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 カメラと写真 11
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2023.2.25

関口照生&亀山仁 写真展
日常のミャンマー3


今年の目標として、月に1回の美術展と
写真展にそれぞれ観に行くことにした。
ネットや書籍ではなく、本物に直接触れて
刺激を受けるのが目的だ。
1月は、「面構 片岡球子展(絵画)」
「祈り・藤原新也展(写真)」、
そして今月は、「エゴン・シーレ展(絵画)」ときて、
写真展は、中野のギャラリー冬青で開催されている
「関口照生&亀山仁 写真展 日常のミャンマー3」に
行ってきた。

ギャラリー冬青というのは、写真集を出版している
冬青社にある写真専門のギャラリー。
大きな会場ではないが、じっくりと
写真を観るにはちょうど良い広さだと思う。
今回の「日常のミャンマー3」は、タイトルに
あるように第3回目で、関口照生さんと
亀山仁さんお二人のミャンマーの写真、
計28点が展示されていた。
これぐらいの点数なら、かなりゆっくりと
作品に向きあうことが出来る。
大きな会場で多数の展示だと、私の場合、
途中で集中力が途切れてしまうこともあるので。
28点の展示作品を観たあと、
会場に置いてあった写真集もゆっくり
観ることが出来た。



展示作品は、関口照生さんはカラー、
亀山仁さんは、スクエアのモノクロ、という風に
作風は、分けられていたが、
写真は混在して展示されていた。
作者によって、コーナーを分けないことで、
違う視点のミャンマーをアトランダムに
観ることが出来てこの展示は良いと思った。

そして、カラーとモノクロというだけではなく、
やはり写真に個性が現れるのだと思った。
それは、まずは何を撮るか。
もしかしたら、同じような被写体を狙っていたとしても、
合同で展示するとなった際に、どの写真を
選ぶのかにも個性が現れるのだと思う。

ミャンマーの人たちのポートレイトは、
笑顔の写真は多くないのだけど、
無垢で素朴で真っすぐで力強い。
便利で物に溢れた今の日本人が、
いつの間にか失ってしまった何かが
そこには写っていると感じた。
それは、人々の表情や瞳の輝きの中に
観ることが出来る。
ああ、こんな写真を撮ってしまったら、
この人たちに魅了されてしまい、繰り返し
この地に足を運ぶことになってしまうんじゃないかと、
想像した。

写真展は、今日が最終日だったので、
午前中にも関わらず、おそらく普段より
混んでいたのだと思う。
たまたま(?)会場にいらっしゃた亀山さんと
ほんの少しだけお話しできた。

写真の存在意義は、自分が観たものを
世界に伝えることなのだと思った。



亀山仁



関口照生





2023.5.7

土門拳の古寺巡礼
@ 東京都写真美術館




ギターは、プロのミュージシャンの曲を
演奏することから始めたが、
写真はどういうわけか、プロの写真家の写真に
影響を受けて始めたわけではない。
若い頃からずっと、なぜか写真を撮りたいという欲求があった。
小学生の頃には、すでにその欲求があった覚えがあるが、
きっかけは何だったっか覚えていない。

今思い出したが、小学6年生になる時、
新しい小学校が出来て、5クラスあったうちの
2クラスが、新しい小学校に通うことになった。
私は、新しい小学校に通う地域に住んでいた。
6年生のとき、元の小学校の運動会へカメラを
持って出かけた覚えがある。
それは、気になる女の子を撮るためだった。
でも、その子に写真を撮らせてくれと言えるほどの
度胸もなく、遠くから写してみたものの、
望遠レンズでもないそのカメラでは、彼女は
豆粒ほどにしか写っていなくて、ガッカリした覚えがある。

話しを戻そう。
大人になってからも写真を撮りたいという
欲求というか願望は、ずっとあったのだが、
カメラを買うほどではなかった。
コンデジで撮るような写真では
その欲求は満たされず、ついに2010年に
初めて一眼レフカメラを買った。

一眼レフカメラを買って撮り始めたものの、
もともと好きな写真家もいない私は、5年もすると
何を撮ってよいのか分からなくなってしまった。
その頃のエントリーには、
「写真に飢えている。
撮りたいのだが、何を撮りたいのか分からない。
もっと(撮影を)上手くなりたいのだが、
何をどうすれば良いのか分からない」と
悩みを書いている。

それから、写真を趣味にしていながら、
「好きな写真家を訊かれても一人も名前が言えない」
自分に気付いた。

そして、自分が良いと思う写真家探しが始まり、
最初に知ったのが、20世紀の巨匠3人、
土門拳(1909―1990)、
木村伊兵衛(1901―1974)、
アンリ・カルティエ=ブレッソン(1908―2004)だった。

ある日、土門拳について調べていると、
その年(2016年)のGWに予定していた、
旅行先である山形県庄内地方に
「土門拳記念館」という写真専門の美術館が
あることが分かった。
しかも、予約していた宿から車で数分の距離だった。

その土門拳記念館のレポート 2016.5.4

それから、しばらく土門拳にハマり、
写真集を買ったり、土門について書かれた
書物を読んだりした。

前置きが長くなった。
昨日、東京都写真美術館で開催中の展示会、
「土門拳の古寺巡礼」に行ってきた。



『古寺巡礼』は、土門が古寺や仏像を撮影した
いわばライフワークだ。
土門は、1960年に脳出血を発症しており、
35ミリカメラで撮影することが困難になった。
そこで、大型カメラで『古寺巡礼』の撮影を始めた。

『古寺巡礼』第一集が刊行されたのは、
60年も前の1963年。
サラリーマンの初任給が1万円代だった、
その時代に『古寺巡礼』は、一冊23,000円だったという。
『古寺巡礼』は、1975年の第五集で完結。

今回の展示会は、その中から 約120点が
展示された。

お寺や仏像の撮影というと、ややもすると、
カタログのような写真になりかねないところ、
土門の写真は、そうではない。

徹底的な事前調査の上、
自分が感動したものにだけカメラを向ける。

「ぼくは被写体と対峙し、ぼくの視点から
相手を睨みつけ、時には語りかけながら、
被写体がぼくを睨みつけるのを探るのである」
とは土門の言葉だ。

そうやって、写された仏像は、
まるで生きているかのようなのだ。
優しい表情の仏像も怖い顔の仏像も
誰かに似ている。
鑑賞者は、鋭い仏像の視線を感じ、
仏像が今にも何かを言い出しそうに感じる。
こんな風には撮れない。
土門のシャッターを押す気迫が
写真に記録されているかのようだ。

暗い寺の中では光がなく撮影は大変難しい。
ストロボを焚くのだが、昭和の機材は
今の物より大きく重く、尚且つ繊細な調整は
出来なかっただろう。
おまけにデジカメのように、その場で仕上がりを
確認することなど出来ず、撮れているかどうかさえ、
現像するまで分からないのである。

展示されていた何点かは、写真集や酒田の
土門拳記念館で観たことのあるものだったが、
やはり大きく引き延ばされた写真は、迫力がある。
何点もの仏像に見つめられるかのような体験は、
この展示会ならではのものだろう。

朝、10時からの開館で、10分ほど前に
東京都写真美術館に着いた。
昨日は 14時から、ホールで、
「特別対談 内弟子が語る『古寺巡礼』」という
イベント(無料)があり、その整理券の配布が
10時からだったので、開館10分前には、
30〜40人の行列が出来ていた。

私もその対談を聴きたくて、昨日この写真展に
行くことをプランしていた。
対談するのは、土門拳の内弟子であった
藤森 武さんと堤 勝雄さん、
モデレーター(司会進行)に 土門拳記念館
学芸員の田中耕太郎さん。



この対談も面白かった。
藤森さんは、土門の二番目の弟子で、
以前読んだ『我が師、おやじ・土門拳』
著者の一人。
その本に書かれている土門という師匠への
愛と尊敬は、私のような者の理解や想像を
遥かに超える世界でただ憧れでしかない。
そして、自分が土門の弟子であったなら、
3日も持たないのは明白なほどの厳しさなのだ。

その藤森さんのお話を直接聴けたのは、
またとない機会だった。

対談の、もう一人、堤勝雄さんは、
もともと藤森さんの後輩。
藤森さんが、(土門の助手は自分)ひとりじゃ
死んでしまうと思い、土門の弟子へと誘ったのだという。
このお二人が実際に助手をしていた時の
「古寺巡礼」撮影時のエピソードを
写真を観ながら聴けるという、
それはそれは、素晴らしい貴重な機会であった。
90分の予定だったけど、質問も多く出て
20分もオーバーして終わったよ。

また酒田の土門拳記念館にも行きたいな。


2016年5月土門拳記念館を観たあとの写真





2023.5.20

ウェス・アンダーソンすぎる風景展
あなたのまわりは旅のヒントにあふれている




「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」に
行って来た。

天王洲アイルにある会場(寺田倉庫G1ビル)
に到着したのは、17時を過ぎていた。
すぐに入れるものと思っていたら、
何と入場まで60分待ちだという。
60分間、列に並ばなければならないのだ。
どうしたものかと思ったけど、
せっかく来たのだし、開催が26日までで
もう来られる日がないので、
並ぶことに覚悟を決めた。

並んでいるのは、見事に若い人ばかり。
ほとんどが 20代ではないか。
中には10代(学生)と思しき人達もいる。
あと外国人(観光客?)の姿もパラパラ。
見渡したところ、60代は私ひとりだと
断言できるほどだったよ。
これは、間違いなく SNS による
広告の成果だろうな。 
インスタやフェイスブックで幾度となく
広告を見たような気がするもん。
広告の内容も若い人達に上手に
訴えていたと思う。
あまりの人気に11月25日から、
渋谷のヒカリエホールでの再開催が
決定しているほどだ。

感想。
ひと言で言うなら、
「カメラを持って、旅に出かけたくなる」
そんな写真展だった。
「素敵な旅の計画を始めたくなる
ノスタルジックでフォトジェニックな写真展」
というコピーがあったが、まさにその通りだった。



世界中の美しい風景の写真で、
会場では「カワイイ」という若い女性の声が
何度も聞こえてきたよ。



ウェス・アンダーソン監督の映画に
出てくるような風景写真を集めた展覧会。
ウェス・アンダーソン監督作品って、私は
『グランド・ブダペスト・ホテル』しか
観てないんだけど、そんなの関係なく楽しめる。
日本語では「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」
となっているが、もとは
「Accidentally Wes Anderson(略してAWA)」で、
直訳すれば「偶然にもウェス・アンダーソン(っぽい)」
という感じだろう。



AWA は、元々、あるアメリカ人夫婦が、
2017年に始めたインスタグラムがきっかけ。
そのインスタをフォローした人々からも
写真が集まり始めた。
今では 185万人以上がフォローしている。
昨年は、韓国ソウルで写真展が開催され、
大好評だったらしい。



色んな人が撮った世界中の写真
(300点以上)で構成されている。
私がそこにいてもそんな風に撮りたいと
思える写真が多く、とても共感できた。

例えば、こんな風に窓が並んでいる写真は
私も良く撮るが、意外と中々上手く撮れないんだ。







あまりにもきれいすぎるので、
もしかしたら編集しているものもあるのかも知れない。
例えば、写真だと縦横は多少歪むものだが、
真っすぐなので、そういうのは編集している
可能性があると思う。
まあ、編集していても良いんだけど。

SNS から始まった写真展らしく、
会場内は、写真撮り放題でした。



これは、面白かったな。



アメリカ、フロリダのドン・シーザー・ホテル。
壁のくりぬきからビーチを写したものだけど、
くりぬきの形が長方形の上に半円で、
その長方形のラインに水平線を合わせてある。
観た瞬間、壁に飾られた絵のようにも見え、
混乱する。

展覧会は、空いてる時にゆっくり観たいな。
退職したら、平日の雨の日の午前中とか、
空いてる時に行けるな。


Official Site





2023.6.5

両親裏磐梯写真インスタ

先週、妻の両親に会いに山形に行ってきた。
先にお母さんが施設に入っていたのだが、
奇跡的にお父さんも同じ施設に入れたのだ。

お父さんには、去年の4月にお会いしたが、
お母さんとは、コロナで 2019年の夏以来
会えていなかったので、ほぼ4年ぶりだった。
会えたといっても、ビニール越しだったけどね。
ガラス越しじゃないだけましだ。

今年は、GWもどこにも行かずだったので、
旅行がてら、福島、裏磐梯に一泊し、
山形へレンタカーで行くことにした。
裏磐梯や福島駅からは、車で1時間程度で
そんなに遠くないんだ。
あいにく、雨だったけどね。
もう私の雨男は、かなり前から確定しており、
8割以上の確率で旅行中に一度以上は雨が降る。
今回も然り、2日ともほとんど雨。

裏磐梯は初めてだったけど、良い所だったね。
泊ったペンションのご主人夫妻もとても
ユニークな方々で、食事中ずっと会話に
花が咲いたよ。
泊ったのが日曜日だったせいか、
他のお客さんがおらず、宿泊客は私達だけで
貸切状態だったんだ。

雨が上がった隙に撮ったペンション付近の写真。













写っている湖は、曽原湖(そはらこ)。

ところで、昨年の10月26日から、
インスタグラムに毎日写真をアップしている。
今のところ、1日も休むことなく、
忘れることもなく。
今日でちょうど 223(ツーツーミ)日目だった。

こちら がそのインスタグラム。

これらは、アップしたその日に撮った写真と
いうわけではなく、撮りたいものが目に入ったら、
スマホで撮影し、撮りためたものをアップしている。
そんなわけで 日頃からいつもいつも、
被写体を探しているような感じだ。
これは、写真を撮る者にとっては
良い訓練なのではないかと ポジに解釈している。
ちなみに撮ったものは、ほぼ全てスマホ内で
好みの色に編集してからアップしている。

そのせいで、撮影欲が満たされているのか
なんだか分からないけど、最近、
あまりカメラを持って写真を撮っていなかった。
やっぱり、カメラで撮らなきゃね。

こちらは、インスタにアップした、
スマホで撮った写真





諸橋近代美術館。
とても美しい建物。
開催中の展覧会は「ダリとハルスマン」。
ダリには、あまり興味がなかったのと、その時は
鑑賞する気力がなかったので、美術館には
入らなかったけど、せっかく行ったので
観ておけばよかったなとやや後悔。






2023.7.29

ソール・ライターの原点
ニューヨークの色




渋谷、ヒカリエホールで開催中の
ソール・ライター展に行って来た。



ソール・ライターの写真展に行くのは、
もう5回目になる。
日本初の回顧展 2017年、そして、コロナ禍の
2020年にはアンコール開催を含めて3回観に行った。
ドキュメンタリー映画も2回観た。
写真集も何冊も持っている。
どうも日本人は特別ソールの写真に
惹かれるようなのだが、
何がそんなに好きなのか、どこに惹かれるのか、
それはこれから私が写真を撮る上においても
とても重要なヒントになる問いかけだと思うのだ。

私は、写真はモノクロの方が好きなものが
多いのだが、ソールに関しては
圧倒的にカラーが素晴らしい。
カラー写真で良いと思った初めての
写真家と言って良いほどだ。
彼のモノクロ写真や、画家になりたかったという
その絵画も何点も観たけれど、
彼のカラー写真ほどには好きにはなれない。

今回の展覧会は、タイトルに「原点」という言葉が付いている。
会場に入るとしばらくモノクロ写真が続いた。
「ニューヨーク 1950 - 60年代」というコーナーだ。
もちろん、モノクロを観てもソール的視点は
十分に感じるのだけど、観ていてカラーほどの歓喜はない。

その中でもソールによるポートレイト
(アンディ・ウォーホル、ユージン・スミス、
セロニアス・モンクなど)は面白かった。

モノクロのあとは、ファッション誌の写真が続く。
「ソール・ライターとファッション写真」というコーナー。

ソールは、1958 - 60年頃ファッション誌
『ハーパーズ・バザー』のカメラマンだった時期があった。
そこにも構図の取り方などソールらしさを
感じられるものも多かったが、
これらも私はそれほど好きではない。

その次のコーナー「カラーの源泉 ー 画家ソール・ライター」では、
ようやくカラー写真と絵画が、混在して展示されていた。
しかし、カラー写真はあまり数がなく、
私が期待していたような展示ではなかった。

ソールの写真は確かに絵画的だと思うのだが、
絵画ではない。
写真に見える写実的な絵が、写真ではないように、
写真は写真であり、絵画は絵画だ。
当たり前のことだけど。
絵画と写真が、混在していることにより、
より写真の素晴らしさが際立ってしまったように
感じたのは、私の思い込みか。
ソール自身、「写真を撮らなければ
もっと良い絵が描けたかもしれなかった」と
いうような発言を残しているので、
もっと描きたかったのかも知れないけれど、
私には、断然写真の方が良い。

今回は期待外れだったかな、と思いつつ
最後のコーナー「カラースライド・プロジェクション」に入った。

まず、そのイントロダクションのように
ソールの部屋が模されたコーナーの壁にで、
数十枚のスライドが映し出されていた。
そして、スライド・フィルムも展示されていた。





ソールは、生前カラープリントをあまり残していない。
確認されたプリントは 200枚あまりだという。
経済的な問題や置き場所の問題も
あったのかも知れないけれど、スライドで
観る方が好きだったのかも知れない。
その方が光が通っているので鮮やかだからね。

最後の部屋に入ると、広いスペースに
5メートル×3メートルほどもあろうかと思われる
大きなスクリーンが10面もあり、
それぞれにスライドが映し出されていた。



実際にはスライドではなく、プロジェクターなのだけど、
スライドの切り替わる「カチャ」っていう
音が効果音として流されており、雰囲気は十分だった。
何より、サイズがでかい。
大迫力でソールを楽しめる。
映し出される 250枚の作品の中には、
未発表のものも多く含まれているという。
これは、素晴らしかったな。
この「カラースライド・プロジェクション」を観に
もう一度観に行きたいぐらい。
欲をいえば、1枚の写真が映し出される
時間が もう1〜2秒長いとなお良い。



「ソールの写真を観ると写真を撮りたくなる」
と以前に書いたことがあるが、今回もそう感じた。
どうして、そんな構図が、視点が思い浮かぶの?
どうして、そんな奇跡みたいな写真が撮れるの?
その問いかけは、自らシャッターを押しながら
探求するしかないのだろうな。



今回の展覧会の図録は、売り出されていないが、
昨年発売された写真集『まだ見ぬソール・ライター』が
図録的な位置づけなのかもしれない。


[ 関連エントリー ]
2017.5.28 写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと
2017.6.4 ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展
2017.6.21 ソールがくれたもの
2018.7.23 Early Color / Saul Leiter と Amazon.com での買い物
2018.7.25 Early Color / Saul Leiter

2019.12.17 永遠のソール・ライター
2020.1.9 「永遠のソール・ライター」展 開催記念講演会
2020.1.10 Saul Leiter/ Paul Auster It Don’t Mean a Thing
2020.1.11 写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと
2020.2.1 永遠のソール・ライター Forever Saul Leiter
2020.2.16 日曜美術館「写真家ソール・ライター いつもの毎日でみつけた宝物」
2020.8.29 アンコール開催 「永遠のソール・ライター」
2022.9.16 まだ見ぬソール・ライター The Unseen Saul Leiter





2023.9.26

写真家・Takumichi Seo 作品展
「愛しき時の記憶達 Vol.2」




最近ネットで知った写真家、瀬尾拓慶
(せおたくみち)の作品展が、日本橋高島屋で
開催中なので観に行ってきた。

瀬尾さんは、1990年生まれとあるから、
まだ33歳と若い。
作品展の会場にご本人がおられ、
声をかけてくれたので、少しだけお話しが出来た。

なぜ、この作品展に行こうと思ったのかも
覚えていないのだけど、数日前には
行くことだけは決めていた。
何かが引っかかったんだな。

写真の被写体は、タンザニアのサバンナの
風景や動物たち、沖縄、長野、北海道などの
森や海や湖や野生の動物たち。
普段、あまり私が積極的に好んで観ない
写真なのだが、これが素晴らしかった。
ちょっと感動してしまい、いつまででも観ていられると
思ったほどで、その自分の反応にも驚いた。
思えば、動物や森の写真の多くは、
ネットか何かの本などで観たんだろう。
こうやって、大きくプリントされた写真を
観る機会はなかったのかも知れない。
いや、でも瀬尾さんの写真が素晴らしかったんだ。

会場にいたスタッフの女性ふたりが、
写真の解説してくれたのだが、
この解説も素晴らしかった。
ひとりの人に「解説が素晴らしすぎて感動です」と
伝えたら「いえいえ、全部先生から聞いたことです」
と言っていた。
そうか、33歳で もう先生と呼ばれてしまうんだな。

何が良かったか 言葉にするのが難しいが、
プリントが素晴らしい。
「フレスコプリント」というらしいが、
漆喰を塗った紙にプリントした写真は、
1年ぐらいかけて、乾くので仕上がりが
変化していくのだという。
これも美しいプリントだったが、もう一種の
「銀塩プリント」もとても深い色合いで美しかった。

いくらプリントが美しくても写真が
良くなければダメだろう。
瀬尾さんの写真は、トリミングなし、レタッチなしで
撮る時に設定を作り込んで撮っているらししいのだが、
二度と撮れない決定的瞬間の写真が多い。
しかも三脚を使わないと聞いてビックリ。

なぜに、野生の動物がそんなポーズを、
なぜに野生の動物がそんなカメラ目線で、
という感じなのだ。


タンザニア


長野県

写真は額入りで、売っていたのだけど、
安いものでも10万円以上。
大きなものになると数百万円だった。
写真集も売っていたのだけど、
あまりに写真集と展示されてる写真の美しさ、
迫力の違いに、写真集の限界と写真展で本物を
観ることの大切さを痛感したのだった。

森の写真であんなのが撮れるのなら、
森に行こうと思った(ええ、安直です)のだが、
当然ながらそんなに簡単ではないわな。
でも、撮ってみたいと思った。

会場には、エレキ・ピアノが設置されていた。
時々、誰かが演奏しに来るのかなと思ったら、
瀬尾さん自身が演奏するのだという。
写真集には、即興の演奏CDが付属する。
才能のある人は、違うなぁ。

やっぱり、写真集買おう。





2023.11.1

街中で見つけた諸行無常
その372


昨年の10月26日から、
「街中で見つけた諸行無常・生々流転」
と題して、毎日インスタグラムに写真を
アップするプロジェクトを始めた。
途中で「生生流転」は余計だなと
思ったので「街中で見つけた諸行無常」と改めた。
とにかく1年間は続けようと思って始めたが、
1年を過ぎ、今日で 372日目だ。
1日だけ、アップするのが24時を
過ぎてしまったことがあったけど、
1日も欠かさずアップした写真の数は、
1,459枚になった。
当初は、1日1枚と思ったのだけど、
すぐに組写真的に複数枚アップするように
なったので1年ちょっとで そんな数になったんだ。

1年でやめるつもりだったけど、
連続記録を更新中なので、
行けるところまで行ってみるよ。

以前、このプロジェクトについて
「撮影も編集も iPhone で完了するので、
撮影の練習というより、被写体を観る、
発見する練習という感じだ」と書いたけど、
被写体を見る目は養われているのだろうか。

最近は、「エントランス」というテーマで
マンションの入り口を撮ったり、
「壁と何か」というテーマで、
「壁と窓」だったり「壁と草木や植木」だったり
「壁と照明」だったり、壁との組合せで
数十枚アップした。
それは壁を背景としながらも、壁と何かの
組合せで1枚の作品になるようにと
撮っていったものだった。
1枚だとつまらなくても、何枚も集まると
それなりに面白味が出てきたり、
中には、良い構図で撮れたものもあったりするので、
いくらかは、力になっているんやないかと、
肯定的に捉えている。

スマホの撮影は手軽で、簡単な編集も出来、
インスタにアップするのもとても簡単で便利。
でも、「撮影」ということに絞っていうと
やっぱりスマホではなく、カメラで撮りたい。
良い被写体に出会ったときほどそう思う。
でもまぁ、もう少し、スマホで続けてみるよ。

そして、時間が出来たら、カメラを持って
街に出てみるよ。


「壁と何か」シリーズの数枚















2023.11.22

38年ぶりにアメリカを撮った

1985年、阪神タイガースが日本一に
輝いた年に私はアメリカを横断した。
そして、38年ぶりに阪神が優勝した今年、
私は再び、アメリカの土を踏んだ。
(何の関係もないけど。)

ニューヨーク2泊、メンフィス2泊、
4泊6日のやや強行軍な旅行。
あの時観たアメリカとは、
ずい分と様変わりしてしまった印象だった。

それにしても、行き先がニューヨークと
メンフィスになったのは、とても興味深い。
なぜなら、この2つの街は、1985年の
アメリカ旅行の中でもとりわけ思い出深い街だったんだ。
その土地に、私が意図したわけではなく、
自然に行くことになったんだ。
今回の旅行は元々、友人夫婦の次男が、
アーカンソー州立大学に留学中で、
彼に会いに行くというのが始まりだった。
その大学は、メンフィスから100キロほどの
所なので、メンフィスは自然に決まったんだ。
日本から、メンフィスへの直行便は飛んでいないので、
どこかの都市を経由することになる。
いくつかの候補があるんだけど、
私は特に希望はなかった。
友人が、ニューヨークに行きたいと言ったので、
ニューヨークになったんだけど、妻も
ニューヨーク(というか MOMA とメトロポリタン
美術館)に行きたかったようだった。
結果的に、思い出深い二つの街を
38年ぶりに訪れることになったんだ。
何も考えずにこの2つの街を訪れたのだけど、
これは、後になって考えると、
かなり、興味深いことなんだよ。

アメリカに行く前には、38年前と同じ場所で
写真を撮るなんて、アイディアはなかった。
もし、思いついていたなら、もっと下調べや
準備をして、面白い写真がもっと撮れたかも
しれないと思うのだが、今さら言っても遅い。

ニューヨーク2日目、ロックフェラーセンターを
見つけたときに、1985年の写真を思い出したんだ。

1985年


2023年


そして、カルティエにビルを観たときにも。

1985年


2023年


こちらは、夜のタイムズスクエア。

1985年


2023年


そして、テネシー州メンフィス、ビール・ストリートにて。

1985年


2023年



この写真が、ビール・ストリートだったかどうかなんて
覚えていなかったのだけど、実物の建物を観たとき、
すぐにこの 85年の写真を思い出したよ。
85年の 800枚ほどのアメリカの写真は、
何度も何度も見返して、写真展の展示用に
選んだりしたものでしっかり脳裏に焼き付いていたんだな。


こちらですこし大きめの写真をご覧になれます。





2023.12.27

ウェス・アンダーソンすぎる風景展
in 渋谷




今年5月に天王洲アイルの寺田倉庫G1ビルで
開催された「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」が、
渋谷のヒカリエホールでの再開催されている。
5月に観に行った日は、入場まで60分待ちだった。
その人気の高さと、若い人が多く観に来ていたことに
驚いた記憶も新しい。
その人気の高さゆえに再開催となったんだろう。

今回は、11月25日から12月28日の開催。
再開催しているのなら、もう一度観たいと
思いながら、観に行くのが 今日になってしまった。
今日は、11:30〜12:00入場のチケットを
予約購入して行った。
明日が最終日だし、学生は冬休みに入っているので、
日中でも混んでいいるだろうなと、
覚悟して行ったら、驚くほどに空いていた。

おかげでゆっくり観ることが出来たよ。
退職したら、美術展や写真展は、
平日の空いている時間帯に行こうと
思っていたけど、こんな感じなんだろうな。

さて、写真展の方は 2回目だし、
図録も購入しているので、初回のような
新鮮さはないものの、それでもやはり、
このコンセプトは私の好みだと再確認した。



写真・動画 撮影OKの写真展なのも嬉しい。











『ウェス・アンダーソンすぎる風景みつけた
コンテスト』の入賞作品も展示されていたんだけど、
これなら私も応募すれば良かったと思った。
そのコンテストの募集を知っていたかどうかも
覚えてないんだけど。
それは、日本各地で撮られた写真で
その中の数枚には唸らされたよ。

やはりこの写真展は、前回 観たとき同様、
「カメラを持って、旅に出かけたくなる」
そんな写真展だった。

前回は、行列が出来てたので
立ち寄らなかったサービスも試してみた。
展示中の写真数枚の中から好きなものを
選び、自分の名前を入れて、
その写真のある街までの疑似航空券を
自分宛てに送れるというサービスだ。


HND(羽田)→ CLE(クリーブランド・ホプキン空港,USA)


HND(羽田)→ SBP(サン・ルイス・オビスポ空港,USA)

中々良いアイディアだな。
無意識に選んだ2枚がアメリカだったのも面白い。



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