2020年3月
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2020.3.1
MATON Guitars Presents
黒田晃年
〜アコースティック・ギターワークショップ〜
今日は、恵比寿のドルフィンギターズで
黒田晃年さんのギターワークショップ。
黒田さんのことは、知らなかったのだけど、
YouTubeを観たら面白そうだったので、
行くことにしたのだ。
布袋寅泰のツアーギタリストというから、
腕は間違いない。
コロナウイルスのせいか、
人数が少なかったおかげで
たくさん質問できた。
参加者の中で一番多く質問したよ。
参加者は、どうやら布袋さんのファンか、
黒田さんのファンが多いような印象だった。
MATON Guitars Presents ということで
黒田さんのギターは、MATON の
Custom Shop 製。
これが良く鳴る。
終わってから、少し弾かせていただいたけど、
これまた弾きやすい。
MATON は、オーストラリアのギターメーカー。
Custom Shop は、マスタールシアーの
アンディ・アレンが全ての工程を一人で
製作しているのだという。
もちろん トミー・エマニュエル のギターも
Custom Shop 製だ。
アコギ(エレアコ)を買うなら、
ここんとこずっと、MATON だと思っているが、
あまり必要に迫られることがないので、
先延ばしにしている。
どうせ買うなら、Custom Shop 製が
いいなぁ、と思うが、当然高いです。
(70〜80万円ぐらい。)
そして、今日のアンプは、
"Udo Roesner Amps" の "Da Capo 75"
"Udo Roesner Amps" は、AER の
創業者 ウド・ロースナー が
新しく立ち上げたブランドで、
早速、トミー・エマニュエルも使い始めたようだ。
私は、AER の "BINGO II" というアンプを
持っているが、これが60Wだったのに対し、
"Da Capo 75" は大きさはほとんど同じまま、
75Wにパワーアップ。
私の "BINGO II" はもう15年も前に
買ったものなので、"Da Capo 75" は、
いろんな面で進化しているのを感じた。
それでいて、10万円を切っているのは
素晴らしいと思う。
"BINGO II" は、確か10万円以上したよ。
これは、買い替えだな。
音は、ちょっとコンプ感が強い感じがしたけど、
私は黒田さんみたいに強く弾かないので
たぶん気にならないだろうと思う。
ワークショップの内容にも触れておこう。
少し、デモ演奏的なプレイのあと、
質疑応答に入った。
布袋さんと演っていることでの
裏話的な話が面白かった。
どんな難しいリクエストにも応える、
黒田さんのプロ根性も感じた。
「できません」なんて答えはないのだ。
ご本人は自分のことを
「負けず嫌い」と言っていたけど。
私がしたいくつかの質問の一つに、
「プレッシャーにどう対応していますか?」と
いうものがあったのだけど、
ご本人はこのことについて、いろんな本を
読んだりして研究というか、ずっと考えて
来られたようだ。
曰く、「すごく緊張する」と言っていたけど、
私の印象は黒田さんは緊張はしても
プレッシャーに弱い人ではないと思った。
でなければ、プロでやっていけないだろう。
言葉の端々から、布袋さんへのリスペクトも
大いに感じた。
ご自身のリーダーバンドでは、
違うのかもしれないけど、誰かのサポート、
今なら布袋さんのサポートメンバーでいる限り、
布袋さんの音楽をサポートし、
布袋さんのファンが喜ぶ音楽を
創らなければならない。
それが仕事だ。
そういう意味で、黒田さんはアーティストというよりは、
アーチザン(職人)だと思った。
会場には、ソロ・アコ―スティック・ギタリストの
井草聖二も来られていて、最後には
おふたりでセッション。
たっぷり2時間、楽しかった。
with Akihiko Kuroda
@ ドルフィンギターズ 恵比寿店
2020.3.2
身体のこと
2週間前の水曜日、
ちょっと食欲がなくて夕食を抜いた。
その日は、特に具合が悪いわけではなかった。
ギターを弾いたり、写真の編集をしたりしていて、
集中して夕食を食べるタイミングを失い、
食べないことが時々あるので、
その日もそんな感じだった。
翌日、胃に違和感があり、昼食も食べず、
眠いのとしんどいのとで、早退して、
午後3時ごろから寝た。
翌々日が姪の結婚式で、
翌日は山形から義父が出てきたので、
夕食は一緒に食べたが、
50数時間何も食べていなかったのに
食欲はなかった。
しんどいのは治ったけど
ずっと空腹感がなく、食べようと思えば
食べられるけど、食欲が湧かない。
こんなこと珍しい。
2月19日の体重は、79.6キロだったのに
昨日(3月1日)は、75.7キロまで落ちた。
数カ月前にも似たような症状の日が
あったのだけど、その時は1日寝たら治った。
調子が悪くても、そんな風に大体1日で
回復するのだが、今回はちょっと長いびいたので、
念のため、先週の水曜日に医者に行った。
特に検査をするわけでもなく、
お腹を触診しただけで、薬を出された。
私の説明と触診から、胃に炎症を
起こしているとの判断のようだった。
1週間薬を飲んで、改善が見られなかったら、
次の検査をしましょう、ということだった。
胃の違和感は、2週間前のそれとは
違うが完全になくなったかといえば、
そうでもなく、旺盛な食欲が
戻ってきたわけでもない。
でも、特に具合が悪いというわけでもない。
なんだか変な感じだが、今日も夕食を
食べなかった。
昼食は食べたし、夕食も
食べようと思えば食べられるし、
食べることを我慢しているわけではないが、
減量しようと思ってもなかなかできずにいたので、
この機会にもう少し体重を落とそうという
魂胆もある。
食欲のある時は、食事を抜こうと思っても
中々できないからね。
今年で58歳。
もう、そんなに食べなくても良い年に
なってきたのだろうか。
でも、また調子が戻ってくると
きっと食い意地が張るに違いない。
2020.3.4
コロナの影響 拡大
新型コロナウイルスの国内感染者は、
(クルーズ船の乗客・乗員などを含めて)
1000人を超えた。
大阪のライヴハウスで、男女4人が
新型コロナウイルスに感染していたことが、
数日前に発表されたことも影響してか、
イベントの自粛はエスカレートしている。
報道にいちいち「ライヴハウス」と
付くのが気になっていたが、
ついに心配が現実のものになった。
Billboard Live は、2月28日から
3月11日までの 東京と大阪の全公演の
中止をしたが、ブルーノートは注意しながら
営業を続けるというスタンスだった。
しかし、コロナウイルスの世界的な感染の
影響で外タレの来日と帰国の担保が
難しくなり、ついにブルーノートでも
数公演の延期が発表された。
今週来週、私が行く予定にしていた
ライヴが4本とも 延期になった。
延期といっても、いつ延期公演が実現するかは
全くの未定だ。
行く予定だったのに延期になったライヴ
3月5日(木)@ Blue Note
MIKE STERN - JEFF LORBER FUSION
3月9日(月)@ Blue Note
BECCA STEVENS
3月11日(水)@ Blue Note
MORGAN JAMES
3月12日(木)@ 下北沢GARDEN
Funk on Da Table
たまたま行きたい公演が重なり、
8日間で4本の予定だったが、
4本ともなくなってしもた。
全て、いったん払い戻しだ。
う〜ん、残念だが仕方がない。
来週の土曜日(3月14日)は、
コットンクラブで、JULIAN LAGE TRIO を
1部2部通しで申し込んでいるので、
これはなんとかキャンセルにならないで欲しい。
そんな風に思うのは、自分勝手なのだろうか。
▲ ▼ ▲ ▼ ▲
「新型コロナウイルスの影響で
トイレットペーパーの原料が中国から
輸入されなくなる」というデマが流れ、
スーパーやドラッグストアから、
トイレットペーパーが消えた。
電車の中で咳をしていた女性に
「隣の車両へ移れ」と言った男性が
他の男性と口論になった。
パレスチナで日本人女性が
パレスチナ人女性から
「コロナ、コロナ」とからかわれ、
(小学生低学年レベルやん)
スマホのカメラを向けた日本人女性は、
暴行を受けた。
(パレスチナ人女性は逮捕された。)
ドイツのサッカーの試合で、
日本人観客が新型コロナウイルス感染の
疑いでスタジアムを追い出された。
色んな事件が起きていて、
いちいちニュースを見ていられないのだけど、
そんな中で読んだある記事が興味深かった。
有料記事なのでリンクを張れないのだけど、
イタリア、ミラノの休校になった高校の
校長先生が学校のウェブサイトで
生徒に向けて書いたメッセージについての記事だ。
マンゾーニが19世紀に書いた「いいなづけ」という
小説には、イタリアでペストが大流行した
17世紀の混乱が書かれているらしい。
そこには、外国人への恐怖、感染源の
ヒステリックな捜索、専門家への軽蔑、
デマ、ばかげた治療法、必需品の盗難などが
書かれているのだという。
校長は、「これらはマンゾーニの小説からでは
なく、今日の新聞から出てきたかのようだ」と。
そして、「集団の妄想にとらわれることなく、
必要な予防をした上でいつもの生活を
送ってください、と言いたいです。
こんな時だからこそ、散歩をしたり、
良い本を読んだりしてください」と
冷静な生活を送るよう訴えている。
どんなに技術や医学が進歩しても、
21世紀になったって、
人間は進化してないんだな、と思った。
こういう事態に陥った時、
人間の敵はウイルスではなく
「人」になるのが一番厄介だ。
私もデマに振り回されないよう、
自分の感覚から冷静さを失わないよう
気を付けよう。
有料でない記事を見つけたので、リンク張っておく。
ペスト時代の教訓から学べ 休校のミラノで校長のメッセージが話題に
デマに振り回されるな! イタリアの校長のメッセージが話題に
2020.3.5
コロナの影響 拡大 2
昨日は、今週来週に観に行く予定だった
4つのライヴが延期(実質キャンセルだと
思っている)になったことと、
来週の土曜日(3月14日)のジュリアン・
ラージ・トリオ(@コットンクラブ)は、
キャンセルにならないで欲しいと書いた。
しかし、今日コットンクラブから、
「ジュリアン・ラージ・トリオ 公演延期の
お知らせ」というメールが届いた。
う〜む、残念だ。
興行やイベントの自粛(中止)にていては、
色んな意見が飛び交っている。
「命があれば、延期したってまたやり直せるけど、
命を失ったら、何もできない。
大切な命を守ろう」
そんな風に言われたら、全くその通りだと思う。
でも、心の中のザワツキは収まらないんだな。
正解がないのは分かるし、
ここは少しでも感染が広がらない方法を
取るのが賢明なのも分かるけどね。
2020.3.7
マッコイ・タイナー死去
3月6日、米国ジャズピアニストの
マッコイ・タイナー(McCoy Tyner)が亡くなった。
81歳だった。
マッコイ・タイナーは、ジョン・コルトレーンとも
演っていたジャズ界の巨人。
私はマッコイについて詳しくはないが、
10年以上前に『Guitars』という
タイトルのアルバムを買ったことがある。
(2008年発売)
マッコイ (pf)、ロン・カーター (b)、
ジャック・ディジョネット (dr) のトリオに
ゲストのギタリストを迎えて録音されたものだ。
ギタリストは、マーク・リボー、
ジョン・スコフィールド、ベラ・フレック(バンジョー)、
デレク・トラックス、ビル・フリゼールという布陣。
ちょっと癖のあるギタリストの選出は、
プロデューサーの手腕だろうか。
5人のギタリストの個性の違いが激しい。
5人中3人(ジョンスコ、デレク、ビル)は
複数回ライヴに行っている大好きなギタリストと
いうのも嬉しいアルバム。
合掌。
"FLY WITH THE WIND"
2009年の東京JAZZでの演奏。
マッコイ・タイナー(p), ジョン・スコフィールド(g)
ジェラルド・キャノン(b), エリック・カマウ・グラヴァット(ds)
2020.3.9
淪落の人
淪落人 / Still Human
昨日は、久しぶりに香港映画を観てきた。
『淪落の人』。
「淪落(りんらく)」とは、知らなかったけど、
「おちぶれること。また、堕落すること」の意。
英語題の「Still Human」と合わせて
考えると「落ちぶれてもまだ人間だ」と
言うことだろうか。
ネットでは、大変高評価なので
気になっていた作品だ。
(先日観たときには「4.57」だった。)
事故で、腕以外が麻痺し、車いす生活になった
男性とフィリピン人の住み込み家政婦の
1年間の物語。
一見気難しそうだけど、実は優しい車いすの男性
リョン・チョンウィンにアンソニー・ウォン、
訳ありのフィリピン人家政婦エヴリンに
香港滞在が十年を超える女優クリセル・コンサンジ。
ふたりとも とても良いです。
現実は、この映画ほど甘くはないと思うけど、
言葉が通じなくても、人生の背景が違っても、
人と人は分かり合えるんだと思える
希望の物語でもある。
そして、香港では外国人家政婦のことを
見下げて差別している現実も描かれている。
世界中どこに行っても、この人間として
優劣を見てしまう性(サガ)は、共通なのかもしれない。
監督は、オリヴァー・チャン(女性)で初長編作品。
ウエブサイトの「PRODUCTION NOTES」に
この映画のヒントになった、
監督自身の体験が書かれている。
自身の母親が、事故による脊髄損傷から
車いす生活で苦労したことで
障害者と介護者の物語を撮りたいと
思うようになったのだという。
以下、ウエブサイトから一部引用。
「数年前のある日、
家の近所である光景を見ました。
フィリピン人女性が車椅子の後ろに乗り、
車椅子には中年男性が座っている。
彼らが路上を走り去っていく時、
彼女の長い黒髪は風になびいていた。
2人とも微笑みを浮かべ、
若干の甘い雰囲気すら漂わせている。
私はとっさに
『それはマズいでしょう』と思いました。
でも考えてみれば、本当に“マズい”のは
私のこうした考え方のほう。
背景や文化がまったく異なる見知らぬ2人が、
数奇な運命の末にめぐり合い、
互いの人生の中で最も親しい人になる…
それはきわめて美しいことです。」
監督のこうした世界と自分への観察が
本作のきっかけになっている。
監督は続ける。
「彼らの境遇や関係性を借りて
『愛や欲望、夢など、人生における美しいものを
抱く権利は、誰にでもあるのでは?』と
問いたかったのです。
弱い立場にある人がそうしたものを求めると、
なぜ現実味がないだとか、さらには
不快とさえ思ってしまう人もいるのか。
人生のどん底にある人は、一体どうやって
その先の人生に向き合えばいいのか。
こうした多くの自問や想像、考察を経て、
2人の“淪落の人”の物語が
だんだんと形作られました。
そしてついには、彼らが風の中を走る姿は、
私の頭の中だけの存在ではなくなり、
皆さんに温かさを伝えられる感動的な
作品になったのです。」
主人公ふたりだけではなく、
田舎から出てきた時に、
リョン・チョンウィンに大変世話に
なったっという青年ファイが、
家族のように関わっていることも
この映画の大きな要素だと思う。
淪落の人 オフィシャルサイト
★★★★★
黒い司法 0%からの奇跡
JUST MERCY
「黒い司法」とはまた思い切った邦題を
付けたものだ。
原題は「JUST MERCY」。
「まさに慈悲」「ただの慈悲」といったところか。
映画を観終えると、タイトル(原題)がなぜ
「JUST MERCY」なのか、ちょっと疑問だった。
「JUST JUSTICE」の方がピンとくるのだけど、
もしかしたら「MERCY」を「慈悲」と訳すことが
正確ではないのかもしれないな。
先日観た『リチャード・ジュエル』も
米国で実際にあった冤罪のはなしだったけど、
本作も実際にあった冤罪の話。
1980年代後半が舞台だ。
アラバマ州で、身に覚えのない
殺人犯として逮捕されたウォルター・マクミリアン。
黒人だというだけで、犯人に仕立て上げられ、
死刑の宣告を受ける。
そこに新人弁護士のブライアンが登場。
ウォルターの無実を証明しようとするが、
これはもう白人権力との闘いで、
誰が見ても無実だろうと思うことさえも
認められない状況なのだ。
アラバマ州にとっても、米国司法にとっても、
不名誉な冤罪事件だと思うが、
いまだに米国では冤罪が多いようだ。
今でも時々、白人警官による黒人への
違法な暴力などが報道されるように思う。
人間の心理の奥底に刷り込まれた
思い込みの恐ろしさだと思う。
無実の死刑囚にジェイミー・フォックス、
ハーバード出の弁護士にマイケル・B・ジョーダン。
マイケル・B・ジョーダンって、何に出てたっけと
思ったら、2015年の『クリード チャンプを継ぐ男』
(ロッキーシリーズ)でアポロの息子役で
迫力満点のボクシングシーンを演じた人でした。
奇しくも昨日観た2本は、
どうしようもない不運に見舞われた人たちの映画。
なぜ、歩いていただけで事故に遭い、
半身不随にならなければならないのか、
なぜ、何もしていないのに死刑の罪を
着せられなければいけないのか、
現実の人生は説明のつかないことだらけ。
そんな人生でも、「希望」は誰にも奪えないし、
人間だけが、失わずに持ち続けられるものでは
ないかと思うのでした。
★★★★★
ところで。
新型コロナウイルスの影響で、たくさんの
イベントやライヴが中止になっている中、
映画館は、営業を自粛しているのは、
渋谷の「ル・シネマ」ぐらいで、
ほかはどこも営業しているようだ。
(ほかにもあるかも知れないけど。)
映画館では、じっと座っているだけだし、
喋ったりしないので、感染の確率も
低いということなのかな。
『淪落の人』を観た新宿武蔵野館では、
席を一つ飛ばしに販売するという
特別な措置に出ていたけど、
『黒い司法〜』を観た新宿ピカデリーは、
通常どおりでした。
2020.3.12
さようなら ヤスマ・ギター
私の記憶が間違っていなければ、
このギターは、1973年 私が
小学5年生の夏休みに買った。
YASUMA MODEL No.1600
大阪・心斎橋のヤマハか三木楽器で、
1万円ぐらいだったと思う。
小遣いを貯めて買った初めてのギターだ。
当時は、情報源も少なく、
弾き方や理屈が分からないことが多くて、
あんまり熱心に練習した覚えがない。
でも、一つのこと、例えばアルペジオで
Eマイナーの時は、6弦の開放がベース音に
なるとか、そんなことを知るたびに
弾き方が分かって面白かった覚えがある。
高校の入学祝に親にギターを
買ってもらうことになり、なぜか私は
12弦のアコースティック・ギターを選んだ。
ヤマハの、定価が5万円のギターだったが、
大阪を離れるときに売ってしまい、
品番も覚えていない。
(L12-5 だったような気がするが確かでない。)
12弦ギターを買ったことは、その後、後悔した。
だって、普通に弾けないのだもの。
話がそれた。
中学時代は周りにギターを持っている友人は、
ほとんどいなかったのだが、高校に入学すると
多くの友人がフォークギターを持っていた。
そのほとんどが、モーリスだったような気がする。
当時、深夜ラジオを聴くと、アリスの
「モーリス持てばスーパースターも
夢じゃない」というとんでもない CM が
流れていたもんね。
ヤスマのギターは、私以外持っている人に
出会ったことがない。
私のヤスマは、マーティン(米国の老舗
アコースティック・ギターメーカー)の
OOOモデルのコピーだが、マーティンに思い入れが
なかった私には、皆のギターより
ちょっとサイズが小さいことが不満だった。
今なら、OOOモデルは、全く OK どころか、
むしろ このサイズが 好きだけどね。
おまけにもう1本は、12弦という特殊ギターで、
いろんな場面で弾きにくくこれもやや不満だった。
バンドを始めると、エレキギターがメインになった。
そして、30歳ぐらいでオベーションを買うと、
ヤスマの出番は完全になくなった。
人前で弾いた最後の記憶は、
30年以上前のバンド仲間の結婚披露宴だ。
弾きもしないのに人生最初のギターなので
処分できずにずっと持ってきた。
47年も。
最近は、弦も張っておらず、最後に弦を
張ったのは何年前か覚えていないほどだ。
先月あたりから、以前から気になっていた
物の整理をぼちぼち始めた。
先月は、CDやDVD、本を200点近く
BOOKOFFに持ち込んだ。
今月は、楽器・機材やCD・DVDを
ヤフオクで20点ほど処分した。
合計金額は、20万円を超えたが、
それは新しい機材の購入資金だ。
(結局、買うんや。)
そして、ついにヤスマも
人の手に渡ることになった。
ネットオークションに出すために
弦を張ろうとしたら、すでにナットも
取れていた上にペグのポールが取れた。
これでは、弦が張れないので仕方なく
ジャンク扱いで 300円 で出品した。
3,000円ぐらいになればいいやと思っていたら、
なんと8,250円で落札された。
スゴイ。
ヤスマは、安間公彦さんという方が、
昭和24年に設立されたブランド。
以前、発見したヤスマ楽器のウェブサイトが
こちら。
私の所有していた No.1600 も載っている。
47年も持っていたので、
手放して、ちょっと寂しい気もするけど、
新しいオーナーが、弾いてくれることを祈ろう。
最後の写真に見える、ボディに付いている
ストラップピンは、私が(たぶん)中学生の頃、
レスポールみたいにストラップをかけたいと思い、
ストラップピンを買ってきて、自分で付けた。
カッコよくギターをぶら下げられると思ったら、
薄い板にねじを差しただけなので、
一発で外れてしまった。
全く、頭が悪い。
で、仕方なくボンドで固定して、
ただの飾りになった。
2020.3.14
Fukushima 50
フクシマフィフティ
2011年3月11日の地震による津波で
大被害に遭った福島第一原発の
当時の実話をもとにした映画。
何度か劇場で予告編を観たが、
気にはなるもののあまり観たいと思えなかった。
いくつかのレビューを読んで、
観ることにしたのだが、観終えてから
どうして観たくなかったんだろうと考えてみた。
思うに、原発事故を含むあの大震災が
私に与えた衝撃は、9年経った今も、
心の奥底にしっかりと残っていて、
もう思い出したくないとか、
なかったことにしたい、と無意識に
思っていたのではないか。
原発は危険だと思い知らされた上に、
あの時、計画停電だ何だのとあれだけ
電気の不足を謳い、国中で節電をしたのに
何事もなかったかのように
平気で電気を使う自分の罪悪感への
直面を避けたかったのではないか。
もっと単純に観る前から、
楽しい映画ではない(多分疲れるだろう)
ことが分かっているのに、わざわざ観たいと
思えなかっただけかもしれないけど。
あの頃は、連日のショッキングな映像と
ニュースで、気付かないうちに
心が異常モードになっていたと思うのだが、
私は、原発の事故について、
ほとんど何も覚えていなかった。
爆発があったことさえ、
そういえば、そうだったっけという程度。
でも、建屋が吹っ飛んだ後の映像は
見覚えがある。
福島で故郷を捨てざるを得なかった方々には
申し訳ないような記憶だ。
あの日、福島第一原発には
大勢の職員がいて、
彼らはその非常事態をなんとか収めようと
文字通り命がけで、現場を守っていた。
それは考えてみれば、当然のことだが、
私は彼らについて何も知ろうとしなかったし、
思いを馳せたこともなかった。
この映画は、あの日現場で
奮闘した人たちの物語だ。
福島第一原発1・2号機当直長、
伊崎利夫に佐藤浩市。
福島第一原発所長、
吉田昌郎に渡辺 謙。
そのほか、吉岡秀隆、安田成美、
火野正平、平田 満、萩原聖人、
小倉久寛、緒形直人、田口トモロヲ、
段田安則、篠井英介、佐野史郎、
吉岡里帆、富田靖子、斎藤 工、
泉谷しげるなど、豪華キャストだ。
で、映画の感想。
概ね良かった。
知らなかったことが知れたし、何より
停電した現場で命を懸けて働いた
原発のスタッフには頭が下がる。
映画で描かれていることが事実だとしたら、
最悪の事態では東京に住めなくなっていた
可能性もあったんだ。
しかし、一抹の違和感も感じた。
まず、アメリカ、米軍の描き方。
「トモダチ作戦」のことは覚えている。
でも、この映画に「これ要るか?」という
程度の扱いなのに、もの凄く
アメリカに気を使っている感、
もっといえばゴマ擦ってる感があった。
それなら、日本の自衛隊に
もっとスポットを当ててもいいだろう。
彼らは、原発に出向いて
作業にあたっていたんだから。
感想を「概ね良かった」と書いた。
そして、ネット・レビューでも評価が高い。
一方で、低評価のレビューを読むと、
手放しに「良かった」とは言えないものを
感じるのも確か。
映画は「真実の物語」と謳っているが、
事実と違うことも含まれているようだ。
多少の脚色レベルなら構わないが、
もっと深いところで、政治的なレベルで。
なので、本作をプロパガンダだとまで
言う人もいる。
単純に全てを鵜呑みにするのは
危険だと思うが、これは難しい問題だ。
想定外の津波が来たことが、事故の発端だが、
311地震以前に10メートル以上の津波の
可能性が示された際、
東電の原子力設備管理部は
「そんな津波がくるはずがない」と
対策を講じなかった。
その原子力設備管理部の当時の部長が
この映画ではヒーローの一人として
描かれている吉田所長だが、
そういうことには、映画では触れられないわけだ。
原発事故について、詳しく知っている人は、
そういう点を正直に描いていないことに
怒りと不信感を抱いている。
吉田所長は最後に「自然を甘く見た」と
言うのだけど、津波対策を講じなかった
張本人が吉田所長だと知っているのと
知らないのとで、このセリフの印象は
大きく違ってくる。
これがフィクションだったらいいけど、
残念ながら、事実だということで、
色んな立場の人がいて、
話が込み入り過ぎているように思う。
最後に「東京オリンピック2020は、
復興オリンピック」というテロップが流れる。
新型コロナウイルスのせいで、
オリンピックの開催さえ危ぶまれている今では、
この言葉も私にはむなしく思えた。
ウイルスもある意味、自然だとすれば、
この映画が訴えている通り、
人間は本当に自然をコントロールできない。
原発のスタッフは本当にすごいのだけど、
これを彼らの美談で終わらせるのではなく、
そもそも起きなくて良いこの事故が
なぜ起きたのか、そこをもっと掘り下げないと
いけないなと思ったのでした。
あと 大事な場面で流れる音楽が、
なぜ『ダニーボーイ』(もともとは
アイルランド民謡)なんだろう。
なんで、日本の曲じゃないんだろうと
いうのも気になった。
映画の途中で
「こんなのは捏造だ!」と叫んで
席を立った人がいると、
複数のレビュー(少なくとも3件)で
読んだのだけど、そこまで賛否を生む
問題作でもあるのだと思う。
同じ人だったりして。
★★★★☆
地獄の黙示録 ファイナル・カット
APOCALYPSE NOW FINAL CUT
フランシス・フォード・コッポラ監督による、
1979年のアメリカ映画『地獄の黙示録』。
その40周年記念版の『ファイナル・カット』。
公開された当時、高校生だった私は
「黙示録」が読めず、
「地獄のだんじろく」と読んで
友人に笑われた覚えがある。
そんなこと覚えているのは、
よほど恥ずかしかったんだな。
さて、本作、ビデオで観ていても
おかしくない作品なのだが、
一度も観た覚えがない。
このたび、コッポラ監督自身が
再編集をし「最終版」と呼ばれる
『ファイナル・カット』が上映されるにあたり
これは劇場で観ないとと思っていた。
なぜ「最終版」というかというと、
2001年に発表された特別完全版は、
1979年の劇場公開版より
30分長かったらしいが、
『ファイナル・カット』はそれより
20分短くなり、新たなデジタル修復を
施したのだという。
しかも IMAX。
コッポラ監督も80歳なので、
本作をいじることももうないということやろな。
今まで数本 IMAX で観てきたけど、
もしかしたら、初めて IMAX の
良さを体験したように思う。
音が良かったし、ヘリの音とか
リアルやった。
そして、CGなしの撮影というのが
これまたスゴイ。
ホンマにジャングル焼いてるんやもん。
今だったら、出来ないというか、
やらないよ、きっと。
ベトナム戦争中、ウィラード大尉は、
軍上層部から特殊任務を命じられる。
カンボジア奥地のジャングルで、
軍規を無視して自分の王国を
築いているカーツ大佐を殺せという命令だ。
ウィラード大尉は、4人の部下と共に、
ボートでヌン川を上っていく。
このウィラード大尉を演じている役者を
誰か知らずに観ていたのだが、
チャーリー・シーンに似てるなぁと思ったら、
父親のマーティン・シーンでした。
182分と長い映画だけど、長くは感じなかった。
ひと言でいうと、「狂気」の映画。
『ディア・ハンター』にしろ『プラトーン』
『カジュアリティーズ』にしろベトナム戦争を
描けば狂気になるのかもしれないけど。
ロバート・デュバルが演じるキルゴア中佐。
あまり出番は多くないけど、本作で
アカデミー賞助演男優賞にノミネートされている
このキルゴア中佐も狂気の極み。
まず、ヘルメットも被らず、
伏せたりしないのに、弾が当たらないね。
ほんでもって、戦闘の最中に
サーフィンしようとするね。
こんな人、おらんやろと思うけど、
きっと狂気の表現なんやろな。
自分の王国を築いてしまったカーツ大佐は、
マーロン・ブランド。
この王国も死体だらけで意味が分からない。
兵隊は、おかしくなってるもんやから、
必要ないのに機関銃撃って、
民間人を殺してしまう。
で、自分たちが撃ったのに、
生きてる人を助けようとする。
戦争で殺し合いしてるのに
戦場に「殺人罪」があったりする。
「欺瞞」って言葉が出てくるけど、
ホントにそうだなと思った。
若いころのハリソン・フォードも
ちょい役で出ています。
★★★★▲
2020.3.15
ニュー・エレガット!
(注意)
ギターの話で、長いので興味のない人は
読まないように。
エレガットという種類のギターがある。
ピックアップ(マイク)付きの
アコースティック、ナイロン弦ギターだ。
私は、ナイロン弦の音が好きで、
この数年は、アコギはスティール弦ではなく
もっぱらナイロン弦ギターを弾いている。
初めて買ったエレガットは、1998年頃に買った
シェクターのテレキャスタータイプのシンラインだった。
弾きやすかったし、形も気にいっていたが、
音がちょっと使えなくて、結局、数年で手放した。
2台目は、2004年に購入したオベーション。
ヤマハのAGストンプを通すと
良い音がしたので合わせて買ったのだが、
それから2〜3ヶ月でクルーズの
EG-1500C に出会い、その場で
オベーションを下取りに出すことを決意。
3台目となったクルーズは、2016年に
マーティンのOOO (トリプルオー) C ナイロンを
買うまで 12年間 愛用した。
Crews EG-1500C
12年も気に入って使っていたクルーズは、
ナット幅が46mmで とても弾きやすく、
扱いやすいギターだったが、
ボディの容積のせいか、
時々、不足を感じることがあった。
スケールが 630mmと やや短めだったことも
関係あるのではないかと思い、
しっかりボディの容積があり、
スケールが約670mmのマーティンに
乗り換えたのだった。
OOOC ナイロンのナット幅は、47.6mm。
48mmぐらいまでは許容範囲だが、
50mmになると左手の親指が使えず
弾きにくくなる。
クラシック・ギターは、通常50〜52mm程度なので
純粋なクラシックタイプは、私にはキツイのだ。
Martin OOOC Nylon
このマーティンも大いに気に入ったのだが、
今度は、670mmというスケールが、
ネックになってきた。
コードによっては弾きにくく、
無理をすると左手を痛めてしまいそうだったのだ。
それから、スケール630mm、
ナット幅46〜48mmというエレガットを
探し始めるが、これが中々ない。
やっと出てきたものを楽器店へ
試奏しに行ったこともあったのだけど、
一長一短で、購入には至らなかった。
あのクルーズは、ナット幅とスケールは、
ドンピシャだったので、あんなに長く
愛用していたわけだ。
これはもう、Yairi にオーダーして作るしかないかな、
とか思いながらも、ずっとネットで
チェックしていた。
元々ウクレレを作っていた aNueNue という
台湾のメーカーが、ミニギターを出していることは、
知っていた。
演奏映像も観たことはあったし、
見た目も良かったが、メインで使うギターでは
ないだろうと、思っていた。
ある日、YouTube で この演奏 を聴いた。
映画『マチネの終わりに』で
福山雅治が演奏していた『幸福の硬貨』だ。
ギターは、aNueNue の MN214 というモデルで
610mm のショートスケールとは
思えない響きに驚いた。
(弾いているのは、フミヤさんという方のようだが、
詳しいことは知らない。)
aNueNue MN214
先日、某楽器店に行った際、
このモデルがあったので、弾かせていただいた。
弾きやすさは OK だが、これは純粋な
アコースティックギターで、
ピックアップが付いていない。
エレガット・タイプも出ているので、
取り寄せてもらおうと店長さんに話すと、
ピックアップは後から付けた方が良いと言う。
どうも最初からついているものには、
ムラがあるらしく、結局、調整が必要になるので、
後付けでピックアップを選んだ方が
成功するというような話だった。
以前、誰かに聞いたか、雑誌で読んだか
忘れたけれど、私が知っていた話とは違った。
エレアコとして売っているギターは、
最初からピックアップを組み込んで
作られているけど、純粋なアコギは、
ピックアップを付けることを想定していないので、
最初からピックアップが付いているギターを
買う方が良い、というような話だった。
でも、確かに実際には、
後付けでピックアップを取り付けた
アコギを使っているプロも多い。
ピックアップは2〜3万円で付けられるし、
それなら、試してみようと思った。
試奏したモデルは、aNueNue の
MN214というモデルで、167,200円
(税込定価209,000円)だった。
ピックアップを付けても20万円に
収まりそうなので、予算内だ。
しかし店長さんは、同じシリーズの MN14 という
もっと安い(税込52,800円 / 定価66,000円)
モデルでも十分だという。
その日は、お店に MN14 の在庫がなかったので、
日を改めることにした。
先日、MN14 が入荷したようなので、
弾きに行ってみた。
確かにMN14(52,800円)でも十分だ。
MN214(167,200円)との違いは、
音、見た目、木材、付属するケース。
だが、3倍の違いかと問われると、
これは好みの問題なので、
好きな方を選べば良いと思った。
MN14 は、トップがシダーで、サイド・バックが
マホガニー。
ちょっと柔らかい、素朴な音。
MN214 は、トップがスプルースに、
サイド・バックがローズウッド。
MN14 より 立ち上がりが早く、上品な音。
見た目は、完全に MN214 が好き。
しかし、迷った。
MN14 には MN14 の魅力があるのだ。
結構、何度も弾き比べて迷った挙句、
きっと、ここで MN14 を選ぶとずっと
MN214 に未練が残るだろうけど、
MN214 に決めれば、たぶん MN14 への
未練はないだろうと思った。
MN214 の動画を観たのがきっかけだし、
これは決まりだな、と。
で、ピックアップ。
これまた、タイプも値段も様々だが、
ちょっと張り込んで、
L.R.Baggs の Anthem SL。
マイクとピエゾのデュアル・ピックアップだ。
そして、ピックアップの取付が済んだので、
今日引き取りに行ってきた。
結果、大満足。
おそらく、ボディの深さが、
スケールの短さなどをカバーしているのだろう、
生音の鳴りも問題ないし、
ピックアップで出力される音もナチュラルだ。
しばらく弾いてみて、問題なければ、
マーティンは売りに出す予定。
インレイが月の満ち欠けになっているのだ。
Size:36inch
Total Frets:20
Top:Solid Swiss Moon Spruce
Side:Solid East Indian Rosewood
Back:Solid East Indian Rosewood
Headplate:Ebony
Tune:Gear Pegs
Neck:Mahogany
Bridge:Rosewood
Nut/Saddle:Buffalo Bone
Nut Width:48mm
Fingerboard:Ebony
Scale length:24" / 610mm
String:SAVAREZ 510AJ
Finish:Gloss
Binding:Rosewood
Case:Blue Hasdcase
2020.3.18
花は 花は 花は咲く
いつか恋する君のために
先日、あるテレビ番組で
「歳を取るとなぜ花が好きになるのか」と、
街の人に質問していた。
ある老婆の答えが良かった。
曰く、
「自分が汚くなるから、綺麗なものを見たい。」
私は、特に花が好きという訳ではない。
写真を撮ることもほとんどない。
たまに撮ってみるけど、花の撮影は
難しいだけであまり楽しくないのだ。
今日、明治通り沿いの
少しだけ咲き始めた桜を見ながら、
東京は数日前に桜の開花宣言が
されたことを思い出した。
調べてみると東京の開花が発表されたのは、
3月14日。
昨年より7日、平年より12日も早く、
統計開始以来、最も早い記録だという。
今年の冬は、それだけ暖かかったということか。
ここのところ、日本中、いや世界中が
新型コロナウイルス 一色のようだが、
それでも、春は必ずやってくるのだなぁ、
などと のんきに思いながら歩いていると、
やたらと花が目に入ってきた。
いつも歩いている道で、普段は
気にかけたこともなかったのだけど、
意識して見ると そこここに
花が咲いていて驚いた。
もちろん、そういう時期ということも
あるやろうけど、ほんの2〜3分歩く間に
これだけの花が咲いていたよ。
「世界は、花に満ちているんだ」
と、思いながら、
(花に目が行くようになったということは、)
「オレ、歳取ったってことか」とも思ったのでした。
ひとつも花の名前は言えないのだけどね。
2020.3.20
コロナの影響 拡大 3
コロナウイルスの影響で、世界は大変な
ことになっているが、こういう時こそ、
心は平常でいたいと思い
極力普段と変わらぬ生活をしている。
シンガポール政府はマスクが不足してるので
「健康ならマスクをつけないで」と
国民に勧告したらしい。
「マスクは、体調が悪く、咳や鼻水など
呼吸器官の症状があった場合のみ着用してください」
「健康な人たちはマスクを着用する必要はありません。
マスクはウイルスの拡散を減らす助けとなるものです」
「マスクの買いだめをする必要はありません。
それにより、本当に必要とする人が
入手できなくなってしまいます」
というような内容だ。
1月29日の発表なので、
現在もこのスタンスなのかは分からない。
この勧告を知っていたわけではないのだけど、
私は、一度もマスクをしていない。
というか、マスクを持っていない。
売っていたら、買おうと思い
ドラッグストアを何度か見てみたが、
一度もお目にかかったことがない。
本気で買おうと思えば、情報を集め
早朝から並ぶなど行動すればよいが、
それほどの必要性を感じていない。
今のところ。
手に入れたとしても、それは自分や
身近な人の具合が悪くなった時の
ために使わずに置いておくつもりだ。
自粛自粛で、大打撃を受けている
企業や店舗も多いだろう。
今日のニュースで、「カナダのサーカス劇団、
シルク・ドゥ・ソレイユは、ダンサーを含めた
スタッフの 95%(約 4,700人)を
解雇すると発表した」と報道していた。
各地で公演の中止が続いているためだ。
昨日の朝、銀行の人と会って、
「仕事(売上)に影響がありますか?」と
訊かれた。
「今のところ、影響ありません」と
答えたが、私の仕事(不動産業)の
質から言って、影響が出るとしたら、
もう少し後だろうと思っていたら、
午後になって、ある飲食店舗の借主から、
今月末の賃料の支払いについての
相談の連絡があった。
ついに影響が現れたわけだ。
国民が仕事や行動を自粛しているので
賃料が払えなくなってしまう人が
出てくるのは容易に想像が出来ることだ。
コロナ、コロナと騒ぎ過ぎではないかと
ちょっと冷めて見ているので、
こんなことを書いていると騒いでいるのと
同じじゃないかとも思わなくもないが、
記録の意味も含め書いている。
今日の時点で、
私が行く予定にしていたライヴが8件
中止(延期)になった。
【公演延期】
3/5 MIKE STERN - JEFF LORBER FUSION @ Blue Note Tokyo
3/9 BECCA STEVENS @ Blue Note Tokyo
3/11 MORGAN JAMES @ Blue Note Tokyo
3/12 Funk on Da Table @下北沢Garden
3/14 JULIAN LAGE TRIO @ Cotton Club (1st & 2nd show)
【公演中止】
3/19 Blicher Hemmer Gadd @ Billboard LIVE Tokyo
3/24 Steve Gadd Drum Clinic 2020
4/5 Marcus King Band @ Billboard LIVE Tokyo
3月19日、24日、4月5日は「公演中止」、
それ以外は「公演延期」と発表されている。
「Blicher Hemmer Gadd」にしても、
「Marcus King Band」にしても、いずれ
また来日公演をやるだろうから、
「延期」といっても良いかもしれないが、
Blue Note、Cotton Club (Blue Note系列)が
「延期」、 Billboard LIVE が「中止」と
発表していることをみると、店によっての
考え方の違いのようにも見える。
2020.3.22
花見と桜撮影
今日は、文京区本駒込にある六義園に行ってきた。
「六義園」とかいて「りくぎえん」と読む。
元々は、江戸時代に大名(川越藩主・
柳澤吉保)が造った日本庭園らしい。
14:30頃に到着したら、入り口に
20〜30人の行列が出来ていたので、
(コロナのせいでまさか入園規制?)と
思ったけど、入園券を買う人の列で、
ほんの数分並んだだけで入れた。
入園料は、300円。
おそらく多くの人の目当ては、しだれ桜だろう。
まあ素晴らしい大木だ。
桜の写真は、毎年撮っているが、
中々気に入ったものが撮れずにいる。
たくさんの失敗を重ねてきたおかげで、
ようやく少しだけ撮り方が分かってきた。
せっかく先日、PLフィルター(色彩が
鮮やかになるフィルター)を買ったのに
持っていくのを忘れた。
ちょっと失敗。
でも、200枚近く撮ったよ。
それにしても、世界でコロナの感染者が
30満員を超えたとか、イタリアでは1日で
死者が793人も増えたとか、米国では
カリフォルニア州やニューヨーク州が、
外出禁止令を出したとか、結構、
大変な感じなのだけど、今日の東京は、
マスクこそしている人が目立つものの、
人はたくさん、外に出ていたように見えたね。
天気も良かったからな。
まあ私も外出した一人だけど。
2020.3.23
焼肉弁当
(某焼肉店の看板)
「焼いてのご提供です」って
焼けへんかったら、
「生肉弁当」やん!
2020.3.25
"ACOUSTIC WEATHER REPORT"
featuring ERIC MIYASHIRO, MASATO HONDA
コロナウイルスの影響で
多くのライヴやイベントが
中止(延期)になる中、
久しぶりのライヴに行ってきた。
なんと、ブルーノート東京で3月に
開催されるライヴは、今日だけだ!
お店の入り口では、スタッフが
観客一人一人の額に何やら
測定器を向けて体温を測定。
熱のある人は、入れない体制だろう。
私は、初めてのことだったので、
どうしてよいか分からず、
「どうすればいいの?」と訊いたら
「じっとしてください」って言われた。
そして、手をアルコール消毒。
スタッフは、全員マスク姿。
3月の公演は全て延期・中止になったのに
どうして今日のライヴはやるんだろう、と
若干不思議な感じがしていたが、
どうも撮影をしていたようなので、
そのせいもあったのかも知れない。
お店としては、消毒や換気など
かなり注意を払っている様子だったが、
観客の中に感染者が紛れていれば、
防ぎようのない部分もあるだろうな。
自粛して来なかったお客さんも
いたのかも知れないが、
客席を見渡すと、満席状態で、
マスクをしている人は、
10%に満たないように見えた。
ドリンクやフードを頼むのに、
マスクしてられへんわな。
さて、ライヴの方はというと、
ウェザー・リポート の曲を
アコースティックな編成で
演奏しようというコンセプトの
“アコースティック・ウェザー・リポート”
というユニット。
メンバーは、クリヤ・マコト(Pf)、
納浩一(B)、則竹裕之(Dr)という
ベテラン勢にゲストで エリック・ミヤシロ(Tp)、
本田雅人(Sax)が加わる。
実は私は、ウェザー・リポートは、
そんなに聴いてきたわけではなく、
数曲程度しか知らないのだけど、
ジャズ・ライヴを聴くのには
そんなことは関係ない。
これは面白そうだと思って
チケットを申し込んだ。
これは、正解やったね。
かなり、熱い演奏だった。
“アコースティック・ウェザー・リポート” は、
ピアノのクリヤさんがリーダーなのかも
知れないけど、クリヤさんのピアノ・トリオ
という感じではなく、3人のバンドという印象。
納さん、則竹さんは、それぞれ何度か
生演奏を体験しているが、誰かのバックでは
ないせいか、今日が今までで一番良かった。
(って比較でけへんねんけど、
そういう感じがしたってことね。)
則竹さんは、ソロで炸裂していたね。
納さんも、プレイはキレキレだったが、
ちょっとつらそうで具合が良くないように
見えたのだけど、気のせいなら良いのだが。
そしてこのトリオに エリック・ミヤシロ、
本田雅人の2人が加わるわけだから、
悪かろうはずがない。
本田さんは毎回聴くたびに、
ホンマに上手いと唸らされる。
吹いている姿は、いたってクールなのに。
あえて苦言を呈するならば、
エリックさんのペットの音がでかいので、
本田さんのボリュームをもう少し上げて欲しかったな。
[ MEMBERS ]
クリヤ・マコト(Pf)
納浩一(B)
則竹裕之(Dr)
エリック・ミヤシロ(Tp)
本田雅人(Sax)
@ Blue Note Tokyo
2nd Show
(2020.4.2 SETLIST 追記)
[2020 3.25 WED. 2nd show SETLIST]
1. RIVER PEOPLE
2. DONNA LEE
3. DEEP INSIGHT
4. HAVONA
5. LUSITANOS
6. ELEGANT PEOPLE
EC. BIRDLAND
Blue Note LIVE REPORTS より
コロナの影響 拡大 4
ついに昨夜、東京オリンピックの
延期が決定された。
「1年程度の延期」ということで、
開催日程はまだ決まっておらず、
これから様々な調整が行われるのだろう。
東京都では、新たな感染者が
一昨日16人、昨日17人と一日の
最多記録を更新したが、今日は
新たに41人の感染が確認されたと
発表された。
2月1ヵ月間の東京都の感染者数が
34人だっというから、今日1日で
その数を超えたことになる。
これはやばい傾向だ。
今日、小池都知事が、「今週末は
不要不急の外出を避けるように」と
都民に呼び掛けたせいで、都民は
閉じこもる準備でも始めたのか、
先ほど(PM11時頃)近所のスーパーに
寄ると、ご覧の通り。
肉コーナー
カップ麺コーナー
なんか、この光景見たことあるぞ、と
思ったら、昨年10月の大型台風
接近時と同じだ。
今日は、久しぶりのライヴだったけど、
「感染爆発」が起こると、
ライヴどころではなくなる。
東京もいよいよ正念場だ。
今週末は、おとなしく しとくか。
2020.3.26
コロナの影響 拡大 5
昨夜は、遅い時間(午後11時ごろ)に
スーパーが混んでいたけど、今日は
入場制限までしていたらしい。
昨夜、小池都知事が、「今週末は
不要不急の外出を避けるように」と
言ったもんだから、真面目な人たちが
家から一歩も出なくていいようにと
週末の食材を買い込んだためだろうが、
今日は「食品や日用品・医薬品の
買物には行って良いので、買い込まないで」
とアナウンスする始末。
こうなること、予想できんかったんかな。
「不要不急」の意味が通じてないねん。
今日、スーパーの人混みで
感染してたら、本末転倒やで。
結局、土日はスーパー空いているし、
食品いっぱいあるんちゃうやろか。
東京都は今日一日で47人感染と
最多記録を更新。
国内で94人というから、半分が東京都だ。
まじで、やばくなってきたんとちゃうか。
このまま増え続けると、欧米のように
「都市封鎖」もあり得る。
ところで、チケットを取っていたライヴが
またキャンセルになった。
4月18日東京文化会館小ホールで
予定されていた「Sadao with Friends 2020」。
メンバーは、渡辺貞夫 (as)、
ラッセル・フェランテ (p)、
エドウイン・リヴィングストン (b)、
竹村一哲 (ds)。
メンバーに米国人が加わっているが、
米国は、現在 渡航制限があるので、
これは来日不可ということだな。
楽しみにしていたのに残念だ。
3〜4月で観に行く予定だったのに
中止・延期になったライヴはこれで9本目。
貞夫さんは、6月にブルーノートで
リチャード・ボナ、マイク・スターンらと
演るので、これはなんとかキャンセルに
ならないで欲しいな。
もう「6月なら大丈夫」とか
言えなくなってきている感じがするけど。
一連のライヴのキャンセルは、もちろん
残念なのだけど、思っている以上に
自分の中の諦めというか、
そのことの受入れに抵抗がないことに
我がことながら驚いている。
面白い発見だ。
例えば、ライヴがあるのに抽選に外れたので
行けない場合と、ライヴ自体がなくなって
しまったので行けない場合とでは、
全然、残念さが違う。
当然ライヴがなくなれば、
諦めがつきやすいわけだ。
「ライヴに行けない」という結果は同じなのに。
それから、「そのライヴに一番行きたい時」って、
そのライヴがあることを知った時と、
チケットを申し込むときなんだな。
ライヴ当日より、何カ月も前にチケットを
買った場合、どうかするとチケットを
買ったことも忘れてたりすることもある。
当日が近づいてきて、手帳を見て、
「あ、このライヴのチケット取ってたんや」
みたいな感じ。
それは、記憶力の衰えか。
2020.3.30
志村けん 逝く
小学生の頃、毎週土曜日の夜は
『8時だョ!全員集合』を観たものだ。
志村けんは、荒井注と交代で
ドリフターズの正式メンバーになった。
調べてみると、1974年のことなので
私が小学6年生になる年のことだ。
「東村山音頭」ぐらいまでは、
笑っていた覚えがあるけど、
「ヒゲダンス」の頃は、あんまり、
『8時だョ!全員集合』を
観なくなっていたような気がする。
それでも、私たちの世代には
「ドリフ」は特別で、大人になって
からでも、特番があると観たものだ。
ドリフの中でも、加藤茶と志村けんが
一番面白かった。
つい先日も、夜中にやっている
『志村でナイト』を観たところだ。
何曜日の何時からやっているとか
知らないのだけど、
テレビでやっているのを見つけると、
必ず観てしまう、そんな番組だった。
(その辺は『タモリ倶楽部』などにも
通じるもんがある。)
最近は、アンタッチャブルの柴田も
レギュラーで出演しており、
勝手に志村が柴田の復帰の応援を
していると解釈して観ていた。
(実際は知らない)
志村の芸を「低俗」と批判する声も
あったらしいが、あのバカバカしいコントは、
バカバカしいからこそ、
安心して観られるコントだった。
もう、あのくだらない(誉め言葉)、
そして、面白いコントを観られなくなるのは
こうなると、思っていた以上に悲しい。
新型コロナウイルスに感染し、
肺炎になって亡くなったらしいが、
ニュースによると、17日に倦怠感を覚え、
19日に発熱、そして、29日に死亡というから、
2週間もかからず、あっという間だった。
かなりの愛煙家で、2016年にも肺炎で
舞台が中止になったとらしいし、
今年1月には内視鏡手術で
胃のポリープ切除手術を受けていたというから、
免疫力が低下していたのだろう。
映画の初出演が決まっていたのを
辞退していたらしいが、観たかったな。
合掌。
(文中敬称略)
2020.3.31
ジャニス
リトル・ガール・ブルー
JANIS : LITTLE GIRL BLUE
2016年に公開された、
ジャニス・ジョプリンのドキュメンタリー映画
『ジャニス リトル・ガール・ブルー』。
劇場では観そびれてしまったが
気になっていた作品で、ようやく
DVD で鑑賞した。
観てから分かったことだが、
奇しくも今年は、ジャニスの没後50年。
10月4日が命日なので、夏から秋に向けて、
何か企画があるかも知れない。
私は、ジャニスについて詳しいわけではないが、
20代前半の頃、1枚だけ LP レコードを
買ったことがある。
どうして、その1枚を選んのだか
覚えていないのだが、そのアルバムは、
彼女の遺作となり、死後に発表された
『Pearl』というアルバム。
"Move Over" "Cry Baby"
"Half Moon" などが収録された、
めちゃくちゃカッコイイ作品だ。
たぶん、『Pearl』が遺作だということぐらいは
過去に知っていたと思うのだけど、
このドキュメンタリーを観て、改めて
『Pearl』が頂点の作品だったのだと感じた。
ジャニスの人生は、全く違うのだけど、
エリック・クラプトンと共通する。
この人も「人生がブルース」な人なのだ。
高校時代はいじめられ、成功してから、
同窓会に出席するも孤独。
だから、あんな歌が唄えたんやね。
あの歌は、練習して唄えるもんとちゃうもんな。
そういう意味では、この人は
天然、野生の天才ブルース・シンガーだったんだと思う。
そして、シンガーとしての成功は、
「多くの人からの愛を得るため」と、
本人が公言するほど、寂しい人だったんだな。
当然、寂しい人にはドラッグと
アルコールが付きまとう。
享年27歳の死因は、ヘロインだった。
残念。
合掌。
ジャニスを知らない人は、これを聴いてくれ!
↓
MOVE OVER by Janis Joplin
死ぬ約100日前です。
カッコ良すぎ。
27歳でいっぱい死んでるんよね。
ロバート・ジョンソン、ブライアン・ジョーンズ、
ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、
ジム・モリソン・・・みんな27歳。
この人たちには「J」が付くので、
「"J" の呪い」なんていう人もいるぐらい。
そして、カート・コバーン、尾崎豊も享年27歳。
実際には、27歳が特別多いわけでは
ないようだけどね。