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2026年 映画・演劇・舞台 etc

    
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2026.4.14

1975年のケルン・コンサート
KöLN 75




キース・ジャレットを初めて聴いたのは、
1995年 33歳で上京した冬だった。
バーテンダーの修行(というと大げさだけど)の
ために週末、自由が丘にあったバーで
アルバイトをさせてもらっていた。
シガー(葉巻)も吸えるオーセンティック・バー。
そこで流れる音楽(バーのマスターの選曲)は、
マドレデウス(ポルトガル)、エンヤ(アイルランド)、
マイク・オールドフィールド(イングランド)など
それまで私が聴いてこなかった音楽だった。

そんな CD の中にキース・ジャレット
(アメリカ)の『ザ・ケルン・コンサート』もあった。
ケルンでのコンサートのライヴ録音盤だ。
初めてそれを聴いた時は、ケルンがドイツの
街の名だということさえ知らなかった。
『ザ・ケルン・コンサート』は、ソロ・ピアノの
アルバムだったのだが、全編が即興だと
聞いても信じられなかった。
2枚組の CD で1枚に2曲ずつ、合計4曲。
曲のクレジットは、「Part I」、「Part IIa」、
「Part IIb」、「Part IIc」と曲名もない。
そもそも即興なのだから、はなから曲名などないのだ。
後にこのアルバムは、ジャズの中でも重要な1枚だと知った。

キースは現在80歳で、すでに音楽界から引退している。
脳卒中を発症し、その後遺症で残念ながら
演奏ができなくなったようだ。

前置きが長くなった。
今日は映画『1975年のケルン・コンサート』を観てきた。
前述のキースのアルバム『ザ・ケルン・コンサート』に
関する映画だ。
しかし、これはキースの映画であって、
キースの映画ではない。

主人公は、ケルンの女子高校生のヴェラ。
ひょんなきっかけから、ミュージシャンのツアーを
ブッキングすることを始めたヴェラは、
ベルリンのジャズ・フェスティバルで、
キース・ジャレットの演奏を聴き、衝撃を受け、
キースのケルン公演の開催を決意する。
当時18歳だったヴェラが、キースをケルンに
呼ぶまでも簡単な道ではなかったのだが、
当日になって、会場に用意されていたのは、
壊れた小さなピアノ。
キースは「このピアノでは弾かない」という。
さて、どう乗り切るか。
その日のコンサートの裏側で、こんなドラマが
あったとは知らなった。

ジャーナリストの質問に答える、キースの言葉が
深くて、そのシーンだけでももう一度観たいぐらい。
そして、この日キースは疲れていて、睡眠不足で
腰が痛くて、演奏をしたくなかった。
録音にも反対だったとは。

冒頭に「Inspired on true story」とテロップが出る。
「Based on」ではないし、オフィシャルサイトにも
「その舞台裏をドラマチックに映画化した」と
あるので、創作部分も多いと推測する。
できればどこが事実で、どこが創作か知りたいが、
それは無理だろうか。
でも、とにかく面白かった。

「全編が即興だと聞いても信じられなかった」と
書いた通り、私はある程度、モチーフぐらいは、
準備してステージに挙がっているんじゃないか、
こんな即興ができるわけない、と思っていた。
特に「Part IIc」は、『Memories of Tomorrow』
というタイトルでスタンダードになってしまっている。
それほど完成されたメロディなのだ。
しかし、この映画のキースを観る限り、
あれは本当に即興なのだと思った。
異常なほどの集中力で演奏しているので、
観客の咳で演奏が止まってしまう(来日公演での
実話)んだろう。

そして、驚くべきことは この映画でキースの
演奏音源が1曲も使われていないこと。
許諾が得られなかったという事情のようだ。
しかし、ちゃんとキースがピアノを弾いている
映画になっているのが 素晴らしい。
途中流れるキースの演奏は、ステファン・ルスコーニ
というスイスのピアニストがキースを模して
演奏しているらしい。
マイルス・デイヴィスの実際の演奏などは
流れるんだけどね。
鑑賞時にはキースの音源を使っていないなんて
事情を知らなかったので、原題が「KöLN 75」なのに
そのコンサートのキースのピアノ演奏が一音もなく
終わるのは 逆に斬新!と思ったよ。
これは音源を使えなかった怪我の功名じゃないだろうか。

キースを演じるジョン・マガロ、キースの
マネージャーのマンフレート・アイヒャー役の
アレクサンダー・シェアーがとても良い。

主役 ヴェラ を演じたドイツの女優
マラ・エムデは、映画の中で16歳から18歳を演じる。
どうみてもティーンには見えないので
そこは「ちょっと無理があるで」と思ったが、
1996年生まれとあるから、やはり撮影時には
28歳か29歳だったということだな。

この手の映画で、役がドイツ人なのに
全員英語を話すというのも珍しくないが、
本作ではちゃんとドイツ語と英語が
使い分けられており、そこは好感が持てた。

18歳の女性が、アメリカ人ジャズピアニストの
しかも1000人のオペラ・ホールのブッキングを
したなんて、1970年代ならではだろう。
現代ならシステムが出来上がっていて
そんなことは、無理なんじゃないだろうか。

今、『ザ・ケルン・コンサート』を聴きながら
これを書いているが、51年前の演奏であること、
そして、あの背景があったと思うと
また一味違って、感慨もひとしおです。
素晴らしい。
これ、ジャズ・ソロ・ピアノで一番売れた
アルバムだそうです。
こうなると、一度も生でキースを聴いていないのは、
とてもとても残念。

監督はイスラエル出身のイド・フルーク。


★★★★▲


2025年製作/116分/PG12/ドイツ・ポーランド・ベルギー合作
原題:Köln 75
劇場公開日:2026年4月10日

恵比寿ガーデンシネマにて鑑賞



ところで、驚いたことに本作が
今年初めて映画館で観る映画だった。
もう4月の半ばなのに。
コロナ禍の前は、年間50本から60本、
映画館で観ていたのに何かが変わってしまったようだ。
コンサートやライヴの数は、2022年には
コロナ前の数に戻ったのだけど、どういうわけだろう。
別に映画に興味がなくなったわけではないのだけど。





2026.4.18

Man on the Run
マン・オン・ザ・ラン




ザ・ビートルズ解散後のポール・マッカートニーの
数年間を描いたドキュメンタリ―『マン・オン・ザ・ラン』。
タイトルは、1973年に発売された、
ポール・マッカートニー&ウイングスのアルバム
『バンド・オン・ザ・ラン』から来ているのだろう。
製作は、Amazon MGM スタジオ。
全世界で今年2月19日、1日限定上映し、
2月27日から Amazon Prime Video による
世界配信が始まった。

本作を観て、私はポール(というかビートルズの
メンバ―全員だけど)が、ビートルズを解散して
どんな気持ちだったのかとか考えたことがなかった
ことに気付いた。
ビートルズで大成功し、解散し、それからも
苦労することなく、世界の音楽の第一線に
君臨し続けている、そんな勝手なイメージを持っていた。
もちろんビートルズ時代に観客が音楽を
聴かないのでライヴができなくなったり、
解散前後でジョンとの不仲説とかがあったのは
知っていたけど。

以下、ネタバレ含みます。
ビートルズの解散は、ジョンが脱退を言い出した
ことが始まりだったのに、ポールの脱退が先に
報道されたために、ポールが悪者になったとか、
ウイングスでは、リンダが叩かれたりとか、
何よりもポールが、ビートルズ解散後に
自分を立て直すのに、ずい分と時間がかかって
いることを恥ずかしながらこれを観て初めて知った。
なんだかそういう苦悩とポールのイメージが
結びつかなかったんだ。
でも、考えてみれば、いや考えるまでもなく、
ポールも人間だ。
もとビートルズの中心人物であっただけに、
その後のプレッシャーも半端なものではなかっただろう。
いつもいつも、ジョンと比較され、「ビートルズの
再結成は?」とうんざりするほどマイクを
向けられてきたことだろう。

ビートルズの解散が、正式に落ち着くのに
何年もかかっていることも知らなかった。

1975年の日本の法務省によるビザ発給拒否で、
来日公演が中止になったことや、
1980年のウイングスとして来日した際、成田空港で
大麻取締法違反により逮捕され、公演が全て
中止になった、あの事件のこともしっかり描かれている。
事前に「日本は厳しいから大麻を絶対に持って行くな」と
聞かされていたのに、やっちまったポールの心境。
もしかしたら、7年刑務所に入らなければならないと思い、
娘たちが東京の郊外で育つ姿を想像したという。

印象に残ったのは、ビートルズ解散の発表時に
配られた書面に書かれていたこと。
「今後の計画は?」の質問の答えは
「My only plan is to grow up.」

ジョンがポールのソロアルバム『マッカ―トニー』を
かなりすり減るぐらい聴き込んでいたこと。

ポールが、「僕の人生で大きな恵みは、
(ジョンと)和解できたこと」と語っていること。

1980年、ジョンの事件の当日、マイクを
向けられたポールが、とても冷たく応えており、
途中で「じゃこれで、以上だ」と話しを切る。
見ている者には、あまりにつれない態度に映る。
実際、そういう批判があったようだ。
しかし、ショーン(ジョンの息子)が、こう語る。
「僕には分かってた。
彼の目や声のトーンが物語っている。
ポールはこの出来事を受け止めきれてない。
あの時の彼の様子はまるで、ロボットだ。
冷酷だという人もいるが、当時から
そう思っていなかった。
ひどいことが起きるとああいう反応は当然だ」

ポールの娘は、その日の父ポールのことを
「あんなに驚いた姿を初めて見た」と語っている。

ビートルズ解散後もポールには名曲が多い。
『My Love』、『Silly Love Songs』、
『No More Lonely Nights』、『Let ’Em In』、
『Listen To What The Man Said』、
『Band On The Run』など
これらは、私が好きな曲だ。


★★★★▲


2025年製作/115分/イギリス・アメリカ合作
原題:Man on the Run


Amazon Prime Video で鑑賞





2026.6.7

ヴィヴァルディと私
Primavera




ヴァイオリン協奏曲「四季」で有名な
作曲家アントニオ・ヴィヴァルディ。
17~18世紀の作曲家だ。
バッハ、ヘンデルと並んで、バロック音楽の
代表格だろう。
そのヴィヴァルディ、20世紀に発見(?)
されるまで、約200年に渡り、忘れられていた
存在だったとは、知らなかった。

本作は、18世紀初頭、ヴィヴァルディが
ベネチアのピエタ院(養育院/女子孤児院
施設)にバイオリン教師として赴任した
実話を題材にいた物語。

主役は、ヴィヴァルディではなく、
養育院で育てられた若い女性 チェチリア。
映画のオフィシャルサイトには「少女」と
書かれているけれど、見た感じは大人の女性。
演じるテクラ・インソリアは、2004年生まれと
あるので撮影時は、20~21歳ぐらいだっただろう。

チェチリアは、ヴィヴァルディの指導のもと、
ヴァイオリンの才能を開花させ成長していく。
(あんまり指導しているシーンはないけど。)
しかし、養育院で育てられた彼女たちは、
お金と引き換えに嫁がなければならない。
そのお金は、養育院の運営のためであり、
新たな孤児を育てるためでもある。
嫁ぐ娘は処女でなければならず、
婚礼の直前には、処女かどうかの検査まであった。

有能なプレイヤーも生んでいたようだが、
その背景は、金(寄付)。
そして、驚くほどの男尊女卑と、人権無視。
それが、「慈善」施設だったんだ。
その時代に現代の「赤ちゃんポスト」のような
システムがあったことも驚きだった。

原作は小説ということなので、多くの部分は
創作だと思うが、この時代に子どもを捨てる
(捨てなければ生きていけない)女性が
少なくなかったことも初めて知った。

チェチリアを演じるのは、テクラ・インソリア。
ヴィヴァルディには、ミケーレ・リオンディーノ。
イタリア人の名前は、覚えられないな。

以下ネタバレの感想。
最後にチェチリアは脱走し、自由を手に入れて終る。
その後の彼女の幸せを祈らずにはいられない。
ひどい、怖い、と思っていた養育院の院長は、
実はええ人だったという結末。
養育院の監事が、ザキヤマにしか見えなかった。

あと、楽団に管楽器など新しい楽器が
増えていくのだが、養育院の少女たちが
すぐに演奏できるようになるのは、
そんなに簡単ちゃうやろ、と突っ込みたかったな。
ま、映画ですから。

原題の「Primavera」はイタリア語の「四季」。
「四季(春)」がエンドロールで、
流れるけど劇中では演奏されないので、
そのタイトルは、なんでやろ。
ティツィアーノ・スカルパ著の原作小説の
タイトル「Stabat Mater」はラテン語で、
意味は「悲しみの聖母」。
この本は2009年、イタリア最高の文学賞、
ストレーガ賞を受賞している。
2011年に小説が日本で発売された時は
「スターバト・マーテル」だったが、映画の
公開に伴い今年「ヴィヴァルディと私」に
改題新装されたようだ。
「ヴィヴァルディと私」という邦題は、
映画のストーリーを考えると、明らかに
ヴィヴァルディの名を使うことで
広告効果を狙っている感じがする。
まあ、映画を多くの人に観てもらうためには、
仕方ないんやろな。
「悲しみの聖母」や「スターバト・マーテル」
だったら私も観に行ってないかも知れないもん。


★★★★▲


2025年製作/110分/G/イタリア・フランス合作
原題:Primavera
劇場公開日:2026年5月22日





箱の中の羊




是枝監督の新作『箱の中の羊』。
是枝監督の長編映画は、2004年の
『誰も知らない』以降は、13本中11本を
劇場で観ている。
(観ていないのは『花よりもなほ』(2006)と
『奇跡』(2011)の2本だけ。)
それぐらい、映画監督の中では好きな方だ。

『箱の中の羊』は、お笑いコンビ「千鳥」の
大悟が映画初主演というのも興味があり、
観てきた。
本作も是枝作品には欠かせないテーマ、
家族の物語。
設定は、いわば SF やね。

近未来の話し。
息子を亡くした建築家の音々(おとね)と
工務店の社長を務める健介の夫婦は、
息子・翔(かける)の姿をしたヒューマノイドを
迎え入れる。
ヒューマノイド(作り物)の息子との
生活を通して、夫婦が息子の死から
立ち直っていく再生の物語、といえば、
そうかも知れないけれど、それだけにとどまらない。
家族の死をどう受け入れるのか、
家族(親子)って何だろう、
これから人類は、AI とどう向き合っていくのか、
等々、普遍的な問題と現代ならではの
問題が入り混じる、問題提起の作品と感じた。

SF と書いたけど、観終えた感想は、
そんな問題提起の大人のおとぎ話という印象。

中国では「死者の蘇り」のビジネスが
人気らしいが、こういうヒューマノイドが
登場する未来はイヤだなと思う。
セラピーも必要かもしれないけれど、
悲しみを乗り越えられるのが人間だと信じたい。

ラストは「それ誘拐ちゃうの?」
「ほんで彼らは、これから何をして
生きていくの?」という疑問もあったけれど、
そういうのは、本作には言いっこなしかな。

綾瀬はるかと大悟が、主役の夫婦役。
大悟は、思った以上に良かったな。
特に警官にキレるシーンは、迫力があった。
冒頭の大悟の台詞がいくつか聞き取れず、
これは難しいぞ、と構えたけれど、
それからはほとんど聞き取れた。

大悟が、綾瀬はるかにひざマクラで
ドライシャンプーしてもらうシーンだけ、
大悟が素に戻っているように見えたよ。

タイトルは、小説『星の王子さま』で
描かれている「箱の中の羊」に
由来しているのは分かったけれど、
意味深でまだ未消化だ。

出演は、綾瀬はるか、大悟のほか、
ヒューマノイド翔役に 桒木里夢。
余貴美子、田中泯、角田晃広、等。

そういえば、スピルバーグ監督の『A.I.』。
あの映画も人工知能を持った少年の
ロボットが出てきた。
『A.I.』は、2001年の映画でストーリーは
全く覚えていないけれど、25年経って、
あの頃より人工知能は劇的に進化しており、
近い将来、亡くした家族の代わりの
ヒューマノイドが本当に登場するかも知れない。


★★★▲☆


2026年製作/125分/G/日本
劇場公開日:2026年5月29日





2026.6.12

ホワイトタイガー
ナチス極秘戦車・宿命の砲火




ロシアの作った第二次世界大戦の
映画はもしかしたら初めて観たかも知れない。

戦争末期、神出鬼没のドイツ軍の戦車
「ホワイトタイガー」にソ連軍は、悩まされていた。
そのホワイトタイガーに撃たれ、全身に
火傷を負った戦車兵が奇跡的に回復するが
彼は自分の名前も分からない記憶喪失。
ナイジョノフと名付けられた彼には、
戦車の声を聞く、という特別な能力が
備わっていた。
ソ連軍は、特別な戦車を作り、ナイジョノフに
ホワイトタイガー撃破の任務を与える。

ソ連の戦車マニアにはたまらないのかも
知れないけど、微妙な映画だった。

ホワイトタイガーは、アナコンダやアリゲーター、
はたまたジョーズのように突然現れる。
そして、乗組員は映らない。
まるでホワイトタイガー自身が生き物の
ように描かれている。
見方を変えると、ホワイトタイガーも
ナイジョノフも戦争が生んだ亡霊のようにも思える。

結局、「ホワイトタイガー」には中途半端な
打撃を加えただけにとどまるのだが、
唐突にドイツの無条件降伏の署名シーンになり
戦争は終わる。

そして、脈略なく、ヒトラーの独白が始まる。
「あの陰気で不機嫌な国(ロシア)は、
ヨーロッパではない。
野蛮な怪物だ。
戦争はなくならない。
戦争は自然。
戦争は生命そのもの。
戦争は原点。」
うーむ、これは意味深だな。
しかもロシア製作の映画が言わせている。


★★★☆☆


2012年製作/104分/G/ロシア
原題:Belyy tigr
劇場公開日:2014年1月18日


Amazon Prime Video で鑑賞





2026.6.13

THIS IS IT



現在、公開中の映画『Michael』を
観る前に予習として『THIS IS IT』を観た。

2009年、ツアー「THIS IS IT」の開催を
発表したマイケル・ジャクソン。
同年4月から6月までリハーサルを
重ねたが、公演開始1か月前の 6月25日、
マイケルは50歳で急逝した。

『THIS IS IT』は、そのリハーサルの様子を
編集した映画で、2009年に公開された。
特別マイケルのファンという訳でもない私でも、
劇場で鑑賞して、マイケルのショーに懸ける
妥協なき姿勢に感動した覚えがある。

2000年代に入ってからのマイケルは、
多くのスキャンダルで、音楽活動も
思うようではなかったのだろう。
そんな状況からの「THIS IS IT」ツアー。
カムバックであり、自身最後のツアーと
位置付けていたようだ。
50歳になり、本人も限界を感じていたのだろうか。
ファンによると『THIS IS IT』で見られる
マイケルのダンスは(リハーサルということも
あるかもしれないけれど)「かつてのキレがない」
という感想も読んだ。

劇場で観た際のエントリーを読むと、
かなり興奮し、感動した感じがあるが、
16年ぶりに観てみるとそれほどではなかった。
いや、もちろんマイケルの凄さは、
分かるのだけど。
あの時は、やはり劇場の大スクリーンで
観たからだろうか。


★★★★☆


2009年製作/111分/G/アメリカ
原題:This Is It
劇場公開日:2009年10月28日


Amazon Prime Video で鑑賞


[ 関連エントリー ]
2009.11.9 THIS IS IT





2026.6.14

Michael/マイケル



マイケル・ジャクソンの人生を描いた
伝記映画『Michael/マイケル』を観てきた。
(公式な日本における表記が
『Michael/マイケル』のようなのだが、
なんだか変な感じだね。)

マイケルを演じるのは、ジャファー・ジャクソン
マイケルの実の甥ということで 血縁はあるのだが、
公式サイトにある「彼(マイケル)の遺伝子を
継ぐ」という表現は、ちょっと言い過ぎちゃうか。
同じ遺伝子は持ってるんやろうけど、
継いでる遺伝子は、マイケルの両親の遺伝子やろ。

そんなことはさておき。
製作には「ボヘミアン・ラプソディ」のグレアム・キング。
監督はアントワーン・フークア。
この監督の作品は初めてだ。

「どうせ観るなら IMAX で」と思ったけれど
予約したのが遅かったため、IMAX の上映は
ほとんどチケットが売れていて残りわずかだった。
ろくな席がなっかたので、通常の上映で観た。

すでに続編の製作の準備が始まっている、
との情報も出まわっている通り、なんだか
前編だけを観たような印象だ。

本作では、1969年(10歳)から
1988年のロンドン公演(Bad World Tour)
までを描いている。
その期間であれば、『ベン』のヒットや
ポール・マッカートニーとのデュオ『セイ・セイ・セイ』、
そして『ウィ・アー・ザ・ワールド』のエピソードも
入れて欲しかったと思うけど、やはり2時間に
まとめるのには無理があったのだろう。

とはいえ、十分に見応えのある映画で、
ジャファーが本物のマイケルに見えてしまうような
瞬間も数回あった。

あそこまで上りつめた人なので、その「光」と
ともに「ダークサイド」も深くい大きい。
それは、もう子供時代に始まっていた。
父親ジョセフのコントロール、暴力だ。
ジョセフのことは、ろくでもない父親に
描かれているが、本作の製作には
ジャクソン家も関わっているようなので、
あんな風だったんだろう。

自身がペプシ CM 撮影中の事故で火傷を負った
補償金を全額、子供のための病院に寄付するあたり、
マイケルは、とてもピュアで優しい人だったんだと思う。
ピュアであるがゆえに10歳でスターになり、
孤独だったんじゃないかと思った。
やりたくなかったジャクソンズのスタジアムツアー参加に
同意したのは、そういう慈善のためだったのかも知れない。

また映画の中では、彼が鼻を整形すること
(子供の頃、父親に「でか鼻」となじられている)、
「尋常性白斑」(肌が白くなってしまう病気)で
あったことにも触れられている。
私は、若い頃その病気のことを知らずに、
肌が白くなっていくマイケルを見て、彼が白人に
なりたがっているのかと思っていた。
おまけに鼻が尖がっていく様子は、
なんだかなぁ……という感じだった。
鼻の最初の手術は(映画では描かれていないけど)
1979年にステージの床に鼻をぶつけ骨折したことに
始まるらしく、その後 数回手術を行っている。

続編では、性的虐待疑惑や裁判が描かれるだろうか。
「マイケルが過去に行なった和解の一つに、
映画作品などで同件に触れることを禁じる項目が
ある」との記述も読んだ。
しかし、彼の生涯を描くなら、
そのことに触れないわけにはいかないだろう。

幼少期のマイケルを演じるのは、
ジュリアーノ・クルー・バルディという少年。
毒父親を演じるのは、コールマン・ドミンゴ。

歌唱に関しては、明らかにジュリアーノや
ジャファーが唄っている、と分かるシーンもあれば、
マイケルのように聞こえる部分もあったけれど、
エンドロールでは、マイケル・ジャクソンとなっていた。
どうも、幼少期も成人後も本人の歌唱と
役者の歌唱を上手くミックスしていたようだ。
(関連記事)

マイケルが子供の頃のシーンで、
家にラトーヤ(姉)はいたけれど、
ジャネット(妹・8歳下)は出てこなかった。
ストーリーにあんまり関係ないからかな。

続編も観たいね。


★★★★☆


2026年製作/127分/G/アメリカ
原題:Michael
劇場公開日:2026年6月12日



6月12日に全国390劇場で公開初日を迎え、
動員19万7,826人、興行収入3億1,756万3,940円を
記録したという。
さらに全世界興行収入は9億1,190万ドルを突破。
これは、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)の世界興収
(約9億1100万ドル)を上回り、音楽伝記映画とし
て歴代 No.1 の記録を更新したとのこと。




プラダを着た悪魔 2

The Devil Wears Prada




本日の2本目もアメリカ映画。
『プラダを着た悪魔』(2006年)の
20年ぶりとなる続編。

『プラダを着た悪魔』は確か劇場ではなく
DVD を借りて観たような気がするが確かではない。
ストーリーはほとんど覚えていなかったけど
ファッション雑誌のカリスマ(鬼)編集長ミランダ
(メリル・ストリープ)の横暴ぶりが、
自分なら絶対にこんな人と仕事できない、
と思ったことだけは覚えていた。

続編ということで、ジャーナリストになった
アンディ(アン・ハサウェイ)は、20年ぶりに
ミランダと「ランウェイ」で働くことになる。
で、色々起きるわけだな、これが。

本作の見どころは、やっぱりメリル・ストリープ、
76歳(6月22日で 77歳 / 劇中では 75歳の役)。
なんとカッコよいことか。
姿勢や立ち振る舞いはもちろん、
ミランダとしての、頭のキレ、勘の鋭さも
仕事へのコミットも素晴らしい。
上司にしたいとは絶対思わないけど。
そもそも ファッション業界で働ける服を
持っていないけどね。(そういう問題か?)

アン・ハサウェイは、可愛いらしい女優から
すっかり大人の女性になっておりました。

ちなみに メリル・ストリープとミランダのモデルに
なった『Vogue』のカリスマ編集長アナ・ウィンターは
親戚(血縁関係)だと最近分かったことらしい。
ふたりの先祖の調査をしたところ「5代前にとっての
曽祖父母が同じ人物である」らしい。
「5代前にとっての曽祖父母」って、
8代前の先祖って意味かな。よう分からん。
いずれにせよ、かなり遠い親戚ですが。

監督は、『31年目の夫婦げんか』、
『素晴らしきかな、人生』などのデヴィッド・フランケル。
出演は メリル・ストリープとアン・ハサウェイの他、
1作目と同じく スタンリー・トゥッチ、
エミリー・ブラント など。

以下、ネタバレ。
カメオ出演で、レディ・ガガ が登場し、
ファッション・ショーで唄うのには驚いた。
そのほか、名前を見ても私には分からない、
デザイナー、モデルなどがたくさん出演している。


★★★★▲


2026年製作/119分/G/アメリカ
原題:The Devil Wears Prada 2
劇場公開日:2026年5月1日


[ 関連記事 ]
メリル・ストリープ、アナ・ウィンターと親戚だっ

【ネタバレ】『プラダを着た悪魔2』超豪華カメオ陣をおさらい

[ 関連動画 ](ショートドラマ)
『プラダを着た悪魔2』のミランダ・プリーストリーと
アナ・ウィンターが同じエレベーターに乗ったら?






2026.6.19

幸せの答え合わせ
Hope Gap




公開がコロナの真っただ中だったため、
全くノーマークだった作品。
原題の「Hope Gap」は舞台となる
イギリス南部 ドーバー海峡の西側にある
シ―フォードという町の巨大な崖のある
美しい入り江のことだ。

本作は、熟年夫婦の破綻を描いた作品。
邦題は「幸せの答え合わせ」だが、原題は
作品中何度も出てくるその入り江「Hope Gap」。
と同時に、「Hope Gap」をそのまま訳すと
「希望の隔たり」「希望の落差」ということになり
まさに映画のテーマでもある。

以下、少しネタバレ。
29年連れ添った夫婦。
妻は、夫に言いたい放題で、しまいには
手を上げる始末。
夫は、ずっと我慢して、我慢して、
自分がダメな夫だと責め続けてきた。

そんな夫に新しい女性が現れる。
当初、その女性は登場しないので、
私はそんな女性は実在せず、
夫が妻から逃れるための口実なのではないかと
思っていたが、いやいや、ホンマにいたんです。

で、その夫婦の間に挟まれるのが息子。
私が彼の立場なら、あんなに母親に
優しくできないわ。
「そんな風やから、オトンが出ていくんや!」
って、キレてしまいそうな場面が何度もあった。
私は優しくないと思ったわ。

でも、妻も夫も 悪くないんだよね。
自分らしく生きていたら、歯車が
噛み合わなかっただけで。
違う人となら、うまく行ったのかも知れない、
とも思う。

自分の両親は、離婚してないけど
ちょっと重なる部分もあった。
幸い、私の結婚はお気楽なので、良かったけど。
と、思っているのは私だけだったりして……。

熟年夫婦、夫にビル・ナイ、妻にアネット・ベニング、
息子にはジョシュ・オコナー。
ビルとアネットは9歳差だが、ちょっと
ビルの方が年老いて見えるのは仕方ないか。

「Seaford」「Hope Gap」は本当に
美しく、フォトジェニック。
イギリスには行ってみたいと思わないけれど、
あと何度か人生があるなら、こういう所にも
住んでみたいなと思った。


★★★★☆


2018年製作/100分/G/イギリス
原題:Hope Gap
劇場公開日:2021年6月4日


Amazon Prime Video で鑑賞(レンタル)





2026.6.23

MODERN LOVE
モダンラブ




アマゾン・プライム・ビデオで観ることが
できるドラマ『モダンラブ』。
「シーズン1」は、8つのエピソードで
でき上がっている。
一話が 30分というのは、とても観易く、
3日間で8つとも観てしまったよ。

ニューヨーク・タイムズのコラムに基づく
ストーリーということなので、実話が
ベースのものもあるのかも知れない。

エピソードによって、その「愛」の形は、
赤の他人同士、失われた恋愛、
友情、夫婦、出逢い、親子、同性愛、
養子縁組、老境の愛、と様々。

観進めていくうちに、異人種間の恋愛が
多いことに気付いた。
もちろん世界にそういうカップルがいることは
知っているが、製作側はそんなに人種のことを
気にしなければいけないのかと、逆になんだか
わざとらしく不自然に感じ、微妙な心持ちになった。

しかし、最終話「エピソード8」は、
そういうことが吹っ飛ぶほど素晴らしい作品だった。
どのエピソードも 秀逸で、観終えたとき、
なんとも心が温まるようなストーリーなのだが、
「エピソード8」を 観終えたときは、涙し、
「世界はなんて素晴らしいんだ!」とまで
思ってしまったよ(単純)。
もしかしたら、異人種間の恋愛が多いことも
その素晴らしさの表現だったのかも、とさえ思った。

俳優さん達も良い。
(デーヴ・パテール、アン・ハサウェイ、エド・シーラン
なども出演している。)

観られる方は、「エピソード1」から観る必要は
ないのだけど、「エピソード8」だけは、他の7つを
観てからでないと、観てはいけません。


★★★★★


『モダンラブ』は「シーズン2」のほか「東京」版や
「アムステルダム」版などもあるので観てみようと思う。





2026.6.26

アイ・ワズ・ア・ストレンジャー
I Was a Stranger




シリアの内戦から逃れるために
命がけで国境を越える母娘。
軍の横暴なやり方に疑問を持つ兵士。
トルコからギリシャへ向けて
難民をボートに乗せ、荒稼ぎする男。
そのボートででギリシャに
密航しようとする家族。
嵐の海で、命がけで難民を救うギリシャの
沿岸警備隊の船長。
5つの家族の人生が交差する物語。

戦争の狂気は容赦を知らない。
そして自然も。

2011年から2024年までのシリア内戦で
1400万人が国外避難余儀なくされたという
現実をもとに描いた群像ドラマ。

「日本は終わりだ」などという人もいるようだが、
不安定な地域は、世界にまだまだある。
日本は本当に天国のようだと思う。
と同時に、中東の不安定さの現実は、
私たちには本当の意味では、分かり得ないのだ思う。

上映前は、寝不足もあって眠くなりそうな
気がしていたけど、映画が始まったらとんでもない。
最初から、戦場の病院、爆撃、生き埋めと
異常な緊張感の連続で一気に眠気なんて吹っ飛んだ。

有史以来、世界で争いのなかった日は、
一日たりともない。
それぐらい人類は、争うことが好きなのか。
または学ばないのか。バカなのか。
争いが耐えないというのは、
「人間は変わらない」という確たる証拠だろう。

登場人物は、紛争に翻弄されながらも、
必死に生きようとする。
愛する家族を守ろうとする。
避難民の弱みにつけ込み、荒稼ぎする男は、
救命胴衣を人数分揃えず、ボートが無事に
ギリシャに着こうが着くまいが
「儲けは同じだ」と悪びれずに言う。
しかし、男には金が必要な訳がある。

いとも簡単に命を奪う戦争という狂気と、
自分の命を懸けてでも人を救おうとする
ヒューマニズムが、ごちゃ混ぜに存在する世界。

戦争の狂気は容赦なく、
誰もが無力に思えた。
観終えた瞬間は、救いがなく、
どうすることも出来ず、
世界は絶望的に思えた。

ふと先日、韓国の哲学者アン・クァンボク先生の
講演で聴いた言葉を思い出した。
30数年、高校で哲学の教師を務めてこられた
先生は、こう言われた。
「私には、世界は変えられない。
人間は変わらない。
でも、少しでも良くするためにできることはある」

敵であっても命を救おうとする医師。
自分の良心に従って、軍を裏切る兵士。
救命胴衣を自分より幼い子供に譲る少女。
海に落ちた子どもを救おうと飛び込む兵士。
嵐の海で、命を懸けて難民を救おうとする船長。
そして、清掃員として働く元医師。

彼らには、戦争は止められない。
救えない命もある。
でも、そんな中で少しでも世界を良くするために
できることはある。
私はその中に希望を見たい。


★★★★★


2024年製作/104分/G/アメリカ・ヨルダン・パレスチナ合作
原題:I Was a Stranger
劇場公開日:2026年6月19日





2026.6.27

デタッチメント 優しい無関心
Detachment




映画『デタッチメント 優しい無関心』。
原題の「Detachment」は、「分離」「孤立」
「無関心」「公平」などの意味があり、
良い意味でも悪い意味でも使われるようだ。

以下、ネタバレ含みます。
エイドリアン・ブロディ演じるヘンリーは、
非常勤教師で、次の常勤教師が決まるまでの
短期間だけ その高校の教壇に立つ。
赴任したのは、荒廃した高校。
短期間の勤務なので、どっぷり生徒との
関係を作るわけでもない。
同僚の女性教師と食事をしても、
自分のことは話さない。
ティーンの売春婦エリカがバスの中で暴力を
振るわれても助けようとしない。
徹底的に、世間と「分離」して生きている。
その背景は、育った家庭環境にある。

結局、エリカのことを放っておけなくて
しばらく家に居候させるのだが、
嫌がる彼女を養護施設に引き渡す。
このシーンが、つらい。
これも「分離」「無関心」か。
いや、無関心な訳ではないのは
観ていて分かる。

本人は割り切って仕事をしているのかも
しれないが、生徒にも好かれてしまう。

そして、ヘンリーを好きだと言った女子生徒が、
目の前で自殺する。
ヘンリーは彼女を救いたかったが、
救えなかった。

誰もが問題を抱え、生きている。
なんとか折り合いをつけて。

荒廃した教育現場は悲惨だ。
生徒は自らをダメにし、時間と命を浪費していく。
気が付いた時には、もう立ち直れない
ところまで落ちている。
教師はなんとかしようとするのだが、
どうにもならない。

教師とは何か、教育とは何かに迫る、
社会派作品。
出口がなく、ちょっとしんどい作品でした。

最後、ヘンリーは養護施設にいるエリカに
会いに行く。
あれは、ただの面会か。
それとも迎えに行ったのか。
そうだとしたら「分離」「無関心」を超えて、
ヘンリーの持つ本来の優しさ・愛が現れたのか。
そして、ヘンリーの独白は、誰に向けてなのか。
余白の多い作品です。


★★★▲☆


2011年製作/97分/アメリカ
原題:Detachment
日本では劇場未公開

DVD で鑑賞





2026.6.30


MODERN LOVE Amsterdam
モダンラブ・アムステルダム




先日アマゾン・プライム・ビデオで観たドラマ
『モダンラブ(シーズン1)』がとても良かったので
アムステルダム版を観てみた。
こちらも 30分ほどのドラマが6話。

アムステルダム版にもオープニングに、
「ニューヨークタイムズ紙のモダンラブ欄に基づく」
と出るのだけど、ニューヨーク版とは
ずい分と印象が違う。
ニューヨーク版がストレートだとしたら、
変化球が多いといえば良いのかな。
ハーピーエンドではない、欧州的(?)な
ストーリーもあったし。

オランダは、事実婚であっても法律上
結婚同等の権利が認められているらしく、
結婚しないカップルもいるようで、
そのまま子どもを持ち家族になるケースも
珍しくないようだ。
「個人主義」「オープンなコミュニケーション」が
基本にあるようで一般的な日本人とは
ずい分と考え方が違うと感じた。
そういう背景もあるのか、ちょっと私には
理解しがたい関係もいくつか描かれていた。

エピソード6は、夫婦で互いが別にセックスの
パートナーがいることをオープンにしており、
子供にまでそのことを共有する家族が出てくる。
私には驚きだったが、観ながら自分の考えが
保守的で古いんだとも思った。
そんな家族が本当に普通にオランダにいるのか
どうかは分からないし、それが良いとも思えないの
だけども、頭ごなしに否定するのも違うな、と思った。
そういう関係はある意味、人類の進化かも知れないし。

『モダンラブ』は東京版もある。
また違うテイストかも知れないので
観てみようと思う。


★★★▲☆





2026.7.2

マジェスティック
The Majestic




ジム・キャリーというと『マスク』や
『Mr. ダマー』のようなコメディの印象が強いが、
本作は米国の1950年代の赤狩りを題材にしたドラマ。

ジム・キャリー演じる、ピーター・アプルトンは
ハリウッドの脚本家。
そんな彼に共産党員の疑いがかけられる。
仕事を干されたピーターは、自動車事故を起こし
川に落ちる。
気が付いたら、見知らぬ街に流れ着いていた。
ピーターは 記憶喪失になっており、
街の人々は 戦死したルークが生きていたと、
勘違いする。

タイトルの「The Majestic」は「威風堂々」と
いう意味で、ルークの父親が経営する映画館の名前。
戦争で若者を多く失った街は、
ルークの奇跡の帰還で活気を取り戻す。
閉鎖されていた映画館「The Majestic」も再オープンだ。
しかしやがて、その街にも FBI の捜査の手は及ぶ。

1950年代に入っても、まだまだ戦争の傷跡が
生々しかったことが、本作から感じられる。
街の若者が「ノルマンディで戦死」と聞いても
なんともないのに「沖縄で戦死」と聞くと、
自分の心の何かが反応するのが分かる。
戦死という本質は、同じなのにね。

アメリカ映画らしい結末で、
アメリカの負の側面・歴史を批判しつつ、
勇気と希望に満ちた、英雄の物語。

監督は『ショーシャンクの空に』、
『グリーンマイル』のフランク・ダラボン。


★★★★☆


2001年製作/153分/アメリカ
原題:The Majestic
劇場公開日:2007年6月22日

DVD で鑑賞





2026.7.5

MODERN LOVE Tokyo
モダンラブ・東京




アマゾン・プライム・ビデオのドラマ『モダンラブ』。
アメリカ版シーズン1、アムステルダム版に続いて
東京版を観た。
東京版は 30分から 40分ほどのドラマ、
7話からなる。
こちらも「ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された
コラムを基に」となっているが、日本が舞台だからか
日本人がスタッフで出演者も日本人だからか、
仕上がりも幾分日本的に感じた。

同性愛の夫婦、母乳で息子と繋がろうとする母親、
離婚した夫婦、熟年男女の出会い、
妻がうつ病の夫婦、出会い系アプリで別の人物に
なり切る男とその男に惹かれる女、国際的な恋愛、
高校時代の恋を終わらせられない女など、
やはり色んな恋や愛の形を描いている。

始めに観た「アメリカ版シーズン1」があまりに
良かったため、残念ながらそれは超えない。
話しによっては、それなりに楽しめたけど、
私にはリアリティのない話しもあったし、
多少嫌悪感を感じる演出もあった。
エピソード6では、私が感動した「アメリカ版
シーズン1」の「エピソード8」のスタイルを
踏襲するが、全く及ばず。
別になくても良かったぐらい。

出演者は、水川あさみ、前田敦子、
榮倉奈々、柄本佑、伊藤蘭、石橋凌、
成田凌、夏帆,、永作博美、ユースケ・サンタマリア、
ナオミ・スコット、池松壮亮と豪華。
エピソード7はアニメで、声の出演に
黒木華、窪田正孝ら。
どうせなら、実写で観たかった。

個人的にはエピソード3(出演/伊藤蘭、石橋凌)の
熟年の男女の初デートの話しが好きだな。
「そんなことあるか?」というような展開だけど、
事実は小説より奇なり、というからな。


★★★▲☆






 ひとりごと