2026年1月
感想・ご意見は→ shinya◇shin223.com
メールをくださる方は、上記アドレスの◇を@に変えて送ってください。(スパムメール対策)
2026.1.2
新 年
無事に新しい年を迎えました。
2025年は3月に義母、8月に義父が亡くなり、
私の母は、11月に90歳になりました。
1995年12月24日(か25日だったと思う)に
上京した私は、東京生活30年を迎えました。
大晦日から元日まで大阪に帰省しておりました。
大晦日は、いつも家族が集まって
ワイワイと騒いでいましたが、父と姉がいなくなり、
少しずつ人数が減っています。
90歳の母が、いつまで元気でいられるか
分かりませんが、母がいなくなったら、
正月を大阪で迎えることもなくなるのかなと思います。
自分の人生も、後半戦だとしみじみ思います。
残りの人生を楽しく、笑って過ごしたいと思います。
今年は、2年ほど更新をサボっている
YouTube(ソロ・ギター)を再開する予定です。
本年もよろしくお願い申し上げます。
闘う菩薩道
我が使命いまだ尽きず
佐々井秀嶺 著
2023年7月に佐々井秀嶺(しゅうれい)さんの
記事を読んだ。
佐々井さんは、60年近くインド中部のナーグプルに
住み、仏教の復興に尽力されている人。
インド仏教界の最高指導者の一人が
日本人だということに驚いた。
その記事には、2022年秋に、従業員1千人を
抱える日本人の元社長が得度を受けた
話しが出てくる。
その記事を読んだ後、妻の仕事の関係で
小野龍光さんを知った。
龍光さんは、以前は年商100億超えの
IT企業の CEOだった人。
前述の記事に出てくる元社長に違いない。
龍光さんは、数字を追い続ける生き方に
疑問を持ち、CEO を辞めて 友人に誘われた
インド旅行で、佐々井秀嶺上人に出会う。
佐々井さんは、1億人以上と言われる
インド仏教の頂点に立つ指導者。
1967年にインドに渡って、現在まで
インド仏教の復興に尽力されて来た方だ。
佐々井さんは、人生に迷っている龍光さんに
(その時はまだ「龍光」という名前をもらって
なかったけど)、「坊主になったらどうだ?」
と提案する。
龍光さんは、それまでの全てを捨て得度する。
出家だ。
龍光さんのお話しは2度か3度聴く機会が
あったが、とても素晴らしかった。
龍光さんの師匠となった佐々井さんの本を読んだ。
『我が使命いまだ尽きず 闘う菩薩道』
この本は、2010年に出版された『必生 闘う仏教』と
2015年に出版された『求道者 愛と憎しみのインド』の
2冊をまとめた上に、第三部として新たに
追加された部分も含めて、再出版されたもの。
クラファンで資金を募っての再出版だ。
読み応えのある本で、知らなかった仏教のこと、
インドのことを知ることができた。
もちろんこの本一冊で何かが分かったとは
思わないけど。
インドといえば、30年ぐらい前に
知人に聞いた話しを思い出す。
彼はインドを旅して来たが、街中で手や足のない、
物乞いする子供を見たと言う。
手や足のない子供の方が、同情を買い
沢山恵んで貰えるというので、親が手足を切るのだと聞いた。
日本人の感覚すれば、信じられない話しだが、
見て来た人が言うのだし、この手の話しは他でも
見聞きしたことがあるので、嘘ではないのだろう。
話しを本に戻そう。
インドのカースト制度というのは、
ヒンドゥー教の身分制度のことで、
1950年にインドの憲法で禁止されたが、
禁止されたのは「差別行為」であって、
カーストそのものは現在でも受け継がれているらしい。
「不可触民」と呼ばれる最下層の人々は、
人間扱いされず、大変ひどい差別を受けてきた。
今もその差別はなくなっていないようだ。
生まれた身分で一生が決まってしまう
ひどい制度だ。
そのヒンドゥー教が力を持つインドで、
人間の平等を謳う仏教は、当然、
一部の人間にすれば目障りな宗教だろう。
佐々井上人は、そのインドで人々のために
闘い続けてきた。
仏教なのに「闘い」というのは、違和感が
ありそうだが、本書を読めば「闘い」であることが
よく分かる。
本のタイトル通り「闘う菩薩道」なんだ。
龍光さんに出会ったあと、インドに行き、
佐々井上人と会って、得度した人を知っている。
彼女は衣(ころも)を着ていると
「内なる平和の状態」でいられるという。
信号無視もしないし、電車でも立っているし、
急がないし、ゆずる心があるという。
私は得度しないが、何となくだけど分かる。
その「内なる平和」のずっと先には
世界平和があるんだろう。
★★★★☆
2026.1.7
春風亭一之輔・ロケット団
「ラ」の会 Vol.3
約2年ぶりに一之輔の落語を聴いてきた。
「ラ」の会の「ラ」は「ラジオ」と「落語」の「ラ」らしい。
この会は、毎回ゲストにラジオに関係のある
ゲストを呼んで開催されているようで、
今回のゲストは、ラジオ番組を持っている
漫才コンビ・ロケット団。
ロケット団は、テレビでは滅多に観ないけど、
寄席で知って以来、好きなコンビ。
特に山形県出身の三浦の方言ボケは面白い。
彼らのラジオは聴いたことがないのだけど。
ラジオは滅多に聴かなくなった。
車の運転中ぐらいかな。
なので一之輔のラジオも聴いたことがない。
トークは、ラジオがらみの話しもあったけど、
聴いていなくても笑えたよ。
一部分からないこともあったけど。
ロケット団の漫才は、地上波では放送できない
ネタで、面白いと言えば面白いけど、
他人をディスるネタが多いので、聴いていて
全員が笑えるわけではないだろうな。
トークのとき「ロケット団のラジオを聴いている人?」
との問いに結構な数の手が挙がっていたので
彼らのファンも多いと見た。
一之輔の落語は、ひと言目、
「嬉しいなぁ、今日はおとっつぁんとお出かけだ」
と言っただけで、笑いが起こる。
落語ツウのお客さんが多いことが分かる。
すぐに、おとっつぁんが
「なんで笑ってるのか分からねぇな」と拾う。
いいねぇ、このライヴ感。
「初天神」だが、今日は一之輔がその続きを
創作した「団子屋政談」ヴァージョンで。
バカバカしいけど笑える。
一之輔の噺では、生意気な金ちゃんの台詞と
おとっつぁんの団子の密のなめ方が好きだな。
一之輔を初めて観たのは、もう12年も前で
当時は確か弟子もいなかったと思う。
今年48歳で、ずい分貫禄も出てきた印象だ。
[ 演 目 ]
トーク(一之輔・ロケット団)
春風亭いっ休(二ツ目) 「猫と金魚」
ロケット団 漫才
--- 仲入り ---
トーク(一之輔・ロケット団)
春風亭一之輔 「団子屋政談(新・初天神)」
@ 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
2026.1.13
LEE RITENOUR "Gentle Thoughts"
featuring PATRICE RUSHEN,
HARVEY MASON & MELVIN DAVIS
「ジェントル・ソウツ・リユニオン・ライヴ」と聞いて
楽しみにしていたライヴ。
『Gentle Thoughts』は、1977年に発売された
アルバムでレコーディング・メンバーは、
リー・リトナー (g)、アーニー・ワッツ (sax)、
デイヴ・グルーシン (key)、パトリース・ラッシェン (key)、
アンソニー・ジャクソン (b)、ハーヴィー・メイソン (dr)、
スティーヴ・フォアマン (per)。
2005年にもリユニオン・ライヴがあったのだけど
その時の来日メンバーは、リー・リトナー (g)、
パトリース・ラッシェン (key)、エイブ・ラボリエル (b)、
アレックス・アクーニャ (dr) 、アーニー・ワッツ (sax) だった。
今回はドラムがオリジナル・メンバーの
ハーヴィー・メイソン (dr) だというのは嬉しい。
ベースは、アンソニー・ジャクソンが
昨年10月に他界してしまったので、
もう共演は観られないんだなー。
今回のベースは、リトナーとは長い付き合いの
メルヴィン・デイヴィス。
さて、今年一発目のライヴ。
昨日、久しぶりに『Gentle Thoughts』を
2ヴァージョンとも聴いて臨んだよ。
でも結局、『Gentle Thoughts』からの曲は、
『Captain Caribe』とアンコールの
『Captain Fingers』だけだった。
サックスがいないので、『Captain Caribe』は
ちょいさびしかった。
『Captain Fingers』は、もうリーの指が
ついて行かず、本人も笑うしかないような
演奏だったけど、なんだか微笑ましかった。
もうおじいちゃんになってしもて、
若い頃みたいには、弾けないんだよな。
その他の曲は『The Village』、
『Stolen Moments』、『Etude』など。
全曲知っていたけど、曲名が言えない。
ハービー・メイスンのドラムは、良かったけど
途中キメが合わない場面もあった。
でも大きな事故にならないのはやっぱり一流。
アマチュアだと崩壊しているよ。
もう50年ぐらい一緒に演っている仲間だから
やっている方も安心なのだろうな。
なんだかそんな信頼関係も感じた。
リーのギターは、ここのところ数年のメインの
サドウスキーと後半はレスポール。
一昨年も感じたけど、リーの歩き方が、
歩幅が狭く、ちょっと身体が悪そうな感じ。
お腹も出ているし。
先日、74歳になったばかり。
健康には気を付けて欲しいです。
[ MEMBERS ]
Lee Ritenour (g)
Patrice Rushen (p,key)
Harvey Mason (dr)
Melvin Davis (b)
@ Blue Note Tokyo
* * * * * * *
レコード "Gentle Thoughts" について
ここで何度か触れて来たけれど、
リー・リトナーの『ジェントル・ソウツ』は、
高校時代の私にフュージョンのスリルと
気持ち良さを教えてくれた重要なアルバムだ。
このレコードは、ダイレクト・カッティングという
方法で録音された。
普通は、演奏をテープに録ってから
レコード盤にカッティングする。
そうすると、間違った部分だけやり直したり
できるわけだが、一回テープを通るために
ノイズが増えてしまう。
それで、演奏をテープに録らずに、そのまま
レコード盤にダイレクトにカッティングするという
方法が取られた。
つまり、A面1曲目が始まるとA面の終わりまで
約20分間 ノンストップで演奏をしなければならず、
当然ミスも許されない。
そんな風に録音されたのが、この『ジェントル・ソウツ』で、
1回の演奏で、カッティングできるレコードの数が
限られているので、「テイク2」もレコード化された。
私が高校生の時に買ったのは、この「テイク2」だった。
今では両方 CD 化されている。
[ 関連エントリー ]
2010.8.19 GENTLE THOUGHT
2011.11.2 GENTLE THOUGHT Take 2
(2026.2.7 追記)
1月13日のセットリスト(2nd show)
1. THE VILLAGE
2. STOLEN MOMENTS
3. IMPROVISATION
4. ETUDE
5. LIL BUMPIN’
6. WALTZ FOR CARMEN
7. STONE FLOWER
8. CAPTAIN CARIBE
EC. CAPTAIN FINGERS
Blue Note の LIVE REPORTS より
2026.1.15
Boone's Farm featuring
Steve Lukather, Michael Landau,
Keith Carlock, Jeff Babko, Tim Lefebvre
「Boone’s Farm」は、ルカサーとランドウによるプロジェクト。
彼ら二人は、12歳から友人だというが
まさかこのふたりのライヴが実現するとは!
3日間6公演(東京)のチケットは、
当然ソールド・アウトです。
その初日の 2nd ショーを観てきた。
9割がおっさんという観客。
この顔合わせを間近で観られるのは
人生で最初で最後かもしれない。
メンバーは、キーボードにスティーヴ・ガッド・バンドの
一員としても来日したことのある、ジェフ・バブコ。
ベースは、ティム・ルフェーヴル。
なんとこの人は、テデスキ・トラックス・バンドの
メンバーとしても来日している。
そして、ドラムのキース・カーロック。
マイク・スターンバンドや TOTO でも来日している。
サイモン・フィリップスやデイヴ・ウィックルに
比べるとなぜか幾分地味な印象。
ひたむきにドラムを叩いている感じ。
マイケル・ランドウは、昨年1月のスティーヴ・
ガッド・バンドの来日を、ロスの山火事の影響で
キャンセルしたが、元気そうでした。
今日はアディダスのジャージ姿に、2ハムの
サンバーストのストラトキャスター。
スティーヴ・ルカサーは、若い時はかわいらしい
顔をしていたのだけど、髪の毛は真っ白で、
ワイルドなオヤジです。
アニーボールのギターを3本使用。
たぶん、2ハム、SSH、3Sの3種類だったと思う。
曲は、スティーヴがヴォーカルを取ったロックナンバーや、
マイケルが唄ったブルースナンバーなど。
曲名が分からないのだけど、数曲イントロで
拍手が起こった曲があった。
それらは、おそらくマイケルの曲だろうと思う。
意外な選曲だったのは、マイルスの『TUTU』。
スティーヴが演ると完全にロックだ。
ラストは、スティーヴが「ジェフ・ベックと
ラリー・カールトンに捧げる」と言って、
『The Pump』(ジェフのカバー)。
約80分ぐらいかな。
アンコールは、なし。
このふたりが並んで楽しそうにギターを弾く絵は、
一見の価値があると思った。
ライヴだけで、CD や映像にはならないみたいだけど、
もたいないな。
[ MEMBERS ]
Steve Lukather(Gt,Vo)
Michael Landau(Gt)
Keith Carlock(Dr)
Jeff Babko(Key)
Tim Lefebvre(Ba)
@Billboard Live Tokyo
2026.1.16
THE RON CARTER QUARTET
今夜は、ジャズの重鎮、生きる伝説のひとり
ロン・カーターのカルテットを聴いてきた。
ロン・カーターは現在 88歳。
60年代にはマイルスのグループにいたのだから
まさに LIVING LEGEND。
ロン・カーターのライヴは数回観ているのだけど、
今日が今までで一番素晴らしかった。
上質で上品、礼儀正しくジェントル。
円熟というのは、こういうことを言うのだと思った。
1曲目から40分ほどノンストップでメドレーが続いた。
前の曲が完全に終わる前にロンが次の曲を弾き出す。
順番決まっているのか、その場その場で
思いついた曲を始めるのか分からないけど。
曲名が分かるのは、『Seven Steps to Heaven』と
『All Blues』ぐらいなのだが、
他にも聞き覚えのある曲もあった。
特に素晴らしかったのは、ピアノとのデュオによる
『My Funny Valentine』。
出だしはピアノだけで始まり、途中からロンのベースが
入って来るのだけど、まるで違う曲を弾いているような
感じなのにやがて一つになる。
そして、展開が美しい。
その次に演ったのが、ソロ・ベースによる
『You Are My Sunshine』。
これまた素晴らしかった。
途中で、バッハの『無伴奏チェロ組曲』も出てきた。
ラストは『You and the Night and the Music』。
アンコールは、なしで約90分。
演奏後の深いお辞儀にもなんだか感動。
今回のツアーは、ブルーノート2日4回公演に
加え、愛知、東京、群馬、山形を周る。
今年の5月で 89歳。
元気やなぁ。
背筋も伸びていて、ユーモアもあって、
健康そうに見えたけど、また来日してくれるかな。
[ MEMBERS ]
Ron Carter (b)
Jimmy Greene (ts)
Renee Rosnes (p)
Payton Crossley (ds)
@ すみだトリフォニーホール
2026.1.20
光る海 吉田博展
木版画は川瀬巴水が好きなのだけど、
川瀬と同時代の画家・版画家、吉田博の
作品を観たくて、熱海のMOA美術館に行って来た。
1876年生まれの吉田博は、23歳の時、
書き溜めた水彩画と1ヶ月分の生活費のみを
持って、アメリカに渡った。
デトロイト美術館などでの展示即売会で、
自分の作品を売って資金を作り、そのまま
ヨーロッパを回って、2年後に帰国したという。
明治時代、渡米するだけでも大変なことで
あっただろうになんと大胆なことか。
吉田は、その後も渡航を繰り返し
海外での暮らしは計7年に及ぶという。
川瀬に比べるとより写実的。
版画の摺りの回数は平均30回で、
多いものでは100回近いという。
摺りを重ねることで、より繊細なニュアンスを
表現することに成功している。
開催中の「光る海 吉田博展」には、
木版画が約70点、展示されていた。
その中で一番感銘を受けたのは
展覧会のテーマにもなったこの作品。
ダイアナ妃が執務室に飾っていたという
「光る海」(1926)。
瀬戸内海を描いたもので、とても版画とは思えない。
海面に反射する太陽に光が美しい。
ダイアナ妃が、もう一枚執務室に飾っていたという
吉田の作品が「猿沢池」(1933)。
摺られてから100年ぐらい経過しているので、
幾分色が落ち着いているのではないか、
元々はもっと鮮やか色だったのではないか、
と素人なりに推測する。
川瀬の作品にも同じものを違う色で摺ったもの
(別摺)があったが、吉田の場合は
それはひとつの特徴のようである。
先の「光る海」と同じ瀬戸内海集には、
異なる時間帯を表現した「帆船」という作品がある。
それは、朝、午前、午後、霧、夕、夜という
6つの作品になっており、それぞれが素晴らしいが
並べて観ると、その表現に唸らされてしまう。
先に「元々はもっと鮮やか色だったのではないか」
と書いたが、壁に大きくプロジェクターで
映し出されるコーナーがあって、大きさの
迫力と色の鮮やかさで、実物よりもその方が
何か伝わってくるものがあったのは、
ちょっと複雑な心境になってしまった。
日本国内だけではなく、
外国を描いた作品も多く展示されていた。
アメリカ、ヨーロッパ、インド、東南アジア、
中国、朝鮮(南北に分かれる前)。
「パルテノン神殿」や「スフィンクス」なんて
作品もあった。
1925年(大正14年)にそんな所を
旅した日本人が一体何人いただろうか。
外国を描いた作品の中ではこの2つが
特に気に入った。
ルガノ町(スイス)1925
ヴェニスの運河(イタリア)1925
ところで、MOA美術館には初めて
訪れたのだが、その規模に驚いた。
温泉地に時々ある、小さな美術館を
勝手にイメージしていたのだ。
入場してから、長い長いエスカレーターで
展示室に昇っていく。
美術館が山に造られているからだ。
入場した途端、そのエスカレーターで
非日常的に連れて行かれる。
MOA美術館の「MOA」は
「Mokichi Okada Association」の略。
岡田茂吉美術文化財団のこと。
岡田茂吉が創立者。
2026.1.23
STEPHANE WREMBEL TRIO
A Celebration of the Birthday of Django Reinhardt
「ジプシー・スウィング」といえば、
ジャンゴ・ラインハルト。
(Django Reinhardt / 1910ー1953)
ジプシー・スウィングの創始者と言われる
ベルギーのギタリストだ。
ジャンゴは、1928年 火事で大やけどを負う。
左手の薬指と小指に障害が残り、
二度とギターは弾けないというほどの怪我だった。
しかし、残りの3本指で独自の弾き方を編み出したのだ。
今日1月23日は、そのジャンゴ・ラインハルトの誕生日。
その誕生日にジャンゴを敬愛する、
ステファン・レンベルのライヴを観てきた。
上海、北京を周って、東京で昨日と今日2日間4公演。
このあと韓国、インド。
そして2月はアメリカを周るようだ。
演奏は、ギターふたりとベースのトリオ。
もう一人のギター、Josh Kaye は
完全にリズムギターに徹していた。
ベースの Ari Folman-Cohen は
何かのライヴで見たことがあるような
気がしたけど、思い違いかもしれない。
まず、ステファンがソロ・ギターで
ジャンゴの曲を2曲。
それからトリオの演奏。
ジャンゴの曲はたくさん知らないし、
「ジプシー・スウィング」もそんなに聴いて
いないのだけど、やっぱり、ライヴで聴くと良いなぁ。
マカフェリ・ギターがが欲しくなったもん。(単純です)
ステファンのギター
「ジプシー・スウィング」って、
アメリカのジャズとは全く別もん。
とても哀愁に満ちている。
ジャンゴの曲『Dark Eyes』など以外には
(超有名曲『Minor Swing』は演らず)、
ステファンのオリジナルでウディ・アレンの映画
『ミッドナイト・イン・パリ』の挿入曲として
有名な『Bistro Fada』や、日本の東日本大震災を
題材にした『Tsunami』など。
『Tsunami』は、ジプシー・スウィングではなく、
なんというか哀しみと怒りを抱えた
鎮魂歌のように聞こえた。
この曲の前には「日本来るのが夢でした」というMC。
フランス人なので、割と聞きやすい英語だったけど、
それでも、半分も分かってないな。
昨年リリースされた最新アルバム
『Django New Orleans II:Hors Serie』
収録の『La Javanaise』では
「I’m not a singer」と言いながら、
ええ感じの唄(シャンソン)を聴かせてくれた。
フランス語なので、なおええ味でした。
[ MEMBERS ]
Stephane Wrembel (g)
Josh Kaye (g)
Ari Folman-Cohen (b)
@ Cotton Club
2nd show
[ 関連エントリー ]
2017.12.12 永遠のジャンゴ DJANG
2026.1.25
五十嵐紅トリオ シネマ 2026
このトリオを聴くのは初めて。
何かを見て今日の公演を知り、
興味が湧いてチケットを買ったのだけど、
数ヶ月前のことでなぜ聴きたいと思ったのかも
忘れてしまっていた。
今日になってチケットの「シネマ」という文字を見て、
映画音楽なので興味を持ったんだと思い出した。
それでもまだジャズのピアノトリオかと思っていたから、
私の記憶力はかなり衰えてしまった。
このトリオは、クラシックギター、ヴァイオリン、チェロ。
3人とも音大や芸大卒の演奏家で、
五十嵐紅さんはギタリストだ。
会場は横浜のみなとみらいホール(小ホール)。
初めてだったけど、こういう室内楽を演るのに
ちょうど良いサイズのホール。
驚いたのは、客層。
8割以上が女性だったと思う。
女性に人気のグループだったんだ。
楽曲はこのトリオのためにアレンジされており
今回のプログラムを演るのは、今日が初日とのこと。
技術的に難しいアレンジなのは、聴いていても
分かったけど、五十嵐さんは初めて楽譜を見た時
「絶望した」と言ってたよ。
気になったのは、ヴァイオリンやチェロに比べて
クラシックギターは音量的に弱いこと。
ギターは、弦を一回弾いたらあとは音が減衰していく
撥弦(はつげん)楽器なのに対し、ヴァイオリンや
チェロは弦を弓で擦って音を出す擦弦(さつげん)楽器。
擦弦は弓で擦っている間、音を発し続けるので
当然音量的に強いわけだ。
それに加えて、彼のギターが少し小ぶりなサイズで
あることも関係あるかも知れない。
だからといって、ピックアップを付けたり、
マイクで音を拾ったりすると、きっとコンセプトが
違ってしまうんだろうな。
聴く方も完全なアコースティックである方が
なんとなく贅沢に思ってしまうのは変か。
録音(CD)では、もちろんちゃんとバランスを取ってある。
興味のある方は、YouTubeで検索して欲しいが、
ギターのメロディの後ろで、ストリングスのハーモニーが
鳴っているのは、とても気持ち良い。
弦のふたりをギターで伴奏している演奏も
とてもリッチで重厚で良い。
私も演ってみたいが、なかなかそんなこと
叶わないわな。
本日のプログラムは次の通り。
1. ムーン・リバー(マンシーニ)
2. 組曲「サウンド・オブ・ミュージック」(ロジャース)
3. 戦場のメリークリスマス(坂本隆一)
4. タイタニック(ホーナー)
5. オブリビオン(ピアソラ)
6. リベルタンゴ(ピアソラ)
7. シンドラーのリズム(ウィリアムズ)
8. ハリーポッター(ウィリアムズ)
アンコールは、組曲「サウンド・オブ・ミュージック」から
『My Favorite Things』。
このときは撮影OK。
今日は、やたらと眠い日で、半分以上は
ウトウトしてしまい、勿体ないことをした。
[ MEMBERS ]
五十嵐紅 (Guitar)
倉冨亮太 (Violin)
広田勇樹 (Cello)
@ 横浜みなとみらいホール(小ホール)
2026.1.30
忌野清志郎
HAVE MERCY !
KIYOSHIRO IMAWANO
with BOOKER T. & THE MG'S
ずい分前に購入した清志郎のライヴDVDを
観直した。
1992年4月、BOOKER T. & THE MG'S と
MEMPHIS HORNS 合計7人のアメリカ人の
バンドと周ったツアーの日本武道館での演奏を
中心に、オフステージや武道館以外の会場の
映像も少し収められた作品だ。
何より、今となっては清志郎ご本人、
スティーヴ・クロッパー、 ドナルド・ダック・ダンが
鬼籍に入られ、本作が歴史的な記録だと
観ながらしみじみと思った。
当時、清志郎は 41歳。
クロッパー、ダック・ダンは 50歳で
今見るとまだまだ若い。
清志郎は、嬉しかっただろうなぁ。
このメンバーと同じステージに立てるなんて、
ソウル、R&B ファンなら夢のまた夢のような話しだ。
しかも自分のバックバンドだぜ。
このライヴの年、清志郎はテネシー州メンフィスの
名誉市民になっている。
そのことは、収録されたクロッパーとの共作
『MTN』(メンフィス・テネシーのこと)にも
歌われている。
圧巻は、『トランジスタラジオ』。
RCサクセションの演奏も良いが、強烈だ。
そして、『The Dock Of The Bay』。
この曲では清志郎とクロッパー、ブッカー・Tが
ヴォーカルを交互に取る。
また、ミュージシャンの奥さんたちやスタッフ、
清志郎のまだ小さい子供たち
(下の女の子は5カ月)もステージに登場する。
先日読んだ『忌野くんと仲井戸くん』が
94年から96年に書かれたもので、そこに
子どもたちの話がたくさん出て来ていたので、
なんだか初めて会った親戚の子供みたいに思えたよ。
クロッパーは、武道館では Peavey(?)の
テレキャスター・タイプだけど、違う会場では
Fender(?)のオール・ローズのような
テレキャスターを弾いている映像もあった。
『つ・き・あ・い・た・い』では、ダック・ダンの
演奏しながらのダンスも観られる。
メンバーも楽しそうだ。
DVD は 60分。
CDは 78分で、2023年に発売された
アナログ盤は清志郎の歌唱は全て収録し、
LP3枚組となっている。
できれば、映像でコンプリート版が
観てみたいなぁ。
[ 曲 目 ]
1 GREEN ONIONS
2 BOYS
3 カモナ・ベイビー
4 メドレー HOLD ON,I'M COMIN'~KNOCK ON WOOD~LAST NIGHT
5 石井さん
6 LIKE A DREAM
7 ぼくの目は猫の目
8 世間知らず
9 高齢化社会
10 つ・き・あ・い・た・い
11 トランジスタ・ラジオ
12 MTN
13 (SITTIN'ON) THE DOCK OF THE BAY
14 SHAKE
[ MEMBERS ]
忌野清志郎 (vo)
ブッカー・T・ジョーンズ (or)
スティーヴ・クロッパー (g)
ドナルド・ダック・ダン (b)
アントン・フィグ (dr)
ウェイン・ジャクソン (tp)
アンドリュー・ラヴ (t.sax)
ジム・ホーン (br.sax, s.sax)
BOOKER T. & THE MG'S の
60年代から70年代にかけての黄金期の
メンバーは、次の通り。
ブッカー・T・ジョーンズ、
スティーヴ・クロッパー、
ドナルド・ダック・ダン、
アル・ジャクソン
残念ながらドラムのアル・ジャクソンは、
1975年に殺人事件で殺されてしまった。
[ 関連エントリー ]
2009.5.4 ROCK の死
2012.5.13 STAX! featuring Steve Cropper,
Donald "Duck" Dunn & Eddie Floyd
2018.10.30 Memphis Meets Muscle Shoals
featuring Willie Hightower, Steve Cropper&Hi Rhythm
2025.12.3 忌野くんと仲井戸くん
2025.12.4 Steve Cropper スティーブ・クロッパー 逝く