2019年 2月
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2019.2.1
MAT COFFEE LIVE
つつみしんや&古賀圭侑
昨年12月に渋谷にオープンした、
カフェ "MAT COFFEE" で ミニ・ライヴ。
一応、オープン後初ということで
こけら落とし公演だな。
昨年9月に4年ぶりにデュオ・ライヴを演った
ベースのヨッシー(古賀圭侑)とデュオで出演。
リハーサルはせずに、当日の簡単な打合せだけで、
本番に突入。
ライヴと言ってもミュージック・チャージもなく、
BGM的な演奏でなので、
演る方も気楽に演らしてもらったけど、
楽しく演れました。
会社の近くで便利なので、
ふらっと一人でも出演できるように、
ソロ・ギターの練習をしようと思ってるけど、
60分ぐらいは、もたせなきゃならんので
レパートリーが貯まるまでちょっとかかるなぁ。
[ SETLIST ]
- 1st -
1. Blue Monk
2. Cold Duck Time
3. Love Theme From SPARTACUS
4. 放課後の音楽室
- 2nd -
1. Our Spanish Love Song
2. Put It Where You Want It
3. やつらの足音のバラード
4. 不思議な妻 [つつみオリジナル]
[ MEMBERS ]
つつみしんや (gt)
古賀圭侑 (b)
@ Mat Coffee(渋谷)
2019.2.2
マスカレード・ホテル
木村拓哉、長澤まさみ主演の映画
『マスカレード・ホテル』。
原作が東野圭吾の小説ということで
観てみることにした。
ホテルで殺人事件が起きると断定した
警察は、潜入捜査に踏み切る。
木村拓哉は、ホテルマンに化ける刑事・新田。
長澤まさみは本物のフロントクラークで
キムタクの指導係・山岸という設定。
前半は誰が犯人か分からず、
サスペンスらしく面白かったけど、
後半は、サスペンスとしては
やや失速した感がある。
が、山岸の語るホテルマンのあり方や
サービスの根本にあるものに触れ、
無愛想でむさくるしい雰囲気だった
刑事 新田が、それなりのホテルマンとして
成長していく様子は、中々良い。
原作は、未読だがその辺りもこの作品の
魅力かも知れないと思った。
以下、ややネタバレ、注意。
「サスペンスとしてはやや失速」と
書いたが、犯人を演じている役者が
変装をしていて全く誰か分からなかった。
誰か分かった時は、ちょっと驚きました。
監督は、『HERO』でキムタクと
組んだ鈴木雅之。
「ラッツ & スター」の人とは別人。
★★★▲☆
2019.2.3
芸術は自分で創るもの
たまたま夜中に観たテレビで、
浅利慶太さんのことをやっていた。
大学在学中に劇団四季を創設したという
浅利慶太さん。
月ごとに演目が替わるのが当たり前だった
日本の演劇の世界で、「キャッツ」の
ロングラン公演に挑戦し成功させた。
日本の演劇界を変えた人だ。
劇団四季の公演は、「キャッツ」も
「ライオンキング」も観たことはあるが、
浅利さんのことは昨年7月、
亡くなった時のニュースで知った。
その番組で聞いた浅利さんの言葉が
印象に残った。
技術は教われるけど、
芸術は教わるもんじゃない。
芸術は自分が創り出すものだ。
2019.2.4
教えることは 学ぶこと
この2週間ほどの間に、
高校1年生の男子2人と
中学3年生の女子1人にギターを
教える機会があった。
高校1年生のA君は、彼が中学生の時から、
2〜3回レッスンをしており、初めてではない。
このたびはA君が、バンドメンバーのB君を
連れてきて、2人相手のレッスンとなった。
A君は、ギターを弾き始めて、
もう2年以上は経つだろう。
結構弾けるようになってはいるが、
好きなことしかやっていないので、
あまり応用は利かない。
まあ、高校生バンドで楽しむだけなら
それでも構わないけど、出来れば
もう一歩上を目指してほしいところ。
バンドメンバーのB君はヴォーカルで
ギターも弾きながら歌う。
ギターは最近始めたようで、
もっと上手くなりたいようだった。
中学3年生のC子ちゃんは、買ったばかりの
ピンク色のフォークギターを持ってきた。
C子ちゃんは、レッスンの日に初めて、
ギターの音を出してみたような
全くの初心者だった。
私は、ある程度 弾ける人になら、
何人かレッスンをした経験があったが、
全く初めて触るレベルのような人には、
教えたことがなく、何から教えれば
良いのか分からなくて、ちょっと戸惑った。
出来ることなら、ギターをずっと続けて欲しい。
自分の好きな歌を弾き語り出来るぐらいには、
なって欲しい。
そのためにギターは楽しいということを
教えたいと思うのだが、これだけは、
本人が楽しいと思うかどうか、
本人が本当にやりたいかどうかなので、
コントロールしようがない。
でも、私の教え方が悪いせいで
やめてしまったらどうしようと、
考えても仕方のないくだらないことを
考えてしまうのだった。
先日、大空小学校の木村元校長の講演で、
子供たちには「分かった?」という質問より
「分からない所はどこ?」と訊くのが良いと
聴いたところなのに、
何度も「分かった?」って聞いてしまった。
「分かった?」と訊くと子供たちは
「はい」と答えるのだという。
分かっていなくてもね。
この一つをとっても分かるように
子供に何かを教えるということは、
とても難しい。
私には系統だったメソッドも何もないので、
その場その場で、思いつくことを
伝授するしかない。
まあ、教えることのプロでもないから
そんなやり方で、模索するしかないと
開き直っているのだけど。
教えるためには、
そのことを本当に理解していて、
お手本となる演奏を聴かせる必要がある。
特に初心者の場合は。
これが、結構 曲者。
なんとなく出来てしまっていること、
なんとなく分かっていることを、
言葉に変換したり、正確に伝えることは、
意外に難しく、教える側が学ぶことになるのだった。
2019.2.7
Funk on Da Table
Japan Tour 2019
先日、「有山岸 feat. 上田正樹」で観たばかりの
ニューオリンズ在住のギタリストの山岸さん。
今日は、日米混合のファンク・バンド
「Funk on Da Table」のライヴに行ってきた。
メンバーは、山岸潤史(g)、KenKen(b)、
そして、ニューオーリンズから John Gros(key)、
ニューヨークから Nikki Glaspie(dr)。
山岸さんと John Gros は、ニューオリンズで
「Papa Grows Funk」というバンドをやっていたが、
現在は活動していないようだ。
2005年には日本ツアーも行ったようだが、
残念ながら見逃した。
さて、Funk on Da Table。
強〜力な グルーヴやったぁ〜。
勝手に身体が動きます。
5日連続のライヴ、その最終日で、息もぴったり。
KenKen 上手い!
ドラムの Nikki もええわ〜。
John Gros は、あまりミュージシャンには
見えない風貌だけど何か愛嬌のある感じ。
途中、山岸さんがシールドを引っかけたのか、
ソロを弾きながら転び、ヒヤッとしたけど
大丈夫だったみたい。
もう若くない(65歳)ねんから、気を付けてください。
アンコール入れて、2時間ちょっと。
オールスタンディングのライヴやったけど
しんどくなかった。(じじいか)
前半、30分近く(5〜6曲)メドレーで
ノンストップで、次もやはりメドレーで
30分近く演った。
数年前に観たファンキー・ミーターズが、
70分ノンストップだったのを思い出し、
これがニューオリンズのスタイルなのかなと
思ったけど、よう分からん。
途中、ニューオリンズから来た、
ウォッシュボードのおじさんと
日本人(?)らしき若者が、
タンバリンで参加。
名前言うたけど、聞き取れず。
日本人の方は、山岸さんが「my son」って
紹介したけど、まさか息子さん?
山岸さんは、ここんとこずっと使ってる
Xotic の白いテレキャスター・タイプ。
今日のライヴとは、直接関係ないねんけど、
山岸さんと KenKen の共演というのも、
中々感慨深いもんがあった。
というのも、山岸さんは KenKen の父親である、
(故)ジョニー吉長(dr)とも共演してたわけで、
なんというか、世代を超えて音楽で
繋がり続けるという縁というか、
そういう目に見えない絆みたいなものを感じたね。
で、その KenKen が最高のベーシストやもんな。
ちなみに KenKen の兄は、
ドラマーで俳優もやってる金子ノブアキね。
会場で、Funk on Da Table の昨年の
ニューオリンズでのライヴの CD を
売っていたので迷わず購入。
KenKen の母親である 金子マリ も1曲
ヴォーカルで 参加しております。
[ MEMBERS ]
June Yamagishi (g,vo)
John “Papa” Gros (key,vo)
KenKen featuring (b,vo)
Nikki Glaspie (dr,vo)
Guest 2名あり
@ LIQUIDROOM (恵比寿)
[ Japan Tour 2019 ]
2月3日(日)Tokyo Funk Summit 2019 (渋谷 クラブクアトロ)
2月4日(月)大阪:梅田クラブクアトロ
2月5日(火)京都:磔磔
2月6日(水)名古屋:ReNY limited
2月7日(木)東京:恵比寿リキッドルーム
2019.2.9
沖 縄 へ
ただ今、午前3時10分・・・。
4時過ぎには起きて始発で
羽田に行くつもりだったのに
準備やら何やらしていたら、
こんな時間になってしもた。
1時間しか寝られへん。
もう、寝んと起きとこ。
飛行機内で3時間ぐらい寝れるし。
3連休、2泊3日で沖縄へ行ってくる。
明日、妻の沖縄での講演会があるので、
それに合わせての小旅行だ。
妻は3日前から沖縄入りしており、
沖縄に5泊したあと、福岡に2泊、
長崎に1泊したあと帰ってくるらしい。
ただ今、全国ツアー中なのだ。
「新年創作の会」と題されたこの講演会は
2011年にスタートした。
その時は、東京で1回(参加者は17人だったらしい)
だけだったが、年々、開催地が増え、
2018年には13か所で合計のべ約1000人が参加した。
(「のべ」と書いたのは、
何度も聴きに行く人がいるから。)
今年も全国10数ヶ所で開催され、
1300人が参加する予定らしい。
1月19日の東京での講演会に参加したが、
その日は240人ほどの人が集まった。
妻の会社のイベントは普段は、
女性の参加者が多いのだが、
この日は、男性も多かった。
中には、初めて妻の話を聴くという人もいる。
それにしても200人以上集まるなんて凄いな。
私のライヴは、せいぜい20人だ。
比べる対象にならんけど。
人気(?)の秘密は、毎年のテーマらしい。
一昨年は「据える」、昨年は「内なるヒーロー」。
今年のテーマは、ネタバレになるので書かないけど、
この1年をどう創作し生きるかということの
指針となるテーマを毎年夏頃から考えているらしい。
好きみたい。
そういうの考えて創りだすこと。
その人がその人らしく生きられるよう、
その人の天才性を発揮できるよう、
講座などを提供するのが、妻の仕事。
そういう意味では、妻は自分の天才性を
発揮していると言えるだろう。
ところで、沖縄。
これで5回目だ。
初めて行ったのは、2005年。
すっかり、沖縄病にかかり、
一時は移住まで考えた。
前回行ったのは、2012年12月だから
約6年ぶりとなる。
明日の夜の講演会以外、まだ何の予定も
立てていないけど、天気が良いといいな。
東京の今日の最高気温は、予報では2℃。(寒っ)
沖縄は、20℃くらいあるようなので、
温度差がキツイなぁ。
来週のライヴの練習もしたいので、
先日、旅行用に買ったSTEINBERGER Sprit を
持って行ってきます。
機内に持ち込めると思うねんけど・・・。
2019.2.13
こんな雪で・・・
土曜日から月曜日までの3連休で
沖縄に行ってきた。
土曜日の朝 6:35 羽田発 那覇行き ANA993便。
木曜日の夕方には、ANA から
「降雪の影響で運航への影響が発生する可能性が
あります」というメールが届いていた。
その時点での土曜日の東京の天気は「雪」という
予報だったのだ。
まあ、欠航になったら「残念でした」で
終わりだなと思っていたが、当日早朝の
運行状況案内を見ると、飛びそうだったので
羽田へ向かった。
朝5時の東京(品川区)は、
雪かみぞれか分からないようなものが、
ぱらついている程度で積雪はなかった。
予定通り、6:30頃搭乗したが、
座席についた後、「翼に積もった雪を
除雪しないと離陸できない」と
機内アナウンスがあった。
私はちょうど翼のある辺りの座席だった。
窓から翼を見ると、薄く雪が積もっている。
深夜に降ったのだろうか。
積雪は1〜2cm に見えるが、
実際はもう少しあるのかもしれない。
へぇ〜この程度の雪で飛ばれへんのか、と
少し驚いた。
窓から見た翼(主翼)の積雪。
(翼の先の垂直尾翼は別の機体。)
そして、「順番に除雪していますので、
この機の除雪は何時ごろになるか、
見通しが立っていません」というアナウンス。
つまりは「遅れます」ということだ。
数十分経って、除雪が始まった。
どうやって雪をどけるのかと思っていたら、
高所作業車のような車で近づいてきて、
水(湯?)をかけるのだった。
作業する方も寒いやろな。
翼だけではなく、胴体の上の雪も除雪。
翼の端まできっちり除雪。
作業終了。
すっかり雪はなくなった。
結局、離陸したのは予定を90分近く遅れて
8時ごろだったように思う。
復路についても前々日に、降雪の影響が
懸念されるため「ご都合のつくお客様は、
旅程の変更をおすすめします」という
メールが届いたが、少しの遅れで帰って来られた。
人間は、自然に勝てないねんなぁと改めて実感。
往復ともに欠航にならなくてよかった。
2019.2.14
野 獣
「野獣」といっても、引退を発表した柔道の
松本薫選手のことではない。
米国アカデミー賞のことをチェックしていたら、
短編実写映画賞部門にノミネートされている
『野獣』(原題 "Fauve")という作品が
期間限定で無料で観られることを
発見したので観てみた。
カナダの作品で、登場人物は、
小学生らしき子供2人とおばさんのみ。
この子供達の演技が素晴らしい。
以下、多少ネタバレになるので注意。
感想は、なんともやり切れない。
人生で取り返しのつかないミスを犯すことは
誰にでもあり得るのだが、
ほとんどのミスや間違いは なんとかなるもんだ。
が、本当に取り返しのつかない、
どうしようもない間違いもある。
それを子供の頃に体験するというのは、
一生、そのことと向き合って行かなければ
ならないわけで、その重みを思うと
なんともやり切れなくなる。
主役の少年は、このあと、どうするんだろうか。
希望も救いもないようなストーリーだが、
これが現実で、これが私たちの生きている世界だと
自分を戒める気持ちになった。
調子に乗ってはいけない、
目覚めていなければいけない、と。
原題の「Fauve」は仏語で「野獣・猛獣」の意。
なぜ、このタイトルなのかは、
鈍感な私にはいまだにピンとこない。
あるいは「Fauve」には「茶色い・黄褐色」という
意味もあるようなので、そっちのような気もするが。
16分ほどの作品なので、ご興味ある方は観てください。
字幕付き。
2月18日(月) 23:59までの期間限定です。
こ こ で 視 聴 で き ま す。
ハッピーな作品ではありません。念のため。
★★★★☆
2019.2.16
ミシェル・ルグラン 逝く
Michel Legrand
昨年7月、ミシェル・ルグランの来日公演を観た。
ミシェルは、映画音楽の人だと思っていたら、
マイルスやコルトレーンとも共演した
ジャズピアニストだった。
86歳でありながら、フランスからやってきて
ブルーノート東京で4日連続8公演。
その日のエントリーには、こう記してある。
「死ぬまでに観たいアーティスト・リスト」には、
入っていなかったけど、
「死ぬまでに観られて良かったアーティスト・
リスト」(今日、作った)に入ったよ。
この「死ぬまでに」というのは、
私が「死ぬまでに」であり、
そのアーティストが「死ぬまでに」でもある。
いずれにしろ、行ってよかった、
素晴らしいライヴだった。
そして。
今日まで知らなかったけど、
ミシェルは、1月26日に亡くなっていた。
享年86歳。
死因は発表されていないようだが、高齢だからね。
私がライヴを観てから、半年あまり。
ホントに最後の来日になってしもた。
合掌。
2019.2.18
"AS It Happens" LIVE vol.6
ジャズ・シンガー和田明とのライヴも
昨日で6回目を迎えた。
昨日も満席のお客さんでした。
ホンマにありがたいことです。
一昨年6月、初めて演った時は
こんなに続けられるとは思っていなかった。
続けられてホントに嬉しい。
明と演るようになって、
学ぶことの多さに驚いている。
というか、今までこんなことも分からずに
(知らずに)演奏していたのか、と
自分の浅さにゾッとしている。
45年もギター弾いているのに。
と言っても、分かった(知った)から
すぐに出来るわけでもないので、
これからなんですが。
前回(昨年10月)のライヴから、
少しだけコーラスすることに
チャレンジしている。
ハモることが本当に苦手な私は、
ずっと、コーラスが出来るように
なりたいという欲求がありながら、
何も努力せずに来た。
でも、ここにきて、ちょっとやる気に
なったのだ。
前回は、ビビりながら歌うもんやから、
マイクから離れて消極的な
コーラスだったが、昨日は大分、
進歩した(と自分では思う)。
でも、まだまだ。
先日、明の歌のレッスンを受けた。
歌い方も全く知らないということを知った。
一人前のコーラスが出来るまでの、
道のりは長いが、音楽はどうせ死ぬまで
やるんだから、気長にやろうと思う。
ギター・プレイについては、昨日、
数人に「良くなった」と褒められた。
自分では、気が付かなかったが
言われてみれば、思い当たる節もある。
これも、継続の結果であることは明白。
継続し、量をこなすこと以外に
上達の道はないのだと改めて思う。
課題は多いのだ。
[ MEMBERS ]
"AS It Happens" are
和田明 (vo,gt) & つつみしんや (gt)
[ SETLIST ]
- 1st show -
1. Don't Let Me Be Lonely Tonight
2. トランジスタ ラジオ
3. オレのパンクロック (明オリジナル)
4. Stay with Me Tonight (つつみオリジナル)
5. All Around Me
6. パレード
- 2nd show -
7. I Shot The Sheriff
8. ノーノーボーイ
9. Nowhere Man
10. Voices
11. 横浜ホンキートンク・ブルース
12. Just The Way You Are
EC. おかえり(明オリジナル)
at bar dAZE(原宿)
2019.2.19
ノーザン・ソウル
NORTHERN SOUL
予告編を見て「これは観ないと」と
思っていた映画『ノーザン・ソウル』。
2014年の作品なのに
なぜか今頃になって公開された。
いわゆる単館系なので、東京でも新宿と
吉祥寺でそれぞれ一館でしかやっていないけど。
舞台は、1974年のイングランド北部の町。
家にも学校にも居場所のない高校生のジョンが、
アメリカのソウル・ミュージックと出会い、
仲間と新たな生き方を手に入れるという
青春物語。
タイトルの『ノーザン・ソウル』は、
アメリカ北部の(例えばフィラデルフィアとか)
ソウル・ミュージックのことかと思いきや、
イングランド北部周辺のクラブで好まれていた
ソウルのことだった。
クラブというのは、日本のディスコに
あたるんだろうけど、そこで DJ 達が、
まだあまり知られていないソウルの曲を
かけていたらしい。
で、DJ のオリジナリティを出すためだろうけど、
曲名を隠すためにレコード盤のレーベル部分に
紙を貼っていたらしい。
その曲名を隠すことを “COVER UP” と
呼ぶのだが、そんな文化があったのは、
本作を観て初めて知った。
激しい性描写があるわけではないが、
R-15指定になっているのは、
おそらく「薬」のせいだろう。
18歳なのにタバコも酒もやっているのも
日本としては、教育上よろしくないという
判断かも知れない。
劇中でかかるソウル・ナンバーは、
私が知っているような有名な曲はなく、
とてもマニアック。
色んなアーティストの名前が登場するが、
知っていたのは、フランキー・ヴァリと
マーヴィン・ゲイだけ。
(サウンドトラック・リスト)
若いということは、危ういこと。
でも、生きていれば、やり直せる。
★★★▲☆
2019.2.20
沖縄 レポート
格安レンタカーと交通事故
2月9日から11日までの3連休で沖縄に
行ってきたのだが、羽田の飛行機の出発が
除雪で遅れたことしか書いていなかったので、
もう少し書いておこうと思う。
今回の宿泊地は、那覇市内だったけど、
今まで行ったことのない地域で
あったようで、ちょっと沖縄らしくない
大きなショッピングモールや
タワーマンションなどがあった。
そのショッピングモールは、
まだ新しく見えたので、おそらくこの数年の
間に開発されたものかと思っていたら、
オープンは、2002年(2012年にリニューアル・
オープン)と知って驚いた。
開発が進むのは、良い面もあるが、
失われていくものも多い。
なんとなく、その界隈は(私のイメージする)
沖縄っぽくなかったので、寂しい感じがした。
きれいな街並みはそれはそれでええねんけどな。
さて、本題。
レンタカーを借りるのに、事前にネットで
調べていると、同じサイズの車でも
店によってずい分と金額に差があることに気づいた。
2泊3日で借りるのに、大手レンタカー店では、
2万円以上するのに、1万円でお釣りがくる
ような店があるのだ。
半額以下で、同じ車種が借りられる。
ならば安くて良いじゃないかと
その1万円でお釣りがくる(9,720円)の
レンタカーを予約した。
結果。
空港までマイクロバスで迎えに来てくれるのだが、
これが結構待たされた。
周辺にも同様に各レンタカー店が
迎えに来ていたが、他の店はどんどん
送迎バスが来るのに、私の予約の店は
全然バスが来ない。
最前列のお客さんが
「タクシーで行った方が早いんじゃないか」と
店員に言い出すほど待たされた。
店員は「道路が混んでいますので」と説明していた。
まあ、これはホントに道路の込み具合もあるだろうから、
料金とあんまり関係ないかもしれないけど。
迎えのバスに乗って、10〜15分ぐらい。
レンタカー店に着いて手続き後、
車を見て思わず「汚い」と
声に出して言ってしまった。
後部座席は、子供の食べこぼしか何かだろう、
シミだらけで、ちょっとええ服着てたら
座るのがはばかられるほどに汚い。
ああ、これで安いんだと思った。
今まで借りたレンタカーの中で一番汚かった。
ちゃんとクリーニングしたり、
汚れたシートを交換したりすると、
こんな安い料金ではやっていけないと
いうことだろうな。
しかし、その後、
この格安レンタカーは高くつくことになる。
2日目の夜、宿の近くの駐車場に止める際、
車止めとタイヤがずれていて、後ろの塀に
沿って立っていたポールに後部バンパーを
ぶつけてしまった。
もう、止まるようなスピードでコツンと
ぶつけただけなので、ほんの数ミリだが
ポールに当たった部分がへこんだ。
「あ、やってしもた」と思ったが、
レンタカーを借りる手続き時に、
追加で保険に入ったので、この程度の傷なら、
全く問題ないと思って、そのまま食事に行った。
翌日夕方、レンタカーの返却時に
自分から「ここ、ぶつけてしまいました」と申告した。
すると店員が「警察には届けましたか?」と言う。
些細な傷であっても警察の事故証明がないと
保険が効かないのだと言う。
確かに車を借り受ける時に
「事故を起こしたら、警察と店と両方に
連絡をしてください」という説明を受けた覚えがあった。
説明を受けた後にサインをした書面にも
書いてあるんだろう。
しかし、私はあの、コツンと当てただけのことを
「事故」とは認識しなかった。
店員は、「その当たったポールは、
駐車場のものでしょうから、もし、それに被害が
あった場合、それの賠償責任もあります」と言う。
確かに。
それはごもっともだ。
しかし(確認したわけではないけど)
ポールは無傷だろう。
そして。
今から、その現場に戻って警察を呼ぶか、
7万円を払って済ませるかの選択となった。
飛行機の時間が迫っているので、
現場に戻っている時間はない。
しかし、この程度の傷に7万円は高すぎる。
7万円の中には、修理に出している間の
営業補償も含まれているのだけど。
観念した私は、7万円を払って終わりにした。
というわけで、ずい分と高い授業料を払って、
レンタカーを傷つけてしまった場合の
対処を学ぶことになったのでした。
とほほ。
2019.2.21
沖縄 レポート
沖縄県立博物館・美術館
沖縄は、5回目だったけど、
初めて沖縄県立博物館・美術館に行った。
美術館では、ちょうど写真展を開催中だった。
伊志嶺隆(1945-93)と平敷兼七(1948-2009)
というふたりの沖縄出身の写真家の写真展。
沖縄の日本への復帰(1972年)という激動の
時代に20代を過ごしたというふたり。
「沖縄」という土地のがそうさせるのかも知れないが、
写真はどれも「作品」というよりは「記録」、
それもただの記録ではなく、
「"沖縄"の記録」という独特の重みを
帯びているように感じた。
博物館の常設展示のテーマは、
「海と島に生きる−豊かさ、美しさ、平和を求めて−」。
沖縄の民族、文化、自然などの歴史が学べる
総合展示だ。
私はどうしても琉球王国の時代よりも
昭和の沖縄に興味を惹かれてしまう。
博物館の企画展は「沖縄が誇る 家宝の三線展」。
ギターなら、その違いも分かるけど、
三線はほとんど全部同じに見えて
よく分からなかったけど、
試奏コーナーに3本の材木の違う三線が
置いてあって、音を出してみると、
それぞれ違う音がしたのは、興味深かった。
もうひとつ、企画展、
「大嶺薫コレクション展『吉祥 “Kisshou” Lucky sign』」
というのも開催されていたが、
これは値打ちや良さがイマイチ分からず。
美術館・博物館、全部観られる
1DAY PASSPORT は、1,140円でした。
天皇陛下御在位30年
記念五百円硬貨
全く知らなかったけど、
今日2月21日は、
天皇陛下御在位30年記念硬貨の
引換開始日だったらしく、
会社に来た銀行員が、持って来た。
最初は興味がなかったけど、
せっかくなので、話のネタにと
2枚引き換えてもらった。
表面が儀装馬車と桐と白樺、
裏面が菊花紋章のちょっと格式のある感じ。
調べてみると、発行枚数は500万枚なので、
希少価値はないだろうけど、
最初に引換られるのは、
国民20人に1枚以下だと思うと
今日手に入れたのはラッキーかも。
銀行で引換えられるのは、
ひとり2枚までと決まっているようだし。
ま、私はそのうち普通に使ってしまうと思うけど。
この硬貨、「バイカラー・クラッド貨幣」と
いうもので、2種類の金属から出来ている。
写真では分かりにくいが2色なのだ。
財務省のサイトを見ると、
1万円金貨も発行されるようだ。
500円硬貨は、もちろん500円で
引換ることができたけど、
1万円金貨は「138,000円(税込)」とある。
お金としては1万円なのに。
おまけに消費税がかかるのが、なんか不思議。
2019.2.22
日日是好日
「お茶」が教えてくれた15のしあわせ
昨年の暮れに観た映画『日日是好日』の
原作を読んだ。
著者は、森下典子さん。
樹木希林が出演していなかったら、
この映画を観ようとは、思わなかっただろう。
この映画を観なかったら、間違いなく
この本を読もうとは思わなかっただろう。
映画にも原作にも「一期一会」という言葉が
登場するが、こういうことなのかもしれない。
森下さんは、特に強烈な欲求があったわけではなく、
母親に勧められて、お茶を始めた。
何度かやめようと思うが、お茶を通して
生きるということ、自由になることを手に入れていく。
出会った瞬間に「これだ!」って思えるような
ドラマティックな人生も中にはあるかもしれないけど、
ほとんどの人生は、なんとなく出会い、
なんとなく始まり、なんとなく続いていくものが
多いんじゃないだろうか。
私がこの本と出会ったように。
「なんとなく」は適切な表現かどうか分からないけど。
映画も良かったけど、それ以上に原作は良かった。
なぜか良く分からないけど、何度か涙がこぼれた。
感動したとかそういうんじゃない。
とても大切なことが書いてあると思った。
それをここで言葉にすると、
あまりにも薄っぺらく、安っぽくなる。
著者のように10年20年かけて、
自分で気づき、発見してきたことなら、
こういう(この本のような)形でなら、
人に伝えても良いかもしれないが、
数時間で読んだ私が、簡単にまとめて
言葉にできるようなものではない。
映画の感想にも書いたけど、
若い時には分からなかったことだと思う。
年を取るって、毎日未来が減っていくんだけど、
その分、若い時に知りえなかったことが
ちょっとずつやけど、分かってくるのだな。
★★★★★
2019.2.24
ファースト・マン
FIRST MAN
アポロ11号が人類初の月面着陸に
成功したのは、1969年7月20日。
私が小学1年生の夏だった。
事の重大さは、分かっていなかったけど、
「人間が月へ行った」ことは
日本でも大きな話題になっていた覚えはある。
翌年の大阪万国博覧会には、アメリカ館で
月から持ち帰った「石」が展示された。
当時小学2年生だった私は、
万博へ4回連れて行ってもらったと
記憶しているが、アメリカ館はいつも
長蛇の列だったので、並ぶことを断念し、
月の石は観ていない。
(この頃から並んでまで何かを手に入れようと
いう根気はなかったようだ。)
映画『ファースト・マン』は
アポロ11号の船長で、最初に月に降り立った
ニール・アームストロングの伝記映画だ。
監督は『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル。
ニールを演じるのは、ライアン・ゴズリング。
アポロの映画といえば、1995年の
トム・ハンクス主演『アポロ13』を思い出す。
あの映画も実話をベースにしており、
感動的だった覚えがあるので、
本作にもおのずと期待が高まった。
がなんやろ、この物足りない感じ。
思うにニールの苦悩がイマイチ伝わってこない。
幼い娘を亡くした辛さや、
事故で同僚を失ったショック、
月へ行く前、子供や妻と永遠の別れに
なるかもしれない恐怖、それらが、
あまりに淡々と描かれている印象で、
物足りないのだな。
感情移入できないというか。
まあ、観る側の想像力の問題と言われれば、
それまでやけど。
生還後の妻(クレア・フォイ)との対面も、
私には物足りない。
そのシーンを「こんなにたくさんのことを
物語る無表情があるだろうか」と書いている人が
いたのだけど、そう言われるとやはり、
こちらの想像力不足かと思わざるを得ない。
もっと分かりやすい感動作が好きなのかと
問われれば、そういうことになるのかも知れない。
撮影がアップが多いのも気になった。
でも、月に降り立った時の無音の演出は良かったな。
月から帰還するのも命がけなんだろうけど、
そこは全く描かれていない。
そこまで描くと141分では済まなくなるだろうけど。
ところで。
「宇宙で死んだ人は、一人もいない」と
何かで読んだ覚えがある。
思い違いかもしれないので
調べてみると飛行中の死亡事故は、
スペース・シャトルの爆発などいくつかあるが、
それらは大気圏内の事故が多く、
宇宙空間での死亡事故は、ソビエトの
ソユーズ11号の事故(1971年)だけのようなので
私が読んだ「一人もいない」は、
米国に限った話だったのかもしれない。
この映画では、1967年のアポロ1号の
訓練中の事故が描かれており、
それが飛び立ってもいないロケットの中での
火災によるものであったことを知り、
ちょっとショックだった。
人類が月に降り立つという偉業の前に
尊い命がいくつも失われていたのだな。
最後、ケネディ大統領の演説で
終わるのが、アメリカ的だなと思った。
それにしても、あれから50年も経ったなんて
凄いなぁと思うのと同時に、
50年も前に人間が月まで行ったのかということも
今ではあらたな驚きです。
★★★▲☆
七つの会議
池井戸潤の小説が原作の映画『七つの会議』。
出演は、野村萬斎、香川照之、朝倉あき、
片岡愛之助、及川光博、立川談春、吉田羊、
鹿賀丈史、世良公則、音尾琢真、泉孝太郎、
橋爪功、春風亭昇太、北大路欣也、と
かなり豪華。
あ、役所広司もチラッと出ます。
サスペンスで面白かった。
ホントにサラリーマンってこうなのかね。
まあフィクションだし、エンタメだから
大げさに描いている部分もあるだろうけどね。
私なんか、10代の時にすでに
「ネクタイ締めて毎日満員電車に
乗るなんてイヤだ」と
思っていたぐらいだから、
とてもじゃないけど勤まらんね。
野村萬斎の映画は、『のぼうの城』
(2012年)に続いて 観るの2本目。
『のぼうの城』は時代劇だったからか
気にならなかったけど、現代劇には、
野村萬斎はちょっとセリフ回しが
臭すぎないかと感じたのは残念。
そして、香川照之の大げさな芝居。
ま、これは嫌いじゃないけど。
企業によるデータ偽造と隠ぺいは、
たぶんずっと前からあって、
どんなに大きな問題になっても
無くなっていない。
エンタメでありながらも
そこに一石投じるメッセージ性もあり。
この作品も『ファースト・マン』同様
顔のアップが多かったなぁ。
なんであんな撮り方すんのやろ。
映画館で観たら、顔デカすぎ。
★★★★☆
還暦&噺家生活四十周年記念
桂米團治独演会
1月から7月まで九州から北海道まで
全国30カ所で開催される、桂米團治の
「還暦&噺家生活四十周年記念 独演会」。
東京は新橋演舞場での公演だった。
以前にも2度、桂米團治の独演会に
行ったけど、2度とも会場は、
銀座ブロッサム中央会館だった。
銀座や新橋演舞場で演るあたりが、
もうやはり若旦那って感じだなぁ。
さて、本日の公演、まずは、
米團治と彼の兄弟子にあたる、桂千朝、
桂米二、3人による口上。
続いて、予定では桂南天だったけど、
インフルエンザにかかったとかで、
代役で桂米左(米團治の弟弟子)による
「道具屋」。
東京から親友だという林家正蔵の
渋めの人情噺「蜆売り」。
一昨年、脳梗塞になったというが、
完全復帰した桂ざこば(兄弟子)の
「上燗屋」。
そして、米團治ご本人の「丁稚蔵」と
30分の仲入りを挟んで「地獄八景亡者戯」。
30分も休憩があるのは、
新橋演舞場だからか。
観客の皆さん、お弁当食べている方が多かった。
米團治の高座は、数えるほどしか
観ていないのだけど「地獄八景亡者戯」は、
なんとこれで4度目。
父、米朝師匠の十八番だったということもあるのか、
東京ではあんまり演る人がいないということも
あるのか、とにかく独演会の度に観ている。
ストーリーはどんどん膨らんで行っていて
新しいネタがいくつもあった。
今日は特別で、途中高座の後ろにスクリーンが
降りてきて、一部分を米朝師匠のビデオが
流れ、親子共演という趣向だった。
誰でも演れることではなく、
米團治だからこそ許される企画かなと思う。
ところで。
チケットを買おうとしたら、
A席(3階)しかなかったので、
しかたなくA席を買った。
行ってみると舞台に向かって
右側壁沿いの席で、席から舞台を見ると、
3分の1が隠れて見えない。
落語は、噺家が舞台中央に座って
じっとしているので良いけど、
お芝居だったら、見えないシーンが
あるだろうな。
そして、ずっと右向いて観ることに
なるので首が痛い。
ちなみにS席は6,000円で、
A席は4,000円でした。
[ 演 目 ]
口 上 (米團治、千朝、米二)
「道具屋」 桂米左
「蜆売り」 林家正蔵
「上燗屋」 桂ざこば
「蔵丁稚」 桂米團治
〜 仲入り 〜
「地獄八景亡者戯」 桂米團治
@ 新橋演舞場
2019.2.25
らくごカフェ10周年記念
平成最後の武道館落語公演
「武道館で落語を演る」と聞いた時、
「観たい」と思わなかった。
落語は、200〜300人位の会場が
一番合っている芸能だと思っているからだ。
武道館の2階席の後ろから、
豆粒のような、噺家を見ても
表情も分からないだろうし、
仮にスクリーンがあったとしても、
スクリーンを通して観るのも
どうなんだろうと思っていた。
チケットも落語会としては、
S席 \9,720 と高いし。
ところが、正月に立川談春の独演会に行き、
談春の口から「武道館落語」のその背景などを
聴いたら、急に観ておかないと
後悔するような気になってしもた。
まあ談春の話が上手いんだな。
で、そのあとチケットを買おうとしたら、
それまでチケットがまだまだありそうな
雰囲気だったのに、なんとS席もA席も
売切れていた。
しかたなくB席(\5,400)を購入。
きっと見にくい席だろうなと思ったけど。
でも、そのあとまた追加でS席が
売り出されていた。
どんな席か分からないけど。
さて、今日はその
「らくごカフェ10周年記念
平成最後の武道館落語公演」。
神保町の落語ライブハウス、
「らくごカフェ」の10周年記念の落語会。
私は、「らくごカフェ」には一度も
行ったことはないが、小さなハコのようで、
その10周年に武道館公演を演るというのは、
そもそもが、型破り。
そして、平日なのに16時開演という
無謀なプログラムだ。
16時を5分ほど過ぎて開演。
まずは、さだまさしが登場。
さださんは、今日の主催者「らくごカフェ」の
オーナー青木伸広さんの
高校の落研の先輩にあたる。
そう、さださんは落語好きだったのだ。
1部は、らくごカフェの「火曜会メンバー」
(火曜日の会と通う会をかけている)が
次々と登場し、踊りや歌、似顔絵、紙芝居など
落語以外の芸を見せていく。
本当は、落語を演りたいのだろうけど、
人数が多くてそんな時間はない。
その中から代表で、春風亭一之輔が落語。
武道館で落語というのは、
今日が初めてではなく、
22年前(1997年)に春風亭小朝が
独演会を行ったことがあるらしい。
その小朝の武道館独演会に当時大学生だった
一之輔は、観客として客席にいたのだという。
22年後に自分が、その武道館で8千人の観客を
前に落語をするなんて、当時にすれば
想像を遥かに超えることだろうな。
それから、2部はさだまさしショー。
さださんの歌をナマで聴くのは初めてだった。
トークが多いのはなんとなく知っていたけど、
今日も45〜50分位で、歌ったのは5曲。
でも、そのトークがもう漫談のようで大爆笑。
曲は『案山子』『雨やどり』『秋桜』『償い』
そして『関白宣言』を歌いかけて
すぐに止めて『関白失脚』。
『関白宣言』は、今では女性差別の歌に
なってしまうのだという。
ど真ん中の曲ばかりで嬉しかった。
まさか、『雨やどり』で落涙するとは
自分でも意外。
この曲、流行ったのは私が中学生だった時で、
その頃はコミックソングみたいな印象だったけど、
年取ってから聴くと泣けるんやなぁ。
『雨やどり』に限らず、『案山子』や『秋桜』、
『関白宣言』もだけど、さださんの歌は
心に沁みるものがある。
今日のパンフレットには、さださんの
「俺の歌は人情噺のつもりで書いているよ」
という言葉があったが、確かに
落語に出来そうな歌も多い。
さださんは「死ぬまでに観たいアーティスト
リスト」に入っていなかったけど、
今日観て凄く良かった。
今度は、コンサートに行こうと思う。
さださんは、アコースティック・ギターを
3本弾いた。
3本とも「Terry's Terry」。
これがすんごい良い音。
ヤマハにいたテリー中本さんのギターで、
良いものだと中古でも100万円どころか
200万円のものもある。
このギターの音を、マイクで
拾っていたようなのだが、
こういうのを「鈴鳴り」って
いうんやろなというサウンド。
それから、3部は立川談春、
4部は立川志の輔と大御所の落語が続いた。
それぞれの落語の後に、
さださんが落語のアンサーソングを1曲
歌うという趣向。
談春の「紺屋高尾」には、『いのちの理由』。
志の輔師匠の「八五郎出世」には、
『親父の一番長い日』。
妹の歌やからね。
この時は、マイクを立てずに
ギターのピックアップから出力していたようで、
さださんのコーナーの時とギターの音が
明らかに違っていた。
マイクで拾った音の方が当然素晴らしい。
20時終演の予定だったが、
志の輔師匠の登場がすでに20時。
終わったのは、21:05。
16:05に始まったのでちょうど5時間!
凄い落語会やった。
休憩が3回あったけど、
長いとは感じなかったので、
充実した内容だったと思う。
私の偏見かも知れないけど、
落語と音楽とか、今回の企画のように
何かと何かを組み合わせたイベントは、
あまり上手くいかないような気がして
好きではない。
一緒に催す意味が感じられず、
それぞれを別々にに観た方が良いと思うからだ。
でも今日は良かったなぁ。
コレは、さださんが主催者に呼ばれて
仕事で歌っただけの歌手ではなく、
主催者の青木さんと懇意であるのはもちろん、
ご本人が落研にいたという落語愛のある人だと
いうことが、非常に大きな要因ではないかと思う。
また主催者の青木さんという方が、
皆さんに愛されている人であるということも
この会の成功のカギだろう。
そういうわけで、当初、武道館で落語なんて
観たくない、と思った私は、
大変に楽しんで、また感動して会場を
あとにしたのでした。
食わず嫌いはいけませんな。
開演前にパンフレットの青木さんの長い挨拶を
読んで、もうそれで感動してしまったので、
今日の成功は決まっていたんだろうな。
一之輔は(武道館での落語を)「また演りたい」と
言っていたけど、確かに「あり」だと思った。
まあ、演者は限られるやろけどね。
落語の演目も良かった。
一之輔のちょっとやり過ぎ感のある
「堀之内」は、8千人の客を掴むには、
あれくらいでちょうど良いだろうし、
談春の「紺屋高尾」、志の輔師匠の
「八五郎出世」もクライマックスでは、
あの大きな会場をシーンとさせる口演で
素晴らしかった。
志の輔師匠の「八五郎出世」は、
何度聴いても素晴らしい。
久しぶりに聴けて良かった。
席は、2階席の最後列だったけど、
スクリーンのおかげで全く問題なく、
楽しめた。
行く前は、スクリーンで落語は
ちょっと抵抗あったのだけど、
考えてみたら、コンサートでは、
しょっちゅう見てるしね。
(凄い変わりよう。現金なもんです。)
[ 演 目 ]
らくごカフェに火曜会メンバーによる余興
「堀の内」 春風亭一之輔
「うた」 さだまさし
「紺屋高尾」 立川談春
「八五郎出世」 立川志の輔
(らくごカフェに火曜会メンバー)
蜃気楼龍玉 柳家小せん 古今亭志ん陽
古今亭文菊 三遊亭天どん 金原亭馬玉
林家たけ平 柳亭こみち 柳家わさび
春風亭正太郎 春風亭一蔵 柳亭市弥
入船亭小辰 三遊亭わん丈 橘家文吾
@ 日本武道館
2019.2.28
DOMINIC MILLER
“THE ABSINTHE TOUR”
ニューアルバム "Absinthe(アブサン)" の名前が付いた
ドミニク・ミラーの来日公演に行ってきた。
残念ながら、日本でのニューアルバムの
発売日は明日なので まだ聴いていないのだけど。
と思って、今、Amazon Music チェックしたら
聴けるやん!
明日、CD 届くのに。
一昨年4月、スティングのツアーの合間に
来日したドミニク・ミラーの公演を観た。
その日のエントリーには、
「全体に演奏の緩急が素晴らしく、
ライヴは期待以上に良かった。
ライブに行く前より、
ドミニクの音楽を好きになった。
明日も行きたいぐらい凄く良かったよ」と
書いている。
というわけで、今回も楽しみにしていたのだ。
コットンクラブ4日間8公演、
今日はその初日の 2nd ショー。
一昨年のライヴは、ギター、ベース、ドラムの
トリオ編成だったけど、今回は
キーボードとバンドネオンが加わって、
5人編成。
バンドネオンが入るあたり、
この人はアルゼンチン人なんだと思い出す。
ベースは、一昨年と同じ Nicolas Fiszman。
ドラムは、Miles Bould から Ziv Ravitz に
替わっていたけど、この Ziv が良かったなぁ。
バンドネオンの Santiago Arias は、
「From Buenos Aires」と紹介されていた、
メンバーの中で一人だけ年が離れて若い。
同名のサッカー選手がいるが、別人。
キーボードの Mike Lindup は、
数曲で声も披露。
曲は、ニューアルバムからの曲も
あったようだが、定番の "Shape of My Heart"、
"Fields Of Gold" ももちろん演りました。
ドミニクは、演奏中お客さんの顔を眺め、
皆の反応を確かめるように演奏していたのが印象的。
JAZZ 的な要素がないわけではないが、
JAZZ でもない ROCK でもない、
独特のインストゥルメンタルの世界。
前作と新作は、ECM というレーベルから
出ている。
(あんまり詳しくないのだけど)
ECM は、JAZZ の中でも
独自の地位を築いているという印象で、
ドミニクの音楽は、ECM らしいと思う。
"Rush Hour" のような激しいのは、
ちょっと違うけど、これがカッコ良かった。
アンコールは「何かソフトなのを」と言って
"Fragile"。
やっぱり、好きやな。
こういうの。
ライヴは週末もあるせいか、
今日はお客さんが少なかったけど、
最後はスタンディング・オベイションでした。
ギターは、ヤイリ(日本のメーカー)の
黒いエレガット。
これが小さいボディなのにええ音しとる。
弾きやすそうやし、欲しいなぁ。
オーダーすると、40万円ぐらいで
同じものが作れるらしい。
人生で、まだギターをオーダーしたことは
ないので、1本ぐらい作ってみたいなぁ。
Taylor のアコギもステージにあったけど、
このライヴでは弾かず。
[ MEMBERS ]
Dominic Miller (g)
Mike Lindup (key,p)
Nicolas Fiszman (b)
Ziv Ravitz (ds)
Santiago Arias (bandoneon)
@ COTTON CLUB
日本公演は、
2/28(木)〜3/3(日) 東京 COTTON CLUB の他、
2/27(水) 名古屋 THE BOTTOM LINE
3/4(月) 神戸 メリケンオリエンタルホテル
3/5(火) 神戸 Chicken George
このあとノルウェー、ドイツ、フランス、
イギリス、デンマークなどヨーロッパを
周るようだ。