落語 2017年
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2017.1.8
桂文枝 新春特撰落語会
3年連続、新春最初の落語会が、
六代目文枝のこの「新春特撰落語会」となった。
昨年も3日間、昼夜合計6回の公演があった。
昨年は、その初日の昼の部、
つまり1回目の公演を観たのだが、
今日は3日目の夜の部、
つまり6回目の公演だった。
3日連続の昼夜公演は、さすがに73歳の
お身体にはキツイのだろうか。
ややお疲れになっているのではと
感じたのが、私の気のせいならいいが。
まずは、桂三度。
この「新春特撰落語会」では3年連続だ。
元「世界のナベアツ」ね。
世界に120万種類いるという生物の中の
変わった名前の生物の物語で、
「実在生物」という演目。
出てきた名前が実在しているのなら、
確かにスゴイ。
そして、桂三風の「引き出物」。
お歳暮やお中元、引き出物でもらった物を
押し入れにしまいっぱなしにするのは、
どこの家でもありそうだが、
その物たちが喋るという、
大阪ならではのバカバカしいお話。
文枝の一席目は「天国へのメロディー」。
自分の葬式の BGM に色んな音楽を
試してみるという、やや色物的な落語。
結局、「G線上のアリア」(バッハ)が
一番しっくりきてしまう。
休憩をはさんで、桂三金の「みかん屋」。
あんまり古典を演るイメージのない
文枝一門だが、これは古典。
江戸落語の「唐茄子屋(or かぼちゃ屋)」の
元はこの上方の「みかん屋」だ。
なんで、みかんが かぼちゃに替わったんやろな。
トリは、初めて聴く文枝の古典「抜け雀」。
米朝のものをベースにしたということだが、
(米朝は、四代目文枝に習ったらしい)
文枝版「抜け雀」は、やはり文枝流の
アレンジがされていた。
もうこの噺は、高座と CD を合わせると
10人ぐらいの噺家で聴いている。
誰のが一番面白いとか良いとか決められないけど、
肝になる言葉があって、そこにはこだわりたい。
例えば、絵師の父親が雀の絵を見たときに
言うセリフが、今日の文枝版では、
「この雀は死ぬぞ」だったが、ここは、
「この絵には『ぬかり』がある」っていう方が好き。
また、今日の文枝や他の噺家でも 下げを
「わしは親不孝だ。親に籠をかかせた」
という人がいるが、私は、
「わしは親不孝だ。親を籠かきにした」
という方が、しっくりきて好きだ。
この辺は、好みでしょうが。
【 演 目 】
「実在生物」 桂三度
「引き出物」 桂三風
「天国へのメロディー」 桂文枝
〜 仲入り 〜
「みかん屋」 桂三金
「抜け雀」 桂文枝
@ 有楽町朝日ホール
2017.1.16
立川談春
新春独演会「居残り佐平次」
この落語会は、1月10日から23日までの間に
全11公演行われる独演会。
昨年11月の「談志まつり2016」で、
ようやく初めて談春の落語を聴いた。
「慶安太平記 〜吉田の焼き討ち〜」という
ちょっとマニアックな噺だったので、
ポピュラーな噺を聴いてみたいと思っていた。
「居残り佐平次」も渋い噺だが、
もう一席ぐらいほかのも演るだろうと
思って行くことにした。
会場が品川プリンスホテル内というのも
近くて良かったしね。
品川プリンスホテルにある、
この「クラブeX」は、時々、催し物を
やっているのは知っていたけど、初体験。
丸型の劇場で、落語にはちょうど良いぐらいの
キャパだが、椅子と椅子の間が狭く
両隣おっさんだったので、
時々腕が触れるのがイヤだった。
さて、開口一番は、談春の弟子の
ちはる(前座)、続いて こはる(二つ目)。
2人とも女性だ。
こはる のマクラでは昨年の夏、
一之輔と欧州へ公演旅行に行った話が聞けた。
談春の一席目は「天災」。
う〜む、面白い。
マクラも面白いし、落語も思っていた以上に良い。
「天災」ってこんなに面白い演目やったっけと
思ったほど。
仲入りをはさんで、「居残り佐平次」。
これまた、素晴らしかった。
「居残り佐平次」は、古今亭志ん朝 (三代目)
三遊亭円楽 (五代目)、柳家小三治と
名人の口演(いずれも CD だけど)を
聴いていたが、そのどれよりも面白かった。
どちらかというと、笑う噺ではないような
印象だったが、かなり笑った。
はじめに「長い」と説明があったけど、
終わってみると、この噺だけで、
80分以上演ったんちゃうかな。
でも、全く中だるみすることなく、
長いと感じなかった。
「居残り佐平次」は、品川の遊郭に
お金を持たないで遊びに行った男が、
「居残り」をするというストーリー。
「居残り」というのは、遊んだお金が払えないので、
店から出られず、文字通り居残りすること。
最初から居残りが目的なのだが、
最後にはお金と着物をもらって、
店を追い出される。
で、追い出したあとに、
その男が居残り専門の佐平次という男で、
騙されたことを知った遊郭の店主が、怒って
「私のことをおこわに かけやがった」と言うと
店の若い衆が「だんなの頭がごま塩ですから」
というのがオチ。
聞くたびに、「これどういう意味やろ、
調べよう」と思っては、そのままになっていた。
ところが今日は、オチが違った。
このオチが良くないというので、
談志が作ったというオチ。
男を表から帰した店主に向かって、
若い衆が「どうして、あんな奴を
表から帰すのか。裏から帰せばいい」と
言うと、店主が
「あんな奴に裏を返されてはたまらん」。
「裏を返す」というのは、
遊郭に2回目に遊びに行くことの符丁。
つまり、「裏から帰す」と「裏を返す」を
かけて、「また来られたら困る」と
言うのがオチになっているわけだ。
私は、このオチは初めて聴いたので、
「おぅ〜」とうなった。
というのも、ちゃんとマクラで、
遊郭では2回目を「裏を返す」といって
3回目に行ってやっと「馴染」と呼ばれる、
なんて説明があったのだな。
で、終わった後、オチの解説。
前述した「私をおこわにした」の説明。
「おこわ」というのは、
人を騙すことらしいのだが、
そんな符丁、現代の誰も知らないので、
談志は変えたのだという。
おまけに歌舞伎なんかの世界では、
「佐平次」というのは、詐欺師の名前なんだと。
なので、「居残り佐平次」というタイトルで、
昔の人は大体のストーリーが分かったんだろう、
なんて歴史の勉強にもなりやしたね。
一席目のマクラで言ってたけど、
渋谷のパルコ劇場の建替えに伴い、
志の輔の正月パルコ公演が、今年はなかったので、
ならばと、今迄やったことのない、
正月の2週間公演(11公演)を入れたらしい。
談春からすれば 志の輔は兄弟子なわけで、
やはり、兄弟子が東京で長期公演を演っているのと
ぶつけて長期公演を演るというようなことは、
しないようだ。
今日、一瞬だけ、志の輔に似てるところが
あって、師匠 談志の DNA を感じたのでした。
それにしても、「天災」「居残り佐平次」と
そんなに面白いと思っていなかったこの2席の
印象が変わる口演だった。
終わってみれば、2時間55分。
すっかり、談春のファンになってしまったよ。
人気があるのも納得です。
【 演 目 】
「小噺」 立川ちはる
「桃太郎」 立川こはる
「天災」 立川談春
〜 仲入り 〜
「居残り佐平次」 立川談春
@ 品川プリンスホテル クラブeX
2017.1.28
よってたかって新春らくご '17
21世紀スペシャル寄席 ONEDAY
昼の部
今日は「よってたかって」の落語会。
この落語会は私の好きな噺家が多く出演していて、
毎回 観に行きたいぐらいなのだが、
中々そういうわけにもいかない。
楽しみにしていたのだが、
引っ越しの疲れが出たのか、
今日は どうにもこうにも眠くて眠くて、
情けないことに、5人中最初から最後まで
ちゃんと聴けたのは、一之輔だけだった。
その一之輔の演目が、初めて聴いた「夢八」。
さすがに初めて聴く古典落語は、
ほとんどなくなってきたのでこれは嬉しい。
調べてみるとどうやら上方の演目のようだ。
化け猫が死体に話させたりするナンセンスさは、
上方らしいな。
一之輔は、NHK「プロフェッショナル」の
取材を受けているらしく、今日は
楽屋まで撮影が入っているとのことだった。
「プロフェッショナル」に噺家が出るのは、
数年前の小三治師匠に続いてのことで
一之輔の人気というか注目度の高さが感じられる。
なんでも40日間ほど密着されるらしい。
いつごろ放映か分からないが楽しみだ。
Wホワイトの白酒と白鳥。
白鳥の新作は珍しくないが、
白酒の新作は初めて聴いた。
【 演 目 】
「堀之内」 三遊亭あおもり(前座)
「転宅」 柳家三三
「ちはやふる」 桃月庵白酒
〜 仲入り 〜
「夢八」 春風亭一之輔
「天使がバスで降りた寄席」 三遊亭白鳥
@よみうりホール(有楽町)
2017.2.2
松元ヒロ&立川志らく 二人会
松元ヒロは「談志まつり 2014」で、
立川志らくは「渋谷に福きたる SPECIAL 2014」で
それぞれ一度ずつ観ているが、両方とも
面白かったと記憶に残る芸で、
機会があれば、また観たいと思っていた。
今日は、そんな二人の会。
開演時刻19時ちょうどに松元ヒロがステージの登場。
松元ヒロは、落語ではなく
「スタンダップコメディ」と呼ばれるいわば漫談。
以前は、コントグループ「ザ・ニュースペーパー」に
いた人だと今日初めて知った。
テレビに出ることはない。
というのも、政府批判や憲法、皇室などを
ネタにしているので、テレビでは放映できないらしい。
テレビで観られない芸が観られるというので、
テレビ局関係者が、ライヴを観に来るのだという。
今日も、トランプ大統領や安倍総理を
バサバサと切っては、笑いを取っていた。
ワンマン・ライヴにも行ってみたい。
松元ヒロのあと、15分の休憩をはさみ
志らくの落語。
演目は「紺屋高尾」。
もう、何人もの口演を聴いた噺だが、
素晴らしかった。
上手い。
ちょっと泣いてしもたもん。
花魁(おいらん)高尾太夫に恋をした
紺屋の職人 久蔵が、高尾に会いたい一心で、
3年間必死に金を貯めて、吉原へ行く。
紺屋の職人では、高尾に会えないというので、
醤油問屋の若旦那と偽って。
高尾には会えたものの、翌朝、高尾に
「今度はいつ来てくれる?」と問われ、
正直に事情を話すと、その久蔵の心に打たれた高尾は、
「来年の3月15日に年季が明けるから、
その時女房にしてくれるか」という。
そして、3月15日になって、
本当に高尾がやってくる、という噺。
今日の志らくヴァージョンでは、
数か所で独自の演出がされていた上、
多くの場合、「久蔵と高尾が夫婦(めおと)に
なって、始めた紺屋は大繁盛したとさ、
めでたしめでたし」っていう感じで終わるのだが、
夫婦になった後のエピソードが加えられていて、
それがまた、きれいなオチにつながっていた。
志らくの落語は、ほぼ3年ぶりだったので
「面白かった」という記憶しかなかったのだが、
あらためて聴いて感じたのは、談志の DNA。
それほど、談志を聴いていない私でさえ、
そう感じたのだから、やっぱり師匠は凄かったんやろな。
落語は「紺屋高尾」一席のみ。
前座は なし。
出演者は2人だけで、それぞれ50分弱の口演。
休憩を入れても2時間弱で終了という、
コンパクトなプログラムは、平日の夜にはありがたい。
【 演 目 】
スタンダップコメディ 松元ヒロ
〜 仲入り 〜
「紺屋高尾」 立川志らく
@ 渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール
2017.2.3
傾 城
「傾城(けいせい)」という言葉は、
落語を聴くようになってから知った。
昨日、志らくで聴いた落語、
「紺屋高尾」や ほとんど同じストーリーの
「幾代餅(いくよもち)」などでは、
大体「傾城に誠なしとは誰(た)が言うた」
という文が引用される。
落語を聴き始めた頃は、
全く意味が分からなかったが、
今では少しは分かるようになった。
「傾城に誠なし」の「傾城」は、
遊女のことで、「遊女には誠意がない」と
いう意味。
この「傾城」だが、
なぜ「城」が「傾く」と書くのか。
大名が吉原の花魁に入れ込んで、
お金をつぎ込み過ぎて、城が傾く、
というところから来ているのだという。
大名というのは、落語の世界に合わせてのことで、
実際はこの言葉は、古い中国の言葉のようなので
大昔から、男は遊女に金をつぎ込んできたんだろう。
調べていると、同じような意味で
「傾国」という言葉もあったよ。
「傾城に誠無しとは誰が言うた、
誠あるほど通いもせずに、
ふられて帰る野暮なお客の憎手口」
なるほどね。
春風亭昇太35周年落語会
「夜道に月あかり冴えて」
2月 1日から 7日まで、下北沢の本多劇場で
春風亭昇太プロデュース『下北沢演芸祭2017』が
開催されている。
そのうち 1〜3日は、春風亭昇太35周年記念落語会
として「夜道に月あかり冴えて」。
今日は、その 3日目最終日だ。
幕が開くと高座の横に、2畳ほどの畳が敷かれ、
ちゃぶ台、茶だんすが置かれている。
そこに昇太が横になっていて、
「夢を見た。桶狭間の戦いの夢を見た」と
飛び起きるところから始まった。
昇太は現在、NHK の大河ドラマ『おんな城主 直虎』に
今川義元の役で出演中なので、それに引っかけた
ネタのようだ。
その畳の部屋は、楽屋のようでもあり、
自宅のようでもある空間で、
ひとり言のように色んなことを言っては、
高座に上がり落語をし、降りてきては、
またそこで話をするという趣向で、
ちょっとオフなマクラといった感じだ。
落語は、師匠(春風亭柳昇)に習った、
たった2つの演目のうちの1つ「牛ほめ」、
昇太の若い頃の新作「悲しみにてやんでい」、
古典落語から「寝床」、
仲入りをはさんで「オヤジの王国」という4席。
前座やゲストはなく、
休憩をはさんで、2時間25分ほど
たっぷり昇太を堪能できる独演会だった。
自虐的なギャグもあったが、
自分を客観的に観た上で、ネタにしている感じ。
35年間には、色々なことがあったのだろうなと
思ったけど、ご本人は自分はラッキーだと
思っているようで(実際そうだろうけど)、
それがこの人の明るさと強さの基なんだろうなと感じた。
35周年落語会「夜道に月あかり冴えて」
出演:春風亭昇太
【 演 目 】
「牛ほめ」
「悲しみにてやんでい」
「寝床」
〜 仲入り 〜
「オヤジの王国」
@ 本多劇場(下北沢)
2017.2.14
粋歌の新作コレクション
2017 バレンタインスペシャル
バレンタインに落語。
乙な組み合わせである。
昨年1月にも聴きに行った
「粋歌の新作コレクション」。
結構面白かった覚えがあるのと、
今日はゲストが一之輔だったこともあって
聴きに行くことにした。
粋歌はまだ真打ではなく
二つ目ということもあってか、
チケットが 2,800円とお安いのも嬉しい。
席は、最前列の中央という良席。
前座の後、粋歌の一席目は「すぶや」。
何のことかと思うが「渋谷」が、
ズーズー弁で訛って「すぶや」。
田舎町の高校生カップルの彼女が、
東京の大学に進学しようとするのを
東京なんかに行くと、変わってしまうと、
心配する彼氏。
これは、面白かった。
二席目は、三遊亭天どん作の
「初めての確定申告」。
確定申告のため税務署を訪れた人の
職業が「殺し屋」というシュールな噺。
そして 一之輔の「千早振る」。
最近、白酒で聴いた演目だが、
全く違う噺だった。
相変らず面白かったけど、
時々、暴走しすぎるきらいがあるのね。
何事もええ塩梅にせんとね。
一之輔には、今、NHKの「プロフェッショナル」の
取材が張り付いていて、
舞台袖から撮影しているカメラが見えた。
そして最後は、昨年「渋谷らくご創作大賞」を
受賞したという「プロフェッショナル」。
奇しくも一之輔に取材が張り付いているが、
粋歌のこの演目の方が先だ。
これが涙が流れるほど笑った。
新入社員の成長を描いたストーリーで
面白い上に、そこそこええ話。
これは賞を取っても不思議ではない。
女流噺家には、ご隠居や熊五郎、八五郎を
演じるのは難しいと思うが、
粋歌のように新作で来ると
全く違和感なく聴ける。
昨年聴いた「とんがりコーン、そのまま食べるか?
指にはめてから食べるか?」や今日の
「すぶや」「プロフェッショナル」のように
日常的で身近なエピソードを
これからもネタにしていって欲しい。
【 演 目 】
「芋俵」 春風亭きいち(開口一番)
「すぶや」 三遊亭粋歌
「初めての確定申告」 三遊亭粋歌
「千早振る」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「プロフェッショナル」 三遊亭粋歌
@ 内幸町ホール
2017.3.8
笑福亭仁智 独演会 深川その4
芸能生活 45周年記念
仁智の独演会もこれで3回目。
3回の中では、今日が一番空席が目立った。
1回目のゲストが 一之輔、
2回目のゲストが 兼好ときて、
今日のゲストは、瀧川鯉朝。
ゲストでこんなにハッキリと
客の入りが変わるものなのか。
それとも別の要因なのか。
東京でももっと売れて欲しいが、
チケット代が高くなったり、
取れにくくなったりするのは、
いややなぁ。
ファンとしては 複雑だ。
落語の方は、毎度、仁智ワールド全開。
一席目「源太と兄貴・純情編」は、
ヤクザの兄貴と弟分の源太の噺。
2年前、新世紀落語の会で
「源太と兄貴」を聴いて
仁智ファンになった。
「純情編」は、そのバリエーション。
「だじゃれ禁止法」という法律が
施行され、だじゃれを言うと逮捕され、
おっさんたちは、隠れてだじゃれクラブで
だじゃれを言い合うという「だじゃれ禁止法」。
後半のだじゃれGメンとダジャリストの
だじゃれの応酬が圧巻。
大阪らしいというのか、とにかく、発想がスゴイ。
[ 演 目 ]
「平林」 笑福亭希光
「源太と兄貴・純情編」 笑福亭仁智
「街角のあの娘」 瀧川鯉朝
〜 仲入り 〜
「だじゃれ禁止法」 笑福亭仁智
@ 深川江戸資料館小劇場
2017.3.12
関内寄席 桂歌丸落語会
昨年5月、焦点の司会を引退した歌丸師匠。
この数年入退院の繰り返しもあり
健康状態が心配だったが、
今日は独演会に行ってきた。
歌丸師匠の独演会は、4年前の3月
落語にハマるきっかけになった独演会から
数えて9回目だ。
この1〜2年は歩くことがキツイそうで、
舞台袖から高座まで歩くこともままならないよう。
どん帳が開くと高座に座られていて、
落語が終わるとどん帳が降りるという風に
されている。
今日驚いたのは、酸素吸入器を付けての登場。
なんでも、年末に肺炎で入院されたそうで、
それから呼吸がつらいそうだ。
しかし、しゃべりはとてもしっかりしており、
声だけ聴いていると、
とてもそういう状況とは思えない。
ご本人の身体はしんどいのかもしれないけど、
口が動く限り高座に上がるぞとでも言わんばかりの
芸人魂を見せられた。
独演会だけど、二席は無理があるのだろう。
「竹の水仙」一席だけだった。
テレビの取材が入ってたようで、
カメラが回っていたし、
最後に古舘伊知郎さんがステージに上がられた。
ゲスト(?)は、鶴光。
鶴光と言えば、私が小中学生の頃は、
ラジオの深夜放送でよく聴いたものだが、
ナマで落語を聴くのは、今日が初めて。
小噺の連発の後、「試し酒」。
もう69歳なのに、
あんまり昔と変わっていない印象。
歌丸師匠は、いつも通り素晴らしかったが、
ただ今日は、どうにもこうにも
眠い日で、何度も気を失うかのように
寝てしまったのは残念。
[ 演 目 ]
「つる」 春風亭昇市
「初天神」 桂鷹治
太神楽 鏡味正二郎
「試し酒」 笑福亭鶴光
〜 仲入り 〜
「竹の水仙」 桂歌丸
@ 関内ホール 大ホール
2017.4.2
渋谷に福来たる SPECIAL 2017
〜 百花繚乱 〜
2011年から始まったという、
落語フェス的な「渋谷に福来たる SPECIAL」。
2014年に一度、行ったことがある。
その時は、「古典モダニズム」 というタイトルで
志らくと白酒の二人会だった。
この2人の高座は、その時が初めて。
毎年、面白い組み合わせで
演っているのは知っていたけど、
スケジュールが合わず行けなかった。
今年は、好きな 雀々、馬石、兼好が出演の
出ている会のチケットを取った。
もう一人、名前は時々見るけど
高座は初めて聴く瀧川鯉昇、計4人の出演。
タイトルは、「百花繚乱(ひゃっかりょうらん)」。
まずは4人が登場し、オープニング・トークで爆笑。
落語は、兼好がちょっと珍しい「大安売り」。
以前に誰かのを聞いたことがあるけど、
あんまり聞かない演目だ。
マクラでも爆笑。
柳家喜多八師匠亡き後の落語教育委員会の
メンバーになったのも全く頷ける芸です。
続いて雀々の「花ねじ」。
マクラでは、上方四天王の思い出話で爆笑。
仲入りをはさんで馬石の「締め込み」。
この人、いいなぁ。
好きやなぁ。
もっと聴きたい噺家の一人。
トリは、鯉昇師匠。
今日の4人の中では一番芸歴の長い師匠。
とぼけた感じが面白い。
演目は「ねずみ」。
残念ながら、途中で突然 睡魔が・・・。
[ 演 目 ]
おしゃべり (兼好・雀々・馬石・鯉昇)
「大安売り」 三遊亭兼好
「花ねじ」 桂雀々
〜 仲入り 〜
「締め込み」 隅田川馬石
「ねずみ」 瀧川鯉昇
@ 渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール
2017.4.15
第3弾CD発売記念
春風亭一之輔 独演会
日本のシェイクスピア三遊亭円朝にも迫る、一之輔ぐぐぐ
春風亭一之輔。
初めて高座を観たのが3年前の4月。
演目は『雛鍔 (ひなつば)』だった。
それを聴いてファンになり、
今日を含めると、この3年間で
一之輔の高座に 33回 足を運び、
聴いた演目は、のべ67席にのぼる。
たくさん観ている噺家の中でダントツ。
NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも
取り上げられ、今週月曜日に放映された 。
噺家としては、人間国宝・柳家小三治に
続いて2人目(だと思う)。
今日は、CD 発売記念の独演会。
5月10日に新しい CD が出るのだが、
特別に会場で先行発売があったので、
買ってきた。
サイン入りだ。
2枚組で4席収録されている。
演目と公演日を見ると昨年7月2日の
「らくだ」が入っていた。
その公演を私は観に行っていて、
その日のエントリーには、
「感動して泣きそうになった」と
書いている。
CD は、まだ聴いていないけど、
聴くのが楽しみだ。
さて、今日の高座。
開口一番は、柳家小はぜ(二つ目)の「平林」。
落語の中で、どうしても面白いと思えない噺が、
この「平林」と「つる」。
始まった途端に(平林かぁ・・・)と
思っていたら、最後にクスッとやけど、
笑ってしもた。
「平林」でも笑うポイント作れるんやと
新発見でした。
続いて一之輔、マクラでは当然、
NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の
話題が出た。
裏話というのか、これが面白かった。
落語の方は、三遊亭白鳥作の「任侠流山動物園」。
以前、柳家喬太郎が演るのを聴いたことがある。
一之輔は、圧倒的に古典が多いので、
白鳥の新作は意外だったが、かなり面白かったなぁ。
仲入りのあとは、ゲスト。
唄うアコーディオン弾き、遠峰あこ。
そして、最後は「文七元結」。
「任侠流山動物園」とのギャップがスゴイ。
最後には、グッときました。
何度聴いても、そんな風に聴けるというのは、
演目も素晴らしいのだけど、
やはり演者の力でしょうね。
いつもは、ちょっとやり過ぎに感じるところもある
一之輔だが、今日はそんな風に感じるところはなく、
なんというか、大きくなったというのか、
違うレベルに行ったような印象を持った。
「プロフェッショナル 仕事の流儀」に
取り上げられたり、
写真本(春風亭一之輔の、いちのいちのいち)が
出たりしていることが、関係あるんでしょうか。
会場は、新大久保にある東京グローブ座。
初めて行ったけど、見やすく聴きやすい、
良い会場だった。
[ 演 目 ]
「平林」 柳家小はぜ
「流れの豚次伝より 任侠流山動物園」
(三遊亭白鳥作) 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
アコーディオン弾き語り 遠峰あこ
「文七元結」 春風亭一之輔
@ 東京グローブ座(新大久保)
2017.4.20
桂りょうば落語会
「東の志ん朝、西の枝雀」と言われた
2代目 桂枝雀は、59歳で自らの命を絶った。
1999年のことである。
枝雀の長男が、噺家になったということを
私は先日まで知らなかった。
一昨年8月、43歳で桂ざこば(枝雀の弟弟子)に
入門し、昨年8月末に年季明けになったらしい。
年季明けというのは、東京でいうと
二つ目昇進みたいなものだ(と思う)。
わずか1年の修行での年季明けは、
異例のスピードらしい。
今日はその桂りょうばの落語を初めて聴いてきた。
まずは、ざこば師匠と2人でご挨拶トーク。
りょうばは、ミュージシャン(Drumer)や
役者として活動していた。
8年ほど前からアマチュアとして
落語をやり出し、40歳を過ぎて
ついにプロになったということだった。
ざこば師匠は、「枝雀兄ちゃんには、
世話になった」と言っていたけど、
そんな兄弟子の息子を弟子にとる心境は、
どんな風なんだろう。
りょうばは、父親が偉大だっただけに、
色々と難しい面もあるだろうが、
本人は至ってマイペースな人のように感じた。
ただ、声が枝雀そっくり。
話し方も所々で枝雀を思わせる。
ざこば師匠は、
「そういう風に聴かんと、
りょうばとして聴いてやってください」と
言っていた。
確かにそう思うが、若い頃に枝雀落語を
聴いたものとしては、難しいな。
挨拶のあと、鶴光の弟子の希光の「動物園」。
続いて、りょうばの「子ほめ」。
ざこば師匠の「上燗屋(じょうかんや)」。
前半の飲み屋と道具屋の部分は好きだけど、
後半の「首提灯」部分はナンセンス過ぎて、
あまり面白くない。
ざこば師匠も「サゲの意味分からんでしょ」と
言っていた。
仲入りをはさんで、りょうばの
「蜆(しじみ)売り」。
この噺は、最初に聴いたのが、
志の輔師匠の CD だった。
それは、どちらかというと
重めの人情噺に仕上がっているのだが、
今日のりょうばのは、
上方らしく、もう少し軽いトーンだった。
設定もサゲもちょっと違っていたが、
面白かった。
りょうばは、今年45歳だが、
当目には20代でも通るんちゃうかと
思えるほど若く見える。
もう少し年を取るともっと味が
出てくるんちゃうかと思った。
今日は、桂りょうば落語会(東京)の
第一回ということだったが、
以前、20年近く東京に住んでいたということで、
今後、東京でも活躍されていくことだろう。
[ 演 目 ]
ご挨拶 ざこば・りょうば
「動物園」 笑福亭希光
「子ほめ」 桂りょうば
「上燗屋」 桂ざこば
〜 仲入り 〜
「蜆売り」 桂りょうば
@ 深川江戸資料館小劇場
2017.4.22
よってたかって春らくご'17
21世紀スペシャル寄席 ONEDAY
この落語会「よってたかって〜」は、
私の好きな噺家が多く出る会なので、
何度も観に行っている。
今日もかなり面白かった。
まあ、好きな5人(前座以外)が
出ているのだから、当然と言えば当然だが。
白酒の「短命」。
喬太郎は、良くあることやけど、
半分以上マクラ。
落語は、10分ぐらいでしょうか。
新作「母恋いくらげ」。
一之輔は、「かぼちゃ屋」。
途中で「唐茄子屋政談」と絡めるのが
好きだな。
白鳥は、新作「豆腐屋ジョニー」。
あいかわらずの白鳥ワールド。
そして、トリが三三。
三三は、この5人の中では、
私の中で一番地味というか正統派な
印象だったのだけど、
今日はその印象を改めさせられたね。
演目が、白鳥作というのも驚き。
先日、一之輔で観た「任侠流山動物園」も
白鳥作なのだけど、白鳥の落語って、
白鳥じゃない人が演る方が面白いんとちゃうか。
[ 演 目 ]
「やかん泥」 三遊亭あおもり
「短命」 桃月庵白酒
「母恋いくらげ」 柳家喬太郎
〜 仲入り 〜
「かぼちゃ屋」 春風亭一之輔
「豆腐屋ジョニー」 三遊亭白鳥
「殿様と海」 柳家三三
@ 有楽町よみうりホール
2017.4.242017.5.6
三遊亭圓歌 死去
昨日、三遊亭圓歌 師匠が、亡くなった。
2015年の 8月に一度だけその高座を観た。
東京で開催された 桂米朝 追善落語会の
ゲストで登場されたのだ。
その日のエントリ―に私はこう記している。
この圓歌師匠が凄かった。
なんというか、その存在が凄くて、
私は噺を聞いているだけで、
わけもなく涙が出てきた。
今日は、圓歌師匠を聴けただけでも
行った甲斐があるほど
その会の目当てだった、
桂 ざこば・南光・米團治を
しのいで インパクトがあったことを
覚えている。
その日、本人が自分の年齢を
「85歳か86歳か分からない」と
言っていたが、今日の報道でも
85歳としているものと
88歳と報じているものがあった。
落語協会のプロフィールでは、
1932年1月10日生まれとなっているせいか、
85歳と書いている報道が多い。
一度しか観られなかったけど、
ハッキリと記憶に残る高座であった。
(演目は「中沢家の人」。)
合掌。
TBS赤坂ACTシアタープロデュース
恒例 志の輔落語
赤坂ACTの志の輔落語「大忠臣蔵・中村仲蔵」。
4日間公演の3日目。
一昨年9月にも観に行ったので、
2度目だったのだが、
1年半も経っていると詳細は覚えておらず、
初めて聴いたような話も多かった。
内容については、前回も書いたので
ここでは触れないが、休憩15分を挟んで
2時間50分、一時も集中を切らさず、
観客を飽きさせず、時間を忘れさせる、
その話術のレベルの高さは、
毎度のことながら、感動です。
久しぶりに、「忠臣蔵」の映画も
観たくなったね。
一昨年のエントリーに
「忠臣蔵の話を聴きながら、 一度、
泉岳寺へ赤穂浪士のお墓参りをしようと
思いついた」と書いているのだが、
いまだに実現していない。
これは、行かんと。
[ 演 目 ]
第一部 大忠臣蔵〜仮名手本忠臣蔵のすべて〜
〜 休憩 〜
第二部 落語 中村仲蔵
@ TBS赤坂ACTシアター
2017.5.18
志の輔一門「弟子だけ!!」
〜 56年の歴史に幕。ありがとう新宿明治安田生命ホール 〜
新宿明治安田生命ホールが、この5月で閉館する。
今から、15年ぐらい前、私は某映画配給会社の
試写会のメンバーになっていた。
その試写会が行われていたのが、このホールで、
ここで10本ぐらいは試写を観たように思う。
新宿明治安田生命ホールは、1961年の開館と
いうから、私よりひとつお兄さん(お姉さん?)。
新宿駅から近く、アクセスが良かったが、
ビル自体を建て直すことになったらしい。
建て直し後、ビルにホールが出来るかどうかは、
まだ未定のようだ。
出来るとしても、多目的ホールに
なってしまい、今のホールのようでは
なくなってしまうだろうということだ。
割とゆったり観られる、
良いホールなんだけど、残念だ。
志の輔師匠が、2000年から2009年までの
10年間、毎月このホールで独演会を
開催していたらしく、
志の輔一門の弟子にとっては、
修行の場のひとつであったわけで、
思い出の多い、特別なホールのようだ。
そして、一門の真打から二つ目までが
勢揃いする会は、今回が初めてなのだという。
チケットは、完売。
私は、志の輔師匠は大好きで
もう15回以上も高座に足を運んだが、
弟子の方々については、
あまり興味を持ったことがなかった。
誰が真打で誰が二つ目かも
分かっていないほどだ。
今日面白かったのは、志の輔師匠についての
話をいろいろ聞けたこと。
家元(談志)の話は、いろいろ聞くけど、
考えてみたらそれは、家元の弟子が
話しているわけで、志の輔師匠の話は
その弟子たちが語ることになるわけだ。
今日は、師匠がいないということもあってか
弟子たちは自由に喋っていたけど、
志の輔師匠という人は、かなり厳しいようだ。
あれほどの芸の人だから、厳しくて
当たり前だけど。
一番弟子の晴の輔が言うには、
自分の前に9人弟子がいたのだという。
そして、2番弟子 志の春との間には
5人の弟子がいたのだという。
つまり、16人の弟子のうち、
残っているのは2人。
これだけで、どんなに厳しい世界か、
分かろうというものだ。
その厳しい修行を乗り越えたからといって
落語が上手くなるわけでもないし、
人気が保証されるわけでもない。
まあ、凄い世界です。
今日は6人出演したけど、
真打は 晴の輔 だけで、あとは二つ目。
二番弟子の志の八は、
真打昇進も近いようだった。
落語は、志の輔一門らしく
古典あり、新作ありで楽しめた。
ちょっと 普段行く落語会と比べて、
誰かの熱烈なファンが多かったのか、
お客さんの雰囲気が違うように感じたのは
気のせいだろうか。
[ 演 目 ]
「人間っていいな」 立川志の太郎
「元犬」 立川志の彦
「風呂敷」 立川志のぽん
「宗論」 立川志の八
〜 仲入り 〜
「男の相談」 立川志の春
「火焔太鼓」 立川晴の輔
@ 新宿明治安田生命ホール
2017.5.26
春風亭一之輔 落語会
月1回のペースで 一之輔の高座を
聴くようになってもう2年半。
そんなつもりはないのだけど、
結局、月一ペースで行っている。
どんだけ好きやねん。
というわけで、今年5回目の一之輔。
五反田にある G-Call サロンでの落語会。
ここでの落語会は、私は 5回目。
近所だし、ホールではない良さもあるのだが、
近々オフィスを移転されるとのことで、
残念ながら閉鎖される。
開口一番は、一之輔の一番弟子、きいち。
一番弟子と書いたが、二番弟子が
出来たそうな。
きいちは、1年ぐらい前に初めて聴いて、
今日が4回目だったが、確実に上達してるね。
弟弟子が出来て、何かが変わったこともあるんだろうか。
前座の落語では中々笑えないものだが、
今日は面白かった。
一之輔は、「代書屋」「化け物使い」
「粗忽の釘」の3本立て。
「代書屋」「化け物使い」は、
一之輔ヴァージョンは、初めてだったので嬉しい。
弟子が増えたことと関係あるのかないのか、
以前に感じた「やり過ぎ感」は影をひそめつつ
やはり爆笑を誘う芸風には磨きがかかっている感じ。
39歳ということだが、ちょっと貫禄みたいな
モノも感じ始めたな。
[ 演 目 ]
「熊の皮」 春風亭きいち
「代書屋」 春風亭一之輔
「化け物使い」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「粗忽の釘」 春風亭一之輔
@ G-CallClub サロン(五反田)
2017.5.27
特選落語名人会
桂歌丸・三遊亭小遊三 二人会 改め
三遊亭小遊三・春風亭小朝 二人会
今年3月の落語会での歌丸師匠は、
酸素吸入器を付けての登場だった。
声だけを聞いていれば、
そんな状況とは思えない口演だったけど。
この数年、入退院を繰り返している上に
そんな状況だったので、
正直、あと何度その高座に触れられるか
分からないと思い、今日のチケットも取った。
しかし、今月11日の時点で、
主催者から【出演者変更のお知らせ】なる
メールが届いた。
桂歌丸師匠、肺炎による入院のため
春風亭小朝師匠が代演となり、希望者には
払い戻ししますとの内容だった。
私にとってみても
歌丸師匠の入院によるキャンセルは、
これが初めてではないが、
一番つらいのはご本人だろう。
払い戻すか、ちょっと考えたけど、
小遊三師匠、小朝師匠、
ふたりとも久しぶりだし、
せっかくなので、行ってきた。
開口一番、はまぐりの「たらちね」のあと、
小朝師匠の「柳田格之進」。
好きな演目のひとつ。
盗人の疑いをかけられた柳田が、
その疑いが晴れたのち、
源兵衛と番頭の徳兵衛を
切らずに許すというのがポイントで、
「ならぬ堪忍、するが堪忍」という言葉で
締めくくられることが多い。
ところが、今日は柳田が2人を切ってしまった。
えっ、そんな終わり方もあるの?と
思っていると、
「これはあまりにひどいでしょう。
ちょっと巻き戻しましょう」と言って、
途中からやり直すという演出。
小朝ヴァージョンの面白さでした。
徳兵衛と柳田の娘、おきぬが最後に
夫婦になるというエピソードは、
噺に入れる人と入れない人がいるが、
私は嘘くさくてあんまり好きではない。
ない方が良いと思っている。
小朝師匠は入れていましたが。
仲入りのあとは、美人三味線漫談家の
林家あずみ。
林家たい平の弟子。
初めてだったけど、面白かった。
トリは、小遊三師匠の「千早ふる」。
意外と高座を観る機会がなくて、
今日が2年ぶり2回目だった。
長めのマクラでは、
談志師匠の思い出話が聴けた。
小遊三師匠が前座時代、
談志師匠に稽古をつけてもらったという話。
談志というのは、不思議な人だ。
歌丸師匠は既に退院済みで、
自宅療養中とのこと。
[ 演 目 ]
「たらちね」 桃月庵はまぐり
「柳田格之進」 春風亭小朝
〜 仲入り 〜
三味線漫談 林家あずみ
「千早ふる」 三遊亭小遊三
@ 有楽町よみうりホール
元々のチラシ
2017.6.22
桂雀々 独演会
芸暦40周年記念公演
地獄八景亡者戯2017
雀々の芸暦40周年記念公演。
ゲストが明石家さんまだというので、
面白そうだし 珍しいので行ってきた。
会場は、東京国際フォーラム ホールC。
ここは、3階席まであり座席数は
合計 1,502席。
落語をやるにはちと大き過ぎるホールだ。
私は、3階の2列目で始まる前は、
舞台までちょっと遠いなと感じたが、
今日は、舞台後ろにモニタースクリーンが
設置されていたため、落語中は、
雀々の表情までしっかり見えた。
幕が上がると、雀々の葬式という体(てい)で
お坊さんの読経から始まった。
そういえば、会場の入り口のもぎりの
スタッフも皆、死者が付ける三角の白い布
(天冠〈てんかん・てんがん〉というらしい)を
付けていたし、お客さんにも配られていて、
多くのお客さんが付けていた。
さすがは落語を聴きに来るお客さんだ。
舞台では、お囃子の3人が、お葬式の
参列者のように登場し、
お焼香を上げる振りをする。
一人、黒い背広を着た男性が
同様に登場すると、客席から
拍手が起こった。
この時は、舞台のスクリーンには、
雀々の遺影が映っていたので、
その人の顔が映し出されず、
私にははっきりと見えなかったのだが、
伊原剛志に見えた。
違うかも。
そしていよいよ、雀々の登場。
マクラなしでいきなり
「地獄八景亡者戯」に入った。
この噺は、雀々の大師匠、米朝が
得意としていた演目で、
地獄を舞台にした滑稽話だ。
タイトルに「2017」と付いているのは、
今年しかできない、時事ネタ満載だからかな。
DVD の撮影が入っていたけど、
これ、何年か経って観たら、
何の話か分からんのちゃうかと思った。
前半、力が入り過ぎているのか、
やや空回りな感じがして、私は笑えなかった
(もちろん笑っているお客さんもいた)
のだが、途中からなんとかチューニングが
合った感じ。
後半、エンマ様が「芸を見せたものは、
極楽へ行かせてやる。誰かおらんか?」と
亡者に問いかける。
何人かが芸をした後、
「もう他にはおらんか?」と言うシーンがあった。
この時、一瞬、雀々が何を言っているのか
よく分からなくなった。
あとですぐに分かったのだが、
舞台上では、ちょっとしたハプニングが
起こっていたのだった。
実は、「他にはおらんか?」と言った時、
サプライズゲストが、「私が・・・」と言って、
登場するはずだったのだが、
ゲストの準備ができていなかったのだ。
舞台袖と「あと何分待つの?」なんて、
やり取りのあと、適当につないで
ようやくサプライズゲストが登場。
これが大物でした。
なんと!
桑田佳祐!
これには、会場も大盛り上がり。
私もびっくり。
というのは、7月10日に Billboard LIVE で
行われる桑田佳祐のショーの抽選に
申し込んでいたのだが、
落選のお知らせメールを
昨日、受け取ったところだったので、
このタイミングでの桑田さんの登場には、
ちょっと驚いたわけだ。
桑田さんは、NHK連続ドラマ「ひよっこ」の
主題歌になった「若い広場」を
(カラオケで)歌った。
ライヴで歌うのは今日が初めてだったらしい。
雀々と桑田さんとは不思議な組み合わせに
感じたのだが、なんでも35年前からの
友人関係らしかった。
登場が遅れたのは、桑田さん曰く、
「予定より20分も早い」ということで、
準備が出来ていなかったようだ。
そのあとも落語は続き、
結局、オープニングから入れると
90分も演っていた。
20分ほどの休憩後、明石家さんまとの対談。
「対談」というより、ほとんど
さんまが喋っていたけど。
これも面白かった。
「踊る!踊る!さんま御殿」に出演した
橋爪遼が放送 2日前に逮捕され、
急きょ編集し直すことになったり、
7月に配信予定だったジミー大西のドラマが、
さんま役を演じた小出恵介の淫行騒動で、
お蔵入りになったり、
一緒に番組もやっていた木村拓哉が
交通事故を起こしたりと、
身の回りで良くないことが立て続けに
起こっているのだが、
それらをぜ〜んぶ笑いのネタに変えてしまうのは
ホンマにスゴイなと思った。
ドラマのお蔵入りは、かなりこたえたみたいに
感じたけど。
さんまは珍しく着物を着ていたのだが、
それは勝新太郎の着物で、
中村玉緒からもらったものだそうだ。
最後にもう一度桑田さんも登場。
さんまは話し出すと止まらず、
最後は、舞台袖から「終れ」の
合図の鐘が何度も鳴らされ終わった。
[ 演 目 ]
「地獄八景亡者戯2017」 桂雀々
(ゲスト:桑田佳祐)
〜 仲入り 〜
対談うだうだ 桂雀々・明石家さんま
@ 東京国際フォーラム ホールC
2017.7.8
春風亭一之輔の
ドッサリまわるぜ2017
2012年に真打に昇進した一之輔。
この全国ツアーも5年目ということで、
今年は5周年記念Tシャツなんぞを
売っておりました。
この「ドッサリまわるぜ」ツアー、
今年は北海道から九州まで全国18公演。
私は、昨年と一昨年のこのツアーの
よみうりホール(有楽町)の公演を
観たのだが、昨年は一之輔の師匠の一朝、
一昨年は鶴瓶、(そしてその前の年は
小三治だったらしい)と毎年ゲストを
迎えていたのだが、今年はゲストなし。
つまりゲストを呼ばなくても、
よみうりホールのような1,000人規模の
ホールを満杯にする人気になったと
いうことなのだろうな。
本人は、「今がピークだと思ってます」と
言っていたけど、このピークは、
何か しくじらない限り続くんやないやろか。
ほら、あの、人気が下落するような
スキャンダラスな事件を起こさない限り。
いや、待てよ。
噺家の場合は、それはそれで、
面白くなるかもな。
オープニング、毎度このツアーでの
私服で登場のトークでは、
軽い毒をまき散らしながらも、
それが聞いていて某師匠のように
イヤに感じないのは、
一之輔の人間としてのかわいらしさなのでは
ないかとえらそうに思ってしまった。
トークのあと、落語。
まずは弟弟子の一蔵。
この人、1年ぐらい前にも観ているのだが、
印象がなかった。
でも、今日は面白かったので 憶えたよ。
演目は「猫と金魚」。
この数年で結構な数(のべ1500席以上)の
落語を聴いたのだけど、これは初めてだった。
いまだに聞いたことのない落語に
出会えるのは嬉しいな。
この噺、調べてビックリ。
原作者は田河水泡(漫画『のらくろ』の作者)。
一之輔は、「千早振る」「お見立て」と
休憩を挟んで「居残り佐平次」。
「千早振る」「お見立て」は、
何度か聴いたことがあったけど、
一之輔の「居残り佐平次」は初めて。
今年1月、立川談春の新春独演会で、
「居残り佐平次」って、こんなに面白い
噺やったっけ?と思ったのだけど、
一之輔の佐平次も面白かった。
でも、ひとつ疑問。
佐平次が仲間と品川の遊廓に
仲間と遊びに行くのだけど、
その割り前をひとり「1円」集める。
で、佐平次が最後にお店から出ていく時に
もらうお金が「20両」。
「円」と「両」が両方あった時代が
あるのだろうか。
そうすると、1両は何円?
ちょっとググってみたけど、
「居残り佐平次」の解説にやはり
「円」と「両」混在しているものと、
最後の 20両を 200円にしているものがあった。
どういうことやろなぁ。
一之輔に訊いてみたい。
[ 演 目 ]
オープニング・トーク 春風亭一之輔
「猫と金魚」 春風亭一蔵
「千早振る」 春風亭一之輔
「お見立て」> 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「居残り佐平次」 春風亭一之輔
@ 有楽町よみうりホール
2017.7.29
本多劇場プロデュース
恒例 牡丹灯籠
志の輔らくご in 下北沢 2017
昨年、三度目だったにも関わらず、
新たな発見があり、「来年も行こうかな」と
書いた志の輔の『牡丹灯籠』。
ええ、今年も行ってきました。
4年連続の観賞です。
今年は友人2人とひとりのお母様と
合計4人で。
さすがに4回目ともなると大筋は
憶えているのだけど、
聴くたびに新たなことに気づく。
志の輔師匠は毎年原作を読み直すそうだが、
毎年新たな発見があるという。
そして、他の公演、例えば歌舞伎や演劇などの
「牡丹灯籠」もぜひ観てくださいと
言っていた。
そうやな、他のも観てみたいという
気になったよ。
毎回、2時間半と言っておきながら、
終わってみると 3時間要するのだが、
今年も 3時間を超えていた。
そのことについて、初めてコメントを聞いた。
志の輔師匠自身、2時間半では
無理だと思っているのだけど、
最初から 3時間というとお客さんが、
引いてしまうからということだった。
なるほど、お客さんを気遣っての
ことだったのね。
それにしても、休憩を挟むとはいえ、
毎回 3時間のその集中力と
一時も飽きさせぬ話芸には感銘を受ける。
最高の芸です。
【 演 目 】
「牡丹灯籠」 立川志の輔
@ 本多劇場(下北沢)
[ 関連エントリー ]
2014.7.28 恒例 牡丹灯籠 志の輔らくご 2014
2015.7.23 恒例 牡丹灯籠 志の輔らくご 2015
2016.8.28 恒例 牡丹灯籠 志の輔らくご 2016
2017.8.22
立川志らく
シネマ落語特別編 Vol.11
一度は聴きたいと思っていた、
志らくの「シネマ落語」にようやく
行ってきた。
「シネマ落語」というのは、志らくのサイトには
こう説明されている。
シネマ落語の概要を説明しておきます。
とりあげる作品は洋画。
時代設定を落語の時代、つまり江戸、
明治、大正、昭和初期に変更。
登場人物はすべて落語国の人。
八っつあんにご隠居さん、与太郎、
権助、幇間の一八などなど。
そしてエンディングに落語的な落ちをつける。
立川志らく著 「雨ン中の、らくだ」より(新潮文庫)
今日は、前座もゲストもなく、
志らくが3席聴かせてくれた。
まず、「天狗裁き」。
知っている「天狗裁き」とは違っていて、
かなりアレンジされていた。
サゲもオリジナルだろう。
上手く出来ている。
続いて、「子別れ」。
残念ながら、強烈な睡魔がやってきて、
半分ぐらいしか聴けなかったけど、
これまた、アレンジがされていて、
面白かった。
休憩を挟んで、シネマ落語。
今日は、「E.T.」。
「E.T.」を元にしていても、
前述のように舞台は江戸時代。
登場するのは、
E.T.(地球外生命体)ではなく、天狗。
天狗の子供と人間の子供(亀吉)との
友情の物語。
これが、傑作。
というのも、先に演じた「天狗捌き」「子別れ」が
ちゃんと伏線になっているという手の込みよう。
「天狗裁き」で夢を見た亭主は、
「子別れ」の熊五郎の若い頃で、
「シネマ落語 E.T.」に登場する亀吉は、
「子別れ」の亀吉が、おっかさんと家を出て
3年後、おとっつぁんに再会する前の
設定となっている。
中々よく練られた設定で、面白かった。
「E.T.」の名場面、満月をバックに
自転車が空を飛ぶシーンも、
自転車ではなく、しっかり再現されてる。
あれだけ、視覚的なシーンを
口演だけでイメージさせるのは
難しいだろうけど、
聴衆の頭の中には、「E.T.」の
あの場面がすりこまれているので、
爆笑になるわけだな。
「E.T.」は、もう35年も前に観た映画。
あんまり覚えていないので、
どうだろうかと思っていたけど、
全く問題なかった。
映画を観ていない人でも、
笑えると思う。
[ 演 目 ]
「天狗捌き」 立川志らく
「子別れ」 立川志らく
〜 仲入り 〜
「シネマ落語 E.T.」 立川志らく
@ 新宿紀伊國屋ホール
2017.9.15
粋歌の新作ベストコレクション
昨年1月、今年2月に続いて
3度目の三遊亭粋歌の新作コレクション。
ええ、結構好きです。
この人の新作。
先日まで、知らなかったのだが、
この人のご主人、今年真打に昇進した、
柳家小八(二つ目時代は「ろべえ」。)
真打になってからは、まだ観てないけど、
ろべえ時代には2度ほど観たことがあった。
小八は好きだった喜多八師匠の弟子で、
昨年その死を知った時はずい分ショックだった。
(その日のエントリー)
粋歌の旦那は小八だったと知って、
意味不明に嬉しい
さて、今日は「ベスト・セレクション」と
いうことでプロデューサーの広瀬和生氏が
選んだ粋歌の新作三席が高座にかけられた。
開口一番のあと、一席目は「卒業」。
17年間ストーカーし続けた、
その相手からの卒業という噺。
めちゃくちゃ面白かった。
粋歌本人によると、苦し紛れに作った演目の
ようだったが、シュールなようで
実際にもありそうなぶっ飛んだストーリー。
発想が、凄まじい。
二席目は「二人の秘密」。
旦那がボケてしまった夫婦の噺だが、
これは男性と女性で全く感想が違うらしく、
男性にとってはちょっとファンタスティックで
「ええ話」なのだが、女性にとっては
「冗談じゃない!」という物語らしい。
私も「ええ話やん」と思ったが、
一緒に行った妻に言わすと、
やはり女性にはええ話ではないそうな。
今日はゲストはなくて、プロデューサーの
広瀬和生氏とのトーク。
これも興味深い話が多かった。
休憩の後、「影の人事課」。
サービス残業で毎日終電近くまで
働く OL と、どうしようもない上司、
部下の噺。
これは、落語ファンでないとよく分からない
部分もあったが、面白かった。
広瀬氏とのトークで2人して
三遊亭白鳥を天才と讃えていたが、
私は白鳥より、粋歌の方が好きだな。
「粋歌の新作コレクション」は、
次も行きたいもん。
[ 演 目 ]
「子ほめ」 春風亭朝太郎(前座)
「卒業」 三遊亭粋歌
「二人の秘密」 三遊亭粋歌
トーク 広瀬和生・三遊亭粋歌
〜 仲入り 〜
「影の人事課」 三遊亭粋歌
@ 内幸町ホール
2017.10.18
2017 落語一之輔・四夜 第一夜
2014年10月31日、そうとは知らずに聴きに行った
一之輔の落語会が、1年目は一夜、
2年目は二夜、3年目は三夜、と増えていき
5年目には、五夜の公演を行い、
5年合計で十五夜になるという乙な企画だった。
1年目に居合わせたのも何かの縁だろう、
どうせなら十五夜全部聴いてやろう!と
思った私は、一昨年は二夜、昨年は三夜と
今までに3年かけて六夜の公演全てを聴いてきた。
そして、4年目の今年は四夜。
4日連続なのだ。
なぜ、十五夜全部聴きたいと思ったかというと、
この公演には、毎夜「ネタおろし」があるのだ。
「ネタおろし」というのは、初演のこと。
初めて人前でその演目を演る場にいれるなんて
一度しかない貴重なチャンスだろ。
今年は予め下記の演目が発表されていた。
第一夜 「猫の災難」他
第二夜 「文違い」他
第三夜 「心眼」他
第四夜 「二番煎じ」他
「各夜共に、ネタおろし有り!」と
書かれていたので、この四席がネタおろしと
いう意味だと思うのだが、そうだとすると
へぇ〜「二番煎じ」、
まだ演ってなかったんやと意外。
前置きが長くなった。
今日はその「落語一之輔・四夜」の「第一夜」。
開口一番は、小朝の弟子、春風亭ぴっかり☆。
3年前に一度だけ高座を観たことが
あるのだが、その時は彼女のある発言に
ひっかかり、どうも好きになれなかった。
3年間できっと 揉まれたんだろう。
ずい分と落語も上手くなったように感じた。
可愛らしい若い女の子という印象だったが、
調べてみると、36歳。
「入ってきた時(25歳)は可愛かった」と
一之輔が、言うのも仕方がない年齢に
なったということか。
一之輔の一席目は、「代書屋」。
代書屋と履歴書の代書を依頼してきた男
(一之輔バージョンでは 中村吉衛門)の
ギャップが激しく、この温度差が面白い。
続けて、ちょっと短めの「子別れ」。
仲入りのあと、「おしどり」という夫婦漫才。
この人達のことは知らなかったけど、
大阪の横山ホットブラザーズの弟子だという。
横山ホットブラザーズと言っても
東京の人は、ほとんど知らんのやろうな。
この漫才が面白かった。
旦那は、針金細工芸。
嫁さんは、アコーディオンを弾きながら、
シャンソン(?)を唄う。
内容はバカバカしいのだが、ちょっと感動した。
寄席で、また観たい。
そして、ラストはネタおろしの「猫の災難」。
あんまり大ネタとは呼べない演目だと思うけど、
所々に一之輔アレンジが見られて面白かった。
全体的に一時期よりも落ち着いてきたというか、
暴走することがなかった感じがする。
まあ、演目によるかもしれないので、
明日以降どうだか分かりませんが。
一之輔は、夏に通風を発症したらしいけど、
ヒザだったためか思っていたより痛くなく、
医者には通風と言われたけど、
本人は通風かどうか疑っているとのこと。
ヒザの方が痛そうだけどなぁ。
毎年、カメラが入っていたのは気付いていたけど、
上手くいけば、十五夜終わったら DVD に
なるかも知れないということだ。
5年間の変化やマクラでの時代の変化も
楽しめるだろうから、ぜひ実現してほしい。
開演前
[ 演 目 ]
「権助提灯」 春風亭ぴっかり☆
「代書屋」 春風亭一之輔
「子別れ」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「音曲漫才」 おしどり
「猫の災難」 春風亭一之輔
@ よみうり大手町ホール
2017.10.19
2017 落語一之輔・四夜 第二夜
5年連続落語会、その4年目は四夜連続。
今夜はその第二夜。
昨日は4列目だったけど、今日は最前列の端っこ。
ステージに向かって一番右端だったおかげで
下手の舞台袖が見えた。
お囃子の三味線を弾いているのが見えたよ。
本当に舞台のすぐそばで演奏してるんやね。
開口一番は、立川こはるの「道灌」。
この人は数回観ているけど、中性的なのか
女性が演じているという感じがあまりなく、
落語的には良いと思う。
そういえば、昨日のぴっかりも
権助や旦那様を演じていて
あまり違和感を感じなかったな。
聴く側(私)の変化だろうか、
演じる側の進化だろうか。
一之輔の一席目は「浮世床」。
この噺にはいくつかのパートがあるのだが、
今日は本読みのくだり。
終演後のロビーに演目が貼り出されるのだが、
「浮世床〜本」と書かれていた。
意外や、一之輔の「浮世床」は初めて。
一之輔らしいアレンジ。
続けて「鼠穴」。
これも一之輔で聴くのは初。
竹次郎が兄貴に10年前に借りた三文を
返しに行ったシーンはちょっと泣ける。
仲入りのあと、寒空はだか という人の漫談。
これまた面白い。
よくこんなネタ思いつくなあ。
昨日のおしどりに続いて、寄席でまた観たい。
トリは、ネタおろしの「文違い」。
柳家さん喬師匠の音源を一度聴いたことがあっただけで
オチまでは覚えていなかった。
男と女の騙しあいの噺。
ちょい渋い演目。
今日は、三席とも一之輔で聴くのが
初めてだったので、とても満足。
一席目のマクラでは、談志や松山千春の
モノマネが飛び出すなど楽しめたし。
明日は第三夜です。
[ 演 目 ]
「道灌」 立川こはる
「浮世床〜本」 春風亭一之輔
「鼠穴」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「漫談」 寒空はだか
「文違い」 春風亭一之輔
@ よみうり大手町ホール
2017.10.20
2017 落語一之輔・四夜 第三夜
春風亭一之輔 落語 四夜連続公演、
今夜はその第三夜。
前から2列目の中央。
凄く良い席。
私は、一之輔の独演会に20回以上足を運んだが、
そのうち、4分の3は一之輔が三席演っている。
独演会で二席しか演らない噺家が多い中、
以前、一之輔は、主役が三席演らないと
独演会じゃないでしょというようなことを言っていた。
ファンにとっては、嬉しいことだが
本人は合計で90〜100分 口演することになる。
この3日間は、浅草演芸ホールの昼の部に
出演した後の独演会のようで、
一日に四席 演っていることになる。
凄いなあ。
さて、第三夜。
今日の開口一番は、春風亭正太郎。
「五目講釈」というちょっと珍しい演目。
これ、難しそうだもんな。
一之輔は、「普段の袴」と「藪入り」。
どちらも CD では一之輔の口演を聴いたことが
あったが、ライヴは初めて。
これまた嬉しいね。
休憩の後、三遊亭小円歌(女性)。
今年4月に亡くなった圓歌師匠のお弟子さん。
落語ではなく、三味線漫談。
いいなぁ、都々逸。
あんなの弾き語りできるようになりたいもんだ。
またこの人、独特の色気がある。
11月には、二代目 立花家橘之助
(たちばなや きつのすけ)を襲名するそうだが、
この名前は、80年以上空いていたそうだ。
トリは、一之輔の「心眼」。
あんまり演る人がいないのだろうか、
三喬師匠のを CD で聴いたことがあっただけだ。
今日の一之輔のマクラによると、
目の見えない人の噺なので、
客席にそういう方がいると、
演者は避けるらしい。
でも、目の見えない人は、
目の見えない人の噺を聴きたいらしい。
梅喜(ばいき)という、目が不自由なあんまが、
薬師様に日参して、21日目に目が開く。
自分に尽くしてくれた女房が不細工だと聞いて、
家にも帰らず、芸者の小春と一緒になろうとするが、
実は目が開いたのは夢だったという噺。
聴きようによっては、大変深い、
人間の業を描いた 聴きごたえのある噺だ。
小円歌さんが、「じじい」と言っていた通り、
一之輔の芸は、もう円熟の域に達していると思う。
まだ39歳だけど。
「普段の袴」の侍、道具屋の旦那、八五郎、大家さん、
「藪入り」の父親、母親、せがれの亀吉、
「心眼」の梅喜、女房のお竹、上総屋のだんな、
芸者 小春、と今日は11人の主要な登場人物を
演じたわけだが、全ての人が素晴らしい。
貫禄のある武士、落ち着いた旦那、あわて者、
子を思う親、泣きじゃくる子供、
めくら、亭主想いの女房、いい女(芸者)など
まったくその人なのである。
無邪気な眼差し、粗忽者の表情はもちろん
素晴らしいが、時に見せる慈悲深い眼差しが
怖いほど奥深い時がある。
[ 演 目 ]
「五目講釈」 春風亭正太郎
「普段の袴」 春風亭一之輔
「藪入り」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「三味線漫談」 三遊亭小円歌
「心眼」 春風亭一之輔
@ よみうり大手町ホール
2017.10.21
2017 落語一之輔・四夜 第四夜
2014年の4月に初めて 一之輔の高座を観た。
演目は「雛鍔 (ひなつば)」だった。
数えてみると、一之輔の高座は
今日で40回目だった。
この3年間は、月1回のペースで、
観ていることになる。
これは他の落語家より断然多い。
昨日も少し書いたけど、
39歳にして 円熟ともいえる芸と
その芸風が私のツボにハマったのだな。
さて、四日連続公演の第四夜。
今夜は13列目。
開口一番は、一之輔の弟弟子にあたる
春風亭朝之助の「つぼ算」。
この人は初めてだった。
一之輔の一席目は、「鈴ヶ森」。
泥棒の親分と間抜けな新米が、
鈴ヶ森へ追い剥ぎをしにいくという
バカバカしいお噺。
やはり一之輔アレンジが効いていて
独特な世界が展開される。
続いて「千早ふる」。
これも同様、一之輔ワールドだ。
仲入りを挟んで、奇術。
マジックとは言わない。
寄席では「奇術」なのだな。
これが、また面白かった。
寄席へ行くと噺家一人一人の持ち時間が
短い上、落語以外の出し物があるので
落語だけを聴きたい私としては、
ちょっと寄席を敬遠していた部分も
あるのだけど、この4日間の色物は、
全て面白かった。
もちろん、一之輔チョイスだろうから
面白くないわけはないのだけど、
ちょっと寄席へ行きたくなったよ。
トリは、ネタおろし「二番煎じ」。
江戸時代、町内の旦那衆が火の用心の
見回りをしていたようだ。
前半は、その見回り中の噺、
後半は、見回りの合間に番小屋で酒を飲む噺。
酒を飲んで獅子鍋をつっついていると
お役人がやってくる。
酒を飲んでいたことがばれると
お咎めを受けることになる。
酒ではなく、煎じ薬だとごまかすが、
役人は自分にも煎じ薬を飲ませりと言い出す。
「なかなか良い煎じ薬だ。
もう一杯くれ」と言う役人に
全部飲まれてはたまらんと思った旦那衆は、
「もう煎じ薬は、なくなりました」と言うと
「ならば、町内をひと回りしてくるから、
その間に二番を煎じておけ」というオチ。
初演だからか、そんなにアレンジは
感じなかった。
これから、進化してくのだろうな。
昨日までの3日間は、トリの落語が終わると
どん帳が下りて終演だったが、
楽日の今日はどん帳は下りず。
最後に挨拶をして終わった。
ご本人は、体調不良(声の調子が良くないこと)を
詫びていたけど、全くそんなことを感じさせない
素晴らしい4日間でした。
ここまで来たら、来年の五夜も聴くぞ!
[ 演 目 ]
「つぼ算」 春風亭朝之助
「鈴ヶ森」 春風亭一之輔
「千早ふる」 春風亭一之輔
〜 仲入り 〜
「奇術」 伊藤夢葉
「二番煎じ」 春風亭一之輔
@ よみうり大手町ホール
[ 関連エントリー]
2014 落語一之輔・一夜
2015 落語一之輔・二夜
2016 落語一之輔・三夜
2017 落語一之輔・四夜
2017.11.5
関内寄席 桂歌丸落語会
〜 桂歌丸が認めた若手噺家との共演会 〜
不謹慎かもしれないけど、
毎回、これが最後かもしれないと思いながら、
歌丸師匠の落語会に行っている。
前回は、今年の3月。
同じ関内寄席で、
酸素吸入器を付けての高座だった。
今日も、仲入り後の一席のみで、
どん帳が上がると高座に座っていて、
やはり酸素吸入器は付けたままの口演だった。
声を聴く限りは、とてもそんな状態とは
思えない口調で、またまた芸人魂を観ました。
演目は「ねずみ」。
名匠 左甚五郎の噺だ。
一席だけでは、独演会とは言いにくいからだろうか
「桂歌丸が認めた若手噺家との共演会」という
サブタイトル(?)が付いていた。
その若手とは前座の三遊亭金の助。
何度か観ているがいつも渋い演目の柳亭小痴楽。
今日は「花色木綿」という 初めて聴いた演目。
そして、昨年3月のの歌丸落語会にも
出演していた三遊亭遊雀。
昨年と同じく「蛙茶番」。
この人は、若手じゃないけど。
それから色物は、ボンボンブラザースでした。
[ 演 目 ]
「大安売り」 三遊亭金の助
「花色木綿」 柳亭小痴楽
太神楽 ボンボンブラザース
「蛙茶番」 三遊亭遊雀
〜 仲入り 〜
「ねずみ」 桂歌丸
@ 関内ホール 大ホール(横浜)
関内ホールは、2013年 3月に初めて
歌丸師匠を聴いたホールで、
それが私が落語にハマるきっかけになった。
それから関内ホールへは、
この5年間にちょうど10回通った。
ほとんど歌丸師匠の落語会だが、
小朝師匠の落語会にも一度。
その関内ホール、今月12日をもって
いったん休館となる。
1年間ほどかけて、改修工事が
行われるのだ。
落語会には残響が強く、
噺家によっては聞きにくいこともあったので、
そのあたりが改善されると嬉しいな。
ただ、クラシック音楽を演るとなると
よく響く方が良いので、
その辺はどうなんだろう。
2017.11.8
日本橋劇場落語会
春風亭三朝 真打披露
春風亭一朝師匠の弟子の朝也が
今年3月に真打に昇進し、
春風亭三朝と名前も改めた。
その真打昇進披露公演。
3月に昇進したのに
まだ真打昇進披露公演が
続いているのだな。
人によるだろうけど、
一体、どれくらい(の回数)
演るんだろう。
三朝の落語は、二つ目の朝也時代に
二度聴いているのだが、
一度目は印象がなく、このひとりごとにも
何も書いていない。→ 2015.10.29
二度目は、昨年3月に「愛宕山」を聴いた。
「表現が難しい噺だと思うが、
安定した芸に感じた」と書いているので
中々良かったんだろう。→ 2016.3.4
二度とも、一之輔 目当ての落語会で
聴いている。
そういうわけで 特に三朝のファンと
いうわけではなかったが、
真打昇進披露公演や襲名披露公演と
いった記念公演は、特別な話が聴けるし、
その時にしか観られない公演なので、
特に大好きな噺家でなくても、
行ける時は、行きたいと思っている。
結構、面白い話が聴けるのだ。
今日は、一之輔(三朝の兄弟子にあたる)も
出るしね。
開口一番、春風亭一花の「子ほめ」に
続いて、林家つる子。
三朝の大学(中央大学)時代の
落研の後輩とのこと。
演目は新作で、初めて聴いたが面白い。
噺も良く出来ている。
続いて、桂やまと。
この人は三朝の大学の落研の先輩とのこと。
先輩にも後輩にもプロがいるって凄いなぁ。
そして、師匠の一朝の「妾馬」のあと休憩。
口上では、つる子が司会をし
一之輔・やまと・一朝・三朝の順に挨拶。
三朝は二つ目時代に、一之輔・やまとの
真打昇進時の番頭を務めており、
その話から、大変に頼りになる
しっかりした人物であることが伺えた。
やはり、真打昇進披露の口上は面白くて
値打ちがある。
続いて一之輔の短めの「代書屋」。
もっと聴きたかったけど、仕方がない。
トリは主役 三朝の「富久」。
どちらかというと正統派な印象。
落ち着いた芸風で、一之輔が
一朝一門で一番師匠に似ていると
言ったのも分かる気がする。
休憩挟んで2時間40分。
たっぷりな内容でした。
[ 演 目 ]
「子ほめ」 春風亭一花(前座)
「スライダー課長」 林家つる子
「宮戸川」 桂やまと
「妾馬」 春風亭一朝
〜 仲入り 〜
口上 つる子・一之輔・三朝・一朝・やまと
「代書屋」 春風亭一之輔
「富久」 春風亭三朝
@ 日本橋公会堂(日本橋劇場)
2017.11.27
第一回 志らく独り会
立川志らくの独り会。
まさか初めての独演会のはずがないのだが、
今日の落語会は「第一回」となっていた。
志らくは、「志らく落語大全集」
「シネマ落語」「志らく独り会」と
3つの落語会を主催し、
それぞれの趣旨を分けているようだ。
ご本人のウェブサイトには、
このように書かれてある。
国立演芸場の志らく落語大全集は
持ちネタを全てやりきる会
志らく独り会は十八番と
新たな落語の可能性を探る会です
この独り会は、「年に一度、五年間」限定と
決めているようで、すでに4年目までの
ネタを発表している。
そんな先のこと、今決めなくてもいいのに、
もっと面白いネタが出来たらどうするんだろうと
余計な心配をしてしまう。
今年は、今日から3日間。
古典は「芝浜」、新作は「不幸の家族」と
ネタだしされていた。
「芝浜」は、トリで演るような
大きなネタなのだが、それを前座もなく、
最初に演るというのも珍しいし、
そのあとに60分ほどの大ネタを持ってくる、
しかも新作というのもこれまたレアなことだ。
短めのマクラですぐ本編。
志らく流の演出がされていた「芝浜」。
最後にオリジナルなサゲを持ってくるんやないかと
秘かに期待したけど、やはりこの噺は、
サゲを変えちゃいけねえんだろうな。
(江戸っ子風)
休憩を挟んでの新作「不幸の家族」。
ご本人が「新たな落語の可能性」と
書いているのは、よく分かった。
着物ではなく、作務衣を着て、
時には立ち上がり、あぐらをかき、
落語と独り語りと一人芝居が混ざった
新しい話芸にチャレンジしているのだ。
面白かったといえば面白かったのだけど、
これはもう落語ではないと思った。
俗に新作落語と言われている演目も、
上下(かみしも)を切って話す古典落語の
スタイルで語られるわけだが、
志らくはそこにメスを入れて
新しい落語のスタイルを模索しているようだ。
ご本人が「落語では座布団の上が宇宙」と
言われたように、座布団の上で
どんな世界でも創り上げてしまえるのが
落語の魅力だと思うのだが、
今日の志らくのように
座布団から離れてしまうと
落語じゃなくてもいいやんと思ってしまう。
極めつけは、音楽。
お座敷のシーンのために
お囃子が鳴るのではない。
映画音楽のように完全に演出のための
音楽が流れた時に、
「これはずるい」と思った。
落語は、言葉としぐさだけで喜怒哀楽から
何もかもを表現する。
それに観客の想像力が合わさり、
ひとつの芸として完成する。
観客の想像力に委ねずに
観客の心理に(いわば強制的に)訴える
BGM を使うのなら、もう落語である必要はない。
それならば、「志らくの一人芝居」と
銘打ってくれた方が、納得がいく。
というわけで、面白かったし、
60分ほどの長い話でも中だるみもなかったし、
そういう意味では素晴らしいのだけれども、
「新しい新作落語のスタイル」としては、
ちょっと中途半端な感がぬぐえないのでした。
[ 演 目 ]
「芝浜」 立川志らく
〜 仲入り 〜
「不幸の家族」 立川志らく
@ 表参道GROUND
―「志らく独り会」ラインナップ ―
第1回 2017年秋
古典落語「芝浜」 新作落語「不幸の家族」
会場/表参道 GROUND
第2回 2018年秋
シネマ落語「天国から来たチャンピオン」 新作落語「不幸の伊三郎」
会場/新宿サザンシアター
第3回 2019年秋
古典落語「せんきの虫」 新作落語「せんきの虫後日談」
会場/表参道 GROUND
第4回 2020年秋
古典落語「鉄拐」 新作落語「上海パラダイス」
会場/表参道 GROUND
第5回 2021年秋
独り会ファイナル
会場/未定
2017.12.25
夢の三競演 2017
〜三枚看板・大看板・金看板〜
昨年同様、落語の聴き納めは、
上方落語界の大物、
桂文珍、桂南光、笑福亭鶴瓶による
夢の三競演。
この3人による落語会は、
大阪では14年目、東京では 4年目。
それぞれ一日だけの公演で、
立ち見も出ているほどの大盛況だ。
私は、2014年、2016年に続いて
3度目で、この3人の高座は、
3人とも1年ぶり。
まずは、3人による口上に続き、
鶴瓶の弟子、鉄瓶(てっぺい)による
「明石飛脚」。
初めて聴いた噺。
「明石」は、兵庫県の明石。
大阪から明石まで飛脚で往復するだけの
噺だが、上方らしいバカバカしい一席。
続いて鶴瓶師匠の「妾馬(めかうま)」。
「八五郎出世」という別題もある。
江戸時代、お殿様に見初められ、
長屋からお屋敷に側室に奉公に上がったお鶴が、
男の子(後継ぎ)を生んだので、
兄・八五郎がお殿様に呼ばれてお屋敷に行く話。
八五郎のハチャメチャさが面白いだけではなく、
家族の物語でもあり、上手い噺家の手にかかると
ちょっと涙ぐんでしまう。
さすがの鶴瓶師匠、泣かされました。
続いて、南光師匠の「抜け雀」。
今年は、とり年だったせいか
新年最初に観た高座で、文枝師匠の
「抜け雀」を聴き、今年最後の落語会で
これまた「抜け雀」。
小田原の旅籠のオヤジがなんで大阪弁やねんと
思っていたら、大阪人が旅籠に養子に入ったという
設定になっていた。
なるほどね。
仲入りをはさんで、文珍師匠の
「へっつい幽霊」。
文珍師匠のくすぐりも好き。
今年は、3人とも古典だった。
[ 演 目 ]
口上(桂文珍・桂南光・笑福亭鶴瓶)
「明石飛脚」 笑福亭鉄瓶(開口一番)
「妾馬」 笑福亭鶴瓶
「抜け雀」 桂南光
〜 仲入り 〜
「へっつい幽霊」 桂文珍
@ TBS赤坂ACTシアター