2025年9月
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2025.9.1
鬼灯町鬼灯通り三丁目
久しぶりに芝居を観て来た.
『鬼灯町鬼灯通り三丁目』。
「鬼灯町」は、「ほおずきまち」と読む。
とても観がいのある素晴らしい作品だった。
先日、偶然観た『徹子の部屋』のゲストが
音無美紀子と村井国夫のご夫婦だった。
村井さんは、それなりにお年を召された感じ
だったけど、音無さんは75歳とは思えぬ
いで立ちでさすがは女優さんだと思った。
たぶん舞台が始まる前で、そのプロモーションも
あっての出演だったのだろうが、番組内で
アナウンスされたそのお芝居を観てきたのだ。
赤坂レッドシアターは、初めてだったけれど、
150席ぐらいの芝居小屋としては、ちょうど良い大きさ。
テレビで知ってから、チケットを取ろうとした時、
すでに多くの日程が売り切れていた。
今日の昼の公演は追加公演だったので、
まだ空席があり、ラッキーなことになんと
前から4列で目という良い席が買えた。
舞台は、戦後最大の引き揚げ港
博多のどこか小さな町、という設定なので、
鬼灯町は架空の町なのだろう。
ステージには、昭和感たっぷりの畳の部屋に縁側、
庭には井戸があり、鬼灯の実がいっぱいなっている。
子供の頃、夏休みに宮崎の祖父母の
家に行くと庭に鬼灯の実がなっていて、
中を空にして膨らまして遊んだ覚えがある。
物語は、終戦から1年経った1946年夏、
松尾大吉という男が満州から復員し、
自宅に戻ったシーンから始まる。
終戦後、1年2年と経って復員して来たら、
自分は戦死したことになっていたなんて話しは、
当時珍しくなかったんじゃないだろうか。
妻がほかの男と既に再婚していたとかね。
本作でも、大吉は戦死したことになっていて、
すでに葬式も済まされた後だった。
おまけに大吉の家には、空襲で焼け出された
二人の女、番場と小梅が居候していた。
妻・弥生とは戦争のどさくさで結婚しており、
結婚後3日で大吉は出征した。
弥生が帰りを待っていたのは、どさくさで結婚した
大吉ではなく元々結婚の約束をしていた、
番場の息子・裕介だった。
そんな4人の共同生活が始まるのだが……
という物語。
登場人物は、4人。
出演は、音無美紀子、有森也実、森川由樹、
浅井伸治の4名。
それぞれの立場で、心に戦争の傷を負い、
それぞれに苦しみを抱え、戦後を逞しく生きた。
こんな人々が本当にいたんだろうなと思わされた。
時にはユーモアも交え、反戦のメッセージもあり、
「生きる」ことへの力強さも感じる脚本で、
4人の役者さんが本当に素晴らしかった。
最後には、未来への希望もあったしね。
息子の帰りを待つ母・番場役の音無さんは、
75歳とは思えない滑舌、声、台詞まわしも素晴らしかった。
番場を慕う小梅姉さんには、有森也実。
私の世代では『東京ラブストーリー』の人だ。
彼女も良かったなぁ。
死んだと思っていた夫が帰ってきた若い妻・
弥生に森川由樹。
この人は初めて観たけれど、迫真の演技で
とても良かった。
そして、復員兵の大吉は浅井伸治。
ちょっと三枚目な感じなのだが、
それがとても役にハマっていたよ。
以前、芝居を何本か観たのだけど、
最近はすっかり観に行かなくなっていた。
印象としては、芝居は映画以上に
当たり外れがひどく、面白くない舞台を何本か
観て芝居から足が遠のいてしまっていたんだ。
本作のような作品であればどんどん観たいと思った。
涙あり笑いありのとても満足な芝居だった。
ただ一つ、気になったのは満州から復員した
大介の台詞。
「中国人に親切にされて助かった」までは
気にならなかったけれど
(実際そういう人もいるだろうし)
「中国人はみんな良い人だ」は、
それ要らんなぁと思った。
その台詞なくても成り立つからね。
親中派の政治家が多いと噂され、
中国との関係が色々言われている昨今、
誰かの息がかかっているのか、誰かに対する
忖度かと思わず訝ってしまうのは、考え過ぎかね。
私がネットの情報に踊らされているのかね。
トム・プロジェクト プロデュース
『鬼灯町鬼灯通り三丁目』
作・演出:東憲司
出演:音無美紀子 有森也実
森川由樹 浅井伸治
2008年初演、2010年再演で15年ぶり。
戦後80年の今夏、キャストを一新しての上演。
@赤坂レッドシアター
2025.9.2
永井"ホトケ"隆 & 山岸潤史
Special Guest 上田正樹, Yoshie.N
『... still in love with Blues』 Vinyl LP発売記念Live
また聴いてきました。
70オーヴァーの
おっさん3人による
おっさんのための
おっさんのブルース。
昨日は、ヴァイナルLP発売記念ということで、
会場ではサイン入りのLPの販売も
されていたけれど、当のふたりは
そんなことステージでひと言もしゃべらず。
Yoshie.N が言うたけど。
残念ながら、家にレコード・プレーヤーがないので、
買っても聴けない。
ブルースはいいなぁ。
普段そんなにどっぷりとブルースを
聴くことはないのだけど、
生で聴いていると、いつまででも
聴いていられると思う。
永井"ホトケ"隆 & 山岸潤史の
ふたりのブルースも良いし、
キー坊が加わるとまた違う味がして来て、
そこに Yoshie.N の声も入ると
これまた豊かなサウンドになっていく。
今日は、Ray Charles の『Crying Time』の
山岸さんのソロで涙。
こういう曲好きやなぁ。
山岸さんのギターは、Fenderの
Highway Series Dreadnought と
Gibsonの ES-345(たぶん)。
今日は、345がメイン。
その345は、40年前の「ギター・ワークショップ」の
ライヴで弾いたギターらしい。
とても良い音なので「売るのやめた」と言ってた。
テレキャス・シンライン・タイプ(たぶん
Moon製)は控えで 弾かず。
永井さんのギターは、Gibson のアコギと、
昨年のキー坊のライヴでも使っていた、KAY の
ビンテージ・リイシュー「Thin Twin - K161V」。
ええなぁ、このギター。
ジミー・リード、ハウリン・ウルフが
使っていたという渋いギターです。
現在は販売されておらす、中古品も
あんまり出まわってないギターやねんけど
1本だけ色違い(チェリーサンバースト)が売りに出とる。
でも、色は永井さんのモノの色(下の写真)の
方が絶対いい。欲しいなぁ。
KAY Thin Twin - K161V。ストラップや椅子が邪魔やけど。
![]()
キー坊は、テレキャスターで1曲
ギターソロを披露。
もしかしたら、ギターソロを聴くのは
初めてかも知れない。
山岸さんは今年、ニューオーリンズ音楽に
貢献した人を称えるフェッシー賞 (Fessy Award)
というのを受賞したらしい。
東洋人としては、初。
凄いわぁ。
昨日は、昼間に音無美紀子さん(75歳)の
舞台を観て、夜は山岸さん(72歳)、
永井さん(74歳)、キー坊(76歳)の
ライヴを観ました。 70代、万歳!
[ MEMBERS ]
永井“ホトケ”隆 (g,vo)
山岸潤史 (g,vo)
上田正樹 (vo)
Yoshie.N (vo)
[ SETLIST ]
1. Ramblin' On My Mind
2. Nobody Knows You When You're Down And Out
3. Rock Me Baby
4. Walkin' By Myself
5. You Can't Lose What You Ain't Never Had
6. I Don't Want No Woman
7. Got You On My Mind
8. Baby What You Want Me To Do *
9. Lonely Avenue *
10. Crying Time *
11. The Right Time *
12. Kansas City *
Ec. I'm Still In Love With You
* with 上田正樹, Yoshie.N
@ Billboard LIVE Yokohama
2nd show
2025.9.3
「好き」が「才能」を飛躍させる
子供の伸ばし方
角野美智子 著
角野隼斗(すみのはやと)は、
数々の賞を受賞したピアニスト。
東京大学、東京大学大学院卒。
妹の角野未来(みらい)は、
東京藝術大学からフランスのリヨン国立音楽院へ。
そのふたりの母親で、自らもピアノ指導者として
活躍しておられる角野美智子さんの著書
『「好き」が「才能」を飛躍させる』。
どうやって、子供たちをそんな風に育てたのか、
お子さんがいるご両親は興味のあるところだろう。
しかし 私は読後、複雑な思いを抱えてしまった。
角野家の子どもは、あまりにも優等生過ぎる。
子供への接し方や、子供が自主的に練習したくなる
ような環境づくりは、概ね同意できる。
でも、それをしたからと言って、隣の熊さんの
息子や娘が、東大に行けたり、プロの音楽に
なれたりするわけではない。
当たり前だ。
本書のアマゾンのレビュー(低評価)の一つに
「結局土台が違うので参考になりません」
というコメントがあった。
「まあそういわずに試せるところは試してみましょうや」
と言いたいが、コメント主のそう言いたい気持ちもわかる。
私も角野家に生まれたところで、
東大に行けたとも、プロの音楽になれたとも思わない。
中学受験しても、高校受験しても、
大学受験しても、兄も妹も難関を突破する。
隼人さんなんて小学生の時に授業のレベルの
低さで学校がイヤになるほど。
これは秀才どころか天才だろう。
夫婦で子供の教育方針が違うことだって
珍しくないだろうが、角野ご夫妻は
子供の教育方針について特に話し合ったことが
なかったにもかかわらず、夫婦が子育てに関して、
チームとして機能していた。
それだってラッキーなことだ。
角野家の例は、あまりにも稀有な成功例と
思えて仕方がないのは、私がひねくれているから
だけではないだろう。
それから、私には子供がいないので、
どうしても親の観点ではなく、
子供として読んでしまって
いることに途中で気が付いた。
その観点で行くと、角野家の子どもには合っていたけど
私は、それではやる気にならなかっただろう、と
思うこともあった。
全ての子供が同じ方法で同じことに興味を
持つわけなどないわけで、そういう意味では、
この本にもある通り、子育てに正解はない。
とはいえ、この本に書いてあることを
試してみる価値はあると思う。
ただ、書いてある「通り」ではなく、
親が抽象として捉えないと、
「やってみたけどダメだった」と
なりかねないように思う。
著者が書いていることで一番重要なことは、
「コンクールで賞を獲ることが目的ではない」
ということに尽きると思う。
賞を目指して練習を重ねるのに、
賞を最終目的にしない、という、パラドクスで
とても高尚なことが根本にある。
本の帯には
「コンクール入賞者を延べ100名以上
輩出したピアノ指導者である著者による、
『原石を磨く』子育て論」
とある。
つまり、「コンクールに入賞」を「売り」にしておきながら、
結果が全てではないというわけだから、これは難しいわな。
頭では「大切なのは、子どもの成長、幸福」と
わかっていても、多くの親御さんが欲しいのは
「結果」ではないだろうか。
巻末には、よくある質問として、
「子どもを数学好きにさせるには?」
「共働き家庭でもピアノは上手になる?」
「子どもがクラシック音楽に興味を持たないときは?」
という問いに著者が答えている。
ちょっと 質問の質を疑ってしまう。
子どもを教育する前に、親が勉強した方が
ええんちゃうか、と思ってしまう私は傲慢だと
思う一方で、私も若い親ならそういう質問を
するのかも知れない、とも思った。
★★★★☆
2025.9.4
大阪のトイレ
先日大阪に帰省した際、あるビルの地下の
飲食店街のトイレに入った。
個室に入リ座ると目の前にこんな張り紙があった。
トイレ内での ご飲食 ご休憩 厳禁
東京では見かけたことがないような気がする。
「ご休憩」は分からんでもないが
大阪ではトイレ内での「ご飲食」も
多いということか。
もう1枚、トイレ内にあった貼り紙。
館内をご利用の方へ
トイレットペーパー三角折り 中止のお知らせ
新型コロナウイルス感染拡大を予防するため、
勝手ながらトイレ清掃後のトイレットペーパーの
三角折りを中止させていただいております。
なお、お客様におかれましてもトイレットペーパーの
三角折りをご遠慮いただきますよう、
よろしくお願い致します。(後略)
うーむ。
これも東京では見たことがないような気がする。
コロナ感染拡大予防のためとあるけれど、
コロナがなくても、考えてみれば、
清掃したり、便を足したりしたあとの手は、
けして清潔とは言い難いわけで、
そんな手で、私のお尻を拭く紙を
触って欲しくない、というのは尤もな話だ。
2025.9.5
アカウントが乗っ取られた
9月4日、21時ごろ、
インスタグラムの私のアカウントが乗っ取られた。
勝手に誰かが、私のアカウントで
詐欺の情報を流した。
私がビットコインで20万円を3時間で
200万円にしたという内容で、
信頼できるのでと、違うサイトに
誘導しようというものだった。
そうそう騙される人はいないと信じたいけど、
私が発信したことになっているので
万一被害者が出たら大変だし気持ちも悪い。
すぐにふたりの人が「乗っ取られたんじゃないか」と
LINE を送って来てくれた。
その直前にインスタから
「普段使用しているものとは異なる
デバイスから不審なログインがありました」
というメールが届いていた。
すぐに見てみるともうログインできなくなっていた。
メールアドレスも知らないものに変えられていた。
こうなると、回復するのはかなり難しそうで、
サイトに書かれているような復元の方法を
いくつか、何度も試みるも、うまく行かず
全くどうしてよいか分からない状態に陥った。
インスタグラムのサポートの表記も
不親切という印象をぬぐえない。
もっともデジタルに明るい人なら難しくないのかも
知れないが「インスタグラム サポート」と検索した
結果見つけた情報が
「モバイルデバイスで Instagram に
サポートをリクエストしてください」で、これが
どこからリクエストして良いのか分からないのだ。
2時間ほど格闘してやっとパスワードの変更に
成功したのだけど、またすぐにおかしくなった。
それが2度あって、メールアドレスを変更してない
ことに気付いて3度目にメアドを変更しようと
するも、メアドの変更を見つける前に
エラーが起き、またもやダメになった。
もしかしたら、私がパスワードを変更するたびに
乗っ取り犯にその通知メールが配信されていて、
そのたびにヤツは、イタズラを繰り返していたのかもしれない。
4度目の挑戦で、ようやくメアドの変更に成功。
と思ったら、すぐにパスワードが変更された。
その通知メールが私に届いたよ。
これは勝ち目ないわ。
向こうの方が数段上手。
もうあかんな、今日はあきらめて出直すかと
思ったけど、最後にもう一度と試して、
ようやくなんとか取り戻すことに成功した。
たぶん、相手も油断したんじゃないか。
色々見ていくと、信頼できる端末かどうか
見られるページがあって、そこには
ナイジェリアから2件、よく見ないで削除したけど
韓国か中国から1件、東京千代田区から
1件の不正アクセスが記録されていた。
どのアクセスが件の詐欺なのかは分からないけど。
それらを全て削除し、もう一度パスワードを変更し、
二段階認証というのをよく分からないながらも
設定したので、当面は安心かと思う。
1年ほど前だったか、知り合いのインスタが
乗っ取られたことがあっても全く他人事だったけど、
本当にこういうことがあるんやな。
まあ、復旧できなかったら、
インスタをやめてしまえばええだけやねんけどな。
そんな不正をする奴らに負けるのは悔しいけど
こんなもんなくても楽しく生きていけるやろ。
とはいえ、1000日連続達成をしたインスタには、
ちょっと未練があったのも事実。
ところで、勝手に変更されていたメアドは、
把握しているので、そこに不幸の手紙でも
送ってやりたいところだが、それもバカバカしいので
今回だけは許してやるわ。
けど、被害はないと思うけど、明らかに詐欺なので、
警察には届けた方が良いのかしら。
2025.9.8
有山岸
そろそろおこか
― CARELESS LOVE ―
TOUR 2010
「有山岸」はギタリストの有山じゅんじ、
山岸潤史 のデュオ。
2010年に始まったデュオで、
私は数回ライヴを観ている。
(2013年、2015年、2019年、2024年)
その「有山岸」の2010年の CDリリースを
記念して行なった、初ツアーのDVDを観た。
もう15年も前で、おふたりともまだ50代だ。
有山さんは、そのキー坊(上田正樹)の
バンド「サウス・トゥ・サウス」のギタリスト、
山岸さんは、「ウエストロード・ブルース・バンド」
「ソー・バッド・レビュー」のギタリストで
ともに1970年代の関西のブルース・シーンで
名を馳せた。
アルバムタイトルにもなった「そろそろおこか」は
上田正樹と有山じゅんじの1975年の名作
「ぼちぼちいこか」に対して出てきた言葉だと
容易に想像できるが、DVDに収録されている
ライヴの MC によると、企画が持ち上がっての
打合せで、まず「そろそろおこか」という
タイトルが決まり、それに「CARELESS LOVE」と
いう言葉を付け足し、それから曲ができていったらしい。
さて、DVD の方は、東京 青山CAY での
ライヴ映像を中心に、リハーサルの様子なども
収録されている。
ギターは二人とも TRUTH(国産ブランド)の
エレアコ。
ちょっと小ぶりで弾きやすそう。
演奏は、終始リラックス。
『なつかしの道頓堀』や
『梅田からナンバまで』が入っているのは
嬉しいし、レスポールへのトリビュートで
『世界は日の出を待っている』なんてのも
演っていて、この曲のときだけは、
リバーブを深くするのだ。
完全にパロディ・ネタと化した、
『悲しい色やね』も面白い。
会場には内田裕也さんの姿もあり、
山岸さんの若い頃の裕也さんとの
エピソードも聞ける。
天然記念物のような有山さんと、
ニューオリンズで活躍する山岸さん。
その共通言語は、ギターとブルースだ。
私の秘かな望みは、このデュオに
内田勘太郎さんが加わったトリオで、
ぜひ観てみたい。
有山さんと内田さんは、若い頃、大阪で
よくデュオをされていたように記憶しているが、
残念ながら、一度もライヴを観なかったんだ。
この7月にも「内田勘太郎 with 有山じゅんじ」
というライヴが予定されていたが、
有山さんの骨折のため叶わなかったようだ。
有山さんのケガは治ったのだろうか。
と調べてみると、9月から活動を再開された
ようで、一安心。
2025.9.9
フルマラソン6時間切りへの道 その2
本番まで60日となった 福岡マラソン。
昨年は、9月11日に「フルマラソン完走への道
その8」を書いているが、今年はようやく「その2」。
練習をしていないわけではないが、
昨年ほど自分の中で盛り上がっていない。
やはり初挑戦ほど熱いものはないのだな。
「練習をしていないわけではない」と書いたけれど
8月は暑さを言い訳にほとんど走っていなかった。
練習は、8月6日を最後に9月2日まで
4週間近くもサボってしまった。
まあ、あの暑さでは中々走る気にならない。
という言い訳。
9月に入って「このままではまずい」と練習を再開。
今月はすでに30キロ以上走っている。
4週間近くも走らなかった割には、ペースは
衰えていないと思う一方で、思ったほど
スタミナが持続しない。
5、6キロならええペースで走れるけど、
10キロになると後半ヘロヘロになってしまうんだ。
昨年は、持続力のためのサプリを飲んでいたことを
思い出し、注文した。
そんなもん、どれくらい効いているのか分からんけど、
とにかく思いつくことは全部した上で、本番に
臨まないとね。
今のところ、完走出来たとしても
とてもじゃないけど、6時間は切れそうにない。
昨年と同程度か、調子が良くても
少し早いぐらいだろう。
まあ、それでもいいや。
とにかく今年も完走だ。
2025.9.10
警告!
インスタ・アカウント乗っ取りの手口
先日、私のインスタのアカウントが乗っ取られた。
私の名前で、ビットコインで20万円を3時間で
200万円にしたという内容のストーリーが流された。
詐欺のサイトへ誘導しようというものだった。
アカウントは、なんとか取り返したものの、
その労力と時間、ストレスは取り返せない。
その乗っ取りの手口が判明した。
乗っ取られる前日に、知り合いから
インスタの DM に次のようなメッセージが届いた。
お疲れ様です!!
ビーチアンバサダーのコンテストに参加して
いるので、投票していただけますか?
私は何の疑問もなく、「ビーチアンバサダー」が
何かも知らず、「どうすれば投票できますか?」
と返した。
すると、相手から
「投票するための投票コードをテキストで
送信できるように、電話番号をお送りください」
と来た。
この時、一瞬
「あれ? 電話番号知ってるはずなのに」
と思ったのだが、それ以上深く考えもせず
電話番号を送った。
すぐに SMS に6ケタの番号が届いたので、
その番号を相手に送り返した。
その数時間後に乗っ取られた。
なぜ分かったかと言うと、そのコンテストの結果は
どうだったのだろうと思い「ビーチアンバサダー
コンテスト」と検索してみたところ、
乗っ取りの手口だと判明したのだ。
「あれ? 電話番号知ってるはずなのに」と
ほんのわずかな違和感をキャッチしていたのだが、
それを意識化するのは、かなり難しい。
「○○アンバサダーのコンテストに参加している」
という DM には、絶対に返信しないようにね。
電話か LINE で本人に連絡してみて下さい。
この手口は、昨年からあったみたい。
2025.9.12
有山じゅんじ
ラグタイムの流儀
― 弦で紡ぐありやまな音楽 ―
先日、有山岸(有山じゅんじ、山岸潤史 の
ギターデュオ)の2010年のライヴ DVD
『そろそろおこか ― CARELESS LOVE ―
TOUR 2010』を観て、改めて有山さんの
魅力を感じ、もう1本 DVD を観た。
有山さんのギター奏法にフォーカスした
『ラグタイムの流儀
― 弦で紡ぐありやまな音楽 ―』。
所謂、ギターのインストラクション・ビデオというより
有山さんがどうギターを弾いているのか、
解明しようという試みだ。
『梅田からナンバまで』などのギター奏法の
解説もあって、マニアには嬉しい内容。
キーワードは「ウキウキ」。
ビデオの中で、有山さんは「ウキウキ」と
いう言葉を 数十回言っている。
奏法云々の前にギターを弾いて
「ウキウキ」することが一番重要なんだ。
ブルースという音楽の性格もあるけど、
有山さんは、あまり細かいことを考えずに
弾いていらっしゃる。
指摘されても、ご本人が気付いていなかった
ことも多く、それが50年演奏してきて
血となり肉となっている感を強く感じさせた。
また、若い頃と比べると、年とともに演奏も
変わって来ているという話も興味深かった。
使っているギターは、1930年代のマーティンなど。
この人に、今どきのギターは似合わないわな。
あと、言葉遣いが、とても丁寧なのは意外だったけど
どこまでも、あくまでも、自然体な人だと思う。
こんな風に生きられたらと、憧れるなぁ。
私も小ぶりな生ギターで、ブルースを唄いたくなった。
(唄えへんけど。)
2025.9.13
My New Gear
DEVISER ROSETTEE
DEVISER の ROSETTA VESSEL という
ギターが好きで、今までに5本も買った。
1本は手放したので、手元にあるのは4本。
このギターは、ストラトキャスターの形を
しているのだけど、一昨年にテレキャスタータイプの
ものも発売された。
私は比較的オーソドックスなギターが好み
なのだが、DEVISER というメーカーは
木材にこだわりがあり、木目やカラーに
個性的なもの多い。
テレキャスタータイプの ROSETTA シリーズも
私にはちょっと個性的過ぎるものが多く
また、新品ギターの値段も大分上がってきており、
購入には至らなかったのだが、
先日、中古品が売りに出された。
これがとてもシンプルで 好みだったので、
毎日 ネットで眺めていた。
売れてしまえば、諦めもつくと思っていたのだが、
ついに思い切って購入に踏み切った。
本数もそんなに多く作られていないから、
次にまた出会えるかどうか分からないからね。
で、届いたモノがこれ。
中古品だったのだけど、フレットの減りを観ると
ほとんど弾かれておらず、ほぼ新品に近い。
ピックアップ・カバーがくすんでいたけれど
目立つ傷も見当たらす、これは大当たり。
モデル名は、ROSETTEE ASH HT ’23WSE/R。
「ROSETTA VESSEL」ではなく「ROSETTEE」。
「TEE」は「Telecaster」と かけているのかな。
モデル名の「ASH(アッシュ)」はボディの素材。
そのあとに続く「HT」は、フロントPUが
シングルのモデルには付いていないので、
ハムバッキンのことかなと思う。
「T」の意味が分からないけど。
「’23WSE/R」の「’23」は、2023年製と
いう意味だと思うが、「WSE/R」は
これまたよく分からない。
最後の「R」は、指板がローズウッドだから
かも知れないけど、自信ない。
色は「NA-NB」。
ナチュラルのノンバフ仕上げ(極薄塗装)と
いう意味だと思う。
で、メーカーのサイトを見て驚いた。
↓
DEVISER ROSETTEE ASH HT ’23WSE/R
私が入手した物が、まさにサイトの個体ではないか!
木目は1本1本違うので、見ていて「あれっ?
これもしかして」と思ったのだが、シリアルナンバーが
ずばり「476」だったので間違いなしね。
なんだか嬉しい。
DEVISER ROSETTEE ASH HT ’23WSE/R
[ Specification ]
Body Top:Ash2P
Body:Ash2P
Neck:Maple
Fingerboard:Indian Rosewood
Fingerboard Radius:310R
Nut:Bone
Bridge:GOTOHR GTC201
Machineheads:GOTOHR SG381-EN07 HAPM
Fret:JescarR 9662NS
Pickups:Deviser BEANO + VT1
Controls:1Vol,1Tone,3way Switch
Scale:635mm(25inch)
Width at Nut:42mm
Fingerboard Radius:310R
Finish:Top Lacquer
Weight:2.64kg
発売時希望小売価格:\265,000(税抜)
井草聖二直伝!
ソロ・ギター構築セミナー
あの名曲をアコギ1本でゼロからアレンジ!
ギタリストの井草さんのアコースティック・ギターの
セミナーをオンライン生配信で観た。
会場参加(御茶ノ水 RITTOR BASE)は
7,000円だけどオンライン視聴だと2,000円。
もちろん生で観るのとオンラインでは、
言語以外の雰囲気や臨場感は
違うのだけど、ライヴ演奏が目的でないのなら
お安く自宅で視聴できるのは、
往復の時間や交通費も助かるのは嬉しい。
ただ、オンライン視聴では、セミナーの後の
ライヴ演奏は観られないのは残念やけど。
アコギ1本で弾けるようにアレンジを学ぶための
セミナーだったが、課題曲は、アメリカの
『大きな古時計 (Grandfather's Clock)』。
1876年に発表された曲で、まだレコードが
なかった時代、楽譜の売上数がヒットの
目安だったわけだが、楽譜が100万部以上も
売れたというから大ヒットだったんだ。
作詞作曲は、ヘンリー・クレイ・ワーク。
ワークがイギリスを旅した際に泊まったホテルの
ロビーに動いていない大きな振り子時計があった。
その時計は、以前の経営者が亡くなったその日に
動かなくなったものだという。
その話を聞いたワークは、この曲を作ったらしい。
原曲の英語歌詞は、かなりロマンティックな
内容も含まれている。
(現在は曲の著作権は切れているが、
日本語歌詞の著作権は生きているという状態。)
さて、セミナーについて。
私もソロ・ギターのアレンジをするので、
大体のことは分かっているつもりではいたが、
「なるほど」と思う点がいくつもあった。
アレンジする前の楽曲への向かい合い方や
PDF で楽譜が付いているのも良かった。
何より井草さんの演奏はいつも音がきれいだ。
生演奏も一度少しだけ聴いたことがあるし、
YouTubeのショート動画にギターの弾き比べが
時々アップされているのを観るが、
どんなギターを弾いても、井草トーンなのには驚く。
安いギター、高級ギター、メーカーの違うギター、
構造の違うギター、もちろんそれぞれの音なのだけど、
明らかに井草さんの音がする。
私は、これは彼のプレイ、左手・右手の正確さや
タッチによるものではないかと思っている。
右手も左手もその所作がしなやかで無駄がない。
使用ギターは、aNueNue のシグネチャー・モデル、
LS SEIJI IGUSA。
初のベストアルバムで、全曲再レコーディングされた
最新アルバム『First Album』は、
全曲このギターでプレイされているとのこと。
2025.9.14
最後のピクニック
広告には「韓国では単館公開規模ながら
異例の大ヒット」という言葉があったので
興味を持った映画『最後のピクニック』。
人生の終わりを迎えようとしている
老人達の人生と友情の物語。
はっきりと年齢は出てこないけれど、
80代のイメージ。
老人ホームのこと、遺産のこと、家族のこと、
健康のこと、死に方のことと、様々なことが描かれている。
主役のウンシムを演じるナ・ムニ、
その友人グムスンを演じるキム・ヨンオクの
ふたりがとても良い味を出している。
どこにでも いそうなおばあちゃんだが、
映画が進むにつれ可愛く見えてくるから不思議。
残念なのは、途中で結末が分かってしまうこと。
それは脚本のせいではない。
予告編やポスターにある「二人が決めた答えを、
あなたはどう思いますか?」という言葉だ。
映画を観る前は「どういう答えを出したのだろう?」と
思っただけだったが、映画の途中で
その言葉がヒントになり、結末が見えてしまった。
こういうの、広告作る人たちにホントに考えて欲しいなぁ。
宣伝が、せっかくの映画鑑賞にマイナスになるなんて、
広告を作る人たちも望んでいないでしょうに。
ラスト15分前にトイレ(大きい方)を我慢できずに
一旦退場し、10分間ほど抜けた。
一番肝心なところを見逃してしまった。
その部分は終わってから一緒に観た妻に
聞いたけど、なんとなく評価しにくくなったので、
本作には評価なしね。
2024年製作/114分/G/韓国
英題:Picnic
劇場公開日:2025年9月12日
ふつうの子ども
本日2本目の映画は日本映画、
呉美保(お みぽ)監督の『ふつうの子ども』。
小学4年生のごくごく普通の男の子、
上田唯士(ゆいし)は、同じクラスの
三宅心愛(ここあ)の環境問題に関する
作文の発表を聴き、心を奪われる。
彼女に好かれたいがために
唯士も環境問題について学び始める。
そのうち、同じクラスの問題児、
橋本陽斗(はると)を含む3人で、
大人たちに対し環境問題を
訴えるべく「活動」を開始する。
自動車に乗るな、電気を使うな、
牛肉を食べるな、などのメッセージを訴える活動だ。
その活動が思わぬ事件を引き起こす。
主演・助演ともに、キーになる子役3人
嶋田鉄太、瑠璃、味元耀大が素晴らしい。
ドキュメンタリーかと思うほど自然な演技に驚愕だ。
ハイライトは、件の3人の保護者が
学校に呼び出されての会議室でのシーン。
ここでは、子ども3人だけではなく、
それぞれの母親の個性も露わになる。
どの母親も実際にいそうだ。
映画だから笑って観ていられるが、
当事者だとしたら笑っていられないだろう。
タイトルは、「ふつうの子ども」だが、
その「ふつうの子ども」が持つ純粋さと
危うさが上手く描かれた作品だと思う。
グレタ・トゥーンベリへの風刺も感じられたし、
環境活動家は、テロリストと紙一重というのは
子どもだけではなく大人へのメッセージでもあると思う。
残念だったのは主人公の唯士は、ボソボソ喋る
キャラなので、聞き取れない台詞が数回あったこと。
大人の出演は、風間俊介、蒼井優、瀧内公美、等。
★★★★☆
映画鑑賞後、本作品の理解を深めるために
読むと良い呉監督のインタビュー。
↓
『ふつうの子ども』呉美保監督インタビュー
未完成な親と未完成な子どもが織りなす人間讃歌
2025年製作/96分/G/日本
劇場公開日:2025年9月5日
2025.9.15
雪 風
今年は終戦80年という区切りの年で、
様々な戦争関連の映画が上映されている。
私が今までに観た戦争映画で、一番恐いと思う
『ジョニーは戦場へ行った』(1971年)も
8月に 4K版でリバイバル公開された。
恐くてもう一度、観ようとは思わないけど。
(『ジョニーは戦場へ行った』については
こちらに書いていますのでお読み下さい。)
さて、そういうわけで、今日は先の戦争を
描いた映画を二本観てきた。
一本目は『雪風』。
戦艦や潜水艦、戦闘機、戦車がメインの
映画はあったけれど、駆逐艦の物語は、
珍しいのではないかと思う。
出演は艦長寺澤に竹野内豊、
先任伍長早瀬に玉木宏、
その他、田中麗奈、中井貴一、奥平大兼、
石丸幹二、ちょい役で有村架純など。
雪風は、実在した駆逐艦だけど、
本作は史実を基にしたフィクションということで、
どこまでが史実で、どの部分が創作なのかは分からない。
雪風は戦争中、ミッドウェイ海戦やレイテ沖海戦など
数々の作戦に参加しながら、沈められることもなく
帰還したので、海軍では幸運艦と呼ばれた。
駆逐艦は、小型ゆえの機動性を生かし、
戦艦の護衛、物資運送、沈没船の乗員救助などに活躍した。
雪風は、1945年戦艦大和の海上特攻の際も護衛した。
このあたりは、史実なのだろうが、登場人物の
細かい背景などはフィクションだと推測する。
寺澤艦長は、元々米英との対戦には
反対だった人として描かれている。
武士道を重んじ、特攻について、
人の道に外れると断罪する。
当時、思っていたとしても、軍人がそんなことを
口にできたのかどうかは疑問。
後半、沖縄特攻に関する軍部の指令に対し、
異を唱える士官が多くいたことも驚きなのだが、
実際、意味のない作戦だと思いながら、
行かずにはいられなかった人も多かったのかも知れない。
寺澤の台詞にもあるが、始めたらやめられないのが戦争だろう。
沖縄への連合艦隊の特攻について、
中井貴一演じる司令長官、伊藤整一が、
軍部の指令を持って来た者に
「成否は関係なく、死ねというのか」
と言うシーンがある。
「一億総特攻のさきがけとなれ」という言葉に
「了解した」と応えた伊藤は、大和と運命を共にする。
本土の空襲を受けるまでに劣勢で
東京を焼き野原にされた日本の軍人は、
一体どこまで戦えると思っていたのだろう。
どこまで戦う意味があると思っていたのだろう。
そんなこと考えられないくらい狂っていたのだろうか。
戦争の無意味さは、本作からも十分感じとれたが、
残念ながら、映画としては思うところが多い。
まずカメラワークがまずい。
寄りの構図が多過ぎる。
カメラを引くと余計なものが映ってしまうので、
それを防ぐために寄っているかのように思えた。
雪風が、沈没した艦の乗組員を救助するシーンは、
数回出て来るが、ほとんど同じで、観ていて
セットで撮影したんだろうなと思ってしまった。
あとこの時代なのに CGもちょっと弱い。
これらは、全て予算との関係なのかも知れないけど。
そして、何よりラストに興醒めのシーンがあった。
ネットを見ると、これには私だけではなく、
マイナス評価をする感想が散見された。
(ここには書かないけど)あんな演出は要らんと思う。
良い題材、良いキャストなのにもったいない。
最後の有村架純(寺澤の娘)のシーンも蛇足に感じた。
(有村架純は好きやで。)
娘は父親の意志を継いだんだと、
言いたいことは分かるけどな。
別になくても充分やん。
そのシーンの前に「10年後」というテロップが出る。
直前に1970年の万博が映っていたので、
1980年ということか?
1980年だとすると、有村演じる娘は40歳ぐらいに
なっているはずで、絵と合ってない。
戦後10年という意味なら、娘はまだ大人に
なっていないので違うだろうし。
なんで10年後ってしたのか、これはよく分からなかった。
思うに、ちょっと詰込み過ぎというか、
言いたいこと多すぎという印象。
こういうのは、観客に問題提起、問いかけるだけで
ええんちゃうかと思う。
★★★▲☆
2025年製作/120分/G/日本
劇場公開日:2025年8月15日
長崎 ー閃光の影でー
終戦80年と1か月、本日二本目の映画は、
『長崎 ー閃光の影でー』。
1945年、原爆投下直後の長崎で、
看護学校の学生だった3人の少女達の視線で、
長崎の惨状を描いた作品だ。
当時の看護師たちによる手記「閃光の影で
−原爆被爆者救護赤十字看護婦の手記―」を
原案に作られた。
観ながら、終始「(その悲惨さは)こんなものでは
なかっただろう」という思いが消えなかった。
家族が黒焦げになって死んでいる。
救護所では、目の前で人が次々と死んでいく。
ケガのあとにウジが湧いている。
どんなに悲惨に描こうとしても、
現実に照らし合わせると、どうしても
マイルドな表現になってしまうような気がした。
救護所にいる男性の着ているシャツが
全く汚れていなかったりするのも気になった。
もちろん私は、リアルで現場を見たわけではないし、
この映画ににそういう面でのリアリティを
求めているわけでもないのだけれど、ただただ、
映画で描けるレベルのものではなかっただろうと想像する。
私的に本作のハイライトは、3人の看護学生が
リアカーを押しながら会話するシーン。
原爆で親兄弟を亡くした一人が、
「敵も原爆も絶対に許さない」と言うと、一人が
「許さなくてどうするの?ずっと憎んで生きるの?
勝つまで戦うの?」と問いただす。
「私はそんな風には生きたくない。だから、許したい」と。
台詞は正確ではないけど、そんな内容。
答えのない問い。
許せないけど、
憎み続けたくない。
でもやっぱり許せない。
世界唯一の被爆国である日本には、
原爆が2発落とされた。
亡くなった犠牲者の数は、広島と長崎を
合わせると(正確な数字は分からないようだけど)
1945年だけで 21万人とも言われる。
そして あれから80年経った今、
世界中にある核弾頭の数は、
1万2千発を超えるらしい。
そんなに要るか?
そんなにたくさん核を持って、
人類は、どこへ向かっているのだろう。
核ミサイルをちらつかせないと
平和が維持できないほど
人間は愚かな生き物なのだろうか。
今日観た2本は、楽しい映画では
ないことは分かっていた。
特に『長崎』は、しんどい映画だろうから、
積極的に観たいと思っていなかったのだけど、
改めて、戦争と平和、生きることについて
考える機会となった。
途中、朝鮮人を差別する台詞がある。
看護婦が「朝鮮人は治療しない」と言うのだ。
激しい台詞にドキリとしたが、そういうことも
当時実際にあったのかも知れない。
(日赤の看護師が差別発言をしたという
記録はない、とエンドロールでテロップが出ます。)
このことを描くのは、きわどいと思ったのだけれど、
この差別発言と、先に触れた映画における被害の
リアリティについて、監督の松本准平氏(長崎生まれ)と
プロデューサーの岩本炯沢(けいた)氏(広島生まれ)が
インタビューで語っており、本作品を理解する上で
とても良いので 興味のある方はお読みいただきたい。
↓
若者目線で原爆描く『長崎―閃光の影で―』。
被爆3世の監督・プロデューサーに聞く、戦後80年の思い
主題歌は、長崎出身の福山雅治がプロデュース。
語り手には、10歳のときに長崎で被爆した美輪明宏さん。
ところで、本作の舞台は8月の長崎なのだが、
驚くほどに長袖を着ている人が登場する。
長袖シャツに長袖の背広やジャケット、
中には長袖の黒い詰め襟を着ている人までいる。
当時の服装とか、必ず時代考証がされているはずだけど、
80年前の日本の夏は、今と比べてそんなに涼しかったのだろうか。
そういえば、2015年の映画『母と暮らせば』も
8月9日の長崎のシーンで、主役の二宮和也が
長袖のシャツの上に長袖の詰襟の学生服を
着てて違和感があったのを覚えてるわ。
★★★▲☆
2025年製作/109分/G/日本
劇場公開日:2025年8月1日
冒頭に今日のことを「終戦80年と1か月」と書いた。
でも、8月15日に戦争が終わったわけでは
ないのは、この2本の映画や今年7月に観た
『木の上の軍隊』を観ればよく分かる。
日本政府は、8月14日にポツダム宣言を
受諾し、15日に天皇がラジオで国民に発表した。
8月15日には、一応戦闘は停止されたけれど、
終戦を知らない兵士もたくさんいただろうし、
日本の降伏を受け入れられない兵士も
いたことと思う。
実際に降伏文書に調印したのは、9月2日のこと。
しかし、9月2日に戦争が終わったわけではない。
沖縄の現状や世界を見渡せば、
本当にあの戦争が終わったのかどうか分からなくなる。
2025.9.16
ロバート・レッドフォード
ロバート・レッドフォードが亡くなった。
89歳だった。
私が子どもの頃は、ロバート・レッドフォードは
男前・ハンサムの代表みたいな人だと思っていた。
そんなにたくさんの出演作を観たわけでは
ないけれど、一番印象に残っているのは、
『Sting』(1973年)だな。
ポール・ニューマンとの共演で、ラストシーンは
ぶっちぎりに面白かった覚えがある。
大人になってから、ビデオで観たんだけどね。
2014年に劇場で観た
『オール・イズ・ロスト 最後の手紙』で、
ずい分と顔つきが変わってしまったと感じた。
最後に観た作品は 2016年に観た
『ニュースの真相(TRUTH)』。
ケイト・ブランシェットとの共演で、
ブッシュ元大統領の軍歴詐称疑惑に迫る
実話で面白かった。
1936年生まれだったので、私や妻の両親と同世代。
監督としては、アカデミー監督賞を受賞
(1981年 『普通の人々』)したけれど、
俳優としては、ノミネート(しかも一度)で
終わっているのは、とても意外だった。
別にアカデミー賞を獲ったから、
良い俳優というわけではないけどね。
合掌。
Rest In Peace