LAGUNA MOON MELLOW FLAVOR  LIVE GUITAR  LINK LYRICS


 つつみしんやのひとりごと  2023年9月
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2023.9.2

血中脂質お酢ウォーキング

2014年10月に「痛風」を初めて発症した。
それから5年間、尿酸値を下げる薬を
飲まずに自力でなんとかしようと試み、
結局、5年間で5回も発症し、
2019年6月ついに薬を飲み始めた。

薬を飲み始めて、もう4年以上になる。
その間、年に数回 採血し、尿酸値を
測ってもらっている。
ついでに気になる脂質関係と血糖値も。

今日の話題は痛風でも尿酸値のことではなく
脂質の話。

健康診断を受け始めた 2007年から、
昨年まで 15年間、全ての血中脂質の数値が
正常値だったことが一度もなかった。

血中脂質の検査項目は、
(検査の時、クリニックにもよるが)
「中性脂肪」「総コレストロール」
「HDLコレステロール」「LDLコレステロール」
「Friedewald式」がある。

それらの数値から、「non HDL(総コレ−HDL)」
「LDL/HDL」が計算できるので、
これらも正常かどうか観ることができる。

例えば、中性脂肪は「30〜149」が正常値と
されているが、この15年間、20数回の検査で
ほとんどが異常値で、一番高い時には、
「235」という時もあった。

総コレストロールは、220未満が正常値のようだが、
たまに200未満の時もあったが、
これまた度々240を超えることもあり、
ほとんどの検査時で基準値を超えていた。
その他の脂質の数値も然り。

全ての数値が、基準以内であったことなど、
この15年間、一度もなかったのだ。

しかし、今年の5月31日の血液検査の
結果は、次の通りで全てが正常だったのだ。

中性脂肪 122
総コレステロール 212
HDLコレステロール 54
LDLコレステロール データなし
non HDL(総コレ−HDL) 158
Friedewald式 134

(もちろん尿酸値も 5.6 で問題なし)

トマトジュースを飲んでみたり、
特茶を(1年以上)飲んでみたり、
DHA&EPA のサプリを飲んでみたり、
色々試したけど、よくならなかったのに。

なぜ改善したのか。
思い当たることは、ふたつ。
一つ目は、お酢。

たぶん2月ぐらいからだと思うけど、
毎日 リンゴ酢を飲むようになった。
というのは、尿酸値、血中脂質以外に
もう一つ気になるのが、血糖値。
私は、血圧は全く問題がないのだけど、
血糖値はやや高めで、両親ともに
糖尿病だったので、余計に気になっている。
で、お酢を飲んで糖尿病を治した人が
いると聞いて調べてみると、結構な効果が
期待できると分かった。

血糖値の上昇を抑える効果はもちろん、
体脂肪・内臓脂肪の減少、疲労回復、
高血圧の改善、整腸作用など
とても健康的なのだ。

私が飲んでいるのは、内堀醸造の
「有機りんごの酢」。
これを水か炭酸水で割って飲む。
他社のものも試したけど、これが一番飲みやすい。
ドリンク用に売っているものは、
飲みやすくするために糖分が足されているので
お勧めできない。

5月の血液検査の結果では、
血糖値は、118 と以前とあんまり変わらず
やや高めで、糖尿病予備軍状態のまま。
しかし、血中脂質は改善されたのだ。
これにはリンゴ酢が、効いたのではないかと思うのだ。

そしてもうひとつ、血中脂質改善に
関係あるのではないか、と考えられるのが、
ウォーキングだ。
100キロ ウォークを目指し、2月から
週に数回 歩いていた。
それまでの数十年間で一番、運動(といっても
ウォーキングだけど)していた期間だと言える、
5月末の血液検査。
このウォーキングが、身体に影響していない
はずはないと思うのだが、どうだろう。

リンゴ酢は、今もずっと続けているけど、
ウォーキングは3ヶ月サボっていたので、
8月の終わりあたりに採血していれば、
ウォーキングの効果かどうか分かったんだろうけど、
また、歩き始めたので、分からないな。

いずれにしろ、残りの人生、
美味しいものも食べたいし、やりたいことも
いっぱいあるので、身体は大事にしないとね。

年内にまた検査をするので、
脂質の数値が維持されていれば、
リンゴ酢+ウォーキングの効果ということかな。





2023.9.3

春に散る



佐藤浩市、横浜流星ダブル主演の映画
『春に散る』。

かつて世界チャンピオンを目指していた元ボクサー
広岡仁一(佐藤浩市)に路上でノックアウトされた
黒木翔吾(横浜流星)は広岡に
「ボクシングを教えてくれ」と懇願する。
広岡は、はじめのうちは断るもそのうち、
ふたりの間に師弟愛が芽生え、ふたりで
世界チャンピオンを目指すという
ストーリーとしてはベッタベタな話し。
ラストは、いわずもがな。(ネタバレやん)
でも、まあそんなに単純でもない。

横浜流星がカッコ良い。
ご本人は、もともと空手をやっていたらしく
素養があったのかも知れないけど、
かなり真に迫っていたね。
「プロの人が見ても納得できるレベルで
やりたかった」と語っていたのをインタビューで
観たけど、確かに素人から観れば
十分なレベルだと思った。

特に試合シーンは、結構な迫力だった。
細かいこと言うと「今のパンチ当たってないのに
音してるやん」というところもあったし、
スローモーションのシーンは、本当に殴り合っているのを
スローにしているのではないのが、分かったけどね。
そういう突っ込み所はあるものの
十分なスピード感、迫力、そして痛々しさだった。

試合相手を演じた窪田正孝も良かったし、
ちょっとどうしようもないオカンぷりの坂井真紀。
元ボクサーのおじさん達、片岡鶴太郎
哀川翔も良かったな。

横浜流星と橋本環奈のラヴ・ストーリーも
あるのだけど、潔いほどにそこは一切説明せず、
観客の想像力に委ねている。
まあ、その説明し出したら、2時間で終わらんわな。

一緒に観に行った妻は、ボクシング観戦は
もともと好きでないので、試合シーンでは
何度も目をそらしていたようで
終わってから「私痛いのダメ」と言っていた。

じゃあ、俺の試合は観に来てくれないのか・・・。


★★★★☆




こんにちは、母さん




本日は、もう1本邦画を鑑賞。
山田洋二監督、91歳にして90本目の作品。
吉永小百合、大泉洋主演の『こんにちは、母さん』。

山田洋二監督作品は、『東京家族』(2013年)、
『小さいおうち』(2014年)、『母と暮せば』
(2015年)の頃は、私的にはちょっと残念な作品が
続いたのだけど、一昨年の『キネマの神様』は
良かったし、本作は、吉永小百合と大泉洋という
組合せなので、ちょっと期待して観に行った。

吉永小百合演じる母さんは、
東京下町の足袋屋の女将さん。
ちょっと浮世離れしてる印象。

大泉洋演じる神崎昭夫は、
家庭も仕事も悩みだらけ。

神崎の大学生の娘役に永野芽郁。
神崎の学生時代からの友人に宮藤官九郎。
母さんが思いを寄せる近所の牧師さんに寺尾聰。
近所のホームレスに田中泯。
と出演者も中々豪華。

まあ、例によってなんとはないストーリーなのだけど、
邦画ってええなぁと思える作品。
2010年代中頃に感じた、山田洋二監督の
時代のずれも感じることなく、楽しめた。

この時期、反戦のメッセージも
しっかり受け取りました。


★★★★▲





2023.9.5

49年前の作品

春に大阪の実家に帰った際、
押し入れに入れっぱなしになっていた
私のもの(本、楽譜、日記などなど)を
入れた段ボール箱から、古い五線紙のノートを
発見した。

それには、私が人生で初めて作曲した曲の
楽譜が記されていた。
このノートが、実家にあるかどうかは自信が
なかったけど、その存在は覚えていて、
私の記憶では、小学2年生か3年生ぐらいの
時に作曲したものと思っていた。
ノートには5曲の楽譜が記されており、
それぞれ作曲した年月日が記載されていた。
作品1が、1974年10月30日で、
作品5は、1975年9月11日となっていた。
つまり、私は12際から13歳。
小学6年生から中学1年生にかけて
作曲した作品だったのだ。

作品1には『田園』というタイトルが付けられている。
恥ずかしいけど楽譜を発表しよう。

作品1『田園』


出だしの2小節は、ほぼほぼドボルザークの
『家路』(交響曲第9番「新世界より」
第2楽章の一部)だが、おそらくは、
パクったというよりは、どこかで耳にしたことがあり、
その影響ではないかと思う。
何よりも BPM(テンポ)を指定し、
「mp(メゾピアノ)」だの「f(フォルテ)」だのと
強弱を指定し、クレシェンドやデクレシェンドまで
書いているのが我ながら いじらしい。
終わりから3小節目には、フェルマータまで使ってる。
リコーダーを使って、作曲したと思うのだけど、
そういう抑揚を付けながら吹いていたんだろう。

5つの作品のうち、この作品1『田園』だけは、
初めての作曲だったからか、メロディを完全に覚えていた。
ほかの4曲は、楽譜を見たら思い出したものが
2曲、あとの2曲は、楽譜を見ても、
なんとなくそんなの書いたかなぁという程度だった。

作品2


楽譜の書き方の間違いは、ご容赦頂こう。
これは、Eマイナーで書かれている。
なんだかロシアか東ヨーロッパな感じ。(意味不明)

作品1も2もメロディをなぞると、
当然ジャズやロックではない。
思うに、自分の中では、間違いなく管弦楽だったんだと思う。
私には、オーケストラの演奏が聞こえてくるからね。

でも、なぜ5曲しか書かなかったんだろう。
5曲で才能が尽きたかな。





2023.9.7

MIKE STERN - JEFF LORBER FUSION



なんと2019年8月以来、4年ぶりの
マイク・スターン。
この20年ぐらい来日のたびに観に行っているので、
4年も空いたのは、初めてだと思う。
前回 2019年は、ドラムが神保さんだった。
2020年3月にジェフ・ローバーとのライヴが
組まれていたけど、コロナのために中止。
3年半を経ての実現となった。

ジェフ・ローバーのことは、良く知らなかったけど、
LAを中心に活動するキーボード奏者。
ドラムが、ゲイリー・ノヴァク。
ベースは、2016年、上原ひろみの
The Trio Project で、アンソニー・ジャクソンの
トラ(代わり)を務めたアドリアン・フェロー。
メンバー紹介の時、相変わらず寿司ざんまいの
社長のポーズとってたよ。
そして、スペシャル・ゲストとして、マイクの
奥方である、レ二・スターン。

ブルーノート4日間とコットンクラブ1日、
合わせて5日間10公演の初日。
その 2nd show を観てきたのだけど、
初日ということもあってか、演奏がちょっと
探り合いながらだなと感じた部分もあったが、
高度な技術とアンサンブルの妙を聴かせてくれた。

マイクは、2016年に神経の損傷も伴った
両手骨折の怪我をした。
それ以降、彼の演奏を聴くのは、2017年、
2018年、2019年と今回で4度目なのだけど、
やはり右手は、やや不自由に見える。
でも、もうあの形で完全にスタイルが
出来上がっているんだと思った。
ギターは、いつものヤマハ・パシフィカ。
そのギターのボディにステッカーのようなものが
貼ってあるように見えたので、終演後、
ステージ前まで観に行ったら、ピックが
貼り付けてあった。


(終演後、ステージが暗いので見にくい写真しか撮れなかった。)

おそらく、ピックを落としたときのための
予備ではないかと思われる。
それから、以前には使ってなかった、
フレットラップ(解放弦の振動を抑える道具)が、
ヘッドに装着されていた。



以前には使っていなかったことを考えると
右手による、ミュートが難しくなったんではないかと
推測する。
それにしても、ピックが持てなかったという
状態からのリハビリ、完全復帰には
あらためて感動する。
復帰して、もう何年も経っているのだけど、
今日聴きながら、その凄さに畏敬の念を抱いた。

マイクの足元(ペダル・エフェクター)には、
6個とチューナーが並んでいた。
チューナーと6個のうち5個が BOSSだったよ。

レニのギターは、ストラトキャスター
(ゴールドに見えた)。
1曲目では、「ンゴニ」という西アフリカの
伝統楽器を演奏した。
ギターソロもも数曲で披露。
ヴォーカルも2曲。
この歌が中々良かった。

アンコールは、"Wing And A Prayer" に
続いて "Red House"(ジミ・ヘン)。

久しぶりの公演だというのに、やや空席があった。
10回もあるからかな。


[ MEMBERS ]
Mike Stern (g)
Jeff Lorber (key)
Hadrien Feraud (b)
Gary Novak (ds)
Special Guest:Leni Stern (g,ngoni,vo)

@ BLUE NOTE TOKYO
2nd show





2023.9.9

DAIJOBU



なんだか凄い映画を観てきた。

2、3日前に土曜日(今日)は、
映画を観ようと思い、検索していて、
見つけた映画『DAIJOBU』。

禅僧・村上光照老師と冤罪で22年間
服役してきたヤクザの親分・川口和秀の
ドキュメンタリー。

映画が始まって、ちょっとして、
「あれ?この親分観たことあるぞ」と思った。
あとで調べてみたら、やっぱり。
2016年に観たドキュメンタリー映画
『ヤクザと憲法』に出ていた川口親分だ。

あの映画では、20数年服役してきたとは
紹介されていたけど、それが冤罪だとは
言ってなかったように思う。
タイトルにあるように、あの映画のテーマは、
暴力団員は、銀行口座を作れないとか、
親が暴力団員ということで幼稚園の入園を
断られるなど、憲法14条に謳われている
「法の下の平等」が、守られていないのではないか。
これは、憲法違反ではないかという
問題定義の映画だった。

で、『DAIJOBU』も同じ監督の映画かと
思ったら、違う人だった。

以下、ネタバレ含むので、映画を観ようと
思う人は、観てから読んでね。

1937年生まれの村上老師は、
寺も家族も持たない禅僧。
もともとは、物理学の研究で、
湯川秀樹の弟子だったというから驚きだ。
科学者としての将来を閉ざし、
京都大学大学院を中退し、
禅僧になったという経歴の持ち主。

ヤクザの親分、川口会長は、
誰かに村上老師と会うことを勧められ、
会いに行くんだ。
この初対面のシーンがスゴイ。

老師は、川口会長と話はするけど、
食事をしながらで、会長を立たせたままで、
言ってみれば、普通の人なら怖くて、
ヤクザの親分をあんな風には扱わないだろうと
いう扱いなのだ。

この映画、今日が初日と知らずに行ったのだけど、
上映後にラッキーなことにトークショーがあり、
木村 衞監督と宣伝担当の方(お名前失念)が登壇された。

そこで、監督がその老師と川口会長が
初めて会ったシーンのことを言っていたけど、
もう凄かったと。
最初は、周りに人がいっぱいいるのだけど、
そのうちどんどん人がいなくなって、
老師と川口会長のふたり。
老師の会長への態度に、組の若頭は、
怒っている。
このまま撮影していて、良いのだろうか、
という雰囲気だったという。

もしかしたらだけど、老師にすれば、冷やかしで
会いに来たんなら もう来んでええよ、という
ことだったのかも知れない。

しかし、川口会長は、それで終わらなかった。
禅を学びたいと本気で思っていたんだ。
老師に「まず内観に行ってきなさい」と
勧められ、静岡の内観研修所に一人で出向き、
一週間の内観を終える。
トイレ掃除をするヤクザの親分の姿は、
それだけで、もう尋常ではない何かを感じさせる。
そして、ここでの告白も強烈。

その後も川口会長は、静岡まで通い、
村上老師に近づいていく。
初めの方のシーンで、まだ老師に会う前の
川口会長が言う。
「年上だから、敬意を示すけど、俺の方が、
スゴイ体験をしてきたかも知れない。
化けの皮を剥がしてやる」と。

上映後のトークで、このことにも監督が触れていたけど、
のちに川口会長は、老師のことをこう言ったらしい。
「全く突っ込むところがなかった」
会長にしてみれば、なにかほころびを見つけて、
突っ込んで化けの皮を剥がしてやろうと思って
いたのだろうが、老師には、全くそんな所はなかったんだ。

映画の中で 老師にだけは、
蜂が寄ってこない、というシーンがある。
これも、上映後トークで監督が言っていたけど、
老師の周りを蝶が舞ったり、
一斉に鳥が鳴き出したりと、撮影中
不思議なことが何度もあったのだという。
もう、それは奇跡というか、説明のつかないことばかり。

映画の中で語られる、早朝目覚めたら、
老師の前にカマキリが現れ、手を合わせて
礼拝していたというエピソードもスゴイ。
そこでは、ユングのシンクロニシティまで飛び出す。

なんだろう、あのレベルまで行くと、
一般の人が全く知り得ないことを知り、
全く体験しえないことを体験しているんじゃないかと思った。

この映画は、撮影に7年もかかっている。
監督曰く、撮り始めたときは、明確な意図も
ゴールもなく、ただ撮り始めたのだという。
そして、いつもいつも何かが起こるわけでは
ないので、全く「待つ」ことが大事だったと。
でも、7年をかけて、映画はとんでもない結末を迎えた。

2016年公開の映画『ヤクザと憲法』で、
「ヤクザをやめようとは思わないんですか?」という
質問への組長の答えは、
「やめたらどこが受け入れてくれるの?」だった。
その言葉から、ヤクザから足を洗っても
一般社会の人々は彼らを受け入れない、
どこにも行けないから、ヤクザをやめることも出来ない、
そんな社会を私たちが作っているのかも知れない、
という問題定義を感じた。

しかし、川口会長は、老師との出会いで
ついに、出口を見つけたんだと思う。

ぜひ、ご覧ください。


★★★★▲


一か所だけ「ちゃうやん」と思ったところ。
もう、すでに誰かに指摘され、監督も気付いているだろうけど。
老師が「寝る前にお酒を少し舐めたらよく寝れた」
というようなこと話すシーンで、
老師は「お酒をねぶったら寝むれた」と言ったのだけど、
字幕は「お酒を寝むったら寝むれた」となっていた。
(もしかしたら「眠れた」だったかも)
「ねぶる」は漢字で書くと「舐る」で「舐める」と
同じ意味なのだけど、どうやら、主に西日本で
使われる言葉らしい。
言いませんか?「ねぶる」って。
監督は、知らなかったのかしら。


DAIJOBU オフィシャルサイト


[ 参考エントリー ]
2016.3.16 ヤクザと憲法





2023.9.11

年寄りは話したい

先日、仕事で85歳の男性に会う機会があった。
会社が所有する、とあるマンションの部屋の借主だ。
わざわざ会うほどの用ではないと私は思ったのだが、
オフィスに来たいというので、会うことにした。

1時間半以上、話しただろうか。
肝心の仕事に関係する話は、
10分程度で、それ以外は、延々と彼の
「俺はどんな人間かというと・・・」という話しを
聞かせて頂いた。
「自慢してるんじゃないぜ」という自慢話、
(その日遅刻したのに)「俺は遅刻はしない」という話。
先月、家賃を払うの忘れたのに
「俺ほど金払いの良い男はいない」という話など、
聞きようによっては、中々にディープな内容だった。

その人とは以前、その賃貸しているマンションの
部屋の修繕のことで、電話で もめたことがあったので、
今回は、大人しく聞こうと心して臨んだのだが、
話を聞きながら、(凄いなぁ、人間って、こんなに
相手が興味のない話を喋り続けられるんや)と
なんだか新たな発見のように思った。
いや、「話を聞きながら」と書いたが、
実際は相槌を打ってはいるものの
内容はほとんど右から左というやつだ。
おまけに高齢者の方によく見られる、
同じ話を繰り返す、というのも聞く方はつらい。

そんなことがあった2日後。
久しぶりに銭湯に行った。

風呂から上がって、脱衣所で裸にバスタオルを
巻いた状態で身体のほてりを冷ましていると、
人懐っこい顔をした年寄りが声をかけてきた。
私のあご髭を指して
「どれくらい伸ばしているの?」と。
私が「若いころから生やしています」と
答えると「そうかい、私は散髪屋なんで、
ちょっと興味があったんだ。お兄さん、歳いくつ?」
「61歳です」
「そう。私、いくつに見える?」

出たぞ。
この質問は、年寄りの「若く見える自慢」だ。

「その質問をされるということは、
きっと見た目より、お年をとってらっしゃるんでしょうね」
「いくつだと思う?」

私は、冷静に考えた。
当ててしまっては、彼に悪い。(なんで?)
実年齢よりは、若く言った方が
この場には相応しい。

「う〜ん・・・75歳」

それを聞いた彼の眼には勝利の輝きが。

「81歳」

「わぁ〜若く見えます。
お元気ですね!」

これは、お世辞でも何でもなく、
実際にそう思ったんだ。
本当に若く見えて75歳ぐらいかな、と。

「81だけど、どっこも悪くない。
お兄さん、どこか悪い?」

「ああ、頭だけです」

「いや、そういうことじゃなくて」と
あんまり受けない。(涙)

それから、その床屋のおじさんは、
隣に立っていた知り合いを
「この人は、84歳」と紹介してくれた。

それから、10分ぐらいかな。
最近の床屋事情やらなんやらを
話して、帰って行った。

床屋のおじさんが話している間、
もう一人の84歳のおじさんは、
全く話さなかったので、この人は、
シャイなんだろうと思っていたら、
床屋のおじさんが帰ったとたん、
スイッチが入ったように話し出した。

この人の場合は、住宅事情。
高齢者住宅に入居する云々の物語。
結構、話してた。
床屋のおじさんより長く。
たぶん、15分以上。

自慢話しではなかったので、
聞いていて社会勉強になったよ。

銭湯とか床屋というのは、そういう場所なんだな。
よもやま話をしながら、情報交換をするんだ。

高田純次が、言っていたらしい。
「歳をとると『説教』か『自慢話』か
『昔話』ばかりになる」と。

確かに、そうだ。
気を付けなきゃね。

そして、高田純次は、
「そうならないようにエロ話をしてる」らしい。
好きだな、そういう高田純次。
目指そう、高田純次。

今日のタイトルを「年寄りは話したい」と
したのだけど、実は年寄りだけじゃない。
人間はみんな、自分の話を聴いて欲しんだよな。





2023.9.12

SYNCHRONICITY
シンクロニシティ


「シンクロニシティ」という言葉を知ったのは、
英国のロックバンド「THE POLICE」の
1983年のアルバム『シンクロニシティ』だった。
当時は、その言葉の説明を読んでも
全く分からなかったけど、90年前後あたりから
ニューエイジ系の本を読みだして、
なんとなく分かるようになった。

「シンクロニシティ」は、心理学者のユングが
説いた概念で、日本語では「共時性」と訳され、
「意味のある偶然」を指す。

誰もが経験していることだろうけど、
私も人生で何度も何度もシンクロニシティを
体験して来た。
そのほとんどに大した意味もなく、
(大した意味を見つけられず)
ただの偶然だと思うようなことなのだが、
それでも、そのシンクロニシティが
起きた時には、不思議さが伴う。

先日、私のボスが、こう言った。
「中学2年の息子が『大阪弁は上手になれへんし』って
いう歌詞の歌ばかり唄ってるんだけど、知ってる?」
その歌詞には、聞いた覚えがあった。
「それってドリームズ・カム・トゥルーの曲じゃないですか?」
と答えて、調べてみると、確かにドリームズ・カム・トゥルーの
『大阪LOVER』という曲だった。
この話は、これで終わり。

その日の夜、自宅近くの洋食屋に晩飯を食べに入ると、
店内にずっと、ドリームズ・カム・トゥルーの曲が流れていた。

こういうレベルのシンクロニシティは、
誰もが経験しているだろうけど、私にも時々起きる。
何やろな、これ。
この偶然に意味はあるのか?
意味は自分で付けるのか?
付けるとしたら、どんな意味なのか。
それとも、こんなものはそもそも
シンクロニシティではないのか?
何やろな、これ。

直前まで、その店で食事することは
決めていなかったし、なぜ、その日に限って、
店の BGM がドリームズ・カム・トゥルーだったのか
その謎(?)は、解けないままだ。





2023.9.13

渡辺翔太トリオ
with 若井俊也、石若駿

featuring Ruri Matsumura & 井上銘




2021年11月23日にコットン・クラブで観た
「渡辺翔太トリオ」を再び観てきた。

2021年には、日本の若いジャズメンたちの
熱い演奏を聴いて、「日本の未来のジャズの発展は、
安泰だ!」と その日のエントリーに書いた。
その時のメンバーは、トリオに加えて、
井上銘 (g) & 吉田沙良 (vo) だったが、
今日のゲストは、井上銘と
Ruri Matsumura というシンガーだった。

前回もドラムの石若駿に魅了されたが、
今日も然り。
ずっと目も耳も奪われる感じ。
ほかのメンバーも凄いんだけど、
石若がずば抜けているように感じるのは
私だけではないはず。
一緒に観に行ったK彦は、
「おれは生まれ変わったら、石若駿に
なりたい」とまで言っていたよ。
終演後、K彦とふたりで、石若の何が凄いか
言語化しようと努めたが、情けないことに
「あれは才能だ」という程度にしか
説明できなかった。

そうそうK彦に言わせると(彼もドラムを叩く)
「超、脱力している」そうだ。
そのことと関係あるんだろうけど、
私には彼のドラミングは、「柔らかく」聴こえるのだった。

1曲、石若がパーカッションというよりは、
ほぼほぼノイズ(セロテープを切る音など)を
出す曲があったのだけど、それさえ、
ソロを弾いているベースより、石若が全部
持って行っているように感じたのは、
偏見だろうか。

銘君の今日のギターは、なんとストラトキャスター。
動画では観たことがあったけど、たぶん
ナマでストラトを弾くのを観るのは初めて。
ストラトらしからぬ太い甘い、とてもモダンなトーンだった。

知らずに行ったのだけど、今日はレコ発ライブで、
そのアルバムの収録曲10曲と、アンコールは
一昨年と同じく『SMILE』でした。


[ MEMBERS ]
渡辺翔太 (p,key)
若井俊也 (b)
石若駿 (ds)
Guest:
Ruri Matsumura (vo)
井上銘 (g)


[ 参考エントリー ]
2021.11.23 渡辺翔太トリオ featuring 井上銘 & 吉田沙良





2023.9.18

夢みる小学校



昨年7月に劇場で観たドキュメンタリー映画
『夢みる小学校』を再び、観てきた。

一昨日、NPO法人アイアイ・スクールの
主催で、この映画の上映と、1時間程の
シンポジウムがセットになったイベントがあったのだ。

『夢みる小学校』は、「南アルプス子どもの村小学校」の
ドキュメンタリー映画。
詳細は昨年観たときのエントリーに詳しく書いたので、
そちらをお読みいただきたい。

2022.7.10 夢みる小学校

この子供ファーストな、個性を伸ばす、
自由な教育がもっともっと広がり、
いや広がりというよりは、これが当たり前に
なる日が早く来ればよいと願うばかりだが、
そのためには大人が変わらなくてはならない。
大人は、頭が固い。
そう書くと、私はそうではないみたいだが、
私も頭が固いんだろう。
どんなに柔軟でいようとしても、自分のことは
見えないし、特に長年、信じ込んできたことを
変えるのは難しい。

先日、あることでAさん(60代)が
Bさんのことを「頭が固い」と言った。
私からすれば、そのことで「頭が固い」と言う
Aさんの方がよほど頭が固いと思ったのだが、
Aさんは、「自分が正しい」と「思い込んでいることも
知らないぐらい」に 思い込んでいるので、
自分の頭の方が固いなんて気付きようがないんだ。

映画の中で明治学院大学名誉教授の辻信一氏が、
「大学生になっても質問の出来ない生徒が多いが、
子どもの村小学校の卒業生は、積極的に質問をする」
と言う。
多くの人は、質問、問いの立て方がわからないまま
大人になる。

質問しても「規則だから」「決まっているから」
「ぐずぐず言わずにさっさとやりなさい」などと、
けっして子供が納得する答えを大人はくれない。
だから、考えなくなる。
問いを立てなくなる。
つまり「思考停止」だ。

高校時代、先生に訊いたことがある。
「なんで、嫌いな教科も勉強しなくちゃいけないんですか?」
私は、漢文や古文が苦手でやりたくなくて、そう訊いた。
正確には忘れたけど、先生の答えは、
(通っていたのが普通科の高校だったから)
「色んなことをやってみて、自分の進路を決める必要がある」
というようなことだったと思う。
すでに、自分には興味がない、必要がないと
分かっていることを「試験のためだけに」覚えて、
終わったら全部忘れるというのが、学校教育なんだ。
もちろん、全てがそうだとまでは言わないけどね。

映画の中で、「成績表は他の子供との比較」
「一人一人違うのだから、比較してもしょうがない」
というような(正確には違うと思うけど)言葉が出てくる。
成績の良い子はいいけど、そうじゃない子は、
他人と比較され、劣等感を植え付けられる。
いや、もしかしたら、成績の良い子だって劣等感を持つ。

以前、出会ったことのある、そこそこ大きな会社の
社長は、慶応大学卒だったけど、60歳を過ぎても
東大に行けなかったことをずっと劣等感として
抱えて生きて来たようだった。
また別の人(その人も社長だ)は、
父親が東大出で「東大以外は大学じゃない」と
いうような人だったらしく、「東大出」と聞くと、
ちょっと顔をしかめ、異常に反応するように見えた。
今さらだが、こんな風に 学歴偏重主義は、
人の人生に大きく影を落とす。

私は、あまり成績が良くなかった上に、
天邪鬼だったおかげで、大学に行きたいと
思わなかったし、学歴に左右される世界では、
生きてこなかったことを幸いに思う。

私の死んじゃった叔父(生きていたら、
82歳)は、高卒で就職し、4年働いた後に
大学卒が入社してきたら、入社1年目の
大学卒の方が、すでに4年勤めた高卒よりも
給料が多かったのだと言っていた。
能力や実績ではなく、学歴でそんな格差を
付けるのが、普通だったんだな。
今は、さすがに違うと思いたいけど、どうだろう。

違う叔父(中卒)は、私が
「大学に行けば良かったと一度も後悔したことがない」
と言うと、「そんなの嘘だ、強がりだ」と言っていた。
その叔父さんも先の叔父さん同様に、
学歴がなかったため苦労した人だ。

映画から話しが反れてしまった。
話しを映画に戻そう。

「南アルプス子どもの村小学校」では、
入学式や卒業式(そもそも「入学式」とは
呼ばず「入学を祝う会」だ)で、子供たちを
整列させない。
整列させると、前の子がいるために後ろの子が
見えないからだという。
とても合理的なんだ。
で、整列させない子供たちが、団結したり、
チームワークができないかというと、
全くそんなことはないんだな。

『夢みる校長先生』と合わせて
教育に興味ある方には、ぜひ観て欲しい作品だ。

夢みる小学校 オフィシャルサイト
夢みる校長先生 オフィシャルサイト


★★★★▲




シンポジウム
「子どもたちの夢を育む未来の学校教育とは?」




ドキュメンタリー映画『夢みる小学校』のあとは、
教育に関するシンポジウム。
登壇されたのは、次の方々。

武田康弘さん(白樺教育館館長・哲学者)
千葉県我孫子市の私塾「白樺教育館」で、
45年間哲学教育を行っている。

小菅勲さん(日本大学土浦高校野球部監督・教師)
今年の夏の甲子園で、ベスト4に進出した、
野球部の監督。(監督として5度目の甲子園)
ご自身は、1984年 取手二高で、桑田・清原のいた
PL学園を倒し、優勝の経験あり。

後藤紀子さん(NPO法人アイアイスクール理事長)
本イベントの主催NPOの代表。

堤久美子(SQ教育提唱者・哲学者)
ええ、私の妻です。

中村由紀(フリーアナウンサー)さんが
ファシリテーターとして参加。

妻のプロフィールに「哲学者」とあったのだけど、
それを書くことが憚られるのは、なぜでしょう。

さて、このトークセッションが面白かった。
もう、全く周りの空気を気にせず、言いたいことを
ずけずけと言う武田先生。
本人の話によると、「忖度しないので、あちこちで
嫌われている」らしい。
「武田先生は、野球をご覧になりますか?」と
振られて「全く観ない。大体勝ち負けがあるというのは
どういうことだ」なんて、野球部監督の前で、
平気で言えてしまう人。
小菅監督、苦笑いする場面続出だった。
でも、あれだけ言いたいこと言えたら、
気持ち良いだろうな。

小菅監督の話される内容は、
さすがに甲子園に何度も行く監督は、
迷いがなく、明確。
自分が、習った野球は古い、今は新しい指導法が
求められていると、過去との比較などを
しないでいると、部員の方が「監督、去年は
こうでした」と過去を持ち出してくるので、
いちいち、それを否定しないといけないのだという。
つまりは、非常に自覚的でいることが求められる。
自覚的というのは、「今、目覚めていること」。
そうでなければ、適切な時に適切な内容を
部員に助言できないだろう。

シンポジウムのテーマが「教育」だったので、
「親と指導者(教育者)の違いは?」と
いう質問があったのだけど、この回答は、
武田先生も小菅監督も似通っていたね。

その話の流れだったと思うのだけど、
印象に残っているのは、武田先生の次の言葉。

「吟味し続ける」

うまくいかなかったから、考えるのではなく、
うまくいっていても、常にストップして
「これで良いのか」考え続ける。

これは、ある程度の年齢の人は嫌がると言っていた。
頭が固まってきたら、もう問いも吟味も
ないだろうからね。

でも、うまくいっている時にも「これで良いのか」
吟味するというのは、レベルが高く、難しいねぇ。

常に問い続けるためには、自覚していなければならない。
それが生きるということで、つまり、
思考停止は、もう生きていないということなんだ。





2023.9.18

井戸端 落語会

昨年12月に続いて2回目となる
コミュニティサロン iDOBATA主催の落語会が、
昨日 開催された。
出演は、前回と同じく台所おさん師匠。

演目は、「金明竹」、「猫と金魚」、
そして「明烏」。
主催者側から、「何か登場人物が
自分の壁を破るような噺はないですか?」と
打ち合わせの段階で訊かれ
「人情話ならあります」と答えたそうだが、
おさん師匠は、いわゆる人情話と言うのは
演らないそうで、滑稽話にそういう演目は
ないかと考えたところ、「明烏」を思い着いたらしい。

明烏(あけがらす)。
本ばかり読んでいる、超真面目な息子・時次郎を
父親が町内の札付きに、「吉原に連れて
行ってやってくれ」と頼む。
札付きふたりは、「お稲荷さんにお参りに行く」と
時次郎をだまして連れて行く。
最初は吉原に着いても気が付かないほどの
初心な時次郎だけど、ついに気が付いて、
「帰る」と言い出すが・・・。

結局、時次郎は、嫌っていた知らない世界を
知ることになるんだ。
そういう意味で殻を破ったと言えるね。

この演目は「内容が卑俗的で低級である」
として警察が上演を禁止していた時期もあったらしい。
(昭和15年)

昭和33年売春防止法により、吉原の火は消えた。
もう落語家の中でも、本当に吉原を知っている人は、
ほんの少しで、みんなおじいさんだ。
そのうち、完全に歴史上の話になるんだろうな。
いや、もうすでにそうか。

昨日の観客は、普段 落語を聴きに行く人は、
ほとんどいなかったので、
これを機会に落語を好きになる人が
増えると良いなというのが、
落語ファンでもある私の願い。
自分から、寄席や落語会に行く人って、
私の周りを見渡しても中々いないんだ。
誘うと行く人もいるけどね。


[ 演目 ]
「金明竹」 台所おさん
「猫と金魚」 台所おさん
- 仲入り -
「明烏」 台所おさん

@コルソ(五反田)





2023.9.19

100km ウォーク 完歩への道 その14

約ひと月後に迫った 100km ウォークのため、
8月29日から練習を再開した。
練習と言っても、ただ歩くだけやねんけど。

1回に最低 10km は歩くことにして、
昨日まで3週間で、10回、合計約 118km歩いた。
時間にして、約 25時間。

歩いていると分かる事は、全く同じ体調の日はなく、
腰だったり、膝の裏だったり、太ももだったり、
その日によって、違和感のある場所が違う。
生き物は、というか生き物に限らず万物は、
日々変化し続けているのだから、
そりゃそうだと 改めて諸行無常を知る。

100km を歩き切る自信はまだない。
歩くたびに感じる、腰や足の違和感が、
10km 20km なら大丈夫だけど
果たして 100km になった時にどの程度の
ダメージになるのか、全く想像がつかない。
身体に故障さえなければ、なんとか歩けると
思うのだけど、自分は精神の方も
そんなに強い方だとは、思えないので
そこも少し不安。
その不安を払拭するためのように、
歩いている面もある。
でも、まあ身体さえ持てば、完歩できるだろうと
多少楽観的に構えている。

春に歩き始めた当初は、靴のことでも
試行錯誤があったけど、今は靴は安定していて
足首から下が痛くなるようなことはなく、
今は問題はない。

この3週間の最長は、15km だけど、
そろそろ 20km 歩こうかと考えている。
本番までに一度は、30km も歩きたい。

あとはね、本番までに体重を落としたい。
あと5キロぐらい。
やっぱり、身体が重いとその分負担だと思う。
ぽっちゃりしたマラソンや競歩の選手がいないのは、
当たり前なのだけど、そういうスポーツをしていると
身体が細い、という仕組みを考えると、もう少し
体重は、落とした方が良いと思うんだ。

でも、困ったことに食欲あるんです。
この頃。





2023.9.21

得体の知れないストレス

ひと月ほど前から、歯の治療に通っている。
今日はその5回目で、治療していた歯に、
ジルコニアというセラミックの被せものを被せてもらった。
保険は利かなくて高かった(税込143,000円)けど、
これが一番良いらしい。
食べることが好きな私には、歯は重要だからね。
残りの人生のためにも張り込んだよ。

さて、歯科治療が好きな人はあんまりいないと思うけど、
私は何十回やっても、苦手だ。
口の中に何か器物を突っ込まれ、
何をされているのかよく分からない上に
あの歯を削るような機械音。
それで、歯科医が「あっ」とか「あれっ?」とか
言おうものなら、たちまち不安で仕方なくなる。
まあ、そんなこと言う先生は、
めったにいないけどね。(以前、いたけど。)

今回の先生は、優しくて、技術もありそうで、
信頼できるのだけど、あの口を開けている
状態が数分続くと、時々、軽いパニックに
なりそうなことがあって困る。
実際にはパニックになんてならないのだけど、
ごくまれに一旦中断してもらい、
うがいをして一息ついて、再開してもらうこともあった。

何も起きていないのに、歯の治療ぐらいで
パニックになりそうだなんて、
なんと脆弱なメンタルだろうと我ながら情けなく思う。

今日は、治療の前に歯科衛生士さんに
掃除(歯石を除去?)をしてもらうことになっていた。
いつも通り、掃除が始まって、1分ほどで、
手を上げて作業を止めた。
なんだか動悸が激しい。
いや、ドキドキ・バクバクするほどではないけど、
結構なストレスで、口を開けていることに耐えられなかった。
「すいません。今日は無理です。
出直しても良いですか?」
思わずそんな言葉が口をついて出た。
こんなことは初めてだ。

優し歯科衛生士さんは、
「いいですよ。無理しないでくださいね。
では、今日はお掃除はやめておきましょう。
先生が来るまで時間があるので、
ゆっくりしていてください」と言ってくれた。

数分、心を落ち着かせようと
この得体の知れないストレスを観察したが、
なんだか分からない。
今日は、治療もやめた方がいいんじゃないか、
と不安になって来た。

ひとつには、診察台の角度。
あれが、水平に近いほどストレスがかかるというのは、
すでに体験して知っている。
それと、目隠しのために眼の上にタオルを
置かれるのだが、それもストレスの原因になると感じた。

そのうち、落ち着いてきたので、
歯科衛生士さんに
「大丈夫です。再開してください」と頼んだ。
「タオルはかけないでください」と頼もうかと思ったら、
覗いた先生が「タオルはかけないで」と指示をした。
やはり、あのタオルがダメな人がいるんだなと思った。

ところが、再開してすぐ、
「今日はダメだ」と思い、再び中断した。

参った。
こんなことは初めてだ。
いったい自分の内で何が起こっているんだろうと
観てみるが、全く分からない。

そのうち先生がやってきた。
今日は「被せるだけなんですけどね」と言うので
もう一度 チャレンジしてみることにした。
チャレンジとは大げさだけど。

すると、今度は平気でいられた。
あれ?さっきまであんなに耐えられなかったのにと、
口を開けながら考えた。

それで、分かったんだけど、あのストレスの正体は、
たぶん、口を開けていることでもなく、
歯を触られていることでもなかった。
掃除の時に水を吸うホースを口に
引っかけるのだけど、それが唇にかけられている
時にあの耐えられない状態になるんじゃないかと思った。

もちろん今までも、あれがある時、
快適ではなかったけど、これほどのストレスに
感じたことはなかったんだけどね。
なんだか、弱っているのかしら。
今日だけのことならいいんだけど。

で、今日で奥歯の治療は完了したのだけど、
次回は、欠けている前歯の治療なんだ。
そのあとは、寝る時用のマウスピースを作る。
まだ、数回は通院しなきゃならないし、
半年に一度は、定期検診で
あの掃除のストレスに耐えなきゃいけないんだ。
考えると ちょっと憂鬱。





2023.9.23

カレーはスポーツだ! #65
TODAY’S CURRY SET/まるひろのカレー(不動前)
★★★☆☆


先日、行ったら休みだった不動前のカレー屋、
「ルーキー」にランチを食べに行ったら、
今日も閉まっていてガッカリ。
本来土曜日は、営業日なのに
「臨時休業」というような貼り紙もない。
マスターは高齢だったので、もしかしたら、
体調を崩されたのだろうかなどと思う。

さて、ランチをどうしようと考えたが、
ルーキーからすぐの所にある「まるひろのカレー」と
いう暖簾を見て思い出した。
ここは、夜はジンギスカン、昼はカレーを
やっていて、どちらも一度は来てみたいと
思っていたのだった。

メニューは、「TODAY’S CURRY SET」のみで
三種類のカレーから二種類を選んで 1,400円。
プラス400円で三種類のカレー全部という
オーダーもOK。
今日は「牛スジかれー」「スリランカ風ポークカレー」
「ガパオ風チキンキーマカレー」の三種から、
私は「牛スジ」と「チキンキーマ」をチョイス。



付け合わせの種類が凄い。
7種類か8種類はあった。
パイナップルカレー、ビーツのなんとか、
キウイのヨーグルトサラダなど、
全部説明してくれたけど、覚えていない。
ライスの上に乗っかっているのは、
ジャガイモみたいだけどスパイス玉子。
カレーが3つに見えるけど、一番右側は、
なんとかという(失念)カレーのような料理。
とてもバラエティに富んでいたけど、
残念ながら、カレーは私の好みではなかった。
インドやスリランカの本格的なカレーより
結局 日本人向けにアレンジされたカレーの方が
口に合うものが多いんだよな。




ハンバーグが食べたい! #25

AMITIE(アミティー) / 西五反田(不動前)
★★★★▲


二度目の登場。
アミティーのハンバーグ。
前回は、★4つだったけど、4つ半に評価を上げた。
ここのハンバーグ、旨いと思うよ。
たまに弁当を買うけど、弁当のハンバーグも旨い。
もっとハンバーグ押しで、やっても良いのにな、
と思うほどです。



ハンバーグデミグラスソース チーズのせ。
ライス、サラダ付きで 1500円。
昨年は、1400円だったので値上がりしたね。
ここんとこ、色んなものが値上がりしてるから、
仕方ないよね。





2023.9.24

グランツーリスモ
Gran Turismo




この映画のことを知った時、始めはゲームの
映画だろうと思い込んでいて、
食指が動かなかったのだが、のちに
ドライビングゲームの優勝者をリアルの
レーサーに育てた実話だと知って、
俄然興味が湧いた。

私はゲームには全く疎いのだが、
「グランツーリスモ」というドライビングゲームは、
日本発なんだな。

以下、ネタバレ注意。

主人公のヤンが、ゲームで優勝し、
レーサー育成プログラム「GTアカデミー」でも
優秀な成績を収め、ちょっと苦労はするけれども
レーサーのライセンスを取るまでは、
この手のサクセス・ストーリーにありがちな
大きな問題や障害もなく順調にことが進む。
いや、唯一障害があるとしたら、父親の
理解を得られないことなんだけど、
それさえもヤンにとっては、モチベーションの
ひとつに見える。

無事ライセンスを取得し、ニッサンとの契約も
果たし、順調に見えたレーサー生活だが、
大きな試練を迎えることになる。
(それは、観てのお楽しみ。)

レースシーンは、結構な迫力で観がいがあるが、
それだけではなく、ヒューマンドラマとして、
仕上がっている点も素晴らしい。

当初は、ゲーマーにリアルなレースなんて無理だと
決めつける元レーサーであり、ヤンを指導する
ジャックとヤンとの絆が育まれていく様は美しい。

また、息子の将来を心配するあまり、
サポートにならなかったと、詫びる父親との
関係も美しい。

ヤンが、東京に来るシーンがあるのだけど、
久兵衛で寿司 食ってますぜ。

何よりも実話だというのがスゴイ。
本物のヤン・マーデンボローも、スタントとして
映画の中で運転しているらしい。

ヤンを演じるアーチー・マデクウィも、
ニッサンのマーケティング担当を演じる
オーランド・ブルームも良いが、
ジャックを演じるデヴィッド・ハーバーが特に良い。


★★★★▲


原題:Gran Turismo
監督:ニール・ブロムカンプ
製作国:アメリカ
上映時間:134分
2023年製作





ミステリと言う勿れ




さすがに満席だったよ、菅田将暉主演の
映画『ミステリと言う勿れ』。
テレビドラマの劇場版なのだけど、
テレビの方は、観たことがない。

全体的によく出来た映画だと思うし、
面白かったと言えば面白かったのだけど、
殺人事件の動機に説得力がないことが残念だな。
あんな動機、あまりに現実離れしてるし。

出来れば、菅田将暉演じる久能整(くのうととのう)が、
なぜあんなに頭脳明晰で、謎を説いてい行くのか
その背景も知りたいと思ったけど、
それは、テレビドラマの方で描かれているのかもな。
映画では、永山瑛太演じる我路(がろ)が何者か
全く説明なしだし。

そういえば、2週間ほど前、新宿駅前で、
アフロヘア―のカツラを被ってお揃いのTシャツを着た
数人がチラシを配っていた。
私は、新興宗教か何かかなと思い、
近づかなかったのだけど、この映画の宣伝だったよ。


★★★▲☆


監督:松山博昭
製作国:日本
上映時間:128分
2023年製作





2023.9.26

写真家・Takumichi Seo 作品展
「愛しき時の記憶達 Vol.2」




最近ネットで知った写真家、瀬尾拓慶
(せおたくみち)の作品展が、日本橋高島屋で
開催中なので観に行ってきた。

瀬尾さんは、1990年生まれとあるから、
まだ33歳と若い。
作品展の会場にご本人がおられ、
声をかけてくれたので、少しだけお話しが出来た。

なぜ、この作品展に行こうと思ったのかも
覚えていないのだけど、数日前には
行くことだけは決めていた。
何かが引っかかったんだな。

写真の被写体は、タンザニアのサバンナの
風景や動物たち、沖縄、長野、北海道などの
森や海や湖や野生の動物たち。
普段、あまり私が積極的に好んで観ない
写真なのだが、これが素晴らしかった。
ちょっと感動してしまい、いつまででも観ていられると
思ったほどで、その自分の反応にも驚いた。
思えば、動物や森の写真の多くは、
ネットか何かの本などで観たんだろう。
こうやって、大きくプリントされた写真を
観る機会はなかったのかも知れない。
いや、でも瀬尾さんの写真が素晴らしかったんだ。

会場にいたスタッフの女性ふたりが、
写真の解説してくれたのだが、
この解説も素晴らしかった。
ひとりの人に「解説が素晴らしすぎて感動です」と
伝えたら「いえいえ、全部先生から聞いたことです」
と言っていた。
そうか、33歳で もう先生と呼ばれてしまうんだな。

何が良かったか 言葉にするのが難しいが、
プリントが素晴らしい。
「フレスコプリント」というらしいが、
漆喰を塗った紙にプリントした写真は、
1年ぐらいかけて、乾くので仕上がりが
変化していくのだという。
これも美しいプリントだったが、もう一種の
「銀塩プリント」もとても深い色合いで美しかった。

いくらプリントが美しくても写真が
良くなければダメだろう。
瀬尾さんの写真は、トリミングなし、レタッチなしで
撮る時に設定を作り込んで撮っているらししいのだが、
二度と撮れない決定的瞬間の写真が多い。
しかも三脚を使わないと聞いてビックリ。

なぜに、野生の動物がそんなポーズを、
なぜに野生の動物がそんなカメラ目線で、
という感じなのだ。


タンザニア


長野県

写真は額入りで、売っていたのだけど、
安いものでも10万円以上。
大きなものになると数百万円だった。
写真集も売っていたのだけど、
あまりに写真集と展示されてる写真の美しさ、
迫力の違いに、写真集の限界と写真展で本物を
観ることの大切さを痛感したのだった。

森の写真であんなのが撮れるのなら、
森に行こうと思った(ええ、安直です)のだが、
当然ながらそんなに簡単ではないわな。
でも、撮ってみたいと思った。

会場には、エレキ・ピアノが設置されていた。
時々、誰かが演奏しに来るのかなと思ったら、
瀬尾さん自身が演奏するのだという。
写真集には、即興の演奏CDが付属する。
才能のある人は、違うなぁ。

やっぱり、写真集買おう。





2023.9.28

川瀬巴水

旅と郷愁の風景




先日、たまたま観ていたテレビ番組に
1枚の木版画が映し出された。
川瀬巴水(かわせはすい)(1883〜1957)
という人の「笠岡の月」という作品だった。
月が描かれていないのに題名に「月」があり、
月明かりを感じさせるその作品に何故か惹かれた。

川瀬巴水についてネットで調べてみて、
益々興味が湧き、版画集を一冊買った。
『巴水の日本憧憬』は、巴水の版画
一枚一枚に、林望がその感想とも言える
文章を寄せた版画集。
帯には「痛切な懐かしさ、滅んだものへの憧憬
私たちはもはやこういう景色を見ることはできぬ」
という林の言葉が書かれている。
その言葉通り、とてもノスタルジックな作品で、
行ったこともない場所なのにそこを知っているかの
ような不思議な感覚に襲われた。

版画集を観て、実物を観たくなり、
近々展覧会はないか、あるいは東京で常設で
観られるところはないかと探したところ、ちょうど
石川県立美術館(金沢市)で展覧会が開催中だった。

金沢かぁ、遠いなぁ。
そのうち東京でもやるだろうと、一旦は諦めたのだが、
一昨日、瀬尾拓慶(せおたくみち)の作品展を
観て気が変わった。
これは、画集ではなく、実物を観なければならぬ、と。
しかし、展覧会の会期は、10月1日までで、
週末はすでに予定が詰まっており、行ける日がない。
行くとしたら、今日しかない。
残りの人生、やりたいと思ったことはやるんだ!
ということで、行ってきました。
金沢、日帰りで。

旅行中、一度でも雨の降る確率80%を誇る
雨男らしく、金沢は一日中雨。
東京は降っていないけど。

それはさておき。
やはり行ったかいがあった。
1918(大正7)年の「塩原三部作」から、
絶筆となった1957(昭和32)年の
「平泉金色堂」まで、180点もの作品を観ることが出来た。
版画なので、あまり大きくはないのだけど、
やはり、実物は本で観るのとは、わけが違う。

版画については、全くの無知であったが、
川瀬巴水の版画は「新版画」と呼ばれるジャンル。
「版元」と呼ばれる、プロデューサー的な人がいて、
絵師、彫師、摺師とがチームになって作る。
巴水の版元は渡邊庄三郎だった。

巴水は、画家としてはスタートが遅かったせいもあり
あまり良い評価を得ていなかったのだが、
1918年、巴水35歳の時に、伊東深水の
木版画「近江八景」を観て感銘を受けて
版画作成に興味を持った。
これが版元、渡邊庄三郎との出会いだ。
大きなターニング・ポイントなんだ。

巴水の才能を見抜いた庄三郎は、
新版画の風景画を巴水に委ねた。
最初の版画の作品は、今回も展示されていたが、
栃木県塩原を描いた「塩原三部作」。
これが素晴らしい。

180点も観ると、好きなものとそうでもないものと
自分の好みのパターンが分かってくる。
版画らしく、輪郭線のしっかりしたもので
奥行や広がりを感じるもの、中に小さく人が
描かれているものなどが好きなんだと分かってくる。
面白いことに、雪の絵はあまり好きでない。
なぜか子供の頃見た、せんべいかあられの
カンカンに描かれていた絵を思い出すんだ。
ソール・ライターの写真には、雪の写真で
好きなものもあるんだけどね。

そのソール・ライターが撮りそうな構図だったり、
わたせせいぞうは、巴水を好きだたんじゃないか、
影響を受けたんじゃないかと思う版画だったり、
どうしても江戸時代の浮世絵を連想してしまい、
その影響力の大きさを感じたりと、
色々な発見のある展覧会だった。

巴水は、スティーブ・ジョブズのお気に入りだったようで、
来日の際、作品を買って帰ったらしい。
「痛切な懐かしさ」は日本人独自のものだと
思うのだが、外国人から観ても、
何か感じるものがあるんだろうなと思っていたら、
スティーブ・ジョブズについても触れられている
コーナーがあった。
そこには、スティーブ・ジョブズは若い頃から、
巴水の版画を購入しており、少なくとも25枚の
所有が確認されていると書かれていた。
その作品群は、西洋人が気に入りそうな
図柄ではなく、どちらかというと地味な、
日本人が好きそうなものが多いとも書かれていた。
スティーブ・ジョブズには、日本人の郷愁に
近い感性があったのかも知れないな。

巴水については、急に色々知ったので、
ここにもたくさん書きたいのだけど、そんなことは、
ググれば分かることなのでこれぐらいにしておこう。

最後に。
版元、渡邊庄三郎と川瀬巴水は、
特別な関係で、その関係性についての
記述がいくつかあった中に仕事の関係を超えて
家族のようであったという文言があった。
また、どのような作品に仕上げるかについて、
最後まで意見が合わず、両者が譲らないと、
作品を2種作ることもあったと。
資料の展示として、巴水が庄三郎に送った
手紙も展示されていたのだが、
なんだかこのふたりのパートナーシップに
いたく感動してしまったよ。
庄三郎あっての巴水だったんだと思う。





2023.9.29

アロルド・ロペス・ヌッサ
HAROLD LOPEZ-NUSSA




4年ぶりにキューバのピアニスト、
アロルド・ロペス・ヌッサを聴いてきた。
前回は、LA FAMILIA LOPEZ-NUSSA
(ラ・ファミリア・ロペス・ヌッサ)という名義で
アロルドの親父さん、弟、叔父さんに
トランペットとベースが加わったセクステットだった。
今回は、ドラムは前回と同じ、アロルドの弟、
ルイ・アドリアン・ロペス・ヌッサに
ベースとハーモニカが加わったカルテットだ。
ハーモニカは、マーカス・ミラーとの来日で
観たことのある、超絶なハーモニカを吹くグレゴア・マレ。
ベースのルケス・カーティスは、From NEW YORK。

いやいや、今回も素晴らしかった。
ラテンの血が騒いだよ。(流れているのか?)
なんだか感動して、ウルウルするほど素晴らしかった。
語彙が乏しくて、その素晴らしさを言語化
できないのが歯がゆいのだけど、
またキューバに行きたくなったよ。

遠くから来てくれてありがとう。


[ MEMBERS ]
Harold Lopez-Nussa (p)
Gregoire Maret (harmonica)
Luques Curtis (b)
Ruy Adrian Lopez-Nussa (ds)

@ Blue Note Tokyo
2nd show


[ 関連エントリー ]
2016.9.3 15th TOKYO JAZZ FESTIVAL
2019.10.3 LA FAMILIA LOPEZ-NUSSA





2023.9.30

高中正義
TAKANAKA SUPER BEST LIVE 2023
ULTRASEVEN-T




一年ぶりの野音の高中。
ツアータイトルになっている「ULTRASEVEN-T」は、
「ウルトラセブンティ」と読むんだろう。
高中は、今年70歳になったので、
古希記念ライヴなんだ。

この時期の野音のコンサートは、
明るいうちに始まって、気が付くと
照明が点いていて、辺りは暗くなっていて、
演奏が止むと、虫の音が聞こえてと、
とても風情があって良い。

今日は、立ち見のお客さんも一杯だった。
前の方は「古希席」ということでお土産付き。
私はもうお土産とかはいいので、
普通の指定席にしたので、結構後ろの方だった。
高中は、一時期、東京と大阪ぐらいでしか、
コンサートが出来ない時期もあったらしいけど、
最近は地方でもやれるようになったらしく、何よりだ。
(今年は、札幌から福岡まで 全国12公演)
かくいう私も80年代前半に二度コンサートに
行ってから、90年代中頃に一度、武道館を観て、
その後、すっかり高中から遠ざかっていた。
2011年にギター・マガジン・フェスティバルで、
15年ぶりぐらいに生で聴いて感動し、それから
また観に行くようになったんだけどね。

1曲目『Blue Lagoon』から、
アンコールの『Blue Stripe』、
『You Can Never Come To This Place』
まで、2時間10分ぐらい。
充実の内容だった。

『Blue Lagoon』では、途中、高中の指が
まわってない感じの場面があったり、
『Early Bird』では、テーマに戻る時、
拍を間違えるという珍しいミスもあったりしたが、
そういうのも含めて高中なんだな。
途中、ハッピー・バースデイが流れ、
メンバーと観客で高中の古希を祝うというシーンもあった。
野音は、アルコールを飲みながら観られるせいも
あってか、野次が多い。特におっさんの。
今日も後ろの席の二人組がやかましかった。

そのほか曲は、『Thunder Storm』、『SAUDADE』、
『渚 モデラート』、『Jumping Take Off』、
『Finger Dancin'』、『Guitar Wonder』、
『Ready To Fly』、『黒船』など。
いつもながら、オールタイムベスト的な選曲。

斉藤ノヴの口花火SE に風鈴。
そして高中のセリフ
「暑いなぁ、どこかへ行きたいなぁ」
これは、『ようこそ、夏の王国へ』のイントロ前の
セリフなんだけど、ベンチに腰かけてギターのヘッドに
その風鈴をぶら下げて始まったのは『伊豆甘夏納豆売り』。
これが、とても良かった。
イントロが始まった時、ジ〜ンと来たもんね。
この曲、好きだなぁ。

ギターは、ストラトキャスターが、
サンバーストのもの、
青いペインティングのされたもの、
グリーンのラメ入りのものの3本。
ヤマハSG は、濃いブルーのものと、
ふりかけ模様のもの。
今日は、どのギターの良い音だったけど、
ラメ入りのストラトと、ふりかけSGが良かったな。

開演前、ベースの位置に椅子がないことに気付いた。
岡沢さんなら座ってい弾くはずなので椅子があるはず。
もしかして、今日は岡沢さんじゃないのかと
思っていたら、なんと登場したのは、澤田浩史。
もう何度も Char のバックで観ているベーシストだ。
ちょっと意外な感じがしたのだけど、
始まってみたら、とっても良い。
この人は、ロックよりこういう音楽(ラテン的な
フュージョンという感じ)の方が、合っているんやないかと
思ったほどマッチしてました。

あと、宮崎裕介 (key) のソロが良い。
この人のライヴがあったら観てみたいな。


開演前 17時前



[ MEMBERS ]
高中正義 (g)
宮崎裕介 (key)
井上薫 (key)
澤田浩史 (b)
宮崎まさひろ (ds)
斉藤ノヴ (perc)
AMAZONS 大滝裕子 (cho)
AMAZONS 吉川智子 (cho)
AMAZONS 斉藤久美 (cho)

@ 日比谷野外大音楽堂


YOUNG GUITAR のインタビュー



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