだけに

なってしもた。

(マイクが闘病に入ってからは、バンドには

スティーヴだけやったけど。)


聴いていたミュージシャンがどんどん死んでいきます。

哀しくて寂しいけど、

それは、あらがいようのない自然なこと。

そんなことを思いながら、

18日に発売された、TOTO の9年ぶりの

アルバムを聴いてみることにした。


合掌。





2015.4.3

HELEN MERRILL
ヘレン・メリル


「ニューヨークのため息」 ヘレン・メリル。

1930年生まれだから、私の父や

クリント・イーストウッドと同じく、

今年で85歳 (!) の現役ジャズ・シンガーだ。

中学か高校生の頃、TVCM で、

その声を初めて聴いた。

誰もが耳にしたことのあるであろう、

" You'd Be So Nice To Come Home To " だ。

数多く日本のステージに立っており、

一時 (60年代半ばから70年代初め) は、

日本に住んでいたこともあるようだが、

ナマで聴くのは、今日が初めてだった。

ヘレン・メリルというと、前述の

" You'd Be So Nice To Come Home To " が

収録されたデビューアルバムのジャケットの

顔の印象が強烈だが、この写真の時、

彼女は、24歳なのだ。



24歳でこんな渋い顔が、

看板になったというもスゴイけど、

ほかの写真を探してみるとこんなにキュート!



でも、可愛らしい写真ではなく、

あの強烈な写真をジャケットに選んだ

「ただのかわいこちゃんとちゃうで」 という

レコード会社の心意気を買うね。


ライヴは、3月31日から 4月4日まで、

4月2日をオフにして、4日間、計8公演

あるのだが、金曜日ということもあってか

ほぼ満席で、ヘレンの人気の高さを感じた。

まずは2曲バンド (ピアノ・トリオ) だけで演奏。

そして、ヘレンの登場。

見た目は、可愛いおばあちゃんだ。

1曲目 " Born to be Blue " 。

出だしの声でやられてしまった。

(ああ、もうこんな歌を聴いたら、

若いオネエちゃんの歌が聞けなくなるやんか)

というような、渋すぎる歌声。

こういうレベルになると、

もう人生というか、その人が歌に現れていて、

ピッチがどうのこうのとか、

そういうことを超越して、

心に届いてしまうねんな。

そういえば、昨年4月、85歳の

バート・バカラックをナマで聴いたときも

同じように感じたなぁ。

曲は、" Bye Bye Blackbird " や " All Of Me " など。

そしてもちろん、" You'd Be So Nice To Come Home To "。

途中、「孫です」 と ローラ (と言ったと思う) を

ステージに上げた。

20代だろうか、若い女性だ。

ローラが、" Summertime " を歌ったあと、

少しテンポを上げて、ヘレンも歌った。


本編終了後、

84歳にアンコール (残業) を求めるのは、

どうなんやろと思っていたら、

すぐにステージに戻ってきて、" 's Wonderful "。


やはり高齢であることは否めず、

その姿を見ると、

(今後もたびたび来日するのは難しいかも) と

思わざるを得なかったのは、哀しいが

観に行って良かったです。

ヘレン、激渋カワイイ です。


[ MEMBERS ]
Helen Merrill / ヘレン・メリル (vo)
Ted Rosenthal / テッド・ローゼンタール (p)
Sean Smith / ショーン・スミス (b)
Terry Clarke / テリー・クラーク (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show





追記 (2015.4.10)

そういえば、
" Gee Baby, Ain'T I Good To You "
" All Blues " も演った。





2015.4.5

渡辺真知子

昨日は、渡辺真知子のライヴを観てきた。

渡辺真知子って、歌唱力もあるし、

『かもめが翔んだ日』 とか

『唇よ、熱く君を語れ』 とか、

ええ曲歌ってたよね。

最近は、ラテン&ジャズ路線で

活動しているようなので、

(どんなんかな〜?) と興味を持ったのだ。


率直な感想を書くと、ラテン度もジャズ度も

私には中途半端に聞こえた。

だが、『リンゴ追分』 は、素晴らしかった。

1番は、マイクも通さずアカペラで歌い、

途中間奏部分が、4ビートの早いジャズになり、

またスローに戻るというアレンジも良かったが、

何より、彼女の歌が力強く、素晴らしかった。

期待していた 『かもめが翔んだ日』 は

要らぬアレンジをされたがために、

楽しめなかった。

アレンジが悪いわけではない。

一方、テンポを落として

ピアノのみの伴奏でしっとりと歌い上げた

『ブルー』 は、良かった。

両方、耳慣れたアレンジと違うのに

どうして一方は良くて、

一方は良くなかったのか考えてみた。

『かもめが翔んだ日』 は、足し算をしたが、

『ブルー』 は引き算をしたように感じた。

引き算をすると、余計なものが削ぎ落とされ、

メロディと歌詞だけが残っていく。

その楽曲の素 (す) があらわになるのだと思う。

だが、〜〜風にアレンジすると、

そんなことしなくても魅力のあった曲が、

余計な飾りをつけたために、

死んでしまうんじゃないか、

そんな風に思った。

その証拠というわけでもないが、

凝ったアレンジではなく、素直なアレンジの

『マイ・ウェイ』 は、良かったもんね。

でもこれは、日本語だったから

良かったんやと思う。

『Volare』も、アンコールで歌った

『Amazing Grace』 も、聴きながら、

(なんで、日本語の曲、歌えへんのやろ) と

思った。

『リンゴ追分』 の素晴らしさに

引きずられていたのかも知れない。


『Volare』や 『Amazing Grace』 なら、

上手に歌う人、世界中にいっぱいおる。

でも、あれだけの 『リンゴ追分』 を

歌える人は、そうそうおれへん。

やはり、血なんちゃうか。

ラテンの血は流れてないけど、

『リンゴ追分』 の成分 (?) は、

日本人の血に流れてるんやと思う。

血 (Being) と 模倣 (Doing) の

違いだとしたら、聴き手に伝わる度合いは、

言わずもがなである。


古いファンたちは、どんな風に聴いたんやろなぁ。


[ MEMBER ]
渡辺真知子 (vo)
石塚まみ (p/cho)
コモブチキイチロウ (b/cho)
岡部洋一 (perc)
アンディ・ウルフ (sax)
佐久間大和 (vln)

@ Cotton Club
2nd Show





2015.4.9

PUFFY
パフィーの Billboard Show


私は特に パフィーのファンというわけでは

ないのだが、一昨年、「古田たかし ドラム生活

40年祭」 というライヴで、初めてナマで

彼女たちの音楽を聴き、そのロック度合いに驚き、

機会があればライヴに行きたいと思っていたのだ。

この場合の 「ロック」 というのは、

曲調や形態のことではなく、

スピリッツとでも言いましょうか。

今回は、ビルボードライブのポイントが

貯まったので、それを使ってカジュアル席で

鑑賞した。

さて、ライヴの方は、パッと見、

若いバンドやな〜と思っていたら、

ドラムの川西幸一 (元ユニコーン) は、

私より年上 (55歳) だった。

70分ほどのショーのうち、知ってる曲は、

『これが私の生きる道』

『渚にまつわるエトセトラ』

アンコールの 『アジアの純真』 の3曲だけやったけど、

パフィー・ワールド、楽しめました。

独特ですね。

あの2人。

もう2人とも40歳を過ぎていて、

来年でデビュー20周年だそうです。


[ MEMBERS ]
大貫亜美 / Ami Onuki (Vo)
吉村由美 / Yumi Yoshimura (Vo)
フジタユウスケ / Yusuke Fujita (Gt)
木下裕晴 / Kinoshita Hiroharu (B)
伊東ミキオ / Mikio Ito (Key)
川西幸一 / Kouichi Kawanishi (Drs)

@ Billboard Live Tokyo
2nd Show





2015.4.23

ついに! ポール・マッカートニー
PAUL McCARTNEY
OUT THERE JAPAN TOUR 201
5



昨年5月、会場 (国立競技場) まで行くも

ポールが体調を崩し、当日ドタキャンという

ショックな目にあった、そのポールの

コンサートの日がついにやってきた。

もしかしたら、もう観られないかもと

思っていたが、ポールは約束通り、

帰ってきたのだ。

一昨日、大阪 京セラドームで初日を迎え、

東京ドームで、23、25、27日の

3日間と28日に日本武道館公演がある。

5公演全部で20万人動員予定だという。


さて、その東京公演の初日の今日、

6時30分の開演予定だったが、

7時を少し過ぎてついに始まった。

私の席は2階の後方で、ステージまでは、

たぶん130mぐらいある。

めっちゃ遠い!

先行抽選で当選したのに、

全然ええ席ちゃうやん。

ステージ横には例によってスクリーンが

設置されているので、そこに大きく

映し出されるのだが、聞こえる音と

実物や映像とに時間差があるのは、

やはりいただけない。

あと、遅れて聞こえる反射音ね。

大会場になると仕方がないねんけど。

ステージ横のスクリーンとは別に

演奏中、ステージの後ろに何か映像が

映し出されるのだが、私の席からだと、

吊り下げられたスピーカーが邪魔になって

半分以上見えないのも残念。

もうちょっと考えてステージ作って欲しい。

あれやったら、正面の人しか見えへんで。


さて、ポールは、とても元気そうで

もうすぐ73歳とは思えないエネルギーだった。

ちょっと高音がキツそうな場面が

数回あったものの、驚いたことに水を

一度も飲まない (ように見えた)。

それに、途中休憩を入れるアーティストが

増えているのに、休憩なしで、

2回のアンコールを入れて約2時間40分!

ミック・ジャガーのように走り回りは

しないものの、この人もスゴイです。

初めて観るポールは、

お茶目で、「永遠の青年」 といった印象だった。


曲は、新旧取り混ぜての選曲だが、

ビートルズの曲では、ヒット曲ばかりではなく、

さほど有名でないアルバムの1曲というような

(私の知らない) 曲が数曲あった。

そして、先日観たジャクソン・ブラウン同様、

昔のヒット曲もやるが、「今」 の音楽を

歌う人だった。(最新アルバムから3曲演奏)

聴きたかった曲はいっぱいあって、

それら全てを 聴けたわけではないけど、

" Can’t Buy Me Love " "We Can Work It Out"

"The Long and Winding Road "

" And I Love Her " " Day Tripper "

" I Saw Her Standing There "

そして " Let It Be " " Hey Jude "

" Yesterday " をナマで聴けたのだから満足だ。

" Live and Let Die " では、ステージに

火柱が上がり、花火が上がるという

大仕掛けでした。

ポールは、ヘフナーのバイオリンベース、

エレキギターはレスポール、エピフォン (カジノ?)、

アコギは、マーティン、ギブソン、エピフォン、

" Something " では、ウクレレ、

そしてピアノを弾いた。

バンドは、ポールを入れて5人のみ。


セットリストは、一昨日の大阪公演と

同じだったらしい。

[Setlist / 2015.4.23 @ Tokyo Dome]
1. Magical Mystery Tour
2. Save Us
3. Can’t Buy Me Love
4. Jet
5. Let Me Roll It
6. Paperback Writer
7. My Valentine
8. Nineteen Hundred and Eighty-Five
9. The Long and Winding Road
10. Maybe I’m Amazed
11. I’ve Just Seen a Face
12. We Can Work It Out
13. Another Day
14. Hope For The Future
15. And I Love Her
16. Blackbird
17. Here Today
18. New
19. Queenie Eye
20. Lady Madonna
21. All Together Now
22. Lovely Rita
23. Eleanor Rigby
24. Being for the Benefit of Mr. Kite!
25. Something
26. Ob-La-Di, Ob-La-Da
27. Band on the Run
28. Back in the U.S.S.R.
29. Let It Be
30. Live and Let Die
31. Hey Jude
Encore:
32. Day Tripper
33. Hi Hi Hi
34. I Saw Her Standing There
Encore 2:
35. Yesterday
36. Helter Skelter
37. Golden Slumbers / Carry That Weight / The End


開演前の会場




前の席のお客さん



ご夫婦でしょうか、今日の日付が入った

お揃いの限定Tシャツ。

ちなみに、私がグッズコーナーに行った時には、

このTシャツは売り切れでした。








2015.4.25

ポール・マッカートニー

一昨日、初体験したポール・マッカートニーについて

もう少し書いておこう。

ポールは、1966年のビートルズを含むと

今回で6度目の来日だった。

ビートルズの来日時、私は4歳なので

それを除くと、過去に4度の機会があったにも

関わらず、一度も観に行こうとしなかった。

2013年の来日時でさえ、

観に行こうとしなかったのだが、

その2013年の来日公演を観た人の話を

直接聞いて、観に行かなかったことを

随分後悔し、昨年はチケットを取ったのだが、

ご存知の通りの公演キャンセルとなった。

2013年までは、機会があったのに

観に行こうと思わなかったということは、

私はそれほどポールのファンではないとも言える。

しかし、彼の作品に好きな楽曲は多く、

ポールは偉大な作曲家の一人だと思っている。


" Let It Be " と " Hey Jude " については、

初めて聴いた日のことをはっきり覚えている。

今から41年前だ。

近所の2歳上の進 (しん) ちゃんが、

中学生になり、ギターを始めた。

私は当時 小学5年生で、

その影響で私もギターを弾きだしたのだが、

ある日、進ちゃんはシングル盤のレコード

2枚をうちに持ってきてくれて、

聴かせてくれた。

それが、ビートルズのシングル盤、

" Let It Be " と " Hey Jude " だったのだ。

" Hey Jude " の後半のリフレインで、

ゾクゾクッときたことも覚えている。

それから、何年も後のことだが、

専門学校の入学試験だったか、

「私の好きな曲」 という題で、

作文を書く機会があった。

その時、" Let It Be " で、その小学生の

時のことを書いた覚えがある。

そして、(時期が前後するが)

中学1年生になった私が、

初めて買った洋楽の LPレコードが、

ビートルズの 「HELP !」 だった。

ビートルズは、1970年に解散しており、

私がビートルズを知るのは、解散後なのだが、

私の中学生時代、1975〜78年頃は、

まだまだ人気が衰えていなかった。

音楽は、いきなり、その時代に聴く人を

連れて行ってくれる。

私は、特定のビートルズの曲を聴くと

その当時、遊びに行った屋内スケート場が

よみがえる。

あそこで、ビートルズを聴いたかどうかは、

定かでないねんけど、ジュークボックスがあったから、

たぶん、聴いてたんやろな。

不思議やね。


1984年、今から31年前、

ポール主演の映画 『ヤァ! ブロード・ストリート』 が

公開された。

その当時の彼女と観に行った唯一の映画で、

今でも " No More Lonely Nights " を聴くと、

やはり、あの頃のことを思い出す。

この曲、ナマで聴いたら、出だしで 泣くと思う。


そんなわけで、考えてみると

ポールの曲に人生の思い出は多いのだった。





2015.5.1

馬場孝喜 & 鈴木直人
ギター・デュオ


記録を見てみると、2012年8月11日に

このデュオを今日と同じ原宿の Bar dAZE で

観ている。

約3年ぶりだったわけだ。

2人の息がピッタリで、

別の人間が演奏しているのに

どこかで、何かで、見えないところで、

完全に一つにつながっていると思わされる演奏。

なんで、あんなことできるんやろ。

圧巻は、8バースや4バース時。

8バースというのは、8小節ずつ、

4バースというのは、4小節ずつ、

交代でソロを取ることをいうのだが、

互いに干渉し合い、

見事にフレーズが、連なっている。

ギターは、馬場さんは Archtop Tribute の

175 タイプ。

鈴木さんは、Gibson ES-335。


[ Set List ]
1st set
1. Tell Me A Bedtime Story
2. Donna Lee
3. Bright Size Life
4. The Peacocks
5. My Foolish Heart

2nd set
1. Three View Of A Secret
2. 雪 (鈴木オリジナル)
3. 練馬〜新宿〜宇宙 (馬場オリジナル)
4. Sophisticated Lady
5. All The Things You Are
EN. Days Of Wine And Roses

@ Bar dAZE (原宿)





2015.5.9

ファンキー・ミーターズ
funky Meters


ファンクの定番 「シシー・ストラット」 を生んだ、

ニュー・オーリンズ・ファンクの

生みの親とも言われる、ミーターズ。

途中、解散していた時期もあったが、

1994年にバンド名をファンキー・ミーターズに

改名し、今も活動している。

初めて、そのファンキー・ミーターズを観てきた。


ミーターズのオリジナルメンバーである、

レオ・ノセンテリ は、2012年9月の

「Rufus featuring Tony Maiden, Al McKay, Leo Nocentelli

〜Guitar Funk Explosion〜」 という公演で、

観たのだが、ファンキー・ミーターズには

在籍しておらず、現在残るオリジナルメンバーは、

アート・ネヴィル と ジョージ・ポーターJr.の

2人となっている。


アート・ネヴィル は、ミーターズ解散後、

自分の兄弟を集めてネヴィル・ブラザーズを結成。

今も両方のバンドで活動しているようだ。

現在、77歳。

歩くのが辛そうで、ステージに上がる

数段のステップさえ、助けがいるようだったが、

いったんオルガンの前に座ってしまえば、

そんなことたぁ関係ないという感じだった。

ベースのジョージは、

アートより10歳若く、まだまだ元気そう。

ギターのブライアンも、ええおっさんだったが、

意外や白人。

ドラムのテレンスは、かなり若そう。

20〜30代だろう。


さて、ニュー・オリンズ・ファンクというと

洗練されたというより、泥臭いファンクの

イメージなのだが、正に。

驚いたのは、1曲目が始まると、

本編ラストまで70分以上、一度も止まらず。

つまり、メドレーでどんどん次の曲に

移っていくのだ。

当然、MC もない。

珍しいね、こういうスタイル。

ドラムのテレンスは、休憩する暇がないので、

途中、片手でドラムを叩きながら、

水を飲んでたよ。

アンコールを入れて、約90分。

たっぷり、ニューオリンズのリズムに

浸りました。


最前列のお客さん数人が、(たぶんミーターズの)

LPレコードを差し出して、

アート と ジョージ にサインをもらっていたよ。


[ MEMBERS ]
アート “パパ・ファンク” ネヴィル
Art “Poppa Funk” Neville (Ham.Or, Vo)
ブライアン・ストルツ
Brian Stoltz (Gt, Vo)
ジョージ・ポーター・ジュニア
George Porter, Jr. (Ba, Vo)
テレンス・ヒューストン
Terrence Houston (Drs)

@ Billboard Live Tokyo








2015.5.17

Saigenji ライヴ!
Guest : 江藤有希


サイゲンジ というアーティストのことは、

つい先日まで知らなかった。

Motion Blue に出演するので、どんな人かな?と

YouTube で観てみたのが、これ

カーペンターズの " Close To You "。

2013年、バンコクでのライヴの動画だ。

これは、ナマで観たいなと、今日その

Motion Blue でのライヴに行ってきた。

ボサノバ風やブリジル風な演奏や歌を聴かせる日本人は、

数多くいるが、この人はそういった

「〜 風」 な人たちとは、一線を画している。

30年前には、こんな日本人はいなかったんと

ちゃうか。

私が知らないだけかも知れんけど。

でも、そんな風に思わせる何かがある。

ブラジリアンが日本人の血になっている

とでも言いましょうか。

歌もギターも素晴らしい。

ホンマもんです。

見た目に反して (失礼)、

ナマで聴くと、歌声には 優しさがある。

これは、良いアーティストを見つけた。


ゲストは、江藤有希 というヴァイオリニスト。

ヴァイオリンが入ると、これまたグッと

リッチになる。


曲は、オリジナルの他、" Close To You "、

Carole King の " It's Too Late "

高速の " One Note Samba " など。


サイゲンジの脇には、フルートが置いてあったけど、

私が観た 1stステージでは吹かなかった。

2ndでは、吹いたんだろうな。

と、フルートを吹いている動画 も発見。





Saigenji Official Site





2015.5.30

JOHN SCOFIELD "Uberjam"

ジョン・スコフィールド
“ウーバージャム”


2012年10月以来のジョン・スコ。

良かったぁ〜!

ドラムのルイス・ケイトーは、今年 2月に

マーカス・ミラーのバンドで来日し、

翌 3月には、ボビー・マクファーリンの

バンド・メンバーとして来日。

そして、今回はジョン・スコフィールドの

ウーバージャム・バンドの一員として来日だ。

4ヶ月の間に3回も別のバンドで来日するなんて、

いかに、ルイスが売れっ子かが分かる。

ボビー・マクファーリンの時には、

ギターを弾いたけど、今日は、

” I DON'T NEED NO DOCTOR ” という曲で

ヴォーカルも披露。

今日は、またええプレイしてた。

もう、ドラム叩いているっちゅう感じちゃう。

リズムが、ルイスを通して、

流れ出てきてるっちゅう感じやった。

あんまりドラムにエフェクトとか使うの

好きちゃうねんけど、フランジャーとか、

なんか訳の分からんエフェクトかけてたんも、

ええ感じやった。


ジョン・スコは、いつもの アイバニーズの

セミアコで、数曲でキレキレのプレイで

会場を沸かせた。

ブルーノート3日間公演の3日目の2nd、

つまり最終公演ということもあってか、

立ち見もいるほどの盛況で、

最後には、スタンディング・オベーション。

日本人って、JAZZ のライヴでは、

そんなにスタンディング・オベーション

しないから、ホンマに良かったというの、

分かるでしょ。

アンコール入れて、90分強。



[ MEMBERS ]
John Scofield (g)
Avi Bortnick (g,sampler)
Andy Hess (b)
Louis Cato (ds)

@ Blue Note Tokyo





2015.5.31

キング・オブ・ザ・ブルース
B.B.キング 死去


昨日、ブルーノートのカウンターに

小さな B.B.キング の写真を発見した。

見つけた瞬間、その意味を理解した。

というのも、以前、同様にブルーノートの

カウンターの写真でリッキー・ローソンの

死を知ったことがあるからだ。


報道によると B.B.キングの死は、

5月16日だったようで、2週間も

知らずにいたわけだ。

もちろん、知っている人は

知っていたのだろうが、

今井雅之や今いくよのことは、

知っていたわけだから、

日本での報道は、意外に小さかったの

かもしれない。


その後、「B.B.キングの娘2人が

父はマネージャーに毒殺されたと

訴えていることに対し、

ラスベガス警察が捜査を開始した」

という報道もあったようだ。

近いうちに続報があるだろう。


享年 89歳。

合掌。


それから、やはり知らなかったけど、

この2人も亡くなっていた。


パーシー・スレッジ

4月14日死去、享年 73歳。

1966年、デビュー曲でソウル・バラードの名曲

「男が女を愛する時」が全米チャート1位。


ベン・E・キング

4月30日死去、享年 76歳。

元ドリフターズのリード・シンガー。

1961年、ソロで発表した

「スタンド・バイ・ミー」が

R&Bチャートの1位、

全米チャートのトップ5に入る大ヒット。


合掌。





2015.6.3

舘野 泉
ピアノリサイタル


ちょっと前、舘野泉さんという、
ピアニストのことを知った。
その時のエントリーが これ

そのエントリーにも友人が舘野さんと
仕事をしていたことを書いたが、
先週の土曜日の深夜には、NHK BSで
「左手のピアニスト 舘野 泉 再びつかんだ音楽」
(2005年放送の番組)の再放送を
妻がたまたま発見したので観たり、
何気なく観ていたテレビ番組の
BGM が舘野さんのピアノだったりと、
この頃、不思議と舘野さんのことが、
目に耳に入ってくるのだった。

で、先のエントリーに、
「6月にあるコンサートのチケットも取った」と
書いたが、いよいよ今日がその日だった。

会場は、東京オペラシティ コンサートホールで、
席は、なんと最前列のほぼ中央。

演奏曲は、全て舘野さんのために書かれた曲だ。
ピアノのソロ曲、
ピアノとクラリネットのデュオ曲、
ピアノとチェロのデュオ曲、
ピアノ2人による三手連弾曲、そして、
ピアノ、チェロ、語りによるトリオ演奏曲と
バラエティに富んだ内容だった。

全て素晴らしかったが、中でも特に
チェロとのデュエットが印象に残った。
作曲は、アコーディオニストの coba。
タンゴだ。
チェロは、特殊奏法も結構使われていたので
楽譜にはどんな風に記譜されているのか、
機会があればぜひ見たいと思った。

休憩を挟んで、ラストは、
語り+ピアノ&チェロ。
宮沢賢治の詩の朗読と演奏だ。
これは、残念だった。
というのは、会場のオペラシティ
コンサートホールは、そのリバーブ(残響)が
素晴らしく、アコースティックな演奏には
良いんだが、朗読には向いていない。
ピアノとチェロはマイクを通さず、
生の音だが、朗読の女性は、マイクを
通していた。
すると、最前列だったから余計に
そうだったと思うのだが、
ピアノとチェロは、楽器からダイレクトに
音が届くが、朗読の声は高いところに
あるスーピーカーから出ている上に、
そのリバーブが凄いので、
ほとんどリバーブ成分だけが会場に
響き渡るような結果になってしまい、
非常に聞きづらかったのだ。
あまりに聞きにくいので、
途中から言葉を聞き取ることは諦め、
演奏だけに耳を傾けていたほど。
演奏が良かっただけに、
これは、非常に残念だった。

さて、今年の誕生日(11月10日)で、
79歳になる舘野さん。
両手でピアノを弾くことは、
もうないのかもしれないけど、
左手のピアニストになったことで、
舘野さんのために書かれた曲は、
70曲にのぼるという。
右手が不自由になっても演奏を諦めなかったことで、
音楽界に新たな世界を切り開くことになった。
演奏を聴けば、片手か両手かなどは、
本当に関係ない。

[ プログラム ]
1. シサスク:エイヴェレの星 (2011)
(舘野泉 / ピアノ)
2. エスカンデ:チェスの対局 (2011)
(二宮和子 / クラリネット、舘野泉 / ピアノ)
3. coba:Tokyo Cabaret (2013)
(多井智紀 / チェロ、舘野泉 / ピアノ)
4. エスカンデ:音の絵 〜三手連弾曲〜 (2011)
(小山実稚恵、舘野泉 / ピアノ)
〜 休 憩 〜
5. 吉松 隆:Kenji…宮澤賢治によせる (世界初演)
(柴田暦 / 語り、多井智紀 / チェロ、舘野泉 / ピアノ)

@ 東京オペラシティ コンサートホール







2015.6.8

MIKE STERN BAND
featuring VICTOR WOOTEN,
BOB FRANCESCHINI
& WILL CALHOUN


来日の度に観に行っている、
マイクスターン。
もう、15回以上は観に行っただろう。

今回のバンド・メンバーは、
ボブ・フランチェスチーニ(sax)、
ヴィクター・ウッテン(b)、
そして、ドラムは、“リヴィング・カラー” の
ウィル・カルホーン。

ここんとこ数年は、トランペットの
ランディ・ブレッカーとの来日が多かったので
サックスのボブは、久しぶりな感じ。

マイクの音楽には、
やはりテナー・サックスの方が、
合っている。

マイクのバンドのベースは、
リチャード・ボナ、アンソニー・ジャクソン、
ジョン・パティトゥッチ、トム・ケネディ、
クリス・ミン・ド−キ−で観た。
ヴィクター・ウッテンは、好きなベーシストで、
今まで数回ライヴを見ているが、
マイクのバンドでは、初めてだ。

ドラムのウィル・カルホーンも初めて。
心なしかロックぽかったように感じたが、
“リヴィング・カラー” のドラムと
思って聴いたからだろうか。

演奏は、このウィル・カルホーンの
ドラムソロも素晴らしかったが、
毎度のことながら
ヴィクター・ウッテンが素晴らしかった。
伴奏はもちろん、ソロは、もう神業でした。
どうやって弾いているのか分かりましぇん。

心の底から何度も「イェ〜イ!」と
叫んでしまうライヴだった。

マイクはやはり、黒のTシャツ。
ヴィクターの髪の毛が増えてたけど、
もしかして・・・。


[ MEMBERS ]
Mike Stern (g)
Victor Wooten (b)
Bob Franceschini (sax)
Will Calhoun (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show







2015.6.9

ROCK+
Char


「ROCK+」は、「ロック・プラス」と読む。
先月発売された Char のニューアルバムの
タイトルだ。



Char は、来週 6月16日に
60歳の誕生日・還暦を迎える。
タイトルの「ROCK+」は、
「ロックジュウ(60)」とも読めるわけで、
Char の独特のシャレが効いているのだ。

還暦といえば、干支が一巡ということで、
このアルバムでは、世代超えた異なる干支の
12人が Char に楽曲を提供し、
プロデュースもするという、
面白い企画になっている。

収録曲と楽曲提供&プロデュースは
次の通りだ。
私のコメントも含めて。

1. カタルシスの凱旋 / 泉谷しげる

Char にとっては先輩(67歳)。
フォークソングを歌っていたイメージだが、
出で立ちや生き方にはロックを感じる人やね。

2. Still Standing / 佐橋佳幸

妙にハマっていて、Char が歌うことを
イメージして作ったんやろうな、という感じ。
ホーンも入っていてサウンドもリッチ。

3. Stormy Heart / 布袋寅泰

アルバム唯一のインスト。
ロックなイントロから、メロディに入ると、
なんというか哀愁たっぷり。

4. Gでいくぜ / ムッシュかまやつ

今回のプロジェクトの最年長、
ムッシュかまやつ、76歳。
元ザ・スパイダース。
独特な世界を展開しており、
1回目より、2回目 3回目と聴くほどに
味が出てきます。
そう言えば、ムッシュ、
昨日ブルーノートでお見かけしました。

5. ニッポンChar,Char,Char / 石田長生

石やんは 相棒でもあるわけやから、
当然入ってる人。
曲は全くの、石やんワールドやけど、
タイトルからイメージするほど
ふざけていない、真面目な曲。

6. トキオドライブ / 奥田民生

ストレイトに攻めてきたなっちゅう感じ。
ベースは、ダウンタウンの浜ちゃんの息子、
ハマ・オカモトが弾いてる。

7. Night Flight / 松任谷由実

一番意外だったのは、やっぱりユーミンかな。
ユーミンの曲を Char が歌うというのが、
イメージしにくかった。
でも聴いてみると、そんなに違和感ない。

8. 悪魔との契約満了 / 佐藤タイジ

違和感なくハマってます。

9. I’m Just Like You / JESSE

JESSEは、Char の息子。
世代だろうか 新しさを感じつつも、
何かが Char っぽい。
親子の息が合っててグッド。

10. 7月7日 / 福山雅治

Char っぽくないなぁ。
福山の曲を Char が歌ったという感じ。

11. チャーのローディー / 宮藤官九郎

これは、あかんやろ。
阿部サダヲが、ローディー役で登場します。
変な関西弁、やめてほしい。

12. 坂道ホームタウン / 山崎まさよし

山崎っぽい曲で、今まの Char には
ありそうでない曲調。

以上。

全体に今までにない Char を引き出すという点では、
成功していて、聴いていて飽きずに楽しい。

ミュージシャンも色んな人が入っていて楽しめる。
例えば、ギターには、布袋寅泰、福山雅治、
鳥山雄司、JESSE、ムッシュかまやつ、
泉谷しげる、山崎まさよし、等。

ベースには、Tony Grey、清水 興、
高水健司、ハマ・オカモト、等。

ドラムスには、屋敷豪太、沼澤尚、
奥田民生、正木五朗、山木秀夫、等。

来週月曜日には、いよいよ武道館での
還暦ライヴ。
武道館の Char は久しぶりだ。
2001年の25周年記念ライブ以来か。

先日、地下鉄のドアの窓にて広告を発見。



先日(6月2日)は、「徹子の部屋」に
出演してたよ。





2015.6.15

― The 六十th Anniv. ―
"ROCK+"
CHAR LIVE IN 日本武道館




先日、還暦記念のニューアルバム、
「ROCK+」のことを書いた。
昨夜、今月号のギターマガジンの
Char のロングインタビューを読み、
改めて聴き直してみると、
ずい分、印象が変わって聞こえてきた。



例えば、JESSE(Charの息子)の曲で
最初に聞こえる時計の音が、
実家にあったお母さんの遺品の
振り子時計の音であるとか、
福山雅治の曲は、「気絶するほど悩ましい」の
アンサー・ソングだったとか、そういう
エピソードを読むと、1曲1曲に
愛着が出てきたというか、なんというか、
愛おしくなってくる感じだ。(変?)
福山の曲は、「Char っぽくないなぁ。
福山の曲を Char が歌ったという感じ」と
書いたけど、その印象さえ変わってしまい、
「Char の曲」になっていったのだった。

さて、今日はいよいよ、その新曲が
ナマで聴ける武道館ライヴ。
ゲストであの人たちが出てくるんちゃうか、
などという期待は、一切なく、
バンドメンバーが誰か、ゲストがあるのかさえ
考えることもなく、席に着いた。



開演前、ステージ後ろのスクリーンには、
昔からの Char の写真が映し出され、
代表曲がダイジェストで流れている。

18時30分を少し過ぎて、メンバーが登場。
ニューアルバムの1曲目、『カタルシスの凱旋』の
イントロのドラムが始まると、
ギターを持った泉谷しげるがステージに登場。
この時、初めて、(えっ?もしかしたら、
今日は、あの12人が出てくるの?!)と思った。
あの12人とは、Char の新譜に曲を提供し、
プロデュースをした人たち。

泉谷しげる、
佐橋佳幸、
布袋寅泰、
ムッシュかまやつ、
石田長生、
奥田民生、
松任谷由実、
佐藤タイジ、
JESSE、
福山雅治、
宮藤官九郎、
山崎まさよし 。

上から順番に ねずみからいのししまで、
干支が並んでいる。(年齢はバラバラ)

2曲目は、佐橋さんの曲『Still Standing』。
佐橋さんは、今日はバンドメンバーとして、
出突っ張り。
Char のバンドの ギターが、
佐橋さんやなんて、長生きするもんやなぁ。
しみじみ。

3曲目、(ええと次は寅年やから、布袋寅泰や。
まさか、出てくんの?)なんて考えてたら、
出てきました!
曲は『Stormy Heart』。
なんと、ロンドンから駆けつけたという。
ギターは、ゼマティスに見えたけど、
オペラグラス忘れてしもたので、多分です。

4曲目、ムッシュかまやつ登場。
『Gでいくぜ』。
ギターは、スタインバーガー(多分)。

5曲目、石やん(石田長生)の曲、
『ニッポンChar,Char,Char』。
Char が、「今日は来ていない人もいます。
石やんは、違うところで頑張っています」と
意味深な MC。

6曲目、奥田民生はドラムセットとともに登場。
『トキオドライブ』でドラムを叩き、
後半ギターソロも弾いた。

ここで、休憩。
ステージのスクリーンには、
12人の楽曲提供者のビデオ・コメントが
流れる。
石やんは、ビデオなしの文字メッセージのみ。
ここで、(ああ、病気なんや)と分かる。
終わってから調べたら、石やん、
食道の入口に癌が見つかり、2月27日の
ライヴを最後に病気療養のため、
活動を休止していた。
知らんかった・・・。
出たかったやろなぁ。

休憩のあとは、7曲目から。
ステージにピアノが出てきて、ユーミンの登場。
ユーミン、Char より 1歳上の61歳やけど、
超ミニ・パンツです!
足、キレイです!
そして、ピアノ弾くだけで引っ込みます。
贅沢!

8曲目、『悪魔との契約満了』。
佐藤タイジ、レスポールです。
カッティング、凄いです。

9曲目、親子共演。
JESSE の『I’m Just Like You』。
JESSE のラップも飛び出した。

10曲目、福山雅治登場。
『7月7日』。
初めて見たぞ、ナマ福山。
Char が福山のことを「ギターが上手くなった」
と書いていたけど、今日はギターで
Char と掛け合い。
確かに、上手いぞ、福山。
福山のギターは、小さめのセミアコに見えたので、
これまた多分やけど、ギブソンの ES-339 かな。

そして、11曲目。
問題の(?)『チャーのローディー』by 宮藤官九郎。
この曲、CD では途中で 阿部サダヲが、
ローディー役で登場して、Char とコントになる。
まさか、それはやらんやろうと思っていたら、
その部分は、音声が流れて、スクリーンに
スライドで Char と阿部サダヲの写真が
映し出された。
これが、傑作で、大爆笑。

阿部サダヲが、遅刻してきて、
「楽屋で布袋と喋ってました。
あ、布袋さんと」っていうセリフが
あるねんけど、CD 聴いたとき、
何のことか分からんかった。
今日のライヴでこの曲聴いたら、
「今日のことやんか!」って。
凄いフリやったなぁ、恐るべしクドカン。
本人は、登場せんかったけど。

そしていよいよ12曲目。
山崎まさよし登場。
『坂道ホームタウン』で、
ブルース・ハープとアコギを演奏。

冒頭、Char が、「今日はニューアルバムの
発表会です」と言うたんやけど、
全曲、ライヴ用にアレンジされてて、
パワーアップ。
こんな豪華な楽しい発表会とは、
思いもせんかった。

13曲目は、Char の曲。
え〜っと、聞き覚えがあったけど、曲名失念。
最近の曲。
この曲のギターソロを弾く Char が、
本当に嬉しそうで、楽しそうで、
幸せそうで、見ていたら泣けてきた。

本編は、ここまで。
以下は、アンコール。

『All Around Me』
『Shinin'You Shinin'Day』
『Smoky』
『Livin' In Tokyo』

『Shinin'You Shinin'Day』では、
ゲスト全員が、ステージに再登場。
端っこに、金子マリらしき人も見えたけど
紹介はなかった。

バック・バンドのメンバーは、
佐橋佳幸(Gt)、kyOn(Key)、
澤田浩史(Ba)、 古田たかし(Dr)、
コーラスの女性(名前失念)。

全部でたっぷり 2時間45分。
いやいや、素晴らしかった。
バンドも良かったし、その上、
豪華すぎるゲスト陣。
そのゲスト全員が、1曲演奏しただけ。
内容の濃いい、贅沢なライヴだった。
大満足。

カメラが数台入っていたので、
映像になってリリースされるのは、
間違いないだろう。
これは、また観て楽しみたい。

なお、Char の誕生日は、明日 6月16日。
つまり、今日が50代最後の演奏だったわけやね。

Char さん、
還暦おめでとうございます。




(追記)
演奏メンバーについて。
『Still Standing』、
『Shinin'You Shinin'Day』では、
東京スカパラのホーン 4人がゲスト参加。
『トキオドライブ』では、ベースに
ハマ・オカモトが参加。
名前の分からないコーラスのお姉ちゃんは、
『Still Standing』のレコーディングに
参加している 鈴木桃子 or ZOOCO の
どちらかかな?





2015.6.19

SIMON PHILLIPS “Protocol III”
featuring ANDY TIMMONS,
STEVE WEINGART & ERNEST TIBBS


昨年5月に観た、
「SIMON PHILLIPS "Protocol"」が帰ってきた。
前回は、"Protocol II" だったけど、
ニューアルバムも発表され、
今年は “Protocol III” となった。

東京公演は、19〜21日の Cotton Club、
23日の Blue Note の 4日間。
その初日の 2nd Show を観てきた。
メンバーは、昨年と同じ4人。

やはり、クラブはええな。
4〜5メートル先で、
サイモンがドラムを叩いているのは
見ものである。

アンコール入れて70分ぐらかな。
あっという間。
主にニューアルバム “Protocol III” からの
選曲で、素晴らしい演奏だった。

ベースのアーネストは、けっして派手な
プレイはしないけど、今日はなぜ、
サイモンがアーネストを起用しているかが
分かったような気がした。
1曲目、サイモンのドラムソロから始まり、
メンバーが順に登場し、『Undercover』に入った。
聴いていて、ドラムとベースのタイム感が、
めちゃくちゃ 気持ち良いのだ。
(なにこれ?)って、いうほど。
聴いていて、そんな風なのだから、
演っている方も当然気持ち良いだろう。

アンディはちょっと太ったんちゃうか。
ギターは、サンバーストのアイバニーズ、
アンディ・モデル(メイプル指板)。
ホワイトのローズ指板のものが、
控えに置いてあったけど、使わず。
やっぱり、ええ音してたなぁ。
アンプは、ブギー(と思う)。

下の写真は、私の座った席から、
サイモンのドラムセットを撮ったもの。



ドラムセットは、ステージ下手に
ステージ中央を向けて据えられているので、
ドラマーから見て、右側から撮っている。

PROTOCOL のロゴ入りキャップ購入。




[ MEMBERS ]
Simon Phillips / サイモン・フィリップス (ds)
Andy Timmons / アンディ・ティモンズ (g)
Steve Weingart / スティーヴ・ウェインガート (key)
Ernest Tibbs / アーネスト・ティブス (b)

@ Cotton Club
2nd Show







2015.6.29

SADAO WATANABE
with special guest KENNY BARRON
featuring BEN WILLIAMS, ULYSSES OWENS Jr.


渡辺貞夫さんは、1933年生まれだから、
今年で82歳。
私の両親の世代の人でありながら、
現役バリバリのジャズマンだ。
1962年(私が生まれた年)に
米国ボストンのバークリー音楽院に留学し、
本格的な JAZZ を日本に持ち帰った人。

その貞夫さんのライヴに行ってきた。
前回見たのは、リチャード・ボナと共演した、
2005年のスィートベイジルでのライヴだったので
ちょうど10年ぶりになる。

月曜日の2ndショーだというのに、
立ち見がいるほどの超満員。

まず登場したその姿に驚いた。
80歳を過ぎれば多少年寄り臭くなるものだろうが、
背筋、歩き方、立ち振る舞いなど、
10年前と全く変わらないように見える。

そして、演奏が始まってまた驚いた。
これが82歳の演奏なのか。
全く年齢を感じさせない。
なんだこれは。
いや、そもそも、私が「82歳なら、
多少ヨボヨボしているだろうとか」
勝手に決め付けているだけなのだと
認めざるを得ないのだった。

ご本人に聞いたわけではないが、
きっと自分のことを「年寄り」だとは
思っていないはずだ。
もう、自分の両親(今年で80歳と85歳)も
年寄り扱いするのはやめよう。

曲は、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」
「シガジ・サウダージ」「スマイル」など
どれも素晴らしかった。

メンバーは、ニューヨークの精鋭バンド。

ピアノは、ケニー・バロン、72歳。
ジャズ界の重鎮。
40年ぶりの共演だそうだ。

ベースは、ベン・ウィリアムス、31歳。
貞夫さんの孫の年代だ。
新しいジャズのベーシスト。

皆素晴しかったのだが、特にドラムの
ユリシス・オーエンス・ジュニアが良かった。
32歳。やはり若手。
この人のことは、名前も知らなかったが、
貞夫さんがメンバー紹介の時に、
「多くのミュージシャンに推薦されて、
やっと一緒にできました」と言ったのも
うなずける、気持ちええドラミング。
まあ、言葉で説明すんのは無理があるけど、
なんというのか、気持ちええのです。

「またお会いしましょう」と言った
貞夫さんの笑顔がとても印象的だった。



[ MEMBERS ]
Sadao Watanabe / 渡辺貞夫 (sax)
Kenny Barron / ケニー・バロン (p)
Ben Williams / ベン・ウィリアムス (b)
Ulysses Owens Jr. / ユリシス・オーエンス・ジュニア (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show





2015.7.3

Guillermo Rizzotto
ギジェルモ・リソット 再び


ギジェルモ・リソット(ギタリスト)が
2年ぶりに来日している。
初来日の2013年、5月31日(@富士見丘教会)と
6月14日(@サラヴァ東京)の2回の公演を
ともに最前列で聴くという幸運に恵まれた。
その時のエントリーが これこれ
富士見丘教会の公演では、
演奏中に隣の席のおっさんのニンニク臭が
消えるという不思議体験もした。

今回の来日でも、6月20日の根津教会(文京区)と
今日のサラヴァ東京(渋谷)と東京は2公演。
それ以外には福岡、京都、富山、鳥取、兵庫、
岡山、名古屋、北海道で公演。
(残すは北海道2公演のみ。)

1ヶ月以上前にライヴ案内のメールが届き、
すぐに予約をしたが、そのメールを
よく読まなかったせいで、なんと昨夜まで、
ニューアルバム(5月28日発売)が
出ていたことを知らなかった。
(今日、会場で購入。)

昨年リリースされたCDは買ったのだが、
それはギターソロ作品ではなかった。
今度は、待望のギターソロ集だ。
このニューアルバムの1曲を、昨夜、
YouTube で聴いたのだが、
これが素晴らしい!
泣きそうになってしもた。

Guillermo Rizzotto - "Comunion"


そんなわけで、ニューアルバムの曲を
ナマで聴けるという期待の元、会場の
渋谷、サラヴァ東京へ向かった。

開場(19:00)15分前に会場に着くと、
まだ3人しか並んでいない。
もっと並んでいるかと思ったのだが。
というわけで、今回も最前列に
座ることができた。

最前列のど真ん中が空いていたのだが、
その席の隣に、並んでいた時に
前にいたおじさんが座っていた。
並んでた時、この人が、ちょっと臭ったのね。
おっさん臭。
それでそのど真ん中の席はやめて、
ちょっと右寄りの最前列の席に着いた。

あとで気がついたんやけど、
あそこの席に座って今回も消臭効果が
あるのか試してみれば良かったなぁ。

さて、定時(20:00)を10分ほど過ぎて
いよいよ開演。

1曲目、ニューアルバムから "Comunion"。
(前述の YouTube の曲。)
自分でも驚いたのだが、始まってすぐに落涙。
2曲目でもこれまた落涙。
なんというのでしょう、こういうの。
涙腺直撃です。
もう、音楽を超えている。

タイトル分からないですが、後半の曲でも落涙。
この曲は、お祖母ちゃんが好きな曲だという
MC に聞き覚えがあったので、一昨年も
演ったんでしょう。

1部では、一昨年もゲスト出演した藤本一馬が登場。
1曲だけだったが、デュオを演った。
藤本のギターは、変わった形の
セミアコ(フルアコかも)で
大変興味ありだったが、詳細は不明。

今回のツアーで、ギジェルモが京都に行った時、
なんと、京都駅で偶然、藤本を見つけ、
走って行って 声をかけたのだという。
藤本のゲスト出演は、急遽決まったようなので、
もしかしたら、その時に
「東京でやるとき、ギター持って
遊びにおいでぇや」とギジェルモが
藤本に言ったのかもしれないな。(想像)

さてライヴは、途中休憩を挟んで、
アンコールを入れて 150分。
休憩が25分ぐらいだったので、
正味 演奏は、125分ぐらい。
全くもって素晴らしかった。

今回は、ギジェルモがギターと
戯れているようにも、
会話しているようにも感じた。
ギターの言葉はギターの音で、
ギジェルモの言葉もギターの音なので、
矛盾があるねんけど、ギジェルモ、ギター、
それぞれの声が、一つの音に同時に
重なっているとでも言えば良いのかな、
面白い印象だった。

ギジェルモのギターは、一昨年のタカミネではなく、
もう少し新しそうな、カッタウェイの入った
クラシック・タイプ。
ショルダー部分にもモニター目的と思われる
サウンドホールが開けられていた。
どこのメーカーか分からないけど、
非常に興味アリ。

プレイの方は、ハーモニクスという奏法を
多用するのだが、これが上手い。
確かに厳密に言うと、鳴り損ないもないわけでは
ないのだが、かなりの確率で、
キレイに鳴らせていて、最前列で見ていても
どうやって弾いているのか、よく分からん
場面もあった。

テクニックを聴かせる音楽ではないが、
かなりのテクニックがあっての
あの表現なのだな。

今回の来日、主催者からのメールが来なければ、
絶対に気がついていなかっただろう。
聴きに行きたかったのに、来日を
知らなかっただけというファンも
多くいるかもしれない。

大きな事務所が絡んでいるようではなく、
予約のみでチケットの売出しがあるわけでもなく、
かなり小規模というか、
手作り感のある企画という印象。
でも、それが良いのだと思う。
大きな資本は絡んできて欲しくない感じ。
会場も100人ぐらいのところで、
身近にたっぷり聴きたいもんね。

ギジェルモ 曰く、
「ここ(サラヴァ東京)でやるのは、
2年ぶり2回目だけど、前回とは違う。
今日は、知っている顔の人が何人もいる」と。

彼の観客、スタッフへの感謝の表現にも感動。


Guillermo Rizzotto

来日ツアー公式サイト



(追記 2015.7.4)
ギジェルモのギターは、アルゼンチン
ブエノスアイレスの Esteban Gonzalez という
ルシアー(製作家)の2013年製と判明。
ニューアルバムの中に、そういう記載があったのだ。
(スペイン語のようなので多分です。)
ちょっと検索したところ、
日本国内では取り扱いがないようだ。
あっても高いやろうけど。

Esteban Gonzalez





2015.7.5

FUSION FESTIVAL
in Tokyo Vol.2


昨年11月に Vol.1 があった
"FUSION FESTIVAL in Tokyo"。
その Vol.2 に行ってきた。

前回の出演は、リー・リトナー、渡辺香津美、
野呂一生という3人のギタリストに、
清水興(B)、則竹裕之(Drs)、 安部潤(Key)
というバックだった。

今回は、会場が 五反田ゆうぽうとホール。
めちゃ近所。(自宅から歩いてでも行ける。)

そして出演は、下記。

[ 出 演 ]
押尾コータロー(G)
小林香織(Sax)
安部潤(Key)
NANIWA EXPRESS
鈴木茂×村上”ポンタ”秀一×後藤次利×佐藤準
CASIOPEA 3rd

オープニングは、押尾コータロー、小林香織、
安部潤、清水興 の4人で "Birdland"。
その後、押尾のソロ・コーナーがあり、
NANIWA EXPRESS の登場。

自分でも意外なことに "NANIWA EXPRESS" は、
一度もそのライヴを観たことがなかった。
それぞれのメンバーは、色んなところで
観ているのだけど。
それにしても、皆さん、年取ったなぁ。
いや、演奏ではなく見た目の話。
2017年で、結成40年だそうだ。
"Believin' " が聴けたのは嬉しかった。
とてもエネルギーのある曲だ。

小林香織と安部潤のデュオに続いて、
スペシャル・セッション。
メンバーは、鈴木茂(Gt)、佐藤準(Key)
村上”ポンタ”秀一(Drs)、後藤次利(B)、
小林香織(Sax)。

このセッション、当初はギターが松原正樹の
予定だったのだが、体調不良のため、
鈴木茂に交代となった。
おかげで『100ワットの恋人』が
聴けたのは、良かったな。
松原の曲、『スナイパー』をやったのだが、
これも良かった。
ちょっと PA のバランスに不満があったけど。
(ギターが小さかった。)

最後は、CASIOPEA 3rd。
あい変わらずの人気です。

アンコールは、出演者ほとんど(全員ではない)が
ステージに上がり、"The Chicken"。

Japanese Fusion 健在なり。







2015.7.8

石やん、死んでしもた

ギタリスト 石田長生。
「長生」と書いて、「おさむ」と読む。

今日、早朝に逝去したと発表があった。
なんでか、他のミュージシャンの訃報を
聞いた時のようなショックというか実感が
正直まだない。

先月15日、Char の還暦記念コンサートに、
石やんが出演していなかったことで、
闘病中だということを知った。

3月2日の本人のブログには
2月の病院での検査の結果、
食道入り口付近にガンが発見されたこと、
しばらく治療に専念することが書かれており、
最後には、こう締めくくられている。

「そして俺のことはご心配なく。
命までは取られまへん。
I Shall Be Released!
皆さんとまた会う日を楽しみにしてまっせ(^o^)v 」

確かに・・・
リリースされたのかもしれへんな。

それにしても、まだ 62歳やで。
名前に反して、いっこも長生きちゃうやんけ。

私には好きなギタリストがたくさんいるが、
石やんは30年以上聴いている、
数少ないギタリストのひとりだった。

初めてライヴを観たのは、
高校3年生の時だから、今から35年前か。
当時大阪では人気のあった、
「誰がカバやねんロックンロールショー」という
バンドと、石やんと山岸さんのライヴで、
会場は、八尾の市民ホール。
古い建物で、トイレの戸がドアではなく、
引き戸だったのを覚えている。

これはその時のチケットの半券。



(よう こんなもん持ってるな、と思うだろうが、
コンサート類のチケットは、中学生の時のものから、
全ておいてあるのだ。)


もともと石やんは、大阪府八尾市という
私の実家のある柏原市の隣町の出身で、
その辺にもなんとなく、親近感を覚えた。

私が22歳ぐらいの時かな、その八尾にあった
ある楽器屋で石やんのギタークリニックがあった。
たまたま、バンドの練習帰りか何かで、
ギターを持っていた私に、石やんが
「そこのギター抱えたオニイサン、
なかなか出来そうやけど、なんか質問ある?」と
訊いたときは、ちょっとビビった。
(「なかなか出来そう」って、オレ、
全然でけへんのに、なんか弾けって言われたら
どうしよう)と、ビビったのだが、
そんなことは言われなかった。(小心者です)
その時、私はアメリカに行くことを
考えていた時だったので、石やんが
メンフィスに武者修行に行ったときのことを
質問した。

その後、私が一緒にバンドをやっていた、
Fさんの友人のWさんの結婚披露宴で、
石やんと会った。
Wさんは、石やんと友達だったのだ。
その披露宴で、石やんはボブ・マーリーの
『No Woman, No Cry』を唄った。

私たちのバンドも数曲演奏したのだが、その中に
クルセイダーズが ランディ・クロフォードを
フューチャーした曲、『Street Life』があった。

なんと石やんは、ランディ・クロフォードの
来日公演のサポートをした人だったので、
その人の前で演奏することに私は極度に緊張し、
指が震えたのを覚えている。

披露宴の後、石やんに声をかけ、
あのギタークリニックのあと、
自分もメンフィスに行って来たことを報告した。
その時の石やんの言葉もハッキリ覚えている。

「なんや、行くんやったら言うてくれたら、
オレのブラザー紹介してあげたのに」

石やんは、そんな、気さくなアニキだった。
それから、個人的に話す機会はなかったけどね。

大阪にいた頃は、石やんのバンド
「ボイス&リズム」や「ロッキン・タマゴ」の
ライヴを何回か観に行った。

それから、石やんは Char と「BAHO」を始めた。
BAHO のライヴにも何度か行ったなぁ。

阪神大震災当日、大阪厚生年金会館での
BAHO のコンサートが中止(延期)になったことも
あったなぁ。

最近では、2012年7月の 石やんの還暦ライヴ
この日のアンコールは、ベースの藤井裕ちゃんとの
デュオで『枯葉』。
そのあと、裕ちゃんも死んでしまった。
あっちで、また一緒に演ってるかな。

それから、昨年7月の「ソー・バッド・レビュー」の
奇跡の再結成復活ギグ
この「ソー・バッド・レビュー」が、
私が石やんを観た最後になってしまった。
あの独特のギターをもう聴けないと思うと寂しい。

これを書いていて、やっと石やんの死が、
ちょっとだけ、現実になってきた。

石やん。
ガン発見から5ヶ月は、
ちょっと早いで。

R.I.P.


情熱のスーパーギタリスト列伝 石田長生

石田長生 オフィシャルサイト





2015.7.11

SHANTI
シャンティ


昨年11月にアルバム「SHANTI'S LULLABY」を
リリースしたばかりなのに、早くも 6月24日に
ニューアルバムが発売となったシャンティ。

このアルバムでは、"Time After Time" で
初の父娘ヴォーカル・デュエットを披露している。
父親は、ゴダイゴのドラマー、トミー・スナイダーだ。
そのほか、 ヤング・ラスカルズの "Groovin'"、
渋めのスタンダード "So Many Stars" 、
シュガー・ベイブの "DOWN TOWN" など
あい変わらず、おじさんのツボを突いた選曲。

そのシャンティのライブに行ってきた。
今日の会場は、中目黒の RAKUYA 。
「楽屋 19周年記念スペシャルライブ」と
いうことで、3組のアーティストが
出演したようだが、観たのはシャンティのみ。

予定では ギター2人によるバックのはずだったが、
ギターとベースに変更されていた。
ギターは、西山 "HANK" 史翁。
今日は、Wカッタウェイのレスポール・スペシャルではなく、
オレンジ色のセミアコ(ディアンジェリコのように
見えたが、未確認)だった。
ベースは、息才隆浩。
サドウスキーの5弦。

19周年記念ということもあってか超満席だったが、
端っこながら 最前列で観ることができた。
シャンティは、ギターの他にピアノ演奏も披露。
やっぱり、出来るんやねぇ。

あい変わらず、おじさんの心を癒す歌声。
演奏曲目は、"Lucky To Have Someone Like You"、
"Groovin'"、"Just A Girl"、"Down Town"、
"You are the sunshine of my life" など。

コットンクラブのようなハコも良いが、
楽屋のように身近に観られるハコも良い。



[ MEMBERS ]
SHANTI (Vo)
西山 "HANK" 史翁 (G)
息才隆浩 (B)

@ 中目黒 RAKUYA(楽屋)





015.7.12

Linder Bros
リンダー・ブラザーズ


つい最近まで、知らなかった
「リンダー・ブラザーズ」のライヴに行ってきた。

「リンダー・ブラザーズ」は、
兄のヘンリック・リンダ―(B)と弟の
エリック・リンダ―(Gt)による、
超絶テクニック・ハード・フュージョンの
プロジェクト。

ヘンリックは、「ダーティ・ループス」という
バンドもやっており、ちらっとチェックしたが、
こちらのサウンドもカッコ良い。

エリックは、スウェーデンのミュージック・シーンで
活躍しているギタリストのようだ。

たまたま知る機会があり、これはおもろそうと、
アルバムをダウンロード購入。
ハード・フュージョンというと、
最近は、サイモン・フィリップスを
聴きに行ったが、また違う感じでこれが
なかなかの疾走感で良い。(こんな感じ

さて、ライヴの方はというと、
確かにCDのような演奏なのだが、
始まってからずっと、
何かが物取りないと、感じていた。
それが何なのか分からないのだが、
100%楽しめない感じ。

バカテクな音楽に対し、時々
「テクニックばかりで心がない」なんていう
評価を聞くことがあるが、そういう感じでもない。

ギターの音色が、私好みではないということも
あったかも知れないが、
まあ、音楽の印象なんて、自分の体調とか、
精神状態とか、そういうものに左右されるので、
今日は、こういう日なのかなと思いながら
聴いていた。

東京公演のみのゲストということだったが、
後半にサックスの本田雅人が登場した。
本田を入れて演奏が始まると、
それまでと何かが違っていることに気づいた。

私の思い違いでなければ、
バンドのテンションが上がっている。
本田の演奏にバンドのメンバーが、
インスパイアされ、さっきまでの演奏と
一段違うところに行った感じだ。

本田の演奏を聴きながら、2〜3年前、
YouTubeで見つけた本田の動画のことを
思い出した。

その動画(ライヴ)で本田は、いくつもの楽器を
持ち替えながら、ソロを吹くという
離れ業をやっていた。→ これ
持ち替える楽器は、4種(バリトン、テナー、
アルト、ソプラノ)のサックス、フルート、
トロンボーン、トランペット、クラリネット、
EWI、ギター(右手と左手 別々に梶原順と演奏)、
そして、ヴォーカル。

こんなこと、誰もやろうと思わへんやろ。
というか、でけへんわな、普通。

ライヴに話を戻そう。
そういうとんでもないことを演る本田が
入ったことで、バンドの Entertainment 度が
上がったのではないかと、思うのだ。
それに管楽器による、生々しさも
音楽の印象を変える要素かもしれない。

そんなわけで、本田が入ってからの
アンコールを含めた3曲は、とてもええ感じでした。

本田のサックスは、CD では聴いたことが
あったが、ナマで聴くのは初めて。
機会があれば彼のライヴにも行ってみたいと
思った。
私と同じ年だし。


[ MEMBERS ]
エリック・リンダ― / Erik Linder (Gt)
ヘンリック・リンダ― / Henrik Linder (B)
クリスチャン・クラフトリン / Kristian Kraftling (Key)
ジョナサン・ランドバーグ / Jonathan Lundberg (Drs)
Guest : 本田雅人 (Sax)

@ Billboard LIVE Tokyo
2nd Show







2015.7.16

略して「ボイス」

The Voice & Rhythm
(ボイス・アンド・リズム)は、
先日逝ってしもた石やん(石田長生)が
1980年代前半から中ごろにかけて
やっていたバンドだ。

83年の『ボイスればリズムる!』と
85年の『Ohh!!!』の2枚のアルバムを残している。
もちろん、当時はLPレコード。
(最近は、「LPレコード」などとは呼ばずに
『VINYL(バイナル or ビニール)』などと
呼ぶようだ。)

その2枚のLPは、発売日に買いに行ったような気がする。
もしかしたら、発売日前に予約をしたかもしれない。
それぐらい、好きやったんやな。
でも、当時はしょっちゅうライヴを観に行けるほどの
お金はなかったから、ライヴを観た回数は少ない。

数日前、石やんを偲んでボイスの音を聴きたくなった。
実家には、LPレコードがあるんやけど、
レコード・プレイヤーがないねんな。
プレイヤーは、そのうち欲しいと思っているんやけど、
今の家では、置くところもないし、
どっちかというとめんどくさがり屋なので、
i-Pod に慣れてしまった私は、
このまま買わずに死ぬのかも知れん。
音、やっぱりちゃうねんけどね。

ボイスのレコード、そういえば、
CD化されてから買ったような気がするな、と
探してみたが見あたらない。
どうやら、ソー・バッド・レヴューと
混乱しているようや。

アマゾン検索してみると、
『Ohh!!!』の中古CDが、
21,000円(!)で1枚だけ出品されている。
高〜!
でも、やっぱりCD化されていたことは、
間違いない。

他にも検索していると、タワーレコード限定で、
デビューアルバム『ボイスればリズムる!』が
販売されていることを発見。
こちらは、2,160円(新品)。
早速注文。

いやぁ〜、これ聴くの何年ぶりやろ〜?
リリースは、32年前かぁ。
やっぱり、ええなぁ。
80年代のニオイがするのが、今となっては新鮮や。

このころの石やんは、30歳を過ぎたころ。
アルバムのメンバーは下記。

石田長生 [SAM ISHIDA]:G.
砂川正和 [MASATOSHI SUNAGAWA]:Vo.
金子マリ [MARI KANEKO]:Vo.
正木五郎 [GORO MASAKI]:Dr.
藤井裕 [YOU FUJII]:B.
渡辺悟 [SATORU WATANABE]:Key.
国府輝幸 [TERUYUKI KOKUBU]:Key.

サウス・トゥ・サウス、ソー・バッド・レビューの
メンバーに金子マリです。
強力。

でも、残念ながら長続きすることなく、
85年の 2ndアルバムは、石田長生、藤井裕、
正木五郎のトリオ編成になる。

7人バンドの時は、
どこかの大学祭のオールナイト・ライヴで
一度観ただけやけど、トリオになってからは、
何回か(大阪)バナナホールへ観に行った
覚えがある。

当時、石やんは大阪のなんとかいうメーカー
(「H」が付いてた思うけど失念)の2万円ぐらいの
白いストラト・タイプを使っていた。
なんでも、「サスティーンがない(音が伸びない)のが
ええ」とか言うて。

ああ、『Ohh!!!』聴きたいなぁ。
このアルバム収録の「しゃき・しゃき・らっぷ」は、
『さんまのまんま』のオープニングか
エンディングのテーマ曲やったな。

色々検索していると、ボイスは2007〜09年頃に
どうも再結成的なライヴをやっていたようだ。

服部緑地野外音楽堂の「祝春一番2007」や、
大阪ミナミの「ビッグキャット」10周年を記念して
開催されたイベント「木村充揮3days」や
神戸チキンジョージの正木五郎還暦ライヴ など。
観たかったなぁ。


最後に、最近 YouTube にアップされた、追悼の動画。
大村憲司&石田長生の "Knockin On Heavens Door"
これ、1996年6月16日、日比谷の野音。
この時は私、客席におりました。





2015.7.19

第7回 逢坂剛
カディスの赤い星
ギターコンサート


2012年9月に渡辺香津美のライヴのゲストで
初めて、沖 仁 のギターを聴いた。
沖は、今や日本一有名なフラメンコ・ギタリストだろう。
タモリと宮沢りえのテレビ番組『ヨルタモリ』に
(不定期の準レギュラーで)出演しているので、
ご覧になった方もいるかも知れない。

その沖のギターを聴いてから、
少しだけフラメンコに興味を持った。
「少しだけ」と書いたのは、
フラメンコ音楽というより、
ギター奏法に興味があるからだ。

今日は、『第7回 逢坂剛 カディスの赤い星
ギターコンサート』に行ってきた。
第7回ということだが、私は初めて。
作家である、逢坂 剛(おうさかごう)氏は、
自身もクラシックやフラメンコを弾く
ギタリスト。

このコンサートは、毎回、色んなゲストを迎えて
楽しめる企画のようで、今回は、
「クラシックとフラメンコ」ということで、
クラシック界からは、福田進一。
フラメンコ界からは、前述の 沖 仁 に
若手の徳永兄弟の出演だった。

この徳永兄弟のことは、全く知らなかったのだが、
現在、22歳と24歳!
2人とも中学を卒業後、高校へは進学せずに、
スペインのクリスティーナ・へレン・
フラメンコ音楽学院に入学し、全課程を修了後、
卒業後はそこで講師をしていたという、
筋金入りのフラメンコ・ギタリスト。

実際、プレイもオリジナル曲も ぶっ飛び。
20代前半、プロのギタリストになれると
思ってた自分がホンマに恥ずかしい。
ごめんなさい、である。

MC などまだまだ固くて、素人っぽいが、
これからどんどん活躍することでしょね。

その2人を育てたお父上もフラメンコ・ギタリストと
いうことで、今日は、親子トリオでの
演奏もあった。
こんな親子、ほかにいてへんやろな。

今日は、逢坂剛氏のギターコレクションを
弾くという企画もあって、1936年製(と言ったと思う)の
なんとかフェルナンデスのクラシックと、
フラメンコ・ギターなど 4本がステージに
並べられていた。

その1936年製のクラシック・ギターを
福田進一が弾いたのだが、確かに
素晴らしい音だった。
福田氏いわく、
「ギターは古くなると純化する」と。
つまりは、余計な雑音や倍音が消えて、
純粋なギターの音だけが鳴るように
なるそうだ。
非常に甘い音色で、さすがに80年近い時を
経ただけのことはあると思った。
面白かったのは、持ち主の逢坂氏が弾くより
福田氏が弾いた方が、断然良い音がしたこと。
ギターも弾き手を選ぶのかしらね。(失礼)
たぶん、このギターは、安くても数百万やろな。

14時からのコンサートだったので、
16時には終わるやろと思い、
18時から明日のライヴのリハを入れていたら、
途中20分ぐらいの休憩を挟んで、
16:30になっても終わらない。
仕方なく、最後まで観ずに会場を後にした。
残念。

全体的に逢坂氏の趣味の企画丸出しで、
氏がちょっと喋りすぎな感もあったけど、
面白かった。

演奏がキマルと、客席から
「オレィ!」という掛け声が何度か
あがっていた。
あれが正しいフラメンコ・ファンなんでしょね。


【 出演 】
逢坂剛
福田進一
沖仁
徳永健太郎
徳永康次郎
徳永の父

@ 草月ホール(赤坂)




(2015.7.21 追記)
出演者の「徳永の父」は、徳永武昭。
私が会場を出たあとに、
沖と徳永兄弟のトリオ演奏もあったようだ。
惜しかったな。





2015.7.22

有山岸 feat.上田正樹
〜Bitter Sweet Soul〜


「有山岸」は、有山じゅんじ(Gt, Vo)と
山岸潤史(Gt, Vo)のプロジェクト。
2010年にCD「そろそろおこか〜CARELESS LOVE〜」
をリリースした。

そして 2014年9月、キー坊(上田正樹)をフューチャーして
「〜チョットちゃいます〜 Bitter Sweet Soul」を
リリース。

2013年6月の「山岸潤史・芸歴40年 &
還暦記念ライブ」で、有山岸とキー坊の共演を観た。
その時のライヴが、このリリースへと
つながったのではないかと勝手に想像している。

その CD リリース後、昨年9月、
当然、東京でもライヴがあったのだが、
私が知った時には、その日はすでに他のコンサートの
チケット(ポール・ポッツ)を買っていたので、
迷った挙句、また機会があるだろうと諦めた。

そして、今日がその日だったのだ。

会場は、下北沢440(four forty)。
発売と同時にチケットを取ったので、
整理番号は5〜6番。
80席ほどの小さなハコだが、
満員で、立ち見が出ていた。

1曲、有山岸で演ったあと、キー坊の登場。
ちらっと『とったらあかん』。
アルバムから、『The Dock Of The Bay』
『Hook Me Up』『Let's Go Get Stoned』
『Take These Chains From My Heart』
『Baby Don't Push Me』など。

やっぱり、この人の歌はええなぁ。
66歳なのだが、声は全く衰えておらず、
説得力があるというのか、歌ではなく
声になっているというのか、
素晴らしい Soul Singer だと改めて思った。

ステージの上では、3人 コテコテの大阪弁。
なんか、友達んちで遊んでみるみたい。
お客さんも関西人率が高かったんとちゃうやろか。
『みんなの願いはただひとつ』では大合唱。
こんな歌、皆知らんやろ?
ぜひ、聴いてください。
1975年の名盤、上田正樹と有山じゅんじの
『ぼちぼちいこか』に収録されてます。

アンコールでは、下北沢ということで、
金子マリ(下北沢出身)も登場。
同じく『ぼちぼちいこか』収録の
『買い物にでも行きまへんか』。
(オリジナルでもマリちゃんも歌ってたのだ!)
そして最後は、『梅田からナンバまで』 を
客席も大合唱で幕。
おもろい、濃いいライヴでした。

キー坊は、シェクターのセミアコ、
山岸さんは、ヤマハのエレアコ、
有山さんは、ピックアップを付けたマーティン(と思う)。
3人ともギターアンプで鳴らしていたので、
山岸さんや有山さんもアコギの音ではなかった。


[ MEMBERS ]
有山じゅんじ(Gt, Vo)
山岸潤史(Gt, Vo)
上田正樹(Gt, Vo)
Yoshie.N(Vo)
Guest : 金子マリ(Vo)

@ 440 (下北沢)


先日亡くなった、石やん(石田長生)とは、
とても縁のある3人なので、何かコメントがあるかなと
思っていたけど、誰も何も言わなかった。
まあ、なんにも言われへんよなぁ・・・。





2015.7.29

本田雅人B.B.STATION
- Big Band Night -


先日、リンダー・ブラザーズのライヴに
ゲストで登場し、バンドの空気を変えた様に
(私には)見えた、本田雅人。(その日のエントリー
彼のライヴにも行ってみたいと書いたが、
ちょうどあったので行って来た。

6月にニューアルバムが出たばかりなのだが、
その発売が決まるよりずっと前に
このライヴは決まっていたらしく、
レコ発ライヴではなく、
ここ数年、夏の恒例になっているらしい、
"B.B.STATION" というビッグ・バンドのライヴ。
総勢17名だ!
私でも知っている、有名なプレイヤーが
何人も名を連ねている豪華なバンド。

ビッグバンドって、あんまり聴けへんけど、
良かったな〜。
13人のホーンのリッチなハーモニー。
ビシッと決まるキメ。
思わず、「上手い!」と唸るような演奏だった。

そして、17人のバンドをまとめる、本田雅人の
リーダーシップとマネージメント力。
音楽家・演奏家としてだけの才能ではないのだな。

明日は、DVD(or ブルーレイ)の撮影が
入るらしいけど、やっぱり、ナマでまた観たい。

梶原順のギターは、(たぶん)フジゲンの
HH(2ハム)ロッキン・トレモロ付、
オレンジ色のストラト・タイプでした。



[ MEMBERS ]
本田雅人(アルト・サックス、ソプラノ・サックス)
則竹裕之(ドラムス)
井上陽介(ウッド・ベース、エレキ・ベース)
梶原順(ギター)
秋田慎治(ピアノ、キーボード)
エリック・ミヤシロ(トランペット)
西村浩二(トランペット)
田中充(トランペット)
小林正弘(トランペット)
中川英二郎(トロンボーン)
半田信英(トロンボーン)
笹栗良太(トロンボーン)
山城純子(バス・トロンボーン)
鍬田修一(アルト・サックス、フルート)
アンディ・ウルフ(テナー・サックス)
鈴木圭(テナー・サックス)
宮本大路(バリトン・サックス)

@ Blue Note
2nd show


(2015.11.26 追記)
ブルーノ―トのサイトに 当日のセット・リストが
発表されていたので転記しておく。

1. Theme For B.B.S.
2. Stop! The Funk
3. Condolence
4. Last Clear Stream
5. Ciao!!!
6. Seven
7. サックスのためのソナタ第18番「おはこ」
8. Megalith
EC. It Do Mean A Thing





2015.8.2

PABLO CRUISE

2012年8月、33年ぶりだという来日公演を
観に行った パブロ・クルース が帰ってきた。

あれから、3年も経っていることに
まずびっくり。

パブロ・クルースは、私の青春の音楽のひとつだ。
彼らのアルバム(当時はLPレコード)、
『パート・オブ・ザ・ゲーム』と
『絆(ライフライン)』を聴くと、
今でもその瞬間にあの頃にトリップできる。
そんな音楽なのだ。

そのパブロ・クルースが3年ぶりに来日。
昨日は、東京公演3日間の2日目、
その 2nd Show に行って来た。

彼らは、60代後半だと思うが、
あい変わらずの熱い演奏で会場は大盛り上り。
"Zero To Sixty In Five" で、ピークになり
そのまま、"I Want You Tonight" では、
多くの人が立ち上がり、会場は半ばディスコと化した。

私同様、結構 オジさん・オバさんが多かった。
皆さんの青春の思い出なんでしょうね。

「来年も来るよ」と言っていたので、
ぜひ来日して欲しい。

[ MEMBERS ]
Dave Jenkins (vo,g)
Cory Lerios (vo,p)
Steve Price (ds)
Larry Antonino (vo,b)







2015.8.3

デヴィッド・T.ウォーカー
David T. Walker
plays "MOTOWN CLASSICS"


デヴィッド・T.ウォーカーは、モータウンの黄金期を
支えたスタジオ・ミュージシャンの一人。
マーヴィン・ゲイ、ダイアナ・ロス、ジャクソン5、
スティーヴィー・ワンダーなど誰もが知らないうちに
デヴィッドののギターを耳にしたことがあるだろう。

モータウンだけではなく、ジャズ、ポップス、R&B、
そして、井上陽水、吉田美奈子、上田正樹、
Dreams Come True など、日本人アーティストの
レコーディングにも参加している。

興味のある方は、デヴィッドのオフィシャルサイトに、
セッションに加わったアルバムのリストがあるので、
見ていただきたい。

さて、今日はそのデヴィッドのライヴに行って来た。
初めてナマで観たのは、
90年代の Band Of Pleasure だったけど、
去年はラリー・カールトンのデュオと合わせて
2回観に行ったし、通算もう何度目か分からない。

今回の東京公演は2日間。
その2日目、2nd Show を観てきた。

"Street Life", "Loving You" など数曲演ったあと、
"MOTOWN CLASSICS" コーナーへ。
"You Can't Hurry Love" や "I Want You Back" の
フレイズをちょこっとイントロに入れたりするのだが、
曲が始まると、聴き覚えがあるのに曲名が言えない。
言えるのは、"Ooo Baby Baby", "Superstition"
ぐらいか。
いずれにしろ、スペシャルな楽しい演奏だった。

"Loving You" の時、珍しくギターのチューニングが
途中でヘロヘロになった。
なんでやろ?

ギターは、いつものジョン・カラザースの
スペシャル・モデル。
David ほど、ギターを持ち替えても
同じ音のするギタリストは、珍しい。
確かに、一流のギタリストはパッと聞いて
誰だか分かる、その人独自のトーンっちゅうもんが
あるけど、ギブソンの時も、ARTEXの時も
今のカラザースでも同じトーンやもんな。
不思議なほど。

David は、1941年6月25日生まれなので、
今年で74歳だ。
まだまだ元気であのトーンを聴かせて欲しい。


[ MEMBERS ]
デヴィッド T.ウォーカー / David T. Walker(G)
ジェフ・コレラ / Jeff Colella(Pf, Key)
バイロン・ミラー / Byron Miller(B)
レオン・ンドゥグ・チャンクラー / Leon "Ndugu" Chancler(Dr)








2015.8.10

続く訃報

先週、花紀京が亡くなった。
子供の頃、毎週のように吉本新喜劇を観ていて、
大好きな役者さんだった。
長いこと見ていなかったけど、1989年に新喜劇を離れ、
2003年に倒れてから10年以上、闘病していたらしい。
合掌。

その前(7月31日)は、俳優の加藤武が亡くなった。
この人は、ホントに沢山のテレビドラマや映画に
名脇役として出演しているけど、私には、
石坂浩二の金田一耕助シリーズの警部役の
印象が強いなぁ。
合掌。

7月7日には、ジャズ・ピアニストの菊地雅章が他界。
30年ぐらい前にレンタルしたレコードがあって、
中にハンバーグの作り方のナレーションが入った
曲があった。
確か、この人のやったと思うねんけど、
アルバム名も曲名も思い出せない。
探してみたけど、それらしいものがない。
もう1回聴きたいねんけど、違う人かなぁ。
合掌。

訃報、続きます。
毎日誰かが死んでんねんから、しょうがないことやけど。
どんどん死が身近になっていきます。

今年に入って、亡くなったミュージシャン、俳優など。

2月14日 シーナ(シーナ&ザ・ロケッツメンバー)61歳没

3月15日 マイク・ポーカロ(TOTOのベーシスト)59歳没

3月19日 桂米朝(三代目)(落語家)89歳没

4月30日 ベン・E・キング(ソウル・シンガー)76歳没

4月15日 愛川欽也(俳優・声優・司会者)80歳没

5月14日 B.B.キング(ブルース・ギタリスト)89歳没

5月28日 今井雅之(俳優)54歳没

5月28日 今いくよ(漫才師)67歳没

6月 7日 クリストファー・リー(ドラキュラ役の俳優)93歳没

6月11日 オーネット・コールマン(ジャズ・サックス奏者)85歳没

7月 7日 菊地雅章(ジャズ・ピアニスト)75歳没

7月 8日 石田長生(ギタリスト)62歳没

7月31日 加藤武(俳優)86歳没

8月 2日 小川銀次(ギタリスト)68歳没

8月 5日 花紀京(喜劇俳優)78歳没





2015.8.21

JESSE VAN RULLER TRIO

2012年には、ギター、クラリネット、ベースの
3人編成の Chamber Tones Trio で来日し、
美しいアンサンブルを聴かせてくれた、
オランダが誇るジャズ・ギタリスト、
ジェシ・バン・ルーラー。

今回の来日公演は、
ギター、ベース、ドラムによるトリオだ。
ベースは、前回と同じ クレメンス・ヴァン・デル・フィーン。

Cotton Club で 24日、25日と公演があるのだが、
1部2部 入替え制で、6800円。
今日の Motion Blue Yokohama での公演は、
入替えなしの 5500円!
というわけで、
断然お得な横浜公演を観てきたのだ。
(ジェシのライヴは、2005年、2012年に
続いて3度目。)

Motion Blue には、何度も足を運んでいるが、
今まで行った中で、一番お客さんが
入ってたんちゃうかなと思うような盛況ぶり。

ジェシは、ちょっとおでこが広くなり、
ちょっと腹周りがゆったりしてきた感じ。
何歳だろうと調べてみると、
1972年生まれで、今年 42歳。

10年前に観たときは、
まだ若いオニイチャンという印象だったが、
もう若手ではない年になっていたのね。

今日の演奏曲は、ジョー・ヘンダーソンに捧げた、
ニューアルバムからが中心。
そのアルバムは、未聴だったけど、楽しめた。

でも私は、クラリネット入りの
Chamber Tones Trio の方が好きやなぁ。



写真は、終演後のジェシのギター。
前回と同じく Gibson の ES-150DC。
一見 335のように見えるが、セミアコではなく、
ディープ・ボディのフルアコで、
1969年から5年間だけ製造されたというモデル。
ジェシが使うまで知らなかったモデルで、
今では大体、35万円くらいで出回っているが、
製造期間が短いだけに流通量は少ない。
きっと、ジェシのおかげで人気が上がったやろな。


[MEMBERS]
Jesse van Ruller(g)
Clemens van der Feen(b)
Joost van Schaik(ds)

@ MOTION BLUE YOKOHAMA





2015.8.23

DONALD HARRISON QUINTET
ドナルド・ハリソン・クインテット


ニュー・オリンズのファンキー・サックス、
ドラルド・ハリソンのライヴを観てきた。
実は、この人のこと知らなかったけど、
コットン・クラブからのお誕生月ご招待で
選べるライヴの中から、チョイスした。

東京3日間公演の3日目、その 2ndステージ。
何も知らずに行ったのが、とても楽しいライヴで
大当たりだった。
ニューオリンズの音楽というと、
色んな音楽がごった煮になりつつ、
ニューオリンズ独特の色があるという印象だが、
今夜のライヴがまさにそれ。

ハードなジャズから、ベースがエレキに持ち替えると
まるでファンク・バンドのようであったり、
セカンド・ライン(ニューオリンズのリズム形式)で
ニューオリンズの代表曲『IKO IKO』を演ったり、
最後には、ダンス・バンドのように客を立ち上がらせたりと
盛りだくさんで、本当に楽しめた。

あまりの楽しさに最後には、感動してしまったよ。


[MEMBERS]
Donald Harrison (sax,vo)
Detroit Brooks (g,cho)
Zaccai Curtis (p)
Max Moran (b)
Joe Dyson (ds)

@ Cotton Club





2015.8.24

芸人 坂崎幸之助

THE ALFEE というバンドは、
1983年の『メリーアン』がヒットしメジャーになったが、
デビューは1974年だったので、10年目のヒットだった。

確かにそれ以前の曲は、1曲も知らない。
でも、アルフィーという3人組のことは、
たまにテレビに出演していたので知っていた。

35年ぐらい前のことなので記憶がええかげんやけど、
音楽番組ではなく、バラエティ的な番組だった
ような気がする。
彼らの曲も演っていたのかもしれないけど、
全く記憶になく、まるでコミック・バンドのような
モノマネしか覚えていない。
特に坂崎の南こうせつのモノマネが面白かった。

当時彼らは、3人だけのアコースティックギターに
よるフォークっぽい演奏だった。
その後、『メリーアン』で出てきた時には、
ロックっぽいサウンドになっていて、驚いたものだ。

その後のアルフィーはヒット曲をたくさん飛ばし、
モノマネは(たまにはやっていたのかも知れんけど)
見なくなった。
私は彼らのその商業ロック歌謡的な音楽を
好きにはなれなかったけど、子供のころ観た
坂崎のモノマネは好きだったので、
ちょっと寂しかった覚えがある。

この数年、YouTube で色んな動画や音源が
見聞きできるようになり、
坂崎の音楽マニアぶりやギターのテクニックに
改めて感動したのものだ。

さて、その坂崎の面白い音源を発見した。
吉田拓郎とのラジオ番組(オールナイト・ニッポン)
でのモノマネ。
南こうせつが、海援隊の『母に捧げるバラード』を
歌ったり、武田鉄矢がかぐや姫の『妹』を
歌ったり、淡谷のり子が、クールファイブの
『長崎は今日も雨だった』を歌ったりと、
めちゃくちゃ面白い。
 ↓
これ。

同じ番組に山下達郎がゲストできたときの
坂崎の音痴の歌まね。
 ↓
これ。

その日の放送の全編はこれ

結構、マニアックですが、音楽好きは必聴。
おもろいです。

坂崎みたいな人、友達におったら おもろいやろなぁ。





2015.9.2

SHANTI
at 六本木 Alfie


今年3度目の SHANTI のライヴ。
今回は、ギロッポンのアルフィーで。
意外やアルフィーでのライヴは、初だそうだ。

ピアノ、ベース、ヴォーカルという
トリオ編成で、福岡2ヶ所、茨城2ヶ所、
大阪を回るツアーの初日。

今まで観たシャンティのライヴのバックは、
ギター・メインな印象だったので、
ピアノが中心となると、シャンティの
歌も違う表情に感じた。

彼女の歌は、あい変わらず、
おじさんにとっての癒しやね。
曲は、"Just A Girl"
"For The Love Of You"
"Lullabye(Goodnight My Angel)"
"So Many Stars" など。

1st セットの途中で、観に来ていた
TOKUをステージに呼び、デュエットを披露。
お客さんにとっては、うれしいサプライズ。
TOKUには、シャンティが何曲か詞を
提供しているようで、互いのライヴに
顔を出すような関係のようだった。

2nd セットでは、ピアノとTOKUのデュオもあった。
曲は "Shine On"。
時計の CITIZEN の CM 曲になっているようで、
作詞は シャンティ。
15年近く前、何かのライヴで 彼を初めて観たとき、
フリューゲルホルンは良いとして、その歌が
そんなに良いとは思わなかったのだが、
今日の歌は、良かったなぁ。
そして、ずい分と渋いおっさん(まだ42歳やけど)に
なってきたな〜と感じた。

本編最後には、パーカッショニストの小川慶太も
ステージに上げて、5人での演奏。
ぶっつけ本番で、あんな風にできるのは、
やっぱりプロやなぁ。

正味、たっぷり2時間。
良いライヴでした。

[MEMBERS]
Shanti (vo)
宮本貴奈 (p)
川村竜(eb)
飛入ゲスト:TOKU (vo, f.hr)
  〃  :小川慶太 (perc)

@ Alfie(六本木)





2015.9.6

第14回 東京JAZZ

今年も行ってきました「東京JAZZ」
毎年、9月のはじめの週末に行われる、
JAZZ Festival だ。
だんだん規模が大きくなっているようで、
今年は東京だけでなく「東京JAZZ CIRCUIT」と
称して、東京以外の土地でのイベントも
含まれている。(去年もあったのかも。)

行ってきたのは、ホールで開催される
2日間昼夜4回のコンサートのうちの
今日(2日目)の夜の部。
(@ 東京国際フォーラム ホールA)

"THE TOKYO JAZZ SPECIAL" と題された
そのプログラムは、下記の通り。


●スティーヴ・ガッド・バンド
featuring マイケル・ランドウ(g)、
ラリー・ゴールディングス(key)、
ジミー・ジョンソン(b) & ウォルト・ファウラー(tp)

●リー・リトナー
featuring メルヴィン・デイヴィス(b)、
ソニー・エモリー(ds)、ジェシー・ミリナー(key)
Guest: TOKYO JAZZ HORNS
(市原ひかり、小林香織、駒野逸美、浜崎航、宮本大路)

●フォープレイ
ボブ・ジェームス(pf)、チャック・ローブ(g)、
ネーザン・イースト(b)、ハーヴィー・メイソン(ds)


観たいアーティストが、分かれて出演するときには、
2公演 観に行くこともあるのだが、
今年はラインナップを見て、この夜の部に決定。
今日の昼の部の、
「日野皓正 & ラリー・カールトン SUPER BAND」と
「ハービー・ハンコック & ウェイン・ショーター」にも
ちょっと興味があったけど。

昼過ぎからあいにくの雨。
去年だったか一昨年だったかの東京JAZZの日も
やはり雨に降られた覚えがある。
9月は、雨が多いからね。
と、イメージだけで書いてから、
ホンマかなと思ったので調べてみると、
東京では年間を通じて
9月が一番降水量が多いのでした。

東京都東京の気候(気温と降水量のグラフ)

『9月の雨』なんていう曲もあったもんね。
(詞:松本隆、曲:筒美京平、歌:太田裕美、1977年)

閑話休題。
まずは、スティーヴ・ガッド・バンド。
スティーヴは、今年70歳になり、
ニュー・アルバム "70 STRONG" をリリース。
マイケル・ランドウとの組み合わせは、
ちょっと意外だったけど、
音を聴いてみるとそんなことはない。
このレベルの人たちは、何でもできるんやろな。

マイケルは、2ハムのストラトキャスター(Fender)。
ピックアップに装飾が施されていて、
見るからに高そうな、特注っぽいギター。
Fender Custom Shop から、マイケルの
シグネチャー・モデルも出ているのだが、
それは、1963年製のマイケル愛用のストラトを
再現したモデルで、今日使っていたものとは違う。
マイケルは、非常に細やかにピックアップセレクターや、
ヴォリュームをいじりながら繊細な演奏をしていた。

ベースのジミー・ジョンソンは、
(たぶん)初めて観たと思う。
アレンビックの5弦モデルを弾いていた。

スティーヴ・ガッドは、日本でも人気の高い
ドラマーだ。
今日、観て良かったら、ブルーノートの公演も
行きたいなと思っていて、数日前にチェックしたら、
11〜12日の2日間4公演、売り切れでした。

続いて、リー・リトナー。
リーは、毎年のように観に行っているが、
ドラムが、誰だったか なんとなく印象が薄い。
例えば、マーカス・ミラーなら、ここんとこ数年は
ルイス・ケトー、その前は、プージー・ベル。
マイク・スターンなら、デイヴ・ウィックルか、
デニー・チェンバースっていう風に
覚えてるねんけど、はて、リーのバンドの
ドラムはというと、マイクと一緒にやった時の
サイモン・フィリップスは、印象に残っているねんけど
ほかは パッと思い出せない。

調べてみると、2014年は、神保彰、
2013年は、ハーヴィー・メイソン、
2012年は、クリス・コールマン、
2011年は、2度来日していて、
サイモン・フィリップスとデイヴ・ウェックル、
2010年は、ソニー・エモリーという風に、
この数年は、毎回入れ替わっているのだった。

で、今年は、5年ぶりのソニー・エモリー。
良かったなぁ、ソニー。
調べてみると、1962年生まれやから、
私と同じ歳で、なんとアース・ウィンド・アンド・
ファイアーにおったやないか!
在籍期間は、1987〜98年とある。
私は大阪城ホールで、1988年の EW&F の
来日公演を観ているから、その時のドラムが
ソニーだったのだ!

リーは、いつもの Gibson L5 シグネチャー・モデルと、
いつもの チェリー・サンバーストのレスポール。
このレスポールが、めちゃきれい!
ステージ横のモニターにアップになると
めちゃくちゃ映えます。

メルヴィンは、Ken Smith の7弦と
メーカー不明の 4弦ジャズベ・タイプ。

演奏は、良かったんやけど、どうも音響がねぇ。
サックスの音、なんであんなしょぼいんかなぁ。
音響のせいとちゃうんかなぁ。

さて、最後は、フォープレイ。
今日の3組の中では、一番落ち着いたというか、
上品というか、しっとりしたサウンドのバンド。
そして、ピースフル。
チャックは、いつもの Sadowsky のストラトタイプと
数曲で Sadowsky のフルアコを使用。

ネーザンは、ボディに日の丸のついた、
ヤマハの自身の6弦シグネチャー・モデル。
日の丸、付けんでええと思うの私だけかな・・・。

それにしても、ホンマに多弦ベースが増えたなぁ。
今日は、メルヴィンがちょっと4弦使ったけど、
ほかは、5弦、6弦、7弦ですわ。

フォープレイ、後半は、
ニューアルバムからの曲を披露。
当初の予定では、20:50終演なのだが、
本編が終わった時点で、21時を10分か20分
過ぎていたと思う。
(時間大丈夫なんかな、アンコール演れるんかな)と
心配していると、メンバーがそでに引っ込んだあと、
スタッフが大勢出てきて、ステージのセッティングを
何やら変え始めた。
ドラム・セットをちょっと後ろへ下げ、
その前にギター・アンプが出てきた。
もしかしたら、リー・リトナーがゲストで
出てくるのか!と 期待が膨らむ。
ステージ下手にもギター・アンプが
セットされている。
えっ、もしかしてマイケル・ランドウも
出てくるの?とこれまた期待が膨らむ。

まずはフォープレイの4人が登場。
そして、チャックのMCで
「オリジナル・ギタリスト・リー・リトナー!」
と紹介され、リーが登場した。
下手のギターは?とワクワクしていると
な、な、なんと、ラリー・カールトン!
ぶっとび〜!

そうか〜!
ラリーは、今日の昼の部に出演していたんや!

これで、フォープレイの初代ギタリスト、
リー・リトナー、2代目ギタリスト、
ラリー・カールトン、そして3代目、
現在のギタリスト、チャック・ローブの
共演がかなったのだった。

これは、値打ちがあったね。
お客さん大喜び。
私も思わずスタンディング・オベーション。

でもね、腹が立つほど、音響が悪かった。
本編で、ピアノの音は小さい、ギターの音はでかい、
と思ったら、アンコールの時のギター3人の
バランスは、バラバラ。
まあ、難しいんやと思う。
あんなにコロコロ、ステージのセッティングが
変わって、大変やと思う。
けど、プロやねんから、
それをなんとか できひんもんかいな。
おまけにね、フォープレイの演奏中、
「マイク、ワン、ツー、スリー」とか言ってる
裏方のマイク・テストの音声が、表から出るという
あってはならぬ失態も。
これは、あかんやろ〜。

と、音響に不満はあったものの、
音楽自体は、満足です。





2015.9.7

東京JAZZ その2

昨日は、東京JAZZの東京国際フォーラム ホールA での
コンサートを観に行ったが、東京JAZZ では、
"the PLAZA" と称して、国際フォーラムの
地上広場でも朝から晩まで 無料で
JAZZ が繰り広げられている。
普段は出ていない屋台なんかも出ていて、
結構なお祭り気分だ。

私が観に行った "the HALL" の夜の部は、
17:30開始だったのだが、17:20から、
その地上広場の特設ステージで
「東京JAZZ SPECIAL WORKSHOP」と称して
カート・ローゼンウィンケルの
ギター・ワークショップが開催されることが
発表されていたのだ。

まあ、これは、重なっているのだから、
もうどうしようもない。
諦めるしかなかった。
あいにくの雨で観ている人は大変やったやろな。

さて、昨日のコンサートの「フォープレイ」の
アンコールで、フォープレイの初代ギタリスト、
リー・リトナーと2代目ギタリスト、
ラリー・カールトンが、ゲストで登場したと
書いたが、彼らの最新アルバム『シルヴァー』にも、
2人はゲストとして参加しているのであった。

フォープレイは、1990年結成で、
今年は結成25周年。
その記念アルバムなのだ。
その流れで、昨日の共演だったというわけだ。





2015.10.1

高中正義
渋谷公会堂 FINAL


2011年9月の日比谷野音以来の高中の
コンサートに行ってきた。

会場は、渋谷公会堂。
ギターだけ(歌なし)で、2000人もの
お客(ほとんどおっさん、おばはん)を
楽しませるアーティストは、この人以外
いないんちゃうかと思う。
ほかにジェフ・ベックぐらいちゃうかな。

あい変わらずの高中節に
おっさんの声が飛び交う。
とっても、ファンに愛されているのが
よく分かる。

今日の席は、2階の後ろから3列目だったけど、
音響は良く、聞きやすかった。

ギターは、ストラトキャスター3本と
ブルーのヤマハSG。
ストラトは、グリーンと、
加藤和彦に借りているというイエロー
(ゴールドかも)とアンコールの
"I Remember Clifford" では、
ラメ入り海の色のシグネチャーモデル。

前回は、SG の方が良いと感じたのだが、
今日はストラトの音も良かったな。

曲は、"Thunder Storm" "Finger Dancin'"
"Earlybird" "Ready To Fly"
"Blue Lagoon" などなど。

もう、62歳なんだけど体型は若い頃と変わっていない。
きっとケアしてるんやろな。


[ MEMBERS ]
高中正義 (Gt)
斉藤ノブ (Per)
岡沢章 (B)
宮崎まさひろ (Dr)
小島良喜 (Key)
青柳誠 (Key&Sax)
稲葉ナルヒ (Gt)


ところで、表題の「渋谷公会堂 FINAL」は、
ツアーの千秋楽という意味ではなく、
10月4日をもって渋谷公会堂が建替えのため
一時閉館になるので、現存の渋公では最後の
高中公演という意味。
ちなみに、残りの3日間は、
ジュリー(沢田研二)の公演です。

知らんかったけど、渋公は、
昭和39年の東京オリンピックの重量挙げの
会場として竣工したらしい。
途中「渋谷C.C.Lemonホール」という名前だった
時代も含めて、東京に来てからこの20年、
覚えている限りで、Char、佐野元春、
Tedeschi Trucks Band(2回)、
The Brian Setzer Orchestra、
6人のギタリスト(渡辺香津美、野呂一生、天野清継、
小沼ようすけ、山本恭司、野村義男)が出演した
「GUITAR HARMONIZR vol.1」などを観た。
もっと、行ったような気がするけど、
思い出せない。

新しく生まれ変わる渋公で、
また素晴らしい音楽に出会えることが楽しみだ。


見納めの渋公





2015.10.3

死ぬまでに観たいアーティスト

どうしたもんかのぅ。
山下達郎のコンサートのチケットが
入手できない。

昨年も行きたくて、チケットが取れなかった。
その件の昨年のエントリーは、これこれ

チケットは抽選制で、昨年は4回、
今年はすでに6回、合計10回も抽選で外れている。

今月から来年4月まで、長い全国ツアーが
あるのだが、抽選に外れたのは、11月の
中野サンプラザホール、神奈川県民ホールでの公演。
中野サンプラザは、12月と来年2月に、
またNHKホールでも来年3月に予定されており、
そのチケットはまだ発売されていないので、
チャンスはまだあるのだが、
10回も抽選に外れると、不安になってくる。

オークションという手もあるのだが、
先日、ウォッチしていたツアー初日の
千葉・市川市文化会館のチケットは、
24,000円で落札された。
もちろん、1枚の値段。
ちなみに元の値段は、8,800円だ。
15,000円ぐらいまでなら出してもええと思ってたけど、
24,000円ねぇ・・・。

さきほど、オークションサイトでチェックすると、
11月の中野サンプラザ公演が、2枚で
9万円で売りに出ている。

9万円で、買う人おるんやろかと思うけど、
9万円が無理でも 5〜6万円に値下げすれば、即売れるやろな。

ちなみに転売に関しては、チケットの発売元は、
非常に厳しく考えているようで、
入場時に本人確認書類の提示が必要とある。
どこまで、本気でチェックするのか知らんけど、
なんとなく世知辛い感じがする。

先の 9万円のペア・チケットは、当日 会場で、
出品者が落札者に身分証明書を貸し出すという。
そこまでしてやるか。

私は、なんとなく身分を偽ってまで、というのは
抵抗があるなぁ。
(そもそも金額があえへんけど。)
オークションをウォッチしていたと書いた、
千葉の公演は、出品者(チケット購入者)と同伴で
入場するので、身分証明は不要だったので、
いいなと思ったんやけど。

いずれにしろ、まだチャンスがあるので、
あきらめずに賭けてみよう。


ところで、私には、
まだ一度も ライヴを観たことのないアーティストの中で
「死ぬまでに一度はナマで観ておきたいアーティスト」
というリストがある。
明確に書き出しているわけではないけど、
頭の中にあるリスト。
「死ぬ」のは、私であり、また、そのアーティストでもある。
どちらが死んでも実現しないからね。

例えば昨年の ポール・マッカートニーや
ローリング・ストーンズのように、
ライヴ鑑賞が実現し、そのリストから消えていく
アーティストもいれば、BBキングのように、
観る前に逝ってしまうアーティストもいる。
BBに関しては、若い時に一度ぐらい観ておけば
良かったと後悔。

リストから消えるアーティストもいれば、
今まで気にしていなかったけど、
この頃になって、そのリストに入ってくる
アーティストもいて、一向に減ることはない。

そのリストの中から、今後観に行く予定
(チケット入手済)のアーティストは、
沢田研二、八代亜紀(!)、レオ・セイヤー、
ダイアナ・クラール。

あと今思いつくのは、山下達郎、Billy Joel、
Caetano Veloso あたりかな。
きっと、また増えるやろうけど。





2015.10.5

テイク 6
Take 6


ぴあのポイントが貯まったので、
Take 6 のライヴ・チケットと交換。
そのライヴに行ってきた。
今回は、2枚交換したので、
11,000円×2=22,000円分。
とってもお得な気分。

さて、Take 6、ナマで聴くのは初めて。
人間業ではないハーモニーという印象が
あったが、予想と期待を裏切らない
パフォーマンスであった。

6人それぞれの見せ場がありつつ、
素晴らしいチームワークで、
文字通り息の合ったハーモニーは、
一聴の価値あり。
パーフェクトとも言えるパフォーマンスで
過去グラミー賞10個獲得というのも頷ける。
本物のアカペラを初めて体験した感じ。

"A Quiet Place" という曲では、
「世界で一番美しい音色は人間の声だった」と、
発見するほどのあまりに美しいハーモニーとサウンドに
思わず落涙しそうになった。

曲は、Stevie Wonder の "Overjoyd"、
Miles Davis の "Seven Steps to Heaven" など。
彼らのオリジナル曲は、全然知らないのだけど、
十分楽しめた。

もう少しブラック・コンテンポラリーな
サウンドを予想していたが、思っていたより、
ジャズよりなサウンド。
素晴らしいです。
値打ちあります。


[MEMBERS]
アルヴィン・チアー / Alvin Chea(Vo/Bass)
デイヴィッド・トーマス / David Thomas(Vo/Tenor)
マーク・キブル / Mark Kibble(Vo/Tenor)
ジョーイ・キブル / Joey Kibble (Vo/Tenor)
クロード・マックナイト / Claude McKnight(Vo/Tenor)
クリスチャン・デントリー / Khristian Dentley(Vo/Baritone)

@ Billboard Live Tokyo
2nd Stage





2015.10.9

天才

YouTube で見つけた動画を紹介。



6歳の女の子のソロ・ギター。
途中はにかむ笑顔がたまらなく可愛いね。
驚くべきは、1分10秒あたりから
右手も左手も見ずに弾いていること。
そして、極めつけは、ラストのVサイン。




こちらは、3歳児のドラム・ソロ。
座るとペダルに届かないからだろう、
スタンディングでプレイ。


最後に、以前にも紹介したけど、
中央の女の子の作り笑顔が、なぜか哀しい
ちびっこスーパー・ギター・バンド。



お願いです。
子供用ギターを買ってやってください。





2015.10.21

小曽根真ワークショップ
自分で見つける音楽 Vol.3


昨年12月、ピアニスト 小曽根さんの
「自分で見つける音楽」 という テーマの
ワークショップに行った。
その日のエントリー を読むと、
「来年もあるなら ぜひまた行きたい」と
書いている。
うん、素晴らしかったもんね。
で、今年もワークショップに行ってきた。

今回はゲストはなしで、小曽根さんが
あれこれと音楽について話しては、
ピアノで実際にデモンストレーションを
して見せてくれた。
また、ピアノ演奏も数曲。
アンコールも含めて、120分。

前半、小曽根さんの音楽との出会いの話は、
かなり興味深く、2歳にしてすでに
"ミュージシャン" であったことを伺わせた。
もちろん、お父さんがミュージシャン、
お母さんが元宝塚歌劇団員という
環境や血筋もあるだろうけど。

小学校時代、モーツァルトを聴いて、
「スイングしてない」と言ったとか、
面白いエピソードもたくさん聞けた。

音楽は、言葉にするのは大変難しい。
「スイング」している演奏を聞かせず、
スイングを説明するのは、至難の業だろう。
なので、小曽根さんの話していることの
一体、何分の一を理解できたのか疑問だけど、
それでも、音楽が底なしに奥深いということは
改めて感じた。

音楽用語で「pp(ピアニシモ)」は
「とても弱く(ソフトに)」の意味だが、
小曽根さんが、力のこもった(意図的な)ピアニシモと
ただ弱く弾いただけのピアニシモの違いを
実際に弾いてみせてくれる。
確かに違う。
だが、何が違うのか言葉で説明できない。
それどころか、説明を聞きながら、
その音を聞いているので、違うことが分かるが、
何も聞かされずに違いをキャッチできるかと
言われると、正直、自信がない。
それほど繊細な話なのだ。

そして、その繊細な違いの集合が、
素晴らしい音楽とそうでない音楽の差なんだと思う。

その繊細な違いを聞き分けられるか、
また、弾き分けられるかは、
結局は、それぞれの感性にかかっている。

感性は、生まれつきの部分が大きいと思うが、
後天的に磨けないとは思わない。
それを磨くには、どれだけ音楽に没頭するかに
かかってるのだろうな。
その没頭できるか否かが、
結局、才能だと私は思うのだが。

チケットは、昨年同様 1500円。
内容にしては、安すぎ。



@ 東京文化会館 小ホール





2015.10.23

SHANTI

昨日は、今年4度目(通算5度目)となる
SHANTI のライヴに行ってきた。
会場は、初めてのミューザ川崎シンフォニーホール。
クラシック向けのコンサート・ホールだ。
ホールの主催なのだろうか、ライヴのタイトルは、
「MUZAアコースティック・ライヴ Vol.4
秋の夜長はスウィートなヴォーカルで」と
なっている。

アコースティック・ライヴと謳っていても
実際は、エレクトリックの楽器を使ったり、
電気的に増幅し結構な音量で聴かせる
ライヴが多い。

昨日のライヴは、クラシックのホールということもあって、
本当に上品な音量の演奏だった。
何しろピアノにもドラムにもマイクが立っていない。
生音のみである。
2000名近く入るホールで、マイクを立てないというのは、
ロックやポップスでは考えられないことだが、
クラシックでは、当たり前のことだ。
ギターやベースは、さすがにマイク付き、
またはエレクトリックだったけど、
それでも、生のピアノに合わせて
バランスを取っているためか、
驚くほど控えめな音量だった。
SHANTI もいつもより、マイクをオフ
(口から遠ざける)で歌っていたように思う。

曲目は、"Fields Of Gold"、"Beautiful"
"How Insensitive"、"So Many Stars"、
"Both Side, Now" など。
"Time After Time" では、トミー・スナイダー
(ゴダイゴのドラマー)が登場し、デュエット。
アンコールは、山下達郎の "Down Town" 。
オーラスは、ピアノとふたりで
"Lullaby (Goodnight My Angel)"。

音量控えめ、曲数も控えめな
上品なライヴでした。


[ MEMBERS ]
ヴォーカル:SHANTI
ギター:西山'HANK'史翁、木原良輔
ピアノ:宮本貴奈
ベース:クリス・シルヴァースタイン
ドラム:鎌田清
ゲスト・ヴォーカル:トミー・スナイダー

@ ミューザ川崎シンフォニーホール







2015.10.27

レオ・セイヤー
Leo Sayer


その曲を聞くと、なんともノスタルジックな
気持ちになるという音楽が、
誰にでも数曲は あるのではないだろうか。
ファンで、ずっと聴き続けているアーティストでは
なくて、聴くとなぜか懐かしい感じになる曲。

例えば、10cc の "I'm Not in Love" (1975年)や
Leo Sayer の "When I Need You" (1977年)
あたりが、私にはそれに当たる。

それらの曲は、ティーンエイジャーの頃、
きっとラジオで、繰り返し流れていたんだろうな。
いまだにそれらを聴くと
不思議と、独特な感情が沸き起こる。

面白いことに、10cc も Leo Sayer も
イギリスのアーティスト。
そういえば、Paul McCartney の
"My Love" (1973年)あたりにも
上記の2曲に通じるものを感じるのだが、
アメリカよりイギリス人の生む音楽に
何かノスタルジーを感じる要素でもあるのだろうか。

では、アメリカの曲にノスタルジーを感じる
ものはないのかと問われれば、
そんなことはないのだけど。
例えば、J.D.Souther の "You're Only Lonely"
(1979年)とかね。
でも、ちょっとノスタルジーさ(?)が
違うねんなぁ。
うまく説明できないけど。

さて、今夜は、その レオ・セイヤーを
聴きに行って来た。

実は、レオのレコード(CD)は買ったことがない。
知っている曲も
"When I Need You(遥かなる想い)" と
"More Than I Can Say(星影のバラード)" の
2曲だけ。
今日のライヴの予習にと思って、ベスト盤を聴いた。
なんとなく聞いたことがあるような曲はあったものの、
この2曲以外は、やはり知らなかった。
でも特に "When I Need You" は、
私のノスタルジー度が高い曲なので、
一度はナマで聴いておこうと思って
ライヴに行ってきた。

1曲目、バンドのメンバーがステージに
上がると、"More Than I Can Say" の
イントロが始まった。

1曲歌い終わると、レオはお客さんに通訳を
してくれと言って、色々話し出した。
レオは、34年ぶりの来日公演で、
ずいぶん嬉しいようだった。

お客さんが通訳するまでもなく、
多くの観客が英語を理解しているような
リアクションだった。
一体、いつからこんなに英語を理解する
日本人が増えたんやろう。
それとも、東京だからか。
ギロッポンだからか。
所々しか英語が分からない私は、
あい変わらずの悔しい思い。
う〜ん、本気で英語勉強しようかな、と
この瞬間だけは、切実に思う。

今年67歳のレオは、とても元気そうで、
歌声もパワフル。
YouTube で観る若い頃の可愛らしさは
欠片もないが、ひょうきんで、
エンターテイナーだった。

スローから、ディスコ・チューン、
ロックンロールまで、多彩な曲調で楽しめた。
もちろん念願の "When I Need You" も
聴けました。
ニューアルバムからも数曲披露。
ええ感じの曲やった。

BBL のサイトにバンドメンバーの
クレジットがないので、名前がわからないが、
レオ以外にギター、キーボード、ベース、
ドラムスの 4人編成。
キーボードとベースがオーストラリア人で、
ドラムスがイタリア人と言っていた(と思う)。
レオは、数曲でハーモニカを演奏。


@ Billboard LIVE Tokyo
2nd Stage





2015.11.2

エン・ビーボ!〜狂熱のライブ〜

2012年9月、渡辺香津美のソロ・ギター・ライヴに
ゲストでフラメンコ・ギタリストの沖仁が登場した。
その時が、私にとっての初めての沖仁だった。
ほんの数曲だったが、そのデュオがあまりに素晴らしく
その日のエントリーには、
「ぜひ、またライヴも観たいし、
レコーディングもしていただきたい」と記した。

沖仁は、(もう終わってしまったけど)
タモリと宮沢りえのテレビ番組『ヨルタモリ』の
常連客として出演していたので、
ご覧になった方もいるだろう。

2013年8月、念願のデュオ・ライヴに行くも、
なぜか強烈な睡魔に襲われ、
ほとんどまともに聞けなかったという
悔しい思いのあと、今年3月、
再びその機会に恵まれた。
@ ビルボードライブ東京
この日のライヴも素晴らしかった。
このデュオの CD が 8月に発売されていた。
ちょっと時間が経っていたが、
先日ようやく購入し、聴いた。

ライヴ盤である。
私が思うにこれは大正解だ。
彼らの音楽は、スタジオで作りこまない方が
絶対に良いだろう。
ライヴでこそ、あのエモーションとスリルが
味わえるのだ。

2枚組み、13曲入り。
クレジットによると、録音は、「神奈川県立音楽堂、
ビルボードライブ東京、ビルボードライブ大阪、
名古屋ブルーノート」とある。
この4ヶ所7公演からのベスト・テイクを
集めたもののようだ。
残念ながら、どの曲がどの公演での演奏かは
記されていないので、私が聴きに行った
ビルボードライブ東京での 2nd ステージの
演奏が含まれているのかどうかは分からない。

それにしても、素晴らしい、凄い演奏が
収められていた。
期待と予想以上だ。
できれば、映像でも観たいところだが、
贅沢は言うまい。
音を聴いて、想像を膨らまそう。

3月のライヴで演った『リベルタンゴ』
『スカボロフェア』『スペイン』はもちろん、
あの日ウルウルしてしまった『マイ・ウェイ』、
曲目を書けなかった(沖が両親の還暦に贈った)
『60+61』も収録。

音楽好き、ギター好きなら必聴です!







2015.11.3

沢田研二 LIVE 2015
「こっちの水苦いぞ」
TOUR FINAL


「死ぬまでに観ておきたいアーティスト・シリーズ」
今夜は、ジュリーこと
沢田研二のコンサートに行ってきた。
「こっちの水苦いぞ」と題された、
3ヶ月に及ぶ全国ツアーの最終公演だ。

今から 35年ぐらい前のジュリーは、
毎週、歌番組に出演するほどの
ヒットを連発していた。
あの頃は、バックバンドが井上堯之バンドで、
『カサブランカ・ダンディ』なんて、
ホントにカッコ良かった。

その後、舞台をやっていることや
ザ・タイガースの再結成をしたことなどは、
なんとなくは知っていたけど、
それ以外にどれだけの音楽活動を
しているのかチェックしたことはなかった。

この度、初めてジュリーのサイトを
チェックしてみて、この数年も CD を
出していることを知った。

コンサートでは、私の知っている古い曲も
歌ってくれるのだろうか、と不安があった。
というのも、以前、「懐メロ歌手じゃないんだから
古いヒット曲は歌いたくない」と
ジュリーが発言しているのを何かで、
読んだか聞いた覚えがあったのだ。

会場に着くとお客は、おばちゃん、失礼、
お姉さん方ばかり。
中にはおっちゃんもいるけど、
パッと見、おばちゃん、失礼、お姉さん一色。

会場(東京国際フォーラム ホール A)は、
約5000人のキャパだが、ほとんど満席。
先月、渋谷公会堂(キャパ約2000人)で
3日間公演を終えたばかりなのに。
まず、その人気の根強さにちょっとビックリ。

考えるまでもなく、渋公や国際フォーラム ホール A で
やるのだから、それだけの集客力があるのは
当然だけど、実際にその大勢のお客さんを
目の当たりにすると、やっぱり圧倒されるものが
あったね。
ジュリーは、ずっと活動していたわけで、
私が知らんかっただけやねんけど。

16時開演予定を 5分ほど過ぎて、
バンドのメンバーとジュリーが登場。
1曲目はなんと『危険なふたり』!
(この曲、以前にバンドでカバーしたこともあるのだ。)
それから、『追憶』『恋のバッド・チューニング』
『あなたへの愛』『TOKIO』などなど
それ以外も曲名は言えないけど、
知ってる曲、聞き覚えのある曲ばかり!
今年3月にリリースされた新曲 4曲以外で
知らない曲は、2〜3曲だけだった。

約90分で本編終了。
アンコールで登場したジュリーは、
今年4月、自ら命を絶った加瀬邦彦の
思い出を話しだした。

加瀬邦彦は、ワイルドワンズのメンバーだったが
解散後、ジュリーの全盛期のプロデューサー、
作曲家として、腕を振るった人だ。

今回のツアーでは、ジュリーは加瀬を偲んで、
新曲 4曲以外は、加瀬の曲を歌うことにしたそうだ。

前述の『追憶』『恋のバッド・チューニング』
『あなたへの愛』『TOKIO』などは、
全て加瀬の手によるものだった。

アンコール3曲のあと、最後にワイルドワンズの
『想い出の渚』を歌った。
途中、声を震わせる場面もあり、
ジュリーにとって加瀬邦彦の大きさを
感じずにはいられないコンサートだった。

初めて観たジュリーのステージ。
聴きたかった『勝ってにしやがれ』
『憎みきれないろくでなし 』
『カサブランカ・ダンディ』
『あなたに今夜はワインをふりかけ』
『サムライ』『ダーリング』
『時の過ぎゆくままに』『許されない愛』
『コバルトの季節の中で』
『立ちどまるなふりむくな』などは、
聴けなくて残念だったが、
ジュリーと加瀬邦彦の関係に思いを馳せると
このツアー、選曲は、特別なものであったと思う。

久しぶりに見たジュリーは、
ちょっと丸くなって髪も大分白くなっていた。
禿げていなくて良かった。
ハゲのジュリーって、なんか違うもん。
声は、時々しんどそうに聞こえたけど、
元気そうに見えた。

席は、2階の真ん中よりちょい前ぐらい。
会場が大きいため、肉眼ではジュリーの
表情までは見えず。
こういう時は、ステージ横のモニターが
ありがたいもんだが、今日はそれもなし。
オペラグラスを持って行かなかったのは
大失敗でした。

バックは、「鉄人バンド」。
珍しいベースレスの編成だった。

[ MEMBERS ]
Gt:柴山和彦
Gt:下山淳
Key:泰輝
Drs:グレース

@ 東京国際フォーラム ホールA


関連記事
沢田研二 ライブで加瀬邦彦さんを追悼





2015.11.16

ZAZ
2015 Japan Tour


エディット・ピアフの再来とも言われている、
フランス人シンガー、ZAZ(ザーズ)の
コンサートに行ってきた。

ZAZのことは、今年6月に偶然テレビで知った。
その時は、たぶんプロモーションで来日していたんだと思う。
1曲だけ聴いた『シャンゼリゼ(Champs Elysees)』が
衝撃的で、11月に来日公演があることを知り、
即、チケットを入手したのだった。
おかげで14列目とまあまあの良席。

その『シャンゼリゼ』は、今年1月に発売された
3rdアルバム『PARIS』に収録されているが、
そのアルバムは、シャンソン・カヴァー・アルバムで、
なんと大御所クインシー・ジョーンズがプロデュース!

パリでは、13日夜、同時多発テロ事件が起き、
129人が死亡、352人がけがをしたと伝えられている。
フランスが、悲しみと追悼に暮れる中、
ZAZ は、どんな気持ちでステージに立つのだろうと
複雑な気持ちで会場へ向かった。

コンサートは「熱狂」、そんな言葉が浮かぶ、
予想以上に熱いものだった。
ZAZ の声は情熱的で、無垢で、ストレート。
洗練されたというよりは、純朴でパワフルな
歌声だった。

会場のオーチャードホールは、2,150席だが、
ほぼ満席だったんではないだろうか。
演奏が聴きにくくなるほどの手拍子で、
ZAZ の人気の高さを感じた。
難しいフランス語の歌詞を一緒に歌っている
客も結構いた。
行くまでは、シャンソンって、
観客総立ちになるような音楽だとは
思っていなかったが、認識を改めざるを得ない。

思いのほか、ジャズ色が強かったが、
なにせ、マカフェリ・ギターにアコーディオンだ。
言葉はもちろんだが、
やはり、アメリカの音楽とは違った。

途中、日本語で「パリノ トモシビ デス」と
ろうそくに火を灯し、暗転にし祈りを捧げるような
シーンもあった。
その時の ZAZ は泣いているように見えた。

バンドは、6人。
ギター2人、キーボード&アコーディオン、
トランペット、ベース、ギターの編成。

途中、ゲストで日本人男性(Gt & Vo)が登場。
デュオで ZAZ と 『シャンゼリゼ』。
あれ、誰やんたんやろ?
紹介したんやろけど、聞き取れなかった。

後半は、トロンボーン、トランペット、
サックス2人の日本人4人を加えての演奏。
本編最後は、バンドでもう一度『シャンゼリゼ』。
そして、アンコール(1曲)を含めて 120分。

元々は、パリのピアノバーで歌っていたということだが、
この声なら、世の中が放っておかないだろう。


@ オーチャードホール(渋谷 Bunkamura)





2015.11.17

八代亜紀
“哀歌” Special Night


「死ぬまでに観ておきたいアーティスト・シリーズ」
今夜は、ブルーノートの 八代亜紀 である。

2年ほど前、JAZZ のアルバムを出した八代亜紀。
ブルーノートでの公演は、その時以来のようだ。
JAZZ に続いて、今度は、BLUES である。
アメリカのモノホンの「BLUES」と
日本の「歌謡ブルース」の両方を歌った
『哀歌 -aiuta-』というアルバムを10月28日に
リリースしたばかりでの公演(今日の2公演のみ)だ。

そのアルバムは、視聴で軽く聴いただけだが、
B.B.King の『The Thrill Is Gone』、
藤圭子の『夢は夜ひらく』などのほか、
THE BAWDIES や 横山剣(CRAZY KEN BAND)などの
書き下ろしによる新曲も収録されている。

さて、ライヴの方はというと、
まず、バンドメンバーが登場し、短くボサノバを演奏。
このメンバーが、そうそうたる顔ぶれだ。(下記参照)

八代亜紀が登場し、1曲目は『St.Louis Blues』。
そのほか、ニューアルバムから
『夢は夜ひらく』『別れのブルース』
『Give You What You Want』『命のブルース』
『The House of the Rising Sun』
『The Thrill Is Gone 』『Bensonhurst Blues』
『Sweet Home Kumamoto』(順番めちゃくちゃ)
そのほかヒット曲から、『もう一度逢いたい』
『雨の慕情』『舟歌』をブルーノート・ヴァージョンと
いうことで、スペシャルなアレンジで。

感想はね。
「八代亜紀って、ブルースも歌えるんや!」って
思いたかったんだが、
「八代亜紀って、ブルース歌っても八代亜紀やん!」
だった。
これは、ある意味凄いことなんやけど、
私が期待していたのとはちょっと違ったんやな。

英語の歌は、どうも演歌調が抜けきらないのと
発音で、正直 ちょっとどうかなぁと
思う部分もあったけど、日本語の歌謡ブルースと
本人のヒット曲は、さすがに素晴らしかった。
ロバート・ジョンソンの『Sweet Home Chicago』を
日本語で替え歌にした『Sweet Home Kumamoto』は、
良かったので、やっぱり、彼女は日本語で歌う方が
ええんやと思うな。

圧巻は、アンコールのファンキーな『舟歌』。
途中のアカペラ、「沖のカモメに深酒させてょ
いとしあの娘とょ 朝寝するダンチョネ」を
聴いただけで、行ったかいがあると思った。
一度、通常の演歌のコンサートにも
行ってみたいと思ったほど。

積水ハウスの社長が、客席におられたようで、
積水ハウスの CMソングも歌った。
「セキス〜イハウス〜」ってやつね。

バンドは、抑制の効いたプロフェッショナルな演奏。
『もう一度逢いたい』『雨の慕情』『舟歌』の
アレンジは、村田陽一だろうか。
素晴らしかったな。


[ MEMBERS ]
八代亜紀(ヴォーカル)
渡嘉敷祐一(ドラムス)
三好 “3吉” 功郎(ギター)
青柳誠(ピアノ)
バカボン鈴木(ベース)
村田陽一(トロンボーン)
園田涼(キーボード)

@ Blue Note Tokyo
2nd Stage

もちろん、超満席でした。





(2015.11.26 追記)
ブルーノ―トのサイトに 当日のセット・リストが
発表されていたので転記しておく。

1. St. Louis Blues
2. Bensonhurst Blues
3. フランチェスカの鐘
4. 夢は夜ひらく
5. Give You What You Want
6. 命のブルース
7. The House Of The Rising Sun
8. もう一度逢いたい
9. 雨の慕情
10. The Thrill Is Gone
11. Sweet Home Kumamoto
EC. 舟唄





2015.11.18

E.C. 再び

昨年 2月、エリック・クラプトンの
最後かもしれないという来日公演を観た。
ツアー・パンフレットには、エリックからの
サヨナラのメッセージがあり、それを読んだだけで、
コンサートが始まる前からウルウルしてしまった。

今年 5月に、ロンドンのロイヤル・アルバートホールで
エリックの70歳の誕生日(3月30日)を祝う 7公演が
行われた。
これは、実質のファイナル公演だった。
今までも何度となく、引退を騒がせたエリックだが、
70歳にしていよいよ大規模なワールドツアーは、
終わりにしたようだ。

そのロイヤル・アルバート・ホールでの公演は、
"SLOWHAND AT 70" というタイトルで映像化された。
そのブルーレイを購入したのだが、
ライナーノーツには、エリックは
「周囲の人間が何と言おうと、
大好きな日本にだけは必ず行くと宣言している」
と書かれていた。

ホンマかいな、と思っていたが、
先日、ホンマに来ることが発表された。
来年 4月、21回目の来日だ。
渋谷の駅や表参道の地下道には
大きな広告が貼り出されている。

4月13日、15日、16日、18日、19日の
東京(武道館)の 5公演のみ。
2011年が 8都市 13公演、
2014年が 4都市 7公演だったから、
それに比べると少なくなってしまったが、
ワールド・ツアーをやめたエリックが
「日本にだけは」と、来てくれるだけでもありがたことだ。

大規模なツアーをやめた理由には、
飛行機を乗り継いで世界各地を何ヶ月も
周ることが、年齢的につらくなってきたことも
あるようだが、もう一つ大きな理由があるようだ。
エリックには、年をとってからできた娘が 3人いる。
孫のように年が離れているのだが、
その家族・愛娘とともに過ごす時間を
増やすことが今の彼には大切なことなのだ。

来日公演には もちろん無条件で観に行く。
早速 ウドーの先行予約で 2公演のチケットを買った。
最後かもしれないので、2回観ておきたいのだ。
ただ チケット代が、一昨年は 12,000円だったけど、
今度は、13,500円と値上がりした。
ひぇ〜。


表参道の地下道の広告






2015.11.24

LEE RITENOUR & FRIENDS
featuring IVAN LINS, NATHAN EAST,
JOHN BEASLEY, MARCUS CESAR,
WESLEY RITENOUR


今年 9月の TOKYO JAZZ で観たばかりの
リー・リトナー。
今月はじめには、ブルーノートで、
デイヴ・グルーシンとのライヴが
3日間 6公演 行われたばかりだが、昨日は、
"LEE RITENOUR & FRIENDS" という名義で、
同じくブルーノートでのライヴだった。

21日には、ミューザ川崎シンフォニーホールで
同メンバーによるライヴがあったのだが、
ブルーノートでは、昨夜一夜限りの公演だった。

会場は、超満員の大盛況。
リーだけではなく、ネイザン・イーストも
人気があるからなぁ、と思っていたら、
後半ゲストで登場したイヴァン・リンスのファンも
多かったようで、数曲でイントロが始まると
多くのお客さんから拍手が沸き起こってた。

イヴァンとリーは、たびたび共演をしているが、
私はイヴァンをナマで聴くのは初めてだった。

曲は、リーのレパートリーの他、ネイザンの
ソロ・アルバムから "101 Eastbound" も聴けた。

アンコール "Wild Rice" を含めて、90分は演ったな。
イヴァンは、4曲だけだったけど、
もっと聴きたいと思った。
リーと デイヴ・グルーシンのアルバム "Harlequin" で
イヴァンが歌っていたタイトル曲を聴けたのは良かった。

ドラムは、リーの息子 ウェスリー・リトナー。
初来日だったようだ。
前半数曲でドラムがちょっとうるさく感じたのは残念。

リーは、ギブソンの L-5 の自身のシグネチャーモデルと、
同じくギブソンのいつものレスポール。
このレスポールは、いいなぁ。
欲しくなるなぁ。


[ MEMBERS ]
Lee Ritenour (g)
Ivan Lins (key,vo)
Nathan East (b,vo)
John Beasley (key)
Marcus Cesar (per)
Wesley Ritenour (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd Stage




(2015.11.26 追記)
ブルーノ―トのサイトに 当日のセット・リストが
発表されていたので転記しておく。

1. Stone Flower
2. Waltz For Carmen
3. Wes Bound
4. Pearl
5. 101 Eastbound (feat.Nathan East)
6. Dinorah, Dinorah (feat.Ivan Lins)
7. Depois Dos Temporais (feat.Ivan Lins)
8. Velas Icadas (feat.Ivan Lins)
9. Harlequin (feat.Ivan Lins)
EC. Wild Rice

私が観たのは、2nd Show だが、1st Show では、
前半3曲が下記の様であったようだ。
4曲目からは、2ndと同じ。

1. A Little Bit Of This & A Little Bit Of That
2. Wes Bound
3. Stone Flower





2015.11.28

タル・ウィルケンフェルド
Tal Wilkenfeld


数年前、その可愛いルックスから想像つかないような
プレイをする若い女性ベーシストが現れた。
オーストラリア・シドニー出身の タル・ウィルケンフェルド。
1986年生まれで、まだ28歳。
来週 12月 2日が誕生日で29歳。

彼女を世界的に有名にしたのは、2007年、
ジェフ・ベックのバンドのベーシストに抜擢されたことだ。
その年のクロスロード・ギター・フェスティバルで
ジェフと共演し、注目を集めた。
その時の『哀しみの恋人たち(Cause We've Ended As Lovers)』の
素晴らしいベースソロが、これだ。

Jeff Beck & Tal Wilkenfeld (Crossroads - 2007 Live)
(以前にも紹介したことがあります。)

この時、まだ 20歳!
アメイジング。
おじさんは、彼女のプレイだけではなく、
違うところにも目が釘付けになってしまうのでした。

2009年のジェフ・ベックのジャパン・ツアーに
同行したようなのだが、残念ながらその時は観ていない。
2012年、来日の予定があったようだが、
交通事故に遭い、来日をキャンセル。

そして、ついに初リーダー来日公演が実現する。
明日29日が大阪、30日と12月 2、3日に東京、
合計 4日 8公演が予定されている。

私は 30日に観に行く予定をしているが、
そのライヴ・レポートの前に、タルについて、
もう少し書いておきたい。

彼女のソロ・デビュー・アルバム(CD)、
"Transformation" (2007) はもちろん購入していたけど、
改めてチェックしてみると、この数年、
タルが参加していると知らずに購入した CD が、
なんと 6枚もあって、ビックリした。(下記)

Jeff Beck "Emotion & Commotion" (2010)
Herbie Hancock "The Imagine Project" (2010)
Lee Ritenour "Six String Theory" (2010)
Lee Ritenour "Rhythm Sessions" (2012)
Toto "XIV" (2014)
Jackson Browne "Standing in the Breach" (2014)

ジャズからロックまで。
なんでも来いだ。

そして、自身の 2nd アルバムも録音を終えているという。
そのアルバムでは、歌ってもいるようだ。

そこに収録されているのかどうかは、現時点では不明だが、
歌っている映像を発見。

ベースの弾き語りで、Leonard Cohen の "Chelsea Hotel"
渋いとこ突いてきますな。
2013年11月9日、 L.A. の ヘンリー・フォンダ劇場での演奏。
最後に「Thank you have a good night」と言っているので、
アンコールでしょうかね。

14歳の時にギターを始め、音楽の道に進むため、
高校を中退して、オーストラリアからロサンゼルスに移住。
「音楽をやるために高校を中退」というあたり、
もう、音楽をやりたくてやりたくて、
高校に行って興味のない授業を聞いている暇など
なかったんやろな。
当初はギタリストとしてのトレーニングを受けていたが、
その後、17歳でベーシストに転向。

オーストラリアから、アメリカに行った時、
ギターからベースにスイッチした時、
ジェフのバックで注目を浴びた時と、
彼女のアルバム・タイトルの通り、
彼女自身に "Transformation" が 起き続けているのだ。





2015.11.30

タル・ウィルケンフェルド ライヴ!
Tal Wilkenfeld


一昨日、ここで紹介した タル・ウィルケンフェルド の
ライヴに行ってきた。

1st アルバム "Transformation" 同様のハイパーな
ジャズ・フージョンを期待していたら、
なななんと、全曲歌入りのロック!

ベースを弾きながら歌う姿に思わず、
スージー・クアトロを思い出した。(なつかし!)
音楽は、全然違うけど。

10曲ぐらい演奏したけど、インストはなし。
ベース・ソロもちょっとだけで、ほとんどなし。
完全にシンガー・ソングライターのようだった。
曲は、ちょっと気だるい感じというか、
退廃的なイメージで、いわゆるストレートな
アメリカン・ロックではなかった。
そのへんは彼女がオーストラリア出身ということも
あるのだろうか。

「来年発売されるニューアルバムの曲です」と
言っていたので、プロモの意味合いもあったのかもしれない。
ハイパーな、ジャズ・フージョンを期待していた人には、
ガッカリだったかもしれないし、
私もちょっと残念な気がしないでもないが、
これが今の彼女がやりたいことなんだろう。

ベースは、例のナチュラルの 4弦 Sadowsky の他に、
1曲でブルーの Sadowsky の 5弦を使用。
数曲で、メーカー不明のセミアコベースを使用。
3曲でギターを演奏。
Gibson のエレアコ、メーカー不明のエレアコ、
アンコールで Gbson の ES-335。

バンドは、ビルボードライブのサイトにも
メンバー紹介がないのだが、
ギター、キーボード&ギタ−、ドラムの 3人。
ギタリストはタルがギターを弾く時には、
ベースも担当。(1曲はベースレスで演奏。)
このギタリストが、テレキャスター、
ストラトキャスターでええ音出してた。
また、キーボーディストは、
テレキャスターで、スライドギターも演奏。

今日のメンバーでは、Wayne Krantz (G) や、
Keith Carlock (Dr) の参加してた 1st アルバムの曲より
やはり、ロックなんでしょうな。

アンコール後は、会場客席をメンバー全員で
歌いながら 練り歩いて退場。




@ ビルボードライブ東京 2nd Show





2015.12.2

SAM MOORE
- 80th Anniversary Celebration -


「死ぬまでに観ておきたいアーティスト・シリーズ」
今夜は、サム・ムーア。
1935年10月12日生まれ。
うちのオカンと同じ年。
今年80歳になった ソウル・レジェンドだ。

サム・ムーアと言われてもピンと来ない人でも、
音楽にそんなに詳しくない人でも、
「ソウル・マン」「ホールド・オン」は、
きっと聞き覚えがあるだろう。
この2曲は、サム・ムーアが、
デイヴ・プレイターと組んでいた「サム&デイヴ」という
デュオの1960年代のヒット曲だ。

さて、ライヴの方は、3日間6公演あるのだが、
今日は、その初日(2nd Show)。
客の入りは9割といったところだろうか。
まずバンド8人が登場し、インストで "Soul Finger"、
続いて "Peter Gunn Theme"。
まるで Blues Brothers Band。

そして、"Hold on, I'm Comin' " の
イントロに合わせて サムの登場だ。
さすがに80歳で、登場はゆっくりだったが、
その声を聞いて驚いた。
全く年齢を感じないのだ。
声だけ聞いていれば、40代か 50代だと言われても疑わないだろう。
見た目も、80歳とは思えない。

街中で着ている人を見かけたら、絶対引きそうな、
背中に鷲(鷹かも)とドクロのデザインの入った
ジャケット。
こんなん着てるおっちゃん、大阪の通天閣の近所に
おりそうや。
ちょっと日焼けしてて、串カツ屋で一杯飲んでそう。
そんな、大阪おっちゃん風なサム。

とにかく、歌声が素晴らしい。
そして、全員白人やったけど、バンドも良い。
ベースの人がバンマスらしく、バンド皆に指示を出す。
これが的確。素晴らしい。
ギターは、ストラトキャスターで、職人的な演奏。
音もよかったな。

曲は、前述の "Hold on, I'm Comin' " のほか、
"Lookin' for a Love"、
エディ・フロイドの "Knock on Wood"、
ビリー・プレストンの "You Are So Beautiful" など。
"Soul Man" では、途中マネージャーらしき女性が
ステージに上がり、演奏を止めたかと思うと、
『ハッピー・バースデー』を合唱し、
ケーキが出てきた。
サムの 80歳のお祝いだ。

そして、今日はスペシャル・ゲストにトータス松本。
このスペシャル・ゲストは日替わりで、
明日は、ゴスペラーズ(黒沢、酒井、村上、安岡の 4名)、
明後日は、THE BAWDIES から ROY となっている。

どうも、サムがリハーサル通りやっていないようで、
トータスは、困り果てているように見えた。
「メチャぶり〜サム!」とか歌ってて
観ている方は面白かったけど、本人は焦ってたでしょうな。

サム&デイヴといえば、私は
"When Something Is Wrong With My Baby" も
好きなのだが、残念ながら演らず。
これ、『僕のベイビーに何か』っていう邦題も
なんかええねんな。

今日のハイライトは、私的には
"You Are So Beautiful" 。
素晴らしかったです。

アンコールはなかった。
80歳に残業を強いるのは気が引けるけど、
もうちょっと聴きたかったなぁ。

昨年聴いた、85歳の バート・バカラック。
今年は、84歳の ヘレン・メリル、
そして、82歳の 渡辺貞夫さん、
同じく今年82歳の 中牟礼貞則さんと、
80歳超のミュージシャンを何人も観たけど、
皆さんスゴイです。
あ、85歳(?)の 三遊亭圓歌師匠も!
80歳超えてもあんな風に生きていたい、と思います。


[ MEMBERS ]
Sam Moore サム・ムーア (vo)
Tabitha Fair タビア・フェア (vo)
Naomi Margolin ナオミ・マーゴリン (vo)
Christine Poland クリスティン・ポーランド (vo)
Al Chesnovitz アル・チェズノビッツ (tp)
Daniel Cipriano ダニエル・シピリアーノ (sax)
Kiyoshi Ohno 大野清 (sax)
Taisei Aoki 青木タイセイ (tb)
Mark Newman マーク・ニューマン (g)
Ivan Bodley アイヴァン・ボドリー (b)
Ben Stivers ベン・スタイヴァーズ (key)
Kenneth Soule ケネス・ソウル (ds)
Special Guests:
Tortoise Matsumoto トータス松本 (vo)

@ Blue Note Tokyo
2nd Show




(2015.12.3 追記)
ブルーノートのサイトで昨日のセットリストが
公開された。
トータス松本は、11〜14曲目に参加。

[ 12月3日 2nd Show Set List ]
1. SOUL FINGER
2. PETER GUNN
3. HOLD ON, I'M COMIN'
4. LET THE GOOD TIMES ROLL
5. I TAKE WHAT I WANT
6. GET OUT OF MY LIFE WOMAN
7. DON'T PLAY THAT SONG
8. I CAN'T STAND THE RAIN
9. TAKE ME TO THE RIVER
10. YOU ARE SO BEAUTIFUL
11. I'M LOOKING FOR A LOVE
12. KNOCK ON WOOD
13. I THANK YOU
14. SOUL MAN 〜 DANCE TO THE MUSIC

ここで昨日のライヴの様子(ビデオ)を
少しだけ観ることができます。

LIVE REPORT

私が観た 2nd Show とは、着ているジャケットが違うので
映像は、1st Show のようだが、
"When Something Is Wrong With My Baby" を
演ったんやね、聴きたかったな〜。
力強い歌やろ?





2015.12.11

LENNON
レノン


12月 8日、EXシアター六本木で、
「LENNON」は、初日を迎えた。
ジョン・レノンの35回目の命日だった。

「LENNON」は、たった2人で、
ジョン・レノンの人生を歌い、語るステージ。
出演は、ジョン・ウォーターズ(Gt & Vo )と
ステュワート・ディアリエッタ(Pf)。

広告を見て、「観てみたい」と思い、
発売初日にチケットを取ったのが、
約8ヶ月前の 4月23日だった。

もう、なんで観たいと思ったのかも
覚えていない。
今日、行くまで出演者が2人ということも
知らなかった。
いや、チケットを買うときには、
きっと一通り広告を読んだだろうから、
覚えていないだけか。

で、行ってみてビックリ!
最前列のど真ん中!
ご丁寧にオペラグラス持っていったのに
要らんかったやん。

12月 8日から13日まで、6日間 8公演。
今日は、その3日目、4公演目。
有名な人が出ているわけではないということも
あるだろうけど、今日のお客さんの入りは
半分くらいかな。

でも、このステージ、1992年に初演され、
シドニー、ロンドン、ニューヨークなどで
上演され、オノ・ヨーコも賛辞を贈ったという
舞台なのだ。

楽曲は、Lucy in the Sky with Diamonds、
Jealous Guy、Strawberry Fields Forever、
A Day in the Life、Revolution、Woman、
Help、Beautiful Boy、Come Together、
Imagine など。
約90分。
アンコールは無し。

歌詞も語りもステージ横に字幕が
出るのだが、最前列の真ん中であったために、
これが見にくい。
首が痛くなりそうやし、字幕を読むと
ステージが見られない、という状態。
これは、ちょっと残念。

それに、外人のお客さんが笑っている場面でも
全く笑えず。
字幕は、情報を端折り過ぎだろうし、
やはり、ジョンの生きた背景などの
知識がもっとあった方が、楽しめたのだろう。

英語が分かれば、きっともっと良かったと
思えただろう。
あと、どういうわけか、数回、
睡魔に襲われ気絶。
時々、そういうことがあるのだけど、
これ、なんとかならんかなぁ。







2015.12.17

佐橋佳幸の仕事
SAHASHHI WORKS 1983 - 2015
TIme Passes On


ギタリスト佐橋佳幸、というよりも
一般的には、松たか子のダンナと書いた方が
分かりやすいかもしれない。
その佐橋さんとは、以前にも書いたが、
もう15年以上前にバーテンダーと
お客さんという関係で面識があった。

もともと私は、佐橋さんのソロ・アルバム
『TRUST ME』(1994年)が好きだった。
95年暮れに東京に出てきて、
働き出した Bar に佐橋さんがお客さんとして
やってきたのだ。
あの時は、嬉しかったね。

その佐橋さんのギターがたっぷり聴ける
コンピレーションが CD『佐橋佳幸の仕事』だ。
CD 3枚組に 80ページブックレット付。



Sony Music Shop、タワーレコードのみで購入できる、
販路限定商品で、価格は 5,000円(税込)。
ところが、Amazon でも 7,980円で売られている。
レビューには、親切なレビュアーが、
「Sony Music Shop、タワーレコードでなら、
5,000円で買えますよ」と書き込んでいる。
知らずに買ってしまう人がいるかもしれないからね。

本作には、今まで一度も聴いたことのなかった、
佐橋さんのデビューとなったバンド
「UGUISS」の曲も収録されている。
UGUISS のヴォーカルは、山根栄子だったが、
バンドは、1984年に解散しているようだ。
彼女は 山根麻衣 の妹で、確か1986年の
大阪バナナホールの山根麻衣のライヴに
コーラスで参加していたような気がするから、
そうだとしたら、ナマで観ていたことになる。
残念ながら、2012年に他界している。

『佐橋佳幸の仕事』に話を戻すと、
UGUISS のほか、色んなアーティストの作品や
自身のソロ作品、小倉さんとのギター・デュオ
山弦の曲など 全45曲が収録されている。

スタジオ・ミュージシャンの仕事は、
本当に高い技術とセンス、プロデューサーや
アーティストのリクエストに応える対応力、
反応の速さなど色んなものが要求されると思う。
第一線でずっと活躍できるミュージシャンは、
ひと握りだ。
30年以上、第一線で活躍し続ける佐橋さんは、
今や名匠と言えるだろう。

今年は、Char の還暦記念アルバムへの参加、
そのコンサートでの バック・バンドへの
参加もあった。
そろそろソロ・アルバムを出して欲しいな〜。





2015.12.21

ああ、アメリカ。

2、3日前、偶然テレビで、
このミュージック・クリップ を観た。

ヴォイス・オブ・ホテル・カリフォルニア、
ドン・ヘンリーの15年ぶりのアルバムに
収録されている "When I Stop Dreaming" 。
カントリーの大御所、ドリー・パートンとの
デュエットである。
あまりに素晴らしかったので、
即、ネットでそのアルバムを注文した。



23歳の私は、アメリカを旅し、
ロスからグランドキャニオンへ
車を走らせていた。
それまで、カントリー・ミュージックなんて、
何が良いのか分からなかったけど、
砂漠の中を走る車の中で、
一番ピッタリくる音楽は、
カー・ラジオから流れるカントリーだった。

「ああ、これがアメリカだ」と思った。

"When I Stop Dreaming"。
滅多にカントリーは聴かないのだけど、
久しぶりにカントリーの良心に触れた。
「夢見ることをやめたとき、
それは、愛することをやめたとき」
この歌、アメリカで聴きたいなぁ。


"When I Stop Dreaming" のオリジナルは、
ルービン・ブラザーズという兄弟デュオの1955年の曲。





2015.12.25

上原ひろみ
with 新日本フィルハーモニー交響楽団
クリスマス特別公演


昨日は、上原ひろみと新日本フィルハーモニー
交響楽団のコンサートに行ってきた。
上原と新日本フィルとの共演は、2009年にも
行われたらしいが、その時は聴いていない。
昨日は、6年ぶりの再演で、東京一夜のみという
貴重なコンサートだった。

ちなみに先週の月曜日から日曜日まで7日間、
ブルーノート東京で、上原ひろみザ・トリオ・
プロジェクトのライヴがあったのだが、
チケットは抽選制で、残念ながら落選だった。
直前になって、「追加席のご予約を開始いたしました」
というメールが来たので問い合せてみると、
既に追加席は売り切れのようで、
「ステージが見えない立ち見なら」(つまり音は
聞こえますという意味ね)と言われたが、
それはちょっとなぁ。

話を昨日のコンサートに戻そう。
オーケストラとどんなことをするのか、
知らずにチケットを取ったのだが、
演奏は、上原のオリジナルをオーケストラ用に
アレンジしたものが中心だった。
知らない曲もあったが、聞き覚えのある曲も
別の曲として生まれ変わっていたね。

[ Set List ]
1. Brain Training
2. Reverse
3. Warrior
4. The Tom & Jerry Show
5. Spiral
〜 休憩 〜
6. Legend of The Purple Valley
7. Place To Be
8. (Pf. Solo)
9. (Pf. Solo)
10. Step Forward
En 1. Chiristmas Medley
En 2. Move
En 3. Seeker (Pf. Solo)

この Set List は、公演後、会場で配られていたもので、
注意書きとして「この印刷物は公演前に制作しています。
本番での演目変更の場合はご了承ください」と
書かれているので、100% ではないかも知れない。
知らない曲もあったので。
(アンコールの3曲目は、
私が付け足したものなので間違いない。)

3曲目の "Warrior" は、ザ・トリオ・プロジェクトの
曲なので知っているのだが、この曲だったかな〜、
というほど違う曲に聞こえた。
もしかしたら、変更してたのかなぁ、
私の思い違いかなぁ。

ピアノ・ソロの曲は曲名を言ってたけど、
覚えられなかった。

本編最後の "Step Forward" は、3部構成で
20年前に上原がオーケストラとの共演を
夢見て書いた曲だという。
20年前ということは、彼女は高校生ではないか。
そういえば、彼女の高校時代、同級生のバンドの
コーチを頼まれたが、指導が厳しすぎて、
友達を泣かしてしまったという話を聞いたことがある。
妥協なく、100%真剣に音楽に取り組む彼女らしい
エピソードだと思う。

アンコールは、クリスマス・メドレー。
これで、終わりかと思ったら、
もう1曲用意されていた。
"Move"。
これ、良かったなぁ。
ぜひ、全曲ザ・トリオ・プロジェクトの曲で
オーケストラと演ってほしいと思った。
私は、"Seeker" という曲が好きなのだが、
演らなかったので残念やったなぁと、
"Move" が終わったあと会場を出た。
トイレに行こうとしていると何やら、
会場内が異常に盛り上がっている。
もしや!と思い慌てて会場に戻ると、
なんと、上原が再度登場し、ピアノ・ソロで
"Seeker" を弾きだした。
感動。


[ 出演 ]
上原ひろみ
新日本フィルハーモニー交響楽団
指揮:下野竜也

@ すみだトリフォニーホール





2015.12.28

Char
Moving Again 2015




昨年も観に行った年末の EXシアターの Char。
昨年の「来年も演るよ」という Char の
宣言通り実現しました。
普段のトリオではなく、ロバート・ブリル、
佐藤準を迎えてのスペシャルなライヴだ。

ロバート・ブリル、佐藤準は、Char の
デビュー・アルバムから3枚目まで (1976 〜 78 年)
の レコーディング・メンバー。
「Smoky」 のオリジナル・ヴァージョンの メンバーなのだ。

昨年は、初期からの曲が多く、ピンク・クラウドや
サイケデリックスの曲は1曲もやらなかったので、
今年はそのへんの曲も演って欲しいなぁと
期待しながら行った。

まず、1部では昨年同様、初期の曲を中心に演奏。
休憩を挟んで、2部では、
『カタルシスの凱旋』『Still Standing』
『Night Flight』『ニッポンChar,Char,Char』
『悪魔との契約満了』と、今年発売された
還暦記念アルバム『ROCK+』からの曲も演奏。

6月15日の還暦記念コンサートの時とは、
編成が違うのだけど、見事に Char の新しい
レパートリーとなっているように感じたね。
特に佐橋さん作の『Still Standing』!

石やん作の『ニッポンChar,Char,Char』では、
「弾きにくい」と言いながら、
石やんのグリーンのテレキャスターで演奏。
これには、ちょっと泣けたね。
石やんも喜んでいることでしょう。

演奏曲は、上記 新曲の他、
『Shinin’ You Shinin’Day』『Tokyo Night』
『Ice Cream』『空模様のかげんが悪くなる前に』
『表参道』『逆光線』『闘牛士』『Smoky』など。
アンコールは、歌詞を変えた『Moving Again』に
『Livin’ In Tokyo』。
終わりかと見せかけての『Apple Juice』。

いやぁ〜、良かったなぁ。
なんかこの人が元気にギター弾いてるだけで
嬉しいというちょっと特殊な世界に突入した感アリ。

昨年も書いたけど、ロバートのドラムは、
Char の音楽に非常に自然です。
変な表現やけど。
そして、佐藤準のツボを得た演奏に、
沢田のブリブリ・ベース。
来年もやるとは、言わなかったけど
ぜひ、来年もやってほしい。

今日のギターは、赤と青のムスタング2本が中心。
2本ともフロントにハムバッカーが載せられたもの。
P-90の載ったゴールド・トップ・レスポールを
2曲(やったと思う)で使用。
それと、『ニッポンChar,Char,Char』で、
石やんのテレキャス・モデルね。
珍しくストラトは、登場せず。

Char が、「友達が減っていく」
「ロバートや佐藤準が元気でいてくれることが、
嬉しい」というようなことを言ってた。
実際、ジョーニー吉長、藤井裕、石田長生など
Char 周辺のミュージシャンが、逝ってしまってるからなぁ。

死ぬことは当たり前やし、いつか全員死ぬねんけど、
この世で一緒に音楽を楽しめるのは、
命あって健康なうちだけやからなぁ、
としみじみ感じ入ったのでありました。

Char さんには、まだまだ元気で
この世で、演り続けてもらいたい。


[ MEMBERS ]
Char (Vo, G, Pf)
ロバート・ブリル (Dr)
佐藤準 (Key)
澤田浩史 (B)

@ EXシアター六本木







 ひとりごと