2026年8月
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2026.8.3
美しき愚かものたちのタブロー
原田マハ (著)
川崎造船所(現・川崎重工業)の
社長であった松方幸次郎という人は、
まだ日本に西洋美術館がなかった時代
(1920年前後)に、本格的な美術館を
創設しようと、ヨーロッパで膨大な数
(1万点に及ぶと言われている)の
美術品を集めた人で、その作品群は
「松方コレクション」と呼ばれている。
現実には、松方が創ろうとした美術館
(場所や「共楽美術館」という名前まで
決まっていた)は、川崎造船所の破綻や
第二次世界大戦によって実現しなかった。
が、その膨大なコレクションが、
フランスに残されたままであった。
松方は、なぜ美術品のコレクションを始め、
美術館を創ろうとしたのか。
そして、戦争でフランスに接収された
「松方コレクション」を日本が取り戻すまで、
どんなドラマがあったのか。
本作は史実に基づいた小説で、
実在した人物が多く登場する。
原田マハさんによると、タイトルの
「美しい愚かもの」とは、ゴッホ、モネ、
マティスといった当時のフランスのアカデミーでは
斬新すぎて評価されなかった画家たち、
そして、美術館を作ること、コレクションを守ることに
命を懸けた登場人物たちのことで、その美しいまでの
彼らの愚直さに、敬意を込めて付けたとのこと。
「タブロー」というのはフランス語で「絵画」のこと。
現在の日本には、当たり前のように美術館が
あるけれど、この小説を読めば、日本に美術館が
できるまでには、多くの人の苦労と大変なドラマが
あったんだと知ることができる。
1959年にフランスから寄贈(取り返しただけなのに
フランス政府は「返還」とは言わない)された
松方コレクションの受け入れ先として、
上野にある国立西洋美術館が、設立された。
2019年6月、国立西洋美術館は、
開館60周年を迎え「松方コレクション展」を開催した。
(本作は、それに合わせ 同年5月に出版された。)
その頃の私は、松方幸次郎のことも
この小説のことも知らなったので、
展覧会には行っていない。
この小説を読んでいたら、絶対に行っただろうなぁ。
★★★★▲
実写化するのは大変だろうけど、
映画にしても良いと思う。
松方幸次郎は、役所広司、
吉田茂は、小日向文世、
田代雄一は、妻夫木聡、
年老いた日置ス三郎は、遠藤憲一で
どうだろう。
ところで、2022年に先にこの小説を読んだ妻が
松方幸次郎の話をし出した。
写真はその頃に見つけて買った2019年の
国立西洋美術館「松方コレクション展」の図録。
↓
中古品だがとても状態の良いものを入手できた。
分厚いです。
2026.8.4
MARIA SCHNEIDER ORCHESTRA
2年ぶりにマリア・シュナイダーを聴きに行って来た。
前回は、バンドメンバーが日本人で、
会場が東京芸術劇場 コンサートホールだったけど、
今日は9年ぶりのブルーノート公演。
メンバー総勢19名は、9年前とほとんど同じ。
5日間(10公演)の初日の 2nd show。
残りの8公演全てソールドアウトという大人気。
たぶん今日も満席だったので、売り切れていただろう。
毎度思うけど、マリア・シュナイダー、可愛いです。
65歳(今年66歳)とは、とても思えない。
そして、指揮する姿が凛々しい。
腕、手、指の動きが素晴らしい。
その指揮している最中の、
手の写真を撮りたいと思ったわ。
素人が、指揮をすると演奏されている音楽に
合わせて、指揮をしてしまう。
マリアの動きを観ていると、音楽に合わせて
いるのではなく、彼女自らが音楽をジェネレイト
していることに気付いた。
18人のバンドメンバー「オーケストラ」という楽器を
演奏しているかのようなのだ。
全曲良かったが、曲名が分かったのは
『American Crow』、『Don'T Be Evil』、
『Stone Song(「石のささやき」と日本語で
紹介してた)』の3曲。
彼女の曲(というよりは、アレンジといった方が
よいかも知れない)は、独特だ。
うまく言語化出来ないけど、ちょっと現代音楽的な
要素もありつつ、美しいハーモニーも生かす。
管楽器の表現の際までを自由に使い、
なおかつソリストの個性を引き出す。
上手く言えてないけど、そんな感じ。
9年前のエントリーにも時間が経つのが
速かったと書いているが、今日も然り。
あっという間に時間が過ぎたよ。
[ MEMBERS ]
Maria Schneider (comp,cond)
Steve Wilson (as)
Dave Pietro (as)
Rich Perry (ts)
Donny McCaslin (ts)
Scott Robinson (bs)
Greg Gisbert (tp)
Michael Dudley Jr. (tp)
Nadje Noordhuis (tp)
Mike Rodriguez (tp)
Keith O'Quinn (tb)
Ryan Keberle (tb)
Evan Amoroso (tb)
George Flynn (tb)
Julien Labro (acc)
Jeff Miles (g)
Gary Versace (p)
Jay Anderson (b)
Johnathan Blake (ds)
@ BLUE NOTE TOKYO
2nd show
[ 関連エントリー ]
2017.6.10 MARIA SCHNEIDER ORCHESTRA
2024.7.28 マリア・シュナイダー plays マリア・シュナイダー
2026.8.5
4 Guitarists Night
井上智、中井勉、高免信喜、小沼ようすけ、4人の
ジャズ・ギタリストのセッションを聴きに行ってきた。
満席でした。
中井さん、高免さんを聴くのは初めて。
おふたりとも、ニューヨーク在住のギタリスト。
井上さんも 2010年まで 21年間ニューヨーク在住だった。
本日のハコは、残念ながら9月で閉店が
決まっている、渋谷の BODY &SOUL。
何年か前に、青山から移転したのだけど、
こういう老舗がなくなるのは、さびしいね。
演奏は、Sextet(4人のギター、ベース、ドラム)
Trio(ギター、ベース、ドラム)、
Duo(ギター2人)という3つの編成で。
使用ギターは、次の通り。
井上智 / Abe Rivera
小沼ようすけ / Nishgaki Guitars
中井勉 / Gibson ES-335(1998)
高免信喜 / Gibson Johnny Smith
井上さんと小沼さんの機種名までは分からないけど。
4人ともいい音だったね。
高免さんが、フェンダーのデラリバで鳴らしているのに
小沼さんのアンプは、Henriksen の Bud SIX。
めちゃくちゃ大きさに差があるのに、
出音に差がなく、Henriksen の優秀さを再確認した。
ヴォリュームが、4人そろってなかったのは残念。
演奏は全員素晴らしく、甲乙付けられない。
付ける必要もないけど。
曲は、スタンダード中心に、メンバーのオリジナルも。
印象に残ったのは、井上さんアレンジの
『In a Sentimental Mood』。
出だしのメロディを4人のギタリストで、
2音ずつ弾いたり、テーマを4本でハモったり。
4人でハモるのは、まるでギター・ビッグバンドの
ようにも聞こえたよ。
ギターが たくさんあるライヴは楽しい。
[ SETLIST ]
1. Django (J. Lewis) / Sextet
2. All Waltz (N. Takaman) / 井上・高免 Duo
3. ? / 小沼・中井 Duo
4. In a Sentimental Mood (D. Ellington) / Sextet
5. Road Song (W. Montgomery) / Sextet
(休憩)
6. ? / 小沼 Trio
7. Autumn Leaves / 高免 Trio
8. Nutville (H. Silver) / 中井 Trio
9. It Might as Well Be Spring (R. Rodgers) / 井上 Trio
10. Jingles (W. Montgomery) / Sextet
EC. (Blues) / Sextet
[ MEMBERS ]
井上智 (g)
中井勉 (g)
高免信喜 (g)
小沼ようすけ (g)
Pat Glynn (b)
Gene Jackson (ds)
@ BODY & SOUL
終演後のメンバー