2024年 MUSIC
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2024.1.13
吾妻光良&The Swinging Boppers
2年ぶり4回目となる、
「吾妻光良&The Swinging Boppers」のライヴ。
前回も「米国の音楽のコピーという感じがしない」と
書いたのだけど、今回もそれは強く感じた。
「ジャンプ・ブルース」は完全に吾妻さんの
血肉になっていると思う。
吾妻さんは、ワイヤレスでエレキギターを
弾きながら登場。
ギターは、テレキャスターとマンドリンの
ダブルネック。
「テレドリン」と言っていた。
なんでも数年前、酔っぱらってポチったそうな。
メインで使ったのは、ゲイトマウス・ブラウンの
でっかいサイン入り ES-335。
吾妻さんのギタープレイは素晴らしい。
上手く書けないけど、なんだか解放されているんだ。
そして、この人自身がもうブルースなんだと思う。
途中、バスドラムの皮が破けるという事故が
あったけど、その皮の交換中も含めて、
素晴らしいライヴでした。
また観たい。
@Billboard Live TOKYO
2nd show
2024.1.15
STEVE GADD BAND
JAPAN TOUR 2024
featuring MICHAEL LANDAU,
TRAVIS CARLTON,
JEFF BABKO & WALT FOWLER
昨年10月、Blicher Hemmer Gadd で
来日したばかりだが、今度は自身のバンド
「スティーヴ・ガッド・バンド」で来日の
スティーヴ・ガッド。。
今回のジャパン・ツアーでは、
12日の山形テルサを皮きりに
ブルーノート東京 5日間10公演、
石川県立音楽堂、コットンクラブ(東京)、
ビルボートライブ大阪、高崎芸術劇場、と周る。
78歳(今年79歳)だというのに
なんて精力的なんでしょう!
メンバーは、昨年1月の来日時と同じ。
マイケル・ランドウは、ハムバッキング2発の
ストラトキャスター。
職人芸を堪能したよ。
トラヴィス・カールトンは、昨年同様、
ガッドを食いつくように見ながらの演奏。
ちょっと太り過ぎなのが気になるな。
身体壊すぜ。
曲は、『I Can't Turn You Loose』で
始まり、(この曲好きなんやなぁ、ガッド)
D. スピノザの『Doesn't She Know By Now』、
K. ジャレットの『Country』、
新曲だという『Fish for Dinner』、
『Put It Where You Want It』など。
個人的には『Country』が嬉しかった。
月曜日だというのに、会場はほぼ満席のようで
ガッドの人気の高さを感じたね。
マイケル・ランドウ目当てのお客さんもいるだろうけどね。
[ MEMBERS ]
Steve Gadd (ds)
Michael Landau (g)
Travis Carlton (b)
Jeff Babko (key)
Walt Fowler (flh,tp)
@ Blue Note TOKYO
2nd show
2024.1.23
PAT METHENY & RON CARTER
with JOE DYSON
パット・メセニーのこのたびの来日は、
ソロ・ギター公演とロン・カーター、ジョー・
ダイソンとのトリオ公演、合わせて18日30公演だ。
今日は、ブルーノート東京でトリオの6日連続
公演の初日 2nd show を観てきた。
パット・メセニーとロン・カーターの組合せは
そうそう観られることはないだろう。
会場は満席のようだった。
どんな曲を演るのか全く予想もせずに行ったが、
ほとんど知っているスタンダードだった。
『All Blues』、『Just Squeeze Me』、
『Milestones』、『Stella By Starlight』、
『Sunny』、『So What』など。
アンコールは、『Cantaloupe Island』
考えてみれば、パットのオリジナルは、
パット・メセニー・グループで演るわな。
何年か前にパットを観たときは、
あまりに完璧すぎて、ちょっと面白みに
欠けたとさえ思った記憶があるが、
今日は、そんな風には感じなかったよ。
ギターは、アイバニーズのパット・メセニー・モデル。
来週からのソロ・ギター公演も観に行きます。
[ MEMBERS ]
Pat Metheny (g)
Ron Carter (b)
Joe Dyson (ds)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
2024.1.25
BILLY JOEL
昨日は、東京ドームでビリー・ジョエルを観てきた。
ビリーを生で聴くのは初めて。
16年ぶりの来日だったらしいが、
コンサートは、昨日の一夜限り。
おそらく全国から、ファンが訪れていたことだろう。
74歳とは思えない、歌声。
アンコールを入れて 2時間25分ぐらい。
素晴らしいエンタテイメントだった。
ドラマチックなオープニング曲(映画『ナチュラル』の
テーマ曲らしい)から、ベートーベンの「第九」を
イントロにして、1曲目は『My Life』。
聴きたい曲は、『Just the Way You Are
(素顔のままで)』を除いて全部演ってくれた。
なんで『Just the Way You Are』は
演らなかったんだろな。
全曲良かったけど、一番グッと来たのは、
本編最後に演った『Piano Man』。
これは、予想通りの感動。
ハーモニカのホルダーを着けただけで、
会場が「おぉ~!」ってなったよ。
そして、全く予想していなかったのに
感動してしまったのは『イノセント・マン』。
MCで「高音は、出なくなって30歳の時に
さよならしたんだけど、この曲には高音が
出てくるんだ。唄えるかな?」というような
ことを言ってからの『イノセント・マン』。
これが凄かったなぁ。
途中の「アーア~」ってとこで、泣きそうになった。
なんだか、ビリーの覚悟というか本気具合が
伝わってきたよ。
始まって数曲は、ピアノを弾きながら
唄ったんだけど、そのあとスタンドマイクの
前に立って「I’m not Mick Jagger」と
言ったら、ギターが『Start Me Up』を弾き出したんだ。
ギャグでイントロだけでやめるのかと思ったら、
ワンコーラス歌ったよ。モノマネで。
歌い終えてひとこと。
「I told you. I’m not Mick Jagger」
(言うたやろ、オレはミック・ジャガーちゃうねん)
とにかくオーディエンスを楽しませてくれる。
『Zanzibar』では、『さくらさくら』をイントロに
交えたり、『ライオンは寝ている』で
素晴らしいハーモニーを聴かせてくれたり、
ギターの人が『誰も寝てはならぬ』で
素晴らしい声を聴かせてくれたり。
ビリーの曲は25曲演ったんだけど、
知らない曲は2曲だけだったと思う。
そんなにビリーを聴き込んだ覚えはないんだけど、
それだけ多くの曲を知っていたんだな。
アンコール最後は、『You May Be Right』。
この曲、高校3年生の時、バンドで文化祭で演った。
ヴォーカルは、私。
若いって、怖さも恥も知らないんだよ。
終演後、駅へと向かう中で、
私と同年代のおじさん二人組が、
「(観客に)もっと若い人がいると思ったら、
おじさんおばさんばかりだった」と言っていたけど、
チケットが高くなっていることも原因の一つじゃないかと思う。
昨日のコンサートの料金は、次の通り。
VIP SS 席 \100,000
VIP S 席 \50,000
バルコニー席 \35,000
S 席 \24,000
A 席 \16,000
B 席 \12,000
A 席や B 席はたぶん数が少ないのですぐに
売り切れただろう。
私は、24,000円のS席だったけど、
ステージに対して、かなり斜めで、
正面を90度とするなら、30~40度ぐらい。
照明の柱が邪魔でバンドメンバーは
ほとんど見えないような位置だった。
それでも S 席やからなぁ。
きっと A 席や B 席はもっとひどいんだろな。
[ MEMBERS ] 分かる限りで
ビリー・ジョエル(vo, pf, harm, gt)
マイク・デルジュディス(gt, vo)
? (gt)
? (key)
チャック・バーギ(dr)
マーク・リヴェラ(sax)
カール・フィッシャー(tp)
クリスタル・ タリエフェロ(sax, vo, perc)
@ TOKYO DOME
[ SETLIST ]
01. My Life
02. Movin’ Out
03. The Entertainer
04. Honesty
05. Zanzibar
06. Start Me Up [ザ・ローリングストーンズ・カバー]
07. Innocent Man
08. The Lion Sleeps Tonight
09. The Longest Time
10. Don’T Ask Me Why
11. Vienna
12. Keeping The Faith
13. Allentown
14. New York State Of Mind(ニューヨークの想い)
15. The Stranger
16. Say Goodbye To Hollywood(さよならハリウッド)
17. Sometimes A Fantasy(真夜中のラブコール)
18. Only The Good Die Youn(若死にするのは善人だけ)
19. The River Of Dreams
(途中 クリスタル・ タリエフェロがアイク&ティナ・ターナーの
「River Deep,Mountain High」を歌唱)
20. Nessun Dorma(誰も寝てはならぬ)(Vo:マイク・デルジュディス)
21. Scenes From An Italian Restauran(イタリアン・レストランで)
22. Piano Man
--ENCORE--
23. We Didn’T Start The Fire(ハートにファイア)
24. Uptown Girl
25. It’S Still Rock N Roll To Me(ロックンロールが最高さ)
26. Big Shot
27. You May Be Right(ガラスのニューヨーク)
2024.2.4
PAT METHENY
Dream Box Solo Tour
パット・メセニー、先日のトリオに続いて、
今日はソロギター公演。
ブルーノート、6日間12公演の最終公演を観てきた。
最終日ということもあってか、超満員な感じ。
今日の席は、ステージの上手側真横。
椅子の位置でいうと、パットより1メートルぐらい
後ろなので、やや斜め後ろから観るような感じだった。
ホールであれば、完全に舞台袖だ。
これまた、他の席と同じ料金だということに
疑問が湧くが、公演内容によっては、
ここが特等席であることもあるだろう。
しかし、今日の場合、ギターを弾く指が
全く見えないというのは、不満だな。
まあ、しょうがない。
開演前、ステージ上には、ギターが
3本用意されていた。
アイバニーズのパットモデル、
エレアコとエレガット。
スチール弦のエレアコは、テイラーっぽかったが、未確認。
エレガットは、メーカー不明。
ピックガードの代わりにテープのようなものが
貼ってあるように見えた。
残念なことに、始まって2曲目で強烈な睡魔。
アンコールを入れて90分あったのだけど、
起きていたのは、30分ぐらいだろうか。
あとは、うつらうつらとしながら、
聴いているような聴いていないような感じ。
パットの初めてのソロギター・ツアーだと
いうのにもったいないことをした。
途中、1曲「ピカソ・ギター」も登場。
アンコールでは、舞台後ろに隠されていた
色んな楽器が露わにされた。
「The Orchestrion Project」の再現だ。
まさかナマで観られるとは思ってなかった。
ギターシンセも飛び出し、観客は大興奮!
改めてパットは、奇才だと思った。
こんなこと、考えて実現してしまう人、
世界にいないよね。
興味のある人は、YouTube で
the orchestrion project pat metheny
で、ググってみてください。
[ MEMBERS ]
Pat Metheny (gt)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
2024.3.1
ボブ・マーリー
ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ
レゲエ・サンプラッシュ
REGGAE SUNPLUSH
もう30年以上も前にFMラジオで、
Pink Cloud のベースの加部正義が、
「ボブ・マーリーがロンドン公演に行った時、
飛行機を降りて『こんな寒い所では
演奏できない』と言って帰ったらしい」と
言っているのを聞いた覚えがあるが、
たぶんガセネタだったんだろうな。
ボブ・マーリーの有名なライヴ盤は、
ロンドンのライヴだもん。
さて、今日はボブ・マーリーの映画を観てきた。
タイトルに「ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・
ジャマイカ」とあったので、てっきりボブ・マーリーの
ライヴ中心のドキュメンタリーだと思っていたら、
109分の上映時間で、ボブのライヴは、
後半の40分ほどだった。
それもそのはず、原題は
「Reggae Sunplush」なんだ。
「Reggae Sunplush」というのは、
1979年7月にジャマイカで開催された
レゲエのフェス。
この映画は、その模様を収録した
ライブ・ドキュメンタリーで、ボブの
ジャマイカでのラスト・ライヴの記録。
私は、レゲエに詳しくないけど、
ロックやポップスを演っていれば、
避けては通れない音楽なので、
少しは知っている。
とはいえ、人生で観に行ったことのある
レゲエのライヴ・コンサートは、1982年に
"Try Jah Love" が大ヒットした「サード・ワールド」だけだ。
もう40年以上前だけど、リズム(ドラム)が
凄かったという覚えがある。
ググってみて初めて知ったけど、
"Try Jah Love" が収録されていたアルバム
『You've Got the Power』は、
なんとスティーヴィー・ワンダーが
プロデュースだったんだな。
話を映画に戻そう。
そのサード・ワールドの他に ピーター・トッシュ、
バーニング・スピアなどが出演。
スクリーンからハッパ(マリファナ)のニオイが
してきそうだった。
マリファナのことを、ジャマイカでは、
ガンジャと呼ぶらしい。
レゲエは、ただのポップ・ミュージックではなく、
その背景には、宗教があり、政治があり、
貧困があり、奴隷制度からの長い歴史がある。
平和ボケ日本人の私には、とてもじゃないが
理解できない深さがある。
そういえば、若い頃『アイ・ショット・ザ・シェリフ』の
歌詞を訳そうとして、意味が分からず
挫折した覚えがあるよ。
『ノー・ウーマン、ノー・クライ』の意味だって、
「女がいなけりゃ涙も出ねえ」かと思いきや
結局、女性に向かって「泣くなよ」と
歌っているんだし、ジャマイカのことや
ジャマイカ英語についても理解がないと、
分からないんだと思う。
でも、そんなディープな背景を全く
知らなかったとしても、あのゆったりした
リズムに身をゆだねていると、
脳内で何かが分泌されて来るのが
分かるんだよな。
ハッパなんてなくても。
ボブのバンド、ザ・ウェイラーズのギターが、
ヤマハのSGだったのは、興味深かった。
もう一人のギターは、ギブソン(レスポール)の
ようだったけど。
ベースも ヤマハ(BB)のように見えた。
もしかしたら、その年の4月に彼らは最初で最後の
来日を果たしているので、その時に買ったか、
もらったのかもな。
ピーター・トッシュは背中に「一番」と
書かれた半纏を来ていたよ。
ボブ以外の多くのミュージシャンが、
汗だくになりながらも、長袖だったのは、
ファッションなのだろうか。
その暑苦しさが、また熱い。
レゲエ・サンプラッシュには出演していないんだけど、
太鼓と歌だけで、「これがレゲエだ」と
演奏する3人組が、エレキギターや
シンセサイザーを使って演奏することを
批判していた。
「彼らのやっているのは、金儲けだ」と。
なんだか印象に残った。
当時のジャマイカの街の様子なども
興味深い。
映画の終わり方が、突然な感じで残念。
ボブは、1981年に病気で他界。
36歳だったんだ。
★★★★☆
上映時間/1時間49分
製作年/1980年
製作国/西ドイツ・ジャマイカ合作
2024.3.5
佐野元春&THE COYOTE BAND
今何処 TOUR
2023.9.3 東京国際フォーラム
1980年に佐野元春が登場した時のことは、
はっきり覚えているよ。
毎週、土曜日(だったと思う)深夜に
放送されていたライヴ番組『ファイティング 80’s』で
初めて観たんだ。
ギター中心の音楽ばかり好んで聴いていた私には、
ピアノを弾きながらシャウトする彼の姿に、
なんだか、今までにないタイプの人が出てきた、
と新鮮に思った覚えがある。
その佐野元春のライブ Blu-ray と CD が、
明日3月6日に完全生産限定で
2作同時リリースされる。
その発売を記念して、今日、全国7都市の
映画館でこのライブ映像が一夜限りで
プレミア上映された。
私は、20年以上前に一度だけ、
佐野元春のライヴを観たことがある。
渋谷のNHKホールか、渋谷公会堂か
どちらかだったと思う。
当時の彼のバンド「THE HOBO KING BAND」の
ギターが佐橋佳幸さんで、佐橋さんが
私の勤めるバーのお客さんだったことから、
チケットを頂いたんだ。
ちょうどその頃リリースされた『THE BARN』は、
初めて買った佐野元春のアルバム。
彼の音楽は、たくさんは聴いていないんだけど、
このアルバムは結構好きだったな。
話を戻そう。
そのプレミア上映会に行ってきたよ。
東京は抽選に外れて、横浜の桜木町にある
ブルク13という映画館に。
昨年9月3日の東京国際フォーラムに
於けるコンサートのライヴ・フィルム。
ギターは佐橋さんじゃなく、バンドメンバーは、
おそらくは30代から40代ぐらいの若い(?)人たち。
バンド名も「THE HOBO KING BAND」
ではなく、「THE COYOTE BAND」だ。
ライヴはスクリーン越しにも、
もの凄い熱量が伝わってきたよ。
コロナ明け初の本格的なツアーだったのかも知れない。
私が、関係者であっても観客であっても、
このライヴを映像作品として
残したいと思っただろう。
佐野の歌詞は、社会批判や風刺とも
取れるものもあるが、民衆へのメッセージは
あくまでも肯定的だ。
「でもひとつだけ約束して欲しい
キミの魂、無駄にしないでくれ」
「明日がなければ意味がない
怖がるばかりじゃきりがない」
「愛が分母、愛が分母なら Say Yeah」
「だからもう一度あきらめないで
まごころがつかめるその時まで」
「今までのキミは間違いじゃない」
「これからのキミは間違いじゃない」
そんなメッセージに多くのファンが、
支えられてきたことが、今も人気が
衰えないことの要因のひとつだろう。
新しいアルバムからの曲が多かったようで
知っている曲は、3曲ほどしかなかったのに、
「僕達は大瀧詠一も PANTA も清志郎も
坂本龍一もいない世界に生きている。
彼らの新しい音楽を聴けないのは寂しいけど、
僕はまだこうして続いています。
彼らの残してくれたものを忘れないように」
(言葉は、正確ではないと思うけど)と
言って、始めた『サムデイ』で、泣いてしまったよ。
画像は、抽選がはずれた東京国際フォーラムのもの。
でも、そのせいで良い席で観られた可能性も大。
[ MEMBERS ]
佐野元春 & THE COYOTE BAND
Gt, Pf, Vo:佐野元春
Dr:小松シゲル
Gt:深沼元昭, 藤田顕
B:高桑圭
Keys:渡辺シュンスケ
[ 曲目リスト ]
1. さよならメランコリア
2. 銀の月
3. クロエ
4. 植民地の夜
5. 斜陽
6. 冬の雑踏
7. エンタテイメント!
8. 新天地
9. 愛が分母
10. ポーラスタア
11. La Vita e Bella
12. 純恋 (すみれ)
13. 詩人の恋
14. エデンの海
15. 君の宙
16. 水のように
17. 大人のくせに
18. 明日の誓い
19. 優しい闇
EC1. 約束の橋
EC2. Sweet16
EC3. サムデイ
EC4. アンジェリーナ
2024.3.6
渡辺貞夫
Sadao Watanabe AFTER YEARS
昨年12月3日のサントリーホール以来、
3ヶ月ぶりの貞夫さんのライヴ。
会場は、葛飾区のシンフォニーヒルズ、
アイリスホール。
シンフォニーヒルズには、1318席のモーツァルト
ホールと 298席のアイリスホールがある。
ジャズには、アイリスホールぐらいの会場の方が良い。
貞夫さんは、先月91歳になられた。
91歳で(国内とは言え)ツアーをしている
ミュージシャンは、世界でも数えるほどだろう。
貞夫さんのウェブサイトを見ると、
毎月数か所ずつだが、全国を周っている。
一体どうしたら、あんな風な 91歳に
なれるんだろうかと思う。
これだけは、なろうと思ってなれるものでは
ないだろうな。
奇跡の人だと思う。
さて、今日の貞夫さんも 90超えとは
思えぬトーンを放っていた。
時々、思い通りではないのだろうなと思う場面は、
あったけど、それにしてもロングトーンも、
速いフレーズも衰えを知らないかのようだった。
メンバーは、日本人メンバーとしては、
ここのところほぼ固定とも言える
ピアノの小野塚晃さん とドラムの竹村一哲さん。
ベースは、新しいメンバーの三嶋大輝さん。
「三嶋大輝 31歳、私 91歳」と紹介していた。
ついでに「オレ、61歳」
今日は、いつもよりドラムソロが多かったような
気がする。
竹村一哲、良いよなぁ。
彼のドラム、好きだなぁ。
次は5月、新日本フィルとの再演です!
[ MEMBERS ]
渡辺貞夫 (as)
小野塚晃 (p)
三嶋大輝 (b)
竹村一哲 (ds)
[ SETLIST ]
1. Peace
2. Just Friend
3. I Concentrate On You
4. Early Spring
5. Deep In a Dream
6. Tadd's Delight
7. Lopn'
8. Episode
-- 休憩 --
9. Samba Em Preludio(たぶん)
10. Mahna De Carnaval
11. Waiting Song
12. Eu Sei Que Vou Te Amar
13. Passo De Doria
14. One For Jojo
15. I'm a Fool to Want You
16. Chega De Saudade
17. Life Is All Like That
Ec. Carinhoso
@ かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール
2024.3.12
エリック・カルメン
Eric Carmen
エリック・カルメンが死去した。
享年74歳。
エリック・カルメンといえば、
『All By Myself』が思い浮かぶ。
というか、その曲ぐらいしか私は知らないんだ。
私にとってのエリック・カルメンは、
例えばニルソンの『Without You』や、
10cc の『I'm Not in Love』のように、
他の曲は知らないけど、強烈な1曲が
あるタイプのひとりなんだ。
『All By Myself』は、多くのシンガーに
カバーされてきた。
有名どころでは、セリーヌ・ディオンや
マライア・キャリーも唄ってた。
リフレインが哀しく切ない。
All by myself(ずっとひとり)
Don’t wanna be(そんなんイヤや)
All by myself(全部ひとり)
Anymore(もういややねん)
ここに書いていなかったけど、1月には、
マリーナ・ショウ(ジャズ・シンガー/享年81歳)、
ディーン・ブラウン(ギタリスト/享年68歳)も
逝ってしまった。
今月10日には、T.M.スティーヴンス
(ベーシスト/享年72歳)も。
この3人は、ナマでも観たことのある人達だった。
日本国内では今年に入って、
歌手の冠二郎(享年79歳)、
写真家の篠山紀信(享年83歳)、
女優の山本陽子(享年81歳)、
指揮者の小澤征爾(享年88歳)、
そして、最近では漫画家の
鳥山明(享年68歳)が亡くなった。
私は、死は忌み嫌うものではないと
思っているけど、人がいなくなることは、
さびしく哀しい。
そして、ますます、年と共に死がリアルに
なってきている。
年を取るとは、こういうことなんだな。
合掌。
2024.3.19
ロッド・スチュワート
ROD STEWART
明日はいよいよロッド・スチュワートのコンサート。
13年ぶりの来日ということだが、
私は、1981年の大阪フェスティバルの公演以来
43年ぶりとなる。
すごいなぁ、43年ぶりは私の数々のライヴ鑑賞の
中でも初ですな。
もの凄く楽しみで、今日は久しぶりに DVD
『One Night Only: Rod Stewart Live at Royal Albert』
を観たよ。
このDVDは 以前にも観て、素晴らしいのは、
もちろん知っているのだけど、ライヴビデオを観て、
こんなに幸せになれるんやと驚くほど素晴らしい。
永久保存版です。
2004年 ロッドが59歳の時のライヴなのだが、
めちゃくちゃカッコ良いのです。
観客との一体感や平和感も最高。
そして、それから20年、明日会えるロッドは、
79歳なのだ。
さて、どんなステージを観せてくれるのでしょう。
一時、JR目黒駅構内に貼られていたポスター
[ 関連エントリー ]
2011.7.15 Rod Stewart
2013.5.15 ロッド・スチュワート
2023.11.17 ROD STEWART 来日決定!
2024.3.20
LIVE IN CONCERT
ROD STEWART
ONE LAST TIME
ロッド・スチュワートのコンサートに行ってきた。
タイトルにある「One Last Time」は、
「最後にもう一度」という意味になるらしい。
今年で 79歳になったロッド・スチュワート、
13年ぶりの来日ということだから、
今回の来日が最後になるだろうと言われている。
さて、会場は、有明アリーナ。
チケット代は、コンサート・チケットとしては、
人生史上最高値。
S席2万円の上、GOLD席 3万5千円。
といっても、前から50列目ぐらいだったよ。
GOLD席ということで、「GOLDグッズ」が付いている。
もうそういうのは どんどん興味がなくなってきていて
あんまり欲しくないんだけど、良い席で観るために
GOLD席にしたんだ。
入り口で配られた「GOLDグッズ」は、トートバッグ、
ハンドタオル、ピンバッジ、ラミネートパス&ストラップ。
うーん、微妙やなぁ。
販売グッズのTシャツも残念ながら、買う気にならない。
デザインがね・・・。
おまけに Tシャツ 6,000円。(高!)
何もかもが値上がりしてるなぁ。
さて、コンサートは定刻17時を数分過ぎて始まった。
1曲目からアリーナは総立ちだ。
バンドは、総勢13名。
ギターがふたり、キーボード、ベース、ドラム、
サックス、パーカッションがふたりで
このうち女性の方はハープ、キーボードも担当、
コーラスが3人、バイオリンがふたりで彼女らは、
ギター、バンジョー、マンドリンも弾いた。
なんというか、華やかなステージ。
ステージ後ろと横のスクリーンに映し出される
映像も凝っていて楽しめた。
ロッドは、踊るし、ステップ踏むし、
79歳とは思えないパフォーマンス。
カッコ良すぎるな。
そして、オシャレ。
最初はゼブラ柄のシャツにジャケットで登場したが、
その後3回着替えたよ。
2着目は、音符がらのシャツ、
3着目は、白黒の柄のシャツ。
4着目は、ちょっとフォーマルな感じでネクタイもしてた。
着替えタイムは、バンドが演奏してたり、
コーラス隊の歌が入ったりで繋いでた。
コーラスの誰かがメインで歌うのが2曲あったかな。
"I Don't Want to Talk About It" と
"You're In My Heart" のサビの会場一体となっての
合唱は良かったなぁ。
"I'd Rather Go Blind"(エタ・ジェームスのカヴァー)
も渋かった。
ティナ・ターナーとデュエットしていた
"It Takes Two" をやる時には、昨年亡くなった
ティナの写真が映し出された。
そういえば、フリートウッド・マックの
クリスティン・マクヴィー(2022年死去)の
写真も映し出されたけど、残念ながら
MCのヒヤリングが出来ず。
本編ラストは、"Do Ya Think I'm Sexy"。
ええ、ええ、十分セクシーです。
79歳なのに、男の色気がプンプンしてます。
昨日DVD 『One Night Only:
Rod Stewart Live at Royal Albert』を観て、
Amazonの商品説明を読んだら、
「当時59歳とあって、さすがに "Do Ya Think
I'm Sexy" は歌わない」と書いてあったので、
今日も演らないかもなと期待せずにいたんだけど、
やりましたぜ。
79歳のジジイの "Do Ya Think I'm Sexy"
サイコーでっせ。
私は、1975年から1980年あたりのロッドが
大好きなので、その辺りの曲を
たくさん演ってくれると最高なんだけどなと、
思っていたんだけど、
アルバム『ATRANTIC CROSSING』(1975)
から "I Don't Want to Talk About It" と
"Sailing"、
『NIGHT ON THE TOWN』(1976)から
"First Cut Is The Deepest"、
『FOOTLOSE AND FANCYLOOSE』
(明日へのキックオフ)(1977)から
"You're In My Heart"、
『BLONDES HAVE MORE FUN』
(スーパースターはブロンドがお好き)(1978)
から "Do Ya Think I'm Sexy"
『FOOLISH BEHAVIOUR』(パンドラの匣)
(1980)から "Passion" を演ってくれたよ。
欲を言えば、"Tonight's the Night"や 、
"Hot Legs"、"People Get Ready"、
"Twistin' the Night Away" なんかも聴きたかったけどね。
まあ、何を演ってくれてもナマのロッドを観て
聴けただけで幸せだよ。
同じ年のエリック・クラプトンが地味に感じるほど、
ロッドは華やか。
まさにスーパースターって感じ。
エリックとは、芸風も目指しているものがも
違うから比べなくて良いんだけど。
ポール・マッカートニーやミック・ジャガーとも
違う華やかさで、ザ・エンタテイメントって感じ。
ミュージシャン、アーティスト、シンガーというより
スーパースターという言葉が、一番ピッタリくる人だと思った。
43年前に観た1981年の大阪公演では、アンコールはなく、
"Sailing" も聴けなかったのが心残りだったけど、
43年経って、満たされたよ。
今日のDVD 出ないかなぁ。
MC の意味も結構あったので知りたい。
DVD にカットされずに収録されたら
字幕付くでしょう。
オフィシャルでリリースされなくても
たぶん、ブートが出回るだろうな。
その場合、字幕は期待できないか。
スクリーンのに映るロッドをスマホで撮ったもの
[ SETLIST ]
1. Infatuation
2. Ooh La La (Faces song)
3. This Old Heart of Mine
4. It's a Heartache
5. Forever Young
6. Have You Ever Seen the Rain? (CCR cover)
7. Baby Jane
8. The First Cut Is the Deepest
9. Maggie May
10. Passion
11. I'd Rather Go Blind
12. Young Turks
13. Downtown Train
14. I'm So Excited (The Pointer Sisters cover)
15. I Don't Want to Talk About It
16. You're in My Heart
17. Have I Told You Lately
18. Lady Marmalade
19. It Takes Two
20. Some guys have all the luck
21. Da Ya Think I'm Sexy?
EC1. Sailing
EC.2 Sweet Little Rock 'n' Roller
@ TOKYO 有明アリーナ
2024.3.21
永井"ホトケ"隆 × 山岸潤史
Special Guest 上田正樹
もう40年ぐらい前に一度だけ、
ウエスト・ロード・ブルース・バンドの
ライヴを観たことがある。
たぶん、大晦日にやってたオールナイトの
ライヴ・イベントだったと思う。
私の記憶が間違っていなければ、
会場は梅田コマ劇場。
その時、キー坊(上田正樹)も
弾き語りで出演していたような気がするが
定かではない。
さて、今日は70年代の関西のブルースブームを
引っ張った、ウエスト・ロード・ブルース・バンドの
ヴォーカリストである永井“ホトケ”隆と
同バンドのギタリストだった山岸潤史の
ユニットに、これまたリズム&ブルースの雄、
上田正樹がゲストという濃いいライヴを観てきた。
まず6曲か7曲、ふたりで演ったのだけど、
録音したかったぐらい良かった。
そして、キー坊の登場。
相変わらず、独自の世界に連れて行ってくれます。
74歳だけど、全く衰えておりません。
3人ともキーや、エンディングを覚えられないと
言ってたけど。
後半、キー坊のバンドのコーラス、Yoshie.N も参加。
山岸さん曰く、
「おっさんによる、おっさんのための
おっさんのブルース」ということで、
コテコテの関西弁の MC が続く。
キー坊曰く、
「近所のおっさんが将棋盤囲んでやってる話」
まあ、それがおもろい。
そして、演奏、歌は渋い。
山岸潤史 70歳、
永井“ホトケ”隆 73歳、
キー坊 74歳と、3人とも 70代。
半世紀、ブルースを演ってる。
すごいなぁ。
最近録音したので、CD が出るらしいが、
いつになるか分からないとのこと。
早く出ないかなぁ。
山岸さんのギターは、Fender の
Highway Series Dreadnought。
最近発売されたエレアコのシンライン風ギター。
ピックは使わず全編親指で弾いてた。
「このギターええわぁ」と べた褒めでした。
確かにええ感じやった。(ちょっと欲しい)
ちょっとハウリそうなのを上手くコントロールしてた。
後ろにテレキャス・タイプ(たぶん Moon製)が
控えにおいてあったけど、それは使わず。
永井さんは、赤いテレキャスター・タイプ。
(ロゴが見えずメーカー不明。)
昨日のロッド・スチュワートは、35,000円で
有明アリーナで15,000人(?)。
今日は、コットンクラブ、7,500円で、
180人くらい。
どちらも素晴らしく、音楽の深みや感動は、
そんな数字には全く関係ないんだよなぁ。
山岸さんは、現在ニューオリンズ在住で
来日(?)中。
明日は、高円寺のジロキチで
「3匹のSAMURAI(天然記念物)」
(山岸潤史/小島良喜/八木のぶお)の
ライヴを観てきます。
[ MEMBERS ]
永井“ホトケ”隆 (g,vo)
山岸潤史 (g,vo)
上田正樹 (vo)
Yoshie.N (vo)
@ COTTON CLUB
2nd show
2024.3.22
3匹のSAMURAI(天然記念物)
山岸潤史 (g) 小島良喜 (key) 八木のぶお (harp)
久しぶりに高円寺の JIROKICHI に行ってきた。
昨日に引き続き、山岸(潤史)さんのライヴ。
今日は、大好きなピアノの小島さんも一緒なので
観ないわけにはいかない。
行く前からきっとおもろいとは思っていたけれど、
やっぱり良かった。
今日の山岸さんのギターは、昨日ステージ上に
控えとして置かれていた、ムーンのテレキャスター
シンライン・タイプ。
これもええ感じやったわ。
今日は、少しだけピックも使ってはりました。
山岸さんは、今日で8連チャンだと
言ってました。
昨日のコットンクラブの話も出てたけど、よく喋る。
「今日は、手数は少なく、口数多く」やて。
2ndセットの2曲目で、ゲストが登場。
ハーピストの仲村哲也(TEX 仲村)。
この人のことは、全く知らなかったんだけど、
1994年、リー・オスカーの後任として
アメリカのバンドWARのメンバーになった人。
現在は、いくつものバンドを掛け持ちしているという。
山岸さんもアメリカ在住だし、日本人だけど
ブルースの本場で活躍している人たちを交えての演奏だった。
もう半世紀もやってて、アメリカに住んどったら、
ホンモノと変わりないな。
小島さんのピアノもいつもより、
ニューオリンズ色が強く、ええ感じやったなぁ。
あと、ハープは二人とも素晴らしい。
このトリオでも、CD出して欲しい。
休憩入れて、2時間50分ほどあった。
昨日のコットンクラブは、入替制なので
70分ほどだったので、それに比べると
お得でたっぷり聴けました。
選曲も渋すぎです。
[ MEMBERS ]
山岸潤史 (g, vo)
小島良喜 (key)
八木のぶお (harp)
guest:仲村哲也 (harp)
@ JIROKICHI(高円寺)
[ SETLIST ]
1. C Jam Blues(デューク・エリントン)
2. The Preacher(ホレス・シルバー)
3. In A Sentimental Mood(デューク・エリントン)
4. Well, You Needn't(セロニアス・モンク)
--- 休憩 ---
5. Sun Goddess(ラムゼイ・ルイス)
6. A Hard Days Night(ザ・ビートルズ)
7. Smile Happy(ウォー)
8. (Blues)
9. (Ballad)
10. Hard Times(デヴィッド・ファットヘッド・ニューマン)
11. Hard Times(レイ・チャールズ)
12. The Battle Hymn of the Republic
EC. Hymn To Freedom(オスカー・ピーターソン)
2024.3.26
ロッド・スチュワートの余韻
先日、ロッド・スチュワートのコンサートに行って以来、
たびたび "I Don't Want to Talk About It" の
サビが口をついて出て来る。
サビの部分だけは、高校時代に覚えてしまったので、
忘れないんだ。
I don’t wanna talk about it
How you broke my heart
If I stay here just a little bit longer
If I stay here, won’t you listen to my heart?
Oh, my heart
その話したないねん。
どんだけ傷ついた思てんねん。
もうちょっとここにおったら、
ここにおったら、オレのこと聞いてくれるんか?
オレのことを。
(訳:つつみしんや)
(my heart に当たる大阪弁が思いつかなかった。)
この曲、ロッドのオリジナルだと思っていたら、
カバーだったんだね。
オリジナルは、ニール・ヤングのバックバンド、
「CRAZY HORSE」のデビューアルバムに
収録されている。(1971年)
書いたのは、ギターとリード・ボーカルの
ダニー・ウィッテンという人。
残念ながら、ダニーは1972年、
オーバードーズにより死亡。
この曲以外にもロッドは、たくさんの曲を
オリジナル以上にヒットさせている。
長い間、ロッドの曲だと思い込んでいた、
"Sailing" も「Sutherland Brothers Band」
というバンドのカバーだったんだ。
そのほか、私がロッドの曲だと思っていた、
つまりロッドの歌唱で知ったカバー曲は、次の通り。
カッコ内はオリジナル・アーティスト。
"This Old Heart of Mine" (The Isley Brothers)
"The First Cut Is the Deepest" (Cat Stevens)
"Some Guys Have All the Luck" (The Persuaders)
"Drift Away" (Mike Berry)
"It's Not the Spotlight" (Gerry Goffin)
など、もっとあると思う。
ほかにも結構たくさんカバー曲があるんだ。
アルバム『Smiler』では、チャック・ベリー、
サム・クック、キャロル・キングなどをカバーしてるし、
ビートルズの "Get Back"、
スプリームスの "You Keep Me Hangin' On"、
オーティス・レディングの "Try A Little Tenderness"、
などもレコーディングしている。
『Great American Songbook』シリーズや
『SOULBOOK』は、全部カバーだし。
今年発売されたジュール・ホランドのとのコラボ
最新アルバム『Swing Fever』は、
その名の通り、古いスイングの曲を集めたものだ。
ところで、先日のコンサートについて
プロのライターが詳しく書いてくれている。
私の知識不足で書けなかったことが、
全て網羅されているので、リンクを貼っておく。
ロッド・スチュワートにきっとまた会えると信じて
―感動と興奮が押し寄せた15年ぶりの来日公演
2024.3.29
ERIC CLAPTON
LIVE IN SAN DIEGO
WITH SPECIAL GUEST
JJ CALE
エリック・クラプトンが2007年3月15日に
開催したコンサートのライヴ映像、
『エリック・クラプトン ライヴ・イン・
サンディエゴ 伝説の一夜』が 劇場公開された。
今日が ロードショーだったんだけど、
渋谷のヒューマントラストシネマでは、
1日1回の上映。
初日にも関わらずガラガラだった。
まあ、私も今日までこのロードショーを
知らなかったぐらいで、この手の映画の
宣伝はあんまりされないんだな。
それに加えて、このライヴはすでにDVDでも
CDでも発売されているので、わざわざスクリーンで
観ようという気にならないのかも知れない。
(私は、CDは持っていたけど 映像は観ていなかった。)
なんでこれを今さら劇場で? という疑問もあるが、
「Screen The Live シリーズ」という
海外アーティストのコンサート映像を
劇場上映するシリーズのようだ。
さて、2007年3月というとエリックは、
その4月に 62歳になる前で 61歳。
今の私と同じだ。
私はこの3カ月前、2006年12月の武道館公演を
観ているので、バンドはその時とほぼ同じだけど、
サンディエゴの目玉は、J.J.ケイル がゲストで
登場することだったんだろう。
J.J.ケイル と一緒に演っているエリックが
とても嬉しそうで良い。
おそらく、エリックが J.J.ケイル の曲、
“After Midnight” や "Cocaine" を演っていなかったら、
私は、いまだに J.J.ケイル を知らずにいただろう。
(でも、調べてみるとほかのアーティストもたくさん
彼の曲を演っているのには驚いた。)
個人的には、このライヴで特筆すべきは、
J.J.ケイル よりも、ドラムが スティーヴ・ジョーダン、
ベースが ウィリー・ウィークスだったことと、
ギターに デレク・トラックスと ドイル・ブラムホール2、
ふたりを従えていたことだろう。
スティーヴ・ジョーダンのドラムが良い。
私が観たエリックのコンサートの多くは、
スティーヴ・ガッドだけど、同じスティーヴでも
全く違うタイプね。
ジョーダンは、めちゃくちゃ野性的というかワイルド。
そこにベースが、ウィリー・ウィークスという
強力なリズムなんだ。
2006年に観たライヴのことは覚えていなかったんだけど、
こんなに強烈だったのかと思った。
そして、私的ハイライトは、"Motherless Children"。
この曲、好きです。
デレクとエリックのイントロ、スライドのユニゾン。
そして、ドイルも並んで3人でスライド。
こんなこともう観られないよな。
デレクもまだ若く細いよ。
CDには収録されていた "Little Wing"、
"Little Queen of Spades" が、
カットされていたのは残念だな。
[ MEMBERS ]
Eric Clapton(g, vo)
Derek Trucks(g)
Doyle BramhalL II(g, cho)
Willie Weeks(b)
Steve Jordan(ds)
Chris Stainton(kbds)
Tim Carmon(kbds)
Michelle John(cho)
Sharon White(cho)
Robert Cray(g, vo)encore only
Special Guest :
J.J.Cale(g, vo)
[ TRACK LIST ]
01. Tell the Truth
02. Key to the Highway
03. Got To Get Better in a Little While
04. Anyday
05. Anyway the Wind Blows (with Special Guest JJ Cale)
06. After Midnight (with Special Guest JJ Cale)
07. Who Am I Telling You? (with Special Guest JJ Cale)
08. Don't Cry Sister (with Special Guest JJ Cale)
09. Cocaine (with Special Guest JJ Cale)
10. Motherless Children
11. Further On Up the Road
12. Wonderful Tonight
13. Layla
EC. Crossroads (with Robert Cray)
収録日 : 2007年3月15日
会場 : 米サンディエゴ、ペチャンガ・アリーナ
2024.3.31
渡辺香津美
緊急入院により活動中止
今日のニュースで知った。
ギタリスト渡辺香津美(70)が、
入院しているというのだ。
公式サイトには、
「渡辺香津美は2024年2月27日軽井沢の
自宅にて倒れ、緊急入院いたしました。
精査の結果、意識障害を伴う脳幹出血と診断され、
医師の診断に基づき本年度予定されていた
すべてのアーティスト活動を中止し、治療に専念いたします」
と報告がされている。
香津美のライヴは、何度も観ている。
数えていないけど、10回は優に超えるだろう。
最後に観たのは、2年前、2022年3月に2回、
渡辺香津美『JAZZ回帰プロジェクト』と
ヤマハサイレントギター発売20周年記念の
イベント「渡辺香津美とサイレントギターを楽しもう!」だった。
今回の入院は、「意識障害を伴う」とあり
今後が心配される。
症状は違うとは思うが、ラリー・カールトン、
パット・マルティーノ、マイク・スターン、
横田明紀男など、大変な状態から
復帰したギタリストも多い。
香津美さんもゆっくりで良いので、
復帰を強く願う。
がんばれ!
(2024.4.3 追記)
最後に観た香津美のライヴは、2022年5月17日、
「BLUE NOTE TOKYO meets CLASSIC
福田進一 with 渡辺香津美 & 沖仁」という
3人によるライヴでした。
2024.4.6
JAMES TAYLOR
本日は「死ぬまでに観ておきたいアーティスト・シリーズ」、
ジェイムス・テイラーを観てきた。
この「死ぬまでに観ておきたい」は、ふたつの意味で
私が死ぬまでであり、そのアーティストが
死ぬまででもある。
ジェイムス・テイラーは、実はそんなにたくさん
聴いてこなかったので、有名な数曲しか
知らないんだけど、やはりアメリカを代表する
シンガー・ソングライター。
一度は、ナマで聴いておきたい。
前回の来日が2010年というから、
14年ぶり(4回目)。
厳密には、2015年にも来日にしているのだが、
それは、彼のツアーとしてではなくて、
セイジ・オザワ・マツモト・フェスティバルで、
小澤征爾の80才を祝うためにはるばる来日したようだ。
(2015年を除くと)来日の頻度は、51年間で4回。
先月、76歳になったので、おそらくこれが
最後の来日になるのではないかと思う。
前回 2010年の来日は、キャロル・キングとの
ツアーだったんだ。
これは見逃して、惜しいことをした。
キャロル・キングは、もう 82歳なので、
来日は厳しいかな。
(グレン・キャンベルの新しいアルバムには、
キャロルとのデュエットも含まれているが、
現在の活動はよく分からない。)
さて、コンサート。
会場は、アクセスにやや不便を感じるが、
とてもステージが観やすい東京ガーデンシアター。
今年は、ビリー・ジョエル、ロッド・スチュワートと
大物のライヴを続けて観ているが、
ビリー、ロッド同様、ジェイムスも今夜、
一夜限りの公演だ。
定刻の18時を5分ほど過ぎて始まった。
ロッドの時は、登場しただけで
アリーナは総立ちだったけど、
今夜は落ち着いた始まり。
まあ、ちょっと音楽の種類もロッドとは違うよね。
バンドは「His All Star Band」。
ドラムは、スティーヴ・ガッド。
ベースは、ジミージョンソン。
キーボードが、ケヴィン・ヘイズ。
そして、ギターが、ディーン・パークス(77)。
マイケル・ランドウでなかったのは、やや残念だが、
ディーン・パークスを観るのは、もしかしたら
初めてだったかもしれない。
ディーンは、アメリカのセッション・ミュージシャンで
もの凄い数のアルバムに参加しているので、
知らず知らずに彼のギターを耳にしているはずだ。
アメリカのセッション・ミュージシャンの記事には
必ず登場する要人物。
ギターは、1stセットでは、ヤマハの Revstar。
メンバー紹介の時、ジェイムスはヤマハの
ギターのことにも触れていた。
2ndセットでは、たぶん PRS 。
私の席からは、ギターの見える角度が微妙で
確信はないのだけど、PRS のように見えた。
あと数曲でペダル・スティールを演奏。
ザ・職人という感じの演奏だった。
特筆すべきは、ハーモニーの美しさ。
ジェイムス以外にコーラスの人が3人いたのだけど、
素晴らしいハーモニーだった。
キーボードのケヴィン・ヘイズも何曲かで歌っていた。
コーラスの一人は、フィドルも演奏。
このフィドルとドラムのデュオになるシーンが
あって、素晴らしかった。
そうそう、ケヴィン・ヘイズとジミー・ジョンソンは、
スティーヴ・ガッド・バンドのメンバーでもある。
ジェイムスは、76歳を感じさせない歌声。
リズミカルな曲では飛び跳ねるほど元気。
そして、MC は相変わらず3割りぐらいしか
英語が聞き取れないのだけど、
とても誠実な人柄が伝わってきたよ。
バンドは、本当に素晴らしかった。
ジェイムスのメンバー紹介も とても丁寧で、
紹介するたびにそれぞれのメンバーと
握手やハグをして、彼のメンバーへの
愛と尊敬、感謝が感じられた。
あと、ジェイムスのギターの音が美しい。
何本も持ち替えたけど、同じメーカーのモノのように見えた。
曲は、聴いたことがある曲でも、
曲名があんまり分からないのだけど、曲名が言えるのは
『How Sweet It Is (To Be Loved by You)』や
『Up on the Roof』、『You've Got a Friend』など。
『You've Got a Friend』からは、奥様のキムさんが
コーラスとして参加。
休憩(30分ぐらいあったと思う)を入れて
アンコールまで、2時間30分ぐらい。
アンコールは、1曲演って、2曲目に
『Your Smiling Face』。
これは聴きたかったの嬉しい。
全員並んで挨拶し、これでおわりかと思ったら、もう1曲。
最後に、小澤征爾の話に触れ、
「This song for Seiji Ozawa」と言って
『You Can Close Your Eyes』。
奥様のキムは、ボストン交響楽団の
広報・マーケティング部長。
小澤征爾が、ボストン交響楽団の
常任指揮者だったこともあり、縁があるんだ。
前述のセイジ・オザワ・マツモト・フェスティバルへの
2015年の来日も、その縁のようだ。
ジェイムスは、日本のあと、フィリピン、オーストラリア、
ニュージーランド、ハワイを5月の初旬まで周る。
オフィシャルサイトのツアー・スケジュールを見ると、
オーストラリアは、10公演もある。
今日はそのツアーの初日だったわけだ。
そして、5月の終わりから9月まで全米ツアーなのだ。
元気やなぁ。
残念だったのは『Don't Let Me Be Lonely Tonight』を
聴けなかったことだな。
この曲は、ジェイムス・テイラーの曲なのだけど、
私は、何十年も前にアイズレー・ブラザーズで知った。
その真っクロなヴァージョンしか知らなかったので、
てっきり黒人の曲だと思い込んでいた。
だから、初めてオリジナル・ジェイムスのヴァージョンを
聴いた時は、ひっくり返るほど驚いたよ。
[ His All Star Band MEMBERS ]
ジミー・ジョンソン : bass
ディーン・パークス : guitar
スティーヴ・ガッド : drums
ケヴィン・ヘイズ :keys
アンドレア・ゾン : fiddle and vocals
ケイト・マルコウィッツ : vocals
ドリアン・ホリー : vocals
ゲスト)
キャロライン・”キム”・スメドヴィグ:vocals
@東京ガーデンシアター
2024.4.8
SILVIA PEREZ CRUZ
presents "Toda la vida, un dia"
スペインの歌姫、シルビア・ペレス・クルス。
2018年の初来日公演で、すっかり虜になり、
2019年には、名古屋まで観に行き、
東京と合わせて3公演も観た。
そのシルビアの約4年半ぶりの来日公演を観てきた。
今日は、1stショー、2ndショー続けて観たよ。
2018年は、弦楽五重奏と、
2019年は、ピアノのマルコ・メスキーダとの
来日だったけど、今回はトリオ(弦楽三重奏)と来日。
このトリオが凄い。
バイオリンのカルロス・モントフォートは、
1曲でトランペット、数曲でドラムを担当。
バック・コーラスもした。
チェロのマルタ・ローマもトランペットを吹いた。
また、ベースのボリ・アルベロは、1曲でシンセベースを弾いた。
シルビアは、ギターだけでなくサックスも吹いたよ。
メンバーは、4人だけど4人とは思えぬ演奏。
なんだろう、めちゃくちゃ楽しそうで、
1曲終わるたびに笑顔で握手したり、
何か楽しそうに話している。
あんまり感じたことのないバイブレーションだ。
生のストリングスのハーモニーって、
シンセサイザーで鳴らすのと全然違うから
もの凄く重厚でリッチ、そして厳か。
1stショーは、観やすかったけど比較的後ろの方だった。
ステージまで10メートルはあっただろう。
2ndショーは、中央の前から2列目。
手を伸ばせばシルビアに届きそうな距離だ。
アンコール以外は、1stショーと同じセットリストだったと思うけど、
伝わって来るバイブレーションは、全然違った。
ステージ上のメンバーの息遣いまで感じられそうな距離。
同じ曲でも、1stショーでは、聞こえていなかった音まで、
聴くことが出来た。
シルビアの素晴らしさについて、初来日を観た私は、
「重厚で情熱的、哀愁と慈悲の混在したような
エモーショナルな魂の歌声で予想以上に感動」と書いた。
2019年には、自分の語彙では表現できず
音楽評論家・渡辺亨さんの言葉を引用した。
曰く「シルビアの歌は、燃えさかる炎や
深紅の薔薇のようであり、乾いた土や孤独の匂いも
すれば、苦い血の味もする。
艶やかな光彩を放ち、官能が匂い立つ」
表現が素晴らしいね。
今回も彼女歌声の素晴らしさを言葉にするのに
自分のボキャブラリーの不足を感じずにはいられない。
シルビアのライヴを観ると音楽を聴いたというより、
「体験した」という感想を持つ。
これは、他の人には中々ないことで、
私がこんなに行きたくなるのもそのせいだと思う。
CDやビデオで聴くのとは全く違う体験なんだ。
これはもう言葉に出来ないな。
前回の来日では、東京2日、名古屋1日の上に
東京の追加公演(1日)まであったのだが、
今日は1部ではなぜか空席が目立った。
見た感じ半分ぐらいの入りだっただろうか。
月曜日ということもあるのだろうか。
おそらくは、プロモーションが
働いていなかったのではないだろうか。
私のようにブルーノートからのメルマガを受信し、
しょっちゅうサイトを見ている者は良いけど、
そうでないファンなら今回の来日を知らない可能性もある。
実際、私も知っていれば間違いなく観に行ったであろう
アーティストの来日を知らなかった例は、少なくない。
もうこれは、自分でアンテナを張り巡らす以外、
情報を入手する術はないだろうな。
でも、2部は、ほぼ満員だったよ。
[ MEMBERS ]
Silvia Perez Cruz (vo, g, sax)
Carlos Montfort (vln, tp, drs, back vo)
Marta Roma (vc, tp)
Bori Albero (cb, synth)
@ Blue Note Tokyo
1st and 2nd show
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2018.5.7 SILVIA PEREZ CRUZ
2018.5.12 SILVIA PEREZ CRUZ
2019.10.8 SILVIA PEREZ CRUZ & MARCO MEZQUIDA
2019.10.11 SILVIA PEREZ CRUZ & MARCO MEZQUIDA
2024.4.16
AVISHAI COHEN TRIO
アヴィシャイ・コーエン・トリオ
昨年は、アヴィシャイ・コーエン・トリオ(2月)と
アヴィシャイと小曽根さん(pf)のデュオ(10月)を
2回、合計3回もアヴィシャイを観ることができた。
今日は半年ぶりの来日公演を観てきた。
昨年2月と同じメンバーのトリオでの来日だ。
2017年の公演は、3日(6公演)、
2019年は、4日(8公演)、
2023年は、4日(6公演+小曽根さんとのデュオ2公演)
だったけど、今年は、5日(10公演)に増えている。
13日に配信があったのに、うっかりミスして
見逃してしまった。残念。
今日は、公演4日目。
申し込んだときは、追加公演(19日)が決まって
いなかったので、最終日だと思って申し込んだんだ。
さて、追加公演が決まるほどなので、
今日は満席のようだった。
人気の高さが伺える。
昨年2月のトリオのライヴの感想に
「エモーショナルで野性的なのにどこまでいっても知的」
と書いた。
今日の感想は、1曲目で決まり。
「ワイルド&ビューティー」。
美しいんだよ。
もう「ワイルド&ビューティー・アヴィシャイ」と
名付けたいぐらい。
このメンバーによるトリオとしても
数多くのステージをこなしてきただろう。
バンドとしても進化を感じた。
何より3人ともホントに素晴らしい。
アンコールは、昨年観たステージ同様、
アヴィシャイのヴォーカルで『Summertime』だった。
彼らの国(イスラエル)は、難しい状況だが、
ミュージシャンの仕事は、良い音楽を生み出すこと。
平和への祈りを込めて。
[ MEMBERS ]
Avishai Cohen (b,vo)
Guy Moskovich (p)
Roni Kaspi (ds)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
Avishai Cohen Trio - Seven Seas (Live at Blue Note Tokyo - 2023)
2024.4.19
DOMINIC MILLER
ドミニク・ミラー
2019年以来5年ぶりの来日だった
ドミニク・ミラーを観てきた。
2017年はトリオ(3人)、
2019年はクインテット(5人)での
来日だったけど、今回はカルテット(4人)。
ベースは、前回と同じくニコラス・フィッツマン、
ドラムも、前回と同じジヴ・ラヴィッツ。
キーボードは、前回のマイク・リンダップに
代わり、ジェイソン・リベロ。
全員素晴らしかったのだけど、特に
このピアノのジェイソン・リベロが良かった。
この人のリーダー・ライヴを観たいと思ったほど。
調べてみると、スティングやジェフ・ベックとの
共演歴のある、イギリスのピアニスト、
ソングライター、プロデューサーだ。
音楽は、ジャズ的だったり、アンビエントの
ようだったり、プログレ・ロックのようだったりと、
ジャンルレス、ミクスチャー。
メンバーが楽しんでいるのが伝わってくる。
いつまででも聴いていたいと思わせてくれる。
ドミニクは、どちらかというと派手な
ソロを弾くタイプではないけど、その分、
ほかの3人が活躍する場面が多くあった。
スティングの『Shape Of My Heart』、
『Fragile』、『Fields Of Gold』もプレイ。
でも、歌がない分、別世界の曲。
ドミニクのギターは、白いヤイリ。
前回は黒だったような記憶があるので、
新しいギターだろうか。
とても良い音で、欲しくなったよ。
アンコール2曲目で、タカミネのスチール弦を使用。
なんだかいつもより、ステージ上のマイクの数が
多いような気がしたのだけど、
レコーディングしていたのだろうか。
[ MEMBERS ]
Dominic Miller (g)
Jason Rebello (p,key)
Nicolas Fiszman (b)
Ziv Ravitz (ds)
@ Cotton Club
2nd show
2024.4.25
DANILO PEREZ, JOHN PATITUCCI
& BRIAN BLADE
"CHILDREN OF THE LIGHT"
パナマ生まれのダニーロ・ペレス(pf)と
ジョン・パティトゥッチ(b)、
ブライアン・ブレイド(dr)のトリオ、
「チルドレン・オブ・ザ・ライト」。
元々は、2000年に結成した、
ウェイン・ショーターのカルテットだったらしい。
ウェイン・ショーターは昨年、逝去。
享年89歳。
私はこのジャズの巨匠についてほとんど知らないんだ。
若いころ読んだ吉田ルイ子の本に
ウェインが出てきて、それで名前を覚えたのだけど、
音楽は、ほんの少ししか聴いていない。
「チルドレン・オブ・ザ・ライト」は、
ウェイン抜きのトリオで、2015年に1stアルバムを発表。
とにかく忙しい3人なので、中々観る機会がないだろう。
今回は、ブルーノートの会員ポイントが貯まったので、
招待券をもらい、何を観ようか散々迷った挙句、
本ライヴを選んだ。
3日間6公演のラスト・ショーで、満席。
出て来るなり、ダニーロは、
「今日は最後だから一番長くやるよ」と言った。(たぶん)
さて、このジョンや、ブライアンは、何度か
観ているのだけど、このトリオを聴くのは全く初めて。
正に名手たちの演奏。
あまりに自由過ぎる。
特にブライアンが、終始嬉しそうで弾けていた。
満席のお客さんは、大熱狂。
私にはちょっと高尚過ぎて、なんだかよく分からないほど。
アンコールは『'Round Midnight』。
これは、分かりやすくて良かった。
「長く演る」と言った通り、アンコールを含めて90分。
ジョンは、コントラバスとエレベ(6弦)を演奏。
ダニーロの言葉にシビレた。
「We are quartet. Trio and you.」
[ MEMBERS ]
Danilo Perez (p)
John Patitucci (b)
Brian Blade (ds)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
2024.5.1
渡辺貞夫
meets 新日本フィルハーモニー交響楽団
昨年4月29日にすみだトリフォニーホールで、
開催された1日限りの公演、
「渡辺貞夫 meets 新日本フィルハーモニー
交響楽団」のコンサート。
その日のエントリーには、
「1日で終わるのは、ほんまに
もったいないようなコンサートだった」と
書いているが、そう思ったのは
私だけではなかったようで、1年ぶりに
今回の再演が叶ったんだ。
貞夫さんのバンドのメンバーは、
マルセロ木村(gt)がいないのは残念だけど
ほかは昨年とほぼ同じ。
「ほぼ」と書いたのは、昨年は1部2部
通してベースが コモブチ キイチロウさんだったけど
今年は、1部では 新しいメンバーの
若い三嶋大輝さんがベースを弾いた。
メンバー紹介で、貞夫さんが名前をど忘れする
場面もあったのは愛嬌。
今日は、端っこの方だったけど、前から
4列目だったので、メンバーの表情なども良く見えた。
スピーカーから、5メートルほどだったので、
最初の数曲は音がデカすぎると感じたのだけど、
気付いたら気にならなくなっていた。
今回はステージ上に椅子が置いてあって、
貞夫さんは時々座っていた。
まあ 91歳だからな。
基本的にご本人が吹く時は、立っていたけど。
たぶん、後ろの方の席で観ていたら、
気付かなかったかも知れないけど、2部では、
時々ちょっと貞夫さんが心許ない場面があった。
きっちりアレンジされている分、自由度は低くなる。
コンボバンドなら、メンバーも合わせられるだろうが、
オーケストラが一緒となると、中々難しい。
それをメンバーが、アイコンタクトで、サポートするんだ。
そういうことも含めて、素晴らしいコンサートだと思った。
1曲、何が起こったのか分からないけど、
全体がロストしたようで(私にはそう見えた)、
どうなるかと思ったけど、なんとか持ち直すという場面も。
とにかく、指揮をしている村田さんが大変。
村田さんは、通常のオケの時と同様、
客席に背中を向けて、オケに向いて立っているわけだが、
その後ろ、つまり客席側にバンドの5人がいる訳で、
村田さんを挟んで前と後ろにプレイヤーがいる状態なんだ。
指揮は、オケに対してだけでなく、
後ろにいるメンバー(特に貞夫さん)に出す
キューもあって、大変だ。
昨年のコンサートの後のインタビューをYouTubeで
見たけど、とても難しいというような話しをされていた。
2部の開始前、オケのメンバーがステージに
登場するときに、コンサートマスターらしき、
ヴァイオリンの人が西江辰郎さんに見えた。
上原ひろみピアノ・クインテットのメンバーだ。
すると貞夫さんが「コンサートマスターを
紹介します。西江辰郎さん」と言ったのだ。
(昨年は、席が後ろの方だったので、
顔が見えなかったし、紹介がなかったので、
昨年も西江さんだったかどうかは分からない。)
オケとは11曲演ったのだけど、驚いたのは、
昨年も演ったのは、3曲のみ。
8曲は新たにアレンジされたものだ。
個人的には、昨年も演ったデイブ・グルーシンの
『SUN DANCE』、アルバムでは、
リチャード・ボナがベースを弾いていた
貞夫さんの『TEMBEA』、そしてやはり、
『MY DEAR LIFE』が良かった。
アンコールは、いつもの『CARINHOSO』を
小野塚三とのデュオで。
2回目のアンコールでは、これまたいつもの
『HARAMBEE』。
村田さんもトロンボーンも持ち出し、
1部のベースの三嶋さんも参加。
楽しく、素晴らしいコンサートでした。
[ 出 演 ]
-- 第1部 -- 渡辺貞夫カルテット
・渡辺貞夫 (sax)
・小野塚晃 (pf)
・三嶋大輝 (b)
・竹村一哲 (dr)
・村田陽一 (tb)(途中からゲスト)
-- 第2部 -- 渡辺貞夫 meets 新日本フィル
・渡辺貞夫 (sax)
・小野塚晃 (pf)
・竹村一哲 (dr)
・養父貴 (gt)
・コモブチ キイチロウ (el-b)
・村田陽一 (cond)
・新日本フィルハーモニー交響楽団
(con.mas 西江辰郎)
[ SETLIST ]
-- 第1部 --
1. PEACE
2. LAURA
3. I CONCENTRATE ON YOU
4. DEEP IN A DREAM
5. ONE FOR JOJO
6. TREE TOPS
7. SANGOMA
8. CHEGA DE SAUDADE
-- 第2部 --
9. TOKYO DATING
10. EARLY SPRING
11. I'M WITH YOU
12. BOA NOITE
13. SAMBA EM PRELUDIO
14. PAGLIACCI
15. WARM DAYS AHEAD
16. SUN DANCE
17. TEMBEA
18. MY DEAR LIFE
19. LIFE IS ALL LIKE THAT
EC1. CARINHOSO(渡辺貞夫, 小野塚晃)
EC2. HARAMBEE
@ すみだトリフォニーホール
2024.5.2
MONTY ALEXANDER
"The 80th Birthday Nights’ Celebration"
2022年の10月の公演以来、二度目となる、
ジャマイカ出身のジャズ・ピアニスト、
モンティ・アレキサンダーを観てきた。
あの時は、78歳だったけれど、
今年の誕生日(6月6日)で80歳を迎える。
"The 80th Birthday Nights’ Celebration"
と題されたライヴ。
なんと彼は、1944年6月6日、
ノルマンディー上陸作戦の日に生まれたんだ。
今回はトリオでの来日。
ドラムは、前回と同じくジェイソン・ブラウン。
ベースは、前回のポール・バーナーに
変わって、ルーク・セリク(from Canada)。
2日間4公演の最終ということで、
大盛り上がり。
客電が付いた後もアンコールの拍手が
鳴りやまず登場し、トータルで90分ほどの
ライヴとなった。
しかし、最近の生活リズムの乱れのせいか、
2曲目途中で睡魔に襲われ、それからは
後半まで、ウトウト状態。
目が覚めるたびに会場の雰囲気から
素晴らしいライヴであることは感じるのだが、
いかんせん起きていられない。
完全に目が覚めたのは、本編最後の
『The Battle Hymn of the Republic』あたりから。
アンコールは、なんとボブ・マーリーの
『No Woman, No Cry』。
これはジャズでは初めて聴いた。
まだ鳴りやまぬ拍手にもう1曲、
『C Jam Blues』。
毎日、夜中にギンギンに眼が冴えるのに、
いやぁ、もったいないことしたなぁ。
[ MEMBERS ]
Monty Alexander (p)
Luke Sellick (b)
Jason Brown (ds)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
[関連エントリー]
2022.10.24 MONTY ALEXANDER
2024.5.3
Larry Carlton Salute Japan Tour
~The Crusaders - Steely Dan - Fourplay~
何度もライヴを観てきたラリー・カールトン
(76歳)が、「ワールドツアーにしばしの別れを
告げる」という。
「しばし」の別れなのに「フェアウェル公演」と
銘打っているのは、ちょっと違和感があるが、
そのジャパン・ツアー(横浜、東京、大阪)
7日間14公演の2日目 2nd show を観てきた。
私が、ラリーをレコードで初めて聴いたのは、
友人に借りた 1978年の名盤『夜の彷徨』だから、
もう46年も前のことになるんだ。
当然、見た目もすっかり変わり、
当時はロン毛だったけど、今ではすっかり禿げあがり
(もちろん私もだ)時の流れを感じずには
いられないのだけど、「フェアウェル公演」
なんて聞くと、やっぱり寂しくなるわな。
今日のギターは、この数年ラリーがメインにしている、
Sire(サイアー)のセミアコ、ラリー・カールトン・モデル。
彼がステージで弾いているものが、市販モデル
(11万円!)と全く同じ仕様なのかどうかは
分からないけど、よほどお気に入りなんだろうな。
同様にサイア―から、マーカス・ミラー・モデルの
ベースも発売されたけど、マーカスの場合、
お披露目程度には使ったけど、けっして
ステージのメインにはならなかったからな。
サイアーも良いのだろうが、私のような70年代からの
ファンの多くは、ラリーのあのギブソン ES-335 への
憧れが大きいのではないかと思う。
昨年6月、一昨年6月の来日公演も観たし、
コロナ前の 2019年8月のリチャード・ボナとの公演
(その日は ギブソンだった)も観たのだけど、
私としては、2018年2月6日の公演の
ギブソンの ES-335の異様な存在感が
いまだに忘れられないほど、強烈だった。
さて、今日のライブ、見た目には76歳を
感じさせないのだけど、今日は疲れていたのか、
何度も大きく「フーッ」と息を吐く場面があった。
曲目は、"Minute By Minute" に始まり
"Smiles and Smiles To Go"、
"Put it where you want it"、
"(It Was) Only Yesterday"、
"Blues Force"、"Room335" など。
曲名が分からないけど、スティーリー・ダンの曲も
数曲演奏。
ソロからクルセイダーズ、スティーリー・ダン、
そして、あまりソロ公演では、披露してきたことのない
フォープレイの曲まで、オールタイムな選曲なのでした。
ホントにこれが最後になってしまうのでしょうか。
[ MEMBERS ]
Larry Carlton / ラリー・カールトン (G)
Travis Carlton /トラヴィス・カールトン (B)
Ruslan Sirota / ルスラン・シロタ (Key)
Mark Douthit / マーク・ドゥティット (Sax)
Barry Green / ベリー・グリーン (Tb)
Gary Novak / ゲイリー・ノヴァク (Dr)
@ Billboard Live TOKYO
2nd show
<メールインタビュー>
世界屈指の名ギタリスト=ラリー・カールトン
フェアウェル公演を前にこれまでの軌跡を辿る
2024.5.9
MARTY HOLOUBEK TRIO II
featuring 井上銘 & 石若駿
昨日は、MARTY HOLOUBEK TRIO II の
ライヴを観てきた。
このトリオのライヴを観るのは2年ぶり2回目。
オーストラリア出身のベーシスト、
マーティ・ホロベックと日本人若手トップの
ふたり、井上銘、石若駿のトリオ。
3人とも凄いんだけど、今回もやはり
石若のドラムに唸らされた。
ずっと聴いていられる感じ。
なんだろうね、この人のドラムは。
柔らかい。
そう柔らかいという表現がピッタリくる。
そして、けっしてうるさくない。
昨日の銘君のギターは、ストラト・タイプ。
まだ新しそうだった。
ヘッドのロゴが読めなかったんだけど、
ヘッドの形状からすると Xotic かな。
太くて良い音だった。
いいなぁ、Xotic。
マーティは、ウッドベースと昨日のエレベは、
セミアコタイプ。
なぜかヘッドのブランド名をテープで
隠してあったけど、たぶん Ibanez だと思う。
曲は『Karuizawa(軽井沢)』、
『Shizuru(静流)』、『Uncle Izu(伊豆おじさん)』
(この曲が出来たエピソードは面白かった)など。
『Shouganai(しょうがない)』はやっぱり好きだな。
夏には、ニューアルバムが出るらしい。
このトリオはどんどん発展していくんだろうな。
[ MEMBERS ]
Marty Holoubek (b)
井上銘 (g)
石若駿 (ds)
@ Cotton Club
2nd show
2024.5.16
David Sanborn
12日、米国のサックス奏者、
デイヴィッド・サンボーンが亡くなった。
前立腺がんだったらしい。
享年78歳。
私がデイヴィッドを知ったのは、1982年の
アルバム『As We Speak』。
マーカス・ミラー、オマー・ハキム、
マイケル・センベロらが参加したアルバムだ。
奇しくも一昨日、大阪の実家でその
『As We Speak』の LP レコードをかけ、
甥っ子に聴かせたところだった。
(LPレコードは実家に置いたままなんだ。)
1982年当時、このアルバムの1曲目
『Port of Call』がカッコよくて大好きだった。
デイヴィッドの音は、アルト・サックス奏者の中でも
聴いてすぐ彼と分かる独特のトーンだった。
エリック・クラプトンと一緒に演ったときは嬉しかったな。
エリックとデイヴィッドがバックで、
ランディ・クロフォードが歌った
『Knockin' on Heaven's Door』(ボブ・ディランの
カヴァー。映画『リーサル・ウェポン2』の
サウンドトラック。1989年)。
DMS(ジョージ・デューク、マーカス・ミラー 、
デイヴィッド・サンボーン)の来日ライヴ(2011)も観たよ。
(ジョージ・デュークも死んでしもたな。)
LEGENDS(エリック・クラプトン、スティーヴ・ガッド、
マーカス・ミラー、ジョー・サンプル、
デイヴィッド・サンボーン)は、日本ではナマでは
観られなかったけど、スゴイメンバーだった。
(ジョー・サンプルも死んでしもた。)
また一人、いなくなったね……。
合掌。
2025.5.252024.5.27
ボブ・マーリー:ONE LOVE
Bob Marley : One Love
伝説のレゲエミュージシャン、ボブ・マーリーの
伝記映画。
ボブ・マーリーといえば、今年3月に
『ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ
レゲエ・サンプラッシュ』という、
ボブ・マーリーのジャマイカでのラスト・ライヴ
映像を含むドキュメンタリー映画を観た。
その映画の中で、ジャマイカのある男たちが、
エレキギターやシンセサイザーを使う演奏を
「金儲けだ」と批判していた。
しかし、本作『ボブ・マーリー:ONE LOVE』を
観ると、ボブが純粋に平和のためにレゲエを
広げようとしていたように描かれている。
こういう成功したアーティストの映画の
ほとんどが、有名になったあと、
ドラッグ、アルコール、そして女性問題で
苦しむというのがパターンなんだけど、
ボブにはなかったね。
ドラッグに関しては、最初からハッパは
吸いまくっているし、女性問題に関しては、
パリで夫婦げんかになるシーンがあるけど、
それほど大事件でもない。
まあ、本作は息子のジギー・マーリーが
プロデューサーとして名を連ねているので、
そんな影響もあるのかも知れない。
私は、ボブが白人とのハーフだったことさえ
知らなかった。
本作では、リタ・マーリー(ボブの妻)が
どんな人だったのか描かれていたのは良かった。
それにしても、この映画を理解するには、
ジャマイカの歴史、ラスタファリ、
エチオピア皇帝ハイレ=セラシエなどの
知識がないと、ダメですわ。
ただ音楽好きなだけでは、無理。
『エクソダス』が生まれるくだりなんかは
音楽ファンは嬉しいけどね。
ボブを演じた、キングズリー・ベン=アディルは、
イギリスの俳優。
実際のボブより男前で清潔感があって、
ちょっと作り物っぽいのは残念。
それを思うと、『ボヘミアンラプソディー』の
ラミ・マレックはハマり役だったな。
★★★★☆
2024年製作/108分/PG12/アメリカ
原題:Bob Marley: One Love
監督:レイナルド・マーカス・グリーン
劇場公開日:2024年5月17日
QUEEN
ROCK MONTREAL
1981年11月24、25日に クイーンが、
カナダ・モントリオールで行ったコンサートを
収録したライヴ・ムービーを観てきた。
これはすでに映像作品として出回っているもので、
DVDなどでも入手可能なのだが、
IMAX 用にデジタル・リマスターされたというので、
この機会に大きなスクリーンで観ておこうと思った。
T・ジョイ・プリンス品川の IMAX 劇場は、
大きな劇場で、300席あるのだけれど、
今日の上映時の観客は、15人ぐらい。
1日1回の上映で、300人の会場に
客が10数人というのは、ビジネス的に
大丈夫なんだろうか? と余計な心配をしてしまう。
でも、本作2月に公開されたものの、
再上映だと知って、それで少なかったのかということにした。
私は、高校生の時、1979年のジャパンツアーを
大阪フェスティバルホールで観たのだけど、
本ライヴ・ムービーは、1981年ということで
その2年後だが、大がかりな照明は、
1979年のときより進化しているように感じた。
映画『未知との遭遇』を思い出したよ。
モントリオール公演は、1981年11月24、25日
だったのだけど、フレディ・マーキュリーの命日は、
1991年11月24日なので、ちょうど10年前の
映像なんだ。
それにしても、誰にも似ていない、誰々っぽくない、
このクィーンというバンドの個性と素晴らしさを再認識したよ。
『Crazy Little Thing Called Love』なんかを
聴くと、もちろん曲のルーツが分かるんだけど、
それでも個性的だ。
この曲で、ブライアン・メイは、テレキャスターを
弾いたのに、「いつものオリジナルギターと
音一緒やん」と、笑ってしまった。
何を弾いても、ブライアンの音になるのだな。
4人のバンドなので、一人欠けても
そのバンドには、ならないのは承知の上だけど、
今日はロジャー・テイラーの存在の大きさを感じた。
どうしても、フレディやブライアンにスポットが
当たりがちだと思うけど、クィーンにとって
ロジャーの存在は大きかったと感じた。
そういえば、2016年に「QUEEN+Adam Lambert」の
来日公演を観たけど、ロジャーは現役で来日したけど、
ジョン・ディーコンは、ずっと前に引退したみたいだ。
個人的なハイライトは、やはり大好きな
『Somebody To Love』、
それから『Killer Queen』、
『We Are The Champions』、
そして、『Bohemian Rhapsody』のテープによる
間奏後の演奏再開は、やはりゾクゾクする。
IMAX だから料金が、2,700円だったんだけど、
迫力はさて置いてあまり音質の良さは感じなかった。
IMAX 用にリマスターしてるとのことだったけど、
もう40年以上も前の録音なので限界があるのだろうか。
それとも「12 チャンネルのサラウンド サウンド」なんてものに
してしまったせいなのだろうか。
でも、ライブの熱さは、十分に伝わる映像だった。
[SETLIST]
We Will Rock You (Fast Version)
Let Me Entertain You
Play The Game
Somebody To Love
Killer Queen
I’m In Love With My Car
Get Down Make Love
Save Me
Now I’m Here
Dragon Attack
Love Of My Life
Under Pressure
Keep Yourself Alive
Drum and Tympani Solo
Guitar Solo
Crazy Little Thing Called Love
Jailhouse Rock
Bohemian Rhapsody
Tie Your Mother Down
Another One Bites The Dust
Sheer Heart Attack
We Will Rock You
We Are The Champions
あの劇場は、スクリーンが大き過ぎるので、
真ん中より後ろの席で観ないとしんどいね。
2024.5.28
スターダイナ―でバイトしてたよね?
今から30年ぐらい前、まだ私が大阪に住んでいた頃、
大阪ミナミの桜川に「スターダイナー」という
ライヴハウスがあった。
そこでは、何度もライヴをやらせていただいて
お世話になった覚えがある。
当時、私は自分のインスト曲を中心に演るバンドの
ほかに、セッション的なバンドにも参加していた。
バンド名も忘れたけど、男性と女性のツインボーカルで、
中々カッコよかったんだ。
私の記憶が間違っていなければ、
女性ヴォーカルの彼女は、前述のスターダイナ―で
アルバイトをしていたと思う。
私は彼女の歌が良いと思ったので、
ギターとのデュオをやりたかった。
もしかしたら、1曲2曲、何かのライヴの折に
演ったような気もするが確かでない。
店の常連のおっさんが、彼女の歌を気に入っていて
私にその良さを力説していた覚えもある。
そのバンドのことも、彼女のこともすっかり
忘れていたのだけど、ある YouTube 動画で
彼女が歌っているのを見つけた。
それは、ギターの村山義光さんとのデュオだった。
村山さんのことは、ギターの馬場孝喜さん繋がりで
知ったのだけど、凄いギタリストなんだ。
もう村山さんとデュオでライヴをやっている時点で
彼女の歌も凄いということなんだ。
彼女は、2021年にピアノとデュオの CD "We Are Here" を
発表していたんだけど、すでに売り切れていた。
なんとか中古を見つけて購入。
ピアノは、荒武裕一朗さん。
これが素晴らしかった。
あれから30年、ジャズ・シンガーとしての
彼女の成長と成熟に唸らされたよ。
彼女は、私のことはきっと覚えていないだろうけどね。
と、ここまで書いて、ちょっと不安になった。
人違いだったらどうしよう……(汗)
ご本人に会うことがあったら、訊きたい。
「スターダイナ―でバイトしてたよね?」
小柳淳子 "We Are Here"
2024.5.29
渡辺貞夫 meets 海野雅威トリオ
プレイ・スタンダーズ
今月二度目の渡辺貞夫さん。
貞夫さんが MCで「僕はゲストなんですけど」と
言っていた。
元々は海野さんのトリオに貞夫さんがゲストと
いうことだったのかも知れないけど、
ライヴは貞夫さんのバックを
海野トリオが務めたという感じだった。
演奏でも MC でも完全に貞夫さんのライヴだった。
海野さんは、ひとことも喋らず。
でも海野さんは、とても嬉しそうにされていたので、
良かったんだと思う。
ジャズ・ピアニストの海野さんのことは、
2020年のニューヨークでの暴行事件で知った。
彼は日本で活動後、2008年28歳で渡米し、
ニューヨークでゼロからスタートし、かなり認められる
存在になっていた。
2016年には、ロイ・ハーグローヴのバンドに
日本人初のメンバーとして迎えられた。
2020年の事件は、コロナ禍、ニューヨークで
アジア人だということで(中国人だと思われた可能性もある)
暴行を受けたらしい。
骨折を伴う大怪我で、二度とピアノが弾けないかも
知れないほどだったという。
私のように海野さんのことをこの事件で知った
音楽ファンも少なくないだろう。
なんとも皮肉なもんだ。
そんな海野さんのピアノを聴くのは初めてだった。
海野さんのピアノは優しく、変な表現だが
礼儀正しく、それでいてたくさんの曲のフレーズが
散りばめられ、聴いていて楽しかった。
怪我から完全に復帰を果たし、こうして日本でも
ライヴができるようになって本当に良かった。
ベースとドラムのおふたりも良かった。
貞夫さん(91歳!)も、元気そうで何より。
時々、曲名が出て来なかったりしたけど、
そんなん60歳でもあるからな。
演奏は、今日もパワフルだった。
今夜は「プレイ・スタンダード」ということで、
『I'll Remember April』、
3拍子で『Body And Soul』、
『The Shadow Of Your Smile』など。
アンコールは、海野さんとのデュオで、いつもの
『Carinhoso』。
とてもピースフルなライヴでした。
[ MEMBERS ]
渡辺貞夫 (as)
海野雅威 (pf)
吉田豊 (ba)
海野俊輔 (ds)
[ SETLIST ]
1. LAURA
2. I'LL REMEMBER APRIL
3. TADD'S DELIGHT
4. OLD FOLKS
5. LAMENT
6. BODY AND SOUL
7. EU SEI QUE VOU TE AMAR
8. THE SHADOW OF YOUR SMILE
9. I CONCENTRATE ON YOU
10. PARKER'S MOOD
11. LIFE IS ALL LIKE THAT
EC. CARINHOSO (pfとデュオ)
(LiveFans のサイトより)
[ 関連記事 ]
暴行事件に関する記事
2020/10/27 東洋経済オンライン
2024.6.4
Bernard Purdie
バーナード・パーディ
レジェンド、バーナード・パーディのライヴを観てきた。
誕生日は、1939年6月11日 とあるので、
来週でなんと85歳である。
共演したアーティストは、アレサ・フランクリン、
ニーナ・シモン、ホール&オーツ、スティーリー・ダン、
ジェームス・ブラウン、マイルス・デイヴィス、
B.B.キング、アル・クーパー、ジョー・コッカー、
トッド・ラングレン、ジェフ・ベックなど
「地球上で最も多くのレコーディングに参加したドラマー」
とも言われているバーナード・パーディなのだが、
私はナマで観るのは初めて。
今回の来日は、東京2日、横浜、大阪、
計4日8公演。
女性に付き添われてゆっくり登場したパーディ。
その女性は、大阪出身でニューヨークで活動する
ピアニスト、信実美穂(のぶさねみほ)さんだった。
他のメンバーも見るからにベテランという人ばかり。
ヴォーカルとハープに、ロブ・パパロッジィ。
ギターは、ジョージ・ナーハ。
ベースに、ダン・ブーン。
1曲目は、ビートルズの "Ticket to Ride"。
その他 曲名が分かるものは、
"Comin' Home Baby"、"The Chicken"、
"Feels Like Rain" (John Hiatt) 、
"What a Wonderful World" など。
アンコールは、スティーリー・ダンの "Home at Last"。
"Ticket to Ride"は、歌ではなくハープで。
"The Chicken" は、ハイパーな演奏をたくさん聴いて
しまったせいか、テンポもゆったり目だったせいか、
ベーシストのせいか、やや緩い印象だった。
ギターのジョージ・ナーハは地味目な演奏ながら、
うーむ、と聴かせるソロ。
バーナードのドラムは、音楽的。
当たり前だけど。
リズムが気持ち良いのはもちろん、
歌心があるというのかな。
グルーヴ・マスターの印象があるけど、
なんだかこの人の人気の高さが分かるような気がする。
ずっと歌詞かドラムのフレイズを口ずさみながら
叩いていたよ。
演奏を聴いていると85歳なんて思えない。
たぶん、最後の来日になるだろうな。
観られて良かった。
[ MEMBERS ]
Bernard Purdie / バーナード・パーディ (Dr)
Rob Paparozzi / ロブ・パパロッジィ (Vo, Harp)
Miho Nobuzane / ノブザネ ミホ (Pf)
George Naha / ジョージ・ナーハ (G)
Dan Boone / ダン・ブーン (B)
@ Billboard Live横浜
2nd show
****** ****** ******
Tighten Up (Coolin’ 'n Groovin’)
↑
こちらは、1993年に奇跡のメンバーで行われた
日本でのライヴの模様。
これは、DVD として発売されており、
デヴィッド・T・ウォーカーが参加しているので、
私も所有しているが、最高である。
ライヴに行かなかった(知らなかった)ことが悔やまれる。
("Tighten Up" は、Archie Bell & the Drells のカヴァー。
オリジナルは、1968年のリリース。YMO もカヴァーしている。)
Bernard Purdie (d)
Chuck Rainey (b)
David T.Walker (g)
Sonny Phillips (org)
Bill Bivens (ts)
Virgil Jones (tp)
Pancho Morales (conga)
Lou Donaldoson (as)
ちなみにギターは、コーネル・デュプリーの予定だったが、
来日直前に体調不良でキャンセル。
急遽、デヴィッドが トラとして参加したのだ。
このライヴ映像を観ると、バーナードがぐいぐい
リーダーシップを取っている感じだけど、
今日の MC は、全部ロブ・パパロッジィ。
6月2日の東京公演1日目では、はじめに
バーナードが挨拶をしたようだけど、
今日はひと言も話さず。
セットリストも決まっていなかったようで、
ロブが指示を出しているように見えた。
2024.6.5
JOHN SCOFIELD TRIO
久しぶりの ジョン・スコ。
調べてみると2019年以来 4年ぶり。
2012年、2015年、2019年とブルーノート東京
公演の最終日 2nd show を観たのだが、
今日もブルーノート東京 3日間6公演の
最終ショー(満席)を観てきた。
なんだか最終ショーだと、メンバーも
「これで終わりだ」と思い、特別な何かが
起こるような気がするんだ。
そんなのないかも知れないけど。
ジョン・スコは、72歳。
ギターは、ブラックのアイバニーズ。
メンバーは、ビル・スチュワート(Dr)と
ヴィセンテ・アーチャー(B)。
2019年の来日には、"COMBO 66" という
バンド名義だった。
今回のトリオにジェラルド・クレイトン(Key )が
加わると "COMBO 66" となるわけだ。
ジョン・スコは以前にも2時間近く演った
覚えがあるけど、今日もアンコールを入れて、
1時間50分近かった。
ブルーノートで、2部あるのにこんなに演るのは
ジョン・スコぐらいしか知らないよ。
もちろん1部では、そんなに長くできないだろう。
だから、これは2部ならではだな。
今日は、スイッチが5つぐらい並んだペダルを踏むのに、
スイッチの感覚が狭くて隣のスイッチも触ってしまうからか、
そのペダルを踏むときだけ、右足の靴を脱いで、
靴下になって踏んでたのが面白かった。
そのペダルは、ループやリバースのディレイ音に使ってた。
後ろの方の席だったら、足元は見えなかっただろうな。
激しいのや速いのも良かったけど、印象に残ったのは、
昨年亡くなった米国のピアニスト・コンポーザー、
Carla Bley の『Lawns(ランス)』。
アンコールで演った、やはり Carla Bley の
『Ida Lupino(アイダ・ルピノ)』。
この2曲は、とても美しく、良かった。
Carla Bley って名前しか知らなくて、
ちゃんと聴いたことがなかったんだけど、
これを機会に聴こうと思ったよ。
その他で曲名が分かるのは『TV Band』、
『Mo Green』、『Stairway To The Stars』。
アンコールの2曲目は、『Blue Monk』。
[ MEMBERS ]
John Scofield (g)
Vicente Archer (b)
Bill Stewart (ds)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
2024.6.28
LAWNS
先日観たジョン・スコフィールド(gt)のライヴで、
とても良い曲だと気にいった『Lawns』。
発音は「ラーンズ」か「ランズ」かな。
「芝生」という意味なんだけど、
シンプルなメロディなのにホントに美しく、切なく
ついつい繰り返し聴いてしまうような曲だ。
ピアニスト・コンポーザーのカーラ・ブレイの曲で、
1987年にリリースされた『Sextet』という
アルバムに収録されている。
この曲、先日のライヴで、初めて聴いたと思っていたけど、
多くのミュージシャンにカバーされていて、
私のミュージック・ライブラリー(結構な数)を
チェックしてみると、その中には、そのジョン・スコフィールドや
佐山雅弘(pf)が演奏したヴァージョンがあったよ。
つまり、聴いてはいたけど、その素晴らしさには
気付けていなかったんだな。
他の人のヴァージョンもいくつかチェックしてみた。
中には、テンポ良く演っているヴァージョンもあるけど、
個人的な好みでは、この曲は極力シンプルに、
つまりドラムやホーンは入れず、そして、ゆっくりと
演るのが良いと思う。
その方が、メロディのシンプルな美しさと
切なさが際立つんだ。
渡辺香津美(gt)もカバーしていたよ。
香津美のアルバムは全部聴いたと思っていたけど、
なぜか聴いていなかった『Mo'Bop III』に収録されていた。
Shiho(vo)は、このメロディに歌詞をつけて歌っている。
作詞は、Shanti(vo)。
勝手に歌詞をつけて発表するわけにはいかない。
事務所なりレコード会社なりが、権利者側と
コンタクトをとり承認を得るのがスジなんだろうけど、
本人まで届かず、会社同士の話で終わるなんて
イヤだと思った Shiho は、なんとかつてをたどって、
カーラの旦那のスティーヴ・シャロウに間接的だけど、
コンタクトを取るんだ。
すると、そのコンタクトを取ってくれた人あてに
スティーヴから「カーラと一緒に聴いたよ」という返事が届く。
カーラからは、こんなメッセージが。
I am most grateful that Shiho has taken such care with my song.
She has cared for it with great sensitivity,
and has provided my child “Lawns” with new life.
I offer her my thanks, and “Lawns” does too.
Shiho が私の曲をとても大切にしてくださったことに、心から感謝しています。
彼女はとても繊細に曲を大切にし、私の子供「Lawns」に新しい命を与えてくれました。
私は彼女に感謝し、"Lawns" も感謝しています。
ええ話やなぁ。
この話はこちらより。
この曲は、ドレミで言うとドレミファソだけで作られている。
ソは一度出てくるだけで、使わなくても良いぐらいで、
ほぼ4つの音からなる。
盛り上がるサビもない。
でも、多くのミュージシャンやリスナーが
この曲に魅了されている。
こんな音数で、名曲が作られるということにも驚くが、
そこは当てがわれる絶妙なコードとの関係もあり、
この世界が出来上がっているのだと思う。
作曲者のカーラ・ブレイのセンスの素晴らしさに脱帽だ。
ソロ・ギターで演れないか、模索中だが、
あまりにシンプル過ぎて、つまらない演奏に
なってしまいかねない。
やはりセンスが問われるのだな。
近いうちに YouTube にアップするよ。
心を落ち着かせたい時に、ぜひ聴いて欲しい。
↓
Carla Bley - "Lawns"
"Sextet" 収録のヴァージョン。
Carla Bley and Steve Swallow - Lawns
カーラ&スティーヴ夫妻によるデュオ
Rudiger Krause Carla Bley Steve Swallow Lawns
夫婦+ドイツのギタリスト(Rudiger Krause)
John Scofield Trio - Lawns - Live @ Blue Note Milano
これも ベースは、Steve Swallow。テンポちょい速めで軽快。
2024.7.4
MIKE STERN BAND
featuring DENNIS CHAMBERS,
LINCOLN GOINES, BOB FRANCESCHINI
& LENI STERN
昨年9月の来日は、4年ぶりだったけど、
もう完全にコロナ前に戻ったようで、
1年も開けずにの来日となった。
昨年は、ジェフ・ローバーとの双頭名義だったけど、
今年は、「マイク・スターン・バンド」名義。
昨年、ゲスト扱いだった奥方のレニーも
メンバーとなっている。
ドラムがデニチェン(デニス・チェンバーズ)。
これは嬉しいな。
一時は、大丈夫かなと思うほどに
痩せていた時期もあったけど、完全に復活してるね。
私はデニチェンを将軍と呼んでいるんやけど、
(なんか将軍っぽいので)今日もえげつない、
スリップビートを叩いていたよ。
デニス将軍、健在。
ベースは、リンカーン・ゴーインズ。
マイクは、ホントに多くのベーシストと来日しているけど、
もしかしたら、リンカーン・ゴーインズが初めてかな。(未確認)
サックスは、久しぶりにボブ・フランセスチーニ。
曲は、レニーがンゴニ(西アフリカの楽器)を
弾きながらボーカルもとった『Show Me Your Face』に
始まり、『Tumble Home』、『All You Need』など。
アンコールは、ジミ・ヘンの『Red House』。
大変盛り上がりました。
マイクは、もう71歳になった。
両手骨折の事故からは完全に復帰を果たしたけど、
見た目には右手のフォームは、不自然に見える。
あの不自然な手首の角度で、あれだけの高速
ピッキングをこなすのは大変な練習を要しただろう。
復帰後しばらくは、たまにピッキングのミスも
あったけど、今は完璧で事故以前か、
もしかしたらそれ以上かもしれないと思う。
人間の可能性と諦めないことの凄さを
思い知らされる。
[ MEMBERS ]
Mike Stern (g)
Dennis Chambers (ds)
Lincoln Goines (b)
Bob Franceschini (sax)
Leni Stern (g)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
[ 関連動画 ]
MIKE STERN BAND LIVE
(ベースだけ今日と違うメンバー Rubem Farias)
1:25:18 あたりからのドラムソロを聴いて欲しい。
2024.7.20
山下達郎
PERFORMANCE 2024
一昨年から昨年にかけては、
山下達郎のコンサートの抽選に先行発売、
一般発売、キャンセル待ちを合わせると
28回連続で外れた
2022年は、コンサートに行けずだったが
昨年は山形(やまぎん県民ホール)の公演に
当選しようやく観ることができた。
とにかく競争率が高く、中々チケットを
取れないコンサートなんだ。
今年もツアーが始まった。
7月12日から12月5日まで、21都市43公演だ。
手始めに7月15日の宇都宮市文化会館と
今日のNHKホールに申し込んだら、
NHKホールの方に当選!
ツアー3日目の東京、NHKホール公演に
行ってきた。
「クソ暑い」という言葉がピッタリの今日、
渋谷駅から会場 NHKホールに向かって歩く。
暑い、人が多い、外国人が多い、
外国人観光客グループが、スクランブル交差点を
カートで通り過ぎて行く。
彼らは、暑ないのか?
公園通りを歩く。
暑い。
会場に到着。
開場まで、まだ30分近くあるというのに
すでに入場待ちの人が大勢いる。
どうやら、開場の時刻を早めて開場しているようだ。
そりゃそうだ。
こんなの外で待たされて熱中症にかかられたら、
会場側だってたまったもんじゃない。
早く冷房の効いた室内に入りたいと、
私も列に並ぶ。
数分並んで、もぎりの係員の直前まで来て、気付いた。
「ここちゃうやん」
今日の会場は、NHKホールなのだけど、
私は、途中にある LINE CUBE SHIBUYA に
来ている観客を見て、無意識に並んでしまった。
そういえば、並んでいた時、整理の係員が
「アニソンなんとかフェスティバルの会場です」と
言っていたのを「まちごうてるやん」と聞いていたわ。
まちごうてるの、オレやん。
もぎりのネーチャンに指摘される前に気付いて良かった。
もぎりのネーチャンもぼんやりしてる人だったら、
チケット切られて、中に入ってしもたかも知れんとこや。
すぐ近くのNHKホールも、やはり開場時間を
早めてオープンしていた。
会場内に入っても、しばらく汗が止まらない。
(今日はやたらと救急車の音を聞いたけど、
熱中症が多発してたのかもな。)
さて、今日の座席は、3階L4列8番。
昨年は、前から11列目だったんだけどな。
ちょうど5年前、2019年7月17日にも
NHKホールで達郎を観たのだけど、この日も
3階席だった。
3階というとちょっとステージが遠い感じだけど、
NHKホールの場合、そんなに遠く感じない。
意外と観やすくて、不満はないんだ。
まあ、今日の場合、3階席でも前の方だったと
いうこともあるけどね。
1曲目は、いつも通り『SPARKLE』。
『夏への扉』、『Paper Doll』、『シャンプー』(key 弾き語り)、
『メリー・ゴー・ラウンド』など、昨年は演らなかった
曲も結構多かった。
隣の席の男性の手拍子のリズムがめちゃくちゃで、
リズム取れないのに、一生懸命大きな音で、
手拍子するものだから、気になってしょうがなかった。
「頑張らんでええよ」って言ってあげようかと思うほど。
そんなこともあってか、途中まで今年は今までの中でも
やや淡白な印象で終わりそうだったけど、
終わってみると大満足。
アンコールの『Ride On Time』でのエンディングの
アカペラも健在。
「いつまでできるか分からないけど、
やれる間はやります」的なことを何度も言っていた。
少し、身体が丸くなったような印象だけど
声は全く衰えを感じないよ。
やっぱり、この人凄い。
最後、いつも通りの『YOUR EYES』で、落涙。
アンコールを入れて、2時間40分。
以前は、3時間を超えていたけど、
2時間40分でも、71歳にしては長い方だろう。
来年は、デビュー50周年なので、
何かやると言っていた。
5年前のエントリーを読むと、
2019年のツアーは、28都市50公演とある。
今年が、21都市43公演なので、
徐々に減ってきているのかな、と思ったら、
昨年(18都市39公演)より今年は少し多い。
チケット代は、2019年は 9,000円だったけど、
昨年は 11,000円、今年は 12,000円と
値上がりが続いている。
チケット代だけではなく、最近は
何もかもが値上がりしている感じだ。
[ MEMBERS ]
山下達郎 (Vo, Gt, Key)
鳥山雄司 (Gt)
難波弘之 (Key)
柴田俊文 (Key)
伊藤広規 (B)
小笠原拓海 (Drs)
宮里陽太 (Sax)
三谷泰弘 (Cho)
ハルナ (Cho)
ENA (Cho)
@NHKホール(東京)
[ SETLIST ]
1. SPARKLE
2. LOVE'S ON FIRE
3. 人力飛行機
4. 夏への扉
5. 僕らの夏の夢
6. Sync Of Summer
7. Paper Doll
8. ポケット・ミュージック
9. 2000トンの雨(キーボードで弾語り、途中まで)
10. シャンプー(キーボードで弾語り)
11. ONLY WITH YOU
12. I LOVE YOU‥‥Part II
13. クリスマス・イブ
14. 蒼氓
15. さよなら夏の日
16. メリー・ゴー・ラウンド
17. 今日はなんだか
18. LET'S DANCE BABY
19. アトムの子
EC:
20. パレード
21. Ride On Time
22. 恋のブギ・ウギ・トレイン
23. YOUR EYES
LiveFans より
2024.7.28
NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇
マリア・シュナイダー plays マリア・シュナイダー
昨日は、5年ぶりにマリア・シュナイダーを聴いてきた。
マリア・シュナイダーは、2017年にブルーノートに
聴きに行ったことがある。
その時は、彼女のオーケストラ(ビッグバンド)の
演奏だった。
今回の東京芸術劇場での来日公演を知った時、
バンドが日本人だと知り、ちょっと考えた。
別に彼女ビッグバンドのライヴも前後に
あるかも知れない、と思ったんだ。
どうせならそっちの方を観てみたい、と。
でも、そんな情報は出てこないので、
結局この公演を観に行くことにしたのだけど、
チケットの発売日から大分経ってから購入したので、
あまり良い席ではないだろうなと思っていたら、
2階席だけどとっても良い席だった。
ステージを斜めから観る席だけど、
クラシックホールによくある、壁沿いの席で
ステージに近く観やすい席だったよ。
東京芸術劇場コンサートホールは
初めて行ったと思うけど、良いホールだわ。
昨日のコンサートは、
「NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇
マリア・シュナイダー plays マリア・シュナイダー」
というタイトル。
2部構成で1部が、「池本茂貴 isles」。
ラージアンサンブルとなっていたが、いわゆる
ビッグバンドだ。
休憩を挟んで2部は、
「特別編成」。
どちらもマリアがコンダクターを務め、
曲は全曲マリアが作曲したもの。
プロデューサとして、挾間美帆が名を連ねており
全曲ではないと思うけど、昨日のために
挾間が編曲をしたものもあった。
マリアが今回の日本人との共演を心から
楽しんでいる感じが伝わってくる、
素晴らしい演奏だったが、
アルファ波の影響でしょうか、
加齢のせいでしょうか、
昨日は十分睡眠をとっていたにも関わらず、
半分以上の曲でウトウトしながらの鑑賞だった。
印象に残ったのは、『Sanzenin』。
前回の来日で京都に行った際、大原三千院の
美しさに触発された楽曲。
曲紹介の時、マリアがお客さんに向かって
「三千院に行ったことありますか?
素晴らしいお庭があるの」と聞くと
どうやら何人かは頷いたか、手を挙げたか
したのだろう。
「そうよね。オーケストラのメンバーは、
誰も行ったことがないんだって。
信じられないわ」(つつみ訳・5割推測)
と言っていた。
アメリカ人が京都、三千院を想うとどんな曲に
なるんだろうか。
私の世代であれば、どうしてもデューク・エイセスの
『女ひとり』(歌詞の出だし:京都 大原三千院
恋に疲れた女がひとり)を思い浮かべてしまう・
マリアの曲は、なるほど日本的な抒情が
感じられる曲で、フルートとバイオリンのソロが
フューチャーされた美しい曲だった。
チェンバー・オーケストラとのメインとも言える
『Carlos Drummond de Andrade Stories』は
日本初演。
ソプラノの森谷真理さんがこれまた素晴らしかった。
昨日のコンサート、CD になって出ないかな。
[ 出演 ]
(指揮・作曲)マリア・シュナイダー
池本茂貴 isles(ラージ・アンサンブル)
(sax) 土井徳浩、デイビッド・ネグレテ、西口明宏、陸 悠、宮木謙介
(tp) ジョー・モッター、広瀬未来、鈴木雄太郎、佐瀬悠輔
(tb) 池本茂貴、高井天音、和田充弘、笹栗良太
(p) 海堀弘太
(b)小川晋平
(g) 苗代尚寛、
(drs) 小田桐和寛
(perc) 岡本健太
(ソプラノ)森谷真理
特別編成チェンバー・オーケストラ
(fl) 斎藤和志、石田彩子
(ob) 最上峰行
(cl) 中 ヒデヒト
(fg) 石川 晃、竹下未来菜
(tp) 東野匡訓
(p)佐藤浩一
(vn) マレー飛鳥、石井智大、梶谷裕子、岩井真美、黒木 薫、
吉田 篤、沖増菜摘、地行美穂、西原史織、浅野銘苅、杉山由紀
(va) 吉田篤貴、志賀恵子、角谷奈緒子、藤原歌花
(vc) 多井智紀、島津由美、Robin Dupuy
(cb) 吉野弘志、一本茂樹
@東京芸術劇場 コンサートホール(池袋)
[ SETLIST ]
--- PART 1 --- with 池本茂貴 isles
1. Wyrgly
2. Journey Home
3. Sky Blue
4. Dance You Monster to My Soft Song
(休憩)
--- PART 2--- with 特別編成チェンバー・オーケストラ
5. Hang Gliding(挾間美帆 編曲)
6. Sanzenin(挾間美帆 編曲)[日本初演]
7. Carlos Drummond de Andrade Stories [日本初演]
・Prologue
・The Dead in Frock Coats
・Souvenir of the Ancient World
・Don't Kill Yourself
・Quadrille
EC. Walking by Flashnight
座席から見たステージ
[ 関連エントリー ]
2017.6.10 MARIA SCHNEIDER ORCHESTRA
2024.8.12
ティム・ドナヒュー
ジャズ・ロックギター Live Seminar
ティム・ドナヒューさんのギター・セミナーに
行ってきた。
そのレポートの前に。
最近知った日本のギターブランドの
「Suzuka Guitar Design」。
ギターメーカーがたくさんある長野県で
2020年に立ち上げられた新しいブランドだ。
実物はまだ見ていないし、弾いてもないのだけど、
いくつかのモデルのデザインが素晴らしい。
調べると、鈴鹿清仁さんという方は
ヘッドウェイ株式会社から有限会社飛鳥に
22年間いたというベテランだ。
ヘッドウェイ、飛鳥は、私が4本もエレキ・ギターを
所有しているデバイザーのグループ会社。
現在では、バッカスやモモセなどいくつもの
ブランドを抱えるグループ。
さて、その「Suzuka Guitar Design」のサイトに
私は知らないティム・ドナヒューというギタリストの
写真があった。
どうも「Suzuka Guitar Design」でギターを
オリジナル・ギターを作ったようだった。
話は変わり、2年ほど前にギターを通じて
知り合ったHさんと先日、食事をした。
話題はほとんどギターや音楽の話で、
あまりにマニアックで互いに話せる相手が
いないような内容だ。
その時、私が「最近気になるギターがある」と、
「Suzuka Guitar Design」の話をした。
食後別れた後に「Suzuka Guitar Design」の
サイトのリンクをHさんに送ったら、そのあと、
「ティム・ドナヒューさんは30年来の友人」と
返信があった。
すると、そのあとティムさん本人から連絡が
あったらしく、今日のギター・セミナーを案内され
お誘いを受けたというわけだ。
読む人には、どうでもよいストーリーだが、
なぜ今日のギター・セミナーに行くことになったかという
流れはとても自然で不思議なので記しておきたい。
さて、ギター・セミナー。
まずは、トリオでのライヴ演奏から始まった。
ティムさんのオリジナル曲で、後ほど解説を聴いて
納得するのだが、アッパーストラクチャートライアドを
多用したコードで、調性感があまりなく
独特のハーモニーを感じる曲調だった。
1982年に始めて来日したときに作曲したけど、
一度もライヴで演奏したことがない、という曲も
演奏してくれた。
ティムさんは、曲が降りてくるタイプらしく
「作曲」という言葉は嫌いだと言っていたね。
6曲演奏して、セミナー。
まず、右手でローフレット部分をミュートし、
左手のハマリングだけで音を出す奏法を
解説してくれた。
続いて、実際にライヴで演奏した曲の
楽譜を配ってくれて、アッパーストラクチャー
トライアドの解説。
アッパーストラクチャートライアドって、
言葉は知っていても、全然分かっていないんだけど、
今日は少し理解が深まった。
でも、理屈が分かったところで使うには
センスがいるんだな。
自分のものにするには相当練習も必要だし。
でも、以前私が作ったオリジナル曲の一部に
「こんなコードないやろ」と思い付きで付けた
ハーモニーがあったのだが、それがまさに
アッパーストラクチャートライアドだったと知って、
なんか嬉しかった。
セミナーのあと2曲ライブ演奏で終了。
たっぷり2時間が過ぎていた。
ティムさんの「NINJA」と書かれたギター
(これが Suzuka Guitar Design 製と思われる)は
ヘッドレスで、2系統のアウトプットが出来る。
ひとつは、クリーンで温かみのあるトーン。
もう一つは、やや歪んだトーンにセットされていて、
ギターのスイッチで切り替えられるようになっている。
そのため、足元のペダルを踏む必要がないんだ。
ペダルボードに繋がっていたけど、そのギターでの
切り替え以外は、手でスイッチを押して切り替えてたけどね。
ティムさんは、日本に住んで長く、日本語も
ほとんどべらべらなので、日本語で解説をしてくれたのは、
分かりやすくて良かった。
国立音楽院の主催で、「体験講習」ということで
参加費無料だというのも嬉しかったね。
私は今から音楽院に通うことはないし、参加者には
通わなさそうなおじさんが、多かったけど。
[ MEMBERS ]
Tim Donahue (Gt)
Takeshi Nonoguchi (B)
Takamochi Baba (Dr)
@ 国立音楽院 パラダイス・ホール
2024.8.31
RUSSELL MALONE
ラッセル・マローン 来日中に死去
今日オズ・ノイのインスタで知ったのだが、
ロン・カーター・ゴールデン・ストライカー・トリオとして
来日ツアー中だったジャズ・ギタリストの
ラッセル・マローンが 8月23日に逝去した。
心臓麻痺だったらしい。
60歳だった。
トリオは、ブルーノート東京で 20日から23日まで
4日間の公演、そのあと24日に高崎芸術劇場、
25日にコットンクラブの公演が予定されていた。
20日から22日までは、マローンも
ステージに立っていたらしいが、23日は体調不良で休演。
ロン・カーターとドナルド・ヴェガはデュオで演奏したようだ。
その23日に亡くなった。
ふたりは、マローンへの敬意と追悼の意を込めて、
デュオでツアーを続けたようだ。
私は、ラッセル・マローンを二度ライヴで観ている。
2012年12月14日のコットン・クラブでの
ロン・カーター・トリオのライヴ。
まさに今回のトリオで、その時はまだ
「ゴールデン・ストライカー・トリオ」という名前は
ついていなかった。
そして、始めて観たのは、やはりコットン・クラブで
ラッセル・マローンのリーダーライヴだった。
2007年6月12日、もう17年も前だ。
これが思い出 深いんだ。
たぶん、始めてコットンクラブで観た
ライヴじゃなかったかな。
私の席は、マローンの目の前、最前列だった。
マローンは、ライヴの途中で私に向かって
「お前はギタープレイヤーか?」と訊いてきた。
私が「そうだ」と答えると「指を見せろ」と言うので
私は左手を伸ばした。
マローンは私の指先を見ると
「ギタープレイヤーだ」と言い、
使っていたピックをくれたんだ。
探したら、ちゃんとあったよ。
メモ付きで袋に入れて。
「ULTRA-PLEC D'Andrea USA 2.0mm」
アメリカのダンドレアというメーカーの
2ミリの分厚いピック。
それにしても、60歳は早すぎる。
やっぱり、行ける時にライヴは観ておかんと。
人間は、誰しもいつ死んでもおかしないと、
こういう時だけ思う。
ロン・カーターも87歳やから、
また来日してくれるかどうか分からへん。
合掌。
[関連エントリー]
2007.6.12 RUSSELL MALONE
2012.12.14 RON CARTER TRIO
2024.9.10
ロビン・ティチアーティ指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ピアノ:辻井伸行
死ぬまでに観たいアーティストシリーズ、
本日はクラシック・ピアニストの辻井伸行。
ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで、
優勝したのは、2009年のことなので
もう15年も前になる。
当時まだ20歳だった辻井さんも もう35歳だ。
(9月13日の誕生日で36歳)
ちょっと前に YouTube で、ヴァン・クライバーン
国際ピアノコンクールのドキュメンタリーを観た。
これは、ライヴで観ておかなきゃと思って
チケットを取ったんだけど、S席 32,000円。
料金は会場によって違うのだけど、
東京が一番高い。
(浜松は S席25,000円)
ロンドンからあんなに大勢のオーケストラが来て、
日本に一週間以上滞在して、移動もあるのだから、
そりゃそういう金額になるのかも知れない。
公演は、浜松、名古屋、大阪、
そして 東京(サントリーホール)の3日間と
全部で6公演。
今日は、東京の初日で、公演は昼間(14時開演)。
6公演のうち今日だけが、ピアノ協奏曲が2曲なので、
辻井さん目当てなら、お得な感じ。
席は、ステージサイドの2階席一列目。
指揮者の顔(横顔)も見えて良い席だった。
開演前
ピアノ協奏曲のときは、ピアノがステージ中央に配置された。
1曲目は、オーケストラのみの演奏で
ベートーヴェンの『エグモント』序曲。
重厚で荘重な出だしに感動。
2曲目3曲目は、ともにベートーヴェンの
ピアノ協奏曲。
第3番と第5番「皇帝」。
ステージ上手側の席だったので、演奏中
辻井さんの顔も良く見えるだろうと思っていたら、
なんと、ピアノの蓋を開けたら、ちょうど
顔が隠れてしまった。
これは残念だったな。
たまに頭から顔の一部ぐらいは見えたけど。
もう「目が見えないのに」という言葉は、
彼には、似つかわしくないだろう。
音楽に視力は関係ないんだ。
でも、全く鍵盤が見えていないのに
なぜあんな演奏が出来るのだろうと思ってしまう。
指揮者とのアイコンタクトもなく。
生まれつき全盲の彼がどんな世界に
生きているのか、私には想像もつかない。
両親の顔も、ピアノという楽器さえ見たことがない。
楽譜も読めないので、全て耳から覚えるという。
(点字の楽譜は読むのに時間がかかるらしい。)
ステージで、360度周囲から聞こえる
大きな拍手を聞きながら、何度も何度も
お辞儀をする辻井さん。
光を知らないということは、ご自身がいるのが
闇の中だということも分からないのではないか。
そんなことを考えてしまうこと自体、
何かもっと大事なことを
自分は知らないんじゃないかと思えてくる。
彼は、凡人の想像を絶する素晴らしい世界に
いるような気がしてならない。
アンコールは、ソロ・ピアノで2曲。
演奏後、指揮者のロビンに連れられて、
ステージ下手の舞台袖に引っ込み、
そこでロビンと辻井さんがハグする姿が見えた。
これは、ステージ正面の席の人たちからは、
見えなかっただろうから、特別なものを
見せてもらった感じがしたよ。
次は、ソロ・ピアノのコンサートに行きたいな。
[ 曲 目 ]
ベートーヴェン:『エグモント』序曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(EC)
ワーグナー/リスト編:エルザの大聖堂の行列
ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番「月光」より第3楽章
[ 出 演 ]
指揮:ロビン・ティチアーティ
ピアノ:辻井伸行
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
@ サントリーホール 大ホール (東京)
2024.9.17
MARCUS MILLER
2年ぶりのマーカス・ミラー。
ブルーノート3日間公演の初日、
2nd ショーを観てきた。
バンドは、2年前の来日時のホーンの2人は
そのままで、キーボードとドラムスが新メンバー。
席が最前列で、ドラムの前だったせいもあり
ドラムは良く見えたんだけど、とてもタイトで
良いドラムだったなぁ。
あと、サックスのドナルド・ヘイズが、
エモーショナルでよろしい。
1曲目は『Penther』。
久しぶりに聴いたので、懐かしく感じてしまった。
数曲目で、ゲスト・ヴォーカルが登場。
よく聞き取れなかったけど、たぶん
「Tower Of Power で歌ってた」と
紹介したんじゃないかと思う。
曲は、「Do you remember Tenptations?」
って言ってたから、テンプテーションの曲だと思う。
なんとなく聞き覚えがあった。
続いて「ふたりの友人、デヴィッド・サンボーンと
アル・ジャロウに捧げます」と言って、
『Since I Fell For You』。
この曲は、ボブ・ジェームス & デイヴィッド・サンボーン
名義のアルバム『Double Vision』収録のバラード。
アル・ジャロウがヴォーカルでこの曲だけに参加。
マーカスは、ベーシストとして、まだ楽曲提供(2曲)
でも 参加したアルバムだ。
『Since I Fell For You』は、本家は結構
洗練されたアーバンな感じだけど、今日の演奏は
結構、R&Bっぽくて私は好きだな。
ゲスト・ヴォーカルのおじさん(名前失念)も
ええ感じやったし。
その他曲名が分かるものは、『Run For Cover』
本編最後は、『Tutu』。
途中でリズムが変わった。
メドレーで違う曲になったのかと思ったら、
そのリズムでドラムソロへ。
そのまま曲に戻り、エンディング。
アンコールでは、一度ベースを抱えたものの
気が変わったのか、ベースを置いて
バスクラリネットを手に取った。
この曲では、後半3トーンサンバーストの
Fender のフレットレスに持ち替えた。
それ以外は、メインのいつものジャズ・ベース。
ステージ上にはサイアも置いてあったけど弾かず。
ステージサイドにももう1本控えのベースが
置いてあった(Fender かどうかは未確認)。
今日は、メンバー全員が黒人で、
全くのブラック・ミュージック。
ブルーノートでの公演は、久しぶり(前回は
BBLだった)ということもあってか、
満員で大盛況でした。
マーカスの足がずい分細くて、
ちょっと痩せたのかなって思った。
あいかわらず、カッコ良い。
[ MEMBERS ]
Marcus Miller (b, b.cl)
Russell Gunn (tp)
Donald Hayes (sax)
Xavier Gordon (key)
Anwar Marshall (ds)
Guest:?
@ Blue Note Tokyo
2nd show
[ 参考動画 ]
Bob James, David Sanborn - Since I Fell For You (audio) ft. Al Jarreau
(2024.10.22 追記)
BLUE NOTE TOKYO ― LIVE REPORTS より SET LIST
(1st show も合わせて記載しておく)
2024 9.17 TUE. SET LIST
1st
1. LET IT WHIP
2. RED BARON
3. SUBLIMITY
4. LOVE & HAPPINESS
5. SINCE I FELL FOR YOU
6. RUN FOR COVER
7. MAPUTO
8. BLAST
2nd
1. PANTHER
2. RED BARON
3. SUBLIMITY
4. LOVE AND HAPPINESS
5. SINCE I FELL FOR YOU
6. RUN FOR COVER
EC. MAPUTO ~ TUTU
ブルーノートのレポートは、1st showのものだが、
1st でも『LOVE & HAPPINESS』と
『SINCE I FELL FOR YOU』をやっているのに
ゲスト・シンガーについて触れていない。
何でだろな。
ライヴの当日には、ゲスト・シンガーの名前を
発見できなかったけど見つけたよ。
ラリー・ブラッグス(Larry Braggs)。
彼は、やはり Tower Of Power に
在籍していたんだ。(1999―2013年)
マーカスが「Do you remember the Tenptations?」と
言ったのは、曲のことじゃなくて、彼のことだった。
テンプテーションズにも在籍していたんだ。(2016―2019年)
あれ?その頃にテンプテーションズを観たぞ。
ということは、あの時にラリーもいたのかなと思い、
当日(2017.3.21)のエントリーを見てみると いない。
よくよく見てみると、私が観たのは
「The Temptations」のライヴではなく、
「The Temptations Review featuring Dennis Edwards」
というライヴだったんだ。
ひぇ~。
あのライヴって、デニス・エドワーズ(60年代後半から
70年代の全盛期を支えたバリテナー)をフューチャーした
テンプテーションズとは別のグループだったのね。
今頃知ったわ。
だから「Review」って付いてたんや。
で、『LOVE & HAPPINESS』は、
テンプテーションズの曲ではなく、アル・グリーンの曲。
デビッド・サンボーンが、 マーカス・ミラー、
ハイラム・ブロック、バディ・ウィリアムスらとロンドンで
演ったライヴが映像になっとります。
そん時のヴォーカルは、ハミッシュ・スチュワート。
ギターがハイラム・ブロックっちゅうのが嬉しい。
あ~これで色々謎が解けたわ。
David Sanborn - Love And Happiness
DVDを探したら、アマゾンで中古が5千円ほどだったけど、
メルカリで千円で見つけた!
2024.9.22
高中正義
TAKANAKA SUPER LIVE 2024
「黒船 来航50周年」
1年ぶりの高中正義。
会場は、日比谷野外音楽堂。
雨が降り出すかも知れないと、レインコートを
持参して臨んだが、幸い雨は降らなかった。
開演からしばらくすると、青空まで見えたよ。
以前、雨の野音の高中を体験しているけど、
やっぱり、雨の中の野外コンサートは、イヤだもんね。
コロナ禍の2020年から2022年もどういうわけか、
高中のコンサートは、中止にならずに奇跡的に
開催された。
気が付くと、2015年から(2019年を除いて)
ほとんど毎年高中のコンサートに足を運んでいる。
今年のタイトルは、
TAKANAKA SUPER LIVE 2024
「黒船 来航50周年」。
サディスティック・ミカ・バンドのアルバム
『黒船』の発売から50周年なんだ。
今日のチケットは、ソールドアウトで、
立ち見のお客さんも結構いたよ。
外国人の姿もちらほら。
1曲目から前の方のお客さんは
立ち上がっていた。
私は、真ん中より少し後ろの席で、
どういうわけか、そのブロックの人たちは、
立たなかったので。座って観ることができた。
後半は立ち上がったけど。
最初から立つのしんどい。(年よりか)
曲は、『黒船嘉永6年6月4日』、『Alone』、
『渚 モデラート」、『Finger Dancin’』、
『Sweet Agnes』、『Taj Mahal』、
『Thunder Storm』、『Ready To Fly』など。
個人的には、『EUROPE(哀愁のヨーロッパ)』
のカバーが良かったな。
軽快なのに哀愁のあるいリズム・アレンジで。
アルバムに収録されていた語りのイントロはなかったけど。
アンコールは、『タイムマシンにお願い』、そして
『Blue Lagoon』。
本編で『Blue Lagoon』を演らなかったので、
アンコールで演るだろうと分かっていたけど、
どういうわけか、あの爽快なイントロで落涙。
『Blue Lagoon』で、泣くなんて自分でもビックリ。
しかもイントロで。
たぶん、その前のMCで「まだまだ頑張ります」
みたいなことを聴いて、何か込み上げてくるものが
あったんやな。
71歳なんだから、まだまだ演ってもらわにゃ。
アンコールを入れて、120分弱。
ギターは、ストラト2本(たぶん)、
ヤマハSG2本(たぶん)の他に
1曲でゴダンのエレアコ、
数曲でジャズマスタータイプのギターを使用。
今日のギターの音は、どれも聴き心地の良い
トーンだった。
[ MEMBERS ]
高中正義 (g)
井上薫 (key)
柴田敏孝 (key)
岡沢章 (b)
宮崎まさひろ (ds)
斉藤ノヴ (perc)
AMAZONS 大滝裕子 (cho)
AMAZONS 吉川智子 (cho)
AMAZONS 斉藤久美 (cho)
@ 日比谷野外大音楽堂
2024.9.24
有山岸香
「有山岸香(ありやまぎしか)」は、
有山じゅんじ、山岸潤史、香西かおりの三人のこと。
「有山岸(有山と山岸)」は、何度かライブを観ている。
キー坊(上田正樹)をゲストに迎えてのときもあったが、
今回は演歌歌手の香西さんと。
2曲ふたりで演ったあと、香西さんの登場。
どんな曲を演るのか想像がつかなかったけど、
3人で演る1曲目が
『Vaya con Dios』で痺れてしまったよ。
そのほか、意外なところで『Water is Wide』も良かったな。
ご本人のヒット曲『無言坂』ももちろん。
この三人で演るのは、初めてではないようで、
有山さんの天然ぶりに香西さんは、
「有山岸とやれる歌手は私しかいない」と、言ったとか。
まあ、キー坊は置いといて、有山岸というか、
有山さんとは普通の人は無理やろなと思ってしまう。
天然記念物のような人です。
明らかなミスでさえ、有山さんの芸のように
見えてしまうから凄い。
香西さんは、3人の中では一番お若いのだけど、
その、ひとり爆走する有山さんを優しく
見守る(?)姿に大きな器を感じたよ。
ずい分笑った楽しいライブだったけど、
もったいないことに、お客さんが少ないんだなぁ。
ギターは、山岸さんが Fender の
Highway Series Dreadnought
(エレアコのシンライン風のギター)。
有山さんが、Harmony の赤いセミアコ。
なんかええなぁ、Harmonyのギター。
『無言坂』の作曲者、調べてみたらビックリ。
なんと、玉置浩二だ!
[ MEMBER ]
有山じゅんじ (gt, vo)
山岸潤史 (gt, vo)
香西かおり (vo)
@ COTTON CLUB
2nd show
[ SETLIST ]
1. Caravan
2. よいしょ、よっこらしょ
3. Vaya con Dios
4. アカシアの雨がやむとき
5. コーヒールンバ
6. Water is Wide
7. 無言坂
8. 買い物にでも行きまへんか
9. みんなの願いはただひとつ
EC1. なつかしの道頓堀
EC2. 見上げてごらん夜の星を
2024.9.27
上田正樹 R&B BAND
Special Guest:永井“ホトケ”隆・山岸潤史
今年3月に「永井"ホトケ"隆 × 山岸潤史」の
ライヴにゲストで出演したのを除くと
3年ぶりのキー坊(上田正樹)のライヴ。
あのライヴから3年も経ったことにビックリ。
今日のメンバーには、3日前に観たばかりの
有山じゅんじ、山岸潤史(ゲスト)もいる。
山岸さんは、今年4回目だわ。
そして、もう一人のゲストが、永井“ホトケ”隆 。
前述の3月の「永井"ホトケ"隆 × 山岸潤史
Special Guest 上田正樹」がとても良かっただけに
今日のライヴも期待して観に行った。
キー坊は、もう75歳になってしまったけど、
全く声が衰えていない。
背中も足もしゃんと伸びていて、姿勢も良い。
きっと日々健康には気を遣っているのでしょう。
曲は、R&B 往年の名曲『Soul Man』や
『Knock On Wood』などから、オリジナル
『悲しい色やね』、サウストゥサウス時代の『最終電車』、
有山さんとの『あこがれの北新地』まで。
途中、山岸さんとホトケさんのデュオコーナーや、
このふたりプラス、キー坊&Yoshie.N の4人による
演奏など、アンコールまで入れて、120分弱。
オーラスは、『Stand By Me』です。
さすがに観客の年齢層が高く、立ち上がる人は
少なかったけど、ええライヴでした。
キー坊、山岸さん、ホトケさんを観ていて
思ったのは、50年ブルースや R&B を
演っていると、ホンモノになるんやな、ということ。
この人たちは、黒人のマネをしているのではないと思った。
有山さんは、3人とはちょっと違って、
ブルースがベースなんやけど完全に独自路線。
キー坊が「世界自然遺産」というのも分かる。
先日のライヴより、有山さんはちゃんとしてた。
それでも曲始まってから、キーの確認しとったけど。
Yoshie.N は、初めて観てからたぶん10年ぐらいは
経つと思うけど、もの凄く貫禄が出てきたと思う。
シャウトするだけで、拍手が起こるほどだったよ。
先日も書いたけど、有山さんの Harmony のギター、ええなぁ。
親指の腹で弾いてるせいもあるかもしれんけど、
とても太い温かいトーンだ。
色(赤)も形もええ。
山岸さんは、ムーンのテレタイプ・シンライン。
春のライヴでも使っていたやつ。
途中のデュオのコーナーで Fender の
Highway Series Dreadnought を使用。
ホトケさんのギターは、KAY のビンテージ・リイシュー。
たぶん「Thin Twin - K161V」というモデルだろう。
買ったばかりと言っていたけど、これが中々渋い。
探してみたけど、ほとんど出回っていないね。
山岸さんが見つけて、ホトケさんに教えたと
言っていたけど、たぶん、出てきても
すぐに売れてしまうのかもな。
有山さんの Harmony も ホトケさんの KAY も
アメリカのビザール・ギター。
なんかああいうの欲しい。
ハイエンドギターもええけど、ああいうので、
渋く演奏したい。(できるのか?)
[ MEMBERS ]
上田正樹 (vo, gt)
有山じゅんじ (gt, vo)
樋沢達彦 (b)
羽仁知治 (key)
Marvin Lenoar (dr, cho)
Yoshie.N (vo, cho)
Guest:
永井“ホトケ”隆 (gt, vo)
山岸潤史 (gt)
@ 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
2024.9.29
Char
For another 100 years
昨日は、日比谷の野音で Char のライブ。
前回(昨年12月)観た EXシアター でのライブが、
本編75分、アンコール入れて1時間40分ぐらいと
短く、やや不満だったけど、昨日は、17時開演で
2回のアンコールがあり終わってみると 19:55ぐらい。
始まった時間が明確でないけど、そんなに遅れて
始まってないので、ほぼ3時間だ。
最後に「長い時間できるか不安だったけど」なんて
Char さん(69歳)ご自身の口から漏れたけど、
まだまだ大丈夫!
正直、どのアーティストも何度もライブを、
観ていると凄く良かった時とそうでもない時が
あるのだけど、昨日は良かったー。
Charさんの声もよく出ていて、
ギターソロも冴えていて とても良かった。
曲は『I Feel Free』、『Livin' In Tokyo』、
『かげろう』、『Uncle Jack』、『Wondering Again』、
『Smoky』、『Shinin' You, Shinin' Day』、
『Rainbow Shoes』、『Apple Juice』など。
珍しく『All Around Me』は演らなかった。
そして、ゲストも良かった。
ミッキー吉野に、仲井戸 “CHABO” 麗市。
チャボのコーナーでは、ローリング・ストーンズの
日本語カバー2曲とRCサクセションの
『いい事ばかりはありゃしない』。
完全に清志郎が乗り移ってたような
チャボの歌に感動。
そして、アンコール、全員で『雨上がりの夜空に』。
まさか、この曲の、しかもイントロで
ウルウルするとは思わなかった。
このライヴのリハの前日に、チャボの夢に
清志郎が出てきたらしい。
やはり昨日は、清志郎が来ていたんだよ。
「石やんもそこに」と、チャボが言うと、
「石やんは神宮(球場)に行ってる」とチャー。
チャボは、とても良い人なんだと思う。
何十年も前、Charの武道館コンサートに
RCサクセションを(たぶんオープニングアクトで)
出してくれたことをずっと恩に思っていて、
「俺たちの自信になった」とお礼を言う。
言うことが、なんかロックっぽくないねん。
私は好きやけど。
あ、でも Charさんが17歳で初対面の時、
「生意気な奴」と思ったとかも言ってたけど。
(チャボの方が5歳年上)
チャーのギターは、バーガンディミストの
ストラトキャスターとマスタング。
チャボのギターは、テレキャスタイプ。
メーカーまで読めず。
[ MEMBERS ]
Char (Gt, Vo)
小島良喜 (Key)
澤田浩史 (B)
Tully Ryan (Dr)
スペシャルゲスト:
仲井戸 “CHABO” 麗市 (Gt, Vo)
ミッキー吉野 (Key)
@ 日比谷野外大音楽堂
2024.9.29
ALFREDO RODRIGUEZ TRIO
アルフレッド・ロドリゲス・トリオ
久しぶりのライヴ3連チャン。
一昨日は R&B、昨日のロックと来て
今日は、キューバン・ミュージック。
トリオ3人ともまだ30代とうい若手。
ピアニストのアルフレッド・ロドリゲスのことは
最近知ったばかり。
2006年、スイスのモントルー・ジャズ・フェスで
クインシー・ジョーンズに見いだされ、
ワールド・デビューに繋がったらしい。
まあ、もうモントルーに出ているだけで
凄いんだけど。
ブルーノートの紹介文には
「ラテン、サルサ、タンゴ、レゲトンなどラテン音楽と
ジャズをブレンドし」とあったが、今日の演奏を聴くと
そこにアフリカンなものも感じた。
『エリーゼのために』(ベートーヴェン)も
ラテンにしてたよ。
3日間6公演の最終ステージということも
あってか、終始リラックスしたムードで、
とにかく3人ともめちゃくちゃ明るくて楽しそう。
『スーパー・マリオ・ブラザーズ』では、
ベーシストのマリオのヤエル・ヘルナンデスが、
客席からマリオの帽子を受取って被った。
あれ、ハプニングなのかな、仕込みなのかな。
ハイライトは、『Thriller』。
前述の通り、アルフレッド・ロドリゲスは、
クインシー・ジョーンズに見いだされ、
プロデュースもされている。
クインシーは、マイケル・ジャクソンの
アルバム"Thriller" のプロデュースもしてて、
そんな話をしてからの『Thriller』。
「マイケル・ジャクソンの『スリラー』とちゃうで。
これはキューバン・スリラー・フォー・ト―キョウや!」
と言っていたけど、あの『Thriller』が、
こんなラテンになるんやな。
YouTubeに2年前のブルーノートの『Thriller』が
あったけど、皆座って聴いている。
今日は、ほとんど全員立ち上がってたから、
もっと熱狂的だったよ。
それにしてもキューバは小さな国なのに
凄いピアニストが何人もいるなぁ。
アロルド・ロペス=ヌサ、
ゴンサロ・ルバルカバ、
そして、アルフレド・ロドリゲス。
また観に行きたい。
[ MEMBERS ]
Alfredo Rodriguez (p)
Yarel Hernandez (b)
Michael Olivera (ds)
@ Cotton Club
2nd show
[ 参考動画 ]
Alfredo Rodriguez Trio "Thriller" Live at Blue Note Tokyo 2022
2024.10.6
アヴィシャイ・コーエン meets
新日本フィルハーモニー交響楽団
An evening with Avishai Cohen "Two Roses"
Avishai Cohen meets New Japan Philharmonic
昨日は、すみだトリフォニーホールに
アヴィシャイ・コーエンと新日本フィルハーモニー交響楽団の
コンサートを聴きに行ってきた。
アビシャイがオーケストラと共演しているのは、
CDで聴いていたし、YouTubeにも動画あるので
観たことがあるが、日本でのこのプロジェクトの
公演は、今回が初めて。
アヴィシャイ・コーエン・トリオのメンバーは、
昨年2月、今年4月の来日と同じ。
ピアノが、ガイ・モスコヴィッチ、
ドラムが、ロニ・カスピ。
ふたりとも まだ20代の若手だ。
オーケストラは、新日本フィルハーモニー交響楽団。
コンダクターは、中田延亮さん。
コンサートマスターは、5月の渡辺貞夫さんとの
共演の時と同じく、西江辰郎さんだ。
(西江さんは、上原ひろみピアノ・クインテットのメンバー。)
まずは、オケだけで15分ほどの演奏があり、
アビシャイ・コーエン・トリオの登場。
今回の私の席は、前から9列目でまあまあ良い席。
アビシャイのMC(英語)。
「このプロジェクトは、日本では始めて。
ほんまにここにいることが嬉しいねん。
これを演る理由はいっぱいあんねんけど、
一番大事なことは、それはな
あんたらがここに来てくれてるってことやで」
(つつみしんやによる意訳)
珍しく、昨日は割と良く聴きとれた。
全部じゃないけど、このくだりはほぼほぼ
聴きとれたので意味は間違ってないと思う。
アビシャイはイスラエル人。
英語は外国語なので日本人にも
聴き取り易いのかも知れない。
ヴォーカルをフューチャーした
『Puncha Puncha』、『Two Roses』
『Nature Boy』(アンコールだったと思う)
など、二度のアンコールを含んで約100分。
アビシャイのトリオのメンバーのソロの時、
オーケストラのメンバーは、ほとんどが真剣な
顔つきで聴き入っているんだけど、
コントラバスの女性奏者が、とっても嬉しそうに
ニコニコしながら聴いているのが印象的だった。
ソロといえば、ロニ・カスピ(ドラム)のソロも
結構長めにフューチャーされてて良かった。
本当に素晴らしい演奏で、会場はスタンドオベイション。
きっと録音しているだろうから、CD 出ないかな。
会場には小曽根真さんも聴きに来ていたようで、
アビシャイが「Makoto Ozone is here」と言っていた。
[ 出演 ]
アヴィシャイ・コーエン (B, Vo)
ロニ・カスピ (D)
ガイ・モスコヴィッチ (pf)
中田延亮 (指揮)
新日本フィルハーモニー交響楽団
@ すみだトリフォニーホール
AVISHAI COHEN TRIO
"BRIGHTLIGHT"
昨日に続いて2日連続で
アビシャイ・コーエンのライヴ。
アビシャイは、2019年に初めてライヴを観て以来、
来日の度に観に行くアーティストに仲間入り。
昨年は3回、今年も今日で3回目。
それだけ、素晴らしいってことね。
本日の会場は、ブルーノート東京。
ブルーノ―ト公演は、今まで数日間
行われてきたけど、今回は今夜の2公演のみ。
おそらくスケジュールの問題だろう。
昨日、今日、そして明日(山形)と
3日連続で公演して、帰ってしまうのか。
タイトだな。
さて、ライヴ。
昨日のすみだトリフォニーホールは、
パラパラ空席も見えたけど、今日は超満員。
なんだか分からないけど、演奏が凄かった。
完全にゾーンに入っていたね。
アビシャイ自身が何度も
「今日はなんや凄いで」
「こいつら(メンバーの二人のこと)ホンマに凄いやろ
びっくりするわ」
(つつみしんやによる意訳)
というようなことを言っていた。
1時間ほど演ったあとで、アビシャイがゲストが
いると言い出した。
もしかして、小曽根さんかなと思ったら、当たり。
昨日も観に来ていたぐらいだからね。
デュオで『On Green Dolphin Street』と
チック・コリアの『Matrix』をロニ・カスピも
含めてトリオで。
まさか The Amity Duet の再演が
聴けるとは思わなかった。ラッキー。
そのあとアンコールで『Summertime』。
あれ、アンコールで2曲演ったような気がするなあ。
全部で95分ぐらい演ったと思う。
ブルーノートの1ショーにしては長い。
アビシャイも凄く満足そうで、冗談で
「明日もブルーノ―トで演ろかな。
あかんあかん、誰か出演者が来るやん。
俺ら、山形行かなあかんし」
(つつみしんやによる意訳)
と言っていた。
アビシャイが何度もガイとロニのことを
絶賛していたけど、マジで凄いプレイヤー達だと思う。
アビシャイが、惚れこんだのももっともだ。
個人的にハイライトは、『Roni's Swing』。
ロニのドラムソロがワンダフル。
今日はカメラが入っていたので、
もしかしたらビデオが出るかも。
ということで、本日もスタンディング・オベイションなのでした。
明日は、山形テルサホールで、トリオのライヴ。
なんとチケット代は、5000円!
山形の人は観に行かんとあかんで。
それから、なんとロニ・カスピは、
ジャズポップなソロアルバムを出していて、
歌まで唄っているぜ!
[ MEMBERS ]
Avishai Cohen (b,vo)
Guy Moskovich (p)
Roni Kaspi (ds)
Guest:
Makoto Ozone (p)
@ Blue Note Tokyo
2nd show
[ 参考動画 ]
Avishai Cohen Trio - Brightlight (Live at Blue Note Tokyo - 2024)
The "Amity Duet" Makoto Ozone & Avishai Cohen - On Green Dolphin Street
Falling With You - Roni Kaspi (Live)
(2024.10.22 追記)
BLUE NOTE TOKYO ― LIVE REPORTS より SET LIST
(1st show も合わせて記載しておく)
2024 10.6 SUN.
1st
1. DREAMING
2. INTERTWINED
3. BELOW
4. EVER & EVER
5. HITRAGUT
6. RONI’S SWING
7. HUMILITY
8. CHUTZPAN
EC. REMEMBERING
2nd
1. SEATTLE
2. INTERTWINED
3. BELOW
4. EVER & EVER
5. HITRAGUT
6. RONI’S SWING
7. HUMILITY
8. CHUTZPAN
EC1. ON GREEN DOLPHIN STREET
EC2. MATRIX
EC3. COURAGE
EC4. SUMMERTIME
2024.10.7
MIKARIMBA
featuring Steve Gadd, Eddie Gomez,
Richard Stoltzman, Mika Stoltzman
& Satoru Shionoya
先週に続いてのライヴ3連チャン。
3日目は「ミカリンバ」。
熊本生まれのマリンバ奏者、ミカさんの
日米混合プロジェクトだ。
2022年8月、「SPIRIT OF CHICK COREA
BAND」として観たときは、ベースが
井上陽介さんだったけど、あれは「ミカリンバ」
ではなかったんだな。
今日は「ミカリンバ」のベース、エディ・ゴメス。
エディ・ゴメスは、この来日中に 80歳になった。
スティーヴ・ガッドも来年で80歳だけど、
今年2回目の来日で、3ヶ月後、来年1月にも
「STEVE GADD BAND」での来日が決まっている。
めちゃ元気。
1曲目は、とてもキメの多い曲で、
アドリブの部分もあるのだろうけど、かなり
細かくアレンジされているような印象。
ガッドも譜面から目を離さなかった。
印象に残ったのは、リチャード・ストルツマン
(クラリネット)とピアノのデュオで、
ソルト(塩谷)の美しいバラード『Life with You』。
それともう1曲、ソルトのゴキケンなサンバ
『あこがれのリオデジャネイロ』をピアノ・トリオで。
日本人ピアニストにとって、エディ・ゴメスと
スティーブ・ガッドとのトリオなんて
そうそう機会のあることではない。
観ている方もうれしくなる。
これは、ゴキゲンな曲だった。
昨日は、アヴィシャイ・コーエンのライヴで
小曽根さんも交えて、チック・コリアの『Matrix』を
聴いたけれど、今日もチックの名前が上がった。
チック作曲の『Japanese Waltz』と『Marika Groove』。
『Marika Groove』は、チックがミカさんのために
書き下ろしたという曲。
しかも、ミカ、スティーブ・ガッド、エディ・ゴメス、
リチャード・ストルツマンのカルテットをイメージしての
当て書きだという。
考えてみれば、昨日も今日もチックに縁のある人達が多い。
改めてチックの偉大さを感じ入ったのでした。
キース・ジャレットの『Memoris of Tomorrow』も
良かったなぁ。
キース本人に「この曲はマリンバに合うから
アレンジして演ると良い」って言われたんだって。
エディ・ゴメスの『Puccini's Walk』。
プッチーニは、エディ・ゴメスのフェイバリットだそうで、
彼の犬の名前もプッチーニだそう。
エディは、久しぶりの来日だったようだ。
アンコールは、『The Duke』(スティーブ・ガッド)。
デュークは、スティーブの息子さんの名前。
スティーブが79歳、エディが80歳、リチャードが82歳。
ミカさんとソルトが50代でこの中では若手だ!
やっぱり、その年齢にならなければ、
出せない音、音楽があるんだな。
横浜、大阪、熊本、大分、そして今夜の東京が千秋楽。
高齢者3人で移動が大変だったと、
ミカさんは冗談のように言っていたけど、マジやろな。
でもやっぱり、いくつになっても
ミュージシャンというのは、クリエイティヴだ。
ライヴ3連チャン、今日もとっても良かった。
[ MEMBERS ]
Mika Stoltzman (Mar)
Steve Gadd (Ds)
Eddie Gomez (Ba)
Richard Stoltzman (Cl)
Satoru Shionoya (Pf)
@ Billboard LIVE Tokyo
2nd show
[ SETLIST ]
1. ?
2. Japanese Waltz (Chick Corea)
3. Marika Groove (Chick Corea)
4. Life With You (塩谷哲)
5. Memoris of Tomorrow (Keith Jarrett)
6. あこがれのリオデジャネイロ (塩谷哲)
7. Puccini's Walk(Eddie Gomez)
8. ?
EC. The Duke (Steve Gadd)
2024.11.6
クインシー・ジョーンズ
11月3日、クインシー・ジョーンズが亡くなった。
91歳だった。
クインシーと言えば、『愛のコリーダ(The Dude)』や
マイケル・ジャクソンの『Off the Wall』、『Thriller』の
プロデュース、それから『We Are The World』の
プロデュースが有名だけど、元々ご本人は、
ジャズのトランペット・プレイヤーだった。
確かレイ・チャールズの映画『Ray』だったと
思うけど、若い頃のクインシーが出て来るよ。
(レイとは、10代のときからの友人)
プロデューサーとしては、世界で一番有名で
成功した人だろうけど(ジョージ・マーティンも
忘れちゃいけない)、若手の育成というか、
新人発掘の腕も凄かった。
ジェームス・イングラムやパティ・オースティンは
もちろん、最近知ったピアニスト、キューバ生まれの
アルフレッド・ロドリゲスもクインシーに
見いだされたひとりだ。
今回の報道で知ったけど、久石譲さんは
「僕の名前は久石譲で音読みでクイシジョーとなり、
それはクインシージョーンズの当て字だ」と
名前の由来を明かしたらしい。
またひとつ時代が終わった感があるなぁ。
合掌。
昨日発表があったのは、漫画家の楳図かずお氏。
10月28日に亡くなった。
享年88歳。
『まことちゃん』のようなギャグ漫画も書いたけど、
私は、小学生の頃に地元の病院の待合室で
読んだ『恐怖』が怖くて、『まことちゃん』も
絵を見ると怖かった覚えがあるよ。
あと、『漂流教室』は、漫画じゃなく小説で読んだ。
全部で5巻あって、1巻を読んだら
やめられなくなって、続きを本屋さんへ
買いに行った覚えがある。
(原作:楳図かずお、著:風見潤)
読んだのもう30年以上前だから、また読んでみたいな。
赤白の縞模様があんなに似合う人はいないよね。
そのほか、最近では、ホイットニー・ヒューストンの母で、
ゴスペル・シンガーのシシー・ヒューストン。
10月7日に91歳で亡くなった。
シシーについては、大好きなレコードがあって
そのことを書いたことがある。
↓
2016.8.31 Cissy Houston
そして、日本の俳優、西田敏行氏。
10月17日に亡くなった。
76歳とは、ちょっと若い。
合掌。
2024.11.15
ERIC CLAPTON
LIVE AT BUDOKAN 2025
昨年4月、これが最後の来日だろうと
エリック・クラプトンの武道館6公演を
全て観に行った。
その中には、武道館100回目公演という
節目の日もあった(2023年4月21日)。
時間がちょっと短いとか、日によって『レイラ』を
演らない日があったとか、ミスがあったとか、
感想は色々だったけど、最終日(4月24日)の
演奏は一番良くて、エリックのMCやメンバー全員への
お辞儀とかも感動的で、6公演全部観られて
とても満足した覚えがある。
そのエリックは、来年3月30日に80歳になる。
そして、80際になったエリックが、再び来日する。
会場は、もちろん武道館で、日程は次の通り。
4月14日(月)
4月16日(水)
4月18日(金)
4月19日(土)
4月21日(月)
4月24日(木)
チケット料金(S席)は、2019年の15,000円、
2023年の20,000円から さらに値上がりし、
25,000円となっている。
また6公演全て観に行くとすると
15万円になってしまう。
まあ、それでもロンドンまで観に行くことを
考えれば安いけれど、何日観に行くか考え中。
何もかもが値上がりしているので、仕方がないとは
思うけど、世知辛い時代になった。
何度も「最後」というのは、まるでなんとか詐欺
みたいだけど、エリック自身は昨年も
「これが最後」とは言ってないんだよな。
過去に「大規模なワールドツアーは、難しい」とは
言ったことがあるけれど。
エリックの年齢を考えて、これが最後かも知れないと
周りが思ってしまうんやろな。
その方が、盛り上がるしチケットは売れるしな。
彼にとって日本は特別な国らしいから
こうして来てくれるんやろな。
ウドーのサイトによると
「クラプトンは、『プロンプターに頼るようになったら、
もうやめる』という印象的な言葉も残している」とある。
「プロンプター」というのは、歌詞などをステージ上の
モニターに映し出す装置のこと。
日本のアーティストにも、歌詞を覚えられないのか、
間違うことを防ぐためか、「プロンプター」を
使っている人は少なくない。
個人的には、フォークの人が譜面台を立てて、
歌詞を置いているのは気にならないけど、
ロックの人が「プロンプター」を置いているのは、
やや興ざめする。
なんでやろ。
なんかその行為自体に「ロック」を感じないからかな。
大好きなアーティストの中にもそういう人はいるし、
記憶力は衰えていくものだから、
100%否定はしないけど、落語家や講談、演劇の人は、
そんなもの観ないし、盲目のアーティストは
そもそも歌詞も楽譜も見ないということを考えると、
どうしても高いレベルの芸を望んでしまう自分を
否めないんだな。
「プロンプター」を見ないことが、芸のレベルを
決めるわけではないけどね。
そういう意味では、クラプトンが、
「プロンプターに頼るようになったら、もうやめる」と
言ったというのは、支持したい。
2024.11.17
Lee Ritenour&Dave Grusin
with Brasilian Friends
featuring Ivan Lins
2年ぶりのリー・リトナー。
一昨年も「リー・リトナー & デイヴ・グルーシン」
名義での来日だったが、今回も。
そこにブラジルのメンバーも加えたライヴだ。
これは「かわさきジャズ2024」のライヴのひとつ。
「かわさきジャズ2024」は、今年で10回目となる
ジャズ・フェスティバルで、今年は約2カ月にわたって
開催される。
今日のライブ会場は、ミューザ川崎シンフォニーホール。
ここは、パイプオルガンがあることからも
クラシック用に作られたホールだと思うが、
私はジャズやポップスでしか訪れたことがない。
1部は「リー・リトナー & デイヴ・グルーシン」バンド。
一昨年は、ベースがメルヴィン・デイヴィスだったけど
今回は、ムニール・オッスン。
この人のことは、知らなかったのだけど、
ブラジルのマルチ・プレイヤーで、見た目から結構なインパクト。
いくつかググって聴いてみたら、断然興味が湧いた。
そして、ドラムが一昨年同様、リーの息子、
ウェスリー・リトナー。
どういうわけか、この人のドラムは、
何度観てもうるさく感じてしまう。
今日は、始まってしばらくは、
ジャズクラブではなく会場が広かったので
そんなに気にならないな、と思っていたら、
途中から、スネアやタムの音がうるさい、
シンバルもうるさい、と感じ出した。
なんか音楽にとけ込まないような気がするのは、
私だけだろうか。
その大きな音のスネアの時に、数回、
ベースのムニールが振り向いてウェスリーを
見たのだけど、どういう意味だったんだろうか。
やっぱり「キミ、ちょっとやかましいよ」という
感じだったんだろうか。
それとも「いいねぇーそのスネア」という
意味だったんだろうか。
そして、デイヴ・グルーシン、90歳です!
元気そうです。
リーは、72歳。
りーは、ちょっと歩き方が、気になった。
歩幅が狭くヨチヨチで、お腹も出てるし、
腰かどこかが悪いような歩き方だった。
健康には気を付けてね。
ギターは、一昨年と同じ。
サドウスキーがメインで、あとはいつものギブソン、
レスポールとヤマハのナイロン弦のサイレントギター。
曲は、『The Village』、『Etude』、
デイヴのピアノソロで『It Might Be You』など。。
ご本人は「フィルム(映画)に書いた曲だけど
何のフィルムか忘れてしまった」と言っていたけど
曲が終わってからリーが『トッツィー』だとフォロー。
50分ほど演奏し休憩。
2部は、ブラジル人メンバーを加えて。
ドラムが、ウェスリーからエドゥ・ヒベイロという人に
変わったのだが、全くうるさくない。
(というか、それが普通)
やはり、ウェスリーのドラムの何かが
私には耳障りなんだと思う。
3曲ほど演って、ようやくイヴァン・リンスの登場。
誰よりも拍手が大きく、イヴァンの人気の高さを感じた。
まず、クインシー・ジョーンズに捧げると言って
『Love Dance』を始めたのだが、PA(音響)に
トラブルがあったようで、歌声がちゃんと
スピーカーから出ていなかった。
次の曲で回復したけど。
ほかにもタチアナ・パーハがスキャットしている声が
聞こえて来なかったり、今日の PA には不満あり。
『Harlequin』では、会場の皆に歌わそうとしたけど、
個人的にはイマイチ盛り上がりに欠けた印象かな。
でも、ブラジル勢の参加した2部の方が、
勢いがあって良かったと思う。
MC をした3人とも(リー、デイヴ、イヴァン)が
「クインシー・ジョーンズ」の名前を複数回 出した。
あらためて、クインシーのアメリカ音楽界における
影響力の大きさ、偉大さを感じた。
デイヴは、日本に初めて来たのは、
クインシー・ジョーンズと一緒のビッグバンドで
会場は武道館でだったんだって。
(私の聞き間違いでなければ。)
[ MEMBERS ]
音楽監督/ギター:リー・リトナー
ピアノ/キーボード:デイヴ・グルーシン
ベース/ヴォーカル:ムニール・オッスン
ドラムス:ウェスリー・リトナー
ヴォーカル:タチアナ・パーハ
ベース:ブルーノ・ミゴット
ドラムス:エドゥ・ヒベイロ
パーカッション:マルセロ・コスタ
ヴォーカル/キーボード:イヴァン・リンス
@ ミューザ川崎シンフォニーホール
2024.11.28
オーケストラ・プロジェクト 2024
「直感とイマジネーション~AIと作曲家の現在」
昨日は、 東京オペラシティ コンサートホールへ
現代音楽のコンサートに行ってきた。
友人が招待券を2枚貰ったというので、
誘ってくれたんだ。
現代音楽なんて、生で聴く機会は滅多にない。
この「オーケストラ・プロジェクト」は、1979年に
始まったプロジェクトで、1995年以降は
東京交響楽団の協力を得て毎年一回
開催されているとのこと。
昨日が第39回の開催だった。
毎回、作曲家が入替るようだが、今回は
森垣桂一、松波匠太郎、山内雅弘、今堀拓也。
この4人の作曲した楽曲の初演だった。
曲目は、次の通り。(名前は作曲家)
森垣桂一: ミステリウム
松波匠太郎: “ABC”の印象 ~独奏サクソフォンとオーケストラのための
山内雅弘:螺旋の記憶 III ~オーケストラのための
今堀拓也: 交響曲第1番
まず、開演前に「プレトーク」というのがあって、
4人が登壇し、それぞれの曲の解説などをした。
タイトルが「直感とイマジネーション~AIと作曲家の現在」と
なっているが、特に AI を使って作曲したものが
演奏されるわけではなかった。
代表の山内さんによると、
今後、AI が作曲においてどのようになっていくのか、
やがて作曲家は不要になる時代が来るのか、と
いうような問題提起(?)の意味であったらしい。
現代音楽というと、何かわけの分からないことを
やっているというイメージを持っていたが、
昨日聴いた4曲は、ある意味とても映画音楽の
ようであり、映画音楽好きな私には、
この音楽にはどんな映画が合うんだろうという
観点で聴いていたので、楽しめたよ。
こういう印象ね。
【森垣 桂一:ミステリウム】
ヒッチコック作品のサウンドトラックだと言って
聞かされたら、信じてしまうだろう。
それほどにサスペンス映画的。
【松波匠太郎:“ABC”の印象~独奏サクソフォンと
オーケストラのための】
これは、サイコ・ホラーだ。
『シャイニング』のイメージ。
【山内雅弘:螺旋の記憶 III ~オーケストラのための】
これは、地球外生命体が出て来る SF 映画だね。
【今堀拓也:交響曲第1番】
スネアドラムが、16分音符を刻むだけで、
戦争映画になるんやな。
航空や海上の戦争ではなく、海兵隊の戦闘。
ベトナム戦争のイメージ。
『プラトーン』が思い浮かんだ。
私は、メロディが美しい音楽が好きだ。
全てではないだろうけど、現代音楽というと、
どうも歌えるようなメロディが聞こえて来ない
イメージがあり、あまり食指が動かなかった。
でも、映画のサントラなら、そういうのもありだものね。
残念ながら、このプロジェクトで演奏されるような曲は
「初演が終演になることが多い」という。
オーケストラの楽曲の作曲には、ものすごい
エネルギーがいるようだし、オーケストラの
リハーサルだって、大変だろうと思う。
それが、一度きりだなんて、なんだか切ないな。
チェロ奏者の中に、上原ひろみピアノ・クインテットの
向井航(わたる)さんがいたように見えたんだけど、
違うかな。
調べてみたけど、東京フィルハーモニー交響楽団の
メンバーの中に向井さんの名前はないんだ。
向井さんは、関西フィルハーモニー管弦楽団
首席チェロ奏者と出て来るけど、客員だったのかな。
【 演 奏 】
指揮:大井剛史
サクソフォン独奏 (松波作品):上野耕平
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
@ 東京オペラシティ コンサートホール