LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS


 つつみしんやのひとりごと  2025年11月
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2025.11.2

舘野泉 卒寿記念コンサート



今月数え年で90歳になるピアニスト舘野さんの
卒寿記念コンサートに行ってきた。
会場はサントリーホール。
1階 13列目の中央という良い席だった。

見え方


舘野さんは、2002年に脳溢血で倒れ、
右半身不随となったが、その後
「左手のピアニスト」として活動を再開した。
左手しか使えないので、演奏できる音楽は
当然限られる。

今日のコンサートで演奏された曲は、
全曲 舘野さんのために書かれたか
献呈された曲。
作曲家はアイスランドのマグヌッソン、
フィンランドのノルドグレン、
同じくフィンランドのティエンスー、
アルゼンチンのエスカンデ。
全曲、21世紀なってから書かれたもので、
現代音楽ということになろうかと思う。
マグヌッソンやノルドグレンの曲は、
知らずに聞かされたら、フリージャズだと
思っても不思議ではないだろう。
ティエンスーの『復活』では、左手の膝で
低音の鍵盤を叩きながら指でも演奏していた。
あんな奏法は初めて見たよ。
本編ラストは、管楽器7人とのアンサンブル。

アンコールは2曲。
最後に演った『赤とんぼ』の変奏が
とても美しく心に沁みた。

以前観たドキュメンタリーで
脳溢血で倒れ、ピアノを弾けなくなった頃のことを
舘野さんは、こう語っていた。
「ひもじくて、音楽が欲しくてしたくて、
いくら聴いたって満足することじゃないんだ。
いくら譜面を見たって CDを聴いたって
それでいいということじゃなくて、
自分で弾きたいというたまらない飢えっていう
気持ちがあった」

またこのたびの卒寿コンサートに臨んでの
インタビューでは「卒寿(90歳)への感慨は
ありますか?」という問いに
「90歳にもなれば、身体上の障害は持って
当たり前ですし、"向こう側" と "こちら側" の世界の
二股をかけている感じはあります。
未練や執着はなく、長く生き続けたいとも
死にたいとも思いません。
別にどうということもなく、当たり前の世界に
終わりが来たら終わり。
弾ける時まで弾き続けて行きます。
弾けることが、ひとつの命の証(あかし)です」
と答えている。

尽きることのない音楽への情熱を
生き続けた人の諦念とも言える境地の言葉。

舘野さんの人生は、きっと筆舌に
尽くしがたいこともあっただろう。
でも、アンコールを終え、車椅子でステージを降りる
その後ろ姿を見て、90歳でサントリーホールで、
この拍手を浴びられるなら、音楽家としては
この上なく幸福なのではないかと思ったのでした。


[ 出 演 ]
舘野泉 (Piano)
平石章人 (Conductor)
甲斐雅之 (Flute)
辻本憲一 (Trumpet)
伊藤駿 (Trumpet)
新田幹男 (Trombone)
Zachary Guiles (Trombone)
野々下興一 (Bass trombone)
齋藤充 (Euphonium)

@ サントリーホール

[ プログラム ]
■ マグヌッソン:組曲「アイスランドの風景」 (2013)
 第1楽章 東部の小川の滝
 第2楽章 鳥の目から見た高地
 第3楽章  オーロラの舞
 第4楽章 うららかなひと時、夏至の深夜の煌々と明るい夜に
 第5楽章 大河ラーガルフリョゥトのほとりを歩く
■ ノルドグレン:小泉八雲の『怪談』によるバラードU (2004)
 振袖火事・衝立の女・忠五郎の話
--- 休憩 ---
■ ティエンスー:復活 (2013)
■ エスカンデ:奔放なカプリッチョ 〜ピアノと管楽器のための (2023)
--- アンコール ---
■ ?
■ 赤とんぼ



ピアニスト舘野泉、「卒寿記念コンサート」を語る


[ 関連エントリー ]
2015.3.19 左手のピアニスト
2015.6.3 舘野 泉 ピアノリサイタル
2024.11.29 舘野さん
2025.4.25 東京フィルハーモニー交響楽団





2025.11.4

kindle

先日、電車の中で電子書籍を読む
女性を見かけた。
手のひらになるサイズでとても軽そうだった。
私も Amazon で、何冊か電子書籍を
買ったみたことがあるが、スマホで読んでいたので、
どうも読みにくく結局は紙の本に戻っていた。
視力が衰えてきて、文庫本は字が小さくて
読めないし、単行本は大きくて重くて持ち歩くには
面倒な時もある。
もしかしたら、kindle を買えば
もっと読書がし易くなるかな、と思い買ってみた。
今ではカラー表示のものも出ていて迷ったが、
カラーだと電池の減りが早いとか、
ストレージの容量を食うとかのマイナス点もあり、
私の場合、読みもの中心で、写真や図のある本は
あまり読まないと思い白黒表示のものにした。
7インチ、16ギガ、2024年モデルが
セールで 22,980円。
届いたものは、B6サイズぐらいかな。



片手で持っていても疲れない重さ(214g)。
考えてみると、文庫本でさえ開いたページを
片手でキープしながら読み続けるのは
難しかったので、これは楽だ。
製品のレビューに「もっと早く買えば良かった」と
いうようなコメントが散見されたのも分かる。

ページをめぐるのも指先で軽くタップするだけでいいし、
白黒でもハイライトを付けることもできるし、
字の大きさや画面の明るさの調節も可能。
(文字の大きさが変えられるのはかなりありがたい。)
何より同時に何冊も持ち歩くことができる。
(商品説明には数千冊保存可能とある。)

で、読みかけの本やまだ読んでいない本が
何冊もあるのだけど、kindle で読んでみたくて
一冊買ってみた。
続いては、そのレビュー。




自分とか、ないから。
しんめいP 著




偶然観たテレビのクイズ番組にベストセラーになった
本の著者が出ていて、この本が紹介された。
面白そうなので kindle で読めるように
電子書籍で買ってみた。

サクサク読めたので、一日で読み終えた。
文章のタッチは軽く、今時の若者が
SNS に書き込んでいるような感じ。

本書は何かに悩んでいる若者が対象であって、
60代のオッサンが読む本ではないかも知れない。
それでも東洋哲学の入門書としては良いと思う。
かなりザックりだろうが分かりやすい。
すでに知っていたことも、なるほどそういう風に
説明すれば分かりやすい、と思うこともあった。

東洋哲学の7人の哲学者、ブッダ、龍樹、
老子、荘子、達磨、親鸞、空海の教えを
噛み砕いて説明している。
著書自身が、仕事や結婚でつまずいたからこそ
書けた本でもあると思う。

本書は20万部を超えるベストセラーになっている。
いつの時代にも人は迷っているのだな。
それにしても、この本が20万部であれば、
妻の本も もっと売れても良いと思うのだけどね。


★★★★☆





2025.11.4

初めてのリコール

先日、テレビの報道番組で
「発火の危険のあるモバイルバッテリーを
回収している」というニュースを観た。
実際に発火した事故があったようで、
メーカーが回収に乗り出したようだ。
製造過程で異物が混入したため、
内部でショートする可能性が確認されたらしい。

一昨日、100キロウォークに出場した際、
スマホ用にモバイルバッテリーを購入した。
それから、アメリカ旅行で少し使ったぐらいで
ほとんど出番がなく置いてある。
国内でも何度か持ち出したことがあるが、
結局モバイルバッテリーを使うほど
スマホのバッテリーが減ったことがなく
荷物が増えるだけで出番がないので
持ち歩くことがなくなった。

まさか回収対象品ではないだろうと
思いながら、念のため見てみたら
回収している「アンカー」というメーカーなものだ。
本体に書かれた品番を確認しようとすると、
これが文字がちっちゃい。
スマホで写真を撮って拡大しても読みにくいほど。
しかし、確認の結果、回収対象となっている
製品であることが分かった。
回収案内のサイトを見ると、シリアルナンバーを
入力すると、その個体が回収対象かどうか
分かる仕組みになっていた。
このシリアルナンバーがまた読みにくい。
文字が超ちっちゃくて、文字の色も見にくい。
まあ、こんなことでもなければシリアルナンバーを
確認することなんてないねんけどな。

結局、私の買ったものが回収対象品で
あることが判明したので、回収キットを申し込んだ。
数日後、耐火バッグとレターパックが送られてきた。
運送中に発火しないように(というか発火しても
良いようにか)耐火バッグに入れて送るんだ。

一体何個回収するのか分からないが、
この耐火バッグ、返信用レターパック、
送料、手間賃を考えると相当な費用だろう。

回収されたら、私のモバイルバッテリーは
なくなるわけで、それはどうしてくれるのかと思ったら、
代替え品が送られて来るようだ。
回収された製品はすでに製造中止になっているので、
上位製品が送られて来るようだ。
面倒なことになったようだが、ある意味ラッキーでもあった。
何より事故に遭ってないことは幸いだ。

とはいうものの、あのニュースをたまたま観たから
回収・交換に至ったけど 知らなければ、
不良製品をそのまま使うこともあっただろう。
それで発火事故が起きて
何か被害に遭うこともあり得るわけだ。
テレビの様なオールドメディアへの批判が
激しい昨今だが、まだ役に立つこともあるな。


回収対象の私の Anker PowerCore 10000


送られてきた回収用の立派な耐火バッグ






2025.11.5

山下達郎
PERFORMANCE 2025




今年は10回目の抽選で当選した
山下達郎 PERFORMANCE。
その NHKホール公演に行ってきた。
今年のツアーは、11都市26公演。
昨年は 21都市43公演だったことを
考えると6割ほどに減った。
当然、チケット争奪の競争率も上がるわけだ。

毎回100%全力でステージに挑むのは、
プロなら当たり前かもしれないが、
達郎氏のライヴの密度を考えると、
やはり72歳という年齢は
長いツアーはしんどいということだろうか。
いや、72歳でなくてもしんどいわな。
回数を演ってクオリティを下げるぐらいなら、
回数を減らしてでも妥協なく演りたいと
思うのがアーティストだろう。

さて、セットリストは『SPARKLE』に始まり
『YOUR EYES』で締めくくるというのは
ここ数年変わらずだが、今年はデビュー
50周年ということでちょっと変わった企画もあった。
デビューの75年から10年ごとのシングルを演奏。
『Down Town』(1975年 single)、
『土曜日の恋人』(1985年 single)、
『風の回廊』(1985年 single)、
『世界の果てまで』(1995年 single)、
『Forever Mine』(2005年 single)。
2015年はシングルがなかったそうだ。
その他 前述の『SPARKLE』のほか『クリスマス・イブ』、
『ドーナツ・ソング』、『蒼氓』、『Let's Dance Baby』、
『Down Town』、『アトムの子』、『BOMBER』、
『Blue Velvet』、『Bella Notte』、『すてきなメロディー』など。

アンコールは、奇しくも本日発売の
シングル『オノマトペISLAND』。
ポケモンのタイアップ曲らしい。
そして、『Ride On Time』。
いつもはエンディングで ステージの後ろの方に
作られた台に乗ってマイクなしで
パフォーマンスするのだけど、
ついに封印したのか今回はなかった。
それがひとつの見せ場だったけど、
あれ、物凄く喉に負担だろうから
翌日もライヴがあるなら、やっぱり控えた方がいいよな。

それから大好きな『サムデイ』。
これは嬉しい。

何度も「身の丈にあったペースで続けます」と
言っていたけど、終わってみると
アンコールを含めて約2時間45分ほど。

いつもながら、音楽への愛と情熱、
妥協なきパフォーマンスへのコミット、
オーディエンスへの感謝に溢れたステージでした。

「50年前、72歳なっても NHKホールで
ライヴを演っているなんて想像できなかった」
と言っていたけど、そうだろうけど、
まだまだ続けて欲しいね。
来年のツアーも決まっているとのこと。
きっとまたチケットを取るのが難しいだろうけど、
来年もまた行くよ!


見え方


またもや3階席(R16列 1番)。
達郎 − NHKホール 3回連続3階席だ。
でも 写真で見る感じより観やすい。


[ MEMBERS ]
山下達郎(ヴォーカル/ギター)
柴田俊文(キーボード)
難波弘之(キーボード)
鳥山雄司(ギター)
伊藤広規(ベース)
小笠原拓海(ドラムス)
宮里陽太(サックス/フルート)
ハルナ(コーラス)
ENA(コーラス)
三谷泰弘(コーラス)

@ NHKホール





2025.11.6

あいては人か
話が通じないとき
ワニかもしれません
レーナ・スコーグホルム 著




人生の悩みごとのほぼ全ては人間関係。
その人間関係の摩擦を少しでも少なくし、
快適な人生を歩むための指南書。

著書は、スェーデンの行動科学の
研究者、講演者、教育者。
無意識に男性だと思って読んでいたら、
途中で女性だと分かった。
こんなところにも全く非意識に
バイアスがかかっているんだと再認識。

本書は、今までになかったいくつかの区別を
提供してくれた。
特に興味深く、私の人間への理解を
深めてくれたのは、「ワニ脳・サル脳・ヒト脳」の区別。

これは所謂「反応」を区別しているのだが、
コンテクストが脳科学で、人類の何万年もの
歴史を踏まえての話しで、妙に説得力がある。

簡単に言うとヒトは「ワニ脳」の時と
「サル脳」の時と「ヒト脳」の時があり、
どういう時に「ワニ脳」になるのか、
「ワニ脳」になるとどういう言動になるのか、
そのメカニズムを解説したもの。

それぞれの時に話す「ワニ語」「サル語」「ヒト語」が
どういうものかも書いてある。
「ワニ脳」で「ワニ語」を話している人との対応は、
本当に難しいが、区別ができただけでも前進がある。
自分がどういう時に「ワニ」になるのかも分かる。

それから、生存本能の3つのモードが
ヒトが取る態度を決めているという話し。
ヒトはどんな場面でも「前進・脅威・鎮静」の
どれかのモードで動いているということで、
これもまた人類の何万年もの歴史に
基づいており、なるほどと思った。

他にも左脳と右脳の関係なども興味深い。
全体的にそんなに難しい話しではないし、
すでに知っていたことも書いてあったが、
それらを総合的に使うことで、
より自分や他人を理解するツールとして
役に立てたいと思う。

途中、ちょっと中だるみ感があったことは
否めないが、総じて良いと思う。
スウェーデンではベストセラーとなったのも頷ける。


★★★★▲




フルマラソン6時間切りへの道 その4


あっという間に本番3日前になってしまった。
明日から現地(福岡)に乗り込み
最終調整をする。
というと何やら本格的に聞こえるが、
実は今さら何も調整するようなことはない。

マラソンの申し込みが前日、
前々日ということもあるけど、
要は観光を兼ねて早めに行くだけだ。

残念なのは、せっかく食べ物が美味い
博多に泊まるのに、本番終了まで
アルコールが飲めないこと。
正確には、飲めないのではなく、
飲まないと自分で決めているだけだけど。
日曜日、本番を終えたら飲むぞ!
絶対美味いぞ、馬刺し、モツ鍋と焼酎。
禁酒期間は2週間だけだけど、
こういうの気持ちの問題やからな。

結局、当初の目標「6時間切り」は
思っていた以上に手強く、数ヶ月の我流の
緩い練習では達成しそうにない。
はい、すでに諦めています。
無理です。
断言しておきます。
予想では、6時間20分を切れば
立派なもんだと思っております。
そのタイムでも、ケガなく完走すれば、
スポーツをしてこなかった 63歳の自分には上出来です。
と、自分を褒めることにしました。
完走したら、だけど。

練習で走ったトータルの距離は昨年は
3カ月半で 410キロほど。
今年は倍近い6カ月半で 450キロほど。
期間が長いのにトータルは少ない。
8月暑さで4週間走らなかったこともある。
この8週間は一回に走る距離を
最低10キロと決めて走った。(最長は15キロ)
8週間で16回走ったから、週2ペース。
走った回数は昨年より少ないけど、
一回あたりの距離は伸びた。
もしかしたら、これを一年ぐらい続けたら、
タイムにも違いが出てくるのかも知れない。
でも、もうタイムはいいや。
今年は、走ってない時に普通に歩けないほど、
普段痛んだことのない所(ひざではなく何でここが
痛い?と思うような所)が痛い日もあった。
翌日にはどうもないんだけど。
今日も少しだけ左足のスネの辺りが痛んだ。
当日、この痛みが来たら、100%棄権だ。
だから、とにかく無事完走したい。

このフルマラソン、妻も申し込んでいるのだが、
彼女の場合、はなから完走は問題ではなく、
第一関門(5・3キロ)、第二関門
(9・9キロ)を時間内に通過できるかどうかが
問題で、それ以外は専ら旅行気分でいるようで、
いささかお気楽に見える。
というと怒るかも知れないけどね。


福岡マラソン







ひとりごと