2022年6月
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2022.6.1
祝! 15周年
2007年6月1日、
この「ひとりごと」をスタートさせました。
なんと 15年です。
「もう」なのか「まだ」なのか、
15年の感覚が分かりません。
と、思ったら、分かりました。
「もう」でもなく「まだ」でもなく、
「ただ」15年なのだと思います。
次の15年、続けたら
私は75歳になります。
生きてたら。
どんな世界になっているんでしょうか。
争いごとのない世を望みます。
何千年も大した進歩のない人間が、
少しは賢くなっていると良いのですが、
15年では足りませんか。
というか、15年前より
私は少しは賢くなったのかな。
健 康 診 断
今日は、もう10年以上毎年受けている
健康診断に行ってきた。
血液検査、検便、検尿、血圧、
心電図、視力、聴力、胸部レントゲン、
胃のバリウム検査などだ。
このバリウム検査というのが、毎年イヤだ。
昨年は、大腸ポリープを取って数ヶ月だったため、
バリウム検査はやらなかったので、
今日は、2年ぶりだった。
バリウム検査は、発泡剤とバリウムを飲んで、
ゲップを我慢しながら検査台の上で、
検査技師の言うままに、
何度も何度も転がらなければならない。
俯瞰して見ると(何をやっているのか
知らなければ)異様な世界だ。
検査台の上で逆さにされたり、
何度も回れと言われたり、
ゲップを我慢しろと言われたり、
21世紀なのにこんな検査なのかと思ってしまう。
そして、検査の後には、バリウムを
排出するために下剤を飲まなければならない。
下剤の効きが治まるまでは、怖くて出かけられない。
いつ、ヤツがやって来るか分からないからな。
検査としては、内視鏡の方が断然優れているが、
これはこれで別のツラさがある。
一番楽なのは、麻酔で寝ている間に
内視鏡検査をやってもらうことだろうな。
それは、費用が高い上、
麻酔は麻酔で別の問題もあるんだろうな。
視力・聴力検査では、検査時に、
昨年の数値も分かるしくみになっている。
両方とも昨年より、落ちていた。
視力は、年によって良くなったり
悪くなったりしているので、それほど気にはならないが、
耳が悪くなっていたのは、ショック。
検査なので、凄く小さい音量なのだけど、
左耳が 1000Hz の音を聞き取れなかった。
自然なことだけど、老化なんでしょうな。
2022.6.3
23周年
昨日は、妻の誕生日で私たちの結婚記念日。
久しぶりに島津山(品川区東五反田)の
リストランテ・アンジェロでディナー。
年に1〜2回程度だけど、
オープン当初(2010年)から、通い続けている
お気に入りのリストランテ。
料理の創作が素晴らしいんだ。
さて、妻は、58歳になった。
結婚は、23年。
結婚前に1年間 同棲期間があったので
妻とは、24年 一緒に住んでいる。
私は、23歳で実家を出て一人暮らしを
始めたので、ついに両親と暮らした時間を
妻と暮らした時間が上回った。
結婚って、他人(妻)と暮らした方が、
肉親と暮らすより長くなるねんな。
考えれば、当たり前やけど。
だから、何だと言うことはないのだけど、
そんな風に考えると、
人生って不思議。
そして、言い古された言葉やけど、
長いようで短い。
だって、もう23年ですぜ。
2022.6.7
カレーはスポーツだ!#39
ハーフ&ハーフカレー / minion(渋谷)
★★★☆☆
明治通りの並木橋交差点にある「minion(ミニオン)」。
夜は、バルのようだけど、
ランチでは「フレンチカレー」を提供している。
初めてだったので、欲張ってハーフ&ハーフにし、
2種類のカレーを食してみた。
前菜(サラダ)が付いて、1,000円。
前菜
カレー
写真の右側がグルテンフリーの「ポークスパイスカレー」。
スパイスと名の付く割には それほど辛くない。
左側がオクラとチキンの入った、「チョモランマカレー」。
こちらは、もっと辛くない。
手前に見える白いせんべいのようなものは
挽いた豆を焼いたものらしく、
割ってカレーに混ぜて食す。
フレンチカレーというので、欧風カレー好きな私は、
期待したのだけれど、両方とも ちょっと期待外れ。
私の好みではなかった。
お店の人は、愛想も良く気持ちよかったんだけどな。
再訪はないかな。
あ、でもホワジャオ(山椒の一種)が入った、
「マーラーチキンカレー」は、一度食してみたいね。
FAB4
featuring JUNE YAMAGISHI
先週の金曜日(6月3日)、
「FAB4 featuring 山岸潤史」という
ライヴを観てきた。
「FAB4(ファブフォー)」というユニットのことは、
このたび知った。
ベースの KenKen は、何度か観ているけど、
その他のメンバーのことは、良く知らなかった。
ゲストで山岸さんが出演するので、観に行ってきた。
山岸さんは、ニューオリンズで活動しているギタリスト。
帰国は、3年ぶりだという。
(コロナのせいでしょう。)
FAB4、4人とも凄腕です。
まあ、スゴイグルーヴだった。
KenKen (b) と FUYU (dr) のコンビ、強力です。
この FUYU というドラマー、EXILEや
スガシカオなどと共演しているということで
そのグルーヴも納得。
キーボードは、PONTA さんに認められ、
20歳で NEW PONTA BOX に
参加していたという、柴田敏孝。
そして、ギターの TAKU。
「韻シスト」というバンドのギタリスト。
全く知らなかった人ですが、音色もフレーズも
かなり好きなギターだった。
腕前もかなりのものと見た。
ギターは、テレキャスターを2本使用。
Fender の Bigsby 付き Thinline が
大変ええ音出しとった。
セッティングのせいでしょう、山岸さんより
断然、聴きやすい音だった。
山岸さんの音は、ちょっと音量が小さくて、
聞きづらい場面が何度もあったのは残念。
あれは、PAの責任ではないのかな。
ギターは、(たぶん)Xotic のテレキャス・タイプ。
曲は、とにかくゴキゲンで、ゴキゲンで
あっという間の70分だった。
アンコールは、そんな風にくるか、という
アレンジの『Cissy Strut』。
これは面白かった。
山岸さんは、69歳。
来年70歳か〜。
[ MEMBERS ]
FUYU (ds)
KenKen (b)
TAKU (g)
柴田敏孝 (key)
guest : 山岸潤史 (g)
@ Blue Note TOKYO
2nd show
2022.6.8
Larry Carlton
ラリー・カールトン
いよいよ外国人アーティストが戻ってきたぞ。
今日は、2019年8月のリチャード・ボナとの
共演以来、3年ぶりのラリー・カールトン!
久しぶりな上、1部と2部で違うプログラムなので
張り込んで 通しで 観てきたよ。
1st: "The Crusaders Remembered Vol. 2"
2nd: "Greatest Hits / Steely Dan Vol. 2"
「Vol.2」とあるのは、以前一度 演ったからかな。
まずは1部。
定刻を10分ほど過ぎてメンバーの登場。
ラリーのギターは、Gibson ではなく
Sire(サイアー)の H7(335 タイプ)。
Sire は、高品質な楽器をお手軽な価格で
提供することを目的として出来たメーカーで、
その第一弾は、エレキ・ベースで
マーカス・ミラー・モデルだった。
マーカスが来日公演で使用したのを
観たことがあるけど、1曲か2曲で
弾いただけだったのに対し、
ラリーはこの Sire 1本だけでステージを通した。
出てくるのは、ラリーの音に違いないが、
あの Gibson ES-335 に比べて、
やはり若いというか、若干 新しいギターの
音に聴こえるのは、私の偏見か既成概念か。
いや、やはりラリーのあの 335 は、
1969年製だというから、違って当たり前だな。
ちなみに Sire H7 は、11万円です。
一度もチューニングしなかった(と思う)のはスゴイ。
1部は、"The Crusaders Remembered" と
いうことで、クルセイダーズの曲を中心に
演ったんだと思うが、曲名が分かるのが
『Cold Duck Time』ぐらいだ。
それ以外に『Smiles and Smiles To Go』
『Minute By Minute』など。
ラストは、短めの『Room 335』で
アンコールはなし。
2部は、"Greatest Hits / Steely Dan"。
これまた、スティーリー・ダンの曲名が
分からないのだけど、終演後ステージあった
セットリストを見るとこの通り。
たぶん上から演ったんだろう。
『(It Was) Only Yesterday』は、
書いてあるけど、演っていないので
1部同様『Room 335』で終わって、
アンコールで『Sleepwalk』までだな。
1部は、18時スタートということもあってか、
少し空席があったけど、2部は、ほぼ満席。
メンバーは、ラリーとサックスのマーク、
トロンボーンのバリーは、ええおじさんだが、
他の3人はまだ若い。
ベースのトラビィス(ラリーの息子)は、
ちょっと太り過ぎやな。
150kg以上ありそう。
[ MEMBERS ]
Larry Carlton (Guitar)
Travis Carlton (Bass)
Ruslan Sirota (Keyboards)
Mark Douthit (Saxophone)
Barry Green (Trombone)
Gene Coye (Drums)
@ Billboard Live TOKYO
1st and 2nd show
ラリーのペダル
時代遅れのRock’n’Roll Band
桑田さんの YouTube チャンネルに
『時代遅れのRock’n’Roll Band』の
フル・ヴァージョンがアップされた。
公開から、2日で視聴回数100万回を
超えている。
先月リリースされたこの曲は、
1955〜56年生まれの同級生5人、
桑田佳祐(作詞・作曲)、佐野元春、
世良公則、Char、野口五郎による
チャリティ・ソング。
音源は、すでに聴いていたけど、
このたび、MV がアップされたわけだ。
レコーディングでは、5人全員が集まることは
なかったらしいが、この MV には、
5人が一堂に会し、一つのマイクを
囲んで唄う観たことのない絵が見られる。
同じく66歳の大友康平(ハウンド・ドッグ)が
ドラマー役で出演している。
これ、聴いたとき、同じ年のミュージシャンで
声をかけられなかったけど、参加したかった人、
いるだろうな、と思っていたけど、
大友さんも歌いたかっただろうな。
そのほか、キーボードに原由子、
ベースにハマ・オカモトが出演。
5人は、同級生ということだけど、
野口五郎が見た目 若い!
桑田さんも若い!
髪の毛を染めていないせいもあるだろうけど、
Char さんが一番渋い(老けているとは言いません)。
桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎
ー 時代遅れのRock’n’Roll Band(Full ver.)
2022.6.9
輪島レポート グルメ編
先週末、石川県輪島市へ行ってきた。
友人夫婦と3人で車に乗って、
金曜日の 23時に東京を出発した。
東京から輪島までは、首都高速から
東京外環自動車道、関越自動車道、
上信越自動車道、北陸自動車道、
能越自動車道を走って、約580km ある。
大阪より遠いのだな。
輪島に到着したのは、朝の6時半ごろだったか、
7時ごろだったか。
この旅の目的は、友人の実家の諸々だったのだけど、
私はそれに便乗させてもらい、
写真撮影とグルメを楽しんだ。
輪島といえば「朝市」。
土曜日のランチは、その朝市の中でも、
友人が「ここが一番旨い」という、
「朝市さかば」の「海鮮丼」。
その日に水揚げされた魚を使っているので、
漁の具合によっては、閉店していることもあるという。
まず、刺身が肉厚です。
食べると「ああ、新鮮だな」と分かる味。
ご飯は、酢飯ではなく普通の白飯。
一切れ入っていたふぐに感動。
東京の定食屋などの味噌汁は、
どうも味が濃いくていけないが、
ここの味噌汁は、優しい味付け。
一発目の輪島グルメに大満足。
土曜日の夜は、友人が予約してくれた
居酒屋「どんぶらこ」。
刺身はもちろん、もう何食べても旨い!
「ふぐ卵巣とマスカルポーネ」
「ふぐ唐揚げ」「しただめ(貝)」など
特に気に入ったのが「くじら生姜焼き」。
これ、おかわりしたもんね。
能登の日本酒を3種類飲んだけど、
「竹葉(ちくは)」という酒が、旨かったなぁ。
あんまり寝ていなかったこともあって、
結構 酔っぱらった。
何食べても美味しいので、最後には、
チャーハンまで食べてしもた。
3人とも食べすぎ。
2日目のランチは、「やぶ新橋」で、ふぐ。
前日のランチの海鮮丼にふぐの炙りが
一切れ入っていて、それが旨かったので、
「ふぐ炙り丼」と、「輪島ふぐ漬け丼」を
シェアして食べた。
大阪でフグの刺身を「てっさ」と呼ぶが、
大変薄く切ってある。
それはそれで旨いけど、能登では、
1センチ以上もあろうかという厚みの
フグを軽〜く炙ってあるのだ。
ふぐ炙り丼
輪島ふぐ漬け丼
ふぐ唐揚げ
そして、輪島最後の食事は、「助すし」。
つき出しで出てきた「カニみそ」からして旨い。
お刺身
アジフライ
おこぜ唐揚げ
のどぐろ(見たことないぐらい でかい!)
いか天
おまかせ握り
紹介した4店舗は、近所なら全て
リピ確実のクオリティ。
満足満足、大満足なグルメ旅でした。
ごちそう様!
2022.6.10
スチャラカ
SUCHARAKA LIVE @ BLUE NOTE TOKYO
今日は、金子マリちゃん(なぜか「ちゃん」付け)が、
ジャズ・ギタリスト秋山一将、石渡明廣らと組んだ
新しいバンド「スチャラカ」を観てきた。
奇しくも先週の金曜日には、同じブルーノートで
マリちゃんの息子、KenKen(FAB4のベーシスト)を
観たばかりだ。
(KenKen の父親は ジョニー吉長、兄は金子ノブアキ)
まず、3曲インスト。
秋山さんの名前は、40年ぐらい前から知っているけれど、
ナマで観るのは、初めてだと思う。
何年か前、病気をされたような記事を読んだ覚えがある。
その病気の後遺症か何かだろうか、
明らかに一般的なギタリストに比べ、
弾いている姿が難しそうに見えた。
何年か前に観た事故後のマイク・スターンを
思い出した。
私が持っている秋山さんの音源は、80年前後の
フュージョン・ブーム時のコンピに収められた演奏。
それとは、比べられない演奏だったのだが、
その弾きにくそうな演奏から奏でられるトーンは、
強烈な個性と味となって、私に届いた。
「今のミス・トーン?」というようなことを
超越したような演奏だ。
もう一人のギタリスト、石渡さんは普通に
上手い演奏をするのだけど、
非常に対照的で興味深かった。
ギターは、秋山さんはヘッドの形状から、
フジゲンではないかと思われる、
フロントPUがハムのテレキャスター・タイプ。
石渡さんは、シェクターの HSH の
ストラトキャスター・タイプ。
マリちゃんが唄った曲の中では、
『ゴロワーズを吸ったことがあるかい』が良かった。
これ、ムッシュかまやつの曲です。
若い頃、聴いた時はその良さが分からなかったけど、
今は分かります。
そのほか『ジョージア・オン・マイ・マインド』や
ボサノバ風の『What a Wonderful World』も
良かったなぁ。
アンコールは『青い空』。
お客さんは、やや少なめだったけど、
普段のブルーノートにはない、独特の空気でした。
大西真 & 松本照夫のリズム・セクションは、
渋い安定のグルーヴでした。
[ MEMBERS ]
金子マリ(vo)
秋山一将(g,vo)
石渡明廣(g)
大西真(b)
松本照夫(ds)
@ Blue Note TOKYO
2nd show
[ 金子マリ 関連エントリー ]
2012.7.25 石田長生 “Kanreki" Birthday Special LIVE!!
2013.6.6 山岸潤史・芸歴40周年&還暦記念ライブ in 東京
2015.7.16 略して「ボイス」
2015.7.22 有山岸 feat.上田正樹〜Bitter Sweet Soul〜
2016.7.25 “ 石田長生展 ハッピネス!! ”
2016.10.9 MARI KANEKO 60th BIRTHDAY LIVE 金子な理由
2019.9.22 石田長生展 2019 SONGS Of Ishiyan
(2022.6.22 追記)
[ SETLIST ] 2022 6.10 fri. / 2nd show
1. 凪
2. Spooky
3. You are the one
4. Golden lady
5. Easy living
6. All around the world
7. ゴロワーズを吸ったことがあるかい
8. Georgia on my mind
9. What a wonderful world
EC. 青い空
Blue Note LIVE REPORT より
2022.6.12
エコー・イン・ザ・キャニオン
ECHO IN THE CANYON
ウェストコースト・ロックの聖地と
言われる「ローレル・キャニオン」を
題材にしたドキュメンタリー映画
『エコー・イン・ザ・キャニオン』。
ウェストコースト・ロックと聞くと、私は
イーグルス、ドゥービー・ブラザーズ、
リンダ・ロンシュタット、ジャクソン・ブラウン、
J.D. サウザーあたりを思い浮かべる。
それらは、いわば70年代で、
本作は、それらよりちょっと前、60年代の
ウェストコースト・ロックを題材にしている。
ザ・ビーチ・ボーイズ、ママス&パパス、
ザ・バーズ、バッファロー・スプリングフィールドと
いったグループだ。
ザ・ビーチ・ボーイズ、ママス&パパスは、
代表曲ぐらいは知っているけど、
ザ・バーズ、バッファロー・スプリングフィールドに
至っては、全く聴いておらず、
もし、若い頃に聴いていたら、とても
面白かったんではないかと思った。
とはいえ、ビートルズに触発された、
ウェストコーストのアーティストが創った
音楽に今度はビートルズが、
影響されるという構図は大変興味深かった。
大西洋を挟んでそのケミストリーが
起きていたわけだ。
そしえ、ウェストコーストのアーティストたちが、
互いに影響し合って音楽を創っていたのが
「ローレル・キャニオン」だったわけだ。
そう考えると、音楽、この場合ロックは、
誰か一人で生み出されるものではなく、
アーティスト同士が、影響し合い
発展してきたことが分かる。
一人きりでは、生み出されないのだ。
ビートルズだけではない。
エリック・クラプトンが、デラニー&ボニーや
デュエイン・オールマンなど
アメリカ南部のミュージシャンに影響を
受けたというのは有名だが、エリックも
ウェストコーストの影響を受けていたんだ。
『Let It Rain』の元ネタが、
スティーヴン・スティルスの曲だと
エリック自信が認めている。
案内役は、ジェイコブ・ディラン
(ボブ・ディランの息子)。
ジェイコブが、ベック、ノラ・ジョーンズらと
カヴァーを聴かせる。
インタビューに応じるのは、
トム・ペティ、ブライアン・ウィルソン、リンゴ・スター、
ミシェル・フィリップス(ママス&パパス)、
スティーヴン・スティルス、デヴィッド・クロスビー、
グラハム・ナッシュ、ロジャー・マッギン、
ジャクソン・ブラウン、そして、エリック・クラプトン。
★★★★☆
カレーはスポーツだ!#40
ヒレカツカレー / 菜々笑(不動前)
★★★★☆
ヒレカツカレー、1,480円。
菜々笑(ななえ)の料理は、
優しいのでカレーも辛くなくマイルドだ。
ヒレカツは、ふた切れで計200グラム以上は
あるだろう。
衣はサクサクで、肉は柔らかい。
2022.6.12
ぼくの歌が聴こえたら
THE BOX
韓国映画『ぼくの歌が聴こえたら』。
才能があるのに人前で唄うことが出来ない青年と
その青年を売り出そうとする、借金まみれの
音楽プロデューサーの物語と聞いて、
面白そうだと思い観てきた。
障害を乗り越えて歌手になっていく、
ヒューマン・ドラマかと思いきや、
EXO(エクソ)という韓国の男性アイドル
グループのチャンヨルという人が主演で、
いわゆるアイドルの映画でした。
なぜ人前で唄えなくなってしまったのか。
子供の頃のトラウマが原因のように描かれてはいるが、
イマイチ何が原因かよく分からなかったり、
人前で唄えるようになる流れも説得力に欠けた。
冷蔵庫用の大きな段ボール箱に入って
歌うシーンでは、やたらと箱の中が広かったり、
ストリートで飛び入りで演奏するのに、
ギターアンプが用意されていたり、
意味不明なミュージカル的なシーンがあったり、
要するに映画というより、
長〜いミュージック・ビデオのようであった。
チャンヨルは、日本でいうとジャニーズの
グループの中の誰かといったところだろう。
歌も良いし、ギターも上手い。
映画の中では、ピアノもドラムも演奏する。
その上、イケメンだ。
韓国では、初登場1位の映画だったらしい。
EXO のことを知らなかったので、
YouTube で観てみたら、ダンスも素晴らしい。
韓国のエンタメは、レベルが高いと聞くが、
本作は、映画としては期待外れだった。
まあこれは、アイドルの映画で、
おっさんが観る映画ではなかったんだな。
入り口で入場者プレゼントとして
フォトカード(写真)を配ってるぐらいやもん。
そら、アイドルの映画やで。
あと、邦題もイマイチやなぁ。
原題は『The Box』。
『Wthout You』、『What a Wonderful World』、
『My Funny Valentine』など渋めの
選曲があったのは、良かった。
★★▲☆☆
死刑にいたる病
阿部サダヲ主演の映画『死刑にいたる病』。
タイトルやポスターの印象から、
サイコパスな映画だとすぐ分かるね。
死刑判決を受けた連続殺人鬼・榛村大和
(はいむら やまと)に阿部サダオ。
その殺人鬼から、「事件の一つは冤罪。
真犯人がいることを証明してい欲しい」と
依頼される大学生・筧井雅也
(かけい まさや)に岡田健史。
雅也は、我流で事件を調べ始めるが、
三流大学に通っている設定の 20歳の若者が、
こんなに頭が良くて、調査能力に長けているのは、
自分の20歳の頃を思うと、考えられないけど、
まあそこは、突っ込んでも仕方ない。
以下、ややネタバレ含む。
途中、こいつが真犯人ちゃうの?と思う男が
登場する。
こいつが真犯人やったら、サスペンスとしては、
簡単すぎてイヤやな、と思っていたら、
後半、どんでん返しがあるのだが、
そのどんでん返しが、イマイチ分かりにくいねんけど。
殺人鬼・大和は、人に好かれるというのは怖い。
誰もが、大和の思う壺にはめられていく。
看守でさえ、大和は味方にしてしまう。
サイコパスは、異常な才能を持ち、
人の心理をコントロールする。
雅也もあやうくその手に落ちるところだったが、
寸前に自分自身を取り戻す。
概ね、映画に引き込まれてしまうのだが、
後半が分かりにくく、
ラストシーンも頭の中で「???」な感じ。
これは、原作を読まないと意味が分からんな。
たぶん、原作を読んだらもっと面白いんだろう。
雅也を演じる岡田健史は、どこかで観たことが
あると思っていたら、『そして、バトンは渡された』に
出ていた、ピアノの上手い高校生ね。
ところで、妻は今、次の本を執筆中で、
キルケゴールのことを調べているらしい。
映画が始まる前、『死刑にいたる病』という
タイトルを見て「これってキルケゴール?」と
訊いてきた。
「違うやろ」と答えたのだが、
映画の中の大学の講義のシーンで、
「キルケゴール」が出てきてビックリ!
鑑賞後に聞いたのだけど、
キルケゴールの著書に『死にいたる病』というのが
あるらしい。
その上、哲学の講義のシーン。
タイトルのヒントになっている可能性は大だな。
★★★▲☆
2022.6.13
コロナ物語 その9
後日談
4月に新型コロナ感染症に罹った。
4月7日から16日まで(自宅)療養期間だった。
夫婦そろって感染した。
というか、妻には私がうつしたんだろうけど、
2人ともあまり大したことにならずに済んだ。
3〜4日ほど前、妻と私宛に保健所から封書が届いた。
「感染症の予防及び感染症の患者に対する
医療に関する法律に基づく感染症患者等の
届出及び就業制限について」という
長ったらしい表題の書類。
A4サイズで裏表。
日付は、4月9日になっている。
要は、法律に基づき、病原体を保有しなくなるまでの
期間、就業が制限されますよ、というお知らせだ。
制限される業務は、飲食物の製造・販売や
接客業など多数の者に接触する業務。
この制限のある業務に従事した者は、
50万円以下の罰金に処せられることがあるらしい。
あんまり現実的ではないけど。
ちなみに私は、これらの業務に該当しない。
でも、10日間自宅療養した。
私は、何の法律に従ったんだろうか。
自分でも分かっていない。
まあ何でもええねんけど。
保健所の指導があるわけだから、
何か根拠となる法律か何かがあるんだろう。
それにしても、4月9日付の書類が、
2カ月遅れて届くとは。
「遅くなってゴメンね」的な文書も
添えられていたけど、保健所の混乱ぶりが窺える。
そういえば、同じ PCR検査所で1日違いで、
検査をしたのに、妻にはすぐに保健所から
電話があったけど、私には電話がなかった。
そのあたりも保健所の多忙・混乱の現れかも知れない。
今日の東京都の新規感染者数は、960人。
1000人を下回るのは1月11日以来だという。
一番多かった2月2〜3日には、
1日の新規感染者が2万人を超えていたんだから、
そこから考えると、ようやく、コロナとの
共存が出来るようになったということだろうか。
また、増える日が来なければいいけど。
焼肉しみず
不動前駅前の焼き肉屋「しみず」に
3回行ったけど、3回とも満席で入れなかった。
3回とも週末だったせいもあるかも知れないけど、
これは予約せなあかんなと思い、
予約して ついに昨日行ってきた。
2日前の金曜日に予約を入れようと
電話をしたら、「17時から18時45分なら
お席があります」言われた。
すでにかなり予約が入っている様子だ。
17時前に着くと、数組が店の前で
開店を待っている。
店内は、4〜6人がけのテーブルが7卓。
17時の開店と同時に満席だ。
(正確には、満席ではなく、満卓だけど。)
ここは、厚切りの「タン」が名物のようでもあるが、
私は、焼肉は「ハラミ」が一番旨いと思っている。
焼肉を食べに行くと、必ず「ハラミ」を注文し、
「ハラミ」の旨さの引き立て役に他の部位を
注文するようなきらいさえある。
昨日も「ハラミ」以外にも
「カルビ」「極上肉切落とし」も頼んでみたが、
やっぱり「ハラミ」が一番。
「しみず」のハラミは2種類。
「ハラミ ¥1750」と「上ハラミ ¥3650」。
けして安くはないが、さすがに人気店だけあって
どちらも上品で旨かった。
特に「上ハラミ」は、厚みもあり、
ええ感じの「ハラミ」独特の歯ざわり&歯ごたえ。
これは、また食べたいな。
肉は、黒毛和牛A5ランクのメス牛とのこと。
今度は「厚切りタン塩」(要予約)も食べよかな。
これ、一頭から5枚しか取れないらしく、1枚2,200円。
もう、網焼きのステーキですな。
上ハラミ
2022.6.14
カレーはスポーツだ!#41
国産鷄ひき肉のキーママヨカレーのサラダ
/ With Green(恵比寿)
★★★★▲
国産鷄ひき肉のキーママヨカレーのサラダ
(Lサイズ)1,250円。
カレー屋さんではなくサラダ専門店のカレー。
ここのサラダは、私のお気に入りの一つで
もう10回以上は、通っている。
季節限定のメニューもあり、今回はその一品。
家では、ライスの代わりに豆腐にカレーを
かけたりすることはあるけど、
サラダにカレーをかけるというのは、
ありそうであんまりないな。
これが意外に美味い。
健康的な欲求も満たされて、罪悪感(?)もない。
いい事ずくめなのだ。
ここは、国産野菜100%というのも嬉しい。
(国内栽培が難しいアボカドは使っていない。)
ところで、先ほど「いい事ずくめ」と書く時、
「ずくめ」なのか「づくめ」なのか迷った。
漢字で書けば「尽くめ」。
「尽(つ)くす」なので、「づくめ」だろうと
思ったが、念のため調べてみた。
なんと、「尽くめ」の場合は「ずくめ」で、
「尽くし」の場合は「づくし」なのだ。
「ずくめ」と「づくし」は、似ているようだが、
意味や使い方が違うのだな。
「〜〜ずくめ」と「〜〜づくし」。
「ずくめ」の方は、それ以外ない状態。
例えば、「いい事ずくめ」と言えば
いい事ばかりしかないということ。
一方、「づくし」の方は、同じようなものが
たくさんあること。
「尽(つ)くす」というのは、ありったけのものを
出し尽くす事であることから、考えるとイメージがわく。
「今夜の食事は、貝づくしだった」といえば、
食卓に貝の料理が何種類も並んだ事が伺える。
でも、当然貝以外も食卓に載っている。
「貝ずくめだった」というと、食卓には
貝以外載っていない事になるのだな。
2022.6.16
わかりあえない他者と生きる
差異と分断を乗り越える哲学
マルクス・ガブリエル (著)
マルクス・ガブリエルは、ドイツの哲学者。
1980年生まれだから まだ42歳だ。
2009年に史上最年少の29歳でボン大学の
正教授に就任したという経歴の持ち主。
そのガブリエルの本を初めて読んだ。
家には、ガブリエルに限らず、
妻の哲学書が何冊もあるのだけれど、
私は一向に読もうと思わなかった。
でもようやく最近、哲学入門あたりの
本を読み始めた。
この本は、なんとなく書店で手に取ってしまった。
タイトル「わかりあえない他者と生きる」に
惹かれたこともあるし、表紙に書かれた
「人間関係の束縛から自由になる」と
いう文言も気になった。
さて、哲学者の本である。
簡単ではない。
今まで考えたこともないような
観点・視点を知ることになる。
理解できたのは、たぶん7〜8割りだろうか。
残りの2〜3割は、今の私には
よく分からない。
もっと勉強しないと、完全に理解することは
難しいと思う。
「ソーシャルメディアが私たちを非人間化し
分断する」という考えは共感できる。
私たちは考えをかなり操作されていると
思った方が良さそうだ。
「本当に安定的に存在しているのは変化だけ」
パラドクスのようであるが真実だ。
変わらないものなんて何ひとつない。
「マネージメントとは、アンガーマネージメント
(怒りの自己管理)に尽きる」
ああ、それなぁ。
全くそうやな。
ガブリエルの言い分は、面白い点も多いが
中には机上の理想論にしか思えないこともある。
現実的に思えないのは、私の勉強不足か。
彼は学者であって、実現する人ではないからか。
ただし現実的には思えないアイディアであっても
その発想のもとは、ユニークで斬新で
「なるほどそうかも知れない」と思わせるところが
彼の人気の元なのかも知れないな。
2022.6.17
YouTube
そろそろ ソロ・ギター No.29
『ドクターKの完了』
"Completion of Dr.K" (Dedicated to Dr.K)
前回の動画アップから、ひと月以上経ってしまった。
久しぶりの YouTube。
今夜の曲は、私の作曲。オリジナルだ。
タイトルにある「ドクターK」は、
以前お世話になった人で もう故人だ。
存命なら、今年91歳だった。
ドクターと付くからには、医者だったが、
私が出会った時にはすでに医者を辞めていた。
私の勝手な解釈だが、彼女の人生のテーマは、
「完了」であったように思える。
それで、タイトルを 『ドクターKの完了』とし、
彼女に捧げる曲とした。
ここで言う「完了」とは、ただ終わることを
言っているのではなく、「そのままでよし」という意味だ。
ずい分とお世話になったし、感謝もあるが、
彼女との関係は、あまりよい終わり方ではなかった。
そういう意味でもこの曲は「完了」なんだ。
そろそろ ソロ・ギター
『ドクターKの完了』"Completion of Dr.K"
2022.6.18
小島良喜
ピアノ・ソロ 全国横断ツアー 2022
ギター好きの私は、ギタリストなら数えきれないくらい
ライヴを観に行ったけど、ピアニスト主体のライヴとなると
数えるほどしか観に行っていない。
その数少ないお気に入りピアニストの一人が、
小島良喜(よしのぶ)さん。
私には、Char や 高中正義 との共演として
馴染みがあるが、井上陽水、桑名正博、
浜田省吾、近藤房之助、今井美樹 などと
ステージやレコーディングを共にしてきた大ベテランだ。
小島さんは、ポップスやロックの
バック・ミュージシャンとして素晴らしいだけではなく、
ひとりのジャズ・ピアニストとしても素晴らしいのだ。
4月14日の目黒 BLUES ALLEY JAPAN での
「小島良喜 solo live」は、チケットを
取っていたにもかかわらず、私が新型コロナに
罹ってしまい、行くことが出来なかった。
小島さんは、先月から今月にかけて、
ソロピアノ・ツアーを周られている。
明後日が、目黒 BLUES ALLEY JAPAN で
ツアー最終日なのだけど、このツアーを
知った時にはすでに違うライヴのチケットを
取っていたので、「ああ観に行けないな」と思ったら、
もう1日、今日、東京での公演があった。
調布にある「GINZ」。
初めて行ったハコだったが、ちょうど学校の
教室ぐらいの広さで、ステージが客席より
1メートルぐらい低くなっていて、
ちょっと上から見下(お)ろす感じだが、見やすい。
小島さんは、「見下(くだ)してください」と
言ったいた。
ステージの後に
「ANNIVERSARY GINZ 24th」とあったので、
24年やっているということだろうか。
まだまだ、東京を知らないということやな。
1部は、ブルースに始まり、4〜5曲かな。
この人の ff(フォルテシモ)は、心に刺さる。
ラストに「タイトルは『Family』、つまり人類皆兄弟です」と
言ってやった曲が美しかったな。
年内には、新譜が出るらしい。
楽しみだ。
2部後半では、ゲストを迎えてのセッション。
まず、ギターの林さんという方とデュオでブルース。
お店のマスター小川さん(テナー・サックス)が
加わって、『Cantaloupe Island』。
最後にヴォーカルとのデュオで『Imagine』。
このヴォーカルの方もお店の人。
マスターの奥さんだろうか。
低音から高音まで、素晴らしかったね。
また、小島さんのバッキングが憎い。
アンコールは「若い時はしなかった」と言いながら、
しっとりと『Over the Rainbow』。
あー明後日も観たかったけど、残念。
でも、小さなクラブで、ピアノまで4〜5メートルの
特等席で観られたのは良かった。
40人ぐらいで満席のお店で、20数人のお客さん。
贅沢な空間でした。
小島さんのソロ・ライヴ、また、行きたい。
[ MEMBERS ]
(Pf) 小島良喜
ゲスト:
(g) 林さん
(t.sax) 小川さん
(vo) お名前失念
@ GINZ(調布)
2022.6.20
原田知世
40周年アニバーサリーツアー2022
fruitful days
死ぬまでに観ておきたいアーティスト・リスト
シリーズ、今夜は原田知世だ。
たまに映画やテレビドラマで見かける程度で、
(コーヒーのCM ではたびたび見るね)
彼女のことを良くは知らないのだけど、
数年前に聴いたカバーアルバムの
『年下の男の子』は、とても印象に残っている。
(その時のエントリー)
会場は、渋谷 Bunkamura のオーチャードホール。
2階席の後ろから2列目というあんまり良い席では
なかったが、オペラグラスを持参していたので、
十分に楽しめた。
音も悪くなかったし。
10分ほど押して、開演。
1曲目は、『A面で恋をして』。
『ユーメイドリーム』では、ステージにいない人の
コーラスが聴こえ、ちょっと残念。
これ、シーケンサーと合わせて演奏しているのだと
思うけど、私は、ステージにいる人だけで、
演奏して欲しいんだな。
まあ、好みの問題ですが。
その他『ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ』など。
英語曲のカバーはなし。
1部は、35分ほどで休憩。
バンドは、4リズム(Gt, Key, B, Dr)と
弦楽四重奏の計8人。
ギターがバンマスでもある伊藤ゴロー氏だったのだけど、
この人は、ガットギターでボサノヴァを弾くイメージだった。
エレキ・ギターを弾くのは始めて観た。
あえて苦言を呈するなら、原田知世が
MCしてる最中に何度も余計な音を出した。
ああいうのは、プロとしてどうなんでしょって思う。
20分強の休憩のあと、2部。
2部は、今年発売されたニューアルバムからと
以前のオリジナル曲。
知っている曲は、アンコールで演った
『時をかける少女』だけだった。
アンコール2曲を入れて120分足らずなので、
コンサートとしては、やや短かめだな。
最後には、1階席はスタンディング・オベーション。
原田は(こう言ってはなんだけど)、
けして歌が上手いわけではないと思うが、
彼女の持つ雰囲気やキャラクターが、
その人気の秘密だと思った。
54歳には、見えないしね。
女優業とシンガーの両立は、難しいだろうと思う。
聴きたかった『年下の男の子』は、
残念ながら演らずでした。
[ MEMBERS ]
原田知世 (vocal)
伊藤ゴロー (guitar)
佐藤浩一 (piano)
鳥越啓介 (bass)
みどりん (drums)
伊藤彩 (violin)
沖増菜摘 (violin)
三木章子 (viola)
結城貴弘 (cello)
@ Bunkamuraオーチャードホール
2022.6.22
渡辺貞夫
SADAO WATANABE
"SAUDADE TO BRAZIL"
今年3月には、長野県塩尻市まで聴きに
行った、貞夫さんのライヴ。
今夜は、青山ブルーノートで。
今夜も素晴らしかったぁ〜。
最後には落涙です。
バンドは、昨年のサントリーホールでの
70周年記念コンサートと同じメンバー。
3月とは、ドラマーが違うのと
ギターが加わっている。
このギタリスト、マルセロ木村さん。
昨年のサントリーホールでは、
それほど印象に残らなかったのだけど、
今日は、結構ソロも多かったし、歌も唄った。
この歌(たぶんポルトガル語)が、また素晴らしかった。
と思ったら、ブラジル サンパウロの音楽一家の
出身で、16歳から音楽学校で教えていたらしい。
そら、本物やわ。
貞夫さんは、御年89歳。
とても、見えないね。
演奏も全く年を感じさせないし、
バンドとの一体感も素晴らしかった。
何よりも、もう、存在だけで素晴らしい。
平和です。
今日は、テーマが、
"SAUDADE TO BRAZIL" ということで
ボサノヴァ、サンバが中心。
「セットの最後です」と言って、
2曲続けて演ったサンバが
踊りたくなるほど、素晴らしかった。
一旦、終わりかなと思ったら、
貞夫さんが『Carinhoso』を吹き始めた。
バンドがついてゆく。
ここからはもう、アンコール部分です。
それから、「ウクライナを想って」と言って、
『Imagine』、続いて同じくジョンの
『Give Peace A Chance』のサビを合唱。
そのあとも、『Life Is All Like That』から
『Harambee』。
全部で80分ほど。
ホントに素晴らしい。
絶対 また行くよ。
日本の伝統芸能には、人間国宝
(重要無形文化財保持者)がたくさん
いるんだけど、JAZZ界にはまだいない(と思う)。
貞夫さんは、人間国宝になっても
良い人だと思うけど、どうだろう。
ところで、今日のライヴ、
ブルーノート東京のサイトの紹介文には
「渡辺貞夫が初夏のブルーノート東京に
“サウダージ”を届ける」とあるのだけど、
この「サウダージ」というのが、中々
日本人には難しいんだ。
ポルトガル語の「saudade」なのだけど、
色んな訳があり過ぎて、結局のところ、
日本語にはないニュアンスなんだろうと思う。
なので、その訳語の中から、エッセンスを
掴むしかないかな。
曰く「甘苦くて憂鬱な気持ち」だったり、
「遠い昔や失われたものにひかれる気持ち」
だったり。
短く訳すと「郷愁」「望郷」「懐旧の念」「思慕」
「ノスタルジー」「懐かしさ」となるのだが、
ポルトガルの「saudade」と、ブラジルで言う
「saudade」は違うと言う記事も読んだことがあり、
いよいよ日本語で理解するのは、難しそうだ。
日本語の「わびさび」を外国語に訳すのが
難しいようにね。
ちなみに今日は演らなかったけど、
『Chega De Saudade』は英語では
『No More Blues』と唄われ、
邦題は『想い溢れて』となっている。
[ MEMBERS ]
渡辺貞夫(サックス)
林正樹(ピアノ)
マルセロ木村(ギター)
コモブチ キイチロウ(ベース)
竹村一哲(ドラムス)
@ Blue Note TOKYO
2nd show
[ SETLIST ]
1. A FELICIDADE
2. BUTTERFLY
3. PASSO DE DORIA
4. CALL ME
5. ITAPUA
6. I THOUGHT OF YOU
7. QUILOMBO
8. ROAD SONG
9. FRONT SEAT
10. JUST A TOUCH
11. REGRA TRES
12. SAMBA DA VOLTA
13. CARINHOSO
14. IMAGINE
15. GIVE PEACE A CHANCE
16. LIFE IS ALL LIKE THAT〜HARAMBEE
↑
早速、Live Fans にセトリがアップされてたよ。
2022.6.25
小田嶋隆さん死去
小田嶋隆。
とてもユニークな視点の文章なので、
一時は、日経ビジネスオンラインの
コラムを楽しみにしていた。
いつも賛否を巻き起こしていたけど、
僕は好きなコラムニストだった。
彼のコラムを集めた書籍
『その「正義」があぶない』も買って読んだ。
いつ頃からか、日経ビジネスオンラインの
無料で読める記事に制限が出来て、
たぶんそれからだろう、なんとなく読まなくなっていた。
たまに思い出したように読むこともあったけど、
この数年は、すっかり読まなくなっていた。
昨日、その小田嶋さんが、亡くなった。
今月、『東京四次元紀行』という
小説を出版されたばかりだった。
2019年に脳梗塞になり、その後
入退院を繰り返していたらしい。
享年 65歳。
ちょっと若いなぁ。
合掌。
2022.6.25
-Celebrate 20th anniversary of Debut-
YOSUKE ONUMA / 小沼ようすけ
"Both Sides" Live at Blue Note Tokyo
小沼ようすけ、デビュー20周年記念ライヴ。
そうかぁ、20年経ったのか。
正確には、デビューは、2001年だったので
今年は21年目だけど、昨年はコロナのせいで
何もできなかっただろうからな。
ファーストアルバム『nu jazz』から、
(たぶん全部)ずっと聴いてきたリスナーとしては、
時の流れを感じずにはいられないなぁ。
そんなに多くはないけど、20年間で、
ライヴも10回ぐらいは観ているし。
デビュー時、爽やかな青年風だったのに、
途中で、イメージ・チェンジ(見た目)したな。
日に焼けて、ちょっとワイルドというか
アーシーな感じなった。
サーフィンを始めて、海の近くに
住んだとかで、彼のライフスタイルが
変わった風なことを記事で読んだ覚えがある。
彼がデビューした当時は、メジャーな若手
ジャズ・ギタリストっていなかったもんだから、
ずい分、(Jazz雑誌などの界隈では)
話題になったような記憶がある。
この人が、2001年のデビューで、
その次にスポットを浴びたジャズ・ギタリストは、
2011年『First Train』でデビューした井上銘だ。
ちょうど10年後というのが、何やら興味深い。
毎年、何人もジャズ・ギタリストが
CD デビューしていると思うのだけど、
やっぱり事務所やレーベルの力で
取り扱われ方が違うんだろうと思う。
もちろんそれプラス、音楽性や話題性、
ご本人のキャラなどいくつもの要因があるだろうけど。
ジャズ界は、CD を出しているからといって
ライヴにお客さんが集まるわけではなく、
レコ発ライヴに行って、観客が数人ということもある。
それだけ厳しい世界なんだ。
さて、20周年記念二夜連続公演ということで、
今日が、「Solo Guitar + Strings Quartet」、
明日は、「Electric Band Set」となっている。
両方観たいけど、最近ソロ・ギターな私としては、
今日のプログラムをチョイスした。
まずは、弦楽四重奏+コントラバスの
弦楽クインテットとともに2曲やったあと、
ソロ・ギターを3曲かな。
ストリングスを入れると、一つ間違うと
安易なイージーリスニング風な音楽に
なりかねない。
ジャズの持つスリルとストリングスのハーモニーの
美しさ、その両方を表現せねばならない。
とすると、肝心なのはそのアレンジ。
今回は、笹路正徳さん。
私には、スピッツのプロデューサーという
イメージが強いけど、スピッツだけではない、
多くのアーティストのプロデュースを
手がけてきた大ベテランだ。
奇しくもプロとしての仕事が、笹路さんも
小沼さんも鈴木勲グループというから面白い。
そういえば、井上銘君もそうではなかったか。
使用ギターは、Echizen(越前)のナイロン弦ギターと
Nishgaki(西垣)のフルアコ。
どちらも日本のルシアーのものだ。
デビュー前からの相棒であった Gibson ES−335
(ギブソン・ジャズ・ギター・コンテスト優勝時の商品)と
一時期のメインギターであった ABE RIVERA も
ステージに並べていて、弾きはしなかったけど、
ちゃんと、紹介していたよ。
きっと、古い相棒たちもこのステージに
立たせたかったんだろうね。
小沼のギターは、音数は多い方ではない。
余計なことを言わない。
そんな印象だ。
数曲終わった後、隣に座っていたカップルの
女性が小声で「いつものようすけさんと違う」と
つぶやいた。
ファンだろうか、ご本人を直接知る人だろうか。
私は、いつもの彼と違うかどうか分かるほど、
良くは知らないのだけど、いずれにしろ
スペシャルなステージであったことは違いない。
今日の中では、本編最後、
1stアルバムに収録されている
『Alison』が私的には一番良かった。
Elvis Costello のカバー。
親父さんが好きだったというこの曲を、
おふくろさんの誕生日(今日)に
おふくろさんへ向けての演奏。
メロディも雰囲気もギターのトーン
(ABE RIVERA)も私好み。
アンコールでは、笹路さんも入って8人で。
今、これを書きながら、ずい分久しぶりに
デビューアルバム『nu jazz』を聴いている。
とても良いです。
[ MEMBERS ]
小沼ようすけ(g)
笹路正徳(arr, p)
鈴木正人(b)
金原千恵子ストリングス・カルテット:
金原千恵子(1st vln)
栄田嘉彦(2nd vln)
渡部安見子(vla)
徳澤青弦(vc)
@ Blue Note TOKYO
2nd show
2022.6.26
山下達郎
大衆への奉仕と生きることの肯定
達郎さんの3年ぶりの全国ツアーが
6月11日の J:COM ホール八王子 を
皮切りに始まった。
その八王子の公演と、7月の NHKホールの
チケットを取ろうと抽選に申し込んだが、
すでに合計5回 外れている。
8月の中野サンプラザも抽選に申し込んだ。
発表はこれからだ。
それに外れたとしても、ツアーは 11月まで
続くので、必ずやどこかで行ってやる!
さて、先日11年ぶりとなる達郎さんのアルバム
『SOFTLY』が発売された。
すでに発表されていた曲も多く収録されているが
それらは全て NEW MIX。
その辺は、いかにも 達郎さんらしい。
この変わらない世界観、
期待を裏切らないクオリティ、完成度は
流行りの歌を作るのではなく、
「制作方針は、風化しない音楽」と
語るその言葉を体現している。
達郎さんが色んな所で語ってきたけど、
テレビ番組の『関ジャム 完全燃SHOW』で
達郎さんの特集をやっていて、ご本人の言葉で
(彼はテレビに出ない人なので声だけの出演)
聴いて、改めて感銘した言葉がある。
「ポップカルチャーは、
大衆に奉仕するもの、
そして、生きることを肯定するもの。」
だから、達郎さんは海外進出を考えない。
そんなヒマがあったら、
日本のローカルタウンで公演をする。
それが、自分の役割だから。
自分の「芯」、「ポリシー」がブレないんだ。
Yahoo!ニュースの達郎さんの特集記事には、
こんな言葉がある。
「教育で重要なのは、かなうことばっかり
夢想させるんじゃなく、失敗した時に
どうするかを教えること。
能力とか才能は、全員が同じじゃない。
勝ち負けではなく、その人の身の丈に対する
充足を、哲学的、倫理的に教えないと。」
彼の生き方には、「哲学」と「倫理」がある。
と、妙に納得したのでした。
SOFTLY
ジャケットの肖像画は、ヤマザキマリ
(『テルマエ・ロマエ』を書いた人)の手による。
彼女と達郎さんの関係も、このエッセイを読むと
不思議な縁であることが分かる。
ちなみに所属事務所も同じスマイルカンパニー。
2022.6.27
葛城ユキ 死去
また訃報だ。
歌手の葛城ユキさん。
『ボヘミアン』のヒットで知られるけど、
あれって、カバーやったんやね。
知らんかった。
オリジナルは、大友裕子。
知ってるかい?大友裕子。
葛城ユキと同じく、ポプコン出身のシンガー。
デビュー曲は、『傷心』(1978年)。
「あなたとなら死んでもいいと思った〜」という
歌詞が まだティーンエイジャーの
チェリーボーイだった私には
とてもインパクトがあった覚えがある。
宮城県出身ながら、なんとなく関西の
ブルースロックに通じるものも感じた。
大友裕子は、1982年の『ボヘミアン』を
最後に芸能界を引退した。
翌 1983年、葛城ユキが この曲をカバーして
テレビドラマの主題曲という
タイアップもあって、ヒットした。
作詞は ASKA、作曲は井上大輔。
葛城ユキは、そのハスキーボイスから
「女ロッド・スチュワート」という異名も
あったらしいけど、ロッド・ファンとしては微妙だな。
でも、ロック魂みたいなものを感じさせる
シンガーだったと思う。
私としては、『ボヘミアン』よりも
葛城ゆき名義のファースト・シングル
『木曽は山の中』(1974年)が懐かしい。
この曲は、ロックというよりフォーク調。
深夜放送を聴き始めた、12歳の頃
ラジオから流れていた曲だ。
腹膜がんのため、都内の病院で死去。
享年 73歳。
合掌。
写真展に向けて
年を取るほどに趣味はあった方が良いと
思うようになった。
それも、一つじゃない方が良いと思う。
例えば、ゴルフが趣味の人は、
身体を痛めてゴルフが出来ない時に
自宅でも出来る趣味があった方が
良いと思うのだけど、どうでしょう。
音楽鑑賞、ギター演奏、写真撮影、
写真鑑賞、映画鑑賞、落語鑑賞、
旅行、美味しいものを食べること、読書と
私の場合、時間が余ることはない。
この「ひとりごと」を書くことも
趣味のひとつと言える。
おまけにお酒を飲むことも
酔っぱらって、惰眠をむさぼることも
何もしないことも好きなので、
時間はいつも足りないのです。
大きな柱は音楽と写真。
音楽は、小学生の時から始めているが、
写真は、意識して撮り始めて
まだ 12年しか経っていない。
少しは上達したと思うので、
このたび、写真展を開催してみることにした。
今年還暦だし、自分への刺激と
何かのきっかけにもなるかも知れないとも思って。
開催は、9月23〜24日の2日間の予定。
会場など詳細は、またお知らせするけど、
どんな風にどの写真を展示するのか、
何のためにやるのかなど、ここのところ、
考え続けている。
写真展をやろうと思いついた頃は、
外国で撮った風景を中心に考えていたのだが、
色々考えているうちに、観てもらいたいものが
変わってきた。
もちろん、85年のアメリカ旅行の際の写真や、
この数年の国内、海外旅行で撮った
写真も観てもらいたいと思っているのだけど、
それよりも、ポートレイト、人物を
展示したいと思うようになってきた。
この心境の変化に、自分でも驚いている。
被写体として一番面白いものは、
人物であることに間違いないと思っている。
でも、ポートレイト(人物)は撮りたいけど、
上手く撮れないと思って、正面から
取り組んでこなかった。
だから、その苦手なポートレイトを
観て欲しいと思う自分に驚いたんだ。
そうすると、急に人を撮りたくなってきた。
撮影(創作)意欲が湧いてきたんだ。
自分でも、面白いなぁ、と思う。
さて、どんな写真展になるのか、お楽しみに。
9月23〜24日、観に来てね。
2022.6.29
腎臓がいかれたか?
数日前、朝起きると背中に痛みがあった。
変な姿勢で寝てたのかな、と思ったが、
起きてしばらくすると、痛みは消え、
そのことは忘れてしまった。
翌日、また同じように痛みがあったが、
その日も起きて数十分もすると
痛みは無くなった。
今日で3日目だろうか、もしかしたら、
4日目かも知れない。
やはり、目が覚めると背中が痛い。
今日は、今までより痛みが酷い感じがする。
痛みは腰の少しうえの左側にある。
あーこれ、きっとどっか(内臓)悪いな、と思った。
起きてすぐ、ネットで調べると、
起床時に背中の左側に痛みがある場合、
腎臓に問題がある疑いがあると出てきた。
「腎臓かぁ、どこにあるか、何してくれてる臓器か、
全然知らんなぁ」と思いながら、
深刻な病気だったら、面倒なので
検査をすることにした。
痛風(高尿酸値症)の治療で通っている
クリニックで、症状を伝えると、
尿検査と血液検査をしてくれた。
結果は・・・・、
異常なし。
もし、腎臓に異常があれは、尿になんらかの
形で現れるらしいが、何もない。
血液検査の炎症のマーカーも数値はゼロ。
体内のどこにも炎症を起こしていない、
ということらしい。
医師は、念のため、エコーで診てみましょうと
言うので、エコー検査もしたが、
これまたどこにも異常は見られない。
「もしかしたら、癌だったりして」と
ひとり密かに盛り上がっていたのが、
バカみたいに、どこも悪くないと言う。
医師の見立てでは、筋肉のことではないかと。
寝てる姿勢なんかの影響で。
確かにたくさん寝ると起きた時、
背中が痛いんやけど、その痛みとは
違うと思ってんけどな。
痛みどめと(炎症はないと言いながら)炎症を
抑える薬を処方された。
数日飲んで様子を見ましょうとなったのだけど、
もらってきた薬は、ロキソニンだった。
ロキソニンを飲むほどは痛くないねんな。
まあ、しばらく様子をみよう。
それにしても。
どこも悪くなかったのは、喜ぶことだろうに
なぜかちょっと不満なのは、どういうことだろう。
写真展に向けて 2
9月に予定している写真展のヒントを
得るためもあって、
昨日、六本木ミッドタウンの
フジフイルム・スクエアで開催されている
写真展を観てきた。
写真家エリオット・アーウィット作品展
「観察の美学 筋書きのない写真たち」
エリオット・アーウィットのことは、以前、
小さな写真集を購入した時に書いた。
とても味のある、面白い瞬間を撮る人だと思う。
絵画がそうであるように、写真も写真集で観るのと、
写真展で大きくプリントされたものを観るのとでは、
その作品から得られる情報量が違う。
当然、写真展で観る方が、色んなことを感じる。
さて、この写真展は、
「往年の名作から1980〜90年代に制作された
貴重なオリジナル・プリント約30点を展示」となっている。
おそらく、オリジナル・プリントというのに
大変価値があるんだろうけど、
実は私は、その辺 あんまり分かっていない。
「約30点」となっているけど、
実際には20数点で、30点なかったと思う。
そんな少数の写真であっても、
アーウィットの個性、ユーモアとウィットに富んだ
視点は充分に感じられるのだった。
プロの写真家の写真を観ることは、
自分が写真を撮る上での視点を
拡大することに直結する。
あるいは、すでに撮った自分の写真でさえ
その視点が変わり、気が付かなかった
魅力を発見することにも繋がる。
大変、刺激のあることなのだ。
アーウィットの写真展を目当てに
フジフイルム・スクエアを訪れたのだが、
隣のブースでは、平間至さんの写真展が
開かれていた。
「写真家・平間至の両A面」
〜アー写(アーティストの写真)/エー写(営業写真館の写真)〜
僕にとってカメラは楽器!
平間さんのことは、存じあげなかったのだが、
多くのアーティストの写真を撮ってこられた方で、
タワーレコードの「NO MUSIC, NO LIFE」の
広告で有名になったようだ。
そう言われると、確かに見たことの
あるような写真もあった。
アーティスト写真の「アー写」、
写真館の営業で撮影した一般の人達の「エー写」、
両方が平間さんの写真の軸だということで、
「両A面」というタイトル。
中々、乙ですな。
平間さんは、撮影は音楽でいうところのライブだと言う。
カメラは楽器だとも。
写真館の撮影というと、撮られる側は動かずに
じっとポーズをとるようなイメージだが、
平間さんの写真館では、
「動かないで」と言うことも
「笑って」と言うこともないらしい。
あくまでも自然にリラックスした中で、
その人が現れるようにもっていくのだな。
話は脱線するが、25年ぐらい前、
私が BAR の店長だった時、その店の経営が
音楽業界の関連会社だったこともあって、
何冊もの雑誌の取材を受けた。
その中には、私の写真入りの記事もあった。
雑誌名は忘れたけど、撮影時に
「笑って下さい」「もっと笑って下さい」と、
しつこく、凄く要求されて、
「おもろないのにそんなに笑えるかぁ!」と
半ばキレそうになった覚えがある。
プロのモデルや役者でもない限り、
「笑って下さい」と言われて自然な良い笑顔が
できる人は、そんなにいないだろう。
でも、苦労の甲斐があって、その雑誌には
中々の私の笑顔の写真が載ったと記憶している。
手元にないのでお見せできないのが、
残念だけど(見たないか)。
閑話休題。
平間さんは、宮城県塩竈市の出身。
写真家のルーツは、そこでおじいちゃんが
写真館を始めたことにあるらしい。
2011年の震災時に、「平間写真館で撮った
成人式の時の写真だけを持って逃げた」と
言う人がいたり、津波に流され、避難所に
集められた写真の中に平間写真館で
撮られた写真が多くあったことなどから、
その価値を再認識し、2015年東京で
平間写真館TOKYOを始められた。
写真は、人生で二度とない、
ある瞬間を切り取ったもの。
撮られた時には、イヤな顔をしていた
写真が、何年も経つと、良い写真に
見えてきたりする。
平間さんの言葉を借りるなら
「永遠に流れ続ける時間を
一瞬止めて切り取るということ自体、
とても大切な行為」
「よく写ってようが、悪く写ってようが、
その瞬間は二度とかえってこない」
となる。
写真って、それだけ貴重なものなんだなと
改めて思った次第。
そして、カラー写真には、カラー写真の
良さがあるけど、人物は絶対モノクロの
方が良いと平間さんのカラー、モノクロ、
両方の写真を観て確信したのでした。