2009年11月
感想・ご意見は→
shinya◇shin223.com
メールをくださる方は、上記アドレスの◇を@に変えて送ってください。(スパムメール対策)
2009.11.1
1日は、映画の日。
観たいと思っていた 『沈まぬ太陽』 を観に映画館へ。
話題の作品だし、映画の日だから、満席かも、と
上映時間の1時間以上前に、品川プリンスシネマに着いたのが、
15:50からの回は、すでに満席で売り切れ。
その次は、19:50から。
この映画、200分以上もあるので、1日に3回しか上映しないのだ。
ちなみに 『マイケル・ジャクソン This Is It』 も毎回、満席のようだった。
仕方がないので急遽、予定を変更し、2本立ての飯田橋ギンレイシネマへ。
ちょうど2本とも観たかった作品をやっていた。
愛を読むひと
原題 : THE READER
原作は、ドイツ人のベルンハルト・シュリンクという人の
全世界500万人が涙したといわれるベストセラー小説。
2000年に日本語版が出版されたが、当時、私は、
偶然書店でこの本を手に取り、読んだのだった。
邦題は、『朗読者』。
外国文学は、今まで数えるほどしか読んでないし、
どちらかと言えば苦手な意識がある私が、
帯に書かれた宣伝文句に惹かれ、購入したのだった。
そこには、
相当な傑作。いや、舌を巻くほどの傑作。 〔週間文春〕池澤夏樹
だれかがこうした作品を書かなければならなかった。
私は強くそう思う。 〔読売新聞〕養老孟司
近年、これほど心動かされた海外文学はない。
読み終わってからしばらく涙がとまらなくなる。 〔毎日新聞〕川本三郎
こんなに読み耽ったのはひさしぶりだ。 〔波〕池内紀
など、絶賛の文句が並んでいた。
もちろん、広告なので、絶賛してあるのは当然だろうが、
その時は、なぜかこの本に惹かれたのだった。
そして、確かに、途中で読むのをとめられないほど
物語に引き込まれた覚えがある。
その後、2度の引越しでほとんどの本は処分したのだが、
この本は、もう一度 読もうと捨てずに持っている。
前書きが長くなったが、それほど面白かったその 『朗読者』 が
映画化されたのだ。
そして、ケイト・ウィンスレットは本作で、
アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。
本作は、主演女優賞以外にも監督賞、作品賞など
4部門でノミネートされた。
さて、もう、原作のことは、おおまかにしか覚えていないのだが、
映画の方は、(また、いつか観たい) とは、思わなかったので、
私にとっては、原作の方がインパクトがあったということだろう。
テーマは、ただのラヴストーリーではなく、重いテーマを持ち、
社会ドラマ、人間ドラマでもある。
観終えた後、いくつかの疑問点が残ったので、
やはり、近々原作を再読しようと思う。
原作にはそのヒントがあるように思うので。
それにしても、なぜドイツの物語なのに、英語なのだろうか。
監督は、イギリス人のようだが、ドイツの物語だから、
ドイツ語でやって欲しかったな。
やはり、マーケットを意識して英語で作るのだろうか。
★★★★☆
扉をたたく人
原題 : THE VISITOR
2008年、アメリカで、封切当初の上映館は、わずか4館だったが、
クチコミで最終的には、270館に拡大し、トップ10にランクイン。
6ヶ月間上映されたという作品。
主演のリチャード・ジェンキンスは、見たことはあるが、
何の映画に出ていたか思い出せない、そんな いわゆるバイプレイヤー。
彼は本作で、初主演で アカデミー賞主演男優賞にノミネート。
妻に先立たれ、心を閉ざして、忙しいフリをしながら、生きていた
大学教授が、シリア出身の青年と知り合いになる。
その青年は、不法滞在で逮捕されてしまう。
9・11以降、外国人の出入国に関し、異常に敏感になってしまった
アメリカが抱えるダークサイド。
いや、アメリカだけではなく日本でも時々、不法滞在はニュースになる。
不法滞在は、犯罪か?悪いことか?
確かに法 (ルール) には反している。
だが・・・。
考えさせられる作品だ。
劇中、逮捕されたその青年タレクの
「自由に生きて、音楽を演奏することが、悪いことなのか?」
というセリフが、痛い。
タレクの母親役の ヒアム・アッバス がとても良い。
★★★★☆
2009.11.3
ポスト
別になんてことはないのだが、近所を散歩していたら、
まだ使えないポストを発見。
新しいビルが建ち、その前にあるのだが、
「まだ使えないポスト」 というものも珍しい、と思い
写真に撮った。
ホントに別になんてことはないのだけど・・・。
2009.11.6
書
昨日は、14年ぶりに、大阪にいた頃の友人に会った。
彼は、今、趣味で書をやっていて、その書展のために
東京に来ていたのだ。
14年ぶりに会っても、長年会っていなかった感じは
全然ないのだが、あの頃に比べると、おたがい、ちょっと太り、
すっかり髪は薄くなった。
私が東京に出てくる頃、彼にちょうど一人目の子供が生まれたのだが、
その子が、もう中学2年生だという。
その後、2人の子供をもうけ、今や3人の父親だ。
すごいなぁ。
さて、書の方は、私は全く素人で何がなんだか分からないが、
彼は何かの賞を受賞したらしく、来年1月にも 「書壇受賞に輝く
作家展」 という展覧会が銀座であり、また、東京に来ると言っていた。
これが、今回展示されていた彼の作品。
↓
「自適」 と書いてあるそうだ。
2009.11.7
怒らないこと
数日前、書店で偶然見つけた本 「怒らないこと」。
アルボムッレ・スマナサーラというお坊さんの本だ。
別にいつも怒っているわけではないし、腹が立つことが
そんなにあるわけではないが、なんとなく興味があったので購入した。
「怒り」 は人間の大きな問題だ。
怒っている時は、けっして幸せではない。
著者は、怒りを弱いこと、恥ずかしいこと、汚いゴミ、
間違いの塊りとまでと言い、怒らない人生を推奨している。
まあ、怒りたくて怒っている人は、そんなにいないと思うのだが、
冒頭から、「怒りたいから、怒っているのです」 と
辛らつに切り込んでくる。
人は、「より良い人間になりたい」 と思っている。
が、それは正直な気持ちではないという。
正直な気持ちは、「私は正しい」 だと。
そして、その 「私は正しい」 というエゴが、怒りを生むと。
怒りは、暴力や殺人や戦争を生むと。
これ一冊読んだだけでは、もちろん怒らない人にはならないが、
元仏教徒 (前世、修行僧と言われたことがある) としては、
日々、意識してみることにしよう。
怒らなければ、穏やかでいられるもんね。
2009.11.8
残りの人生
気がつけば、47歳・・・。
いつまでも、ティーンエイジャーのつもりでいたら、
完全に人生の折り返し地点を過ぎているじゃないか!
ということで、これからの人生について、色々思ふのであった。
まずは、健康に気をつけねばならない。
先月、東京の秘境 (?)、桧原村に行ってきたことは、
ここにも書いたが、昨日、たまたまTVで、
桧原村の一番山奥に住むご夫婦のことを観た。
ご主人、81歳、奥さん、74歳。
めちゃくちゃ元気。
彼らは、バスの終点から車の通れない山道を1時間歩いた
山奥に住んでいる。
毎日、山の急斜面に作った畑に出るため、
めちゃくちゃ足腰が鍛えられているようだ。
森光子 (89歳) も、毎日ヒンズースクワットを150回やるというから、
年老いてからの健康のカギは、足腰の鍛錬にあるようだ。
といっても、70歳過ぎてから、トレーニングを始めるのは、
きついだろうから、今から習慣化する必要がある。
身体の次は、心。
これからは、「捨てる」 こと。
執着や嫌悪、それから常識なんかもどんどん捨てたい。
つまり、今までの人生で、心や頭に持ち込み、蓄積したものを
捨てていく作業。
心と同時に、物質も。
荷物も減らして、身も心も軽くなることを目指す。
これが、中々難しいのだが、物が減ると心が軽くなることは、
周知のこと。
今日は、古本をブックオフへ持って行き、ギターや小物を
ネットオークションに数品出品。
ああ、少し軽くなった。
2009.11.9
THIS IS IT
私は、マイケル・ジャクソンのレコードやCDを1枚も買ったことがない。
もちろん、「Off The Wall」 や 「Thriller」 は、聴いた。
友達に借りてね。
そんな、特別マイケルのファンではない私だが、
今、公開中の 「THIS IS IT」 を観てきた。
なんとなく、観ておこうと思って。
これが、凄かったわ。
ファンでない私が観ても、始まりから、一瞬も気を抜くことなく、
画面に釘付けになった。
どうも、マイケルというと、性的虐待疑惑などのゴシップが多かったし、
顔がどんどん変わっていったりと、音楽とは関係のないところで、
あまり良い印象を持っていなかった。
が、この映画を観れば誰もが彼を天才だと認めるんじゃないだろうか。
私は、途中でマイケルとイチローがダブってしまった。
イチローが、野球と自分のことを知り尽くし、バットの先まで
感じられるように、マイケルは、音楽とダンスとエンタテイメントの
ことを知り尽くし、歌い、踊っているようだった。
本作は、リハーサルを編集した、という点で、
途中、マイケルが、構成を変えていったり、イヤーモニターに不慣れで
うまく歌えなかったり、また、ダンサーのオーディションや、
映像の撮影シーンなど、どのようにして、マイケルがコンサートを
作りあげようとしていたかが分かる貴重な作品だ。
おそらく、彼が生きていたら (一部はDVDの特典映像になったかも
知れないが)、こんな風には公開されていなかっただろうから。
ステージは、数日間のリハーサルを合成してあるので、
1曲の中でも衣装が変わったりするが、それらも違和感なく
うまくまとめられている。
むしろ、楽しめる。
私は、彼がサングラスをかけずに歌ったり踊ったりしている時の
姿が好きだ。
あのサングラスは、カッコ良いと思わないし、何かを隠しているようで
あまり好きではない。
それから、やっぱり彼のダンスがスゴイ。
バック・ダンサーたちもスゴイ。
世界中から、オーディションを受けに来た人達の中から、
選ばれた人達だ。
いわば、あれが世界の頂点だろう。
冒頭、そのダンサーたちのコメントから始まるのだが、
それだけで、ウルウルしてしまった。
ミュージシャンも、素晴らしい。
特に紅一点のギターのオネエチャンが、カッコ良かった。
「Beat It」 のエディ・ヴァン・ヘイレンのギターソロ、
ちゃんとコピーしてたよ。
彼がいなくなったこと、コンサートが中止になったことで、
あのコンサートに携わったミュージシャン、ダンサー、スタッフの
喪失感は、想像を絶する。
マイケルって物凄く繊細な人だって、分かる。
そして、最高を目指して、妥協のない人だということも。
彼の音楽は、聴くだけじゃなく、「観る音楽」 だ。
最後の方で、コンサートスタッフ、メンバー全員にマイケルが言う。
「観客を未知の体験へ連れて行こう」 と。
未知の体験でした。
おそらく、彼が生きていて、ジャパン・ツアーに来ても、
観に行くことはなかったでしょうから・・・。
そう考えると、複雑だな・・・。
たったひとつ苦言を呈するなら、終わり方がくどい。
「まだあんのかい!」 って、ツッコンだわ。
でも、マイケルを好きでなくても、音楽を愛する人なら、
きっと楽しめるよ。
「THIS IS IT」 は、
「これで最後だ」 ってな意味だそうで、そうすると意味深。
改めて、マイケルのご冥福を祈る。
★★★★★
蛇足。
10月28日に、全国324館、2週間限定で封切られたけど、
最初の4日間で、50万人以上観たらしい。
で、検討の結果、もう2週間 上映延長になったそうだ。
公式サイトには、
「米国本社と交渉した結果、2週間の上映延長が許可され、・・・」
とある。
(やっぱりな) と思ったのは、私だけではないだろう。
ショービズ界って、したたかやなぁ。
2009.11.13
風が強く吹いている
スポーツといえば、子供の頃、子供会のソフトボールをしたぐらいで、
あまり縁がなく、私はスポーツ観戦もほとんどしない。
オリンピックや大きな大会のときに、時間が合えば TV で
見る程度だ。
そういうわけで私は観ないのだが、妻は、マラソンや駅伝が好きで、
わざわざ録画をしてまで、観ている。
特にお正月、箱根駅伝は欠かさず観ている。
駅伝なんて、ずっと走っているだけなので、
観ていて何が面白いのかと思っていた。
どこが勝ったか、記録がどうだったか、結果だけ見れば良いだろう、と。
が、そう思うのは、きっと、その魅力が分かっていない証拠だろうな。
さて、その箱根駅伝を題材にした映画 『風が強く吹いている』 を
観てきた。
それほど興味はなかったが、評判も良いし、
先に観てきた妻 (←観ないわけがない) の勧めもあり、
観ることにしたのだ。
評判どおり、良い作品だった。
駅伝に興味のない私でも、充分楽しめた。
感想はね。
「若いっていいな、仲間っていいな、皆で一つのことを目指すって
素晴らしいな、くさいけど、素晴らしいよ!駅伝サイコー!」
って感じ。(単純)
映画は、寛政大学の弱小陸上部が10人目の部員に天才ランナーを
得て、わずか、9ヶ月で箱根駅伝出場を目指す、というストーリー。
それだけ聞けば、大体のことは予想がつくようなベタな話だが、
部員10人のキャラクターが面白く、適度の笑いと涙があり、
上映時間133分を長く感じさせない。
まず、主役の2人が良い。
小出恵介演じるハイジ は、3年間かけて、箱根駅伝に出るべく部員を
10人集め、4年生でついに出場するという、達成への執念の持ち主。
だが、それが、執念とは映らずに純粋な動機として描かれている。
彼は、本作が映画初主演とのことだが、部員全員を引っ張っていく、
天性のリーダー役を見事に演じている。
今後期待できる、良い役者だと思った。
もう一人、天才ランナー、カケル役の 林遣都 のことは、知らなかったが、
走る姿を観て、(この人、他の人と違う〜) と、素人でも
分かるほど美しい走り姿だった。
なんでも、映画の長距離走指導のコーチが、
本当にランナーにしたいと思ったらしい。
現実的には、9ヶ月で箱根駅伝に出場するチームを作ることは、
難しいだろうが、妻の話によると、実際にそれまで無名だった上武大学が、
箱根駅伝に出場したことがあるらしい。
調べてみると、上武大学の駅伝部は、2004年に13人で創部され、
2009年に箱根駅伝に初出場している。
本作の寛政大学のユニフォームは、上武大学のユニフォームを
参考に作られたらしい(ほとんど同じようなデザイン)。
原作は、2006年の発表なので上武大学駅伝部を基に
書かれたわけではないだろうが、9ヶ月は無理でも、
5年あれば、実際に箱根に出場するチームを作れるわけだ。
そういえば、思い出したことがある。
駅伝やマラソンを観ていて、何が面白いのかと書いたが、
数年前、四谷にある会社に勤めていたとき、
たまたま東京国際女子マラソンのある日曜日に出勤していた。
オフィスが新宿通り沿いにあったもので、何かの用で、
外に出たとき、ちょうどランナーが目の前を走り去るのを見た。
その時に、何だか分からないが言葉で説明できない何かを
感じ、感動して、思わず、泣きそうになった覚えがある。
それは、TVを通して観るランナーの姿は、比べ物にならない。
力強くて、生々しく、迫力があって、生命に溢れていて。
もちろん、その走り去った選手の名前も知らないのに。
マラソン・ランナーを生で見ただけで、感動するなんて、
思いも寄らぬ 自分の反応に戸惑ってしまったのでよく覚えている。
だから、駅伝やマラソンの時、数秒で自分の前を通り過ぎるのに
選手の応援に 沿道に 大勢の人が並ぶのだな。
それだけ、ランナーを観ることには魅力があるということだ。
なんだか、書いていて自己完結してしまった。
(でもやっぱり、TV で録画してまで観ようとは思わないのだけど。)
実は、2,3年前、あるサイトで この原作(三浦しをん著)の
レビューを読んだことがあり、良さそうだったので、
Amazon のカートに入れたまま、ずっと保存したまままだった。
(そういう本が何冊もある。)
やっぱり、原作も読んでみようかな。
★★★★☆
2009.11.15
知ってること 体験すること
一昨日、数年前、東京国際女子マラソンのランナーを
偶然見て、感動してしまい、自分の反応に戸惑ったことを書いた。
似たような体験を思い出したので、書いておこう。
もう6年前になるが、友人夫婦2組と6人で群馬県へ
旅行に行った。
上野駅から、蒸気機関車 (D51) が特別に運行していて、それに乗り、
皆でわいわい言いながら、酒を飲み、駅弁を食べての旅だ。
私たちは渋川駅で降り、蒸気機関車の出発をホームから見送った。
機関車の先頭より前で、動き出すのを見たのだ。
物凄く大きな汽笛を鳴らし、ガッチャン、ガッチャン、と
動き出したその汽車を見たとたん、感動して泣けてきたのだ。
もちろん、そんなことで感動するなどとは、
夢にも思っていなかったので、その時も自分の反応に戸惑うと同時に
生の蒸気機関車の発車の迫力が想像を超えていたことにも
同時に驚いていたような感じだ。
「想像を超えていた」 と書いたが、(こんな風だろう) と
想像していたわけでもないので、その表現は正確ではないが。
その時の写真(2003.5.3)
人生には、時々、こうして思いもよらぬ感動のシーンが訪れる。
最近では、お世話になっている夫婦に生まれた赤ちゃんに
生後4日目に対面した時も、そうだった。
「マラソンランナーが、目の前を走りすぎるのを見た」
「蒸気機関車の発車を見た」
「生まれて間もない赤ちゃんを見た」
文章にすると、全部、知っていることのようなのに、
知っていることと、体験することには大きな違いがある。
これらは、知っているつもりだったのに、体験を知らなかった例だが、
逆もある。
何かを見たときに、私たちは、すぐに知っていることにして、
安心しようとする。
例えば、ある花を見たとき、
「この花、何という名前だった?」
「コスモス」
そんな風に答えを聞いた瞬間に、目の前にある花は、
“知っているコスモス” という花になってしまい、そのもの自体を
味わうこと、体験することをやめてしまう。
その花を体験するには、名前など、必要ないのに。
知識が、体験の邪魔をするのだ。
歳を取れば取るほど、知らないことが不安になるようで
過去に見た、聞いた、すでに知っている何かと同じようなものだろうと、
自動的に脳が、エゴが、処理しようとする。
実際には、昨日と同じ花は、どこにも咲いていないし、
今、吹いている風は、過去に吹いた風とは違うものなのに。
いつも、名前や説明ではない、そのものを感じたいと思うのだが、
今、ここにいる、ことの難しいことよ。
2009.11.15
沈まぬ太陽
山崎豊子の作品は、読んだことがないのだが、
「白い巨塔」 や 「華麗なる一族」 など、映画化、ドラマ化されている
作品が多く、本作もきっと面白いのだろう、と思って観た。
実際、原作が素晴らしくなければ、映画化されないだろうから。
作品は、役者陣が豪華で、海外のシーンも結構あり、
(お金かかってるな〜) という印象。
映画としての評価も高いようだが、私にはちょっと期待はずれ。
私のようにゆるい生き方をしている者には、
渡辺謙演じる 恩地元の家族を犠牲にしてまで、曲げない信念や、
三浦友和演じる 行天四郎の汚いことをしてでも 出世しようという根性は、
理解できず、感情移入もできなかった。
たぶん、全5巻の長編小説を、3時間ぐらいにまとめるのは、
やはり難しいのだろうな。
何度か出てくる、飛行機の離陸シーンのCGが、
ちゃちだったのが、残念。
★★★☆☆
2009.11.17
ゼロの焦点
感想は、う〜ん・・・イマイチ、って感じ。
ちょっと期待はずれ。
良かったのは、中谷美紀と、木村多江と、昭和30年代の風景。
原作は、読んでないけど、ちょっと変えてあるとか。
作品紹介には、「夫が失踪した謎を追う女性が、ある衝撃の
真実を知るサスペンス」 とあるのだけど、どうも、
サスペンスらしく、謎を解いていくというより、
広末涼子演じる鵜原禎子が、途中から答えを語りだすように
感じてしまった。
しかも、語りだした時点では、推測にすぎないような感じもするし。
途中、プラターズの 「Only You」 が、ラジオから流れるシーンがある。
終わり近くにその 「Only You」 が、BGM として、流れるシーンが
あるのだが、ズッコケて椅子から落ちそうになった。
(ここで、その曲、使うかぁ?) って、ちょっとセンスを疑った。
また、エンディングに流れる、中島みゆきの歌も、私には辛かった。
まあ、それは、好き嫌いの問題かも知れんけど。
それにしても、中谷美紀、木村多江、この2人は素晴らしい。
中谷美紀は、もう怪物やね。コワイもん。
木村多江は、こういう役させたら、今、日本一やね。
さすがは、2人ともアカデミー賞最優秀主演女優賞受賞者。
広末涼子も悪くないのかも知れないが、この2人と並ぶと、
ちょっと印象が薄い。
役のせいもあるかもしれないけど、やっぱり、差あるよ。
あと、昭和30年代の風景には、苦労したらしく、その一部を
韓国で撮影したらしいが、どこが韓国のシーンかは、
観てても分からなかった。
そういう点は、評価できるだろうけど、映画としてはね・・・。
松本清張生誕100周年ということもあり、映画化されたようだが、
「ゼロの焦点」 は、1961年に映画化され、本作は、
そのリメイクだった。
その1961年版も観てみたい。
★★★☆☆
2009.11.18
ライブ・レコーディング
台東区の入谷という所にある、「なってるハウス」 という
変わった名前のライヴハウスに行って来た。
30人も入れば、満員のこじんまりしたハコだ。
出演は、加藤崇之(gt)、 さがゆき(vo)、 潮先郁男(gt) 。
ギタリストの2人は、どこかで名前は見たことがあるが、
音を聴くのは初めて。
ヴォーカルのさがさんも初。
レコーディング・エンジニアである友人から、今日のライヴを録音する、
という話を聞き、ギターデュオにヴォーカルというフォーマットにも
興味があったので、行ってみることに。
加藤さんのウェブサイトのプロフィールに
「ジャズ・フリージャズ・ブラジルミュージック」 と書かれていたので、
なんとなく、勝手にイメージを作ってしまい、聴きに行ったら、
今日の3人で奏でられた音楽は、想像と全然違って、ど真ん中の
JAZZ だった。
知らない曲も多かったけど、たぶん、ほとんどがスタンダードなんだろう。
比較的、ゆっくりの曲が多く、おだやかで、ゆったりしたライヴだった。
ヴォーカルのさがさんは、楽しそうに歌う人だ。
レコーディングしていることを、観客が知っていたせいか、
皆、おとなしく、行儀よく静かに聴いていた。
ギターは、2人とも Gibson ES−175。
加藤さんのは、P−90の1ピックアップタイプ、潮先さんのは、
2ピックアップで、2本とも見るからに古そうで貫禄のある
ギターだった。
潮先さんは、昭和8年生まれというから、今年76歳。
いくつになっても、現役でいられる音楽は素晴らしい。
2009.11.20
変 妻
この 「ひとりごと」 の読んでいる方で、妻のことを 直接ご存じない方には、
信じられないかも知れないが、
コーチング、コンサルティング、カウンセリングなどが 妻の仕事だ。
一体、何をしているのか、と思うが、ちゃんと仕事になっているらしい。
(ほんとか?)
先日、クライアントの一人に、何かのことで、
「それ、変ですよ」 と妻が言ったところ、
「堤さん (妻のこと) ほどでは、ありません」 と言われたらしい。
どうも、その方は、ここに書かれた、ワンダフルな妻の記事を読み、
妻の私生活の変わった一面 (全面?) を知ってしまったようだ。
その話を、うれしそうに話しながら、
「私のことをそんな風に書くと、笑われるじゃないの。
私の仕事の邪魔をしたいの?」 と、
(これまた、うれしそうに) 言うので、
「それなら、あなたの記事を全部、削除しようか?」 と聞くと
(それはやめて!と言わんばかりに)
「別にどっちでもいいんだけど・・・」
結局、もっと書いてほしいみたい。
変なやつ。
タイトルの 「変妻 (へんさい)」 は、私の造語。
意味は、「妻を変える」 ではなく、もちろん 「変わった妻」 のことだ。
2009.11.21
ギター大処分
多い時には、20本以上のギターが家にあった。
そんなに持っていても、一度に弾くのは1本のギターだ。(当たり前)
1本1本、音も 弾き心地も違うので、ついつい増えていったのだ。
いくらなんでも20本も要らんだろうと 自分でも思い始めていたので、
ちょうど1年ほど前から、ギターや機材の処分を始めた。
先月、上等な1本を入手したことにより、その支払資金作り目的もあって、
今月は、2本手放した。
それらを合わせると、去年の10月から、9本のギターを処分
(ほとんどネット・オークションで売却)、現在も1本をオークションに
出品中、オークションでは ちょっと難しそうな別の1本を、
オールドギター専門の楽器店に委託販売に出している。
「つつみしんやのギター達」 の中に 「さよならしたギター達」 という
コーナーある。(誰が見るねん!)
そこを見ると、いつ、どのギターを手放したか分かるのだが、
昨日、そのページを更新しながら、1年以上前に手放したギターの
写真を見て、(これ、もう、1年も経つのか) と驚いた。
中には持っていても、1年以上、ケースを開けることのなかったギターも
あるわけで、そうなってくると、持っていても、持っていなくても
どっちでもええやんか、という感じになってくる。
それでも、オークションに出品する瞬間だけ、
ちょっと惜しい気して、ちょっと躊躇する自分が 愛らしい。
2009.11.21
鈴木勲ギターワークショップ
今日は、楽しみにしていたライヴ 「鈴木勲ギターワークショップ」。
横浜の KAMOME というジャズクラブへ行ってきた。
出演は、鈴木勲 (b)、力武誠 (ds) に、
ギタリスト4名、天野清継、市野元彦、吉田智、そして、馬場孝善。
ギター・デュオあり、トリオあり、カルテットあり、全員出演ありと、
盛りだくさんで楽しかった。
ギタリストが、2名以上、一緒に演奏すると、
よく 「ギターバトル」 なんて言葉が使われるが、
今日の演奏には、一切の 「バトル (闘い)」 などなく、
誰かがソロを弾いている時、その人を見つめる他のギタリストの視線や
表情は、愛と尊敬に満ちていて、それを見ていたら、泣けてくるほどだった。
ああ、なんて素晴らしい、なんて平和なんだ!
今日のリーダーのベーシスト、鈴木さんは、1970年、アートブレイキーに
見出されてニューヨークへ単身渡米し、ジャズメッセンジャーズの一員として
活動したごっつい経歴の持ち主。
ギターが好きで、こういうライヴをされるようで、NY時代には、
ジム・ホール(g)、ケニー・バレル(g) らとの共演もある。
1933年生まれというから、今年76歳。
そのいでたちは、まるで仙人のよう。
若手育成にも力を入れておられるようだが、
今日は、上記メンバー以外にゲスト2名、ドラマーとギタリストが出演。
若手も若手、なんと、2人とも高校生!
ドラマー (名前失念) は、高校2年生、そして、ギターの井上銘君は、
以前、このひとりごとでも書いたことのあるスーパー高校生3年生。
2人とも、「もうどうなってるねん!」 っていうくらい ハイパーな演奏。
しかも、このメンバーの中に入っても堂々と。
それもそのはず、なんと、銘君は、
すでに鈴木勲バンドのメンバーとして、活動している!ぎょえっ!
今日は、お父さん、お母さんも観に来られていた。
今後が楽しみだな〜。
鈴木勲 / What a Wonderful World
2009.11.22
三渓園
11月22日、今日は 「いい夫婦の日」。
(こんなサイトまである。)
だからというわけでもないが、妻と2人で紅葉を観に行って来た。
横浜にある 三渓園 という庭園だ。
もう7、8年前だろうか、パリからきたフランス人を
観光に連れて行くことになり、つたない英語で案内したことがある。
私とその方 (当時60歳代の女性) と2人きりだったし、
言葉の問題もあり、あんまり会話はなかったんだけど。
ちなみに相手は、フランス語なまりの英語。
帰りに一緒に そばを食べたら、ホントに音を立てずに食べるので、
ズルズルいいながら食べてる自分が、行儀が悪いような気がしてきて、
途中から、音を抑えながら食べたという思い出がある。
さて、その三渓園のことを急に思い出し、紅葉がきれいだろうと、
行ってみたのだが、ちょっと早かったな。
たぶんあと、1週間か10日後ぐらいが、見ごろなんだろう。
確か、桜も有名なはず。
ご存じない方は、一度訪れてみてください。
白川郷から移築した合掌造の家や、三重塔など、
歴史的建築物もあり、ゆっくり周れば1時間以上はかかります。
竹林を見上げて
カモだらけの池
紅葉をバックに
ライトアップされた三重塔
笑う警官
いやぁ、久しぶりにやっちまった。
一応、映画は選んで観ているつもりなのだが、今回は失敗。
上映終了後、思わず妻と顔を見合わせてしまった。
予告編を観て、もっと緊張感のあるサスペンスかと
期待したのだが・・・残念。
もう、何がなんだか分からなくなるし、余計なシーンは多いし、役者の
使い方もどうかと思うし、楽器演奏シーンは、曲と動きがあってないし・・・。
監督、角川春樹 と聞いて1990年の 「天と地と」 を思い出した。
あれも、私にはキツイ作品だった。
エンドロールが、英語表記だったが、まさか外国での公開を
考えてのことではないことを祈る。
ちなみに、映画鑑賞は安いほうが良いし、時にはつまらない作品にも
当たることもあるので、ロードショー作品でも1800円出しては、
観ないことにしている。
本作もレイトショーで1200円で鑑賞。
それでもどうかなって感じ。
★★☆☆☆
2009.11.23
財布が!
先日、往復で一時間くらい、ひとりで電車に乗る機会があったので、
駅前の書店で、すぐに読めそうな本を探した。
手に取った 「死ぬかと思った」 という、言ってみれば失敗談を
集めたような本が面白そうだったので買ってみた。
面白いというより、痛いの、くさいの、汚いのが多く、
中には、気分が悪くなるようなものまであった。
世の中には、色んな目に遭っている人がいるもんだ。
怖いのは、体温計を噛んで口の中に水銀がこぼれた話、
バイクに乗っていて、口を開けたらカナブン (昆虫) を
のみこんじゃった話、本当に殺されかけた話、
事故で死にかけた話など。
でも、一番多いのは、ウンコの話。
私もここにちびったことを告白したが、ウンコやトイレネタでは
苦労した方が多いようだ。
この本を読んでいて思い出した話。
高校生時代、私の実家はまだ、くみ取り式トイレで、和式だった。
冬のある日、帰宅途中、便意を催し、自宅に駆け込み、
ジャンパーも脱がずに用便し、ホッとして、立ち上がろうとした時、
ちょっと前かがみになったため、ジャンパーの内ポケットから、
財布が、ポトリと・・・。
便器の先は、しばらく筒になっていて、その先にタンクがある。
もし、汲み取りやさんが来た直後だったら、チャポン!と、汚物の中に
入ってしまい、どうしようもなかっらだろう。
幸い、汚物が結構溜まっていた上、私がわりとトイレットペーパーを
たくさん使ったので、便器の1メートルぐらい下で、
そのトイレットペーパーの上に財布は乗っている。
財布の中には、現金はもちろん、原付の免許証や、
当時の彼女の写真も入っていた。
「ああ、○○ちゃんがウンコまみれになる!」 と、私は焦った。
どうやって取り出すか、考えたが、長い棒を持ってきて、
箸の様に挟んで取るしか思いつかない。
しかし、これが難しい。
ちょっと持ち上げると、落としてしまう。
落ちるたびに、財布の重みで、トイレットペーパーが沈んでいく。
やばい、このままだと取れなくなる。
と、必死に格闘した上、なんとか取り出した。
幸い、財布の角が少し汚れていたぐらいで、
内容物には、被害はなかったが、
おかげさまで、運がつきました。
2009.11.24
憑依体質?
数日前、妻が本当にちゃんと仕事 (コンサルティングや
カウンセリング) ができているのか? と書いたが、
妻の仕事のパートナーである Y 女史が言うには、
「講座など人前で話しているときは、別人。
仕事が終わると私たちの知っている彼女に戻るよ。」
ということらしい。
私が、「仕事中は、何か乗り移ってるのかな?」
と言うと、妻が横から、
(いつものようにうれしそうに) 「私、憑依体質だから!」
一体・・・・・何が憑依しているんだろう・・・。
それにしても、憑依って体質かぁ?
2009.11.25
中学生のいたずら
先日読んだ 「死ぬかと思った」 という本に、
中学の修学旅行で、先に寝た友達の鼻の穴に
チョコボールを入れたら、鼻の中でチョコが溶けて、
鼻がチョコまみれになり、それを見て笑っているうちに、
しまいにチョコボールが鼻の奥に吸い込まれ、その友達が、
もがき始め、痙攣しだし、ついには、病院に運び込まれることになり、
先生にずい分叱られた、という話が載っていた。
私も中学の修学旅行で思い出がある。
ウトウトと寝かけたころ、股間に冷たいものを感じて、目が覚めた。
同じクラスの K が、私のそばにいたので、
「何をした?」 と訊いたが、
「なんでもない、なんでもない」 というので、
眠気もあり、そのまま寝ようとしたところ、1分もしないうちに
股間に火が付いた。
エアーサロンパスをかけられたのだ。
私のそのデリケートな部分は、燃えるように熱くなり、
とても、寝るどころではなくなった。
今度は、私も K と一緒になり、S のパンツをめくり、同じように
エアーサロンパスを S の股間に噴きかけた。
S が、びっくりして起きるだろうと思って、楽しみに観察していたが、
熟睡しているようで、全然起きる気配がない。
ちょっと、突っついたりもしたが、やはり起きない。
今度は、K がメンソレータムを持ち出し、S の顔に塗り始めた。
今度は、起きるだろうと思ったが、何やらうんうんと うなされては
いるもののそれでも S は起きなかった。
私たちは、面白くなくなり、あきらめて寝た。
翌朝、S が私たちの顔を見るなり、こう言った。
「俺、昨日、めちゃくちゃ熱い夢見たわ」
(本当の話です。)
そういえば、高校1年のクラス合宿で、先に寝たクラスメートの鼻の穴に、
正露丸を入れたことがある。
これは、一発で飛び起きた。
2009.11.26
ディア・ドクター
主演 笑福亭鶴瓶 、監督 西川美和、『ディア・ドクター』。
長く無医村だった山あいの村に、数年前、赴任し、
村人の絶対的な信頼を得ていた唯一の医師が失踪するという物語。
その失踪の影に何があったのかが、解き明かされていく。
西川監督といえば、前作 『ゆれる』 がとても印象に残っているので
本作も彼女の作品と聞いて、興味はあったものの、
笑福亭鶴瓶 主演ということに やや抵抗があった。
映画の中でも、鶴瓶が鶴瓶に見えたらイヤだな、と思ったからだ。
が、それは杞憂に終わった。
瑛太、余貴美子、八千草薫、香川照之、笹野高史らで脇を
しっかり固めていたことも、本作の魅力のひとつだが、
鶴瓶も彼ら本職の役者に負けないイイ味を出していた。
考えてみれば、咄家は、演じることが芸 (仕事) だもんな。
そして ほんの少し登場する中村勘三郎の存在感は、素晴らしい。
香川照之については、西川監督の前作 『ゆれる』 を観て、
(この人凄い) と思ったのだが、『沈まぬ太陽』 も良かったが、本作も良い。
彼は、他にも今年公開の作品だけで、『20世紀少年 』、『劒岳 点の記』、
『カイジ 人生逆転ゲーム』、『スノープリンス 禁じられた恋のメロディ』 など、
最近、ちょっと出すぎ感もある。
それだけ、評価されている証拠だろうけど。
「シリアスなテーマだけど、重たい映画にはしたくなかった」 という
監督のインタビューをどこかで読んだが、彼女の意図は、
前半のコミカルなシーンのおかげで、達成されていると思う。
途中、八千草薫が登場するあたりから、だんだんシリアスになっていき、
本作も 『ゆれる』 同様、すっきりはしないが、観終えて、
色々考えさせられる作品だ。
鶴瓶演じる医師・伊野の人物描写が足りないとの意見も
あるようだが、私は、彼がどういう人物かよく分からないことで、
より想像力をかきたてられた。
それが、監督の狙いだと思うのだが。
★★★★☆
2009.11.27
告白! ズル休み
高校3年生の頃は、学校の授業が面白くなく、勉強が嫌いで、
よく授業をサボった。
両親が働きに出ていたことをいいことに、3時間目から行ったり、
4時間目から行ったり、時には、5時間目から出席した日もあった。
そのうち、とうとう、夕方近くまで寝ていて、学校を休んだことがある。
夕方5時を過ぎると、母が帰宅する。
ズル休みしたことがばれると、何を言われるか分からないと
思った私は、母の帰宅前、わざわざ制服に着替え、
コタツに入って、(今、学校から帰宅したようなフリで)
母の帰りを待った。
いつもは、母より帰宅の遅い私に対して、
母は、「今日は、早かったんやね」 と言った。
わたしは、うつむいたまま、「うん」 とだけ答えた。
2009.11.28
が〜まるちょば & アンビリカル・ラザーズ
昨夜は、新国立劇場で 「が〜まるちょば」 を観てきた。
2年ほど前に初めて彼らのライヴを観て以来、3回目。
前回も前々回も良席だったが、今回も6列目のど真ん中。
今回は、彼らの10周年記念ライヴということで、
オーストラリアから 「アンビリカル・ラザーズ」 が、
ゲストで出演。
「が〜まるちょば」 が、サイレント・コメディであるのに対し、
「アンビリカル・ラザーズ」 は、音と動き (パントマイム) で
笑わせる。
私は、今回初めて彼らのことを知ったが、その動きと擬音は、
驚愕と感嘆に値する。
ちょっと、これをご覧ください。
そして、「が〜まるちょば」 の新作は、マイケルジャクソンの
「Beat It」 に合わせてのマイケルとブルース・リーの対決が、傑作。
4人一緒にスーパーマンのコントや、「が〜まるちょば」 70周年と題して
よぼよぼの2人のパフォーマンスなど、盛りだくさんな内容で
これだけ笑わせてくれたら、お客さんは、皆 満足だったことだろう。
テレビでは、彼らの魅力は伝わらない。
ぜひ一度、ライヴを。
1月からジャパン・ツアーあり。
「が〜まるちょば」 をご存知でない方は、こちらを。
2009.11.29
鯛の鯛
先日、近所の寿司屋で鯛のかぶとの酒蒸しを食した。
板前が、「鯛の鯛」 を持って帰れという。
私は知らなかったのだが、鯛には、魚の形をした骨があり、
縁起物として、扱われているようだ。
ウィキペディアには、
鯛の鯛は江戸時代の文献には既に 「鯛中鯛」 の字が見られ、
「めでたい鯛の中でさらにめでたい形である」 とされ、
縁起物として喜ばれていた。
とある。
確かに検索すると、たくさんヒットする。
工芸品にして、売っているところもあるぐらいだ。
板前の話によると、これを持っていると、ひとつ願い事が
かなうらしい。
そして、かなうと骨の継ぎ目のような所から折れるというのだ。
実際、お店のお客さんで、宝くじを買ったその日に
差し上げたら、10万円当たった方もいるらしい。
さて、何をお願いしようかな・・・。
ひとつだけ、と言われたので、
「なんでも願い事がかないますように」 というのは、どうだろう。
あ、ふたつもらったから、願い事もふたつか。
これが、その現物。
↓
大きさは、5cmぐらい。