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つつみしんやのひとりごと 2010年 映画・演劇・舞台 etc
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2010.1.5

アバター 3D

大晦日に 『アバター』 を3Dで観た。

1回目は、3D ではない映画館で観たので、

2回目の鑑賞となる。

この観方は、正直言うと、失敗。

1回目に 3D で観た方が、感動しただろうな。

2Dでも、立体感こそないもののその映像美は、

十分楽しめたし、驚きだったので、3Dでは それ以上の

インパクトを期待しすぎてしまった。

映像に集中できるようにと2回目は、吹き替え版で観た。

吹き替えか、字幕かは、大方に影響ないが、

細かい所で、微妙に気になった。

例えば、「I see you」 というセリフが何度か出てくるのだが、

吹き替え版では、「あなたが見える」 と訳していた。

おそらく、字幕もそうだったんだろうけど、音で

「I see you」 と聞こえているから、気にならなかったのだが、

日本語で 「あなたが見える」 と言われると、変な感じがした。

日本語でそんなこと言わないからな。

でも、そう訳すしかないだろうし、難しいところだろう。

いずれにしろ、これからご覧になる方は、最初から3Dでの鑑賞を

お勧めする。





2010.1.11

誰がため

2010年の1本目鑑賞作 (映画) は、2008年度 デンマーク

アカデミー賞を5部門受賞した 「誰がため」。

原題は、「FLAMMEN & CITONEN」。

1944年、ナチス・ドイツ占領下のデンマークでの

レジスタンス、フラメンとシトロン (コードネーム) の実話を描いた作品。

この手の映画は、救いがなく、ただただ悲しくつらい。

フィクションではないので、ますます苦しい。

もう戦争、やめようね。

本国デンマークでは、国民の8分の1を動員したらしい。


★★★★☆





2010.1.16

アバター 問題

 (CNNのニュースより)
 映画「アバター」を見た観客から、3Dの映像があまりにもリアルで、
 その美しさにあこがれるあまり 「うつ状態になった」 「自殺を考えた」 と
 いった訴えがインターネットに相次いでいる。


ニュース全文はこちら

そんな問題が起こっているなんて、 ちょっとビックリ。

映画 (映像) が素晴らしいこと、それが、原因というのが、

ちょっと複雑。





2010.1.18

3D

映画 『アバター』 を3D で観たが、それほどでもなかった

ようなことを書いた。

その理由として、一度、2D で観た後の2度目の鑑賞だったので、

期待しすぎていたと、書いたのだが、実は、日本では、

3D の上映方式が、4種類もあり、観た感じがそれぞれ違うらしい。

私は、TOHOシネマで観たので、「XpanD」 という方式だったのだが、

『アバター』 は、「IMAX3D」 で上映するように作られたらしい。

そういえば、川崎の 109シネマまで 「IMAX3D」 で観るために出かけた

友人は、「鳥肌が立った」 と話していたっけ。

う〜む。

私の感想がイマイチだったのが、映画館のせいだったとしたら、

もう一度、「IMAX3D」 で観たいではないか。

そして、驚くことに、他の方式では、オリジナルの画面より、

上下が切られているというのだ。

詳しいことは、4つの方式を見比べた このレビュー

読んでいただきたい。(これから観ようと思う方は必読。)

「IMAX3D」 を 「立体感完璧!他の3方式がごみのようだ(笑)」 とまで、

書いている。

これから観ようと思っている人は、映画館を選ぶ必要があるが、

IMAX3D は、109シネマズ系列のうちでも、川崎・菖蒲・名古屋・

箕面の4館のみというから、近くでない人は、大変だ。


ところで、アメリカには、3Dの映画館が多いらしい。

そのことが、先日紹介した この記事 とも関係あるのかもな。





2010.1.25

THIS IS FAKE

昨日は、マイコーりょう の 「THIS IS FAKE」 を観てきた。

マイコーりょう とはマイケル・ジャクソンの

インパーソネーター (なりきりタレント)。

「THIS IS FAKE」 は近々 DVD として発売されるのだが、

その発売に先駆け、渋谷のヒューマントラストシネマで、

一日一回、21:20から上映している。(1000円)

マイケルが亡くなったことで、彼が注目を浴びているのは、

本人としては、微妙な心境だろうが、この DVD は、

マイケルの生前から企画されていたもので、

本当なら、ロンドン公演を観に行き、その滞在記も

含まれる予定だったようだ。

作品は、昨年10月に行われた渋谷でのライヴからの映像が中心。

そのライヴ会場が、あまり大きな所ではなかったため、

正面から撮影すると、お客の影で、マイコーの上半身しか映らず、

そのためか、斜めからのカットが多かったため、彼のダンスの素晴らしさが

半減しているように感じたのは、惜しかった。

また、LA への追悼の旅で、ネヴァーランドの前で、

「Billie Jean」 を踊るのだが、著作権の問題からか、

音楽が変えられていたのも、ちょっと不満。

しかし、彼の マイケルへの愛は充分に伝わってくるし、

何より、ダンスが素晴らしいのと 歌も面白いので

結構 楽しめたことには違いない。


マイコーりょう をご存知でない方のために。

こんなんとかこんなんです。
 ↑
こちらには、「THIS IS FAKE」 にも収録された
ネヴァーランドの前の 「Billie Jean」 もあります。



「THIS IS FAKE」 に関するマイコーのブログ





2010.1.27

クヒオ大佐

堺雅人が、実在の結婚詐欺師、ジョナサン・エリザベス・クヒオを

演じる、映画 「クヒオ大佐」 を観てきた。

「実在の・・・」 といっても、実際にあった事件を映画化したものではなく、

実在の詐欺師を “モデル” にした作品。

堺雅人は、最近注目している役者で、本作でも良い味を

出していたし、松雪泰子もええ感じだったと思うが、

作品全体の感想はというと、

そこそこ面白いのに、ちょっと散漫で物足りない感じ。

アメリカへの批判が含まれているのか、

日本とアメリカの関係の批判なのか、

そういう臭いを中途半端に感じた。

もっと、クヒオの人間性を描いた方が、悲しくて滑稽な物語に

なっただろうに。


★★★▲☆





2010.2.1

板尾創路の脱獄王

(ネタバレ注意)

映画の日。

面白そうだと思っていた 『板尾創路の脱獄王』 を鑑賞。

板尾自身の企画・監督・主演ということで 笑わせてくれると

期待したが、ちょっと肩すかし。

木村祐一、宮迫博之、千原せいじ、オール巨人、ぼんちおさむ、と

吉本の芸人がたくさん出てくるのに、笑いはない。

ただ、脱獄をくり返す囚人がいるだけで、暗い感じ、やや退屈、

(これ、どうなって終わるんやろ・・) と思っていたら、

最後に、ごっついオチが待っていた。

爆笑ではないけど、最後に笑わせてくれた。

えっー!そのオチのためにこの長いフリ〜?

いや、スゴイわ、板尾。

たった、それだけのオチのためにこんだけやるのは、スゴイ。

しかも、全編、板尾のセリフは、なし!

途中でなんでか、突然、中村雅俊の 「ふれあい」 を歌い出す。

そのあたりもシュール。

刑務所に雷のシーンは、『ショーシャンクの空に』 のパロディか?

最後に出てくる、笑福亭松之助 が良い。

映画としての評価は、分かれるだろうが、私は嫌いではない。

ただ、94分なのにちょっと長く感じたのは残念。


★★★☆☆





2010.2.8

今度は愛妻家

豊川悦司、薬師丸ひろ子 主演の映画 『今度は愛妻家』。

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ネタバレなので観ようと思う人は読まないで。 いや、読むな!
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いやぁ〜泣いた、泣いた。

ちょっと久しぶりぐらい泣いた。

予告編は、何度も観ていたけど、予告編からのイメージ以上に

泣かされた。

これは、ほとんど人のウィークポイントでしょ。

ここ突かれたら、泣きますってとこでしょ。

悲しいのではなく、切ないのだな。

でも、見終えて、ちょっとさわやかでよろしい。

トヨエツのダメなだんな振りが素晴らしい。

薬師丸ひろ子 演じる、妻、さくらが かわいすぎる。

薬師丸ひろ子って、こんなにかわいかったっけ?

そして、オカマ役の 石橋蓮司 !

強力!

この3人は、今まで観たそれぞれの中で 私的には一番。

実は、この作品には、仕掛けがある。

ネット上のレビューを読むと、「映画前半でその仕掛けに

気付いた」 と書いてる方も 結構おられるが、

私は、主人公 俊介 (豊川悦司) が、そのことを口にするまで、

全く気が付かなかった。

考えてみれば、その少し前から、ネタばらしが始まっていて、

注意深く観ていれば分かりそうなものの、全く分からなかったのだ。

自分のその鈍感さに、ちょっとビックリ。

だが、そのおかげで、主人公がそのことを口にしたとき、

衝撃的だったので、インパクト大。

中には予告編を観ただけで、分かった、という人までいる!

そんなんやったら、おもろないやろに。

なので、何も予備知識なく観た方が良い。

って、ここまで読んだらあかんがな。


★★★★▲

中盤ちょっと中だるみしてしまう感があり、星4つ半。

そこだけ非常に残念。

でも、大人向けの良い作品です。

そして、今度は 仕掛けが分かった上で、もう一度観てみたい。

きっと、1回目に気付かなかったこと、たくさん発見しそう。


映画『今度は愛妻家』公式サイト 1.16 ロードショー





2010.2.11

空気人形

予告編を観たことがあって、ちょっと興味のあった

映画 『空気人形』。

監督は、私と同じ歳の 是枝裕和。

『誰も知らない』 『歩いても 歩いても』 など国内外で

高く評価されている監督だ。

その2作も映画館で鑑賞しているし、『歩いても 歩いても』 は、

印象に残っている作品だ。

ネット上での評価もそこそこ良いので期待して観たのだが、

一番、重要とも言えるシーンで何が起こっているのか、

理解できず、不完全燃焼で終わってしまった。

帰宅してから、ネットのレビューを読んでいて、

そのシーンの意味がようやく分かった。

そういうことだったのか、と。

もし、観ながら意味が分かっていたら、感想もずいぶん

違っているような気がする。

映画は、男性の性欲の処理のために作られた

空気人形 (ラブドール) が、心を持ってしまうというストーリーで、

その人形役を韓国人女優の ペ・ドゥナ が演じていている。

彼女の感情を抑えた演技、空気が漏れていくときの表情、

好きな人に空気を吹き込んでもらう時の表情など、切なく美しい。

人のレビューを読んで、いくつも、(ああ、そういうことやったんか) と

思うことがあり、この作品の素晴らしさを知ることになった。

私の理解力が足らず、残念。


★★★▲☆


劇中、吉野弘という方の 「生命は」 という詩が読まれる。

とても印象に残った。

できれば、作品中で聴いていただきたいが、紹介しよう。

 生命は
 自分自身で完結できないように
 つくられているらしい
 花も
 めしべとおしべが揃っているだけでは
 不充分で
 虫や風が訪れて
 めしべとおしべを仲立ちする

 生命はすべて
 そのなかに欠如を抱き
 それを他者から満たしてもらうのだ

 世界は多分
 他者の総和
 しかし
 互いに
 欠如を満たすなどとは
 知りもせず
 知らされもせず
 ばらまかれている者同士
 無関心でいられる間柄
 ときに
 うとましく思えることさも許されている間柄
 そのように
 世界がゆるやかに構成されているのは
 なぜ?

 花が咲いている
 すぐ近くまで
 虻の姿をした他者が
 光りをまとって飛んできている

 私も あるとき
 誰かのための虻だったろう

 あなたも あるとき
 私のための風だったかもしれない





色即ぜねれいしょん

本日2本立ての2本目。

みうらじゅん原作、田口トモロヲ監督の青春もの。

舞台は、1974年。

文科系高校生の成長を描いた物語なのだが、

ボブ・ディランをロックだと言っているのが、気になった。

私的には、ディランはロックではないのだな。

が、ティーンエイジャーの男子の妄想には共感できた。

おかん役の堀ちえみが良かった。


★★★☆☆





2010.2.14

ゴールデンスランバー

最近 注目している役者、堺雅人 主演の

映画 『ゴールデンスランバー』 を観てきた。

『アヒルと鴨のコインロッカー』 『フィッシュストーリー』に続く、

中村義洋監督による伊坂幸太郎原作の映画化だ。

伊坂幸太郎 と言えば、昨年、私のベスト5に入った、

映画 『重力ピエロ』 も彼の原作だ。

が、そういうことは、全て 観終わってから知ったことで、

観る前は、予告編程度の知識で観た。

まず、堺雅人 は期待通り良い。

彼は、首相殺しの犯人に仕立て上げられ、逃げる役。

そして、通り魔役で登場する 濱田岳 が良い。

彼の出演作、全てを観たわけではないが、

先日観た 『今度は愛妻家』 にも出演していたし、

中村監督の 『アヒルと鴨の〜』 『フィッシュ〜』 にも出演していた。

どちらかというと、気の弱い、優しい役柄を演じていた彼が、

一変、通り魔だ。

が、これが良い。

充分、コワイ。

その他の出演者も皆さん良かったのだが、

ちょっと 途中 (なんで?) と思うシーンが、いくつもあって、

映画としては、やや残念。

原作は、2008年、本屋大賞、山本周五郎賞を受賞しているので

きっと面白いのだろう。

私が (なんで?) と思ったことも、原作ではその背景描写が

充分になされていて疑問に思わないんだろうな (たぶん)。

あと、ちょっと ちゃちな CG があったのも残念。

でも、グッと来るシーンもある。

堺演じる 容疑者 青柳の親父 (伊東四朗) が、マスコミに

息子は 犯人じゃない と言ったとき、

「息子さんを信じているんですか?」 と聞かれ、

「信じているんじゃない。知っているんだ。」 と答える。

元カノ (竹内結子) も、会社の先輩 (渋川清彦) も、

彼は犯人じゃないと言う。

「信じる」 ではなく、「知っている」 の方が、断然レベルが高い。

果たして、自分は何人の人のこと知っていると言えるのか、

そんなこともこの作品のテーマのような気がする。


★★★▲☆





2010.2.21

僕らのワンダフルデイズ

本日の映画鑑賞は、「竹中直人の2本立て」 ということで、

1本目は、「僕らのワンダフルデイズ」。

53歳の藤岡徹 (竹中直人) が自分が末期癌だと知り、

高校時代のバンドを復活させるという物語。

監督は、星田良子という、元々はテレビドラマの監督や

プロデューサーをしていた人だ。

さて、作品は、笑って笑って泣ける人情物語。

かなり面白かった。

竹中直人の演技は、オーバーだとか言う方も多いが、

私はそんなに気になったことはないし、本作でもはまり役だったと思う。

そして、ほかの出演者、宅麻伸、斉藤暁、段田安則、稲垣潤一、

浅田美代子、紺野美沙子、貫地谷しほりなど、みんな

はまっていた。

人間って、滑稽。

良い映画です。


★★★★▲




山形スクリーム

さて、2本目は、「山形スクリーム」。

これは、竹中直人監督によるホラー・コメディ。

怖くもなければ、面白くもなく、ほとんど笑えない。

途中で何回も 「もう、ええよ」 って、言いたくなるほど

つまらなかった。

バカバカしい映画を作りたかったんだろうけど、

バカバカしいというより、くだらない。

色んな映画のパロディが含まれているそうだが、

それも私には、分からなかった。

「僕らのワンダフルデイズ」 が良かっただけに余計に残念。


★☆☆☆☆





2010.2.28

僕の初恋をキミに捧ぐ

本日の映画 2本立て、1本目は、「僕の初恋をキミに捧ぐ」。

ティーンエイジャーの恋愛物ということで、

観る気はなかったのだが、もう1本の方を観たかったので、

観ることにした。

主演は、岡田将生&井上真央。

岡田将生は、昨年の 「重力ピエロ」 が印象に残っている役者だ。

ティーンエイジャーの恋愛物だから、50前のおっさん向けでは

ないだろうと思っていたら、これが結構 泣かされた。

心臓病で 20歳まで生きられない 岡田 演じる逞 (たくま) と

その主治医の娘の 繭 (まゆ) の恋物語。

途中、ちょっと突飛だなと思う場面があったが、

観終えてから原作は、コミック (青木琴美 作) だと知り、納得。

発行部数750万部突破のヒット作らしい。

子役2人が素晴らしく、井上真央もかわいくて良い。

残念なのは、学園のアイドル役の細田よしひこ。

いくら 少女マンガの世界でも、あんなんでは アイドルにならんやろ。


★★★★☆




なくもんか

予告編を何度も観ていて、面白そうだなと思っていた作品。

結構、笑えたし、面白かった。

主演の阿部サダヲが強烈。

彼のことは知っていたが、不思議とテレビドラマも映画も出演作を

観たことがなかった。

彼は、色が濃すぎて好き嫌いが分かれそう。

ある意味、竹中直人的。

出演は、阿部のほか、

竹内結子、瑛太、いしだあゆみ、片桐はいり、伊原剛志ら。

観たら、ハムカツが食べたくなるよ。


★★★★☆





2010.3.6

ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ

本日の2本立て。

まずは、「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」。

昨年の太宰治 生誕100年に合わせて製作され、

モントリオール世界映画祭 最優秀監督賞も受賞した

松たか子、浅野忠信 主演の 根岸吉太郎 監督作品。

松たか子は、本作で4つの主演女優賞を受賞。


太宰といえば、まず、「人間失格」 が思い浮かぶ。

確か最初に読んだのは、中学生の頃だったと思うが、

中学生の私には その生々しさが強烈で、その数年後にも

再読した覚えがある。

教科書に載っていた 「走れメロス」 との世界の違いにも驚いたものだ。

ただ、それ以外の作品 「津軽」 や 「斜陽」 も読んだが、

一向に面白くなかった覚えもある。

さて、 「ヴィヨンの妻」 。

舞台は、戦後の昭和21年。

浅野忠信 演じる小説家 大谷は、太宰自身がモデルのようだ。

そして、献身的に彼を支える妻、佐知に 松たか子。

「今どき、こんな奥さん おらんで」 というくらい、イジラシイ妻だ。

その佐知に惚れる青年に 妻夫木聡。

かつて佐知が思いを寄せていた男に 堤真一。

大谷夫婦が世話になる飲み屋に 伊武雅刀 と 室井滋 と、

出演者も豪華。

そして特に、松、浅野、伊武、室井が良い。

あ、もう一人、大谷の愛人に広末涼子。

広末は、残念ながら、「ゼロの焦点」 に続いて、イマイチ。

「おくりびと」 の時は、悪くなかったのにな。

まあ、好みの問題かも知れんけど。

映画は、セリフも文学的で、独特の世界観。


大谷の言う 「にんぴにん」 という言葉が何のことか分からず、

見終えてから調べた。

 にんぴにん 【人非人】
 (1)人であって人でない者。ひどい仕打ちや悪事をする者を
  ののしっていう語。人でなし。
 (2)人でありながら人と認められないもの


最後の佐知のセリフ、

「人非人でも私たちは生きてさえいればいい」 というのは、

太宰の祈りだったのかもな。

それと、桜桃ってさくらんぼのことやねんな。

知らんかった。


★★★★☆




サイドウェイズ

本日の2本目は、小日向文世、生瀬勝久、鈴木京香、

菊地凛子の出演する 「サイドウェイズ」。

2004年のアメリカ映画 「SIDEWAYS」 の日本版リメイク。

といっても、舞台は、アメリカ、カリフォルニアのナパバレー。

見終わったら、ワインを飲みたくなること間違いなしの映画。

菊地凛子演じるアメリカ育ちの日本人ミナが良かった。

日本語の間違い方とか、面白かった。

音楽も Good。

エンディングの 「Time after time (シンディ・ローパー)」 だけ、

ちょっと、映画に合ってなくて、古臭い感じがして、惜しかった。

小日向 演じる売れない脚本家が書いた作品名が、

「タイム・アフター・タイム」 だったから、選んだんだろうけど。


★★★★☆


今年は、早くも14本の映画を映画館で鑑賞したが、

そのうち、1本目の 「誰がため」 をのぞき、13本連続 邦画だ。

映画館で邦画を観るのは、お金がもったいないような気がして、

洋画ばかり観ていた時代もあったのにな。





2010.3.14

しあわせの隠れ場所

アカデミー賞作品賞ノミネート、そして、

サンドラ・ブロックが ついにオスカー主演女優賞の作品。

ホームレス同然の黒人少年 (と言っても高校生) を

白人の家族が引き取り、家族として迎え入れ、やがて

彼がアメリカン・フットボールのプロ選手になったという

アメリカの良心の 実話の映画化。

昔、「アメリカのお金持ちは、ベトナム戦争の責任感から、

たくさんのベトナムの子供を養子にしている」 という話を

聞いた事がある。

最近なら、Angelina Jolie が、カンボジア人の男児、エチオピア人の

女児、ベトナム人の男児を養子にしているのは有名な話。

日本にもそういう人たちはいるのかも知れないが、

中々、聞くことがない。

実際、自分が大富豪だったとして、そうありたいとは思うが、

そんなことが出来るのか疑問。

でも、世の中にはいるんだ。


サンドラ演じる リー・アン・テューイ は、人のことが放っておけない、

芯の通った強い女性。

その夫 ショーンは、妻のやることを理解し、なんでも受け入れる

優しい男性。

娘のコリンズは、年頃なのに、よく知らない黒人少年が家に来ても、

家族として受け入れられる大きな愛の人。

息子の SJ は、そのマイケルを兄として慕う純な子供。

という風に、家族全員が善意の人。

一人ぐらい、反対する人がいたほうが リアルなのに、って

思ってしまった私は、ひねくれ者か。

実際にあった話、という部分では、文句なしに素晴らしいが、

映画としては、良い作品だと思うがちょっと期待しすぎたため、

それほどでもなかった。

でも、一緒に観た妻は、いたく感動していた。


サンドラ・ブロックは、良いよ。

1964年生まれだから、今年46かぁ。

そのだんな役が、カントリー歌手の ティム・マッグロウ。

カントリーなのに珍しく1枚 CD を持ってる。

数年前、試聴して良かったから買った覚えがある。

ええ声のおっさんです。(年下やけど)


★★★★☆


ティム・マッグロウの好きな曲





2010.3.23

ハート・ロッカー

ご存知の通り 今年のアカデミー賞6冠に輝いた

『ハート・ロッカー』。

ジェームズ・キャメロン監督作 『アバター』 と

キャスリン・ビグロー監督作 『ハート・ロッカー』 の

元夫婦対決 (共に最多9部門にノミネート) が

話題を呼んだが、結果は、『ハート・ロッカー』 が

女性監督として史上初の監督賞を始め6部門を受賞した。

『アバター』 は、3部門受賞。

『アバター』 はすでに観ていたので、その 『アバター』 を抑えて

監督賞、作品賞を受賞した作品となると やはり気になる。

戦争映画ということで、観終わってから気持ちの良いものでは

ないだろうと覚悟の上で一昨日、レイトショーにて鑑賞。

21:05からの上映にも関わらず、思ったより観客が入っていた。

その時間のレイトショーはガラガラに空いていることが多いのだが、

アカデミー賞効果だろうか。

映画は、バクダッドに配置された 爆弾処理班の物語。

まるでドキュメンタリーのような臨場感で進んでいく。

これは、戦争賛美の作品でないのはもちろんだが、

反戦映画のようにも感じなかった。

ただ、実際に起こっているであろうことを淡々と描いていて、

後は観た人が何を感じるかにゆだねられているように感じた。

メッセージがあるのに、それが何か分からない、そんな感じ。

一番の驚きは、この映画を女性が撮った (監督した) ってことだな。


冒頭に 「戦争は麻薬だ」 とテロップが出る。

だから、人間は戦争をやめられないのか。

『アバター』 もある意味、戦争映画。

考えさせられる。

そして、こういう作品が賞を取るのがアメリカなんだな。


★★★▲☆





2010.3.28

息もできない

インディーズ作品なのに世界各国の映画祭で20以上の

賞を受賞したという韓国映画 『息もできない』。

ずい分前に予告編を観た覚えがあるが、やっと先週公開された。

韓国ドラマファンの妻の希望で鑑賞。

感想。

正直、しんどい。

冒頭から、暴力。

130分間、ほとんど暴力、という印象。

大阪弁で言えば、「えげつない」 映画。

たくさんの賞を取るのも分からないわけではないが、

観て幸せになれる映画ではない。

「素晴らしい」 という評価もあるが、

はっきり言って何が 素晴らしいのか分からない。

かすかな救いを感じないこともないが、

気持ちの良い映画ではない。

ただ、自分は DV と縁がなくて良かったと思う。

唯一、漢江の河原のシーンが良かった。


★★★☆☆


息もできない 公式サイト





2010.5.10

てぃだかんかん

4月は、1本も観なかったので、久しぶりの映画、

「てぃだかんかん」。

ナイナイの岡村隆史 主演。

といってもコメディではない。

世界で初めて サンゴの産卵に成功した、沖縄の金城浩二さんを

モデルにした作品だ。

映画の内容が、どこまで本当の話かは分からないが、

ただ きれいな海を子供たちに見せたくて、仕事も辞めて、

サンゴの養殖に取り組む彼を、周りの人たちも本気でサポートし始め、

ついに世界初の偉業を成し遂げる。

特に奥さん (松雪泰子) のサポートが素晴らしい。

一人の実直な男の夢が、苦労の末、実現する感動の物語だ。

が、何かが物足りない。

この話なら、もっと良い映画に出来ただろうに。

例えば、始まりと終わりの5分ぐらい、子供の頃のところは、

要らないんじゃないか、とか、始まりの音楽の入って来方が

中途半端だとか、後半のくさい演出の親子のシーンは、

ちょっとなんとかならないかとか・・・。

前半で、主人公が周囲の嫌がらせに会うが、それも、なんでそんな

嫌がらせに会うかが描かれていないとか・・・。

話自体は素晴らしいのだが、私としては、とにかく 「惜しい」 作品だった。

金城の母役の 原田美枝子、漁業の組合長役の 國村隼 は良かった。

監督は、「デトロイト・メタル・シティ」 の李闘士男。

そういえば、あの作品も やや期待はずれだったな・・・。


★★▲☆☆





2010.5.16

クリーン

久しぶりの映画 2本立て。

まずは、「クリーン」。

マギー・チャンが、ドラッグ中毒者を演じ、

2004年、カンヌ国際映画祭において、主演女優賞を

受賞した作品。

日本では、製作から 5年後 (2009年) の公開となった。

マギー・チャンってどこかで観たな、と思っていたら、

「ラブ・ソング」 の人だった。

あの映画、好きだったけど、彼女、ちょっと年取ってたのと、

久しぶりに見たのですぐに分からなかった。

監督は、フランス人で、オリビエ・アサイヤスという人だが、

マギー・チャンの 元夫らしい。

映画は、ひとことで言うと 「再生」 がテーマ。

ちょっと地味で、あんまり感動はなかったけど、まあまあかな。


★★★☆☆




母なる証明

2本目は、韓国映画 「母なる証明」。

1本目の印象が、ぶっ飛ぶような作品。

英題は、「MOTHER」。

原題もたぶん 「母」 という意味なんだろう。

知的障害のある純粋無垢な息子が、女子高生殺人事件の

犯人として逮捕される。

警察も弁護士もあてにならないと知った母は、

自ら真犯人を見つけようとする。

結構、ハラハラドキドキ、サスペンス的要素もたっぷり。

今年観た 韓国映画 「息もできない」 もそうだったけど、

強烈、というか、衝撃的 というか、韓国映画って、

「暗」 をえげつなく描くのが上手いのかな。

もうこれは、母の愛なのか、母の狂気なのか、分かりません。

誰でも楽しめる作品ではないだろうけど、インパクトのある映画を

観たい人はどうぞ。


★★★★☆





2010..5.24

第9地区

アカデミー賞の作品賞他、4部門にノミネートされ、

話題になった作品 『第9地区』 を観てきた。

監督は新人、主役も無名で新人 (監督の友人らしい) 。

南アフリカ の ヨハネスブルク 上空に出現した巨大宇宙船に

乗っていた エイリアンを保護し、第9地区と呼ばれる地域に収容。

それから20年が経ち、エイリアンは 100万以上に増え、

第9地区はスラム化。

そして、事件が起こる・・・。

面白かったと言えば、面白かった。

ドキュメンタリータッチで始まり、あっという間に

引き込まれてしまい、観終わると そこそこ疲れていた。

「疲れた」 っていうのは、ドキドキ ハラハラ もあって、

面白かったっていう意味。

でも、観終わってから、『アバター』 を思い起こしてしまった。

差別意識があって、やたら、殺したがる軍人がいて、

金が欲しい 企業の偉いさんがいて・・・。

もちろん 『アバター』 とは、ストーリーも設定も全然 違うんだけど、

面白かったのに、観終わって あんまり幸せではない、

という点では、同じ。

後半、戦闘シーンがあるが、何のために殺しあっているのか、

分からなくなる。

途中で、「何をしようとしているか、話せばええやないか」 と思ってしまった。

でも、それは、大きなドス黒い力が 許してくれないから、

闘うことになるんだけど。


公式サイトには、プロデューサーであり、主役を務めた シャルト・コプリー の

「特定のメッセージやモラルが込められているわけではない」 との言葉が

記されているが、私には 結構、社会風刺作品。

差別、欲、エゴ、生々しい人間の 「暗」 を描いた作品だ。


★★★★☆





2010.5.31

ジュリー&ジュリア

気になっていたが見損なっていた映画 『ジュリー&ジュリア』 を

やっと観てきた。

主演は、メリル・ストリープ と エイミー・アダムス。

メリル・ストリープ は、本作で アカデミー賞 主演女優賞にノミネート。

なんと、16回目の主演 or 助演のノミネート記録は、

男優・女優あわせて断トツの1位。

映画は、ジュリア (メリル・ストリープ) と ジュリー (エイミー・アダムス)

という2人の女性の実話。

ジュリア の話は、1949年から50年代にかけて、夫の仕事で

パリに駐在中、本格的にフランス料理を学び、アメリカで料理本を

出版するまでの物語。

ジュリーの話は、2002年、365日かけてそのジュリアの

本の524のレシピを再現し、ブログに綴るというチャレンジの

物語。

その女性2人の物語でもあるし、2組の夫婦の物語でもある。

時空を越えた2つの話が、絶妙に絡み合う。

2002年の時点ではジュリアは、生きていたのだが、

作品中では、2人は会わない。

 (ジュリアは、2004年8月に亡くなった。

 2人が会ったのかどうかは、分からない)

ジュリア、ジュリー、両方のご主人が素晴らしい。

きっと、この映画を観たら、「こんな優しいオトコと結婚したい」 と、

ほとんどの女性が思うのでしょうね。

良い映画だったが、後半に出てくる ある一つのエピソードの

意味が、私には分からなかった。

そのことで、ストーリーが ちょっと渋く (苦く?) なったと思うのだが、

なくても良かったような気もする。


★★★★☆


余談。

作品中、「私はパン、あなたは、バター」 というセリフが

2度出てくる。

1度目は、ジュリアの夫 ポールがジュリアに向かって。

2度目は、ジュリーが、夫 エリックに向かって。

パンとバター、どちらか一つでは、足りないということから、

「私とあなたは、離れられない」 「2人でひとつ」 というような

意味の比喩だ。

この比喩は、もしかしたら、英語では古典的なのかも知れないが、

今から27〜28年前、私はこの言葉を、ポール・マッカートニーの

詞の中に見つけ、その頃、片思いだった女性への恋文に

引用した覚えがある。(寒っ!)

もちろん、成就しなかったわい!





2010.6.19

孤高のメス

堤真一 主演かと思ったら、どちらかというと、

私には、夏川結衣 が主演のように感じた映画 『孤高のメス』。

中々の高評価の通り、素晴らしい映画だった。

ストーリー自体に目新しさはないのだが、

ちょっと泣かされ、考えさせられ、余計なことを言わない、

大人の映画、という印象。

堤真一演じる外科医、当麻鉄彦は、自分の出世や名声、名誉などに

全く興味がなく、ただただ、ひたすら患者を救うことだけを

考えている。

もし、医師が全て彼のようだったら、日本の医療は間違いなく

変わるだろう、そう思わされる映画だった。

(そう言えば、最近、医師による不同意堕胎事件、あったよね。)

そして、彼の自分を危険にさらしてまで、患者を救う、という

生き方に、私は自分の信念の弱さを 突きつけられる。

医師で 「ある」 とは、どういうことなのか、考えさせられる作品だ。

堤は、『クライマーズ・ハイ』、『容疑者Xの献身』 が良かったが、

本作も素晴らしい。

そして、夏川結衣、余貴美子が良い。

特に 余貴美子 は、上手い。

他の役者さんも皆良かったのだが、生瀬勝久 だけ、なんとなく、

わざとらしく、浮いていたように思ったのが残念。


★★★★☆





2010.8.8

昨日は、久しぶりにロードショーをハシゴし、2本観た。

昨年は、まるで中毒のように映画を観たくて 観たくて、

1年間で 61本 映画館で観たのだが、

今年は、諸事情により ペースが遅い。(昨日で25本目。)



SALT

アンジェリーナ・ジョリー 主演のアクション・サスペンス。

アンジー演じる CIA のソルトが、ロシアのスパイだと

疑われ・・・。

私は、国際情勢に疎い。

なので、(今どき、ロシアのスパイなんて・・・) と思っていたら、

アメリカで最近、10年以上潜伏していた元KGB の

スパイ10人が、一斉に逮捕されたらしい。

それはさておき、本作、ストーリーは荒唐無稽。

途中で、(マンガやな) と思ったのは、私だけではないだろう。

アクションなど、それなりに楽しめたが、

2008年の 『ウォンテッド』 の方が、迫力があったし、面白かった。

でも、あんな役 (ソルト) できる人、アンジー以外思いつかないし、

彼女は、やはりカッコよかった。

ただ、アップでは、ちょっと年齢を感じたな。

もう、35歳やもんな。

それと、終わり方がなんかスッキリせんかったな。

続編作る気やろか。


★★★▲☆



告 白

松たか子主演の 『告白』。

ちょっと変わった作品で、登場人物の告白によって、

話が進んでいく。

観終わった時、映画を観たと言うより、本を読み終えたような

感じがした。

帰宅してから、調べてみて納得。

本作、原作は2009年本屋大賞に輝いた同名ベストセラー小説。

そして、その原作の世界観変えずに、中島哲也監督が

脚本化したようだ。

ストーリーは、中学1年の終業式のホームルームで、

松演じる担任の森口悠子が、自分の娘はこのクラスの生徒に

殺された、と告白するところから始まる。

映画だから、大げさに描いているのか、本当に今の中学ではそうなのか、

生徒は、ろくに先生の話を聞いていない上、イジメもひどい。

(あ、またイジメの話。)

人間のダークサイドにばかり焦点を当てていて、

ヘビイで、救いがあるとは思えないのだが、

ずっしりと見ごたえのある作品。

観終えて幸せになれる映画ではないので、

好き嫌いは、分かれるだろう。

私は、あんまり好きではないが、作品としてはありだと思う。

下村直樹役の 藤原薫 という少年が良かった。注目。


★★★★☆





2010.8.12

ALWAYS 続・三丁目の夕日

DVD にて鑑賞。

一作目は、映画館で観たのだが、2005年だったので

もう 5年も前のこと。

この続編 (2007年) も観に行きたかったのだが、見損ねてしまった。

登場人物、人間関係は一作目のまま引き継いでいたが、

5年も経っていたので、所々、

(あれ? この人、なんでこうなんだっけ?) と、

背景を忘れてしまっている部分もいくつかあった。

それでも まあまあ楽しめた。

でも作品自体は、一作目の方が、良かったかな。

それにしても、昭和30年代の雰囲気はよく出来ている。

今は、いろんな面で便利になり、物も豊富だが、

なんとなく、あの頃の日本の方が今の方が

良かったような気がするのは、歳を取った証拠かな。





2010.8.13

今日は、妻とお台場へぶらりと買い物に出かけ、

そのまま 食事をして映画を2本鑑賞。

『借りぐらしのアリエッティ』 と 『魔法使いの弟子』 の2本。(子供か)

なので、今夜は 勝手に ファンタジー・ナイト 。



借りぐらしのアリエッティ

スタジオジブリのアニメ最新作。

興味があったが、ネット上での評価が、

それほどでもないことを知っていたので

過渡な期待なく鑑賞できた。

ジブリ作品と言っても、監督は 宮崎駿 ではなく

米林宏昌という人。

彼は 宮崎作品には関わってきたが、長編の監督は本作が

初めてのようだ。

原作が 外国作品 (メアリー・ノートン作) ということもあるのか、

舞台は、日本なんだけど、ちょっと 国籍不明感もあり、

それは、ファンタジーとしては良かったと思う。

床の下に住んでいる小人達が、人間に見つかってしまったことによって

翻弄される様子と、小人の少女 アリエッティ と 人間の少年 翔との

短い心の交流が描かれている。

小人達にとっては、生死の懸かった大変な話なのだが、

人間目線で見てると 「物語」 というほど劇的でもなく、極端に言えば、

小人達の数日間の日常を切り取った様な話に感じた。

酷評するほど 悪くないけど、特別 素晴らしいとも

思えなかったというのが、正直な感想。

でも、子供が観たら違うのかな、と思う。

良かったのは、

小人が人間の部屋へ必要なものを 借り (狩り) に

行く描写など素晴らしいアドベンチャーだし、

小人が聞く、人間の足音などの表現も素晴らしいと思った。

声の出演は、クレジットを見ないと気がつかなかったけど、

志田未来 (アリエッティ)、神木隆之介 (翔)、
大竹しのぶ (ホミリー)、竹下景子 (貞子)、
藤原竜也 (スピラー)、三浦友和 (ポッド)、
樹木希林 (ハル)

と 超豪華。


★★★▲☆




魔法使いの弟子

こちらは、特に観たかったわけではないが、

時間がちょうど合ったので鑑賞。

TV CM を観た覚えはあるが、

ニコラス・ケイジ が出演していることも知らない程度の

予備知識で鑑賞。

勧善懲悪、そして、ハッピーエンド。

これぞ、ディズニー、これぞ、アメリカ映画。

そんな作品。

元々は、古いミッキーマウスの短編の実写版。

子供向けだけど、素直に楽しめます。

で、いつもは “必ず” エンドロールも最後まで席について観て、

明るくなってから席を立つのに、なぜか今回だけ、特に理由もなく

エンドロールの後半で席を立ってしまった。

帰ってきて、ネットで他の人のレビューを読んでたら、

「エンドロールのあとに、もうワンシーンあるのでご注意を」

だって!

あ〜失敗。


★★★★☆





2010.8.15

踊る大捜査線

『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』 を

観てきた。

ムービー 1 と 2 は数年前、2本立てで観た。

両方、それなりに面白かった覚えがあるのだが、

本作は、あまり評価が良くないようだった。

なるほど、評判どおり あまり面白くなかった。

スクリーンの中で 起こっている事件の緊迫感が

客席には伝わって来ない感じ。

小泉今日子は、異常犯罪者なんだけど、

かわいすぎて 全然怖くないし、

小栗旬 の使い方も、イマイチもったいない。

全体にスピード感、緊迫感に欠ける。

織田裕二 は、相変わらず頑張ってたけど、ちょっと物足りない。

そして、やはり、いかりや長介がいないのは 寂しかったが

本作では 彼への追悼の意味も感じた。

あんまり、いい使い方ではないと思うけど。

あ、内田有紀 は 可愛くて良かった。


★★★☆☆





2010.8.16

インビクタス / 負けざる者たち

観たかったけど、見損ねていたので DVD で鑑賞。

クリント・イーストウッド 監督作品。

ネルソン・マンデラ が、大統領になって、国をまとめるため

自国の弱小ラグビー・チームの再建を図るという

実話を基にした物語。

ネルソン・マンデラに、モーガン・フリーマン、

ラグビー・チーム主将に、マット・デイモン。

弱小チームは、ワールドカップで優勝してしまう。

フィクションではないという点が、スゴイ。

そして、何よりネルソン・マンデラという人の大きさに

平伏せてしまう。

ネルソン・マンデラといえば、2年前観た映画、

『マンデラの名もなき看守』 も良かったが、

本作も素晴らしい。

27年間投獄され、シャバに出てきたのだから、

普通は復讐したいところだろうが、彼は全てを赦し、和解した。

昨日までの敵を部下として雇い、反対する黒人達を説得し、

徹底的に 「和平への道」 を説いた。

彼のセリフを聞くだけで、価値のある映画だ。





2010.9.1

ペルシャ猫を誰も知らない

映画サービスデーなので 1000円で鑑賞。

渋谷のユーロスペースという 小さな映画館だったせいか、

満席で立ち見が出ていた。

私は、上映15分前に劇場に着いたのだが、

整理番号が 87番だった。

なんとか座れたが、後で座席数を確認したら、92席だった。


さて、この作品のこと、私は知らなかった。

数日前、「ひとりごと」 の読者の方が、メールを下さったのだが、

そこに この映画を観たことが書かれていた。

特に私に薦めている風な内容でもなかったのだが、

何やら気になった私は、観に行くことに。

調べてみると、東京でたった1館でしか上映していない。

いわゆる単館ロードショー。


舞台は、イランの大都市テヘラン。

西洋文化の規制厳しいイランでは、CD を出すのも

コンサートを開くのも、役所の許可がいる。

無許可でやると、逮捕されるのだ。

音楽をやりたいのに自由に出来ない主人公2人は、

国を出て ロンドンに行きたいが、パスポートやビザを

取るのもままならない。

秘密にコンサートを開いて、資金を作り、

国外脱出を目論むストーリーで、

出演するミュージシャンは、ほとんどが実在とのこと。

主役のミュージシャン2人も、この映画撮影終了4時間後、

イランを離れたという。

そんな映画なので、この作品自体も無許可で撮影されたらしい。

当然、監督もイランにはいられなくなったそうだ。

ハッピーエンドではないが、

私は、観終わった後、自由への 「祈り」 を感じた。

明らかに体制批判なのだが。

過去、日本にも表現の自由がなかった時代があった。

自由とは、なんと素晴らしいことか。

21世紀に表現の自由のない国は、北朝鮮ぐらいだと思っていたが、

世界は広いのだな。

(私が、イスラム圏のことを何も知らないだけなのだが。)

そして、自由を縛るものが、本来、人を救うべき宗教だというのが悲しいね。


ペルシャ猫を誰も知らない 公式サイト


★★★★☆





2010.9.13

ベスト・キッド

昨日は、レイトショーで映画 『ベスト・キッド』 (日本語吹替版) を鑑賞。

『ベスト・キッド』 は、1984年の同名映画のリメイク。

原題は、『THE KARATE KID』。

オリジナル版では空手だったが、本作は、空手ではなく、

カンフーの映画なのに 原題が 『カラテ・キッド』 なのは,

オリジナル版を尊重してのことかな。


さて、本作、主演は、ウィル・スミスの息子 ジェイデン・スミス と

ジャッキー・チェン。

ジェイデン・スミス は、2006年の 『幸せのちから』 で、

父親 ウィル・スミスとの共演で映画デビュー。

あの頃に比べるとずい分、大きくなった感じがした。(当たり前か)

きっと、本作での演技の素晴らしさと、ルックスの良さで、

一段と人気が出たことだろう。

ホントに素晴らしい。

この映画の撮影時には、まだ11歳。

ジャッキーは、ちょっと地味な役ということもあったけど、

年とったなぁ、って感じ。

登場からしばらく、菅総理に見えて仕方なかった。(似てるよね)


ストーリーは、いじめられっ子のドレ(ジェイデン・スミス) が、

ハン (ジャッキー・チェン) にカンフーを習い、

カンフー大会で、いじめっ子 チョン をやっつけるという、

分かりやす〜い物語。

ストーリーは分かっているのに、140分を飽きさせない展開。

中国の素晴らしい景色と、ドレのカンフーが、

段々と様になって行く、その成長振りも見物。

気になったのは、悪役達。

こんな根性悪いスポーツ選手や先生、おるか?

見事に憎たらしく描かれているので、感情移入もしやすいけどね。

(選手は悪くなく、先生の指導が悪いという風に描かれてる。)

エンドロールでの NG 集はなかったけど、

ジェイデン・スミス と悪役子役たちが

楽しそうに一緒に写っている写真が出てきて、

(あ、そうか、これ映画やもんな) と、

いじめたりしてるのは、映画の中のことだと

当たり前のことを確認して、一安心。


オリジナル版では、主役のダニエルがミヤギという老人に

空手を習う。

ところが、車にワックスをかけたり、塀のペンキを塗らされたり、

床のヤスリかけをやらされたりと、一向に空手を教えてくれない。

ダニエルは 「ええかげん、空手を教えてよ!」 と怒り出す。

ところが、その一連の作業の動きが全て、空手の動きの

基本になっていて、ダニエルは、知らないうちに空手の技を

身につけているという展開だった。

この映画は、あるセミナーで 「コーチする」 ということを

説明するサンプルに使われていた。

「コーチング」 とは、やっている時は、何のことだか分からないが、

言われたとおりやっていると 実践 (実戦) に役に立つ、

というわけだ。

オリジナル版では、(なんでこんなことばっかりやらされるんだ) って

いうシーンが結構長く、正に 「コーチング」 の話だったが、

本作では、その部分は 少し影をひそめていた。

その分、人間描写が丁寧だったように思う。

大人も子供も楽しめて、単純明快で 力の湧く映画。

今さら、カンフーは出来ないけど、

太極拳とか習おうかなと安易に思ってしまった。


★★★★☆





2010.9.20

キャタピラー

寺島しのぶが、第60回ベルリン国際映画祭で

最優秀女優賞を受賞した作品。

海外で評価されたその演技を観てみたいと思いつつ、

テーマが重く、観て楽しい映画では ないことが 分かっていたので、

観るのを躊躇していた。

太平戦争で、両手両足を失ない、聴覚も失い、話すことも

できない身体になって帰ってきた夫と妻の物語。

もう、そう聞いただけで、観る気は失せる。

反戦映画は観なくても、私は充分反戦派だし。

でも、一昨夜読んだ本 (死を見つめて生きるために) のせいか、

突然、観ようという気になって 昨日 観てきた。

(人生、欲しくないことも勝手に起きてくるんだから、

わざわざ、欲しくない感情を味わうためにお金を払って

映画館に行く必要ないやん) と、思っていたのが、

観たくない、人間のダークサイドも味わおう、と

思ったのである。(昨日はね。)


戦地で勇敢に戦い、四肢を失くし、顔は焼けただれ、

生きた軍神様と言われ、勲章を3つももらって帰宅した夫。

その姿を見た時に、妻は、「いやぁ〜!ちがう〜!」 と

家を飛び出す。

一度は、夫に殺意を持つが、その運命 (?) を受け入れ、

軍神様である夫の世話をする。

食欲と性欲だけの夫の世話を。

何度も何度も映し出される昭和天皇、皇后の写真と

何度も何度も出てくる 「お国のため」 という言葉。

軍神様である夫の世話をするのもお国のため、というわけだ。

そして、何度も何度も出てくるセックスのシーン。

妻の心境が、色々変わっていく様が興味深い。

そして、「軍神って何なのよ!」 という寺島のセリフが、印象的。

そのひと言がこの映画の主題ではないか、と思うぐらい。


低予算で作られたとか、寺島のヌードのこととか、

ベルリン国際映画祭の最優秀女優賞を受賞は、

日本人では35年ぶりだとか、寺島の母親、富司純子が、

その銀熊賞のトロフィーを見て号泣したとか、

話題に事欠かないが、そういうこと抜きにしても、

(いい意味で) えげつない 作品だ。

タイトルの 「キャタピラー」 は、芋虫の意味。

それにしても、この作品、なんで1300円なんだろ。


★★★★☆


反戦映画を作らなくてよい時代が来ることを望む。





2010.9.21

ジョニーは戦場へ行った

一昨日 観た映画 「キャタピラー」 、

四肢を失くして 戦場から帰還という設定は、

ドルトン・トランボの 「ジョニーは戦場へ行った」 と

江戸川乱歩の 「芋虫」 も同じで、

「キャタピラー」 は、それら2作品に触発されたものらしい。

乱歩の 「芋虫」 は未読なのでなんとも言えないが、

「ジョニーは〜」 は、映画も観たし 原作も読んだ。

中学生の時だったと思うが、高校生になっていたかも知れない。

もう30年以上前のことだが、とても怖かった覚えがある。

そのことが、この歳になって、映画 「キャタピラー」 を

観ることを躊躇させたことは否めない。

そんなに怖かったのに、映画と原作、両方を

体験しているのが不思議だ。

何か分からないが、強烈に惹かれた何かがあったんだろう。

もう、記憶が曖昧で、どちらが先だったか、

分からないのだが、映画より原作の方が、

怖かったような気がする。

映画は、テレビで観たのかも知れないし、

自宅の近くにあった高校の文化祭で、

上映することを知って、観に行ったような気もする。

戦争で、手足を失って帰ってくるという設定は同じでも

「キャタピラー」 とは、全く違う内容だ。

「ジョニーは〜」 は、第一次世界大戦で負傷し、

両手両足、そして、視覚、嗅覚、聴覚、そして、

あごも失い (話すことが出来ない)、帰還した若者の物語。

コミュニケーションの手段がないジョニーを、

医者は、意識もないと決め付けてしまう。

だが、ジョニーには意識があった。

なんとかして、自分の意志を伝えようと、

首を動かして モールス信号を使うことを思いつく。

だが、首を動かすジョニーを見て医者は、

発作が起きたと思い、鎮静剤を打ち寝かせてしまう。

音もない、光もない、声も出せない、体も動かせない、

そんな状態で生き続け、自分で命を絶つことも出来ない、

それがいつまで続くか分からない、

そんな設定が怖くてしょうがなかった。

しかも、原作のあとがきに、実際にその状態で戦場から帰還し、

15年間生きた兵士がいたことが書かれていたのである。


「ジョニーは戦場へ行った」 は、1939年に発表された小説だが、

第二次世界大戦中 と 朝鮮戦争時、絶版になっているらしい。

反戦的な内容が 「反政府文学」 と判断されて。

「絶版」 と書いたが、事実上 「発禁」 だったようだ。

実際、著者 ドルトン・トランボ は1947年に 共産主義者の

レッテルを貼られ、逮捕、禁固刑に処されている。

今回、このエントリーを書くために色々調べていて、

一番驚いたことは、「ローマの休日」 の作者が、

別の人の名前でクレジットされているが、

実は、ドルトン・トランボ だったということ。

彼は、映画の脚本家として脚光を浴びていたが、

逮捕、刑期終了後、事実上映画界から追放され、

偽名を使って仕事をしていたというのだ。

もうひとつ驚いたのは、映画 「パピヨン」 も

彼の脚本だったということ。

私は、「パピヨン」 (スティーヴ・マックィーン主演) が

好きで数回、観ている。

(この 「パピヨン」 も実話。)

さて、「ジョニーは戦場へ行った」 の原題は、

「Johnny Got His Gun」 。

直訳すると 「ジョニーは銃を取った」。

これは、第一次世界大戦時の志願兵募集の宣伝文句、

「ジョニーよ、銃を取れ(Johnny Get Your Gun)」 への

痛烈な皮肉ということだ。

「ジョニーは銃を取った」 にしても、日本では皮肉にならないから、

邦題は、「ジョニーは戦場へ行った」 に したんだろうか。

「ジョニーは〜」 は、ベトナム戦争中、1971年トランボ自らが

メガホンを取って、映画化した。

その時代に、よく、公開できたよね。

海外では評価されたものの、

アメリカでは ヒットしなかったらしい。


観たことも 読んだことも、一生忘れない

インパクトのある作品だ。


「ジョニーは戦場へ行った」 原作

「ジョニーは戦場へ行った」 DVD





2010.9.22

劇団一の会

今日は、「劇団一の会」 の公演に行ってきた。

『オガマルン』 というタイトルのお芝居。

「一の会」 の公演は、2年ぶり3度目。

3度とも友人 K彦 に誘われて。

行くと面白いので、年に数回 案内のハガキが届くたびに

行きたいな、と思うのだが、これが、中々行かないのだな。

今回の演目『オガマルン』 は、ある南の島での夏の数日間の物語。

何ってことはないのだが、良い。

テーマがあるのかどうかも 私には分からないのだが、

めちゃくちゃ深いんちゃうか、と思う場面もあった。

劇団の人たちって大変だな、と思うと同時に

一度やってみたい気もする。

きっと やらないけど。





2010.9.23

本日は、映画 2本立て。

新しい人生のはじめかた

ダスティン・ホフマン と エマ・トンプソン 主演の

大人のラヴ・ストーリー。

原題は、「LAST CHANCE HARVEY」。

CM 音楽家の ハーヴェイ (ダスティン・ホフマン) は、

あんまり人生がうまく行っていない。

ほとんど人生諦めて、楽に生きることを選んでいた

ケイト (エマ・トンプソン) は、婚期を逃した (たぶん) 40代 。

この2人が偶然出会う。

オヤジに ラスト・チャンスがめぐってくるのだ。

舞台は、ロンドン。

ロンドンって 日が長いねんな。

何時間経っても日が暮れない。

(いつまで夕方やねん) と思てたら、

挙句の果てに薄明るいまま、夜が明けてしまう。

そんなに緯度高かったっけ、と地図を見てみると、

確かに、北海道よりずっと北だ。

(それ、おかしくない?) と 突っ込みたいところもあったけど、

細かいことは、良いことにして、

新しい人生に踏み出す勇気に拍手。

それにしても、ダスティン・ホフマン 年取ったなぁ。

72歳 (撮影時) やて。


★★★★☆




マイ・ブラザー

今日の目当ては、実はこちらの映画。

原題は、「BROTHERS」 だから、

邦題の 「私の弟 (兄貴)」 ではなく、

「兄弟」 ってことなんだな。

2人の娘と美人で評判の妻 グレースを残し、

米軍大尉 サム は、戦地アフガニスタンへ。

そして、グレースのもとに戦死の知らせが届く。

グレースは、サムの弟 トミーと支えあいながら、

新しい人生を生きようとする。

そんな時、サムが生きて帰ってくる。

だが、帰国した彼は別人のように変わっていた。


兄 サムに トビー・マグワイア、

弟 トミーに ジェイク・ギレンホール 、

サムの妻 グレースに ナタリー・ポートマン、と

豪華キャスト。

兄役 トビー・マグワイア がスゴイ。

自宅では、ちょっとひ弱な印象さえ抱かせる

優しいパパ。

戦地では、たくましい兵士。

帰国時には、戦場での悲惨さを物語る激やせぶり。

もう、「スパイダーマン」 の お兄ちゃんじゃありません。

弟役 ジェイク・ギレンホール。

この人、割りと好きなんだな。

ちょうど、数日前、ジェイクが出てる作品の中でも

作品的にも一番好きな 「ムーンライト・マイル」 の

DVD (中古品) を送料込みで550円で発見し、

注文したところだった。

なんと 「ムーンライト・マイル」 には、ダスティ・ホフマンも

出演している。

面白い偶然やな。

そして、妻役 ナタリー・ポートマン。

あの 「レオン」 の マチルダね。

劇中、何度も 「美人」 と言われるのだが、

確かに美人で 魅力的。

それに娘役の子役2人も素晴らしい。

特にお姉ちゃんの方!


さて、作品は 反戦映画 であり、

人間の愛と苦悩の物語。

「ある愛の風景」 という デンマーク映画のリメイクらしいが、

オリジナル版も ぜひ観たい。

アフガニスタンの悲惨なシーンと、父親を失ったものの

叔父トミー と無邪気に遊ぶ娘達の姿が交互に

映し出される。

その地獄と平和のギャップがすさまじい。

戦争は狂気だ。

サムの苦悩を思うとやりきれないが、

最悪の結末にならずに、最後のシーンで、

わずかでも癒しと希望があり、救われる。

良い映画です。


★★★★★





2010.9.24

悪 人

モントリオール世界映画祭で 深津絵里 が

女優賞を受賞した映画 「悪人」。

評判もそこそこ良さそうなので、

ちょっと期待しすぎて 観てしまった。

良い映画だったが、感想をひと言でまとめると、

「惜しい。きっと、原作はもっと良いのだろうな。」 って感じ。

(実際、原作はいくつもの賞をとっている。)

出会い系サイトで知り合った2人が、実際に会って、

急激に親密になるくだりの描写に、

(ここんとこ、原作読むと良く分かるんやろな) と

不満を感じながら、(後半、盛り返してくれよ〜) と

さらなる期待を上乗せしての鑑賞。

後半、ええシーン (泣けるよ) もあったけど、

やや、不完全燃焼。

鑑賞後、一緒に観た妻に その話をすると、

「2人は、メールのやり取りをした後に初めて会ったのだから、

会う前に (メールで) 人間関係が出来てたんだと思うよ」 と言われ、

確かにそれを臭わせるシーンがあったため、何故か、悔しい思い。


女優賞の深津も良かったが、私としては、妻夫木が良かった。

なんとなく、育ちの良い坊ちゃん的な印象があったのだが、

本作では、そのイメージを脱していたね。

あと、岡田将生 もイヤな役で、脱アイドルな感じ。

自己中でイヤな女を演じる 満島ひかり もホンマにイヤでよろしい。

樹木希林、 柄本明、宮崎美子ら、脇役のベテラン陣がまた良い。

後半の柄本明のセリフが良い。

  あんた、大切な人はおるね?
  その人の幸せな様子を思うだけで、
  自分までうれしくなってくるような人は。


  (続きは、映画館で。)


ネットのレビューで、九州の田舎住まいの30代の独身女性が、

物凄く映画に共感しているのを読んだ。

彼女は、深津演じる光代と同じように

  毎日自分自身の存在意義を探して、
  もがきながらも徐々に諦めつつ生活しています。


と書いている。そして、

  毎日の生活に割と満足している人の心には
  届きにくい映画なのかもしれません。
  なぜなら、出会い系サイトという世間的には
  出否定されている方法で会った2人がこんなにも
  惹かれあうことの意味がわからないと思うからです。


と、田舎暮らしの閉塞感を書いている。

例えば、妻夫木演じる祐一は長崎の漁村に住んでいるが、

  祐一がわざわざ福岡・佐賀と遠くの女性に会いに
  行くのは地元だとすぐにばれてしまう恐れがあるから。
  もしくは知り合いかもしれないから。
  祐一のナイーブな性格が伺えた。


と書いていたのを読んで (もしかしたら原作に

書いてあるのかも知れないけど)

これは、その “田舎暮らしの閉塞感” を知っているのと

知らないのとでは、主人公たちの心理の理解度、

共感度が違うな、と 思ったのであった。

そのレビューはこちら


★★★★☆


悪人って、何だろ?





2010.9.26

食べて、祈って、恋をして

映画を観る前にチラッとネット上の評判を見たら、

あまりよろしくない。

おかげで、過度な期待をすることなく観る事ができた。

予告編を観ると、何やら良さそうな感じがするもんね。

ニューヨークに住むジャーナリストのリズ (ジュリア・ロバーツ) が、

離婚と失恋を経て、旅に出る物語。

何が、評価を下げているか、簡単だ。

リズに共感できないのだ。

まず、映画を観る殆どの人は、仕事を休んで1年間、

イタリア〜インド〜バリを 旅することなどできない。

そして、一番、評価を下げているであろう理由は、

彼女の苦悩が何か分からないのだ。

仕事もあり、お金もあり、友達もいて、家もあり、ダンナもいて、

何が苦しいのかが充分に描かれていないのだ。

原作は、ベストセラー (全世界で700万部売れた) ということだから、

素晴らしいのだろうな。

残念。

映画としては、イマイチでも、ジュリア・ロバーツは

魅力的だし、イタリアの料理はおいしそうだし、

楽しめる所はある。


★★★☆☆


ちなみに本作、著者の自伝的小説ということだが、

その著者 エリザベス・ギルバート のスピーチを 以前にここで紹介した。

まだ観ていない人は、この機会にどうぞ。
  ↓
エリザベス・ギルバート "創造性をはぐくむには"





2010.10.1

ムーンライトマイル

原題 : MOONLIGHT MILE

DVD で鑑賞。

と言っても、2002年公開当時、試写会で観た作品。

当時、ある映画配給会社の試写会の会員になっていて、

1〜2ヶ月に1本ぐらい、試写会で映画を観ていた。

2年か3年ぐらい続いたので、20本ぐらいは、

観ただろうか。

その試写会は、行くまでどんな映画かは知らされない。

そして、上映前後にアンケートに答えなければならない。

上映後の映画の感想は、もちろん、

上映前には、いくつかのポスターを見て、

どのポスターが印象的かとか、

予告編をいくつか見せられ、その感想を答えたりとかね。

アンケートには、答えなくちゃいけないけど、

映画を無料で観られる上、

行く度に交通費として1000円くれるというわけで、

映画好きの私としては、とてもラッキーなものだった。


さて、その試写会で観て、とても印象に残った作品が、

この 「ムーンライト・マイル」 。

今日は、8年ぶりの鑑賞。

出演は、フィアンセを殺人事件で失う青年に ジェイク・ギレンホール、

殺された女性の父親に ダスティン・ホフマン、

母親に スーザン・サランドン。

愛する人を失った3人の再生の物語。

苦しさゆえの現実逃避、真実を語ることのパワーと癒し、

悲しみを乗り越えることの自由さと解放、そして新しい人生の希望、

そんな色々が描かれている素晴らしい作品。

また、数年後に観たい。

大ベテランの ダスティン・ホフマン、スーザン・サランドンはもちろん、

あんまり口数の多くない青年役の ジェイク・ギレンホール、

新しい彼女役のエレン・ポンペオも良い。

監督・脚本は、ブラッド・シルバーリング。

(「シティ・オブ・エンジェル」 の監督)

実はこの作品、ブラッド・シルバーリングの

実体験を基にしているらしい。

1989年、レベッカ・シェイファー という女優が

ストーカーによって殺害されるという事件があった。

シルバーリング監督は彼女のボーイフレンドだったのだ。


ムーンライトマイル DVD





2010.10.13

ある愛の風景

DVD で鑑賞。

これは、先月観た 「マイ・ブラザー」 のオリジナル版。

2004年のデンマーク映画で、コニー・ニールセン が、

デンマーク・アカデミー賞で最優秀主演女優賞を獲得し、

2009年、アメリカでリメイクされた。

デンマークの原題は、「BRODRE」 で、「BROTHERS」 という

意味のようだ。

細かい設定は違うものの、ストーリーは全く同じで、

アフガニスタンで戦死したと思っていた夫が、

生きて帰ってくるのだが、違う人になってしまっており、

家族は、動揺する。

一体、戦地で何があったのか。

物語は、時間軸に沿って進んでいくので、回想シーンなどはなく、

観客は、何があったのかを知りながら、観ることになる。

アメリカ版は凄く良かったのだが、先にアメリカ版を観たせいか、

そっちが基準になってしまい、デンマーク版には、

少し物足りなさが残った。

いくつかの点で、アメリカ版の方が描き方が丁寧な印象。

デンマーク版は、観客に委ねている面が多い印象。

個人的には、役者陣もアメリカ版のほうが好み。

ラストも、アメリカ版の方が好き。(同じことなのに微妙に違う)

上映時間は、アメリカ版 105分、デンマーク版 117分 と

描き方が丁寧な印象のアメリカ版の方が短いのは不思議。

良かったら、見比べて観てください。





2010.10.18

恋はデジャ・ブ

DVD で鑑賞。

原題は、「Groundhog Day」。

少し前に この映画のことを聞いて、

(面白そうやな、観てみよう) と思っていた作品。

観てみたら、なんと、観たことがあった!

始まってすぐ気付いたけど、結末も全然思い出せないので、

まあ初めて観たようなもんだな。

映画館ではなく、ビデオを借りて観たと思うけど、

1993年の映画だから、たぶん観たのは、15年以上前じゃないかな。

さて、ストーリーは、気象予報士フィル (ビル・マーレイ) が

田舎町にテレビ番組のロケで来た。

聖燭 (せいしょく) 節 という 2月2日の田舎のお祭りの取材だ。

田舎の退屈な仕事で、いやいや終えたが、吹雪のため

帰れなくなり、仕方なく もう1日 その町にとどまることに。

翌朝、フィルが目を覚ますと、昨日と同じ2月2日だった。

翌日もまた、同じ日。

それから、毎朝、起きると同じ日。

来る日も来る日も同じ日の繰り返しに彼は絶望し、

自殺を試みるが、翌朝になると、生きていて、

また同じ日が始まる。

やがて、彼の中に変化が訪れる・・・。

コメディなんだけど、結構深い。

毎日、同じことの繰り返しで、次に誰が何を言うか、

どこで何が起きるか全部分かっているとしたら、

人はやがてどうなるのか。

映画では、何年同じ日が続いたのか、具体的には語られないが、

全く弾けなかったピアノをバリバリに弾けるようになったり、

氷の彫刻をマスターしたりするところから見ると、かなりの年数。

ウィキペディアによると

  最初の脚本によると同じ日が数千年以上続く設定であったが、
  最終的な映画では十年から数十年という長さになっている。

とある。


そして、ついに彼に明日が訪れる。

彼はなぜ、今日を終えることが出来たのか、

そのあたりがこの作品の深いとこちゃうやろか。

そして、自分しだいで相手が変わるというのも見所。


原題の 「Groundhog Day」 は、調べてみたが、

聖燭 (せいしょく) 節の日のこと。

アメリカでは、この日にマーモット (もぐら?) が

冬眠から覚めて穴を出て、地上に自分の影を見れば

さらに 6週間の冬ごもりに戻り 春の到来が遅れるという

言い伝えがあるらしい。


恋はデジャ・ブ  [DVD]





2010.10.20



恵比寿ガーデンシネマにて鑑賞。

水曜サービスデー (男女とも1000円) のせいか

やや混んでいた。

「プチ・ニコラ」 は、フランスで50年間愛されている絵本を

実写映画化したもの。

原作の絵本は、フランスでは知らない人はいないという国民的作品で

アメリカの 「スヌーピー」 とか、日本の 「サザエさん」、

「ちびまるこちゃん」 的な存在のようだ。

昨年は誕生50周年で、フランスでは記念切手が発売されたほど。


さて、映画の方は、いわゆる ハートフル・コメディ 。

面白くて、微笑ましくて、 オチが素晴らしかった。

ニコラは、天真爛漫な小学生で、彼とその仲間たちが

色んな騒動を巻き起こす。

めちゃくちゃ感動するとか、爆笑するとか、そういうわけではないし、

泣かせるようなシーンもない。

なのに、なぜか後半、泣けてきた。

なんだろう、「こころが洗われる」 というやつか。

ニコラのピュアさに やられてしまった。


出演の子役たちはみんな素晴らしい。

特に主役ニコラ役の マキシム・ゴダール は、

もうちょっと大きくなったら、二枚目やろな〜と思わせる美形男子。

小学1年生ぐらいの設定だろうか、作文の時間に

「将来、何になりたいか」 というテーマで、

ニコラは、「そんなの分からない」 と、映画は始まるのだが、

色んなハプニングを経て、最後に 自分がなりたいものを発見する。

大人も子供も楽しめる、幸せになれる、お薦め作品だ。


★★★★★


観られる方は、ネットで予告編など観ずに、劇場へどうぞ。





2010.10.23

雷 桜

ちょっと甘ったるい恋愛映画かな、と思ったけど、

私の中では評価の高い二人、岡田将生 と 蒼井優 の

出演作なので、観ることに。

昨日公開だったようで、今日はまだ2日目。

有楽町で 15:35〜の回を観たが、思ったより空いていた。


さて、帰ってきてから、(ネットの評判はどうなんだろう?) と

見てみると、ちょっとビックリ。

どちらかというと評価が低く、結構 ボロカスに書かれている。

なんで ビックリ かというと、本作、私的には文句なしの ★5つで、

蒼井優は、私の中の 本年度主演女優賞 だと思ったからだ。

ネットでも 確かに彼女の演技は、評価されているようだけど、

作品自体の評価は低い。

強いて 不足を言うなら 特に前半、物語の展開、

テンポの遅さは感じた。

所詮、フィクションなので、設定の無理とかは突っ込む気はない。

それよりも 何よりも 蒼井優の素晴らしさが 数倍勝っている。

岡田将生 は、悪くはなかったが、残念ながら私の中では、

「重力ピエロ」 を越えなかったけど、

脇役陣も素晴らしく、作品自体も良かったと思ったけど、

世間の目は厳しいのね。

脇役といえば、先日観た、「悪人」 にも出演していた

柄本明、宮崎美子、岡田将生の3人が出ていたのには

ちょっと笑ったけど、相変らず、柄本明は ええ味出してた。

彼の○○シーン (観てのお楽しみ) は、スゴイ迫力で、

そのシーンだけで、私の本年度 助演男優賞ものだった。

あと、小出恵介 も良かった。

そして、しつこいけど、蒼井優が良い。

白馬にまたがる姿がなんともりりしいのだった。

なお、原作は、宇江佐 真理 著 で、これまたかなりの

高評価のよう。

読んでみたい。


★★★★★





2010.10.30

マザーウォーター

今日が公開初日の 映画 『マザーウォーター』 を

観てきた。

出演は、小林聡美、小泉今日子、もたいまさこ、市川実日子、加瀬亮ら。

小林聡美、もたいまさこ とくれば 『かもめ食堂』 だが、

本作も監督は違うものの 『かもめ食堂』 スタッフで撮られたようだ。

何の事件も起こらない、もっというと、ストーリーさえないと

言える映画。

特に始まって30〜40分、あまりの何も起こらなさに、

(どうなってくの?) と不安がよぎる。

結局、最後まで何も起こらないんだけど。


きっと好きな人は好きだけど、賛否の分かれる作品だろう。

私は嫌いではないが、これは、大人向けの童話だと

思ってみないと、枝葉末節にひっかかってしまい、

作品の本質を見損ないそう。

その 「枝葉末節にひっかかるな、大事なのはそこじゃない」 と

いうことこそが、この作品のテーマであるようにも思う。

含蓄のあるセリフも多く、観る人によって深さの変わる作品だと思う。


★★★▲☆





2010.11.29

インセプション

約ひと月ぶりの映画は、

レオナルド・ディカプリオ主演の 『インセプション』。

渡辺謙も出演。

なんか、観てるときは よう分からんのだが、

あんまり細かいこと考えていると

作品のスピードについて行けなくなるので

深く考えず ただ観ているだけで充分面白かった。

要は夢の中に入ってアイディアを盗んだり、

植えつけたりしようってSF。

映像 も楽しめる。

もう、映画で出来ないことはホントになくなったんやな。

地面がひっくり返るねんもん。

夢の中だから、何でもあり。

そして、夢なのか現実なのか分からなくなったりする。

そういう展開なので、この映画の終わり方は、

全く王道な終わり方なのだが、非常に好きだ。

最後の最後が良い。


★★★★☆





2010.12.1

ノーウェアボーイ

気になっていた

『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』 を鑑賞。

11月5日公開だったので、どうも今週ぐらいで

終わるようで、観に行けてよかった。

21:40 からの回を観たのだが、映画の日のせいか

ほぼ満席。

両隣は、おじさんだった。

『ノーウェアボーイ』 は、ビートルズ結成前の

ジョン・レノンの物語。

音楽映画というよりは、青春ものであり、

ひとりの少年の成長の物語であり、

家族、特に母親とのことを描いた作品だった。

予想に反して、数回落涙。

映画の キャッチコピーに

 歌ってなんかいなかった。
 愛を叫んでいたんだ。

とある。

正にそんな感じ。

生みの母と育ての母 (伯母)、2人の母を持ち、

複雑な生い立ちで育ったジョン。

彼が、音楽に興味を持ち、バンドを結成し、

ポールとジョージに出会うあたりの物語。

だから、「ビートルズ」 という言葉は登場しない。

でも、映画の冒頭、ジャーンと鳴らされるコードは、

「A Hard Day's Night」 のイントロ。

良い始まりだ。


今年は、ジョンの生誕70年、没後40年の年。

来週、12月8日は命日だ。

そして、私が生まれた1962年は、

ビートルズのデビューの年。

歳を取れば取るほど、彼らの偉大さが分かる。

というか、私の中で ビートルスが 偉大になっていく。

本作を観て、ジョンの叫びが少しだけ分かった。


★★★★▲





2010.12.4

武士の家計簿

本日、ロードショーの 『武士の家計簿』 を観てきた。

好きな堺雅人が出ているし、

最近、良くなってきたなぁと思う仲間由紀恵も出ているので

楽しみにしていたのだ。

江戸時代末期、加賀藩の会計係だったそろばん侍と

その家族の物語。

結論から言うと豪華キャストにも関わらず

グッとくるものがなく、何か物足りない印象で終わった。

ちょっと がっかり。

う〜ん、何だろうこの物足りなさ。

脇を固めるのが、中村雅俊、松坂慶子、草笛光子、

西村雅彦、それに主演のふたり。

このキャストでこの物足りなさ

もったいないなぁ。

監督は、森田芳光 。

たくさん観てないけどこの人とあんまり相性が良くないようだ。

『海猫』 とか 『模倣犯』 とか 『間宮兄弟』 とか、

観たの全部イマイチだったからね。


★★▲☆☆





2010.12.28

SPACE BATTLESHIP ヤマト

TV の 『宇宙戦艦ヤマト』 は、1974年放送なので、

私は、ヤマト世代だ。(私は、1962年生まれ)

中学時代の友人など、かなり ヤマトに 心酔していた

覚えがある。

が、私は TV 版も 劇場版も 『宇宙戦艦ヤマト』 は

観ていない。

ちなみに 『銀河鉄道999』 も観ていない。

別に 松本零士 が苦手なわけではない。

割と早めにアニメを卒業してしまった、というところかな。

さて、そんな私が、今 劇場で公開されている

映画 『SPACE BATTLESHIP ヤマト』 を観てきた。

まあ、なんとなくヤマト世代なので観ておこうと

思っただけなのだが、結論から言うと、

思ったより楽しめた。

途中まで。

後半、失速した。

特にクライマックス、ラストの10〜15分、

完全に白けてしまった。

それまでは、まあまあだったし、ウルウルくるところもあったのに、

最後でなんか、台無しにしたような感じ。

「そんなことしてる場合ちゃうやろ!」 って

突っ込みたくなった。

で、最後の最後も、(その終わり?) っていう 終わり方。

おまけに、エンディングの歌が、Steven Tyler 。

なんか、『アルマゲドン』。

「それは、エアロスミスやないか」 って 突っ込むとこか。

日本の CG も結構進化したと思うし、キムタクも割と良かったし、

黒木メイサも良かったし、その他の役者陣も豪華だったし、

まあまあ、楽しめたんやけど、イマイチ残念。

『宇宙戦艦ヤマト』 のファンではないおかげで

あんまり怒りはないけどね。

ネットのレビューを見ると、怒ってる人多いからね。


★★★☆☆





2010.12.30

今年の映画 ベスト 5

もしかしたら、明日 今年最後の映画を観に行くかも

知れないが、今日の時点で今年のベスト 5 の発表。

今年は、42本の映画を (映画館で) 観た。

昨年の 61本に比べると少ない。

なんだかんだと忙しくて、ひと月に1本も観なかった月が、

4月、7月とふた月もあるのが、少ない原因だ。

実は 43本観たのだが、自分の中でカウントしていない1本がある。

感想もここに書いていない。

それは、生田斗真 主演の 『人間失格』。

爆睡してしまったため、観たとは言えないのだった。

さて、ベスト 5 だが、順位はつけにくいので 観た順に書こう。

1.『今度は愛妻家』  泣いた。

2.『僕らのワンダフルデイズ』  笑った。

3.『マイ・ブラザー』  考えさせられた。

4.『プチニコラ』  幸せ。

5.『雷桜』  蒼井優最高。

次点で、『ジュリー&ジュリア』 『孤高のメス』 『ベストキッド』

『キャタピラー』 『ノーウェアボーイ』 あたりが良かった。

ワースト あるいは、残念な作品は、

『山形スクリーム』 『踊る大捜査線 THE MOVIE 3』

『食べて、祈って、恋をして』 『武士の家計簿』

『SPACE BATTLESHIP ヤマト』 あたりだな。


ちなみに42本中 24本と、邦画が半分以上を占めた。

来年も良い作品にたくさん出会えますように。





2010.12.31

最後の忠臣蔵

(ネタバレ注意!)

昨日、今年の映画 ベスト 5 を発表したが、

大晦日の今日、今年最後の映画を観てきた。

『最後の忠臣蔵』。

なんとなく、年末にふさわしいでしょ。

「何観るの?」 と訊かれ、

「忠臣蔵」 と答えたとき、妻は、ちょっとイヤな顔をしたのだが、

結果、2人とも大泣き。

これぞ、忠誠、これぞ、忠義。

これぞ、日本の心。

主役は、役所広司演じる瀬尾孫左衛門。

彼は、討入り前夜、大石内蔵助から直々に密名を受け、

姿をくらました。

その密名とは、大石の隠し子を育て上げること。

ひたすら、自分の身分とその隠し子 可音 (かね) の身分を隠し、

立派に育て上げる。

討ち入りから16年後、もう一人、大石から討ち入り後の

使命を与えられ、生き延びた寺坂吉右衛門 (佐藤浩市) と

孫左衛門が再会する。

吉右衛門と孫左衛門は、元、無二の親友。

それでも、孫左衛門は、吉右衛門にさえ、

秘密を打ち明けようとしない。

それどころか、切ろうとまでする。

なんという忠誠心。

しかし、可音が嫁ぐことになったとき、全てが明らかになる。

その嫁ぐシーンが素晴らしい。

あれを観て、泣かない日本人はいないだろう、というような

シーン。

しかし、大石から受けた使命を果たした孫左衛門は、

その命を大石に返す。

腹を切るのだ。

もしかしたら、外国人には、孫左衛門の切腹の意味は

分からないんじゃないだろうか。

タイトルが 『最後の忠臣蔵』 というぐらいだから、

あの結末しかないのかもしれないが、

私としては、生き延びて欲しかった。

(死なんでもええのに) と思ってしまう私は、

本当の忠義、武士道を知らぬのか。


役所広司、佐藤浩市、可音役の桜庭ななみが素晴らしい。

133分は長く感じない。

今年の映画ベスト 6 に入れることにする。


★★★★▲


0.5点の減点は、最後に孫左衛門に

死んで欲しくなかったから・・・。


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